(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記第2複合遊星ギヤセットは、第3サンギヤ、第3遊星キャリア、及び第3リングギヤを保有するシングルピニオン遊星ギヤセットからなる第3遊星ギヤセットと、第4サンギヤ、第4遊星キャリア、及び第4リングギヤを保有するシングルピニオン遊星ギヤセットからなる第4遊星ギヤセットとの組み合わせによって形成され、
前記第3リングギヤを含み、前記変速機ハウジングと選択的に連結される第6回転軸と、
前記第3遊星キャリア及び第4リングギヤを含み、最終出力要素として作動する第7回転軸と、
前記第4遊星キャリアを含み、前記入力軸と選択的に連結される第8回転軸と、
を含み、
前記第3回転軸は前記第3、第4サンギヤをさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の車両用自動変速機の遊星ギヤトレイン。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は前記のような点に鑑みてなされたものであって、本発明の目的は、複数の遊星ギヤセットと複数の摩擦部材の組み合わせで前進11速及び後進1速の変速段を実現し、各変速段で3つの摩擦部材が作動して最小限の遊星ギヤセットが作動しながら変速が行われるようにすることによって、動力伝達性能及び燃費が向上できるようにした車両用自動変速機の遊星ギヤトレインを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
このような目的を達成するための、
本発明による車両用自動変速機の遊星ギヤトレインは、エンジンの動力の伝達を受ける入力軸と、変速された回転動力を出力する出力軸と、第1、第2遊星ギヤセットの組み合わせによって5つの回転軸を保有し、1つの入力経路及び2つの可変入力経路を通じて入力される回転動力を6つの速度に1次変速する第1複合遊星ギヤセットと、第3、第4遊星ギヤセットの組み合わせによって前記第1複合遊星ギヤセットのいずれか一つの回転軸と直接連結される回転軸を含む4つの回転軸を保有し、前記第1複合遊星ギヤセットから入力される6つの速度及び1つの可変入力経路を通じて入力される前記入力軸の回転速度を前進11速及び後進1速の変速段に2次変速し、変速された回転速度を最終出力する第2複合遊星ギヤセットと、いずれか二つの回転軸の間またはいずれか一つの回転軸と前記入力軸の間に介される複数のクラッチ、及び前記いずれか一つの回転軸と変速機ハウジングの間に介される複数のブレーキからなる複数の摩擦部材
と、前記第1複合遊星ギヤセットは、第1サンギヤ、第1遊星キャリア、及び第1リングギヤを保有するシングルピニオン遊星ギヤセットからなる第1遊星ギヤセットと、第2サンギヤ、第2遊星キャリア、及び第2リングギヤを保有するダブルピニオン遊星ギヤセットからなる第2遊星ギヤセットとの組み合わせによって形成され、前記第1サンギヤを含み、前記入力軸と選択的に連結されるか前記変速機ハウジングと選択的に連結される第1回転軸と、前記第1遊星キャリア及び第2遊星キャリアを含み、前記入力軸と選択的に連結されるか前記変速機ハウジングと選択的に連結される第2回転軸と、前記第1リングギヤを含み、中間出力経路を形成する第3回転軸と、前記第2リングギヤを含み、前記第3回転軸と選択的に連結される第4回転軸と、前記第2サンギヤを含み、前記入力軸と直接連結されて常時入力要素として作動する第5回転軸と、を含むことを特徴とする。
【0013】
前記第2複合遊星ギヤセットは、第3サンギヤ、第3遊星キャリア、及び第3リングギヤを保有するシングルピニオン遊星ギヤセットからなる第3遊星ギヤセットと、第4サンギヤ、第4遊星キャリア、及び第4リングギヤを保有するシングルピニオン遊星ギヤセットからなる第4遊星ギヤセットとの組み合わせによって形成され、前記第3リングギヤを含み、前記変速機ハウジングと選択的に連結される第6回転軸と、前記第3遊星キャリア及び第4リングギヤを含み、最終出力要素として作動する第7回転軸と、前記第4遊星キャリアを含み、前記入力軸と選択的に連結される第8回転軸とを含み、前記第3回転軸は前記第3、第4サンギヤをさらに含むことを特徴とする。
【0014】
