特許第6367711号(P6367711)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ アルカテル−ルーセントの特許一覧

特許6367711モバイル通信システムにおけるコア・ネットワーク・エンティティに障害が生じた場合のモバイル終端CSサービスの復元
<>
  • 特許6367711-モバイル通信システムにおけるコア・ネットワーク・エンティティに障害が生じた場合のモバイル終端CSサービスの復元 図000002
  • 特許6367711-モバイル通信システムにおけるコア・ネットワーク・エンティティに障害が生じた場合のモバイル終端CSサービスの復元 図000003
  • 特許6367711-モバイル通信システムにおけるコア・ネットワーク・エンティティに障害が生じた場合のモバイル終端CSサービスの復元 図000004
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6367711
(24)【登録日】2018年7月13日
(45)【発行日】2018年8月1日
(54)【発明の名称】モバイル通信システムにおけるコア・ネットワーク・エンティティに障害が生じた場合のモバイル終端CSサービスの復元
(51)【国際特許分類】
   H04W 24/04 20090101AFI20180723BHJP
   H04W 48/18 20090101ALI20180723BHJP
   H04W 68/12 20090101ALI20180723BHJP
【FI】
   H04W24/04
   H04W48/18 111
   H04W68/12
【請求項の数】14
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2014-505601(P2014-505601)
(86)(22)【出願日】2012年4月18日
(65)【公表番号】特表2014-516495(P2014-516495A)
(43)【公表日】2014年7月10日
(86)【国際出願番号】EP2012057084
(87)【国際公開番号】WO2012143397
(87)【国際公開日】20121026
【審査請求日】2013年12月4日
【審判番号】不服2016-16210(P2016-16210/J1)
【審判請求日】2016年10月31日
(31)【優先権主張番号】11290191.3
(32)【優先日】2011年4月19日
(33)【優先権主張国】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】391030332
【氏名又は名称】アルカテル−ルーセント
(74)【代理人】
【識別番号】100094112
【弁理士】
【氏名又は名称】岡部 讓
(74)【代理人】
【識別番号】100106183
【弁理士】
【氏名又は名称】吉澤 弘司
(72)【発明者】
【氏名】ランディス,ブルーノ
【合議体】
【審判長】 菅原 道晴
【審判官】 松永 稔
【審判官】 海江田 章裕
(56)【参考文献】
【文献】 特開2010−045429(JP,A)
【文献】 3GPP TS 29.118 V10.3.0、2011年4月4日アップロード、URL:http://www.3gpp.org/ftp/Specs/archive/29_series/29.118/29118−a40.zip
【文献】 Alcatel−Lucent、AT&T、Discussion on support of CSFB and SMS MT services after long MME failure、3GPP TSG CT WG1 Meeting #71 C1−111767、2011年5月16日アップロード
【文献】 3GPP TR 23.857 V1.2.0、2011年3月7日アップロード、URL:http://3gpp.org/ftp/Specs/archive/23_series/23.857/23857−120.zip
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
IPC H04B7/24-7/26, H04W4/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザ機器(UE)をモバイル終端回線交換(CS)サービスに対してページングするVisitor Location Register(VLR)であって、
前記UEにサービスを提供するモビリティ管理エンティティ(MME)がもはや利用できる状態にないことを検出し、
復元標識を有するSGsページング要求を1つの代替のMMEへと送信する、VLR。
【請求項2】
請求項1に記載のVLRであって、さらに、同一のMMEプールに属する複数のMMEから前記代替のMMEを選ぶ、VLR。
【請求項3】
