(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
トリガーデバイスをさらに備え、前記トリガーデバイスは、トリガーされたときに、前記照明システムに前記第1の照明パターンを表示させる、請求項1に記載の照明システム。
追跡システムをさらに備え、前記追跡システムは、前記トリガーデバイスの位置を追跡し、前記トリガーデバイスの位置は、前記第1の視野ゾーンを画成する、請求項2に記載の照明システム。
プロセッサがアクセス可能な記憶デバイス内に記憶された、前記コントローラがアクセス可能である較正データをさらに備え、前記較正データは、各MVライトの指す方向に対する、各MVライトからの各ビームレットの放射方向の計算を可能にする、請求項1に記載の照明システム。
プロセッサがアクセス可能な記憶デバイス内に記憶された、前記コントローラがアクセス可能である、前記第1の視野ゾーンおよび前記第2の視野ゾーンに対する各MVライトからの各ビームレットの放射方向をリストしているテーブルをさらに備える請求項1に記載の照明システム。
プロセッサがアクセス可能な記憶デバイス内に記憶された、前記コントローラがアクセス可能である較正データをさらに備え、前記較正データは、前記第1の視野ゾーンおよび前記第2の視野ゾーンに対する、各MVライトからの各ビームレットの放射方向の計算を可能にする、請求項1に記載の照明システム。
さらに、前記ユーザインターフェースを介して、前記第1の照明パターンは、前記第1の視野ゾーンで見ることができるように指定され、前記第2の照明パターンは、前記第2の視野ゾーンで見ることができるように指定される、請求項12に記載の照明システム。
前記コントローラは、スマートフォンのアプリを介して前記照明システムの第三者である目視者から発せられた入力を受け取るように構成される、請求項1に記載の照明システム。
前記照明システムは、目視者が前記第1の視野ゾーン内に存在していないときに前記第1の照明パターンを前記第1の視野ゾーンに表示しないように構成される、請求項1に記載の照明システム。
前記照明システムは、建物、テーマパークのアトラクション、劇場入口のひさし、劇場のステージ、および車両からなる群から選択された構造物上に設置される、請求項1に記載の照明システム。
【発明を実施するための形態】
【0015】
図1Aは、本発明の例示的な実施形態によるマルチビュー建築照明(「MVAL」)システム106を有する建物100を示す図である。建物100それ自体は、従来型の設計であり、ドア102および複数の窓104を少なくとも1セット備える。建物100の前部F、左側LS、および屋根Rが、
図1A内に見えている。
【0016】
MVALシステム106は、複数のマルチビュー(「MV」)ライト108
iを備え、i=1、nであり、nは任意の正の整数とすることができる。MVライト(これ以降、「MVライト108」と総称される)は、たとえば、照明設計者によって開発されたレイアウトに従って建物100の外側の異なる位置に置かれる。MVALシステム106は、システムを較正し、および/または操作するためのデータおよび電力をMVライト108に供給するためのコントローラ110およびケーブル112も備えており、上記データの少なくとも一部は、コントローラによって生成される。明確にするために、ケーブル112とMVライト108との間の接続部は図示されていない。いくつかの実施形態において、電力およびデータをMVALシステム106内の各MVライト108
iに送信するためにパワーオーバーイーサネット(登録商標)が使用される。これは、標準的なネットワーク機器、および各MVライト108
iへの単一のケーブル(電力とデータの両方を伝送する)をMVALシステム106において使用することを可能にする。いくつかの他の実施形態において、電力およびデータは異なるケーブル上で送信され、異なるデータおよび/または電力供給方式が使用される。
【0017】
図2および
図3に関連して本開示の後の方でさらに詳しく説明されているように、各MVライト108
iは、多数の異なる方向に異なる光を放射することができる。そのような各方向に放射される光は、「ビームレット」と称される。したがって、各MVライト108
iは、光の複数の個別に制御可能なビームレットの発光源であり、ビームレットは、MVライトから放射されたビームレットのうちの他のビームレットとは異なる方向に放射され、ビームレットは、
(i)MVライトから放射される他のビームレットと同じ色であるか、または
(ii)MVライトから放射された他のビームレットのうちの少なくともいくつかと異なる色であり、
(iii)MVライトから放射される他のビームレットと同じ強度であるか、または
(iv)MVライトから放射されたビームレットのうちの少なくともいくつかと異なる強度であり、
(v)(i)から(iv)の組合せであるか、または
(vi)項目(v)に関して色および/または強度以外の、またはそれに加えた特性に関してMVライトから放射された少なくともいくつかの他のビームレットと異なる。
たとえば、MVライトは、第1の方向に青色光のビームレットを放射し、第2の方向に緑色光のビームレットを放射し、第3の方向に紫色光のビームレットを放射し、というように放射を行うことができるものとしてよい。それらのビームレットは、すべて、同じ強度を有する可能性があるか、またはビームレットのうちの1つもしくは複数は、互いに強度が異なる可能性がある。これは、放射のすべての方向で特定の色の光を放射する、従来のライトとは好対照である。本開示の後の方で説明されているように、個別のMVライトが光を放射することができる方向の数は、その設計に応じて変わる。発明者らによる現在の設計は、約500,000の異なる方向に光を放射し、次世代バージョンは、数百万の方向に光を放射することが期待される。もちろん、MVライトは、特定の建築照明用途に対して適しているように、はるかに少ない方向(すなわち、2つまたはそれ以上の方向)に光を放射するように設計され得る。
【0018】
図5に示されているコントローラ110は、いくつかの機能を備えるが、これは、限定はしないが、
(1)各MVライト108iを個別に制御するために必要なデータの一部またはすべてを生成し、適宜、異なる照明コンテンツを異なる視野位置に表示するビームレットを生成するステップと、
(2)MVALシステム106を較正するために、単独でまたは補助機器と連動して、データを生成し、記憶し、かつ/または処理するステップと、
(3)照明コンテンツを表示するための外部ソースコマンドに応答するステップと、
(4)照明コンテンツを表示する場所に関するセンサ入力を受信するステップとを含む。
【0019】
コントローラ110は、プロセッサ520、プロセッサがアクセス可能な記憶装置522、およびトランシーバ524を備える。プロセッサ520は、他にもタスクはあるがとりわけ、オペレーティングシステムを実行するタスク、デバイスドライバを実行するタスク、および本発明の実施形態と連携して使用される専用アプリケーションソフトウェアを実行するタスクを実行することができる汎用プロセッサである。プロセッサ520は、プロセッサがアクセス可能なデータ記憶装置522においてデータを埋め込み、更新し、使用し、管理することもできる。本発明のいくつかの代替的実施形態において、プロセッサ520は専用プロセッサである。当業者には、プロセッサ520を作製し、使用する方法は明らかである。
【0020】
プロセッサがアクセス可能なデータ記憶装置522は、実行されたときに、プロセッサ520およびMVライト108が本明細書で開示されているように実行することを可能にする、他にも情報はあるがとりわけ、データ、デバイスドライバ(たとえば、MVライト108を制御するなどのための)、および専用アプリケーションソフトウェアを記憶する不揮発性、非一時的メモリ技術(たとえば、RAM、ROM、EPROM、EEPROM、ハードドライブ、フラッシュドライブまたは他のソリッドステートメモリ技術、CD-ROM、DVDなど)である。当業者には、プロセッサがアクセス可能なデータ記憶装置522を作製し、使用する方法は明らかである。
