特許第6367712号(P6367712)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6367712C型肝炎ウイルス感染の治療のためのベンゾフラン化合物
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6367712
(24)【登録日】2018年7月13日
(45)【発行日】2018年8月1日
(54)【発明の名称】C型肝炎ウイルス感染の治療のためのベンゾフラン化合物
(51)【国際特許分類】
   C07F 5/04 20060101AFI20180723BHJP
   A61K 31/69 20060101ALI20180723BHJP
   A61K 45/00 20060101ALI20180723BHJP
   A61P 1/16 20060101ALI20180723BHJP
   A61P 31/12 20060101ALI20180723BHJP
   A61P 31/14 20060101ALI20180723BHJP
【FI】
   C07F5/04 ZCSP
   C07F5/04 C
   A61K31/69
   A61K45/00
   A61P1/16
   A61P31/12
   A61P31/14
【請求項の数】1
【全頁数】90
(21)【出願番号】特願2014-526090(P2014-526090)
(86)(22)【出願日】2012年8月10日
(65)【公表番号】特表2014-527529(P2014-527529A)
(43)【公表日】2014年10月16日
(86)【国際出願番号】US2012050268
(87)【国際公開番号】WO2013028371
(87)【国際公開日】20130228
【審査請求日】2015年7月27日
【審判番号】不服2016-19245(P2016-19245/J1)
【審判請求日】2016年12月22日
(31)【優先権主張番号】61/525,440
(32)【優先日】2011年8月19日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】61/650,681
(32)【優先日】2012年5月23日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】397009934
【氏名又は名称】グラクソ グループ リミテッド
【氏名又は名称原語表記】GLAXO GROUP LIMITED
(74)【代理人】
【識別番号】100091096
【弁理士】
【氏名又は名称】平木 祐輔
(74)【代理人】
【識別番号】100118773
【弁理士】
【氏名又は名称】藤田 節
(74)【代理人】
【識別番号】100122389
【弁理士】
【氏名又は名称】新井 栄一
(74)【代理人】
【識別番号】100111741
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 夏夫
(72)【発明者】
【氏名】チョン,ペク ヨウク
(72)【発明者】
【氏名】ミラー,ジョン エフ.
(72)【発明者】
【氏名】ピート,アンドリュー ジェイムス
(72)【発明者】
【氏名】ショットウェル,ジョン ブラッド
【合議体】
【審判長】 佐藤 健史
【審判官】 守安 智
【審判官】 冨永 保
(56)【参考文献】
【文献】 特表2006−510736(JP,A)
【文献】 特表2011−512341(JP,A)
【文献】 国際公開第2009/137500(WO,A1)
【文献】 国際公開第2011/050284(WO,A1)
【文献】 国際公開第2009/046098(WO,A1)
【文献】 国際公開第01/02424(WO,A2)
【文献】 国際公開第2013/025992(WO,A1)
【文献】 特表2014−524446(JP,A)
【文献】 Howe, Anita Y. M. et al.,Molecular mechanism of hepatitis C virus replicon variants with reduced susceptibility to a benzofuran inhibitor, HCV−796,Antimicrobial Agents and Chemotherapy (2008), 52(9), 3327−3338
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C07D、A61K
CA(STN)、CASREACT(STN)、REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
以下の構造:
【化1】
で表される化合物の製造方法であって、以下の工程:
(1) 以下の構造:
【化2】
で表される化合物を、N2下、メタノール中無水ZnCl2の存在下で、p-ベンゾキノンと反応させ、以下の構造:
【化3】
で表される化合物を生成する工程;
(2) 工程(1)の生成化合物を、N-メチル-2-ピロリドン中CsCO3の存在下で、N2下、イソプロピルブロミドと反応させ、以下の構造:
【化4】
で表される化合物を生成する工程;
(3) 工程(2)の生成化合物を、CHCl3中硝酸と反応させ、以下の構造:
【化5】
で表される化合物を生成する工程;
(4) 工程(3)の生成化合物を、N2下、CH2Cl2中BCl3と反応させ、以下の構造:
【化6】
で表される化合物を生成する工程;
(5) 工程(4)の生成化合物を、N2下、CH2Cl2中4-(ジメチルアミノ)ピリジンおよびトリエチルアミンおよびトリフルオロメタンスルホン酸無水物(CF3SO2)2Oの存在下で反応させ、以下の構造:
【化7】
で表される化合物を生成する工程;
(6) 工程(5)の生成化合物を、Pd(PPh3)4の存在下で、シクロプロピルボロン酸、KFおよびNaBrと反応させ、以下の構造:
【化8】

で表される化合物を生成する工程;
(7) 工程(6)の生成化合物を、10%Pd/Cおよび水素ガスの存在下で、酢酸エチル中2M HClの中で還元し、以下の構造:
【化9】
で表される化合物を生成する工程;
(8) 工程(7)の生成化合物を、CH2Cl2中トリエチルアミンの存在下で、CH3SO2Clと反応させ、以下の構造:
【化10】
で表される化合物を生成する工程;
(9) 工程(8)の生成化合物を、エタノール/H2O中で、KOHの存在下で加水分解し、以下の構造:
【化11】
で表される化合物を生成する工程;
(10) 工程(9)の生成化合物を、CH2Cl2中で、トリエチルアミンおよび1-[ビス(ジメチルアミノ)メチレン]-1H-1,2,3-トリアゾロ[4,5-b]ピリジニウム3-オキシドヘキサフルオロホスフェート(HATU)の存在下でチルアミンとカップリングし、以下の構造:
【化12】
で表される化合物を生成する工程;
(11) 工程(10)の生成化合物を、ヘキサメチルホスホルアミド(HMPA)中KCO3の存在下で、メチル5-フルオロ-2-ニトロベンゾエートとカップリングし、以下の構造
【化13】
で表される化合物を生成する工程;
(12) 工程(11)の生成化合物を、メタノール中10%Pd/Cおよび水素ガスの存在下で還元し、以下の構造:
【化14】
で表される化合物を生成する工程;
(13) 工程(12)の生成化合物を、CH3CN中N-クロロスクシンイミドと反応させ、以下の構造:
【化15】
で表される化合物を生成する工程;
(14) 工程(13)の生成化合物を、CH3CN中、NaNO2、HBrおよびCuBrと反応させ、以下の構造:
【化16】
で表される化合物を生成する工程;
(15) 工程(14)の生成化合物におけるエステルを、THF中LiBH4およびMeOHにより還元し、以下の構造:
【化17】
で表される化合物を生成する工程;
(16) 工程(15)の生成化合物におけるアルコールを、THF中N,N-ジイソプロピルエチルアミン(DIEA)の存在下で、MOM-Clと反応させ、以下の構造:
【化18】
で表される化合物を生成する工程;
(17) 工程(16)の生成化合物を、PdCl2(dppf)-CH2Cl2およびKOAcの存在下で、1,4-ジオキサン中、以下の構造:
【化19】
で表される化合物と反応させ、以下の構造
【化20】
で表される化合物を生成する工程;
(18) 工程(17)の生成化合物を、THF中HClと反応させ、以下の構造:
【化21】
を有する化合物を生成する工程;
を含む、前記製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、抗ウイルス剤(特にC型肝炎ウイルス(HCV)阻害剤)として有用な化合物、上記化合物を含む医薬組成物、ならびにウイルス感染(例えばHCV感染)およびかかる感染に関連する疾患の治療または予防におけるかかる化合物の使用に関する。
【背景技術】
【0002】
世界中で、HCVによる感染は、ヒト肝臓疾患の主な原因である。HCVの慢性感染症は、慢性肝疾患、肝硬変、肝細胞癌、および肝不全に関連している。HCVは、動物およびヒトに影響を及ぼすRNAウイルスのフラビウイルス科のヘパシウイルス属の一員である。そのゲノムは、およそ9.6-キロ塩基のRNA鎖であり、およそ3000個のアミノ酸のポリプロテインをコードしている1個のオープンリーディングフレーム、5'末端および3'末端の両方でそれに隣接した非翻訳領域(5'-および3'-UTR)からなる。このポリプロテインは、子孫ウイルス粒子の複製および構築に重要な少なくとも10種の別個のウイルスタンパク質の前駆体としての役割を果たす。HCVポリプロテインにおける構造タンパク質および非構造タンパク質の構成は、以下である:C-E1-E2-p7-NS2-NS3-NS4a-NS4b-NS5a-NS5b。HCV感染の病理は、主に肝臓に影響を及ぼすが、このウイルスは、末梢血リンパ球を含む体内の他の細胞型において認められる。
【0003】
HCVは、輸血後肝炎および散発性肝炎の主な原因病原体である。HCVによる感染は、長年臨床症状を経験していない慢性的に感染した、また感染性のキャリアの高い割合において潜在している。世界で推定1億7千万人の慢性キャリアに、肝疾患発症のリスクがある。
【0004】
ウイルス表面抗原の高度な変動性、多くのウイルス遺伝子型の存在、および示される免疫の特異性のために、近い将来の成功裡のワクチンの開発の可能性は低い。α-インターフェロンは、単独でまたはリバビリンと組み合わせて、慢性的HCV感染の治療に広く使用されている。しかしながら、HCVのインターフェロンによる治療には、疲労、発熱、悪寒、頭痛、白血球減少、血小板減少症、精神医学的影響および関連障害、自己免疫現象および関連障害ならびに甲状腺機能異常などの有害な副作用を伴うことが多い。イノシン5’-一リン酸デヒドロゲナーゼ(IMPDH)の阻害剤であるリバビリンは、HCVの治療におけるIFN-αの有効性を高める。リバビリンの導入にもかかわらず、50%を超える患者は、インターフェロン-α(IFN)およびリバビリンの現在の標準的な治療によってはウイルスを除去しない。
【0005】
最近では、ペグインターフェロンの導入により、初期奏効率および持続性奏功率はいずれも改善し、Peg-IFNとリバビリンとの併用治療は、治療のゴールドスタンダードとなっている。しかし、併用治療に伴う副作用は続いている。リバビリンは、現在の推奨量で治療される患者の10〜20%において、著しい溶血を生じ、この薬は、催奇性および胎児毒性がある。さらに、相当数の患者が、ウイルス負荷の持続的低下に反応せず、HCV感染のより効果的な抗ウイルス療法が明らかに必要とされている。
【0006】
このウイルスを根絶するために、多くの方法が追求されている。これらの方法としては、例えば、HCV複製を阻害するための、アンチセンスオリゴヌクレオチドまたはリボザイムの適用が挙げられる。さらにHCVタンパク質を直接阻害しかつウイルス複製を妨害する低分子量化合物は、HCV感染を抑制する魅力的な戦略であると考えられる。ウイルス標的の中で、NS3/4aプロテアーゼ/ヘリカーゼおよびNS5b RNA-依存型RNAポリメラーゼは、新規薬物の最も有望なウイルス標的であると考えられる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上記に基づいて、HCVによる感染を治療するための新たな有効薬物に対する相当な必要性が存在する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、6位においてホウ素含有部分で置換されたベンゾフラン化合物、上記化合物を含む医薬組成物、かかる化合物の合成法および、フラビウイルス感染などのウイルス感染(例えばHCV感染)の治療および/または予防におけるかかる化合物の使用を提供する。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明は、式(I):
【化1】
【0010】
(式中:
Rは、ハロゲン、C1-6アルキル、アルコキシ、-CN、-CF3、ハロゲンで置換されていてもよい-O-C6-10アリール、およびハロゲンで置換されていてもよい-O-ヘテロアリールからなる群から独立に選択され;
R1は、-C(O)OH、-C(O)NHR5またはヘテロシクリルであり;
R2は、C1-6アルキル、C3-6シクロアルキル、-C(H)F2、-CF3、または-OR6であり;
R3は、-S(O)2R7または-C(O)R7であり;
R4は、
(a) B(R8)(R9)、XB(R8)(R9)、OXB(R8(R9)、B-(R8)(R9)(R12)、XB(R8)R9)(R12)、またはヒドロキシもしくはヒドロキシアルキルで置換されていてもよいHetで置換されているヘテロアリールであって;さらにハロゲン、C1-6アルコキシ、-C(H)F2、-CF3、C1-6アルキル、ヒドロキシ、ヒドロキシアルキル、アミノアルキル、-C(O)NH2、-C(O)OH、-C(O)NHR5、-S(O)2R6、-S(O)2NH2、-CN、-OCF3、-OR6、-NR10R11、-NHC(O)R10、C3-6シクロアルキル、およびヘテロシクリルからなる群から独立に選択される1個以上の置換基で置換されていてもよいヘテロアリール;
(b) B(R8)(R9)、XB(R8)(R9)、OXB(R8(R9)、B-(R8)(R9)(R12)、XB(R8)R9)(R12)、またはヒドロキシもしくはヒドロキシアルキルで置換されていてもよいHetで置換されているC6-10アリールであって;さらにハロゲン、C1-6アルコキシ、-C(H)F2、-CF3、C1-6アルキル、ヒドロキシ、ヒドロキシアルキル、アミノアルキル、-C(O)NH2、-C(O)OH、-C(O)NHR5、-S(O)2R6、-S(O)2NH2、-CN、-OCF3、-OR6、-NR10R11、-NHC(O)R10、C3-6シクロアルキル、およびヘテロシクリルからなる群から独立に選択される1個以上の置換基で置換されていてもよいC6-10アリール;あるいは
(c) ハロゲン、C1-6アルコキシ、-C(H)F2、-CF3、C1-6アルキル、ヒドロキシ、ヒドロキシアルキル、アミノアルキル、-C(O)NH2、-C(O)OH、-C(O)NHR5、-S(O)2R6、-S(O)2NH2、-CN、-OCF3、-OR6、-NR10R11、-NHC(O)R10、C3-6シクロアルキル、およびヘテロシクリルからなる群から独立に選択される1個以上の置換基で置換されていてもよいHetであり;
Hetは、5もしくは6員の単環式複素環または8〜11員の二環式複素環系であり、その任意の環は、飽和、部分飽和または不飽和のいずれかであり、単環の場合には任意にベンゾ縮合していてもよく、または任意にスピロ縮合していてもよく、ここで各Hetは、1個以上の炭素原子および1個のホウ素原子および1個以上の酸素原子;1個のホウ素原子、1個の酸素原子、および1個の窒素原子;または1個のホウ素原子および1個以上の窒素原子からなり、
R5は、水素、C1-6アルキル、ヒドロキシ、または-OR6であり;
R6は、C1-6アルキルまたはC3-6シクロアルキルであり;
R7は、C1-6アルキル、ヒドロキシアルキル、またはアミノアルキルであり、
R8、R9、およびR12は、それぞれ独立に、ヒドロキシ、アルコキシ、またはアミノアルキルであり;またはR8およびR9もしくはR8、R9、およびR12は、それらが結合するホウ素原子と一緒になって5〜14員環を形成し、該環は、炭素原子および場合によりNまたはOであってよい1個以上のヘテロ原子を含み;該環は、C1-6アルキル、ヒドロキシアルキル、アミノアルキル、アミノ、オキソ、C(O)OH、C(O)OXOR13、C(O)N(R10)(R11)、N(R10)(R11)、およびC3-6シクロアルキル(これらはそれぞれ、ヒドロキシ、アミノ、ハロゲン、C(O)OH、C(O)N(R10)(R11)、およびN(R10)(R11)からなる群から独立に選択される1個以上の置換基で場合により置換されていてもよい)からなる群から独立に選択される1個以上の置換基で場合により置換されていてもよく;
R10およびR11は、それぞれ独立に、水素またはC1-6アルキルであり;
R13は、アルコキシであり;
Xは、アルキレンまたは-Oアルキレンであり、ここでアルキレンは、ハロゲン、C1-6アルコキシ、-C(H)F2、-CF3、C1-6アルキル、ヒドロキシ、ヒドロキシアルキル、アミノアルキル、-C(O)NH2、-C(O)OH、-C(O)NHR5、-S(O)2R6、-S(O)2NH2、-CN、-OCF3、-OR6、-NR10R11、-NHC(O)R10およびC3-6シクロアルキルからなる群から独立に選択される1個以上の置換基で置換されていてもよく;
mは、1、2、または3である)
で表される化合物またはその製薬上許容される塩を提供する。
【0011】
「アルキル」という用語は、別段に指定されていない限り、1〜6個の炭素原子を含む直鎖または分岐の炭化水素鎖を指す。例えば、C1-6アルキルは、少なくとも1個および多くとも6個の炭素原子を含む直鎖または分岐のアルキルを意味する。本明細書で使用される「アルキル」の例としては、限定するものではないが、メチル、エチル、n-プロピル、n-ブチル、n-ペンチル、n-ヘキシル、イソブチル、イソプロピル、t-ブチルおよび1,1-ジメチルプロピルが挙げられる。
【0012】
「アルキレン」という用語は、別段に指定されていない限り、好ましくは1個から10個の炭素原子を有する直鎖または分岐鎖の二価の炭化水素基を指す。本明細書で使用される「アルキレン」の例としては、限定するものではないが、メチレン、エチレン、n-プロピレンおよびn-ブチレンなどが挙げられる。
【0013】
「アルコキシ」という用語は、指定数の炭素原子を含有する直鎖または分岐鎖のアルコキシ基を指す。例えば、C1-6アルコキシは、少なくとも1個および多くとも6個の炭素原子を含む直鎖または分岐鎖のアルコキシ基を意味する。本明細書で使用される「アルコキシ」の例としては、限定するものではないが、メトキシ、エトキシ、プロパ-1-オキシ、プロパ-2-オキシ、ブタ-1-オキシ、ブタ-2-オキシ、2-メチルプロパ-1-オキシ、2-メチルプロパ-2-オキシ、ペントキシおよびヘキシルオキシが挙げられる。
【0014】
「ハロゲン」または「ハロ」という用語は、フッ素(フルオロ、F)、塩素(クロロ、Cl)、臭素(ブロモ、Br)またはヨウ素(ヨード、I)原子を指す。
【0015】
「ヒドロキシ」という用語は、式OHで表される基または置換基を指す。
【0016】
「シクロアルキル」という用語は、(別段の指定がない限り)3個〜6個の炭素環原子を含む飽和環状基を指す。例としては、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチルおよびシクロヘキシルが挙げられる。
【0017】
「アリール」という用語は、指定数の炭素原子、特に6〜10個の炭素原子を含有する炭素環芳香族部分(例えばフェニルまたはナフチル)を指す。アリール基の例としては、限定するものではないが、フェニル、ナフチル、インデニル、アズレニル、フルオレニル、アントラセニル、フェナントレニル、テトラヒドロナフチル、インダニル、フェナントリジニルなどが挙げられる。別段に示されない限り、「アリール」という用語には、1-ナフチル、2-ナフチル、5-テトラヒドロナフチル、6-テトラヒドロナフチル、1-フェナントリジニル、2-フェナントリジニル、3-フェナントリジニル、4-フェナントリジニル、7-フェナントリジニル、8-フェナントリジニル、9-フェナントリジニルおよび10-フェナントリジニルなどの芳香族炭化水素基の各々可能な位置異性体も含まれる。アリール基の例としては、限定するものではないが、フェニル、ナフチル、インデニル、アズレニル、フルオレニル、アントラセニル、フェナントレニル、テトラヒドロナフチル、インダニル、フェナントリジニルなどが挙げられる。
【0018】
用語「ヘテロアリール」は、1個以上(好ましくは1〜4個)の環炭素がそれぞれN、O、およびSなどのヘテロ原子で置換されている、5〜20個の炭素原子(好ましくは5〜10個の炭素原子)を含有する、5、6、8、9もしくは10員の炭素環式もしくは二環式芳香族の単環式または多環式の環基を指す。好ましいヘテロアリール基としては、5〜6員の単環式ヘテロアリールおよび8〜10員の二環式ヘテロアリールが挙げられる。また、この用語の範囲内には、非芳香族ヘテロ原子含有環が1個以上の芳香族環に縮合している基(例えばインドリニル、クロマニル、フェナントリジニルまたはテトラヒドロ-キノリニル)も含まれ、ここでこの基または結合点はこの非芳香族ヘテロ原子含有環上にある。ヘテロアリール部分としては、限定するものではないが、ピリジン、ピラジン、チアゾール、チオフェン、オキサジアゾール、オキサゾール、ピリミジン、ピリダジン、トリアゾール、テトラゾール、ベンゾジオキソール、ベンゾフラン、ベンゾジオキシン、インドール、ベンズイミダゾール、ベンゾフラン、インドール、インダゾール、イソインドール、ベンゾチオフェン、ベンゾチアゾール、ベンゾオキサゾール、ベンゾイソオキサゾール、ベンゾイソチアゾール、ベンゾトリアゾール、フロピリジン、フロピリミジン、フロピリダジン、フロピラジン、フロトリアジン、ピロロピリジン、ピロロピリミジン、ピロロピリダジン、ピロロピラジン、ピロロトリアジン、チエノピリジン、チエノピリミジン、チエノピリダジン、チエノピラジン、チエノトリアジン、チアゾロピリジン、チアゾロピリミジン、チアゾロピリダジン、チアゾロピラジン、チアゾロトリアジン、オキサゾロピリジン、オキサゾロピリミジン、オキサゾロピリダジン、オキサゾロピラジン、オキサゾロトリアジン、イミダゾピリジン、イミダゾピリミジン、イミダゾピリダジン、イミダゾピラジン、イミダゾトリアジン、ピラゾロピリジン、ピラゾロピリミジン、ピラゾロピリダジン、ピラゾロピラジン、ピラゾロトリアジン、トリアゾロピリジン、トリアゾロピリミジン、トリアゾロピリダジン、トリアゾロピラジン、キノリン、ナフチリジン、キノキサリン、キナゾリン、イソキノリン、シンノリン、ピリドピリダジン、ピリドピリミジン、ピリドピラジン、ピラジノピラジン、プテリジン、ピラジノピリダジン、ピリミドピリダジン、ピリミドピリミジン、イミダゾチアゾールおよびチアゾロオキサゾールが挙げられる。上記のヘテロアリール基の全ての異性体は、本発明の範囲内である。各ヘテロアリール基は、任意の環炭素において結合していてよく、または窒素が5員環の一部である場合、窒素を通して結合していてよい。
【0019】
用語「ヘテロ原子」は、窒素、酸素、または硫黄を意味し、任意の酸化型の窒素(例えばN(O) {N+-O-})および硫黄(例えばS(O)およびS(O)2)ならびに四級化型の任意の塩基性窒素を含む。
【0020】
用語「Het」は、5もしくは6員の単環式複素環または8〜11員の二環式複素環系を指し、その任意の環は、飽和、部分飽和または不飽和のいずれかであり、単環の場合には任意にベンゾ縮合していてもよく、または任意にスピロ縮合していてもよく、各Hetは、1個以上の炭素原子および1個のホウ素原子および1個以上の酸素原子;1個のホウ素原子、1個の酸素原子、および1個の窒素原子;または1個のホウ素原子および1個以上の窒素原子からなる。Hetは、任意の炭素原子またはN原子において結合していてよいが、但しこの結合は安定な構造の生成をもたらす。Hetが置換基を有する場合、この置換基は環中の任意の原子に結合し得るが、但し安定な化学構造がもたらされることが理解される。好ましいHetは、オキサボロラニル、ベンゾオキサボロリル、およびジヒドロベンゾオキサボロリルである。
【0021】
用語「ヘテロシクリル」は、飽和、部分飽和または不飽和のいずれかである、3〜7員の単環式複素環を指す。各ヘテロシクリルは、1個以上の炭素原子および1個以上の酸素、窒素または硫黄原子からなる。このヘテロシクリルは、任意の炭素またはN原子において結合していてよいが、但しこの結合は安定な構造の生成をもたらす。ヘテロシクリルが置換基を有する場合、この置換基は、環中の任意の原子に結合し得るが、但し安定な化学構造がもたらされることが理解される。好ましいヘテロシクリルは、イミダゾリルである。
【0022】
本発明は、Rが1個または2個のハロゲンである、上記の式(I)の化合物を特徴とする。
【0023】
本発明は、R1が-C(O)NHR5である、上記の式(I)の化合物を特徴とする。
【0024】
本発明は、R2がC3-6シクロアルキルである、上記の式(I)の化合物を特徴とする。
【0025】
本発明は、R3が-S(O)2R7(ここでR7はC1-6アルキルである)である、上記の式(I)の化合物を特徴とする。
【0026】
本発明は、R4が、B(R8)(R9)(ここでR8およびR9はいずれもヒドロキシである)で置換されており、さらにハロゲン、-CN、-C(H)F2および-CF3からなる群から独立に選択される1個以上の置換基で置換されていてもよいC6-10アリールである、上記の式(I)の化合物を特徴とする。
【0027】
本発明は、R4がB(R8)(R9)(ここでR8およびR9はいずれもヒドロキシである)で置換されており、さらにハロゲン、-CN、-C(H)F2および-CF3からなる群から独立に選択される1個以上の置換基で置換されていてもよいヘテロアリールである、上記の式(I)の化合物を特徴とする。
【0028】
本発明は、R5がC1-6アルキルである、上記の式(I)の化合物を特徴とする。
【0029】
本発明は、R6がC1-6アルキルである、上記の式(I)の化合物を特徴とする。
【0030】
本発明は、R7がC1-6アルキルである、上記の式(I)の化合物を特徴とする。
【0031】
本発明は、mが1である、上記の式(I)の化合物を特徴とする。
【0032】
本発明は、Xがアルキレンである、上記の式(I)の化合物を特徴とする。
【0033】
本発明は、Rがハロゲンであり;mが1であり;R1が-C(O)NHR5(ここでR5はC1-6アルキルである)であり;R2がC3-6シクロアルキルであり;R3が-S(O)2R7(ここでR7はC1-6アルキルである)であり、且つR4が、B(R8)(R9)またはX(R8)(R9)(ここでR8およびR9はいずれもヒドロキシである)で置換されているC6-10アリールであり;ここでC6-10アリールは、ハロゲン、-CN、-C(H)F2および-CF3からなる群から独立に選択される1個以上の置換基で置換されていてもよい、式(I)の化合物を特徴とする。
【0034】
本発明は、Rがハロゲンであり;mが1であり;R1が-C(O)NHR5(ここでR5はC1-6アルキルである)であり;R2がC3-6シクロアルキルであり;R3が-S(O)2R7(ここでR7はC1-6アルキルである)であり、且つR4が、B(R8)(R9)またはX(R8)(R9)(ここでR8およびR9はいずれもヒドロキシである)で置換されているヘテロアリールであり、ここでヘテロアリールは、ハロゲン、-CN、-C(H)F2および-CF3からなる群から独立に選択される1個以上の置換基で置換されていてもよい、式(I)の化合物を特徴とする。
【0035】
本発明は、Rがハロゲンであり;mが1であり;R1が-C(O)NHR5(ここでR5はC1-6アルキルである)であり;R2がC3-6シクロアルキルであり;R3が-S(O)2R7(ここでR7はC1-6アルキルである)であり、且つR4が、ハロゲン、ヒドロキシ、-CN、およびオキソからなる群から独立に選択される1個以上の置換基で置換されているHetである、式(I)の化合物を特徴とする。
【0036】
本発明は、Rがハロゲンであり;mが1であり;R1が-C(O)NHR5(ここでR5はC1-6アルキルである)であり;R2がC3-6シクロアルキルであり;R3が-S(O)2R7(ここでR7はC1-6アルキルである)であり、且つR4が、ハロゲン、ヒドロキシル、および-CNからなる群から独立に選択される1個以上の置換基で置換されているHetである、式(I)の化合物を特徴とする。
【0037】
また本発明は、式(I)':
【化2】
【0038】
(式中:
Rは、FまたはClであり;
R1は、-C(O)NHR5であり;
R2は、C3-6シクロアルキルであり;
R3は、-S(O)2R7であり;
R4は、
(a) B(R8)(R9)またはXB(R8)(R9)で置換され、さらにハロゲン、C1-6アルコキシ、-C(H)F2、-CF3、C1-6アルキル、ヒドロキシ、ヒドロキシアルキル、アミノアルキル、-C(O)NH2、-C(O)OH、-C(O)NHR5、-S(O)2R6、-S(O)2NH2、-CN、-OCF3、-OR6、-NR10R11、-NHC(O)R10、C3-6シクロアルキル、およびヘテロシクリルからなる群から独立に選択される1個以上の置換基で置換されていてもよいヘテロアリール;
(b) B(R8)(R9)またはXB(R8)(R9)で置換され、さらにハロゲン、C1-6アルコキシ、-C(H)F2、-CF3、C1-6アルキル、ヒドロキシ、ヒドロキシアルキル、アミノアルキル、-C(O)NH2、-C(O)OH、-C(O)NHR5、-S(O)2R6、-S(O)2NH2、-CN、-OCF3、-OR6、-NR10R11、-NHC(O)R10、C3-6シクロアルキルおよびヘテロシクリルからなる群から独立に選択される1個以上の置換基で置換されていてもよいC6-10アリール;または
(c) ハロゲン、C1-6アルコキシ、-C(H)F2、-CF3、C1-6アルキル、ヒドロキシ、ヒドロキシアルキル、アミノアルキル、-C(O)NH2、-C(O)OH、-C(O)NHR5、-S(O)2R6、-S(O)2NH2、-CN、-OCF3、-OR6、-NR10R11、-NHC(O)R10、C3-6シクロアルキル、およびヘテロシクリルからなる群から独立に選択される1個以上の置換基で置換されていてもよいHetであり;
Hetは、5もしくは6員の単環式複素環または8〜11員の二環式複素環系であり、その任意の環は、飽和、部分飽和または不飽和のいずれかであり、単環の場合には任意にベンゾ縮合していてもよく、または任意にスピロ縮合していてもよく、ここで各Hetは、1個以上の炭素原子および1個のホウ素原子および1個以上の酸素原子;1個のホウ素原子、1個の酸素原子、および1個の窒素原子;または1個のホウ素原子および1個以上の窒素原子からなり、
R5は、C1-6アルキルであり;
R6は、C1-6アルキルまたはC3-6シクロアルキルであり;
R7は、C1-6アルキル、ヒドロキシアルキル、またはアミノアルキルであり、
R8およびR9は、それぞれ独立に、ヒドロキシ、アルコキシ、またはアミノアルキルであり;またはR8およびR9は、それらが結合するホウ素原子と一緒になって5〜14員環を形成し、該環は、炭素原子および場合によりNまたはOであってよい1個以上のヘテロ原子を含み;該環は、C1-6アルキル、ヒドロキシアルキル、アミノアルキル、アミノ、オキソ、C(O)OH、C(O)OXOR13、C(O)N(R10)(R11)、N(R10)(R11)、およびC3-6シクロアルキル(これらはそれぞれ、ヒドロキシ、アミノ、ハロゲン、C(O)OH、C(O)N(R10)(R11)、およびN(R10)(R11)からなる群から独立に選択される1個以上の置換基で場合により置換されていてもよい)からなる群から独立に選択される1個以上の置換基で場合により置換されていてもよく;
R10およびR11は、それぞれ独立に、水素またはC1-6アルキルであり;
R13は、アルコキシであり;
Xは、アルキレンまたは-O-アルキレンであり、ここでアルキレンは、ハロゲン、C1-6アルコキシ、-C(H)F2、-CF3、C1-6アルキル、ヒドロキシ、ヒドロキシアルキル、アミノアルキル、-C(O)NH2、-C(O)OH、-C(O)NHR5、-S(O)2R6、-S(O)2NH2、-CN、-OCF3、-OR6、-NR10R11、-NHC(O)R10およびC3-6シクロアルキルからなる群から独立に選択される1個以上の置換基で置換されていてもよい)
で表される化合物またはその製薬上許容される塩も提供する。
【0039】
本発明は、R4が、B(R8)(R9)またはXB(R8)(R9)(ここでR8およびR9はそれぞれ独立して、ヒドロキシ、アルコキシ、またはアミノアルキルである)で置換されているヘテロアリールであり;ここでヘテロアリールは、ハロゲン、-CN、-C(H)F2、および-CF3からなる群から独立に選択される1個以上の置換基で置換されていてもよい、上記の式(I)'の化合物を特徴とする。
【0040】
本発明は、R4が、B(R8)(R9)またはXB(R8)(R9)(ここでR8およびR9はそれぞれ独立して、ヒドロキシ、アルコキシ、またはアミノアルキルである)で置換されているC6-10アリールであり;ここでC6-10アリールは、ハロゲン、-CN、-C(H)F2および-CF3からなる群から独立に選択される1個以上の置換基で置換されていてもよい、上記の式(I)'の化合物を特徴とする。
【0041】
本発明は、R4が、ハロゲン、C1-6アルコキシ、-C(H)F2、-CF3、C1-6アルキル、ヒドロキシ、ヒドロキシアルキル、アミノアルキル、-C(O)NH2、-C(O)OH、-C(O)NHR5、-S(O)2R6、-S(O)2NH2、-CN、-OCF3、-OR6、-NR10R11、-NHC(O)R10、C3-6シクロアルキル、およびヘテロシクリルからなる群から独立に選択される1個以上の置換基で置換されていてもよいHetであり;ここでHetは、5もしくは6員の単環式複素環または8〜11員の二環式複素環系であり、その任意の環は、飽和、部分飽和または不飽和のいずれかであり、ここで各Hetは、1個以上の炭素原子および1個のホウ素原子および1個以上の酸素原子;1個のホウ素原子、1個の酸素原子、および1個の窒素原子;または1個のホウ素原子および1個以上の窒素原子からなる、上記の式(I)'の化合物を特徴とする。
【0042】
本発明は、R4が、ハロゲン、C1-6アルコキシ、-C(H)F2、-CF3、C1-6アルキル、ヒドロキシ、ヒドロキシアルキルおよびアミノアルキルからなる群から独立に選択される1個以上の置換基で置換されていてよいHetである、上記の式(I)'の化合物を特徴とする。
【0043】
本発明は、R6がC1-6アルキルである、上記の式(I)'の化合物を特徴とする。
【0044】
本発明は、R7がC1-6アルキルである、上記の式(I)'の化合物を特徴とする。
【0045】
本発明は、R8およびR9がそれぞれ独立にヒドロキシである、上記の式(I)'の化合物を特徴とする。
【0046】
本発明は、Xがアルキレンである、上記の式(I)'の化合物を特徴とする。
【0047】
本発明は、R8およびR9が、それらが結合するホウ素原子と一緒になって5〜8員環を形成し;該環は、炭素原子および1個以上の酸素原子を含む、式(I)または(I)'の化合物を特徴とする。このような5〜8員環としては、ピナンジオール、ピナコール、ペルフルオロピナコール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、カテコール、1,2,-シクロヘキサンジオール、1,3-プロパンジオール、2,3,-ブタンジオール、1,2,-ブタンジオール、1,4-ブタンジオール、グリセロールおよびジエタノールアミンから形成されるものが挙げられる。
【0048】
本発明は、以下:
(2-クロロ-4-(N-(5-シクロプロピル-2-(4-フルオロフェニル)-3-(メチルカルバモイル)ベンゾフラン-6-イル)メチルスルホンアミド)フェニル)ボロン酸;
(2-クロロ-4-(N-(2-(4-クロロフェニル)-5-シクロプロピル-3-(メチルカルバモイル)ベンゾフラン-6-イル)メチルスルホンアミド)フェニル)ボロン酸;
4-(N-(5-シクロプロピル-2-(4-フルオロフェニル)-3-(メチルカルバモイル)ベンゾフラン-6-イル)メチルスルホンアミド)フェニルボロン酸;
3-(N-(5-シクロプロピル-2-(4-フルオロフェニル)-3-(メチルカルバモイル)ベンゾフラン-6-イル)メチルスルホンアミド)フェニルボロン酸;
4-(N-(5-シクロプロピル-2-(4-フルオロフェニル)-3-(メチルカルバモイル)ベンゾフラン-6-イル)メチルスルホンアミド)-2-フルオロフェニルボロン酸;
4-(N-(5-シクロプロピル-2-(4-フルオロフェニル)-3-(メチルカルバモイル)ベンゾフラン-6-イル)メチルスルホンアミド)-3-フルオロフェニルボロン酸;
4-(N-(2-(4-クロロフェニル)-5-シクロプロピル-3-(メチルカルバモイル)ベンゾフラン-6-イル)メチルスルホンアミド)-2-フルオロフェニルボロン酸;
6-(N-(5-シクロプロピル-2-(4-フルオロフェニル)-3-(メチルカルバモイル)ベンゾフラン-6-イル)メチルスルホンアミド)ピリジン-3-イルボロン酸;
(4-(N-(5-シクロプロピル-2-(4-フルオロフェニル)-3-(メチルカルバモイル)ベンゾフラン-6-イル)メチルスルホンアミド)-2-(ジフルオロメチル)フェニル)ボロン酸;
(4-(N-(5-シクロプロピル-2-(4-フルオロフェニル)-3-(メチルカルバモイル)ベンゾフラン-6-イル)メチルスルホンアミド)-2-(トリフルオロメチル)フェニル)ボロン酸;
(4-(N-(5-シクロプロピル-2-(4-フルオロフェニル)-3-(メチルカルバモイル)ベンゾフラン-6-イル)メチルスルホンアミド)-2,6-ジフルオロフェニル)ボロン酸;
(2-シアノ-4-(N-(5-シクロプロピル-2-(4-フルオロフェニル)-3-(メチルカルバモイル)ベンゾフラン-6-イル)メチルスルホンアミド)フェニル)ボロン酸
6-(N-(4-ボロノ-3-クロロフェニル)メチルスルホンアミド)-2-(4-クロロフェニル)-5-シクロプロピルベンゾフラン-3-カルボン酸;
(4-(N-(3-カルバモイル-2-(4-クロロフェニル)-5-シクロプロピルベンゾフラン-6-イル)メチルスルホンアミド)-2-クロロフェニル)ボロン酸;
6-(N-(7-クロロ-1-ヒドロキシ-1,3-ジヒドロベンゾ[c][1,2]オキサボロール-5-イル)メチルスルホンアミド)-5-シクロプロピル-2-(4-フルオロフェニル)-N-メチルベンゾフラン-3-カルボキサミド;
(4-(N-(5-シクロプロピル-2-(4-フルオロフェニル)-3-(メチルカルバモイル)ベンゾフラン-6-イル)メチルスルホンアミド)-2-(メチルスルホニル)フェニル)ボロン酸;
1-(2-クロロ-4-(N-(5-シクロプロピル-2-(4-フルオロフェニル)-3-(メチルカルバモイル)ベンゾフラン-6-イル)メチルスルホンアミド)フェニル)-4-メチル-2,6,7-トリオキサ-1-ボラビシクロ[2.2.2]オクタン-1-ウイド;
((4-(N-(5-シクロプロピル-2-(4-フルオロフェニル)-3-(メチルカルバモイル)ベンゾフラン-6-イル)メチルスルホンアミド)フェノキシ)メチル)ボロン酸;
((2-クロロ-4-(N-(5-シクロプロピル-2-(4-フルオロフェニル)-3-(メチルカルバモイル)ベンゾフラン-6-イル)メチルスルホンアミド)フェノキシ)メチル)ボロン酸;
5-シクロプロピル-2-(4-フルオロフェニル)-6-(N-(1-ヒドロキシ-1,3-ジヒドロベンゾ[c][1,2]オキサボロール-5-イル)メチルスルホンアミド)-N-メチルベンゾフラン-3-カルボキサミド;
(4-(N-(2-(4-クロロフェニル)-5-シクロプロピル-3-(メチルカルバモイル)ベンゾフラン-6-イル)メチルスルホンアミド)-2-シアノフェニル)ボロン酸;
5-シクロプロピル-2-(4-フルオロフェニル)-N-メチル-6-(N-(3-メチル-4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)フェニル)メチルスルホンアミド)ベンゾフラン-3-カルボキサミド;
(2-クロロ-4-(N-(5-シクロプロピル-2-(4-フルオロフェニル)-3-(メチルカルバモイル)ベンゾフラン-6-イル)メチルスルホンアミド)フェネチル)ボロン酸;
5-シクロプロピル-6-(N-(7-フルオロ-1-ヒドロキシ-1,3-ジヒドロベンゾ[c][1,2]オキサボロール-5-イル)メチルスルホンアミド)-2-(4-フルオロフェニル)-N-メチルベンゾフラン-3-カルボキサミド;
6-(N-(3-クロロ-4-(2-ヒドロキシ-1,2-オキサボロラン-4-イル)フェニル)メチルスルホンアミド)-5-シクロプロピル-2-(4-フルオロフェニル)-N-メチルベンゾフラン-3-カルボキサミド;
(3-(N-(5-シクロプロピル-2-(4-フルオロフェニル)-3-(メチルカルバモイル)ベンゾフラン-6-イル)メチルスルホンアミド)フェネチル)ボロン酸;
6-(N-(3-クロロ-4-(2-ヒドロキシ-1,2-オキサボロラン-5-イル)フェニル)メチルスルホンアミド)-5-シクロプロピル-2-(4-フルオロフェニル)-N-メチルベンゾフラン-3-カルボキサミド;
6-(N-(3-クロロ-4-(2-ヒドロキシ-1,2-オキサボロラン-5-イル)フェニル)メチルスルホンアミド)-5-シクロプロピル-2-(4-フルオロフェニル)-N-メチルベンゾフラン-3-カルボキサミド、エナンチオマー1;
6-(N-(3-クロロ-4-(2-ヒドロキシ-1,2-オキサボロラン-5-イル)フェニル)メチルスルホンアミド)-5-シクロプロピル-2-(4-フルオロフェニル)-N-メチルベンゾフラン-3-カルボキサミド、エナンチオマー2;
5-シクロプロピル-2-(4-フルオロフェニル)-6-(N-(1-ヒドロキシ-3,4-ジヒドロ-1H-ベンゾ[c][1,2]オキサボリニン-6-イル)メチルスルホンアミド)-N-メチルベンゾフラン-3-カルボキサミド;
からなる群から選択される化合物およびその製薬上許容される塩を特徴とする。
【0049】
ホウ素含有環がスルホンアミドに直接連結されている式(I)および(I)'の化合物は、PCT/US2011/024822(WO2011/103063)およびPCT/US2011/024824(WO2012/067663)の、ホウ素含有環がアルキレンリンカーを介して連結されている化合物と比較して、高められた代謝安定性を示す。ラット、イヌ、およびサルにおける比較薬物動態研究は、クリアランスが著しく改善されたことを示した(表2)。
【0050】
式(I)および(I)'の特定の化合物は、立体異性体形態で存在することができる(例えば、それらは1個以上の不斉炭素原子を含み得る)。個々の立体異性体(エナンチオマーおよびジアステレオマー)ならびにこれらの混合物は本発明の範囲内に含まれる。本発明は、式(I)および(I)'の化合物の配座異性体、ならびに上記化合物の任意の幾何学的(シスおよび/またはトランス)異性体にも及ぶ。ラセミ化合物は、調製HPLCおよびキラル固定相を有するカラムを用いて分離してもよいし、または当業者等に公知の方法を利用して個々のエナンチオマーを得るよう分割してもよい。さらに、キラル中間体化合物は、分割して本発明のキラル化合物を調製するために使用することができる。
【0051】
式(I)および(I)'の化合物のジアステレオ異性体混合物は、文献において周知の方法(例えば調製HPLCまたはクロマトグラフィー精製)に従って分離することができる。ラセミ化合物は、調製HPLCおよびキラル固定相を有するカラムを用いて分離してもよいし、または当業者等に公知の方法を利用して個々のエナンチオマーを得るよう分割してもよい。さらに、キラル中間体化合物は、分割して本発明のキラル化合物を調製するために使用することができる。
【0052】
式(I)および(I)'の化合物は、その式に示されているもの以外の互変異性体形態で存在することができ、これらも本発明の範囲内に含まれることが理解されよう。
【0053】
また、多形体およびそれらの混合物として存在する本発明の化合物が本発明の範囲内であることも認められよう。
【0054】
同位体(例えば重水素、すなわち2H)による置換は、より高い代謝安定性から生じる特定の治療上の利点(例えば、半減期の増加または必要用量の低下)をもたらし得るため、状況次第で選択し得る。