前記複数の摩擦部材は、前記第3回転軸及び第4回転軸を選択的に連結する第1クラッチと、前記入力軸及び第2回転軸を選択的に連結する第2クラッチと、前記入力軸及び第8回転軸を選択的に連結する第3クラッチと、前記入力軸及び第1回転軸を選択的に連結する第4クラッチと、前記第2回転軸及び変速機ハウジングを選択的に連結する第1ブレーキと、前記第1回転軸及び変速機ハウジングを選択的に連結する第2ブレーキと、前記第6回転軸及び変速機ハウジングを選択的に連結する第3ブレーキとを含むことを特徴とする。
【0015】
前進1速変速段は前記第1クラッチと第1、第3ブレーキの同時作動によって実現され、前進2速変速段は前記第1クラッチと第2、第3ブレーキの同時作動によって実現され、前進3速変速段は前記第1、第2クラッチと第3ブレーキの同時作動によって実現され、前進4速変速段は前記第2クラッチと第2、第3ブレーキの同時作動によって実現され、前進5速変速段は前記第2、第3クラッチと第3ブレーキの同時作動によって実現され、前進6速変速段は前記第2、第3クラッチと第2ブレーキの同時作動によって実現され、前進7速変速段は前記第1、第2、第3クラッチの同時作動によって実現され、前進8速変速段は前記第1、第3クラッチと第2ブレーキの同時作動によって実現され、前進9速変速段は前記第1、第3クラッチと第1ブレーキの同時作動によって実現され、前進10速変速段は前記第3クラッチと第1、第2ブレーキの同時作動により実現され、前進11速変速段は前記第3、第4クラッチと第1ブレーキの同時作動により実現され、後進変速段は前記第4クラッチと第1、第3ブレーキの同時作動により実現されることを特徴とする。
【0016】
本発明による他の実施形態による車両用自動変速機の遊星ギヤトレインは、エンジンの動力の伝達を受ける入力軸と、変速された回転動力を出力する出力軸と、シングルピニオン遊星ギヤセットからなる第1遊星ギヤセット、及びダブルピニオン遊星ギヤセットからなる第2遊星ギヤセットの組み合わせからなる第1複合遊星ギヤセットと、シングルピニオン遊星ギヤセットからなる第3、第4遊星ギヤセットの組み合わせからなる第2複合遊星ギヤセットと、第1サンギヤを含み、前記入力軸と選択的に連結されるか変速機ハウジングと選択的に連結される第1回転軸と、第1遊星キャリア及び第2遊星キャリアを含み、前記入力軸と選択的に連結されるか前記変速機ハウジングと選択的に連結される第2回転軸と、第1リングギヤ、第3サンギヤ及び第4サンギヤを含む第3回転軸と、第2リングギヤを含み、前記第3回転軸と選択的に連結される第4回転軸と、第2サンギヤを含み、前記入力軸と直接連結されて常時入力要素として作動する第5回転軸と、第3リングギヤを含み、前記変速機ハウジングと選択的に連結される第6回転軸と、第3遊星キャリア及び第4リングギヤを含み、最終出力要素として作動する第7回転軸と、
第4遊星キャリアを含み、前記入力軸と選択的に連結される第8回転軸と、いずれか二つの回転軸の間またはいずれか一つの回転軸と前記入力軸の間に介される複数のクラッチ、及び前記いずれか一つの回転軸と変速機ハウジングの間に介される複数のブレーキからなる複数の摩擦部材と、を含むことを特徴とする。
【0017】
前記複数の摩擦部材は、前記第3回転軸及び第4回転軸を選択的に連結する第1クラッチと、前記入力軸及び第2回転軸を選択的に連結する第2クラッチと、前記入力軸及び第8回転軸を選択的に連結する第3クラッチと、前記入力軸及び第1回転軸を選択的に連結する第4クラッチと、前記第2回転軸及び変速機ハウジングを選択的に連結する第1ブレーキと、前記第1回転軸及び変速機ハウジングを選択的に連結する第2ブレーキと、前記第6回転軸及び変速機ハウジングを選択的に連結する第3ブレーキとを含むことを特徴とする。
【0018】
