特許第6367638号(P6367638)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6367638ダブルフィーダへの部品収納具の割付方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6367638
(24)【登録日】2018年7月13日
(45)【発行日】2018年8月1日
(54)【発明の名称】ダブルフィーダへの部品収納具の割付方法
(51)【国際特許分類】
   H05K 13/02 20060101AFI20180723BHJP
【FI】
   H05K13/02 B
【請求項の数】2
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2014-154554(P2014-154554)
(22)【出願日】2014年7月30日
(65)【公開番号】特開2016-32056(P2016-32056A)
(43)【公開日】2016年3月7日
【審査請求日】2017年6月9日
(73)【特許権者】
【識別番号】000237271
【氏名又は名称】株式会社FUJI
(74)【代理人】
【識別番号】100089082
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 脩
(74)【代理人】
【識別番号】100130188
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 喜一
(74)【代理人】
【識別番号】100190333
【弁理士】
【氏名又は名称】木村 群司
(72)【発明者】
【氏名】飯阪 淳
(72)【発明者】
【氏名】大山 茂人
【審査官】 小金井 匠
(56)【参考文献】
【文献】 特開2013−084862(JP,A)
【文献】 特開2009−124019(JP,A)
【文献】 特開平07−022774(JP,A)
【文献】 特開2003−318597(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05K 13/00−13/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
一種類の部品を複数個収納可能な部品収納具を2つ装填可能で、前記各部品収納具から基板に対し前記部品をそれぞれ供給するダブルフィーダを複数用いて、複数種類の前記部品のうち所定の種類の前記部品を複数種類の前記基板毎に供給する場合、前記複数のダブルフィーダに対し複数種類の前記部品収納具をそれぞれ割り付けるダブルフィーダへの部品収納具の割付方法であって、
前記複数種類の部品の種類毎に、供給すべき前記基板の種類を特定して基板種数を求める基板種数取得工程と、
前記複数種類の部品のうち2種類の前記部品の組み合わせにおいて、前記特定した基板の種類のうち重複するものを選定して重複数を求める重複数取得工程と、
前記基板種数取得工程で求めた基板種数が同一の前記部品の中で、当該基板種数と前記重複数取得工程で求めた重複数とが同一の前記2種類の部品の組み合わせを特定し、特定した前記2種類の部品をそれぞれ収納した前記部品収納具を、一の前記ダブルフィーダに装填する組み合わせとして選択する第一組合せ選択工程と、
前記第一組合せ選択工程で選択されなかった前記部品は、前記重複数が大きい前記部品から順に前記2種類の部品の組み合わせを特定し、特定した前記2種類の部品をそれぞれ収納した前記部品収納具を、一の前記ダブルフィーダに装填する組み合わせとして選択する第二組合せ選択工程と、
を備えるダブルフィーダへの部品収納具の割付方法。
【請求項2】
前記基板種数取得工程は、求めた前記基板種数を大きい順に並べ替える、請求項1のダブルフィーダへの部品収納具の割付方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一種類の部品を複数個収納可能な部品収納具を2つ装填可能なダブルフィーダに対し部品収納具を割り付ける方法に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、特許文献1には、マルチノズルヘッド及びダブルフィーダを備えた部品実装機を用いて複数種類の基板への部品装着を行う場合に、マルチノズルヘッドによる部品の同時吸着を効率良く行える部品の組み合わせ及びフィーダの配置を求める方法が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004−7000号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載の部品実装機では、マルチノズルヘッドによる部品の同時吸着の効率を向上することはできるが、ダブルフィーダの使用本数を最適化することはできない。
