(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記ゼブラゾーン認識手段は、前記候補検出手段により検出された前記候補線である第1候補線において、前記車両に近い側のエッジ線が実線であり、且つ前記車両に遠い側のエッジ線が破線である場合に、前記第1候補線から前記道路の幅方向における遠方側をゼブラゾーンとして認識する請求項1に記載のゼブラゾーン認識装置。
前記ゼブラゾーン認識手段は、前記候補検出手段により、前記車両の左右両側のうちの前記第1候補線と同じ側において、前記第1候補線よりも前記車両から遠方に、前記第1候補線と並列して前記候補線である第2候補線が検出されており、且つ、前記第2候補線において、前記車両に近い側のエッジ線が破線であるとともに、前記車両に遠い側のエッジ線が実線である場合に、前記第1候補線と前記第2候補線とで挟まれた領域をゼブラゾーンとして認識する請求項2に記載のゼブラゾーン認識装置。
前記ゼブラゾーン認識手段は、前記第1候補線から前記道路の幅方向における遠方側において、前記第1候補線に近接した所定領域における輝度値が閾値よりも大きい場合に、前記第1候補線から前記道路の幅方向における遠方側をゼブラゾーンとして認識する請求項2〜4のいずれかに記載のゼブラゾーン認識装置。
前記ゼブラゾーン認識手段は、前記第1候補線から前記道路の幅方向における遠方側において、前記第1候補線に近接した所定領域における路面の明暗パターンが、ゼブラゾーンのパターン形状にマッチングした場合に、前記第1候補線から前記道路の幅方向における遠方側をゼブラゾーンとして認識する請求項2〜5のいずれかに記載のゼブラゾーン認識装置。
前記エッジ検出手段は、前記画像の走査方向における輝度値の変化に基づいてエッジ点を抽出し、抽出した複数の前記エッジ点により特定される線を前記エッジ線として検出する請求項1〜6のいずれかに記載のゼブラゾーン認識装置。
前記実破線判定手段は、前記エッジ検出手段により検出された前記エッジ線に含まれる前記エッジ点の密度に基づいて、前記エッジ線が実線か破線かを判定する請求項7に記載のゼブラゾーン認識装置。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、ゼブラゾーン認識装置、及び白線認識装置(走行区画線認識装置)を具現化した各実施形態について、図面を参照しつつ説明する。なお、以下の各実施形態相互において、互いに同一もしくは均等である部分には、図中、同一符号を付しており、同一符号の部分についてはその説明を援用する。
【0012】
(第1実施形態)
まず、
図1及び2を参照して、本実施形態に係るゼブラゾーン認識装置、及びゼブラゾーン認識装置を用いた白線認識装置について説明する。
【0013】
本実施形態に係るゼブラゾーン認識装置は、車載カメラ10により撮影された前方画像に基づいて、ゼブラゾーンを認識する車載装置である。また、本実施形態に係る白線認識装置は、ゼブラゾーン認識装置を用いて、車載カメラ10により撮影された前方画像から、走行車線の左右を区画する白線(走行区画線)を認識する車載装置である。本実施形態に係るゼブラゾーン認識装置及び白線認識装置は、いずれも後述するECU20により構成される。
【0014】
車載カメラ10は、CCDイメージセンサ、CMOSイメージセンサ等の少なくとも1つから構成されている。
図1に示すように、車載カメラ10は、例えば車両50のフロントガラスの上端付近に搭載されており、車両前方へ向けて所定角度範囲で広がる領域を撮影する。すなわち、車載カメラ10は、車両50の前方の道路を含む周辺環境を撮影する。
【0015】
ECU20は、CPU、RAM、ROM、I/O及び記憶装置等を備えたコンピュータである。CPUが、ROMに記憶されている各種プログラムを実行することにより、エッジ検出部21、白線候補検出部22、実破線判定部23、ゼブラゾーン認識部24、及び白線認識部25の各機能を実現する。なお、エッジ検出部21、白線候補検出部22、実破線判定部23及びゼブラゾーン認識部24から、ゼブラゾーン認識装置が構成される。また、エッジ検出部21、白線候補検出部22、実破線判定部23、ゼブラゾーン認識部24及び白線認識部25から、白線認識装置が構成される。