【0021】
トランシーバ524は、有線および/または無線を含む、適切な媒体を介して、および適切なプロトコル(たとえば、Bluetooth(登録商標)、Wi-Fi、セルラー、光、超音波など)を介して入力/位置決めデバイスおよび/または他のデバイスおよびシステムと一方向または双方向通信を可能にする。「トランシーバ」という用語は、通信ポート、アンテナなどの、通信手段および、適宜、様々なサポート機器を備えることを意味する。本明細書を読んだ後であれば、当業者にはトランシーバ524を作製し使用する方法は明らかになる。
【0022】
いくつかのさらなる実施形態において、コントローラの記憶装置および処理機能は、重要な部分において、リモートで実行される(たとえば、クラウドコンピューティング、など)。たとえば、いくつかの実施形態において、コントローラ110は、ウェイクアップして、必要なソフトウェアおよびデータを1つまたは複数のリモートサーバからネットワーク経由でコントローラの揮発性メモリ内にダウンロードするブートローダを備える。当業者であれば、コントローラ110のそのような他の実装を行う仕方を知っている。
【0023】
図1Aを引き続き参照すると、4人の目視者V1、V2、V3、およびV4が、夜間に、同時に建物100を観察している。目視者V1およびV2は、建物100の前部Fの視野を有し、目視者V3は、建物100の前部Fおよび左側部LSの視野を有し、目視者V4は、建物100の左側部LSを有する。MVALシステム106が起動される。
【0024】
図1Aに示されているように、4人の目視者の各々には、建物100が目視者全員によって同時に見られるとしても、むしろ異なる照明コンテンツ(この場合には、異なる照明パターン)が見える。特に、目視者V1には照明パターンAAが見え、目視者V2には照明パターンBBが見え、目視者V3には建物の前部Fに照明パターンCCが、建物の左側部LS上に照明パターンDDが見え、目視者V4には照明パターンEEが見える。パターンAAからEEは、わかりやすいように、
図1Bから
図1Eにおいてそれぞれ拡大されている。
【0025】
図1Bによれば、目視者V1には、建物の前部FFの周に沿ったMVライトのみが点灯し、それによって、照明パターンAAの反転された「u」配置構成を画成するように見える。目視者V2は、
図1Cに示されているような照明パターンBBを定める、点灯すべき窓の上下のMVライト108の対のみを知覚する。
【0026】
建物100の前部Fを見たときに目視者V3に見えるように、
図1Dに示されている照明パターンCCは、V1もしくはV2のいずれかの目視者に見えるものと非常に異なる。特に、照明パターンCCにおいて、MVライト108の一番上側の行と一番下側の行は、目視者V3には点灯しているように見え、さらには窓の頂部行の上、および窓の底部行の下に直接それとともに隣接して配置されるMVライト108、さらにはMVライトの一番左側列および一番右側列の中心部分が見える。目視者V3には、建物100の左側部LS上に照明パターンDDが見える。照明パターンDDは照明パターンCCに類似しているが、建物100の前部に相対的に建物の左側部の寸法が小さくなるようにスケーリングされる。
【0027】
目視者V4は、他の目視者によって見られる照明パターンと異なる、
図1Eに示されている照明パターンEEが見える。特に、目視者V4には、点灯している建物の左側LSの左および右周に沿って置かれているMVライト108しか見えない。
【0028】
いくつかのMVライト108の選択的照明を行うこと(として目視者に見える)によって形成される異なるパターンAAからEEに加えて、照明パターンの1つまたは複数における光の色は、他の照明パターンのうちの1つまたは複数と異なる可能性もある。さらに、所与の照明パターンは単色である必要はない。そして、照明パターンは、動的であってよく、「オン」および「オフ」を交互に行うか、または他の方法で変化するように見える。MVライトが所与の視野位置から見えるために、その特定の視野位置を照らすその光からのビームレットがなければならないことは注目に値する。
【0029】
MVライト。異なる照明コンテンツを異なる目視者に同時に表示するMVALシステム106の能力は、異なる方向に光のビームレットを制御可能に放射する各MVライト108
iの前述の能力の結果である。MVライト208
iとして識別される、MVライト108
iの一実施形態が
図2に示されている。
【0030】
この実施形態において、MVライト208
iはプロジェクタを基にし、16×16アレイ215に配列された256個の従来のピクセル214
jを含む。他の実施形態において、MVライトは、256個よりも少ない、または256個よりも多い従来のピクセルを含み得る。実際、現在の実装は、約500,000個の従来のピクセルを含み、いくつかの次世代実施形態は、数百万個のピクセルを含むであろう。
【0031】
示されているように、MVライト208
iは、「ピコプロジェクタ」などのプロジェクタを使用して実装されるものとしてよく、好適な投影技術(たとえば、LCD、DLP、LCOSなど)が使用され得る。ピコプロジェクタは、テキサス州ダラス所在のTexas Instruments, Inc.および他の会社から市販されている。簡単に言えば、ピコプロジェクタは、LED光源、LEDから撮像装置に光を向ける、集光光学系、撮像装置、典型的には、LED光のシャッターとなり、その光を投影光学系に向ける、デジタル表示信号を受ける、DMD(デジタルマイクロミラーデバイス)またはLCOS(オンシリコン液晶)デバイス、表示画像をスクリーン上に投影し、スクリーン画像のピント合わせなどの機能も可能にする、出力または投影光学系、ならびにLEDドライバ、インターフェース回路、およびビデオおよびグラフィックスプロセッサを含む、制御電子機器とを備える。たとえば、http://www.embedded.com/print/4371210を参照のこと。いくつかの実施形態において、市販のピコプロジェクタは、たとえば、従来の投影用途と比較して明るさを減じるように、修正される。
【0032】
図2は、本発明の理解と密接な関係を有する態様に注目した、プロジェクタ動作の大幅に簡素化された表現を提示する。光源213などからの光は、ピクセルアレイ215(たとえば、DMDまたはLCOSデバイスなど)に向けられる。光源213は、ピクセルアレイ215の背後に配置されているものとして図示されているが、いくつかの他の実施形態において、光源は、プロジェクタ技術に応じて、ピクセルアレイ215の前に配設される。
【0033】
従来のピクセル214
jのアレイは、レンズ218と組み合わせて、各々固有の放射方向を有する、複数のビームレットを生成することができる「マルチビューピクセル」を定める。米国特許出願第15/002,014号(米国特許公開第_________号)を参照のこと。したがって、256個の従来のピクセルを有するMVライト208iは、256本のビームレットを生成することができる。
【0034】
より具体的には、1つまたは複数の選択されたピクセルがコントローラ110(
図1Aおよび
図5)によって作動されたときに、そのようなピクセルに当たった光は、レンズ218の方へ向けられ(反射または透過を介して)、受光した光からビームレット216
jを生成する。たとえば、従来のピクセル214
84および214
94を考える。作動されたときに、従来のピクセル214
84は、受光した光をレンズ218の方へ向ける。その光は、ピクセル214
84からすべての方向に伝搬する。レンズ218は、その光のかなり大きい部分を集光して、ビームレット216
84へと平行にする。同様に、従来のピクセル214
94は、作動されたときに、受光した光をレンズ218の方へ向ける。その光は、ピクセル214
94からすべての方向に伝搬し、そのかなり大きい部分が、レンズ218によって集光され、ビームレット216
