特許第6367612号(P6367612)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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  • 特許6367612-手摺笠木、および照明ユニット 図000002
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6367612
(24)【登録日】2018年7月13日
(45)【発行日】2018年8月1日
(54)【発明の名称】手摺笠木、および照明ユニット
(51)【国際特許分類】
   E04F 11/18 20060101AFI20180723BHJP
【FI】
   E04F11/18
【請求項の数】4
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2014-112700(P2014-112700)
(22)【出願日】2014年5月30日
(65)【公開番号】特開2015-227542(P2015-227542A)
(43)【公開日】2015年12月17日
【審査請求日】2017年4月5日
(73)【特許権者】
【識別番号】000110479
【氏名又は名称】ナカ工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100093986
【弁理士】
【氏名又は名称】山川 雅男
(74)【代理人】
【識別番号】100128864
【弁理士】
【氏名又は名称】川岡 秀男
(72)【発明者】
【氏名】岩井 達弥
(72)【発明者】
【氏名】東川 尚樹
(72)【発明者】
【氏名】津久井 隆
(72)【発明者】
【氏名】小林 由布子
(72)【発明者】
【氏名】飛川 哲生
【審査官】 前田 敏行
(56)【参考文献】
【文献】 特開2005−336895(JP,A)
【文献】 特開昭60−141955(JP,A)
【文献】 登録実用新案第3167077(JP,U)
【文献】 特開2012−062644(JP,A)
【文献】 特開2013−221297(JP,A)
【文献】 実開昭60−026128(JP,U)
【文献】 米国特許第06425676(US,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E04F 11/18
F21V 33/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
下方に開放する切欠部を長手通しに備えた笠木材と、
下方に開放する断面略コ字状の係合壁を備えて切欠部内に係合して前記笠木材に固定されるケース内に光源ユニットと給電用ケーブルとを保持した照明ユニットとを有し、
前記給電用ケーブルは、前記ケースの係合壁の一側壁下端縁から突設されるケーブル支持片に支持されるとともに、
前記給電用ケーブルと光源ユニットとは照明ユニットの幅方向に配置される手摺笠木。
【請求項2】
前記光源ユニットは、所定ピッチで配置される点光源を有するとともに、
前記ケースには、前記ケーブル支持片の先端部に形成された係止部を弾発係止させて光拡散板が保持される請求項1記載の手摺笠木。
【請求項3】
前記笠木材が金属材料により形成される請求項1または2記載の手摺笠木。
【請求項4】
下方に開放する切欠部を長手通しに備えた笠木材に固定して照明を形成する照明ユニットであって、
プリント基板に所定ピッチで発光素子を実装して形成される光源ユニットと、
前記プリント基板に電気的に接続される給電用ケーブルと、
下方に開放する断面略コ字状の係合壁を備えて前記笠木材の切欠部内に係合し、内部に前記光源ユニットと給電用ケーブルを幅方向に配置、保持して前記切欠部内に固定されるケースとを有し、
前記ケースには、係合壁の一側壁下端縁から開放幅を狭める方向に延設されて給電用ケーブルを支持するケーブル支持片が形成されるとともに、該ケーブル支持片の先端部に形成された係止部を弾発係止させて光拡散板が保持される照明ユニット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は手摺笠木、および照明ユニットに関するものである。
【背景技術】
【0002】