【0055】
また本発明は、式(I)もしくは(I)'の化合物またはその製薬上許容される塩も特徴とする。本明細書において使用される「製薬上許容される」という用語は、医薬用途に適した化合物を意味する。「製薬上許容される」という用語は、患者に投与するための医薬組成物に含めることができる成分に関連して用いられる場合、この成分が、その医薬組成物に存在する任意の他の成分と適合するという意味において許容可能であり、且つそのレシピエントに対して有害ではないことを指す。
【0056】
医薬における使用に適した式(I)および(I)'の化合物の塩は、その対イオンが製薬上許容される塩である。しかしながら、例えば、式(I)または(I)'の他の化合物およびそれらの製薬上許容される塩の調製における中間体として使用するための、製薬上許容されない対イオンを有する塩は、本発明の範囲内である。医薬における使用のため、式(I)および(I)'の塩が、生理学的に(すなわり製薬上)許容可能でなければならないことも認められよう。
【0057】
本発明の化合物は、それらの遊離塩基または、それらの製薬上許容される塩、製薬上許容される溶媒和物もしくは製薬上許容されるエステルの形態であってよい。
【0058】
また本発明には、製薬上許容される塩の複合体も包含される。また本発明は、式(I)および(I)'の化合物の製薬上許容される塩も網羅する。本明細書において使用される「製薬上許容される塩」という用語は、主題化合物の所望の生物学的活性を保持するとともに最小限の望ましくない毒性効果を示す塩を指す。好適な塩の概説には、Bergeら、J.Pharm.Sci.、1977、66、1〜19を参照されたい。「製薬上許容される塩」という用語には、製薬上許容される酸付加塩および製薬上許容される塩基付加塩の両方が含まれる。これらの製薬上許容される塩は、本化合物の最終的な単離および精製の間にin situで調製してもよく、または遊離酸形態もしくは遊離塩基形態の精製された化合物を、それぞれ好適な塩基または酸と別々に反応させることによって調製してもよい。この塩は、溶液から沈殿させて濾過によって収集してもよいし、または溶媒を蒸発させることによって回収してもよい。
【0059】
従って、さらなる態様によれば、本発明は、式(I)または(I)'の化合物の製薬上許容される塩およびその実施形態を提供する。
【0060】
特定の実施形態において、式(I)または(I)'の化合物は酸性官能基を含んでいてよく、このため好適な塩基で処理することによって製薬上許容される塩基付加塩を形成することができる。製薬上許容される塩基付加塩は、場合により有機溶媒などの好適な溶媒中で、式(I)または(I)'の化合物と好適な強塩基とを反応させて塩基付加塩を得ることによって形成することが可能であり、この塩基付加塩は、例えば結晶化および濾過によって単離することができる。製薬上許容される塩基塩としては、アンモニウム塩(例えば、アンモニウム塩またはテトラアルキルアンモニウム塩)、金属塩、例えばアルカリ金属もしくはアルカリ土類金属の塩(例えば、水酸化物塩、ナトリウム塩、カリウム塩、カルシウム塩もしくはマグネシウム塩)、有機アミン(例えば、トリス[トロメタミンもしくはトリス(ヒドロキシメチル)アミノメタンとしても公知]、エタノールアミン、ジエチルアミン、トリエタノールアミン、コリン、イソプロピルアミン、ジシクロヘキシルアミンもしくはN-メチル-D-グルカミン)、カチオン性アミノ酸(例えば、アルギニン、リジンもしくはヒスチジン)または不溶性塩の塩基(例えば、プロカインもしくはベンザチン)が挙げられる。
【0061】
特定の実施形態において、式(I)または(I)'による化合物は塩基性官能基を含んでいてよく、このため好適な酸を用いた処理によって製薬上許容される酸付加塩を形成することができる。製薬上許容される酸付加塩は、式(I)または(I)'の化合物と、好適な強無機酸(臭化水素酸、塩酸、硫酸、硝酸、リン酸もしくは過塩素酸など)または好適な強有機酸、例えば、スルホン酸[p-トルエンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、2-ヒドロキシエタンスルホン酸、ナフタレンスルホン酸(例えば、2-ナフタレンスルホン酸)など]、カルボン酸(例えば、酢酸、プロピオン酸、フマル酸、マレイン酸、安息香酸、サリチル酸もしくはコハク酸)、アニオン性アミノ酸(例えばグルタミン酸もしくはアスパラギン酸)、ヒドロキシ酸(例えばクエン酸、乳酸、酒石酸またはグリコール酸)、脂肪酸(例えばカプロン酸、カプリル酸、デカン酸、オレイン酸またはステアリン酸)、または不溶性塩用の酸(パモン酸もしくは樹脂[例えば、ポリスチレンスルホネート]など)とを、場合により有機溶媒などの好適な溶媒中で反応させて塩を得ることによって形成することが可能であり、この塩は通常、例えば結晶化および濾過によって単離される。1つの実施形態において、式(I)または(I)'の化合物の製薬上許容される酸付加塩は、強酸の塩、例えば臭化水素酸塩、塩酸塩、ヨウ化水素酸塩、硫酸塩、硝酸塩、過塩素酸塩、リン酸塩、p-トルエンスルホン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩またはメタンスルホン酸塩である。
【0062】
有機ボロン酸および/またはそれらの有機ボロン酸エステルが、好適な求核性錯化試薬の存在下、有機ボレート錯体付加塩などの「エート」錯体付加塩を形成し得ることは、当業者によって認められよう。好適な求核性錯化試薬としては、限定するものではないが、アルカリ金属水酸化物、例えば水酸化リチウム、水酸化ナトリウムもしくは水酸化カリウム、またはフッ化物が挙げられる。有機ボレート錯体付加塩の例およびそれらの製造法は容易に認められよう。例えば、このような好適な有機ボレート錯体付加塩の1種は、トリヒドロキシ有機ホウ酸ナトリウム塩などのトリヒドロキシ有機ホウ酸アルカリ金属塩である。例として、トリヒドロキシアリールホウ酸ナトリウムおよびトリヒドロキシアルキルホウ酸ナトリウムの錯体付加塩ならびにそれらの製造法が、Cammidge, A.N.ら、Org.Lett.、2006、8、4071〜4074に記載されている。本明細書に記載される製薬上許容される「エート」錯体付加塩も、この発明の範囲内であると考えられる。
【0063】
本発明は、酸性塩、例えばナトリウム塩、カリウム塩、カルシウム塩、マグネシウム塩、アンモニウム塩、テトラアルキルアンモニウム塩およびトリス(トロメタミン-トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン)塩など、または好適な酸、例えば、酢酸、乳酸、酒石酸、リンゴ酸、イセチオン酸、ラクトビオン酸およびコハク酸などの有機カルボン酸;メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸およびp-トルエンスルホン酸などの有機スルホン酸、ならびに塩酸、硫酸、リン酸およびスルファミン酸などの無機酸との一塩基性塩もしくは二塩基性塩を含む、式(I)および(I)'の化合物の好適な製薬上許容される塩を特徴とする。
【0064】
本発明は、強塩基、例えば、ナトリウム、リシン、アンモニウム、N-メチル-D-グルカミン、カリウム、コリン、アルギニン(例えば、L-アルギニン)またはマグネシウムの塩である、式(I)または(I)'の化合物の製薬上許容される塩基付加塩を特徴とする。さらなる態様において、この塩は、ナトリウム、リシン、アンモニウム、N-メチル-D-グルカミン、カリウム、コリンまたはアルギニン(例えばL-アルギニン)である。
【0065】
他の製薬上許容されない塩、例えばシュウ酸塩を、例えば式(I)または(I)'の化合物の単離において使用してもよく、これらは本発明の範囲内に含まれる。
【0066】
本発明は、その範囲内に、式(I)および(I)'の化合物の塩の全ての可能な化学量論的形態および非化学量論的形態を含む。
【0067】
式(I)および(I)'の化合物の塩は、好適な溶媒中で、適切な化学量論量の遊離酸を適切な塩基と接触させることにより調製することができる。式(I)または(I)'の化合物の遊離酸は、固体として加えられた適切な塩基と共に溶液中に存在していてもよく、あるいは式(I)または(I)'の化合物の遊離酸と適切な酸の両方が、独立して溶液中に存在していてもよい。
【0068】
式(I)または(I)'の化合物の遊離酸を可溶化するための好適な溶媒としては、例えば、イソプロパノールなどのアルコール;アセトンなどのケトン;アセトニトリルまたはトルエンが挙げられる。塩基を溶媒中の溶液として加える場合、使用される溶媒は、アセトン、メタノールまたは水を含み得る。
【0069】
式(I)または(I)'の化合物の塩は、従来の方法により、上記のとおりに得られるそれらの溶液から、固体形態で単離することができる。例えば、非結晶塩は、溶液からの沈殿、溶液の噴霧乾燥または凍結乾燥、ガラスへの溶液の蒸着、または油の真空乾燥、または遊離塩基と酸との反応から得られる金属の凝固によって調製することができる。
【0070】
式(I)および(I)'の化合物の塩は、その溶媒中で該塩が限定された溶解度を有する溶媒から直接結晶化させることにより、または非結晶塩を粉砕するか、さもなければ結晶化させることによって調製することができる。例えば、アセトン、アセトニトリル、ブタノン、1-ブタノール、エタノール、1-プロパノールもしくはテトラヒドロフランなどの有機溶媒またはこのような溶媒の混合物を使用することができる。上記の塩の収率の改善は、溶媒の一部または全部を蒸発させることにより、または、例えば段階的に、昇温で結晶化させた後、制御冷却することによって得ることができる。沈殿温度およびシーディングの注意深い制御を用いて、製造工程の再現性および生成物の粒子サイズ分布および形態を改善することができる。
【0071】
有機化学の分野の当業者であれば、多くの有機化合物は、それらが反応するかまたはそれらが沈殿もしくは結晶化される溶媒と複合体を形成することができることを認めるであろう。これらの複合体は「溶媒和物」として知られている。例えば、水との複合体は「水和物」として知られている。式(I)および(I)'の化合物の溶媒和物、ならびに式(I)および(I)'の化合物の塩の溶媒和物は、本発明の範囲内に含まれる。
【0072】
本明細書において使用される「溶媒和物」という用語は、溶質(本発明においては、式(I)または(I)'の化合物またはそれらの塩)と溶媒によって形成される可変的な化学量論の複合体を指す。本発明の目的のためのかかる溶媒は溶質の生物学的活性に干渉するものであってはならない。好適な溶媒の例として、水、メタノール、エタノールおよび酢酸が挙げられる。最も好ましくは、使用される溶媒は水であり、また溶媒和物を水和物と呼んでもよい。
【0073】
医薬における使用に適した式(I)および(I)'の化合物の溶媒和物は、その溶媒が製薬上許容される溶媒和物である。しかしながら、例えば、式(I)の他の化合物およびそれらの製薬上許容される塩および溶媒和物の調製において中間体として使用するための、製薬上許容されない溶媒を有する溶媒和物は本発明の範囲内にある。
【0074】
さらに、結晶形態の式(I)および(I)'の化合物またはそれらの塩および溶媒和物の一部は、1種以上の多形形態で存在していてよく、これは本発明に包含される。
【0075】
式(I)および(I)'の化合物のプロドラッグは、本発明の範囲内に含まれる。
【0076】
当業者であれば、最終的な脱保護段階の前に作製され得る式(I)または(I)'の化合物の特定の保護誘導体は、薬理活性をそのまま保持することはできないが、特定の例において、経口的または非経口的に投与され、その後に身体中で代謝されて、第1の態様において定義される薬理学的に活性な化合物を形成し得ることを認識するであろう。従って、このような誘導体は、「プロドラッグ」として表すことができる。第1の態様において定義される化合物の全ての保護誘導体およびプロドラッグは、本発明の範囲内に含まれる。本発明の化合物の好適なプロドラッグの例は、Drugs of Today、19巻、9号、1983年、499〜538ページおよびTopics in Chemistry、第31章、306〜316ページおよびH.Bundgaardによる”Design of Prodrugs”、Elsevier、1985年、第1章に記載されている(この文献の開示は参照により本明細書に組み込まれる)。また、プロドラッグは、例えば、US 6,958,319およびUS 6,297,217に開示される方法によって作製することもできる。当業者であれば、例えばH.Bundgaardによって”Design of Prodrugs”(この文献中の開示は参照により本明細書に組み込まれる)に記載されるとおりの「プロ部分」として当業者に知られている特定の部分は、式(I)または(I)'の化合物中適切な官能基が存在する場合、このような官能基上に配置し得ることもさらに認識するであろう。本発明の化合物の好適なプロドラッグとしては、エステル、炭酸エステル、ヘミエステル、リン酸エステル、ニトロエステル、硫酸エステル、スルホキシド、アミド、カーバメート、アゾ化合物、ホスファミド、配糖体、エーテル、アセタール、ケタール、ボロン酸エステルおよびボロン酸無水物が挙げられる。
【0077】
ボロン酸エステルおよび無水物は、多糖または二糖などの糖(例えばグルコース、スクロース、フルクトース、キシリトール、マンニトールおよびソルビトール)から誘導されるボロン酸エステルおよび無水物を包含する。このようなボロン酸エステルは、例えば、文献に記載されるとおり、当業者に公知の任意の方法によって調製することができる(“p-Boronophenylalanine Complexes with Fructose and Related Carbohydrates and Polyols” PCT/US00/07833)および”Cyclic Triolborates: Air- and Water-Stable Ate Complexes of Organoboronic Acids” Angew. Chem. 国際版 2008, 47, 928を参照のこと)。また、ホウ素に結合した窒素原子を有するボロン酸エステルおよびボロン酸無水物も、当業者によって文献に記載されるとおりに調製することができる(例えば、“A Method for the Deprotection of Alkylpinacolyl Boronate Esters” J. Org. Chem. 2011, 76, 3571およびまた“Chemoselective Suzuki Coupling of Diborylmethane for Facile Synthesis of Benzylboronates” Org. Letters 2011, 13, 3368を参照されたい)。
【0078】
ボロン酸は、好適な溶媒(例えばトルエン)中で、脱水剤(例えば粉末モレキュラーシーブス)を用いたアルコール(例えばエタノール)またはジオール(例えばピナコール)による処理を介して対応するボロン酸エステルに変換することができる。
【0079】
本発明の化合物は、抗ウイルス活性(特にHCV阻害活性)を示すことが見出されたため、HCV感染などのウイルス感染、またはかかる感染に関連する疾患の治療または予防において有用であり得る。
【0080】
本発明は、薬物療法において使用するための、式(I)もしくは(I)'の化合物またはその製薬上許容される塩を提供する。
【0081】
本発明は、HCV感染などのウイルス感染および/またはかかる感染に関連する疾患の治療および/または予防のための医薬の製造のための、式(I)もしくは(I)'の化合物またはその製薬上許容される塩の使用を提供する。
【0082】
本発明は、HCV感染などのウイルス感染および/またはかかる感染に関連する疾患の治療および/または予防において使用するための、式(I)もしくは(I)'の化合物またはその製薬上許容される塩を提供する。
【0083】
本発明は、HCV感染などのウイルス感染、またはかかる感染に関連する疾患の治療または予防のための方法であって、治療上有効量の式(I)もしくは(I)'の化合物またはその製薬上許容される塩を被検体(例えばヒト)に投与することを含む、上記方法を提供する。
【0084】
本明細書における「療法」または「治療」への言及には、限定するものではないが、該疾患の予防(pregention)、遅延、予防法(prophylaxis)および治癒が含まれ得ることが認められるだろう。本発明は、HCV感染などのウイルス感染、ならびに生きている宿主におけるウイルス感染に関連する疾患の治療のための化合物および医薬組成物を提供する。さらに、本明細書におけるHCV感染の治療または予防法への言及には、肝線維症、肝硬変および肝細胞癌腫などのHCV関連疾患の治療または予防法が含まれることが認められるだろう。
【0085】
本発明は、生きている宿主においてHCV感染などのウイルス感染、ならびにウイルス感染に関連する疾患を予防するための化合物および医薬組成物を提供する。さらに、本明細書におけるHCV感染の予防または予防法への言及は、肝線維症、肝硬変および肝細胞癌腫などのHCV関連疾患の治療または予防法を包含することが認められるだろう。
【0086】
式(I)および(I)'の化合物は、本明細書に記載される工程または当業者に公知の任意の方法によって作製することができる。
【0087】
また本発明は、式(I)の化合物またはその製薬上許容される塩を、少なくとも1種の製薬上許容される賦形剤と共に含む医薬組成物も包含する。「賦形剤」という用語は、医薬組成物の調製において有用な化合物(例えば、希釈剤、担体)を指す。
【0088】
本発明の化合物は、本発明の化合物と当技術分野で周知の従来の方法による標準的な医薬担体または希釈剤とを組み合わせることによって調製される従来の剤形で投与することができる。これらの方法は、上記の成分を、所望の製剤に適するように、混合、造粒および圧縮または溶解することを含み得る。上記の剤形および方法は、非晶質分散物、分子分散物、熱溶融押出、微粒子化もしくは湿式ビーズ粉砕(ナノ粉砕)を通した粒子サイズ減少、自己乳化系、または錯体形成(例えばシクロデキストリン)を包含し得る。
【0089】
本発明の医薬組成物は、任意の経路による投与のために製剤化することが可能であり、経口投与、局所投与、静脈内投与、腹腔内投与、皮下投与、筋肉内投与、経皮投与または経粘膜投与に適した形態の医薬組成物を含む。
【0090】
経口投与のため、本化合物は、任意の好適な剤形、例えば、錠剤、カプセル剤、粉末剤、顆粒剤、トローチ剤、クリーム剤または液剤(例えば、経口用または滅菌液剤または懸濁剤、シロップ剤、エリキシル剤および濃縮ドロップ剤)に製剤化することができる。
【0091】
経口投与用の錠剤およびカプセル剤は、単位用量提示形態であってよく、結合剤(例えば、シロップ、アカシア、ゼラチン、ソルビトール、トラガカントまたはポリビニルピロリドン);充填剤(例えば、ラクトース、砂糖、トウモロコシデンプン、リン酸カルシウム、ソルビトールまたはグリシン);錠剤化滑剤(例えば、ステアリン酸マグネシウム、タルク、ポリエチレングリコールまたはシリカ);崩壊剤(例えば、ジャガイモデンプン)、または許容可能な湿潤剤(例えば、ラウリル硫酸ナトリウム)などの従来の賦形剤を含有し得る。錠剤は、通常の医薬実務において周知の方法に従ってコーティングされていてよい。上記の組成物がカプセル剤の形態である場合、任意の日常的なカプセル化(例えば硬ゼラチンカプセル殻または軟ゼラチンカプセル殻)が適している。上記の組成物が軟ゼラチンカプセル殻の形態である場合、分散剤または懸濁剤を調製するために日常的に使用される任意の医薬担体(例えば、水性ガム、セルロース、シリケートまたは油)を考慮することが可能であり、これらは軟ゼラチンカプセル殻に組み込まれる。経口液体製剤は、例えば、水性もしくは油性懸濁剤、液剤、乳剤、シロップ剤またはエリキシル剤の形態であってよく、あるいは、使用前の水または他の適切なビヒクルによる再構成用の乾燥生成物として提示されてもよい。このような液体製剤は、懸濁化剤(例えば、ソルビトール、メチルセルロース、グルコースシロップ、ゼラチン、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ステアリン酸アンモニウムゲルまたは水素化食用油);乳化剤(例えば、レシチン、ソルビタンモノオレエートまたはアカシア);非水性ビヒクル(食用油を含み得る)(例えば、アーモンド油、油性エステル(グリセリン、プロピレングリコールまたはエチルアルコールなど));保存料(例えば、p−ヒドロキシ安息香酸メチルもしくはプロピル、またはソルビン酸)などの従来の添加剤、および必要に応じて従来の香味剤または着色剤を含有し得る。シロップ製剤は、一般的に、液体担体(例えば、エタノール、ピーナッツ油、オリーブ油、グリセリンまたは水)中の化合物または塩の懸濁液または溶液と、香味剤または着色剤とからなる。
【0092】
注射(非経口投与)(例えば筋肉内投与、静脈内投与、腹腔内投与、皮下投与)では、本化合物および滅菌ビヒクル(例えば水、生理食塩水溶液、Hank’s溶液またはRinger’s溶液)を用いて液体単位剤形が調製される。本化合物は、使用されるビヒクルおよび濃度に応じて、ビヒクル中に懸濁されていてもよいし、または溶解されていてもよい。溶液の調製において、本化合物は、注射用に水に溶解させ、滅菌濾過し、その後好適なバイアルまたはアンプルに充填して密封することができる。さらに、本発明の化合物は、固体形態で製剤化して、使用の直前に再溶解または懸濁させてもよい。また、凍結乾燥形態の製剤も製造することができる。典型的な非経口組成物は、非経口的に許容可能な油(例えばポリエチレングリコール、ポリビニルピロリドン、レシチン、ラッカセイ油またはゴマ油を含んでいてよい滅菌水性もしくは滅菌非水性担体中の化合物または塩の溶液または懸濁液からなる。
【0093】
経粘膜投与または経皮投与では、製剤中で、浸透すべき障壁に適した浸透剤を製剤に用いる。このような浸透剤は、当技術分野で一般に知られており、例えば、経粘膜投与のための胆汁酸塩およびフシジン酸誘導体が挙げられる。さらに、浸透を促進するために洗浄剤を使用することができる。経粘膜投与は、例えば鼻腔用スプレー、肛門坐剤またはを膣坐剤を介して行うことができる。典型的な坐剤製剤は、このように投与された場合に活性な式(I)もしくは(I)'の化合物またはその製薬上許容される塩を、結合剤および/または滑沢剤(例えばポリマーグリコール、ゼラチン、ココアバターまたは他の低融点植物ワックスもしくは脂肪、またはこれらの合成アナログ)と共に含む。吸入用の典型的な組成物は、乾燥粉末として投与し得る溶液、懸濁液もしくはエマルションの形態、または従来の非CFC推進剤(例えば1,1,1,2-テトラフルオロエタンまたは1,1,1,2,3,3,3-ヘプタフルオロプロパン)を用いたエアロゾル剤の形態である。
【0094】
本発明の局所製剤は、例えば、軟膏剤(ointment)、クリーム剤、ゲル剤、軟膏剤(salve)またはローション剤、眼用軟膏剤および眼用滴剤もしくは耳用滴剤、含浸ドレッシング剤およびエアロゾル剤として提示することが可能であり、適切な従来の添加剤(例えば保存剤)、薬浸透を補助する溶媒、ならびに軟膏剤およびクリーム剤における皮膚軟化剤を含んでいてよい。また本製剤は、ローション剤用の、適合性のある従来の担体(例えば、クリームまたは軟膏基材およびエタノールまたはオレイルアルコール)も含み得る。
【0095】
調製物は、活性化合物の制御放出/持続放出を与えるように適切に製剤化することができる。
【0096】
投与対象の様々な化合物の量は、化合物の(IC50)力価、(EC50)効力、および(化合物の)生物学的半減期、患者の年齢、大きさおよび体重、ならびに該患者に関連する疾患または障害などの因子を考慮して、標準的な方法によって決定することができる。考慮すべきこれらのおよび他の因子の重要性は、通常の技術を有する当業者に知られている。
【0097】
また、投与される量は、投与の経路および経口バイオアベイラビリティの程度によって決まる。例えば、経口バイオアベイラビリティが低い化合物については、相対的に高い用量を投与しなければならないだろう。経口投与は、本化合物の好ましい投与方法である。
【0098】
好ましくは、本組成物は単位剤形である。経口適用については、例えば、錠剤またはカプセル剤を投与することが可能であり、鼻腔適用については、計量されたエアロゾル用量を投与してよく、経皮適用については、局所製剤またはパッチ製剤を投与することが可能であり、経粘膜送達については、口腔パッチ剤を投与することができる。いずれの場合も、投薬は、患者が1回量を投与され得るような投薬である。
【0099】
一般的には、上記の条件のそれぞれに適した用量は、1日につきレシピエント(例えばヒト)の体重1キログラム当たり0.01〜250mgの範囲内、1日につき体重1キログラム当たり0.1〜100mgの範囲内、1日につき体重1キログラム当たり0.5〜30mgの範囲内、1日につき体重1キログラム当たり1.0〜20mgの範囲内であるだろう。別段に示されない限り、活性成分の全重量は、式(I)または(I)'の親化合物のとおりに計算される;それらの塩またはエステルについては、重量は比例的に増加するだろう。所望の用量は、1日を通して適切な間隔で投与される1、2、3、4、5、6またはそれ以上の副用量として与えることができる。所望の用量を、隔日または他の適切なスケジュール(例えば、週に1回または月に1回)で与えることができる場合もある。これらの副用量は、例えば、1単位剤形当たり0.5〜100mg、5〜1000mgもしくは50〜500mg、または20〜500mg、または50〜400mgの活性成分を含む単位剤形で投与することができる。
【0100】
当業者であれば、本発明の化合物の個々の用量の最適量および投与間隔が、治療対象の症状の性質および重度、投与形態、経路および部位、ならびに治療対象の特定の哺乳動物によって決定され、またこのような最適条件が慣用の技術によって決定し得ることを認識するであろう。また、当業者であれば、最適な治療コース(すなわち、規定日数について、1日当たりに与えられる本発明の化合物の投与回数)は、治療決定試験の慣用のコースを用いて当業者が確認し得ることも理解するだろう。
【0101】
式(I)もしくは(I)'の化合物またはその製薬上許容される塩は、他の治療剤と組み合わせて使用することもできる。従って、本発明は、さらなる態様において、式(I)または(I)'の化合物またはその製薬上許容される塩を1種以上のさらなる治療剤と共に含む組み合わせ物を提供する。
【0102】
本発明の化合物は、他の治療剤、例えば免疫治療剤(例えばインターフェロン)、治療用ワクチン、抗線維化剤、抗炎症剤(コルチコステロイドまたはNSAID)、気管支拡張剤(例えばβ-2アドレナリン作動薬およびキサンチン(例えばテオフィリン))、粘液溶解剤、抗ムスカリン剤、抗ロイコトリエン剤、細胞接着阻害剤(例えばICAMアンタゴニスト)、抗酸化剤(例えばN-アセチルシステイン)、サイトカインアゴニスト、サイトカインアンタゴニスト、肺表面活性剤ならびに/または抗菌剤および抗ウイルス剤(例えばリバビリンおよびアマンチジン)と組み合わせて投与することができる。また、本発明による組成物は、遺伝子置換治療と組み合わせて使用することもできる。
【0103】
本発明の化合物は、以下のリストから選択される他の治療用抗ウイルス剤と組み合わせて投与することができる:インターフェロン、ペグインターフェロン、リバビリン、プロテアーゼ阻害剤(例えば、テラプレビル(telepravir)、ボセプレビル、BMS650032、GS9256、BI201335、IDX320またはPCT/US2010/046782に開示される化合物);ポリメラーゼ阻害剤(例えばフィリブビル、VX222、GS7977、GS9190、PSI938、PSI7792、BI207127、R7128、IDX184);NS5a(例えばダクラタスビル)およびNS4aまたはNS4bなどの他のウイスルタンパク質阻害剤、低分子干渉RNA化合物、アンチセンス化合物、ヌクレオチドアナログ、ヌクレオシドアナログ、免疫グロブリン、免疫調節剤、肝臓保護剤、抗炎症剤、抗生物質、抗ウイルス剤、および抗感染化合物。例えば、併用療法は、式(I)もしくは(I)'の化合物またはその製薬上許容される塩を、他の抗ウイルス剤(例えばアシクロビル、ファムシクロビル、バルガンシクロビルよび関連化合物、リバビリンおよび関連化合物、アマンタジンおよび関連化合物)、様々なインターフェロン(例えば、インターフェロン-α、インターフェロン-β、インターフェロン-γなど)ならびに代替形態のインターフェロン(例えばペグインターフェロン)と一緒に提供することを含み得る。
【0104】
インターフェロンは、インターフェロン-α、ペグインターフェロン-α、インターフェロン-αとリバビリンとの組み合わせ、および、インターフェロン-αとレボビリン(levovirin)との組み合わせを含む。インターフェロン-αとしては、限定するものではないが、組み換えインターフェロン-α2a、インターフェロン-α2b、コンセンサスインターフェロン、および精製インターフェロン-α生成物が挙げられる。
【0105】
本発明の組成物および方法は、式(I)または(I)'の化合物およびインターフェロンを特徴とする。インターフェロンは、インターフェロン-α2b、ペグインターフェロン-α、コンセンサスインターフェロン、インターフェロン-α2a、およびリンパ芽球インターフェロンτからなる群から選択することができる。
【0106】
本発明の組成物および方法は、式(I)または(I)'の化合物ならびに、インターロイキン2、インターロイキン6、インターロイキン12、RNA、アンチセンスRNA、イミキモド、リバビリン、イノシン5’-モノリン酸デヒドロゲナーゼ阻害剤、アマンタジンおよびリマンタジンからなる群から選択される抗HCV活性を有する化合物を特徴とする。
【0107】
式(I)もしくは(I)'の化合物またはその製薬上許容される塩を第2治療剤と組み合わせて使用する場合、各化合物の用量は、当該化合物を単独で使用する場合の用量とは異なり得る。適切な投与量は、当業者によって容易に理解されよう。治療における使用に必要とされる本発明の化合物の量は、治療対象の症状の性質、ならびに患者の年齢および症状によって異なり、最終的には主治医または主治獣医の裁量によることが理解されよう。
【0108】
上記に言及される組み合わせは、医薬組成物の形態での使用のために好都合に提示することが可能であり、このため上記に定義される組み合わせを、少なくとも1種の製薬上許容される担体および/または賦形剤と共に含む医薬組成物は、本発明の他の態様を構成する。
【0109】
このような組み合わせの個々の成分は、任意の好都合な経路により、別個のまたは組み合わせの医薬組成物として連続的にまたは同時に投与することができる。
【0110】
投与が連続的である場合、HCV阻害剤または第2治療剤のいずれを最初に投与してもよい。投与が同時である場合、上記の組み合わせは、同一の医薬組成物として投与してもよいし、異なる医薬組成物として投与してもよい。
【0111】
同一製剤中で組み合わせられる場合、2種の化合物が安定しており、且つ互いにおよび製剤の他の成分と適合していなければならないことが理解されよう。別々に製剤化される場合、任意の好都合な製剤として、当技術分野においてかかる化合物について知られているような方法で便利に提供することができる。
【0112】
以下の非限定的実施例は、本発明を説明するものである。
【実施例】
【0113】
当業者であれば、溶媒を反応に用いる場合、無水溶媒を用いることが望ましいことを理解するであろう。適切な場合、不活性雰囲気下、例えば、窒素またはアルゴン下で反応を実施することがさらに望ましい。
【0114】
式(I)および(I’)の化合物は、以下の方法、または当業者に公知の任意の方法によって調製することができる。
【化3】
【0115】
タイプIXの式(I)の化合物(Ra=ハロゲン、RbおよびRc=ハロゲン、アルキル、アルコキシ、または環)は、対応するブロミド(III)化合物または対応するトリフラート(IV、式中P=OTf)化合物から、当業者に公知の条件を用いて容易に調製される。例えば、IIIの対応するピナコールボロネートへの変換は、溶媒(例えば1,4-ジオキサン)中で加熱(例えば80℃)しながら触媒(例えばPdCl2(dppf))、塩基(例えばKOAc)、ホウ素源(例えばビス-ピナコールジボロン)で処理することにより達成することができる。次いで、溶媒混合物(例えばTHF/水)中で、ピナコール捕捉剤(例えばポリマー担持ベンゼンボロン酸)または過ヨウ素酸ナトリウムと共に酸(例えばHCl)で処理してIXを得る。さらに、当業者であれば、水素雰囲気下で、溶媒(例えばTHF)中の触媒(例えば炭素上の10%パラジウム)を含む還元条件を用いて、ニトロIIを対応するアニリンに変換し得ることを認識するであろう。その後、溶媒(例えばMeCN)中の酸化剤(例えば亜硝酸ナトリウム)、酸(例えばHBr)および臭化第一銅を含むSandmeyer反応を用いてIIIを得る。トリフラート(IV、式中P=OTf)化合物は、対応するフェノール中間体IV(式中P=H)をトリフラート化試薬(例えば、トリフリン酸無水物)で処理することによって生成することができる。
【化4】
【0116】
化合物II、IIIおよびIVは、対応するスルホンアミドV(式中Ra=ハロゲン)を、ニトロ-フルオロアレーン(VI)またはブロモボロン酸(VII)もしくはフェノール-保護ボロン酸(VIII、式中P=ベンジル)のいずれかとカップリングすることにより容易に得ることができる。前者の場合、溶媒(例えばDMF)中でVを塩基(例えばLiHMDSまたは炭酸カリウム)で直接処理し、その後VIに曝して、対応するSNAR置換生成物IIが得られる。さらに、溶媒(例えばDCM)中に銅源(例えば酢酸銅(II))、塩基(例えばトリエチルアミン)、および乾燥剤(例えば3または4Åモレキュラーシーブス)を含むChan-Lamカップリング条件を用い、スルホンアミドVをVIIまたはVIII(式中P=ベンジル)などのアリールボロン酸で処理して、対応するブロミドIIIまたはフェノール保護中間体IV(式中P=ベンジル)が得られ、これを脱保護(例えばベンジル基の水素化により)して、フェノール中間体IV(式中P=H)が得られる。
【化5】
【0117】
Xなどの二環式オキサボリル類似体は、同様の方法で作成することができる。例えば、塩基(例えばLiHMDSまたは炭酸カリウム)の存在下、溶媒(例えばDMF)中で対応するスルホンアミドV(式中Ra=ハロゲン)とニトロ-フルオロアレーンVIとをカップリングすることにより、XIなどの化合物が得られる。ニトロXIは、水素雰囲気下、溶媒(例えばTHF)中に触媒(例えば炭素上の10%パラジウム)を含む還元条件を用いて、対応するアニリンXII(式中X=H)に変換できる。対応するアニリンXIIは、当業者により、アニリンXIIを、溶媒(例えばMeCN)中で酸化剤(例えば亜硝酸ナトリウム)、酸(例えばHBr)および臭化第一銅を用いて処理するSandmeyer反応を介してブロミドXIII(X=H)に変換できる。別法として、アニリンXII(式中X=H)を、溶媒(例えば、MeCN)中、求電子性ハロゲン源(例えば、N-クロロスクシンイミド)で処理して対応するハロゲン化アニリンXII(式中X=Cl)を得ることができる。次いで、このアニリンを、前記したSandmeyer反応により、対応するブロミドXIII(式中X=Cl)に変換できる。中間体XIII(式中X=HまたはCl)のエステル官能基は、溶媒(例えば、THF)中で多数の様々な還元剤(例えば、LiBH4)により対応するベンジル型アルコールXIV(式中P=H)に還元できる。任意数の保護基(例えば、-MOM)によるアルコールの保護は、当業者によって、溶媒(例えば、THF)中で、ベンジル型アルコールXIV(式中P=H)を塩基(例えば、DIPEA)および保護基(例えば、MOM-Cl)で処理することにより達成されてMOM保護ベンジル型アルコールXIV(式中P=MOM)を得ることができる。次いで、当業者により、上記のブロミドを対応するボロン酸エステルに変換することができる。例えば、XIV(式中P=MOM)の対応するピナコールボロネートへの変換は、溶媒(例えば1,4-ジオキサン)中で、加熱(例えば80℃)しながら触媒(例えばPdCl2(dppf))、塩基(例えばKOAc)、ホウ素源(例えばビス-ピナコールジボロン)で処理することにより達成することができる。その後、溶媒(例えばTHF)中で酸(例えばHCl)を用いて処理することにより、ピナコールエステルおよびMOM保護基の両方を除去し、これにより二環式オキサボリル類似体Xを形成する。
【化6】
【0118】
上記の方法と同様の方法で、タイプXVの化合物は、塩基(例えば水素化ナトリウムまたはLHMDS)の存在下、溶媒(例えばTHF)中で式Vの化合物をXVIの化合物で処理することにより、直接得ることができる。得られたブロミドの式XVIの化合物への変換は、化合物IIIの化合物IXへの変換と類似の方法で達成することができる。
【化7】
【0119】
タイプXVIIのボロン酸は、塩基(例えば、K2CO3)の存在下および適切な溶媒(例えば、DMF)中、対応するフェノール中間体IV(式中P=H)を2-(クロロメチル)-4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン)でアルキル化することにより得ることができる。本明細書に記載した条件でピナコール基を除去すると、対応するボロン酸XVIIが得られる。当業者であれば、タイプXVIIIのベンジル酸ボロン酸は、対応するタイプIXのボロン酸エステルから、または対応するタイプIIIのブロミドから得られることを認識するであろう。例えば、文献(例えば、J.Med.Chem. 2010年、53巻、7852頁)に記載されているとおりに、適切な溶媒(例えば、THF)中、低温(例えば、-78℃)において、適切に保護されたピナコールボロン酸エステルIXをLiCH2Clで処理すると、対応するベンジル型ボロン酸エステルXVIII(式中Rd=H)が得られる。別法として、対応するタイプXVIIIのベンジル型ボロン酸エステル(式中Rd=H)は、適切な溶媒(例えば、THF)中で、低温(例えば、-78℃)において適切なアルキルリチウム(例えば、tBuLi)を用いてハロゲン-金属交換し、その後2-(クロロメチル)-4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン)を添加することにより、適切に置換されたタイプIIIのアリールブロミドから調製することができる。別法として、対応するタイプXVIIIのベンジル型ボロン酸エステルは、文献(例えば、J.Am.Chem.Soc.2010年、132巻、11033頁)に記載されるとおり、アリールブロミドと適切に置換されたXIXなどのビス-ボロン酸エステル(式中Rd=アルキル、ベンジル)とのPd-触媒クロスカップリングにより、適切に置換されたタイプIIIのアリールブロミドから調製することができる。
【化8】
【0120】
タイプXXの環状オキサボリル(式中Re=H、アルキル)は、文献に記載されているとおり、多段階ルートによって調製することができる。例えば、文献(J.Org.Chem.2011年、76巻、3997頁またはChem.Commun.2009年、5987頁)に記載されている通りに、金属触媒(例えば、CuClまたはRh(Phebox)XXIII)の存在下、ビス-ピナコールボラン(B2pin2)をタイプXXIIのα,β-不飽和エステル(例えば、式中Rf=OMe)、アミド(例えば、式中Rf=NMe2)、およびケトン(例えば、式中Rf=アルキル)と反応させて、タイプXXIの中間体を得て、ここでエステル、アミド、またはケトンの還元およびピナコールの除去を行って、対応する環状オキサボリルXX(式中Re=H、アルキル)を生成する。
【化9】
【0121】
位置異性体の環状オキサボリルXXIVおよびXXVは、文献に記載されている標準条件により、対応するアルケン(それぞれXXVIおよびXXVII)をヒドロホウ素化することにより、容易に調製される。
【0122】
中間体合成
中間体1:2-(4-クロロフェニル)-5-シクロプロピル-N-メチル-6-(メチルスルホンアミド)ベンゾフラン-3-カルボキサミド
【化10】
【0123】
ステップ1:エチル3-(4-クロロフェニル)-3-オキソプロパノエート
4-クロロ安息香酸(30.0g、0.192mol)のDCM(250mL)中溶液に、塩化オキサリル(25mL、0.288mol)を加え、次いでDMF(0.5mL)を滴加した。反応混合物を2時間還流した。得られた透明黄色溶液を真空中で濃縮して、酸クロリドを黄色液体として得た。TEA(67mL)を、マロン酸カリウムエチル(41g、0.241mol)のアセトニトリル(537mL)中溶液に加えた。氷塩浴中で冷却し、MgCl2(27.4g、0.288mol)を加え、得られた混合物をこの温度で3時間撹拌した。酸クロリド(上記のとおりに調製した)を加え、反応混合物を周囲温度に温め、一晩撹拌した。混合物を氷浴中で冷却し、2N HCl(600mL)を注意深く加えた。混合物を氷浴中で1.5時間撹拌し、次いで分液漏斗に移し、酢酸エチル(200mLで3回)で抽出した。合わせた有機層を飽和重炭酸ナトリウム(450mL)、ブライン(250mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮して、粗生成物エチル3-(4-クロロフェニル)-3-オキソプロパノエート(48.6g)を得、これを精製することなく使用した。
【0124】
ステップ2:エチル2-(4-クロロフェニル)-5-ヒドロキシベンゾフラン-3-カルボキシレート
塩化亜鉛(28.3g、0.207mol)を無水エタノール(45mL)中で撹拌し、次いでオーブン乾燥したガラス器具を用いて窒素雰囲気下、95℃(還流)に加熱した。エチル4-クロロベンゾイルアセテート(44g、0.194mol)を一度に加え、その後ベンゾキノン(22.6g、0.21mol)の無水MTBE(500mL)中溶液を2時間かけて滴加した。この反応は、反応容量がほぼ定量に維持されるように、反応混合物からMTBEを同時に蒸留させて実施した。添加の大部分を通して、浴温145-155℃および内温75-95℃を維持した。反応混合物が高粘度になり、蒸留の間にエタノールの元の容量がいくらか減少する懸念があるので、添加の途中でさらに無水エタノール(45mL)を加えた。添加が完了した後、30分間加熱を続けた。反応混合物を室温に冷却し、水(100mL)とEtOAc(250mL)との間で分配した。2相溶液を濾過することにより不溶性固体を除去し、次いで有機層を分離し、さらなる水で洗浄し、乾燥させて真空下に蒸発させた。残った褐色固体を加温ジクロロメタン中でスラリー化し、混合物を室温に冷却し、一晩冷凍することによってさらに冷却した。黄褐色固体を暗褐色溶液から濾過し、少量のDCMで洗浄し、真空下で乾燥させて、エチル2-(4-クロロフェニル)-5-ヒドロキシベンゾフラン-3-カルボキシレート(27g、44%)を得た。
【0125】
ステップ3:エチル2-(4-クロロフェニル)-5-イソプロポキシベンゾフラン-3-カルボキシレート
NMP(160mL)中のエチル2-(4-クロロフェニル)-5-ヒドロキシベンゾフラン-3-カルボキシレート(26g、0.051mol)に、イソプロピルブロミド(15mL)を加え、次いで炭酸セシウム(33g、0.101mol)を加えた。反応混合物を60℃の油浴中で20時間撹拌し、次いで周囲温度に冷却した。反応混合物を5%アンモニウム溶液で処理し、15分間撹拌した。次いでこの混合物を水で希釈し、ヘキサンで抽出した。有機層を水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、減圧下に濃縮して、エチル2-(4-クロロフェニル)-5-イソプロポキシベンゾフラン-3-カルボキシレート(15g、82%)を得た。
【0126】
ステップ4:エチル2-(4-クロロフェニル)-5-イソプロポキシ-6-ニトロベンゾフラン-3-カルボキシレート
エチル2-(4-クロロフェニル)-5-イソプロポキシベンゾフラン-3-カルボキシレート4(30g、0.084mol)をクロロホルム(75mL)に溶解し、得られた溶液を氷浴中で冷却した。硝酸(55mL)もクロロホルム(75mL)に溶解し、氷浴中で冷却した。酸性溶液をエチル2-(4-クロロフェニル)-5-イソプロポキシベンゾフラン-3-カルボキシレートの溶液に1時間かけて滴加し、次いで反応混合物を0℃で1.5時間撹拌した。次いで反応混合物を水(60mL)で希釈し、層を分離した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、減圧下に濃縮して、褐色油状物を得、これをカラムクロマトグラフィー(5/1PE/EA)により精製して、エチル2-(4-クロロフェニル)-5-イソプロポキシ-6-ニトロベンゾフラン-3-カルボキシレートを褐色固体(11g、32%)として得た。