前記MMEに対する利用できる状態にあるSCTP関連付けがもはや存在しないことを検出することによってMMEがもはや利用できる状態にないことを検出する、請求項1または2に記載のVLR。
【請求項4】
同一のMMEプールに属するMMEアイデンティティのセットを備えて事前構成される、請求項1乃至3のいずれか1項に記載のVLR。
【請求項5】
MMEプール内の複数の代替のMMEのアイデンティティを含むSGsメッセージをさらに受信し、前記SGsメッセージがSGsAPロケーション更新要求またはSGsAPリセット指示メッセージを含む、請求項1乃至4のいずれか1項に記載のVLR。
【請求項6】
前記SGsページング要求が「CS呼標識」または「SMS標識」を示すサービス標識情報要素を有する、請求項1乃至のいずれか1項に記載のVLR。
【請求項7】
ユーザ機器(UE)をページングするモビリティ管理エンティティ(MME)であって、
ユーザ機器(UE)のためのモバイル終端回線交換(CS)サービスに対する復元標識を含む受信したSGsページング要求における、モバイル終端CSサービスに対する復元標識の値を検出する、MME。
【請求項8】
前記SGsページング要求に含まれるサービス標識、
前記MMEに知られている前記UE、および、
前記SGsページング要求におけるロケーション区域識別、
の内の少なくとも1つに依存する前記SGsページング要求をさらに扱う、請求項に記載のMME。
【請求項9】
Visitor Location Register(VLR)の1つまたは複数のプロセッサによって実行される、SGページング要求を生成するための方法であって、前記SGページング要求に、IMSI、サービス標識、および、モバイル終端回線交換(CS)サービスに対する復元標識を含めるステップを含む方法。
【請求項10】
前記サービス標識が「CS呼標識」または「SMS標識」を示す、請求項に記載の方法。
【請求項11】
1つの代替のMMEに前記復元標識を有する前記SGsページング要求を送信するステップをさらに含む請求項または10に記載の方法。
【請求項12】
同一のMMEプールに属する複数のMMEから前記代替のMMEを選ぶステップをさらに含む、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
モビリティ管理エンティティ(MME)の1つまたは複数のプロセッサによって実行される、SGページング要求を受信する方法であって、
IMSI、サービス標識、および、モバイル終端回線交換(CS)サービスに対する復元標識を含む受信したSGページング要求における、モバイル終端CSサービスに対する復元標識の値を検出するステップを含む、方法。
【請求項14】
請求項13に記載の方法であって、
前記復元標識の検出された値
前記サービス標識によって示されるサービス、および、
前記SGsページング要求におけるロケーション区域識別、
の内の少なくとも1つに依存する前記SGsページング要求を扱うステップをさらに含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に、モバイル通信ネットワークおよびモバイル通信システムに関する。
【背景技術】
【0002】
モバイル通信ネットワークおよびモバイル通信システムの詳細な説明は、例えば、特に、3GPP(第3世代パートナーシップ・プロジェクト)などの標準化組織によって公開される技術仕様書などの文献において見ることができる。
【0003】
そのようなシステムにおいて、モバイル端末装置(またはユーザ機器UE)は、モバイル通信サービスを提供するコア・ネットワーク(CN)に無線アクセス・ネットワーク(RAN)を介してアクセスできる。
【0004】
例えば、3GPPシステムなどのシステムの例には、2G−GSM、3G−UMTS、3GLTE−EPS(発展型パケット・システム)が含まれる。
【0005】
例えば、EPSのためのアーキテクチャが、3GPP TS23.401からとられた図1で想起される。EPSコア・ネットワークはEPC(発展型パケット・コア)と呼ばれるPS(パケット交換)ドメインを含む。EPCは、特に、アイドル・モードにあるUEに向けてのMT(モバイル終端)サービスのためのモビリティ管理およびページング手順などの制御プレーン機能を担う、特にMME(モビリティ管理エンティティ)などのエンティティを含む。EPSにおいて、CS(回線交換)サービス(例えば、音声サービス、またはSMS(ショート・メッセージ・サービス)などの他のサービスなどの)は、事業者のIPネットワーク(例えば、IMSネットワーク)にIP接続を提供するPSドメインEPCを介して、IPベースのサービスとして配信され得る。
【0006】