照明を備えた手摺笠木としては、従来、特許文献1に記載されたものが知られている。この従来例において、手すり本体(笠木材)は凹溝を有する筒状に形成されたステンレス製押出管からなる。上記凹溝内には、光源となるLEDをハンダ付けしたテープ状基板が照明固定台を介して開放端寄りの位置に取り付けられ、これらLEDやテープ状基板、照明固定台は凹溝を塞ぐように手すり本体に取り付けられる照明カバーにより覆われる。上記照明固定台は凹溝の底壁に向かって開放するコ字状断面をなし、LEDとテープ状基板は、柔軟性樹脂により全体として断面矩形状をなすようにコーティングされる。
【0003】
また、上記テープ状基板は手すり本体の長手方向に間隔を隔てて複数配置されており、照明用固定台や柔軟性樹脂が凹溝と近似する幅寸法に形成されるために、LEDに給電するには、例えば、給電用ケーブルを照明固定台内部の空隙を利用して手すり本体の長手方向に沿って敷設しておき、この給電用ケーブルを介して各テープ状基板を商用電源等と電気的に接続させるのが適当であるものと考えられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】登録実用新案第3167077号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上述した従来例は施工性が悪いという欠点がある。
【0006】
すなわち、給電用ケーブルは、施工現場の状況に応じた高い融通性を確保するために、現場合わせで、手すり本体への光源の組み付け状況を確認し、これを考慮しながら後付けすることが望ましいが、従来例のような構造であるとこのような施工が困難になる。
【0007】
本発明は以上の欠点を解消すべくなされたものであって、施工性に優れた手摺笠木の提供を目的とする。また、本発明の他の目的は、施工性に優れた照明ユニットの提供にある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明によれば、上記目的は、
下方に開放する切欠部1を長手通しに備えた笠木材2と、
下方に開放する断面略コ字状の係合壁6を備えて切欠部1内に係合して前記笠木材2に固定されるケース7内に光源ユニット4と給電用ケーブル5とを保持した照明ユニット3とを有し、
前記給電用ケーブル5は、前記ケース7の係合壁6の一側壁下端縁から突設されるケーブル支持片9に支持されるとともに、
前記給電用ケーブル5と光源ユニット4とは照明ユニット3の幅方向に配置される手摺笠木を提供することにより達成される。
【0009】
本発明によれば、手摺笠木は、光源や給電用の配線などの照明構成部品を一まとまりにユニット化した照明ユニット3を有し、この照明ユニット3を笠木材2の下方に開放する切欠部1内に固定して形成される。照明のユニット化により多数の照明構成部品を笠木材2に順次個々に組み込むような面倒を省くことが可能になり、笠木材2への現場での照明の組み付けや、照明の交換作業が極めて簡単になる。また、照明ユニット3が笠木材2の下方に開放する切欠部1内に配置されることで、その照明光によって暗所においても歩行者にあまり眩しく感じさせることなく手摺笠木の位置を知らせることができ、さらに、手摺笠木を支えとして歩行する歩行者の足下を照らして安全な歩行を可能にする。
【0010】
また、上記照明ユニット3は、光源周りの部品をユニット化した光源ユニット4を有しており、これにより光源周りの多数の部品を順次個々に組み付けて照明ユニット3を組み立てるような面倒な作業を省くことができ、光源周りの交換作業も簡易にできる。以上の光源ユニット4は、照明ユニット3において給電用ケーブル5と幅方向に配置、保持されており、このため、笠木材2の下方に開放する切欠部1内に給電用ケーブル5を後付けで組み付ける際に光源ユニット4があまり邪魔になることはない。
【0011】
したがって本発明によれば、施工現場において笠木材2の設置状況を確認した上で、光源ユニット4、給電用ケーブル5を順次事後的に笠木材2に組み付けることができるために、施工現場の状況に合わせた融通性の高い施工をすることができる。特に照明ユニット3は切欠部1内の限られたスペースに配置されるために、このような融通性の高い施工ができることにより、例えば、施工が進んだ段階で給電ケーブルの長さ不足が判明したために手摺笠木を分解して施工をやり直さなければならなくなるといった問題を回避できる以外に、その長さが長すぎることで限られた配線スペースに収まらなくなるといったことをも防止することができる。
