(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記硬質層が二軸延伸ポリエチレンテレフタレート製であり、前記硬質層が6〜10ミルの平均厚さを有し、前記硬質層が3,000〜7,000MPaのヤング率を示す、請求項1記載の多層化学機械研磨パッドスタック。
【背景技術】
【0002】
集積回路及び他の電子装置の製造においては、導体、半導体及び絶縁材料の多数の層を半導体ウェーハの表面に付着させたり、半導体ウェーハの表面から除去したりする。導体、半導体及び絶縁材料の薄層は、いくつかの付着技術を使用して付着させることができる。最新のウェーハ加工において一般的な付着技術としては、とりわけ、スパッタリングとも知られる物理蒸着法(PVD)、化学蒸着法(CVD)、プラズマ増強化学蒸着法(PECVD)及び電気化学的めっき法がある。一般的な除去技術としては、とりわけ、湿式及び乾式の等方性及び異方性エッチングがある。
【0003】
材料層が順次に付着され、除去されるにつれ、ウェーハの一番上の面が非平坦になる。後続の半導体加工(たとえばメタライゼーション)はウェーハが平坦面を有することを要するため、ウェーハは平坦化されなければならない。望ましくない表面トポグラフィーならびに表面欠陥、たとえば粗面、凝集した材料、結晶格子の損傷、スクラッチ及び汚染された層又は材料を除去するためには平坦化が有用である。
【0004】
化学機械プラナリゼーション又は化学機械ポリッシング(CMP)とは、半導体ウェーハのような加工物を平坦化又は研磨するために使用される一般的な技術である。従来のCMPにおいては、ウェーハキャリヤ、すなわち研磨ヘッドがキャリヤアセンブリに取り付けられる。その研磨ヘッドがウェーハを保持し、ウェーハを、CMP装置内でテーブル又はプラテン上に取り付けられている研磨パッドの研磨層と接する位置に配する。キャリヤアセンブリがウェーハと研磨パッドとの間に制御可能な圧を提供する。同時に、研磨媒体(たとえばスラリー)が研磨パッド上に分配され、ウェーハと研磨層との間の隙間に引き込まれる。研磨を実施するために、研磨パッド及びウェーハは一般に互いに対して回転する。研磨パッドがウェーハの下で回転すると、ウェーハは一般に環状の研磨トラック、すなわち研磨領域を掃き出し、その中でウェーハの表面が研磨層と直接対面する。ウェーハ表面は、研磨層及び表面上の研磨媒体の化学的かつ機械的作用によって研磨され、平坦化される。
【0005】
安定した研磨性能のために一貫した研磨面を維持するためにはパッド表面の「コンディショニング」又は「ドレッシング」が非常に重要である。時間とともに研磨パッドの研磨面はすり減って、研磨面のミクロテキスチャが均されてゆく(「グレージング」と呼ばれる現象)。研磨パッドコンディショニングは一般に、コンディショニングディスクによって研磨面を機械的に摩耗させることによって達成される。コンディショニングディスクは、一般には埋め込まれたダイアモンドポイントで構成された粗いコンディショニング面を有する。コンディショニングディスクは、研磨が停止しているCMP工程の間欠的な中断の間(「エクスサイチュー」)又はCMP工程が進行中であるとき(「インサイチュー」)、研磨面と接触させる。一般に、コンディショニングディスクは、研磨パッドの回転軸に対して固定される位置で回転し、研磨パッドが回転するとき環状のコンディショニング領域を掃き出す。上記のようなコンディショニング工程は、パッド材料を摩耗させ、掘り起こし、研磨テキスチャを再生しながら、パッド表面に微視的な溝を切り込む。
【0006】
より微細な形体及びより多くのメタライゼーション層とともに、半導体装置はますます複雑になっている。この傾向は、平坦さを維持し、研磨の欠陥を制限するために、研磨消耗品の改善された性能を要求する。研磨の欠陥は、半導体装置を機能不能にするであろう導線の電気的断絶又は短絡を生じさせるおそれがある。マイクロスクラッチ又はチャターマークなどの研磨の欠陥を減らすための一つの手法が、より軟質な研磨パッドを使用することであることは一般に知られている。
【0007】
一連の軟質ポリウレタン研磨層がJamesらによって米国特許第7,074,115号に開示されている。Jamesらは、イソシアネート末端ウレタンプレポリマーと芳香族ジアミン又はポリアミン硬化剤との反応生成物であって、少なくとも0.1容量%の気孔率、40℃及び1rad/secで385〜750l/PaのKELエネルギー損失係数ならびに40℃及び1rad/secで100〜400MPaの弾性率E’を示す反応生成物を含む研磨パッドを開示している。
【0008】
上記のように、最適な研磨性能のためには、化学機械研磨パッドの表面をダイアモンドコンディショニングして、好ましいミクロテキスチャを生成することが必要である。しかし、Jamesらによって記載されているような従来の研磨層材料の中にそのようなテキスチャを生成することは困難である。理由は、そのような材料が、破断点引張り伸び値によって計測される高い延性を示すからである。その結果、これらの材料がダイアモンドコンディショニングディスクによるコンディショニングに付されても、コンディショニングディスク中のダイアモンドは、パッドの表面に溝を切り込むのではなく、パッド材料を脇に押しやるだけであり、切り込みはしない。したがって、ダイアモンドコンディショニングディスクを用いるコンディショニングの結果として、これら従来の材料の表面には非常にわずかなテキスチャしか生成されない。
【0009】
これら従来の化学機械研磨パッド材料を用いると、パッド表面に巨視的な溝パターンを形成するための機械加工工程中、もう一つの関連する問題が生じる。従来の化学機械研磨パッドは一般に、スラリーの流れを促進し、パッド−ウェーハ界面から研磨くずを除去するために、研磨面に切り込まれた溝パターンを設けられている。そのような溝は、多くの場合、旋盤を使用して、又はCNCフライス盤によって、研磨パッドの研磨面に切り込まれる。しかし、軟質のパッド材料の場合、切削ビットが通過したのち、パッド材料が単に跳ね返り、形成された溝が自ら閉じるような、ダイアモンドコンディショニングの問題と同様な問題が起こる。したがって、溝の質は劣悪であり、そのような軟質材料を用いて商業的に許容可能なパッドをうまく製造することはより困難である。パッド材料の硬さが低下するとともに、この問題は悪化する。
