(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6367615
(24)【登録日】2018年7月13日
(45)【発行日】2018年8月1日
(54)【発明の名称】プラズマアシストプロセスにより処理された基板の面内均一性を制御する方法
(51)【国際特許分類】
H01L 21/31 20060101AFI20180723BHJP
H01L 21/3065 20060101ALI20180723BHJP
C23C 16/455 20060101ALI20180723BHJP
C23C 16/50 20060101ALI20180723BHJP
H05H 1/46 20060101ALI20180723BHJP
【FI】
H01L21/31 C
H01L21/302 101B
C23C16/455
C23C16/50
H05H1/46 M
【請求項の数】20
【全頁数】21
(21)【出願番号】特願2014-120675(P2014-120675)
(22)【出願日】2014年6月11日
(65)【公開番号】特開2015-2349(P2015-2349A)
(43)【公開日】2015年1月5日
【審査請求日】2017年6月1日
(31)【優先権主張番号】13/915,732
(32)【優先日】2013年6月12日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】512144771
【氏名又は名称】エーエスエム アイピー ホールディング ビー.ブイ.
(74)【代理人】
【識別番号】100118256
【弁理士】
【氏名又は名称】小野寺 隆
(72)【発明者】
【氏名】中野 竜
(72)【発明者】
【氏名】井上 尚樹
【審査官】
正山 旭
(56)【参考文献】
【文献】
米国特許出願公開第2009/0156015(US,A1)
【文献】
特開平10−041096(JP,A)
【文献】
特開2000−212752(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/31
C23C 16/455
C23C 16/50
H01L 21/3065
H05H 1/46
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
リアクタ内のプラズマアシストプロセスによって処理される基板の面内均一性を制御する方法であって、
前記リアクタは、互いに平行に面して配置され、サセプタとシャワーヘッドとの間に形成される反応空間におけるプラズマ放電のために導電的に接続されるサセプタおよびシャワーヘッドと、前記サセプタを環状に囲む環状ダクトとを備え、
前記方法は、
前記サセプタに配置される基板のプラズマアシストプロセスのための主要ガスを、前記シャワーヘッドを介して前記反応空間に供給し、前記環状ダクトを介して前記反応空間から前記主要ガスを半径方向に放出するステップと、
前記主要ガスを前記反応空間に供給している間、前記基板の外周を通過して内側方向に少なくとも部分的に流すように、上部から見て前記基板の外周の外側である、前記サセプタの外周に近接する領域から前記反応空間に二次ガスを供給し、前記基板の外周に近接する前記環状ダクトの方向へ流れるように、前記二次ガスの方向を反転させ、前記環状ダクトを介して前記反応空間から前記主要ガスと一緒に前記二次ガスを半径方向に放出するステップと
を含み、
前記リアクタは反応チャンバおよび前記反応チャンバの下の搬送チャンバを備え、前記反応チャンバおよび前記搬送チャンバは、前記サセプタが配置される開口部を有する分離リングにより分離され、前記サセプタの上面は、前記プラズマアシストプロセスの間、前記分離リングとほぼ同一平面であり、前記サセプタの外径が前記分離リングの開口よりも小さく、前記分離リングと前記サセプタとの間で垂直方向に開いた間隙を形成し、前記分離リング上面の全面が、前記プラズマアシストプロセスの間、前記環状ダクトの底を形成し、
前記二次ガスが、前記基板の外周を通過して部分的に内側方向に前記反応空間に入り、前記基板の外周に近接する前記環状ダクトの方向へ流れるように方向を反転し、前記反応空間から前記環状ダクトを介して前記主要ガスと一緒に半径方向に放出されるような流量で、前記分離リングと前記サセプタとの間の間隙を介して、前記二次ガスを前記反応空間に供給する方法。
【請求項2】
前記垂直方向に開いた間隙が、前記分離リングの内径と、前記サセプタの外径と、の距離によって規定され、前記距離が前記サセプタの外径によって変動し、それにより前記サセプタの外周に沿った前記2次ガスの流量が変動する、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記サセプタの外周に沿って前記二次ガスの流量を変化させるように、前記分離リングと前記サセプタとの間の間隔が前記基板の外周に沿って変化する、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記分離リングの中心が、前記サセプタの中心から、前記搬送チャンバの側壁に配置されるゲートバルブの方向へ移動し、前記ゲートバルブを介して前記基板が前記搬送チャンバ内に入れられ、前記搬送チャンバから取り出される、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記分離リングの内周と前記サセプタの外周との間の間隔が、0.5mm以上10mm未満である、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記分離リングの内周と前記サセプタの外周との間の間隔が、0.5mmから10mmの範囲で変化する、請求項3に記載の方法。
【請求項7】
前記二次ガスが、不活性ガスまたは酸化ガスである、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記二次ガスが、500sccm以上の流量で供給される、請求項5に記載の方法。
【請求項9】
前記プラズマアシストプロセスが、プラズマエンハンスト原子層堆積(PEALD)またはプラズマエンハンスト化学蒸着(PECVD)である、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記プラズマアシストプロセスが、プラズマアシストエッチングまたはアッシングである、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記基板の処理された膜の厚さの面内均一性が2%であるような前記基板の面内均一性である、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