94へと平行にされる。従来のピクセル214
84および214
94はレンズ218に関して異なる角度の方向付け(1つまたは2つの方向)を有するという事実により、それぞれのビームレット216
84および216
94の放射方向は互いに異なる。
【0035】
たとえば、ピクセル214
84が、作動されたときに青色光を通す場合、目にビームレット216
84を受光した目視者には、青色の「ドット」が見える。ピクセル214
94が、作動されたときに赤色光を通す場合、目にビームレット216
94を受光した目視者には、赤色の「ドット」が見える。「ドット」のサイズ/見かけは、レンズ218の動作に基づきサイズおよび形状が変化し得る。
【0036】
以前に示されているように、256個のマルチビューピクセルにより、
図2に示されているMVライト208
iは、256本の異なるビームレットを放射することができる。各ビームレット216jは、同じMVライトの他のピクセルのうちのいくつかまたはすべてと異なる色および/または強度であり得、各々異なる放射方向を有する。さらに、ビームレットは、光の他の特性について互いに異なり得る(たとえば、分光組成、偏光、ビームレット形状、ビームレットプロファイル、他のビームレットとの重なり合い、焦点、空間的コヒーレンス、および時間的コヒーレンス)。
【0037】
図3に示されているように、ビームレット216jの放射方向は、方位角αおよび高度βなどの、2つの角度によって特徴付けられ得る。ビームレットは、放射方向を指示する矢印を持つ単純な線として添付図に示されているが、ある角度範囲を有することができ、任意の形状をとり得ることは、注目すべきである。このような理由から、前述の2つの角度を使用してビームレットを特徴付けることは、必然的に近似である。たとえば、限定はしないが、ビームレットは、サーチライトからのビームに類似するが、典型的にはそれよりも小さい、形状を有することもあり得る。さらに、各MVライトを構成する従来のピクセルは、円形パターン、四角形パターン、または他の従来の配置構成で配列されるものとしてよい。
【0038】
前述の議論から、MVライトのいくつかの実施形態が当技術分野で知られていることは理解されるであろう(ピコプロジェクタに基づくときなど)。しかしながら、本明細書で開示されているMVALシステムの状況において使用されたときの重要な違いは、ピコプロジェクタが、たとえば、操作させる方式である。特に、各従来のピクセルの放射方向は、コントローラがそのような従来のピクセルを独立して処理し、そのような各ピクセルに関連付けられているビームレットの特性を制御することができることと併せて、異なる照明コンテンツ(たとえば、パターン、ショー、情報など)が、異なる視野ゾーンに同時に(同じMVライトから)表示され得るように、決定され、MVALシステムの環境にマッピングされる。
【0039】
本発明の実施形態のさらなる重要な特徴は、MVALシステムのMVライトは、任意の物理的な構成で設置者によって配置構成され、なおもコントローラの動作を通じて視野ゾーンの位置の共通の理解を共有し、所望の照明コンテンツが単一の統合システムにより得られるようにできるという点である。これは、MVALシステムを、たとえば、出願人によって開示されているマルチビューディスプレイから区別するものである(たとえば、米国特許出願第15/002,014号を参照のこと)。特に、そのようなマルチビューディスプレイは、複数のマルチビューピクセルを備え、これらは、典型的には、平面状配置構成に制約され、同じ方向を指し、すべて、いかなる視野位置からも見える。そのようなマルチビューディスプレイでは、マルチビューピクセルは、製造時に特定の配置構成で構成される。対照的に、各MVライト108
iは、単一のマルチビューピクセルを定める。MVALシステムでは、各マルチビューピクセル(各MVライト)は、任意の位置に、および他のMVライトに関して任意の方向に、個別に置かれる。したがって、MVALシステムのマルチビューピクセルは、平面状配置構成に制約される必要はなく、同じ方向を必ずしも指さず、多くの場合、すべてがいかなる視野位置からも見えるわけではない。さらに、MVALシステムでは、製造者以外のユーザ(照明設計者など)は、互いに関してマルチビューピクセルの配置構成を決定する。
【0040】
多くの(必ずしもすべてではないが)MVALの設置において、MVライトは、意図した視野ゾーンから見られるような人間の目の解像力よりも大きい距離だけ互いから分離される。そのようなものとして、MVライトは、目視者によってはっきりと解像される。対照的に、マルチビューディスプレイでは、各マルチビューピクセルは、典型的には、個別のマルチビューピクセルが別々に解像され得ないように互いに非常に近い位置(ミリメートル以下の間隔)に配置される。人間の目の解像の限界は、典型的には、約1〜2分の角度範囲内にあると考えられている。そのようなものとして、いくつかの実施形態において、設置されているMVALシステムのMVライトは、意図した視野ゾーンから見られたときに、最小で約1分の角度だけ分離される。典型的には、必ずというわけではないが、マルチビューピクセル(すなわち、各MVライト)は、互いに少なくとも10センチメートルの距離および多くの場合に0.5メートル以上隔てられて並ぶ。
【0041】
以前に指摘したように、例示的な実施形態において、MVライト108
iはプロジェクタを基にする。いくつかの他の実施形態において、MVライト108
iはプロジェクタを基にせず、たとえば、各ピクセルは、それ自体が光源である、すなわち、適切な電気的励起により電気的に励起されたときに輝き、光を放出することができる物質である(たとえば、LED、OLEDなど)。これらの(従来の)ピクセルは、平面アレイにまとめられ得る。これらの個別にアドレッシング可能なピクセルからの光は、レンズによって集光される。レンズは、所与の選択的に作動されるピクセルからの光を平行にし、ビームレットを生成する。この配置構成は、アレイ内のピクセルの配置に応じて各々異なる放射方向を有する複数のビームレットを生成することができるマルチビューピクセルを定める。代替的に、各々が異なる方向を指し、各々個別にアドレッシング可能である、個別のライト(たとえば、LED、スポットライトなど)の集合体はグループにまとめられ、マルチビューピクセルを形成する。各個別のライトは、このグループ内の他のライトと異なる放射方向を有するビームレットを生成する。
【0042】
次に、
図1Aに示されているMVALシステム106の動作、および
図1Bから
図1Fに示されているような目視者V1からV4の体験について、システムのMVライト108のうちのいくつかの動作を調べることによってさらに詳しく説明される。特に、
図1Aに、および再び
図4に示されている、MVライト108
11、108
85、108
105、108
147、108
156の動作を考える。後者の図は、わかりやすくするために、建物100、MVALシステム106、被写体MVライト、および目視者V1からV4の簡素化された視野を示している。MVライトからの「破線」で示されている光線追跡は、指示されている方向に放射されるビームレットを示す。「点線」で示されている光線追跡は、指示されている方向に放射されるビームレット(光)がないことを示す。
【0043】
目視者V1を考える。この目視者は、建物100の前部Fの視野を有し、照明パターンAA(
図1A、
図1B)が見える。その結果、建物の前部Fにある3つのMVライト108
11、108
85、108
105のうち、MVライト108
11のみが点灯されているように見える。これは、ビームレットを目視者V1の目に到達させる方向に伝搬するビームレットを生成するMVライト108
11の特定のピクセルが作動されることを意味する。逆に、作動されるとビームレットを目視者V1の目に到達させるであろう方向に伝搬するビームレットを生成するMVライト108
85および108