【0005】
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、ダブルフィーダの使用本数を最適化できるダブルフィーダへの部品収納具の割付方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決するために、本発明は、一種類の部品を複数個収納可能な部品収納具を2つ装填可能で、前記各部品収納具から基板に対し前記部品をそれぞれ供給するダブルフィーダを複数用いて、複数種類の前記部品のうち所定の種類の前記部品を複数種類の前記基板毎に供給する場合、前記複数のダブルフィーダに対し複数種類の前記部品収納具をそれぞれ割り付けるダブルフィーダへの部品収納具の割付方法であって、前記複数種類の部品の種類毎に、供給すべき前記基板の種類を特定して基板種数を求める基板種数取得工程と、前記複数種類の部品のうち2種類の前記部品の組み合わせにおいて、前記特定した基板の種類のうち重複するものを選定して重複数を求める重複数取得工程と、前記基板種数取得工程で求めた基板種数が同一の前記部品の中で、当該基板種数と前記重複数取得工程で求めた重複数とが同一の前記2種類の部品の組み合わせを特定し、特定した前記2種類の部品をそれぞれ収納した前記部品収納具を、一の前記ダブルフィーダに装填する組み合わせとして選択する第一組合せ選択工程と、前記第一組合せ選択工程で選択されなかった前記部品は、前記重複数が大きい前記部品から順に前記2種類の部品の組み合わせを特定し、特定した前記2種類の部品をそれぞれ収納した前記部品収納具を、一の前記ダブルフィーダに装填する組み合わせとして選択する第二組合せ選択工程と、を備える。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、基板種の数及び基板種の重複数に基づいて、2種類の部品の組み合わせを選択しているので、複数の基板種の生産において使用するダブルフィーダの本数を、複数種類の部品を単純に組み合わせた場合と比較して大幅に減少させることができる。また、一の基板種で使用する2種類の部品が同数である場合は、一のダブルフィーダにおいて、2つの部品収納具に収納される部品の消費を略一致させることができるので、2つの部品収納具を略同時に交換することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の実施の形態に係るダブルフィーダへの部品収納具の割付方法が適用可能な部品実装機の概略構成を示す断面図である。
図2】本発明の実施の形態に係るダブルフィーダへの部品収納具の割付方法を説明するためのフローチャートである。
図3】部品種に対応する基板種、基板種の数及び基板種の重複数を示すテーブルである。
図4】2種類の部品の組み合わせ及び各基板種に使用するダブルフィーダの本数を示すテーブルである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
(部品実装機の概略構成)
以下、本発明の実施の形態に係るダブルフィーダへの部品収納具の割付方法が適用可能な部品実装機の概略構成について図面に基づいて説明する。なお、図1において、基板Bの搬送方向をX方向(紙面に垂直な方向)、X方向と直交する水平方向をY方向、X方向と直交する垂直方向をZ方向とする。
【0010】
図1に示すように、部品実装機1は、基台11の上面の奥側(図1の左側)に配設され、基板Bを搬送して部品実装位置に搬入出する基板搬送装置2と、基台11の上面の手前側(図1の右側)に配設され、基板B上に装着する部品Pを供給する部品供給装置3と、基台11の上面の上方に配設され、基板B上に装着する部品Pを吸着して移載する部品移載装置4と、部品実装を制御する制御装置5等とを備える。
【0011】
基板搬送装置2は、一対のガイドレール21a,21bと、一対のコンベアベルト22a,22bと、クランプ装置23等とを備える。一対のガイドレール21a,21bは、X方向に延在し基板Bの幅と略同一の距離を隔てて互いに平行に配置される。一対のコンベアベルト22a,22bは、ガイドレール21a,21bの直下に並設される。クランプ装置23は、一対のガイドレール21a,21bの間であって実装位置の下方に配設される。
【0012】
このような構成の基板搬送装置2においては、基板Bが、一対のガイドレール21a,21bによりX方向に案内されつつ一対のコンベアベルト22a,22bにより部品実装位置まで搬送され、クランプ装置23によりコンベアベルト22a,22bから押し上げられてクランプされ位置決め固定される。
【0013】
