特許第6367491号(P6367491)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6367491金属改良ゲートを有するスプリットゲート不揮発性フラッシュメモリセル及びその製造方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6367491
(24)【登録日】2018年7月13日
(45)【発行日】2018年8月1日
(54)【発明の名称】金属改良ゲートを有するスプリットゲート不揮発性フラッシュメモリセル及びその製造方法
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/336 20060101AFI20180723BHJP
   H01L 29/788 20060101ALI20180723BHJP
   H01L 29/792 20060101ALI20180723BHJP
   H01L 27/11521 20170101ALI20180723BHJP
【FI】
   H01L29/78 371
   H01L27/11521
【請求項の数】4
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2017-535794(P2017-535794)
(86)(22)【出願日】2015年11月6日
(65)【公表番号】特表2018-501662(P2018-501662A)
(43)【公表日】2018年1月18日
(86)【国際出願番号】US2015059443
(87)【国際公開番号】WO2016111742
(87)【国際公開日】20160714
【審査請求日】2017年7月4日
(31)【優先権主張番号】14/589,656
(32)【優先日】2015年1月5日
(33)【優先権主張国】US
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】500147506
【氏名又は名称】シリコン ストーリッジ テクノロージー インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】SILICON STORAGE TECHNOLOGY, INC.
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100088694
【弁理士】
【氏名又は名称】弟子丸 健
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【識別番号】100086771
【弁理士】
【氏名又は名称】西島 孝喜
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100109335
【弁理士】
【氏名又は名称】上杉 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100120525
【弁理士】
【氏名又は名称】近藤 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100121979
【弁理士】
【氏名又は名称】岩崎 吉信
(72)【発明者】
【氏名】チェン チュン−ミン
(72)【発明者】
【氏名】ウー マン−タン
(72)【発明者】
【氏名】ヤン ジェン−ウェイ
(72)【発明者】
【氏名】スー チエン−シェン
【審査官】 加藤 俊哉
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許出願公開第2013/0207174(US,A1)
【文献】 特表2014−522122(JP,A)
【文献】 特開2008−118136(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2009/0207662(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/336
H01L 27/11521
H01L 29/788
H01L 29/792
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
不揮発性メモリセルを形成する方法であって、
第1の導電型の基板内に、第2の導電型の、離間された第1の領域及び第2の領域を形成することであって、それらの間にチャネル領域を画定する、ことと、
前記第1の領域に隣接している、前記チャネル領域の第1の部分の上方に配置されてそれから絶縁された浮遊ゲートを形成することと、
前記浮遊ゲートの上方に配置されてそれから絶縁された制御ゲートを形成することと、 前記第2の領域に隣接している、前記チャネル領域の第2の部分の上方にそれから絶縁された選択ゲートを形成することであって、前記選択ゲートは、
ポリシリコン材料のブロックと、