105の各々の特定のピクセルは、作動されない。
【0044】
建物100の前部Fの視野を有する目視者V2には、
図1Cに示されている照明パターンBBが見える。その結果、建物の前部Fにある3つのMVライト108
11、108
85、108
105のうち、MVライト108
85および108
105が点灯されているように見え、MVライト108
11は暗く見える。これは、ビームレットを目視者V2の目に到達させる方向に伝搬するビームレットを生成するMVライト108
85および108
105の特定のピクセルが作動されることを意味する。逆に、作動されるとビームレットを目視者V1の目に到達させるであろう方向に伝搬するビームレットを生成するMVライト108
11の特定のピクセルは、作動されない。
【0045】
建物100の前部Fおよび左側部LSの視野を有する目視者V3には、
図1Dに示されているそれぞれの照明パターンCCおよびDDが見える。その結果、建物の前部Fにある3つのMVライト108
11、108
85、108
105のうち、MVライト108
11が点灯されているように見え、MVライト108
85および108
105は暗く見える。かつ建物の左側部LSの2つのMVライト108
147および108
156のうち、両方とも点灯されているように見える。したがって、ビームレットを目視者V3の目に到達させる方向に伝搬するビームレットを生成するMVライト108
11、108
147、および108
156の特定のピクセルが作動される。作動されるとビームレットを目視者V1の目に到達させるであろう方向に伝搬するビームレットを生成するMVライト108
85および108
105の特定のピクセルは、作動されない。
【0046】
建物100の左側部LSの視野を有する目視者V4には、
図1Eに示されている照明パターンEEBが見える。そのようなものとして、目視者V4から見える2つのMVライト108
147および108
156のうち、MVライト108
147は点灯されているように見え、その一方でMVライト108
156は暗く見える。ここでもう一度、このことは、ビームレットを目視者V4の目に到達させる方向に伝搬するビームレットを生成するMVライト108
147の特定のピクセルが作動されることを意味する。かつ作動されるとビームレットを目視者V4の目に到達させるであろう方向に伝搬するビームレットを生成するMVライト108
156の特定のピクセルは、作動されない。
【0047】
前述の説明では、多数のライトのうち5個のみであるという状況においてMVALシステム106の動作を調べた。MVライトのピクセルを点灯させる(または点灯させない)というこのプロセスは、MVALシステムにおけるすべてのMVライトについて実行されることは理解されるであろう。たとえば、目視者V1の観点からは、建物100の前部Fの周に沿ってあるMVライトのみが点灯される。したがって、ビームレットを目視者V1の目に到達させる建物の周に沿った各MVライト内のピクセルが点灯される。かつ建物の周に沿って配置されていないMVライトについて、点灯されるとビームレットを目視者V1の目に到達させるであろうそれらのライトの各々の中のピクセルは、点灯されない。同時に、周に配置されているMVライトの他のピクセルは、(1)ビームレットを放射する方向および(2)特定の照明設計に応じて点灯されたり点灯されたりしないものとしてよい。もちろん、それらの周にないMVライトの他のピクセルが点灯されて、異なる視野位置に配置されている目視者から見える他の照明パターンを生成することも可能である。
【0048】
較正。MVALシステム106が特定の照明パターンを特定の視野位置にいる目視者に表示するために、MVALシステムの特定のMVライト108
iがその視野位置に光を放射しなければならないことは理解されるであろう。これが生じるためには、MVALシステム106の要素(たとえば、コントローラ110など)は、システム内の各MVライト108
iについて、最低限、(a)MVライトを構成する複数のピクセル214
jから発せられる各ビームレットの放射方向および(b)どの放射方向で特定のどの視野ゾーンを照らすかを、知っていなければならない。MVALシステム106が複数の色の光を発生することができる実施形態において、MVALシステム106は、各MVライトの各ピクセルによって生成されるビームレットの色も知っていなければならない。いくつかの実施形態において、較正は、視野領域内の位置とビームレットとの間の関係のテーブルを形成する。
【0049】
MVALシステム106の較正は、それが使用されている環境への位置合わせを含み、様々な技術のうちのいずれか1つを介して遂行される。一技術において、複数のピクセルから放射された複数のビームレットの各々の放射方向は、目視者が照明を見る領域(視野領域)内に置かれる較正デバイスから得られる測定結果によって決定される。マルチビューディスプレイに対する較正技術は、米国特許出願第15/002,014号(米国特許公開第_________号)において説明され、これは参照により本明細書に組み込まれる。そこで説明されている較正技術は、本明細書で開示されているMVALシステムとともに使用するのに一般的に適している。米国特許出願第15/002,014号で説明されている較正技術を本明細書で開示されているMVALシステムに適用することは、参照されている開示および本開示に照らして、当業者の能力の範囲内にある。
【0050】
MVALシステムは、多くの場合に、大きな距離にわたって作動することが要求される。たとえば、何マイルも先から見えるように超高層ビルを照らすことは希ではない。そのようなシナリオにおいて、典型的には、上で参照されている方式で較正を実行することは実用的でない(すなわち、視野領域全体にわたって較正デバイスを移動してすべての視野位置を較正すること)。むしろ、
図6に示されているような方法600が、代わりに使用され得る。
【0051】
方法600のタスク601について、MVALシステムのMVライト108は、「事前較正される」。この状況において、「事前較正される」という言い回しは、ライトが製造時など設置前に較正されることを意味している。この較正は、MVライトの指す方向に関して所与のMVライトから放射される各ビームレットの放射方向を決定するステップを伴う。この概念は、
図7に例示されており、2つのビームレット716
2および716
7は、MVライト108
iのそれぞれのピクセル714
2および714
7から発せられる。これらのビームレットは、各々、
図3に関して説明されているように、たとえば、方位角および高度によって特徴付けられる放射方向を有する。側面図によりMVライトを示す
図7において、指す方向PDに関するビームレットの高度β(
図3参照)のみが明らかであることは注目すべきである。製造が完了した後、MVライト108
iから放射される各ビームレットの放射方向は、その特定のMVライトの指す方向PDに関して固定される。したがって、特定のビームレットの放射方向が、MVライトの指す方向に関して知られている場合、ライトの指す方向が決定され得る。
【0052】
タスク602において、MVALシステムが設置される。ライトは、空中では直線で進行すると考えることができるので、事前較正情報は、そのような各MVライトの指す方向に関して各MVライトから放射される複数のビームレットのうちの各々の放射方向を特徴付けるのに十分である。設置された各ライトの指す方向PDは、MVALシステムがその環境に位置合わせされ得るように決定されなければならない。いくつかの実施形態において、これは、たとえば、発光体およびカメラを有する、較正デバイスを使用して遂行される。較正デバイス522は、たとえば、ライトの知られている位置に相対的な2つの知られている位置に位置決めされ得る。知られている放射方向(事前較正から決定されるような)を有する1つまたは複数のビームレットは、各MVライト108