【0016】
エッジ検出部21(エッジ検出手段)は、車載カメラ10により撮影された前方画像の走査方向における輝度値の変化に基づいて、エッジ点を抽出する。詳しくは、エッジ検出部21は、車両50を中心として、前方画像を右方向及び左方向に走査し、輝度値が大きく上昇するアップエッジ点、及び輝度値が大きく下降するダウンエッジ点を抽出する。
【0017】
そして、エッジ検出部21は、抽出した複数のエッジ点により特定される線をエッジ線として検出する。詳しくは、エッジ検出部21は、抽出したエッジ点にハフ変換を適用して、アップエッジ点からなるエッジ線及びダウンエッジ点からなるエッジ線の対を検出する。
【0018】
白線候補検出部22(候補検出手段)は、エッジ検出部21により検出されたエッジ線の対に基づいて、車線を区画する白線の候補である白線候補(候補線)を検出する。詳しくは、白線候補検出部22は、アップエッジ点からなるエッジ線及びダウンエッジ点からなるエッジ線を輪郭とする線を、白線候補として検出する。例えば、車両50の右側では、アップエッジ点からなるエッジ線を、車両50に近い側(内側)の輪郭とし、ダウンエッジ点からなるエッジ線を、車両50に遠い側(外側)の輪郭とする線が、白線候補として検出される。以下、道路の幅方向において、車両50に近い側を内側といい、車両50に遠い側を外側という。
【0019】
白線認識部25は、白線候補検出部22により検出された白線候補の中から、尤も白線らしい白線候補に絞り込み、絞り込んだ白線候補を白線として認識する。
【0020】
ここで、道路にゼブラゾーンが存在する場合、車両50の左右両側のうち、同じ側に並列した二本の白線候補が検出される。このような場合、車両50のゼブラゾーンへの進入を防止するためには、白線認識部25は、二本の白線候補のうち、車両50に近い側である内側の白線候補を、走行支援の制御対象となる白線として認識することが望ましい。しかしながら、
図3に示すように、ゼブラゾーンの存在場所における車線幅、すなわち、ゼブラゾーンを挟む二本の白線のうちの内側の白線と、車両50に対してゼブラゾーンと反対側の白線との間隔である車線幅が、ゼブラゾーンの存在場所よりも手前側の車線幅よりも狭くなっている場合がある。このような場合には、車線幅の連続性から、ゼブラゾーンを挟む二本の白線候補のうち、外側の白線候補を制御対象の白線として誤認識してしまうことがあった。
【0021】
そのため、従来、車両50の左右両側のうち、同じ側に並列した二本の白線候補が検出された場合には、二本の白線候補で挟まれた領域の輝度値に基づいて、ゼブラゾーンを判定していた。しかしながら、この場合、
図5に示すように、二本の白線候補で挟まれた全領域が処理領域となるため、二本の白線候補で挟まれた領域が大きい場合には、処理負荷が大きくなる。また、車両50の左右両側のうち、同じ側に並列した二本の白線候補が検出された場合には、実際はゼブラゾーンではない場合でも、常に、領域内の平均輝度値等を算出することになるため、処理負荷が大きい。よって、リアルタイム性が要求される運転支援に適用することには不向きなおそれがあった。
【0022】
そこで、本発明者は、ゼブラゾーンの外縁を区画する白線と縞との連結部分では、エッジ点が抽出されないために、ゼブラゾーンの外縁を区画する白線の候補として検出された白線候補のエッジ線は、左右で線種が異なることに着目した。
【0023】
図4に示すように、ゼブラゾーンの外縁となる二本の白線候補R1,R2のうち、内側の白線候補R1の内側のエッジ線R1lは実線であるのに対して、白線候補R1の外側のエッジ線R1rは破線である。また、外側の白線候補R2の内側のエッジ線R2lは破線であるのに対して、白線候補R2の外側のエッジ線R2rは実線である。ゼブラゾーンが車両50の左側にある場合にも、白線候補に対応する左右のエッジ線の線種は同様になる。
【0024】
一般に、左右のエッジ線の線種が異なる白線候補は、ゼブラゾーンの外縁以外では検出されない。よって、本発明者は、白線候補の左右のエッジ線の実破線パターンを用いて、ゼブラゾーンを認識することにした。白線候補の左右のエッジ線の実破線パターンは低処理負荷で判定できるため、エッジ線の実破線パターンを用いることにより、低処理負荷でゼブラゾーンを認識することができる。