前記ポリシリコン材料のブロックの底面及び側面に沿って延在する仕事関数金属材料の層と、を備え、
前記選択ゲートは、二酸化ケイ素の層及び高K絶縁材料の層によって前記チャネル領域の前記第2の部分から絶縁されている、選択ゲートと、
前記第1の領域の上方に配置されてそれから絶縁され、そして前記浮遊ゲートに横方向に隣接して配置されてそれから絶縁された消去ゲートを形成することと、を含み、
前記選択ゲートを形成すること及び前記消去ゲートを形成することは、
前記チャネル領域の第2の部分の上方に配置された部分と、前記第1の領域の上方に配置された部分と、前記浮遊ゲートの側部に横方向に隣接して配置された部分と、前記制御ゲートの側部に横方向に隣接して配置された部分とを有する前記高K絶縁材料の層を形成することと、
前記チャネル領域の第2の部分の上方に配置された部分と、前記第1の領域の上方に配置された部分と、前記浮遊ゲートの側部に横方向に隣接して配置された部分と、前記制御ゲートの側部に横方向に隣接して配置された部分とを有する前記仕事関数金属材料の層を形成することと、
前記第1の領域の上方に配置された前記仕事関数金属材料の層の前記部分と、前記第1の領域に隣接する前記浮遊ゲートの側部の1つに横方向に隣接して配置された前記仕事関数金属材料の層の前記部分と、前記第1の領域に隣接する前記制御ゲートの側部の1つに横方向に隣接して配置された前記仕事関数金属材料の層の前記部分を除去することと、
前記第1の領域の上方に配置された前記高K絶縁材料の層の前記部分と、前記第1の領域に隣接する前記浮遊ゲートの側部の1つに横方向に隣接して配置された前記高K絶縁材料の層の前記部分と、前記第1の領域に隣接する前記制御ゲートの側部の1つに横方向に隣接して配置された前記高K絶縁材料の層の前記部分を除去することと、を含む、方法。
【請求項2】
前記高K絶縁材料は、HfO2、ZrO2、及びTiO2のうちの少なくとも1つである、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
ケイ化物を前記ポリシリコン材料のブロックの上面に形成することと、
ケイ化物を前記ポリシリコン材料の第2のブロックの上面に形成することと、を更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
ケイ化物を前記第2の領域にある前記基板の一部分上に形成することを更に含む、請求項1に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、選択ゲートと、浮遊ゲートと、制御ゲートと、消去ゲートとを有する不揮発性フラッシュメモリセルに関する。
【背景技術】
【0002】
選択ゲート、浮遊ゲート、制御ゲート、及び消去ゲートを有するスプリットゲート不揮発性フラッシュメモリセルは、当該技術分野において周知である。例として、米国特許第6,747,310号及び同第7,868,375号を参照されたい。浮遊ゲートの上方にオーバーハングを有する消去ゲートも、また、当該技術分野において周知である。例として、米国特許第5,242,848号を参照されたい。これらの3つの特許は、いずれもその全体が参照によって本明細書に援用される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
二酸化ケイ素が、スプリットゲート不揮発性フラッシュメモリのWL(ワード線)とも呼ばれる選択ゲートのためのゲート誘電体として使用されてきた。フラッシュメモリセルのサイズ低下につれて、二酸化ケイ素の厚さがより薄くなることにより、より高い電流駆動に対するゲート容量を増加させてきた。しかし、選択ゲート酸化物が2nm以下まで減少するにつれて、酸化物リーク電流が有意に増加する。下記のように、二酸化ケイ素を最初にゲート又は置換金属ゲート(HKMG−High−K Metal Gate)によって置換することは、リークを緩和し、そして同時にセル読み出し電流のための選択ゲート電流駆動を改良することができる。
【0004】
したがって、メモリセルのサイズを縮小しつつ、その性能を改善することが本発明の目的の1つである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
不揮発性メモリセルは、第1の導電型の基板であって、第2の導電型の第1の領域と、第1の領域から離間された第2の導電型の第2の領域とを有してそれらの間にチャネル領域を形成する、第1の導電型の基板と、第1の領域に隣接している、チャネル領域の第1の部分の上方に配置され、そしてその第1の部分から絶縁されている浮遊ゲートと、第2の領域に隣接している、チャネル領域の第2の部分の上方に配置され、そしてその第2の部分から絶縁されている選択ゲートと、を備える。選択ゲートは、ポリシリコン材料のブロックと、ポリシリコン材料のブロックの底面及び側面に沿って延在する仕事関数金属材料の層と、を備え、選択ゲートは、二酸化ケイ素の層及び高K絶縁材料の層によってチャネル領域の第2の部分から絶縁されている。制御ゲートは、浮遊ゲートの上方に配置されてそれから絶縁され、そして、消去ゲートは、第1の領域の上方に配置されてそれから絶縁され、併せて、浮遊ゲートに横方向に隣接して配置されてそれから絶縁されている。