リアクタ内のプラズマアシストプロセスによって処理される基板の面内均一性を制御する方法であって、
前記リアクタは、互いに平行に面して配置され、サセプタとシャワーヘッドとの間に形成される反応空間におけるプラズマ放電のために導電的に接続されるサセプタおよびシャワーヘッドと、前記サセプタを環状に囲む環状ダクトとを備え、
前記方法は、
前記サセプタに配置される基板のプラズマアシストプロセスのための主要ガスを、前記シャワーヘッドを介して前記反応空間に供給し、前記環状ダクトを介して前記反応空間から前記主要ガスを半径方向に放出するステップと、
前記主要ガスを前記反応空間に供給している間、前記基板の外周を通過して内側方向に少なくとも部分的に流すように、上部から見て前記基板の外周の外側である、前記サセプタの外周に近接する領域から前記反応空間に二次ガスを供給し、前記基板の外周に近接する前記環状ダクトの方向へ流れるように、前記二次ガスの方向を反転させ、前記環状ダクトを介して前記反応空間から前記主要ガスと一緒に前記二次ガスを半径方向に放出するステップと
を含み、
前記リアクタは反応チャンバおよび前記反応チャンバの下の搬送チャンバを備え、前記反応チャンバおよび前記搬送チャンバは、前記サセプタが配置される開口部を有する分離リングにより分離され、前記サセプタの上面は、前記プラズマアシストプロセスの間、前記分離リングとほぼ同一平面であり、前記二次ガスが、前記基板の外周を通過して部分的に内側方向に反応空間に入り、前記基板の外周に近接する前記環状ダクトの方向へ流れるように方向を反転し、前記反応空間から前記環状ダクトを介して前記主要ガスと一緒に半径方向に排出されるような流量で、前記分離リングとサセプタとの間隙を介して、前記二次ガスを前記反応空間に供給し、
前記サセプタの外周に沿った前記二次ガスの流量を変化させるように、前記分離リングと前記サセプタとの間の間隔を前記基板の外周に沿って変化させる、方法。
【請求項13】
前記分離リングの中心が、前記サセプタの中心から、前記搬送チャンバの側壁に配置されるゲートバルブの方向へ移動し、前記ゲートバルブを介して前記基板が前記搬送チャンバ内に入れられ、前記搬送チャンバから取り出される、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記分離リングの内周と前記サセプタの外周との間の間隔が、0.5mmから10mmの範囲で変化する、請求項12に記載の方法。
【請求項15】
リアクタ内のプラズマアシストプロセスによって処理される基板の面内均一性を制御する方法であって、
前記リアクタは、互いに平行に面して配置され、サセプタとシャワーヘッドとの間に形成される反応空間におけるプラズマ放電のために導電的に接続されるサセプタおよびシャワーヘッドと、前記サセプタを環状に囲む環状ダクトとを備え、
前記方法は、
前記サセプタに配置される基板のプラズマアシストプロセスのための主要ガスを、前記シャワーヘッドを介して前記反応空間に供給し、前記環状ダクトを介して前記反応空間から前記主要ガスを半径方向に放出するステップと、
前記主要ガスを前記反応空間に供給している間、前記基板の外周を通過して内側方向に少なくとも部分的に流すように、上部から見て前記基板の外周の外側である、前記サセプタの外周に近接する領域から前記反応空間に二次ガスを供給し、前記基板の外周に近接する前記環状ダクトの方向へ流れるように、前記二次ガスの方向を反転させ、前記環状ダクトを介して前記反応空間から前記主要ガスと一緒に前記二次ガスを半径方向に放出するステップと
を含み、
前記リアクタが、前記環状ダクトに沿って前記環状ダクトの開口部に近接する前記反応空間に露出される複数の流入ポートをさらに備え、前記二次ガスが、前記反応空間に進入し、前記基板の外周に近接する前記環状ダクトの方向へ流れるように方向を反転し、前記環状ダクトの開口部を介して前記反応空間から前記主要ガスと一緒に半径方向に放出されるような流量にて前記二次ガスは前記基板の外周を通過して内側方向において前記複数の流入ポートを介して前記反応空間に供給され、
前記サセプタの外周に沿って前記二次ガスの流量を変化させるために、前記複数の流入ポートが前記環状ダクトに沿って不均一に配置される、方法。
【請求項16】
前記流入ポートが、前記環状ダクトに沿って水平面に複数存在するだけでなく、垂直方向に沿っても複数存在する、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
基板を処理するためのプラズマアシスト処理装置であって、
反応チャンバおよび前記反応チャンバの下の搬送チャンバと、
基板をサセプタ上に配置するためのサセプタであって、前記サセプタは前記反応チャンバと前記搬送チャンバとの間で垂直方向に移動できる、サセプタと、
前記サセプタと向かい合い、前記サセプタに平行に配置され、前記サセプタとシャワーヘッドとの間に形成される反応空間におけるプラズマ放電のために前記サセプタと導電的に接続されるシャワーヘッドと、
前記反応空間からガスを放出するための、前記サセプタを環状に囲む環状ダクトと、
前記反応チャンバおよび前記搬送チャンバを分離するための分離リングであって、前記分離リングは、前記サセプタが配置される開口部を有し、プラズマアシストプロセスの間、前記サセプタの上面は前記分離リングとほぼ同一平面であり、二次ガスが前記分離リングと前記サセプタとの間の垂直方向に開いた間隙を介して前記反応空間に供給され、前記分離リングと前記サセプタとの間の間隔は0.5mm以上10mm未満である、分離リングと
を備え、
前記サセプタの外径が前記分離リングの開口よりも小さく、前記分離リング上面の全面が、前記プラズマアシストプロセスの間、前記環状ダクトの底を形成する、プラズマアシスト処理装置。
【請求項18】
基板を処理するためのプラズマアシスト処理装置であって、
反応チャンバおよび前記反応チャンバの下の搬送チャンバと、
基板をサセプタ上に配置するためのサセプタであって、前記サセプタは前記反応チャンバと前記搬送チャンバとの間で垂直方向に移動できる、サセプタと、
前記サセプタと向かい合い、前記サセプタに平行に配置され、前記サセプタとシャワーヘッドとの間に形成される反応空間におけるプラズマ放電のために前記サセプタと導電的に接続されるシャワーヘッドと、
前記反応空間からガスを放出するための、前記サセプタを環状に囲む環状ダクトと、
前記反応チャンバおよび前記搬送チャンバを分離するための分離リングであって、前記分離リングは、前記サセプタが配置される開口部を有し、プラズマアシストプロセスの間、前記サセプタの上面は前記分離リングとほぼ同一平面であり、二次ガスが前記分離リングと前記サセプタとの間の間隙を介して前記反応空間に供給され、前記分離リングと前記サセプタとの間の間隔は0.5mm以上10mm未満である、分離リングと
