特許第6367556号(P6367556)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6367556ピラゾール−4−カルボキサミドの製造方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6367556
(24)【登録日】2018年7月13日
(45)【発行日】2018年8月1日
(54)【発明の名称】ピラゾール−4−カルボキサミドの製造方法
(51)【国際特許分類】
   C07D 231/14 20060101AFI20180723BHJP
   A61K 31/415 20060101ALI20180723BHJP
【FI】
   C07D231/14
   A61K31/415
【請求項の数】3
【全頁数】22
(21)【出願番号】特願2013-535403(P2013-535403)
(86)(22)【出願日】2011年10月25日
(65)【公表番号】特表2013-542213(P2013-542213A)
(43)【公表日】2013年11月21日
(86)【国際出願番号】EP2011068653
(87)【国際公開番号】WO2012055864
(87)【国際公開日】20120503
【審査請求日】2014年9月22日
【審判番号】不服2016-14243(P2016-14243/J1)
【審判請求日】2016年9月23日
(31)【優先権主張番号】61/407,216
(32)【優先日】2010年10月27日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】591001248
【氏名又は名称】ソルヴェイ(ソシエテ アノニム)
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(72)【発明者】
【氏名】マックス・ヨーゼフ・ブラウン
【合議体】
【審判長】 守安 智
【審判官】 関 美祝
【審判官】 冨永 保
(56)【参考文献】
【文献】 特表2009−509935(JP,A)
【文献】 特表2010−508333(JP,A)
【文献】 特表2009−535379(JP,A)
【文献】 特表2008−530059(JP,A)
【文献】 特表2005−530694(JP,A)
【文献】 特表2008−515835(JP,A)
【文献】 特表2008−509190(JP,A)
【文献】 社団法人日本化学会編、第4版 実験化学講座22 有機合成IV −酸・アミノ酸・ペプチド−、丸善株式会社、平成6年11月10日、148〜150頁
【文献】 BUNNETT,J.F., et al., Journal of the American Chemical Society,1960,Vol.82,pp.665−74
【文献】 PRICE,K.E., et al.,Organic Letters,2009,Vol.11,No.9,pp.2003−2006
【文献】 VARMA,R.S., et al.,Tetrahedron Letters,1999,Vol.40,pp.6177−6180
【文献】 SABOT C, et al.,Tetrahedron Letters,2007,Vol.48,pp.3863−3866
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C07D
CAPLUS(STN),REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I)
【化1】
[式中、
− R2はメチルであり
− R3はジフルオロメチルまたはトリフルオロメチルであり
− R4はHであり
− Xは酸素であり
− Qは、下の式(Q1)、(Q6)、または(Q41):
【化2】
(式中、Rは、水素であるか、メチルであるか、または塩素もしくはフッ素からそれぞれ独立して選択される1つ〜3つの置換基で置換されてよいフェニルであるか
るいはRは、Cアルキルであり
、R、R、R10、R11およびR12はそれぞれ、独立して、水素またはハロゲンである
のいずれかの基である
の化合物;あるいはこれらの化合物の互変異性体またはエナンチオマーの製造方法であって、式(II)
【化3】
(式中、
− R1は、メチル、エチル、プロピル、ブチル、1−メチルエチル、1−メチルプロピル、2−メチルプロピル、または1,1−ジメチルエチルであり
− R2およびR3は上に定義された通りである)
の化合物を、式(III):QNHR4(III)(式中、Qは上に定義された通りである)のアミンと、式(III)のアミン1モル当たり1.5当量以上の量で使用される塩基の存在下に反応させる工程を含み、
前記塩基は、トリメチルアルミニウムまたはカリウム第三ブトキシド(KOtBu)から選択される非求核性塩基であり、
前記反応は、ジクロロメタン(DCM)またはテトラヒドロフラン(THF)から選択される不活性溶媒中、0℃から50℃の温度で実施される、方法。
【請求項2】
前記非求核性塩基が、カリウム第三ブトキシド(KOtBu)である、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記不活性溶媒がテトラヒドロフラン(THF)である、請求項1または2に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、参照により本明細書に援用される、2011年10月27日出願の米国仮特許出願第61/407216号明細書の優先権を主張するものである。
【0002】
本発明は、1H−ピラゾール−4−カルボキサミド、特に、医薬品および農薬として有用である、3−ジフルオロメチル−1−メチル−1H−ピラゾール−4−カルボキサミドの製造方法に関する。
【背景技術】
【0003】
3−ジフルオロメチル−1−メチル−1H−ピラゾール−4−カルボキサミドの具体例は、たとえば、ビキサフェン(Bixafen)、セダキサン(Sedaxane)、イソピラザム(Isopyrazam)およびフルキサピラキサド(Fluxapyraxad)である。
【0004】
化学名N−(3’,4’−ジクロロ−5−フルオロ−[l,1’−ビフェニル]−2−イル)−3−(ジフルオロ−メチル)−l−メチル−lH−ピラゾール−4−カルボキサミド(Cas番号 581809−46−3)を有するビキサフェンおよびその製造方法は、(特許文献1)に記載されている。
【0005】
セダキサンは、異性体N−(2−[1,1’−ビシクロプロピル]−2−イルフェニル)−3−(ジフルオロメチル)−l−メチル 1H−ピラゾール−4−カルボキサミド(Cas番号 874967−67−6)の混合物である。セダキサンおよびその製造方法は、たとえば(特許文献2)および(特許文献3)に記載されている。
【0006】
イソピラザムは、3−(ジフルオロメチル)−l−メチル−N−[l,2,3,4−テトラヒドロ−9−イソプロピル−1,4−メタノナフタレン−5−イル]ピラゾール−4−カルボキサミド(Cas番号 881685−58−1)の異性体の混合物である。イソピラザムおよびその製造方法は、(特許文献4)に記載されている。
