特許第6367715号(P6367715)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6367715筒体の表面処理のための作業機械及び関連方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6367715
(24)【登録日】2018年7月13日
(45)【発行日】2018年8月1日
(54)【発明の名称】筒体の表面処理のための作業機械及び関連方法
(51)【国際特許分類】
   B23K 26/08 20140101AFI20180723BHJP
   B23K 26/352 20140101ALI20180723BHJP
【FI】
   B23K26/08 F
   B23K26/352
【請求項の数】12
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2014-547740(P2014-547740)
(86)(22)【出願日】2012年12月5日
(65)【公表番号】特表2015-500745(P2015-500745A)
(43)【公表日】2015年1月8日
(86)【国際出願番号】EP2012005015
(87)【国際公開番号】WO2013091780
(87)【国際公開日】20130627
【審査請求日】2015年9月10日
(31)【優先権主張番号】MI2011A002330
(32)【優先日】2011年12月21日
(33)【優先権主張国】IT
(73)【特許権者】
【識別番号】509201724
【氏名又は名称】テノヴァ ソシエタ ペル アチオニ
(74)【代理人】
【識別番号】100092093
【弁理士】
【氏名又は名称】辻居 幸一
(74)【代理人】
【識別番号】100082005
【弁理士】
【氏名又は名称】熊倉 禎男
(74)【代理人】
【識別番号】100088694
【弁理士】
【氏名又は名称】弟子丸 健
(74)【代理人】
【識別番号】100095898
【弁理士】
【氏名又は名称】松下 満
(74)【代理人】
【識別番号】100098475
【弁理士】
【氏名又は名称】倉澤 伊知郎
(74)【代理人】
【識別番号】100170634
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 航介
(72)【発明者】
【氏名】トレヴィサン クラウディオ
(72)【発明者】
【氏名】ガボアルディ パオロ
(72)【発明者】
【氏名】ボセリ ジョヴァンニ
【審査官】 岩瀬 昌治
(56)【参考文献】
【文献】 特開2006−075854(JP,A)
【文献】 特開2011−098378(JP,A)
【文献】 特開2000−301369(JP,A)
【文献】 特開平05−329667(JP,A)
【文献】 特開2004−106015(JP,A)
【文献】 特開平07−239563(JP,A)
【文献】 特開2004−306057(JP,A)
【文献】 特開昭64−022406(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B23K 26/08
B23K 26/352
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
筒体(C)の表面処理のための機械(M)であって
前記筒体(C)を支持し、これをそれ自体の長手方向軸線(X)回りに可変の回転数で回転させる第1の作業ステーション(MA)と、
前記筒体(C)の表面(S)にランダムに当たって該表面(S)上に所望の粗さを提供するパルスレーザ放射線を発生させて該パルスレーザ放射線を光ファイバ装置によって放出するために前記第1の作業ステーション(MA)と協働する少なくとも1つの第2の作業ステーション(MB)とを有し、
前記パルスレーザ放射線は、電気制御レーザ発生器(GE)により放出され、前記パルスレーザの持続時間及びパルスレーザの時間間隔は、独立してランダムであることにより特徴付けられ、