を備え、
前記サセプタの外周に沿って前記二次ガスの流量を変化させるために、前記分離リングと前記サセプタとの間の間隔が前記サセプタの外周に沿って変化する、プラズマアシスト処理装置。
【請求項19】
前記分離リングの中心が前記搬送チャンバの側壁に配置されるゲートバルブの方向へ前記サセプタの中心から移動され、前記ゲートバルブを介して、前記基板が前記搬送チャンバ内に入れられ、前記搬送チャンバから取り出される、請求項18に記載の装置。
【請求項20】
基板を処理するためのプラズマアシスト処理装置であって、
反応チャンバおよび前記反応チャンバの下の搬送チャンバと、
サセプタ上に基板を配置するためのサセプタであって、前記サセプタは前記反応チャンバと前記搬送チャンバとの間で垂直方向に移動でき、
前記サセプタと向かい合い、前記サセプタに平行に配置され、前記サセプタとシャワーヘッドとの間に形成される反応空間におけるプラズマ放電のために前記サセプタと導電的に接続されるシャワーヘッドと、
前記反応空間からガスを放出するための、前記サセプタを環状に囲む環状ダクトと、
前記環状ダクトに沿って前記環状ダクトの開口部に近接する前記反応空間に露出される複数の流入ポートであって、二次ガスが内側方向において前記複数の流入ポートを介して前記反応空間に供給される、流入ポートと
を備え、
前記サセプタの外周に沿って前記二次ガスの流量を変化させるために、前記複数の流入ポートが前記環状ダクトに沿って不均一に配置される、プラズマアシスト処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、概して、プラズマアシスト堆積およびプラズマアシストエッチングなどのプラズマアシストプロセスにより基板を処理する方法、特にこのような処理に供される基板の面内均一性を制御する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
プラズマエンハンスト原子層堆積(PEALD)において、RFパワーは、PEALDによる膜堆積の質を制御するための重要なパラメータである。一般に、高RFパワーおよび長時間のプラズマ照射が良質の膜の一因となる。しかしながら、本発明者らの経験によれば、RFパワーが高い場合、外周に近接する膜の領域は、膜の他の領域の厚さより厚い厚さを有する。すなわち、膜の厚さの面内均一性は低下する。このような膜の厚さの面内不均一性についての理由は知られていないが、本発明者らは、厚さの不均一性は、基板表面上のプラズマの不均一な分布および/もしくは不均一な活性化に起因する基板表面上の材料の不均一な吸着、または基板の外周周囲の不十分なパージにより引き起こされ得ると予想している。さらに、フォトレジストおよび炭素膜のトリミングにおいて、基板上の膜のエッチング速度は基板の内側領域より基板の外周近くで速くなる。
【0003】
関連分野に関係する問題および解決策の上記のいずれかの説明は、本発明についての関連性を提供する目的のためだけに本開示に含まれ、それらの説明のいずれかまたは全ては本発明がなされた時点で知られていたことを認めるものと解釈されるべきではない。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記問題を解決するために、一部の実施形態において、基板の外周に近接する領域における基板上に形成される膜の堆積速度またはエッチング速度は、基板の下の位置および/または基板の外周に近接する基板とほぼ同一平面である位置に設けられるポートから噴出されるガスであるシールガスの流量を増加させることにより制御される。この開示において、基板の外周に近接するガスの分圧および/または流動を制御するために使用され、基板を処理するために使用されないガス(なぜならこのガスは中心領域および基板表面の中心領域周囲の内部領域に到達しないからである)は、「二次ガス」と称され得る。上記を行うことにより、基板の外周に近接するガスの分圧および流動は効果的に制御され得る。一部の実施形態において、主要プロセスガスを供給するためのシャワーヘッドに加えて、二次ガスを供給するための少なくとも1つの分離ポートが反応チャンバに設けられる。二次ガスを供給するための複数のポート(例えば3〜30、好ましくは10〜20)は、基板の円周方向に沿っておよび/または垂直方向に沿って設けられ得るので、基板の面内均一性をより正確に制御する。
【0005】
一部の実施形態において、サセプタ周囲に設けられ、反応チャンバと搬送チャンバを分割する分離リングの内周と、サセプタの外周との間の間隔を狭くすることにより、基板の外周に近接するガスの分圧または流動は、二次ガスを供給するための分離ポートが、反応チャンバの底部領域または基板の外周に近接する基板と同一平面である反応チャンバの領域に設けられる場合、効果的に制御され得る。基板の外周に沿って二次ガスの供給量を周囲で変化させるために、分離リングの内周とサセプタの外周との間の間隔を変化させることまたは分離ポートの構成を変化させることによって、基板の面内均一性のより正確な制御が達成され得る。例えば、上部から見て、分離リングの内周とサセプタの外周との間の間隔は、間隔の他の部分と比べて、12時方向と3時方向との間に規定される間隔の一部において狭くなるように設定されてもよく、および/または6時方向と9時方向との間に規定される間隔の一部において広くなるように設定されてもよく、それにより、二次ガスの作用は、12時方向と3時方向との間に規定される基板の外周近くの領域において向上でき、したがって、基板の面内均一性をより指向的および正確に制御する。上記において、間隔は、12時方向と1または2時方向との間に規定される部分などの四分円より小さな部分に分割されてもよい。
【0006】
限定されないが、ArおよびHeなどの希ガスおよびN
2などの他の不活性ガスを含む、任意の適切なガスが二次ガスとして使用されてもよい。
【0007】
本発明の態様および関連分野に対して達成された利点を要約する目的のために、本発明の特定の目的および利点が本開示に記載されている。もちろん、全てのこのような目的または利点は本発明の任意の特定の実施形態に従って達成され得ることを必ずしも必要としないことは理解される。したがって、例えば、当業者は、本明細書に教示または示唆され得るような他の目的または利点を必ずしも達成しなくても、本明細書に教示されている1つの利点または1群の利点を達成または最適化するように本発明が具現化され得るかまたは実施され得ることを認識するであろう。
【0008】
本発明のさらなる態様、特徴および利点は以下の詳細な説明から明らかになるであろう。