前進1速変速段は前記第1クラッチと第1、第3ブレーキの同時作動によって実現され、前進2速変速段は前記第1クラッチと第2、第3ブレーキの同時作動によって実現され、前進3速変速段は前記第1、第2クラッチと第3ブレーキの同時作動によって実現され、前進4速変速段は前記第2クラッチと第2、第3ブレーキの同時作動によって実現され、前進5速変速段は前記第2、第3クラッチと第3ブレーキの同時作動によって実現され、前進6速変速段は前記第2、第3クラッチと第2ブレーキの同時作動によって実現され、前進7速変速段は前記第1、第2、第3クラッチの同時作動によって実現され、前進8速変速段は前記第1、第3クラッチと第2ブレーキの同時作動によって実現され、前進9速変速段は前記第1、第3クラッチと第1ブレーキの同時作動によって実現され、前進10速変速段は前記第3クラッチと第1、第2ブレーキの同時作動により実現され、前進11速変速段は前記第3、第4クラッチと、第1ブレーキの同時作動により実現され、後進変速段は前記第4クラッチと、第1、第3ブレーキの同時作動により実現されることを特徴とする。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、4つの遊星ギヤセットを2つの複合遊星ギヤセットとして組み合わせ、4つのクラッチと3つのブレーキの制御を通じて前進11速及び後進1速の変速段を実現できる。
【0020】
つまり、前記第1複合遊星ギヤセットは入力軸の回転速度を2つの減速、1つの同速、1つの増速、1つの固定速度、1つの逆回転速度に1次変速し、前記第2複合遊星ギヤセットは前記第1複合遊星ギヤセットの出力と入力軸の回転速度を前進11速及び後進1速に2次変速する。
【0021】
これにより、本発明による遊星ギヤトレインは自動変速機の多段化によって動力伝達効率及び燃費を向上できる。
【0022】
そして各変速段で3つの摩擦部材が作動するようにすることによって、作動しない摩擦部材の個数を最少化して摩擦ドラッグ損失を減らすことによって、動力伝達効率及び燃費をさらに向上できる。
【0023】
また、本発明による遊星ギヤトレインによれば、各変速段で4つの遊星ギヤセットが全て変速に関与せず、一つ乃至4つの遊星ギヤセットが変速に関与する。
【0024】
つまり、前進1速変速段は第2、第3遊星ギヤセットが関与し、前進2速変速段は第1、第2、第3遊星ギヤセットが関与し、前進3速変速段は第3遊星ギヤセットPG3が関与し、前進4速変速段は第1、第3遊星ギヤセットが関与する。
【0025】
また、前進5速変速段は第3、第4遊星ギヤセットが関与し、前進6速変速段は第1、第4遊星ギヤセットが関与し、前進7速変速段は第1、第2、第3、第4遊星ギヤセットが関与する。
【0026】
また、前進8速変速段は第1、第2、第4遊星ギヤセットが関与し、前進9速変速段は第2、第4遊星ギヤセットが関与し、前進10速変速段は第4遊星ギヤセットが関与し、前進11速変速段は第1、第4遊星ギヤセットが関与する。
【0027】
そして後進変速は第1、第3遊星ギヤセットが関与する。
【0028】
つまり、各変速段に関与する遊星ギヤセットの個数を最少化して動力損失を最少にした。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下、本発明の実施形態を添付した図面により詳細に説明する。
【0031】
但し、本発明の実施形態を明確に説明するために説明上不必要な部分は省略し、明細書全体にわたって同一または類似の構成要素については同一の図面符号を適用して説明する。
【0032】
下記の説明で構成の名称を第1、第2などに区分した理由はその構成の名称が同一なのでこれを区分するためであり、必ずしもその順序に限定されるものではない。
【0033】
図1は本発明の実施形態による遊星ギヤトレインの構成図である。
【0034】
図1に示す通り、本発明の実施形態による遊星ギヤトレインは、同一軸線上に配置される第1、第2、第3、第4遊星ギヤセットPG1、PG2、PG3、PG4、入力軸IS、出力軸OS、前記第1、第2、第3、第4遊星ギヤセットPG1、PG2、PG3、PG4の複数の回転要素を相互直接連結する8つの回転軸TM1〜TM8、7つの摩擦部材C1〜C4、B1〜B3、及び変速機ハウジングHを含む。
【0035】
これにより、前記入力軸ISから入力される回転動力が前記第1、第2、第3、第4遊星ギヤセットPG1、PG2、PG3、PG4で変換され、変換された回転動力が出力軸OSを通じて出力される。
【0036】
そして、前記遊星ギヤセットはエンジンに近い前側から後側に第1、第2、第3、第4遊星ギヤセットPG1、PG2、PG3、PG4の順に配置される。
【0037】
前記入力軸ISは入力部材であって、エンジンのクランクシャフトからの回転動力がトルクコンバータを通じてトルク変換され入力される。
【0038】
前記出力軸OSは出力部材であって、差動装置を通じて駆動輪を駆動させる。