少なくともレーザ処理のための前記第2の作業ステーション(MB)は、前記筒体(C)の軸線(X)に対して平行な第1の方向(K)において、可変の移動速度で制御可能に移動するように前記第1の作業ステーション(MA)に配置され、かつ、
可変の出力のレーザ発生器からパルスレーザ放射線を送出するための光学ファイバ装置と、ランダムにレーザ放射線を形成するように時間単位当たりのレーザパルスの数が可変である前記放射線を発射するための1つ又は2つ以上の放出ヘッド(8)と、を備え、
前記少なくとも1つの放出ヘッド(8)は、前記第1の方向(K)に前記手段を制御可能に移動させるための移動手段(MOT2,5)を有する支持手段(6)に組み込まれ、
前記手段(6)は、前記軸線(X)に垂直な第2の方向(Z)に前記筒体(C)の表面(S)に対して移動するように構成された少なくとも1つのアーム(7)を備え、
レーザ処理のための前記少なくとも1つの装置(MB)は、前記回転数、前記移動速度、前記出力、及び、単位時間当たりのレーザパルスの数が変化できる場合に、特定の表面(S)の粗さを生じさせるために積層された筒体(C)の表面(S)上にランダムに分布するように微小凹部を形成するように構成されている、機械。
【請求項2】
1つ又は2つ以上の前記1つ又は2つ以上の放出ヘッド(8)は、前記第1の方向(K)及び前記筒体(C)に平行な第3の方向(W)に動くことができる、請求項1記載の機械。
【請求項3】
前記第2の作業ステーション(MB)は、レーザインパルス列を放出する前記1つ又は2つ以上の放出ヘッド(8)と、前記1つ又は2つ以上の放出ヘッド(8)を支持すると共に前記方向(W,Z)における前記筒体(C)の前記表面(S)に対する前記1つ又は2つ以上の放出ヘッド(8)の位置を調節する手段(6,7,9,10,11,12,13)と、前記筒体(C)の前記軸線(X)に平行な前記第1の方向(K)における前記1つ又は2つ以上の放出ヘッド(8)の前記支持及び調節手段(6,7,9,10,11,12,13)のための運動手段(MOT2,5)とを有する、請求項1又は2記載の機械。
【請求項4】
前記支持及び調節手段(6,7,9,10,11,12,13)は、前記1つ又は2つ以上の放出ヘッド(8)を支持するのに適した少なくとも1本のアーム(7)を含み、前記1つ又は2つ以上の放出ヘッド(8)は各々、ガイド(10)上で移動可能であるトロリ支持体(9)に取り付けられ、前記トロリ支持体は、連結ロッド(11)によって前記トロリ(9)に連結されたモータ手段(12,13)のスラストを受けて前記方向(W)に沿ってそれ自体前記アーム(7)に対する前記1つ又は2つ以上の放出ヘッド(8)の位置の移動を可能するのに適している、請求項3記載の機械。
【請求項5】
前記運動手段(MOT2,5)は、少なくとも、モータ(MOT2)のスラストを受けて前記第1の作業ステーション(MA)のベース(1)に取り付けられたガイド(5)上で摺動する構造体(6)を含む、請求項2又は3記載の機械。
【請求項6】
光ファイバ装置によってパルス化され、前記1つ又は2つ以上の放出ヘッド(8)によって放出される前記衝撃レーザ放射線は、前記粗さをもたらす前記表面(S)上の切り込み又は凹部の分布を生じさせるのに適している、請求項1〜4のうちいずれか一に記載の機械。
【請求項7】
前記機械は、前記パルスレーザ放射線を運ぶ光ファイバ手段を有する、請求項1〜6のうちいずれか一に記載の機械。
【請求項8】
前記アーム(7)は、特定の指令によって前記第2の方向(Z)に沿う前記1つ又は2つ以上の放出ヘッド(8)の位置を連続的に調節することができる、請求項4記載の機械。
【請求項9】
特定の表面粗さを得るための筒体(C)の表面処理方法であって、
前記方法は、前記筒体(C)をそれ自体の軸線(X)回りに可変の回転数で回転させる段階と、
