特許第6367714号(P6367714)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6367714ヒトOX40に対する特異性を有する抗体分子
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6367714
(24)【登録日】2018年7月13日
(45)【発行日】2018年8月1日
(54)【発明の名称】ヒトOX40に対する特異性を有する抗体分子
(51)【国際特許分類】
   C07K 16/46 20060101AFI20180723BHJP
   C07K 16/28 20060101ALI20180723BHJP
   C07K 16/18 20060101ALI20180723BHJP
   C12N 15/09 20060101ALI20180723BHJP
   C12N 1/15 20060101ALI20180723BHJP
   C12N 1/19 20060101ALI20180723BHJP
   C12N 1/21 20060101ALI20180723BHJP
   C12N 5/10 20060101ALI20180723BHJP
   A61K 39/395 20060101ALI20180723BHJP
   A61P 37/08 20060101ALI20180723BHJP
   A61P 37/06 20060101ALI20180723BHJP
   A61P 29/00 20060101ALI20180723BHJP
   A61P 19/02 20060101ALI20180723BHJP
   A61P 11/06 20060101ALI20180723BHJP
   A61P 11/00 20060101ALI20180723BHJP
   A61P 1/04 20060101ALI20180723BHJP
   A61P 3/10 20060101ALI20180723BHJP
   A61P 37/02 20060101ALI20180723BHJP
   A61P 13/12 20060101ALI20180723BHJP
   A61P 21/04 20060101ALI20180723BHJP
   C12P 21/00 20060101ALI20180723BHJP
【FI】
   C07K16/46
   C07K16/28ZNA
   C07K16/18
   C12N15/09 Z
   C12N1/15
   C12N1/19
   C12N1/21
   C12N5/10
   A61K39/395 D
   A61P37/08
   A61P37/06
   A61P29/00 101
   A61P19/02
   A61P11/06
   A61P11/00
   A61P1/04
   A61P3/10
   A61P37/02
   A61P13/12
   A61P21/04
   A61K39/395 N
   C12P21/00 Z
【請求項の数】47
【全頁数】43
(21)【出願番号】特願2014-540489(P2014-540489)
(86)(22)【出願日】2012年11月9日
(65)【公表番号】特表2015-506910(P2015-506910A)
(43)【公表日】2015年3月5日
(86)【国際出願番号】EP2012072325
(87)【国際公開番号】WO2013068563
(87)【国際公開日】20130516
【審査請求日】2015年10月23日
(31)【優先権主張番号】61/558,545
(32)【優先日】2011年11月11日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】514232085
【氏名又は名称】ユーシービー バイオファルマ エスピーアールエル
(74)【代理人】
【識別番号】110000855
【氏名又は名称】特許業務法人浅村特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】アダムズ、ラルフ
(72)【発明者】
【氏名】バータ、パラーヴィ
(72)【発明者】
【氏名】ヘイウッド、サム フィリップ
(72)【発明者】
【氏名】ハンフリーズ、デイヴィッド ポール
【審査官】 川口 裕美子
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2011/030107(WO,A1)
【文献】 国際公開第2010/096418(WO,A1)
【文献】 Lucy J. Holt et al.,Anti-serum albumin domain antibodies for extending the half-lives of short lived drugs,Protein Engineering, Design & Selection,2008年 4月 2日,vol. 21 no. 5,pp. 283.288
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C07K 16/00
CAplus/MEDLINE/EMBASE/BIOSIS/WPIDS(STN)
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
UniProt/GeneSeq
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ヒトOX40およびヒト血清アルブミンに結合する抗体融合タンパク質であって、
N末端から順に、第1重鎖可変ドメイン(V1)、CH1ドメイン、および第2重鎖可変ドメイン(V2)を含む重鎖と、
N末端から順に、第1軽鎖可変ドメイン(V1)、CLドメイン、および第2軽鎖可変ドメイン(V2)を含む軽鎖とを含み、
1およびV1が第1の抗原結合部位を形成し、かつV2およびV2が第2の抗原結合部位を形成するように、前記重鎖および軽鎖が配列しており、
前記第1の抗原結合部位により結合される抗原がヒトOX40であり、かつ前記第2の抗原結合部位により結合される抗原がヒト血清アルブミンであり、
前記重鎖の第1可変ドメイン(V1)が、CDR−H1についての配列番号1に示す配列、CDR−H2についての配列番号2に示す配列、およびCDR−H3についての配列番号3に示す配列を含み、かつ前記軽鎖の第1可変ドメイン(V1)が、CDR−L1についての配列番号4に示す配列、CDR−L2についての配列番号5に示す配列、およびCDR−L3についての配列番号6に示す配列を含み、
前記第2重鎖可変ドメイン(V2)が配列番号11に示す配列を有し、かつ前記第2軽鎖可変ドメイン(V2)が配列番号12に示す配列を有し、
前記第2重鎖可変ドメイン(V2)および前記第2軽鎖可変ドメイン(V2)がジスルフィド結合により連結されている、
抗体融合タンパク質。
【請求項2】
OX40Lに対するOX40の結合をアンタゴナイズする、請求項1に記載の抗体融合タンパク質。
【請求項3】
前記CH1ドメインと前記第2重鎖可変ドメイン(V2)との間にペプチドリンカーがある、請求項1または請求項2に記載の抗体融合タンパク質。
【請求項4】
前記CLドメインと前記第2軽鎖可変ドメイン(V2)との間にペプチドリンカーがある、請求項1〜3のいずれか一項に記載の抗体融合タンパク質。
【請求項5】
前記第1重鎖可変ドメイン(V1)が配列番号8に示す配列を含む、請求項1〜4のいずれか一項に記載の抗体融合タンパク質。
【請求項6】
前記第1軽鎖可変ドメイン(V1)が配列番号7に示す配列を含む、請求項1〜5のいずれか一項に記載の抗体融合タンパク質。
【請求項7】
前記重鎖が配列番号15に示す配列を含むか、またはそれからなる、請求項1〜6のいずれか一項に記載の抗体融合タンパク質。
【請求項8】
前記軽鎖が配列番号16に示す配列を含むか、またはそれからなる、請求項1〜7のいずれか一項に記載の抗体融合タンパク質。
【請求項9】
ヒトOX40およびヒト血清アルブミンに結合する抗体融合タンパク質であって、配列番号15に示す配列を含む重鎖および配列番号16に示す配列を含む軽鎖を有する、抗体融合タンパク質。
【請求項10】
請求項1〜9のいずれか一項に記載の抗体融合タンパク質の重鎖および/または軽鎖をコードする単離したDNA配列。
【請求項11】
請求項10に記載の1つまたは複数のDNA配列を含むクローニングベクターまたは発現ベクター。
【請求項12】
前記ベクターが、配列番号22および配列番号24に示す配列を含む、請求項11に記載のベクター。
【請求項13】
請求項11または請求項12に記載の1つまたは複数のクローニングベクターまたは発現ベクターを含む宿主細胞。
【請求項14】
請求項1〜9のいずれか一項に記載の抗体融合タンパク質の産生のための方法であって、請求項13の宿主細胞を培養すること、および抗体融合タンパク質を単離することを含む方法。
【請求項15】
薬学的に許容される賦形剤、希釈剤、または担体の1つまたは複数と組み合わせて、請求項1〜9のいずれか一項に記載の抗体融合タンパク質を含む医薬組成物。
【請求項16】
少なくとも1つの他の活性成分をさらに含む、請求項15に記載の医薬組成物。
【請求項17】
治療に使用するための、請求項1〜9のいずれか一項に記載の抗体融合タンパク質または請求項15もしくは請求項16に記載の医薬組成物。
【請求項18】
OX40により媒介されるか、またはOX40レベルの増大と関連する病的障害の治療または予防のための、請求項1〜9のいずれか一項に記載の抗体融合タンパク質を含む医薬組成物。
【請求項19】
OX40により媒介されるか、またはOX40レベルの増大と関連する病的障害の治療または予防のための薬剤の製造における、請求項1〜9のいずれか一項に記載の抗体融合タンパク質の使用。
【請求項20】
前記病的障害が、アレルギー、COPD、自己免疫疾患、関節リウマチ、喘息、移植片対宿主疾患、クローン病、潰瘍性大腸炎、I型糖尿病、多発性硬化症、全身性エリテマトーデス、狼瘡性腎炎、重症筋無力症、グレーブス病、移植拒絶反応、ヴェグナー肉芽腫症、ヘノッホ・シェーンライン紫斑病、全身性硬化症、およびウイルス誘導肺炎症からなる群から選択される、請求項18に記載の医薬組成物
【請求項21】
前記病的障害が、アレルギー、慢性閉塞性肺疾患、自己免疫疾患、関節リウマチ、喘息、移植片対宿主疾患、炎症性腸疾患、クローン病、潰瘍性大腸炎、I型糖尿病、多発性硬化症、全身性エリテマトーデス、狼瘡性腎炎、重症筋無力症、グレーブス病、移植拒絶反応、ヴェグナー肉芽腫症、ヘノッホ・シェーンライン紫斑病、全身性硬化症、ウイルス誘導肺炎症、骨盤内炎症性疾患、ペーロニー病、セリアック病、腹膜炎、乾癬、血管炎、髄膜脳炎、自己免疫ブドウ膜炎、中央神経系および末梢神経系の免疫媒介炎症性障害、多発性硬化症、ギランバレー症候群、アトピー性皮膚炎、自己免疫性肝炎、線維化性肺胞炎、IgA腎症、特発性血小板減少性紫斑病、天疱瘡、原発性胆汁性肝硬変症、サルコイドーシス、強皮症、すい臓炎、および歯周炎からなる群から選択される、請求項18に記載の医薬組成物
【請求項22】
前記病的障害が、関節リウマチ、慢性閉塞性肺疾患、炎症性腸疾患、クローン病、潰瘍性大腸炎、セリアック病、乾癬、I型糖尿病、全身性エリテマトーデス、ギランバレー症候群、アトピー性皮膚炎、グレーブス病、および特発性血小板減少性紫斑病からなる群から選択される、請求項18に記載の医薬組成物
【請求項23】
前記病的障害が、関節リウマチである、請求項18に記載の医薬組成物
【請求項24】
前記病的障害が、炎症性腸疾患である、請求項18に記載の医薬組成物
【請求項25】
前記病的障害が、クローン病、潰瘍性大腸炎及びセリアック病からなる群から選択される、請求項18に記載の医薬組成物
【請求項26】
前記病的障害が、アトピー性皮膚炎である、請求項18に記載の医薬組成物
【請求項27】
前記病的障害が、乾癬である、請求項18に記載の医薬組成物
【請求項28】
前記病的障害が、全身性エリテマトーデスである、請求項18に記載の医薬組成物
【請求項29】
前記病的障害が、I型糖尿病、ギランバレー症候群、グレーブス病、および特発性血小板減少性紫斑病からなる群から選択される、請求項18に記載の医薬組成物
【請求項30】
前記病的障害が、アレルギーである、請求項18に記載の医薬組成物
【請求項31】
前記病的障害が、喘息である、請求項18に記載の医薬組成物
【請求項32】
前記病的障害が、移植片対宿主疾患である、請求項18に記載の医薬組成物
【請求項33】
前記病的障害が、移植拒絶反応である、請求項18に記載の医薬組成物
【請求項34】
前記病的障害が、アレルギー、COPD、自己免疫疾患、関節リウマチ、喘息、移植片対宿主疾患、クローン病、潰瘍性大腸炎、I型糖尿病、多発性硬化症、全身性エリテマトーデス、狼瘡性腎炎、重症筋無力症、グレーブス病、移植拒絶反応、ヴェグナー肉芽腫症、ヘノッホ・シェーンライン紫斑病、全身性硬化症、およびウイルス誘導肺炎症からなる群から選択される、請求項19に記載の使用。
【請求項35】
前記病的障害が、アレルギー、慢性閉塞性肺疾患、自己免疫疾患、関節リウマチ、喘息、移植片対宿主疾患、炎症性腸疾患、クローン病、潰瘍性大腸炎、I型糖尿病、多発性硬化症、全身性エリテマトーデス、狼瘡性腎炎、重症筋無力症、グレーブス病、移植拒絶反応、ヴェグナー肉芽腫症、ヘノッホ・シェーンライン紫斑病、全身性硬化症、ウイルス誘導肺炎症、骨盤内炎症性疾患、ペーロニー病、セリアック病、腹膜炎、乾癬、血管炎、髄膜脳炎、自己免疫ブドウ膜炎、中央神経系および末梢神経系の免疫媒介炎症性障害、多発性硬化症、ギランバレー症候群、アトピー性皮膚炎、自己免疫性肝炎、線維化性肺胞炎、IgA腎症、特発性血小板減少性紫斑病、天疱瘡、原発性胆汁性肝硬変症、サルコイドーシス、強皮症、すい臓炎、および歯周炎からなる群から選択される、請求項19に記載の使用。
【請求項36】
前記病的障害が、関節リウマチ、慢性閉塞性肺疾患、炎症性腸疾患、クローン病、潰瘍性大腸炎、セリアック病、乾癬、I型糖尿病、全身性エリテマトーデス、ギランバレー症候群、アトピー性皮膚炎、グレーブス病、および特発性血小板減少性紫斑病からなる群から選択される、請求項19に記載の使用。
【請求項37】
前記病的障害が、関節リウマチである、請求項19に記載の使用。
【請求項38】
前記病的障害が、炎症性腸疾患である、請求項19に記載の使用。
【請求項39】
前記病的障害が、クローン病、潰瘍性大腸炎及びセリアック病からなる群から選択される、請求項19に記載の使用。
【請求項40】
前記病的障害が、アトピー性皮膚炎である、請求項19に記載の使用。
【請求項41】
前記病的障害が、乾癬である、請求項19に記載の使用。
【請求項42】
前記病的障害が、全身性エリテマトーデスである、請求項19に記載の使用。
【請求項43】
前記病的障害が、I型糖尿病、ギランバレー症候群、グレーブス病、および特発性血小板減少性紫斑病からなる群から選択される、請求項19に記載の使用。
【請求項44】
前記病的障害が、アレルギーである、請求項19に記載の使用。
【請求項45】
前記病的障害が、喘息である、請求項19に記載の使用。
【請求項46】
前記病的障害が、移植片対宿主疾患である、請求項19に記載の使用。
【請求項47】
前記病的障害が、移植拒絶反応である、請求項19に記載の使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、OX40の抗原決定基に対する特異性を有する抗体分子およびその抗体分子を含む組成物に関する。本発明はまた、抗体分子の治療的使用、組成物、および前記抗体分子を産生するための方法に関する。
【背景技術】
【0002】
OX40(CD134、TNFRSF4、ACT35、またはTXGP1Lとしても知られる)は、4−1BB、CD27、CD30、およびCD40を含むTNF受容体スーパーファミリーのメンバーである。OX40の細胞外リガンド結合ドメインは、3つの全長システインリッチドメイン(CRD)および部分的な4番目のC末端CRDで構成される(Bodmer et al.,2002,Trends Biochem Sci,27,19−26)。