【0007】
化学名3−(ジフルオロメチル)−l−メチル−N−(3’,4’,5’−トリフルオロビフェニル−2−イル)−lH−ピラゾール−4−カルボキサミドを有するフルキサピロキサド(Fluxapyroxad)およびその製造方法は(特許文献5)に記載されている。
【0008】
1H−ピラゾール−4−カルボキサミドは一般に、相当する4−カルボン酸ピラゾールまたは前記カルボン酸の活性型、たとえば酸クロリドを適切なアミンと反応させることによって得られる。たとえば(特許文献1)((特許文献6))、(特許文献7)、(特許文献5)または(特許文献8)を参照されたい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】国際公開第03/070705号パンフレット
【特許文献2】国際公開第2006/015865号パンフレット
【特許文献3】国際公開第2006/015866号パンフレット
【特許文献4】国際公開第2004/035589号パンフレット
【特許文献5】国際公開第2006/087343号パンフレット
【特許文献6】欧州特許第1490342号明細書
【特許文献7】国際公開第2005/123690号パンフレット
【特許文献8】国際公開第2007/009717号パンフレット
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
標的生成物の製造について高収率、高純度、および高効率を、特に、経済的な方法で可能にする1H−ピラゾール−4−カルボキサミドの合成方法を提供することが本発明の目的である。本方法は、環境上の利益を有することができる。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は、その結果として、
式(I)
【化1】
[式中、
− R2は、Hまたは有機残基であり
− R3は、H、1〜12個の炭素原子を有するアルキル基、1〜12個の炭素原子を有するハロゲン化アルキル基、アラルキル基、アリール基、ハロゲンであり
− R4は、H、1〜12個の炭素原子を有するアルキル基、1〜12個の炭素原子を有するハロゲン化アルキル基、アラルキル基、アリール基、ハロゲンであり
− R5’およびR5”はそれぞれ独立して、H、1〜12個の炭素原子を有するアルキル基、1〜12個の炭素原子を有するハロゲン化アルキル基、アラルキル基、アリール基、ハロゲンから選択され
− n=0〜10
− Xは、酸素または硫黄であり
− Qは、本明細書で下の式(Q1)〜(Q38):
【化2-1】
【化2-2】
(式中、Rは、各置換基が独立して、ハロゲン、シアノ、C1〜4アルコキシ、C1〜4チオアルキル、COO−C1〜4アルキル、=N−OH、=N−O−(C1〜4アルキル)、それぞれ独立して、C1〜4アルキル、ハロゲン、C1〜4アルコキシおよびC1〜4ハロアルコキシから選択される、1〜3つの置換基でそれ自体置換されていてもよい、C3〜8シクロアルキル、ならびにそれぞれ独立して、C1〜4アルキル、ハロゲン、C1〜4アルコキシおよびC1〜4ハロアルコキシから選択される、1〜3つの置換基でそれ自体置換されていてもよい、C4〜8シクロアルケニルから選択される、1〜6つの置換基で置換されていてもよい、水素、C1〜12アルキル、C2〜12アルケニルもしくはC2〜12アルキニル基であるか;
またはRは、それぞれ独立して、ハロゲン、C1〜4アルキル、C1〜4ハロアルキル、C1〜4アルコキシ、C1〜4ハロアルコキシ、C1〜4チオアルキル、それぞれ独立して、C1〜4アルキル、ハロゲン、C1〜4アルコキシおよびC1〜4ハロアルコキシから選択される、1〜3つの置換基でそれ自体置換されていてもよい、C3〜6シクロアルキル、ならびに1〜5つの独立して選択されるハロゲン原子でそれ自体置換されていてもよい、フェニルから選択される、1〜3つの置換基で置換されていてもよい、C3〜8シクロアルキル、C4〜8シクロアルケニルもしくはC5〜8シクロアルカジエニル基であるか;
またはRは、それぞれ独立して、ハロゲン、C1〜4アルキルおよびC1〜4ハロアルキルから選択される、1〜3つの置換基で置換されていてもよい、C6〜12ビシクロアルキル、C6〜12ビシクロアルケニルもしくはC6〜12ビシクロアルカジエニル基であるか;
またはRは、それぞれ独立して、ハロゲン、シアノ、ニトロ、C1〜4アルキル、C1〜4ハロアルキル、C1〜4アルコキシ、C1〜4アルキルチオ、C1〜4ハロアルコキシ、C1〜4ハロアルキルチオ、C(H)=N−OH、C(H)=N−O(C1〜6アルキル)、C(C1〜6アルキル)=N−OH、C(C1〜6アルキル)=N−O−(C1〜6アルキル)、
【化3】
(Z)CR28=CR2627、それぞれ独立して、ハロゲン、シアノ、ニトロ、C1〜4アルキル、C1〜4ハロアルキル、C1〜4アルコキシ、C1〜4ハロアルコキシ、C1〜4ハロアルキルチオ、C(H)=N−OH、C(H)=N−O(C1〜6アルキル)、C(C1〜6アルキル)=N−OHおよびC(C1〜6アルキル)=N-O−(C1〜6アルキル)から選択される、1〜3つの置換基でそれ自体置換されていてもよい、フェニル、ならびに、それぞれ独立して、ハロゲン、シアノ、ニトロ、C1〜4アルキル、C1〜4ハロアルキル、C1〜4アルコキシ、C1〜4ハロアルコキシ、C1〜4ハロアルキルチオ、C(H)=N−OH、C(H)=N−O(C1〜6アルキル)、C(C1〜6アルキル)=N−OHおよびC(C1〜6アルキル)=N-O−(C1〜6アルキル)から選択される、1〜3つの置換基でそれ自体置換されていてもよい、チエニルから選択される1〜3つの置換基で置換されていてもよい、フェニルであるか;
またはRは5〜6員環の複素環であり、ここで複素環は、各ヘテロ原子が独立して、酸素、硫黄および窒素から選択される、1〜3つのヘテロ原子を含有し、ここで複素環は、それぞれ独立して、ハロゲン、シアノ、ニトロ、C1〜4アルキル、C1〜4ハロアルキル、C1〜4アルコキシ、C1〜4アルキルチオ、C1〜4アルキルチオ、C1〜4ハロアルコキシ、C(H)=N−O−(C1〜6アルキル)およびC(C1〜6アルキル)=N−O−(C1〜6アルキル)、C2〜5アルケニル、C2〜5アルキニル、CHO、COOC−Cアルキル、C−Cアルコキシ−C〜Cアルキル、CrCハロアルコキシ−C〜Cアルキル、
【化4】
(Z)CR28=CR2627、それぞれ独立して、ハロゲン、シアノ、ニトロ、C1〜4アルキル、C1〜4ハロアルキル、C1〜4アルコキシ、C1〜4ハロアルコキシ、C1〜4ハロアルキルチオ、C(H)=N−OH、C(H)=N−O(C1〜6アルキル)、C(C1〜6アルキル)=N−OHおよびC(C1〜6アルキル)=N−O−(C1〜6アルキル)から選択される、1〜3つの置換基でそれ自体置換されていてもよい、フェニル、ならびに、それぞれ独立して、ハロゲン、シアノ、ニトロ、C1〜4アルキル、C1〜4ハロアルキル、C1〜4アルコキシ、C1〜4ハロアルコキシ、C1〜4ハロアルキルチオ、C(H)=N−OH、C(H)=N−O(C1〜6アルキル)、C(C1〜6アルキル)=N−OHおよびC(C1〜6アルキル)=N-O−(C1〜6アルキル)から選択される。1〜3つの置換基でそれ自体置換されていてもよい、チエニルから選択される、1〜3つの置換基で置換されていてもよく、そしてここで5〜6員環の複素環の隣接炭素原子上の2つの置換基は一緒に、基−CR6a−CR6a=CR6a−CR6a−(式中、各R6aは独立して、水素、ハロゲン、シアノ、ニトロ、C1〜4アルキル、C1〜4ハロアルキル、C1〜4アルコキシ、C1〜4ハロアルコキシ、C1〜4ハロアルキルチオ、C(H)=N−OH、C(H)=N−O(C1〜6アルキル)、C(C1〜6アルキル)=N−OHおよびC(C1〜6アルキル)=N−O−(C1〜6アルキル)から選択される)を形成してもよく;