【0009】
ここで、本発明のこれらおよび他の特徴を好ましい実施形態の図面を参照して記載するが、それらは本発明を例示するためであり、本発明を限定するものではない。図面は例示目的のために非常に簡略化しており、必ずしも縮尺通りではない。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】
図1は、本発明の一実施形態に係るプラズマアシスト処理装置を例示する概略断面図である。
【
図2】
図2は、本発明の別の実施形態に係るプラズマアシスト処理装置を例示する概略断面図である。
【
図3A】
図3Aは、プラズマアシスト処理装置の環状ダクト領域の概略断面図であり、矢印は本発明の一実施形態に係る二次ガス流を示す。
【
図3B】
図3Bは、プラズマアシスト処理装置の環状ダクト領域の概略断面図であり、矢印は本発明の別の実施形態に係る二次ガス流を示す。
【
図3C】
図3Cは、プラズマアシスト処理装置の環状ダクト領域の概略断面図であり、矢印は本発明のさらに別の実施形態に係る二次ガス流を示す。
【
図4A】
図4Aは、プラズマアシスト処理装置の概略垂直断面図であり、矢印は本発明の一実施形態に係る二次ガス流を示す。
【
図5】
図5は、プラズマアシスト処理装置の概略垂直断面図であり、矢印は本発明の別の実施形態に係る二次ガス流を示す。
【
図6】
図6は、プラズマアシスト処理装置の概略水平断面図であり、矢印は本発明の一実施形態に係る二次ガス流を示す。
【
図7】
図7は、プラズマアシスト処理装置の概略垂直断面図であり、矢印は本発明の別の実施形態に係る二次ガス流を示す。
【
図8】
図8は、本発明のさらに別の実施形態に係るプラズマアシスト処理装置の概略水平断面図である。
【
図9】
図9は、異なる条件下でプラズマエンハンスト原子層堆積(PEALD)により形成された膜の2Dカラーマップ分析による薄膜厚さプロファイル測定の画像を示す。
【
図10】
図10は、堆積された膜の2Dカラーマップ分析による薄膜厚さプロファイル測定の画像と共に、堆積物の面内均一性と二次ガスの流量との関係を示す。
【
図11】
図11は、トリミングされた膜の2Dカラーマップ分析による薄膜厚さプロファイル測定の画像と共に、トリミングの面内均一性と二次ガスの流量との関係を示す。
【
図12】
図12は、異なる条件下でプラズマエンハンスト化学蒸着(PECVD)により形成された膜の2Dカラーマップ分析による薄膜厚さプロファイル測定の画像を示す。
【
図13】
図13は、4方向に移動された中心を有する分離リングを使用してプラズマエンハンスト原子層堆積(PEALD)により形成された膜の2Dカラーマップ分析による薄膜厚さプロファイル測定の画像を示す。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本開示において、「ガス」は、蒸発した固体および/または液体を含んでもよく、単一のガスまたはガスの混合物により構成されてもよい。同様に、「一つ」の物品は、一つの種類または複数の種類を含む属を指す。複数のガスは、反応空間に混合ガスとして導入されてもよいか、または別々に導入されてもよい。一部の実施形態において、「膜」は、標的表面もしくは対象表面全体を覆うためにピンホールを有さずに実質的に厚さ方向に垂直な方向に連続して延びる層、または標的表面もしくは対象表面を単に覆う層を指す。本開示において、「基板」は、1つもしくは複数の膜が上面上に形成されるかどうか、または表面がパターン化されるかどうかに関わらず、処理が行われる材料(典型的には平面)を指す。さらに、本開示において、任意の2つの数の変数は、その変数の実行可能な範囲を構成でき、実行可能な範囲は通常作業に基づいて決定でき、示された任意の範囲はエンドポイントを含んでいてもよく、または除外していてもよい。さらに、示された変数の任意の値(それらが「約」と共に示されているか否かに関わらず)は、正確な値またはおおよその値を指し、同値を含んでもよく、一部の実施形態において、平均値、中央値、代表値、多数値などを指してもよい。
【0012】
条件および/または構造が特定されていない本開示において、当業者は、通常の実験として、本開示を考慮してそのような条件および/または構造を容易に得ることができる。
【0013】
開示された実施形態の全てにおいて、一実施形態において使用されている任意の要素は、意図される目的のために本明細書に明確、必然的または本質的に開示されている要素を含む、要素と等価の任意の要素と置き換えられてもよい。さらに、本発明は装置および方法に同様に適用されてもよい。
【0014】
本開示において、任意の定義された意味は、一部の実施形態において、通常および慣例の意味を必ずしも除外しているわけではない。
【0015】
上に記載したように、本発明の一部の実施形態において、基板の外周に近接するガスの分圧および流動は基板の面内均一性を制御するために制御される。本発明の一実施形態は、リアクタ内でプラズマアシストプロセスにより処理される基板の面内均一性を制御する方法を提供し、該リアクタは、互いに平行に面して配置され、サセプタとシャワーヘッドとの間に形成される反応空間におけるプラズマ放電のために導電的に接続されるサセプタおよびシャワーヘッド;ならびにサセプタを環状に囲む環状ダクトを備える。この方法は、(i)サセプタに配置される基板のプラズマアシストプロセスのための主要ガスを、シャワーヘッドを介して反応空間に供給し、環状ダクトを介して反応空間から主要ガスを半径方向に放出するステップ;ならびに(ii)基板の外周を通過して内側方向に少なくとも部分的に流すように、上部から見て基板の外周の外側である、サセプタの外周に近接する領域から反応空間に二次ガスを供給し、基板の外周に近接する環状ダクトの方向へ流れるように、二次ガスの方向を反転させ、環状ダクトを介して反応空間から主要ガスと一緒に半径方向に二次ガスを放出するステップを含む。「主要ガス(principle gas)」は、サセプタに配置される基板のプラズマアシストプロセスのために使用される活性ガスを含むガスを指し、このガスがなければ、目的とするプラズマアシストプロセスは達成されない。プラズマアシストプロセスには、限定されないが、膜形成プロセス、膜エッチングプロセス、表面処理プロセス、およびアッシングプロセスが含まれる。「二次ガス」は、プラズマアシストプロセスを達成するのに必須ではないまたは必ずしも必要ではないガスを指し、それはプロセスの動作を制御または向上させることができ、そのガスがなくてもプラズマアシストプロセスは達成され得る。二次ガスはまた、その目的とする使用に応じてシールガスまたは制御ガスとも称される場合がある。