【0003】
OX40のリガンドはOX40Lであり、3コピーのOX40が三量体リガンドに結合して、OX40−OX40L複合体を形成する(Compaan and Hymowitz,2006,Structure,14,1321−1330)。OX40は膜結合型受容体である;しかしながら、可溶型アイソフォームも検出されている(Taylor and Schwarz,2001,J.Immunol.Methods,255,67−72)。可溶型の機能的重要性は現在知られていない。OX40は休止T細胞上では発現されないが、T細胞受容体(TCR)の連結後に、活性化されたT細胞上で一過性に発現される。OX40のリガンドであるOX40Lは、TNFファミリーのメンバーであり、B細胞、マクロファージ、内皮細胞、および樹状細胞(DC)を含む、活性化された抗原提示細胞(APC)上で発現される。
【0004】
OX40は、主要な共刺激受容体であり、CD28およびOX40の連続的な会合が最適なT細胞の増殖および生存に必要とされる。活性化されたT細胞上でOX40が連結すると、CD4+ T細胞およびCD8+ T細胞の両方に、サイトカイン産生および増殖の亢進がもたらされ(Gramaglia et al.,2000,J.Immunol,165,3043−3050,Bansal−Pakala et al.,2004,J.Immunol,172,4821−425)、進行中のTh1およびTh2の両応答に寄与がなされうる(Gramaglia et al.,1998,J.Immuno.,161,6510−6517,Arestides et al.,2002,Eur.J.Immunol.32,2874−2880)。OX40共刺激は、免疫応答の初期エフェクター相を超えてT細胞の生存を延長し、エフェクターT細胞の死を阻害することによって記憶T細胞の数を増加させる。
【0005】
免疫の活性化が過度であるかまたは制御されない場合に、病的なアレルギー、喘息、炎症、自己免疫、および他の関連疾患が起こる可能性がある。OX40は免疫応答を亢進するように機能するので、自己免疫および炎症性疾患を悪化させることがある。
【0006】
疾患モデルにおけるOX40/OX40L相互作用の役割は、OX40ノックアウトマウスで実証されてきた。多発性硬化症モデルである実験的アレルギー性脳脊髄炎(EAE)では、疾患の臨床症状の軽減およびCNS内の炎症性浸潤の低下が、OX40ノックアウトマウスで認められた(Carboni et al.,2003,J.Neuroimmunology,145,1−11)。また、オボアルブミンでプライミングおよびチャレンジされたOX40ノックアウトマウスでは、肺炎症の縮小(好酸球増加の80〜90%減少)、粘液産生の低下、および気道過敏性の顕著な減弱が示された(Jember et al.,2001,J.Exp.Med.,193,387−392)。マウスOX40リガンドに対するモノクローナル抗体は、関節リウマチのコラーゲン誘導関節炎モデル(Yoshioka et al.,2000,Eur.J.Immunol.,30,2815−2823)、EAE(Nohara et al.,2001,J.Immunol.,166,2108−2115)、非肥満糖尿病(NOD)マウス(Pakala et al.,2004,Eur.J.Immunol.,34,3039−3046)、T細胞回復マウスにおける大腸炎(Malmstrom et al.,2001,J.Immunol.,166,6972−6981,Totsuka et al.,2003,Am.J.Physiol.Gastrointest.Liver Physiol.,284,G595−G603)、および肺炎症モデル(Salek−Ardakani et al.,2003,J.Exp.Med.,198,315−324,Hoshino et al.,2003,Eur.J.Immunol,33,861−869)において、有益な効果を示している。ヒトOX40Lに対する抗体は、アカゲザル(rhesus monkey)の肺炎症モデルにおいてプロファイリングされており、アレルゲンチャレンジ後、細気管支洗浄液における、IL−5、IL−13、およびエフェクター記憶T細胞のレベルの低下をもたらす(Seshasayee et al.,2007,J.Clin.Invest,117,3868−3878)。
【0007】
OX40発現の増大が、いくつかの自己免疫および炎症性疾患で認められている。これには、関節リウマチ患者の滑液から単離されたT細胞上のOX40発現の増大が含まれる(Brugnoni D et al.,1998,Br.J.Rheum.,37,584−585;Yoshioka et al.,2000,Eur.J.Immunol.,30,2815−2823;Giacomelli R et al.,2001,Clin.Exp.Rheumatol.,19,317−320)。同様に、OX40発現の増大は、潰瘍性大腸炎およびクローン病の患者に由来する胃腸組織(Souza et al.,1999,Gut,45,856−863;Stuber et al.,2000,Eur.J.Clin.Invest.,30,594−599)および多発性硬化症患者の活動病変(Carboni et al.,2003,J.Neuroimmunology,145,1−11)において認められている。OX40Lもまた、ヒト気道平滑筋(ASM)上に検出することができ、喘息患者のASM細胞は、健康なドナーよりもOX40L連結に対してより大きい炎症応答を示し、喘息における、OX40/OX40L経路の役割が示される(Burgess et al.,2004,J.Allergy Clin Immunol.,113,683−689;Burgess et al.,2005,J.Allergy Clin Immunol.,115,302−308)。全身性エリテマトーデス(SLE)患者の末梢血から単離されたCD4+ T細胞が、疾患活性に関連する、上昇したOX40レベルを発現することも報告されている(Patschan et al.,2006,Clin.Exp.Immunol.,145,235−242)。
【0008】
アレルギー、喘息、ならびに自己免疫および炎症に関連する疾患におけるOX40の役割を考慮すると、これらの疾患の治療への1つのアプローチは、抗OX40L抗体またはアンタゴニスト性抗OX40抗体の使用を介して、OX40−OX40Lシグナル伝達を遮断することである。
【0009】
抗OX40L抗体は記載されており、例えば、国際公開第2006/029879号パンフレットを参照されたい。数多くのアゴニスト性抗OX40抗体が記載されているが、アンタゴニスト性抗OX40抗体は、ほとんど知られていない。OX40とOX40Lとの間の相互作用を遮断する、ウサギのポリクローナル抗マウスOX40抗体が、Stuber et al.,1996,J.Exp.Med,183,979−989により産生された。ヒトOX40に結合するマウスモノクローナル抗体、131および315が、Imura et al.,1996,J.Exp.Med,2185−2195により産生された。
【0010】
完全ヒトアンタゴニスト性抗体が、国際公開第2007/062245号パンフレットに記載されており、これらの抗体の最高親和性は、細胞表面に発現されたOX40(活性化されたT細胞)に対する、11nMの親和性であった。
【0011】
ヒト化アンタゴニスト性抗体が、国際公開第2008/106116号パンフレットに記載されており、OX40に対して最良の親和性を有する抗体は、0.94nMの親和性を有した。
【0012】
他の抗OX40抗体が記載されており、それらには、eBioscienceから市販されているマウスL106(米国特許第6,277,962号明細書)およびマウスACT35が含まれる。
【0013】
本発明者らは、以前に、国際公開第2010/096418号パンフレットにおいて、高親和性のアンタゴニスト性抗OX40抗体について記載している。
【0014】
本発明者らはまた、以前に、国際公開第2010/035012号パンフレットにおいて、新規の多重特異性抗体融合分子について記載しており、これは、本明細書の以下においてFab−dsFvとも呼ばれ、本明細書の図1に図示されている。同じ出願には、分子の半減期を延長するために使用することができる有用な抗アルブミン結合可変領域も提供されている。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明では、これらのアルブミン結合可変領域を改良し、国際公開第2010/096418号パンフレットに記載の抗OX40抗体とFab−dsFv型式で組み合わせている。本発明の新規二重特異性分子は、国際公開第2010/096418号パンフレットに以前記載されたFab’−PEG分子と比較すると、本明細書に記載するいくつかのin vitroおよびin vivoのアッセイにおいて効力が改善されている。したがって、本発明は、OX40により媒介されるか、またはOX40レベルの増大と関連する病的障害の治療または予防のための使用に適した、ヒトOX40およびヒト血清アルブミンの両方に結合する二重特異性抗体融合タンパク質を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本発明の二重特異性抗体融合物(Fab−dsFv型式)を示す。
図2】本開示による抗体に関連する特定のアミノ酸またはDNA配列を示す。
図3】本開示による抗体に関連する特定のアミノ酸またはDNA配列を示す。
図4】本開示による抗体に関連する特定のアミノ酸またはDNA配列を示す。
図5】本開示による抗体に関連する特定のアミノ酸またはDNA配列を示す。
図6】本開示による抗体に関連する特定のアミノ酸またはDNA配列を示す。
図7】本開示による抗体に関連する特定のアミノ酸またはDNA配列を示す。
図8】本開示による抗体に関連する特定のアミノ酸またはDNA配列を示す。
図9a】活性化されたヒトCD4OX40T細胞に対するAlexaFluor 488標識A26 Fab−dsFvの結合を示す。
図9b】活性化されたヒトCD4+、OX40+ T細胞上における、5%HSA存在下でのA26 Fab’、A26 Fab−Fv、およびA26 Fab’−PEGの結合を示す。
図10a】ヤケヒョウヒダニ(Dermatophagoides pteronyssinus)のアレルゲン性抽出物に曝露されたPBMCからのサイトカイン産生に対するA26 Fab−dsFvの効果を示す。
図10b】Hu−NSGマウスモデルにおける、CD4およびCD8T細胞の増殖を阻害するA26 Fab−dsFvの能力を示す。
図11a】A26 Fab−dsFvによる、ヒト活性化CD4OX40T細胞に対するOX40L結合の阻害を示す。
図11b】A26 Fab’、A26 Fab−dsFv、A26 Fab’−PEG、および2つの対照による、ヒト活性化CD4OX40T細胞に対するOX40L結合の阻害を示す。
図12a】A26 Fab−Fvが、ヒト混合リンパ球反応(MLR)を阻害することを示す。
図12b】A26 Fab−Fvが、ヒトMLR中のIFN−ガンマの産生を阻害することを示す。
図13】A26 Fab−Fvが、ヤケヒョウヒダニ(Dermatophagoides pteronyssinus)のアレルゲン性抽出物による二次抗原再刺激後における、活性化された(CD25+)CD4+ T細胞のパーセントを低下させることを示す。
図14A】Hu−NSGモデルにおいて、細胞移入前に投与されたFab−FvおよびFab−PEGが、CD4T細胞の増殖を用量依存的に阻害することを示す。
図14B】Hu−NSGモデルにおいて、細胞移入前に投与されたFab−FvおよびFab−PEGが、CD8T細胞の増殖を用量依存的に阻害することを示す。
図14C】Hu−NSGモデルにおいて、細胞移入前に投与されたFab−FvおよびFab−PEGが、CD4T細胞の増殖を用量依存的に阻害することを示す。
図14D】Hu−NSGモデルにおいて、細胞移入前に投与されたFab−FvおよびFab−PEGが、CD8T細胞の増殖を用量依存的に阻害することを示す。
【発明を実施するための形態】
【0017】
ヒト化CA044_00026抗OX40抗体は、本明細書ではA26と呼ばれる。
【0018】
本明細書でFab−dsFvと呼ばれる、本発明の抗体融合分子を、図1に図示する。本発明では、Fab部分(第1の重鎖および軽鎖の可変領域および定常ドメインを含む)がヒトOX40に結合し、dsFv部分(ジスルフィド結合により連結された、第2の重鎖および軽鎖の可変領域を含む)がヒト血清アルブミンに結合する。具体的には、Fab部分は、アンタゴニスト性抗OX40抗体に由来するCDRを含み、Fv部分は、ヒト化抗アルブミン抗体の重鎖および軽鎖の可変領域を含み、これらのアルブミン結合可変領域は、ジスルフィド結合により連結されている。
【0019】
したがって、本発明は、ヒトOX40およびヒト血清アルブミンに結合する二重特異性抗体融合タンパク質であって、
N末端から順に、第1重鎖可変ドメイン(V1)、CH1ドメイン、および第2重鎖可変ドメイン(V2)を含む重鎖と、
N末端から順に、第1軽鎖可変ドメイン(V1)、CLドメイン、および第2軽鎖可変ドメイン(V2)を含む軽鎖とを含み、
1およびV1が第1の抗原結合部位を形成し、かつV2およびV2が第2の抗原結合部位を形成するように、前記重鎖および軽鎖が配列しており、
具体的には、第1の抗原結合部位により結合される抗原がヒトOX40であり、かつ第2の抗原結合部位により結合される抗原がヒト血清アルブミンであり、
重鎖の第1可変ドメイン(V1)が、CDR−H1についての配列番号1に示す配列、CDR−H2についての配列番号2に示す配列、およびCDR−H3についての配列番号3に示す配列を含み、かつ軽鎖の第1可変ドメイン(V1)が、CDR−L1についての配列番号4に示す配列、CDR−L2についての配列番号5に示す配列、およびCDR−L3についての配列番号6に示す配列を含み、
第2重鎖可変ドメイン(V2)が配列番号11に示す配列を有し、かつ第2軽鎖可変ドメイン(V2)が配列番号12に示す配列を有し、
第2重鎖可変ドメイン(V2)および第2軽鎖可変ドメイン(V2)がジスルフィド結合により連結されている、二重特異性抗体融合タンパク質を提供する。
【0020】
抗体可変ドメインの残基は、Kabatらにより考案された体系に従って慣用的に番号付けられる。この体系は、Kabat et al.,1987,in Sequences of Proteins of Immunological Interest,US Department of Health and Human Services,NIH,USA(本明細書では、以後、「Kabat et al.(上記)」と記す)に示されている。この番号付け体系が、別に指示がない限り、本明細書で使用される。
【0021】
Kabatの残基命名は、アミノ酸残基の直鎖番号付けと必ずしも直接対応するとは限らない。実際の直鎖アミノ酸配列は、基本可変ドメイン構造のフレームワークまたは相補性決定領域(CDR)にかかわらず、構造成分の短縮または構造成分への挿入に対応する、厳密なKabat番号付けよりも少ないかまたは追加のアミノ酸を含有することがある。残基の正確なKabat番号付けは、所与の抗体について、「標準」Kabat番号付け配列と抗体配列中の相同性残基のアライメントにより決定することができる。
【0022】
重鎖可変ドメインのCDRは、Kabat番号付け体系によると、残基31〜35(CDR−H1)、残基50〜65(CDR−H2)、および残基95〜102(CDR−H3)に位置する。しかしながら、Chothia(Chothia,C.and Lesk,A.M.J.Mol.Biol.,196,901−917(1987))によると、CDR−H1に相当するループは残基26〜残基32に拡大する。したがって、他に指示がない限り、本明細書で使用する「CDR−H1」は、残基26〜35を指すことを意図し、これは、Kabatの番号付け体系とChothiaの位相幾何学的なループ定義の組み合わせにより説明される。