逆に、GSMまたはUMTS(特に図示しない)などのシステムにおいて、CSサービス(例えば、音声サービス、またはSMS(ショート・メッセージ・サービス)などの他のサービスなどの)は、CS(回線交換)ドメインを介して配信される。CSドメインは、特に、アイドル・モードにあるUEに向けてのMT(モバイル終端)サービスのためのモビリティ管理およびページング手順などの制御プレーン機能を担う、特にMSC/VLRサーバまたはMSCサーバ/VLR)などのエンティティを含む。
【0007】
新たに展開されたEPSインフラストラクチャと並存する既に展開されているCSインフラストラクチャの再使用を可能にする新たな機能が導入され得る。
【0008】
そのような新たな機能の例が、特に3GPP TS23.272に明記される、EPSにおけるCSFB(CSフォールバック)および/またはSMS over SGsと呼ばれる機能である。EPSにおけるCSFBおよび/またはSMS over SGsのためのEPSアーキテクチャが、3GPP TS23.272からとられた図2で想起される。
【0009】
EPSにおけるCSFBおよび/またはSMS over SGs機能は、CSドメインにおけるMSC/VLR(またはMSCサーバ/VLR)とEPCにおけるMMEの間で、そのような機能をサポートするSGsインターフェース機構を使用する。SGsインターフェースは、特に3GPP TS29.118に明記される。
【0010】
SGsは、MMEとMSC/VLR(またはMSCサーバ/VLR)の間の基準ポイントである。SGs基準ポイントは、EPSとCSドメインの間のモビリティ管理およびページング手順のために使用される。また、SGs基準ポイントは、SMS配信のためにも使用される。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0011】
【非特許文献1】3GPP TS23.401
【非特許文献2】3GPP TS23.272
【非特許文献3】3GPP TS29.118
【非特許文献4】3GPP TS24.301
【非特許文献5】IETF RFC4960
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
本発明者によって認識され、さらにこの説明の後段でより詳細に説明されるように、特に、EPSにおけるCSFBおよび/またはSMS over SGs機能が使用される際に、MT(モバイル終端)CSサービスの配信を向上させる必要性が存在する。より一般的には、LTE/EPCの展開が、MT(モバイル終端)CSサービスの配信を阻害しないように、そのようなシステムにおいてエンド・ユーザによって認識されるエンド・ユーザ体験、またはサービス品質を向上させる必要性が存在する。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明の実施形態は、そのような必要性に特に対処する。
【0014】
これら、およびその他の目的が、一態様において、モバイル通信システムにおいて、前記MT CSサービスのためにユーザ機器UEに向けられたページング要求のために連絡がされるべきであると最初に識別された、最初のCNエンティティと呼ばれるPSコア・ネットワークCNエンティティに障害が生じた場合に、MT(モバイル終端)CSサービスを復元するための方法によって達成される。
【0015】
或る実施形態において、前記方法は、
− 前記最初のCNエンティティの代わりに代替のCNエンティティに連絡がされること、および前記UEが前記代替のCNエンティティに知られていない場合でさえ、前記代替のCNエンティティが前記ページング要求を承認するように強制されることを行うステップ
を含む。
【0016】
これら、およびその他の目的が、他の態様において、特に、EPSにおけるCSFBおよび/またはSMS over SGs機能をサポートするMMEおよびMSC/VLR(またはMSCサーバ/VLR)などの、MT(モバイル終端)CSサービスのそのような復元を実行するために構成されたCNエンティティによって達成される。
【0017】
次に、単に例として、添付の図面を参照して、本発明の実施形態による装置および/または方法のいくつかの実施形態を説明する。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】EPSアーキテクチャの例を想起するための図である。
図2】EPSにおけるCSフォールバックおよび/またはSMS over SGsのためのアーキテクチャの例を想起するための図である。
図3】例えば、EPSにおけるCSフォールバックおよび/またはSMS over SGsをサポートするシステムにおける、本発明の或る実施形態による方法の例を示すための図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下に、本発明の実施形態が、例として、EPSにおけるCSFBおよび/またはSMS over SGs機能をサポートするシステムの事例に関して、より詳細に説明される。しかし、本発明は、そのような事例に限定されない。