部品供給装置3は、X方向に並ぶ複数個のスロット35等を備える。各スロット35には、ダブルフィーダ31が複数本セットされる。ダブルフィーダ31は、一種類の部品Pを複数個収納可能な部品収納具として部品収納リール32を2つ装填可能に構成される。部品収納リール32には、部品Pが所定ピッチで配置されトップテープ33で覆われたキャリアテープ34が巻回される。ダブルフィーダ31は、各部品収納リール32からキャリアテープ34を所定ピッチで引き出すための2つのスプロケット及び2台のモータ(いずれも図示省略)を備える。
【0014】
このような構成の部品供給装置3においては、各部品収納リール32からキャリアテープ34がスプロケットにより所定ピッチで引き出され、トップテープ33が引き剥がされ、部品Pが部品取出し箇所31aに順次送り込まれる。各部品収納リール32の部品Pは、独立に供給され、もしくは同時に供給される。
【0015】
部品移載装置4は、駆動装置40によって水平面内で移動されるヘッドホルダ41等を備える。駆動装置40は、一対の固定レール42a,42bと、ヘッド移動レール43等とを備える。一対の固定レール42a,42bは、基板搬送装置2の両端部の上方にY方向に延在し互いに平行に配置される。ヘッド移動レール43は、X方向に延在して配置されて両端が固定レール42a,42bに沿って移動可能に支持される。ヘッド移動レール43は、ボールねじを介してサーボモータ(いずれも図示省略)により移動制御可能に構成される。
【0016】
ヘッドホルダ41は、ヘッド移動レール43に沿って移動可能に支持される。ヘッドホルダ41は、ボールねじを介してサーボモータ(いずれも図示省略)により移動制御可能に構成される。ヘッドホルダ41には、基板Bにおける部品装着位置の認識が可能な認識用カメラ44及びZ軸回りを回転可能且つZ方向に昇降可能な実装ヘッド45が保持される。この実装ヘッド45には、部品Pを吸着する部品吸着ノズル46を着脱可能に保持するノズルホルダ47が、実装ヘッド45の回転中心において下方に突設される。
【0017】
部品吸着ノズル46が装着されたノズルホルダ47は、実装ヘッド45からZ方向に昇降可能に且つZ軸回りで回転可能に支持される。部品吸着ノズル46が装着されたノズルホルダ47は、ボールねじを介してサーボモータ(いずれも図示省略)により昇降制御可能、且つギヤ機構を介してサーボモータ(いずれも図示省略)により回転制御可能に構成される。部品吸着ノズル46は、略中空円筒状に形成され大気圧、正圧、負圧の切換可能な三方向バルブを介して真空ポンプ(図示省略)と接続され、ノズル下端において部品Pを吸着保持可能に構成される。また、部品移載装置4と部品供給装置3の間には、部品吸着ノズル46の部品Pの吸着状態の認識が可能な部品認識用カメラ48が取り付けられる。
【0018】
このような構成の部品移載装置4においては、フィーダ31の部品取出し箇所31aに供給された部品Pが、部品吸着ノズル46により吸着されヘッド移動レール43及びヘッドホルダ41により部品実装位置に位置決めされた基板Bまで移送され、部品吸着ノズル46により基板B上の部品装着位置に装着される。
【0019】
制御装置5は、基板搬送装置2、部品供給装置3及び部品移載装置4の駆動を制御して部品Pを基板B上に装着する。また、制御装置5は、複数種類の部品Pのうち所定の種類の部品Pを複数種類の基板B毎に供給して装着するマルチジョブ生産を複数のダブルフィーダ31で行う場合、現生産で使用するダブルフィーダ31の本数が少なくなるように、複数のダブルフィーダ31に対し複数種類の部品収納リール32をそれぞれ割り付ける演算を行う。以下では、この割付方法について、図2図4を参照して詳述する。
【0020】
(ダブルフィーダへの部品収納リールの割付方法)
マルチジョブ生産において生産する基板Bの種類としては、例えば、B1からB10までの10種類とし、使用する部品Pの種類としては、例えば、P1からP20までの20種類とする。先ず、制御装置5は、複数種類の部品Pの種類毎に、供給すべき基板Bの種類を特定して基板種数を求める(図2のステップS1:基板種数取得工程)。
【0021】
具体的には、制御装置5は、図3の二重線より左側の表に示すように、横方向の欄に各基板種B1〜B10、縦方向の欄に各部品種P1〜P20を入力した表を作成する。そして、制御装置5は、各基板種B1〜B10に対し、使用される各部品種P1〜P20を特定して「1」の番号を入力し、各部品種P1〜P20毎に「1」が付された欄をカウントして基板種数に入力する。例えば、部品種P1は、基板種B1〜B10に使用されるので、基板種数は「10」になる。また、部品種P5は、基板種B1,B3,B4,B8〜B10に使用されるので、基板種数は「6」になる。他の部品種も同様に基板種数を求める。
【0022】
ここで、図3においては、基板種数の大きさは、部品種P1〜P20の順に小さくなる例を示すが、部品種P1〜P20の順においてランダムに並んでいる場合もあるので、その場合、制御装置5は、ソート機能により基板種数の大きさを大きい順に並べ替えるようにしてもよい。これにより、以降の処理を作業者が行う場合、作業者は、以降の処理作業を容易に行うことができる。