【0127】
ステップ5:エチル2-(4-クロロフェニル)-5-ヒドロキシ-6-ニトロベンゾフラン-3-カルボキシレート
エチル2-(4-クロロフェニル)-5-イソプロポキシ-6-ニトロベンゾフラン-3-カルボキシレート(11g、27.2mmol)を無水DCM(150mL)に溶解し、窒素雰囲気下、氷浴中で冷却した。三塩化ホウ素(41mL、41.0mmol)を約20分かけて加えた。反応が完了した後、反応混合物を氷/水混合物中に注ぎ入れることによりクエンチした。混合物をDCMで抽出し、合わせた有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、真空下に濃縮して、エチル2-(4-クロロフェニル)-5-ヒドロキシ-6-ニトロベンゾフラン-3-カルボキシレートを得た(10.2g、84%)。
【0128】
ステップ6:エチル-2-(4-クロロフェニル)-6-ニトロ-5-(トリフルオロメチルスルホニルオキシ)ベンゾフラン-3-カルボキシレート
エチル2-(4-クロロフェニル)-5-ヒドロキシ-6-ニトロベンゾフラン-3-カルボキシレート(10.2g、22.9mmol)およびDMAP(0.289g、2.3mmol)の無水DCM(300mL)および無水TEA(4.8mL)中溶液に、氷浴中、窒素下でトリフルオロメタンスルホン酸無水物(5.62mL、34mmol)を加えた。反応混合物を、窒素下、0℃で30分間撹拌し、次いで0℃にて水(200mL)でクエンチし、DCM(200mLで3回)で抽出した。合わせた有機層を水(600mLで3回)、2N HCl(300mLで2回)、水(300mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、減圧下に濃縮して、エチル2-(4-クロロフェニル)-6-ニトロ-5-(トリフルオロメチルスルホニルオキシ)ベンゾフラン-3-カルボキシレート(10g、80%)を黄色固体として得、これをさらに精製することなく使用した。
【0129】
ステップ7:エチル2-(4-クロロフェニル)-5-シクロプロピル-6-ニトロベンゾフラン-3-カルボキシレート
2-(4-クロロフェニル)-6-ニトロ-5-(トリフルオロメチルスルホニルオキシ)ベンゾフラン-3-カルボキシレート(10g、18mmol)、KF(4.64g、79.9mmol)、NaBr(2.48g、24mmol)、シクロプロピルボロン酸(3.2g、37mmol)、およびPd(Ph3P)4(1.33g、1.15mmol)の混合物に、トルエン(130mL)および水(2.8mL)を加えた。反応フラスコを約3分間排気し、次いで窒素で充填した。反応混合物を窒素下20時間還流し、次いで周囲温度に冷却した。反応混合物をEtOAc(150mL)で希釈し、水(200mLで3回)、ブライン(200mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、デカントし、減圧下に濃縮した。残留物をカラムクロマトグラフィー(石油エーテル/酢酸エチル=30/1-10/1)により精製して、エチル2-(4-クロロフェニル)-5-シクロプロピル-6-ニトロベンゾフラン-3-カルボキシレートを黄色固体として得た(7.9g、99%)。
【0130】
ステップ8:エチル6-アミノ-2-(4-クロロフェニル)-5-シクロプロピルベンゾフラン-3-カルボキシレート
エチル2-(4-クロロフェニル)-5-シクロプロピル-6-ニトロベンゾフラン-3-カルボキシレート(8g、18.2mmol)の酢酸エチル(450mL)中溶液に、炭酸塩上の10%パラジウム(1.83g)、1N HCl溶液(2.5mL)を加え、0.4MPaの水素下、室温で8時間撹拌した。反応混合物をセライトを通して濾過し、濾液を真空下に蒸発させて、エチル6-アミノ-2-(4-クロロフェニル)-5-シクロプロピルベンゾフラン-3-カルボキシレートを褐色の固体として得た(7.4g、99%)。
【0131】
ステップ9:エチル2-(4-クロロフェニル)-5-シクロプロピル-6-(N-(メチルスルホニルメチル)メチルスルホンアミド)ベンゾフラン-3-カルボキシレート
エチル6-アミノ-2-(4-クロロフェニル)-5-シクロプロピルベンゾフラン-3-カルボキシレート(7.4g、18.06mmol)の乾燥ジクロロメタン(170mL)中溶液に、-15℃でN2雰囲気下、乾燥TEA(6.73mL、45.15mmol)を加え、次いでメタンスルホニルクロリド(4.91mL、63.2mmol)を滴加した。撹拌溶液を室温まで温め、2時間撹拌した。反応混合物を水(100mL)で希釈し、DCM(150mLで3回)で抽出した。有機層を合わせ、Na2SO4で乾燥し、濾過し、真空下に蒸発させて、エチル2-(4-クロロフェニル)-5-シクロプロピル-6-(N-(メチルスルホニルメチル)メチルスルホンアミド)ベンゾフラン-3-カルボキシレートを得た(9.2g、99%)。
【0132】
ステップ10:5-シクロプロピル-2-(4-クロロフェニル)-6-(メチルスルホンアミド)ベンゾフラン-3-カルボン酸
水酸化カリウム(15.1g、270mmol)を、窒素雰囲気下、エチル2-(4-クロロフェニル)-5-シクロプロピル-6-(N-(メチルスルホニルメチル)メチルスルホンアミド)ベンゾフラン-3-カルボキシレートのエタノール(64mL)および水(32mL)中溶液に加えた。反応物を1時間還流し、次いで真空中で濃縮した。残った固体を水に溶解し、沈殿物が形成されるまで、溶液を1N HCl(250mL)で酸性化した。固体を濾過し、次いで乾燥して、5-シクロプロピル-2-(4-クロロフェニル)-6-(メチルスルホンアミド)ベンゾフラン-3-カルボン酸を得た(8.7g、定量的収率)。
【0133】
ステップ11:2-(4-クロロフェニル)-5-シクロプロピル-N-メチル-6-(メチルスルホンアミド)ベンゾフラン-3-カルボキサミド
5-シクロプロピル-2-(4-クロロフェニル)-6-(メチルスルホンアミド)ベンゾフラン-3-カルボン酸(5g、11.52mmol)の乾燥DMF(30mL)中溶液に、20℃でDIPEA(3.3g、25.34mmol)およびHATU(5.15g、13.5mmol)を加えた。15分後、THF中2Mメチルアミン(23.04mL、46.08mmol)を滴加し、混合物をさらに2時間撹拌した後、水(60mL)を加えた。混合物をEA(200mLで3回)で抽出し、水(200mLで2回)で洗浄し、乾燥し、濃縮して、2-(4-クロロフェニル)-5-シクロプロピル-N-メチル-6-(メチルスルホンアミド)ベンゾフラン-3-カルボキサミドを褐色固体として得た(4.7g、97%)。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ ppm 9.32 (br. s., 1 H) 8.45 (q, 1 H) 7.90 (d, 2 H) 7.53 - 7.64 (m, 3 H) 7.16 (s, 1 H) 3.06 (s, 3 H) 2.83 (d, 3 H) 2.21 - 2.37 (m, 1 H) 0.94 - 1.05 (m, 2 H) 0.64 - 0.73 (m, 2 H)。 LCMS (m/z, ES+) = 419 (M+H+)。
【0134】
中間体2:5-シクロプロピル-2-(4-フルオロフェニル)-N-メチル-6-(メチルスルホンアミド)ベンゾフラン-3-カルボキサミド
【化11】
【0135】
ステップ1:メチル2-(4-フルオロフェニル)-5-ヒドロキシ-1-ベンゾフラン-3-カルボキシレート
オーブン乾燥したガラス器具を使用して、窒素雰囲気下、無水塩化亜鉛(25g、183mmol)を無水メタノール(60mL)中で撹拌し、次いで内温を75℃まで加熱した。メチル4-フルオロベンゾイルアセテート(39.6g、202mmol)を一度に加え、その後p-ベンゾキノン(19.83g、183mmol)の無水ジエチルエーテル(500mL)中溶液を4時間かけて滴加した。これは、反応容量がほぼ一定に維持されるように、反応混合物からエーテルを同時に蒸留することにより実施した(浴温を140℃にすると、内温が最初は75℃、次いで徐々に昇温して最高115℃に維持された)。ベンゾキノンの添加開始後2.5時間で、撹拌を円滑にするためさらにメタノール(20mL)を加えた。ベンゾキノンの添加が完了した後、100℃(内部)で反応混合物の加熱を1時間続けた。反応混合物を室温に冷却し、水(500mL)と酢酸エチル(800mL)との間で分配した。2相溶液から濾過により不溶性固体を除去し、次いで有機層を分離し、乾燥(Na2SO4)し、濾過し、真空下に蒸発させた。褐色残留物を加温ジクロロメタン(約225mL)中でスラリー化し、混合物を冷蔵庫中で18時間置いた。得られた固体を暗褐色溶液から濾過し、少量のジクロロメタンで洗浄し、次いで真空下で乾燥させて、メチル2-(4-フルオロフェニル)-5-ヒドロキシ-1-ベンゾフラン-3-カルボキシレートを得た。LCMS(m/z, ES+)=285(M-1)。
【0136】
ステップ2:メチル2-(4-フルオロフェニル)-5-[(1-メチルエチル)オキシ]-1-ベンゾフラン-3-カルボキシレート
メチル2-(4-フルオロフェニル)-5-ヒドロキシ-1-ベンゾフラン-3-カルボキシレート(18.86g、65.9mmol)、イソプロピルブロミド(24.74mL、264mmol)および炭酸セシウム(42.9g、132mmol)の乾燥N-メチル-2-ピロリドン(191mL)中混合物を、窒素下、60℃で20時間撹拌した。得られた濃厚懸濁液を室温に冷却し、次いで素早く撹拌しながら7%アンモニア水溶液(200mL)を加えた。この混合物をヘプタン(700mL)で抽出し、次いで水相を分離した。酢酸エチル(約100mL)を有機相に加え、得られた混合物を振盪し、次いでNa2SO4で乾燥し、蒸発させて、褐色油状物を得、これを一晩おいて結晶化させた。この物質を熱メタノールから再結晶し、固体を濾取し、メタノールで洗浄し、最後に真空下に乾燥して、メチル2-(4-フルオロフェニル)-5-[(1-メチルエチル)オキシ]-1-ベンゾフラン-3-カルボキシレートを得た。LCMS(m/z, ES+)=329(M+1)。最初の再結晶化からの母液を2回目結晶化して、メチル2-(4-フルオロフェニル)-5-[(1-メチルエチル)オキシ]-1-ベンゾフラン-3-カルボキシレートのさらなるバッチを得た。
【0137】
ステップ3:メチル2-(4-フルオロフェニル)-5-[(1-メチルエチル)オキシ]-6-ニトロ-1-ベンゾフラン-3-カルボキシレート
メチル2-(4-フルオロフェニル)-5-[(1-メチルエチル)オキシ]-1-ベンゾフラン-3-カルボキシレート(6.16g、18.76mmol)のクロロホルム(22mL)中溶液に、-15℃で70%硝酸(11mL、172mmol)のクロロホルム(22mL)中冷却溶液を滴加した。0℃で1時間撹拌した後、反応混合物を水(50mL)で洗浄し、有機相を疎水性フィルターチューブにより分離し、次いで真空下に蒸発させて、褐色固体を得た。固体をメチルtert-ブチルエーテル(25mL)中で粉砕し、得られた淡黄色粉末を濾別し、ヘプタンで洗浄し、真空下に乾燥して、メチル2-(4-フルオロフェニル)-5-[(1-メチルエチル)オキシ]-6-ニトロ-1-ベンゾフラン-3-カルボキシレートを得た。LCMS(m/z, ES+)=764(2M+NH4)+
【0138】
ステップ4:メチル2-(4-フルオロフェニル)-5-ヒドロキシ-6-ニトロ-1-ベンゾフラン-3-カルボキシレート
メチル2-(4-フルオロフェニル)-5-[(1-メチルエチル)オキシ]-6-ニトロ-1-ベンゾフラン-3-カルボキシレート(5.237g、14.03mmol)の乾燥ジクロロメタン(70mL)中撹拌溶液に、-15℃で窒素雰囲気下、三塩化ホウ素のジクロロメタン中1M溶液(23.85mL、23.85mmol)を、シリンジポンプを使用して30分かけて加えた。暗赤褐色反応混合物を氷(約250mL)上に注いだ。氷を融解させ、混合物をジクロロメタン(約450mL)で抽出した。有機相を疎水性フィルターチューブによって分離し、真空下に蒸発させて、メチル2-(4-フルオロフェニル)-5-ヒドロキシ-6-ニトロ-1-ベンゾフラン-3-カルボキシレートを得た。1H NMR (d6-DMSO): δ 10.97 (1H, br. s), 8.34 (1H, s), 8.07 (2H, dd), 7.67 (1H, s), 7.43 (2H, t), 3.86 (3H, s)。
【0139】
ステップ5:メチル2-(4-フルオロフェニル)-6-ニトロ-5-{[(トリフルオロメチル)スルホニル]オキシ}-1-ベンゾフラン-3-カルボキシレート
氷冷したメチル2-(4-フルオロフェニル)-5-ヒドロキシ-6-ニトロ-1-ベンゾフラン-3-カルボキシレート(4.915g、14.84mmol)および4-(ジメチルアミノ)ピリジン(0.181g、1.484mmol)の無水ジクロロメタン(130mL)中撹拌混合物に、窒素下、トリエチルアミン(3.10mL、22.26mmol)を、続いてトリフルオロメタンスルホン酸無水物(3.76mL、22.26mmol)を加えた。0℃において50分後、水を加え、有機層を分離した。水相をさらにジクロロメタンで抽出し、合わせた有機物を2M HClおよび水で洗浄した。有機物を疎水性フィルターチューブにより乾燥し、蒸発させて、メチル2-(4-フルオロフェニル)-6-ニトロ-5-{[(トリフルオロメチル)スルホニル]オキシ}-1-ベンゾフラン-3-カルボキシレートを得た。LCMS(m/z, ES+)=481(M+NH4)+
【0140】
ステップ6:メチル5-シクロプロピル-2-(4-フルオロフェニル)-6-ニトロ-1-ベンゾフラン-3-カルボキシレート
メチル2-(4-フルオロフェニル)-6-ニトロ-5-{[(トリフルオロメチル)スルホニル]オキシ}-1-ベンゾフラン-3-カルボキシレート(7.12g、15.37mmol)、シクロプロピルボロン酸(2.19g、25.5mmol)、フッ化カリウム(3.26g、56.1mmol)、臭化ナトリウム(1.75g、17.01mmol)およびテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(0.85g、0.736mmol)を、窒素下、トルエン(90mL)および水(2.25mL)の混合物中で共に撹拌し、100℃で18時間加熱した。反応混合物を冷却し、酢酸エチルで希釈し、水で洗浄した。有機相を分離し、疎水性フィルターチューブにより乾燥し、真空下に蒸発させた。残留物を、シクロヘキサン中0〜5%酢酸エチルの勾配を用いてシリカゲル上で溶離するフラッシュクロマトグラフィーにより精製した。生成物を含む分画を真空下に蒸発させて、メチル5-シクロプロピル-2-(4-フルオロフェニル)-6-ニトロ-1-ベンゾフラン-3-カルボキシレートを得た。LCMS(m/z, ES+)=728(2M+NH4)+
【0141】
ステップ7:メチル6-アミノ-5-シクロプロピル-2-(4-フルオロフェニル)-1-ベンゾフラン-3-カルボキシレート
2M HCl(17滴)を含むメチル5-シクロプロピル-2-(4-フルオロフェニル)-6-ニトロ-1-ベンゾフラン-3-カルボキシレート(3.175g、8.94mmol)の酢酸エチル(250mL)中溶液を、水素雰囲気下、21℃で16時間、炭素上の10%パラジウム(0.951g、0.894mmol)と共に撹拌した。反応混合物をセライトを通して濾過し、濾液を真空下に蒸発させて、暗緑色固体を得た。これをジクロロメタンに溶解し、重炭酸ナトリウム溶液で洗浄し、疎水性フリットにより分離し、次いで蒸発乾燥させ、シクロヘキサン中0〜30%酢酸エチルの勾配を用いてシリカゲル上で溶離するフラッシュクロマトグラフィーにより精製した。適切な分画を合わせ、真空下に蒸発させて、メチル6-アミノ-5-シクロプロピル-2-(4-フルオロフェニル)-1-ベンゾフラン-3-カルボキシレートを得た。LCMS(m/z, ES+)=326(M+H+)。
【0142】
ステップ8:メチル6-[ビス(メチルスルホニル)アミノ]-5-シクロプロピル-2-(4-フルオロフェニル)-1-ベンゾフラン-3-カルボキシレート
メチル6-アミノ-5-シクロプロピル-2-(4-フルオロフェニル)-1-ベンゾフラン-3-カルボキシレート(1.96g、6.02mmol)およびトリエチルアミン(2.52mL、18.07mmol)の乾燥ジクロロメタン(40mL)中溶液を、0℃に冷却(氷浴)し、次いでメタンスルホニルクロリド(1.174mL、15.06mmol)で処理した。反応物を0℃(氷浴)で2時間撹拌した。水(100mL)を加え、有機物をジクロロメタンで3回抽出し、疎水性フリットを用いて乾燥し、蒸発乾固させて、メチル6-[ビス(メチルスルホニル)アミノ]-5-シクロプロピル-2-(4-フルオロフェニル)-1-ベンゾフラン-3-カルボキシレートを得た。LCMS(m/z, ES+)=482(M+H+)。
【0143】
ステップ9:5-シクロプロピル-2-(4-フルオロフェニル)-6-[(メチルスルホニル)アミノ]-1-ベンゾフラン-3-カルボン酸
メチル6-[ビス(メチルスルホニル)アミノ]-5-シクロプロピル-2-(4-フルオロフェニル)-1-ベンゾフラン-3-カルボキシレート(2.88g、5.98mmol)のエタノール(50mL)および水(25mL)中懸濁液を、水酸化カリウム(6.71g、120mmol)で処理し、1時間加熱還流した(加熱すると懸濁液は溶液になった)。反応物を真空下に濃縮し、水(100mL)を加え、溶液を2M HCl(50mL)で酸性化した。得られた沈殿物を濾過し、0.5M HClで洗浄し、次いでメタノールに溶解した。この溶液を蒸発乾固させ、トルエンで2回共沸して、5-シクロプロピル-2-(4-フルオロフェニル)-6-[(メチルスルホニル)アミノ]-1-ベンゾフラン-3-カルボン酸を得た。LCMS(m/z, ES+)=390(M+H+)。
【0144】
ステップ10:5-シクロプロピル-2-(4-フルオロフェニル)-N-メチル-6-(メチルスルホンアミド)ベンゾフラン-3-カルボキサミド
5-シクロプロピル-2-(4-フルオロフェニル)-6-[(メチルスルホニル)アミノ]-1-ベンゾフラン-3-カルボン酸(2.52g、6.47mmol)、HATU(2.95g、7.77mmol)およびトリエチルアミン(1.984mL、14.24mmol)の乾燥ジクロロメタン(100mL)中溶液を、室温で1時間撹拌し、次いでメチルアミン(16.18mL、32.4mmol)で処理した。溶液を窒素下、室温で4時間撹拌し、その間沈殿物が形成した。反応物をジクロロメタン(300mL)および重炭酸ナトリウム溶液(200mL)で希釈し、10分間撹拌した。層を分離し、水層をさらにジクロロメタン(150mL)で抽出した。合わせた有機物をブライン(200mL)で洗浄し、疎水性フリットを用いて乾燥し、蒸発乾固させて、オフホワイトの固体を得た。粗生成物をフラッシュクロマトグラフィー(0〜100%酢酸エチル/シクロヘキサンで、続いて10%メタノール/ジクロロメタンで溶離)により精製して、白色固体を得た。固体を加熱メタノール-クロロホルム(10容量/容量%)に溶解し、シリカゲル上に予め吸着させ、フラッシュクロマトグラフィー(0〜10%メタノール/ジクロロメタン)により精製して、5-シクロプロピル-2-(4-フルオロフェニル)-N-メチル-6-[(メチルスルホニル)アミノ]-1-ベンゾフラン-3-カルボキサミドを得た。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ ppm 9.30 (br s, 1 H) 8.42 (q, 1 H) 7.88 - 7.98 (m, 2 H) 7.60 (s, 1 H) 7.37 (t, 2 H) 7.16 (s, 1 H) 3.06 (s, 3 H) 2.83 (d, 3 H) 2.23 - 2.36 (m, 1 H) 0.93 - 1.05 (m, 2 H) 0.65 - 0.74 (m, 2 H)。 LCMS (m/z, ES+) = 403 (M+ H+)。
【0145】
実施例1:(2-クロロ-4-(N-(5-シクロプロピル-2-(4-フルオロフェニル)-3-(メチルカルバモイル)ベンゾフラン-6-イル)メチルスルホンアミド)フェニル)ボロン酸
【化12】
【0146】
ステップ1:6-(N-(3-クロロ-4-ニトロフェニル)メチルスルホンアミド)-5-シクロプロピル-2-(4-フルオロフェニル)-N-メチルベンゾフラン-3-カルボキサミド
5-シクロプロピル-2-(4-フルオロフェニル)-N-メチル-6-(メチルスルホンアミド)ベンゾフラン-3-カルボキサミド(12.5g、31.1mmol)、2-クロロ-4-フルオロニトロベンゼン(10.9g、62.1mmol)および炭酸カリウム(12.9g、93.0mmol)の4:1DME/水(130mL)中混合物を、密封フラスコ中、撹拌しながら100℃に加熱した。同一の12.5gスケールの反応を第2の密封容器中で行った。反応容器を100℃で70時間維持し、室温に冷却し、さらに18時間撹拌した。合わせた反応混合物をEtOAc(300mL)と水(600mL)との間で分配し、相を分離した。水溶液をEtOAc(150mL)でさらに2回抽出した。合わせたEtOAc溶液を半飽和ブライン(1回)、飽和ブライン(1回)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧で濃縮乾固した。得られた黄褐色固体をEtOAc/エーテルから再結晶して、標題化合物(22.3g、64%)をオフホワイトの固体として得た。LCMS(m/z, ES+)=558(M+H+)。
【0147】
ステップ2:6-(N-(4-アミノ-3-クロロフェニル)メチルスルホンアミド)-5-シクロプロピル-2-(4-フルオロフェニル)-N-メチルベンゾフラン-3-カルボキサミド
6-(N-(3-クロロ-4-ニトロフェニル)メチルスルホンアミド)-5-シクロプロピル-2-(4-フルオロフェニル)-N-メチルベンゾフラン-3-カルボキサミド(11.0g、19.7mmol)の1:1THF/MeOH(75mL)中溶液を、炭素上の5%硫化白金(0.560g)の存在下、40psiでの水素化に供した。4時間後、追加の触媒を加えた(0.250g)。さらに16時間後、反応容器を窒素でパージし、セライトを通して濾過することにより触媒を除去し、濾液を減圧で濃縮乾固した。残留物をヘキサン/EtOAcから再結晶して、標題化合物(10.3g、99%)を白色固体として得た。LCMS(m/z, ES+)=528(M+H+)。
【0148】
ステップ3:6-(N-(4-ブロモ-3-クロロフェニル)メチルスルホンアミド)-5-シクロプロピル-2-(4-フルオロフェニル)-N-メチルベンゾフラン-3-カルボキサミド
機械撹拌器を備えた1Lの3ツ口フラスコに、6-(N-(4-アミノ-3-クロロフェニル)メチルスルホンアミド)-5-シクロプロピル-2-(4-フルオロフェニル)-N-メチルベンゾフラン-3-カルボキサミド(10.0g、18.9mmol)を、続いてアセトニトリル(200mL)を、次いで48%HBr水溶液(200mL)を加えた。得られた高粘度で塊が多い懸濁液を30分間激しく撹拌し、より均一な懸濁液を得た。反応容器を氷水浴中で30分間冷却し、混合物を、亜硝酸ナトリウム(1.96g、28.4mmol)の水(20mL)中溶液で添加漏斗により5分かけて処理した。得られた黄色懸濁液を氷浴中1.5時間撹拌し、次いでCuBr(4.1g、28.4mmol)で少しずつ5分かけて処理した。これにより暗褐色溶液が得られ、これを撹拌し続けながら60℃(内温)に加温した。高温で40分後、混合物を室温に冷却し、素早く撹拌した5%亜硫酸水素ナトリウム水溶液(600mL)およびEtOAc(800mL)の混合物中に注ぎ入れた。相を分離し、水溶液をEtOAc(150mL)でさらに2回抽出した。合わせたEtOAc溶液を5%亜硫酸水素ナトリウム水溶液(150mLで2回)、飽和重炭酸ナトリウム水溶液(300mLで2回)、飽和ブライン(200mLで1回)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧で濃縮乾固して、黄色泡状物を得た。この物質をフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、9:1ヘキサン/EtOAcからEtOAcへの勾配)に供した。純粋な分画を濃縮する間、白色固体が晶出した。濃厚懸濁液に濃縮した後、混合物をヘキサン(150mL)で希釈し、混合物を室温で一晩撹拌した。固体を中程度フリット漏斗中で濾取し、真空中で乾燥させて、標題化合物(8.55g、76%)を白色結晶性固体として得た。LCMS(m/z, ES+)=591、593(M+H+)。
【0149】
ステップ4:(2-クロロ-4-(N-(5-シクロプロピル-2-(4-フルオロフェニル)-3-(メチルカルバモイル)ベンゾフラン-6-イル)メチルスルホンアミド)フェニル)ボロン酸
磁気撹拌器を備えた350mLスクリューキャップフラスコに、6-(N-(4-ブロモ-3-クロロフェニル)メチルスルホンアミド)-5-シクロプロピル-2-(4-フルオロフェニル)-N-メチルベンゾフラン-3-カルボキサミド(8.54g、14.4mmol)、ビス(ピナコラト)ジボロン(18.3g、72.1mmol)、酢酸カリウム(7.08g、72.1mmol)、Pd(II)(dppf)Cl2ジクロロメタン錯体(0.589g、0.721mmol)および無水1,4-ジオキサン(150mL)を加えた。混合物を窒素で10分間スパージした。容器を密封し、撹拌しながら80℃の油浴中で加熱した。4時間後、混合物を室温に冷却し、EtOAc(400mL)で希釈した。得られた黒色溶液を水(2回)、飽和ブライン(1回)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させした。硫酸ナトリウムと共に撹拌しながら、溶液中に懸濁されたまま残っていた不溶性黒色物質を除去し易くするためにセライトを加えた。混合物を中程度フリットを通して濾過して、金褐色濾液を得て、これを減圧で濃縮乾固した。残留物をTHF(300mL)に溶解し、得られた溶液を氷水浴中で冷却した。溶液を1N HCl水溶液(120mL)で、続いて過ヨウ素酸ナトリウム(46.3g、216mmol)で処理した。混合物を0℃で10分間撹拌し、次いで室温に加温した。18時間後、混合物を水とEtOAcとの間で分配し、相を分離した。水溶液をEtOAcで抽出した(2回)。合わせたEtOAc溶液を5%亜硫酸水素ナトリウム水溶液(4回)、飽和ブライン(2回)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧で濃縮乾固した。残留物をフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、2部分勾配:15分かけてDCMからEtOAc、次いで溶媒をA=9:1DCM/MeOH、B=DCMに切り替え;4分かけて100%Bから65%Aへの勾配、次いで15分間65%Aの定組成)に供して、薄黄褐色泡状物を得た(7.28g)。この物質をアセトニトリル(75mL)に溶解し、溶液を撹拌しながら0.25N HCl水溶液(175mL)を20分間かけて素早く滴加した。白色懸濁液が生成し、これを室温で撹拌した。2時間後、固体を中程度のフリット漏斗中で濾取した。濾過ケーキを水(2回)で洗浄し、30分間吸気乾燥し、次いで一晩真空中で乾燥させて、標題化合物(5.90g、74%)を白色固体として得た。1H NMR (400 MHz, メタノール-d4) δ ppm 7.90 - 7.97 (m, 2 H) 7.85 (s, 1 H) 7.29 - 7.41 (m, 4 H) 7.26 (t, 2 H) 3.34 (s, 3 H) 2.95 (s, 3 H) 2.07 - 2.17 (m, 1 H) 0.69 - 1.08 (m, 3 H) 0.49 (br s, 1 H)。 LCMS (m/z, ES+) = 557 (M+H+)。
【0150】
実施例2:(2-クロロ-4-(N-(2-(4-クロロフェニル)-5-シクロプロピル-3-(メチルカルバモイル)ベンゾフラン-6-イル)メチルスルホンアミド)フェニル)ボロン酸
【化13】
【0151】
ステップ1:6-(N-(3-クロロ-4-ニトロフェニル)メチルスルホンアミド)-2-(4-クロロフェニル)-5-シクロプロピル-N-メチルベンゾフラン-3-カルボキサミド
2-(4-クロロフェニル)-5-シクロプロピル-N-メチル-6-(メチルスルホンアミド)ベンゾフラン-3-カルボキサミド(2.00g、4.77mmol)、2-クロロ-4-フルオロニトロベンゼン(1.68g、9.55mmol)、および炭酸カリウム(1.98g、14.3mmol)の4:1DME/水(20mL)中混合物を、密封容器中、撹拌しながら100℃に加熱した。18時間後、混合物をさらに炭酸カリウム(2.00g)で処理し、100℃でさらに15時間加熱し、次いで室温で3日間撹拌した。混合物をEtOAcと水との間で分配した。相を分離した後、水溶液部分をEtOAcでさらに2回抽出した。合わせたEtOAc溶液を水(2回)、ブライン(1回)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧で濃縮乾固した。粗製物をフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、DCMから7:3DCM/EtOAcへの勾配)に供して、粘着性黄色泡状物を得た。この物質をヘキサン/EtOAcから結晶化して、標題化合物(1.78g、65%)を薄黄色固体として得た。LCMS(m/z, ES+)=574(M+H+)。
【0152】
ステップ2:6-(N-(4-アミノ-3-クロロフェニル)メチルスルホンアミド)-2-(4-クロロフェニル)-5-シクロプロピル-N-メチルベンゾフラン-3-カルボキサミド
6-(N-(3-クロロ-4-ニトロフェニル)メチルスルホンアミド)-2-(4-クロロフェニル)-5-シクロプロピル-N-メチルベンゾフラン-3-カルボキサミド(0.500g、0.870mmol)の3:1MeOH/THF(30mL)中溶液を、炭素上の5%硫化白金(50mg)の存在下45psiで水素化に供した。18時間後、反応容器を窒素でパージし、セライトを通して濾過することにより触媒を除去し、濾液を減圧で濃縮乾固した。残留物をヘキサン/EtOAcから再結晶して、標題化合物(0.45g、95%)をオフホワイトの固体として得た。LCMS(m/z, ES+)=544(M+H+)。
【0153】
ステップ3:6-(N-(4-ブロモ-3-クロロフェニル)メチルスルホンアミド)-2-(4-クロロフェニル)-5-シクロプロピル-N-メチルベンゾフラン-3-カルボキサミド
6-(N-(4-アミノ-3-クロロフェニル)メチルスルホンアミド)-2-(4-クロロフェニル)-5-シクロプロピル-N-メチルベンゾフラン-3-カルボキサミド(0.421g、0.773mmol)の25mLアセトニトリル中撹拌懸濁液を、48%HBr水溶液(25mL)で処理し、得られた懸濁液を氷水浴中で冷却した。混合物に、亜硝酸ナトリウム(0.056g、0.812mmol)の水(2mL)中溶液を加えた。0℃で30分間撹拌した後、さらに水(1mL)中の亜硝酸ナトリウム(14mg)を加えた。0℃でさらに30分間撹拌した後、混合物をCuBr(0.130g、0.906mmol)で5分かけて4回に分けて処理した。混合物を60℃まで30分間加温し、次いで室温に冷却した。混合物をEtOAcと5%亜硫酸水素ナトリウム水溶液との間で分配した。EtOAc溶液を5%亜硫酸水素ナトリウム水溶液(2回)、飽和重炭酸ナトリウム水溶液(2回)、ブライン(1回)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧で濃縮乾固した。粗生成物をフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、ヘキサンから3:7ヘキサン/EtOAcへの勾配)により精製し、続いてヘキサン/EtOAcから再結晶して、標題化合物(0.212g、45%)を白色固体として得た。LCMS(m/z, ES+)=609(M+H+)。
【0154】
ステップ4:(2-クロロ-4-(N-(2-(4-クロロフェニル)-5-シクロプロピル-3-(メチルカルバモイル)ベンゾフラン-6-イル)メチルスルホンアミド)フェニル)ボロン酸
6-(N-(4-ブロモ-3-クロロフェニル)メチルスルホンアミド)-2-(4-クロロフェニル)-5-シクロプロピル-N-メチルベンゾフラン-3-カルボキサミド(0.205g、0.337mmol)、ビス(ピナコラト)ジボロン(0.428g、1.69mmol)、酢酸カリウム(0.165g、1.69mmol)およびPd(II)(dppf)Cl2ジクロロメタン錯体(0.0138g、0.017mmol)の無水1,4-ジオキサン(4mL)中混合物を、密封チューブ中、窒素で10分間スパージした。容器を密封し、80℃の油浴中撹拌しながら加熱した。4時間後、混合物を室温に冷却し、EtOAcで希釈した。得られた溶液を水(2回)、飽和ブライン(1回)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥した。硫酸ナトリウムと共に撹拌しながら、溶液中に懸濁されたまま残っていた不溶性黒色物質を除去し易くするためにセライトを加えた。混合物を中程度フリットを通して濾過して、金褐色の濾液を得て、これを減圧で濃縮乾固した。残留物をTHF(10mL)に溶解し、得られた溶液を氷水浴中で冷却した。溶液を1N HCl水溶液(4mL)で、続いて過ヨウ素酸ナトリウム(1.08g、5.05mmol)で処理した。混合物を0℃で10分間撹拌し、次いで室温に加温した。18時間後、混合物を水とEtOAcとの間で分配し、相を分離した。水溶液をEtOAc(2回)で抽出した。合わせたEtOAc溶液を5%亜硫酸水素ナトリウム水溶液(4回)、飽和ブライン(2回)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧で濃縮乾固した。残留物をフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、2部分勾配:15分かけてDCMからEtOAcへ、次いで溶媒をA=9:1 DCM/MeOH、B=DCMに切り替え;4分かけて100%Bから65%Aへの勾配、次いで15分間65%Aの定組成)に供して、薄黄褐色泡状物(0.142g)を得た。この物質をアセトニトリル(3mL)に溶解し、溶液を撹拌しながら0.25N HCl水溶液(10mL)を20分間かけて滴加した。白色懸濁液が生成し、これを室温で撹拌した。2時間後、固体を中程度のフリット漏斗中で濾取した。濾過ケーキを水(2回)で洗浄し、30分間吸気乾燥し、次いで一晩真空中で乾燥させて、標題化合物(0.119g、62%)を白色固体として得た。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δppm 8.50 (q, 1 H) 8.32 (s, 2 H) 8.11 (s, 1 H) 7.92 (d, 2 H) 7.62 (d, 2 H) 7.30 - 7.45 (m, 3 H) 7.19 (s, 1 H) 3.40 (s, 3 H) 2.83 (d, 3 H) 2.06 - 2.16 (m, 1 H) 0.72 - 1.07 (m, 3 H) 0.52 (br s, 1 H). LCMS (m/z, ES+) = 573 (M+H+)。
【0155】
実施例3:4-(N-(5-シクロプロピル-2-(4-フルオロフェニル)-3-(メチルカルバモイル)ベンゾフラン-6-イル)メチルスルホンアミド)フェニルボロン酸
【化14】
【0156】
ステップ1:6-(N-(4-ブロモフェニル)メチルスルホンアミド)-5-シクロプロピル-2-(4-フルオロフェニル)-N-メチルベンゾフラン-3-カルボキサミド
5-シクロプロピル-2-(4-フルオロフェニル)-N-メチル-6-[(メチルスルホニル)アミノ]-1-ベンゾフラン-3-カルボキサミド(500mg、1.244mmol)、4-ブロモフェニルボロン酸(1.5g、7.464mmol)、酢酸銅(II)一水和物(372mg、1.866mmol)、トリエチルアミン(252mg、2.488mmol)、および4Åモレキュラーシーブス(1g)のジクロロメタン(160mL)中混合物を、2日間撹拌した。溶液を濾過し、濃縮乾固し、カラムクロマトグラフィーにより精製して、6-(N-(4-ブロモフェニル)メチルスルホンアミド)-5-シクロプロピル-2-(4-フルオロフェニル)-N-メチルベンゾフラン-3-カルボキサミド(180mg、0.323mmol、収率26%)を褐色固体として得た。LCMS(m/z, ES+)=557、559(M+H+)。
【0157】
ステップ2:5-シクロプロピル-2-(4-フルオロフェニル)-N-メチル-6-(N-(4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)フェニル)メチルスルホンアミド)ベンゾフラン-3-カルボキサミド
6-(N-(4-ブロモフェニル)メチルスルホンアミド)-5-シクロプロピル-2-(4-フルオロフェニル)-N-メチルベンゾフラン-3-カルボキサミド(150mg、0.269mmol)、酢酸カリウム(80mg、0.807mmol)、ビス(ピナコラト)ジボロン(205mg、0.807mmol)、およびPd(dppf)Cl2ジクロロメタン錯体(22mg、0.027mmol)の1,4-ジオキサン(20mL)中懸濁液を、撹拌しながら95℃で一晩維持した。溶液を室温に冷却し、濾過し、濃縮乾固し、カラムクロマトグラフィーにより精製して、5-シクロプロピル-2-(4-フルオロフェニル)-N-メチル-6-(N-(4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)フェニル)メチルスルホンアミド)ベンゾフラン-3-カルボキサミド(152mg、0.251mmol、収率94%)を褐色固体として得た。LCMS(m/z, ES+)=605(M+H+)。
【0158】
ステップ3:4-(N-(5-シクロプロピル-2-(4-フルオロフェニル)-3-(メチルカルバモイル)ベンゾフラン-6-イル)メチルスルホンアミド)フェニルボロン酸
5-シクロプロピル-2-(4-フルオロフェニル)-N-メチル-6-(N-(4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)フェニル)メチルスルホンアミド)ベンゾフラン-3-カルボキサミド(152mg、0.251mmol)、ポリマー担持ベンゼンボロン酸(480mg、1.255mmol)、および5N HCl水溶液(0.35mL、1.757mmol)のテトラヒドロフラン(15mL)中懸濁液を、室温で48時間撹拌した。溶液を濾過し、濃縮乾固し、逆相HPLCにより精製して、4-(N-(5-シクロプロピル-2-(4-フルオロフェニル)-3-(メチルカルバモイル)ベンゾフラン-6-イル)メチルスルホンアミド)フェニルボロン酸(45mg、0.086mmol、収率34%)を白色固体として得た。1H NMR (メタノール-d4) δ: 7.98 (d, 1H), 7.96 (d, 1H), 7.87 (S, 1H), 7.66 (d, 2H), 7.46 (d, 2H), 7.32 - 7.26 (m, 3H), 3.33 (s, 3H), 2.99 (s, 3H), 2.22-2.18 (m, 1H), 1.10 - 0.37 (m, 4H)。 LCMS (m/z, ES+) = 523 (M+H+)
【0159】
実施例4:3-(N-(5-シクロプロピル-2-(4-フルオロフェニル)-3-(メチルカルバモイル)ベンゾフラン-6-イル)メチルスルホンアミド)フェニルボロン酸
【化15】
【0160】
ステップ1:6-(N-(3-ブロモフェニル)メチルスルホンアミド)-5-シクロプロピル-2-(4-フルオロフェニル)-N-メチルベンゾフラン-3-カルボキサミド
5-シクロプロピル-2-(4-フルオロフェニル)-N-メチル-6-[(メチルスルホニル)アミノ]-1-ベンゾフラン-3-カルボキサミド(500mg、1.24mmol)、3-ブロモフェニルボロン酸(1.5g、7.46mmol)、酢酸銅(II)一水和物(372mg、1.87mmol)、トリエチルアミン(252mg、2.49mmol)、4Åモレキュラーシーブス(1g)のジクロロメタン(160mL)中混合物を、2日間撹拌した。固体を濾別し、濾液を濃縮乾固し、カラムクロマトグラフィーにより精製して、6-(N-(3-ブロモフェニル)メチルスルホンアミド)-5-シクロプロピル-2-(4-フルオロフェニル)-N-メチルベンゾフラン-3-カルボキサミド(270mg、0.48mmol、収率39%)を褐色固体として得た。LCMS(m/z, ES+)=557、559(M+H+)。
【0161】
ステップ2:5-シクロプロピル-2-(4-フルオロフェニル)-N-メチル-6-(N-(3-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)フェニル)メチルスルホンアミド)ベンゾフラン-3-カルボキサミド
6-(N-(3-ブロモフェニル)メチルスルホンアミド)-5-シクロプロピル-2-(4-フルオロフェニル)-N-メチルベンゾフラン-3-カルボキサミド(240mg、0.43mmol)、酢酸カリウム(128mg、1.29mmol)、ビス(ピナコラト)ジボロン(328mg、1.29mmol)、およびPd(dppf)Cl2ジクロロメタン錯体(35mg、0.043mmol)の1,4-ジオキサン(20mL)中懸濁液を、一晩撹拌しながら95℃で維持した。反応混合物を室温に冷却し、固体を濾別した。濾液を濃縮乾固し、カラムクロマトグラフィーにより精製して、5-シクロプロピル-2-(4-フルオロフェニル)-N-メチル-6-(N-(3-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)フェニル)メチルスルホンアミド)ベンゾフラン-3-カルボキサミド(269mg、0.45mmol、収率92%)を褐色固体として得た。LCMS(m/z, ES+)=605(M+H+)。
【0162】
ステップ3:3-(N-(5-シクロプロピル-2-(4-フルオロフェニル)-3-(メチルカルバモイル)ベンゾフラン-6-イル)メチルスルホンアミド)フェニルボロン酸
5-シクロプロピル-2-(4-フルオロフェニル)-N-メチル-6-(N-(3-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)フェニル)メチルスルホンアミド)ベンゾフラン-3-カルボキサミド(269mg、0.45mmol)、ポリマー担持ベンゼンボロン酸(770mg、2.23mmol)、5N HCl水溶液(0.62mL、3.12mmol)のテトラヒドロフラン(15mL)中懸濁液を、室温で48時間撹拌した。混合物を濾過し、濾液を濃縮乾固し、逆相HPLCにより精製して、3-(N-(5-シクロプロピル-2-(4-フルオロフェニル)-3-(メチルカルバモイル)ベンゾフラン-6-イル)メチルスルホンアミド)フェニルボロン酸(41mg、0.078mmol、収率17%)を白色固体として得た。1H NMR (メタノール-d4) δ 7.99 - 7.95 (m, 2H), 7.94 (s, 1H), 7.77 - 7.38 (m, 4H), 7.32 - 7.25 (m, 3H), 3.32 (s, 3H), 2.98 (s, 3H), 2.29 - 2.25 (m, 1H), 1.10 - 0.37 (m, 4H)。 LCMS (m/z, ES+) = 523 (M+H+)。
【0163】
実施例5:4-(N-(5-シクロプロピル-2-(4-フルオロフェニル)-3-(メチルカルバモイル)ベンゾフラン-6-イル)メチルスルホンアミド)-2-フルオロフェニルボロン酸
【化16】
【0164】
ステップ1:5-シクロプロピル-6-(N-(3-フルオロ-4-ニトロフェニル)メチルスルホンアミド)-2-(4-フルオロフェニル)-N-メチルベンゾフラン-3-カルボキサミド
