特許第6367726号(P6367726)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6367726
(24)【登録日】2018年7月13日
(45)【発行日】2018年8月1日
(54)【発明の名称】配管内移動調査装置及びその運用方法
(51)【国際特許分類】
   B62D 57/02 20060101AFI20180723BHJP
   B25J 5/00 20060101ALN20180723BHJP
【FI】
   B62D57/02 J
   !B25J5/00 B
【請求項の数】8
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2015-16737(P2015-16737)
(22)【出願日】2015年1月30日
(65)【公開番号】特開2016-141185(P2016-141185A)
(43)【公開日】2016年8月8日
【審査請求日】2017年8月21日
(73)【特許権者】
【識別番号】507250427
【氏名又は名称】日立GEニュークリア・エナジー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000350
【氏名又は名称】ポレール特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】岡田 聡
(72)【発明者】
【氏名】松井 祐二
【審査官】 林 政道
(56)【参考文献】
【文献】 特開平04−027657(JP,A)
【文献】 実開昭63−048152(JP,U)
【文献】 実開昭59−064565(JP,U)
【文献】 特開平07−156843(JP,A)
【文献】 特開平10−324240(JP,A)
【文献】 特開平06−191400(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B62D 57/024
B25J 1/00−21/02
B61B 13/10
G01N 21/84,21/954
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
径の異なる複数の配管、或いは前記径の異なる複数の配管が接続されるT字分岐部を有する配管、若しくは径が連続的に変化する曲がり部を有する配管、又は前記配管が組み合わされている配管内を移動して調査する配管内移動調査装置であって、
前記配管に密着する少なくとも2つのクローラと、該各クローラをそれぞれ保持し、軸方向に伸縮可能なリンク機構と、該各リンク機構を連結するジョイントと、該ジョイントに取付けられたカメラと、前記リンク機構に設置され、前記クローラ間の距離を変化させるクローラ距離調整機構とを備え、前記配管の径又は形状に合わせて前記リンク機構を伸縮及び/又は前記クローラ距離調整機構による前記クローラ間の距離を変化させながら前記配管内を移動し、前記カメラで前記配管内を調査するものであり、
前記リンク機構は、前記ジョイントに接続するジョイント側リンクと、前記クローラに接続するクローラ側リンクとが連結されて形成され、前記ジョイント側リンクは、内側にネジが切られ、前記クローラ側リンクを回転させることで、前記ジョイント側リンクの内側にクローラ側リンクが収納されて軸方向に伸縮し、前記リンク機構全体の長さが変えられるように構成されており、
前記クロ−ラ距離調整機構は、前記ジョイントに設置されたリンク角度調整モータを備え、該リンク角度調整モータを駆動することにより前記ジョイントを介して前記ジョイント側リンクが回転すると共に、前記ジョイント側リンクには、2つのボルト状のフレーム支持リングがフレーム支持リンクを介して接続され、かつ、前記リンク角度調整モータが回転すると、前記ジョイント側リンク上の前記フレーム支持リングの位置が変わることにより前記クローラ間の距離が変化することを特徴とする配管内移動調査装置。
【請求項2】
請求項に記載の配管内移動調査装置において、
前記クローラ側リンクに、前記クローラがユニバーサルジョイントを介して接続されていることを特徴とする配管内移動調査装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の配管内移動調査装置において、
前記クローラは、中空の円筒であるクローラフレームの周りに、袋状のゴムシートを巻いて構成されていることを特徴とする配管内移動調査装置。
【請求項4】
請求項に記載の配管内移動調査装置において、