【0012】
また、以上のように光源ユニット4と給電用ケーブル5を幅方向に配置すると、これらを上下方向に配置する従来例に比べ、光源ユニット4を切欠部1内のより深い位置に配置することができるために、設置状態における光源ユニット4へのいたずらや、階段を上る途上で上層階側を見上げたときなどに眩しく感じることなどを抑制できる。さらに、このような配置によれば、光源を手摺笠木の幅方向に偏倚する位置に取り付けることも簡単であり、このような光源の配置を利用すれば、照明範囲を効率的に絞り込むなどすることも容易になる。
【0013】
上記照明ユニット3は、光源ユニット4や給電用ケーブル5を内部に保持するケース7を備えて構成すれば、このケース7を光源ユニット4等の組み付け前に笠木材2の切欠部1内に組み付けることにより、光源ユニット4等の切欠部1内への組み付け作業をより簡単にすることが可能になる。この場合ケース7は、切欠部1と同様に下方に開放する断面略コ字状に外壁を形成すれば、光源ユニット4等の後付けに際して問題になることはない。また、この外壁を切欠部1内に係合するサイズにしておけば、切欠部1の内壁との間に指を挟むおそれのあるような隙間が発生してしまうのを簡単に防止できる。
【0014】
上記ケース7による光源ユニット4や給電用ケーブル5の保持は、例えば、これらをケース7内壁に接着してすることも可能であるが、例えば支持片や挟持片、あるいは係止片をケース7内に形成して支持、挟持、あるいは係止させれば、光源ユニット4等の後付け作業が簡単になる。
【0015】
上述した光源ユニット4は、蛍光管やLEDなど適宜の光源を用いて構成することができ、例えば、LED等の発光素子を用いたときには、蛍光管よりも小型化が容易な上に、消費電力を抑えたり、寿命を長くしたりすることも難しくない。しかしながらLED等のような点光源8を用いてしまうと、手摺笠木の設置床面が鏡面仕上げのときには粒状の映り込みが生じてしまい、見栄えが悪く感じるおそれもあるが、この問題は光拡散板11を点光源8の下方で照明ユニット3に後付けにより組み付ければ解消できる。
【0016】
また、上述のように光拡散板11を後付けする場合において、光拡散板11を弾発係止により保持するための係止部10をケース7に設けておけば、接着剤で後付けしたときのような、接着剤が接着部位からはみ出すことなどによる光量低下のおそれ等を回避することができる。
【0017】
以上の手摺笠木は、
下方に開放する切欠部1を長手通しに備えた笠木材2に固定して照明を形成する照明ユニット3であって、
プリント基板12に所定ピッチで発光素子13を実装して形成される光源ユニット4と、
前記プリント基板12に電気的に接続される給電用ケーブル5と、
下方に開放する断面略コ字状の係合壁6を備えて前記笠木材2の切欠部1内に係合し、内部に前記光源ユニット4と給電用ケーブル5を幅方向に配置、保持して前記切欠部1内に固定されるケース7とを有し、
前記ケース7には、係合壁6の一側壁下端縁から開放幅を狭める方向に延設されて給電用ケーブル5を支持するケーブル支持片9が形成されるとともに、該ケーブル支持片9の先端部に形成された係止部10を弾発係止させて光拡散板11が保持される照明ユニット3を用いて形成することができる。
【発明の効果】
【0018】
以上の説明から明らかなように、本発明によれば、施工性に優れた手摺笠木や照明ユニットを提供することができるために、手摺の設置工事をより簡単にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】本発明に係る手摺笠木の要部分解斜視図である。
図2】手摺笠木の設置構造を示す要部縦断面図である。
図3】手摺笠木の内部構造を示す要部縦断面図で、(a)は第1の実施の形態を示す図、(b)はその変形例を示す図である。
図4】他の変形例を示す図で、(a)は第2の変形例を示す図、(b)は第3の変形例を示す図である。
図5】手摺笠木の内部構造を示す要部縦断面図で、(a)は第2の実施の形態を示す図、(b)はその変形例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
図1に本発明に係る手摺笠木Aを用いた手摺Bを示す。この実施の形態において、手摺Bは、手摺笠木Aに所定ピッチで取り付けられるブラケット21を有し、該ブラケット21を介して図2に示すように屋外の階段等の壁面22に固定される。