2,4-ジフルオロ-1-ニトロベンゼン(261mg、1.64mmol)および5-シクロプロピル-2-(4-フルオロフェニル)-N-メチル-6-[(メチルスルホニル)アミノ]-1-ベンゾフラン-3-カルボキサミド(600mg、1.49mmol)のジメトキシエタン(0.8mL)および水(0.2mL)中懸濁液を、炭酸カリウム(616.86mg、4.47mmol)で処理し、100℃まで24時間加熱した。反応混合物を濃縮し、カラムクロマトグラフィーにより精製して、5-シクロプロピル-6-(N-(3-フルオロ-4-ニトロフェニル)メチルスルホンアミド)-2-(4-フルオロフェニル)-N-メチルベンゾフラン-3-カルボキサミド(230mg、0.43mmol、収率29%)を黄色粉末として得た。LCMS(m/z, ES+)=542(M+H+)。
【0165】
ステップ2:6-(N-(4-アミノ-3-フルオロフェニル)メチルスルホンアミド)-5-シクロプロピル-2-(4-フルオロフェニル)-N-メチルベンゾフラン-3-カルボキサミド
5-シクロプロピル-6-(N-(3-フルオロ-4-ニトロフェニル)メチルスルホンアミド)-2-(4-フルオロフェニル)-N-メチルベンゾフラン-3-カルボキサミド(230mg、0.43mmol)および塩化第一スズ(291mg、1.29mmol)の酢酸エチル(5mL)およびエタノール(5mL)中混合物を、3時間還流で維持した。混合物を室温に冷却し、酢酸エチルと水との間で分配した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、濃縮乾固し、カラムクロマトグラフィーにより精製して、6-(N-(4-アミノ-3-フルオロフェニル)メチルスルホンアミド)-5-シクロプロピル-2-(4-フルオロフェニル)-N-メチルベンゾフラン-3-カルボキサミド(200mg、0.39mmol、収率90%)を黄色粉末として得た。LCMS(m/z, ES+)=512(M+H+)。
【0166】
ステップ3:6-(N-(4-ブロモ-3-フルオロフェニル)メチルスルホンアミド)-5-シクロプロピル-2-(4-フルオロフェニル)-N-メチルベンゾフラン-3-カルボキサミド
6-(N-(4-アミノ-3-フルオロフェニル)メチルスルホンアミド)-5-シクロプロピル-2-(4-フルオロフェニル)-N-メチルベンゾフラン-3-カルボキサミド(200mg、0.39mmol)のアセトニトリル(5mL)および臭化水素水溶液(5mL)中懸濁液を、0℃にて撹拌しながら亜硝酸ナトリウム水溶液(29.6mg、0.43mmol)で0.5時間処理した。次いで臭化第一銅(64.3mg、0.45mmol)を、0℃において溶液に少しずつ加え、2時間加熱還流した。溶液を室温に冷却し、酢酸エチルと水との間で分配した。有機層を分離し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、濃縮乾固し、カラムクロマトグラフィーにより精製して、6-(N-(4-ブロモ-3-フルオロフェニル)メチルスルホンアミド)-5-シクロプロピル-2-(4-フルオロフェニル)-N-メチルベンゾフラン-3-カルボキサミド(140mg、0.24mmol、収率61%)を白色固体として得た。LCMS(m/z, ES+)=575、577(M+H+)。
【0167】
ステップ4:5-シクロプロピル-6-(N-(3-フルオロ-4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)フェニル)メチルスルホンアミド)-2-(4-フルオロフェニル)-N-メチルベンゾフラン-3-カルボキサミド
6-(N-(4-ブロモ-3-フルオロフェニル)メチルスルホンアミド)-5-シクロプロピル-2-(4-フルオロフェニル)-N-メチルベンゾフラン-3-カルボキサミド(140mg、0.24mmol)およびビス(ピナコラト)ジボロン(914mg、3.60mmol)の無水ジオキサン(5mL)中懸濁液を、PdCl2(dppf)(19.6mg、0.024mmol)、酢酸カリウム(47.04mg、0.48mmol)で処理し、N2下、撹拌しながら90℃で4時間維持した。懸濁液を室温に冷却し、酢酸エチルと水との間で分配した。有機層を分離し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、濃縮乾固し、カラムクロマトグラフィーにより精製して、5-シクロプロピル-6-(N-(3-フルオロ-4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)フェニル)メチルスルホンアミド)-2-(4-フルオロフェニル)-N-メチルベンゾフラン-3-カルボキサミド(140mg、0.22mmol、収率56%)を白色固体として得た。LCMS(m/z, ES+)=623(M+H+)。
【0168】
ステップ5:4-(N-(5-シクロプロピル-2-(4-フルオロフェニル)-3-(メチルカルバモイル)ベンゾフラン-6-イル)メチルスルホンアミド)-2-フルオロフェニルボロン酸
5-シクロプロピル-6-(N-(3-フルオロ-4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)フェニル)メチルスルホンアミド)-2-(4-フルオロフェニル)-N-メチルベンゾフラン-3-カルボキサミド(140mg、0.22mmol)および1N HCl水溶液(2mL)の無水THF(10mL)中溶液を、ポリマー担持ベンゼンボロン酸(5000mg)で処理し、室温で24時間撹拌した。混合物を酢酸エチルと水との間で分配した。有機層を分離し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、濃縮乾固し、逆相HPLCにより精製して、4-(N-(5-シクロプロピル-2-(4-フルオロフェニル)-3-(メチルカルバモイル)ベンゾフラン-6-イル)メチルスルホンアミド)-2-フルオロフェニルボロン酸(50mg、0.092mmol、収率42%)を白色固体として得た。1H NMR (300 MHz, メタノール-d4) δ 7.96 (dd, 2H), 7.83 (s, 1H), 7.45-7.15 (m, 6H), 3.43 (s, 3H), 2.96 (s, 3H), 2.12 (m, 1H), 1.01-0.52 (m, 4H)。 LCMS (m/z, ES+) = 541 (M+H+)
【0169】
実施例6:4-(N-(5-シクロプロピル-2-(4-フルオロフェニル)-3-(メチルカルバモイル)ベンゾフラン-6-イル)メチルスルホンアミド)-3-フルオロフェニルボロン酸
【化17】
【0170】
ステップ1:5-シクロプロピル-6-(N-(2-フルオロ-4-ニトロフェニル)メチルスルホンアミド)-2-(4-フルオロフェニル)-N-メチルベンゾフラン-3-カルボキサミド
5-シクロプロピル-2-(4-フルオロフェニル)-N-メチル-6-[(メチルスルホニル)アミノ]-1-ベンゾフラン-3-カルボキサミド(402mg、1mmol)、1,2-ジフルオロ-4-ニトロベンゼン(318mg、2mmol)および炭酸カリウム(414mg、3mmol)の1,2-ジメトキシエタン(20mL)および水(5mL)中混合物を、100℃で48時間加熱した。溶液を室温に冷却し、濃縮し、酢酸エチル(50mL)で希釈し、水で洗浄した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、濃縮乾固し、カラムクロマトグラフィーにより精製して、5-シクロプロピル-6-(N-(2-フルオロ-4-ニトロフェニル)メチルスルホンアミド)-2-(4-フルオロフェニル)-N-メチルベンゾフラン-3-カルボキサミド(420mg、0.77mmol、収率77%)を黄色固体として得た。LCMS(m/z, ES+)=542(M+H+)
【0171】
ステップ2:6-(N-(4-アミノ-2-フルオロフェニル)メチルスルホンアミド)-5-シクロプロピル-2-(4-フルオロフェニル)-N-メチルベンゾフラン-3-カルボキサミド
5-シクロプロピル-6-(N-(2-フルオロ-4-ニトロフェニル)メチルスルホンアミド)-2-(4-フルオロフェニル)-N-メチルベンゾフラン-3-カルボキサミド(420mg、0.77mmol)および塩化錫(II)二水和物(519mg、2.31mmol)の酢酸エチル(15mL)およびエタノール(15mL)中懸濁液を、80℃で2時間加熱した。溶液を室温に冷却し、濃縮し、酢酸エチル(50mL)で希釈し、炭酸ナトリウム溶液で洗浄した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、濃縮乾固し、カラムクロマトグラフィーにより精製して、6-(N-(4-アミノ-2-フルオロフェニル)メチルスルホンアミド)-5-シクロプロピル-2-(4-フルオロフェニル)-N-メチルベンゾフラン-3-カルボキサミド(360mg、0.7mmol、収率91%)を黄色固体として得た。LCMS(m/z, ES+)=512(M+H+)。
【0172】
ステップ3:6-(N-(4-ブロモ-2-フルオロフェニル)メチルスルホンアミド)-5-シクロプロピル-2-(4-フルオロフェニル)-N-メチルベンゾフラン-3-カルボキサミド
6-(N-(4-アミノ-2-フルオロフェニル)メチルスルホンアミド)-5-シクロプロピル-2-(4-フルオロフェニル)-N-メチルベンゾフラン-3-カルボキサミド(360mg、0.7mmol)のアセトニトリル(20mL)中溶液に、0℃で臭化水素酸(5mL、水中40%)を、続いて亜硝酸ナトリウム(49mg、2mL水中0.77mmol)を滴加した。0℃で10分間撹拌した後、臭化第一銅(115mg、0.8mmol)を加えた。混合物を80℃に加温し、1時間撹拌した。混合物を室温に冷却し、水(20mL)で希釈した。水層を酢酸エチル(20mLで3回)で抽出し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、濃縮乾固し、カラムクロマトグラフィーにより精製して、6-(N-(4-ブロモ-2-フルオロフェニル)メチルスルホンアミド)-5-シクロプロピル-2-(4-フルオロフェニル)-N-メチルベンゾフラン-3-カルボキサミド(240mg、0.42mmol、収率60%)をオフホワイトの固体として得た。LCMS(m/z, ES+)=575、577(M+H+)。
【0173】
ステップ4:5-シクロプロピル-6-(N-(2-フルオロ-4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)フェニル)メチルスルホンアミド)-2-(4-フルオロフェニル)-N-メチルベンゾフラン-3-カルボキサミド
6-(N-(4-ブロモ-2-フルオロフェニル)メチルスルホンアミド)-5-シクロプロピル-2-(4-フルオロフェニル)-N-メチルベンゾフラン-3-カルボキサミド(240mg、0.42mmol)、酢酸カリウム(123mg、1.26mmol)、ビス(ピナコラト)ジボロン(533mg、2.1mmol)およびPdCl2(dppf)(68.5mg、0.084mmol)の1,4-ジオキサン(30mL)中懸濁液を、窒素下、撹拌しながら100℃で16時間加熱した。溶液を室温に冷却し、濾過し、濃縮し、カラムクロマトグラフィーにより精製して、5-シクロプロピル-6-(N-(2-フルオロ-4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)フェニル)メチルスルホンアミド)-2-(4-フルオロフェニル)-N-メチルベンゾフラン-3-カルボキサミド(200mg、0.32mmol、収率76%)を薄黄色固体として得た。LCMS(m/z, ES+)=623(M+H+)。
【0174】
ステップ5:4-(N-(5-シクロプロピル-2-(4-フルオロフェニル)-3-(メチルカルバモイル)ベンゾフラン-6-イル)メチルスルホンアミド)-3-フルオロフェニルボロン酸
5-シクロプロピル-6-(N-(2-フルオロ-4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)フェニル)メチルスルホンアミド)-2-(4-フルオロフェニル)-N-メチルベンゾフラン-3-カルボキサミド(200mg、0.32mmol)、ポリマー担持ベンゼンボロン酸(600mg、1.60mmol)および5N HCl水溶液(0.45mL、2.24mmol)のテトラヒドロフラン(20mL)中懸濁液を、室温で24時間撹拌した。溶液を濾過し、濃縮乾固し、逆相HPLCにより精製して、4-(N-(5-シクロプロピル-2-(4-フルオロフェニル)-3-(メチルカルバモイル)ベンゾフラン-6-イル)メチルスルホンアミド)-3-フルオロフェニルボロン酸(61mg、0.11mmol、収率35%)を白色固体として得た。1H NMR (メタノール-d4) δ 8.03 (s, 1H), 7.97 - 7.79 (m, 2H), 7.57 (dd, 3H), 7.24 (dd, 3H), 3.29 (s, 3H), 2.94 (s, 3H), 2.42 (s, 1H), 1.00 (d, 2H), 0.69 (s, 2H)。 LCMS (m/z, ES+) = 541 (M+H+)。
【0175】
実施例7:4-(N-(2-(4-クロロフェニル)-5-シクロプロピル-3-(メチルカルバモイル)ベンゾフラン-6-イル)メチルスルホンアミド)-2-フルオロフェニルボロン酸
【化18】
【0176】
ステップ1:6-(N-(4-(ベンジルオキシ)-3-フルオロフェニル)メチルスルホンアミド)-2-(4-クロロフェニル)-5-シクロプロピル-N-メチルベンゾフラン-3-カルボキサミド
2-(4-クロロフェニル)-5-シクロプロピル-N-メチル-6-(メチルスルホンアミド)ベンゾフラン-3-カルボキサミド(2.0g、4.77mmol)、(4-(ベンジルオキシ)-3-フルオロフェニル)ボロン酸(1.762g、7.16mmol)、Cu(OAc)2(1.301g、7.16mmol)、トリエチルアミン(3.33mL、23.87mmol)および粉末の3Åモレキュラーシーブス(2g)のCH2Cl2(60mL)中混合物を、空気中に開口した、乾燥管を備えているフラスコ中で撹拌した。12時間後、混合物をさらに(4-(ベンジルオキシ)-3-フルオロフェニル)ボロン酸(1.762g、7.16mmol)およびCu(OAc)2(1.301g、7.16mmol)で処理し、室温で4日間撹拌した。混合物をCH2Cl2で希釈し、セライトを通して濾過し、暗褐色濾液を濃縮乾固した。粗製物をシリカゲル上でのフラッシュクロマトグラフィー(0〜4%EtOAc/CH2Cl2)により精製して所望の化合物を得、これをさらに(0〜40%EtOAc/ヘキサン)で溶離するシリカゲル上でのフラッシュクロマトグラフィーにより精製して、所望の化合物を薄黄褐色固体として得た(406mg、14%)。LCMS(m/z, ES+)=619(M+H+)。
【0177】
ステップ2:2-(4-クロロフェニル)-5-シクロプロピル-6-(N-(3-フルオロ-4-ヒドロキシフェニル)メチルスルホンアミド)-N-メチルベンゾフラン-3-カルボキサミド
6-(N-(4-(ベンジルオキシ)-3-フルオロフェニル)メチルスルホンアミド)-2-(4-クロロフェニル)-5-シクロプロピル-N-メチルベンゾフラン-3-カルボキサミド(350mg、0.565mmol)を酢酸エチル(8.0mL)およびエタノール(8.0mL)に溶解した。10% Pd/C(30.1mg、0.283mmol)を加え、続いてH2(1気圧、バルーン)を加えた。混合物を室温で2時間撹拌し、セライトを通して濾過した。濾液を濃縮乾固し、ヘキサンで2回濯いで、所望の生成物を白色固体として得、これをさらに精製することなく使用した。LCMS(m/z, ES+)=529(M+H+)。
【0178】
ステップ3:4-(N-(2-(4-クロロフェニル)-5-シクロプロピル-3-(メチルカルバモイル)ベンゾフラン-6-イル)メチルスルホンアミド)-2-フルオロフェニルトリフルオロメタンスルホネート
CH2Cl2(1mL)中のTf2O(0.157mL、0.930mmol)を、N2下、室温にて2-(4-クロロフェニル)-5-シクロプロピル-6-(N-(3-フルオロ-4-ヒドロキシフェニル)メチルスルホンアミド)-N-メチルベンゾフラン-3-カルボキサミド(328mg、0.620mmol)およびピリジン(0.251mL、3.10mmol)のCH2Cl2(5mL)中懸濁液に滴加した。混合物を室温で3時間撹拌し、次いで水を加えた。混合物をCH2Cl2で抽出し、合わせた有機相をNa2SO4で乾燥し、濾過し、減圧で濃縮し、(0〜40%EtOAc/ヘキサン)で溶離するシリカゲル上でのフラッシュクロマトグラフィーにより精製して、所望の化合物を白色固体として得た(410mg、収率83%)。LCMS(m/z, ES+)=661(M+H+)。
【0179】
ステップ4:2-(4-クロロフェニル)-5-シクロプロピル-6-(N-(3-フルオロ-4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)フェニル)メチルスルホンアミド)-N-メチルベンゾフラン-3-カルボキサミド
4-(N-(2-(4-クロロフェニル)-5-シクロプロピル-3-(メチルカルバモイル)ベンゾフラン-6-イル)メチルスルホンアミド)-2-フルオロフェニルトリフルオロメタンスルホネート(170mg、0.257mmol)、酢酸カリウム(76mg、0.772mmol)、ビス(ピナコラト)ジボロン(98mg、0.386mmol)およびPdCl2(dppf)-CH2Cl2付加物(10.50mg、0.013mmol)の1,4-ジオキサン(2.0ml)中混合物を、密封チューブ中、N2下、80℃で一晩加熱した。混合物を室温に冷却し、EtOAcで希釈し、シリカゲルおよびセライトのパッドを通して濾過した。濾液を濃縮乾固して、粗生成物を黄褐色泡状物として得て、これをさらに精製することなく使用した。LCMS(m/z, ES+)=639(M+H+)。
【0180】
ステップ5:(4-(N-(2-(4-クロロフェニル)-5-シクロプロピル-3-(メチルカルバモイル)ベンゾフラン-6-イル)メチルスルホンアミド)-2-フルオロフェニル)ボロン酸
過ヨウ素酸ナトリウム(549mg、2.57mmol)を、2-(4-クロロフェニル)-5-シクロプロピル-6-(N-(3-フルオロ-4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)フェニル)メチルスルホンアミド)-N-メチルベンゾフラン-3-カルボキサミド(164mg、0.257mmol)のTHF(6mL)および1N HCl(3.21mL、3.21mmol)中混合物に加えた。混合物を室温で一晩撹拌し、EtOAcおよび水を加えた。水層をEtOAc(2回)で抽出し、合わせた有機相を10%Na2S2O3水溶液、ブラインで洗浄し、Na2SO4で乾燥し、濾過し、濃縮乾固した。残留物を逆相HPLC(0.1%TFAを含むMeCN/H2O)により精製して、標題化合物を白色固体として得た(80mg、56%)。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ ppm 8.52 (q, 1 H) 8.23 (br. s., 1 H) 8.07 (s, 1 H) 7.94 (d, 2 H) 7.64 (d, 2 H) 7.55 (t, 1 H) 7.22 (s, 1 H) 7.11 (s, 1 H) 7.07 - 7.10 (m, 1 H) 3.45 (s, 4 H) 2.85 (d, 3 H) 2.04 - 2.15 (m, 1 H) 1.00 (br. s., 1 H) 0.82 (d, 2 H) 0.54 (br. s., 1 H)。 LCMS (m/z, ES+) = 557 (M+H+)。
【0181】
実施例8:6-(N-(5-シクロプロピル-2-(4-フルオロフェニル)-3-(メチルカルバモイル)ベンゾフラン-6-イル)メチルスルホンアミド)ピリジン-3-イルボロン酸
【化19】
【0182】
ステップ1:6-(N-(5-ブロモピリジン-2-イル)メチルスルホンアミド)-5-シクロプロピル-2-(4-フルオロフェニル)-N-メチルベンゾフラン-3-カルボキサミド
5-シクロプロピル-2-(4-フルオロフェニル)-N-メチル-6-[(メチルスルホニル)アミノ]-1-ベンゾフラン-3-カルボキサミド(400mg、1.00mmol)のジメチルホルムアミド(5mL)中溶液に、0℃でリチウムビス(トリメチルシリル)アミド(1.5mL、1.50mmol)を加えた。1時間後、5-ブロモ-2-フルオロピリジン(350mg、2.00mmol)を加え、80℃で16時間撹拌を維持した。溶液を室温に冷却し、水で希釈し、酢酸エチル(50mLで3回)で抽出した。合わせた抽出物をブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧で濃縮乾固した。粗製物をカラムクロマトグラフィーにより精製して、6-(N-(5-ブロモピリジン-2-イル)メチルスルホンアミド)-5-シクロプロピル-2-(4-フルオロフェニル)-N-メチルベンゾフラン-3-カルボキサミド(430mg、0.775mmol、収率77.5%)を黄色固体として得た。LCMS(m/z, ES+)=559(M+H+)。
【0183】
ステップ2:5-シクロプロピル-2-(4-フルオロフェニル)-N-メチル-6-(N-(5-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)ピリジン-2-イル)メチルスルホンアミド)ベンゾフラン-3-カルボキサミド
6-(N-(5-ブロモピリジン-2-イル)メチルスルホンアミド)-5-シクロプロピル-2-(4-フルオロフェニル)-N-メチルベンゾフラン-3-カルボキサミド(400mg、0.72mmol)、酢酸カリウム(210mg、2.14mmol)、ビス(ピナコラト)ジボロン(2721mg、10.71mmol)、およびPdCl2(dppf)(58mg、0.071mmol)の1,4-ジオキサン(10mL)中懸濁液を、厚壁ガラス製圧力容器中で撹拌しながら90℃で16時間維持した。溶液を室温に冷却し、濾過した。濾液を濃縮し、カラムクロマトグラフィーにより精製して、5-シクロプロピル-2-(4-フルオロフェニル)-N-メチル-6-(N-(5-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)ピリジン-2-イル)メチルスルホンアミド)ベンゾフラン-3-カルボキサミド(320mg、0.53mmol、収率74%)を白色固体として得た。LCMS(m/z, ES+)=606(M+H+)。
【0184】
ステップ3:6-(N-(5-シクロプロピル-2-(4-フルオロフェニル)-3-(メチルカルバモイル)ベンゾフラン-6-イル)メチルスルホンアミド)ピリジン-3-イル)ボロン酸
5-シクロプロピル-2-(4-フルオロフェニル)-N-メチル-6-(N-(5-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)ピリジン-2-イル)メチルスルホンアミド)ベンゾフラン-3-カルボキサミド(320mg、0.53mmol)、ポリマー担持ベンゼンボロン酸(862mg、2.65mmol)および5N HCl水溶液(0.74mL、3.78mmol)のテトラヒドロフラン(10mL)中懸濁液を、室温で48時間撹拌した。溶液を濾過し、濃縮乾固し、逆相HPLCにより精製して、6-(N-(5-シクロプロピル-2-(4-フルオロフェニル)-3-(メチルカルバモイル)ベンゾフラン-6-イル)メチルスルホンアミド)ピリジン-3-イル)ボロン酸(80mg、0.153mmol、収率29%)を白色固体として得た。1H NMR (300 MHz, メタノール-d4) δ 8.36 (s, 1H), 7.72 (m, 3H), 7.57 (s, 1H), 7.25 -7.1 (m, 3H), 6.90-6.87 (m, 1H), 3.59 (s, 3H), 3.03 (s, 3H), 2.13-2.09 (m, 1H),1.07 -1.03 (m, 2H), 0.70 (m, 2H)。LCMS (m/z, ES+) =524 (M+H+)。
【0185】
実施例9:(4-(N-(5-シクロプロピル-2-(4-フルオロフェニル)-3-(メチルカルバモイル)ベンゾフラン-6-イル)メチルスルホンアミド)-2-(ジフルオロメチル)フェニル)ボロン酸
【化20】
【0186】
ステップ1:2-(ジフルオロメチル)-4-フルオロ-1-ニトロベンゼン
ジエチルアミノ硫黄三フッ化物(0.78mL、5.91mmol)を、5-フルオロ-2-ニトロベンズアルデヒド(1g、5.91mmol)のジクロロメタン(30mL)中0℃溶液にゆっくりと加えた。反応混合物を0℃で10分間、室温で2.5時間撹拌し、0℃に冷却し、飽和NaHCO3水溶液をゆっくり加えることによりクエンチした。水層をジクロロメタンで抽出した。合わせた有機層を乾燥(Na2SO4)し、濾過し、蒸発させて、2-(ジフルオロメチル)-4-フルオロ-1-ニトロベンゼン(1.13g、定量的)を褐色液体として得た。1H NMR (400 MHz, クロロホルム-d) δ ppm 8.26 (dd, 1 H), 7.60 (dd, 1 H), 7.28 - 7.56 (m, 2 H)。
【0187】
ステップ2:5-シクロプロピル-6-(N-(3-(ジフルオロメチル)-4-ニトロフェニル)メチルスルホンアミド)-2-(4-フルオロフェニル)-N-メチルベンゾフラン-3-カルボキサミド
5-シクロプロピル-2-(4-フルオロフェニル)-N-メチル-6-(メチルスルホンアミド)ベンゾフラン-3-カルボキサミド(1.00g、2.49mmol)、2-(ジフルオロメチル)-4-フルオロ-1-ニトロベンゼン(1.13g、5.91mmol)およびK2CO3(0.85g、6.15mmol)のHMPA(6.2mL)中溶液を、60℃で15時間撹拌した。反応混合物をEtOAcおよび水で希釈した。有機層をブラインで洗浄し、乾燥(Na2SO4)し、濾過し、蒸発させ、シリカゲルクロマトグラフィー(0〜80% EtOAc/ヘキサン)により精製して、標題化合物(1.45g、97%)を黄色固体として得た。LCMS(m/z, ES+)=574.3(M+H+)。
【0188】
ステップ3:6-(N-(4-アミノ-3-(ジフルオロメチル)フェニル)メチルスルホンアミド)-5-シクロプロピル-2-(4-フルオロフェニル)-N-メチルベンゾフラン-3-カルボキサミド
5-シクロプロピル-6-(N-(3-(ジフルオロメチル)-4-ニトロフェニル)メチルスルホンアミド)-2-(4-フルオロフェニル)-N-メチルベンゾフラン-3-カルボキサミド(1.45g、2.53mmol)および10% Pd/C(触媒的)のMeOH(15mL)中溶液を、水素雰囲気(20psi)下3時間撹拌した。反応混合物をセライトを通して濾過し、蒸発させ、シリカゲルクロマトグラフィー(0〜50% EtOAc/ヘキサン)により精製して、標題化合物(0.87g、63%)を白色固体として得た。LCMS(m/z, ES+)=544.3(M+H+)。
【0189】
ステップ4:6-(N-(4-ブロモ-3-(ジフルオロメチル)フェニル)メチルスルホンアミド)-5-シクロプロピル-2-(4-フルオロフェニル)-N-メチルベンゾフラン-3-カルボキサミド
亜硝酸ナトリウム(0.12g、1.75mmol)を、6-(N-(4-アミノ-3-(ジフルオロメチル)フェニル)メチルスルホンアミド)-5-シクロプロピル-2-(4-フルオロフェニル)-N-メチルベンゾフラン-3-カルボキサミド(0.87g、1.59mmol)のアセトニトリル(10ml)およびHBr水溶液(48%)(10mL)中0℃溶液に加えた。反応混合物を0℃で30分間撹拌し、臭化銅(I)(0.27g、1.91mmol)を加えた。反応混合物を75℃で2時間撹拌し、EtOAcおよび水で希釈した。有機層をブラインで洗浄し、乾燥(Na2SO4)し、濾過し、蒸発させ、シリカゲルクロマトグラフィー(0〜50%EtOAc/ヘキサン)により精製して、標題化合物(0.38g、39%)を白色泡状物として得た。LCMS(m/z, ES+)=607、609(M+H+)。
【0190】
ステップ5:(4-(N-(5-シクロプロピル-2-(4-フルオロフェニル)-3-(メチルカルバモイル)ベンゾフラン-6-イル)メチルスルホンアミド)-2-(ジフルオロメチル)フェニル)ボロン酸
6-(N-(4-ブロモ-3-(ジフルオロメチル)フェニル)メチルスルホンアミド)-5-シクロプロピル-2-(4-フルオロフェニル)-N-メチルベンゾフラン-3-カルボキサミド(0.20g、0.33mmol)、酢酸カリウム(0.13g、1.32mmol)、PdCl2(dppf)-CH2Cl2付加物(0.027g、0.033mmol)、およびビス(ピナコラト)ジボロン(0.25g、0.99mmol)の1,4-ジオキサン(4.12ml)中溶液を脱気し、窒素でパージし、80℃で3時間45分間加熱した。反応混合物をEtOAcおよび水で希釈し、セライトを通して濾過し、蒸発させた。褐色残留物をTHF(10mL)、および1M HCl(5mL)に溶解した。NaIO4(0.56g、2.63mmol)を加え、懸濁液を1時間撹拌し、EtOAcおよび水で希釈した。有機層を水、ブラインで洗浄し、乾燥(Na2SO4)し、濾過し、蒸発させ、逆相クロマトグラフィー(5〜100% CH3CN/H2O(0.1%ギ酸))により精製して、標題化合物(0.085g、45%)を白色固体として得た。1H NMR (400 MHz, メタノール-d4) δ ppm 7.90 - 7.97 (m, 2 H), 7.87 (s, 1 H), 7.43 - 7.61 (m, 3 H), 7.30 (s, 1 H), 7.21 - 7.29 (m, 2 H), 6.65 - 7.01 (m, 1 H), 3.33 (s, 3 H), 2.94 (s, 3 H), 2.08 - 2.21 (m, 1 H), 0.35 - 1.10 (m, 4 H)。LCMS (m/z, ES+) = 573.3 (M+H+)。
【0191】
実施例10:(4-(N-(5-シクロプロピル-2-(4-フルオロフェニル)-3-(メチルカルバモイル)ベンゾフラン-6-イル)メチルスルホンアミド)-2-(トリフルオロメチル)フェニル)ボロン酸
【化21】
【0192】
ステップ1:5-シクロプロピル-2-(4-フルオロフェニル)-N-メチル-6-(N-(4-ニトロ-3-(トリフルオロメチル)フェニル)メチルスルホンアミド)ベンゾフラン-3-カルボキサミド
5-シクロプロピル-2-(4-フルオロフェニル)-N-メチル-6-(メチルスルホンアミド)ベンゾフラン-3-カルボキサミド(1.00g、2.49mmol)、4-フルオロ-1-ニトロ-2-(トリフルオロメチル)ベンゼン(1.04g、4.97mmol)、K2CO3(1.03g、7.45mmol)のHMPA(6.2mL)中溶液を、60℃で15時間撹拌した。反応混合物をEtOAcおよび水で希釈した。有機層をブラインで洗浄し、乾燥(Na2SO4)し、濾過し、蒸発させ、シリカゲルクロマトグラフィー(0〜50%EtOAc/ヘキサン)により精製して、標題化合物(1.37g、93%)をオレンジ色固体として得た。LCMS(m/z, ES+)=592.2(M+H+)。
【0193】
ステップ2:6-(N-(4-アミノ-3-(トリフルオロメチル)フェニル)メチルスルホンアミド)-5-シクロプロピル-2-(4-フルオロフェニル)-N-メチルベンゾフラン-3-カルボキサミド
5-シクロプロピル-2-(4-フルオロフェニル)-N-メチル-6-(N-(4-ニトロ-3-(トリフルオロメチル)フェニル)メチルスルホンアミド)ベンゾフラン-3-カルボキサミド(1.37g、2.31mmol)および10% Pd/C(触媒的)のMeOH(23mL)中溶液を、水素雰囲気(10psi)下、1時間撹拌した。反応混合物をセライトを通して濾過し、蒸発させ、シリカゲルクロマトグラフィー(0〜50%EtOAc/ヘキサン)により精製して、標題化合物(1.3g、定量的)を白色固体として得た。LCMS(m/z, ES+)=562.3(M+H+)。
【0194】
ステップ3:6-(N-(4-ブロモ-3-(トリフルオロメチル)フェニル)メチルスルホンアミド)-5-シクロプロピル-2-(4-フルオロフェニル)-N-メチルベンゾフラン-3-カルボキサミド
亜硝酸ナトリウム(0.18g、2.55mmol)を、6-(N-(4-アミノ-3-(トリフルオロメチル)フェニル)メチルスルホンアミド)-5-シクロプロピル-2-(4-フルオロフェニル)-N-メチルベンゾフラン-3-カルボキサミド(1.3g、2.32mmol)のアセトニトリル(14ml)およびHBr水溶液(48%)(14mL)中0℃溶液に加えた。反応混合物を0℃で30分間撹拌し、臭化銅(I)(0.40g、2.78mmol)を加えた。反応混合物を60℃で1時間撹拌し、EtOAcおよび水で希釈した。有機層をブラインで洗浄し、乾燥(Na2SO4)し、濾過し、蒸発させ、シリカゲルクロマトグラフィー(0〜50%EtOAc/ヘキサン)により精製して、標題化合物(1.06g、73%)を白色泡状物として得た。LCMS(m/z, ES+)=625.2、627.2(M+H+)。
【0195】
ステップ4:(4-(N-(5-シクロプロピル-2-(4-フルオロフェニル)-3-(メチルカルバモイル)ベンゾフラン-6-イル)メチルスルホンアミド)-2-(トリフルオロメチル)フェニル)ボロン酸
6-(N-(4-ブロモ-3-(トリフルオロメチル)フェニル)メチルスルホンアミド)-5-シクロプロピル-2-(4-フルオロフェニル)-N-メチルベンゾフラン-3-カルボキサミド(0.20g、0.32mmol)、酢酸カリウム(0.13g、1.28mmol)、PdCl2(dppf)-CH2Cl2付加物(0.026g、0.032mmol)、ビス(ピナコラト)ジボロン(0.24g、0.96mmol)の1,4-ジオキサン(4ml)中溶液を脱気し、窒素でパージし、80℃で4時間加熱した。反応混合物をEtOAcおよび水で希釈し、セライトを通して濾過し、蒸発させた。褐色残留物をTHF(10mL)、および1M HCl(5mL)に溶解した。NaIO4(0.64g、3.20mmol)を加え、懸濁液を3時間撹拌し、EtOAcおよび水で希釈した。有機層を水、ブラインで洗浄し、乾燥(Na2SO4)し、濾過し、蒸発させ、逆相クロマトグラフィー(5〜100%CH3CN/H2O(0.1% ギ酸))により精製して、標題化合物(0.092g、49%)を白色固体として得た。1H NMR (400 MHz, メタノール-d4) δ ppm 7.85 - 8.00 (m, 3 H), 7.59 - 7.72 (m, 2 H), 7.47 (d, 1 H), 7.29 - 7.34 (m, 1 H), 7.20 - 7.29 (m, 2 H), 3.35 (s, 3 H), 2.94 (s, 3 H), 2.12 (tt, 1 H), 0.28 - 1.10 (m, 4 H)。LCMS (m/z, ES+) = 591.3 (M+H+)。
【0196】
実施例11:(4-(N-(5-シクロプロピル-2-(4-フルオロフェニル)-3-(メチルカルバモイル)ベンゾフラン-6-イル)メチルスルホンアミド)-2,6-ジフルオロフェニル)ボロン酸
【化22】
【0197】
ステップ1:5-シクロプロピル-6-(N-(3,5-ジフルオロ-4-ニトロフェニル)メチルスルホンアミド)-2-(4-フルオロフェニル)-N-メチルベンゾフラン-3-カルボキサミド
5-シクロプロピル-2-(4-フルオロフェニル)-N-メチル-6-(メチルスルホンアミド)ベンゾフラン-3-カルボキサミド(1.00g、2.49mmol)、1,3,5-トリフルオロ-2-ニトロベンゼン(0.91g、5.11mmol)、K2CO3(1.06g、7.67mmol)のHMPA(7mL)中溶液を、50℃で8時間撹拌した。さらに1,3,5-トリフルオロ-2-ニトロベンゼン(0.91g、5.11mmol)を加え、反応混合物を50℃でさらに15時間撹拌した。反応混合物をEtOAcおよび水で希釈した。有機層をブラインで洗浄し、乾燥(Na2SO4)し、濾過し、蒸発させた。残留物を1:1CH2Cl2:アセトンに溶解した。所望の異性体が沈殿し、これを真空濾過により収集し、乾燥して、標題化合物(0.92g、65%)を白色固体として得た。LCMS(m/z, ES+)=560.2(M+H)。
【0198】
ステップ2:6-(N-(4-アミノ-3,5-ジフルオロフェニル)メチルスルホンアミド)-5-シクロプロピル-2-(4-フルオロフェニル)-N-メチルベンゾフラン-3-カルボキサミド
5-シクロプロピル-6-(N-(3,5-ジフルオロ-4-ニトロフェニル)メチルスルホンアミド)-2-(4-フルオロフェニル)-N-メチルベンゾフラン-3-カルボキサミド(0.65g、1.16mmol)および塩化錫(II)(0.66g、3.49mmol)のEtOAc(10mL)およびエタノール(10mL)中溶液を、2時間加熱還流した。反応混合物をEtOAcおよび水で希釈し、懸濁液をセライトを通して濾過した。有機層を乾燥(Na2SO4)し、濾過し、蒸発させ、シリカゲルクロマトグラフィー(0〜50%EtOAc/ヘキサン)により精製して、標題化合物(0.34g、55%)を白色固体として得た。LCMS(m/z, ES+)=530.2(M+H+)。
【0199】
ステップ3:6-(N-(4-ブロモ-3,5-ジフルオロフェニル)メチルスルホンアミド)-5-シクロプロピル-2-(4-フルオロフェニル)-N-メチルベンゾフラン-3-カルボキサミド
亜硝酸ナトリウム(0.034g、0.49mmol)を、6-(N-(4-アミノ-3,5-ジフルオロフェニル)メチルスルホンアミド)-5-シクロプロピル-2-(4-フルオロフェニル)-N-メチルベンゾフラン-3-カルボキサミド(0.235g、0.444mmol)のアセトニトリル(3ml)およびHBr水溶液(48%)(3mL)中0℃溶液に加えた。反応混合物を0℃で30分間撹拌し、臭化銅(I)(0.076g、0.53mmol)を加えた。反応混合物を90℃で2時間撹拌し、EtOAcおよび水で希釈した。有機層をブラインで洗浄し、乾燥(Na2SO4)し、濾過し、蒸発させ、シリカゲルクロマトグラフィー(0〜50%EtOAc/ヘキサン)により精製して、標題化合物(0.094g、36%)を白色泡状物として得た。LCMS(m/z, ES+)=593.2、595.2(M+H+)。
【0200】
ステップ4:(4-(N-(5-シクロプロピル-2-(4-フルオロフェニル)-3-(メチルカルバモイル)ベンゾフラン-6-イル)メチルスルホンアミド)-2,6-ジフルオロフェニル)ボロン酸
6-(N-(4-ブロモ-3,5-ジフルオロフェニル)メチルスルホンアミド)-5-シクロプロピル-2-(4-フルオロフェニル)-N-メチルベンゾフラン-3-カルボキサミド(0.093g、0.157mmol)、酢酸カリウム(0.062g、0.627mmol)、PdCl2(dppf)-CH2Cl2付加物(0.013g、0.016mmol)、ビス(ピナコラト)ジボロン(0.080g、0.31mmol)の1,4-ジオキサン(1.6ml)中溶液を脱気し、窒素でパージし、90℃で4時間加熱した。反応混合物をEtOAcおよび水で希釈し、セライトを通して濾過し、蒸発させた。褐色残留物をTHF(5mL)、および1M HCl(2.5mL)に溶解した。NaIO4(0.27g、1.25mmol)を加え、懸濁液を2.5時間撹拌し、EtOAcおよび水で希釈した。有機層を水、ブラインで洗浄し、乾燥(Na2SO4)し、濾過し、蒸発させ、逆相クロマトグラフィー(5-100%CH3CN/H2O(0.1%ギ酸))により精製して、標題化合物(0.017g、19%)を白色固体として得た。1H NMR (400 MHz, メタノール-d4) δ ppm 7.91 - 7.98 (m, 2 H), 7.79 (s, 1 H), 7.34 (s, 1 H), 7.20 - 7.29 (m, 2 H), 6.82 - 6.92 (m, 2 H), 3.38 (s, 3 H), 2.95 (s, 3 H), 2.01 - 2.11 (m, 1 H), 0.70 - 1.07 (m, 3 H), 0.54 (br. s., 1 H)。LCMS (m/z, ES+) = 559.3 (M+H+)。
【0201】
実施例12:(2-シアノ-4-(N-(5-シクロプロピル-2-(4-フルオロフェニル)-3-(メチルカルバモイル)ベンゾフラン-6-イル)メチルスルホンアミド)フェニル)ボロン酸
【化23】
【0202】
ステップ1:6-(N-(3-シアノ-4-ニトロフェニル)メチルスルホンアミド)-5-シクロプロピル-2-(4-フルオロフェニル)-N-メチルベンゾフラン-3-カルボキサミド
5-フルオロ-2-ニトロベンゾニトリル(1.280mL、11.18mmol)、5-シクロプロピル-2-(4-フルオロフェニル)-N-メチル-6-(メチルスルホンアミド)ベンゾフラン-3-カルボキサミド(3.0g、7.45mmol)およびK2CO3(3.09g、22.36mmol)の1,2-ジメトキシエタン(30mL)および水(7.5mL)中混合物を、密封チューブ中、80℃まで一晩加熱した。これを室温に冷却し、EtOAcで希釈し、濾過し、オフホワイトの固体を水で洗浄し、次いで真空中で乾燥して、粗製の所望の生成物を黄色固体として得た(純度80%、3.9g、76%)。LCMS(m/z, ES+)=549(M+H+)。
【0203】
ステップ2:6-(N-(4-アミノ-3-シアノフェニル)メチルスルホンアミド)-5-シクロプロピル-2-(4-フルオロフェニル)-N-メチルベンゾフラン-3-カルボキサミド
Na2S2O4(7.24g、41.6mmol)の水(70mL)中溶液を、N2下、室温にて6-(N-(3-シアノ-4-ニトロフェニル)メチルスルホンアミド)-5-シクロプロピル-2-(4-フルオロフェニル)-N-メチルベンゾフラン-3-カルボキサミド(3.8g、6.93mmol)のTHF中溶液に滴加した。混合物を一晩撹拌した。H2Oを混合物に加え、次いでEtOAcで抽出した。合わせた抽出物をブラインで洗浄し、Na2SO4で乾燥した。濃縮後、粗製の残留物をDCM中0〜20%EtOAcで溶離するシリカゲル上のクロマトグラフィーにより精製して、所望の生成物を白色固体として得た(2.67g、74.3%)。LCMS(m/z, ES+)=519(M+H+)。
【0204】
ステップ3:6-(N-(4-ブロモ-3-シアノフェニル)メチルスルホンアミド)-5-シクロプロピル-2-(4-フルオロフェニル)-N-メチルベンゾフラン-3-カルボキサミド
tBuNO2(0.859ml、7.23mmol)を、CuBr2(1.292g、5.79mmol)のアセトニトリル(10mL)中溶液に滴加した。混合物を50℃に10分間加熱し、次いで6-(N-(4-アミノ-3-シアノフェニル)メチルスルホンアミド)-5-シクロプロピル-2-(4-フルオロフェニル)-N-メチルベンゾフラン-3-カルボキサミド(1.5g、2.89mmol)のアセトニトリル(40mL)中懸濁液を、上記の溶液に少しずつ加えた。これを50℃で30分間撹拌し、次いで室温に冷却した。反応物を氷冷した1N HClでクエンチし、次いでEtOAcで抽出した。合わせた抽出物を10% Na2S2O3およびブラインで洗浄し、次いでNa2SO4で乾燥した。濃縮後、粗製の残留物をDCM中0〜5%EtOAcで溶離するシリカゲル上のクロマトグラフィーにより精製して、所望の生成物を白色泡状物として得た(1.18g、70%)。LCMS(m/z, ES+)=583(M+H+)。
【0205】
ステップ4:6-(N-(3-シアノ-4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)フェニル)メチルスルホンアミド)-5-シクロプロピル-2-(4-フルオロフェニル)-N-メチルベンゾフラン-3-カルボキサミド
6-(N-(4-ブロモ-3-シアノフェニル)メチルスルホンアミド)-5-シクロプロピル-2-(4-フルオロフェニル)-N-メチルベンゾフラン-3-カルボキサミド(100mg、0.172mmol)、酢酸カリウム(67.4mg、0.687mmol)、ビス(ピナコラト)ジボロン(87mg、0.343mmol)およびビス(トリシクロヘキシルホスフィン)パラジウム(II)二塩化物(12.67mg、0.017mmol)の1,4-ジオキサン(2.0ml)中混合物を、密封チューブ中、N2下、90℃で一晩維持した。混合物を室温に冷却し、EtOAcで希釈し、シリカゲルおよびセライトのパッドを通して濾過し、次いで濃縮乾固して、粗生成物を黄褐色泡状物として得て、これをさらに精製することなく次のステップに使用した。LCMS(m/z, ES+)=630(M+H+)。
【0206】