【0020】
モバイル・ネットワークにおけるLTEの展開の場合、モバイルに終端するCSサービス(例えば、CS呼、SMS、モバイル終端ロケーション要求)が、再起動の行われないMME障害の後、または長いMME障害の後、長期間にわたって(最大で周期的追跡区域更新タイマ、例えば、1時間)、契約者に首尾よく配信され得ないリスクが存在する。これと比較して、CSに終端するサービスは、LTEの導入以前に、全く遅延なしに配信され得る。
【0021】
CSサービスおよび/またはSMSサービスのサポートを要求するLTEの下のUEは、EPSサービスと非EPSサービス(すなわち、CSサービス)の両方のために、またはEPSサービスと「SMS専用」サービスの両方のために接続する複合接続手順を実行し、さらに実際の追跡区域の登録を更新するのに複合追跡区域更新手順を実行する(3GPP TS23.401およびTS24.301参照)。それらの手順中、サービングMMEは、CSサービスおよび/またはSMSサービスを提供するMSCに向けて非EPSサービス手順に関するロケーション更新を開始し、その結果、MMEとMSCの間でSGs関連付けを確立する(3GPP TS23.272およびTS29.118参照)。その後のCSに終端するサービス(例えば、MT CS呼またはSMS)を受信すると、MSCは、「CS呼標識」または「SMS標識」を有するSGsページング要求メッセージをサービングMMEに送信し、このことが、CSフォールバック手順、またはLTE経由のSMS転送をトリガする(3GPP TS23.272およびTS29.118参照)。
【0022】
MMEに障害が生じるが、再起動する場合に、モバイルに終端するCSサービス(例えば、CS呼またはSMS)を維持する復元手順が、3GPP TS29.118(特に条項5.1.3参照)において定義される。それらの手順は、MMEが、MMEが再起動した後の或る期間にわたって、知られていないUEに関して受信されたSGsページング要求を承認することに基本的に依拠し、その期間の持続時間は、通常、UEに割り当てられた最大の追跡区域更新タイマの範囲に及ぶ。その期間中、MMEは、システム全体のパラメータ、MMEリセットを真に設定する。その期間の後、MMEは、MMEリセット・パラメータを偽に設定し、知られていないUEに関するSGsページング要求を承認することを停止する。
【0023】
しかし、MMEに障害が生じて再起動しない場合、またはMMEに長い持続時間にわたって障害が生じた場合、MSCが、MMEを介してUEにページングすることはもはや可能でない。アイドル・モードにあるUEは、UEが、いくらかのアップリンク・データまたはシグナリング(例えば、周期的追跡区域更新)を送信することが必要になるまで、MME障害を認識していないので、LTEの下に留まるが、モバイルに終端するサービスをもはや受信することができない。
【0024】
本発明の実施形態は、特に、そのような問題を解決すること、またはそのような欠点を回避することを可能にする。
【0025】
本発明の実施形態は、ネットワークが、UEに、UEが位置しているMMEプールの中の代替のMMEを介してCSサービスを配信しつづけるようにする。MMEプールは、プール区域と呼ばれる同一の区域にサービスを提供するいくつかのMMEを含むことが想起される。
【0026】
或る実施形態において、以下のステップが提供され得る:
1. 通常の動作中、(最初の)MMEが、(複数可)MSC/VLRに、MMEプール内の代替の(複数可)MMEのアイデンティティをシグナリングすることが可能である。代替として、MSC/VLRが、同一のMMEプールに属するMMEアイデンティティのセットを備えて事前構成されてもよい。
2. モバイルに終端するサービス(例えば、CS呼)が受信されると、MSC/VLRが、UEにサービスを提供する(最初の)MMEがもはや利用できる状態にないことを検出した場合(例えば、その(最初の)MMEに対する利用できる状態にあるSCTP関連付けがもはや存在しないことを検出することによって)、これらの代替のMMEのうちの1つを選択することが可能であり、さらにSGsページング要求を、この(単一の)代替のMMEに、メッセージの中に新たな「復元標識」パラメータを入れて送信して、受信側の(代替の)MMEが、UE(すなわち、IMSI)がこのMMEに知られていない場合でさえ、およびこのMMEが、最近に再起動していない場合でさえ(すなわち、「MMEリセット=偽」状態においてさえ)、このSGsページング要求を承認し、CSFB手順またはSMS手順にとりかかるように強制することが可能である。
3. 新たな「復元標識」フラグを含むそのような要求を受信すると、(代替の)MMEは、MMEが最近に再起動した事例に関する(すなわち、MMEリセット=真である事例に関する)3GPP TS29.118、条項5.1.3において規定された既存の復元手順にとりかかることが可能である。