iから放射され、視野領域内の知られている位置で較正デバイスのカメラによって受光される。各ビームレットは、固有のパターンに関連付けられ得るので、コントローラ110に送信される、カメラによってキャプチャされた情報は、受光された特定のビームレットを一意に識別することができる。したがって、各MVライトから放射される各ビームレットの放射方向とそのような各MVライトの指す方向との間の固定された関係により、各MVライト108
iの指す方向を決定するために十分な情報が利用可能である(たとえば、コントローラ110などに対して)。
【0053】
タスク603において、MVライトは、視野領域の3Dモデルに「位置合わせされる」。たとえば、超高層ビルのMVALシステムを考えるが、そこでは、システムは都市の異なる各近傍から見たときに照明の見え方が異なるように設計される。したがって、各近傍は、すでに説明されているように、視野ゾーンに類似している。多くの場合に(市の担当者などから)入手可能であるような、視野領域の3Dモデル(すなわち、このシナリオにおける都市)が得られる。タスク601および602で得られる、各MVライトの位置および指す方向は、3Dモデルに位置合わせされる。すなわち、各MVライトは、3Dモデル内で「方向付けされる」。3DモデルにおけるMVライトの位置が知られている場合、2つの位置で測定を行うことが、MVライトの指す方向を決定するうえで十分である。カメラが「ロール」軸に沿って水平であると仮定するのが妥当であり得る場合、1つの位置のみの測定が必要である。カメラの位置が(モデル内で)知られていない場合、これは、2つよりも多い位置で測定を行うことによって決定され得る。
【0054】
そのように位置合わせされると、MVALシステム内の各MVライトからの各ビームレットに対する「ランディングスポット」を推定することができる。この状況において、「ランディングスポット」は、視野ゾーンなどの、推定された位置であり、そこに、各特定のビームレットが「ランディングする」、すなわち、目視者の目などの、表面と交差する。その結果、システムは、どの特定の近傍からどのMVライトからのどのビームレットが見えるかを決定するために必要な情報を有する。この情報は、異なる近傍内にいる異なる目視者に異なる照明パターンを提示するために使用され得る。
【0055】
MVALシステムの設置者が視野領域を動的に視覚化して、各MVライトが適切な方向を指すようにすると都合がよい。その目的のために、いくつかの実施形態において、各MVライト108
iは、照準器およびカメラ、または整列デバイスが一時的に取り付けられるマウントを備える。照準器は、カメラの指す方向を適切に決めるのを補助し、後から整列タスクを実行するために使用され得る。カメラは、MVライトとの知られている視野関係を有すると仮定すると、その関係は、カメラからの単一の画像を使用してビームレットに対するランディングスポットを見つけるために使用できる。ライトの設置後の位置合わせ手順は、各MVライト上でカメラによって得られる画像の撮像を行い、知られている位置が画像上に現れる各画像を指示し、次いで、事前較正データから対応するビームレットを見つけることであるものとしてよい。
【0056】
ユーザインターフェース。
図8Aは、MVALシステム106を制御するためのユーザインターフェース830の例示的な実施形態を示している。ユーザインターフェース830を介して、ユーザは、特定の視野ゾーンに所望の照明効果をもたらすようにMVALシステム106をプログラムすることができる。ユーザインターフェースは、注目しているMVALシステムに対する視野領域が表示される領域832を含む。視野領域の表現は、実際のカメラのフィルム長、グラフィカルレンダリング、または特定の視野ゾーンを視覚的に表すための他のアプローチであってよい。
【0057】
ユーザは、「ビュー作成」ボタン834を押すことによって視野領域内に所望の視野ゾーンを確立する。これは、「視野ゾーン」848を視野領域内に出現させる。視野ゾーン848は、視野領域内で移動可能であり(マウスなどを使って)、所望の視野ゾーンの形状およびスケーリングされたサイズを定義し、表すように再整形され、および/またはサイズ変更されることも可能である。
【0058】
視野ゾーン848に対する照明オプションは、「照明」ボタン836を押すことによってアクセスされ得る。照明ボタンを連続して押すことで、ユーザが選択された視野ゾーンに利用可能なすべての照明パターンを見ることができる。ユーザは、たとえば、それを「クリックする」ことによって所望の照明パターンを選択する。
図8Bは、ユーザインターフェース830の領域832内の選択された照明パターン850を示している。特定の照明パターンが選択された後、「時計」ボタン844が押される。これは、ユーザが選択された照明パターンを表示するためのスケジュールを設定することを可能にする画面(領域832内に提示されている)へのアクセスを提供する。このスケジュールに従って、コントローラ110は、視野領域内の位置(すなわち、視野ゾーン)にビームレットを関係付ける較正テーブルに一部はアクセスすることによって選択された照明パターンを生成する。
【0059】
例示的な実施形態において、ユーザインターフェース830は、また、
・ 視野ゾーン848の視野を拡大し、拡大された視野ゾーン内で移動するためのパン/ズームボタン838と、
・ 視野ゾーンを(領域832に)追加するための追加ボタン840と、
・ 視野ゾーンを(領域832から)削除するための削除ボタン842と、
・ 視野ゾーン848および照明パターン850のユーザの指定を確定するための設定ボタン846とを備える。
【0060】
当業者には、MVALシステム106と併せて使用するのに適しているユーザインターフェースは、上で説明されているものと異なる多くの方法で実装され得ることが理解されるであろう。本開示に照らして、ユーザインターフェースをMVALシステム106と併せて使用するように設計し、実装することは当業者の能力の範囲内にある。
【0061】
用途。マルチビュー建築照明システムが娯楽になる、情報を伝える、誘導する、またはそれ以外で有用な利点をもたらすために使用できる多数の方法がある。
【0062】
たとえば、落成式では、何らかの重要なまたは名の知れた人物に、建物、橋、ホリデーツリー、または他の大型の物体を照らすスイッチを「パチン」と入れてもらうことはよくある。この体験には、何らかの満足感さらには権力意識すら付随する。残念なことに、自身のためにこれを体験することになる人々はごくわずかである。
【0063】
たとえば、城などの、テーマパーク内の象徴的構造物を考える。公園を訪れた客が城をライトアップさせる何らかのアクションを起こすことはエキサイティングであろう。これは、もちろん、従来の照明システムでも達成可能であろう。しかしながら、多数の客にこの体験をしてもらおうとした場合、すべての客に、城のライトアップが繰り返し見えて、イベントの特別さの価値を減じることになるであろう。
【0064】
理想的には、城をライトアップする効果は、それをトリガーした人、およびその人のすぐ近くにいる人々にしか見えない。このようにして、イベントの特殊性およびあたかも唯一であることが維持される。従来のライトと異なり、MVALシステムは、所望の領域内でのみ見える効果をターゲットとすることができる。たとえば、適切なキーを錠に差し込んで回すと、錠を囲む領域内で見えるように照明効果をトリガーし得る。
【0065】
図9は、前述の「トリガーされた」MVAL体験の図を示しており、城960は、コントローラ910および複数のMVライト908を有するMVALシステムを備えている。通常は、点灯しているように見える城960の唯一のライトは、MVライト908
1、908
2、および908
3であり、これらは小塔962の窓964の真下に配設される。これらのMVライトは、視野領域VR内の位置に関係なくアミューズメントパークの常連客に対して点灯されているように見える。
【0066】