【0023】
軽鎖可変ドメインのCDRは、Kabat番号付け体系によると、残基24〜34(CDR−L1)、残基50〜56(CDR−L2)、および残基89〜97(CDR−L3)に位置する。
【0024】
本発明の二重特異性融合タンパク質は、国際公開第2010/096418号パンフレットに以前記載された抗OX40アンタゴニスト性抗体のFab断片を含む。本明細書で使用する用語「アンタゴニスト性」は、例えば、OX40リガンドに対するOX40の結合を遮断または実質的に低減し、それによってOX40の活性化を阻害することによって、OX40の生物学的シグナル伝達活性を阻害および/または中和することができる抗体融合タンパク質について記載する。
【0025】
OX40に結合する抗体を同定するための抗体のスクリーニングは、ヒトOX40に対する結合を測定するアッセイおよび/またはOX40のそのリガンドであるOX40Lに対する結合を遮断する能力を測定するアッセイを使用して行うことができる。結合アッセイの例にはELISAがあり、これは、具体的にはプレート上に固定された、ヒトOX40とヒトFcとの融合タンパク質を使用し、コンジュゲートされた二次抗体を用いて融合タンパク質に結合した抗OX40抗体を検出する。遮断アッセイの例には、ヒトCD4細胞上のOX40に対するOX40リガンド融合タンパク質の結合の遮断を測定する、フローサイトメトリーベースのアッセイがある。蛍光標識された二次抗体を使用して、細胞に対するOX40リガンド融合タンパク質の結合量を検出する。このアッセイでは、上清中の抗体がOX40に対するリガンド融合タンパク質の結合を遮断するので、シグナルの低下を調べる。遮断アッセイのさらなる例には、プレートにコーティングされたOX40リガンド融合タンパク質により媒介されるナイーブヒトT細胞の共刺激の遮断を、トリチウム標識チミジンの取り込みを測定することにより測定するアッセイがある。
【0026】
本発明では、可変領域はヒト化されている。ヒト化抗体(CDR移植抗体を含む)は、非ヒト種由来の1つまたは複数の相補性決定領域(CDR)およびヒト免疫グロブリン分子由来のフレームワーク領域を有する抗体分子である(例えば、米国特許第5,585,089号明細書;国際公開第91/09967号パンフレットを参照のこと)。CDR全体ではなくCDRの特異性決定残基のみを移入すればよい場合もあることが認識されよう(例えば、Kashmiri et al.,2005,Methods,36,25−34を参照のこと)。ヒト化抗体は、場合によっては、CDRが由来した非ヒト種に由来する1つまたは複数のフレームワーク残基をさらに含んでもよい。
【0027】
本発明では、V1およびV1のCDRは、国際公開第2010/096418号パンフレットに記載される、A26として知られる抗体に由来する。したがって、本発明の二重特異性抗体融合タンパク質では、重鎖の第1可変ドメイン(V1)は、CDR−H1についての配列番号1に示す配列、CDR−H2についての配列番号2または配列番号23に示す配列、およびCDR−H3についての配列番号3に示す配列を含み、軽鎖の第1可変ドメイン(V1)は、CDR−L1についての配列番号4または配列番号24に示す配列、CDR−L2についての配列番号5に示す配列、およびCDR−L3についての配列番号6に示す配列を含む。
【0028】
OX40に結合し、OX40活性を中和する抗体の能力をそれほど変化させることなく、本発明により提供されるCDRに、1つまたは複数のアミノ酸の置換、付加、および/または欠失を施すことができることは、認識されよう。いかなるアミノ酸の置換、付加、および/または欠失の影響も、例えば、国際公開第2010/096418号パンフレットに記載の方法を使用して、OX40の結合およびOX40/OX40L相互作用の阻害を測定することによって、当業者が容易に試験することができる。したがって、本発明は、図2(c)に示すCDRH−1(配列番号1)、CDRH−2(配列番号2)、CDRH−3(配列番号3)、CDRL−1(配列番号4)、CDRL−2(配列番号5)、およびCDRL−3(配列番号6)を含む、ヒトOX40に対する特異性を有する二重特異性抗体であって、例えば、1つまたは複数のCDRにおいて、1つまたは複数のアミノ酸、例えば1つまたは2つのアミノ酸が、本明細書で下記に定義するような類似のアミノ酸などの別のアミノ酸に置換されている、二重特異性抗体を提供する。
【0029】
一実施形態では、本発明の二重特異性抗体融合タンパク質は、重鎖であって、この重鎖の第1可変ドメインが3つのCDRを含み、CDRH−1の配列が、配列番号1に示す配列に対して少なくとも90%の同一性または類似性を有し、CDRH−2が、配列番号2に示す配列に対して少なくとも90%の同一性または類似性を有し、かつ/またはCDRH−3が、配列番号3に示す配列に対して少なくとも90%の同一性または類似性を有する、重鎖を含む。別の実施形態では、本発明の二重特異性抗体融合タンパク質は、重鎖であって、この重鎖の可変ドメインが3つのCDRを含み、CDRH−1の配列が、配列番号1に示す配列に対して少なくとも95%または98%の同一性または類似性を有し、CDRH−2が、配列番号2に示す配列に対して少なくとも95%または98%の同一性または類似性を有し、かつ/またはCDRH−3が、配列番号3に示す配列に対して少なくとも95%または98%の同一性または類似性を有する、重鎖を含む。
【0030】
「同一性」は、本明細書で使用する場合、アライメントされた配列の任意の特定の位置において、アミノ酸残基が配列間で同一であることを示す。「類似性」は、本明細書で使用する場合、アライメントされた配列の任意の特定の位置において、アミノ酸残基が配列間で類似のタイプであることを示す。例えば、ロイシンはイソロイシンまたはバリンに置換可能である。多くの場合に互いに置換可能な他のアミノ酸としては、これらに限定されないが、
− フェニルアラニン、チロシン、およびトリプトファン(芳香族側鎖を有するアミノ酸);
− リジン、アルギニン、およびヒスチジン(塩基性側鎖を有するアミノ酸);
− アスパラギン酸およびグルタミン酸(酸性側鎖を有するアミノ酸);
− アスパラギンおよびグルタミン(アミド側鎖を有するアミノ酸);および
− システインおよびメチオニン(イオウ含有側鎖を有するアミノ酸)
が挙げられる。同一性および類似性の程度は容易に計算することができる(Computational Molecular Biology,Lesk,A.M.,ed.,Oxford University Press,New York,1988;Biocomputing.Informatics and Genome Projects,Smith,D.W.,ed.,Academic Press,New York,1993;Computer Analysis of Sequence Data,Part 1,Griffin,A.M.,and Griffin,H.G.,eds.,Humana Press,New Jersey,1994;Sequence Analysis in Molecular Biology,von Heinje,G.,Academic Press,1987,Sequence Analysis Primer,Gribskov,M.and Devereux,J.,eds.,M Stockton Press,New York,1991、NCBIから入手可能なBLAST(商標)ソフトウェア(Altschul,S.F.et al.,1990,J.Mol.Biol.215:403−410;Gish,W.& States,D.J.1993,Nature Genet.3:266−272.Madden,T.L.et al.,1996,Meth.Enzymol.266:131−141;Altschul,S.F.et al.,1997,Nucleic Acids Res.25:3389−3402;Zhang,J.& Madden,T.L.1997,Genome Res.7:649−656,)。
【0031】
別の実施形態では、本発明の二重特異性抗体融合タンパク質は、軽鎖であって、この軽鎖の第1可変ドメインが3つのCDRを含み、CDRL−1の配列が、配列番号4に示す配列に対して少なくとも90%の同一性または類似性を有し、CDRL−2が、配列番号5に示す配列に対して少なくとも90%の同一性または類似性を有し、かつ/またはCDRL−3が、配列番号6に示す配列に対して少なくとも90%の同一性または類似性を有する、軽鎖を含む。別の実施形態では、本発明の二重特異性抗体融合タンパク質は、軽鎖であって、この軽鎖の第1可変ドメインが3つのCDRを含み、CDRL−1の配列が、配列番号4に示す配列に対して少なくとも95%または98%の同一性または類似性を有し、CDRL−2が、配列番号5に示す配列に対して少なくとも95%または98%の同一性または類似性を有し、かつ/またはCDRL−3が、配列番号6に示す配列に対して少なくとも95%または98%の同一性または類似性を有する、軽鎖を含む。
【0032】
一実施形態では、本発明により提供される二重特異性抗体融合タンパク質のFab部分は、配列番号1、2、3、4、5、および/もしくは6(図2(c))またはその変異体の1つまたは複数を含む、ヒト化またはCDR移植抗体分子である。本明細書で使用する場合、用語「CDR移植抗体分子」は、重鎖および/または軽鎖が、アクセプター抗体(例えば、ヒト抗体)の重鎖および/または軽鎖の可変領域フレームワークに移植された、ドナー抗体(例えば、マウスモノクローナル抗体)由来の1つまたは複数のCDR(所望により、1つまたは複数の改変CDRを含む)を含有する抗体分子を指す。概要については、Vaughan et al,Nature Biotechnology,16,535−539,1998を参照されたい。一実施形態では、CDR全体を移入するのではなく、本明細書で上記に記載したCDRのいずれか1つに由来する特異性決定残基の1つまたは複数のみを、ヒト抗体フレームワークに移入する(例えば、Kashmiri et al.,2005,Methods,36,25−34を参照のこと)。一実施形態では、本明細書で上記に記載したCDRの1つまたは複数に由来する特異性決定残基のみを、ヒト抗体フレームワークに移入する。別の実施形態では、本明細書で上記に記載したCDRのそれぞれに由来する特異性決定残基のみを、ヒト抗体フレームワークに移入する。
【0033】
CDRまたは特異性決定残基を移植する場合、CDRが由来するドナー抗体のクラス/タイプを考慮して、マウス、霊長類、およびヒトのフレームワーク領域を含む、任意の適切なアクセプター可変領域フレームワーク配列を使用することができる。適切には、本発明によるCDR移植抗体は、ヒトアクセプターフレームワーク領域および上記に記載したCDRまたは特異性決定残基の1つまたは複数を含む可変ドメインを有する。したがって、一実施形態では、可変ドメインがヒトアクセプターフレームワーク領域および非ヒトドナーCDRを含む、中和CDR移植抗体を提供する。
【0034】
本発明で使用することができるヒトフレームワークの例には、KOL、NEWM、REI、EU、TUR、TEI、LAY、およびPOM(Kabat et al.、上記)がある。例えば、KOLおよびNEWMは重鎖に使用することができ、REIは軽鎖に使用することができ、またEU、LAY、およびPOMは重鎖および軽鎖の両方に使用することができる。あるいは、ヒト生殖細胞系配列を使用することができ;これらは、http://vbase.mrc−cpe.cam.ac.uk/から入手可能である。
【0035】
本発明のCDR移植抗体では、アクセプターの重鎖および軽鎖は、必ずしも同じ抗体に由来する必要はなく、所望により、異なる鎖に由来するフレームワーク領域を有する複合鎖を含んでもよい。
【0036】
本発明の第1重鎖可変ドメイン(V1)に適したフレームワーク領域は、JH4を伴うヒト亜群VH3配列1−3 3−07に由来する。第1軽鎖可変ドメイン(V1)の軽鎖に適したフレームワーク領域は、JK4を伴うヒト生殖細胞系亜群VK1配列2−1 1−02に由来する。
【0037】
また、本発明のCDR移植抗体可変領域では、フレームワーク領域は、アクセプター抗体のものと正確に同じ配列を有する必要はない。例えば、そのアクセプター鎖のクラスまたはタイプにより高頻度に存在する残基に、異常残基を変更してもよい。あるいは、アクセプターフレームワーク領域中の選択された残基を、ドナー抗体中の同じ位置に見出される残基に対応するように変更してもよい(Reichmann et al.,1998,Nature,332,323−324を参照のこと)。そのような変更は、ドナー抗体の親和性を回復するために、必要最小限に抑えるべきである。変更する必要がありうるアクセプターフレームワーク領域中の残基を選択するためのプロトコールは、国際公開第91/09967号パンフレットに示されている。
【0038】
適切には、本発明の第1重鎖可変領域(V1)では、アクセプター重鎖がJH4を伴うヒトVH3配列1−3 3−07を有する場合、重鎖のアクセプターフレームワーク領域は、1つまたは複数のドナーCDRに加えて、位置37、73、78、または94(Kabat et al.(上記)による)の少なくとも1つにドナー残基を含む。したがって、重鎖の第1可変ドメインの位置37、73、78、および94の少なくとも残基がドナー残基である二重特異性抗体融合タンパク質を提供する。
【0039】
適切には、本発明の第1軽鎖可変領域(V1)では、アクセプター軽鎖がJK4を伴うヒト亜群VK1配列2−1 1−02を有する場合、軽鎖のアクセプターフレームワーク領域は、1つまたは複数のドナーCDRに加えて、位置64または71の少なくとも1つにドナー残基を含む。したがって、軽鎖の第1可変ドメインの位置64および71の少なくとも残基がドナー残基である二重特異性抗体融合タンパク質を提供する。
【0040】
ドナー残基は、ドナー抗体、すなわち、CDRが元々由来した抗体からの残基である。
【0041】
一実施形態では、本発明の二重特異性抗体融合タンパク質は、重鎖であって、この重鎖の第1可変ドメイン(V1)が、図2(b)の配列番号8に示す配列を含む重鎖を含む。
【0042】
OX40に結合し、OX40活性を中和する抗体融合タンパク質の能力をそれほど変化させることなく、本発明により提供される第1の重鎖および軽鎖の可変ドメインに、1つまたは複数のアミノ酸、例えば1つまたは2つのアミノ鎖の置換、付加、および/または欠失を施すことができることは、認識されよう。いかなるアミノ酸の置換、付加、および/または欠失の影響も、例えば、国際公開第2010/096418号パンフレットに記載の方法を使用して、OX40の結合およびリガンドの遮断を測定することによって、当業者が容易に試験することができる。
【0043】
一実施形態では、本発明の二重特異性抗体融合タンパク質は、重鎖であって、この重鎖の第1可変ドメインが、図2(b)の配列番号8に示す配列に対して少なくとも60%の同一性または類似性有する配列を含む重鎖を含む。一実施形態では、本発明の抗体融合タンパク質は、重鎖(V1)であって、この重鎖の第1可変ドメインが、配列番号8に示す配列に対して少なくとも70%、80%、90%、95%、もしくは98%の同一性または類似性を有する配列を含む重鎖を含む。
【0044】
一実施形態では、本発明の二重特異性抗体融合タンパク質は、軽鎖であって、この軽鎖の第1可変ドメイン(V1)が、図2(a)の配列番号7に示す配列を含む軽鎖を含む。
【0045】