前記袋状のゴムシートは、無限軌道になっていることを特徴とする配管内移動調査装置。
【請求項5】
請求項又はに記載の配管内移動調査装置において、
前記クローラフレームには駆動ギアと受動ギアが設置されていると共に、前記駆動ギアにモータが取り付けられ、前記モータにより前記駆動ギアを駆動することにより、前記クローラの外表面と内表面を前記ゴムシートが移動することを特徴とする配管内移動調査装置。
【請求項6】
請求項1又は2に記載の配管内移動調査装置において、
前記ジョイントを介して接続されている前記リンク機構、該リンク機構に接続されている前記クローラ及び前記クローラ距離調整機構でパンタグラフ式に形成されていることを特徴とする配管内移動調査装置。
【請求項7】
請求項1乃至のいずれか1項に記載の配管内移動調査装置を1ユニットとし、このユニットが2セットで構成され、前記2セットのユニットの前記クローラ同士がスプリングを介して接続されていることを特徴とする配管内移動調査装置。
【請求項8】
請求項1乃至のいずれか1項に記載の配管内移動調査装置を運用するに際し、
前記配管内移動調査装置の移動を開始した後、進入部配管よりも前記配管内移動調査装置を小さく調整すると共に、前記進入部配管に前記配管内移動調査装置を挿入し、その後、配管の径に合わせて前記配管内移動調査装置の径を拡張して前記配管に密着するまで拡張を継続し、前記配管内移動調査装置が前記配管に密着した後、前記配管内を走行させ、走行継続可能かどうかをカメラで判定し、走行継続できない場合は、前記配管の状態を確認して対応を決定し、前記配管にT字分岐部があった場合は、垂直配管に前記配管内移動調査装置に接続されているケーブルを保持しつつ落下させ、その配管の径に合わせて前記配管内移動調査装置の径を調整し、一方、前記配管に曲がり部があった場合には、クローラの内輪側と外輪側の速度を変えて進行させ、更に、前記配管の径が変化している場合には、前記配管の径に合わせて前記配管内移動調査装置の径を調整し、この調整を実施した後に、再度、前記配管内を走行させることを特徴とする配管内移動調査装置の運用方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は配管内移動調査装置及びその運用方法に係り、特に、工業用の環境調査装置のように、調査領域へのアクセスが制限される例えば、異径配管、T字分岐部を有する配管、曲がり部を有する配管等のアクセス障害となる部位を移動可能な配管内移動調査装置及びその運用方法に関する。
【背景技術】
【0002】
地中に埋設されているガス配管、水道管或いは地上のプラント配管等の配管内面を調査したり、補修等の種々作業を行う目的のために、配管の内部を走行する管内走行装置が提案されている。
【0003】
このような管内走行装置として、小径部と大径部を有する配管領域においても円滑な走行が可能な管内走行台車が特許文献1に記載されている。
【0004】
この特許文献1には、台車本体を持ち上げるジャッキ機器のような別個に制御される専用機器を備えずとも、小径部と大径部を有する配管領域においても円滑な走行が可能な管内走行台車を得るために、走行方向に延びた台車本体と、配管の周方向で分布するように台車本体に配置された複数のアームモジュールから成るアームユニットと、搖動変位するようにアームモジュールを取り付けるアームブラケットと、アームモジュールの先端部に取り付けられた球状駆動車輪と、アームモジュールの搖動変位と相互連動して回転するギヤを相互にかみ合わせることで全てのアームモジュールの搖動変位を同期させる搖動同期機構と、球状駆動車輪が配管の内周面に近づくようにアームモジュールを付勢手段とを備えた管内走行台車が記載されている。
【0005】
一方、多種多様な把持対象物に対して柔軟になじみ、また、把持対象物の把持、操り、運搬などの動作により生じる力やモーメントにも耐えうる内外連続式袋状構造体を用いた把持機構が、特許文献2に記載されている。
【0006】
この特許文献2に記載されている把持機構は、袋が外側から内側へと連続した構造となっている内外連続式袋状構造体と、内外連続式袋状構造体に内包されている状態変化部と、状態変化部の状態を変化させる状態変化発生部とから成り、内外連続式袋状構造体と、この内外連続式袋状構造体に内包されている状態変化部により、多種多様な把持対象物に対してなじみ、その後、状態変化部の状態を状態変化発生部によって変化せるため、保持力を維持することができるものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2014−193675号公報