【発明を実施するための形態】
【0017】
詳細な説明
本明細書及び特許請求の範囲の中で研磨面(14)を有する多層化学機械研磨パッドスタック(10)を参照して使用される「平均全厚さT
T-avg」とは、研磨面(14)に対して垂直な方向に研磨面(14)から感圧接着剤(70)のプラテン側(72)までで計測される多層化学機械研磨パッドスタックの平均厚さT
Tをいう(
図1、2及び5を参照)。
【0018】
本明細書及び特許請求の範囲の中で多層化学機械研磨パッドスタック(10)を参照して使用される「実質的に円形の断面」とは、研磨層(20)の研磨面(14)の中心軸(12)から外周(15)までの断面の最長半径rが研磨面(14)の中心軸(12)から外周(15)までの断面の最短半径rよりも≦20%しか長くないことをいう(
図1を参照)。
【0019】
本発明の多層化学機械研磨パッドスタック(10)は、好ましくは、中心軸(12)を中心に回転するように適合されている(
図1を参照)。好ましくは、研磨層(20)の研磨面(14)は、中心軸(12)に対して垂直な平面(28)にある。多層化学機械研磨パッドスタック(10)は、場合によっては、中心軸(12)に対して85〜95°、好ましくは中心軸(12)に対して90°の角度γにある平面(28)において回転するように適合されている。好ましくは、研磨層(20)は、中心軸(12)に対して垂直な実質的に円形の断面を有する研磨面(14)を有する。好ましくは、中心軸(12)に対して垂直な研磨面(14)の断面の半径rは、断面に関して≦20%、より好ましくは断面に関して≦10%しか変化しない。
【0020】
本発明の多層化学機械研磨パッドスタック(10)は、磁性基材、光学基材及び半導体基材の少なくとも一つから選択される基材の研磨を容易にするように具体的に設計されている。
【0021】
多層化学機械研磨パッドスタック(10)は、0.6g/cm
3よりも高い密度と、低欠陥研磨性能を提供するための低い硬さ(すなわちショアD≦40)と、低い引張り伸び(すなわち破断点伸び≦450%)と、25〜150μm/hrの切削速度との独特な組み合わせを示す研磨層(20)を有し、これらの性質の組み合わせが、研磨層中の溝の形成を容易にするための機械加工性及びダイアモンドコンディショニングディスクを使用するミクロテキスチャの形成を容易にするためのコンディショニング性の両方を提供する。加えて、本発明の研磨層によって可能になる性質のバランスが、たとえば、半導体装置の電気的完全性を損ないかねないマイクロスクラッチ欠陥を生成することによってウェーハ表面を損傷することなく、半導体ウェーハを研磨する能力を提供する。
【0022】
本発明の多層化学機械研磨パッドスタック(10)は、研磨面(14)、ベース面(17)及び研磨面(14)に対して垂直な方向に研磨面(14)からベース面(17)までで計測される平均厚さT
P-avgを有する研磨層(20)であって、0.6g/cm
3よりも高い密度、5〜40のショアD硬さ、100〜450%の破断点伸び及び25〜150μm/hrの切削速度を示し、基材を研磨するように適合された研磨面を有する研磨層、上面(26)及び下面(27)を有する硬質層(25)、研磨層(20)のベース面(17)と硬質層(25)の上面(26)との間に挿入されたホットメルト接着剤であって、研磨層(20)を硬質層(25)に接着するホットメルト接着剤(23)、スタック側(78)及びプラテン側(72)を有する感圧プラテン接着剤層(70)であって、スタック側(78)が硬質層(25)の下面(27)に隣接している感圧プラテン接着剤層(70)(好ましくは、感圧プラテン接着剤層は研磨機への多層化学機械研磨パッドスタックの取り付けを容易にする)、場合によっては、感圧プラテン接着剤層(70)のプラテン側(72)に配置される任意の剥離ライナ(75)、場合によっては、スタック面(52)及びプラテン面(55)を有するサブパッド(50)、場合によっては、硬質層(25)の下面(27)とサブパッド(50)のスタック面(52)との間に挿入されたスタック接着剤(60)であって、硬質層(25)をサブパッド(50)に接着する任意のスタック接着剤(60)(感圧接着剤層(70)のスタック側(78)が任意のサブパッド(50)のプラテン面に配置されている)、場合によっては、多層化学機械研磨パッドスタック(10)に組み込まれた終点検出ウィンドウ(30)(好ましくは、終点検出ウィンドウはインサイチュー研磨終点検出を容易にする)を含む(好ましくは、これらからなる)(
図1〜5を参照)。
【0023】
好ましくは、本発明の多層化学機械研磨パッドスタック(10)は、研磨面(14)、ベース面(17)及び研磨面(14)に対して垂直な方向に研磨面(14)からベース面(17)までで計測される平均厚さT
P-avgを有する研磨層(20)であって、0.6g/cm
3よりも高い密度、5〜40のショアD硬さ、100〜450%の破断点伸び及び25〜150μm/hrの切削速度を示し、基材を研磨するように適合された研磨面を有する研磨層、上面(26)及び下面(27)を有する硬質層(25)、研磨層(20)のベース面(17)と硬質層(25)の上面(26)との間に挿入されたホットメルト接着剤(23)であって、研磨層(20)を硬質層(25)に接着するホットメルト接着剤(23)、スタック側(78)及びプラテン側(72)を有する感圧プラテン接着剤層(70)であって、スタック側(78)が硬質層(25)の下面(27)に適用されている感圧プラテン接着剤層(70)(好ましくは、感圧プラテン接着剤層は研磨機への多層化学機械研磨パッドスタックの取り付けを容易にする)、感圧プラテン接着剤層(70)のプラテン側(72)に配置される剥離ライナ(75)、及び場合によっては、多層化学機械研磨パッドスタック(10)に組み込まれた終点検出ウィンドウ(30)(好ましくは、終点検出ウィンドウはインサイチュー研磨終点検出を容易にする)を含む(好ましくは、これらからなる)(
図1〜3を参照)。
【0024】