注:前述した新たな「復元標識」フラグがないと、MMEは、知られていないUEに関するSGsページング要求を拒否して(既存の仕様のように)、MSC/VLR再起動の後にVLRが複数のMMEにSGsページング要求をブロードキャストする場合に複数のMMEがそのUEにページングすることを回避することになる。
【0027】
他の実施形態において、例えば、図3に示されるように、以下のステップが提供され得る。
【0028】
通常の動作中、MME1で表される(最初の)MMEが、MME1がSGsとの関連付けを有するMSC/VLRに、MMEプール(図示されるように、MME2、MMExなどの)内の代替の(複数可)MMEのアイデンティティをシグナリングする。(最初の)MMEは、既存のSGsシグナリング・メッセージ、例えば、SGsAPロケーション更新要求(ステップ1で例示される)またはSGsAPリセット指示メッセージの中で送信される追加のMME名の形態でそれらのMMEアイデンティティを送信することが可能である。代替として、MSC/VLRが、同一のMMEプールに属するMMEアイデンティティのセットを備えて事前構成されてもよい。
【0029】
TS29.118、条項6で規定されるように、SCTP(IETF RFC4960参照)が、SGsAPメッセージのトランスポート層として定義される。MMEとVLRの間で半永久的なSCTP関連付けが確立されなければならず、すなわち、SCTP関連付けは、通常の条件下で確立されたままでなければならない。MMEが、SCTP関連付けを確立しなければならない。トランスポート・ネットワーク冗長性が、一方、または両方に複数のIPアドレスが割り当てられた2つのエンドポイント間のSCTPマルチホーミングによって実現可能である。MMEとVLRは、MME/VLRペアごとに単一のSCTPとの関連付けを有する構成をサポートしなければならない。MME/VLRペアごとに複数のSCTPエンドポイントを有する構成がサポートされてもよい。
【0030】
最初のMMEに障害が生じた場合(ステップ2に示されるように)、MSC/VLRが、例えば、ステップ2’に示されるように、(最初の)MMEに対する利用できる状態にあるSCTP関連付けがもはや存在しないことを検出することによって、そのような障害を検出することが可能である。
【0031】
ステップ3に示されるように、モバイルに終端するサービス(例えば、CS呼)が受信されると、MSC/VLRが、(最初の)MME(UEが非EPSサービスまたは非SMSサービスに登録した際に経由したMME)の障害を検出する場合、MSC/VLRは、ステップ4に示されるように、障害の生じたMMEからあらかじめ受信されているMMEのリストの中から代替の1つのMME(MME2で表される)を選択することが可能であり、さらに、ステップ5に示されるように、SGsページング要求を、この(単一の)代替のMMEに(そのMMEに対する利用できる状態にあるSCTP関連付けのうちの1つを介して)、メッセージの中に新たな「復元標識」パラメータを含めて、送信することが可能である。
【0032】
受信側のMME(代替の)が、ステップ6に示されるように、MMEが最近に、ただし、MME自らの「MMEリセット」値にかかわらず再起動している事例に関してTS29.118、条項5.1.3で現在、規定されているように、すなわち、以下のように、新たな「復元標識」フラグが設定されたSGsAPページング要求を処理することが可能である。
【0033】
SGsAPページング要求メッセージの中のサービス標識情報要素が、「CS呼標識」を示す場合、MMEは、このページング要求を以下のように扱わなければならない:
c)UEが知られていない場合、そのMMEにおける「MMEリセット」復元標識にかかわらず、MMEは、以下のように、ページング要求を扱わなければならない:
− MMEが「SMS専用」だけしかサポートしない場合、MMEは、SGs理由情報要素の中で「モバイル終端CSフォールバック呼が、ユーザによって拒否された」ことを示して、VLRにSGsAPページング拒否メッセージを戻さなければならない。
− SGsAPページング要求メッセージが、ロケーション区域識別情報要素を含む場合、MMEは、ロケーション区域識別情報要素の中で示されるロケーション区域にマップされ得る、MMEによってサービスが提供されるすべての追跡区域内のUEにページングしなければならない。
− SGsAPページング要求メッセージが、ロケーション区域識別情報要素を含まない場合、MMEは、MMEによってサービスが提供されるすべての追跡区域内で、またはMMEおよびVLRによってサービスが提供される追跡区域内でページングを行うことが可能である。
【0034】
SGsAPページング要求メッセージの中のサービス標識情報要素が、「SMS標識」を示す場合、MMEは、ページング要求を以下のように扱わなければならない:
c)UEが知られていない場合、MMEにおける「MMEリセット」復元標識にかかわらず、MMEは、ページング要求を以下のように扱わなければならない:
− SGsAPページング要求メッセージが、ロケーション区域識別情報要素を含む場合、MMEは、ロケーション区域識別情報要素の中で示されるロケーション区域にマップされ得る、MMEによってサービスが提供されるすべての追跡区域内のUEにページングしなければならない。
− SGsAPページング要求メッセージが、ロケーション区域識別情報要素を含まない場合、MMEは、MMEによってサービスが提供されるすべての追跡区域内で、またはMMEおよびVLRによってサービスが提供される追跡区域内でページングを行うことが可能である。
【0035】
A/GbモードまたはIuモードへのCSフォールバックのためにMMEによって開始されるページング手順が、3GPP TS24.301、条項5.6.2.3でさらに規定される。ページング・メッセージは、UEのIMSI(またはそのアイデンティティが不揮発性メモリの中に格納されている場合、UEのS−TMSI)に設定されたUEページングアイデンティティと、このページングがCSフォールバックのためのページングであることを示すために「CS」に設定されたCNドメイン標識とを含む。すると、MMEは、3GPP TS23.272の中で、例えば、条項6.6または7.4で規定されるCSフォールバック呼フローに従うことが可能である。再起動されたMME、または代替のMMEは、UEに送信されるNASシグナリングを完全性保護することができないが、UE内のEMMエンティティは、通常、それらの種類のネットワーク復元シナリオに関して、完全性保護なしにSERVICE REJECTを承認しなければならない(#25以外のEMM理由で)(3GPP TS24.301、条項4.4.4.2参照)ことに留意されたい。
【0036】
SMSオーバSGsに関して、受信側のMMEは、以下のいずれかが可能である:
− MMEが、S−TMSIおよびセキュリティ・パラメータ(LTEを介するSMS転送のためのNASシグナリングを保護するのに要求される)を取得することができる場合、例えば、そのようなパラメータが不揮発性メモリの中に格納されている場合、SMSのためのページング手順(3GPP TS24.301、条項5.6.2.4)に従うこと、または
− UE(アイドル・モードにある)がEPCに再接続することを強制するようにIMSI(および「PS」に設定されたCNドメイン標識)を有するUEにページングすること。このことは、UEが、プール内の任意のMME(必ずしも同一のMMEではない)に再接続されることにつながり、このことは、同一である可能性が高い(ただし、必ずしも同一ではない)MSCと新たなMMEの間でSGs関連付けを復元することにつながる。その時点から、その後のSMSは成功する。進行中のSMS転送は、失敗する(最初のMSCにおいてページング・タイマが満了する)が、この新たな複合接続手順の後、既存のSMS手順(SMSアラート)がそのSMS転送を再開することを可能にする。
【0037】
一態様において、モバイル通信システムにおいて、MT(モバイル終端)CSサービスを、前記MT CSサービスのためにユーザ機器UEに向けられたページング要求のために連絡がされるべきであると最初に識別された、最初のCNエンティティと呼ばれるPSコア・ネットワークCNエンティティに障害が生じた場合に復元するための方法が提供される。
【0038】
単独で、または組合せで(様々な組合せにより)使用され得る様々な実施形態が提供される。
【0039】
或る実施形態において、前記方法は、
− 前記最初のCNエンティティの代わりに代替のCNエンティティに連絡がされること、および前記UEが前記代替のCNエンティティに知られていない場合でさえ、前記代替のCNエンティティが前記ページング要求を承認するように強制されることを行うステップを含む。
【0040】
或る実施形態において、前記方法は、
− 前記代替のCNエンティティが、この代替のCNエンティティが障害の後に再起動していない場合でさえ、この代替のCNエンティティが障害の後に再起動しているかのように復元手順を実行するように強制されることを行うステップを含む。
【0041】
或る実施形態において、前記最初のCNエンティティおよび代替のCNエンティティは、同一の区域にサービスを提供するCNエンティティのプールに属する。
【0042】
別の態様において、発展型パケット・システムEPSにおけるCSフォールバックおよび/またはSMS over SGsをサポートするシステムにおいて、UEに対するMT CSサービス配信のためのページング要求のために連絡がされるべきであると、UEに関する最初のモビリティ管理エンティティMMEとSGsとの関連付けを有するCSドメイン内のMSC/VLRによって最初に識別された、最初のMMEと呼ばれるEPSにおけるMMEに障害が生じた場合の復元のための方法が提供される。