−前記筒体(C)の前記軸線(X)に対して平行な第1の方向(K)に沿って、前記筒体(K)に対して可変の移動速度で、支持手段(6)を有する少なくとも1つの放出ヘッド(8)を移動させる段階と、
−前記手段(6)に組み込まれたアーム(7)を、前記軸線(X)に横向きの第2の方向(Z)に移動させる段階と、
−パルスレーザ放射線を可変出力のレーザ発生器から前記少なくとも1つの放出ヘッド(8)へ送出する段階と、
少なくとも1つの放出ヘッド(8)によって放出され、単位時間当たりのレーザパルスの数が可変なインパルス列を前記筒体(C)の表面(S)に作用させ、これにより、前記表面(S)にランダムな分布の切り込み又は凹部を生じさせ、前記表面に特定の粗さを定める段階と、を有し、
前記少なくとも1つの放出ヘッド(8)によって放出されたインパルス列の持続時間及びインパルス列の時間間隔は、独立してランダムである、方法。
【請求項10】
前記少なくとも1つの放出ヘッド(8)の前記調節は、前記軸線(X)に対して横の第2の方向(Z)における前記筒体(C)の前記表面(S)に対する前記少なくとも1つの放出ヘッド(8)自体の位置を調節することによって行われる、請求項9記載の方法。
【請求項11】
前記少なくとも1つの放出ヘッド(8)は、前記第2の方向(Z)それ自体に垂直な第3の方向(W)において振動状態で動くことができる、請求項9記載の方法。
【請求項12】
前記少なくとも1つの放出ヘッド(8)の前記移動は、この放出ヘッド(8)を前記筒体(C)の前記軸線(X)に平行な第1の方向(K)に摺動させることにより行われる、請求項9又は10記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、作業筒体、特に貼合せ用筒体の表面処理を行う作業機械及び関連方法に関する。
【0002】
本発明は、有利には、例えば、或る特定の粗さ特性又はパラメータを備えた金属ラミネートの製造に適した筒体が受ける表面処理を行う際に利用されて金属ラミネートが特定の用途、例えば成形及び塗装に用いるのに適したものにする。
【0003】
したがって、以下の説明は、具体的にはこの種の用途に関するが、それと同時にその一般性が維持される。
【背景技術】
【0004】
金属貼合せ方法は、金属シートを1対の回転筒体中に通す段階を有し、それにより金属シートに或る特定の厚さ及び硬さを与え、又、場合によっては自動車又は家庭電化製品の製作用の扁平な製品の冷間貼合せの際に、幾何学的表面特徴がネガの状態で処理されるシート上に運ばれたときに特定の表面粗さを与える。
【0005】
上述の粗さパラメータ及びその結果としての貼合せ用筒体の表面特性は、かかる貼合せ用筒体の通過によって得られたシートの最終使用に関連してあらかじめ定められる。
【0006】
貼合せのために用いられる上述の筒体は、一般に、製造プロセス中に受ける劣化に起因して定期的に研削されなければならず、この研削プロセスは、筒体の表面に所望の特性の全てを与えるには必ずしも十分とは言えず、場合によっては、例えば上述の用途において、或る特定の粗さの度合いを得ると共に制御することができる別の表面処理を必要とする。この粗さが有すべき特性の全てに関し、この粗さは、凸部(山部)と凹部(谷部)の分布として定義されることは指摘されるべきである。これら凹部は、多かれ少なかれ一様な寸法を備えなければならずしかもできるだけランダムに分布されなければならない。
これら貼合せ用筒体の表面を処理する現時点において知られている技術は、種々の多少複雑な技術を利用しており、これら技術のうちで最も広く用いられている技術は、サンドブラスチング及び当業者によりEDT(Electro Discharge Texturing:放電表面模様付け)とも呼ばれている放電加工である。
【0007】
これら処理技術は、平均粗さの良好な調整を可能にするが、プロセス上危険であると共に大きな環境へのインパクトがあるという特徴を有し、その結果、運転費の高さに加えて残留物の管理及び処分が相当複雑になる。
【0008】