【0039】
前記第1遊星ギヤセットPG1はシングルピニオン遊星ギヤセットであって、第1サンギヤS1、前記第1サンギヤS1と外接でかみ合う第1ピニオンP1を回転可能に支持する第1遊星キャリアPC1、前記第1ピニオンP1と内接でかみ合う第1リングギヤR1をその回転要素として含む。
【0040】
前記第2遊星ギヤセットPG2はダブルピニオン遊星ギヤセットであって、第2サンギヤS2、前記第2サンギヤS2と外接でかみ合う第2ピニオンP2を回転可能に支持する第2遊星キャリアPC2、前記第2ピニオンP2と内接でかみ合う第2リングギヤR2をその回転要素として含む。
【0041】
前記第3遊星ギヤセットPG3はシングルピニオン遊星ギヤセットであって、第3サンギヤS3、前記第3サンギヤS3と外接でかみ合う第3ピニオンP3を回転可能に支持する第3遊星キャリアPC3、前記第3ピニオンP3と内接でかみ合う第3リングギヤR3をその回転要素として含む。
【0042】
前記第4遊星ギヤセットPG4はシングルピニオン遊星ギヤセットであって、第4サンギヤS4、前記第4サンギヤS4と外接でかみ合う第4ピニオンP4を回転可能に支持する第4遊星キャリアPC4、前記第4ピニオンP4と内接でかみ合う第4リングギヤR4をその回転要素として含む。
【0043】
前記第1、第2、第3、第4遊星ギヤセットPG1、PG2、PG3、PG4は2つの複合遊星ギヤセット(Compound Planetary Gear Set)CPG1、CPG2として組み合わせられ、入力軸ISの回転速度を前進11速に変換して出力する。
【0044】
前記第1複合遊星ギヤセットCPG1は第1、第2遊星ギヤセットPG1、PG2が組み合わせられ、前記第2複合遊星ギヤセットCPG2は第3、第4遊星ギヤセットPG3PG4が組み合わせられる。
【0045】
前記第1複合遊星ギヤセットCPG1は第1遊星キャリアPC1と第2遊星キャリアPC2が直接連結され5つの回転要素として作動する。
【0046】
また、前記第2複合遊星ギヤセットCPG2は第3サンギヤS3と第4サンギヤS4が直接連結され、第3遊星キャリアPC3と第4リングギヤR4が直接連結され4つの回転要素として作動する。
【0047】
そして前記第1複合遊星ギヤセットCPG1の一つの回転要素と第2複合遊星ギヤセットCPG2の一つの回転要素が直接連結されることによって、前記遊星ギヤトレインは総計8つの回転軸TM1〜TM8を保有する。
【0048】
第1回転軸TM1は第1サンギヤS1を含み、入力軸ISと変速機ハウジングHにそれぞれ選択的に連結される。
【0049】
第2回転軸TM2は第1遊星キャリアPC1と第2遊星キャリアPC2を含み、入力軸ISと変速機ハウジングHにそれぞれ選択的に連結される。
【0050】
第3回転軸TM3は第1リングギヤR1と第3、第4サンギヤS3、S4を含む。
第4回転軸TM4は第2リングギヤR2を含み、前記第3回転軸TM3と選択的に連結される。
第5回転軸TM5は第2サンギヤS2を含み、入力軸ISと直接連結される。
第6回転軸TM6は第3リングギヤR3を含み、変速機ハウジングHと選択的に連結される。
第7回転軸TM7は第3遊星キャリアPC3と第4リングギヤR4を含み、出力軸OSと直接連結される。
第8回転軸TM8は第4遊星キャリアPC4を含み、入力軸ISと選択的に連結される。
【0051】
4つのクラッチC1、C2、C3、C4は回転軸と回転軸の間または回転軸と入力軸ISの間に配置される。
【0052】
また、3つのブレーキB1、B2、B3は回転軸と変速機ハウジングHの間に配置される。
【0053】
前記第1クラッチC1は第3回転軸TM3と第4回転軸TM4の間に介され、選択的に第3、第4回転軸TM3、TM4が一体に回転するようにする。
前記第2クラッチC2は入力軸ISと第2回転軸TM2の間に介され、選択的に第2回転軸TM2が入力要素として作動するようにする。
前記第3クラッチC3は入力軸ISと第8回転軸TM8の間に介され、選択的に第8回転軸TM8が入力要素として作動するようにする。
前記第4クラッチC4は入力軸ISと第1回転軸TM1の間に介され、選択的に第1回転軸TM1が入力要素として作動するようにする。
【0054】
前記第1ブレーキB1は第2回転軸TM2と変速機ハウジングHの間に介され、選択的に第2回転軸TM2が固定要素として作動するようにする。