【0043】
単独で、または組合せで(様々な組合せにより)使用され得る様々な実施形態が提供される。
【0044】
或る実施形態において、前記方法は、
− 前記最初のMMEの代わりに代替のMMEに連絡がされること、および前記UEが前記代替のMMEに知られていない場合でさえ、前記代替のMMEが前記ページング要求を承認するように強制されることを行うステップを含む。
【0045】
或る実施形態において、前記方法は、
− 前記代替のMMEが、この代替のMMEにおけるMMEリセット・パラメータが偽に設定されている場合でさえ、この代替のMMEにおけるMMEリセット・パラメータが真に設定されているかのように前記ページング要求を扱うように強制されることを行うステップを含む。
【0046】
或る実施形態において、前記方法は、
− 通常の動作中、最初のMMEが、MSC/VLRに少なくとも1つの代替のMMEのアイデンティティ情報をシグナリングするステップを含む。
【0047】
或る実施形態において、前記方法は、
− 通常の動作中、最初のMMEが、MSC/VLRに、SGSAPロケーション更新要求の中で少なくとも1つの代替のMMEのアイデンティティ情報をシグナリングするステップを含む。
【0048】
或る実施形態において、前記方法は、
− 通常の動作中、最初のMMEが、MSC/VLRに、SGSAPリセット指示メッセージの中で少なくとも1つの代替のMMEのアイデンティティ情報をシグナリングするステップを含む。
【0049】
或る実施形態において、前記方法は、
− MSC/VLRを、少なくとも1つの代替のMMEのアイデンティティ情報を含むように事前構成するステップを含む。
【0050】
或る実施形態において、前記方法は、
− MSC/VLRが、最初のMMEの障害を、そのMMEに対する利用できる状態にあるSCTP関連付けがもはや存在しないことを検出することによって検出するステップを含む。
【0051】
或る実施形態において、前記方法は、
− 最初のMMEに障害が生じている場合、前記UEに対するMT CSサービス配信を求める要求を受信すると、MSC/VLRが、代替のMMEを選択し、さらにこの選択された代替のMMEにSGSAPページング要求を送信するステップを含む。
【0052】
或る実施形態において、前記方法は、
− 最初のMMEに障害が生じている場合、前記UEに対するMT CSサービス配信を求める要求を受信すると、MSC/VLRが、代替のMMEを選択し、さらにこの選択された代替のMMEにSGSAPページング要求を送信し、前記SGSAPページング要求は、代替のMMEが前記ページング要求を承認するように強制する復元標識フラグを含むステップを含む。
【0053】
或る実施形態において、前記方法は、
− 代替のMMEが前記ページング要求を承認するように強制する復元標識フラグを含むSGSAPページング要求を受信すると、代替のMMEが、この代替のMMEにおけるMMEリセット・パラメータが偽に設定されている場合でさえ、この代替のMMEにおけるMMEリセット・パラメータが真に設定されているかのように前記ページング要求を扱うステップを含む。
【0054】
或る実施形態において、前記方法は、
− 代替のMMEが前記ページング要求を承認するように強制する復元標識フラグを含むSGSAPページング要求を受信すると、代替のMMEが、この代替のMMEにおけるMMEリセット・パラメータの状態にかかわらず、
・ SGsAPページング要求メッセージが、ロケーション区域識別情報要素を含む場合、MMEが、ロケーション区域識別情報要素の中で示されるロケーション区域にマップされ得る、MMEによってサービスが提供されるすべての追跡区域内のUEにページングする、または
・ SGsAPページング要求メッセージが、ロケーション区域識別情報要素を含まない場合、MMEが、MMEによってサービスが提供されるすべての追跡区域内で、またはMMEおよびVLRによってサービスが提供される追跡区域内でページングを行うことが可能である
ように、ページング要求を扱うステップを含む。
【0055】
他の態様は、特に、EPSにおけるCSFBおよび/またはSMS over SGs機能をサポートするMMEおよびMSC/VLR(またはMSCサーバ/VLR)などのMT(モバイル終端)CSサービスのそのような復元を実行するために構成されたCNエンティティに関する。
【0056】
或る実施形態において、MT(モバイル終端)CSサービスのそのような復元を実行するために構成された、モバイル通信システムのためのコア・ネットワーク・エンティティが提供される。
【0057】
或る実施形態において、MT(モバイル終端)CSサービスのそのような復元を実行するために構成された、EPSにおけるCSフォールバックおよび/またはSMS over SGsをサポートするモビリティ管理エンティティMMEが提供される。