別の実施形態では、本発明の二重特異性抗体融合タンパク質は、軽鎖であって、この軽鎖の第1可変ドメインが、配列番号7に示す配列に対して少なくとも60%の同一性または類似性を有する配列を含む軽鎖を含む。一実施形態では、本発明の抗体融合タンパク質は、軽鎖であって、この軽鎖の第1可変ドメインが、配列番号7に示す配列に対して少なくとも70%、80%、90%、95%、もしくは98%の同一性または類似性を有する配列を含む軽鎖を含む。
【0046】
一実施形態では、本発明の二重特異性抗体融合タンパク質は、重鎖であって、この重鎖の第1可変ドメイン(V1)が配列番号8に示す配列を含む重鎖と、軽鎖であって、この軽鎖の第1可変ドメイン(V1)が配列番号7に示す配列を含む軽鎖とを含む。
【0047】
本発明の別の実施形態では、抗体融合タンパク質は、重鎖および軽鎖であって、この重鎖の第1可変ドメインが、配列番号8に示す配列に対して少なくとも60%の同一性または類似性を有する配列を含み、この軽鎖の第1可変ドメインが、配列番号7に示す配列に対して少なくとも60%の同一性または類似性を有する配列を含む、重鎖および軽鎖を含む。適切には、抗体融合タンパク質は、重鎖であって、この重鎖の第1可変ドメインが、配列番号8に示す配列に対して少なくとも70%、80%、90%、95%、もしくは98%の同一性または類似性を有する配列を含む重鎖と、軽鎖であって、この軽鎖の第1可変ドメインが、配列番号7に示す配列に対して少なくとも70%、80%、90%、95%、もしくは98%の同一性または類似性を有する配列を含む軽鎖とを含む。
【0048】
本発明の二重特異性抗体融合タンパク質では、重鎖はCH1ドメインを含み、軽鎖はカッパまたはラムダのいずれかのCLドメインを含む。
【0049】
一実施形態では、本発明の二重特異性抗体融合タンパク質は、重鎖であって、この重鎖が配列番号10に示す配列を含む重鎖と、軽鎖であって、この軽鎖が配列番号9に示す配列を含む軽鎖とを含む。
【0050】
OX40に結合し、OX40活性を中和する抗体の能力をそれほど変化させることなく、本発明により提供される抗体可変および/または定常ドメインに、1つまたは複数のアミノ酸、例えば1つまたは2つのアミノ鎖の置換、付加、および/または欠失を施すことができることは、認識されよう。いかなるアミノ酸の置換、付加、および/または欠失の影響も、例えば、国際公開第2010096418号パンフレットに記載の方法を使用して、OX40の結合およびOX40/OX40L相互作用の遮断を測定することによって、当業者が容易に試験することができる。
【0051】
本発明の一実施形態では、抗体融合タンパク質は、重鎖であって、この重鎖のV1およびCH1ドメインが、配列番号10に示す配列に対して少なくとも60%の同一性または類似性を有する配列を含む重鎖を含む。適切には、抗体融合物は、重鎖であって、この重鎖のV1およびCH1ドメインが、配列番号10に示す配列に対して少なくとも70%、80%、90%、95%、もしくは98%の同一性または類似性を有する配列を含む重鎖を含む。
【0052】
一実施形態では、本発明による二重特異性抗体融合分子は、図2(d)の配列番号9に示す配列を含む軽鎖を含む。
【0053】
本発明の一実施形態では、抗体融合タンパク質は、軽鎖であって、この軽鎖のV1およびCH1ドメインが、配列番号9に示す配列に対して少なくとも60%の同一性または類似性を有する配列を含む軽鎖を含む。例えば、抗体融合タンパク質は、軽鎖であって、この軽鎖のV1およびCLドメインが、配列番号9に示す配列に対して少なくとも70%、80%、90%、95%、もしくは98%の同一性または類似性を有する配列を含む軽鎖を含む。
【0054】
本発明の二重特異性抗体融合タンパク質により結合される第2の抗原は、ヒト血清アルブミンである。この抗原は、第2の重鎖および軽鎖の可変ドメインから構成されるFab−dsFvのFv部分により結合される。本発明では、V2およびV2は、国際公開第2010/035012号パンフレットに記載される抗体の1つに由来し、その抗体の改良された、より多くのヒト移植片を表す。
【0055】
一実施形態では、第2重鎖可変ドメイン(V2)は、図3(a)の配列番号11に示す配列を有する。
【0056】
一実施形態では、第2軽鎖可変ドメイン(VL2)は、図3(b)の配列番号12に示す配列を有する。
【0057】
したがって、本発明は、ヒトOX40およびヒト血清アルブミンに結合する二重特異性抗体融合タンパク質であって、
N末端から順に、第1重鎖可変ドメイン(V1)、CH1ドメイン、および第2重鎖可変ドメイン(V2)を含む重鎖と、
N末端から順に、第1軽鎖可変ドメイン(V1)、CLドメイン、および第2軽鎖可変ドメイン(V2)を含む軽鎖とを含み、
1およびV1が第1の抗原結合部位を形成し、かつV2およびV2が第2の抗原結合部位を形成するように、前記重鎖および軽鎖が配列しており、
第1の抗原結合部位により結合される抗原がヒトOX40であり、かつ第2の抗原結合部位により結合される抗原がヒト血清アルブミンであり、
重鎖の第1可変ドメイン(V1)が、CDR−H1についての配列番号1に示す配列、CDR−H2についての配列番号2に示す配列、およびCDR−H3についての配列番号3に示す配列を含み、かつ軽鎖の第1可変ドメイン(V1)が、CDR−L1についての配列番号4に示す配列、CDR−L2についての配列番号5に示す配列、およびCDR−L3についての配列番号6に示す配列を含み、
第2重鎖可変ドメイン(V2)が配列番号11に示す配列を有し、かつ第2軽鎖可変ドメイン(V2)が配列番号12に示す配列を有し、
第2重鎖可変ドメイン(V2)および第2軽鎖可変ドメイン(V2)がジスルフィド結合により連結されている、
二重特異性抗体融合タンパク質を提供する。
【0058】
好ましくは、CH1ドメインおよび第2重鎖可変ドメイン(V2)が、リンカーを介して連結され、CLドメインおよび第2軽鎖可変ドメイン(V2)も、リンカーを介して連結される。任意の適切なペプチドリンカー配列を使用することができ、これらは各鎖で同じであっても異なっていてもよい。適切なリンカーは、以前に、国際公開第2010/035012号パンフレットに記載されており、参照により本明細書に組み込まれる。適切なリンカーの例を、図3(c)および(d)に示す。一実施形態では、CH1ドメインと第2重鎖可変ドメイン(V2)との間のリンカーは、図3(c)の配列番号13に示す配列を含むかまたはその配列からなる。一実施形態では、CH1ドメインと第2重鎖可変ドメイン(V2)との間のリンカーは、図3(c)の配列番号14に示す配列を含むかまたはその配列からなる。一実施形態では、CLドメインと第2軽鎖可変ドメイン(V2)との間のリンカーは、図3(d)の配列番号14に示す配列を含むかまたはその配列からなる。
【0059】
一実施形態では、軽鎖中のリンカーは、15アミノ酸配列、具体的には、GGGGSGGGGSGGGGS(配列番号29)である。
【0060】
一実施形態では、重鎖中のリンカーは、16アミノ酸配列、具体的には、SGGGGSGGGGTGGGGS(配列番号30)である。
【0061】
一実施形態では、本発明は、重鎖が図3(e)に示す配列(配列番号15)を含むかまたはその配列からなり、軽鎖が図3(f)に示す配列(配列番号16)を含むかまたはその配列からなる、二重特異性抗体融合タンパク質を提供する。
【0062】
本発明の一実施形態では、二重特異性抗体融合タンパク質は、配列番号15に示す配列に対して少なくとも60%の同一性または類似性を有する配列を含む重鎖と、配列番号16に示す配列に対して少なくとも60%の同一性または類似性を有する配列を含む軽鎖とを含む。一般には、抗体融合物は、配列番号15に示す配列に対して少なくとも70%、80%、90%、95%、もしくは98%の同一性または類似性を有する配列を含む重鎖と、配列番号16に示す配列に対して少なくとも70%、80%、90%、95%、もしくは98%の同一性または類似性を有する配列を含む軽鎖とを含む。
【0063】
本発明の抗体融合分子は、高い結合親和性、具体的には、ヒトOX40に対してピコモル濃度の親和性を有し、ヒト血清アルブミンに対してナノモル濃度の親和性を有する。親和性は、単離した天然もしくは組換えOX40または血清アルブミンあるいは適切な融合タンパク質/ポリペプチドを使用し、国際公開第2010096418号パンフレットにおいてOX40について、また国際公開第2010/035012号パンフレットにおいて血清アルブミンについて記載されるように、表面プラズモン共鳴、例えばBIAcore(商標)を含む、当技術分野で公知の任意の適切な方法を使用して測定することができる。
【0064】
一例では、親和性は、国際公開第2010/096418号パンフレットに記載されるように、組換えヒトOX40の細胞外ドメインを使用して測定される。一例では、使用する組換えヒトOX40の細胞外ドメインは、二量体、例えばFc融合二量体である。適切には、本発明の抗体融合分子は、単離したヒトOX40に対する結合親和性が約200pM以下である。一実施形態では、本発明の抗体分子は、結合親和性が約100pM以下である。一実施形態では、本発明の抗体分子は、結合親和性が約50pM以下である。一実施形態では、本発明の抗体融合分子は、結合親和性が約40pM以下である。
【0065】
本発明の抗体融合分子は、適切には、活性化されたT細胞の表面上に発現されたヒトOX40に対して高い結合親和性、例えば、ナノモル濃度またはピコモル濃度の親和性を有する。親和性は、活性化されたCD4OX40ヒトT細胞を使用し、国際公開第2010096418号パンフレットに記載される方法を含む、当技術分野で公知の任意の適切な方法も使用して測定することができる。具体的には、本発明の抗体融合分子は、細胞表面に発現されたヒトOX40に対する結合親和性が約2nMであるかまたはそれより良好である。一例では、本発明の抗体分子は、細胞表面に発現されたヒトOX40に対する結合親和性が約1nMであるかまたはそれより良好である。別の例では、本発明の抗体分子は、細胞表面に発現されたヒトOX40に対する結合親和性が約0.5nMであるかまたはそれより良好である。別の例では、本発明の抗体分子は、細胞表面に発現されたヒトOX40に対する結合親和性が約0.2nMであるかまたはそれより良好である。
【0066】
適切には、本発明の抗体融合分子は、単離したヒト血清アルブミンに対する結合親和性が約50nM以下である。適切には、本発明の抗体融合分子は、単離したヒト血清アルブミンに対する結合親和性が約20nM以下である。一実施形態では、本発明の抗体分子は、結合親和性が約10nM以下である。一実施形態では、本発明の抗体分子は、結合親和性が約5nM以下である。一実施形態では、本発明の抗体融合分子は、結合親和性が約2nM以下である。
【0067】
本発明の抗体融合分子は、ヒト血清アルブミンならびにカニクイザル、マウス、およびラットの血清アルブミンに結合することができる。一実施形態では、本発明の抗体融合タンパク質は、カニクイザル血清アルブミンに、5nM以下の親和性で結合する。一実施形態では、本発明の抗体融合タンパク質は、マウス血清アルブミンに、5nM以下の親和性で結合する。
【0068】
本発明の抗体融合分子は、ヒトOX40およびヒト血清アルブミンに、同時に結合することができる。
【0069】
有利なことには、本発明の融合分子は、OX40に対して高い親和性を有し、さらに、治療上有用になるのに十分なin vivoでの半減期を有する。例えば、半減期は、7〜11日など、5〜15日の範囲である。
【0070】
ヒトOX40および/またはヒト血清アルブミンに対する、本発明により提供される抗体融合タンパク質の親和性を、当技術分野で公知の任意の適切な方法を使用して変更することができることは認識されよう。したがって、本発明はまた、OX40またはヒト血清アルブミンに対する親和性が改善されている、本発明の抗体分子の変異体に関する。そのような変異体は、CDRの突然変異(Yang et al.,J.Mol.Biol.,254,392−403,1995)、鎖シャフリング(Marks et al.,Bio/Technology,10,779−783,1992)、大腸菌(E.coli)の突然変異誘発株の使用(Low et al.,J.Mol.Biol.,250,359−368,1996)、DNAシャフリング(Patten et al.,Curr.Opin.Biotechnol.,8,724−733,1997)、ファージディスプレイ(Thompson et al.,J.Mol.Biol.,256,77−88,1996)、および性別PCR(Crameri et al.,Nature,391,288−291,1998)を含む、いくつかの親和性成熟プロトコールにより得ることができる。Vaughan et al.(上記)は、これらの親和性成熟法について論じている。
【0071】
一実施形態では、本発明の二重特異性抗体融合分子は、OX40とOX40Lとの間の相互作用を遮断する。この相互作用を遮断する抗体の能力を測定するのに適した数多くのアッセイが、国際公開第2010/096418号パンフレットに記載されている。一実施形態では、本発明は、活性化されたヒトCD4+OX40+ T細胞に対するヒトOX40L(最終濃度2μg/mlで試験)の結合を、0.5nM未満の濃度で50%阻害することができる、ヒトOX40に対する特異性を有する抗体融合タンパク質を提供する。一実施形態では、アッセイで使用するヒトOX40Lは天然ヒトOX40である。一実施形態では、アッセイで使用するヒトOX40は組換えヒトOX40である。
【0072】
所望により、本発明で使用するための抗体は、1つまたは複数のエフェクター分子にコンジュゲートしてもよい。エフェクター分子が単一のエフェクター分子または本発明の抗体に結合させることができる単一部分を形成するように連結された2つ以上のそのような分子を含みうることは認識されよう。エフェクター分子に連結された抗体断片を得ることが所望される場合、この抗体断片は、抗体断片を直接またはカップリング剤を介してエフェクター分子に連結する、標準の化学的または組換えDNA手順により調製することができる。そのようなエフェクター分子を抗体にコンジュゲートするための手法は当技術分野で周知である(Hellstrom et al.,Controlled Drug Delivery,2nd Ed.,Robinson et al.,eds.,1987,pp.623−53;Thorpe et al.,1982,Immunol.Rev.,62:119−58 and Dubowchik et al.,1999,Pharmacology and Therapeutics,83,67−123を参照のこと)。具体的な化学的手順としては、例えば、国際公開第93/06231号パンフレット、国際公開第92/22583号パンフレット、国際公開第89/00195号パンフレット、国際公開第89/01476号パンフレット、および国際公開第03/031581号パンフレットに記載のものが挙げられる。あるいは、エフェクター分子がタンパク質またはポリペプチドである場合、連結は、例えば、国際公開第86/01533号パンフレットおよび欧州特許第0392745号明細書に記載されるような組換えDNA手順を使用して達成することができる。
【0073】
用語エフェクター分子は、本明細書で使用する場合、例えば、抗悪性腫瘍薬、薬物、毒素、生物学的に活性なタンパク質、例えば酵素、他の抗体もしくは抗体断片、合成または天然のポリマー、核酸およびその断片、例えばDNA、RNA、およびその断片、放射性核種、具体的には放射性ヨウ素、放射性同位元素、キレート化金属、ナノ粒子、および蛍光化合物またはNMRもしくはESR分光法により検出可能な化合物などのレポーター基を含む。
【0074】