前記第2ブレーキB2は前記第1回転軸TM1と変速機ハウジングHの間に介され、選択的に前記第1回転軸TM1が固定要素として作動するようにする。
前記第3ブレーキB3は前記第6回転軸TM6と変速機ハウジングHの間に介され、選択的に前記第6回転軸TM6が固定要素として作動するようにする。
【0055】
また、前記第2回転軸TM2と変速機ハウジングHの間には前記第1ブレーキB1と並列に配置されるワンウェイクラッチF1をさらに含む。
【0056】
第1複合遊星ギヤセットCPG1には第1、第2、第3クラッチC1、C2、C3と第1、第2ブレーキB1、B2が適用される。
【0057】
これにより、第1複合遊星ギヤセットCPG1は1つの常時入力経路IPと、第1、第2可変入力経路VIP1、VIP2を通じて入力される回転動力を第1、第2ブレーキB1、B2と第1クラッチC1の作動によって1つの中間出力経路MOPを通じて第2複合遊星ギヤセットCPG2に6つの速度を伝達する。
【0058】
この時、前記6つの速度は2つの減速、1つの固定、1つの同速、1つの増速、1つの逆回転速度からなる。
【0059】
そして前記第2複合遊星ギヤセットCPG2には第3クラッチC3と第3ブレーキB3が適用される。
【0060】
これにより、第2複合遊星ギヤセットCPG2は中間入力経路MIPと第3可変入力経路VIP3を通じて入力される回転動力を第3ブレーキB3の作動によって前進11速及び後進1速に変速して最終出力経路OPを通じて出力する。
【0061】
前記第1、第2、第3、第4クラッチC1、C2、C3、C4と第1、第2、第3ブレーキB1、B2、B3からなる各摩擦部材は油圧によって摩擦結合される多板式油圧摩擦結合ユニットからなる。
【0062】
図2は本発明の実施形態による遊星ギヤトレインに適用される複数の摩擦部材の各変速段別作動表である。
【0063】
図2に示す通り、本発明の実施形態による遊星ギヤトレインは各変速段で3つの摩擦部材が作動しながら変速が行われる。
【0064】
前進1速変速段D1は、第1クラッチC1、第1ブレーキB1、第3ブレーキB3の同時作動によって行われる。
前進2速変速段D2は、第1クラッチC1、第2ブレーキB2、第3ブレーキB3の同時作動によって行われる。
前進3速変速段D3は、第1クラッチC1、第2クラッチC2、第3ブレーキB3の同時作動によって行われる。
前進4速変速段D4は、第2クラッチC2、第2ブレーキB2、第3ブレーキB3の同時作動によって行われる。
前進5速変速段D5は、第2クラッチC2、第3クラッチC3、第3ブレーキB3の同時作動によって行われる。
前進6速変速段D6は、第2クラッチC2、第3クラッチC3、第2ブレーキB2の同時作動によって行われる。
前進7速変速段D7は、第1クラッチC1、第2クラッチC2、第3クラッチC3の同時作動によって行われる。
前進8速変速段D8は、第1クラッチC1、第3クラッチC3、第2ブレーキB2の同時作動によって行われる。
前進9速変速段D9は、第1クラッチC1、第3クラッチC3、第1ブレーキB1の同時作動によって行われる。
前進10速変速段D10は、第3クラッチC3、第1ブレーキB1、第2ブレーキB2の同時作動によって行われる。
前進11速変速段D11は、第3クラッチC3、第4クラッチC4、第1ブレーキB1の同時作動によって行われる。
変速段REVは、第4クラッチC4と、第1ブレーキB1、第3ブレーキB3の同時作動によって行われる。
【0065】
前記前進1速変速段D1で第1クラッチC1と第2、第3ブレーキB2、B3が作動すると説明しているが、一般的な走行時には第1ブレーキB1の代わりにワンウェイクラッチF1が作動する。
【0066】
図3は本発明の実施形態による遊星ギヤトレインの変速線図であって、本発明の実施形態による遊星ギヤトレインの変速過程をレバー解釈法で示している。
【0067】
図3に示す通り、下側の横線は回転速度“0”を示し、上側の横線は回転速度“1.0”、即ち、入力軸ISと同一な回転速度を示す。
【0068】
つまり、第1複合遊星ギヤセットCPG1に対応する4つの縦線は左側から順次に第1回転軸TM1、第2回転軸TM2、第3回転軸TM3または第4回転軸TM4、第5回転軸TM5に設定される。
【0069】