【特許文献2】特開2010−208006号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、特許文献1に記載されている管内走行台車は、小径部と大径部を有する配管領域においても円滑な走行が可能ではあるが、その構造が複雑でコスト高につながる可能性があり、しかも、T字分岐部を有する配管は勿論、径の異なる配管、径の異なる複数の配管が接続されるT字分岐部を有する配管及び径が連続的に変化する曲がり部を有する配管が組み合わされている配管内を移動することについては、全く記載されていない。
【0009】
また、特許文献2に記載されている把持機構は、袋状構造体を用いることで、把持対象物に密着させることが可能であるが、移動装置として活用するには、固定方法や運用方法を新たに考慮する必要がある。
【0010】
本発明は上述の点に鑑みなされたもので、その目的とするところは、構造が複雑にならず、径の異なる複数の配管、或いは径の異なる複数の配管が接続されるT字分岐部を有する配管、若しくは径が連続的に変化する曲がり部を有する配管、又は前記配管が組み合わされている配管内を移動して調査することが可能な配管内移動調査装置及びその運用方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の配管内移動調査装置は、上記目的を達成するために、径の異なる複数の配管、或いは前記径の異なる複数の配管が接続されるT字分岐部を有する配管、若しくは径が連続的に変化する曲がり部を有する配管、又は前記配管が組み合わされている配管内を移動して調査する配管内移動調査装置であって、前記配管に密着する少なくとも2つのクローラと、該各クローラをそれぞれ保持し、軸方向に伸縮可能なリンク機構と、該各リンク機構を連結するジョイントと、該ジョイントに取付けられたカメラと、前記リンク機構に設置され、前記クローラ間の距離を変化させるクローラ距離調整機構とを備え、前記配管の径又は形状に合わせて前記リンク機構を伸縮及び/又は前記クローラ距離調整機構による前記クローラ間の距離を変化させながら前記配管内を移動し、前記カメラで前記配管内を調査するものであり、前記リンク機構は、前記ジョイントに接続するジョイント側リンクと、前記クローラに接続するクローラ側リンクとが連結されて形成され、前記ジョイント側リンクは、内側にネジが切られ、前記クローラ側リンクを回転させることで、前記ジョイント側リンクの内側にクローラ側リンクが収納されて軸方向に伸縮し、前記リンク機構全体の長さが変えられるように構成されており、前記クロ−ラ距離調整機構は、前記ジョイントに設置されたリンク角度調整モータを備え、該リンク角度調整モータを駆動することにより前記ジョイントを介して前記ジョイント側リンクが回転すると共に、前記ジョイント側リンクには、2つのボルト状のフレーム支持リングがフレーム支持リンクを介して接続され、かつ、前記リンク角度調整モータが回転すると、前記ジョイント側リンク上の前記フレーム支持リングの位置が変わることにより前記クローラ間の距離が変化することを特徴とする。
【0012】
また、本発明の配管内移動調査装置は、上記目的を達成するために、上記の配管内移動調査装置を1ユニットとし、このユニットが2セットで構成され、前記2セットのユニットの前記クローラ同士がスプリングで接続されていることを特徴とする。
【0013】
更に、本発明の配管内移動調査装置の運用方法は、上記の配管内移動調査装置を運用するに際し、前記配管内移動調査装置の移動を開始した後、進入部配管よりも前記配管内移動調査装置を小さく調整すると共に、前記進入部配管に前記配管内移動調査装置を挿入し、その後、配管の径に合わせて前記配管内移動調査装置の径を拡張して前記配管に密着するまで拡張を継続し、前記配管内移動調査装置が前記配管に密着した後、前記配管内を走行させ、走行継続可能かどうかをカメラで判定し、走行継続できない場合は、前記配管の状態を確認して対応を決定し、前記配管にT字分岐部があった場合は、垂直配管に前記配管内移動調査装置に接続されているケーブルを保持しつつ落下させ、その配管の径に合わせて前記配管内移動調査装置の径を調整し、一方、前記配管に曲がり部があった場合には、クローラの内輪側と外輪側の速度を変えて進行させ、更に、前記配管の径が変化している場合には、前記配管の径に合わせて前記配管内移動調査装置の径を調整し、この調整を実施した後に、再度、前記配管内を走行させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、構造が複雑にならず、径の異なる複数の配管、或いは径の異なる複数の配管が接続されるT字分岐部を有する配管、若しくは径が連続的に変化する曲がり部を有する配管、又は前記配管が組み合わされている配管内を移動して調査することが可能となる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明の配管内移動調査装置の実施例1を、異径配管内に挿入した状態のイメージを示す図である。