好ましくは、本発明の多層化学機械研磨パッドスタック(10)は、研磨面(14)、ベース面(17)及び研磨面(14)に対して垂直な方向に研磨面(14)からベース面(17)までで計測される平均厚さT
P-avgを有する研磨層(20)であって、0.6g/cm
3よりも高い密度、5〜40のショアD硬さ、100〜450%の破断点伸び及び25〜150μm/hrの切削速度を示し、基材を研磨するように適合された研磨面を有する研磨層、上面(26)及び下面(27)を有する硬質層(25)、研磨層(20)のベース面(17)と硬質層(25)の上面(26)との間に挿入されたホットメルト接着剤(23)であって、研磨層(20)を硬質層(25)に接着するホットメルト接着剤(23)、スタック面(52)及びプラテン面(55)を有するサブパッド(50)、硬質層(25)の下面(27)とサブパッド(50)のスタック面(52)との間に挿入されたスタック接着剤(60)であって、硬質層(25)をサブパッド(50)に接着するスタック接着剤(60)、スタック側(78)及びプラテン側(72)を有する感圧プラテン接着剤層(70)であって、スタック側(78)がサブパッド(50)のプラテン面に配置されている感圧プラテン接着剤層(70)(好ましくは、感圧プラテン接着剤層は研磨機への多層化学機械研磨パッドスタックの取り付けを容易にする)、及び感圧プラテン接着剤層(70)のプラテン側(72)に配置される剥離ライナ(75)、及び場合によっては、多層化学機械研磨パッドスタック(10)に組み込まれた終点検出ウィンドウ(30)(好ましくは、終点検出ウィンドウはインサイチュー研磨終点検出を容易にする)を含む(好ましくは、これらからなる)(
図3及び5を参照)。
【0025】
好ましくは、研磨層(20)は、多官能イソシアネートと、1分子あたり少なくとも1個の窒素原子を含み(好ましくは、1分子あたり1〜4個の窒素原子を含み、より好ましくは、1分子あたり2〜4個の窒素原子を含み、もっとも好ましくは、1分子あたり2個の窒素原子を含み)、1分子あたり平均少なくとも3個のヒドロキシル基(好ましくは3〜6個のヒドロキシル基、より好ましくは3〜5個のヒドロキシル基、もっとも好ましくは4個のヒドロキシル基)を有するアミン開始ポリオール硬化剤(好ましくは、アミン開始ポリオール硬化剤は、≦700、より好ましくは150〜650、さらに好ましくは200〜500、もっとも好ましくは250〜300の数平均分子量を有する)少なくとも5重量%(好ましくは5〜30重量%、より好ましくは5〜25重量%、もっとも好ましくは5〜20重量%)、2,500〜100,000(好ましくは5,000〜50,000、より好ましくは7,500〜25,000、もっとも好ましくは10,000〜12,000)の数平均分子量M
Nを有し、1分子あたり平均3〜10個のヒドロキシル基(好ましくは4〜8個、より好ましくは5〜7個、もっとも好ましくは6個のヒドロキシル基)を有する高分子量ポリオール硬化剤25〜95重量%(好ましくは35〜90重量%、より好ましくは50〜75重量%、もっとも好ましくは60〜75重量%)、及び二官能硬化剤0〜70重量%(好ましくは5〜60重量%、より好ましくは10〜50重量%、さらに好ましくは10〜30重量%、もっとも好ましくは10〜20重量%)を含む硬化剤パッケージとを含む成分の反応生成物を含み、研磨層は、≧0.6g/cm
3(好ましくは0.6〜1.2g/cm
3、より好ましくは0.7〜1.1g/cm
3、もっとも好ましくは0.75〜1.0g/cm
3)の密度、5〜40(好ましくは5〜30、より好ましくは5〜20、もっとも好ましくは5〜15)のショアD硬さ、100〜450%(好ましくは125〜425%、より好ましくは150〜300%、もっとも好ましくは150〜200%)の破断点伸び及び25〜150μm/hr(好ましくは30〜125μm/hr、より好ましくは30〜100μm/hr、もっとも好ましくは30〜60μm/hr)の切削速度を示す。
【0026】
好ましくは、研磨層(20)の形成に使用される多官能イソシアネートは2個の反応性イソシアネート基(すなわちNCO)を含む。
【0027】
好ましくは、研磨層(20)の形成に使用される多官能イソシアネートは、脂肪族多官能イソシアネート、芳香族多官能イソシアネート及びそれらの混合物からなる群より選択される。より好ましくは、研磨層(20)の形成に使用される多官能イソシアネートは、2,4−トルエンジイソシアネート、2,6−トルエンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、ナフタレンジ−1,5−ジイソシアネート、トリジンジイソシアネート、パラ−フェニレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、シクロヘキサンジイソシアネート及びそれらの混合物からなる群より選択されるジイソシアネートである。さらに好ましくは、研磨層(20)の形成に使用される多官能イソシアネートは、ジイソシアネートとプレポリマーポリオールとの反応によって形成されるイソシアネート末端ウレタンプレポリマーである。
【0028】
好ましくは、研磨層(20)の形成に使用されるイソシアネート末端ウレタンプレポリマーは2〜12重量%の未反応イソシアネート(NCO)基を有する。より好ましくは、研磨層(20)の形成に使用されるイソシアネート末端ウレタンプレポリマーは2〜10重量%(さらに好ましくは4〜8重量%、もっとも好ましくは5〜7重量%)の未反応イソシアネート(NCO)基を有する。
【0029】