サンドブラスチングは、例えば、大規模プラントを必要とし、かかる大規模プラントは、これらの機能を実行するため、騒音が大きく且つ危険でもある大型タービンを用いており、更に、このプロセスでは、研摩砂により放出される相当高い毒性の粉末が生じ、これら粉末は、専用システムによって浄化されると共に濾過されなければならない。
【0009】
最後に、この方法の性質上、用いられる研摩剤に起因して相当な保守が必要であり、かかる研摩剤は、適切には保護することができない多くのコンポーネントを損傷させる。
【0010】
上述の全てに加えて、サンドブラスチングは、粗さの良好な制御を可能にすることはなく、その結果、このプロセスで処理される筒体は、粗さレベルに関して均一性の貧弱なラミネートを生じさせる。
【0011】
放電加工又はEDTは、得られる粗さの均一性によると共に機械加工ステップの痕跡が全くないので定性的観点からは最善の結果を現在提供している技術である。
【0012】
しかしながら、このプロセスは、可燃物、例えば誘電性液体が広く用いられているので極めて危険であり、したがって、考えられる着火源が生じないようにするために複雑精巧な防火システムの導入を必要としていることは注目されるべきである。
【0013】
EDTの環境に対するインパクトも又相当なものであり、それどころかサンドブラスチングの環境に対するインパクトよりも大きい。と言うのは、誘電性液体は、極めて毒性が高いのでこれ又極めてコスト高である専用手順により処分しなければならない場合が多いからである。
【0014】
EDTプロセスの変形例は、それほど普及していないが、材料が微小凹部を形成するよう局所的に溶融されてこの微小凹部の側部のところに堆積するEBT(Electron Beam Texturing:電子ビーム模様付け)プロセスである。
【0015】
このプロセスを実施する機械の顕著な欠点としては、筒体が処理中、実質的に矯正真空度が存在するチャンバ内に位置決めされなければならず、機械が極めて高価になると共に保守が困難であり、最終的に貼合せ環境に不適当であるということにある。
【0016】
また、材料をEDT技術の場合のように除去するのではなく、材料を筒体の表面に被着させることによって所望の粗さを得ようとしている他の技術も又存在するが、これまでに得られた結果は、工業用途にとって興味のあるものではない。
【0017】
現在入手できて上述の技術の相当大きな問題を解決することができる筒体の別の処理技術は、連続二酸化炭素レーザビーム、即ち「CO2レーザ」を用いて筒体の表面の切り込み処理を行うことである。
【0018】
連続CO2レーザビームによる上述の処理は、強力であり(ビームは、kWオーダの出力値に達する場合がある)、かかる処理は、環境上の観点からはインパクトをもたらさないが、欠点がないわけではなく、例えば、処理されるべき筒体の表面に向かう光ビームの伝搬が特に融通性を欠き、取り扱いに注意を有するという欠点がある。「中赤外」周波数範囲での動作によって、事実(ガラスが不透明であり、その結果光ファイバが機能しない場合)、ビームは、鏡及びレンズシステムによって処理されるべき部品に切り込みを入れるようになり、この技術上の問題により、処理されるべき筒体とレーザビームエミッタの相対運動の生じ方が複雑になる。さらに、比較的広い断面を有し、空気中に伝搬しそして赤外周波数範囲内で動作するときに目に見えない連続高出力ビームの使用により、これら機械は、特に目の損傷の可能性があるので本来的に危険なものになる。したがって、システム全体(光路を含む)は、危険な管理されない状態の反射光の発生を回避するよう遮蔽されなければならない。
【0019】
CO2レーザビームの伝搬上の問題により、規則性なしで表面を作ることが極めて困難であり、この技術により作られる切り込み順序は、貼合せ用筒体に通過線をもたらす傾向があり、これら切り込みシーケンスは、金属ラミネートに多くの用途、例えば自動車又は家庭電化製品の外部部品として用いられるのに適したラミネートの塗装では用いることができない粗さの品質を与える。