図2】本発明の配管内移動調査装置の実施例1の具体的構成を示す図である。
図3】本発明の配管内移動調査装置の実施例1が配管内で突っ張った状態を示す図である。
図4】本発明の配管内移動調査装置の実施例1を太い配管に適用させた時の状態を示す図である。
図5】本発明の配管内移動調査装置の実施例1を細い配管に適用させる時の状態を示す図である。
図6】本発明の配管内移動調査装置の実施例1における密着クローラの構造を示す斜視図である。
図7】本発明の配管内移動調査装置の実施例1における密着クローラの動作を説明するための図である。
図8】本発明の配管内移動調査装置の実施例1における各種機器の接続を示す図である。
図9】本発明の配管内移動調査装置の実施例1が異径配管内、T字分岐部、曲がり部を移動時する時の形状変化を説明ための図である。
図10】本発明の配管内移動調査装置の運用方法の流れを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、図示した実施例に基づいて本発明の配管内移動調査装置及びその運用方法について説明する。なお、各図において、同一構成部品には同符号を使用する。
【0017】
図1は、後述する本発明の配管内移動調査装置の実施例1を、異径配管内に挿入した状態のイメージを示している。
【0018】
一般に、工業用の配管は単一径ではなく、複数の異なる径の配管が接続されている。それらの配管を用いて、内部にアクセスするには、異径配管に対応可能な配管内移動装置が必要になる。
【0019】
図1に示す本発明の対象である配管内移動調査装置5は、細い配管1から進入して太い配管2に進行し、配管内部を調査することを目的とする。細い配管1と太い配管2は、例えば、T字分岐部3のような形式で接続され、更に、細い配管1の曲がり部4のように、配管径が連続的に変化する部分も想定される。このような配管単独或いは配管が組み合わされている配管内を移動してアクセスして調査するため、他端が後述するコントローラに接続されているケーブル6で接続された本発明の配管内移動調査装置5が用いられる。
【実施例1】
【0020】
図2に、本発明の配管内移動調査装置5の実施例1の具体的構成を示す。
【0021】
該図に示す如く、本実施例の配管内移動調査装置5は、配管に密着する4つの密着クローラ14(この密着クローラ14は、円形状の配管内を走行するためには少なくとも2つあれば良く、配管内を円滑に走行するためには少なくとも3つあることが望ましい)と、4本の各密着クローラ14をそれぞれ保持し、軸方向に伸縮可能なリンク機構16と、各リンク機構16を連結するジョイント10a、10bと、このジョイント10a、10bに取付けられたカメラ11a、11bと、リンク機構16に設置され、密着クローラ14間の距離を変化させるクロ−ラ距離調整機構(後述する)とを備え、配管の径又は形状に合わせてリンク機構16を伸縮及び/又はクロ−ラ距離調整機構による密着クローラ14間の距離を変化させながら配管内を移動し、カメラ11a、11bで配管内を調査するものである。
【0022】
更に詳述すると、本実施例の配管内移動調査装置5は、配管内に密着して走行することを実現するため、ジョイント10a、10bにはカメラ11a、11bを取り付けられ、このジョイント10a、10bにはリンク機構16を4本(図2は各3本表示)接続している。リンク機構16は、ジョイント10a、10bに接続するジョイント側リンク12と、クローラ側リンク13とが連結されて形成されている。ジョイント側リンク12には内側にネジを切ってあり、クローラ側リンク13を回転させることで、ジョイント側リンク12の内側にクローラ側リンク13が収納されて軸方向に伸縮し、リンク機構16全体の長さが変えられるように構成されている。また、クローラ側リンク13の先端には、密着クローラ14が取り付けてあり、配管の内側に密着して進行(移動)できる構造としている。また、配管の径又は形状は、ジョイント10a、10bを介して接続されているリンク機構16、リンク機構16に接続されている密着クロラ14及びクロ−ラ距離調整機構で形成されるパンタグラフを配管内に突っ張る動作を行わせることで、密着クローラ14が配管内に密着した時に過電流が流れ、この時のモータ電流値を検知して判断される。