またはRは、3〜13個の炭素原子および少なくとも1個のケイ素原子を含有する脂肪族の飽和もしくは不飽和基であり、ここで脂肪族基は、各ヘテロ原子が独立して、酸素、窒素および硫黄から選択される、1〜3つのヘテロ原子を含有してもよく、そしてここで脂肪族基は、1〜4つの独立して選択されるハロゲン原子で置換されていてもよいか;
またはRは、(CR−Cy−(CR−Yであるか;
またはRは、C1〜6アルコキシ、C1〜6ハロアルコキシ、C2〜6アルケニルオキシ、C2〜6ハロアルケニルオキシ、C2〜6アルキニルオキシ、C3〜6シクロアルキルオキシ、C1〜4アルキル−C3〜7シクロアルキルオキシ、C5〜7シクロアルケニルオキシもしくはC1〜4アルキル−C5〜7シクロアルケニルオキシであり;
Zは、C1〜4アルキレンであり;
pは、0または1であり;
25は、水素、ハロゲン、C1〜4アルキル、C1〜4ハロアルキル、C1〜4アルコキシ(C1〜4)アルキル、C1〜4ハロアルコキシ(C1〜4)アルキルまたはSi(C1〜4アルキル)であり;
26およびR27はそれぞれ、独立して、水素、ハロゲン、C1〜4アルキルまたはC1〜4ハロアルキルであり;
25は、水素、C1〜4アルキルまたはC1〜4ハロアルキルであり;
、R、RおよびRはそれぞれ、独立して、水素または、各置換基が独立して、ハロゲン、ヒドロキシ、シアノ、カルボキシル、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、メトキシ、エトキシ、メチルスルホニル、エチルスルホニル、ジフルオロメトキシ、トリフルオロメトキシ、トリフルオロメチルチオおよびトリフルオロチオメトキシから選択される、1〜6つの置換基で置換されていてもよい、C1〜4アルキル基であり;
Cyは、飽和、不飽和もしくは芳香族であってもよい、そしてケイ素原子を環構成要素として含有してもよい、炭素環もしくは複素環3〜7員環であり、ここで(CRおよび(CRは、Cyの同じ炭素もしくはケイ素原子にか、1、2もしくは3つの環構成要素によって隔てられた異なる原子にかのどちらかに結合していてもよく、ここで前記炭素環もしくは複素環3〜7員環は、各置換基が独立して、ハロゲン、C1〜4アルキル、C2〜4アルケニル、C1〜4ハロアルキル、C1〜4アルコキシおよびハロ−C1〜4アルコキシから選択される、1〜6つの置換基で置換されていてもよく;
はSi(Op1)(O)(O≦Z)であり、ただしCyがケイ素原子を環構成要素として含有する場合、Yはまた水素であってもよく;
およびZは独立して、メチルまたはエチルであり;
は、O、SおよびNから選択される1つのヘテロ原子で割り込まれていてもよい、C1〜4アルキルまたはC2〜4アルケニル基であり、そしてここで前記C1〜4アルキルまたはC2〜4アルケニル基は、1〜3つの独立して選択されるハロゲン原子で置換されていてもよく;
mおよびnはそれぞれ独立して、0、1、2または3であり;
、qおよびsはそれぞれ独立して、0または1であり;
、R、R、R10、R11、R12およびR12aはそれぞれ、独立して、水素、ハロゲン、シアノ、ニトロ、C1〜4アルキル、C1〜4ハロアルキル、C1〜4アルコキシ、C1〜4ハロアルコキシ、C1〜4チオアルキルまたはC1〜4チオハロアルキルであり;
13、R14、R15、R16およびR17はそれぞれ、独立して、水素、ハロゲン、シアノ、ニトロ、C1〜4アルキル、C(O)CH、C1〜4ハロアルキル、C1〜4アルコキシ、C1〜4ハロアルコキシ、C1〜4チオアルキル、C1〜4チオハロアルキル、ヒドロキシメチルまたはC1〜4アルコキシメチルであり;
Wは、単結合または二重結合であり;そして
Yは、O、N(R18)、Sまたは(CR1920)(CR2122m1(CR2324n1であり;
18は、水素、C1〜4アルキル、ホルミル、C1〜4アルコキシ(C1〜4)アルキル、ハロゲンもしくはC1〜4アルコキシで置換されていてもよい、C(=O)C1〜4アルキル、またはハロゲン、C1〜4アルコキシもしくはCNで置換されていてもよい、C(=O)O−C1〜6アルキルであり;
19、R20、R21、R22、R23およびR24はそれぞれ独立して、水素、ハロゲン、ヒドロキシ、C1〜4アルコキシ、ハロゲン、ヒドロキシ、=O、C1〜4アルコキシ、O−C(O)−C1〜4アルキル、フェニル、ナフチル、アントラシル、フルオレニル、インダニルもしくは3〜7員環炭素環(1〜3個のメチル基でそれ自体置換されていてもよい)から選択される1〜3つの置換基で置換されていてもよい、C1〜6アルキル、ハロゲン、ヒドロキシ、=O、C1〜4アルコキシ、O−C(O)−C1〜4アルキル、フェニル、ナフチル、アントラシル、フルオレニル、インダニルもしくは3〜7員環炭素環(1〜3個のメチル基でそれ自体置換されていてもよい)、または窒素および酸素から選択される1つのヘテロ原子を含有してもよい3〜7員環炭素環から選択される1〜3つの置換基で置換されていてもよいC1〜6アルケニルであり、そしてここで前記3〜7員環炭素環は1〜3個のメチル基で置換されていてもよいか;
またはR19、R20は、それらが結合している炭素原子と一緒に、カルボニル基、1〜3個のメチル基で置換されていてもよい、3〜5員環炭素環、1〜3個のメチル基で置換されていてもよい、C1〜6アルキリデン、または1〜3個のメチル基で置換されていてもよい、C3〜6シクロアルキリデンを形成し;
は、0または1であり;
は、0または1であり;
13aは、各置換基が独立して、ハロゲン、ヒドロキシ、シアノ、C1〜4アルコキシカルボニル、ホルミル、ニトロ、C〜Cアルコキシ、C〜Cハロアルコキシ、C〜Cアルキルチオ、C〜Cハロアルキルチオ、HC(OR29)=N−およびR3031NN=C(H)−から選択される、1〜6つの置換基で置換されていてもよい、C〜Cアルキル、C〜CアルケニルまたはC〜Cアルキニル基であり;
29、R30およびR31は互いに独立して、水素またはC〜Cアルキルであり;
13bは、各置換基が独立して、ハロゲン、ヒドロキシ、シアノ、C1〜4アルコキシカルボニル、ホルミル、ニトロ、C〜Cアルコキシ、C〜Cハロアルコキシ、C〜Cアルキルチオ、C〜Cハロアルキルチオ、HC(OR32)=N−およびR3334NN=C(H)−から選択される、1〜6つの置換基で置換されていてもよい、C〜Cアルキル基であり;
32、R33およびR24は互いに独立して、水素またはC〜Cアルキルであり;