「面内均一性」は、限定されないが、基板上に堆積されるかまたはエッチングされる膜の厚さの面内均一性、および基板または基板の表面上に形成される膜の物理的または化学的性質の面内均一性を含む。また、本開示において、「面内均一性を制御すること」は、意図する目的に応じて、面内均一性を増加させること、面内均一性を減少させること、面内均一性を維持すること、または面内均一性に対する他の制御を指す。例えば、本発明の一部の実施形態によれば、膜の表面は平面だけではなく、その意図する目的に応じて凸面または凹面であってもよい。二次ガスを供給するステップは、典型的に、主要ガスを供給するステップの間に行われ、かつ連続して行われてもよいが、二次ガスを供給するステップはプロセス全体にわたって連続して行われなくてもよい。例えば、プラズマエンハンスト原子層堆積(PEALD)において、二次ガスを供給するサイクルは、主要ガスを供給するサイクルと同期されてもよく、プラズマ照射サイクルの間、二次ガスを供給するサイクルは、主要ガスを供給するサイクルが停止されることと同様に停止されてもよい。二次ガスの供給をパルス的に行うことは、サセプタと分離リングとの間の間隔を介してではなく、環状ダクトの環状スリットに隣接して配置される流入ポートを介して二次ガスが供給される実施形態において、より容易に達成され得る。
【0016】
一部の実施形態において、二次ガスは、基板の外周の外側から反応空間内に導入され、基板の外周を横切って内側方向に少なくとも部分的に流れる。しかしながら、半径方向に流れる主要ガスに起因して、および/または環状ダクトによる半径方向におけるガスの吸引に起因して、二次ガスは内側方向における移動を継続せず、二次ガスの方向は基板の外周に近接する環状ダクトの方向へ流れるように反転され、次いで二次ガスは、反応空間から環状ダクトを介して主要ガスと一緒に半径方向に放出される。基板の外周に沿った領域において、乱流が二次ガスにより生成されるので、周辺領域において主要ガスの流れが妨げられるか、または主要ガスの流れが抵抗され(中心および中間領域における主要ガスの作用が増加する)、および/または基板の面内均一性を制御するために周辺領域における二次ガスの作用が増加する。例えば、基板上に堆積されたまたはエッチングされた膜は厚さの不均一な面内分布を有し、膜の表面には凹面があり(中心において膜は薄く、外周に隣接する膜はその膜の厚さの平均と比較して厚い)、二次ガスを使用して基板の外周に近接するガスの流動を変化させることにより、膜の厚さの面内均一性が実質的に制御され得る。例えば、一部のリアクタにおいて、基板を処理するためのRFパワーが約400Wまたはそれ以上である場合、結果として得られる基板の膜は凹面を形成する可能性があり、基板の面内均一性は低下する。開示された実施形態のいずれかを上記の処理に適用することによって、面内均一性は、基板の中心および中間領域において主要ガスの作用を増加させることならびに/または基板の周辺領域における二次ガスの作用を増加させることにより顕著に制御され得る。当業者は、通常の実験として、得られる膜の表面が凹面になるRFパワーを含む条件を容易に決定できる。
【0017】
一部の実施形態において、リアクタは反応チャンバおよび反応チャンバの下の搬送チャンバを備え、反応チャンバおよび搬送チャンバは、サセプタが配置される開口部を有する分離リングにより分離され、サセプタの上面は、プラズマアシストプロセスの間、分離リングとほぼ同一平面であり、二次ガスが基板の外周を通過して内側方向において部分的に反応空間に進入し、基板の外周に近接する環状ダクトの方向へ流れるように方向を反転し、環状ダクトを介して反応空間から主要ガスと一緒に半径方向に放出されるような流量にて二次ガスは分離リングとサセプタとの間の間隔を介して反応空間に供給される。分離リングを使用することにより基板の外周の領域において二次ガスの流動を制御することは利点がある。なぜなら、既存の構造の変更を最小にできるからである。一部の実施形態において、分離リングとサセプタとの間の間隔は、リアクタの構造に応じて、約0.5mm以上であるが、約10mm未満(例えば約1.0mm〜約7.0mm、典型的には約5.0mm)である。間隔を狭くすることによって、二次ガスの流動は効果的に調節され得る。なぜなら、反応空間内に供給される二次ガスの量は、その二次ガスの流れが主要ガスを使用した基板の目的とする処理を妨げる範囲まで増加できないからである。
【0018】
一部の実施形態において、サセプタの外周に沿って二次ガスの流量を変化させるために、分離リングとサセプタとの間の間隔はサセプタの外周に沿って変化する。この実施形態は、面内均一性が基板の外周に沿って変化する場合、特に効果的である。例えば、ゲートバルブの近くに配置される基板の領域および/または排気ダクトが位置する場所の近くに配置される領域の面内均一性は、ゲートバルブにおける構造差に起因して他の領域の均一性と異なる。円周方向に沿った不均一性を補うために、一部の実施形態において、分離リングとサセプタとの間の間隔は約0.5mm〜約10mmの範囲で変化し、二次ガスの作用が増加する領域において間隔は狭く、一方、二次ガスの作用が減少する領域において間隔は広い。一部の実施形態において、分離リングの中心は搬送チャンバの側壁に配置されるゲートバルブの方向へサセプタの中心から移動され、そのゲートバルブを介して基板は搬送チャンバ内に入れられ、搬送チャンバから外へ取り出される。例えば、間隔はセルフセンタリング機構により円周方向で調節されてもよい。
【0019】
上記の実施形態に関連して、一部の実施形態は基板を処理するためのプラズマアシスト処理装置を提供し、該プラズマアシスト処理装置は、(a)反応チャンバおよび反応チャンバの下の搬送チャンバ;(b)基板をサセプタ上に配置するためのサセプタであって、反応チャンバと搬送チャンバとの間で垂直方向に移動できるサセプタ;(c)サセプタと向かい合い、サセプタに平行に配置され、サセプタとシャワーヘッドとの間に形成される反応空間におけるプラズマ放電のためにサセプタと導電的に接続される、シャワーヘッド;(d)反応空間からガスを放出するための、サセプタを環状に囲む環状ダクト;ならびに(e)反応チャンバおよび搬送チャンバを分離するための分離リングであって、サセプタが配置される開口部を有し、プラズマアシストプロセスの間、サセプタの上面は分離リングとほぼ同一平面であり、二次ガスが分離リングとサセプタとの間の間隔を介して反応空間に供給され、分離リングとサセプタとの間の間隔は0.5mm以上であるが10mm未満である、分離リングを備える。一部の実施形態において、サセプタの外周に沿って二次ガスの流量を変化させるために、分離リングとサセプタとの間の間隔はサセプタの外周に沿って変化する。一部の実施形態において、分離リングの中心は搬送チャンバの側壁に配置されるゲートバルブの方向へサセプタの中心から移動され、そのゲートバルブを介して、基板は搬送チャンバ内へ入れられ、搬送チャンバから取り出される。