ここで、前記第1回転軸TM1、第2回転軸TM2、第3回転軸TM3または第4回転軸TM4、第5回転軸TM5の間の間隔は第1、第2遊星ギヤセットPG1、PG2の各ギヤ比(サンギヤの歯数/リングギヤの歯数)によって設定される。
【0070】
前記で第3回転軸TM3と第4回転軸TM4は第1クラッチC1の作動時、一体に回転するので一つの縦線に配置される。
【0071】
そして第2複合遊星ギヤセットCPG2に対応する4つの縦線は左側から順次に第6回転軸TM6、第7回転軸TM7、第8回転軸TM8、第3回転軸TM3に設定される。
【0072】
ここで、前記第6回転軸TM6、第7回転軸TM7、第8回転軸TM8、第3回転軸TM3の間の間隔は第3、第4遊星ギヤセットPG3、PG4の各ギヤ比(サンギヤの歯数/リングギヤの歯数)によって設定される。
【0073】
以下、
図2及び
図3を参照して本発明の実施形態による遊星ギヤトレインの各変速段別変速過程を説明する。
【0074】
[前進1速変速段]
まず、前進1速変速段D1では第1クラッチC1及び第1、第3ブレーキB1、B3が作動する。
【0075】
図3のように、第5回転軸TM5に入力軸ISの回転速度が入力されている状態で、第1ブレーキB1の作動で第2回転軸TM2が固定要素として作動する。
【0076】
これにより、第1複合遊星ギヤセットCPG1の複数の回転要素は第1速度線T1を形成しながら第3回転軸TM3を通じて第1速度を出力する。
【0077】
前記第3回転軸TM3を通じて第1速度が入力される状態で、第3ブレーキB3の作動で第6回転軸TM6が固定要素として作動し第2複合遊星ギヤセットCPG2の複数の回転要素は第1変速線SP1を形成する。
【0078】
前記第1変速線SP1と出力要素である第7回転軸TM7の縦線が交差してD1が出力される。
【0079】
[前進2速変速段]
前進2速変速段D2では前進1速変速段D1の状態で作動した第1ブレーキB1の作動が解除され、第2ブレーキB2が作動する。
【0080】
図3のように、第5回転軸TM5に入力軸ISの回転速度が入力されている状態で、第2ブレーキB2の作動で第1回転軸TM1が固定要素として作動する。
【0081】
これにより、第1複合遊星ギヤセットCPG1の複数の回転要素は第2速度線T2を形成しながら第3回転軸TM3を通じて第2速度を出力する。
【0082】
そして前記第3回転軸TM3を通じて第2速度が入力されている状態で、第3ブレーキB3の作動で第6回転軸TM6が固定要素として作動し第2複合遊星ギヤセットCPG2の複数の回転要素は第2変速線SP2を形成する。
【0083】
そうすれば、前記第2変速線SP2と出力要素である第7回転軸TM7の縦線が交差してD2が出力される。
【0084】
[前進3速変速段]
前進3速変速段D3では前進2速変速段D2の状態で作動した第2ブレーキB2の作動が解除され、第2クラッチC2が作動する。
【0085】
図3のように、第5回転軸TM5に入力軸ISの回転速度が入力されている状態で、第2クラッチC2の作動によって第2回転軸TM2に入力軸ISの回転速度が入力される。したがって、第1複合遊星ギヤセットCPG1は直結の状態になり、第1複合遊星ギヤセットCPG1の複数の回転要素は第3速度線T3を形成する。したがって、入力軸ISの回転速度と同一な第3速度が第3回転軸TM3を通じて出力される。
【0086】
そして前記第3回転軸TM3を通じて第3速度が入力されている状態で、第3ブレーキB3の作動で第6回転軸TM6が固定要素として作動し第2複合遊星ギヤセットCPG2の複数の回転要素は第3変速線SP3を形成する。
【0087】
そうすれば、前記第3変速線SP3と出力要素の第7回転軸TM7の縦線が交差してD3が出力される。
【0088】
[前進4速変速段]
前進4速変速段D4では前進3速変速段D3の状態で作動した第1クラッチC1の作動が解除され、第2ブレーキB2が作動する。
【0089】
図3のように、第5回転軸TM5に入力軸ISの回転速度が入力されている状態で、第2クラッチC2の作動で第2回転軸TM2に入力軸ISの回転速度が入力される。
【0090】
この時、第1クラッチC1の作動が解除された状態で第2回転軸TM2に入力軸ISの回転速度が入力され第2ブレーキB2の作動によって第1回転軸TM1が固定要素として作動する。したがって、第1複合遊星ギヤセットCPG1の複数の回転要素は第4速度線T4を形成し、第3回転軸TM3を通じて第4速度を出力する。