【0025】
実破線判定部23(実破線判定手段)は、白線候補検出部22により検出された白線候補に対応する左右のエッジ線が、それぞれ実線か破線かを判定する。詳しくは、実破線判定部23は、エッジ線に含まれるエッジ点の密度に基づいて、エッジ線が実線か破線かを判定する。例えば、実破線判定部23は、エッジ線のハフ変換投票数が所定値以上の場合には、エッジ線が実線と判定し、エッジ線のハフ変換投票数が所定値未満の場合には、エッジ線が破線と判定する。
【0026】
ゼブラゾーン認識部24(ゼブラゾーン認識手段)は、実破線判定部23により判定された実破線パターンであって、白線候補に対応する左右のエッジ線の実破線パターンに基づいて、ゼブラゾーンを認識する。
【0027】
詳しくは、ゼブラゾーン認識部24は、白線候補検出部22により検出された白線候補において、内側のエッジ線が実線であり、且つ外側のエッジ線が破線である場合に、その白線候補(第1候補線)から道路の幅方向における遠方側を、ゼブラゾーンとして認識する。これにより、
図4において、白線候補R1よりも右側がゼブラゾーンとして認識される。
【0028】
白線認識部25は、ゼブラゾーン認識部24によりゼブラゾーンが認識された場合に、ゼブラゾーンを挟む二本の白線候補のうち、車両50に近い側すなわち内側の白線候補を、白線として認識する。これにより、
図4において、検出されたエッジ線Ll,Lrにより特定される白線候補Lと、検出されたエッジ線R1l,R1rにより特定される白線候補R1とが、車両50の左右の白線として認識される。
【0029】
走行支援装置30は、白線認識部25により認識された白線に基づいて、車線の逸脱を警告する逸脱警報装置や、運転支援を行う運転支援装置である。走行支援装置30は、逸脱警報装置である場合、ディスプレイ、スピーカ、バイブレータ等のヒューマンマシンインターフェースとして構成され、車両50が車線を逸脱する際に、運転者に警報を出力する。また、走行支援装置30は、運転支援装置である場合、操舵アクチュエータや制動アクチュエータとして構成され、車両50の操舵制御やブレーキ制御を行う。
【0030】
次に、本実施形態に係る白線を認識する処理手順について、
図6のフローチャートを参照して説明する。本処理手順は、ECU20が、車載カメラ10により前方画像が撮影された都度、繰り返し実行する。
【0031】
まず、車載カメラ10により撮影された前方画像を取得する(S10)。続いて、S10で取得した前方画像を水平方向に走査して、アップエッジ点群及びダウンエッジ点群を抽出し、抽出したエッジ点群にハフ変換を適用して、アップエッジ点からなるエッジ線、及びダウンエッジ点からなるエッジ線を検出する(S11)。
【0032】
続いて、S11で検出したアップエッジ点からなるエッジ線と、ダウンエッジ点からなるエッジ線との対により特定される白線候補を検出する(S12)。続いて、S12で検出した白線候補の左右のエッジ線が、それぞれ実線か破線かを判定する(S13)。
【0033】
続いて、S13で判定した左右のエッジ線の実破線パターンに基づいて、ゼブラゾーンを認識する(S14)。詳しくは、S12で検出された白線候補において、内側のエッジ線が実線で、外側のエッジ線が破線である白線候補がある場合には、その白線候補から外側をゼブラゾーンとして認識する。
【0034】
続いて、S12で検出した白線候補の中から、走行支援の制御対象となる白線を認識して、車線曲率、曲率変化量、車線位置、車線傾き、車線幅等の白線パラメータを算出する(S15)。詳しくは、S14でゼブラゾーンを認識していない場合には、S12で検出された白線候補の中から、車両50の右側と左側とで、それぞれ尤も白線らしい白線候補を白線として認識する。また、S14でゼブラゾーンを認識した場合には、車両50に対してゼブラゾーンを認識した側では、ゼブラゾーンを挟む二本の白線候補のうち内側の白線候補を白線として認識し、車両50に対してゼブラゾーンを認識していない側では、尤も白線らしい白線候補を白線として認識する。算出した白線パラメータは、走行支援装置30へ出力する。以上で本処理を終了する。