【0020】
一部の実施形態において、環状ダクトは環状スリットを有し、その環状スリットから、反応空間内のガスは、サセプタの外周と実質的に同軸である、サセプタの外周に近接して配置される環状ダクト内に吸引され、主要ガスおよび二次ガスの両方は環状スリットを介して反応空間から放出され得る。一部の実施形態において、環状スリットの間隔は約0.5mm〜約5mm、好ましくは約1mm〜約2mmである。
【0021】
一部の実施形態において、二次ガスを供給するための分離リングを使用する上記の実施形態の代替として、または併用して、リアクタはさらに、環状ダクトに沿って環状ダクトの開口部に近接する反応空間に露出される複数の流入ポートを備え、二次ガスが反応空間に進入し、基板の外周に近接する環状ダクトの方向へ流れる方向に反転し、環状ダクトの開口部を介して反応空間から主要ガスと一緒に半径方向に放出されるような流量で基板の外周を通過して内側方向において複数の流入ポートを介して二次ガスは反応空間に供給される。一部の実施形態において、流入ポートは、反応空間を囲む内壁に沿って約5mm〜約100mm、好ましくは約10mm〜約20mmの間隔で設置される。流入ポートは、円周方向に沿って同じ間隔で配置されてもよいか、または円周方向に沿って異なる間隔で配置されてもよい。一部の実施形態において、流入ポートは、環状ダクトに沿って水平面だけでなく、垂直方向に沿っても複数存在する。一部の実施形態において、複数の流入ポートは、サセプタの外周に沿って二次ガスの流量を変化させるために環状ダクトに沿って不均一に配置される。上記は、分離リングとサセプタとの間の間隔が調節される実施形態の原理と実質的に同様の原理に基づいて達成され得るので、ガス流は円周方向に沿って調節される。一部の実施形態において、流入ポートの直径は約0.3mm〜約3mm、好ましくは約0.5mm〜約1mmである。
【0022】
一部の実施形態において、流入ポートは、それらが環状ダクトの開口部に隣接する領域における反応空間に露出されるまで、環状ダクトの内部を介してパイプを挿入することにより設置される。パイプは反応空間の中心に対して設置され得る。
【0023】
上記の実施形態に関連して、一部の実施形態は基板を処理するためのプラズマアシスト処理装置を提供し、該プラズマアシスト処理装置は、(a)反応チャンバおよび反応チャンバの下の搬送チャンバ;(b)サセプタ上に基板を配置するためのサセプタであって、反応チャンバと搬送チャンバとの間で垂直方向に移動できるサセプタ;(c)サセプタと向かい合い、サセプタに平行に配置され、サセプタとシャワーヘッドとの間に形成される反応空間におけるプラズマ放電のためにサセプタと導電的に接続される、シャワーヘッド;(d)反応空間からガスを放出するための、サセプタを環状に囲む環状ダクト;ならびに(e)環状ダクトに沿って環状ダクトの開口部に近接する反応空間に露出される複数の流入ポートであって、二次ガスが内側方向において複数の流入ポートを介して反応空間に供給される、流入ポートを備える。一部の実施形態において、複数の流入ポートはサセプタの外周に沿って二次ガスの流量を変化させるために環状ダクトに沿って不均一に配置される。
【0024】
一部の実施形態において、二次ガスはその意図する目的に応じて選択される。例えば、得られた基板の膜の厚さの面内不均一性を制御するために、希ガス(例えば、Ar、He)などの不活性ガスまたはN
2などの他の不活性ガスが二次ガスとして使用されてもよく、プラズマアシストエッチングもしくはアッシング、または疎水処理などのプラズマアシスト表面処理に関して、O
2などの酸化ガスが二次ガスとして使用されてもよい。
【0025】
一部の実施形態において、300mmの基板に関して、二次ガスは、主要ガスの流量、環状ダクトによる吸引、リアクタの構造などに応じて、約500sccmまたはそれ以上、好ましくは約500sccm〜約2000sccmの流量で供給される。一部の実施形態において、二次ガスの流量は主要ガスの流量未満であり、あるいは、二次ガスの流量は、二次ガスの流動、面内均一性の調節の度合いなどに応じて主要ガスの流量より多い。環状ダクトによる吸引は、基板のプロセスの間、反応空間の圧力を維持するように調節され得る。
【0026】
一部の実施形態において、プラズマアシスト処理は、プラズマエンハンスト原子層堆積(PEALD)、プラズマエンハンスト化学蒸着(PECVD)、プラズマアシストエッチングもしくはアッシング、またはプラズマアシスト表面処理、例えば疎水処理である。
【0027】
一部の実施形態において、基板の処理された膜の厚さの面内均一性は、3σ均一性として、約2.0%以下、約1.5%以下であるような基板の面内均一性である。
【0028】
これらの実施形態は、好ましい実施形態に関して説明している。しかしながら、本発明は好ましい実施形態に限定されるわけではない。
【0029】
図1は、本発明の一実施形態に係るプラズマアシスト処理装置を示す概略断面図である。この装置は、ゲートバルブ(図示せず)を有する開口部7(その開口部7を介して基板が中に入れられ、取り出される)を有し、また、ポート8(そのポート8を介して二次ガスが搬送チャンバ1の内部16に供給される)を有する搬送チャンバ1;搬送チャンバ1の上部に配置される反応チャンバ3;基板がロードされ、反応チャンバ3と搬送チャンバ1との間で垂直に動くサセプタ13であって、サセプタ13は垂直貫通穴を有し、リフトピン9が懸垂し、開口部7を介して基板を中に入れ、外へ取り出すためにサセプタ13が搬送チャンバ1において下降したとき、リフトピンが基板を持ち上げる、サセプタ13;反応チャンバに設置されるシャワーヘッド2であって、多くの貫通穴14を有し、ガスポート4を介して提供された主要ガスが貫通穴14を介して提供され、基板が処理される反応空間15はサセプタ13とシャワーヘッド2との間に形成される、シャワーヘッド2;シャワーヘッド2が配置される反応空間15を排気するための環状ダクト5であって、環状ダクト5は環状スリット17を有し、環状スリット17を通してガスが、真空ポンプ(図示せず)に接続される排気ポート6を介して反応空間15から放出される、環状ダクト5;ならびに反応空間と搬送チャンバ1の内部16を分離する分離リング10であって、サセプタ13の外周と分離リング10の内周との間に間隔18が存在し、その間隔18を介して二次ガスが搬送チャンバ1の内部16から反応空間15内に導入され、分離リング10の上面は環状スリット17の底部を形成する、分離リング17を備える。この実施形態において、間隔18およびポート8を介して提供される二次ガスの流量を調節することにより、間隔18を介して反応空間15に供給される二次ガスの流動は、二次ガスが反応空間15に進入した後、二次ガスが主要ガスの外向き流に対して内側方向に部分的に流れることができるように、調節され得る。主要ガスは、シャワーヘッド2を介して半径方向に反応空間15に供給され、反応空間15に供給される二次ガスと一緒に環状スリット17を介して放出される。