【0021】
このブラケット21は、手摺笠木Aとの相対位置に応じて取り付け角度を調整可能な角度調整部23を備え、ステンレス等の適宜の金属により形成される。具体的には、上記壁面22に一端部が固定されて水平姿勢をとる水平軸部24と、この水平軸部24に一端部が連結されて他端部により手摺笠木Aを支持する支持軸部25とを有して構成される。上記水平軸部24はパイプ近似の中空の部材であり、壁面22への固定端には化粧板24aがフランジ状に取り付けられ、自由端には支持軸部25との連結部24bが形成される。この水平軸部24は、図2に示すように、壁面22への固定に用いられるアンカーボルト26を中空の内部に収容する。
【0022】
また、上記連結部24bは、長手方向に対する直交方向に支持軸部25の外径と同程度のサイズで穿孔される図示省略の貫通孔と、この貫通孔内に回転操作により進退するイモネジ27からなり、貫通孔内に挿入された支持軸部25をイモネジ27により貫通孔の内壁に押し付けることで支持軸部25と連結される。以上の水平軸部24は、貫通孔がほぼ鉛直方向を向く姿勢にして壁面22に固定されるが、必要に応じて現場合わせで貫通孔の向きを調整して固定することも可能である。
【0023】
一方、上記支持軸部25は、杆状に形成され、水平軸部24との連結端とは反対となる先端部には、水平軸部24の長手方向とほぼ同一軸線周りに揺動可能な首振り部25aが形成される。この首振り部25aは、図2に示すように、本体部25bとネジ29により連結され、このネジ29周りに揺動可能にされるとともに、ネジ29を締め付けることにより所定の首振り角度を保持することができる。以上の首振り部25aの先端には、支持軸部25の長手方向と直交する方向に長尺の板状に形成されて笠木材2にネジ止めされる取り付け片30が固定される。
【0024】
したがって手摺笠木Aの設置予定位置に合わせて壁面22に所定ピッチでアンカーボルト26により水平軸部24を壁固定した後、この水平軸部24に支持軸部25を取り付け、次いで、首振り部25aのネジ29を緩めた状態で図2に示すように手摺笠木Aに取り付け片30をネジ31で取り付けると、角度調整部23として機能する首振り部25aが揺動してブラケット21、21、・・間の微小な位置ずれを吸収し、全てのブラケット21を手摺笠木Aにしっかりと連結することができる。この後、首振り部25aのネジ29を締め付ければ首振り部25aの揺動は禁止され、これにより手摺笠木Aは、全てのブラケット21、21、・・を介して壁面22にしっかりと支持される。
【0025】
なお、図2等において32は、金属により形成され、手摺笠木Aの後述する凹溝(切欠部1)内に挿入されて取り付け片30と手摺笠木Aとの間に介装される連結補助材である。この連結補助材32は、後述する給電用ケーブル5を敷設可能なケーブル収容部32aを長手通しに備えたもので、この実施の形態においてはコ字断面形状に形成される。また、33は連結補助材32を手摺笠木Aに固定する固定用ネジである。
【0026】
なお、一時的にアンカーボルト26を緩めるなどして水平軸部24を回転できるようにすれば、水平軸部24と支持軸部25との連結部24bも角度調整部23として機能させることが可能であり、これによってブラケット21、21、・・間のより大きな位置ずれも吸収することが可能である。
【0027】
一方、上記手摺笠木Aは、笠木材2に照明ユニット3を固定して形成され、該照明ユニット3により上述した階段の踏面と、ブラケット21が固定される壁面22の双方を照明する。上述のように手摺笠木Aにはブラケット21が所定ピッチで連結されるために、照明ユニット3は、笠木材2のほぼ全長に渡ってブラケット21との連結位置を避けた各ブラケット21、21間に配置される。
【0028】
上記笠木材2は、ステンレス等の適宜の金属の板材を折り曲げ加工してほぼ筒状に形成されるもので、この実施の形態においては、ベランダに設置されるガラスのトップレールが流用される。この笠木材2は、下面側の凹溝1の形成領域を除いて断面が円形状をなす。また、折り曲げ加工により製作されるために、凹溝1の底壁2aの幅方向における中央部が材料板材の辺縁同士の継ぎ目となっている。
【0029】