好ましくは、多官能イソシアネート末端ウレタンプレポリマーを形成するために使用されるプレポリマーポリオールは、ジオール、ポリオール、ポリオール−ジオール、それらのコポリマー及びそれらの混合物からなる群より選択される。より好ましくは、プレポリマーポリオールは、ポリエーテルポリオール(たとえばポリ(オキシテトラメチレン)グリコール、ポリ(オキシプロピレン)グリコール及びそれらの混合物)、ポリカーボネートポリオール、ポリエステルポリオール、ポリカプロラクトンポリオール、それらの混合物ならびにエチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,5−ペンタンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール及びトリプロピレングリコールからなる群より選択される一つ以上の低分子量ポリオールとのそれらの混合物からなる群より選択される。さらに好ましくは、プレポリマーポリオールは、ポリテトラメチレンエーテルグリコール(PTMEG)、エステル系のポリオール(たとえばエチレンアジペート、ブチレンアジペート)、ポリプロピレンエーテルグリコール(PPG)、ポリカプロラクトンポリオール、それらのコポリマー及びそれらの混合物からなる群より選択される。もっとも好ましくは、プレポリマーポリオールは、PTMEG及びPPGからなる群より選択される。
【0030】
好ましくは、プレポリマーポリオールがPTMEGである場合、イソシアネート末端ウレタンプレポリマーは、2〜10重量%(より好ましくは4〜8重量%、もっとも好ましくは6〜7重量%)の未反応イソシアネート(NCO)濃度を有する。市販されているPTMEG系のイソシアネート末端ウレタンプレポリマーの例は、Imuthane(登録商標)プレポリマー(COIM USA, Inc.から市販されているもの、たとえばPET-80A、PET-85A、PET-90A、PET-93A、PET-95A、PET-60D、PET-70D、PET-75D)、Adiprene(登録商標)プレポリマー(Chemturaから市販されているもの、たとえばLF800A、LF900A、LF910A、LF930A、LF931A、LF939A、LF950A、LF952A、LF600D、LF601D、LF650D、LF667、LF700D、LF750D、LF751D、LF752D、LF753D及びL325)、Andur(登録商標)プレポリマー(Anderson Development Companyから市販されているもの、たとえば70APLF、80APLF、85APLF、90APLF、95APLF、60DPLF、70APLF、75APLF)を含む。
【0031】
好ましくは、プレポリマーポリオールがPPGである場合、イソシアネート末端ウレタンプレポリマーは、3〜9重量%(より好ましくは4〜8重量%、もっとも好ましくは5〜6重量%)の未反応イソシアネート(NCO)濃度を有する。市販されているPPG系のイソシアネート末端ウレタンプレポリマーの例は、Imuthane(登録商標)プレポリマー(COIM USA, Inc.から市販されているもの、たとえばPPT-80A、PPT-90A、PPT-95A、PPT-65D、PPT-75D)、Adiprene(登録商標)プレポリマー(Chemturaから市販されているもの、たとえばLFG963A、LFG964A、LFG740D)及びAndur(登録商標)プレポリマー(Anderson Development Companyから市販されているもの、たとえば8000APLF、9500APLF、6500DPLF、7501DPLF)を含む。
【0032】
好ましくは、研磨層(20)の形成に使用されるイソシアネート末端ウレタンプレポリマーは、0.1重量%未満の遊離トルエンジイソシアネート(TDI)モノマー含量を有する、低遊離イソシアネート末端ウレタンプレポリマーである。
【0033】
非TDI系のイソシアネート末端ウレタンプレポリマーを使用することもできる。たとえば、イソシアネート末端ウレタンプレポリマーとしては、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)及びポリオール、たとえばポリテトラメチレングリコール(PTMEG)と、任意のジオール、たとえば1,4−ブタンジオール(BDO)との反応によって形成されるものがある。そのようなイソシアネート末端ウレタンプレポリマーが使用される場合、未反応イソシアネート(NCO)濃度は、好ましくは4〜10重量%(より好ましくは4〜8重量%、もっとも好ましくは5〜7重量%)である。この範疇の市販されているイソシアネート末端ウレタンプレポリマーの例は、Imuthane(登録商標)プレポリマー(COIM USA, Inc.から市販されているもの、たとえば27-85A、27-90A、27-95A)、Andur(登録商標)プレポリマー(Anderson Development Companyから市販されているもの、たとえばIE75AP、IE80AP、IE85AP、IE90AP、IE95AP、IE98AP)及びVibrathane(登録商標)プレポリマー(Chemturaから市販されているもの、たとえばB625、B635、B821)を含む。
【0034】
好ましくは、研磨層(20)の形成に使用される硬化剤パッケージは、アミン開始ポリオール硬化剤少なくとも5重量%(好ましくは5〜30重量%、より好ましくは5〜25重量%、もっとも好ましくは5〜20重量%)、高分子量ポリオール硬化剤25〜95重量%(好ましくは35〜90重量%、より好ましくは50〜75重量%、もっとも好ましくは60〜75重量%)及び二官能硬化剤0〜70重量%(好ましくは5〜60重量%、より好ましくは10〜15重量%、さらに好ましくは10〜30重量%、もっとも好ましくは10〜20重量%)を含む。
【0035】
好ましくは、研磨層(20)の形成に使用されるアミン開始ポリオール硬化剤は1分子あたり少なくとも1個の窒素原子を含む。より好ましくは、使用されるアミン開始ポリオール硬化剤は1分子あたり1〜4個(さらに好ましくは2〜4個、もっとも好ましくは2個)の窒素原子を含む。
【0036】
好ましくは、研磨層(20)の形成に使用されるアミン開始ポリオール硬化剤は1分子あたり平均少なくとも3個のヒドロキシル基を有する。より好ましくは、使用されるアミン開始ポリオール硬化剤は1分子あたり平均3〜6個(さらに好ましくは3〜5個、もっとも好ましくは4個)のヒドロキシル基を有する。
【0037】
好ましくは、研磨層(20)の形成に使用されるアミン開始ポリオール硬化剤は≦700の数平均分子量M
Nを有する。より好ましくは、使用されるアミン開始ポリオール硬化剤は150〜650(さらに好ましくは200〜500、もっとも好ましくは250〜300)の数平均分子量M