【0030】
当業者は、この装置が、本明細書のいずれかの場所に記載した堆積またはエッチング処理を実施するようにプログラムされるかまたは構成される1つまたは複数の制御装置(図示せず)を備えることは理解するだろう。制御装置は、当業者により理解されるように、種々の電源、加熱システム、ポンプ、ロボットおよびガス流制御装置またはリアクタの弁に接続される。
【0031】
図2は、本発明の別の実施形態に係るプラズマアシスト処理装置を示す概略断面図である。この実施形態において、分離リング10に加えて、二次ガスを反応空間15に供給するための流入ポート21が、サセプタ13の中心に対して環状ダクト5を介してパイプを挿入し、パイプの開口部を反応空間15に露出することにより提供される。この実施形態において、この装置は分離リング10および間隔18を有し、二次ガスが反応空間15に進入した後、二次ガスの量は、主要ガスの外向き流に対して二次ガスの内向き流を生じるように調節される。二次ガスの流れは矢印23(非常に簡略化している)により示され、二次ガスは搬送チャンバ1の内部16から反応空間15に進入し、基板(図示せず)の外周を通過するまで内側方向において流れ、矢印22により示される主要ガスの外向き流および環状スリット17を介する吸引に起因してその方向を反転させ、環状スリット17を介して主要ガスと一緒に反応空間15から環状ダクト5に放出され、次いで排気ポート6を介して放出される。この実施形態において、二次ガスを反応空間15に供給するための流入ポート21はさらに、サセプタ13の中心に対して環状ダクト5を介してパイプを挿入し、パイプの開口部を反応空間15に露出することにより設けられる。複数の流入ポート21が環状ダクト5に沿って設けられる。二次ガスは内側方向において流入ポート21を介して反応空間15に供給され、基板(図示せず)の外周を通過するまで内側方向において流れ、矢印22により示される主要ガスの外向き流および環状スリット17を介する吸引に起因してその方向を反転し、環状スリット17を介して主要ガスと一緒に反応空間15から環状ダクト5に放出され、次いで排気ポート6を介して放出される。別の実施形態において、反応空間15に進入した後、二次ガスの内向き流は、分離リング10ではなく、流入ポート21のみにより生じるように、処理は制御される。
【0032】
図3Aは、プラズマアシスト処理装置の環状ダクト領域の概略断面図であり、矢印は本発明の一実施形態に係る分離リングを使用した二次ガス流を示す。上記に説明したように、また、矢印31により示したように、二次ガスはサセプタ13と分離リング10(支持部材11により支持される)との間の間隔を介して反応空間に進入し、反応空間において内側に流れ、その方向を反転し、環状ダクト5と分離リング10との間の形成されるスリットを介して放出される。
図3Bは、プラズマアシスト処理装置の環状ダクト領域の概略断面図であり、矢印は本発明の別の実施形態に係る流入ポートを使用した二次ガス流を示す。上記に説明したように、また、矢印32により示したように、二次ガスは流入ポート21を介して反応空間に進入し、反応空間において内側に流れ、その方向を反転し、環状ダクト5と分離リング10との間に形成されるスリットを介して放出される。
図3Cは、プラズマアシスト処理装置の環状ダクト領域の概略断面図であり、矢印は本発明のさらに別の実施形態に係る2つの垂直に配置された流入ポートを使用した二次ガスの流れを示す。矢印33により示されるように、二次ガスは、上側流入ポート25を介して反応空間に進入し、反応空間において内側に流れ、その方向を反転し、環状ダクト5と分離リング10との間に形成されるスリットを介して放出され、一方、矢印34により示されるように、二次ガスは、下側流入ポート26を介して反応空間に進入し、反応空間において内側に流れ、上側流入ポート25からさらに内側に二次ガスの流れを押す。下側流入ポート26からの二次ガスは、その方向を反転し、環状ダクト5と分離リング10との間に形成されるスリットを介して上側流入ポート25からの二次ガスと一緒に放出される。
【0033】
図4Aは、プラズマアシスト処理装置の概略垂直断面図であり、矢印は、本発明の一実施形態に係る二次ガスの流れを示す。環状ダクトが設置されているかどうかに関わらず、矢印45により示されるように、二次ガスがシャワーヘッド43とサセプタ44との間に規定される反応空間に進入するように、流入ポートは、側壁41に沿って、側壁41を通して設置され得る。
図4Bは、
図4Aに示したプラズマアシスト処理装置の概略水平断面図である。この実施形態において、16個の流入ポートがサセプタの中心を向いて側壁に設置される。流入ポートは側壁の円周に沿って等間隔である。流入ポートは、基板周囲のスリットまたは円形開口部などの任意の形状であってもよい(スリットまたは開口部は、例えば、300mmの基板に関して、約320mm〜約350mmの内径を有してもよい)。
図5は、プラズマアシスト処理装置の概略垂直断面図であり、矢印は、本発明の別の実施形態に係る制御ガスの流れを示す。この実施形態において、矢印46および47により示されるように、二次ガスが2つの層における反応空間に進入するように、上側および下側流入ポートは配置される。
【0034】
図6は、プラズマアシスト処理装置の概略水平断面図であり、矢印は、本発明の一実施形態に係る制御ガスの流れを示す。この実施形態において、矢印65により示されるように、面内均一性を制御するために処理される基板の一部が配置される反応空間の特定の領域のみに二次ガスが進入するように、流入ポートは12時方向と3時方向との間に規定される側壁61の一部のみに配置される。
図7は、プラズマアシスト処理装置の概略垂直断面図であり、矢印は、本発明の別の実施形態に係る制御ガスの流れを示す。この実施形態において、矢印72により示されるように、下側流入ポートから二次ガスが側壁71の円周周囲で等間隔に反応空間に進入するように、下側流入ポートは側壁71の円周周囲全てに配置される。さらに、この実施形態において、中間の流入ポートおよび上側の流入ポートが、例えば12時方向と3時方向との間に規定される側壁71の一部のみに配置され、十分な二次ガスが、面内均一性を制御するために処理される基板の一部が配置される反応空間の空間領域内に進入する。