上記照明ユニット3は、図3(a)に示すように、ケース7内に光源ユニット4と給電用ケーブル5を保持して形成される。上記ケース7は、合成樹脂材等の切断加工があまり難しくなく、適宜の弾性も備えた材料により形成される。このケース7は、断面コ字状の係合壁6を備え、この係合壁6の外面を上述した凹溝1の内壁に係合させて笠木材2に固定される。笠木材2への固定に際しては、長手方向両端部において係合壁6の天井部が凹溝1の底壁2aにネジ34で止着されるとともに、長手方向中間部においては係合壁6と凹溝1の間に図示省略の接着剤で充填される。なお、上述のように笠木材2の継ぎ目があるために、ケース7のネジ止めは幅方向中央部ではなく、一側方に偏倚した位置にされる。
【0030】
また、上記ケース7は、幅方向に併設される光源保持部35とケーブル保持部36を備える。上記光源保持部35は、係合壁6内部の壁面22側に配置されるもので、天井部6aの幅方向中央部から垂下する挟持片37と係合壁6の壁面22側の側壁6bとにより光源ユニット4を挟持する。挟持片37の先端と上記壁面22側の側壁6bにおける同じ高さ位置には、接触圧を高めるための突条38が形成される。
【0031】
一方、ケーブル保持部36は、係合壁6内部の階段側に配置されるもので、係合壁6の階段側の側壁6cの下端縁から内方に向かって傾斜状に延設されるケーブル支持片9により給電用ケーブル5を支承する。このケーブル支持片9は先端がケース7の幅方向中央部に至る程度の長さに形成され、また、その先端には、折り返し片39が挟持片37との間に給電用ケーブル5を通過可能な間隔を隔てる程度の高さで立設される。
【0032】
上記光源ユニット4は、所定ピッチでLED(点光源8、発光素子13)を実装した短冊状のプリント基板12を光透過性のある収容ケース4a内に収容して形成される。上記プリント基板12はフレキシブル基板等の薄いものであり、その配線は、LED8(13)を並列接続することにより、長手方向の適宜の位置で切断しても、その両端を上述の給電用ケーブル5に電気的に接続することにより、実装されたLED8(13)の全てに給電できるようにされる。また、上記LED8(13)はいわゆる表面発光タイプのものであり、その配置ピッチは光量等を考慮して適宜決定される。
【0033】
さらに、上記収容ケース4aは、合成樹脂材により形成される。この収容ケース4aは、内部にプリント基板12を収容できる程度のサイズ、具体的にはプリント基板12の幅方向に幅広の中空矩形断面形状に形成され、その肉厚が薄く形成されることにより、ニッパー等の適宜の工具を利用して切断しやすくされ、長さ調整しやすくされる。この収容ケース4aの幅寸法は、上述したケース7における挟持片37と係合壁6の壁面22側の側壁6bとの間隔よりもやや大きい程度にされる。
【0034】
一方、上記給電用ケーブル5は、笠木材2、すなわち手摺笠木Aと同じ程度の長さに形成される。
【0035】
以上の手摺笠木Aは、施工現場においてブラケット21、21間の間隔に合わせてケース7やプリント基板12、収容ケース4aを切断し、また、給電用ケーブル5を笠木材2の全長よりやや長くなる程度に切断した上で、これらを笠木材2に順次組み付けて形成される。なお、手摺笠木Aは、笠木材2に照明ユニット3を組み付けた後で上述したブラケット21と連結されるが、この照明ユニット3の笠木材2への組み付けに先立ってブラケット21が壁面22に固定されることにより、ブラケット21との連結位置を事前にある程度正確に確認することができる。また、この組み付けに先立ち、プリント基板12の両端の配線には適宜の連絡ケーブル40が電気的に接続される。
【0036】
組み付けは、まず最初に、ブラケット21、21間に対応する位置範囲において、笠木材2の凹溝1内にケース7を挿入、固定し、次いで、光源ユニット4をケース7に装着する。光源ユニット4の幅寸法が挟持片37と係合壁6の壁面22側の側壁6bとの間隔よりもやや大きいために、これらの間への押し込み操作により挟持片37がやや撓みながら光源ユニット4を挟持する。また、この押し込み操作の際には、上述した連絡ケーブル40の姿勢を調整し、その自由端がケース7外、すなわち凹溝1の外側に垂れるようにしておく。
【0037】
この後、連絡ケーブル40の自由端を手摺笠木Aの外側で給電用ケーブル5と電気的に接続する。この接続に際しては、給電用ケーブル5がケーブル保持部36に保持されるときの予想位置に合わせて、その長手方向における接続位置を調整する。