13cは、水素またはハロゲンである)
のいずれかの基である]
の化合物;およびこれらの化合物の互変異性体異性体/異性体/エナンチオマーの製造のための製造方法であって、式(II)
【化5】
(式中、
− R1は有機残基であり、
− R2およびR3は上に定義された通りである)
化合物を、式(III):QNHR4(III)(式中、Qは上に定義された通りである)のアミンと塩基の存在下に反応させる工程を含む方法に関する。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明による方法の第1実施形態においては、本方法は、水を本質的に含まない反応媒体中で実施される。
【0013】
具体的には、式(II)の化合物と式(III)のアミンとが、水を本質的に含まない反応媒体中で塩基の存在下に反応させられるときに、式(I)の所望のカルボキサミドの非常に効率的な生成が獲得されることが、意外にも、見いだされた。
【0014】
反応媒体は一般に、3100mg/kg以下の水を含有する。反応媒体は多くの場合、1000mg/kg以下の水を含有する。800mg/kg以下の水を含有する反応媒体が使用のために好適である。反応媒体は好ましくは100gm/kg以下の水を含有する。100mg/kg以下の水を含有する反応媒体が最も特に好ましい。言うまでもなく、本方法は、完全に無水の反応媒体中で実施することができる。しかし、少量での微量の水の存在は有害ではないことが分かった。典型的には、本発明による方法は、10mg/kg超の水、またはさらには50mg/kg超の水を含有する反応媒体で実施される。
【0015】
反応媒体の含水率は、たとえば、使用される反応器から微量の水を除去することによってコントロールすることができる。たとえば、反応媒体を導入する前に、反応器を加熱することおよび/またはそれを乾燥ガスでパージすることが可能である。さらに、反応媒体の構成要素中の、たとえば式(II)の化合物、式(III)のアミンおよび塩基中の、ならびに任意選択的に溶媒中の含水率を低減することができる。反応媒体の構成要素中の含水率を低減するために用いることができる操作は、たとえば、固体吸着剤への吸着または蒸留操作などの、たとえば乾燥操作である。
【0016】
本発明による方法の第2実施形態においては、本方法は、塩基が、式(III)の1モルアミン当たり、0.25当量以上の量で使用されるような方法で実施される。好ましくはこの量は、式(III)の1モルアミン当たり、0.5当量以上、より好ましくは1.0当量以上、最も好ましくは1.5当量以上である。
【0017】
反応媒体中の塩基の量をコントロールすると、本方法の効率ならびに式(I)の所望のカルボキサミドの収率および純度が向上することが分かった。
【0018】
本発明はより詳細にさらに説明され、出発化合物および標的化合物を含む化合物ならびに本発明による方法に関するプロセス条件について以下に記載される定義および選好は、本発明による方法の、上に示された第1および第2実施形態ならびに以下に記載されるさらなる実施形態に等しく適用される。
【0019】
用語「有機残基」は、特にホウ素、ケイ素、窒素、酸素または硫黄原子およびハロゲン原子などの、ヘテロ原子を含有する線状もしくは分岐アルキルまたはアルキレン基、シクロアルキル基、複素環および芳香族系を特に意味することを意図する。有機残基は、二重または三重結合および官能基を含有してもよい。
【0020】
有機残基は、少なくとも1個の炭素原子を含む。それは多くの場合少なくとも2個の炭素原子を含む。それは好ましくは少なくとも3個の炭素原子を含む。より特に好ましくは、それは少なくとも5個の炭素原子を含む。
【0021】
有機残基は一般に、多くとも100個の炭素原子を含む。それは多くの場合多くとも50個の炭素原子を含む。それは好ましくは多くとも40個の炭素原子を含む。より特に好ましくは、それは多くとも30個の炭素原子を含む。
【0022】
R1は典型的には、H、任意選択的にヘテロ原子、二重結合、三重結合、官能基およびそれらの混合物を含有する、線状もしくは分岐アルキルまたはアルキレン基、シクロアルキルまたはシクロアルキレン基、複素環および芳香族系からなる群から選択される。
【0023】
R2は通常、H、任意選択的にヘテロ原子、二重結合、三重結合、官能基およびそれらの混合物を含有する、線状もしくは分岐アルキルまたはアルキレン基、シクロアルキルまたはシクロアルキレン基、複素環および芳香族系からなる群から選択される。
【0024】
用語「アルキル基」は、1〜20個の炭素原子、好ましくは1、2、3、4、5、6、7、8、9または10個の炭素原子を含む線状もしくは分岐アルキル置換基を特に意味することを意図する。そのような置換基の具体的な例は、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、第三ブチル、n−ペンチル、イソペンチル、n−ヘキシル、2−ヘキシル、n−ヘプチル、n−オクチルおよびベンジルである。
【0025】
用語「シクロアルキル基」は、3〜10個の炭素原子、好ましくは5、6または7個の炭素原子を含有する少なくとも1つの飽和炭素環を含む置換基を特に意味することを意図する。そのような置換基の具体的な例は、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシルおよびシクロヘプチルである。
【0026】
用語「アルキレン基」または「シクロアルキレン基」は、上に定義されたようなアルキルまたはシクロアルキル基に由来する二価ラジカルを特に意味することを意図する。
【0027】
有機残基が、1つまたは任意選択的にそれ以上の二重結合を含有するとき、それは多くの場合、2〜20個の炭素原子、好ましくは2、3、4、5、6、7、8、9または10個の炭素原子を含むアルケニルまたはシクロアルケニル基から選択される。そのような基の具体的な例は、ビニル、1−アリル、2−アリル、n−ブテ−2−エニル、イソブテニル、1,3−ブタジエニル、シクロペンテニル、シクロヘキセニルおよびスチリルである。
【0028】
有機残基が1つまたは任意選択的にそれ以上の三重結合を含有するとき、それは多くの場合、2〜20個の炭素原子、好ましくは2、3、4、5、6、7、8、9または10個の炭素原子を含むアルキニル基から選択される。そのような基の具体的な例は、エチニル、1−プロピニル、2−プロピニル、n−ブチ−2−イニルおよび2−フェニルエチニルである。
【0029】
有機残基が1つまたは任意選択的にそれ以上の芳香族系を含有するとき、それは多くの場合、6〜24個の炭素原子、好ましくは6〜12個の炭素原子を含むアリール基である。そのような基の具体的な例は、フェニル、1−トリル、2−トリル、3−トリル、キシリル、1−ナフチルおよび2−ナフチルである。
【0030】
用語「複素環」は、その少なくとも1つがヘテロ原子である、3、4、5、6、7または8つの原子から構成される少なくとも1つの飽和もしくは不飽和環を含む環状系を特に意味することを意図する。ヘテロ原子は多くの場合、B、N、O、Si、PおよびSから選択される。それはより多くの場合N、OおよびSから選択される。