【0035】
図8は、本発明のさらに別の実施形態に係るプラズマアシスト処理装置の概略水平断面図である。この実施形態において、サセプタの外周と分離リングの内周との間の間隔は円周方向に沿って変化する。12時方向と3時方向との間に規定される間隔は最も狭く、3時方向と6時方向との間に規定される間隔および9時方向と12時方向との間に規定される間隔は中間であり、6時方向と9時方向との間に規定される間隔は最も広い。この構成により、二次ガスの流動は円周方向に沿って、より正確に調節され得る。
【実施例】
【0036】
実施例を参照して本発明を説明する。しかしながら、実施例は本発明を限定することを意図するわけではない。
【0037】
参照例1
図1に示したプラズマエンハンストALD装置をリアクタとして使用して、以下の表1に示した条件下で基板上に膜を堆積させた。
【0038】
【表1】
【0039】
この実施例において、二次ガス流は十分ではなく、搬送チャンバをシールするためだけであるので、反応空間に進入した後、二次ガスの内向き流は予想されなかった。さらに、サセプタと分離リングとの間の間隔は、二次ガスの流動を増加させるほど狭くなかった。その結果を
図9に示す。
図9は、
図9に示した異なる条件下でPEALDにより形成される膜の2Dカラーマップ分析による薄膜厚さプロファイル測定の画像を示す。この画像において、赤色の領域は比較的厚い厚さを有する領域を表すのに対して、青色の領域は比較的薄い領域を有する領域を表す。
図9から見られ得るように、RFパワーが500Wであり、サイクル当たり1秒を適用した場合、膜の厚さの3σ面内均一性は1.45であり、これは、RFパワーが200Wであり、サイクル当たり0.2秒を適用した場合に堆積した膜の厚さの3σ面内均一性である0.51より顕著に高かった。2Dマップ画像は、より高くおよびより長くRFパワーを印加した場合、膜表面が凹面になったことを示し、基板の外周の領域における膜の厚さが、中間領域および中心領域における膜の厚さより厚くなった。
【0040】
参照例2
以下の表2に示したものを除いて参照例1と同じ条件下で膜を堆積させた。
【0041】
【表2】
【0042】
参照例1に示したように、より高くおよびより長くRFパワーを印加した場合、表2から見られ得るように、膜表面は凹面になり、基板の外周の領域における膜の厚さは、中間領域および中心領域における膜の厚さより厚くなる。
【0043】
実施例1
表3に示したように、参照例1と同様の条件下で膜を堆積させた。
【0044】
【表3】
【0045】
この実施例において、二次ガスの流量を変化させた。その結果として、驚くべきことに、
図10に示したように、二次ガスの流れを増加させることにより膜の厚さの3σ面内均一性は顕著に改善された。
図10は、堆積した膜の2Dカラーマップ分析による薄膜厚さプロファイル測定の画像であり、堆積の面内均一性と制御ガスの流量との関係を示す。
図10から見られ得るように、膜の厚さの面内均一性は顕著に改善され、また、基板の中心および中間領域における膜の厚さは、二次ガスの流れがゼロから2.00slmに増加するにつれて増加した。
【0046】
実施例2
表4に示した条件下で実施例1と同じ装置を使用してフォトレジスト膜をエッチングした。
【0047】
【表4】
【0048】
この実施例において、二次ガスの流量を変化させた。その結果として、驚くべきことに、膜の厚さの3σ面内均一性は、
図11に示したように、二次ガスの流れを増加させることによって顕著に改善した。
図11は、トリミングされた膜の2Dカラーマップ分析による薄膜厚さプロファイル測定の画像であり、トリミングの面内均一性と制御ガスの流量との関係を示す。
図11から見られ得るように、膜の厚さの面内均一性は顕著に改善し、また、二次ガスの流れがゼロから2.00slmに増加するにつれて基板の中心および中間領域における膜の厚さは減少した。
【0049】
実施例3
表5に示した条件下で
図1に示した装置を使用して膜を堆積させた。
【0050】
【表5】
【0051】
この実施例において、サセプタと分離リングとの間の異なる間隔(5mmおよび10mm)を有する分離リングが使用され、二次ガスの流量を変化させた。結果として、驚くべきことに、膜の厚さの3σ面内均一性は、
図12に示したように、間隔が10mmではなく、間隔が5mmであった場合、二次ガスの流れを増加させることによって顕著に改善した。
図12は、異なる条件下でプラズマエンハンスト原子層堆積(PECVD)により形成される膜の2Dカラーマップ分析による薄膜厚さプロファイル測定の画像を示す。
図12から見られ得るように、膜の厚さの面内均一性は顕著に改善し、また、基板の周囲領域における膜の厚さは、間隔が10mmではなく、間隔が5mmであった場合、二次ガスの流れが増加するにつれて減少した。この実施例において、間隔が5mmである場合、面内均一性は約2%で良好であり得るので、好ましくは二次ガスの流量は600sccm以上であると言うことができる。しかしながら、好ましい範囲は、必要とされる均一性、リアクタの構造、堆積条件などに応じて変化し、当業者は通常の実験により、この開示に基づいて最適条件を容易に決定できる。
【0052】
実施例4
表6に示したように実施例1と同様の条件下で膜を堆積させた。
【0053】
【表6】
【0054】
この実施例において、
図13に示したように分離リングの中心を4方向に移動させた。
図13は、4方向に移動された中心を有する分離リングを使用したプラズマエンハンスト原子層堆積(PEALD)により形成される膜の2Dカラーマップ分析による薄膜厚さプロファイル測定の画像を示す。移動前(
図13における「均一」)、分離リングの間隔は2mm(全周囲)であった。分離リング133を、ゲートバルブ132の右側(
図13の「右側」)まで、ゲートバルブの左側(
図13の「左側」)まで、ゲートバルブから離して(
図13の「下側」)、およびゲートバルブの近く(
図13の「上側」)に、基板134に対して移動させた(基板および反応チャンバ131を中心にした)。移動させることにより、間隔は、2mmから最も狭い間隔として0.5mmに変化し、最も広い間隔として3.5mmに変化した。
図13から見られ得るように、分離リングがゲートバルブに近接して移動した場合、膜の厚さの面内均一性は約1%まで驚くべきことに改善し、また、膜が比較的厚い領域は基板の1つの周囲側から基板の中心領域まで移動した。
【0055】
複数のおよび様々な変更が本発明の精神から逸脱せずになされ得ることは当業者により理解されるであろう。したがって、本発明の形態は例示のみであり、本発明の範囲を限定することを意図するわけではないことが明確に理解されるべきである。