【0038】
給電用ケーブル5と連絡ケーブル40の結線を終えたら、最後に、給電用ケーブル5を凹溝1内に挿入し、ケーブル支持片9上に載置した上で、その両端を笠木材2の両端などの適宜の箇所から笠木材2の外方に引き出しておく。以上のようにして笠木材2への照明ユニット3の組み付けが完了し、手摺笠木Aが完成したら、ブラケット21に組み付ける。このブラケット21への組み付けの際には、給電用ケーブル5がケーブル収容部32aに収容されるように連結補助材32が凹溝1内に取り付けられる。また、ブラケット21への組み付けが完了したら、最後に、給電用ケーブル5の両端を適宜の穴を通して壁面22の内側に引き出すなどし、電源制御部を介して商用電源やバッテリーに接続すれば、手摺Bが完成する。
【0039】
照明ユニット3に給電すると、手摺笠木A内部のやや壁面22寄りの位置に配置されるLED8(13)からの照明光は、図3(b)に二点鎖線で示すように、手摺笠木A下方の壁面22寄りの範囲を中心に照明し、これにより壁面22の下部と、階段の踏面における手摺B寄りの範囲が夜間でも明るくなる。
【0040】
また、上述した階段の踏面が鏡面仕上げされるこの実施の形態において、LED8(13)の照明光が踏面に粒状に映り込むのを防止するために、手摺笠木Aには光拡散板11が装着される。光拡散板11は、図3に示すように、この実施の形態においては帯状に形成され、その両側縁にはケース7に取り付けるための溝状の被係止部11aが形成される。この光拡散板11は、例えば、光透過性のある合成樹脂材に光拡散剤を混入して成形することにより形成される。
【0041】
一方、上述したケース7には、ケーブル支持片9の先端から光源ユニット4側に突出する係止部10と、係合壁6の壁面22側の側壁6bの下端縁から上記係止部10に向かって突出する第2係止部41とが形成されており、これら係止部10および第2係止部41に上述した被係止部11aに係止することで光拡散板11がケース7に保持される。
【0042】
光拡散板11のケース7への装着は、最初に光拡散板11を斜めにして第2係止部41にのみ被係止部11aを係止しておいてから、係止部10に向かって引き起すことによりなされる。光拡散板11を引き起こすと、係止部10が光拡散板11の側縁に干渉し、これにより係止部10はケーブル支持片9を撓ませながら光拡散板11の側縁をかわすために、ここからさらに光拡散板11を引き起こしてゆけば、係止部10が被係止部11aに対峙した段階で被係止部11aに弾発係止する。
【0043】
以上のように光拡散板11を手摺笠木Aに装着することにより、照明光は、図3(a)に示すように、光拡散板11を装着しない場合に比べてより広い範囲を照明する。また、光源ユニット4はケース7の深い位置に保持されており、光拡散板11との間にある程度の距離が確保されることから、光拡散板11による光拡散機能が極めて良好に働く。さらに、光拡散板11が階段側をやや向くように傾斜状に取り付けられることにより、踏面については照明範囲がよりさらに拡大する。
【0044】
なお、以上においては光拡散板11を用いる場合を示したが、図3(b)に示すように光拡散板11を用いなければ、光量の損失を押さえてより明るく照明することができる。
【0045】
図4(a)に第2の変形例を示す。なお、この変形例および後述する他の実施の形態において上述した実施の形態と同一の要素は図中に同一の符号を付して説明を省略する。この変形例は、上述した壁面22が柵などで構成され、壁面22側を照射する照明光が下層階側に漏れてしまうおそれがある場合に応じたものである。
【0046】
この変形例において、プリント基板12は上述した収容ケース4aの高さ寸法程度のより狭い幅寸法に形成され、光源ユニット4は、先の実施の形態から収容ケース4aを90度回転させたような姿勢でケース7内に保持される。また、プリント基板12は、収容ケース4aの上方に位置する内壁面22に接着剤等で適宜固定される。
【0047】
ケース7は先の実施の形態と共用のものであり、その係合壁6の壁面22側の側壁6bには、上述した挟持片37の突条38と対峙する位置以外にも、収容ケース4aの下端近傍に相対する位置に突条38が形成される。以上のケース7による光源ユニット4の保持には、挟持片37と壁面22側の側壁6bとの間に適宜の詰め物42をすることで挟持状態が確保される。
【0048】