図9に示されている実施形態において、キャッスルアミューズメントの目標は、「魔法の杖」968を振るか、または指すことによって照明ディスプレイをトリガーすることである。たとえば、カメラおよび画像認識ソフトウェア、光センサなどであってよいセンサ966は、適宜、「魔法の杖」の動きもしくは位置、またはそこから放射される信号を感知する。感知された後、センサ966によって信号が発生し、および/またはコントローラ910に送信され、通常は「オフ」になっている、すべてのMVライト908(すなわち、小塔962上のMVライト、跳ね橋の周りのMVライトなど)を短時間(たとえば、10秒間など)だけ点灯させる。しかしながら、その照明は、視野ゾーンVZ内の目視者にのみ見える。この実施形態では、アミューズメントパークの常連客AAP-1は、自分が魔法の杖968を振るか、または何かに向けたときに視野ゾーンVZ内に位置していなければならない。その結果、常連客AAP-1がセンサをトリガーした場合に、常連客AAP-1および視野ゾーンVZ内に立っている同伴者は、照明ディスプレイを体験する。視野ゾーンVZの外に立っているアミューズメントパークの常連客は、視野ゾーンVZ内の人による照明ディスプレイの体験に気付かず、照明されているように、各窓の下の3つのライトのみを知覚し続ける。
【0067】
図9に示されているシナリオのバリエーションが多数あることは理解されるであろう。たとえば、MVALシステムは、構造物に設置されてよく、トリガーデバイスは、特定の状況(アミューズメントの特質)に適しているような様々な形態のうちのいずれかをとり得る。他にも実装はあるがとりわけ、いくつかの実施形態において、トリガーデバイスは、もっぱらアミューズメントのために開発され、その状況の外では非機能的な嗜好的なデバイスである。嗜好的なデバイスの例は、限定はしないが、前に述べた「魔法の杖」または武器である「光線銃」を含む。さらに、ほとんどどのような検出可能なアクションもトリガーとして働き得る。たとえば、光の放射および検出、レバーを引くこと、ボタンを押すこと、キーを回すこと、ドアを開けること、敷居を跨ぐことなどである。いくつかの実施形態において、常連客は、単一のトリガーを有するのでなく、一連のタスクを完了して(たとえば、質問に答える、手がかりをたどる、肉体的な技など)、照明効果をトリガーしなければならない。いくつかの実施形態において、トリガーされたライトショーは、しばらくしてから、および/または異なる位置で行われる。
【0068】
さらに、いくつかの代替的実施形態では、照明ディスプレイが見られる事前確立された視野ゾーンがない。むしろ、MVALシステムは、照明ディスプレイ(または他の照明コンテンツ)が提示されるべきである位置を決定することができる。いくつかのそのような実施形態では、MVALシステムは、照明ディスプレイをトリガーすることを試みるために常連客によって使用されるポータブルデバイス(たとえば、魔法の杖968など)の位置を追跡する追跡システムセンサを備える。たとえば、限定はしないが、魔法の杖は、カメラによって追跡されるものとしてよく、これは取得された画像を画像認識ソフトウェアに送信する。代替的に、魔法の杖は、MVALシステムによって追跡されるビーコンをブロードキャストする。いくつかの追加の実施形態において、追跡システムは、特定の常連客をターゲットとして照明効果を与えるために使用される。常連客を追跡するための追跡システムは、限定はしないが、顔認識ソフトウェア、ブロブ追跡、および/または携帯電話の追跡を含む。
【0069】
いくつかの実施形態において、MVALシステムは、常連客/訪問者などの、第三者である目視者によって所有されているデバイスなどのデバイスと相互作用するように構成される。たとえば、いくつかの実施形態において、スマートフォンアプリケーションは、第三者である目視者が自分のスマートフォンを介して、見たいカスタム照明コンテンツ(たとえば、照明パターン、ライトショー、メッセージなど)を選択することを可能にする。いくつかの他の実施形態において、照明コンテンツは、ゲーム内タスクを完了するための賞である。これを遂行するために、MVALシステムは、どのような照明コンテンツをどの視野位置に表示するかを知る必要がある。より一般的には、いくつかのアクションが電子デバイス(たとえば、スマートフォン、タブレット、コンピュータなど)を使って実行されるときに、デバイスは、MVALシステムをトリガーして、イベントをトリガーする人の領域内に照明コンテンツを表示する。デバイスの位置は、たとえば、限定はしないが、RF測位システム、聴覚的測位システム、および/または視覚的測位システムを介して決定され得る。
【0070】
過剰照明公害が、建築照明の懸案事項となり得ることに注目すべきである。MVALシステムを使用した場合、光は、目視者のいる場所にのみ容易に向けられ得る。これは、目視者がいない領域からの光の反射によって引き起こされる過剰照明公害を防ぐ。いくつかの実施形態において、これは、可能な/ありそうな視野位置を事前定義し、それらの位置のみを照らすことによって静的に行われる。いくつかの他の実施形態において、目視者の位置を追跡し、目視者が検出される照明領域のみ照らすためにより高度なシステムが使用される。限定することなく、動き検出器、圧力センサ、および/またはカメラベースのセンサを含む広範な感知システムがこの目的のために使用され得る。
【0071】
多くの市政機関が、運転者が注意散漫になるのを回避するために標識および照明効果に制限を設けている。いくつかの実施形態において、MVALシステムは、通りの眺め(すなわち、運転者の視野)からの静的な照明を同時に示しながら、歩行者区域に複雑で動的なライトショーをもたらす。
図10は、この用途の一例を示している。
【0072】
建物1072は、コントローラ1010および複数のMVライト1008
iを備えるMVALシステムを有する。MVALシステムは、歩行者区域である、視野ゾーン1074-1、1074-2、1074-3、および1074-4に、建物1072上に動的照明コンテンツが見えるように操作される。たとえば、視野ゾーン1074-2にいる歩行者には、すべてのライト1008が異なる色を点滅するのが見える。他の視野ゾーン1074-1、1074-3、および1074-4にいる歩行者には、他の動的照明パターン(または視野ゾーン1074-2内に見えるのと同じパターン)が見えるものとしてよい。それでも、同時に、視野ゾーン1076内にある自動車1078内の運転者には、かなり限定された、注意散漫を引き起こさない照明ディスプレイが見える。たとえば、車両1078-1の運転者には、照明パターンGGが見え、そこでは、4つのライトのみが、建物1072の正面の各コーナーに1つずつ、連続的に点灯する。
【0073】
飛行経路の下にある建物では、建物の屋根に、通過する飛行機から照明ディスプレイが見えるように示すことができる。実際、MVALシステムを使用する場合、異なる照明提示が異なる航空機に同時に示され得る。これは、たとえば、リアルタイムフライトデータを使用して遂行され得る。たとえば、
図11を参照すると、フランスから到着する飛行機1182から、建物1180の屋根Rに、フランスの国旗をシミュレートする照明ディスプレイHHが見えるものとしてよく、「b」は青色フィールド、「w」は白色フィールド、および「r」は赤色フィールドである。それと同時に、日本から到着する飛行1184の乗客には、白色フィールド内に「r」赤色円を有する、日本国旗をシミュレートする照明ディスプレイIIが見える。2つの照明提示は、同時に提示され、飛行機1182の乗客には、フランス国旗のみが見え、飛行機1184の乗客には日本国旗のみが見える。これは、飛行機が空の異なる領域内にある、すなわち、異なる視野ゾーン内にあるため、MVALシステムを使用して可能である。これを達成するために、MVALシステムの個別のMVライトは、事前較正されるものとしてよく、指す方向は、非常に少ない回数の測定により決定され得る。これらは、MVライトの前の知られている位置において、すでに開示されているように、較正デバイスをちょっとの間、置くことによって行われ得る。