エフェクター分子の例としては、細胞に有害である(例えば、死滅させる)いかなる薬剤も含めて、細胞毒素または細胞傷害性薬剤を挙げることができる。例としては、コンブレスタチン、ドラスタチン、エポチロン、スタウロスポリン、マイタンシノイド、スポンジスタチン、リゾキシン、ハリコンドリン、ロリジン、ヘミアステリン、タキソール、サイトカラシンB、グラミシジンD、臭化エチジウム、エメチン、マイトマイシン、エトポシド、テノポシド(tenoposide)、ビンクリスチン、ビンブラスチン、コルヒチン(colchicin)、ドキソルビシン、ダウノルビシン、ジヒドロキシアントラシンジオン、ミトキサントロン、ミトラマイシン、アクチノマイシンD、1−デヒドロテストステロン、グルココルチコイド、プロカイン、テトラカイン、リドカイン、プロプラノロール、およびピューロマイシン、ならびにそれらのアナログまたはホモログが挙げられる。
【0075】
エフェクター分子としてまた、これらに限定されないが、代謝拮抗剤(例えば、メトトレキセート、6−メルカプトプリン、6−チオグアニン、シタラビン、5−フルオロウラシルデカルバジン)、アルキル化剤(例えば、メクロレタミン、チオエパクロランブシル、メルファラン、カルムスチン(BSNU)およびロムスチン(CCNU)、シクロホスファミド(cyclothosphamide)、ブスルファン、ジブロモマンニトール、ストレプトゾトシン、マイトマイシンC、ならびにシス−ジクロロジアミン白金(II)(DDP)シスプラチン)、アントラサイクリン(例えば、ダウノルビシン(以前のダウノマイシン)およびドキソルビシン)、抗生物質(例えば、ダクチノマイシン(以前のアクチノマイシン)、ブレオマイシン、ミトラマイシン、アントラマイシン(AMC)、カリチアマイシンまたはデュオカルマイシン)、ならびに有糸分裂阻害剤(例えば、ビンクリスチンおよびビンブラスチン)が挙げられる。
【0076】
他のエフェクター分子として、キレート化放射性核種、例えば、111Inおよび90Y、Lu177、ビスマス213、カリホルニウム252、イリディアム192、およびタングステン188/レニウム188;またはこれらに限定されないが、アルキルホスホコリン、トポイソメラーゼI阻害剤、タキソイド、およびスラミンなどの薬物を挙げることができる。他のエフェクター分子として、タンパク質、ペプチド、および酵素が挙げられる。対象となる酵素としては、これらに限定されないが、タンパク質分解酵素、ヒドロラーゼ、リアーゼ、イソメラーゼ、トランスフェラーゼが挙げられる。対象となるタンパク質、ポリペプチド、およびペプチドとしては、これらに限定されないが、免疫グロブリン、毒素、例えばアブリン、リシンA、シュードモナス菌外毒素、またはジフテリア毒素、タンパク質、例えばインスリン、腫瘍壊死因子、α−インターフェロン、β−インターフェロン、神経成長因子、血小板由来増殖因子、または組織プラスミノーゲン活性化因子、血栓剤または抗血管新生剤、例えばアンジオスタチンまたはエンドスタチン、あるいは生体応答調節剤、例えばリンホカイン、インターロイキン1(IL−1)、インターロイキン−2(IL−2)、顆粒球マクロファージコロニー刺激因子(GM−CSF)、顆粒球コロニー刺激因子(G−CSF)、神経成長因子(NGF)、または他の増殖因子および免疫グロブリンが挙げられる。
【0077】
他のエフェクター分子として、例えば診断に有用な検出可能な物質を挙げることができる。検出可能な物質の例としては、種々の酵素、補欠分子族、蛍光物質、発光物質、生物発光物質、放射性核種、陽電子放出金属(陽電子放射断層撮影に使用するため)、および非放射性常磁性金属イオンが挙げられる。診断薬として使用するために抗体にコンジュゲートすることができる金属イオンについては、一般的には、米国特許第4,741,900号明細書を参照されたい。適切な酵素としては、西洋ワサビペルオキシダーゼ、アルカリホスファターゼ、β−ガラクトシダーゼ、またはアセチルコリンエステラーゼが挙げられ;適切な補欠分子族としては、ストレプトアビジン、アビジン、およびビオチンが挙げられ;適切な蛍光物質としては、ウンベリフェロン、フルオレセイン、フルオレセインイソチオシアネート、ローダミン、ジクロロトリアジニルアミンフルオレセイン、塩化ダンシル、およびフィコエリトリンが挙げられ;適切な発光物質としてはルミノールが挙げられ;適切な生物発光物質としては、ルシフェラーゼ、ルシフェリン、およびエクオリンが挙げられ;また適切な放射性核種としては、125I、131I、111In、および99Tcが挙げられる。
【0078】
エフェクター分子がポリマーである場合、一般的には、合成ポリマーであっても天然ポリマーであってもよく、例えば、場合によっては置換されている直鎖または分岐鎖ポリアルキレン、ポリアルケニレン、またはポリオキシアルキレンポリマー、あるいは分岐または非分岐多糖、例えばホモまたはヘテロ多糖であってもよい。
【0079】
上述の合成ポリマー上に存在してもよい具体的な任意選択の置換基としては、1つまたは複数のヒドロキシ基、メチル基、またはメトキシ基が挙げられる。
【0080】
合成ポリマーの具体的な例としては、場合によっては置換されている直鎖または分岐鎖ポリ(エチレングリコール)、ポリ(プロピレングリコール)ポリ(ビニルアルコール)、またはそれらの誘導体、特に、場合によっては置換されているポリ(エチレングリコール)、例えばメトキシポリ(エチレングリコール)またはその誘導体が挙げられる。
【0081】
具体的な天然ポリマーとしては、ラクトース、アミロース、デキストラン、グリコーゲン、またはそれらの誘導体が挙げられる。
【0082】
「誘導体」は、本明細書で使用する場合、例えば、マレイミド等のチオール選択性反応基など、反応性誘導体を含むことを意図する。反応基は、ポリマーに直接連結されてもリンカーセグメントを介して連結されてもよい。そのような基の残基は、一部の実例では、抗体断片とポリマーとの間の連結基として、生成物の一部を形成することになることは認識されよう。
【0083】
ポリマーサイズは、所望されるように変更することができるが、一般的には、500Da〜50000Da、例えば、20000〜40000Daなど、5000〜40000Daの平均分子量範囲である。
【0084】
一例では、適切なエフェクター分子は、抗体融合タンパク質中にある、任意の利用可能なアミノ酸側鎖または末端のアミノ酸官能基、例えば、任意の遊離アミノ基、イミノ基、チオール基、ヒドロキシル基、またはカルボキシル基を介して結合することができる。そのようなアミノ酸は、抗体断片に天然に存在していても、または組換えDNA法を使用してその断片の中に操作されてもよい(例えば、米国特許第5,219,996号明細書;米国特許第5,667,425号明細書;国際公開第98/25971号パンフレットを参照のこと)。
【0085】
本発明はまた、本発明の抗体分子の重鎖および/または軽鎖をコードする単離したDNA配列を提供する。適切には、DNA配列は、本発明の抗体分子の重鎖または軽鎖をコードする。本発明のDNA配列は、例えば化学処理により生成する合成DNA、cDNA、ゲノムDNA、またはそれらの任意の組み合わせを含むことができる。本発明の抗体分子をコードするDNA配列は、当業者に周知の方法により得ることができる。例えば、抗体の重鎖および軽鎖の一部またはすべてをコードするDNA配列を、決定されたDNA配列から、または対応するアミノ酸配列に基づいて、所望されるように合成することができる。
【0086】
アクセプターフレームワーク配列をコードするDNAは、当業者に幅広く入手可能であり、それらの公知のアミノ酸配列に基づいて容易に合成することができる。
【0087】
分子生物学の標準的手法を使用して、本発明の抗体分子をコードするDNA配列を調製することができる。所望のDNA配列は、オリゴヌクレオチド合成手法を使用して、完全にまたは部分的に合成することができる。部位特異的突然変異誘発およびポリメラーゼ連鎖反応(PCR)の手法を必要に応じて使用することができる。
【0088】
適切な配列の例を、図5(a)の配列番号21;図5(b)の配列番号22;図6(a)の配列番号23;図6(b)の配列番号24に提供する。配列番号21のヌクレオチド1〜63および配列番号23の1〜63は、シグナルペプチド配列OmpAをコードするが、これは切断されて、本発明のアンタゴニスト性抗体融合分子を生じる。本発明はまた、配列番号21または配列番号22を含む、本発明の抗体融合タンパク質の重鎖をコードする単離したDNA配列を提供する。本発明はまた、配列番号23または配列番号24を含む、本発明の抗体融合分子の軽鎖をコードする単離したDNA配列を提供する。
【0089】
適切な配列の他の例を、図7(a)の配列番号25:図7(b)の配列番号26;図8(a)の配列番号27;図6(b)の配列番号28に提供する。配列番号25のヌクレオチド1〜57および配列番号27の1〜60は、マウス抗体B72.3由来のシグナルペプチド配列をコードするが(Whittle et al.,1987,Protein Eng.1(6)499−505.)、これは切断されて、本発明のアンタゴニスト性抗体融合分子を生じる。本発明はまた、配列番号25または配列番号26を含む、本発明の抗体融合タンパク質の重鎖をコードする単離したDNA配列を提供する。本発明はまた、配列番号27または配列番号28を含む、本発明の抗体融合分子の軽鎖をコードする単離したDNA配列を提供する。
【0090】
本発明はまた、本発明の1つまたは複数のDNA配列を含むクローニングベクターまたは発現ベクターに関する。したがって、本発明の抗体融合タンパク質をコードする1つまたは複数のDNA配列を含むクローニングベクターまたは発現ベクターを提供する。適切には、クローニングベクターまたは発現ベクターは、本発明の抗体分子の軽鎖および重鎖をそれぞれコードする2つのDNA配列を含む。適切には、本発明によるベクターは、配列番号21および配列番号23に示す配列を含む。配列番号21のヌクレオチド1〜63および配列番号23の1〜63は、OmpA由来のシグナルペプチド配列をコードする。
【0091】
ベクターを構築することができる一般的な方法、トランスフェクション法、および培養法が、当業者に周知である。これに関しては、”Current Protocols in Molecular Biology”,1999,F.M.Ausubel(ed),Wiley Interscience,New York、およびthe Maniatis Manual produced by Cold Spring Harbor Publishingに言及がある。
【0092】
また、本発明の抗体融合タンパク質をコードする1つまたは複数のDNA配列を含む、1つまたは複数のクローニングベクターまたは発現ベクターを含む宿主細胞を提供する。任意の適切な宿主細胞/ベクター系を、本発明の抗体分子をコードするDNA配列の発現のために使用することができる。細菌、例えば大腸菌(E.coli)、および他の微生物系を使用しても、真核生物、例えば哺乳動物の宿主細胞発現系を使用してもよい。適切な哺乳動物宿主細胞としては、CHO細胞、骨髄腫細胞、またはハイブリドーマ細胞が挙げられる。
【0093】
本発明はまた、本発明による抗体融合分子の産生のための方法であって、本発明の抗体分子をコードするDNAからタンパク質の発現をもたらすのに適した条件下で、本発明のベクターを含有する宿主細胞を培養すること、および抗体分子を単離することを含む方法を提供する。
【0094】
重鎖および軽鎖の両方を含む生成物の産生のために、2つのベクター、軽鎖ポリペプチドをコードする第1のベクターと重鎖ポリペプチドをコードする第2のベクターを、細胞株にトランスフェクトすることができる。あるいは、軽鎖および重鎖のポリペプチドをコードする配列を含む、単一ベクターを使用してもよい。
【0095】
本発明の抗体融合タンパク質は、病的状態の治療および/または予防に有用であるため、本発明はまた、薬学的に許容される賦形剤、希釈剤、または担体の1つまたは複数と組み合わせて本発明の抗体分子を含む、医薬組成物または診断組成物を提供する。したがって、薬剤製造のための、本発明の抗体融合タンパク質の使用を提供する。組成物は、薬学的に許容される担体を通常含む、滅菌医薬組成物の一部として通常供給されることになる。本発明の医薬組成物は、薬学的に許容される補助剤をさらに含んでもよい。
【0096】
本発明はまた、医薬組成物または診断組成物の調製のための方法であって、薬学的に許容される賦形剤、希釈剤、または担体の1つまたは複数と一緒に、本発明の抗体融合分子を添加および混合することを含む方法を提供する。
【0097】
抗体融合分子は、医薬組成物または診断組成物中の単独の活性成分であってもよく、あるいは他の抗体成分、例えば抗TNF抗体、抗IL−1β抗体、抗T細胞抗体、抗IFNγ抗体、もしくは抗LPS抗体、またはキサンチンなどの非抗体成分を含む他の活性成分を伴ってもよい。他の適切な活性成分としては、寛容を誘導することができる抗体、例えば抗CD3抗体または抗CD4抗体が挙げられる。
【0098】
さらなる実施形態では、本開示による抗体融合タンパク質または組成物は、さらなる薬学的に活性な薬剤、例えば、コルチコステロイド(プロピオン酸フルチカゾンなど)および/またはベータ−2−アゴニスト(サルブタモール、サルメテロール、もしくはフォルモテロールなど)または細胞成長および増殖の阻害剤(ラパマイシン、シクロホスファミド(cyclophosphmide)、メトトレキセートなど)または代替としてCD28および/もしくはCD40阻害剤と組み合わせて使用される。一実施形態では、阻害剤は小分子である。別の実施形態では、阻害剤は標的に特異的な抗体である。
【0099】
医薬組成物は、本発明の抗体融合タンパク質の治療有効量を適切に含む。用語「治療有効量」は、本明細書で使用する場合、標的疾患または症状を治療、寛解、または予防するために、あるいは検出可能な治療または予防効果を示すために必要とされる治療剤の量を指す。任意の抗体について、治療有効量は、通常げっ歯類、ウサギ、イヌ、ブタ、または霊長類における、細胞培養アッセイまたは動物モデルのいずれかにおいて、最初に評価することができる。また、動物モデルを使用して、投与の適切な濃度範囲および経路を決定することもできる。次いで、そのような情報を使用して、ヒトにおける投与に有用な用量および経路を決定することができる。
【0100】
ヒト被験体に対する正確な治療有効量は、疾患状態の重症度、被験体の健康状態、被験体の年齢、体重、および性別、食餌、投与の時間および頻度、併用薬剤、治療に対する反応感度および忍容性/応答に依存することになる。この量は、ルーチンの実験作業により決定することができ、臨床医の判断の範囲内である。一般的に、治療有効量は、0.01mg/kg〜50mg/kg、例えば0.1mg/kg〜20mg/kgになる。医薬組成物は、1用量当たり本発明の活性薬剤の所定量を含有する単位用量形態で好都合に提供することができる。
【0101】
組成物は、患者に個別に投与してもよく、または他の薬剤、薬物、またはホルモンと組み合わせて(例えば、同時に、逐次的に、または別々に)投与してもよい。
【0102】
本発明の抗体融合分子の投与用量は、治療される症状の性質、存在する炎症の程度、および抗体分子が予防的に使用されるのか既存の症状を治療するために使用されるのかに依存する。
【0103】
投与頻度は、抗体融合分子の半減期およびその効果の持続期間に依存することになる。抗体分子の半減期が短い場合には(例えば、2〜10時間)、1日当たり1回または複数回投与することが必要となりうる。あるいは、抗体分子の半減期が長い場合には(例えば、2〜15日)、1日1回、1週間に1回、またはさらには1もしくは2ヶ月に1回投与すればよいことになりうる。
【0104】
薬学的に許容される担体はそれ自体、組成物を投与される個体に、有害な抗体の産生を誘導してはならず、また有毒であってはならない。適切な担体は、大きく、徐々に代謝される巨大分子、例えば、タンパク質、ポリペプチド、リポソーム、多糖、ポリ乳酸、ポリグリコール酸、ポリマー性アミノ酸、アミノ酸コポリマー、および不活性ウイルス粒子であってもよい。
【0105】
薬学的に許容される塩、例えば、塩酸塩、臭化水素酸塩、リン酸塩、および硫酸塩などの鉱酸塩、または酢酸塩、プロピオン酸塩、マロン酸塩、および安息香酸塩などの有機酸塩を使用してもよい。
【0106】