したがってこの変形例においては、LED8(13)がより壁面22寄りの位置に配置されるために、ケース7の係合壁6の壁面22側の側壁6bや第2係止部41により壁面22側に拡散する光路が遮断され、踏面のみを中心として照明される。これにより上述のように下層階側に照明光が漏れるのが抑制され、下層階側から見上げたときに眩しく感じにくくなる。また、以上のように光源ユニット4を変更し、詰め物42を追加することで照明範囲を変更する使い方ができるために、手摺笠木Aの汎用性も向上する。
【0049】
また、このように光源ユニット4の配置を変更した場合にも、図4(b)に示すように光拡散板11を装着すれば、照明光の踏面への映り込みを抑制したり、照明範囲をある程度広くすることが可能である。なお、以上のようにLED8(13)をより係合壁6の壁面22側に近づけて配置する場合には、上述した実施の形態におけるLED8(13)を側面発光タイプのものにした上で、その姿勢を90度回転させても足りる。また、詰め物42を詰めるのに代えて、収容ケース4aのみを適宜幅広に形成しても足りる。
【0050】
図5(a)に本発明の第2の実施の形態を示す。この実施の形態において、ケース7は、係合壁6の壁面22側の側壁6bが短くされるとともに、凹溝1への固定状態で上記壁面22と凹溝1の内壁との間には隙間が形成される。また、反対側の側壁6cは内側に凸な弓状にされる。さらに、上述の折り返し片39に代えて、係止部10が、折り返し片39よりも高さがやや低い程度で、ケーブル保持部36側に凸な弓状に形成される。
【0051】
また、光拡散板11は、その一側面に装着状態において上記係止部10に係合する凸部43が形成されるとともに、反対側面にはある程度の広さを備えて係合壁6の内壁に密着可能な平面部44が形成される。また、凸部43の上方には、ケーブル支持片9上に載置された給電用ケーブル5が振動等によって不用意に光源ユニット4側にずれるのを防止するための押さえ壁45が形成される。
【0052】
さらに、光拡散板11は、この実施の形態において、光拡散剤を混入する合成樹脂剤として乳白色のものが使用される。加えて、その壁面22側の領域には、上述した第2係止部41とほぼ同じ程度の範囲で壁面22側に照射する照射光を遮る遮蔽部46が形成される。この遮蔽部46は、具体的には、光拡散板11にアルミ箔等の反射材料を入れるスリットを形成して構成される。したがってこの実施の形態においては、組み立て作業性がより向上する。
【0053】
また、以上の第2の実施の形態においては、上述した実施の形態のように光源ユニット4が幅広に形成され、LED8(13)が笠木材2の幅方向やや中央寄りに配置される場合を示したが、上述した第2の変形例と同様に、図4(b)に示すように光源ユニット4を幅狭し、また、LED8(13)をより側縁寄りに配置することもできる。この変形例は、光源ユニット4以外について上述した第2の実施の形態と同じものを使用して手摺笠木Aが構成される。
【0054】
この変形例において、光源ユニット4は、係合壁6の壁面22側の側壁6bを適宜撓ませることにより、該側壁6bと押さえ壁45との間で挟持可能な幅、高さ寸法に形成される。また、光量の低下を抑制するために、光拡散板11の母材には透明な合成樹脂材が使用される。したがってこの変形例においては、光源ユニット4を変更しても、上述のように詰め物42を別途用いる必要がないために、汎用性がより向上する。言い換えれば、以上の第2の実施の形態や、その変形例によれば、ケース7の汎用性が極めて向上する。なお、光拡散板11の上面には、押さえ壁45との間で光源ユニット4の下端部に係合する係合凹部47が形成されるために、光源ユニット4が係合壁6の壁面22側の側壁6bに押されて倒れてしまうことはない。
【0055】
なお、以上においては、ブラケット21を利用して手摺笠木Aを壁面22に取り付ける場合を示したが、適宜の手摺支柱を用いて踏面に取り付けても足り、この場合には、給電用ケーブル5を手摺支柱を介して階段の下方のスペースなどに引き出した上で、商用電源等に接続すれば足りる。
【符号の説明】
【0056】
1 切欠部
2 笠木材2
3 照明ユニット
4 光源ユニット
5 給電用ケーブル
6 係合壁
7 ケース
8 点光源
9 ケーブル支持片
10 係止部
11 光拡散板
12 プリント基板
13 発光素子


図1
図2
図3
図4
図5