【発明の概要】
【0020】
したがって、本発明の目的は、上述の先行技術の欠点を解決することができる方法の実施に用いられる機械を提供することにある。
【0021】
特に、本発明の目的は、通常の機械工具に特有の環境上のインパクトを無視できる状態にして有効な結果をもたらすことができる作業筒体の表面処理のための新規な機械を提供することにあり、このようにして作られた筒体の使用により、特に満足の行く粗さを有すると共に例えば上述した高品質用途向きの金属ラミネートを得ることができるようになっている。
【0022】
別の目的は、迅速且つ効果的でありしかも経済的に有利な作業筒体の表面処理方法を提供することにある。上述の目的を考慮して、本発明によれば、添付の特許請求の範囲に記載された特徴を有する筒体の表面処理のための機械が関連方法と共に提供される。
【0023】
本発明の構造的及び機能的特徴並びに公知の技術と比較した場合のその利点は、添付の図面を参照して以下の説明を読むと明らかになり、添付の図面は、問題の表面処理のための作業機械の好ましいが非限定的な実施形態の概略を示している。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1】筒体の表面処理のための機械の好ましい実施形態の概略平面図である。
図2図1に示されている機械の横断面図である。
図3図1に示されている機械の作業コンポーネントの概略正面図である。
図4図3に示されたコンポーネントの細部の概略拡大平面図である。
図5】本発明による機械内で作動する筒体の表面上に望ましい粗さを生じさせるのに適したレーザパルスの発生プロセスを概略的に示すグラフ図である。
図5a】本発明による機械の制御に関連した幾つかのコンポーネントを示すブロック図である。
図5b】本発明による機械の制御中、作用状態にある機能的変数の図である。
図6図1図2図3及び図4に示されたコンポーネントで得ることができる処理済み筒体の平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
図1を参照すると、Mは、全体として、作業筒体C自体の周面延長部全体又は表面Sに制御されると共に最適な粗さを提供するために作業筒体Cの表面Sに対して処理を行うのに適した好ましくは自動式、場合によっては数値制御式の作業機械を示している。
【0026】
特に、機械Mの使用によって適当に処理される1対の筒体Cが有利に且つ効果的に、高品質用途、例えば自動車又は家庭電化製品業界で用いられる金属シートの成形及び塗装向きの金属シートの貼合せを行うのに採用される。
【0027】
機械Mは、実質的に、互いに協働すると共に結合されていて、図1に符号MA及びMBで示された2つの作業ステーションで構成されている。
【0028】
機械MのステーションMAは、実質的に、モータMOT1の作用を受けて筒体Cをそれ自体の長手方向軸線X回りに回転させるのに適したグループ2又は部品ホルダヘッドのための支持ベース1であって、グループ2と一緒に、筒体Cを処理中、軸方向に拘束する目的を有するグループ3又は心押し台センタを支持する支持ベース1によって構成されている。
【0029】
処理中における筒体Cの支持は、圧延機筒体に関する研削技術において通常行われているように、「リュネット(lunette)」と通称されている1対の適当な支持体4によって行われるのが良く、リュネット4の各々は、支持が行われる筒体の部分の直径にそれ自体適合するよう半径方向に調節可能な少なくとも2つのスライダ4aを備え、「リュネット」4は、従来通り、支持ベース1に搭載状態で収容されるのが良い。しかしながら、筒体Cが特定の幾何学的特性を有する場合、筒体Cを支えるためのユニット2,3を用いてその回転軸線を構成する(センタ相互間の支持体)ことが可能であることを明らかであり、この場合、「リュネット」4は、用いられない。
【0030】