【0006】
不揮発性メモリセルを形成する方法は、第1の導電型の基板内に、第2の導電型の、離間された第1の領域及び第2の領域を形成することであって、それらの間にチャネル領域を画定する、ことと、第1の領域に隣接している、チャネル領域の第1の部分の上方に配置されてそれから絶縁された浮遊ゲートを形成することと、浮遊ゲートの上方に配置されてそれから絶縁された制御ゲートを形成することと、第2の領域に隣接している、チャネル領域の第2の部分の上方にそれから絶縁された選択ゲートを形成することと、第1の領域の上方に配置されてそれから絶縁され、そして浮遊ゲートに横方向に隣接して配置されてそれから絶縁された消去ゲートを形成することと、を含む。選択ゲートは、ポリシリコン材料のブロックと、ポリシリコン材料のブロックの底面及び側面に沿って延在する仕事関数金属材料の層と、を備え、選択ゲートは、二酸化ケイ素の層及び高K絶縁材料の層によってチャネル領域の第2の部分から絶縁されている。
【0007】
本発明の他の目的及び特徴は、明細書、請求項、添付図面を検討することによって明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1A】本発明のメモリセルの形成におけるステップを示す断面図である。
図1B】本発明のメモリセルの形成におけるステップを示す断面図である。
図1C】本発明のメモリセルの形成におけるステップを示す断面図である。
図1D】本発明のメモリセルの形成におけるステップを示す断面図である。
図1E】本発明のメモリセルの形成におけるステップを示す断面図である。
図1F】本発明のメモリセルの形成におけるステップを示す断面図である。
図1G】本発明のメモリセルの形成におけるステップを示す断面図である。
図1H】本発明のメモリセルの形成におけるステップを示す断面図である。
図1I】本発明のメモリセルの形成におけるステップを示す断面図である。
図1J】本発明のメモリセルの形成におけるステップを示す断面図である。
図1K】本発明のメモリセルの形成におけるステップを示す断面図である。
図1L】本発明のメモリセルの形成におけるステップを示す断面図である。
図1M】本発明のメモリセルの形成におけるステップを示す断面図である。
図2A】本発明のメモリセルの代替の実施例の形成におけるステップを示す断面図である。
図2B】本発明のメモリセルの代替の実施例の形成におけるステップを示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
図1A図1Mを参照すると、金属改良ゲートを有するメモリセルを作成するプロセスにおけるステップの断面図が示される。プロセスは、二酸化ケイ素(酸化物)の層12をP型単一結晶シリコンの基板10上に形成することによって開始する。その後、図1Aに示すように、ポリシリコン(又はアモルファスシリコン)の第1の層14が、二酸化ケイ素の層12上に形成される。ポリシリコンの第1の層14は、続いて図1Aの図に垂直な方向にパターン化される。
【0010】
二酸化シリコン(又はONO(酸化物、窒化物、酸化物)などの複合層でもよい)などの別の絶縁層16が、ポリシリコンの第1の層14上に形成される。ポリシリコンの第2の層18が、次いで酸化物層16上に形成される。別の絶縁層20が、ポリシリコンの第2の層18上に形成されて、後続のドライエッチング中にハードマスクとして使用される。好ましい実施例では、層20は、窒化ケイ素20aと、二酸化ケイ素20bと、窒化ケイ素20cとを含む複合層である。結果得られる構造体を図1Bに示す。ハードマスクは、二酸化ケイ素20bと窒化ケイ素20cとの複合層であってもよい。ハードマスクは、また、厚い窒化ケイ素層20aによって形成されてもよい。
【0011】
フォトレジスト材料(図示せず)が構造体上にコーティングされ、そして、マスキングステップが実行されることにより、フォトレジスト材料の選択部分を露光する。フォトレジストが現像され、そして、フォトレジストをマスクとして使用して構造体がエッチングされる。具体的に、複合層20、ポリシリコンの第2の層18、絶縁層16は、ポリシリコンの第1の層14が露光されるまで異方性エッチングされる。この結果得られた構造を図1Cに示す。2つの「積層体」S1及びS2だけが示されるが、明かに、いくつかのそのような「積層体」が互いに分離した状態で存在する。
【0012】