Nを有する。
【0038】
好ましくは、研磨層(20)の形成に使用されるアミン開始ポリオール硬化剤は350〜1,200mgKOH/gのヒドロキシル価(ASTM試験法D4274−11によって測定)を有する。より好ましくは、使用されるアミン開始ポリオール硬化剤は400〜1,000mgKOH/g(もっとも好ましくは600〜850mgKOH/g)のヒドロキシル価を有する。
【0039】
市販されているアミン開始ポリオール硬化剤の例は、Voranol(登録商標)ファミリーのアミン開始ポリオール(The Dow Chemical Companyから市販)、Quadrol(登録商標)スペシャルティーポリオール(N,N,N’,N’−テトラキス(2−ヒドロキシプロピルエチレンジアミン)(BASFから市販)、Pluracol(登録商標)アミン系ポリオール(BASFから市販)、Multranol(登録商標)アミン系ポリオール(Bayer MaterialScience LLCから市販)、トリイソプロパノールアミン(TIPA)(The Dow Chemical Companyから市販)及びトリエタノールアミン(TEA)(Mallinckrodt Baker Inc.から市販)を含む。いくつかの好ましいアミン開始ポリオール硬化剤を表1に示す。
【0041】
理論によって拘束されることを望まないが、硬化剤パッケージ中に使用されるアミン開始ポリオール硬化剤の濃度は、それを用いて製造される研磨層(20)における物性の所望のバランスを促進することに加えて、その反応及び硬化剤パッケージ中の二官能硬化剤と多官能ジイソシアネート中に存在する未反応イソシアネート(NCO)基との反応を自触媒するようにも働くと考えられる。
【0042】
好ましくは、研磨層(20)の形成に使用される高分子量ポリオール硬化剤は2,500〜100,000の数平均分子量M
Nを有する。より好ましくは、使用される高分子量ポリオール硬化剤は5,000〜50,000(さらに好ましくは7,500〜25,000、もっとも好ましくは10,000〜12,000)の数平均分子量M
Nを有する。
【0043】
好ましくは、研磨層(20)の形成に使用される高分子量ポリオール硬化剤は1分子あたり平均3〜10個のヒドロキシル基を有する。より好ましくは、使用される高分子量ポリオール硬化剤は1分子あたり平均4〜8個(さらに好ましくは5〜7個、もっとも好ましくは6個)のヒドロキシル基を有する。
【0044】
好ましくは、研磨層(20)の形成に使用される高分子量ポリオール硬化剤は、硬化剤パッケージ中に使用されるアミン開始ポリオール硬化剤の分子量よりも高い分子量を有し、硬化剤パッケージ中に使用されるアミン開始硬化剤のヒドロキシル価よりも低いヒドロキシル価を有する。
【0045】
市販されている高分子量ポリオール硬化剤の例は、Specflex(登録商標)ポリオール、Voranol(登録商標)ポリオール及びVoralux(登録商標)ポリオール(The Dow Chemical Companyから市販)、Multranol(登録商標)スペシャルティーポリオール及びUltracel(登録商標)フレキシブルポリオール(Bayer MaterialScience LLCから市販)及びPluracol(登録商標)ポリオール(BASFから市販)を含む。いくつかの好ましい高分子量ポリオール硬化剤を表2に示す。
【0047】
好ましくは、研磨層(20)の形成に使用される二官能硬化剤はジオール及びジアミンから選択される。より好ましくは、使用される二官能硬化剤は、第一級アミン及び第二級アミンからなる群より選択されるジアミンである。さらに好ましくは、使用される二官能硬化剤は、ジエチルトルエンジアミン(DETDA)、3,5−ジメチルチオ−2,4−トルエンジアミン及びその異性体、3,5−ジエチルトルエン−2,4−ジアミン及びその異性体(たとえば3,5−ジエチルトルエン−2,6−ジアミン)、4,4’−ビス−(sec−ブチルアミノ)−ジフェニルメタン、1,4−ビス−(sec−ブチルアミノ)−ベンゼン、4,4’−メチレン−ビス−(2−クロロアニリン)、4,4’−メチレン−ビス−(3−クロロ−2,6−ジエチルアニリン)(MCDEA)、ポリテトラメチレンオキシド−ジ−p−アミノベンゾエート、N,N’−ジアルキルジアミノジフェニルメタン、p,p’−メチレンジアニリン(MDA)、m−フェニレンジアミン(MPDA)、4,4’−メチレン−ビス−(2−クロロアニリン)(MBOCA)、4,4’−メチレン−ビス−(2,6−ジエチルアニリン)(MDEA)、4,4’−メチレン−ビス−(2,3−ジクロロアニリン)(MDCA)、4,4’−ジアミノ−3,3’−ジエチル−5,5’−ジメチルジフェニルメタン、2,2’,3,3’−テトラクロロジアミノジフェニルメタン、トリメチレングリコールジ−p−アミノベンゾエート及びこれらの混合物からなる群より選択される。もっとも好ましくは、使用されるジアミン硬化剤は、4,4’−メチレン−ビス−(2−クロロアニリン)(MBOCA)、4,4’−メチレン−ビス−(3−クロロ−2,6−ジエチルアニリン)(MCDEA)及びそれらの異性体からなる群より選択される。
【0048】
好ましくは、多官能イソシアネート中の未反応イソシアネート(NCO)基に対する硬化剤パッケージの成分中の反応性水素基(すなわち、アミン(NH
2)基とヒドロキシル(OH)基との合計)の化学量論比は0.85〜1.15(より好ましくは0.90〜1.10、もっとも好ましくは0.95〜1.05)である。
【0049】
研磨層(20)は、場合によっては、複数の微小エレメントエレメントをさらに含む。好ましくは、複数の微小要素は研磨層(20)全体に均一に分散している。好ましくは、複数の微小エレメントは、閉じ込められた気泡、中空コアポリマー材料、液体充填中空コアポリマー材料、水溶性材料及び不溶相材料(たとえば鉱油)から選択される。より好ましくは、複数の微小エレメントは、研磨層(20)全体に均一に分散している閉じ込められた気泡及び中空コアポリマー材料から選択される。好ましくは、複数の微小エレメントは、150μm未満(より好ましくは50μm未満、もっとも好ましくは10〜50μm)の重量平均直径を有する。好ましくは、複数の微小エレメントは、ポリアクリロニトリル又はポリアクリロニトリルコポリマーのシェル壁を有するポリマーマイクロバルーン(たとえば、Akzo NobelのExpancel(登録商標))を含む。好ましくは、複数の微小エレメントは、0〜35容量%の気孔率(より好ましくは10〜25容量%の気孔率)で研磨層(20)に組み込まれる。