ステップ5:(2-シアノ-4-(N-(5-シクロプロピル-2-(4-フルオロフェニル)-3-(メチルカルバモイル)ベンゾフラン-6-イル)メチルスルホンアミド)フェニル)ボロン酸
粗製の6-(N-(3-シアノ-4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)フェニル)メチルスルホンアミド)-5-シクロプロピル-2-(4-フルオロフェニル)-N-メチルベンゾフラン-3-カルボキサミド(108mg、0.172mmol)をテトラヒドロフラン(4.0mL)に溶解した。1M HCl(2.059mL、1.029mmol)を、続いて過ヨウ素酸ナトリウム(294mg、1.373mmol)を加えた。混合物を室温で一晩撹拌した。反応物をEtOAcと水との間で分配した。水層をEtOAc(2回)で抽出した。有機相を、10%Na2S2O3水溶液、ブラインで洗浄し、Na2SO4で乾燥した。濃縮後、粗製の残留物を逆相HPLC(0.1%TFAを含む10〜100%MeCN/H2O)により精製して、標題化合物を白色固体として得た(58mg、62%)。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ ppm 8.60 (br. s., 1 H) 8.48 (q, 1 H) 8.12 (s, 1 H) 7.94 - 8.02 (m, 2 H) 7.73 - 7.80 (m, 2 H) 7.58 - 7.65 (m, 1 H) 7.41 (t, 2 H) 7.21 (s, 1 H) 3.46 (s, 3 H) 2.84 (d, 3 H) 2.03 - 2.14 (m, 1 H) 0.99 (br. s., 1 H) 0.85 (br. s., 2 H) 0.45 (br. s., 1 H)。 LCMS (m/z, ES+) = 548 (M+H+)。
【0207】
実施例13:6-(N-(4-ボロノ-3-クロロフェニル)メチルスルホンアミド)-2-(4-クロロフェニル)-5-シクロプロピルベンゾフラン-3-カルボン酸
【化24】
【0208】
ステップ1:エチル6-((4-ブロモ-3-クロロフェニル)アミノ)-2-(4-クロロフェニル)-5-シクロプロピルベンゾフラン-3-カルボキシレート
NEt3(0.490mL、3.51mmol)を(4-ブロモ-3-クロロフェニル)ボロン酸(364mg、1.546mmol)のDCM(7mL)中懸濁液に加え、得られた溶液を、乾燥チューブを備えたフラスコ中で、室温にて空気中に開口した状態で激しく撹拌しながら、エチル6-アミノ-2-(4-クロロフェニル)-5-シクロプロピルベンゾフラン-3-カルボキシレート(500mg、1.405mmol)、酢酸銅(II)(281mg、1.546mmol)、3Åモレキュラーシーブス(1g)およびNEt3(0.490mL、3.51mmol)のDCM(7mL)中混合物に滴加した。室温で4時間撹拌した後、さらにNEt3(0.490mL、3.51mmol)および(4-ブロモ-3-クロロフェニル)ボロン酸(364mg、1.546mmol)のDCM(7mL)中溶液を反応混合物に滴加し、続いてさらに酢酸銅(II)(281mg、1.546mmol)を加えた。反応混合物を3日間撹拌し、さらにNEt3(0.490mL、3.51mmol)および(4-ブロモ-3-クロロフェニル)ボロン酸(364mg、1.546mmol)のDCM(7mL)中溶液を滴加し、さらに酢酸銅(II)(281mg、1.546mmol)を加えた。2時間後、EtOAcを、続いてセライトを加えた。混合物を30分間撹拌し、次いでセライトのパッドを通して濾過し、褐色溶液を濃縮乾固した。EtOAcを、続いて水を加えた。有機層を分離し、水、ブラインで洗浄し、MgSO4で乾燥し、濾過して濃縮した。粗生成物をシリカゲル(ヘキサン/EtOAc)上で精製して、エチル6-((4-ブロモ-3-クロロフェニル)アミノ)-2-(4-クロロフェニル)-5-シクロプロピルベンゾフラン-3-カルボキシレート(685mg、1.231mmol、収率88%)をオレンジ色泡状物として得た。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ ppm 8.17 (s, 1 H), 7.98 - 8.07 (m, 2 H), 7.58 - 7.65 (m, 3 H), 7.49 - 7.56 (m, 2 H), 7.11 (d, 1 H), 6.87 (dd, 1 H), 4.36 (q, 2 H), 1.95 - 2.12 (m, 1 H), 1.36 (t, 3 H), 0.93 - 1.05 (m, 2 H), 0.57 - 0.71 (m, 2 H)。
【0209】
ステップ2:エチル6-(N-(4-ブロモ-3-クロロフェニル)メチルスルホンアミド)-2-(4-クロロフェニル)-5-シクロプロピルベンゾフラン-3-カルボキシレート
LiHMDSのTHF中1M溶液(1.049mL、1.049mmol)を、-78℃でエチル6-((4-ブロモ-3-クロロフェニル)アミノ)-2-(4-クロロフェニル)-5-シクロプロピルベンゾフラン-3-カルボキシレート(440mg、0.807mmol)のTHF(15mL)中溶液に滴加した。45分間撹拌した後、赤色溶液をカニューレによりMsCl(0.252mL、3.23mmol)のTHF(1mL)中溶液に-78℃で滴加した。添加が完了した時点で、黄色溶液を室温に加温し、一晩撹拌した。水(150mL)およびEtOAc(150mL)を加えた。有機層を分離し、水、ブラインで洗浄し、MgSO4で乾燥し、濾過して濃縮した。粗生成物をシリカゲル(ヘキサン/EtOAc)上で精製して、エチル6-(N-(4-ブロモ-3-クロロフェニル)メチルスルホンアミド)-2-(4-クロロフェニル)-5-シクロプロピルベンゾフラン-3-カルボキシレート(259mg、0.395mmol、収率49%)を得た。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ ppm 8.22 (s, 1 H), 8.05 (d, 2 H), 7.78 (d, 1 H), 7.64 - 7.71 (m, 3 H), 7.62 (s, 1 H), 7.31 (dd, 1 H), 4.35 (q, 2 H), 3.46 (s, 3 H), 2.10 - 2.22 (m, 1 H), 1.34 (t, 3 H), 0.69 - 1.13 (m, 3 H), 0.42 (br. s., 1 H)。
【0210】
ステップ3:6-(N-(4-ブロモ-3-クロロフェニル)メチルスルホンアミド)-2-(4-クロロフェニル)-5-シクロプロピルベンゾフラン-3-カルボン酸
NaOHの1M溶液(1.877mL、1.877mmol)を、エチル6-(N-(4-ブロモ-3-クロロフェニル)メチルスルホンアミド)-2-(4-クロロフェニル)-5-シクロプロピルベンゾフラン-3-カルボキシレート(234mg、0.375mmol)のTHF(2mL)およびMeOH(1mL)中溶液に室温で加えた。1時間後、白色沈殿物が形成したが、出発物質はLCMSにより依然として明らかである。THF(3mL)およびNaOHの4N溶液(1mL)を加え、混合物を60℃に4時間加熱した。EtOAcを加え、1N HClを加えて水層を酸性化した。有機層を分離し、水、ブラインで洗浄し、Na2SO4で乾燥し、濾過して濃縮し、6-(N-(4-ブロモ-3-クロロフェニル)メチルスルホンアミド)-2-(4-クロロフェニル)-5-シクロプロピルベンゾフラン-3-カルボン酸(220mg、0.351mmol、収率94%)を白色固体として得た。LCMS(m/z, ES+)=594.0(M-H)。
【0211】
ステップ4:6-(N-(3-クロロ-4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)フェニル)メチルスルホンアミド)-2-(4-クロロフェニル)-5-シクロプロピルベンゾフラン-3-カルボン酸
6-(N-(4-ブロモ-3-クロロフェニル)メチルスルホンアミド)-2-(4-クロロフェニル)-5-シクロプロピルベンゾフラン-3-カルボン酸(100mg、0.168mmol)、4,4,4',4',5,5,5',5'-オクタメチル-2,2'-ビ(1,3,2-ジオキサボロラン)(85mg、0.336mmol)、酢酸カリウム(65.9mg、0.672mmol)およびPdCl2(dppf)-CH2Cl2付加物(13.72mg、0.017mmol)を含むフラスコを、排気して窒素でパージ(2回)し、次いで1,4-ジオキサン(4mL)を加え、混合物を、窒素下、90℃に16時間加熱した。反応物を室温に冷却し、EtOAcで希釈し、セライトを通して濾過し、水を加えた。有機層を分離し、Na2SO4で乾燥し、濾過し、濃縮乾固した。粗生成物をそのまま次のステップに使用した。
【0212】
ステップ5:6-(N-(4-ボロノ-3-クロロフェニル)メチルスルホンアミド)-2-(4-クロロフェニル)-5-シクロプロピルベンゾフラン-3-カルボン酸
6-(N-(3-クロロ-4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)フェニル)メチルスルホンアミド)-2-(4-クロロフェニル)-5-シクロプロピルベンゾフラン-3-カルボン酸(110mg、0.171mmol)および過ヨウ素酸ナトリウム(183mg、0.856mmol)のTHF(14mL)および1N HCl水溶液(7mL)中溶液を、室温で4時間撹拌し、次いで水およびEtOAcを加えた。有機層を分離し、ブラインで洗浄し、Na2SO4で乾燥し、濾過して濃縮した。粗生成物を逆相HPLC(水/ACN+0.1%ギ酸)により精製して、6-(N-(4-ボロノ-3-クロロフェニル)メチルスルホンアミド)-2-(4-クロロフェニル)-5-シクロプロピルベンゾフラン-3-カルボン酸(24mg、0.041mmol、収率24%)を白色粉末として得た。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ ppm 13.31 (br. s., 1 H), 8.33 (s, 2 H), 8.16 (s, 1 H), 8.03 (d, 2 H), 7.52 - 7.70 (m, 3 H), 7.37 - 7.48 (m, 2 H), 7.34 (dd, 1 H), 3.40 (s, 3 H), 2.09 - 2.22 (m, 1 H), 0.64 - 1.11 (m, 3 H), 0.47 (br. s., 1 H)。 LCMS (m/z, ES+) = 558.1 (M-H)。
【0213】
実施例14:(4-(N-(3-カルバモイル-2-(4-クロロフェニル)-5-シクロプロピルベンゾフラン-6-イル)メチルスルホンアミド)-2-クロロフェニル)ボロン酸
【化25】
【0214】
HATU(27.1mg、0.071mmol)を、6-(N-(4-ボロノ-3-クロロフェニル)メチルスルホンアミド)-2-(4-クロロフェニル)-5-シクロプロピルベンゾフラン-3-カルボン酸(20mg、0.036mmol)およびヒューニッヒ塩基(0.031mL、0.179mmol)のDMF(3mL)中溶液に加えた。室温で1時間撹拌した後、アンモニアのMeOH中2M溶液(0.357mL、0.714mmol)を加え、溶液を16時間撹拌した。水およびEtOAcを加えた。有機層を分離し、水、ブラインで洗浄し、Na2SO4で乾燥し、濾過して濃縮した。粗生成物を逆相HPLC(水/MeCN+0.1%ギ酸)により精製して、(4-(N-(3-カルバモイル-2-(4-クロロフェニル)-5-シクロプロピルベンゾフラン-6-イル)メチルスルホンアミド)-2-クロロフェニル)ボロン酸(9mg、0.015mmol、収率43%)を白色粉末として得た。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ ppm 8.33 (s, 2 H), 8.12 (s, 1 H), 8.05 (s, 1 H), 7.94 - 8.01 (m, 2 H), 7.80 (s, 1 H), 7.59 - 7.68 (m, 2 H), 7.41 - 7.46 (m, 1 H), 7.39 (d, 1 H), 7.30 - 7.37 (m, 1 H), 7.23 (s, 1 H), 3.41 (s, 3 H), 2.05 - 2.21 (m, 1 H), 1.02 (br. s., 1 H), 0.83 (br. s., 2 H), 0.53 (br. s., 1 H)。 LCMS (m/z, ES+) = 559.2 (M+H+)。
【0215】
実施例15:6-(N-(7-クロロ-1-ヒドロキシ-1,3-ジヒドロベンゾ[c][1,2]オキサボロール-5-イル)メチルスルホンアミド)-5-シクロプロピル-2-(4-フルオロフェニル)-N-メチルベンゾフラン-3-カルボキサミド
【化26】
【0216】
ステップ1:メチル5-(N-(5-シクロプロピル-2-(4-フルオロフェニル)-3-(メチルカルバモイル)ベンゾフラン-6-イル)メチルスルホンアミド)-2-ニトロベンゾエート
5-シクロプロピル-2-(4-フルオロフェニル)-N-メチル-6-(メチルスルホンアミド)ベンゾフラン-3-カルボキサミド(1.0g、2.49mmol)、メチル5-フルオロ-2-ニトロベンゾエート(0.99g、4.97mmol)、および炭酸カリウム(1.03g、7.45mmol)のHMPA(6.2mL)中溶液を、60℃で3日間撹拌した。溶液をEtOAcおよび水で希釈し、有機層をブラインで洗浄し、乾燥(Na2SO4)し、濾過し、蒸発させ、シリカゲルクロマトグラフィー(0〜80%EtOAc/ヘキサン)により精製して、標題化合物(1.33g、92%)を黄色固体として得た。1H NMR (400 MHz, クロロホルム-d) δ ppm 7.99 (d, J=9.09 Hz, 1 H), 7.85 - 7.92 (m, 2 H), 7.56 (s, 1 H), 7.53 (s, 1 H), 7.50 (dd, J=9.09, 2.64 Hz, 1 H), 7.43 (d, J=2.64 Hz, 1 H), 7.19 - 7.26 (m, 2 H), 5.80 (d, J=4.59 Hz, 1 H), 3.90 (s, 3 H), 3.34 (s, 3 H), 3.02 (d, J=4.98 Hz, 3 H), 1.91 (tt, J=8.37, 5.31 Hz, 1 H), 1.01 (br. s., 1 H), 0.89 (br. s., 1 H), 0.73 - 0.85 (m, 1 H), 0.58 (br. s., 1 H)。
【0217】
ステップ2:メチル2-アミノ-5-(N-(5-シクロプロピル-2-(4-フルオロフェニル)-3-(メチルカルバモイル)ベンゾフラン-6-イル)メチルスルホンアミド)ベンゾエート
メチル5-(N-(5-シクロプロピル-2-(4-フルオロフェニル)-3-(メチルカルバモイル)ベンゾフラン-6-イル)メチルスルホンアミド)-2-ニトロベンゾエート(1.33g、2.29mmol)および10%Pd/C(触媒)のMeOH(20mL)中溶液を、水素雰囲気(15psi)下、1.5時間撹拌した。溶液をセライトを通して濾過し、蒸発させて、標題化合物(1.26g、定量的)を薄黄色固体として得て、これをさらに精製することなく使用した。
【0218】
ステップ3:メチル2-アミノ-3-クロロ-5-(N-(5-シクロプロピル-2-(4-フルオロフェニル)-3-(メチルカルバモイル)ベンゾフラン-6-イル)メチルスルホンアミド)ベンゾエート
メチル2-アミノ-5-(N-(5-シクロプロピル-2-(4-フルオロフェニル)-3-(メチルカルバモイル)ベンゾフラン-6-イル)メチルスルホンアミド)ベンゾエート(1.60g、2.91mmol)およびNCS(0.39g、2.91mmol)のCH3CN(80mL)中溶液を、40℃で30分間撹拌した。さらにNCS(0.39g、2.91mmol)を加え、反応混合物を40℃でさらに30分間加熱し、シリカゲル上に蒸発させ、シリカゲルクロマトグラフィー(0〜70%EtOAc/ヘキサン)により精製して、標題化合物(1.29g、76%)を薄ピンク色固体として得た。1H NMR (400 MHz, クロロホルム-d) δ ppm 8.00 (d, J=2.54 Hz, 1 H), 7.85 - 7.92 (m, 2 H), 7.71 (s, 1 H), 7.65 (d, J=2.63 Hz, 1 H), 7.43 (s, 1 H), 7.15 - 7.22 (m, 2 H), 6.36 (br. s., 2 H), 5.85 (d, J=4.78 Hz, 1 H), 3.87 (s, 3 H), 3.19 (s, 3 H), 2.98 (d, J=4.88 Hz, 3 H), 2.15 - 2.30 (m, 1 H), 0.31 - 1.11 (m, 4 H)。
【0219】
ステップ4:メチル2-ブロモ-3-クロロ-5-(N-(5-シクロプロピル-2-(4-フルオロフェニル)-3-(メチルカルバモイル)ベンゾフラン-6-イル)メチルスルホンアミド)ベンゾエート
亜硝酸ナトリウム(0.17g、2.42mmol)を、メチル2-アミノ-3-クロロ-5-(N-(5-シクロプロピル-2-(4-フルオロフェニル)-3-(メチルカルバモイル)ベンゾフラン-6-イル)メチルスルホンアミド)ベンゾエート(1.29g、2.20mmol)のアセトニトリル(7.3ml)および48%HBr水溶液(7.3ml)中0℃溶液に0℃で加え、反応混合物を0℃で30分間撹拌し、臭化銅(I)(0.38g、2.64mmol)を加え、溶液を50℃で30分間加熱した。反応混合物を室温に冷却し、EtOAcおよび水で希釈した。有機層をブラインで洗浄し、乾燥(Na2SO4)し、濾過し、蒸発させ、シリカゲルクロマトグラフィー(0〜50%EtOAc/ヘキサン)により精製して、標題化合物(1.24g、86%)を白色泡状物として得た。1H NMR (400 MHz, クロロホルム-d) δ ppm 7.86 - 7.93 (m, 2 H), 7.50 - 7.63 (m, 4 H), 7.17 - 7.25 (m, 2 H), 5.79 (br. s., 1 H), 3.92 (s, 3 H), 3.28 (s, 3 H), 3.01 (d, J=4.88 Hz, 3 H), 1.94 - 2.04 (m, 1 H), 0.76 - 1.09 (m, 3 H), 0.55 (br. s., 1 H)。
【0220】
ステップ5:6-(N-(4-ブロモ-3-クロロ-5-((メトキシメトキシ)メチル)フェニル)メチルスルホンアミド)-5-シクロプロピル-2-(4-フルオロフェニル)-N-メチルベンゾフラン-3-カルボキサミド
LiBH4(2.85ml、5.71mmol)溶液(THF中2M)を、メチル2-ブロモ-3-クロロ-5-(N-(5-シクロプロピル-2-(4-フルオロフェニル)-3-(メチルカルバモイル)ベンゾフラン-6-イル)メチルスルホンアミド)ベンゾエート(1.24g、1.90mmol)のテトラヒドロフラン(THF)(13.5ml)およびメタノール(1.3ml)中0℃溶液に滴加した。反応混合物を0℃で1時間撹拌し、1M NaOHでクエンチした。反応混合物をEtOAcおよび水で希釈した。有機層をブラインで洗浄し、乾燥(Na2SO4)し、濾過して蒸発させた。粗製のアルコールをTHF(14mL)に溶解した。DIEA(1.0ml、5.71mmol)およびMOM-Cl(0.36ml、4.76mmol)を加え、反応混合物を50℃で一晩撹拌した。飽和NaHCO3を加え、混合物をEtOAcで抽出した。有機層をブラインで洗浄し、乾燥(Na2SO4)し、濾過し、蒸発させ、シリカゲルクロマトグラフィー(0〜50%EtOAc/ヘキサン)により精製して、標題化合物(1.08g、85%)を白色泡状物として得た。1H NMR (400 MHz, クロロホルム-d) δ ppm 7.86 - 7.93 (m, 2 H), 7.61 (s, 1 H), 7.50 (d, 1 H), 7.49 (s, 1 H), 7.42 (d, J=2.83 Hz, 1 H), 7.18 - 7.25 (m, 2 H), 5.80 (br. s., 1 H), 4.73 (s, 2 H), 4.62 (s, 2 H), 3.38 (s, 3 H), 3.27 (s, 3 H), 3.01 (d, J=4.98 Hz, 3 H), 2.05 - 2.14 (m, 1 H), 0.75 - 1.11 (m, 3 H), 0.58 (br. s., 1 H)。
【0221】
ステップ6:6-(N-(7-クロロ-1-ヒドロキシ-1,3-ジヒドロベンゾ[c][1,2]オキサボロール-5-イル)メチルスルホンアミド)-5-シクロプロピル-2-(4-フルオロフェニル)-N-メチルベンゾフラン-3-カルボキサミド
6-(N-(4-ブロモ-3-クロロ-5-((メトキシメトキシ)メチル)フェニル)メチルスルホンアミド)-5-シクロプロピル-2-(4-フルオロフェニル)-N-メチルベンゾフラン-3-カルボキサミド(0.25g、0.38mmol)、酢酸カリウム(0.15g、1.50mmol)、PdCl2(dppf)-CH2Cl2付加物(0.031g、0.038mmol)、ビス(ピナコラト)ジボロン(0.29g、1.13mmol)の1,4-ジオキサン(3.75ml)中溶液を脱気し、窒素でパージし、90℃で15時間加熱した。反応混合物をEtOAcおよび水で希釈し、セライトを通して濾過し、蒸発させた。褐色残留物をTHF(5mL)、および1M HCl(5mL)に溶解し、溶液を70℃で4時間加熱した。MeOH(2mL)を加え、溶液を70℃でさらに15時間加熱し、EtOAcおよび水で希釈した。有機層をブラインで洗浄し、乾燥(Na2SO4)し、濾過し、蒸発させ、シリカゲルクロマトグラフィー(100%EtOAcから10%MeOH/CH2Cl2)により精製して、標題化合物を透明油状物として得た。MeOHを加え、沈殿物を真空濾過により集め、MeOHで洗浄し、乾燥して、標題化合物(0.0831g、39%)を薄黄褐色固体として得た。濾液を逆相クロマトグラフィー(5〜100%CH3CN/H2O(0.1%ギ酸))により精製して、標題化合物(0.0146g、7%)のさらなるバッチを白色固体として得た。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ ppm 9.17 (s, 1 H), 8.50 (d, J=4.68 Hz, 1 H), 8.09 (s, 1 H), 7.94 - 8.02 (m, 2 H), 7.37 - 7.46 (m, 3 H), 7.28 (d, J=1.56 Hz, 1 H), 7.22 (s, 1 H), 4.96 (s, 2 H), 3.47 (s, 3 H), 2.84 (d, J=4.59 Hz, 3 H), 2.02 - 2.14 (m, 1 H), 0.98 (br. s., 1 H), 0.82 (br. s., 2 H), 0.49 (br. s., 1 H)。 LCMS (m/z, ES+) = 569.2 (M+H+)。
【0222】
実施例16:(4-(N-(5-シクロプロピル-2-(4-フルオロフェニル)-3-(メチルカルバモイル)ベンゾフラン-6-イル)メチルスルホンアミド)-2-(メチルスルホニル)フェニル)ボロン酸
【化27】
【0223】
ステップ1:5-シクロプロピル-2-(4-フルオロフェニル)-N-メチル-6-(N-(3-(メチルチオ)-4-ニトロフェニル)メチルスルホンアミド)ベンゾフラン-3-カルボキサミド
6-(N-(3-クロロ-4-ニトロフェニル)メチルスルホンアミド)-5-シクロプロピル-2-(4-フルオロフェニル)-N-メチルベンゾフラン-3-カルボキサミド(2g、3.58mmol)、およびナトリウムチオメトキシド(0.685g、9.78mmol)の混合物を1:1 CH3CN/イソプロパノール(20mL)に溶解し、室温で3時間撹拌した。溶媒を蒸発させ、水(60mL)を加えた。形成された黄色がかった固体を濾過し、水で洗浄して薄黄色固体を得て、これを次のステップに使用した(1.6g、86%)。LCMS(m/z, ES+)=570(M+H+)。
【0224】
ステップ2:5-シクロプロピル-2-(4-フルオロフェニル)-N-メチル-6-(N-(3-(メチルスルホニル)-4-ニトロフェニル)メチルスルホンアミド)ベンゾフラン-3-カルボキサミド
酢酸(5mL)中の5-シクロプロピル-2-(4-フルオロフェニル)-N-メチル-6-(N-(3-(メチルチオ)-4-ニトロフェニル)メチルスルホンアミド)ベンゾフラン-3-カルボキサミド(1g、1.756mmol)に、H2O2(1.630mL、15.96mmol)を注意深く加えた。反応混合物を90℃で5時間撹拌した。得られた黄色懸濁液を濃縮し、氷浴中で冷却し、飽和NaHCO3を加えた。得られた黄色固体を濾過し、水で3回(15mLで3回)洗浄し、乾燥した。この物質を次のステップに使用した。(0.8g、83%)。LCMS(m/z, ES+)=602(M+H+)。
【0225】
ステップ3:6-(N-(4-アミノ-3-(メチルスルホニル)フェニル)メチルスルホンアミド)-5-シクロプロピル-2-(4-フルオロフェニル)-N-メチルベンゾフラン-3-カルボキサミド
5-シクロプロピル-2-(4-フルオロフェニル)-N-メチル-6-(N-(3-(メチルスルホニル)-4-ニトロフェニル)メチルスルホンアミド)ベンゾフラン-3-カルボキサミド(0.7g、1.164mmol)の1:1EtOH/酢酸エチル(10mL)中溶液に、塩化錫(II)(1.324g、6.98mmol)を加えた。反応物を70℃で3時間加熱した。溶媒を蒸発させ、反応物をEtOAcと水との間で分配した。得られた半粘性物を濾過(6時間)し、得られた固体(0.5g、75%)をそのまま次のステップに進めた。LCMS(m/z, ES+)=572(M+H+)。
【0226】
ステップ4:6-(N-(4-ブロモ-3-(メチルスルホニル)フェニル)メチルスルホンアミド)-5-シクロプロピル-2-(4-フルオロフェニル)-N-メチルベンゾフラン-3-カルボキサミド
6-(N-(4-アミノ-3-(メチルスルホニル)フェニル)メチルスルホンアミド)-5-シクロプロピル-2-(4-フルオロフェニル)-N-メチルベンゾフラン-3-カルボキサミド(0.4g、0.700mmol)のアセトニトリル(3mL)中溶液に、8M HBr(0.437mL、3.50mmol)を加えた。得られた溶液を氷水浴中で15分間冷却し、混合物を亜硝酸ナトリウム(0.072g、1.050mmol)の水(2mL)中溶液で5分かけて処理した。得られた黄色懸濁液を氷浴中で1.5時間撹拌し、次いで臭化銅(I)(0.201g、1.399mmol)で少しずつ5分かけて処理した。この暗褐色溶液を60℃に加温し、さらに2時間撹拌を続けた。混合物を室温に冷却し、5%亜硫酸水素ナトリウム水溶液(6mL)とEtOAc(80mL)との混合物中に注ぎ入れた。相を分離し、水溶液をさらにEtOAc(15mL)で2回抽出した。合わせたEtOAc溶液を5%亜硫酸水素ナトリウム水溶液、飽和重炭酸ナトリウム水溶液、飽和ブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧で濃縮乾固して、黄色泡状物を得た。この物質をフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、9:1ヘキサン/EtOAcからEtOAcへの勾配)に供して、標題化合物(0.3g、68%)を得た。LCMS(m/z, ES+)=635、637(M+H+)。
【0227】
ステップ5:(4-(N-(5-シクロプロピル-2-(4-フルオロフェニル)-3-(メチルカルバモイル)ベンゾフラン-6-イル)メチルスルホンアミド)-2-(メチルスルホニル)フェニル)ボロン酸
6-(N-(4-ブロモ-3-(メチルスルホニル)フェニル)メチルスルホンアミド)-5-シクロプロピル-2-(4-フルオロフェニル)-N-メチルベンゾフラン-3-カルボキサミド(200mg、0.315mmol)の1,4-ジオキサン(2mL)中溶液に、4,4,4',4',5,5,5',5'-オクタメチル-2,2'-ビ(1,3,2-ジオキサボロラン)(400mg、1.574mmol)、酢酸カリウム(154mg、1.574mmol)およびPd(II)(dppf)Cl2DCM錯体(12.85mg、0.016mmol)を加えた。混合物を、窒素下80℃で撹拌した。4時間後、混合物を室温に冷却し、EtOAc(10mL)で希釈した。得られた溶液を水、飽和ブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を蒸発させた後、粗製の残留物をTHF(10mL)に溶解し、得られた溶液を氷水浴中で冷却した。溶液を1N HCl水溶液(1.574mL、1.574mmol)で、続いて過ヨウ素酸ナトリウム(135mg、0.629mmol)で処理した。混合物を0℃で20分間撹拌し、次いで室温に加温した。18時間後、混合物を水とEtOAcとの間で分配し、相を分離した。水溶液をEtOAcで抽出した。合わせたEtOAc溶液を5%亜硫酸水素ナトリウム水溶液、飽和ブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧で濃縮乾固した。残留物をHPLC精製(ACN:水-0.1%ギ酸)に供して、純粋な生成物を得た(12mg、6.4%)。1H NMR (400 MHz, クロロホルム-d) δ ppm 7.97 (br. s., 2H), 7.87 (d, J = 5.37 Hz, 2H), 7.56 - 7.64 (m, 2H), 7.49 (s, 1H), 7.15 - 7.24 (m, 2H), 6.15 - 6.37 (m, 1H), 5.77 - 5.92 (m, 1H), 3.30 (s, 3H), 3.13 (br. s., 3H), 3.00 (d, J = 2.34 Hz, 3H), 1.91 - 2.10 (m, 1H), 1.18 - 1.34 (m, 1H), 0.95 - 1.10 (m, 1H), 0.83 - 0.93 (m, 1H), 0.69 - 0.83 (m, 1H), 0.44 - 0.61 (m, 1H). LCMS (m/z, ES+) = 601 (M+H+)。
【0228】
実施例17:1-(2-クロロ-4-(N-(5-シクロプロピル-2-(4-フルオロフェニル)-3-(メチルカルバモイル)ベンゾフラン-6-イル)メチルスルホンアミド)フェニル)-4-メチル-2,6,7-トリオキサ-1-ボラビシクロ[2.2.2]オクタン-1-ウイドカリウム塩
【化28】
【0229】
(2-クロロ-4-(N-(5-シクロプロピル-2-(4-フルオロフェニル)-3-(メチルカルバモイル)ベンゾフラン-6-イル)メチルスルホンアミド)フェニル)ボロン酸(0.0750g、0.135mmol)および1,1,1-トリス(ヒドロキシメチル)エタン(0.0180g、0.148mmol)の無水THF(6mL)中撹拌溶液に、活性化3オングストロームモレキュラーシーブス(0.400g)を加えた。得られた混合物を4時間加熱還流し、室温に冷却した。混合物を濾過して固体を除去し、濾液を減圧で濃縮乾固した。残留物を無水THF(5mL)に溶解し、溶液を0℃に冷却した。溶液を1Mカリウムt-ブトキシド/THF(135μL、0.135mmol)を滴加することにより処理した。室温に加温した後、溶液を減圧で濃縮乾固して、標題化合物を薄黄色固体として定量的収率で得た。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δppm 8.48 (d, J=4.0 Hz, 1 H) 8.09 (s, 1 H) 7.98 (dd, J=8.9, 5.5 Hz, 2 H) 7.51 (d, J=7.9 Hz, 1 H) 7.39 (t, J=8.9 Hz, 2 H) 7.07 - 7.18 (m, 3 H) 3.55 (s, 6 H) 3.28 (s, 3 H) 2.82 (d, J=3.4 Hz, 3 H) 2.10 - 2.23 (m, 1 H) 0.73 - 1.04 (m, 4 H) 0.45 (s, 3 H)。
【0230】
実施例18:((4-(N-(5-シクロプロピル-2-(4-フルオロフェニル)-3-(メチルカルバモイル)ベンゾフラン-6-イル)メチルスルホンアミド)フェノキシ)メチル)ボロン酸
【化29】
【0231】
ステップ1:6-(N-(4-(ベンジルオキシ)フェニル)メチルスルホンアミド)-5-シクロプロピル-2-(4-フルオロフェニル)-N-メチルベンゾフラン-3-カルボキサミド
5-シクロプロピル-2-(4-フルオロフェニル)-N-メチル-6-(メチルスルホンアミド)ベンゾフラン-3-カルボキサミド(0.500g、1.24mmol)、(4-(ベンジルオキシ)フェニル)ボロン酸(0.567g、2.49mmol)、酢酸銅(II)(0.451g、2.49mmol)、およびトリエチルアミン(1.00mL、7.12mmol)のDCM(25mL)中撹拌混合物を、粉末の3オングストロームモレキュラーシーブス(1.00g)で処理した。得られた混合物を、空気下、乾燥管を用いて室温で撹拌して湿気を除去した。18時間後、混合物をさらに(4-(ベンジルオキシ)フェニル)ボロン酸(250mg)で処理し、室温で撹拌を続けた。さらに8時間後、混合物をセライトを通して濾過し、濾液を減圧で濃縮乾固した。黒色残留物をEtOAcに懸濁し、溶解していない固体をセライトを通した濾過により除去した。濾液を減圧で濃縮乾固し、残留物をフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、DCMから1:1DCM/EtOAcへの勾配溶離)に供して、標題化合物(0.403g、56%)を白色固体として得た。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δppm 8.39 - 8.47 (m, 1 H) 8.12 - 8.18 (m, 1 H) 7.92 - 7.99 (m, 2 H) 7.55 (d, J=8.9 Hz, 2 H) 7.28 - 7.46 (m, 7 H) 7.13 (s, 1 H) 7.03 (d, J=9.0 Hz, 2 H) 5.09 (s, 2 H) 3.29 (s, 3 H) 2.82 (d, J=4.5 Hz, 3 H) 2.25 - 2.35 (m, 1 H) 0.75 - 1.14 (m, 3 H) 0.32 - 0.58 (m, 1 H)。 LCMS (m/z, ES+) = 585 (M+H+)。
【0232】
ステップ2:5-シクロプロピル-2-(4-フルオロフェニル)-6-(N-(4-ヒドロキシフェニル)メチルスルホンアミド)-N-メチルベンゾフラン-3-カルボキサミド
6-(N-(4-(ベンジルオキシ)フェニル)メチルスルホンアミド)-5-シクロプロピル-2-(4-フルオロフェニル)-N-メチルベンゾフラン-3-カルボキサミド(0.174g、0.298mmol)の3:1THF/EtOH(20mL)中溶液を、炭上の5%パラジウム(20mg)の存在下、40psiで水素化に供した。3時間後、反応容器を窒素でパージし、セライトを通した濾過によって触媒を除去し、濾液を減圧で濃縮乾固した。残留物をDCM/ヘキサンで粉砕した。得られた固体を濾取し、真空中で乾燥して、標題化合物(144mg、98%)をオフホワイトの固体として得た。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δppm 9.67 (br. s., 1 H) 8.44 (q, J=4.4 Hz, 1 H) 8.13 (s, 1 H) 7.97 (dd, J=8.9, 5.4 Hz, 2 H) 7.46 (d, J=8.9 Hz, 2 H) 7.40 (t, J=8.9 Hz, 2 H) 7.12 (s, 1 H) 6.77 (d, J=8.9 Hz, 2 H) 3.27 (s, 3 H) 2.83 (d, J=4.6 Hz, 3 H) 2.28 - 2.39 (m, 1 H) 0.76 - 1.11 (m, 3 H) 0.47 (br. s., 1 H)。 LCMS (m/z, ES+) = 495 (M+H+)。
【0233】
ステップ3:((4-(N-(5-シクロプロピル-2-(4-フルオロフェニル)-3-(メチルカルバモイル)ベンゾフラン-6-イル)メチルスルホンアミド)フェノキシ)メチル)ボロン酸
5-シクロプロピル-2-(4-フルオロフェニル)-6-(N-(4-ヒドロキシフェニル)メチルスルホンアミド)-N-メチルベンゾフラン-3-カルボキサミド(85.0mg、0.172mmol)、炭酸カリウム(0.119g、0.859mmol)、および2-(ブロモメチル)-4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン(0.152g、0.688mmol)のMeCN(3mL)中混合物を、密封チューブ中、撹拌しながら65℃に加熱した。2時間後、混合物を室温に冷却し、濾過して固体を除去し、濾液を減圧で濃縮乾固した。残留物をRP-HPLC精製(C18、MeCN/水/0.1%ギ酸)に、続いてMeCN/水からの凍結乾燥に供して、標題化合物(77mg、81%)を白色粉末として得た。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δppm 8.40 - 8.47 (m, 1 H) 8.15 (s, 1 H) 8.03 (s, 2 H) 7.97 (dd, J=8.8, 5.4 Hz, 2 H) 7.53 (d, J=9.0 Hz, 2 H) 7.40 (t, J=8.9 Hz, 2 H) 7.12 (s, 1 H) 6.90 (d, J=9.1 Hz, 2 H) 3.58 (s, 2 H) 3.33 (s, 3 H) 2.82 (d, J=4.5 Hz, 3 H) 2.24 - 2.38 (m, 1 H) 0.76 - 1.10 (m, 3 H) 0.47 (br. s., 1 H)。LCMS (m/z, ES+) = 553 (M+H+)。
【0234】
実施例19:((2-クロロ-4-(N-(5-シクロプロピル-2-(4-フルオロフェニル)-3-(メチルカルバモイル)ベンゾフラン-6-イル)メチルスルホンアミド)フェノキシ)メチル)ボロン酸
【化30】
【0235】
ステップ1:6-(N-(4-(ベンジルオキシ)-3-クロロフェニル)メチルスルホンアミド)-5-シクロプロピル-2-(4-フルオロフェニル)-N-メチルベンゾフラン-3-カルボキサミド
5-シクロプロピル-2-(4-フルオロフェニル)-N-メチル-6-(メチルスルホンアミド)ベンゾフラン-3-カルボキサミド(1.00g、2.49mmol)、(4-(ベンジルオキシ)-3-クロロフェニル)ボロン酸(1.31g、4.97mmol)、酢酸銅(II)(0.903g、4.97mmol)、およびトリエチルアミン(2.00mL、14.4mmol)の無水DCM(25mL)中混合物を、粉末の3オングストロームモレキュラーシーブス(2.00g)で処理した。得られた混合物を、空気下、乾燥管を用いて室温で撹拌して湿気を除去した。18時間後、混合物をさらに(4-(ベンジルオキシ)-3-クロロフェニル)ボロン酸(1.00g)で処理した。さらに18時間後、混合物をDCM(15mL)で希釈し、(4-(ベンジルオキシ)-3-クロロフェニル)ボロン酸(1.30g)、酢酸銅(II)(0.900g)、3オングストロームモレキュラーシーブス(2.00g)およびトリエチルアミン(2mL)で処理した。さらに16時間後、混合物をセライトを通して濾過して固体を除去し、濾液を減圧で濃縮乾固した。残留物をEtOAcに懸濁し、溶解していない固体をセライトを通して濾過により除去した。濾液を水(2回)、ブライン(1回)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧で濃縮乾固した。粗製物をフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、DCMから7:3 DCM/EtOAcへの勾配)により精製し、その後ヘキサン/EtOAcから再結晶して、標題化合物(0.83g、54%)をオフホワイトの固体として得た。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δppm 8.40 - 8.47 (m, 1 H) 8.20 (s, 1 H) 7.93 - 8.00 (m, 2 H) 7.69 (d, J=2.6 Hz, 1 H) 7.52 (dd, J=8.9, 2.7 Hz, 1 H) 7.30 - 7.48 (m, 7 H) 7.25 (d, J=9.1 Hz, 1 H) 7.14 (s, 1 H) 5.21 (s, 2 H) 3.33 (s, 3 H) 2.82 (d, J=4.6 Hz, 3 H) 2.17 - 2.33 (m, 1 H) 0.75 - 1.09 (m, 3 H) 0.42 (br. s., 1 H)。LCMS (m/z, ES+) = 619, 621 (M+H+)。
【0236】
ステップ2:6-(N-(3-クロロ-4-ヒドロキシフェニル)メチルスルホンアミド)-5-シクロプロピル-2-(4-フルオロフェニル)-N-メチルベンゾフラン-3-カルボキサミド
6-(N-(4-(ベンジルオキシ)-3-クロロフェニル)メチルスルホンアミド)-5-シクロプロピル-2-(4-フルオロフェニル)-N-メチルベンゾフラン-3-カルボキサミド(0.300g、0.485mmol)の無水DCM(12mL)中溶液を、氷水浴中で冷却し、1M BCl3/DCM(2.00mL、2.00mmol)で処理した。氷浴中で10分間撹拌した後、溶液を室温に加温した。次いでこの溶液を、同様の50mgスケール反応から得られた溶液と合わせ、撹拌氷水(50mL)中に注ぎ入れた。混合物をEtOAc(50mL)で希釈し、数分間激しく撹拌し、相を分離した。EtOAc溶液を水(2回)、ブライン(1回)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧で濃縮乾固した。粗製物をフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、DCMから1:1DCM/EtOAcへの勾配)に供し、続いてヘキサン/EtOAcから再結晶して、標題化合物(0.110g、37%)を白色粉末として得た。上記クロマトグラフィーから得られた不純物を含む分画を合わせ、濃縮し、RP-HPLC精製(C18、MeCN/水/0.1%ギ酸)に供して、追加の標題化合物(0.107g、36%)を合計収率73%として得た。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δppm 10.45 (s, 1 H) 8.40 - 8.48 (m, 1 H) 8.18 (s, 1 H) 7.90 - 8.01 (m, 2 H) 7.61 (d, J=2.6 Hz, 1 H) 7.34 - 7.45 (m, 3 H) 7.14 (s, 1 H) 6.96 (d, J=8.8 Hz, 1 H) 3.30 (s, 3 H) 2.82 (d, J=4.6 Hz, 3 H) 2.20 - 2.34 (m, 1 H) 0.77 - 1.09 (m, 3 H) 0.43 (br. s., 1 H)。LCMS (m/z, ES+) = 529 (M+H+)。
【0237】
ステップ3:((2-クロロ-4-(N-(5-シクロプロピル-2-(4-フルオロフェニル)-3-(メチルカルバモイル)ベンゾフラン-6-イル)メチルスルホンアミド)フェノキシ)メチル)ボロン酸
6-(N-(3-クロロ-4-ヒドロキシフェニル)メチルスルホンアミド)-5-シクロプロピル-2-(4-フルオロフェニル)-N-メチルベンゾフラン-3-カルボキサミド(65.0mg、0.123mmol)、炭酸カリウム(85.0mg、0.614mmol)、および2-(ブロモメチル)-4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン(0.109g、0.492mmol)の無水MeCN(4mL)中混合物を、密封チューブ中、撹拌しながら65℃に加熱した。2時間後、混合物を室温に冷却し、濾過して固体を除去し、濾液を減圧で濃縮乾固した。残留物をRP-HPLC精製(C18、MeCN/水/0.1%ギ酸)に供し、その後MeCN/水から凍結乾燥して、標題化合物(43mg、60%)を白色粉末として得た。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δppm 8.40 - 8.47 (m, 1 H) 8.20 (s, 1 H) 8.05 (s, 2 H) 7.97 (dd, J=8.7, 5.5 Hz, 2 H) 7.65 (d, J=2.5 Hz, 1 H) 7.53 (dd, J=8.9, 2.6 Hz, 1 H) 7.40 (t, J=8.8 Hz, 2 H) 7.14 (s, 1 H) 7.00 (d, J=9.1 Hz, 1 H) 3.73 (s, 2 H) 3.32 (s, 3 H) 2.82 (d, J=4.5 Hz, 3 H) 2.20 - 2.35 (m, 1 H) 0.90 (br. s., 3 H) 0.45 (br. s., 1 H)。LCMS (m/z, ES+) = 587 (M+H+)。