機械MのステーションMBは、従来通りベース1に搭載状態で位置決めされた1対のガイド5上を摺動し、このステーションMBは、少なくとも、筒体Cの回転軸線Xに平行な第1の方向Kに沿って動くことができる例えば門形の支持構造体6を有する。
【0031】
ガイド5は、例えば静水力学的又は動水力学的(公知であって図示されていない)のロールを備えるのが良く、これに対し、1つ又は複数の可動構造体6は、1つ又は2つ以上のモータMOT2によって作動されるのが良い。
【0032】
ステーションMBの構造体6は、1本又は2本以上のアーム7を支持するのに適しており、かかるアームは、機械Mが図2に示されている平面内において軸線Xの線により構成される機械のセンタに対して半径方向又は第2の方向Zに動くことができる。
【0033】
この方向は、符号Zで示されており、軸線X及び方向Kに垂直であり、この運動は、公知の手段により生じ、したがって、図示されていない。
【0034】
アーム7は、以下に説明する適当な支持及び移動機構体によって、光ファイバ14によってレーザ発生器GEに連結されると共にその一部をなすパルス化ビーム又はレーザパルス列のエミッタ又は放出ヘッド8を支持するのに適している。
【0035】
これらレーザパルス列の特性は、図5の略図に示されており、図5は、横軸に時刻tを示し、縦軸に信号状態、即ち、高若しくは状態1又は低若しくは状態0を示している。
【0036】
一般に、状態0及び状態1の持続時間のランダムな変化の観点でサウンド(音)が重ね合わされた基準が存在する。低状態0及び高状態1に追加させるサウンドの値は、一般に、様々である。
【0037】
図5aは、光ファイバレーザビームの発生及び制御に関連した部分をなすコンポーネントのブロック図である。
【0038】
処理パラメータ、例えばパルス及びサウンド曲線の特性は、例えばヒューマン‐マシンインターフェースを管理するのに適した装置のコンピュータ上に設置される監視インターフェースによって定められ、この場合、パルス発生器は、レーザ発生器GEにプローブの出口のところのレーザビームの存在に対応していて、定められた特性を持つ基準信号を与える。
【0039】
レーザ発生器GEは、持続時間及びエネルギーがシステムを充電する遅延時間(状態0)とパルス持続時間又は高状態1の両方に束縛されたビームを放出する。
【0040】
図5bは、筒体を切断するレーザの特性を概略的に示しており、発生器GEは、持続時間Dnを備えた全体的強度In及び1つの信号Dnと別の信号Dn+1との間の無音間隔Snを有するレーザ信号を放出することができる。
【0041】
図5bに示されているグラフ図は、変数In,Dn,Snの全てを必要に応じて発生器GEの適当な制御システムによって変化させることができるということを明確に示している。
【0042】
ヘッド8の他の基本的且つ特定の特徴は、GEにより発生する信号が嵩張っておらず、しかも機械的に柔軟性である単一の光ファイバによって運ばれるということにあり、旧式CO2技術に対するその利点については以下において明確にされよう。
【0043】
図3及び図4に示されている本発明の非限定的な実施形態の実施例に示されている技術内容に従って、ヘッド8は、トロリ9に固定されており、トロリ9は、適当な支持ガイド10によって、第1の方向K及び上述の筒体Cの軸線Xに平行な第3の方向Wに沿って走行することができる。方向Wに沿うヘッド8の考えられる移動は、例えば、符号13で示されている適当な回転発生器によって回転する連結ロッド11及びクランク12により図3及び図4に示されている共通連結ロッド‐クランク機構体によって決定できる。
【0044】
上述の単純な機構体により、使用の際、ヘッド8単独の位置の調節運動を方向K,Xに平行な方向Wに沿って且つMOT2により1つ又は複数の構造体6に課される運動の法則と別個独立の運動の法則により生じさせることができ、更に、偏心体12に作用することにより方向Wに沿う走行の範囲を調節することも又可能である。
【0045】