【0091】
そして前記第3回転軸TM3を通じて第4速度が入力されている状態で、第3ブレーキB3の作動で第6回転軸TM6が固定要素として作動し第2複合遊星ギヤセットCPG2の複数の回転要素は第4変速線SP4を形成する。
【0092】
そうすれば、前記第4変速線SP4と出力要素である第7回転軸TM7の縦線が交差してD4が出力される。
【0093】
[前進5速変速段]
前進5速変速段D5では前進4速変速段D4の状態で作動した第2ブレーキB2の作動が解除され、第3クラッチC3が作動する。
【0094】
図3のように、第5回転軸TM5に入力軸ISの回転速度が入力されている状態で第2クラッチC2の作動で第2回転軸TM2に入力軸ISの回転速度が入力される。
【0095】
この時、第1複合遊星ギヤセットCPG1は第1、第2ブレーキB1、B2が作動しないので変速に影響を与えない。
【0096】
しかし、第3クラッチC3の作動によって第8回転軸TM8に入力軸ISの回転速度が入力されている状態で、第3ブレーキB3の作動で第6回転軸TM6が固定要素として作動して第2複合遊星ギヤセットCPG2の複数の回転要素は第5変速線SP5を形成する。
【0097】
そうすれば、前記第5変速線SP5と出力要素である第7回転軸TM7の縦線が交差してD5が出力される。
【0098】
[前進6速変速段]
前進6速変速段D6では前進5速変速段D5の状態で作動した第3ブレーキB3の作動が解除され、第2ブレーキB2が作動する。
【0099】
図3のように、第5回転軸TM5に入力軸ISの回転速度が入力されている状態で第2クラッチC2の作動で第2回転軸TM2に入力軸ISの回転速度が入力される。
【0100】
この時、第1クラッチC1の作動が解除された状態で第2回転軸TM2に入力軸ISの回転速度が入力され第2ブレーキB2の作動によって第1回転軸TM1が固定要素として作動するので、第1複合遊星ギヤセットCPG1の複数の回転要素は第4速度線T4を形成し第3回転軸TM3を通じて第4速度が出力される。
【0101】
そして前記第3回転軸TM3を通じて第4速度が入力されている状態で、第3クラッチC3の作動で第8回転軸TM8に入力軸ISの回転速度が入力されるので、第2複合遊星ギヤセットCPG2の複数の回転要素は第6変速線SP6を形成する。
【0102】
そうすれば、前記第6変速線SP6と出力要素である第7回転軸TM7の縦線が交差してD6が出力される。
【0103】
[前進7速変速段]
前進7速変速段D7では前進6速変速段D6の状態で作動した第2ブレーキB2の作動が解除され、第1クラッチC1が作動する。
【0104】
図3のように、第5回転軸TM5に入力軸ISの回転速度が入力されている状態で、第2クラッチC2の作動によって第2回転軸TM2に入力軸ISの回転速度が入力される。したがって、第1複合遊星ギヤセットCPG1は直結の状態になり第1複合遊星ギヤセットCPG1の複数の回転要素は第3速度線T3を形成する。したがって、第3回転軸TM3を通じて第3速度が出力される。
【0105】
そして前記第3回転軸TM3を通じて第3速度が入力されている状態で、第3クラッチC3の作動によって第8回転軸TM8に入力軸ISの回転速度が入力される。したがって、第2複合遊星ギヤセットCPG2も直結の状態になり第2複合遊星ギヤセットCPG2の複数の回転要素は第7変速線SP7を形成する。したがって、D7が出力される。
【0106】
[前進8速変速段]
前進8速変速段D8では前進7速変速段D7の状態で作動した第2クラッチC2の作動が解除され、第2ブレーキB2が作動する。
【0107】
図3のように、第5回転軸TM5に入力軸ISの回転速度が入力されている状態で、第2ブレーキB2の作動で第1回転軸TM1が固定要素として作動する。
【0108】
これにより、第1複合遊星ギヤセットCPG1の複数の回転要素は第2速度線T2を形成しながら第3回転軸TM3を通じて第2速度が出力される。
【0109】
そして前記第3回転軸TM3を通じて前記第2速度が入力されている状態で第3クラッチC3の作動によって第8回転軸TM8に入力軸ISの回転速度が入力され第2複合遊星ギヤセットCPG2の複数の回転要素は第8変速線SP8を形成する。