【0238】
実施例20:5-シクロプロピル-2-(4-フルオロフェニル)-6-(N-(1-ヒドロキシ-1,3-ジヒドロベンゾ[c][1,2]オキサボロール-5-イル)メチルスルホンアミド)-N-メチルベンゾフラン-3-カルボキサミド
【化31】
【0239】
ステップ1:メチル 5-(N-(5-シクロプロピル-2-(4-フルオロフェニル)-3-(メチルカルバモイル)ベンゾフラン-6-イル)メチルスルホンアミド)-2-ニトロベンゾエート
メチル5-フルオロ-2-ニトロベンゾエート(2.138g、10.73mmol)、5-シクロプロピル-2-(4-フルオロフェニル)-N-メチル-6-(メチルスルホンアミド)ベンゾフラン-3-カルボキサミド(4.0g、9.94mmol)およびK2CO3(4.12g、29.8mmol)のヘキサメチルホスホルアミド(25mL)中混合物を、密封チューブ中、60℃で3日間撹拌した。室温に冷却し、混合物をEtOAcで希釈し、次いでセライトのパッドを通して濾過した。濾液を水およびブラインで洗浄し、Na2SO4で乾燥した。減圧下に濃縮し、残留物を、ヘキサン中0〜50%EtOAcで溶離するシリカゲル上でのフラッシングクロマトグラフィーにより精製して、生成物(3.2g、55%)を黄色固体として得た。1H NMR (400 MHz, クロロホルム-d) δ ppm 8.00 (d, J=9.17 Hz, 1 H) 7.89 (dd, J=8.78, 5.27 Hz, 2 H) 7.55 (d, J=9.37 Hz, 2 H) 7.50 (dd, J=9.07, 2.63 Hz, 1 H) 7.44 (d, J=2.73 Hz, 1 H) 7.23 (t, J=8.68 Hz, 2 H) 5.81 (d, J=4.49 Hz, 1 H) 3.91 (s, 3 H) 3.35 (s, 3 H) 3.02 (d, J=4.88 Hz, 3 H) 1.86 - 1.96 (m, 1 H) 0.97 - 1.05 (m, 1 H) 0.89 (br. s., 2 H) 0.59 (br. s., 1 H)。LCMS (m/z, ES+) = 582 (M+H+)。
【0240】
ステップ2:メチル2-アミノ-5-(N-(5-シクロプロピル-2-(4-フルオロフェニル)-3-(メチルカルバモイル)ベンゾフラン-6-イル)メチルスルホンアミド)ベンゾエート
メチル5-(N-(5-シクロプロピル-2-(4-フルオロフェニル)-3-(メチルカルバモイル)ベンゾフラン-6-イル)メチルスルホンアミド)-2-ニトロベンゾエート(3.2g、5.50mmol)をメタノール(50mL)に溶解し、H2(H2バルーン)下で10% Pd/C(0.586g、0.550mmol)の存在下、室温で水素化を行った。混合物を6時間撹拌し、次いでこれをセライトのパッドに通すことにより濾過した。減圧下に濃縮し、これをヘキサンで2回濯いで、所望の生成物(3.0g、98%)を黄色固体として得て、これをさらに精製することなく次のステップに使用した。LCMS(m/z, ES+)=552(M+H+)。
【0241】
ステップ3:メチル2-ブロモ-5-(N-(5-シクロプロピル-2-(4-フルオロフェニル)-3-(メチルカルバモイル)ベンゾフラン-6-イル)メチルスルホンアミド)ベンゾエート
メチル2-アミノ-5-(N-(5-シクロプロピル-2-(4-フルオロフェニル)-3-(メチルカルバモイル)ベンゾフラン-6-イル)メチルスルホンアミド)ベンゾエート(1.6g、2.70mmol)のアセトニトリル(30mL)および臭化水素(25mL、2.70mmol)中懸濁液を、0℃にて亜硝酸ナトリウム水溶液(0.205g、2.97mmol)で処理し、混合物を30分間撹拌し、臭化銅(I)(0.464g、3.24mmol)を同じ温度で少しずつ加えた。これを室温に加温し、次いで55℃に一晩加熱した。混合物を室温に冷却し、EtOAcと水との間で分配した。有機相をブラインで洗浄し、Na2SO4で乾燥した。減圧下に濃縮し、残留物をヘキサン中0〜50%EtOAcで溶離するシリカゲル上でのフラッシングクロマトグラフィーにより精製して、生成物(0.92g、55%)を白色泡状物として得た。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ ppm 8.49 (q, J=4.23 Hz, 1 H) 8.14 (s, 1 H) 7.97 (dd, J=8.78, 5.46 Hz, 2 H) 7.80 (d, J=2.93 Hz, 1 H) 7.75 (d, J=8.78 Hz, 1 H) 7.50 (dd, J=8.88, 2.83 Hz, 1 H) 7.41 (t, J=8.88 Hz, 2 H) 7.22 (s, 1 H) 3.84 (s, 3 H) 3.44 (s, 3 H) 2.84 (d, J=4.68 Hz, 3 H) 2.05 - 2.15 (m, 1 H) 0.92 - 1.05 (br. s, 1 H) 0.87 (br. s., 2 H) 0.40 (br. s., 1 H)。LCMS (m/z, ES+) = 617 (M+H+)。
【0242】
ステップ4:6-(N-(4-ブロモ-3-(ヒドロキシメチル)フェニル)メチルスルホンアミド)-5-シクロプロピル-2-(4-フルオロフェニル)-N-メチルベンゾフラン-3-カルボキサミド
LiBH4(1.593mL、3.19mmol)溶液(THF中2M)を、N2下、0℃でメチル2-ブロモ-5-(N-(5-シクロプロピル-2-(4-フルオロフェニル)-3-(メチルカルバモイル)ベンゾフラン-6-イル)メチルスルホンアミド)ベンゾエート(0.76g、1.062mmol)のテトラヒドロフラン(6.0mL)およびメタノール(0.600mL)中溶液に滴加した。混合物を同じ温度で3時間撹拌した。これを1M NaOHでクエンチし、次いでEtOAcと水との間で分配した。水層をEtOAc(2回)で抽出した。有機相をブラインで洗浄し、Na2SO4で乾燥した。これを濃縮乾固して、粗生成物(>99%)を黄褐色泡状物として得、これをさらに精製することなく次のステップに使用した。LCMS(m/z, ES+)=587(M+H+)。
【0243】
ステップ5:6-(N-(4-ブロモ-3-((メトキシメトキシ)メチル)フェニル)メチルスルホンアミド)-5-シクロプロピル-2-(4-フルオロフェニル)-N-メチルベンゾフラン-3-カルボキサミド
クロロ(メトキシ)メタン(0.201mL、2.65mmol)を、N2下、6-(N-(4-ブロモ-3-(ヒドロキシメチル)フェニル)メチルスルホンアミド)-5-シクロプロピル-2-(4-フルオロフェニル)-N-メチルベンゾフラン-3-カルボキサミド(0.724g、1.06mmol)およびDIEA(0.555mL、3.18mmol)のテトラヒドロフラン(10mL)中溶液に滴加した。混合物を50℃に一晩加熱した。室温に冷却し、NaHCO3水溶液を加え、水層をEtOAc(2回)で抽出した。有機相をブラインで洗浄し、Na2SO4で乾燥した。粗製の残留物をヘキサン中0〜50%EtOAcで溶離するシリカゲル上のクロマトグラフィーにより精製して、生成物(0.65g、97%)を白色固体として得た。1H NMR (400 MHz, クロロホルム-d) δ ppm 7.90 (dd, J=8.78, 5.27 Hz, 2 H) 7.64 (s, 1 H) 7.57 (d, J=2.73 Hz, 1 H) 7.50 (d, J=8.78 Hz, 1 H) 7.47 (s, 1 H) 7.18 - 7.26 (m, 3 H) 5.79 (d, J=4.49 Hz, 1 H) 4.74 (s, 2 H) 4.61 (s, 2 H) 3.39 (s, 3 H) 3.25 (s, 3 H) 3.01 (d, J=4.88 Hz, 3 H) 2.08 - 2.18 (m, 1 H) 0.75 - 1.14 (m, 3 H) 0.58 (br. s., 1 H)。LCMS (m/z, ES+) = 633 (M+H+)。
【0244】
ステップ6:5-シクロプロピル-2-(4-フルオロフェニル)-6-(N-(3-((メトキシメトキシ)メチル)-4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)フェニル)メチルスルホンアミド)-N-メチルベンゾフラン-3-カルボキサミド
6-(N-(4-ブロモ-3-((メトキシメトキシ)メチル)フェニル)メチルスルホンアミド)-5-シクロプロピル-2-(4-フルオロフェニル)-N-メチルベンゾフラン-3-カルボキサミド(200mg、0.317mmol)、酢酸カリウム(124mg、1.267mmol)、ビス(ピナコラト)ジボロン(161mg、0.633mmol)およびPdCl2(dppf)-CH2Cl2付加物(25.9mg、0.032mmol)の1,4-ジオキサン(3.0ml)中混合物を、密封チューブ中、N2下、90℃で一晩維持した。混合物を室温に冷却し、EtOAcで希釈し、シリカゲルおよびセライトのパッドを通して濾過し、次いで濃縮乾固して、粗生成物を黄褐色泡状物として得、これをさらに精製することなく次のステップに使用した。LCMS(m/z, ES+)=679(M+H+)。
【0245】
ステップ7:(4-(N-(5-シクロプロピル-2-(4-フルオロフェニル)-3-(メチルカルバモイル)ベンゾフラン-6-イル)メチルスルホンアミド)-2-((メトキシメトキシ)メチル)フェニル)ボロン酸
粗製の5-シクロプロピル-2-(4-フルオロフェニル)-6-(N-(3-((メトキシメトキシ)メチル)-4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)フェニル)メチルスルホンアミド)-N-メチルベンゾフラン-3-カルボキサミド(215mg、0.317mmol)をメタノール(1.0mL)およびテトラヒドロフラン(4.0mL)に溶解した。HCl(4.0mL、4.00mmol)を加え、続いて過ヨウ素酸ナトリウム(542mg、2.54mmol)を加えた。混合物を室温で一晩撹拌した。これをEtOAcと水との間で分配した。水層をEtOAc(2回)で抽出した。有機相を10%Na2S2O3水溶液、ブラインで洗浄し、Na2SO4で乾燥した。減圧下に濃縮し、残留物を逆相HPLC(0.05%TFAを含む10-100MeCN/H2O)により精製して、生成物(54mg、29%)を白色固体として得た。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ ppm 8.47 (q, J=4.36 Hz, 1 H) 8.07 (s, 1 H) 7.97 (dd, J=8.88, 5.37 Hz, 2 H) 7.31 - 7.53 (m, 5 H) 7.14 - 7.20 (m, 1 H) 4.65 (s, 2 H) 4.59 (s, 2 H) 3.37 (s, 2 H) 3.24 (s, 2 H) 2.83 (d, J=4.68 Hz, 3 H) 2.11 - 2.26 (m, 1 H) 1.01 (br. s., 1 H) 0.84 (br. s., 2 H) 0.52 (br. s., 1 H)。LCMS (m/z, ES+) = 597 (M+H+)。
【0246】
ステップ8:5-シクロプロピル-2-(4-フルオロフェニル)-6-(N-(1-ヒドロキシ-1,3-ジヒドロベンゾ[c][1,2]オキサボロール-5-イル)メチルスルホンアミド)-N-メチルベンゾフラン-3-カルボキサミド
HCl(1.0mL、1.000mmol)を、(4-(N-(5-シクロプロピル-2-(4-フルオロフェニル)-3-(メチルカルバモイル)ベンゾフラン-6-イル)メチルスルホンアミド)-2-((メトキシメトキシ)メチル)フェニル)ボロン酸(53mg、0.089mmol)のテトラヒドロフラン(1.0mL)およびメタノール(0.2mL)中溶液に加えた。混合物を、N2下、70℃に一晩加熱した。室温に冷却し、次いでこれを減圧下に蒸発乾固して、所望の生成物(46mg、97%)を薄黄色固体として得た。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ ppm 9.20 (br. s., 1 H) 8.49 (q, J=4.42 Hz, 1 H) 8.06 (s, 1 H) 7.97 (dd, J=8.98, 5.46 Hz, 2 H) 7.71 (d, J=8.19 Hz, 1 H) 7.48 (s, 1 H) 7.35 - 7.44 (m, 3 H) 7.19 (s, 1 H) 4.96 (s, 2 H) 3.42 (s, 3 H) 2.84 (d, J=4.68 Hz, 3 H) 2.09 - 2.21 (m, 1 H) 0.99 (br. s., 1 H) 0.81 (d, J=5.27 Hz, 2 H) 0.50 (br. s., 1 H)。LCMS (m/z, ES+) = 535 (M+H+)。
【0247】
実施例21:(4-(N-(2-(4-クロロフェニル)-5-シクロプロピル-3-(メチルカルバモイル)ベンゾフラン-6-イル)メチルスルホンアミド)-2-シアノフェニル)ボロン酸
【化32】
【0248】
ステップ1:2-(4-クロロフェニル)-6-(N-(3-シアノ-4-ニトロフェニル)メチルスルホンアミド)-5-シクロプロピル-N-メチルベンゾフラン-3-カルボキサミド
5-フルオロ-2-ニトロベンゾニトリル(0.656mL、5.73mmol)、2-(4-クロロフェニル)-5-シクロプロピル-N-メチル-6-(メチルスルホンアミド)ベンゾフラン-3-カルボキサミド(2.0g、4.77mmol)およびK2CO3(1.980g、14.32mmol)の1,2-ジメトキシエタン(20mL)および水(5.0mL)中混合物を、密封チューブ中、80℃に一晩加熱した。室温に冷却し、これをEtOAcで希釈した。混合物を水およびブラインで洗浄し、Na2SO4で乾燥した。これを濃縮乾固して、粗生成物(>99%)を黄色固体として得て、これをさらに精製することなく次のステップに使用した。LCMS(m/z, ES+)=565(M+H+)。
【0249】
ステップ2:6-(N-(4-アミノ-3-シアノフェニル)メチルスルホンアミド)-2-(4-クロロフェニル)-5-シクロプロピル-N-メチルベンゾフラン-3-カルボキサミド
Na2S2O4(4.98g、28.6mmol)の水(50mL)中溶液を、N2下、室温で2-(4-クロロフェニル)-6-(N-(3-シアノ-4-ニトロフェニル)メチルスルホンアミド)-5-シクロプロピル-N-メチルベンゾフラン-3-カルボキサミド(2.70g、4.77mmol)のTHF中溶液に滴加した。混合物を一晩撹拌した。さらに水を加え、次いでEtOAcで抽出した。合わせた抽出物をブラインで洗浄し、Na2SO4で乾燥した。減圧下に濃縮し、粗製の残留物をDCM中0〜15%EtOAcで溶離するシリカゲル上のクロマトグラフィーにより精製して、生成物(2.3g、83%)を白色固体として得た。LCMS(m/z, ES+)=535(M+H+)。
【0250】
ステップ3:6-(N-(4-ブロモ-3-シアノフェニル)メチルスルホンアミド)-2-(4-クロロフェニル)-5-シクロプロピル-N-メチルベンゾフラン-3-カルボキサミド
tBuNO2(0.611ml、5.14mmol)を、CuBr2(0.918g、4.11mmol)のアセトニトリル(5mL)中溶液に滴加した。混合物を50℃に10分間加熱し、次いで6-(N-(4-アミノ-3-シアノフェニル)メチルスルホンアミド)-2-(4-クロロフェニル)-5-シクロプロピル-N-メチルベンゾフラン-3-カルボキサミド(1.1g、2.056mmol)のアセトニトリル(25mL)中懸濁液を、上記混合物に少しずつ加えた。これを50℃で30分間撹拌し、次いで室温に冷却した。これを氷冷したHCl(1N)でクエンチし、次いでEtOAcで抽出した。合わせた抽出物を10%Na2S2O3およびブラインで洗浄し、Na2SO4で乾燥し、減圧下に濃縮し、残留物をDCM中0〜5%EtOAcで溶離するシリカゲル上のフラッシングクロマトグラフィーにより精製して、生成物(0.64g、52%)を薄黄色泡状物として得た。1H NMR (400 MHz, クロロホルム-d) δ ppm 7.84 (d, J=8.59 Hz, 2 H) 7.58 - 7.64 (m, 3 H) 7.47 - 7.53 (m, 4 H) 5.80 (d, J=4.29 Hz, 1 H) 3.28 (s, 3 H) 3.03 (d, J=4.88 Hz, 3 H) 1.91 - 2.00 (m, 1 H) 0.72 - 1.11 (m, 3 H) 0.55 (br. s., 1 H)。LCMS (m/z, ES+) = 600 (M+H+)。
【0251】
ステップ4:2-(4-クロロフェニル)-6-(N-(3-シアノ-4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)フェニル)メチルスルホンアミド)-5-シクロプロピル-N-メチルベンゾフラン-3-カルボキサミド
6-(N-(4-ブロモ-3-シアノフェニル)メチルスルホンアミド)-2-(4-クロロフェニル)-5-シクロプロピル-N-メチルベンゾフラン-3-カルボキサミド(150mg、0.250mmol)、酢酸カリウム(98mg、1.002mmol)、ビス(ピナコラト)ジボロン(127mg、0.501mmol)およびPdCl2(dppf)-CH2Cl2付加物(20.5mg、0.025mmol)の1,4-ジオキサン(3ml)中混合物を、密封チューブ中、N2下、90℃で3時間維持した。LCMS(UV254)は、所望の生成物が47%、対応するボロン酸が53%(おそらくLC上で生成した?)であることを示した。混合物を室温に冷却し、EtOAcで希釈し、シリカゲルおよびセライトのパッドを通して濾過し、次いで濃縮乾固して、粗生成物(>99%)を薄黄色泡状物として得、これをさらに精製することなく次のステップに使用した。LCMS(m/z, ES+)=646(M+H+)。
【0252】
ステップ5:(4-(N-(2-(4-クロロフェニル)-5-シクロプロピル-3-(メチルカルバモイル)ベンゾフラン-6-イル)メチルスルホンアミド)-2-シアノフェニル)ボロン酸
粗製の2-(4-クロロフェニル)-6-(N-(3-シアノ-4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)フェニル)メチルスルホンアミド)-5-シクロプロピル-N-メチルベンゾフラン-3-カルボキサミド(162mg、0.251mmol)をテトラヒドロフラン(6.0mL)に溶解した。HCl(3.01mL、1.505mmol)を加え、続いて過ヨウ素酸ナトリウム(429mg、2.006mmol)を加えた。混合物を室温で一晩撹拌した。これをEtOAcと水との間で分配した。水層をEtOAc(2回)で抽出した。有機相を10%Na2S2O3水溶液およびブラインで洗浄し、Na2SO4で乾燥した。減圧下に濃縮し、残留物を逆相HPLC(0.05%TFAを含む10-100MeCN/H2O)により精製して、生成物(88mg、62%)を白色固体として得た。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ ppm 8.54 - 8.74 (br.s., 1 H) 8.51 (q, J=4.49 Hz, 2 H) 8.13 (s, 1 H) 7.93 (d, J=8.78 Hz, 2 H) 7.74 - 7.79 (m, 2 H) 7.58 - 7.67 (m, 3 H) 7.22 (s, 1 H) 3.47 (s, 3 H) 2.84 (d, J=4.68 Hz, 3 H) 2.03 - 2.14 (m, 1 H) 0.99 (br. s., 1 H) 0.85 (br. s., 2 H) 0.45 (br. s., 1 H)。LCMS (m/z, ES+) = 564 (M+H+)。
【0253】
実施例22:5-シクロプロピル-2-(4-フルオロフェニル)-N-メチル-6-(N-(3-メチル-4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)フェニル)メチルスルホンアミド)ベンゾフラン-3-カルボキサミド
【化33】
【0254】
ステップ1:5-シクロプロピル-2-(4-フルオロフェニル)-N-メチル-6-(N-(3-メチル-4-ニトロフェニル)メチルスルホンアミド)ベンゾフラン-3-カルボキサミド
6-(N-(3-クロロ-4-ニトロフェニル)メチルスルホンアミド)-5-シクロプロピル-2-(4-フルオロフェニル)-N-メチルベンゾフラン-3-カルボキサミド(2.5g、4.48mmol)およびDABAL-Me3(1.366g、5.38mmol)の乾燥テトラヒドロフラン(10mL)中混合物に、窒素雰囲気下、Pd2(dba)3(0.041g、0.045mmol)およびキサントホス(0.052g、0.090mmol)を加え、反応物を100℃で0.5時間還流した。反応混合物をセライトを通して濾過し、メタノール(50mL)で洗浄した。溶媒を蒸発させた後、粗製物をDCMに再溶解し、水で洗浄した。DCMを無水Na2SO4で乾燥し、蒸発させて、標題化合物を黄色固体として収率82%で得た。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ ppm: 8.02 (d, J = 9.2 Hz, 1H), 7.86 - 7.93 (m, 2H), 7.55 (d, J = 1.8 Hz, 2H), 7.17 - 7.27 (m, 4H), 5.80 (d, J = 4.5 Hz, 1H), 3.22 - 3.44 (m, 3H), 3.02 (d, J = 4.9 Hz, 3H), 2.47 - 2.66 (m, 3H), 1.88 - 2.11 (m, 1H), 1.03 (br. s., 1H), 0.89 (d, J = 7.2 Hz, 2H), 0.62 (br. s., 1H)。LCMS (m/z, ES+) = 538 (M+H+)。
【0255】
ステップ2:6-(N-(4-アミノ-3-メチルフェニル)メチルスルホンアミド)-5-シクロプロピル-2-(4-フルオロフェニル)-N-メチルベンゾフラン-3-カルボキサミド
エタノール(10mL)およびTHF(2mL)中の5-シクロプロピル-2-(4-フルオロフェニル)-N-メチル-6-(N-(3-メチル-4-ニトロフェニル)メチルスルホンアミド)ベンゾフラン-3-カルボキサミド(2.0g、3.72mmol)に、Pd/C(0.396g)を加え、室温で12時間水素化に供した。反応混合物をセライトを通して濾過した。溶媒を減圧下に蒸発させて、標題化合物を収率86%で得た。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ ppm: 7.85 - 7.95 (m, 1H), 7.67 - 7.73 (m, 1H), 7.37 - 7.42 (m, 1H), 7.11 - 7.26 (m, 1H), 6.59 - 6.68 (m, 1H), 5.86 (br. s., 1H), 3.18 (s, 1H), 2.99 (s, 2H), 2.10 - 2.17 (m, 1H), 1.37 - 1.51 (m, 1H), 1.08 - 1.19 (m, 1H), 0.91 - 1.06 (m, 1H), 0.45 - 0.92 (m, 1H)。LCMS (m/z, ES+) = 508 (M+H+)。
【0256】
ステップ3:5-シクロプロピル-2-(4-フルオロフェニル)-6-(N-(4-ヨード-3-メチルフェニル)メチルスルホンアミド)-N-メチルベンゾフラン-3-カルボキサミド
6-(N-(4-アミノ-3-メチルフェニル)メチルスルホンアミド)-5-シクロプロピル-2-(4-フルオロフェニル)-N-メチルベンゾフラン-3-カルボキサミド(1.0g、1.97mmol)を、5℃でt-ブタノール(2mL)中のp-TsOH(1.12g、5.91mmol)に加え、10分間撹拌した。次いで亜硝酸ナトリウム(0.272g、3.94mmol)およびKI(0.818g、4.93mmol)の水(1mL)中混合物を、反応混合物に加えた。同じ温度で15分間撹拌し、室温にし、60℃で15分間加熱した。水、重炭酸ナトリウム溶液およびチオ硫酸ナトリウム溶液(20mL)を順次加えた。得られた沈殿物を濾過し、乾燥して、標題化合物を黄色固体として収率83%で得た。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ ppm: 7.84 - 7.97 (m, 2H), 7.74 (d, J = 8.8 Hz, 1H), 7.58 - 7.67 (m, 1H), 7.47 (s, 1H), 7.26 (br. s., 1H), 7.22 (t, J = 8.6 Hz, 2H), 6.92 - 7.05 (m, 1H), 5.79 (br. s., 1H), 3.25 (s, 3H), 3.02 (d, J = 4.9 Hz, 3H), 2.39 (s, 3H), 0.96 (d, J = 6.8 Hz, 2H), 0.85 (br. s., 2H), 0.61 (br. s., 1H)。LCMS (m/z, ES+) = 618 (M+H+)。
【0257】
ステップ4:5-シクロプロピル-2-(4-フルオロフェニル)-N-メチル-6-(N-(3-メチル-4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)フェニル)メチルスルホンアミド)ベンゾフラン-3-カルボキサミド
ビス(ピナコラト)ジボロン(103mg、0.404mmol)、[ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(III)錯体(33.0mg、0.040mmol)および酢酸カリウム(39.7mg、0.404mmol)に、窒素雰囲気下、5-シクロプロピル-2-(4-フルオロフェニル)-6-(N-(4-ヨード-3-メチルフェニル)メチルスルホンアミド)-N-メチルベンゾフラン-3-カルボキサミド(50mg、0.081mmol)および1,4-ジオキサン(2mL)を加え、80℃で12時間撹拌した。生成物および脱ヨウ化生成物は80:20の比で形成された。混合物を水で希釈し、酢酸エチル(20mL)で抽出した。酢酸エチル溶液を無水Na2SO4で乾燥し、減圧下に蒸発させた。粗製物をRP-HPLC(ACN/水/0.1%ギ酸)により精製して、標題化合物を収率5%で得た。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ ppm: 8.44 - 8.56 (m, 1H), 7.90 - 8.05 (m, 3H), 7.60 (d, J = 8.0 Hz, 1H), 7.41 (t, J = 8.9 Hz, 2H), 7.12 - 7.25 (m, 3H), 6.77 (s, 0H), 2.84 (d, J = 4.5 Hz, 3H), 2.42 (s, 3H), 1.28 (s, 12H), 0.98 (br. s., 1H), 0.79 (br. s., 2H), 0.51 (br. s., 1H)。LCMS (m/z, ES+) = 619 (M+H+)。
【0258】
実施例23:(2-クロロ-4-(N-(5-シクロプロピル-2-(4-フルオロフェニル)-3-(メチルカルバモイル)ベンゾフラン-6-イル)メチルスルホンアミド)フェネチル)ボロン酸
【化34】
【0259】
ステップ1:6-(N-(3-クロロ-4-(2-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)エチル)フェニル)メチルスルホンアミド)-5-シクロプロピル-2-(4-フルオロフェニル)-N-メチルベンゾフラン-3-カルボキサミド
6-(N-(3-クロロ-4-ビニルフェニル)メチルスルホンアミド)-5-シクロプロピル-2-(4-フルオロフェニル)-N-メチルベンゾフラン-3-カルボキサミド(200mg、0.371mmol)のTHF(2mL)中懸濁液を、窒素下、ビス(1,5-シクロオクタジエン)ジイリジウム(I)ジクロリド(6.2mg、0.0091mmol)およびジフェニルホスフィノブタン(7.9mg、0.019mmol)のTHF(2mL)中撹拌溶液に加えた。10分後、ピナコールボラン(THF中1M)(1.1mL、1.11mmol)を加え、混合物を室温で3日間撹拌した。溶媒を蒸発させ、残留物をジクロロメタン:メタノールを用いるシリカゲルクロマトグラフィーに供して、6-(N-(3-クロロ-4-(2-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)エチル)フェニル)メチルスルホンアミド)-5-シクロプロピル-2-(4-フルオロフェニル)-N-メチルベンゾフラン-3-カルボキサミド(60%)を含む混合物(158mg)を得た。この物質をさらに精製することなく次のステップに使用した。LCMS(m/z, ES+)=667(M+H+)。
【0260】
ステップ2:(2-クロロ-4-(N-(5-シクロプロピル-2-(4-フルオロフェニル)-3-(メチルカルバモイル)ベンゾフラン-6-イル)メチルスルホンアミド)フェネチル)ボロン酸
過ヨウ素酸ナトリウム(722mg、3.37mmol)および1N HCl水溶液(2.70mL、2.70mmol)を、6-(N-(3-クロロ-4-(2-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)エチル)フェニル)メチルスルホンアミド)-5-シクロプロピル-2-(4-フルオロフェニル)-N-メチルベンゾフラン-3-カルボキサミド(150mg、0.225mmol)のTHF(3mL)中冷(0℃)溶液に加えた。混合物を0℃で10分間撹拌し、次いで室温に加温し、1時間撹拌した。反応混合物を酢酸エチルで希釈した。有機層を分離し、5%チオ硫酸ナトリウム水溶液およびブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を蒸発させ、残留物を逆相HPLC(C18、0.1%ギ酸を含むアセトニトリル:水)に供して、標題化合物(33mg、25%)を白色粉末として得た。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ ppm 8.41 - 8.51 (m, 1 H) 8.14 (s, 1 H) 7.92 - 8.02 (m, 2 H) 7.59 (s, 2 H) 7.46 - 7.51 (m, 1 H) 7.35 - 7.44 (m, 3 H) 7.29 - 7.35 (m, 1 H) 7.17 (s, 1 H) 3.37 (s, 3 H) 2.79 - 2.87 (m, 3 H) 2.62 - 2.74 (m, 2 H) 2.11 - 2.24 (m, 1 H) 0.93 - 1.09 (m, 1 H) 0.75 - 0.93 (m, 4 H) 0.46 (m, 1 H)。 LCMS (m/z, ES+) = 585 (M+H+)。
【0261】
実施例24:5-シクロプロピル-6-(N-(7-フルオロ-1-ヒドロキシ-1,3-ジヒドロベンゾ[c][1,2]オキサボロール-5-イル)メチルスルホンアミド)-2-(4-フルオロフェニル)-N-メチルベンゾフラン-3-カルボキサミド
【化35】
【0262】
ステップ1:メチル5-(N-(5-シクロプロピル-2-(4-フルオロフェニル)-3-(メチルカルバモイル)ベンゾフラン-6-イル)メチルスルホンアミド)-3-フルオロ-2-ニトロベンゾエート
5-シクロプロピル-2-(4-フルオロフェニル)-N-メチル-6-(メチルスルホンアミド)ベンゾフラン-3-カルボキサミド(1.850g、4.60mmol)、メチル3,5-ジフルオロ-2-ニトロベンゾエート(1.996g、9.19mmol)およびNa2CO3(1.462g、13.79mmol)のヘキサメチルホスホルアミド(25mL)中混合物を、室温で一晩撹拌した。混合物をEtOAcで希釈し、セライト(登録商標)のパッドを通して濾過した。濾液をブラインで洗浄し、Na2SO4で乾燥し、濃縮し、シリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン中0〜35%EtOAc)により精製して、メチル5-(N-(5-シクロプロピル-2-(4-フルオロフェニル)-3-(メチルカルバモイル)ベンゾフラン-6-イル)メチルスルホンアミド)-3-フルオロ-2-ニトロベンゾエート(1.61g、収率58%)を黄色固体として得た。1H NMR (400 MHz, クロロホルム-d) δ ppm 0.62 (br. s., 1 H), 0.79 - 0.95 (m, 2 H), 0.96 - 1.11 (m, 1 H), 1.84 - 1.97 (m, 1 H), 3.01 (d, J=5.0 Hz, 3 H), 3.31 - 3.36 (m, 3 H), 3.87 (s, 3 H), 5.82 (d, J=4.6 Hz, 1 H), 7.22 (t, J=8.6 Hz, 2 H), 7.37 - 7.44 (m, 1 H), 7.50 - 7.54 (m, 2 H), 7.56 (s, 1 H), 7.83 - 7.92 (m, 2 H)。 LCMS (m/z, ES+) = 600.2 (M+H+)。
【0263】
ステップ2:メチル2-アミノ-5-(N-(5-シクロプロピル-2-(4-フルオロフェニル)-3-(メチルカルバモイル)ベンゾフラン-6-イル)メチルスルホンアミド)-3-フルオロベンゾエート
メチル5-(N-(5-シクロプロピル-2-(4-フルオロフェニル)-3-(メチルカルバモイル)ベンゾフラン-6-イル)メチルスルホンアミド)-3-フルオロ-2-ニトロベンゾエート(810mg、1.351mmol)およびPd/C(10重量%、144mg、0.135mmol)の懸濁液を、水素(1気圧)下、THF(10.0mL)およびMeOH(5.0mL)中で一晩撹拌した。混合物を45μmのディスクを通して濾過し、EtOAcで洗浄した。濾液を濃縮し、シリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン中0〜50%EtOAc)により精製して、メチル2-アミノ-5-(N-(5-シクロプロピル-2-(4-フルオロフェニル)-3-(メチルカルバモイル)ベンゾフラン-6-イル)メチルスルホンアミド)-3-フルオロベンゾエート(601mg、収率78%)を白色固体として得た。1H NMR (400 MHz, クロロホルム-d) δ ppm 0.81 - 1.11 (m, 3 H), 2.14 - 2.26 (m, 1 H), 2.91 - 3.03 (m, 3 H), 3.19 (s, 3 H), 3.86 (s, 3 H), 5.80 (d, J=4.5 Hz, 1 H), 5.88 (br. s., 2 H), 7.15 - 7.25 (m, 2 H), 7.40 (dd, J=12.1, 2.5 Hz, 1 H), 7.44 (s, 1 H), 7.70 (s, 1 H), 7.80 (dd, J=2.4, 1.5 Hz, 1 H), 7.84 - 7.94 (m, 2 H)。 LCMS (m/z, ES+) = 570.3 (M+H+)。
【0264】
ステップ3:メチル2-ブロモ-5-(N-(5-シクロプロピル-2-(4-フルオロフェニル)-3-(メチルカルバモイル)ベンゾフラン-6-イル)メチルスルホンアミド)-3-フルオロベンゾエート
メチル2-アミノ-5-(N-(5-シクロプロピル-2-(4-フルオロフェニル)-3-(メチルカルバモイル)ベンゾフラン-6-イル)メチルスルホンアミド)-3-フルオロベンゾエート(601mg、1.055mmol)のアセトニトリル(6mL)および濃HBr(6mL、48%水溶液)中溶液を、氷水浴中で冷却し、次いで亜硝酸ナトリウム(95mg、1.372mmol)の水(1mL)中溶液で処理した。15分後、臭化銅(I)(182mg、1.266mmol)を混合物に加えた。次いで混合物を50℃に加熱した。30分後、溶液を室温に冷却し、EtOAcで希釈した。重硫酸ナトリウム(15mL、5%水溶液)および飽和NaHCO3水溶液(20mL)を溶液に加えた。有機相を分離し、ブライン(40mL)により洗浄し、Na2SO4で乾燥し、濃縮し、次いでシリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン中0〜35%EtOAc)により精製して、メチル2-ブロモ-5-(N-(5-シクロプロピル-2-(4-フルオロフェニル)-3-(メチルカルバモイル)ベンゾフラン-6-イル)メチルスルホンアミド)-3-フルオロベンゾエート(430mg、収率64%)を白色固体として得た。1H NMR (400 MHz, クロロホルム-d) δ ppm 0.55 (br. s., 1 H), 0.75 - 0.93 (m, 2 H), 0.97 (d, J=6.6 Hz, 1 H), 1.88 - 2.04 (m, 1 H), 3.01 (d, J=4.9 Hz, 3 H), 3.28 (s, 3 H), 3.91 (s, 3 H), 5.72 - 5.85 (m, 1 H), 7.21 (t, J=8.6 Hz, 2 H), 7.33 (dd, J=10.0, 2.8 Hz, 1 H), 7.49 (dd, J=2.8, 1.3 Hz, 1 H), 7.52 (s, 1 H), 7.58 (s, 1 H), 7.85 - 7.92 (m, 2 H)。LCMS (m/z, ES+) = 633, 635 (M+H+)。
【0265】
ステップ4:6-(N-(4-ブロモ-3-フルオロ-5-(ヒドロキシメチル)フェニル)メチルスルホンアミド)-5-シクロプロピル-2-(4-フルオロフェニル)-N-メチルベンゾフラン-3-カルボキサミド
LiBH4(1.018mL、2M)のTHF中溶液を、0℃でメチル2-ブロモ-5-(N-(5-シクロプロピル-2-(4-フルオロフェニル)-3-(メチルカルバモイル)ベンゾフラン-6-イル)メチルスルホンアミド)-3-フルオロベンゾエート(430mg、0.679mmol)のMeOH(0.5mL)およびTHF(5.0mL)中溶液に滴加した。0.5時間後、クエン酸(4.0mL、5重量%)を混合物に加えた。次いで有機溶媒を減圧下に除去した。残留物をDCM(10mL)で希釈し、飽和NaHCO3水溶液、ブラインで洗浄し、Na2SO4で乾燥し、濾過し、濃縮して、6-(N-(4-ブロモ-3-フルオロ-5-(ヒドロキシメチル)フェニル)メチルスルホンアミド)-5-シクロプロピル-2-(4-フルオロフェニル)-N-メチルベンゾフラン-3-カルボキサミド(400mg、収率97%)を白色固体として得た。粗製物をさらに精製することなく次のステップに使用した。1H NMR (400 MHz, クロロホルム-d) δ ppm 0.57 (br. s., 1 H), 0.71 - 0.88 (m, 2 H), 0.93 - 1.06 (m, 1 H), 1.96 - 2.02 (m, 1 H), 2.63 (t, J=6.1 Hz, 1 H), 2.96 (d, J=4.8 Hz, 3 H), 3.25 (s, 3 H), 4.67 (d, J=5.6 Hz, 2 H), 5.96 (d, J=4.8 Hz, 1 H), 7.08 - 7.21 (m, 3 H), 7.31 (s, 1 H), 7.42 (s, 1 H), 7.56 (s, 1 H), 7.82 (dd, J=8.7, 5.3 Hz, 2 H)。 LCMS (m/z, ES+) = 605, 607 (M+H+)。
【0266】
ステップ5:6-(N-(4-ブロモ-3-フルオロ-5-((メトキシメトキシ)メチル)フェニル)メチルスルホンアミド)-5-シクロプロピル-2-(4-フルオロフェニル)-N-メチルベンゾフラン-3-カルボキサミド
6-(N-(4-ブロモ-3-フルオロ-5-(ヒドロキシメチル)フェニル)メチルスルホンアミド)-5-シクロプロピル-2-(4-フルオロフェニル)-N-メチルベンゾフラン-3-カルボキサミド(350mg、0.578mmol)、DIPEA(0.303mL、1.734mmol)およびMOM-Cl(0.110mL、1.445mmol)のTHF(3.0mL)中混合物を、密封チューブ中、50℃で撹拌した。23時間後、溶液を濃縮し、シリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン中0〜40%EtOAc)により精製して、6-(N-(4-ブロモ-3-フルオロ-5-((メトキシメトキシ)メチル)フェニル)メチルスルホンアミド)-5-シクロプロピル-2-(4-フルオロフェニル)-N-メチルベンゾフラン-3-カルボキサミド(303mg、収率70%)を得た。1H NMR (400 MHz, クロロホルム-d) δ ppm 0.59 (br. s., 1 H), 0.74 - 0.94 (m, 2 H), 0.94 - 1.10 (m, 1 H), 1.99 - 2.12 (m, 1 H), 3.00 (d, J=4.9 Hz, 3 H), 3.27 (s, 3 H), 3.37 (s, 3 H), 4.61 (s, 2 H), 4.71 (s, 2 H), 5.85 (d, J=4.6 Hz, 1 H), 7.13 (dd, J=10.0, 2.7 Hz, 1 H), 7.17 - 7.25 (m, 2 H), 7.33 (d, J=1.5 Hz, 1 H), 7.48 (s, 1 H), 7.58 (s, 1 H), 7.83 - 7.92 (m, 2 H)。 LCMS (m/z, ES+) = 649, 651 (M+H+)。
【0267】
ステップ6:5-シクロプロピル-6-(N-(3-フルオロ-5-((メトキシメトキシ)メチル)-4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)フェニル)メチルスルホンアミド)-2-(4-フルオロフェニル)-N-メチルベンゾフラン-3-カルボキサミド
6-(N-(4-ブロモ-3-フルオロ-5-((メトキシメトキシ)メチル)フェニル)メチルスルホンアミド)-5-シクロプロピル-2-(4-フルオロフェニル)-N-メチルベンゾフラン-3-カルボキサミド(300mg、0.462mmol)、ビス(ピナコラト)ジボロン(293mg、1.155mmol)、酢酸カリウム(181mg、1.848mmol)およびPdCl2(dppf)-CH2Cl2付加物(37.7mg、0.046mmol)の1,4-ジオキサン(4.0mL)中混合物を、N2下、密封チューブ中、90℃で一晩撹拌した。混合物を室温に冷却し、EtOAcで希釈し、シリカゲルおよびセライト(登録商標)のパッドを通して濾過し、次いで濃縮乾固して、粗生成物(306mg)(標題化合物68%、脱ボリル化副生成物26%)を得て、これをさらに精製することなく次のステップに使用した。LCMS(m/z, ES+)=697(M+H+)。
【0268】
ステップ7:5-シクロプロピル-6-(N-(7-フルオロ-1-ヒドロキシ-1,3-ジヒドロベンゾ[c][1,2]オキサボロール-5-イル)メチルスルホンアミド)-2-(4-フルオロフェニル)-N-メチルベンゾフラン-3-カルボキサミド