【0031】
そのような複素環の具体的な例は、アジリジン、アゼチジン、ピロリジン、ピペリジン、モルホリン、1,2,3,4−テトラヒドロキノリン、1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン、パーヒドロキノリン、パーヒドロイソキノリン、イソオキサゾリジン、ピラゾリン、イミダゾリン、チアゾリン、テトラヒドロフラン、テトラヒドロチオフェン、ピラン、テトラヒドロピランおよびジオキサンである。
【0032】
上に定義されたような有機残基は、非置換であってもまたは官能基で置換されていてもよい。用語「官能基」は、ヘテロ原子を含むかまたはヘテロ原子からなる置換基を特に意味することを意図する。ヘテロ原子は多くの場合、B、N、O、Al、Si、P、S、Sn、AsおよびSeならびにハロゲンから選択される。それはより多くの場合、N、O、SおよびP、特にN、OおよびSから選択される。
【0033】
官能基は一般に、1、2、3、4、5または6つの原子を含む。
【0034】
官能基として、たとえば、ハロゲン、ヒドロキシル基、アルコキシ基、メルカプト基、アミノ基、ニトロ基、カルボニル基、アシル基、任意選択的にエステル化されたカルボキシル基、カルボキサミド基、ウレア基、ウレタン基およびカルボニル基を含有する上述の基のチオール誘導体、ホスフィン、ホスホネートまたはホスフェート基、スルホキシド基、スルホン基およびスルホネート基が言及されてもよい。
【0035】
用語「ハロゲン化アルキル基」は、1〜20個の炭素原子および少なくとも1つのハロゲン、好ましくは1、2、3、4、5、6、7、8、9または10個の炭素原子および少なくとも1つのハロゲンを含むアルキル基を特に意味することを意図する。好適なハロゲン化アルキル基は、たとえば、クロロメチル、ジクロロメチル、トリクロロメチル、1−クロロエチルまたは2,2,2−トリクロロエチルなどの塩素化アルキル基、フルオロメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、1−フルオロエチル、2−フルオロエチル、2,2−ジフルオロエチル、2,2,2−トリフルオロエチルまたはペンタフルオロエチルなどのフッ素化アルキル基、クロロフルオロメチル、ジクロロフルオロメチル、クロロジフルオロメチル、2−クロロ−2−フルオロエチル、2−クロロ−2,2−ジフルオロエチルまたは2,2−ジクロロ−2−フルオロエチルなどのクロロフッ素化アルキル基、ブロモメチルおよび1−ブロモエチルなどの臭素化アルキル基から選択される。
【0036】
本発明による方法の好ましい実施形態においては、R1は、C〜Cアルキル、C〜Cハロアルキル、C〜Cシクロアルキル、C〜Cアルコキシ−C〜Cアルキル、C〜Cシクロアルコキシ−C〜Cアルキル、C〜Cアルケニルであるかまたは、互いに独立して、C〜Cアルキル、C〜Cアルコキシおよびニトロからなる群から選択される1、2または3つの置換基RY1で任意選択的に置換されているベンジルであり;そして
R2は、水素、C〜Cアルキル、ベンジルまたはフェニルであり、ここで2つの最後に述べられた置換基は、非置換であってもまたは互いに独立して、ハロゲン、ニトリル、ニトロ、C〜Cアルキル、C〜Cハロアルキル、C〜CアルコキシおよびC〜Cハロアルコキシからなる群から選択される1、2または3つの置換基RY2で任意選択的に置換されていてもよく;そして
R3は、アルキル基またはハロゲン化アルキル基である。Rは、水素、C〜Cアルキル、ベンジルまたはフェニルである。
【0037】
たとえば、用語「ハロゲン」などの、有機基についての、変数の定義に用いられる用語は、有機部分のこれらの基の個々のメンバーを表す集合的用語である。
【0038】
接頭辞C〜Cは、問題になっている場合での可能な炭素原子の数を意味する。C〜Cアルキルとしては、たとえば、メチル、エチル、プロピル、1−メチルエチル、ブチル、1−メチルプロピル、2−メチルプロピルまたは1,1−ジメチルエチルが挙げられる。
【0039】
用語「ハロゲン」は、各場合にフッ素、臭素、塩素またはヨウ素、とりわけフッ素、塩素または臭素を意味する。これはまた、相応して、ハロアルキルまたはハロアルコキシなどの、他の意味と組み合わせたハロゲンにも適用される。
【0040】
用語「アルコキシ」は、たとえば、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、i−プロポキシ、n−ブトキシ、イソブトキシ、第二ブトキシおよび第三ブトキシ;好ましくはメトキシおよびエトキシである。
【0041】
ハロアルコキシは、たとえば、フルオロメトキシ、ジフルオロメトキシ、トリフルオロメトキシ、2,2,2−トリフルオロエトキシ、1,1,2,2−テトラフルオロエトキシ、2−フルオロエトキシ、2−クロロエトキシ、2,2−ジフルオロエトキシおよび2,2,2−トリクロロエトキシ;好ましくはジフルオロメトキシ、2−クロロエトキシおよびトリフルオロメトキシである。アルキルチオは、たとえば、メチルチオ、エチルチオ、プロピルチオ、イソプロピルチオ、n−ブチルチオ、イソブチルチオ、第二ブチルチオまたは第三ブチルチオ、好ましくはメチルチオおよびエチルチオである。
【0042】
用語「C〜Cアルコキシ−C〜Cアルキル」は、本明細書で用いるところでは、1個の炭素原子がC〜Cアルコキシラジカルと結合しているC〜Cアルキルラジカルを表現する。これらの例は、CH−OCH、CH−OC、n−プロポキシメチル、CH−OCH(CH、n−ブトキシメチル、(1−メチルプロポキシ)メチル、(2−メチルプロポキシ)メチル、CH−OC(CH、2−(メトキシ)エチル、2−(エトキシ)エチル、2-(n−プロポキシ)エチル、2−(1−メチルエトキシ)エチル、2−(n−ブトキシ)エチル、2−(1−メチルプロポキシ)エチル、2−(2−メチルプロポキシ)エチル、2−(1,1−ジメチルエトキシ)エチル、2−(メトキシ)プロピル、2−(エトキシ)プロピル、2−(n−プロポキシ)プロピル、2−(1−メチルエトキシ)プロピル、2−(n−ブトキシ)プロピル、2−(1−メチルプロポキシ)プロピル、2−(2−メチルプロポキシ)プロピル、2−(1,1−ジメチルエトキシ)プロピル、3−(メトキシ)プロピル、3−(エトキシ)プロピル、3−(n−プロポキシ)プロピル、3−(1−メチルエトキシ)プロピル、3−(n−ブトキシ)プロピル、3−(1−メチルプロポキシ)プロピル、3−(2−メチルプロポキシ)プロピル、3−(1,1−ジメチルエトキシ)プロピル、2−(メトキシ)ブチル、2−(エトキシ)ブチル、2−(n−プロポキシ)ブチル、2−(1−メチルエトキシ)ブチル、2−(n−ブトキシ)ブチル、2−(1−メチルプロポキシ)ブチル、2−(2−メチルプロポキシ)ブチル、2−(1,1−ジメチルエトキシ)ブチル、3−(メトキシ)ブチル、3−(エトキシ)ブチル、3−(n−プロポキシ)ブチル、3−(1−メチルエトキシ)ブチル、3−(n−ブトキシ)ブチル、3−(1−メチルプロポキシ)ブチル、3−(2−メチルプロポキシ)ブチル、3−(1,1−ジメチルエトキシ)ブチル、4−(メトキシ)ブチル、4−(エトキシ)ブチル、4−(n−プロポキシ)ブチル、4−(1−メチルエトキシ)ブチル、4−(n−ブトキシ)ブチル、4−(1−メチルプロポキシ)ブチル、4−(2−メチルプロポキシ)ブチル、4−(1,1−ジメチルエトキシ)ブチルである。