【0023】
次に、制御装置5は、複数種類の部品Pのうち2種類の部品Pの組み合わせにおいて、ステップS1で特定した基板Bの種類のうち重複するものを選定して重複数を求める(図2のステップS2:重複数取得工程)。
【0024】
具体的には、制御装置5は、図3の二重線より右側の表に示すように、横方向の欄に基準とする部品種P1〜P20、縦方向の欄(二重線より左側の表と兼用)に各部品種P1〜P20を入力した表を作成する。そして、制御装置5は、各部品種P1〜P20において2種類の部品Pの全ての組み合わせについて重複する基板種B1〜B10をカウントし、該当する横方向の欄の部品種と縦方向の欄の部品種との交差する欄に重複数として入力する。例えば、部品種P1と部品種P2との組み合わせは、基板種B1,B3〜B10が重複するので、重複数は「9」になる。また、部品種P12と部品種P13との組み合わせは、基板種B3のみが重複するので、重複数は「1」になる。他の部品種も同様に重複数を求める。
【0025】
次に、制御装置5は、基板種数と重複数とが同一の2種類の部品Pの組み合わせを選択し(図2のステップS3:第一組合せ選択工程)、当該2種類の部品Pをそれぞれ収納した部品収納リール32を、一のダブルフィーダ31に装填する第一の組み合わせとして選択する(図2のステップS4:第一組合せ選択工程)。基板種数と重複数とが同一の2種類の部品の組み合わせを選択する理由は、複数の基板種B1〜B10の生産において使用するダブルフィーダ31の本数を、部品種P1〜P20の並びで単純に組み合わせた場合と比較して大幅に減少させることができるためである。また、一の基板種で使用する2種類の部品Pが同数である場合は、一のダブルフィーダ31において、2つの部品収納リール32に収納される部品Pの消費を略一致させることができるので、2つの部品収納リール32を略同時に交換することができる。
【0026】
具体的には、制御装置5は、図3の基板種数の欄から基板種数が同一の部品Pを全て選択する。例えば、部品種P3及び部品種P4の基板種数は「8」と同一であるから、部品種P3及び部品種P4を選択する。また、部品種P5〜部品種P10の基板種数は「6」と同一であるから、部品種P5〜部品種P10を選択する。他の部品種も同様に基板種数が同一のものを選択する。
【0027】
そして、制御装置5は、選択した基板種数が同一の部品Pにおいて、図3の重複数の欄から当該基板種数と重複数とが同一の2種類の部品の組み合わせを特定する。例えば、図3の矩形状の枠で囲んで示すように、同一の基板種数「6」の部品種P5及び部品種P6は、重複数が「6」であり、また、同一の基板種数「5」の部品種P11及び部品種P14は、重複数が「5」であり、また、同一の基板種数「2」の部品種P15及び部品種P16は、重複数が「2」であり、同一の基板種数「1」の部品種P17及び部品種P19は、重複数が「1」であるので、部品種P5及び部品種P6、部品種P11及び部品種P14、部品種P15及び部品種P16、部品種P17及び部品種P19の組み合わせを特定する。
【0028】
そして、制御装置5は、特定した部品種P5及び部品種P6をそれぞれ収納した部品収納リール32の組み合わせ、部品種P11及び部品種P14をそれぞれ収納した部品収納リール32の組み合わせ、部品種P15及び部品種P16をそれぞれ収納した部品収納リール32の組み合わせ、部品種P17及び部品種P19をそれぞれ収納した部品収納リール32の組み合わせを、一のダブルフィーダ31に装填する組み合わせとして選択する。
【0029】
次に、制御装置5は、未組み合わせの部品Pについて、重複数が大きい部品Pから順に2種類の部品の組み合わせを特定する(図2のステップS5:第二組合せ選択工程)。そして、制御装置5は、当該2種類の部品をそれぞれ収納した部品収納リール32を、一のダブルフィーダ31に装填する第二の組み合わせとして選択し(図2のステップS6:第二組合せ選択工程)、全ての処理を終了する。重複数が大きい部品Pから順に2種類の部品の組み合わせを選択する理由は、複数の基板種B1〜B10の生産において使用するダブルフィーダ31の本数を、部品種P1〜P20の並びで単純に組み合わせた場合と比較して減少させることができるためである。
【0030】
具体的には、制御装置5は、選択した基板種数が同一の部品Pにおいて、図3の重複数の欄から当該重複数が大きい順に2種類の部品Pの組み合わせを特定する。例えば、図3の円形状の枠で囲んで示すように、同一の基板種数「8」の部品種P3及び部品種P4の重複数は「6」であるので、部品種P3と部品種P4の組み合わせを特定する。一方、同一の基板種数「6」の部品種P7、部品種P8、部品種P9及び部品種P10の中で、重複数が最も大きい「5」の2種類の部品Pの組み合わせは、部品種P7と部品種P8、部品種P7と部品種P9、部品種P8と部品種P9である。これらの組み合わせの中から一つを特定するため、他の部品種の重複数について調査する。