【0035】
以上説明した第1実施形態によれば、以下の効果を奏する。
【0036】
・検出された白線候補に対応する左右のエッジ線が、それぞれ実線か破線か判定され、検出された白線候補に対応する左右のエッジ線の実破線パターンに基づいて、ゼブラゾーンが認識される。よって、エッジ線の実破線判定のみでゼブラゾーンを認識できるため、処理負荷を抑制することこができる。ひいては、リアルタイム性が要求される運転支援にも好適に適用することができる。
【0037】
・一般に、ゼブラゾーンを挟む白線の候補である二本の白線候補のうち、内側の白線候補は、内側のエッジ線が実線で且つ外側のエッジ線が破線となる。よって、内側のエッジ線が実線で且つ外側のエッジ線が破線となる白線候補が検出された場合には、その白線候補から道路の幅方向における遠方側をゼブラゾーンとして認識することができる。また、ゼブラゾーンを挟む白線の候補である二本の白線候補のうち、外側の白線候補が検出されなかった場合でも、ゼブラゾーンを認識することができる。
【0038】
・白線の輝度値と路面の黒色部分の輝度値とは大きく異なる。よって、前方画像の水平方向における輝度値の変化に基づいて抽出された複数のエッジ点から、白線の輪郭を表すエッジ線を特定できる。
【0039】
・エッジ線に含まれるエッジ点の密度は、エッジ線が実線の場合にエッジ線が破線の場合よりも高くなる。よって、エッジ線に含まれるエッジ点の密度に基づいて、エッジ線が実線か破線かを判定することができる。
【0040】
・ゼブラゾーンが認識された場合には、ゼブラゾーンを挟む白線候補のうち、車両に近い側である内側の白線候補が制御対象の白線として認識される。これにより、認識した白線を用いて運転支援を行った場合に、車両50がゼブラゾーンに侵入することを防止できる。
【0041】
(第2実施形態)
次に、第2実施形態に係るゼブラゾーン認識装置について、第1実施形態に係るゼブラゾーン認識装置と異なる点を説明する。
【0042】
第2実施形態に係るゼブラゾーン認識装置においては、ゼブラゾーンの認識精度を高めるために、ゼブラゾーンを認識する際の条件を追加する。具体的には、ゼブラゾーンの外縁を区画する白線の候補である白線候補のうち、外側の白線候補に対応する左右のエッジ線の線種も条件に加える。
【0043】
図4に示すように、白線候補R1(第1候補線)が検出されるとともに、白線候補R2(第2候補線)が検出された場合は、白線候補R1のみが検出された場合よりも、白線候補R1の外側、詳しくは白線候補R1とR2とで挟まれた領域がゼブラゾーンである可能性が高い。白線候補R1は、内側のエッジ線が実線で外側のエッジ線が破線の白線候補であり、白線候補R2は、内側のエッジ線が破線で外側のエッジ線が実線の白線候補である。
【0044】
よって、ゼブラゾーン認識部24は、内側のエッジ線が実線で外側のエッジ線が破線の白線候補である第1候補線が検出されており、更に、次の条件を満たす場合に、ゼブラゾーンを認識する。次の条件としては、車両50の左右両側のうちの第1候補線と同じ側において、第1候補線よりも車両50から遠方に、第1候補線と並列して白線候補である第2候補線が検出されており、第2候補線の内側のエッジ線が破線で外側のエッジ線が実線であることである。上記条件を満たす場合に、ゼブラゾーン認識部24は、第1候補線と第2候補線とで挟まれた領域をゼブラゾーンとして認識する。
【0045】
次に、本実施形態に係る白線を認識する処理手順について、
図7のフローチャートを参照して説明する。本処理手順は、ECU20が、車載カメラ10により前方画像が撮影された都度、繰り返し実行する。
【0046】
まず、S20〜S22において、S10〜S12と同様の処理を行う。続いて、車両50の左右両側のうちの同じ側において、S22で検出した白線候補が並列して複数存在するか否か判定する(S23)。
【0047】
複数存在しない場合は(S23:NО)、ゼブラゾーンが存在しないとして、車両50の右側と左側のそれぞれにおいて、尤も白線らしい白線候補を白線として認識する(S26)。
【0048】