【0058】
或る実施形態において、前記MMEは、最初のMMEの役割をして、
− 通常の動作中、MSC/VLRに少なくとも1つの代替のMMEのアイデンティティ情報をシグナリングするために構成される。
【0059】
或る実施形態において、前記MMEは、最初のMMEの役割をして、
− 通常の動作中、MSC/VLRに、SGSAPロケーション更新要求の中で少なくとも1つの代替のMMEのアイデンティティ情報をシグナリングするために構成される。
【0060】
或る実施形態において、前記MMEは、最初のMMEの役割をして、
− 通常の動作中、MSC/VLRに、SGSAPリセット指示メッセージの中で少なくとも1つの代替のMMEのアイデンティティ情報をシグナリングするために構成される。
【0061】
或る実施形態において、前記MMEは、代替のMMEの役割をして、
− 代替のMMEが前記ページング要求を承認するように強制する復元標識フラグを含むSGSAPページング要求を受信すると、この代替のMMEにおけるMMEリセット・パラメータが偽に設定されている場合でさえ、この代替のMMEにおけるMMEリセット・パラメータが真に設定されているかのように前記ページング要求を扱うために構成される。
【0062】
或る実施形態において、前記MMEは、代替のMMEの役割をして、
− 代替のMMEが前記ページング要求を承認するように強制する復元標識フラグを含むSGSAPページング要求を受信すると、この代替のMMEにおけるMMEリセット・パラメータの状態にかかわらず、
・ SGsAPページング要求メッセージが、ロケーション区域識別情報要素を含む場合、MMEが、ロケーション区域識別情報要素の中で示されるロケーション区域にマップされ得る、MMEによってサービスが提供されるすべての追跡区域内のUEにページングする、または
・ SGsAPページング要求メッセージが、ロケーション区域識別情報要素を含まない場合、MMEが、MMEによってサービスが提供されるすべての追跡区域内で、またはMMEおよびVLRによってサービスが提供される追跡区域内でページングを行うことが可能である
ように、ページング要求を扱うために構成される。
【0063】
或る実施形態において、MT(モバイル終端)CSサービスのそのような復元を実行するために構成された、EPSにおけるCSフォールバックおよび/またはSMS over SGsをサポートするMSC/VLRまたはMSCサーバ/VLRが提供される。
【0064】
或る実施形態において、前記MSC/VLRまたはMSCサーバ/VLRは、
前記MSC/VLRを、少なくとも1つの代替のMMEのアイデンティティ情報を含むように事前構成するために構成される。
【0065】
或る実施形態において、前記MSC/VLRまたはMSCサーバ/VLRは、最初のMMEの障害を、そのMMEに対する利用できる状態にあるSCTP関連付けがもはや存在しないことを検出することによって検出するために構成される。
【0066】
或る実施形態において、前記MSC/VLRまたはMSCサーバ/VLRは、
最初のMMEに障害が生じている場合、前記UEに対するMT CSサービス配信を求める要求を受信すると、代替のMMEを選択し、さらにこの選択された代替のMMEにSGSAPページング要求を送信するために構成される。
【0067】
或る実施形態において、前記MSC/VLRまたはMSCサーバ/VLRは、
− 最初のMMEに障害が生じている場合、前記UEに対するMT CSサービス配信を求める要求を受信すると、代替のMMEを選択し、この選択された代替のMMEにSGSAPページング要求を送信し、前記SGSAPページング要求は、代替のMMEが前記ページング要求を承認するように強制する復元標識フラグを含むために構成される。
【0068】
前述したエンティティの詳細な例は、当業者に特別な問題を全くもたらすことなく、したがって、そのようなエンティティが、当業者のために、前述した以上に詳細に開示される必要はない。
【0069】
前述した様々な方法のステップは、プログラミングされたコンピュータによって実行され得ることが、当業者には直ちに認識されよう。本明細書で、一部の実施形態は、マシン可読またはコンピュータ可読であるとともに、命令のマシン実行可能プログラムまたはコンピュータ実行可能プログラムを符号化し、前記命令が、前述した方法のステップのいくつか、またはすべてを実行するプログラム・ストレージ・デバイス、例えば、デジタル・データ記憶媒体を範囲に含むことも意図している。このプログラム・ストレージ・デバイスは、例えば、デジタル・メモリ、磁気ディスクや磁気テープなどの磁気記憶媒体、ハードドライブ、または光学的に読み取り可能なデジタル・データ記憶媒体であることが可能である。また、これらの実施形態は、前述した方法の前記ステップを実行するようにプログラミングされたコンピュータを範囲に含むことも意図している。
図1
図2
図3