【0110】
そうすれば、前記第8変速線SP8と出力要素である第7回転軸TM7の縦線が交差してD8が出力される。
【0111】
[前進9速変速段]
前進9速変速段D9では前進8速変速段D8の状態で作動した第2ブレーキB2の作動が解除され、第1ブレーキB1が作動制御される。
【0112】
図3のように、第5回転軸TM5に入力軸ISの回転速度が入力されている状態で第1ブレーキB1の作動で第2回転軸TM2が固定要素として作動する。
【0113】
これにより、第1複合遊星ギヤセットCPG1の複数の回転要素は第1速度線T1を形成しながら第3回転軸TM3を通じて第1速度が出力される。
【0114】
そして前記第3回転軸TM3を通じて第1速度が入力されている状態で、第3クラッチC3の作動によって第8回転軸TM8に入力軸ISの回転速度が入力されるので、第2複合遊星ギヤセットCPG2の複数の回転要素は第9変速線SP9を形成する。
【0115】
そうすれば、前記第9変速線SP9と出力要素である第7回転軸TM7の縦線が交差してD9が出力される。
【0116】
[前進10速変速段]
前進10速変速段D10では前進9速変速段D9の状態で作動した第1クラッチC1の作動が解除され、第2ブレーキB2が作動制御される。
【0117】
図3のように、第5回転軸TM5に入力軸ISの回転速度が入力されている状態で、第1、第2ブレーキB1、B2が同時に作動するので、第3回転軸TM3は停止する。
【0118】
そして前記第8回転軸TM8を通じて入力軸ISの回転速度が入力されている状態で、第3回転軸TM3が停止するので、第2複合遊星ギヤセットCPG2の複数の回転要素は第10変速線SP10を形成する。
【0119】
そうすれば、前記第10変速線SP10と出力要素である第7回転軸TM7の縦線が交差してD10が出力される。
【0120】
[前進11速変速段]
前進11速変速段D11では前進10速変速段D10の状態で作動した第2ブレーキB2の作動が解除され、第4クラッチC4が作動制御される。
【0121】
図3のように、第5回転軸TM5に入力軸ISの回転速度が入力されている状態で、第4クラッチC4の作動によって第1回転軸TM1に入力軸ISの回転速度が入力される。
【0122】
しかし、第5回転軸TM5を通じた入力は変速に何らの影響を与えず、第1回転軸TM1を通じた入力のみが変速に影響を与える。また、第1ブレーキB1の作動で第2回転軸TM2が停止する。したがって、第1複合遊星ギヤセットCPG1の複数の回転要素は第5速度線T5を形成しながら第3回転軸TM3を通じて第5速度を出力する。
【0123】
そして前記第3回転軸TM3を通じて第5速度が入力されている状態で、第3クラッチC3の作動によって第8回転軸TM8に入力軸ISの回転速度が入力されていて、第2複合遊星ギヤセットCPG2の複数の回転要素は第11変速線SP11を形成する。
【0124】
そうすれば、前記第11変速線SP11と出力要素である第7回転軸TM7の縦線が交差してD11が出力される。
【0125】
[後進変速段]
後進変速段REVでは第4クラッチC4と第1、第3ブレーキB1、B3が作動する。
【0126】
図3のように、第5回転軸TM5に入力軸ISの回転速度が入力されている状態で、第4クラッチC4の作動によって第1回転軸TM1に入力軸ISの回転速度が入力される。
【0127】
しかし、第5回転軸TM5を通じた入力は変速に何らの影響を与えず、第1回転軸TM1を通じた入力のみが変速に影響を与える。また、第1ブレーキB1の作動で第2回転軸TM2が停止する。したがって、第1複合遊星ギヤセットCPG1の複数の回転要素は第5速度線T5を形成しながら第3回転軸TM3を通じて第5速度を出力する。
【0128】
そして前記第3回転軸TM3を通じて第5速度が入力されている状態で、第3ブレーキB3の作動によって第6回転軸TM6が固定要素として作動するので、第2複合遊星ギヤセットCPG2の複数の回転要素は後進変速線SRを形成する。
【0129】
そうすれば、前記後進変速線SRと出力要素である第7回転軸TM7の縦線が交差してREVが出力される。
【0130】
以上、本発明の一つの実施形態を説明したが、本発明は前記実施形態に限定されず、本発明の実施形態から当該発明の属する技術分野における当業者によって技術的範囲内で容易に変更される。