【0074】
別の実施形態において、MVALシステムは、接近しつつある各飛行機に対する適切な空港滑走路を照らすために使用される。各飛行機は、空の異なる位置にあるので、滑走路照明は、それが意図されている航空機のみから見える。各飛行機の位置は、常時変わっているので、空港の追跡システムで容易に追跡され、更新される。
【0075】
プロジェクションマッピングは、照明効果として次第に人気を集めてきている。「ビデオマッピング」および「空間拡張現実」とも称される、プロジェクションマッピングは、多くの場合に不規則な形状の物体をビデオ投影用の表示面に変えるために投影技術を使用する。これらの物体は、一般的に建物または劇場のステージである。専用ソフトウェアを使用することで、2次元もしくは3次元の物体が投影先の現実の環境を模倣する仮想プログラム上に空間的にマッピングされる。ソフトウェアは、プロジェクタと相互作用して、所望の画像を物体の表面上にフィットさせる。この技術は、照明設計者、芸術家などが余次元、幻視、および移動の概念を静的な物体であるものの上に追加することを可能にする。建物に直接投影することによって、その外観をアニメーション化することができる。たとえば、レンガは、移動して建物面に入ったり出たりするかのように見せることも可能である。そのような効果は、異なる位置にあるレンガの外観を投影することによって実装される。しかしながら、従来技術のシステムでは、投影は、特定の視野透視を想定しなければならず、これは、拡張されたレンガの画像が正しく見えると想定された視点から見たときのみである。他の視野位置から見たときに、その透視は間違っているように見える。
【0076】
本明細書の教示によれば、プロジェクションマッピングにMVALシステムが使用される。MVALシステムは、現在まで3Dプロジェクションマッピング技術を悩ませてきた単一視野位置問題を克服するものであるが、それは、MVALシステムが異なる視野位置から見えるものを独立制御することを可能にするからである。
【0077】
たとえば、実際の面から外へ広がる建物の断片の錯視を生み出すために、MVライトのアレイが使用され、これにより異なる視野位置から見えるように拡張されたセクションの形状の輪郭を描く。したがって、第1の時点において、MVALシステムを観察する2つの異なる位置にいる2人の目視者は両者とも、矩形の照明パターンを見る。しかしながら、次の瞬間に、目視者のうちの1人は、矩形の点灯しているライトが自分の視点から「中に」移動していると知覚し、それと同時に、目視者のうちの他方はそれらが自分の視点から中へ移動していると知覚する。この2つの場合において、照明パターンは、その結果生じる近くが類似しているとしても、2つの視点を受け入れるように異なり得る。
【0078】
いくつかの実施形態において、MVALシステムは、限定することなく、トラック、バス、巡行用の山車、船、および/または小型飛行船などの移動する、または可動構造物とともに使用される。運動は相対的であり、MVALシステムが目視者に相対的に移動することは、目視者がMVALシステムに相対的に移動していることと同等であるものとして取り扱われる。
【0079】
移動する構造物上の標準的なアニメーション化されたライトショーの設計者のために、ライトショーは、ショーがアニメーション中の任意の時点に視野に入り得ることを予想して設計されなければならない。例示されている実施形態によれば、従来技術とは異なり、MVALシステムを使用することで、ライトショーが進行するように設計されてよく、それにより、一連の視野位置を通るときに、様々な視野位置に置かれている目視者が、最初から最後まで正しい順序でライトショーが進行するのを見ることができる。
【0080】
次に
図12Aから
図12Cを参照すると、MVALシステム1288は、複数のMVライト1208
iを備え、コントローラ(図示せず)は、移動車両1286に結合される。MVALシステムは移動して、3人の空間的に分離され静止している目視者V-AからV-Cを通り過ぎている。
図12Aは、第1の時点におけるMVALシステム/車両を示し、
図12Bは、目視者V-Bの方へ移動したときの第2の時点におけるMVALシステム/車両を示し、
図12Cは、目視者V-Cの方へ移動したときの第3の時点におけるMVALシステム/車両を示している。
【0081】
図12Aにおいて、MVALシステム1288は、第1の視野ゾーン内の目視者V-Aに近い。その結果、MVライト1208は、始まりのライトショーコンテンツが目視者V-Aの方へ向けられ、その一方でライトショーコンテンツが目視者V-BおよびV-Cによって見ることが可能でないように制御される。
図12Bにおいて、MVALシステム1288は、第2の視野ゾーン内の目視者V-Bの方へ移動してしまっている。MVALシステムは、MVライト1208が中間のライトショーコンテンツを目視者V-Aに向け、始まりのライトショーコンテンツを目視者V-Bに向けるようにする。次に、
図12Cにおいて、MVALシステム1288は、第3の視野ゾーン内の目視者V-Cの方へ移動してしまっている。MVALシステムは、終わりのライトショーコンテンツが目視者V-Aの方へ向けられ、中間のライトショーコンテンツが目視者V-Bの方へ向けられ、始まりのライトショーコンテンツが目視者V-Cの方へ向けられるようにする。したがって、各目視者には、MVALシステム1288が進行するとともに適切な順序でライトショーが見える。
【0082】
車両1286が知られている1つまたは複数の速度で移動し、視野ゾーンに相対的なその位置が知られているいくつかの実施形態において、MVALシステムは、タイミングに応じて照明コンテンツを視野ゾーンに向けるようにトリガーされる。すなわち、コントローラは、移動速度に基づき、車両1286が任意の時点にどこにあるかを決定することでき、決定された位置に応じて適切な照明コンテンツが表示されるようにする。他の実施形態では、MVALシステム1288の位置を感知するセンサは、様々な視野ゾーンへの適切な照明コンテンツの表示をトリガーするために使用される。光、RFなどを含む、様々なセンサ配置構成が使用され得る。いくつかの実施形態において、適切な照明コンテンツは照明のないコンテンツであることに注目すべきである。
【0083】
複雑な空間内で、特定の位置へ進むのは、難しい場合がある。人々がそのような空間をナビゲートするのを支援するために様々なアプローチが開発されてきた。たとえば、病院は、頻繁に、床または壁に異なる色を塗装した直線のシステムを使用して、薬局に到達する、黄色線を辿る、研究所に行く、赤色線を辿る、などを行う。残念なことに、多数の目的地があるときには、必要な色のアレイは大きくなる。
【0084】
さらなる実施形態において、MVALシステムは、人を意図した目的に案内するために使用できる。いくつかの実施形態において、たとえば、人は適切なインターフェースで所望の場所へ案内を要求する。MVALシステムのMVライトは、所望の場所への経路を照らすことができ、経路は、要求者にしか見えない(要求者を追跡することによって)。すでに説明されている機能に基づき、同じMVライトは、同時に、他の人々を異なる場所に誘導することができる。
【0085】
上で示されたように、方向に対する要求は、付近のキオスク、人のスマートフォンにダウンロードされたアプリ、または人の要求を受け取りそれをMVALシステムに入力する案内係を通じて利用可能なような、好適なインターフェースを介して行われる。要求が行われているときに、追跡/感知システムは、要求者を追跡するために必要な情報を取得する。たとえば、いくつかの実施形態において、追跡/感知システムは、人のスマートフォンを要求に関連付ける。いくつかの他の実施形態では、システムは、人の画像を取得し、顔認識ソフトウェアを使用して追跡する。なおもさらなる実施形態において、人は送信機を与えられる。いくつかの実施形態において、各送信機は、特定の目的地で識別され、特定の目的地を指示するコードをシステムに送信するように事前構成される。したがって、人が回廊を通って移動しているときに、送信機はシステムに送信し、システムは適切なMVライトを点灯させて、送信機の保有者を事前割当てされた目的地に案内する。いくつかの他の実施形態において、送信機は、それが人によって取得された時点において目的地を割り当てられる。