【0023】
なお、ジョイント10a、カメラ11a、リンク機構16、密着クローラ14による配管内移動調査装置5を1ユニットとし、このユニットが2セットで構成され、2セットのユニットも密着クローラ14同士が、スプリング15により接続されている。
【0024】
図3に、本実施例の配管内移動調査装置5が配管内で突っ張った状態を示す。
【0025】
該図に示す如く、太い配管2の中を進行する時は、リンク機構16を開いた状態であり、密着クローラ14間の距離が最も開いている(90度間隔で開いている)状態である。
【0026】
図4に、本実施例の配管内移動調査装置5を太い配管2に適用させた時の状態、図5に、本実施例の配管内移動調査装置5を細い配管1に適用させた時の状態の、配管内移動調査装置5の構造の片側のみをそれぞれ示す。
【0027】
該図に示す如く、ジョイント10aにはカメラ11aが取り付けてあり、ジョイント側リンク12とクローラ側リンク13及びユニバーサルジョイント20を介して、密着クローラ14を接続している。
【0028】
上述したクロ−ラ距離調整機構は、ジョイント10aに設置されたリンク角度調整モータ21を備えており、このリンク角度調整モータ21は、モータ支持リング22とモータ支持リンク23を用いて取り付けられ、リンク角度調整モータ21によりジョイント10aが回転する。ジョイント10aとジョイント側リンク12は、ユニバーサルリンクとなっており、リンク角度調整モータ21を駆動すると、ジョイント10aを介してジョイント側リンク12が回転すると共に、ジョイント側リンク12には、2つのボルト状のフレーム支持リング24がフレーム支持リンク25を介して接続され、リンク角度調整モータ21が回転すると、ジョイント側リンク12上のフレーム支持リング24の位置が変わることにより、密着クローラ14間の距離が変化する。
【0029】
図6に、本実施例の配管内移動調査装置5における密着クローラ14の構造を示す。
【0030】
該図に示す如く、本実施例の密着クローラ14は、中空の円筒である密着クローラフレーム30の周りに、袋状で無限軌道になっているゴムシート31を巻いて構成されている。密着クローラフレーム30には、駆動ギア32と受動ギア33が設置されており、駆動ギア32にモータ34を取り付けている。これにより、密着クローラ外表面35と密着クローラ内表面36を、袋状で無限軌道になっているゴムシート31が移動することが可能になる。
【0031】
図7を用いて、本実施例の配管内移動調査装置5における密着クローラ14の動作を説明する。
【0032】
先ず、モータ34を回転させることで、例えば、外側の移動方向40にゴムシート31が移動すると、内側は反対方向41に移動する。その結果、ゴムシート31と配管の摩擦により、密着クローラ14は進行方向42に移動する。
【0033】
図8に、本実施例の配管内移動調査装置5における各種機器の接続を示す。
【0034】
該図に示す如く、密着クローラ14は、配管内移動調査装置5の進行方向の前方に4つ、後方に4つの全体で8個で構成され、そのうち、配管の外側と内側では、密着クローラ14の速度を変える必要があるため、速度を制御する必要がある。なお、図8において、密着クローラ14は、図8の符号で50〜53の4個としているが、厳密には8個必要である。
【0035】
また、リンク長調整用モータ(密着クローラ14の中に内蔵され、クローラ側リンク13を回転させることでリンク長を変えるモータ)は、配管内移動調査装置5の進行方向の前方にリンク長調整用モータ54、後方にリンク長調整用モータ55の2つ、リンク角調整モータは、配管内移動調査装置5の進行方向の前方にリンク角調整モータ56、後方にリンク角調整モータ57の2つで構成され、更に、カメラは、配管内移動調査装置5の進行方向の前方のカメラ58、後方のカメラ59の2つとする。
【0036】
そして、それらをコントロールする方向制御部60、62、内外速度調整部61、63、リンク長調整部64、65、リンク角調整部66、67が、コントローラ49上のパネルに配置されている。なお、2つのカメラ58、59は、カメラ切替え機68で切替え、モニタ69に出力される。また、方向制御部60、62は、極性のスイッチャーとなっており極性切替部70、72で切替えられ、内外速度調整部61、63は速度制御部71、73で、曲がり部4の内側を通る際の密着クローラ14を駆動するモータと曲がり部4の外側を通る際の密着クローラ14を駆動するモータへの印加電圧を調整している。即ち、曲がり部4の内側を通る際は遅く、外側を通る際は早く回転させることで曲がり部4を曲がることができる。