治療組成物中の薬学的に許容される担体は、水、生理食塩水、グリセロール、およびエタノールなどの液体をさらに含有してもよい。加えて、湿潤剤もしくは乳化剤またはpH緩衝物質などの補助物質がそのような組成物中に存在してもよい。そのような担体により、医薬組成物を、患者による摂取のために、錠剤、丸剤、糖衣錠、カプセル剤、液剤、ゲル剤、シロップ剤、スラリー、および懸濁剤として製剤化することができるようになる。
【0107】
投与に適した形態には、例えば注射または点滴による、例えばボーラス注射または持続点滴による非経口投与に適した形態が含まれる。製剤は、注射または点滴用である場合、油性または水性のビヒクル中の懸濁液、溶液、またはエマルジョンの形態をとってもよく、懸濁剤、保存剤、安定剤、および/または分散剤などの調合剤を含有してもよい。あるいは、抗体分子は、適切な滅菌液体により使用前に再構成するための乾燥形態であってもよい。
【0108】
ひとたび製剤化されたならば、本発明の組成物は、被験体に直接投与することができる。治療される被験体は動物であってもよい。しかしながら、1つまたは複数の実施形態では、組成物はヒト被験体への投与に適合する。
【0109】
適切には、本開示による製剤では、最終製剤のpHは、抗体または断片の等電点の値に類似することはなく、例えば、製剤のpHが7である場合、pIは8〜9以上が適切となりうる。理論に拘束されたくはないが、これにより、安定性が改善した最終製剤が最終的に提供されうると考えられ、例えば、抗体または断片が溶液の状態に留まる。
【0110】
一態様では、有利なことには、本開示の融合分子は、全体として中性な分子に対応するpIを有しない。これにより、分子は凝集しにくくなる。
【0111】
本発明の医薬組成物は、これらに限定されないが、経口、静脈内、筋肉内、動脈内、髄内、髄腔内、脳室内、経皮(transdermal)、経皮(transcutaneous)(例えば、国際公開第98/20734号パンフレットを参照のこと)、皮下、腹腔内、鼻腔内、経腸、局所、舌下、膣内、または直腸経路を含む、任意の数の経路により投与することができる。ハイポスプレーもまた、本発明の医薬組成物を投与するために使用することができる。典型的には、治療組成物は、溶液または懸濁液のいずれかとして、注射剤として調製することができる。注射前に液体ビヒクル中で溶液または懸濁液にするのに適した固体形態を調製してもよい。
【0112】
組成物の直接送達は、一般的には、皮下、腹腔内、静脈内、または筋肉内への注射によって達成されるか、あるいは組織の間隙に送達されることになる。組成物はまた、病変部位に投与してもよい。投薬治療は、単回投与スケジュールであっても複数回投与スケジュールであってもよい。
【0113】
組成物中の活性成分が抗体分子であることは認識されよう。そのため、それは胃腸管中で分解を受けやすいであろう。したがって、胃腸管を使用する経路で、組成物を投与することになる場合、組成物は、分解から抗体を保護するが、ひとたび胃腸管から吸収されたならば、抗体を放出する薬剤を含有する必要がある。
【0114】
薬学的に許容される担体についての詳細な議論は、Remington’s Pharmaceutical Sciences(Mack Publishing Company,N.J.1991)で入手可能である。
【0115】
一実施形態では、製剤は吸入を含む局所投与のための製剤として提供される。
【0116】
適切な吸入用調製物には、吸入用粉末、噴霧ガスを含有する計量エアゾール、または噴霧ガスを含有しない吸入用溶液が含まれる。活性物質を含有する、本開示による吸入用粉末は、もっぱら、上述の活性物質からなっても、または上述の活性物質と生理学的に許容される賦形剤との混合物からなってもよい。
【0117】
これらの吸入用粉末としては、単糖類(例えば、グルコースまたはアラビノース)、二糖類(例えば、ラクトース、スクロース、マルトース)、オリゴ糖類および多糖類(例えば、デキストラン)、多価アルコール類(例えば、ソルビトール、マンニトール、キシリトール)、塩類(例えば、塩化ナトリウム、炭酸カルシウム)、またはこれらと互いとの混合物を挙げることができる。単糖類または二糖類は適切に使用され、ラクトースまたはグルコースは、具体的には、もっぱらではないが、その水和物の形態で使用される。
【0118】
肺中に沈着させるための粒子は、1〜9ミクロン、例えば0.1〜5μm、具体的には1〜5μmなど、粒子サイズが10ミクロン未満である必要がある。活性成分(抗体または断片など)の粒子サイズが、第一に重要である。
【0119】
吸入用エアゾールを調製するために使用することができる噴霧ガスは当技術分野で公知である。適切な噴霧ガスは、n−プロパン、n−ブタン、またはイソブタンなどの炭化水素、およびメタン、エタン、プロパン、ブタン、シクロプロパン、またはシクロブタンの塩素化および/またはフッ素化誘導体などのハロ炭化水素の中から選択される。上述の噴霧ガスは、それら単独で使用しても、それらの混合物で使用してもよい。
【0120】
具体的には、適切な噴霧ガスは、TG11、TG12、TG134a、およびTG227の中から選択されるハロゲン化アルカン誘導体である。上述のハロゲン化炭化水素のうち、TG134a(1,1,1,2−テトラフルオロエタン)およびTG227(1,1,1,2,3,3,3−ヘプタフルオロプロパン)、ならびにそれらの混合物が具体的には適切である。
【0121】
噴霧ガス含有吸入用エアゾールはまた、共溶媒、安定剤、表面活性剤(界面活性剤)、抗酸化剤、滑沢剤、およびpH調整手段など、他の成分を含有してもよい。これらの成分はすべて当技術分野で公知である。
【0122】
本発明による噴霧ガス含有吸入用エアゾールは、最大5重量%の活性物質を含有することができる。本発明によるエアゾールは、例えば、0.002〜5重量%、0.01〜3重量%、0.015〜2重量%、0.1〜2重量%、0.5〜2重量%、または0.5〜1重量%の活性成分を含有する。
【0123】
あるいは、肺への局所投与はまた、ネブライザー、例えばコンプレッサに連結されたネブライザー(例えば、Pari Respiratory Equipment,Inc.,Richmond,Va.により製造された、Pari Master(R)コンプレッサに連結されたPari LC−Jet Plus(R)ネブライザー)などの装置を使用して、溶液または懸濁液の製剤を投与するのでもよい。
【0124】
本発明の抗体融合タンパク質は、溶液に分散させて、例えば、溶液または懸濁液の形態で送達させることができる。抗体融合タンパク質は、適切な生理溶液、例えば生理食塩水または他の薬理学的に許容される溶媒または緩衝液に懸濁させることができる。当技術分野で公知の緩衝液は、pHが約4.0〜5.0になるように、水1ml当たり、0.05mg〜0.15mgのエデト酸二ナトリウム、8.0mg〜9.0mgのNaCl、0.15mg〜0.25mgのポリソルベート、0.25mg〜0.30mgの無水クエン酸、および0.45mg〜0.55mgのクエン酸ナトリウムを含有することができる。懸濁液に、例えば、凍結乾燥した抗体を使用してもよい。
【0125】
治療懸濁剤または溶液製剤はまた、1つまたは複数の賦形剤を含有してもよい。賦形剤は当技術分野で周知であり、緩衝剤(例えば、クエン酸緩衝剤、リン酸緩衝剤、酢酸緩衝剤、および重炭酸緩衝剤)、アミノ酸、尿素、アルコール、アスコルビン酸、リン脂質、タンパク質(例えば、血清アルブミン)、EDTA、塩化ナトリウム、リポソーム、マンニトール、ソルビトール、およびグリセロールが含まれる。溶液または懸濁液は、リポソームまたは生分解性マイクロスフェアに封入することができる。製剤は、一般的に、滅菌製造方法を使用して、実質的に滅菌の形態で提供される。
【0126】
これには、当業者によく知られた方法による、製剤に使用される緩衝溶媒/溶液の濾過、滅菌緩衝溶媒溶液中への抗体の無菌懸濁、および滅菌容器の中への製剤の調合による製造および滅菌が含まれうる。
【0127】
本開示による噴霧用製剤は、例えば、ホイル包装容器に充填された単回投与単位(例えば、密封されたプラスチック容器またはバイアル)として、提供することができる。各バイアルは、ある容量、例えば2mLの溶媒/溶液緩衝剤中に単位用量を含有する。
【0128】
本明細書に開示する抗体融合タンパク質は、噴霧による送達に適する場合もある。
【0129】
本発明の抗体が遺伝子治療法の使用により投与されうることも想定される。これを達成するために、適切なDNA成分の制御下にある抗体分子の重鎖および軽鎖をコードするDNA配列を、抗体鎖がDNA鎖から発現され、in situで構築されるように、患者に導入する。
【0130】
本発明はまた、炎症性疾患、例えば急性または慢性炎症性疾患の制御に使用するための抗体融合分子(またはそれを含む組成物)を提供する。適切には、抗体分子(またはそれを含む組成物)は、炎症性過程を軽減するかまたは炎症性過程を防止するために使用することができる。一実施形態では、活性化T細胞、具体的には、不適当な炎症性免疫応答に関与する、例えば、そのような応答の近傍/場所に動員される活性化T細胞をin vivoで減少させる。
【0131】
活性化T細胞の減少とは、本明細書で使用する場合、治療前または治療なしと比較して、10、20、30、40、50、60、70、80、90パーセント、またはそれを超えるパーセントの減少でありうる。有利なことには、本発明による抗体、断片、または組成物による治療により、患者のT細胞(活性化していないT細胞)の全身レベルを低下させることなく、活性化T細胞のレベルを低下させることが可能になりうる。これにより、副作用が少なくなり、患者のT細胞枯渇をおそらく防止することができる。
【0132】
本発明はまた、OX40により媒介されるか、またはOX40レベルの増大と関連する病的障害の治療または予防に使用するための本発明の抗体融合分子を提供する。病的症状は、例えば、感染(ウイルス、細菌、真菌、および寄生虫)、感染に関連する内毒素性ショック、関節炎、関節リウマチ、喘息、COPD、骨盤内炎症性疾患、アルツハイマー病、炎症性腸疾患、クローン病、潰瘍性大腸炎、ペーロニー病、セリアック病、胆嚢疾患、毛巣嚢病、腹膜炎、乾癬、血管炎、外科的癒着、脳卒中、I型糖尿病、ライム病、関節炎、髄膜脳炎、自己免疫ブドウ膜炎、中央神経系および末梢神経系の免疫媒介炎症性障害、例えば多発性硬化症、狼瘡(全身性エリテマトーデスおよび狼瘡性腎炎など)、およびギランバレー症候群、アトピー性皮膚炎、自己免疫性肝炎、線維化性肺胞炎、グレーブス病、IgA腎症、特発性血小板減少性紫斑病、メニエール病、天疱瘡、原発性胆汁性肝硬変症、サルコイドーシス、強皮症、ヴェグナー肉芽腫症、他の自己免疫障害、膵炎、外傷(外科手術)、移植片対宿主疾患、移植拒絶反応、虚血性疾患を含む心疾患、例えば心筋梗塞およびアテローム性動脈硬化症、血管内凝固、骨吸収、骨粗鬆症、骨関節炎、歯膜炎、および低酸症からなる群から選択することができる。
【0133】
一実施形態では、本発明による抗体融合タンパク質は、アレルギー、COPD、自己免疫疾患、関節リウマチ、喘息、移植片対宿主疾患、クローン病、潰瘍性大腸炎、I型糖尿病、多発性硬化症、全身性エリテマトーデス、狼瘡性腎炎、重症筋無力症、グレーブス病、移植拒絶反応、ヴェグナー肉芽腫症、ヘノッホ・シェーンライン紫斑病、全身性硬化症、またはウイルス誘導肺炎症の治療に使用される。
【0134】
一実施形態では、本発明による抗体融合タンパク質は、アレルギー、COPD、自己免疫疾患、関節リウマチ、喘息、移植片対宿主疾患、クローン病、潰瘍性大腸炎、I型糖尿病、多発性硬化症、全身性エリテマトーデス、狼瘡性腎炎、重症筋無力症、グレーブス病、移植拒絶反応、ヴェグナー肉芽腫症、ヘノッホ・シェーンライン紫斑病、全身性硬化症、およびウイルス誘導肺炎症からなる群から選択される疾患の治療に使用される。
【0135】
本発明はまた、疼痛、具体的には炎症に付随する疼痛の治療または予防に使用するための本発明による抗体融合分子を提供する。
【0136】
一実施形態では、本開示の融合分子が作用する機序には、T細胞の増殖もしくは生存の1つもしくは複数の阻害、TReg生成の増強、B細胞分化の低下、および/またはサイトカイン産生の低下が含まれる。
【0137】
本発明はさらに、OX40により媒介されるか、またはOX40レベルの増大と関連する病的障害の治療または予防のための薬剤の製造における、本発明による抗体融合分子または組成物の使用を提供する。具体的には、病的障害は関節リウマチ、喘息、またはCOPDである。
【0138】
本発明はさらに、本明細書に記載する1つまたは複数の医学的徴候の治療または予防のための薬剤の製造における、本発明による抗体分子、断片、または組成物の使用を提供する。
【0139】
本発明の抗体融合分子または組成物は、ヒトまたは動物の体内におけるOX40の効果を低減することが所望される任意の治療において利用することができる。OX40は、体内を循環していることも、または望ましくないほど高レベルで体内の特定の部位、例えば炎症部位に局在して存在することもある。
【0140】
一実施形態では、本発明の抗体融合分子またはそれを含む組成物は、例えば本明細書に記載するような炎症性疾患の制御のために使用される。
【0141】
本発明はまた、OX40により媒介される障害に罹患しているかまたはそのリスクがあるヒトまたは動物の被験体を治療する方法であって、本発明の抗体融合分子またはそれを含む組成物の有効量を被験体に投与することを含む方法を提供する。
【0142】
一実施形態では、実質的に精製された形態で、具体的にはエンドトキシンおよび/または宿主細胞のタンパク質もしくはDNAを含有しないかまたは実質的に含有しない、ヒトOX40およびヒト血清アルブミンに結合する精製二重特異性抗体融合タンパク質を提供する。
【0143】
上記で使用される精製形態は、少なくとも90%の純度、例えば91、92、93、94、95、96、97、98、99重量/重量%またはそれを超える純度を指すことを意図する。
【0144】
エンドトキシンを実質的に含有しないとは、抗体製剤1mg当たり1EU以下、例えば製剤1mg当たり0.5または0.1EUのエンドトキシン含量を指すことを意図する。
【0145】
宿主細胞のタンパク質またはDNAを実質的に含有しないとは、一般的に、抗体製剤1mg当たり400μg以下、例えば1mg当たり100μg、具体的には1mg当たり20μgの宿主細胞のタンパク質および/またはDNAの含量を適宜指すことを意図する。
【0146】
本発明の抗体融合分子はまた、診断、例えばOX40が関与する疾患状態のin vivo診断およびイメージングに使用することができる。
【0147】
有利なことには、本融合分子は、具体的に、スーパーアゴニストではなく、かつサイトカインストームを引き起こす可能性が低いので、適切な治療用量でのヒトへの投与について安全であると考えられる。
【0148】
スーパーアゴニストは、本明細書で使用する場合、TCRの会合がない状態でT細胞を拡大増殖させる抗体を指す。
【0149】
一実施形態では、A26 Fab−Fvにより、分裂指数が低下し、集団内で分裂に入っている細胞がほとんどないことが示される;この効果は、おそらくOX40を発現しているNK細胞により媒介される。分裂指数は、もとの集団内の細胞が行った細胞分裂の平均数を表し、分裂していない細胞を含む。
【0150】
増殖指数は、応答する集団のみの増殖を反映し、一実施形態では、この尺度を使用するA26 Fab−Fvの阻害効果は、相対的に低下する。
【0151】
本明細書の文脈における含む(comprising)は、含む(including)を意味することを意図する。
【0152】
技術的に適切である場合には、本発明の実施形態を組み合わせることができる。
【0153】
実施形態は、本明細書では、特定の特徴/要素を含むものとして記載される。本開示はまた、前記特徴/要素からなるかまたはそれらから本質的になる実施形態を分割するように拡張される。
【0154】
本発明を、以下の実施例において、例示のみを目的としてさらに説明し、添付する図にも言及する。