【0086】
図13Aは、MVALシステム1392が建物の部分1390を通って異なる位置へ複数の人々を同時にナビゲートするのを助けるように構成されている一実施形態を示している。
【0087】
MVALシステム1392は、回廊の壁に配設されている複数のMVライト1308
i、コントローラ(図示せず)、および上で説明されているような感知/追跡システム(図示せず)を備える。MVALシステムは、それぞれの目的地A、B、C、D、およびEに到達することを望んでいる異なる人V-A、V-B、V-C、V-D、およびV-Eに対する異なる経路を(MVライトに関して異なる視角に基づき)同時に照らすように構成される。
図13Bから
図13Fは、それぞれの目視者V-A、V-B、V-C、V-D、およびV-Eによって知覚される照明を示している。点灯したライトは、図中、「黒色」に見える。
【0088】
以下に出現する用語およびその活用形は、次のように本開示および添付の請求項で使用するように定義される。
【0089】
「建築照明」という用語は、一般的に、単純に「照らす」こと以上のことを行うことを意味する、建物、橋、および他の構造物の外側の照明を指す。すなわち、そのような照明は機能と美観の両方の目的を果たす。さらに、本明細書で使用されているように、「建築照明」という用語は、照明が道路を照らすこと(ヘッドライト)または車両を他の車両に対して目立たせること(テールライト)を目的としないが、むしろ、ライトショーまたは情報のいずれかの形態でコンテンツを提供することを意図されている、車両(たとえば、乗用車、列車など)の外装に設置される照明に拡張される。さらに、建築照明という用語は、単純な照明以外の目的を意図した屋内照明にも適用される。
【0090】
「ビームレット」は、MVライトによって放射される光の要素実体として定義される。MVライトは、複数のビームレットを放射し、その各々はMVライトから放射される他のビームレットとは異なる放射方向を有する。ビームレットの少なくともいくつかは、MVライトによって放射される他のビームレットと無関係に制御可能である。たとえば、限定することなく、いくつかの実施形態において、個別のビームレットの光度および/または色は、同じMVライトから放射される他のビームレットの光の強度および/または色と無関係に制御可能である。前述の内容により、MVライトは、他の方向でなく特定の方向に光を放射するように、または異なる方向に放射される光の輝度または色を独立して調整するように制御され得る。放射光の他のパラメータは、異なる放射方向について独立して調整することもできる。ビームレット光の他のパラメータも制御されることも可能であり、そのような他のパラメータは、たとえば、分光組成、偏光、ビームレット形状、ビームレットプロファイル、他のビームレットとの重なり合い、焦点、空間的コヒーレンス、時間的コヒーレンス、などを含むが、これらはほんの少数の例である。「ビームレット」という単語は、標準辞書に載っておらず、業界で認められた意味を有しないことに留意されたい。
【0091】
「嗜好的なデバイス」は、MVALシステムと連動する使用から離れて存在するまたは機能することがないデバイスである。一例は、照明システムの目視者がMVALシステムからの応答をトリガーするために何かに向けるか、または振る「魔法の杖」である。
【0092】
「照明パターン」または「照明ディスプレイ」は、目視者によって知覚される光のパターン/配置構成を指す。パターンは、MVライトに関する目視者の視野位置に応じてMVALシステムのどのMVライトが目視者に対して点灯しているように見えるかによって決定され、MVライトによって目視者の視野位置に放射される光の強度、色、および/または他の特性によってさらに決定される。
【0093】
「照明コンテンツ」は、MVライトによって提供される1つまたは複数の照明パターン、ライトショー、または情報(単語、数、シンボルなどの形態の)を指す。
【0094】
「照明プラン」は、構造上の配置などを指し、MVライトは、MVALシステムがアクティブであるときに、様々な照明ディスプレイが様々な視野ゾーンに提示され得るように置かれることを意図されている。
【0095】
「マルチビューピクセル」は、従来のディスプレイ(非マルチビューディスプレイ)で使用されるピクセルの種類のより柔軟なバージョンである。従来のピクセルからの光は、すべての方向に伝搬し、そのため、すべての目視者は、目視者位置に関係なく本質的に同じ仕方でピクセルを知覚する。しかしながら、マルチビューピクセルは、光の空間分布(放射方向)を制御することができる。特に、マルチビューピクセルは、たとえば、他の方向ではなく特定の方向に光を放射するよう指令され得る。さらに、異なる方向に放射される光の輝度を独立して調整するよう指令され得る。放射光の他のパラメータは、異なる放射方向について独立して調整することもできる。
【0096】
「第三者である目視者」は、MVALシステムが設置されている構造物を所有/リースしていない、MVALシステムの設計または保守に関わっていない、MVALシステムが使用されている施設(たとえば、テーマパークなど)の所有者/事業者でない、およびMVALの毎日の運営(いくつかの実施形態において、第三者である目視者が照明ディスプレイを少しの間トリガーするか、またはそのような短いシステム制御の間に提示される照明コンテンツの限られた範囲の制御を行うことを可能にする明示的な目的のために用意されている、アプリなどを介してMVALシステムの動作を限られた範囲の制御を行う以外)に関わっていないMVALシステムの目視者である。
【0097】
MVALシステムの「視野領域」は、照明システムの目視者がMVALシステムの機能を体験することができる可能な位置/場所の範囲を指す。特に、MVALシステムのMVライトは、ある範囲の可能な方向にビームレットを放射することができる。目視者は、少なくとも1つのビームレットを見るためにはその範囲内にいなければならない。目視者に照明パターン全体が(たとえば、建物に提示されているように)見えるためには、目視者は、そのパターンを形成するのに関わっているすべてのMVライトのビームレット範囲内にいなければならない。視野領域は、この要求条件が満たされるすべての位置の集合である。
【0098】
「視野ゾーン」は、典型的には視野領域の部分集合である、すなわち、典型的には、視野領域内に複数の視野ゾーンがある。異なる視野ゾーン内の異なる視角に基づき、異なる照明コンテンツは、異なる視野ゾーンに同時に提示され得る。
【0099】
本開示は1つまたは複数の例示的な実施形態の1つまたは複数の例だけを教示すること、および本発明の多くの変更形態は本開示を読んだ後であれば当業者によって容易に考案され得ること、および本発明の範囲は本開示に添付された請求項によって定義されることは理解されるべきである。
マルチビュー建築照明(MVAL)システムは、各MVライトの見かけの明るさおよび色が異なる視角に対して個別に、および同時に制御可能である1つまたは複数のマルチビュー照明ユニット(「MVライト」)を備える。MVライトは、任意の方向を指し、建物の構造などと一致する、互いに対する3D空間内の任意の位置に設置され得る。これは、照明設計者がMVライトに関する視角に基づき異なる目視者に対して差別化された照明体験を生み出すことを可能にする。較正システムは、視野位置を各MVライトに対する放射光方向にマッピングする。この情報を使用することで、そのMVライトに相対的な所与の視野位置からの各MVライトの見え方は、1つまたは複数の対応する方向に放射される光(たとえば、典型的には色および強度など)を調整することによって設定される。