【0037】
図9を用いて本実施例の配管内移動調査装置5が、異径配管(細い配管1及び太い配管2)内、T字分岐部3、曲がり部4を移動時する時の形状変化を説明する。
【0038】
上述した本実施例の配管内移動調査装置5とすることにより、細い配管1内を配管内移動調査装置5が移動する際は符号80の状態、太い配管2内を配管内移動調査装置5が移動する際は符号81の状態、T字分岐部3を通り細い配管1から太い配管2内を配管内移動調査装置5が移動する際は符号82の状態、曲がり部4を配管内移動調査装置5が移動する際は符号83の状態を取ることが可能となる。
【0039】
図10に、本発明の配管内移動調査装置の運用方法の流れのフローチャートを示す。
【0040】
該図に示す如く、移動開始(S01)後、まず、進入部配管よりも装置を小さく調整する(S02)。次に、進入部配管に手動で挿入する(S03)。その後、配管径に合わせて装置径を拡張し(S04)、配管に密着するまで継続する(S05)。配管に密着した後、配管内を走行する(S06)。ここで、走行継続可能かどうかをカメラで判定し(S07)、走行継続できない場合は、管の状態を確認し対応を決定する(S08)。T字分岐部3があった場合は、垂直管に配管内移動調査装置5に接続されているケーブル6を保持しつつ落下させ、配管径に合わせて装置径を調整する(S09)。曲がり部4の場合には、内輪と外輪の速度を変えて進行させる(S10)。更に、配管の径が変化している場合には、配管径に合わせて装置径を調整する(S11)。以上の調整を実施した後、再度、配管内を走行する(S06)。なお、S07で走行継続可の場合は、S06に進みS07以降の動作を繰り返す。
【0041】
このような本実施例のように構成することにより、構造が複雑にならず、径の異なる複数の配管、或いは径の異なる複数の配管が接続されるT字分岐部を有する配管、若しくは径が連続的に変化する曲がり部を有する配管、又は前記配管が組み合わされている配管内を移動して調査することが可能となる。
【0042】
なお、本発明は上記した実施例に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。上記した実施例は本発明を分かりやすく説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施例の構成の一部を他の実施例の構成に置き換えることも可能であり、ある実施例の構成に他の実施例の構成を加えることも可能である。また、各実施例の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることも可能である。
【符号の説明】
【0043】
1…細い配管、2…太い配管、3…T字分岐部、4…曲がり部、5…配管内移動調査装置、6…ケーブル、10a、10b…ジョイント、11a、11b、58、59…カメラ、12…ジョイント側リンク、13…クローラ側リンク、14、50、51、52、53…密着クローラ、15…スプリング、16…リンク機構、20…ユニバーサルジョイント、21…リンク角度調整モータ、22…モータ支持リング、23…モータ支持リンク、24…フレーム支持リング、25…フレーム支持リンク、30…密着クローラフレーム、31…ゴムシート、32…駆動ギア、33…受動ギア、34…モータ、35…密着クローラ外表面、36…密着クローラ内表面、40…ゴムシートの外側の移動方向、41…ゴムシートの内側の移動方向、42…密着クローラの進行方向、49…コントローラ、54、55…リンク長調整モータ、56、57…リンク角調整モータ、60、62…方向制御部、61、63…内外速度調整部、64、65…リンク長調整部、66、67…リンク角調整部、68…カメラ切替え機、70、72…極性切替部、71、74…速度制御部、80…細い配管内を配管内移動調査装置が移動する状態、81…太い配管内を配管内移動調査装置が移動する状態、82…T字分岐部を通り細い配管から太い配管内を配管内移動調査装置が移動する状態、83…曲がり部を配管内移動調査装置が移動する状態。
図1
図2
図3
図4
図5
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図7
図8
図9
図10