【実施例】
【0155】
図の詳細:
図1:本発明の二重特異性抗体融合タンパク質、Fab−dsFvと呼ばれる。
図2
a)抗体A26の軽鎖V領域(配列番号7)
b)抗体A26の重鎖V領域(配列番号8)
c)抗体A26のCDRH1(配列番号1)、CDRH2(配列番号2)、CDRH3(配列番号3)、CDRL1(配列番号4)、CDRL2(配列番号5)、およびCDRL3(配列番号6)。
d)抗体A26 Fab成分の軽鎖(配列番号9)
e)抗体A26 Fab成分の重鎖(配列番号10)
図3
a)抗アルブミンFv成分645gH5の重鎖(配列番号11)
b)抗アルブミンFv成分645gL4の軽鎖(配列番号12)
c)リンカー1(配列番号13)
d)リンカー2(配列番号14)
e)Fab−dsFv重鎖(配列番号15)
f)Fab−dsFv軽鎖(配列番号16)
図4
a)645g1重鎖可変ドメイン(配列番号17)
b)645g1軽鎖可変ドメイン(配列番号18)
c)A26 Fab−dsFv 645gH1(配列番号19)
d)A26 Fab−dsFv 645gL1(配列番号20)
図5
a)OmpAリーダーを含むFab−dsFvの重鎖をコードするDNA(配列番号21)
b)OmpAリーダーを含まないFab−dsFvの重鎖をコードするDNA(配列番号22)
図6
a)OmpAリーダーを含むFab−dsFvの軽鎖をコードするDNA(配列番号23)
b)OmpAリーダーを含まないFab−dsFvの軽鎖をコードするDNA(配列番号24)
図7
a)B72.3リーダーを含むFab−dsFvの重鎖をコードするDNA(配列番号25)
b)B72.3リーダーを含まないFab−dsFvの重鎖をコードするDNA(配列番号26)
図8
a)B72.3リーダーを含むFab−dsFvの軽鎖をコードするDNA(配列番号27)
b)B72.3リーダーを含まないFab−dsFvの軽鎖をコードするDNA(配列番号28)
図9aは、活性化されたヒトCD4OX40T細胞に対するAlexaFluor 488標識A26 Fab−dsFvの結合を示す。
図9bは、活性化されたヒトCD4+、OX40+ T細胞上における、5%HSA存在下でのA26 Fab’、A26 Fab−Fv、およびA26 Fab’−PEGの結合を示す。
図10aは、ヤケヒョウヒダニ(Dermatophagoides pteronyssinus)のアレルゲン性抽出物に曝露されたPBMCからのサイトカイン産生に対するA26 Fab−dsFvの効果を示す。
図10bは、Hu−NSGマウスモデルにおける、CD4およびCD8T細胞の増殖を阻害するA26 Fab−dsFvの能力を示す。
図11aは、A26 Fab−dsFvによる、ヒト活性化CD4OX40T細胞に対するOX40L結合の阻害を示す。
図11bは、A26 Fab’、A26 Fab−dsFv、A26 Fab’−PEG、および2つの対照による、ヒト活性化CD4OX40T細胞に対するOX40L結合の阻害を示す。
図12aは、A26 Fab−Fvが、ヒト混合リンパ球反応(MLR)を阻害することを示す。
図12bは、A26 Fab−Fvが、ヒトMLR中のIFN−ガンマの産生を阻害することを示す。
図13は、A26 Fab−Fvが、ヤケヒョウヒダニ(Dermatophagoides pteronyssinus)のアレルゲン性抽出物による二次抗原再刺激後における、活性化された(CD25+)CD4+ T細胞のパーセントを低下させることを示す。
図14は、Hu−NSGモデルにおいて、細胞移入前に投与されたFab−FvおよびFab−PEGが、CD4+およびCD8+ T細胞の増殖を用量依存的に阻害することを示す。
【0156】
DNA操作および全般的方法
コンピテント大腸菌(E.coli)株を形質転換およびルーチンの培養増殖に使用した。DNA制限酵素および修飾酵素は、Roche Diagnostics Ltd.およびNew England Biolabsから入手した。プラスミドの調製は、Maxi Plasmid精製キット(QIAGEN、カタログ番号12165)を使用して行った。DNAシークエンシング反応は、ABI Prism Big Dyeターミネーターシークエンシングキット(カタログ番号4304149)を使用して行い、ABI 3100自動シークエンサー(Applied Biosystems)上で実行した。データは、プログラムSequencher(Genecodes)を使用して分析した。オリゴヌクレオチドは、SimgaまたはInvitrogenから入手した。最初のV領域配列をコードする遺伝子は、DNA2.0による自動合成アプローチにより構築し、オリゴヌクレオチド定方向突然変異誘発により移植バージョンを生成するように改変した。Fab−Fvの濃度は、プロテイン−GベースのHPLC法により測定した。
【0157】
実施例1
A26Fab−645dsFvにおける、645の異なるヒト化移植片の生成および分析
本発明者らは、以前に、国際公開第2010/035012号パンフレットにおいて、Fab−dsFv抗体型式(図1)(時として、本明細書では簡単にFab−Fvと呼ばれる)および「645gH1gL1」として知られるヒト化抗アルブミン抗体について記載した。本発明者らはまた、以前に、国際公開第2010/096418号パンフレットにおいて、「A26」として知られるヒト化アンタゴニスト性抗OX40抗体およびそのPEG化Fab’断片の生成について記載した。ここで、本発明者らは、645dsgH5gL4として知られる抗体「645」の新規の改良されたヒト化移植片の生成、およびFv成分にその移植片を、またFab成分に「A26」可変領域を組み込むFab−dsFv抗体分子の生成について記載する。A26の可変領域を、図2aおよびb(配列番号7および8)に示す。A26の可変領域配列と定常領域配列を合わせて、図2dおよびe(配列番号9および10)に示す。645gH1およびgL1の配列を、図4(a)および(b)(配列番号17および18)に示す。用語Fab’−PEGまたはA26 Fab’−PEGを使用する場合、これは、国際公開第2010/096418号パンフレットに記載するA26 Fab−40K PEG’を指す。
【0158】
1.1.A26Fab−645dsFv(gH1gL1)およびA26Fab−645dsFv(gH5gL4)G4Sリンカープラスミドの構築
A26Fab−645dsFv(gL1)軽鎖の全コード領域(配列番号20)を、HCMV−MIEプロモーターおよびSV40E polyA配列の制御下にあるUCB哺乳動物発現ベクターにクローニングした。645dsFv(gL1)の軽鎖可変領域(配列番号18)を、オーバーラッピングPCR法により645dsFv(gL4)(配列番号12)に突然変異させた。A26Fab−645dsFv(gH1)重鎖の全コード領域(配列番号19)を、HCMV−MIEプロモーターおよびSV40E polyA配列の制御下にあるUCB哺乳動物発現ベクターにクローニングした。645dsFv(gH1)の重鎖可変領域(配列番号17)を、オーバーラッピングPCR法により645dsFv(gH5)(配列番号11)に突然変異させた。構築物をシークエンシングにより確認した。両方の構築物とも、図3(d)の配列番号14に示す3×G4Sリンカーを含有した。
【0159】
1.2.A26Fab−645dsFv(gH1gL1)およびA26Fab−645dsFv(gH5gL4)の哺乳動物発現
HEK293細胞に重鎖プラスミドおよび軽鎖プラスミドを、製造業者の説明書に従い、Invitrogenの293fectinトランスフェクション試薬を使用してトランスフェクトした。手短に言えば、25μgの重鎖プラスミドおよび25μgの軽鎖プラスミドを、100μlの293fectinおよび1700μlのOptipro培地と共に、室温で20分間インキュベートした。次いで、この混合物を、50mlの懸濁液中の50×10 HEK293細胞に加え、37℃で振盪しながら6日間インキュベートした。6日後に、細胞を除去するために、1500×gで10分間遠心分離して、上清を集めた後、0.22μmの滅菌濾過を行った。
【0160】
1.3 A26Fab−645dsFv(gH1gL1)およびA26Fab−645dsFv(gH5gL4)のプロテイン−G精製
0.22μmで濾過した上清の約50mlを、10kDa分子量のカットオフ膜およびスイングアウトローターでの4000×gの遠心分離を装着したAmicon Ultra−15濃縮器を使用して、約2mlに濃縮した。1.8mlの濃縮した上清を、20mMリン酸塩、40mM NaCl pH7.4で平衡化した1mlのGammabind Plus Sepharose(GE Healthcare)カラムに1ml/分で供した。カラムを、20mMリン酸塩、40mM NaCl pH7.4で洗浄し、結合した物質を、0.1Mグリシン/HCl pH2.7で溶出した。溶出ピークを回収し、2M Tris/HCl pH8.5でpHを約pH7に調整した。pHを調整した溶出液を、10kDa分子量のカットオフ膜およびスイングアウトローターでの4000×gの遠心分離を装着したAmicon Ultra−15濃縮器を使用して、20mMリン酸塩、150mM NaCl pH7.4に濃縮およびダイアフィルトレーションした。
【0161】
1.4.A26Fab−645dsFv(gH1gL1)およびA26Fab−645dsFv(gH5gL4)のサイズ排除分析
プロテイン−Gで精製した試料を、サイズ排除HPLCにより分析した。Superdex 200 10/300 GL Tricornカラム(GE Healthcare)上で、PBS pH7.4の定組成勾配、1ml/分で展開して、試料を分離した。ピーク検出を280nmで行い、見かけの分子量を、既知分子量のタンパク質対溶出量の標準曲線と比較して算出した。645dsFvのヒト化移植片をgH1gL1からgH5gL4に変更すると、dsFvの熱安定性(データを示さず)も、HSAに対するdsFvの結合親和性(データを示さず)もまったく変化することなく、発現するA26Fab−645dsFvのモノマーパーセントが59%から71%に増大した(12%の増大)。
【0162】
実施例2
2.1 OX40に結合するA26 Fab−dsFv(645gH5gL4)についてのBIAcore動力学
この実施例および以後のすべての実施例では、A26 Fab−dsFv 645gH5gL4は、配列番号15(図3(e))に示す重鎖配列、および配列番号16(図3(f))に示す軽鎖配列を有する、すなわち、重鎖は図3(c)の配列番号13に示すG4S、G4T、G4Sリンカーを含有した。
【0163】
BIA(生体分子相互作用分析)を、BIAcore T200(GE Healthcare)を使用して行った。F(ab’)断片特異的なAffinipure F(ab’) Fragmentヤギ抗ヒトIgG(Jackson ImmunoResearch)を、アミンカップリング化学によって、約5000反応単位(RU)の捕捉レベルまでCM5センサーチップ上に固定した。HBS−EP緩衝液(10mM HEPES pH7.4、0.15M NaCl、3mM EDTA、0.05%界面活性剤P20、GE Healthcare)を、ランニング緩衝液として10μL/分の流速で使用した。0.5μg/mLのA26 Fab’または1μg/mLのA26Fab−dsFvの10μL注入を、固定化抗ヒトIg−GF(ab’)による捕捉のために使用した。ヒトOX40を、種々の濃度(25nM〜1.5625nM)にて、30μL/分の流速で、捕捉されたA26上で滴定した。10μL/分の流速で、50mM HClを2×10μL注入した後、5mM NaOHを5μL注入することにより、表面を再生した。標準手順に従って、バックグラウンドを除去した結合曲線を、T200evaluationソフトウェア(バージョン1.0)を使用して分析した。フィッティングアルゴリズムにより動力学的パラメーターを決定した。
【0164】
【表1】
【0165】
2.2 アルブミンに結合するA26 Fab−dsFv(645gH5gL4)についてのBIAcore動力学
BIA(生体分子相互作用分析)を、BIAcore T200(GE Healthcare)を使用して行った。F(ab’)断片特異的なAffinipure F(ab’) Fragmentヤギ抗ヒトIgG(Jackson ImmunoResearch)を、アミンカップリング化学によって、約5000反応単位(RU)の捕捉レベルまでCM5センサーチップ上に固定した。HBS−EP緩衝液(10mM HEPES pH7.4、0.15M NaCl、3mM EDTA、0.05%界面活性剤P20、GE Healthcare)を、ランニング緩衝液として10μL/分の流速で使用した。0.75μg/mLのFab−Fvの10μL注入を、固定化抗ヒトIgG−F(ab’)による捕捉のために使用した。ヒト血清アルブミン(HSA)、マウス血清アルブミン(MSA)、およびカニクイザル(Cynomolgus)血清アルブミン(CSA)を、種々の濃度(50nM〜6.25nM)にて、30μL/分の流速で、捕捉されたFab−Fv上で滴定した。10μL/分の流速で、50mM HClを2×10μL注入した後、5mM NaOHを5μL注入することにより、表面を再生した。標準手順に従って、バックグラウンドを除去した結合曲線を、T200evaluationソフトウェア(バージョン1.0)を使用して分析した。フィッティングアルゴリズムにより動力学的パラメーターを決定した。
【0166】
【表2】
【0167】
2.3 OX40およびアルブミンに同時に結合するA26 Fab−dsFv(645gH5gL4)の実証
A26 Fab−dsFvに対する、ヒトOX40およびヒト血清アルブミンの同時結合を評価した。A26 Fab−dsFvアルブミン結合についてのBiacore動力学のための方法で述べたようにセンサーチップ表面に、A26 Fab−dsFv構築物を捕捉した。50nM HSA、25nM OX40、または最終濃度が50nM HASおよび25nM OX40となる混合溶液を、捕捉されたA26 Fab−dsFv上で別々に滴定した。HSA/OX40混合溶液に対する結合応答は、個別の注入応答の合計に等しかった。これにより、Fab−dsFvはヒトOX40およびHSAの両方に同時に結合できることが確認される。
【0168】
【表3】
【0169】
2.4 A26 Fab−dsFv(645gH5gL4)の細胞ベースの親和性
方法:
ヒト活性化CD4OX40T細胞に対するA26 Fab−Fvの結合
フィコール勾配上で分離することにより、PBMCを単離し、4μg/mLのPHA−Lにより、37℃、5%CO、100%湿度で3日間活性化した。CD4T細胞を、磁気ビーズ(ヒトに対するCD4T細胞単離キットII;Miltenyi Biotec)を使用して、ネガティブセレクションにより単離した。約1×10細胞を、Facs緩衝液(PBS/0.2% BSA/0.09% NaN3)または5%HSAを添加したFacs緩衝液のいずれかの中で、抗体の存在下、4℃でインキュベートした。抗体の最終濃度は、48nM〜0.0005nMの範囲であった。細胞をPBS中で洗浄した後、FACScalibur(Becton Dickinson)を使用して、フローサイトメトリーにより分析した。2つの滴定データセット、すなわち、A26 Fab−dsFvによるデータセットと、非特異的な結合を測定するための、関係のない対照Fab−Fvによる第2のデータセットとを、両方の緩衝液条件で生成させた。結合した抗体のモル数を、異なるが既知量の蛍光色素から構成されるビーズの使用によって作成した標準曲線から内挿した値を使用して算出した。細胞およびビーズのフローサイトメトリー分析における幾何平均蛍光値を決定した。非特異的結合をA26 Fab−dsFv値から差し引き、こうして作成した特異的結合曲線を、1部位結合式を使用する非線形回帰(Graphpad Prism(登録商標))により分析して、Kを決定した。
【0170】