【0043】
用語「C〜Cアルケニル」は、本明細書で用いるところでは、たとえば、エテニル、1−プロペニル、2−プロペニル、1−メチルエテニル、1−ブテニル、2−ブテニル、3−ブテニル、1−メチル−1−プロペニル、2−メチル−1−プロペニル、1−メチル−2−プロペニル、2−メチル−2−プロペニル、1−ペンテニル、2−ペンテニル、3−ペンテニル、4−ペンテニル、1−メチル−1−ブテニル、2−メチル−1−ブテニル、3−メチル−1−ブテニル、1−メチル−2−ブテニル、2−メチル−2−ブテニル、3−メチル−2−ブテニル、1−メチル−3−ブテニル、2−メチル−3−ブテニル、3−メチル−3−ブテニル、1,1−ジメチル−2−プロペニル、1,2−ジメチル−1−プロペニル、1,2−ジメチル−2−プロペニル、1-エチル−1−プロペニル、1−エチル−2−プロペニル、1−ヘキセニル、2−ヘキセニル、3−ヘキセニル、4-ヘキセニル、5−ヘキセニル、1−メチル−1−ペンテニル、2−メチル−1−ペンテニル、3−メチル−1−ペンテニル、4−メチル−1−ペンテニル、1−メチル−2−ペンテニル、2−メチル−2−ペンテニル、3−メチル−2−ペンテニル、4−メチル−2−ペンテニル、1−メチル−3−ペンテニル、2−メチル−3−ペンテニル、3−メチル−3−ペンテニル、4−メチル−3−ペンテニル、1−メチル−4−ペンテニル、2−メチル−4−ペンテニル、3−メチル−4−ペンテニル、4−メチル−4−ペンテニル、1,1−ジメチル−2−ブテニル、1,1−ジメチル−3−ブテニル、1,2−ジメチル−1−ブテニル、1,2−ジメチル−2−ブテニル、1,2−ジメチル−3−ブテニル、1,3−ジメチル−1−ブテニル、1,3−ジメチル−2−ブテニル、1,3−ジメチル−3−ブテニル、2,2−ジメチル−3−ブテニル、2,3−ジメチル−1−ブテニル、2,3−ジメチル−2−ブテニル、2,3−ジメチル−3−ブテニル、3,3−ジメチル−1−ブテニル、3,3−ジメチル−2−ブテニル、1−エチル−1−ブテニル、1−エチル−2−ブテニル、1−エチル−3−ブテニル、2−エチル−1−ブテニル、2−エチル−2−ブテニル、2−エチル−3−ブテニル、1,1,2−トリメチル−2−プロペニル、1−エチル−1−メチル−2−プロペニル、1−エチル−2−メチル−1−プロペニルおよび1−エチル−2−メチル−2−プロペニル、1−ヘプテニル、2−ヘプテニル、1−オクテニルまたは2−オクテニルなどの、2〜8個の炭素原子および少なくとも1つの炭素−炭素二重結合を有する直鎖および分岐の不飽和炭化水素ラジカルを表現する。
【0044】
本発明による方法の好ましい実施形態においては、Xは酸素であり、R1は、C〜Cアルキル、C〜Cハロアルキルまたはベンジル、具体的にはメチル、エチル、トリフルオロエチル、ペンタフルオロプロピル、ヘキサフルオロ−イソ−プロピル、n−プロピルまたはイソプロピルであり;R1はとりわけエチルであり;そして
R2は、HまたはC〜Cアルキルであり;R2はとりわけメチルであり;R3は、フルオロメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、クロロフルオロメチル、ジクロロフルオロメチル、およびクロロジフルオロメチルからなる群から選択され;R3はとりわけジフルオロメチルである。R4は、水素およびC〜Cアルキルからなる群から選択され;R4はとりわけ水素であり;Qは、Q1またはQ37である。
【0045】
一実施形態においては、QはQ1であり、Rは、水素、各置換基が独立して、ハロゲン、シアノ、C1〜4アルコキシ、C1〜4チオアルキル、COO−C1〜4アルキル、=N−OH、=N−O−(C1〜4アルキル)、それぞれ独立して、C1〜4アルキル、ハロゲン、C1〜4アルコキシおよびC1〜4ハロアルコキシから選択される、1〜3つの置換基でそれ自体置換されていてもよい、C3〜8シクロアルキル、ならびにそれぞれが独立して、C1〜4アルキル、ハロゲン、C1〜4アルコキシおよびC1〜4ハロアルコキシから選択される、1〜3つの置換基でそれ自体置換されていてもよい、C4〜8シクロアルケニルから選択される、1〜6つの置換基で置換されていてもよい、C1〜12アルキル、C2〜12アルケニルまたはC2−12アルキニル基であり、Rはとりわけ水素であり;R、R、RおよびR10はそれぞれ、独立して、水素、ハロゲン、C1〜4アルキル、C1〜4ハロアルキル、C1〜4アルコキシ、C1〜4ハロアルコキシであり、R、R、RおよびR10はとりわけそれぞれ、独立して、水素およびハロゲンであり、前記ハロゲンはとりわけ塩素またはフッ素である。
【0046】
別の実施形態においては、QはQ1であり、Rは、それぞれ独立して、ハロゲン、シアノ、ニトロ、C1〜4アルキル、C1〜4ハロアルキル、C1〜4アルコキシ、C1〜4アルキルチオ、C1〜4ハロアルコキシ、C1〜4ハロアルキルチオ、C(H)=N−OH、C(H)=N−O(C1〜6アルキル)、C(C1〜6アルキル)=N−OH、C(C1〜6アルキル)=N−O−(C1〜6アルキル)、
【化6】
(Z)CR28=CR2627、それぞれ独立して、ハロゲン、シアノ、ニトロ、C1〜4アルキル、C1〜4ハロアルキル、C1〜4アルコキシ、C1〜4ハロアルコキシ、C1〜4ハロアルキルチオ、C(H)=N−OH、C(H)=N−O(C1〜6アルキル)、C(C1〜6アルキル)=N−OHおよびC(C1〜6アルキル)=N−O−(C1〜6アルキル)から選択される、1〜3つの置換基でそれ自体置換されていてもよい、フェニル、ならびにそれぞれ独立して、ハロゲン、シアノ、ニトロ、C1〜4アルキル、C1〜4ハロアルキル、C1〜4アルコキシ、C1〜4ハロアルコキシ、C1〜4ハロアルキルチオ、C(H)=N−OH、C(H)=N−O(C1〜6アルキル)、C(C1〜6アルキル)=N−OHおよびC(C1〜6アルキル)=N−O−(C1〜6アルキル)から選択される、1〜3つの置換基でそれ自体置換されていてもよい、チエニルから選択される、1〜3つの置換基で置換されていてもよい、フェニルであり;Rはとりわけ、ハロゲンでパラ−位に置換されている、フェニルであり、ここで前記フェニルは、それぞれ独立して、ハロゲン、C1〜4アルキルおよびC1〜4ハロアルキルから選択される、1〜2つの置換基でさらに置換されていてもよく;R、R、RおよびR10はとりわけそれぞれ、独立して、水素およびハロゲンであり、前記ハロゲンはとりわけ塩素またはフッ素である。
【0047】