【0050】
研磨層(20)は、多孔構造及び無孔(すなわち非充填)構造の両方で提供することができる。好ましくは、研磨層(20)は、ASTM D1622にしたがって計測して≧0.6g/cm
3の密度を示す。より好ましくは、研磨層(20)は、ASTM D1622にしたがって計測して0.6〜1.2g/cm
3(さらに好ましくは0.7〜1.1g/cm
3、もっとも好ましくは0.75〜1.0g/cm
3)の密度を示す。
【0051】
好ましくは、研磨層(20)は、ASTM D2240にしたがって計測して5〜40のショアD硬さを示す。より好ましくは、研磨層(20)は、ASTM D2240にしたがって計測して5〜30(さらに好ましくは5〜20、もっとも好ましくは5〜15)のショアD硬さを示す。
【0052】
40未満のショアD硬さを示す研磨層は一般に、非常に高い破断点伸び値(すなわち>600%)を有する。そのような高い破断点伸び値を示す材料は、機械加工処理に付されると可逆的に変形し、その結果、許容不可能に粗悪である溝の形成及び不十分であるダイアモンドコンディショニング中のテキスチャ生成を招く。本発明の多層化学機械研磨パッドスタック(10)の研磨層(20)の形成に使用される独特な硬化剤パッケージは、低い硬さとともに、ASTM D412にしたがって計測して100〜450%の破断点伸びを提供する。好ましくは、研磨層(20)は、ASTM D412にしたがって計測して125〜425%(さらに好ましくは150〜300%、もっとも好ましくは150〜200%)の破断点伸びを示す。
【0053】
好ましくは、研磨層(20)は、本明細書の実施例に記載される方法を使用して計測して25〜150μm/hrの切削速度を示す。より好ましくは、研磨層(20)は、本明細書の実施例に記載される方法を使用して計測して30〜125μm/hr(さらに好ましくは30〜100μm/hr、もっとも好ましくは30〜60μm/hr)の切削速度を示す。
【0054】
当業者は、所与の研磨作業のための多層化学機械研磨パッドスタック(10)における使用に適した厚さT
Pを有する研磨層(20)を選択することを理解するであろう。好ましくは、研磨層(20)は、研磨面(25)の平面(28)に対して垂直な軸(A)に沿って平均厚さT
P-avgを示す。より好ましくは、平均厚さT
P-avgは20〜150ミル(より好ましくは30〜125ミル、もっとも好ましくは40〜120ミル)である(
図2及び5を参照)。
【0055】
好ましくは、研磨層(20)の研磨面(14)は、磁性基材、光学基材及び半導体基材の少なくとも一つから選択される基材(より好ましくは半導体基材、もっとも好ましくは半導体ウェーハ)を研磨するように適合されている。研磨層(20)の研磨面(14)は、基材の研磨を促進するためのマクロテキスチャ及びミクロテキスチャの少なくとも一つを示す。好ましくは、研磨面(14)はマクロテキスチャを示し、そのマクロテキスチャは、(i)ハイドロプレーニングを緩和すること、(ii)研磨媒体の流れに影響すること、(iii)研磨層の剛性を変化させること、(iv)エッジ効果を減らすこと、及び(v)研磨面(14)と研磨される基材との間の区域からの研磨くずの運び出しを促進することの少なくとも一つを実行するように設計されている。
【0056】
研磨面(14)は、好ましくは、穿孔及び溝の少なくとも一つから選択されるマクロテキスチャを示す。好ましくは、穿孔は、研磨面(14)から研磨層(20)の厚さの途中まで又は全部に延びることができる。好ましくは、溝は、研磨中にパッド(10)が回転すると、少なくとも一つの溝が基材の上を掃くように研磨面(14)上に配設される。好ましくは、溝は、カーブした溝、直線状の溝及びそれらの組み合わせから選択される。溝は、≧10ミル(好ましくは10〜150ミル)の深さを示す。好ましくは、溝は、≧10ミル、≧15ミル及び15〜150ミルから選択される深さ、≧10ミル及び10〜100ミルから選択される幅ならびに≧30ミル、≧50ミル、50〜200ミル、70〜200ミル及び90〜200ミルから選択されるピッチの組み合わせを有する少なくとも二つの溝を含む溝パターンを形成する。
【0057】
好ましくは、研磨層(20)は、その中に組み込まれた砥粒<1ppmを含有する。
【0058】
好ましくは、硬質層(25)は、ポリマー、金属、強化ポリマー及びそれらの組み合わせからなる群より選択される材料でできている。より好ましくは、硬質層(25)はポリマー製である。もっとも好ましくは、硬質層(25)は、ポリエステル、ナイロン、エポキシ、ガラス繊維強化エポキシおよびポリカーボネートからなる群より選択されるポリマー(より好ましくはポリエステル、さらに好ましくはポリエチレンテレフタレートポリエステル、もっとも好ましくは二軸延伸ポリエチレンテレフタレートポリエステル)でできている。
【0059】
好ましくは、硬質層(25)は、>5〜60ミル(より好ましくは6〜30ミル、さらに好ましくは6〜15ミル、もっとも好ましくは6〜10ミル)の平均厚さを有する。
【0060】
好ましくは、硬質層(25)の上面(26)及び下面(27)はいずれも溝を有しない。より好ましくは、上面(26)及び下面(27)はいずれも滑らかである。もっとも好ましくは、上面(26)及び下面(27)は、光学プロフィルメータを使用して測定して1〜500nm(好ましくは1〜100nm、より好ましくは10〜50nm、もっとも好ましくは20〜40nm)の粗さRaを有する。
【0061】
好ましくは、硬質層(25)は、ASTM D882−12にしたがって計測して≧100MPa(より好ましくは1,000〜10,000MPa、さらに好ましくは2,500〜7,500MPa、もっとも好ましくは3,000〜7,000MPa)のヤング率を示す。