一方、複数存在する場合は(S23:YES)、並列した複数の白線候補に対応する左右のエッジ線が、実線か破線かをそれぞれ判定する(S24)。
【0049】
続いて、並列した複数の白線候補のうち内側の白線補線が、内側のエッジ線が実線で外側のエッジ線が破線となる第1候補線であり、且つ第1候補線よりも外側の白線候補が、内側のエッジ線が破線で外側のエッジ線が実線となる第2候補線である場合に、ゼブラゾーンを認識する(S25)。詳しくは、第1候補線と第2候補線とに挟まれた領域を、ゼブラゾーンとして認識する。
【0050】
続いて、S25でゼブラゾーンを認識していない場合には、S22で検出された白線候補の中から、車両50の右側と左側とで、それぞれ尤も白線らしい白線候補を白線として認識する。また、S25でゼブラゾーンを認識した場合には、車両50に対してゼブラゾーンを認識した側では、第1候補線を白線として認識し、車両50に対してゼブラゾーンを認識していない側では、尤も白線らしい白線候補を白線として認識する。以上で本処理を終了する。
【0051】
以上説明した第2実施形態によれば、低処理負荷で、第1実施形態よりも高精度にゼブラゾーンを認識できる。また、片側の輪郭線がかすれている白線の候補であり、一方のエッジ線が破線で他方のエッジ線が実線と検出されるような白線候補を、ゼブラゾーンの外縁を区画する白線として誤認識することを抑制できる。
【0052】
(第3実施形態)
次に、第3実施形態に係るゼブラゾーン認識装置について、第1実施形態に係るゼブラゾーン認識装置と異なる点を説明する。
【0053】
第3実施形態に係るゼブラゾーン認識装置においては、ゼブラゾーンの認識精度を高めるために、ゼブラゾーンを認識する際に車線幅の条件を追加する。具体的には、ゼブラゾーンの外縁を区画する二本の白線のうち、内側の第1候補線が検出されていることに加えて、更に、ゼブラゾーンが存在する場所における車線幅が、ゼブラゾーンの進行方向の手前側の車線幅よりも狭くなっている場合に、ゼブラゾーンを認識する。
【0054】
なお、ゼブラゾーンの存在場所における車線幅が、ゼブラゾーンの手前側よりも狭くなっていない場合には、車線幅の連続性から、ゼブラゾーンの外縁を区画する白線のうち、内側の白線の候補である白線候補が白線として認識されるため、問題になることは少ない。
【0055】
本実施形態においては、
図2に破線で示すように、ECU20は、車線幅検出部26(車線幅検出手段)の機能を実現する。車線幅検出部26は、白線候補検出部22により検出された白線候補を用いて、車線の幅を検出する。詳しくは、車線幅検出部26は、第1候補線が検出された場合に、第1候補線と、車両50に対して第1候補線と反対側で検出された白線候補のうち尤も白線らしい白線候補との間隔を、車線の幅として検出する。
【0056】
ゼブラゾーン認識部24は、内側のエッジ線が実線で外側のエッジ線が破線である第1候補線が検出されており、且つ、第1候補線を用いて検出された車線幅が、第1候補線よりも進行方向の手前側における車線幅よりも狭い場合に、第1候補線よりも外側をゼブラゾーンとして認識する。第1候補線よりも進行方向の手前側における車線幅は、第1候補線よりも進行方向の手前側において認識された白線から算出されている。
【0057】
本実施形態では、
図6のS14の処理において、第1候補線が検出されており、且つ、第1候補線を用いて検出された車線幅が、ゼブラゾーンの進行方向手前側における車線幅よりも狭い場合に、第1候補線から道路の幅方向における遠方側をゼブラゾーンとして認識する。
【0058】
以上説明した第3実施形態によれば、低処理負荷で、第1実施形態よりも高精度にゼブラゾーンを認識できる。
【0059】
(第4実施形態)
次に、第4実施形態に係るゼブラゾーン認識装置について、第1実施形態に係るゼブラゾーン認識装置と異なる点を説明する。
【0060】
第4実施形態に係るゼブラゾーン認識装置においては、ゼブラゾーンの認識精度を高めるために、ゼブラゾーンを認識する際の条件を追加する。
【0061】
具体的には、ゼブラゾーン認識部24は、ゼブラゾーンの外縁を区画する二本の白線のうち、内側の第1候補線が検出されていることに加えて、更に、次の条件を満たす場合に、第1候補線の外側をゼブラゾーンとして認識する。