別の実施形態においては、QはQ1であり、Rは、それぞれ独立して、ハロゲン、C1〜4アルキル、C1〜4ハロアルキル、C1〜4アルコキシ、C1〜4ハロアルコキシ、C1〜4チオアルキル、それぞれ独立して、C1〜4アルキル、ハロゲン、C1〜4アルコキシおよびC1〜4ハロアルコキシから選択される、1〜3つの置換基でそれ自体置換されていてもよい、C3〜6シクロアルキル、ならびに1〜5つの独立して選択されるハロゲン原子でそれ自体置換されていてもよい、フェニルから選択される、1〜3つの置換基で置換されていてもよい、C3〜8シクロアルキル、C4〜8シクロアルケニルまたはC5〜8シクロアルカジエニル基であり;Rはとりわけ、それぞれ独立して、ハロゲン、C1〜4アルキル、C1〜4ハロアルキルから選択される、1〜3つの置換基で置換されていてもよい、C3〜8シクロアルキルである。
【0048】
別の実施形態においては、QはQ37であり、R13、R14、R15およびR16はそれぞれ、独立して、水素、ハロゲン、C1〜4アルキル、C(O)CH、C1〜4ハロアルキル、C1〜4アルコキシであり;特にR14、R15およびR16はそれぞれ、独立して、水素、メチル、メトキシまたはC(O)CHであり;R13、R14、R15およびR16はとりわけそれぞれ、独立して、水素またはメチルであり、Wは単結合であり;Yは、Oまたは(CR1920)(CR2122m1(CR2324n1であり;好ましくはYは(CR1920)(CR2122m1(CR2324n1であり、より好ましくはYは(CR1920)(CR2122m1であり、そしてR19、R20、R21、R22、R23およびR24はそれぞれ独立して、水素、ハロゲン、C1〜4アルコキシ;ハロゲン、ヒドロキシ、=O、C1〜4アルコキシ、O−C(O)−C1〜4アルキル、フェニル、ナフチル、アントラシル、フルオレニル、インダニルもしくは3〜7員環炭素環(それ自体1〜3個のメチル基で置換されていてもよい)から選択される1〜3つの置換基で置換されていてもよい、C1〜6アルキル;ハロゲン、ヒドロキシ、=O、C1〜4アルコキシ、O−C(O)−C1〜4アルキル、フェニル、ナフチル、アントラシル、フルオレニル、インダニルもしくは3〜7員環炭素環(それ自体1〜3個のメチル基で置換されていてもよい)から選択される1〜3つの置換基で置換されていてもよい、C1〜6アルケニル、または窒素および酸素から選択される1つのヘテロ原子を含有していてもよい、3〜7員環炭素環であり、そしてここでこの3〜7員環炭素環は、1〜3個のメチル基で置換されていてもよいか;またはR19、R20は、それらが結合している炭素原子と一緒に、カルボニル基、1〜3個のメチル基で置換されていてもよい、3〜5員環炭素環、1〜3個のメチル基で置換されていてもよい、C1〜6アルキリデン、または1〜3個のメチル基で置換されていてもよい、C3〜6シクロアルキリデンを形成し;とりわけR19およびR20は、それらが結合している炭素原子と一緒に、3員環もしくは5員環炭素環を形成し;好ましくはR21、R22、R23およびR24はそれぞれ独立して、水素またはCHである。
【0049】
第1の具体的な好ましい実施形態においては、Qは、式Q39
【化7】
(式中、R’、R6b、6cおよびR6dはそれぞれ、独立して、水素またはハロゲンであり、前記ハロゲンはとりわけ塩素またはフッ素である)
の基である。
【0050】
第2の具体的な好ましい実施形態においては、Qは、式Q40
【化8】
の基である。
【0051】
第3の具体的な好ましい実施形態においては、Qは式Q41
【化9】
の基である。
【0052】
本発明の方法の特に好ましい態様においては、式(III):QNHR4(III)(式中、Qは、Q35〜Q41からなる群から選択される)のアミンは、1−メチル−3−ジフルオロメチル−ピラゾール−4−カルボン酸エチル(DFMMP)と反応させられる。
【0053】
式(III)のアミンは、たとえば、欧州特許第1490342号明細書、欧州特許第0824099号明細書、欧州特許第1480955(B1)号明細書、国際公開第2004/035589号パンフレット、国際公開第2007/031323号パンフレットから公知であるか、それらは、一般に公知の方法に従って製造することができるかのどちらかである。
【0054】
式(II)の化合物の形成は、たとえば、欧州特許出願公開第10170633.1号明細書および欧州特許出願公開第10173899.5号明細書に記載されている反応に類似して実施することができる。前記特許出願のそれぞれの内容は、本発明出願へ参照により援用される。
【0055】
本発明による方法においては、反応は一般に不活性溶媒中で実施される。好適な不活性溶媒の例としては、ベンゼン、トルエン、キシレンまたはシクロヘキサンなどの炭化水素;ジクロロメタン、トリクロロメタンまたはテトラクロロメタンなどのハロゲン化炭化水素;クロロベンゼンなどのハロゲン化芳香族炭化水素、ジエチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、テトラヒドロフランまたはジオキサンなどの直鎖もしくは環状エーテル、アセトニトリルまたはプロピオニトリルなどのニトリル、N,N−ジメチルホルムアミド、ジエチルホルムアミドまたはN−メチルピロリドンなどのアミドが挙げられ;これらの不活性溶媒は、単独でかまたは混合物として組み合わせて使用することができる。
【0056】
好ましい具体的な実施形態においては、溶媒は、ジクロロメタン、トリクロロメタンまたはテトラクロロメタンなどのハロゲン化炭化水素;およびジエチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、テトラヒドロフランまたはジオキサンなどの直鎖もしくは環状エーテルからなる群から選択される。さらなる具体的な実施形態においては、溶媒は、クロロベンゼンとは異なり、より特にハロゲン化芳香族炭化水素とは異なる。
【0057】
反応は、直鎖もしくは環状エーテル中で、特に環状エーテル中で、特に好ましくはテトラヒドロフラン(THF)中で好ましくは実施される。
【0058】
本発明の方法の好ましい態様においては、溶媒は水を実質的に含まない。
【0059】
本発明の目的のためには、用語「水を実質的に含まない」は具体的には、溶媒中の含水率が3100mg/kg以下の水、好ましくは500mg/kg以下の水、より好ましくは400mg/kg以下の水、最も好ましくは50mg/kg以下の水であることを意味する。溶媒は、完全に無水であることができる。しかし、水を実質的に含まない溶媒は一般に、少なくとも5mg/kgの水、多くの場合少なくとも25mg/kgの水を含有する。水を実質的に含まない溶媒は、より短い滞留時間および/またはより低い温度を可能にし、それによってより経済的で環境上有益な方法をもたらす。
【0060】
適切な場合、溶媒は通常、反応媒体の総重量に対して50〜99重量、好ましくは60〜99重量%、より好ましくは75〜99重量%の溶媒の量で使用される。
【0061】
本発明による方法においては、塩基は好ましくは非求核性塩基である。
【0062】
非求核性塩基は、式(III)のアミンの求核性を有利に増大させ、一方その塩基と式(II)のエステルとの反応は実質的に最小限にされるかまたは不在であることが分かっている。その結果として、塩基の使用は、反応速度およびプロセスの効率を増大させることを可能にする。
【0063】
本発明の目的のためには、用語「非求核性塩基」は、同時に貧弱な求核試薬である塩基を意味する。