【0062】
好ましくは、硬質層(25)は<0.1容量%(より好ましくは<0.01容量%)のボイド率を示す。
【0063】
好ましくは、硬質層(25)は、>5〜60ミル(好ましくは6〜30ミル、より好ましくは6〜15ミル、もっとも好ましくは6〜10ミル)の平均厚さ及びASTM D882−12にしたがって計測して≧100MPa(好ましくは1,000〜10,000MPa、より好ましくは2,500〜7,500MPa、もっとも好ましくは3,000〜7,000MPa)のヤング率を有する二軸延伸ポリエチレンテレフタレートでできている。
【0064】
当業者は、多層化学機械研磨パッドスタック(10)における使用に適切なホットメルト接着剤(23)を選択する方法を知るであろう。好ましくは、ホットメルト接着剤(23)は硬化反応性ホットメルト接着剤である。より好ましくは、ホットメルト接着剤(23)は、その非硬化状態で50〜150℃、好ましくは115〜135℃の融解温度を示し、融解後≦90分の可使時間を示す硬化反応性ホットメルト接着剤である。もっとも好ましくは、その非硬化状態のホットメルト接着剤(23)はポリウレタン樹脂を含む(たとえば、Rohm and Haasから市販されているMor-Melt(商標)R5003)。
【0065】
多層化学機械研磨パッドスタック(10)は、好ましくは、研磨機のプラテンと対面するように適合されている。好ましくは、多層化学機械研磨パッドスタック(10)は、研磨機のプラテンに固定されるように適合されている。多層化学機械研磨パッドスタック(10)は、感圧接着剤及び真空の少なくとも一つを使用してプラテンに固定することができる。
【0066】
好ましくは、多層化学機械研磨パッドスタック(10)は、硬質層(25)の下面(27)に適用された感圧プラテン接着剤(70)を含む。当業者は、感圧プラテン接着剤層(70)としての使用に適切な感圧接着剤を選択する方法を知るであろう。好ましくは、多層化学機械研磨パッドスタック(10)はまた、感圧プラテン接着剤層(70)の上に適用された剥離ライナ(75)を含み、感圧プラテン接着剤層(70)は硬質層(25)の下面(27)と剥離ライナ(75)との間に挿入される(
図2を参照)。
【0067】
場合によっては、多層化学機械研磨パッドスタック(10)はさらに、スタック面(52)及びプラテン面(55)を有するサブパッド(50)、ならびに硬質層(25)の下面(27)とサブパッド(50)のスタック面(52)との間に挿入されたスタック接着剤(60)であって、硬質層(25)をサブパッド(50)に接着するスタック接着剤(60)を含み、感圧プラテン接着剤層(70)がサブパッド(50)のプラテン面(55)に適用される。好ましくは、多層化学機械研磨パッドスタック(10)はまた、感圧プラテン接着剤層(70)の上に適用された剥離ライナ(75)を含み、感圧プラテン接着剤層(70)はサブパッド(50)のプラテン面(72)と剥離ライナ(75)との間に挿入される(
図5を参照)。
【0068】
本発明の多層化学機械研磨パッドスタック(10)への任意のサブパッド(50)の組み込みは所与の研磨用途の場合に望ましいことがある。当業者は、所期の研磨加工における使用のためのサブパッド(50)のための適切な構成材料及びサブパッド厚さT
Sを選択することを知るであろう。好ましくは、サブパッド(50)は、≧15ミル(より好ましくは30〜100ミル、もっとも好ましくは30〜75ミル)の平均サブパッド厚さT
S-avgを有する。
【0069】
好ましくは、スタック接着剤(60)は、感圧接着剤、ホットメルト接着剤、コンタクト接着剤及びそれらの組み合わせからなる群より選択される。より好ましくは、スタック接着剤(60)は、感圧接着剤及びホットメルト接着剤からなる群より選択される。もっとも好ましくは、スタック接着剤(60)は反応性ホットメルト接着剤である。
【0070】
基材研磨作業における重要な工程は、加工の終点を決定することである。終点検出のための一つの一般的なインサイチュー法は、選択された波長の光に対して透過性であるウィンドウを研磨パッドに設けることを含む。研磨中、光ビームがそのウィンドウを通してウェーハ表面に当てられると、そこで反射し、ウィンドウを反対に通過して検出器(たとえば分光光度計)に達する。この戻り信号に基づき、終点検出のために基材表面の性質(たとえばその上の膜の厚さ)を測定することができる。そのような光ベースの終点検出方法を容易にするために、本発明の多層化学機械研磨パッドスタック(10)は、場合によっては、終点検出ウィンドウをさらに含む。好ましくは、終点検出ウィンドウは、研磨層(20)に組み込まれた一体型ウィンドウ及び多層化学機械研磨パッドスタック(10)に組み込まれたプラグ配置(plug in place)終点検出ウィンドウブロックから選択される。当業者は、所期の研磨加工において使用するための終点検出ウィンドウのための、適切な構築材料及び多層化学機械研磨パッドスタック(10)への組み込み方法を選択することを知るであろう。
【0071】
場合によっては、本発明の多層化学機械研磨パッドスタック(10)はさらに、研磨層(20)及び感圧プラテン接着剤層(70)と対面し、それらの間に挿入された少なくとも一つのさらなる層を含む。少なくとも一つのさらなる層(図示せず)は、さらなる層接着剤(図示せず)を使用して、研磨パッドスタック(10)に組み込むことができる。さらなる層接着剤は、感圧接着剤、ホットメルト接着剤、コンタクト接着剤及びそれらの組み合わせから選択することができる。好ましくは、さらなる層接着剤はホットメルト接着剤または感圧接着剤である。より好ましくは、さらなる層接着剤はホットメルト接着剤である。
【0072】
好ましくは、本発明の基材を研磨する方法は、磁性基材、光学基材及び半導体基材の少なくとも一つから選択される基材(好ましくは半導体基材、より好ましくは、半導体ウェーハである半導体基材)を提供する工程、本発明の多層化学機械研磨パッドスタック(10)を提供する工程、研磨面(14)と基材との間の界面に研磨媒体を提供する工程、光源を提供する工程、光検出器を提供する工程、制御システムを提供する工程、及び研磨面(14)と基材との間の界面で動的接触を生じさせる工程を含み、光源が、光をプラグ配置終点検出ウィンドウブロック(30)に通して基材上に入射させ、光検出器が基材から反射した光を検出し、制御システムが光検出器からの入力を受け、研磨終点に達したときを決定する。