塩酸水溶液(4mL、1N)を、5-シクロプロピル-6-(N-(3-フルオロ-5-((メトキシメトキシ)メチル)-4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)フェニル)メチルスルホンアミド)-2-(4-フルオロフェニル)-N-メチルベンゾフラン-3-カルボキサミド(306mg)のTHF(4.0mL)およびMeOH(0.8mL)中溶液に加えた。N2下、混合物を70℃に一晩加熱した。混合物を室温に冷却し、有機溶媒を減圧下に除去した。粗製物をEtOAcで希釈し、ブラインで洗浄し、Na2SO4で乾燥し、濾過し、濃縮乾固した。次いでMeOH(6mL)を粗製物に加え、15分間撹拌した。白色固体が形成し、これを濾過して、粗生成物(170mg、純度90%)を得た。粗生成物(50mg)をシリカゲルクロマトグラフィー(DCM中0〜100%EtOAc、次いでDCM中0〜10%MeOH)により精製して、5-シクロプロピル-6-(N-(7-フルオロ-1-ヒドロキシ-1,3-ジヒドロベンゾ[c][1,2]オキサボロール-5-イル)メチルスルホンアミド)-2-(4-フルオロフェニル)-N-メチルベンゾフラン-3-カルボキサミド(17mg、収率6.24%)を得た。さらに粗生成物(120mg)をMeOHで洗浄し、乾燥して、5-シクロプロピル-6-(N-(7-フルオロ-1-ヒドロキシ-1,3-ジヒドロベンゾ[c][1,2]オキサボロール-5-イル)メチルスルホンアミド)-2-(4-フルオロフェニル)-N-メチルベンゾフラン-3-カルボキサミド(106mg、収率36.6%)を得た。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ ppm 0.50 (br. s., 1 H), 0.81 (br. s., 2 H), 0.97 (br. s., 1 H), 2.06 (br. s., 1 H), 2.84 (d, J=4.3 Hz, 3 H), 3.48 (s, 3 H), 4.95 (s, 2 H), 7.02 (d, J=9.9 Hz, 1 H), 7.20 (d, J=7.9 Hz, 2 H), 7.41 (t, J=8.8 Hz, 2 H), 7.97 (dd, J=8.5, 5.6 Hz, 2 H), 8.04 (s, 1 H), 8.49 (d, J=4.5 Hz, 1 H), 9.28 (s, 1 H)。LCMS (m/z, ES+) = 553 (M+H+)。
【0269】
実施例25:6-(N-(3-クロロ-4-(2-ヒドロキシ-1,2-オキサボロラン-4-イル)フェニル)メチルスルホンアミド)-5-シクロプロピル-2-(4-フルオロフェニル)-N-メチルベンゾフラン-3-カルボキサミド
【化36】
【0270】
ステップ1:6-(N-(3-クロロ-4-(3-ヒドロキシプロパ-1-エン-2-イル)フェニル)メチルスルホンアミド)-5-シクロプロピル-2-(4-フルオロフェニル)-N-メチルベンゾフラン-3-カルボキサミド
6-(N-(4-ブロモ-3-クロロフェニル)メチルスルホンアミド)-5-シクロプロピル-2-(4-フルオロフェニル)-N-メチルベンゾフラン-3-カルボキサミド(327mg、0.552mmol)、アリルアルコール(0.475mL、6.9mmol)、酢酸パラジウム(II)(29mg、0.132mmol)、1,3-ビス(ジフェニルホスフィノ)プロパン(108mg、0.26mmol)およびトリエチルアミン(0.7mL、4.9mmol)のDMSO(2mL)および1-ブチル-3-メチルイミダゾリウムテトラフルオロボレート(2mL)中混合物を、密封チューブ中、135℃で59時間加熱した。反応混合物を酢酸エチルで希釈し、セライトを通して濾過した。濾液を水およびブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮した。シリカゲル(ヘキサン:酢酸エチル)上のクロマトグラフィーにかけて、6-(N-(3-クロロ-4-(3-ヒドロキシプロパ-1-エン-2-イル)フェニル)メチルスルホンアミド)-5-シクロプロピル-2-(4-フルオロフェニル)-N-メチルベンゾフラン-3-カルボキサミド(75mg、24%)を得た。1H NMR (400 MHz, クロロホルム-d) δ ppm 7.84 - 7.97 (m, 2 H) 7.60 (s, 1 H) 7.48 (s, 1 H) 7.37 - 7.41 (m, 1 H) 7.29 - 7.32 (m, 1 H) 7.28 (s, 1 H) 7.16 - 7.24 (m, 3 H) 5.77 - 5.97 (m, 1 H) 5.51 - 5.63 (m, 1 H) 5.17 (s, 1 H) 4.34 - 4.46 (m, 2 H) 3.28 (s, 3 H) 3.00 (d, J=4.88 Hz, 3 H) 2.1 (m, 1 H) 0.99 - 1.10 (m, 1 H) 0.77 - 0.93 (m, 2 H) 0.48 - 0.73 (m, 1 H). )。 LCMS (m/z, ES+) = 569 (M+H+)。
【0271】
ステップ2:6-(N-(3-クロロ-4-(3-(メトキシメトキシ)プロパ-1-エン-2-イル)フェニル)メチルスルホンアミド)-5-シクロプロピル-2-(4-フルオロフェニル)-N-メチルベンゾフラン-3-カルボキサミド
メチルクロロメチルエーテル(0.024mL、0.321mmol)を、6-(N-(3-クロロ-4-(3-ヒドロキシプロパ-1-エン-2-イル)フェニル)メチルスルホンアミド)-5-シクロプロピル-2-(4-フルオロフェニル)-N-メチルベンゾフラン-3-カルボキサミド(83mg、0.146mmol)およびDIEA(0.076mL、0.438mmol)のジクロロメタン(2mL)中混合物に加えた。混合物を室温で1.5時間撹拌した。反応混合物をジクロロメタンで希釈し、水およびブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮して、6-(N-(3-クロロ-4-(3-(メトキシメトキシ)プロパ-1-エン-2-イル)フェニル)メチルスルホンアミド)-5-シクロプロピル-2-(4-フルオロフェニル)-N-メチルベンゾフラン-3-カルボキサミドを白色泡状物として得た(76mg、85%)。1H NMR (400 MHz,クロロホルム-d) δ ppm 7.89 (dd, J=8.78, 5.27 Hz, 2 H) 7.60 (s, 1 H) 7.48 (s, 1 H) 7.38 (d, J=2.15 Hz, 1 H) 7.26 - 7.31 (m, 1 H) 7.16 - 7.24 (m, 2 H) 5.77 - 5.94 (m, 1 H) 5.56 (s, 1 H) 5.31 (s, 1 H) 5.22 (s, 1 H) 4.65 (s, 2 H) 4.34 (s, 2 H) 3.33 (s, 3 H) 3.27 (s, 3 H) 3.00 (d, J=4.88 Hz, 3 H) 1.87 - 2.29 (m, 1 H) 0.14 - 1.47 (m, 4 H)。 LCMS (m/z, ES+) = 613 (M+H+)。
【0272】
ステップ3:6-(N-(3-クロロ-4-(2-ヒドロキシ-1,2-オキサボロラン-4-イル)フェニル)メチルスルホンアミド)-5-シクロプロピル-2-(4-フルオロフェニル)-N-メチルベンゾフラン-3-カルボキサミド
ビス(1,5-シクロオクタジエン)ジイリジウム(I)ジクロリド(2.054mg、3.06μmol)およびジフェニルホスフィノブタン(2.61mg、6.12μmol)を、窒素下、THF(1mL)に溶解した。6-(N-(3-クロロ-4-(3-(メトキシメトキシ)プロパ-1-エン-2-イル)フェニル)メチルスルホンアミド)-5-シクロプロピル-2-(4-フルオロフェニル)-N-メチルベンゾフラン-3-カルボキサミド(75mg、0.122mmol)のTHF(1mL)中溶液を加えた。10分間撹拌した後、ピナコールボラン(THF中1M)(0.367mL、0.367mmol)を加え、混合物を室温で18時間撹拌した。溶媒を蒸発させ、残留物をヘキサン:EtOAcを用いるシリカゲルクロマトグラフィーに供して、標題化合物(47%)を含む混合物を得た。この物質に、THF(1mL)および1N HCl水溶液(1mL、1.00mmol)を加えた。70℃で18時間加熱した後、溶媒を蒸発させ、残留物を逆相HPLC(C18、0.1%ギ酸を含むアセトニトリル:水)により精製して、標題化合物(7.8mg、10.2%)を白色固体として得た。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ ppm 8.71 (s, 1 H) 8.41 - 8.50 (m, 1 H) 8.11 (s, 1 H) 7.90 - 8.01 (m, 2 H) 7.32 - 7.52 (m, 5 H) 7.17 (s, 1 H) 4.12 - 4.27 (m, 1 H) 3.62 - 3.83 (m, 2 H) 3.39 (s, 3 H) 2.82 (d, J=4.69 Hz, 3 H) 2.09 - 2.22 (m, 1 H) 1.17 - 1.32 (m, 1 H) 0.92 - 1.06 (m, 2 H) 0.72 - 0.90 (m, 2 H) 0.46 (m, 1 H)。 LCMS (m/z, ES+) = 597 (M+H+)。
【0273】
実施例26:(3-(N-(5-シクロプロピル-2-(4-フルオロフェニル)-3-(メチルカルバモイル)ベンゾフラン-6-イル)メチルスルホンアミド)フェネチル)ボロン酸
【化37】
【0274】
ステップ1:エチル6-((3-ブロモフェニル)アミノ)-5-シクロプロピル-2-(4-フルオロフェニル)ベンゾフラン-3-カルボキシレート
エチル6-アミノ-5-シクロプロピル-2-(4-フルオロフェニル)ベンゾフラン-3-カルボキシレート(1.00g、2.95mmol)、(3-ブロモフェニル)ボロン酸(1.184g、5.89mmol)、酢酸銅(II)(0.803g、4.42mmol)、トリエチルアミン(1.232mL、8.84mmol)および4Aモレキュラーシーブス(2g)の混合物を室温で24時間撹拌した。反応混合物をEtOAcで希釈し、セライトを通して濾過した。溶媒を蒸発させ、残留物をシリカゲル(ヘキサン:EtOAc)上のクロマトグラフィーにより精製して、エチル6-((3-ブロモフェニル)アミノ)-5-シクロプロピル-2-(4-フルオロフェニル)ベンゾフラン-3-カルボキシレート(740mg、51%)を得た。LCMS(m/z, ES+)=494、496(M+H、M+2)。
【0275】
ステップ2:エチル6-(N-(3-ブロモフェニル)メチルスルホンアミド)-5-シクロプロピル-2-(4-フルオロフェニル)ベンゾフラン-3-カルボキシレート
リチウムビス(トリメチルシリル)アミドの溶液(THF中1M)(1.93mL、1.93mmol)を、-78℃でエチル6-((3-ブロモフェニル)アミノ)-5-シクロプロピル-2-(4-フルオロフェニル)ベンゾフラン-3-カルボキシレート(734mg、1.48mmol)のTHF(10mL)中溶液に滴加した。混合物を45分間撹拌し、次いでメタンスルホニルクロリド(0.463mL、5.94mmol)のTHF(1.5mL)中溶液を-78℃で加えた。添加完了後、反応混合物を室温に一晩加温した。水およびEtOAcを加えた。有機層を水およびブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮した。残留物をシリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン:EtOAc)により精製して、エチル6-(N-(3-ブロモフェニル)メチルスルホンアミド)-5-シクロプロピル-2-(4-フルオロフェニル)ベンゾフラン-3-カルボキシレート(318mg、37%)を黄色固体として得た。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ ppm 8.20 (s, 1 H) 8.03 - 8.13 (m, 2 H) 7.62 - 7.66 (m, 1 H) 7.59 (s, 1 H) 7.43 (s, 4 H) 7.30 - 7.39 (m, 1 H) 4.26 - 4.41 (m, 2 H) 3.42 (s, 3 H) 2.12 - 2.26 (m, 1 H) 1.28 - 1.37 (m, 3 H) 0.71 - 1.14 (m, 4 H) 0.41 (m, 1 H). %)。 LCMS (m/z, ES+) = 572, 574 (M+H, M+2)。
【0276】
ステップ3:6-(N-(3-ブロモフェニル)メチルスルホンアミド)-5-シクロプロピル-2-(4-フルオロフェニル)ベンゾフラン-3-カルボン酸
水酸化リチウム一水和物(68.5mg、1.630mmol)を、エチル6-(N-(3-ブロモフェニル)メチルスルホンアミド)-5-シクロプロピル-2-(4-フルオロフェニル)ベンゾフラン-3-カルボキシレート(311mg、0.543mmol)のTHF:MeOH:水/3:1:1(10mL)中懸濁液に加えた。混合物を室温で一晩撹拌した。混合物を2N HCl水溶液で酸性化し、揮発性溶媒を蒸発させた。残留物をEtOAcと水との間で分配した。有機層をブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮して、6-(N-(3-ブロモフェニル)メチルスルホンアミド)-5-シクロプロピル-2-(4-フルオロフェニル)ベンゾフラン-3-カルボン酸(309mg、定量的)を黄色固体として得た。1H NMR (400 MHz, クロロホルム-d) δppm 8.01 - 8.13 (m, 2 H) 7.77 (s, 1 H) 7.66 (s, 1 H) 7.54 (t, J=1.95 Hz, 1 H) 7.39 (dd, J=8.21, 1.37 Hz, 1 H) 7.30 - 7.36 (m, 1 H) 7.17 - 7.26 (m, 3 H) 3.27 (s, 3 H) 2.11 (s, 1 H) 0.74 - 1.18 (m, 3 H) 0.48 - 0.74 (m, 1 H)。 LCMS (m/z, ES+) = 544, 546 (M+H, M+2)。
【0277】
ステップ4:6-(N-(3-ブロモフェニル)メチルスルホンアミド)-5-シクロプロピル-2-(4-フルオロフェニル)-N-メチルベンゾフラン-3-カルボキサミド
HATU(237mg、0.624mmol)を、6-(N-(3-ブロモフェニル)メチルスルホンアミド)-5-シクロプロピル-2-(4-フルオロフェニル)ベンゾフラン-3-カルボン酸(283mg、0.520mmol)、メチルアミン塩酸塩(70.2mg、1.040mmol)およびDIEA(0.318mL、1.819mmol)のDMF(2mL)中溶液に室温で加えた。混合物を1時間撹拌した。反応混合物をEtOAcで希釈した。有機層を水およびブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮した。残留物をシリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル)により精製して、6-(N-(3-ブロモフェニル)メチルスルホンアミド)-5-シクロプロピル-2-(4-フルオロフェニル)-N-メチルベンゾフラン-3-カルボキサミド(230mg、79%)を薄黄色固体として得た。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ ppm 8.47 (s, 1 H) 8.12 (s, 1 H) 7.96 (dd, J=8.98, 5.47 Hz, 2 H) 7.60 (t, J=2.05 Hz, 1 H) 7.27 - 7.54 (m, 5 H) 7.18 (s, 1 H) 3.41 (s, 3 H) 2.82 (d, J=4.69 Hz, 3 H) 2.07 - 2.22 (m, 1 H) 0.65 - 1.09 (m, 3 H) 0.41 (m, 1 H)。 LCMS (m/z, ES+) = 557, 559 (M+H, M+2)。
【0278】
ステップ5:5-シクロプロピル-2-(4-フルオロフェニル)-N-メチル-6-(N-(3-ビニルフェニル)メチルスルホンアミド)ベンゾフラン-3-カルボキサミド
6-(N-(3-ブロモフェニル)メチルスルホンアミド)-5-シクロプロピル-2-(4-フルオロフェニル)-N-メチルベンゾフラン-3-カルボキサミド(221mg、0.396mmol)、4,4,5,5-テトラメチル-2-ビニル-1,3,2-ジオキサボロラン(0.134mL、0.793mmol)、[1,1'-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]-ジクロロパラジウム(II)、ジクロロメタンとの錯体(32.4mg、0.040mmol)および炭酸ナトリウム(126mg、1.189mmol)のジオキサン:水/4:1(5mL)中混合物を、マイクロ波反応器中130℃で30分間加熱した。反応混合物をEtOAcで希釈し、セライトを通して濾過した。溶媒を蒸発させ、残留物をシリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン:EtOAc)により精製して、5-シクロプロピル-2-(4-フルオロフェニル)-N-メチル-6-(N-(3-ビニルフェニル)メチルスルホンアミド)ベンゾフラン-3-カルボキサミド(171mg、純度85%)を粘着性のオフホワイトの泡状物として得た。LCMS(m/z, ES+)=505(M+H+)。この物質をさらに精製することなく次のステップに使用した。
【0279】
ステップ6:5-シクロプロピル-2-(4-フルオロフェニル)-N-メチル-6-(N-(3-(2-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)エチル)フェニル)メチルスルホンアミド)ベンゾフラン-3-カルボキサミド
ビス(1,5-シクロオクタジエン)ジイリジウム(I)ジクロリド(5.29mg、7.88μmol)およびジフェニルホスフィノブタン(6.72mg、0.016mmol)を、窒素下、THF(2mL)に溶解した。5-シクロプロピル-2-(4-フルオロフェニル)-N-メチル-6-(N-(3-ビニルフェニル)メチルスルホンアミド)ベンゾフラン-3-カルボキサミド(159mg、0.315mmol)のTHF(2mL)中懸濁液を加えた。10分間撹拌した後、ピナコールボラン(THF中1M)(0.95mL、0.945mmol)を加え、混合物を室温で2時間撹拌した。溶媒を蒸発させ、残留物をシリカゲルクロマトグラフィー(ジクロロメタン:メタノール)に供して、5-シクロプロピル-2-(4-フルオロフェニル)-N-メチル-6-(N-(3-(2-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)エチル)フェニル)メチルスルホンアミド)ベンゾフラン-3-カルボキサミド(75mg、38%、純度82%)を得た。この物質をさらに精製することなく次のステップに使用した。LCMS(m/z, ES+)=633(M+H+)。
【0280】
ステップ7:(3-(N-(5-シクロプロピル-2-(4-フルオロフェニル)-3-(メチルカルバモイル)ベンゾフラン-6-イル)メチルスルホンアミド)フェネチル)ボロン酸
過ヨウ素酸ナトリウム(380mg、1.78mmol)および1N HCl水溶液(1.5mL、1.5mmol)を、5-シクロプロピル-2-(4-フルオロフェニル)-N-メチル-6-(N-(3-(2-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)エチル)フェニル)メチルスルホンアミド)ベンゾフラン-3-カルボキサミド(75mg、0.119mmol)のTHF(3mL)中冷(0℃)溶液に加えた。混合物を0℃で10分間撹拌し、次いで室温に加温した。1時間後、反応混合物をEtOAcで希釈し、有機層を分離し、5%チオ硫酸ナトリウム水溶液およびブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を蒸発させ、残留物を逆相HPLC(C18、0.1%ギ酸を含むアセトニトリル:水)に供して、標題化合物(22mg、34%)を白色粉末として得た。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) d ppm 8.42 - 8.53 (m, 1 H) 8.06 - 8.13 (m, 1 H) 7.92 - 8.02 (m, 2 H) 7.55 (s, 2 H) 7.34 - 7.46 (m, 3 H) 7.24 - 7.30 (m, 2 H) 7.14 - 7.18 (m, 1 H) 7.04 - 7.11 (m, 1 H) 2.83 (d, J=4.68 Hz, 3 H) 2.58 - 2.67 (m, 2 H) 2.48 - 2.55 (m, 3 H) 2.15 - 2.31 (m, 1 H) 0.94 - 1.11 (m, 1 H) 0.75 - 0.94 (m, 4 H) 0.47 (m, 1 H)。 LCMS (m/z, ES+) = 551 (M+H+)。
【0281】
実施例27:6-(N-(3-クロロ-4-(2-ヒドロキシ-1,2-オキサボロラン-5-イル)フェニル)メチルスルホンアミド)-5-シクロプロピル-2-(4-フルオロフェニル)-N-メチルベンゾフラン-3-カルボキサミド
【化38】
【0282】
ステップ1:6-(N-(3-クロロ-4-ビニルフェニル)メチルスルホンアミド)-5-シクロプロピル-2-(4-フルオロフェニル)-N-メチルベンゾフラン-3-カルボキサミド
6-(N-(4-ブロモ-3-クロロフェニル)メチルスルホンアミド)-5-シクロプロピル-2-(4-フルオロフェニル)-N-メチルベンゾフラン-3-カルボキサミド(1.00g、1.69mmol)、PdCl2(dppf)-CH2Cl2付加物(138mg、0.169mmol)、炭酸ナトリウム(537mg、5.07mmol)およびビニルボロン酸ピナコールエステル(0.573mL、3.38mmol)の1,4-ジオキサンと水との9:1混合物(20mL)中混合物を脱気し、80℃で16時間加熱した。混合物を室温に冷却し、次いで水中に注ぎ入れ、EtOAc(3回)で抽出した。合わせた有機層をブライン(1回)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下に濃縮した。薄褐色油状残留物をフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、ヘキサン中0〜50%EtOAcの勾配)により精製して、標題化合物(821mg、90%)を白色固体として得た。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ ppm 8.46 (q, 1H), 8.08 - 8.14 (m, 1H), 7.92 - 8.02 (m, 2H), 7.70 - 7.76 (m, 1H), 7.34 - 7.47 (m, 4H), 7.17 - 7.24 (m, 1H), 6.96 (dd, 1H), 5.87 (d, 1H), 5.44 (d, 1H), 3.39 - 3.47 (m, 3H), 2.83 (d, 3H), 2.04 - 2.16 (m, 1H), 0.73 - 1.03 (m, 3H), 0.36 - 0.55 (m, 1H)。 LCMS (m/z, ES+) = 539 (M+H+)。
【0283】
ステップ2:6-(N-(3-クロロ-4-ホルミルフェニル)メチルスルホンアミド)-5-シクロプロピル-2-(4-フルオロフェニル)-N-メチルベンゾフラン-3-カルボキサミド
6-(N-(3-クロロ-4-ビニルフェニル)メチルスルホンアミド)-5-シクロプロピル-2-(4-フルオロフェニル)-N-メチルベンゾフラン-3-カルボキサミド(890mg、1.65mmol)の1:1THF/水(36mL)中懸濁液を、四酸化オスミウムの溶液(t-ブタノール中2.5%、0.415mL、0.033mmol)で処理し、数分間撹拌した。得られた溶液を過ヨウ素酸ナトリウム(883mg、4.13mmol)で処理し、反応混合物を室温で16時間撹拌した。反応混合物をEtOAcで希釈し、1:1水/ブライン(1回)、次いでブライン(1回)で洗浄した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下に濃縮した。残留物をジクロロメタンに溶解し、濾過し、濾液をフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、ヘキサン中0〜50%EtOAcの勾配)により精製して、標題化合物(0.45g、50%)を白色固体として得た。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ ppm 10.23 (s, 1H), 8.45 - 8.53 (m, 1H), 8.04 (s, 1H), 7.94 - 8.01 (m, 2H), 7.86 (d, 1H), 7.35 - 7.46 (m, 3H), 7.31 (dd, 1H), 7.24 - 7.29 (m, 1H), 3.57 (s, 3H), 2.84 (d, 3H), 1.89 - 1.98 (m, 1H), 0.68 - 1.02 (m, 3H), 0.42 - 0.58 (m, 1H)。 LCMS (m/z, ES+) = 541 (M+H+)。
【0284】
ステップ3:6-(N-(3-クロロ-4-(1-ヒドロキシアリル)フェニル)メチルスルホンアミド)-5-シクロプロピル-2-(4-フルオロフェニル)-N-メチルベンゾフラン-3-カルボキサミド
6-(N-(3-クロロ-4-ホルミルフェニル)メチルスルホンアミド)-5-シクロプロピル-2-(4-フルオロフェニル)-N-メチルベンゾフラン-3-カルボキサミド(0.25g、0.46mmol)のTHF(10mL)中溶液を、0℃に冷却し、ビニルマグネシウムブロミド(THF中1M、1.02mL)で処理した。浴が融解するにつれて、反応混合物が室温に加温された。5時間後、反応混合物を飽和塩化アンモニウム中に注ぎ入れ、EtOAc(2回)で抽出した。合わせた有機層を硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下に濃縮した。フラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、ヘキサン中0〜60%EtOAcの勾配)により精製して、標題化合物(188mg、72%)を白色泡状物として得た。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ ppm 8.45 (q, 1H), 8.11 (s, 1H), 7.93 - 8.01 (m, 2H), 7.36 - 7.56 (m, 5H), 7.18 (s, 1H), 5.90 (ddd, 1H), 5.71 (d, 1H), 5.35 (t, 1H), 5.22 (dt, 1H), 5.04 - 5.11 (m, 1H), 3.40 (s, 3H), 2.83 (d, 3H), 2.09 - 2.19 (m, 1H), 0.76 - 1.07 (m, 3H), 0.39 - 0.54 (m, 1H)。 LCMS (m/z, ES+) = 569 (M+H+)。
【0285】
ステップ4:6-(N-(3-クロロ-4-(1-(メトキシメトキシ)アリル)フェニル)メチルスルホンアミド)-5-シクロプロピル-2-(4-フルオロフェニル)-N-メチルベンゾフラン-3-カルボキサミド
6-(N-(3-クロロ-4-(1-ヒドロキシアリル)フェニル)メチルスルホンアミド)-5-シクロプロピル-2-(4-フルオロフェニル)-N-メチルベンゾフラン-3-カルボキサミド(210mg、0.37mmol)のTHF(7mL)中溶液に、DIEA(0.084mL、0.48mmol)およびクロロメチルメチルエーテル(0.16mL、2.12mmol)を加えた。反応混合物を50℃で一晩加熱した。さらにDIEA(0.32mL、1.85mmol)を加え、さらに5時間加熱を続けた。反応混合物を室温に冷却し、水で希釈し、EtOAc(2回)で抽出した。合わせた有機層をブライン(1回)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下に濃縮した。フラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、ヘキサン中0から60%EtOAcへの勾配)により精製して、標題化合物(175mg、77%)を無色油状物として得た。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ ppm 8.45 (q, 1H), 8.10 (s, 1H), 7.93 - 8.00 (m, 2H), 7.36 - 7.53 (m, 5H), 7.19 (s, 1H), 5.88 (ddd, 1H), 5.38 (d, 1H), 5.18 - 5.30 (m, 2H), 4.66 (d, 1H), 4.53 (d, 1H), 3.38 - 3.46 (m, 3H), 3.23 (s, 3H), 2.83 (d, 3H), 2.08 - 2.17 (m, 1H), 0.92 - 1.06 (m, 1H), 0.75 - 0.91 (m, 2H), 0.39 - 0.51 (m, 1H)。 LCMS (m/z, ES+) = 613 (M+H+)。
【0286】
ステップ5:6-(N-(3-クロロ-4-(2-ヒドロキシ-1,2-オキサボロラン-5-イル)フェニル)メチルスルホンアミド)-5-シクロプロピル-2-(4-フルオロフェニル)-N-メチルベンゾフラン-3-カルボキサミド
6-(N-(3-クロロ-4-(1-(メトキシメトキシ)アリル)フェニル)メチルスルホンアミド)-5-シクロプロピル-2-(4-フルオロフェニル)-N-メチルベンゾフラン-3-カルボキサミド(125mg、0.20mmol)のTHF(10mL)中溶液を、Rh(CO)Cl(PPh3)2(14mg、0.02mmol)で処理し、窒素でパージし、ピナコールボランの溶液(THF中1M、1.22mL)で処理した。室温で一晩撹拌した後、反応混合物を濃縮した。残留物をTHF(10mL)に溶解し、(Ir(COD)Cl)2(13.7mg、0.02mmol)およびDPPE(16.3mg、0.041mmol)で処理した。5分間撹拌した後、ピナコールボランの溶液(THF中1M、1.22mL)を加えた。反応混合物を2時間撹拌し、減圧下に濃縮した。別途、同じステップ順を用いて、6-(N-(3-クロロ-4-(1-(メトキシメトキシ)アリル)フェニル)メチルスルホンアミド)-5-シクロプロピル-2-(4-フルオロフェニル)-N-メチルベンゾフラン-3-カルボキサミド(49mg、0.08mmol)で、同一の試薬の比例量を用いて、上記手順を繰り返した。これらの残留物の両方をフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、ヘキサン中0から100%EtOAcへの勾配)による精製に供して、淡黄色油状物を得、これを特性評価せずに次に使用した。油状物をTHF(5mL)および1N HCl(5mL)に溶解し、70℃で16時間加熱し、この時点でメタノール(1mL)を加え、1時間加熱を続けた。反応混合物を室温に冷却し、水で希釈し、EtOAc(2回)で抽出した。合わせた有機層をブライン(1回)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下に濃縮した。フラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、ジクロロメタン中0から100%酢酸エチル、次いでジクロロメタン中0から3.5%メタノールへの勾配)により精製して、標題化合物(32mg、2ステップで19%)をオフホワイトの泡状物として得た。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ ppm 8.79 (s, 1H), 8.45 (q, 1H), 8.12 (s, 1H), 7.91 - 8.01 (m, 2H), 7.34 - 7.54 (m, 5H), 7.18 (s, 1H), 5.32 (t, 1H), 3.38 - 3.44 (m, 3H), 2.83 (d, 3H), 2.36 - 2.46 (m, 1H), 2.09 - 2.21 (m, 1H), 1.49 - 1.63 (m, 1H), 0.76 - 1.09 (m, 5H), 0.35 - 0.55 (m, 1H)。 LCMS (m/z, ES+) = 597 (M+H+)。
【0287】
実施例28:6-(N-(3-クロロ-4-(2-ヒドロキシ-1,2-オキサボロラン-5-イル)フェニル)メチルスルホンアミド)-5-シクロプロピル-2-(4-フルオロフェニル)-N-メチルベンゾフラン-3-カルボキサミド、エナンチオマー1
【化39】
【0288】
ステップ1:6-(N-(3-クロロ-4-(1-ヒドロキシアリル)フェニル)メチルスルホンアミド)-5-シクロプロピル-2-(4-フルオロフェニル)-N-メチルベンゾフラン-3-カルボキサミド、エナンチオマー1および2
6-(N-(3-クロロ-4-ホルミルフェニル)メチルスルホンアミド)-5-シクロプロピル-2-(4-フルオロフェニル)-N-メチルベンゾフラン-3-カルボキサミド(1.17g、2.16mmol)のTHF(20mL)中溶液を、0℃に冷却し、ビニルマグネシウムブロミド(THF中1M、4.76mL)で処理した。浴が融解するにつれて、反応混合物が室温に加温された。数時間後、さらにビニルマグネシウムブロミド(0.43mL)を加えた。撹拌を続け、反応混合物を飽和塩化アンモニウム中に注ぎ入れ、EtOAc(2回)で抽出した。合わせた有機層を硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下に濃縮した。フラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、ヘキサン中0から60%EtOAcへの勾配)により精製して、標題化合物(0.87g、71%)を白色泡状物として得た。エナンチオマーを超臨界流体クロマトグラフィー(Chiral Tech ADH、30%メタノール、140バール、40℃、90mL/分)により分離した。エナンチオマーはいずれも白色泡状物であった。より早く溶離するエナンチオマー1の重量は380mgであり、後で溶離するエナンチオマー2の重量は370mgであった。エナンチオマー#1 1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ ppm 8.44 (q, 1H), 8.11 (s, 1H), 7.93 - 8.01 (m, 2H), 7.35 - 7.55 (m, 5H), 7.18 (s, 1H), 5.90 (ddd, 1H), 5.70 (d, 1H), 5.35 (t, 1H), 5.22 (dt, 1H), 5.08 (dt, 1H), 3.40 (s, 3H), 2.83 (d, 3H), 2.10 - 2.20 (m, 1H), 0.77 - 1.06 (m, 3H), 0.40 - 0.53 (m, 1H)。 LCMS (m/z, ES+) = 569 (M+H+)。エナンチオマー#2 1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ ppm 8.44 (q, 1H), 8.11 (s, 1H), 7.93 - 8.01 (m, 2H), 7.36 - 7.56 (m, 5H), 7.18 (s, 1H), 5.90 (ddd, 1H), 5.70 (d, 1H), 5.35 (t, 1H), 5.22 (dt, 1H), 5.08 (dt, 1H), 3.40 (s, 3H), 2.83 (d, 3H), 2.09 - 2.20 (m, 1H), 0.76 - 1.06 (m, 3H), 0.40 - 0.54 (m, 1H)。LCMS (m/z, ES+) = 569 (M+H+)。
【0289】
ステップ2:6-(N-(3-クロロ-4-(1-(メトキシメトキシ)アリル)フェニル)メチルスルホンアミド)-5-シクロプロピル-2-(4-フルオロフェニル)-N-メチルベンゾフラン-3-カルボキサミド、エナンチオマー1
6-(N-(3-クロロ-4-(1-ヒドロキシアリル)フェニル)メチルスルホンアミド)-5-シクロプロピル-2-(4-フルオロフェニル)-N-メチルベンゾフラン-3-カルボキサミド、エナンチオマー1(350mg、0.62mmol)のTHF(10mL)中溶液に、DIEA(0.32mL、1.85mmol)およびクロロメチルメチルエーテル(0.12mL、1.54mmol)を加えた。反応混合物を50℃で一晩加熱した。さらにDIEA(0.32mL、1.85mmol)およびクロロメチルメチルエーテル(0.12mL、1.54mmol)を加え、さらに24時間加熱を続けた。反応混合物を室温に冷却し、水で希釈し、EtOAc(2回)で抽出した。合わせた有機層をブライン(1回)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下に濃縮した。フラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、ヘキサン中0から50%EtOAcへの勾配)により精製して、標題化合物(350mg、93%)を無色半固体として得た。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ ppm 8.46 (q, 1H), 8.10 (s, 1H), 7.91 - 7.99 (m, 2H), 7.35 - 7.52 (m, 5H), 7.18 (s, 1H), 5.87 (ddd, 1H), 5.36 (d, 1H), 5.17 - 5.29 (m, 2H), 4.65 (d, 1H), 4.52 (d, 1H), 3.42 (s, 3H), 3.22 (s, 3H), 2.82 (d, 3H), 2.05 - 2.17 (m, 1H), 0.92 - 1.04 (m, 1H), 0.73 - 0.89 (m, 2H), 0.37 - 0.50 (m, 1H)。 LCMS (m/z, ES+) = 613 (M+H+)。
【0290】
ステップ5:6-(N-(3-クロロ-4-(2-ヒドロキシ-1,2-オキサボロラン-5-イル)フェニル)メチルスルホンアミド)-5-シクロプロピル-2-(4-フルオロフェニル)-N-メチルベンゾフラン-3-カルボキサミド、エナンチオマー1
6-(N-(3-クロロ-4-(1-(メトキシメトキシ)アリル)フェニル)メチルスルホンアミド)-5-シクロプロピル-2-(4-フルオロフェニル)-N-メチルベンゾフラン-3-カルボキサミド、エナンチオマー1(52mg、0.085mmol)のTHF(5mL)中溶液を、(Ir(COD)Cl)2(5.7mg、8.5μmol)およびDPPE(6.8mg、0.017mmol)で処理した。25分間撹拌した後、ピナコールボランの溶液(THF中1M、0.25mL)を加えた。反応混合物を0.5時間撹拌し、減圧下に濃縮した。別途、6-(N-(3-クロロ-4-(1-(メトキシメトキシ)アリル)フェニル)メチルスルホンアミド)-5-シクロプロピル-2-(4-フルオロフェニル)-N-メチルベンゾフラン-3-カルボキサミド、エナンチオマー1(296mg、0.48mmol)で、比例量の試薬を用いて、上記手順を繰り返した。2種の残留物をフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、ヘキサン中0から100%EtOAcへの勾配)による精製に供して、無色油状物を得て、これを特性評価せずに次に使用した。油状物をTHF(10mL)、1N HCl(10mL)およびMeOH(1mL)に溶解し、70℃で16時間加熱した。反応混合物を室温に冷却し、水で希釈し、EtOAc(2回)で抽出した。合わせた有機層をブライン(1回)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下に濃縮した。フラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、ジクロロメタン中0から100%酢酸エチル、次いでジクロロメタン中0から3.5%メタノールへの勾配)により精製し、続いて凍結乾燥して、標題化合物(85mg、2ステップで25%)をふわふわした白色固体として得た。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ ppm 8.79 (s, 1H), 8.40 - 8.49 (m, 1H), 8.12 (s, 1H), 7.92 - 8.03 (m, 2H), 7.34 - 7.56 (m, 5H), 7.19 (s, 1H), 5.29 - 5.37 (m, 1H),
3.38 - 3.46 (m, 3H), 2.84 (d, 3H), 2.37 - 2.47 (m, 1H), 2.10 - 2.22 (m, 1H), 1.50 - 1.73 (m, 1H), 0.75 - 1.08 (m, 5H), 0.37 - 0.56 (m, 1H)。 LCMS (m/z, ES+) = 597 (M+H+)。
【0291】
実施例29:6-(N-(3-クロロ-4-(2-ヒドロキシ-1,2-オキサボロラン-5-イル)フェニル)メチルスルホンアミド)-5-シクロプロピル-2-(4-フルオロフェニル)-N-メチルベンゾフラン-3-カルボキサミド、エナンチオマー2
【化40】
【0292】
ステップ1:6-(N-(3-クロロ-4-(1-(メトキシメトキシ)アリル)フェニル)メチルスルホンアミド)-5-シクロプロピル-2-(4-フルオロフェニル)-N-メチルベンゾフラン-3-カルボキサミド、エナンチオマー2
6-(N-(3-クロロ-4-(1-ヒドロキシアリル)フェニル)メチルスルホンアミド)-5-シクロプロピル-2-(4-フルオロフェニル)-N-メチルベンゾフラン-3-カルボキサミド、エナンチオマー2(340mg、0.58mmol)のTHF(7mL)中溶液に、DIEA(0.42mL、2.39mmol)およびクロロメチルメチルエーテル(0.14mL、1.79mmol)を加えた。反応混合物を50℃で一晩加熱した。さらにDIEA(0.42mL、2.39mmol)およびクロロメチルメチルエーテル(0.14mL、1.79mmol)を加え、さらに24時間加熱を続けた。反応混合物を室温に冷却し、水で希釈し、EtOAc(2回)で抽出した。合わせた有機層をブライン(1回)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下に濃縮した。フラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、ヘキサン中0から50%EtOAcへの勾配)により精製して、標題化合物(342mg、93%)を無色半固体として得た。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ ppm 8.45 - 8.51 (m, 1H), 8.12 (s, 1H), 7.94 - 8.02 (m, 2H), 7.37 - 7.54 (m, 5H), 7.20 (s, 1H), 5.89 (ddd, 1H), 5.38 (d, 1H), 5.18 - 5.32 (m, 2H), 4.67 (d, 1H), 4.54 (d, 1H), 3.44 (s, 3H), 3.24 (s, 3H), 2.84 (d, 3H), 2.08 - 2.19 (m, 1H), 0.77 - 1.06 (m, 3H), 0.41 - 0.51 (m, 1H)。 LCMS (m/z, ES+) = 613 (M+H+)。
【0293】
ステップ2:6-(N-(3-クロロ-4-(2-ヒドロキシ-1,2-オキサボロラン-5-イル)フェニル)メチルスルホンアミド)-5-シクロプロピル-2-(4-フルオロフェニル)-N-メチルベンゾフラン-3-カルボキサミド、エナンチオマー2