細胞表面に発現した抗原に対するA26 Fab−dsFvの親和性を決定するために、活性化されたCD4OX40T細胞およびAlexa Fluor488標識A26 Fab−dsFvを使用して飽和結合実験を行った。一連の抗体濃度にわたって平衡化した、受容体に対する抗体の特異的結合を使用し、結合曲線のいかなる時点においても、抗体の極めてわずかな割合のみが受容体に結合していると仮定して、Kを決定した。
【0171】
平衡結合は、以下の式を使用して記載される:
【化1】

受容体と抗体の結合速度=kon×[受容体遊離]×[抗体遊離]。
受容体−抗体複合体の解離速度=koff×[受容体−抗体]
平衡時には、結合速度と解離速度は等しく、結合等温線を記載する式を導出することができる;片対数プロット上で、結合はシグモイド状である。Kはkoff/konにより定義され、最大結合の半分が生じる濃度として結合曲線から算出することができる。
【0172】
活性化されたヒトCD4OX40T細胞に対するAlexaFluor488標識A26 Fab−Fvの結合を、5−log濃度範囲にわたりフローサイトメトリーにより測定した。A26 Fab−Fvについての代表的な結合曲線を図9Aに示す。5つの異なるドナーに由来する活性化細胞で得られた平均K値は、145pMである。A26 Fab、A26 Fab−Fv、およびA26 Fab−PEGについての比較結合曲線を、図9Bに示す。グラフは、異なるドナーを各実験で使用する4回または5回の実験の平均を表す。
【0173】
フィコール勾配上で分離することにより、PBMCを単離し、4μg/mLのPHA−Lにより、37℃、5%CO、100%湿度で3日間活性化した。これに続いて、CD4T細胞を、磁気ビーズ(ヒトに対するCD4T細胞単離キットII;Miltenyi Biotec)を使用して、ネガティブセレクションにより単離した。約1×10細胞を、Facs緩衝液(PBS/0.2% BSA/0.09% NaN3)または5%HSAを添加したFacs緩衝液のいずれかの中で、抗体の存在下、4℃でインキュベートした。抗体の最終濃度は、48nM〜0.0005nMの範囲であった。細胞をPBS中で洗浄した後、FACScalibur(Becton Dickinson)を使用して、フローサイトメトリーにより分析した。各A26型式に対するアイソタイプ対照抗体についての滴定データセットも作成して、非特異的結合を決定した。結合した抗体のモル数を、異なるが既知量の蛍光色素から構成されるビーズによって作成した標準曲線から内挿した値を使用して算出した。細胞およびビーズのフローサイトメトリー分析における幾何平均蛍光値を決定した。非特異的結合をA26 Fab−Fv値から差し引き、こうして作成した特異的結合曲線を、1部位結合式を使用する非線形回帰(Graphpad Prism(登録商標))により分析して、Kを決定した。
【0174】
【表4】
【0175】
実施例3:A26 Fab−Fvは、ヤケヒョウヒダニ(Dermatophagoides pteronyssinus)のアレルゲン性抽出物に曝露されたPBMCからのサイトカイン産生を調節する。
フィコール勾配上で分離することにより、アレルギーのボランティアからPBMCを単離し、精製したPBMCを、96ウェル丸底プレートにおいて、ウェル当たり200μLの最終容積で、試験抗体(50μg/mL〜0.0005μg/mLの濃度範囲)の存在下、ヤケヒョウヒダニ(Dermatophagoides pteronyssinus)のアレルゲン性抽出物に曝露した。37℃、5%CO、100%湿度で6日間インキュベートした後、上清を回収し、MSDによりIL−13含量についてアッセイした。図10(a)のグラフに、4人の中から1人の代表的なドナーの代表的なデータを示す。ここで、IL−13産生の阻害に対する平均EC50は0.87nM(0.6nM〜1.07nMの範囲)であった。
【0176】
【表5】
【0177】
A26 Fab−Fvは、ヤケヒョウヒダニ(Dermatophagoides pteronyssinus)のアレルゲン性抽出物による二次抗原再刺激後における、活性化された(CD25)CD4T細胞のパーセントを低下させる。
アレルギー性ドナー由来のCD4T細胞を、抗体非存在下または10μg/mlのA26 Fab’PEG、A26 Fab−Fv、もしくは対照Fab(A33 Fab’)の存在下、25μg/mlのヤケヒョウヒダニのアレルゲン性抽出物(Greer)および自己由来のAPCによりin vitroで7日間刺激した。細胞を洗浄し、3日間休止した後、ヤケヒョウヒダニ(Dermatophagoides pteronyssinus)の抽出物で先のように再刺激した(図13)。3日後、細胞を洗浄し、表面のCD3、CD4、およびCD25について蛍光染色した。次いで、FACS Cantoフローサイトメーター(BD)上でフローサイトメトリーにより細胞を分析した。生きているリンパ球およびCD3CD4発現に関して細胞をゲート制御した後、分析を行った。データは、平均値を含むn=3ドナーを表す。n.s、A26 Fab−Fv’を対照Fabと比較した(対応のある両側T検定を使用して有意性を評価した)。
【0178】
実施例4:A26 Fab−Fvは、Hu−NSGマウスモデルにおいて、CD4およびCD8T細胞の増殖を阻害する。
1×10のヒトPBMCを腹腔内に移植する1日前に、0.03、0.3、3、または30mg/kgのA26 Fab−Fvをマウスにs.c投与した。14日後に、終末麻酔下で心穿刺によりマウスを出血させ、次いで、頸椎脱臼により屠殺した。次いで、血液中のヒトCD4およびCD8細胞の数を、FACS分析により測定した(図10(b))。データ(n=10)を平均±SEMとして表し、Bonferroniポスト検定と一元配置分散分析により統計分析を行った。値は%阻害±SEMを表す。結果を図14に示す。Hu−NSGモデルにより、A26 Fab−Fvが、in vivoでヒトT細胞増殖を顕著に阻害することが実証され、T細胞媒介病態の阻害のための実行可能な治療候補物質としてA26 Fab−Fvが支持される。加えて、Fab−Fv型式は、Fab’PEG型式よりも低用量でより大きな効果をもたらした。ドナーT細胞のこの異種増殖応答の低下は、A26 Fab−FvがGVHDのための実行可能な治療になりうるという補強証拠を提供する可能性がある。
【0179】
実施例5:リガンド遮断能
細胞表面に発現したOX40と組換えOX40Lとの間の相互作用を遮断するA26 Fab−dsFvの能力を、フローサイトメトリーベースのリガンド遮断アッセイを使用して測定した。手短に言えば、活性化されたヒトCD4OX40T細胞を、A26 Fab−Fvの滴定と共にプレインキュベートした。続いて、組換えOX40Lを細胞に加え、A26 Fab−dsFvの存在下で結合させた。次いで、結合したOX40Lの割合を、標識二次試薬を使用して、フローサイトメトリーにより検出した。図11は、3人の別個のドナーからのデータを合わせて表す阻害曲線を示し、A26 Fab−dsFvがOX40L結合を完全に遮断することができることを実証する。組換えOX40L結合の阻害に対する平均IC50は0.44nM(n=3ドナー)であった。
【0180】
方法:A26 Fab−Fvによる、ヒト活性化CD4OX40T細胞に対するOX40L結合の阻害
フィコール勾配上で分離することによりPBMCを単離し、4μg/mLのPHA−L(Sigma)により、37℃、5%CO、100%湿度で3日間活性化した。次いで、MACSカラム(Miltenyi Biotech、CD4T細胞単離キットII)を使用して、ネガティブセレクションにより培養物からCD4T細胞を精製した。2×10のCD4T細胞を、A26 Fab−dsFv(最終濃度範囲10μg/mL〜0.000056μg/mL(136.6nM〜0.000765nM))の存在下、4℃で30分間インキュベートした。OX40L(ビオチン化CD252 muCD8、Ancell)を最終濃度2μg/mLに加え、4℃でさらに30分間インキュベートした。細胞を洗浄し、PE標識ストレプトアバジン(Jackson Immunoresearch)とインキュベートした後、FACS Canto(Becton Dickinson)を使用するフローサイトメトリーによる分析により、OX40L結合を検出した。対応する非OX40結合Fab−dsFvを、対照として使用した。非線形回帰(Graphpad Prism(登録商標))により阻害曲線を分析して、IC50を決定した。3人の別個のドナーからのデータを合わせて表す阻害曲線を、図11に示す。ここでデータポイントは平均を表し、エラーバーはSEMを表す。
【0181】
A26 Fab−Fvによる、OX40に対する組換えOX40L結合の阻害についての平均EC50は、0.445nMであった。これに比較して、下記に示すように、Fab−Fvよりも、A26 Fab’PEGは、リガンド遮断能がわずかに低く(EC50=0.739nM)、一方、A26 Fab’は、わずかに大きな効力(EC50=0.242nM)を有していた。
【0182】
【表6】
【0183】
実施例6ヒト機能in vitroアッセイにおける、A26 Fab−Fvの効果
OX40−OX40L依存性細胞間相互作用に対するA26 Fab−Fvの効果を、一連の抗原駆動ヒトリンパ球アッセイで評価した。これらのアッセイは、in vivoで生じることが予測される、Fv領域のアルブミン結合部位の飽和を保証するために、5%ヒト血清の存在下で行った。
【0184】
A26 Fab−Fvは、混合リンパ球反応を阻害する
一方向同種混合リンパ球反応(MLR)は、同種反応性T細胞の活性化および増殖のin vitroモデルである(Bach et al.,1964,O’Flaherty et al.,2000)。ドナーT細胞は、関係のないドナー刺激因子であるPBMC上の同種MHC抗原の認識によって活性化され、細胞増殖およびサイトカイン産生が生じる(Lukacs et al.,1993)。Tリンパ球同種反応は、同種MHC抗原および結合したペプチドの両方により駆動されることが示された(Sherman et al.,1993)。MLR反応の大きさは、応答因子−刺激因子対間のMHCミスマッチの程度と相関する(Forrester et al.,2004)。MLR応答は、応答するドナー由来の細胞の増殖、ならびにTh1(IL−2、IFN−γ、およびTNF−α)およびTh2(IL−4、IL−5、IL−10、およびIL−13)両方のT細胞由来サイトカインの産生をもたらす。MLRにおける正確なサイトカインプロファイルは、応答因子−刺激因子対に特異的であると考えられる(Jordan et al.,2002)。MLRアッセイは、T細胞活性化経路の検討、免疫抑制剤のスクリーニング、および移植レシピエントにおけるドナー器官拒絶の可能性の予測のための研究に広範に使用されている(Bromelow et al.,2001)。
【0185】
in vitroヒト同種反応性T細胞の活性化および増殖に対するA26 Fab−Fvの効果を、O’Flaherty et al.,2000により基本的に記載されるMLRアッセイを使用して検討した。2人の関係のないドナーに由来するPBMCを、A26 Fab−Fv、A26 Fab’、またはA26 Fab’PEGの存在下または非存在下で同時培養し、細胞増殖をHチミジン取り込みにより測定した。図12に示すように、A26 Fab−Fvは、濃度依存的に細胞増殖を阻害し、EC50値は0.56nM(40.9ng/mL)であり、最大阻害は55%(n=3ドナー対)であった。A26 Fab−Fvは、A26 Fab’PEGよりもわずかに効力が高く、表7に示すように、0.88nMのEC50値を示すが、一方A26 Fab’は0.25nMのEC50値を示した。
【0186】
2人の関係のないドナーに由来するヒトPBMCを全血から単離した。一方のドナー由来の細胞をγ−照射により不活性化して、刺激因子集団を生成した。残りのドナー由来の細胞は、応答因子集団を形成した。刺激因子と応答因子の集団を、1:1の比(1x10細胞/ドナー)で混合し、A26 Fab’、A26 Fab−Fv、またはA26 Fab’PEG(0.4ng〜25μg/mL)の存在下で、6日間培養した。社内試薬のCA162−01297.1 Fab−Fvを、アイソタイプがマッチした対照として利用した。H−チミジン取り込み(0.5μCi/ウェル)により6日目に細胞増殖を測定した。データは、生物試薬の非存在下における、応答因子+刺激因子の応答に対する阻害パーセントとして示し、3人のドナー対に由来するデータを合わせたものである。Graphpad Prism(登録商標)ソフトウェアを使用して、EC50値を算出した。
【0187】
【表7】
【0188】
ヒトMLRからの上清も分析して、サイトカイン産生に対するA26 Fab−Fvの効果を検討した。図12Bに示すように、A26 Fab−Fvは、MLRにおけるIFN−γの産生を顕著に平均81%(n=3ドナー対)阻害した。2人の関係のないドナーに由来するヒトPBMCを全血から単離した。一方のドナー由来の細胞をγ−照射により不活性化して、刺激因子集団を生成した。残りのドナー由来の細胞は、応答因子集団を形成した。刺激因子と応答因子の集団を、1:1の比(1x10細胞/ドナー)で混合し、25μg/mLのA26 Fab’、A26 Fab−Fv、もしくはA26 Fab’PEG、または対照(A33 Fab’もしくはCA162.01297.1)の存在下で、6日間培養した。上清を回収し、MSDアッセイによりIFN−γ含量についてアッセイした。阻害パーセントを抗体なしで培養した細胞と比較して算出した。グラフは、3人のドナーに由来するデータをプールして表す(平均±S.E.M)。**=p<0.01;A26 Fab−Fvを対照Fab−Fvと比較した(対応のある両側T検定を使用して有意性を評価した)。
【0189】
実施例7 ヒトMLRにおける、NK細胞に対するA26 Fab−Fvの結合
MLR中のNK細胞分裂に対するA26 Fab−Fvの効果を検討した。Tリンパ球同種反応は混合リンパ球応答を駆動し、A26 Fab−Fvは、この系のT細胞分裂およびIFNγ産生を顕著に阻害する。NK細胞分裂の阻害はまた、IFNγ産生の低下に寄与する可能性がある。CFSE標識応答細胞を使用して、NK細胞分裂の阻害を、分裂集団のFACS分析により実証した(データを示さず)。細胞分裂の2つの異なる尺度を示す。分裂指数は、もとの集団内の細胞が行った細胞分裂の平均数を表し、分裂していない細胞を含む;A26 Fab−Fvにより、分裂指数が低下し、集団内で分裂に入っている細胞がほとんどないことが示される;この効果は、おそらくOX40を発現しているNK細胞により媒介される。増殖指数は、応答する集団のみの増殖を反映し、この尺度を使用するA26 Fab−Fvの阻害効果は、相対的に低下する。
【0190】
実施例8 ヒトin vitroアッセイにおける、A26 Fab−Fvについての平均K/EC50
【0191】
【表8】
【0192】
本発明を例のみによって説明してきたが、これは決して限定することを意図するものではなく、以下の特許請求の範囲内で、詳細を変更することができることは、当然理解されよう。本発明の各実施形態の好ましい特徴は、必要な変更を加える他の実施形態のそれぞれに関しても同様である。これらに限定されるものではないが、特許および特許出願を含む、本明細書に引用のすべての刊行物は、あたかも、それぞれ個々の刊行物が、具体的かつ個々に、完全に示されるかのように参照により本明細書に組み込まれるように指示されたかのように、参照により本明細書に組み込まれるものとする。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9a
図9b
図10a
図10b
図11a
図11b
図12a
図12b
図13
図14A
図14B
図14C
図14D
【配列表】
[この文献には参照ファイルがあります.J-PlatPatにて入手可能です(IP Forceでは現在のところ参照ファイルは掲載していません)]