【0062】
次の条件としては、第1候補線から道路の幅方向における遠方側において、第1候補線に近接した所定領域Rpにおける輝度値が、所定の閾値よりも大きいことである。この場合の所定領域Rpは、処理負荷を低減するため、
図4に示すように、ゼブラゾーン全体ではなく、数本の縞の一部分が入る領域とする。
【0063】
輝度値は、例えば、所定領域Rpにおいて算出した平均輝度値でよい。あるいは、輝度値は、所定領域Rpにおける輝度値のヒストグラムを算出し、算出したヒストグラムの山のうち、輝度値が高い側の山における輝度値(例えば最大頻度の輝度値)としてもよい。所定領域Rpがゼブラゾーンの一部分である場合、路面の黒色部分と白線部分に対応する二つの輝度値の山が算出される。
【0064】
上記条件を追加しても、第1候補線が検出されており、ゼブラゾーンが存在する可能性が高い場合に限って、所定領域Rpの輝度値を算出するため、従来と比較して、処理負荷を低減できる。
【0065】
本実施形態では、
図6のS14の処理において、第1候補線が検出されており、且つ、第1候補線に近接した所定領域Rpにおける輝度値が閾値よりも大きい場合に、第1候補線から道路の幅方向における遠方側をゼブラゾーンとして認識する。
【0066】
以上説明した第3実施形態によれば、低処理負荷で、第1実施形態よりも高精度にゼブラゾーンを認識できる。
【0067】
(第5実施形態)
次に、第5実施形態に係るゼブラゾーン認識装置について、第1実施形態に係るゼブラゾーン認識装置と異なる点を説明する。
【0068】
第5実施形態に係るゼブラゾーン認識装置においては、ゼブラゾーンの認識精度を高めるために、ゼブラゾーンを認識する際の条件を追加する。
【0069】
具体的には、ゼブラゾーン認識部24は、ゼブラゾーンの外縁を区画する二本の白線のうち、内側の第1候補線が検出されていることに加えて、更に、次の条件を満たす場合に、第1候補線の外側をゼブラゾーンとして認識する。
【0070】
次の条件としては、第1候補線から道路の幅方向における遠方側において、第1候補線に近接した所定領域Rpにおける路面の明暗パターン(輝度値パターン)が、予め用意してあるゼブラゾーンのパターン形状にマッチングすることである。ゼブラゾーンのパターン形状とは、例えば、車両50の進行方向において、白線に対応する輝度値の高い部分と、路面の黒色部分に対応する輝度値の低い部分とが、交互に出現するパターンである。すなわち、ゼブラゾーン認識部24は、第1候補線が検出されている場合に、所定領域Rpについてパターンマッチングを行う。
【0071】
上記条件を追加しても、第1候補線が検出されており、ゼブラゾーンが存在する可能性が高い場合に限って、所定領域Rpについてパターンマッチングを行うため、従来と比較して、処理負荷を低減できる。
【0072】
本実施形態では、
図6のS14の処理において、第1候補線が検出されており、且つ、第1候補線に近接した所定領域Rpにおける輝度値のパターンが、ゼブラゾーンのパターン形状にマッチングした場合に、第1候補線から道路の幅方向における遠方側をゼブラゾーンとして認識する。
【0073】
以上説明した第3実施形態によれば、低処理負荷で、第1実施形態よりも高精度にゼブラゾーンを認識できる。
【0074】
(他の実施形態)
・第2〜第5実施形態を適宜組み合わせて実施してもよい。すなわち、ゼブラゾーンを認識する際に、ゼブラゾーンの外縁を区画する二本の白線のうち、内側の白線の候補である第1候補線が検出されていることに加えて、更に追加する条件を適宜組わせてもよい。組み合わせる条件が多いほど、ゼブラゾーンの認識精度は高くなるが、処理負荷が大きくなる。必要な認識精度と処理負荷とに応じて、追加する条件を組み合わせるとよい。
【0075】
・内側のエッジ線が破線で外側のエッジ線が実線の第2候補線が検出されており、車両50に対して第2候補線と同じ側において、第2候補線よりも車両50の近くに、第2候補線と並列して白線候補が検出された場合に、第2候補線とその白線候補に挟まれた領域をゼブラゾーンと認識してもよい。
【0076】
・ゼブラゾーン認識装置によるゼブラゾーンの認識を、白線認識以外の用途に用いてもよい。