【0064】
好適な非求核性塩基の例としては、カリウム第三ブトキシド(KOtBu)、ナトリウム第三ブトキシド(NaOtBu)などの、立体障害のあるアルコレート;DBU(1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン)、DBN(1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]ノナ−5−エン)、TMG(テトラメチルグアニジン)、TBD(トリアザビシクロデセン)などのアミン;リチウムジイソプロピルアミド(LDA)、第三ブチルリチウム(tBuLi)、リチウムテトラメチルピペリジド(Li−TMP)などのリチウム化合物;ナトリウムヘキサメチルジシラザン(Na−HMDS)、カリウムヘキサメチルジシラザン(K−HMDS)などのケイ素化合物が挙げられる。トリメチルアルミニウムなどのアルミニウム化合物。それらの中から、カリウム第三ブトキシド、トリメチルアルミニウム、LDA、およびDBUがより好ましい。最も好ましい塩基はカリウム第三ブトキシドである。
【0065】
必要に応じて、塩基は、たとえばβまたはγ−ラクトンの開環反応によって製造される環境にやさしい塩基であってもよい。
【0066】
本発明による方法は、適切な場合、たとえばクラウンエーテルなどの、好適な相間移動触媒の存在下に実施される。これは、収率を高めるおよび反応時間を減らすことを可能にする。
【0067】
必要に応じて、溶媒は、塩基および試薬のそれぞれのpKaを考慮して選択することができる。
【0068】
本発明による方法において、反応の温度は一般に少なくとも0℃である。反応の温度は多くの場合少なくとも15℃である。好ましくは、この温度は少なくとも25℃である。反応の温度は一般に、高くても溶媒の沸騰温度である。典型的には、反応の温度は、120℃以下、特に100℃以下、より特に90℃以下、最も特に70℃以下であり、50℃以下の温度がとりわけ好適である。15〜70℃の温度が好適であり、15〜50℃の温度が特に好ましく、25℃の温度が非常に特に好ましい。
【0069】
参照により本明細書に援用されるいずれの特許、特許出願、および刊行物の開示も、それが用語を不明確にし得る程度に本出願の記載と矛盾する場合、本発明の記載が優先するものとする。
【実施例】
【0070】
以下の実施例は、本発明を限定することなくそれをさらに説明することを意図する。
【0071】
これらの実施例においておよびこの明細書の全体にわたって、用いられる省略形は以下の通り定義される。すなわち、DFMMPは1−メチル−3−ジフルオロメチル−ピラゾール−4−カルボン酸エチルであり、MeOHはメタノールであり、PPTsはピリジニウムp−トルエンスルホネートであり、DCMはジクロロメタンであり、THFはテトラヒドロフランであり、DMAPは4−ジメチルアミノピリジンであり、DMFはN,N−ジメチルホルムアミドである。
【0072】
実施例1:以下のスキームによるアニリン類1a〜dおよび1−メチル−3−ジフルオロメチル−ピラゾール−4−カルボン酸エチル(DFMMP)から出発する塩基および不活性溶媒の存在下での1H−ピラゾール−4−カルボキサミドの合成:
【化10】
アニリン1a:R=Ph、X1,2,3=H;アニリン1b:R=H、X1,3=H、X=F;アニリン1c:R=CH3、X1,3=H、X=Fおよびアニリン1d:R=H、X1,2,3=Cl
最適反応条件を試験するための一般的な手順:両方とも不活性溶媒に溶解させた、アニリン化合物(1a〜1d)(1当量)およびDFMMP(1当量)を、0℃で不活性溶媒中の塩基(1.5当量)の懸濁液に加えた。アニリドへのアニリンの転化をGC分析によって追跡した。実験データおよび結果を下表にまとめる。
【0073】
【表1】
【0074】
実施例2:Fluxapyroxad(登録商標)の合成
5mlのTHF中の1.37gの3’,4’,5’−トリフルオロビフェニル−2−アミン(1当量;6.1ミリモル)および5mlのTHF中の1.25g(6.1ミリモル)のDFMMPを、0℃で15mlのTHF中の1.03g(1.5当量;9.2ミリモル)のKOtBuの懸濁液に加えた。室温で一晩攪拌した後、反応混合物を水中に注ぎ出し、酢酸エチルで2回抽出した。被精製有機抽出物を水および飽和NaCl溶液で洗浄し、乾燥させ、濾過し、硫酸ナトリウム上で濃縮した。残留物を、シリカゲルカラムを通して濾過し(SiO2;ヘキサン/酢酸エチル1:1);所望の生成物3−(ジフルオロメチル)−1−メチル−N−(3’,4’,5’−トリフルオロビフェニル−2−イル)−1H−ピラゾール−4−カルボキサミドを70%純度で得た(1.8g)。
【0075】
実施例3:Bixafen(登録商標)の合成
5mlのTHF中の2.1gの3’,4’−ジクロロ−5−フルオロビフェニル−2−アミン(1当量;8.2ミリモル)および5mlのTHF中の1.67gのDFMMP(8.2ミリモル;1当量)を、0℃で20mlのTHF中の1.38g(1.5当量;12.3ミリモル)のKOtBuの懸濁液に加えた。室温で一晩攪拌した後、反応混合物を水中に注ぎ出し、酢酸エチルで2回抽出した。被精製有機抽出物を水および飽和NaCl溶液で洗浄し、乾燥させ、濾過し、硫酸ナトリウム上で濃縮した。残留物を、シリカゲルカラムを通して濾過し(SiO;ヘキサン/酢酸エチル1:1)、所望の生成物N−(3’,4’−ジクロロ−5−フルオロビフェニル−2−イル)−3−(ジフルオロメチル)−1−メチル−1H−ピラゾール−4−カルボキサミドを60%収率(2.03g)で得た(純度 GC 100%;HPLC−254nm=94.6%)。
【0076】
実施例4:Isopyrazam(登録商標)の合成
2mlのTHF中のl,2,3,4−テトラヒドロ−9−イソプロピル−1,4−メタノナフタレン−5−アミン320mg(1当量;9:1シン:アンチ混合物)および2mlのTHF中の325mg(1.6ミリモル)のDFMMP(1)を、0℃で10mlのTHF中の268mg(1.5当量)のKOtBuの懸濁液に加えた。室温で一晩攪拌した後、反応混合物を水中に注ぎ出し、酢酸エチルで2回抽出した。被精製有機抽出物を水および飽和NaCl溶液で洗浄し、乾燥させ、濾過し、硫酸ナトリウム上で濃縮した。残留物を、シリカゲルカラムを通して濾過し(SiO;ヘキサン/酢酸エチル1:1)、所望の生成物Isopyrazam(登録商標)を77%収率(440mg)で得た(純度 GC 100%;HPLC−254nm>99%、86.5:12.7シン:アンチ混合物として)。
【0077】
実施例5:Sedaxane(登録商標)の合成
5mlのTHF中の適切なアミン(1当量)および5mlのTHF中のDFMMP(1当量)を、0℃で20mlのTHF中の1.5当量のKOtBuの懸濁液に加える。室温で一晩攪拌した後、反応混合物を水中に注ぎ出し、酢酸エチルで2回抽出する。被精製有機抽出物を水および飽和NaCl溶液で洗浄し、乾燥させ、濾過し、硫酸ナトリウム上で濃縮する。残留物を、シリカゲルカラムを通して濾過し(SiO;ヘキサン/酢酸エチル1:1)、所望の生成物Sedaxane(登録商標)を得る。