手短に言えば、筒体Cに対するヘッド8の位置を2つの運動の自由度、即ち、2つの目的でアーム7の運動により得られる方向Zにおける筒体Cからのマイクロメートル規模の調節と筒体Cに向かうマイクロメートル規模の調節に従って動かすことができ、第1の目的は、ヘッドの位置を所望の相対距離L(図6)で処理されるべき筒体の直径に適合させることにあり、第2の目的は、この相対距離Lを一定に保つためにヘッドの位置を方向Zに沿って変化させることにあり、筒体の輪郭形状に対する方向Kに沿う位置MBの変化は、この輪郭形状が「扁平」ではないことを仮定しており、特に金属の貼合せで用いられる筒体は、事実、凹に湾曲し、凸に湾曲し、正弦波の又はより一般的に多角形であるのが良い種々の形状の輪郭形状を有する。
【0046】
さらに、ステーションMBがアーム7にそれぞれ組み付けられた2つ以上のレーザヘッド8を備えた変形例として機械Mが構成されている場合、これらアームは、同時に作動することができ、そして筒体Cの表面Sの種々の領域に及んでこれらを処理することができ、その結果、プロセスがより迅速になる。
【0047】
さらに、互いに異なる運動の法則が各ヘッド8の軸線Wについて適用される場合、より効果的なランダム化効果を得ることができる。
【0048】
このように、使用の際、機械Mにより、筒体Cの表面Sそれ自体上に或る特定の粗さを生じさせる切り込み穴又は微小凹部の分布を筒体Cの表面S上に形成することができる。
【0049】
説明のこの時点において、指摘されるべきこととして、ヘッド8のうちの1つ又は2つ以上への自由度Z及び場合によってはWの適用は、レーザ信号が旧式CO2技術により発生させた場合には事実上不可能であり、と言うのは、この信号は、事実、鏡及びレンズによってしか「運ばれる」ことができないからであり、発生器GEは、トロリ9上に直接組み付けられる必要があるが、これら装置の質量及び走行により、許容可能な動的特性を備えた上述の自由度W及びZの適用が不可能ではないとしても極めて困難になる。
【0050】
注目されるべきこととして、一般に、筒体の表面処理の品質又はこの筒体の表面の粗さを定める次の3つの主要な基本的パラメータが存在する。
‐筒体の表面上に作られる微小凹部の深さ、
‐例えば直径が筒体の表面に一致した状態で特定されるのが良いこれら微小凹部の寸法、
‐筒体の表面の既定の領域における微小凹部の密度及び分布。
【0051】
本発明の目的である上述の表面処理機械Mの使用により、微小凹部の深さ及び寸法をレーザ発生器GEの出力の変化(このパラメータは、図5bのグラフ図の大きさIで定められる)及び放出ヘッド8と筒体Cの表面Sとの間の距離の変化によって調節される。この距離は、方向Zに沿って筒体Cに対して垂直に並進することができるアーム7によって代えられる。
【0052】
筒体Cと放出ヘッド8との間の距離は、いったん調節されると、筒体Cの処理サイクル全体について一定に保たれる。
【0053】
次に、筒体C上に作られた微小凹部の密度を種々のパラメータ、例えば筒体Cのそれ自体の軸線X回りの回転速度、方向Kに沿う構造体MBの並進速度、方向Wに沿うトロリ9の並進運動の速度及び範囲(実施される場合)及び時刻単位でレーザヘッド8により放出されるレーザパルスの数、即ち、図5bのグラフ図に示されている変数Dn及びSnの組み合わせに作用することよって調節される。
【0054】
注目されるべきこととして、上述のパラメータの全てを機械Mの作動段階中に適切に変化させることができ、かくして、微小凹部の完全にランダムな分布を得ることができ、この場合、最終の処理済み製品を許容できないものにする場合のある通過線又は等間隔でのシーケンスの繰り返しが存在しない。
【0055】
具体的に説明すると、機械Mの機能実行サイクル中、グループ3又は部品ホルダヘッドの速度をサイクルに従って例えば或る特定の平均値を中心とした正弦波の動向につれて変化させることができ、これに対し、構造体MBは、筒体の軸線Xに平行に並進する。
【0056】