二酸化ケイ素22が、その構造体上に形成される。この後に窒化ケイ素層24の形成が続く。窒化ケイ素24が異方性エッチングされることにより、(二酸化ケイ素22と窒化ケイ素24の複合である)複合スペーサ26を積層体S1及びS2のそれぞれに並んで残す。スペーサの形成は、当該技術分野において既知であり、そして構造体の外形を覆う材料の成長を含み、その後に異方性エッチングプロセスが続くことにより、材料が構造体の水平面から除去されるとともに、材料は、大部分が(丸みを帯びた上面を有する)構造体の垂直な向きの面上に損なわれずに残る。この結果得られた構造を図1Dに示す。
【0013】
酸化物の層が構造体を覆って形成され、そして異方性エッチングがそれに続くことにより、酸化物のスペーサ30を積層体S1及びS2に並んで残す。フォトレジスト28が、積層体S1とS2との間の領域、及び別の交互する対の積層体S1とS2との間の領域を覆って形成される。これを論じるために、積層体S1とS2との対の間の領域を「内側領域」と呼び、「内側領域」の外側(すなわち積層体S1とS2の隣接した対の間)の領域を「外側領域」と呼ぶことにする。外側領域にある露光されるスペーサ30は、等方性エッチングによって除去される。結果得られた構造を図1Eに示す。
【0014】
フォトレジスト28が除去された後に、内側領域及び外側領域にある第1のポリシリコン14の露光される部分が、異方性エッチングされる。酸化物層12の部分も、また、ポリオーバーエッチング中にエッチングされる(除去される)ことになる。残存酸化物の比較的薄い層が基板10上に留まることにより、基板10への損傷を防止することが好ましい。この結果得られた構造を図1Fに示す。
【0015】
酸化物の層が構造体を覆って形成され、そして異方性エッチングがそれに続くことにより、酸化物のスペーサ31を積層体S1及びS2に並んで残し、そして酸化物の層33を基板34上に残す。別の酸化物層が構造体を覆って形成されることにより、スペーサ31及び層33を厚くする。フォトレジスト材料32が、次いでコーティング及びマスキングされ、積層体S1とS2との間の内側領域に開口を残す。この場合も、図1Eに示す図面と同様に、フォトレジストは、別の交互する対の積層体の間にある。この結果得られた構造体は、イオン注入34を受ける(すなわち、基板10の露光される部分に)。内側領域にある積層体S1及びS2並びに酸化物層33に隣接した酸化物スペーサ31は、次いで、例えばウェットエッチングによって除去される。この結果得られた構造を図1Gに示す。
【0016】
積層体S1及びS2の外側領域にあるフォトレジスト材料32が除去される。高温熱アニーリングステップが適用されて、イオン注入34を活性化し、そしてソースジャンクション(すなわち第1又はソース領域34)を形成する。二酸化ケイ素36が全ての所に形成される。構造体は、再度フォトレジスト材料38によって覆われ、そしてマスキングステップが実行されて、積層体S1及びS2の外側領域を露光し、そして積層体S1とS2との間の内側領域を覆うフォトレジスト材料38を残す。酸化物異方性エッチング、それに続く等方性ウェットエッチングが実行されることにより、酸化物36及び酸化物33を積層体S1及びS2の外側領域から除去し、場合によっては積層体S1及びS2の外側領域にある酸化物スペーサ31の厚さを低減する。この結果得られた構造を図1Hに示す。
【0017】
フォトレジスト材料38が除去された後に、薄い酸化物層39(例えば約0.7〜1.0nm)が構造体を覆う中間層として形成される。高K材料(すなわち、HfO2、ZrO2、TiO2などの酸化物よりも大きい比誘電率Kを有する材料)の第2の絶縁層40が、次いで層39を覆って形成される。LaOx、AlOxなどのWF(仕事関数)金属層41が、仕事関数を同調するために層40上に形成される。スプリットゲートフラッシュの選択ゲート閾値電圧は、仕事関数の同調によって調節され得る。オプションの熱処理がそれに続いてもよい。この結果得られた構造を図1Iに示す。
【0018】
ポリシリコンが次いで構造体を覆って成長させられ、CMPエッチングがそれに続き、更に、図1Jに示すように、ポリシリコンのブロック42を積層体S1及びS2の内側領域に、そしてポリシリコンのブロック44を積層体S1及びS2の外側領域に生じさせる。ブロック42及び44は、ハードマスク20の下方に凹んだ上面を有する。
【0019】
N+ポリプレ注入が実行されてもよい。これにフォトレジストコーティング、マスク露光及び選択的除去が続き、更に選択的ポリエッチングが続くことにより、ポリブロック44の一部分を除去する(ポリブロック44が選択ゲートとして適切なサイズにされる)。更なるエッチングが実行されることにより、WF金属層41、高K層40、及び酸化物層39の露光部分を除去する。LDD注入が、ポリブロック44に隣接した基板10の露光部分で実行される。酸化物及び窒化物成長、続けて窒化物エッチングが実行されることにより、酸化物48及び窒化物50の絶縁スペーサ46をポリブロック44に並んで形成する。N+注入及びアニーリングが次いで実行されることにより、基板10内に第2の(ドレイン)領域52を形成する。この結果得られた構造を図1Kに示す。