【0031】
すなわち、同一の基板種数「5」の部品種P12及び部品種P13の場合、重複数は「1」と小さいので、部品種P12及び部品種P13の組み合わせは回避すべきである。そこで、部品種P7、部品種P8、部品種P9、部品種P10、部品種P12及び部品種P13の中で、重複数が大きくなる2種類の部品Pの組み合わせを調査すると、図3の円形状の枠で囲んで示すように、重複数が「5」となる部品種P7と部品種P8の組み合わせ、重複数が「3」となる部品種P9と部品種P12の組み合わせ、及び重複数が「4」となる部品種P10と部品種P13の組み合わせであるのでこれらを特定する。
【0032】
制御装置5は、特定した部品種P3及び部品種P4をそれぞれ収納した部品収納リール32の組み合わせ、部品種P7及び部品種P8をそれぞれ収納した部品収納リール32の組み合わせ、部品種P9及び部品種P12をそれぞれ収納した部品収納リール32の組み合わせ、部品種P10及び部品種P13をそれぞれ収納した部品収納リール32の組み合わせを、一のダブルフィーダ31に装填する組み合わせとして選択する。
【0033】
さらに、制御装置5は、基板種数が同一でない部品Pにおいて、図3の重複数の欄から当該重複数が大きい順に2種類の部品Pの組み合わせを特定する。例えば、重複数が「9」と最も大きい部品種P1及び部品種P2を特定し、残りの重複数が「1」の部品種P18及び部品種P20を特定する。以上により、図4の矩形状の枠で囲んで示すように、全ての部品種P1〜P20の部品Pをそれぞれ収納した部品収納リール32を2つで一組として、一のダブルフィーダ31に装填するための組み合わせが完了する。従来は、部品種P1〜P20の部品Pをそれぞれ収納した部品収納リール32を単純に2つで一組としているので、全部で10本のダブルフィーダ31が必要になるが、図4に示す組み合わせによれば、最大でも基板種B9の8本で済むことになる。よって、部品実装機1においては、ダブルフィーダ31が占有するスロット35の数を減少させることができるので、実装ラインにおいては、設置する部品実装機1の台数を減少させることができる。
【0034】
(実施形態の効果)
本実施形態のダブルフィーダ31への部品収納リール32の割付方法は、複数種類の部品Pの種類毎に、供給すべき基板Bの種類を特定して基板種数を求める基板種数取得工程と、複数種類の部品Pのうち2種類の部品Pの組み合わせにおいて、特定した基板Bの種類のうち重複するものを選定して重複数を求める重複数取得工程と、基板種数取得工程で求めた基板種数が同一の部品Pの中で、当該基板種数と重複数取得工程で求めた重複数とが同一の2種類の部品Pの組み合わせを特定し、特定した2種類の部品Pをそれぞれ収納した部品収納リール32を、一のダブルフィーダ31に装填する組み合わせとして選択する第一組合せ選択工程と、第一組合せ選択工程で選択されなかった部品Pは、重複数が大きい部品Pから順に2種類の部品Pの組み合わせを特定し、特定した2種類の部品Pをそれぞれ収納した部品収納リール32を、一のダブルフィーダ31に装填する組み合わせとして選択する第二組合せ選択工程と、を備える。
【0035】
本実施形態では、基板種の数及び基板種の重複数に基づいて、2種類の部品Pの組み合わせを選択しているので、複数の基板種の生産において使用するダブルフィーダ31の本数を、複数種類の部品を単純に組み合わせた場合と比較して大幅に減少させることができる。また、一の基板種で使用する2種類の部品Pが同数である場合は、一のダブルフィーダ31において、2つの部品収納リール32に収納される部品Pの消費を略一致させることができるので、2つの部品収納リール32を略同時に交換することができる。
【0036】
また、基板種数取得工程は、求めた基板種数を大きい順に並べ替えるようにしてもよい。これにより、以降の処理を作業者が行う場合、作業者は、以降の処理作業を容易に行うことができる。
【0037】
(その他)
なお、上述の実施形態では、1本の部品吸着ノズル46を有する実装ヘッド45を備える部品実装機1を例に説明したが、マルチノズルヘッドを備える部品実装機に対しても同様に適用可能である。また、制御装置5が、ダブルフィーダへの部品収納リール32の割付方法を実行するように構成したが、作業者が、ダブルフィーダへの部品収納リール32の割付方法を行うことも可能である。
【符号の説明】
【0038】
1:部品実装機、3:部品供給装置、5:制御装置、31:ダブルフィーダ、32:部品収納リール(部品収納具)、35:スロット、P:部品、P1〜P20:部品種、B:基板、B1〜B10:基板種
図1
図2
図3
図4