トロリ9は、要素11,12,13により構成される連結ロッド‐クランク機構体により構造体MBの並進と同時に動かされ、かくして、筒体Cの表面の放電加工プロセスの別の「ランダム化」源が作られ、このランダム化源は、運動発生器13に運動の非一定の法則を課すことによって追加的に増強できる。
【0057】
したがって、筒体Cの表面Sの粗さ(Ra)と表面Sそれ自体に切り込みが入れられるピークの数の両方を変化させることが可能なので有利である。
【0058】
レーザ発生器Gにより作られるパルスの数も又、図5及び図5aに概略的に示されているようにディスプレイインターフェース(コンピュータにより)動作パラメータをランダムに設定することによって変化させることができるので有利である。
【0059】
この時点において、公知のCO2レーザ技術に対する本発明の別の顕著な利点は、極めて明らかであり、この場合、事実、レーザ信号は、一定強度Iを有し、したがって、ピークDnと無音部Snの交番が何ら存在しないCO2源によって放出され、その結果、筒体Cの表面S上にレーザの一種の切り込みランダム性を得る唯一の方法は、CO2レーザエミッタと表面Sとの間に、KHzオーダの周波数でビームの通過を可能にし又はこれを妨害することができるシステムを介在させることである。
【0060】
これは、例えば、ランダム化源と処理されるべき表面Sとの間に位置決めされていて、境界部に一連の正方形の歯を支持したディスク及びこの領域と一致して正確に通過するレーザビームによって達成できる。
【0061】
このディスクは、いったん回転すると、図1の一連のピークDn及び無音部Snを発生させるが、可変性は、このディスク上に利用することができる歯の数に制限され、即ち、負担という実際的理由により、大きすぎてはならないディスクそれ自体の直径に制限され、ディスクが回転をいったん停止すると、一連の歯が繰り返され、かくして「ランダム化」原理を不可避的に損なう周期性が生じることは、明らかである。この問題を解決する手段のうちの1つは、可変回転運動をディスクに与えることであるが、最終的には、技術の現状では、本発明の8つの変数、即ち、軸線Z回りの筒体の回転、Kに沿う1つ又は複数の構造体6の運動の法則、方向Wにおける軌道、偏心体12の運動の法則、Zに沿うヘッドの位置、レーザパルスの強度I及びパルスDnと無音部Snの持続時間に対する3つのランダム化変数(筒体の角速度、ディスクの角速度及びヘッド‐シリンダ相対距離)が想定されている。
【0062】
筒体Cの表面処理のための機械Mの機能実行サイクルは、以下の作動段階に従って行われ、即ち次の通りである。
‐筒体CをステーションMA上に位置決めする。
‐特定のインターフェースで上述の処理パラメータを設定した後、機械Mを始動させ、筒体Cが軸線X回りに回転し始める。
‐各放出ヘッド8を適当な駆動装置によりあらかじめ定められた近い距離Lのところで筒体Cの近くのアーム7(公知であり、図示されていない)上に位置決めし、駆動装置11,12,13は、ヘッド8をあらかじめ定められた行程で方向Wに振動させる。この時点で、ヘッド8は、レーザパルス列を放出し始め、これらレーザパルス列は、筒体Cの表面Sの周囲に沿ってストリップ上に配置された箇所に順次当たる。このように、1つ又は複数の門形構造体の並進と共に筒体の回転により、このストリップは、螺旋体を形成し、この螺旋体は、処理されている筒体Cの表面全体上に次第に延び、筒体Cの最終粗さを定める微小凹部の分布が表面S全体上に作られる。これら凹部を作るランダム性は、本発明の開示に従って、上述のパラメータで決まり、プロセス中に動的に調節可能なかかる多数のパラメータにより、凹部の完全にランダムな分布を必要に応じて筒体C、特に金属の貼合せのための筒体を用いたプロセスによって得ることができる。
‐表面処理をいったん完了すると、各ヘッド8をその駆動装置のスラストを受けて筒体Cから遠ざけ、機械Mを処理済み筒体Cの除去のために自動的にセットアップする。
図1
図2
図3
図4
図5
図5a
図5b
図6