【0020】
図1Lに示すように、金属化プロセスを実行することにより、ケイ化物54を露光部分基板10上に(第2の領域52の表面部分に沿って)及びポリブロック42、44の露光上面に形成する。酸化物層56が構造体を覆って形成され、続いて絶縁層66(例えば、ILD)が構造体を覆って形成される。コンタクト開口が、適切なフォトレジスト成長、マスク露光、選択的フォトレジストエッチング及びILDエッチングを用いて、ILD層66を通して第2の領域52上のケイ化物54まで形成され、そしてこのケイ化物を露光する。コンタクト開口が、適切な成長及びCMPエッチングを用いて導電性材料(例えばタングステン)を充填されることにより、電気接点68を形成する。金属コンタクト線70が、次いでILD層66を覆って、そして電気接点68と接触して形成される。この結果得られた構造を図1Mに示す。
【0021】
図1Мに示すように、共通の第1の領域34及び共通の消去ゲート42を共有するメモリセルが、対になって形成される。それぞれのメモリセルは、第1の領域34と第2の領域52との間に延在するチャネル領域72を含み、そして、浮遊ゲート14の下に配置された第1の部分と、選択ゲート44の下に配置された第2の部分とを有する。制御ゲート18が、浮遊ゲート14の上方に配置される。WF金属層41によって配線された消去ゲート42の底面及び側面並びに選択ゲート44と、ゲート42及び44の上面にあるケイ化物54と、選択ゲート44の下方にある酸化物層39と高K絶縁フィルム40との結合物に沿って接点68を第2の領域52と接続するケイ化物とを有することにより、メモリセルの速度及び性能が、従来のメモリセルを超えて改良される。
【0022】
図2A図2Bは、注記される場合を除いて、図1A図1Mに関して上記されたのと同じプロセスステップが実行される代替の実施例を示す。図1Hの構造体から始めて、図1Iに関して論じられたプロセスステップに対して、フォトレジスト材料38が除去され、そして層39、40、41が構造体を覆って形成された後に、フォトレジスト76が積層体S1及びS2の外側領域に形成され得、それによって、図2Aに示すように、エッチングが実行されることにより、積層体S1及びS2の内側領域にあるWF金属層41、及び高K材料40の層を除去する(しかし、選択ゲートが形成されることになる箇所の下方ではこれらの層を維持する)。上記の処理ステップの残りが実行されることにより、図2Bの構造体が生成される。この実施例は、消去ゲート42と浮遊ゲート14との間のWF金属層41及び高K絶縁層40を除去することにより、それらの間のトンネル酸化物の厚さに対してより良い制御をもたらす。
【0023】
本発明は、図示された上記実施例(複数可)に限定されるものではなく、添付の請求の範囲にあるあらゆる全ての変形例も包含することが理解されよう。例えば、本明細書における本発明への言及は、いかなる特許請求の範囲又は特許請求の範囲の用語も限定することを意図するものではなく、代わりに特許請求の範囲の1つ以上によって網羅され得る1つ以上の特徴に言及するにすぎない。上述の材料、プロセス、及び数値例は、単なる例示であり、請求項を限定するものと見なされるべきではない。更に、特許請求及び明細書を見てわかるように、全ての方法のステップが例示又は請求した正確な順序で実施される必要はなく、むしろ任意の順序で本発明のメモリセルの適切な形成が可能である。最後に、単一層の材料をそのような又は同様の材料の複数層として形成することができ、逆もまた同様である。
【0024】
本明細書で使用される場合、「の上に(over)」及び「の上に(on)」という用語は両方とも、「の上に直接」(中間物質、要素、又は空間がそれらの間に何ら配置されない)と、「の上に間接的に」(中間物質、要素、又は空間がそれらの間に配置される)と、を包括的に含むことに留意するべきである。同様に、「隣接した」という用語は「直接隣接した」(中間物質、要素、又は空間がそれらの間に何ら配置されない)、及び「間接的に隣接した」(中間物質、要素、又は空間がそれらの間に配置される)を含み、「取付けられた」は、「直接取付けられた」(中間物質、要素、又は空間がそれらの間に何ら配置されない)、及び「間接的に取付けられた」(中間物質、要素、又は空間がそれらの間に配置される)を含み、「電気的に結合された」は、「直接電気的に結合された」(中間物質、又は要素がそれらの間で要素を電気的に連結しない)、及び「間接的に電気的に結合された」(中間物質、又は要素がそれらの間で要素を電気的に連結する)を含む。例えば、要素を「基板の上に」形成することは、その要素を基板の上に直接、中間材料/要素をそれらの間に何ら伴わずに、形成すること、並びにその要素を基板の上に間接的に、1つ以上の中間材料/要素をそれらの間に伴って、形成することを含み得る。
図1A
図1B
図1C
図1D
図1E
図1F
図1G
図1H
図1I
図1J
図1K
図1L
図1M
図2A
図2B