6-(N-(3-クロロ-4-(1-(メトキシメトキシ)アリル)フェニル)メチルスルホンアミド)-5-シクロプロピル-2-(4-フルオロフェニル)-N-メチルベンゾフラン-3-カルボキサミド、エナンチオマー2(340mg、0.56mmol)のTHF(15mL)中溶液を、(Ir(COD)Cl)2(37mg、0.055mmol)およびDPPE(44mg、0.11mmol)で処理した。30分間撹拌した後、ピナコールボランの溶液(THF中1M、1.66mL)を加えた。反応混合物を0.5時間撹拌し、減圧下に濃縮した。残留物をフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、ヘキサン中0から100%EtOAcへの勾配)による精製に供して無色油状物を得、これを特性評価せずに次に使用した。油状物をTHF(10mL)、1N HCl(10mL)およびMeOH(1mL)に溶解し、70℃で16時間加熱した。反応混合物を室温に冷却し、水で希釈し、EtOAc(2回)で抽出した。合わせた有機層をブライン(1回)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下に濃縮した。フラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、ジクロロメタン中0から100%酢酸エチル、次いでジクロロメタン中0から3.5%メタノールへの勾配)により精製し、続いて凍結乾燥して、標題化合物(124mg、2ステップで38%)をふわふわした白色固体として得た。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ ppm 8.79 (s, 1H), 8.42 - 8.49 (m, 1H), 8.12 (s, 1H), 7.93 - 8.02 (m, 2H), 7.35 - 7.55 (m, 5H), 7.19 (s, 1H), 5.33 (t, 1H), 3.39 - 3.45 (m, 3H), 2.84 (d, 3H), 2.37 - 2.47 (m, 1H), 2.12 - 2.22 (m, 1H), 1.49 - 1.64 (m, 1H), 0.77 - 1.07 (m, 5H), 0.41 - 0.52 (m, 1H)。 LCMS (m/z, ES+) = 597 (M+H+)。
【0294】
実施例30:5-シクロプロピル-2-(4-フルオロフェニル)-6-(N-(1-ヒドロキシ-3,4-ジヒドロ-1H-ベンゾ[c][1,2]オキサボリニン-6-イル)メチルスルホンアミド)-N-メチルベンゾフラン-3-カルボキサミド
【化41】
【0295】
ステップ1:ジメチル2-(5-(N-(5-シクロプロピル-2-(4-フルオロフェニル)-3-(メチルカルバモイル)ベンゾフラン-6-イル)メチルスルホンアミド)-2-ニトロフェニル)マロネート
Cs2CO3(17.5g、53.8mmol)のDMF(20ml)中撹拌懸濁液に、窒素雰囲気下、ジメチルマロネート(2.57mL、22.4mmol)を室温で加えた。これに続き、6-(N-(3-クロロ-4-ニトロフェニル)メチルスルホンアミド)-5-シクロプロピル-2-(4-フルオロフェニル)-N-メチルベンゾフラン-3-カルボキサミド(10.0g、17.9mmol)のDMF(50mL)中超音波処理溶液を、室温で滴加により加えた。反応混合物を室温で24時間撹拌した。反応混合物を水で希釈し、EtOAc(40mLで3回)で抽出した。有機層を水(50mLで3回)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、蒸発乾固した。粗生成物をエーテルで粉砕し、固体を濾取して、標題化合物を収率68%で得た。1H NMR (400 MHz, DMSO-d 6) δ ppm 8.51 (d, J = 4.7 Hz, 1H), 8.19 (d, J = 9.2 Hz, 1H), 8.04 (s, 1H), 7.90 - 8.00 (m, 2H), 7.36 - 7.51 (m, 3H), 7.26 - 7.31 (m, 1H), 7.14 - 7.20 (m, 1H), 5.45 - 5.56 (m, 1H), 3.52 - 3.64 (m, 9H), 2.84 (d, J = 4.5 Hz, 3H), 1.88 - 2.03 (m, 1H), 0.82 - 1.00 (m, 2H), 0.69 (d, J = 3.1 Hz, 1H), 0.29 - 0.50 (m, 1H)。 LCMS (m/z, ES+) = 654 (M+H+)。
【0296】
ステップ2:2-(5-(N-(5-シクロプロピル-2-(4-フルオロフェニル)-3-(メチルカルバモイル)ベンゾフラン-6-イル)メチルスルホンアミド)-2-ニトロフェニル)酢酸
ジメチル2-(5-(N-(5-シクロプロピル-2-(4-フルオロフェニル)-3-(メチルカルバモイル)ベンゾフラン-6-イル)メチルスルホンアミド)-2-ニトロフェニル)マロネート(10.0g、15.3mmol)の1:1:1THF/MeOH/水中撹拌溶液に、3N NaOH水溶液(20mL)を加えた。得られた混合物を55℃で15時間加熱した。反応混合物を室温に冷却し、5N HCl水溶液で処理してpHを5にした。水層を酢酸エチル(30mLで3回)で抽出した。有機層を水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、蒸発乾固した。残留物をメタノールおよびエーテルで粉砕し、固体を濾取して、標題化合物を収率75%で得た。1H NMR (400 MHz, DMSO-d 6) δ ppm 12.52 (br. s., 1 H) 8.49 (q, J=4.23 Hz, 1 H) 8.09 - 8.15 (m, 1 H) 8.02 (s, 1 H) 7.96 (d, J=3.32 Hz, 4 H) 7.31 - 7.44 (m, 4 H) 7.25 (s, 1 H) 3.98 (s, 2 H) 3.56 (s, 3 H) 2.84 (d, J=4.69 Hz, 3 H) 1.94 - 2.03 (m, 1 H) 0.85 (d, J=3.13 Hz, 3 H) 0.48 (br. s., 1 H)。 LCMS (m/z, ES+) = 583 (M+H+)。
【0297】
ステップ3:メチル2-(5-(N-(5-シクロプロピル-2-(4-フルオロフェニル)-3-(メチルカルバモイル)ベンゾフラン-6-イル)メチルスルホンアミド)-2-ニトロフェニル)アセテート
2-(5-(N-(5-シクロプロピル-2-(4-フルオロフェニル)-3-(メチルカルバモイル)ベンゾフラン-6-イル)メチルスルホンアミド)-2-ニトロフェニル)酢酸(2.00g、3.44mmol)の1:1DMF/MeOH(10mL)中撹拌溶液に、ヘキサン中2M TMS-ジアゾメタン(0.786g、6.88mmol)を0℃で加え、反応混合物を2時間撹拌した。反応物を水で希釈し、EtOAc中に抽出した。酢酸エチル溶液を水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、蒸発乾固して、標題化合物を収率70%で得た。1H NMR (400 MHz, クロロホルム-d) δ ppm 8.04 (d, J=9.19 Hz, 1 H) 7.88 (br. s., 0 H) 7.80 (t, J=6.06 Hz, 2 H) 7.46 (s, 1 H) 7.44 (br. s., 1 H) 7.28 (dd, J=9.18, 1.95 Hz, 1 H) 7.08 - 7.18 (m, 3 H) 6.13 (br. s., 1 H) 3.88 (s, 2 H) 3.62 (s, 3 H) 3.29 (s, 3 H) 2.93 (d, J=2.93 Hz, 3 H) 2.88 (s, 2 H) 2.79 (d, J=1.76 Hz, 1 H) 1.82 - 1.93 (m, 1 H) 0.67 - 0.98 (m, 3 H) 0.49 (br. s., 1 H)。 LCMS (m/z, ES+) = 596 (M+H+)。
【0298】
ステップ4:メチル2-(2-アミノ-5-(N-(5-シクロプロピル-2-(4-フルオロフェニル)-3-(メチルカルバモイル)ベンゾフラン-6-イル)メチルスルホンアミド)フェニル)アセテート
メチル2-(5-(N-(5-シクロプロピル-2-(4-フルオロフェニル)-3-(メチル-カルバモイル)ベンゾフラン-6-イル)メチルスルホンアミド)-2-ニトロフェニル)アセテート(1.00g、1.68mmol)のTHF(10mL)中溶液を、炭上の20%パラジウムの存在下、大気圧水素化に供した。10時間後、反応容器を窒素でパージし、セライトを通した濾過によって触媒を除去し、濾液を減圧で濃縮乾固した。粗製物をフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、ヘキサン/EtOAc)に供して、標題化合物を収率65%で得た。1H NMR (400 MHz, クロロホルム-d) δ ppm 7.84 - 7.92 (m, 2 H) 7.68 (s, 1 H) 7.39 (s, 1 H) 7.23 - 7.30 (m, 3 H) 7.18 (t, J=8.60 Hz, 2 H) 6.66 (d, J=8.40 Hz, 1 H) 5.84 (d, J=4.49 Hz, 1 H) 4.11 - 4.19 (m, 2 H) 3.68 (s, 3H) 3.52 (s, 2 H) 3.14 - 3.20 (m, 3 H) 2.94 - 3.02 (m, 3 H) 2.21 - 2.30 (m, 1 H) 0.96 (br. s., 2 H)。 LCMS (m/z, ES+) = 566 (M+H+)。
【0299】
ステップ5:6-(N-(4-アミノ-3-(2-ヒドロキシエチル)フェニル)メチルスルホンアミド)-5-シクロプロピル-2-(4-フルオロフェニル)-N-メチルベンゾフラン-3-カルボキサミド
メチル2-(2-アミノ-5-(N-(5-シクロプロピル-2-(4-フルオロフェニル)-3-(メチルカルバモイル)ベンゾフラン-6-イル)メチルスルホンアミド)フェニル)アセテート(500mg、0.884mmol)のTHF(6mL)中溶液に、0℃で3.5M水素化アルミニウムリチウム/THF(0.20mL、0.71mmol)を加えた。0℃で45分間撹拌した後、水性の後処理を行い、続いてフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、ヘキサン/EtOAc)を行って、標題化合物を収率65%で得た。1H NMR (400 MHz, クロロホルム-d) δ ppm 7.89 (dd, J=7.82, 5.47 Hz, 1 H) 7.70 (s, 0 H) 7.40 (s, 1 H) 7.15 - 7.25 (m, 2 H) 6.61 - 6.73 (m, 1 H) 5.78 (br. s., 0 H) 3.89 (t, J=5.96 Hz, 1 H) 3.18 (s, 2 H) 3.10 - 3.24 (m, 3 H) 3.00 (d, J=4.89 Hz, 1 H) 2.76 (t, J=5.86 Hz, 1 H) 2.29 (br. s., 0 H) 0.99 (br. s., 2 H)。 LCMS (m/z, ES+) = 538 (M+H+)。
【0300】
ステップ6:6-(N-(4-ブロモ-3-(2-ヒドロキシエチル)フェニル)メチルスルホンアミド)-5-シクロプロピル-2-(4-フルオロフェニル)-N-メチルベンゾフラン-3-カルボキサミド
0℃で維持した6-(N-(4-アミノ-3-(2-ヒドロキシエチル)フェニル)メチルスルホンアミド)-5-シクロプロピル-2-(4-フルオロフェニル)-N-メチルベンゾフラン-3-カルボキサミド(250mg、0.465mmol)のMeCN(1mL)中溶液に、水(0.50mL)に溶解した亜硝酸ナトリウム(80mg、1.16mmol)、続いて48%HBr水溶液(0.25mL)を加えた。得られた混合物を48%HBr水溶液(0.30mL)中の臭化銅(I)(133mg、0.930mmol)で処理した。60℃で1時間撹拌した後、反応混合物を室温に冷却し、水で希釈し、EtOAcで抽出した。有機溶液を水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧で濃縮乾固した。粗生成物をフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、ヘキサン/EtOAc)により精製して、標題化合物を収率65%で得た。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ ppm 8.36 - 8.51 (m, 1 H) 8.05 (s, 1 H) 7.92 (dd, J=8.89, 5.37 Hz, 2 H) 7.49 - 7.62 (m, 1 H) 7.31 - 7.49 (m, 3 H) 7.09 - 7.26 (m, 2 H) 4.69 (t, J=5.28 Hz, 1 H) 3.46 - 3.60 (m, 2 H) 3.30 - 3.40 (m, 3 H) 2.72 - 2.87 (m, 5 H) 2.04 - 2.22 (m, 1 H) 0.70 - 1.06 (m, 3 H) 0.41 (br. s., 1 H). )。 LCMS (m/z, ES+) = 601,603 (M+H+)。
【0301】
ステップ7:5-シクロプロピル-2-(4-フルオロフェニル)-6-(N-(1-ヒドロキシ-3,4-ジヒドロ-1H-ベンゾ[c][1,2]オキサボリニン-6-イル)メチルスルホンアミド)-N-メチルベンゾフラン-3-カルボキサミド
6-(N-(4-ブロモ-3-(2-ヒドロキシエチル)フェニル)メチルスルホンアミド)-5-シクロプロピル-2-(4-フルオロフェニル)-N-メチルベンゾフラン-3-カルボキサミド(100mg、0.166mmol)の1,4-ジオキサン(4mL)および水(1.0mL)中脱酸素化溶液に、窒素パージ下、K2CO3(92mg、0.665mmol)を、続いて4,4,4',4',5,5,5',5'-オクタメチル-2,2'-ビ(1,3,2-ジオキサボロラン)(84mg、0.33mmol)およびPdCl2(dppf)(12.16mg、0.017mmol)を加えた。次いで反応混合物を70℃に2時間加熱した。混合物を室温に冷却し、濾過して固体を除去した。濾液を水で希釈し、EtOAcで抽出した。EtOAc溶液を水(1回)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧で濃縮乾固した。粗生成物をRP-HPLC(C18、MeCN/水/0.1%ギ酸)により精製して、標題化合物を収率65%で得た。1H NMR (400 MHz, DMSO-d 6) δ ppm 7.89 (dd, J=8.60, 5.28 Hz, 2 H) 7.67 - 7.71 (m, 1 H) 7.57-7.62 (m, 1 H) 7.45 - 7.49 (m, 1 H) 7.13 - 7.25 (m, 4 H) 5.79 (d, J=3.91 Hz, 1 H) 4.31 (s, 1 H) 4.19 (t, J=5.96 Hz, 2 H) 3.29 (s, 3 H) 3.01 (d, J=4.89 Hz, 3 H) 2.89 (t, J=5.86 Hz, 2 H) 2.02 - 2.13 (m, 1 H) 1.02 (br. s., 1 H) 0.83 (br. s., 2 H) 0.61 (br. s., 1 H)。 LCMS (m/z, ES+) = 549 (M+H+)。
【0302】
実施例31:6-(N-(7-クロロ-1-ヒドロキシ-1,3-ジヒドロベンゾ[c][1,2]オキサボロール-5-イル)メチルスルホンアミド)-5-シクロプロピル-2-(4-フルオロフェニル)-N-メチルベンゾフラン-3-カルボキサミド
【化42】
【0303】
ステップ1:メチル5-(N-(5-シクロプロピル-2-(4-フルオロフェニル)-3-(メチルカルバモイル)ベンゾフラン-6-イル)メチルスルホンアミド)-2-ニトロベンゾエート
5-シクロプロピル-2-(4-フルオロフェニル)-N-メチル-6-(メチルスルホンアミド)ベンゾフラン-3-カルボキサミド(55.0g、123mmol)、メチル5-フルオロ-2-ニトロベンゾエート(36.7g、184mmol)、および炭酸ナトリウム(39.1g、369mmol)のDMF(400mL)中混合物を、激しく撹拌しながら70℃に加熱した。72時間後、LCMSは反応がほぼ完了していることを示した。混合物を室温に冷却し、EtOAc(300mL)で希釈し、セライトのベッドを通して濾過して固体を除去した。濾液が無色になるまで濾過ケーキをEtOAcで洗浄し、合計濾液容量1.2Lを得た。濾液を分液漏斗に移し、5%NaCl水溶液(1.4L)で分配し、相を分離した。水溶液をさらにEtOAc(300mL)で2回抽出した。合わせたEtOAc溶液を95%NaCl水溶液(2回)、飽和NaCl水溶液(1回)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、回転蒸発により約200mLに濃縮した。この時点で固体が結晶化し始めた。懸濁液をDCM(200mL)で希釈し、懸濁液を一晩撹拌した。次いで懸濁液を氷水浴中で2時間冷却し、固体を真空濾過により集めた。濾過ケーキを冷却した1:1EtOAc/DCMで2回洗浄し、30分間吸気乾燥し、次いで真空中で一晩乾燥させ、メチル5-(N-(5-シクロプロピル-2-(4-フルオロフェニル)-3-(メチルカルバモイル)ベンゾフラン-6-イル)メチルスルホンアミド)-2-ニトロベンゾエート(59.6g、83%)を薄黄色固体として得た。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ ppm 8.52 (q, J=4.42 Hz, 1 H) 8.13 (d, J=9.07 Hz, 1 H) 8.08 (s, 1 H) 7.93 - 8.01 (m, 2 H) 7.57 (d, J=2.63 Hz, 1 H) 7.53 (dd, J=9.07, 2.73 Hz, 1 H) 7.38 - 7.46 (m, 2 H) 7.29 (s, 1 H) 3.83 (s, 3 H) 3.60 (s, 3 H) 2.85 (d, J=4.59 Hz, 3 H) 1.87 - 2.04 (m, 1 H) 0.87 (m, 2 H) 0.73 (m, 1 H) 0.46 (m, 1 H)。 LCMS(ESI): 582 (M+H+)。
【0304】
ステップ2:メチル2-アミノ-5-(N-(5-シクロプロピル-2-(4-フルオロフェニル)-3-(メチルカルバモイル)ベンゾフラン-6-イル)メチルスルホンアミド)ベンゾエート
メチル5-(N-(5-シクロプロピル-2-(4-フルオロフェニル)-3-(メチルカルバモイル)ベンゾフラン-6-イル)メチルスルホンアミド)-2-ニトロベンゾエート(59.5g、102mmol)および10%Pd(C)(6.0g)の2:1THF/EtOH(1.2L)中撹拌懸濁液を、水素ガスを10分間吹き込むことにより水素で飽和し、次いで室温にてバルーン水素化に供した。6時間後、LCMSは、反応が完了していることを示した。24時間後、混合物を窒素でパージし、触媒をセライトを通して濾過により除去し、濾液を減圧で濃縮乾固して、薄黄色固体を得た。この物質を加熱EtOAcから再結晶して、メチル2-アミノ-5-(N-(5-シクロプロピル-2-(4-フルオロフェニル)-3-(メチルカルバモイル)ベンゾフラン-6-イル)メチルスルホンアミド)ベンゾエート(42.2g)を白色固体として得た。濾液を減圧で濃縮乾固して、さらにメチル2-アミノ-5-(N-(5-シクロプロピル-2-(4-フルオロフェニル)-3-(メチルカルバモイル)ベンゾフラン-6-イル)メチルスルホンアミド)ベンゾエート(13.0g)を薄黄色泡状物として得て、これはLCMSにより95%純粋であると決定された。2バッチを合わせると、メチル2-アミノ-5-(N-(5-シクロプロピル-2-(4-フルオロフェニル)-3-(メチルカルバモイル)ベンゾフラン-6-イル)メチルスルホンアミド)ベンゾエートの合計収率は55.2g(98%)であった。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ ppm 8.46 (q, J=4.42 Hz, 1 H) 8.16 (s, 1 H) 7.91 - 8.00 (m, 3 H) 7.61 (dd, J=8.98, 2.73 Hz, 1 H) 7.41 (t, J=8.88 Hz, 2 H) 7.15 (s, 1 H) 6.76 - 6.86 (m, 3 H) 3.79 (s, 3 H) 3.28 (s, 3 H) 2.83 (d, J=4.68 Hz, 3 H) 2.25 - 2.38 (m, 1 H) 0.82 - 1.10 (m, 3 H) 0.42 (m, 1 H)。 LCMS(ESI): 552 (M+H+)。
【0305】
ステップ3:メチル2-アミノ-3-クロロ-5-(N-(5-シクロプロピル-2-(4-フルオロフェニル)-3-(メチルカルバモイル)ベンゾフラン-6-イル)メチルスルホンアミド)ベンゾエート
メチル2-アミノ-5-(N-(5-シクロプロピル-2-(4-フルオロフェニル)-3-(メチルカルバモイル)ベンゾフラン-6-イル)メチルスルホンアミド)ベンゾエート(55.0g、100mmol)のDMF(320mL)中懸濁液を、60℃に加熱した。得られた黄色溶液をNCS(14.0g、105mmol)で一度に処理した。溶液はすぐに暗色化した。5分後、LCMSは、所望のクロロ化合物に完全に転化していることを示した。溶液を室温に冷却し、EtOAc(1L)で希釈した。得られた溶液を5%NaCl水溶液(1Lで1回)、5%亜硫酸水素ナトリウム水溶液(200mLで2回)、飽和重炭酸ナトリウム水溶液(200mLで3回)、および飽和ブライン水溶液(200mLで1回)で洗浄した。溶液を硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧で濃縮乾固して、メチル2-アミノ-3-クロロ-5-(N-(5-シクロプロピル-2-(4-フルオロフェニル)-3-(メチルカルバモイル)ベンゾフラン-6-イル)メチルスルホンアミド)ベンゾエート(58.0g、99%)を褐色固体として得た。この物質を精製することなく次のステップに使用した。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ ppm 8.46 (q, J=4.42 Hz, 1 H) 8.25 (s, 1 H) 7.94 - 8.04 (m, 3 H) 7.90 (d, J=2.63 Hz, 1 H) 7.34 - 7.46 (m, 2 H) 7.18 (s, 1 H) 6.93 (br. s., 2 H) 3.83 (s, 3 H) 3.33 (s, 3 H) 2.84 (d, J=4.59 Hz, 3 H) 2.26 - 2.36 (m, 1 H) 0.84 - 1.11 (m, 3 H) 0.40 (br. s., 1 H)。 LCMS(ESI): 586 (M+H+)。
【0306】
ステップ4:メチル2-ブロモ-3-クロロ-5-(N-(5-シクロプロピル-2-(4-フルオロフェニル)-3-(メチルカルバモイル)ベンゾフラン-6-イル)メチルスルホンアミド)ベンゾエート
磁気撹拌器を備えた1Lの3ツ口フラスコに、メチル2-アミノ-3-クロロ-5-(N-(5-シクロプロピル-2-(4-フルオロフェニル)-3-(メチルカルバモイル)ベンゾフラン-6-イル)メチルスルホンアミド)ベンゾエート(58.0g、99.0mmol)を、続いてMeCN(500mL)を、次いで48%HBr水溶液(500mL)を加えた。暗褐色溶液を氷水/ブライン浴中0℃に冷却し、亜硝酸ナトリウム(8.20g、119mmol)の水(50mL)中溶液で5分間かけて処理した。30分後、LCMSは、出発物が完全に消費されていることを示した。溶液をCuBr(18.5g、129mmol)で2分かけて処理し、次いで50℃に加温した。50℃で30分後、LCMSは、反応が完了していることを示した。溶液を室温に冷却し、EtOAc(1L)と水(1.5L)との間で分配した。相を分離し、水溶液をEtOAc(200mLで2回)で抽出した。合わせたEtOAc溶液を5%NaCl水溶液(1Lで1回)、5%亜硫酸水素ナトリウム水溶液(300mLで2回)、飽和重炭酸ナトリウム水溶液(300mLで2回)、飽和ブライン水溶液(300mLで1回)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥した。乾燥剤をシリカゲルのパッドを通した濾過により除去し、濾液を減圧で濃縮乾固して、粗製のメチル2-ブロモ-3-クロロ-5-(N-(5-シクロプロピル-2-(4-フルオロフェニル)-3-(メチルカルバモイル)ベンゾフラン-6-イル)メチルスルホンアミド)ベンゾエート(64.3g)を赤褐色泡状物として得た。粗生成物をさらに精製することなく次に使用した。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ ppm 8.50 (q, J=4.29 Hz, 1 H) 8.16 (s, 1 H) 7.92 - 8.03 (m, 2 H) 7.79 (d, J=2.73 Hz, 1 H) 7.65 (d, J=2.73 Hz, 1 H) 7.41 (t, J=8.93 Hz, 2 H) 7.24 (s, 1 H) 3.81 - 3.89 (m, 3 H) 3.45 - 3.53 (m, 3 H) 2.85 (d, J=4.59 Hz, 3 H) 2.04 - 2.16 (m, 1 H) 0.71 - 1.07 (m, 3 H) 0.40 (br. s., 1 H)。 LCMS(ESI): 649 (M+H+)。
【0307】
ステップ5:6-(N-(4-ブロモ-3-クロロ-5-(ヒドロキシメチル)フェニル)メチルスルホンアミド)-5-シクロプロピル-2-(4-フルオロフェニル)-N-メチルベンゾフラン-3-カルボキサミド
粗製のメチル2-ブロモ-3-クロロ-5-(N-(5-シクロプロピル-2-(4-フルオロフェニル)-3-(メチルカルバモイル)ベンゾフラン-6-イル)メチルスルホンアミド)ベンゾエート(54.3g、84.0mmol)の無水THF(351mL)および無水MeOH(39mL)中溶液を、氷水/ブライン浴中で-5℃(内温)に冷却した。撹拌溶液に、温度を5℃未満に維持するような速度で、2M LiBH4/THF(125mL、251mmol)を滴下漏斗により加えた。添加に35分必要であった。次いでブライン浴を氷水浴に代え、溶液の撹拌を続けた。さらに1.5時間後、LCMSは、反応が完了していることを示した。溶液を、飽和重炭酸ナトリウム水溶液(200mL)を、続いて水(400mL)およびEtOAc(600mL)を加えることによりクエンチした。混合物を30分間激しく撹拌し、次いで分液漏斗に移した。相を分離した後、固体が水相に残ったので、さらに水(200mL)を加え、混合物を振盪し、相を再度分離した。水溶液をEtOAc(200mLで2回)で抽出した。合わせたEtOAc溶液を5%NaCl水溶液(1回)、飽和ブライン(1回)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧で濃縮乾固して、6-(N-(4-ブロモ-3-クロロ-5-(ヒドロキシメチル)フェニル)メチルスルホンアミド)-5-シクロプロピル-2-(4-フルオロフェニル)-N-メチルベンゾフラン-3-カルボキサミド(54.5g)をオレンジ-褐色泡状物として得た。粗製物を精製することなく次のステップに使用した。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ ppm 8.45 - 8.54 (m, 1 H) 8.12 (s, 1 H) 7.98 (dd, J=8.93, 5.41 Hz, 2 H) 7.59 (d, J=2.73 Hz, 1 H) 7.54 (d, J=2.63 Hz, 1 H) 7.41 (t, J=8.88 Hz, 2 H) 7.22 (s, 1 H) 5.64 (t, J=5.56 Hz, 1 H) 4.48 (d, J=5.56 Hz, 2 H) 3.45 (s, 3 H) 2.84 (d, J=4.59 Hz, 3 H) 2.06 - 2.17 (m, 1 H) 0.75 - 1.06 (m, 3 H) 0.47 (br. s., 1 H)。 LCMS(ESI): 623 (M+H+)。
【0308】
ステップ6:6-(N-(4-ブロモ-3-クロロ-5-((メトキシメトキシ)メチル)フェニル)メチルスルホンアミド)-5-シクロプロピル-2-(4-フルオロフェニル)-N-メチルベンゾフラン-3-カルボキサミド
粗製の6-(N-(4-ブロモ-3-クロロ-5-(ヒドロキシメチル)フェニル)メチルスルホンアミド)-5-シクロプロピル-2-(4-フルオロフェニル)-N-メチルベンゾフラン-3-カルボキサミド(50.0g、80.0mmol)のTHF(500mL)中溶液を、DIEA(42.1mL、241mmol)で、続いてMOM-Cl(15.3mL、201mmol)で処理し、得られた溶液を撹拌しながら50℃に加熱した。18時間後、LCMSは、反応が完了していることを示した。溶液を室温に冷却し、EtOAc(600mL)で、続いて水(600mL)で希釈した。10分間激しく撹拌した後、混合物を分液漏斗に移し、相を分離した。水相をさらにEtOAc(200mL)で1回抽出した。合わせたEtOAc溶液を5%クエン酸と5%NaClとの水溶液(300mLで3回)、飽和重炭酸ナトリウム水溶液(300mLで2回)、飽和ブライン(300mLで1回)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥した。乾燥剤を濾別し、濾液を減圧で濃縮乾固して、オレンジ-褐色泡状物を得た。この物質をEtOAc(250mL)に溶解し、溶液を撹拌しながら加熱還流した。溶液に、還流温度を維持しながらヘキサン(375mL)を5分間かけて加えた。次いで溶液を撹拌しながら室温に冷却し、その間薄黄褐色固体が結晶化した。2時間後、溶液を氷水浴中で冷却し、さらに2時間撹拌した。固体を中程度のフリット漏斗中で濾取した。濾過ケーキを冷却した3:2ヘキサン/EtOAc(250mL)で洗浄し、吸引濾過により30分間乾燥し、次いで真空中で乾燥して、6-(N-(4-ブロモ-3-クロロ-5-((メトキシメトキシ)メチル)フェニル)メチルスルホンアミド)-5-シクロプロピル-2-(4-フルオロフェニル)-N-メチルベンゾフラン-3-カルボキサミド(36.4g)を薄黄褐色固体として得た。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ ppm 8.49 (q, J=4.30 Hz, 1 H) 8.14 (s, 1 H) 7.93 - 8.00 (m, 2 H) 7.62 (d, J=2.74 Hz, 1 H) 7.52 (d, J=2.74 Hz, 1 H) 7.40 (t, J=8.94 Hz, 2 H) 7.21 (s, 1 H) 4.68 (s, 2 H) 4.57 (s, 2 H) 3.44 (s, 3 H) 3.24 (s, 3 H) 2.83 (d, J=4.59 Hz, 3 H) 2.06 - 2.19 (m, 1 H) 0.74 - 1.05 (m, 3 H) 0.44 (br. s., 1 H)。
【0309】
ステップ7:6-(N-(7-クロロ-1-ヒドロキシ-1,3-ジヒドロベンゾ[c][1,2]オキサボロール-5-イル)メチルスルホンアミド)-5-シクロプロピル-2-(4-フルオロフェニル)-N-メチルベンゾフラン-3-カルボキサミド
6-(N-(4-ブロモ-3-クロロ-5-((メトキシメトキシ)メチル)フェニル)メチルスルホンアミド)-5-シクロプロピル-2-(4-フルオロフェニル)-N-メチルベンゾフラン-3-カルボキサミド(46.4g、69.7mmol)、ビス(ピナコラト)ジボロン(44.2g、174mmol)、酢酸カリウム(27.4g、279mmol)、およびPd(dppb)Cl2(2.10g、3.48mmol)の1,4-ジオキサン(350mL)中混合物を、窒素で15分間スパージし、次いで窒素下108℃に加熱した。22時間後、LCMSは、出発物が完全に転化し、所望の生成物/プロチオ副生成物(臭素が水素に置換されたもの)の84:16混合物であることを示した。混合物を室温に冷却し、1gスケールのパイロット反応からの粗製の反応混合物と合わせ、EtOAc(500mL)で希釈した。混合物をシリカゲルのパッドを通して濾過して固体を除去し、濾液を減圧で濃縮して、6-(N-(3-クロロ-5-((メトキシメトキシ)メチル)-4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)フェニル)メチルスルホンアミド)-5-シクロプロピル-2-(4-フルオロフェニル)-N-メチルベンゾフラン-3-カルボキサミド(93.1g)を薄黄褐色固体として得た。LCMS(ESI):713(M+H+)。この物質を5:1THF/MeOH(524mL)に溶解し、溶液を1N HCl水溶液(440mL)で処理した。黄褐色固体が素早く沈殿した。混合物を70℃に加熱した。固体はゆっくり溶解して、黄色溶液を得た。18時間後、LCMSは、反応が完了していることを示した。溶液を約40℃に冷却し、素早く撹拌した水(1L)とMTBE(1L)との混合物中に注ぎ入れた。混合物に、1N NaOH水溶液(440mL)を加えた。次いで3N NaOH水溶液を加えることにより、pHを約12〜13に調節した。混合物を分液漏斗に移し、相を分離した。TLCおよびLCMSによる2相の分析では、所望の生成物がプロチオ副生成物からほぼ完全に分離していることを示した。水相をMTBE(250mLで3回)で洗浄し、次いで濃HClで処理してpHを約2にした。得られた濁った溶液をEtOAc(500mLで4回)で抽出した。合わせたEtOAc抽出物を5%ブライン水溶液(1回)、飽和ブライン水溶液(1回)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥した。乾燥剤をセライトのパッドを通して濾過により除去して、薄黄色濾液を得た。濾液を減圧で濃縮乾固して、黄褐色泡状物(39.0g)を得た。この物質をMeCN(400mL)に溶解した。得られた溶液を撹拌しながら、0.1N HCl水溶液(800mL)を滴下漏斗により40分間かけてゆっくり加えた。添加の初期に、少量の予め調製しておいた結晶性6-(N-(7-クロロ-1-ヒドロキシ-1,3-ジヒドロベンゾ[c][1,2]オキサボロール-5-イル)メチルスルホンアミド)-5-シクロプロピル-2-(4-フルオロフェニル)-N-メチルベンゾフラン-3-カルボキサミドを溶液にシーディングすると、激しい結晶化が誘導された。懸濁液を室温で一晩撹拌した。固体を真空濾過により集め、2:1MeCN水で濯いだ。この物質を1時間吸気乾燥し、次いで一定重量になるまで真空中で乾燥して、6-(N-(7-クロロ-1-ヒドロキシ-1,3-ジヒドロベンゾ[c][1,2]オキサボロール-5-イル)メチルスルホンアミド)-5-シクロプロピル-2-(4-フルオロフェニル)-N-メチルベンゾフラン-3-カルボキサミド(28.8g、71%)をオフホワイトの粉末として得た。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ ppm 9.18 (s, 1 H) 8.50 (q, J=4.42 Hz, 1 H) 8.09 (s, 1 H) 7.93 - 8.02 (m, 2 H) 7.37 - 7.46 (m, 3 H) 7.28 (d, J=1.56 Hz, 1 H) 7.22 (s, 1 H) 4.97 (s, 2 H) 3.48 (s, 3 H) 2.85 (d, J=4.59 Hz, 3 H) 2.02 - 2.14 (m, 1 H) 0.92 - 1.04 (m, 1 H) 0.82 (br. s., 2 H) 0.49 (br. s., 1 H)。 LCMS(ESI): 569 (M+H+)。
【0310】
実施例32:生物学的活性
レプリコンルシフェラーゼ細胞に基づくアッセイ
方法
各試験化合物のDMSO中1mM原液(150μL)を、96ウェルV底マイクロプレートの第1列に移し、所要の希釈系列の最大濃度の200倍を得た。50μLアリコートを、DMSO(100μL)を含む残りの列の各ウェルに加え、10ポイントにわたる1:3希釈系列を得た。第11列および12列はそれぞれ、ポジティブコントロールおよびネガティブコントロール用にDMSOのみを含んでいた。各ウェルの10μLを、5% v/vウシ胎児血清、1% v/v非必須アミノ酸溶液、100単位/mlペニシリン、100μg/mlストレプトマイシンおよび2mM L-グルタミンを補充したDMEM培地(Invitrogen #41965-039)(90μL)中に移し、所要の希釈系列の最大濃度の20倍を得た。
【0311】
ホタルルシフェラーゼレポーター遺伝子に連結された、遺伝子型1b(Pietschmann,T., Lohmann, V., Kaul, A., Krieger, N., Rinck, G., Rutter, G., Strand, D.およびBartenschlager, R.により, Journal of Virology, 2002, 76, 4008-4021に記載されるET亜系)、遺伝子型1a(Blight, K.J., McKeating, J.A., Marcotrigiano, J., およびRice、C.M.によりJournal of Virology, 2003, 77, 3180-3190に記載される、適応変異P1496LおよびS2204Iを含むH77 SG-Neoから社内で構築された亜系1.19)、遺伝子型1b C316N(ET亜系のNS5B遺伝子の部位特異的突然変異誘発により社内で構築)、または遺伝子型 1a C316Y(Blight, K.J., McKeating, J.A., Marcotrigiano, J., およびRice、C.M.によりJournal of Virology, 2003, 77, 3180-3190に記載される、適応変異P1496LおよびS2204Iを含むH77 SG-NeoのNS5B遺伝子の部位特異的突然変異誘発により社内で構築)のいずれかのサブゲノムHCV NS3-NS5Bレプリコンで安定にトランスフェクトされたHuh-7細胞の培養物から懸濁液を調製した。集密に近い単層をヴェルセン-トリプシン液で増殖フラスコからはがし、DMEMを含むアッセイ培地に細胞を再懸濁した。15,000細胞(遺伝子型1bルシフェラーゼレプリコン)または20,000細胞(遺伝子型1aルシフェラーゼレプリコン)を含有する95μLの懸濁液を96ウェルプレート(Perkin Elmer, #6005686)の全ウェル(アッセイプレートの第12列の培地コントロールを除く)に加えた。細胞懸濁液に5μLの化合物溶液を添加し、プレートを5% CO2雰囲気中、37℃で48時間インキュベートした。
【0312】
毒性については、1つのプレート中の細胞をCell Titer Glo(Promega, #G7573)で処理した。製造者の説明書に従ってCell Titer Gloの溶液を調製し、各ウェルに100μL加えた。次いで、Envision上でプレートの発光を読み取った。効力については、製造者の説明書に従ってSteady Glo(Promega, #E2550)の溶液を調製し、各ウェルに100μL加えた。20分間インキュベーションした後、Envision上でプレートの発光を読み取った。
【0313】
データ解析
毒性:複製ウェル由来の発光値を平均し、化合物を含まないコントロールウェルの平均吸光度のパーセンテージとして表し、比較細胞生存率を決定した。化合物の細胞毒性は、生存率の有意な減少が観察される最低濃度として表すか、またはActivityBase(IDBS)ソフトウェアおよびXC50モジュールを介して行う曲線適合を使用して化合物濃度に対して細胞毒性パーセンテージをプロットすることによって50%毒性濃度(CCID50)を決定した。
【0314】
効力:化合物を含まない細胞含有ウェル全てに由来する発光値を平均し、ポジティブコントロール値を得た。細胞を加えなかった化合物を含まないウェル由来の平均発光値を使用して、ネガティブ(バックグラウンド)コントロール値を提供した。各化合物濃度のウェルから得られた読み取り値を平均し、全測定値から平均バックグラウンド値を引いた後、ポジティブコントロールシグナルのパーセンテージとして表した。薬物の存在下の、定量可能でかつ特異的なルシフェラーゼシグナルの減少はレプリコン阻害の直接的尺度である。BioAssay Enterprise (CamebridgeSoft)および曲線適合用のXC50モジュールを使用して、化合物濃度に対する阻害パーセンテージの曲線をプロットし、化合物の50%阻害濃度(IC50)を導き出した。EC50は有効濃度、すなわち最大効果の50%が観察される化合物の濃度である。2つの同一プレートのEC50値を平均した。結果は、遺伝子型(GT)1a、1b、1b 316Nおよび1a 316Yに対するEC50として表1に示される。
【表1】
【0315】
実施例33:薬物動態
マウス、ラット、イヌ、またはカニクイザルにおいてin vivo薬物動態研究を行い、クリアランス、経口暴露およびバイオアベイラビリティ(%F)を決定した。溶液用量の化合物を、カテーテルを通して静脈内にまたは経管栄養によって経口的に投与した。血液サンプルは、以下の時点で採取した(n=2または3/経路/種):0.083(静脈内(IV)のみ)、0.167(静脈内(IV)のみ)、0.25、0.5、1、2、4、6、8、12、および24時間。Phoenix Winnonlin 6.1 (Pharsight, Mountain View、CA)を使用して非コンパートメント薬物動態学的パラメータを決定した。各化合物の経口製剤のバイオアベイラビリティは、経口用量正規化AUCinfの、静脈内用量正規化AUCinfに対する比として計算した。結果は表2に示される。
【表2】
【0316】
実施例34:ヒト肝細胞
CellzDirect (Durham, NC)から購入した、凍結保存肝細胞を使用して肝細胞インキュベーションを行った。凍結保存肝細胞を液体窒素から取り出し、“XenoTech Protocol for Thawing Cryopreserved Hepatocytes”に記載されるXenoTechのガイドラインに従って、肝細胞単離キットK2000(12/13/2004)を使用して解凍した。肝細胞は、25mM HEPESバッファーおよび2 mM Glutamaxを含有するWilliams E培地(1 mL)中で、1×106個細胞に希釈した。
【0317】
肝細胞インキュベーションは、37℃で350rpmのEppendorfシェーカー上の96ウェルプレート中で行った。反応混合物は、最終容量(0.5mL)中、0.25 x 106個の細胞および0.5mM試験化合物(最終DMSO濃度0.05%を維持するため)で構成されていた。初期時点(t0)に採取し、15、30、60、90、および120分の時点で後のアリコートを採取した。反応は、4°Cにおいて、50mLのインキュベーション混合物を、100mLの有機混合物[アセトニトリルとメタノール(80:20)]を含む96ウェルプレートに移すことによって終了させた。沈殿したタンパク質を遠心分離によって除去し、得られた上清を新たな96ウェルポリプロピレンプレートに移して、LC/MS/MS解析した。各実験において、薬物を含まないマトリックスコントロールと2QC標準(フェナセチンとプロプラノロール)をインキュベートし、試験化合物と同様に処理した。
【0318】
残存している親化合物のパーセントとして表される代謝安定性は、インキュベーションの時点ゼロ(t0)における化合物のピーク面積に対する、インキュベーション後(tx)に残存している化合物のピーク面積比から計算した。
【数1】
【0319】
半減期(t1/2)は、以下の等式を用いて計算した:
【数2】
【0320】
式中、Kは、時間回帰に対する残存化合物のln(%)の傾きである。半減期値は、親化合物の少なくとも15%の減少が観察された場合にのみ報告される。
【0321】
ミクロソーム肝細胞インキュベーションから決定される固有のクリアランス(Cl'int、mL/分/kg 体重)は、以下の等式を用いて半減期値から計算した(Obach, Obach, RS J. Pharmacol. Expt Ther., 283:46-58, 1997):
【数3】
【0322】
式中、B = g(肝臓)/kg(体重)(DaviesおよびMorris, 1993)、C = # 細胞/g(肝臓) (Iwatsubo, Pharmacol. Ther., 73:147-171, 1997)
B = 1.2 x 108細胞/g(マウス、ラット、カニクイザルおよびヒト)また2.4 x 108細胞/g(イヌ)
C =87.5 gm(肝臓)/kg(体重)(マウス)、40 gm(肝臓)/kg(体重)(ラット)、32 gm(肝臓)/kg(体重)(イヌ)、20 gm(肝臓)/kg(体重)(カニクイザル)、26 gm(肝臓)/kg(体重)(ヒト)。
【0323】
半減期値が、最終時点の3倍より大きい(すなわち肝細胞中t1/2 > 360分)と決定された場合、Cl'int値は報告されなかった。
【0324】
結果:実施例1のT1/2 (分)は、>360;A >360;B = 45;C (測定なし);D = 61.6;実施例15 >360であった。