【0073】
本発明の基材を研磨する方法は、場合によっては、砥粒コンディショナによって研磨面(14)を定期的にコンディショニングする工程をさらに含む。
【0074】
ここで、以下の実施例において本発明のいくつかの実施態様を詳細に説明する。
【0075】
比較例A〜B及び実施例1〜19
表3に提供された調合の詳細にしたがって研磨層を調製した。具体的には、51℃で、イソシアネート末端ウレタンプレポリマー(すなわち、比較例A及び実施例1〜9の場合にはAdiprene(登録商標)LF667ならびに比較例B及び実施例10〜19の場合にはAdiprene(登録商標)LFG963A、いずれもChemtura Corporationから市販)と硬化剤パッケージの成分との制御された混合によってポリウレタンケーキを調製した。アミン開始ポリオール硬化剤(すなわち、The Dow Chemical Companyから市販されているVoranol(登録商標)800)及び高分子量ポリオール硬化剤(すなわち、The Dow Chemical Companyから市販されているVoralux(登録商標)HF505)をプレミックスしたのち、他の原料に配合した。MBOCAを除くすべての原料を51℃のプレミックス温度に維持した。MBOCAは、116℃のプレミックス温度に維持した。イソシアネート末端ウレタンプレポリマーと硬化剤パッケージとの比率は、イソシアネート末端ウレタンプレポリマー中の未反応イソシアネート(NCO)基に対する硬化剤中の活性水素基(すなわち、−OH基と−NH
2基との合計)の比として定義される化学量論比が表3に記される比になるように設定した。
【0076】
硬化剤パッケージと合わせる前に、Expancel(登録商標)微小球をイソシアネート末端ウレタンプレポリマーに加えることによって研磨層に気孔を導入して、所望の気孔率及びパッド密度を達成した。
【0077】
高剪断混合ヘッドを使用して、配合されたExpancel(登録商標)微小球を含むイソシアネート末端ウレタンプレポリマーと硬化剤パッケージとを混合した。混合ヘッドから出たのち、組み合わせを直径86.4cm(34インチ)の円形型の中に5分かけて分配して、約10cm(4インチ)の全注入厚さを得た。分配された組み合わせを15分かけてゲル化させたのち、型を硬化オーブンに入れた。次いで、型を、硬化オーブン中、以下のサイクルを使用して硬化させた。周囲温度から104℃の設定点まで30分間ランプ、次いで104℃で15.5時間保持、次いで104℃から21℃まで2時間ランプ。
【0078】
次いで、硬化ポリウレタンケーキを型から取り出し、30〜80℃で、約40個の別々の厚さ2.0mm(80ミル)シートにスカイビング(可動ブレードを使用して切断)した。スカイビングは、各ケーキの頂部から開始した。不完全なシートを廃棄した。
【0079】
実施例に使用されたAdiprene(登録商標)LF667は、Chemturaから市販されているAdiprene(登録商標)LF950AとAdiprene(登録商標)LF600Dとの50/50重量%ブレンドを含むPTMEG系のイソシアネート末端ウレタンプレポリマーであることに留意されたい。また、Adiprene(登録商標)LFG963Aは、Chemturaから市販されているPPG系のイソシアネート末端ウレタンプレポリマーであることに留意されたい。
【0081】
比較例A〜B及び実施例1〜19それぞれからの溝なし研磨層材料を分析して、表4に報告するようなそれらの物性を測定した。報告されている密度データはASTM D1622にしたがって測定され、報告されているショアD硬さデータはASTM D2240にしたがって測定され、報告されているショアA硬さデータはASTM D2240にしたがって測定され、報告されている破断点伸びデータはASTM D412にしたがって測定されたことに留意されたい。
【0082】
表4に報告されている切削速度データは、Applied Materialsからの200mm Mirra(登録商標)研磨ツールを使用して計測されたものである。この研磨ツールは、51cm(20インチ)の呼び径を有する円形の多層化学機械研磨パッドスタックを受け入れるように設計されている。本明細書の実施例に記載されるようにして、円形の断面を有する研磨層を調製した。そして、これらの研磨層を溝削り加工して、ピッチ120ミル(3.05mm)、幅20ミル(0.51mm)及び深さ30ミル(0.76mm)の寸法を有する複数の同心円形の溝を含む溝パターンを研磨面に提供した。そして、研磨層をフォームサブパッド層(Rohm and Haas Electronic Materials CMP Inc.から市販されているSP2310)に貼り合わせた。
【0083】
ダイアモンドコンディショニングディスク(Kinik Company製のDiaGrid(登録商標)AD3CL-150843-3パッドコンディショナ)を使用して、以下の加工条件を使用して溝付き研磨層の研磨面を磨耗させた。研磨層の研磨面を、100rpmのプラテン速度、150cm
3/minの脱イオン水流量及び48.3kPa(7psi)のコンディショニングディスクダウンフォースで2時間、ダイアモンドコンディショニングディスクによる連続磨耗に付した。平均溝深さの変化を経時的に計測することによって切削速度を測定した。Zaber Technologiesの電動スライドに取り付けたMTI InstrumentsのMicrotrack IIレーザ三角測量センサを使用して溝深さを計測して(μm/hr単位)、各研磨層の研磨面を中心から外縁までプロファイリングした。スライド上のセンサの掃引速度は0.732mm/sであり、センサのサンプリング速度(計測数/掃引1mm)は6.34点/mmであった。表4に報告されている切削速度は、研磨層の研磨面上の2,000を超える点として収集された厚さ計測値に基づく、溝深さの経時的算術平均減少である。