特許第6367746号(P6367746)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6367746
(24)【登録日】2018年7月13日
(45)【発行日】2018年8月1日
(54)【発明の名称】コネクタ及び電気的接続装置
(51)【国際特許分類】
   H01R 13/533 20060101AFI20180723BHJP
   H01R 12/71 20110101ALI20180723BHJP
【FI】
   H01R13/533 D
   H01R12/71
【請求項の数】4
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2015-69073(P2015-69073)
(22)【出願日】2015年3月30日
(65)【公開番号】特開2016-189273(P2016-189273A)
(43)【公開日】2016年11月4日
【審査請求日】2017年5月31日
(73)【特許権者】
【識別番号】390033318
【氏名又は名称】日本圧着端子製造株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000682
【氏名又は名称】特許業務法人ワンディーIPパートナーズ
(72)【発明者】
【氏名】新堂 悟
(72)【発明者】
【氏名】田坂 真司
(72)【発明者】
【氏名】尾崎 仁
(72)【発明者】
【氏名】服部 一孝
【審査官】 田合 弘幸
(56)【参考文献】
【文献】 実開昭62−157083(JP,U)
【文献】 特開2015−146289(JP,A)
【文献】 特開昭57−158969(JP,A)
【文献】 特開2000−150051(JP,A)
【文献】 特開2014−010949(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01R 13/533
H01R 12/71
H01R 31/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
端子部と、該端子部が収容されるコネクタハウジングとを備え、前記端子部によって第1接続対象と第2接続対象とを電気的に接続するコネクタであって、
前記第1接続対象には、オス型のコンタクトとして形成された本体側オス型コンタクトが接続され、
前記第2接続対象には、メス型のコンタクトとして形成された本体側メス型コンタクトが接続され、
前記端子部は、
前記本体側メス型コンタクトに挿入されるコネクタ側オス型コンタクトと、
前記本体側オス型コンタクトが挿入されるコネクタ側メス型コンタクトと、
前記コネクタ側オス型コンタクト及び前記コネクタ側メス型コンタクトを連結する弾性変形可能な連結部と、
を有し
前記コネクタハウジングには、前記第1接続対象又は前記第2接続対象に固定される本体側ハウジングの本体側係合爪と係合するコネクタ側係合爪が形成され、
前記コネクタハウジングは、前記本体側係合爪と前記コネクタ側係合爪とが互いに密着するように、該コネクタハウジングを前記本体側ハウジングに対して付勢する付勢部によって付勢されることを特徴とする、コネクタ。
【請求項2】
端子部と、該端子部が収容されるコネクタハウジングとを備え、前記端子部によって第1接続対象と第2接続対象とを電気的に接続するコネクタであって、
前記第1接続対象には、オス型のコンタクトとして形成された本体側オス型コンタクトが接続され、
前記第2接続対象には、メス型のコンタクトとして形成された本体側メス型コンタクトが接続され、
前記端子部は、
前記本体側メス型コンタクトに挿入されるコネクタ側オス型コンタクトと、
前記本体側オス型コンタクトが挿入されるコネクタ側メス型コンタクトと、
前記コネクタ側オス型コンタクト及び前記コネクタ側メス型コンタクトを連結する弾性変形可能な連結部と、
を有し、
前記連結部は、
一端側が前記コネクタ側オス型コンタクトに接続される第1直線部と、
前記第1直線部と並行して延びるように設けられ、一端側が前記コネクタ側メス型コンタクトに接続される第2直線部と、
前記第1直線部及び前記第2直線部と直交する方向に延びるように設けられ、前記第1直線部の他端側と前記第2直線部の他端側とを接続する接続部と、
を有し
前記連結部の形状がU字状となるように形成され、
前記第1直線部及び前記第2直線部は、前記接続部に対して直交する方向に沿って且つ前記接続部から同じ側に向かって延びていることを特徴とする、コネクタ。
【請求項3】
請求項2に記載のコネクタにおいて、
前記第1直線部には、屈曲部が形成されていることを特徴とする、コネクタ。
【請求項4】
端子部と、該端子部が収容されるコネクタハウジングとを備え、前記端子部によって第1接続対象と第2接続対象としての基板とを電気的に接続する、請求項1から請求項のいずれか1項に記載のコネクタと、
メス型のコンタクトとして形成され、前記基板に接続される本体側メス型コンタクトと、
前記基板に固定される本体側ハウジングと、
を備えていることを特徴とする、電気的接続装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、2つの接続対象を電気的に接続するコネクタ、及びこのコネクタを備えた電気的接続装置に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、特許文献1では、2つの接続対象を電気的に接続するコネクタとして、図1に示すようなコネクタが開示されている。このコネクタは、2つのメス端子(第1メス端子及び第2メス端子)を有している。第1メス端子は、一方の接続対象に設けられた第1オス端子と接触し、第2メス端子は、他方の接続対象に設けられた第2オス端子と接触する。
【0003】
前記コネクタでは、耐振性を持たせるために、第1メス端子及び第2メス端子が弾性連結片によって繋がれている。そして、この弾性連結片は、オス端子の挿抜方向への、第1メス端子と第2メス端子の相対的に独立した変位を許容するように構成されている。これにより、振動形態が異なる2つの接続対象のそれぞれに接続された各オス型端子に接触された各メス端子の耐振性を向上することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2014−010949号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、上述のようなコネクタであっても、耐振性が不十分となる場合がある。
【0006】
本発明は、上記課題を解決するためのものであり、その目的は、耐振性に優れたコネクタ及び電気的接続装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
(1)上記課題を解決するために、この発明のある局面に係るコネクタは、端子部と、該端子部が収容されるコネクタハウジングとを備え、前記端子部によって第1接続対象と第2接続対象とを電気的に接続するコネクタであって、前記第1接続対象には、オス型のコンタクトとして形成された本体側オス型コンタクトが接続され、前記第2接続対象には、メス型のコンタクトとして形成された本体側メス型コンタクトが接続され、前記端子部は、前記本体側メス型コンタクトに挿入されるコネクタ側オス型コンタクトと、前記本体側オス型コンタクトが挿入されるコネクタ側メス型コンタクトと、前記コネクタ側オス型コンタクト及び前記コネクタ側メス型コンタクトを連結する弾性変形可能な連結部と、を有している。
【0008】
この構成では、コネクタ側オス型コンタクトが本体側メス型コンタクトに接続されるとともに、コネクタ側メス型コンタクトが本体側オス型コンタクトに接続される。これにより、第1接続対象と第2接続対象とを電気的に接続することができる。
【0009】
そして、この構成では、上述のように、端子部における一方側にオス型のコンタクトが形成され、他方側にメス型のコンタクトが形成されている。こうすると、例えば、端子部の両端部にメス型のコンタクトが形成されている場合と比べて、連結部の長さを長くすることができる。詳しく説明すると、オス型のコンタクトは、メス型のコンタクトに比べて構成が簡素化されており且つ大きさも小さいため、連結部におけるオス型コンタクト側の端部を、オス型コンタクト側へ延ばして形成することが可能となる。これにより、端子部の両端部にメス型コンタクトが形成されている場合と比べて、端子部の連結部を長くすることができる。その結果、2つの接続対象のそれぞれが別々に振動しても、長さが十分に確保された連結部によってその振動を吸収できる。
【0010】
従って、この構成によると、耐振性に優れたコネクタを提供できる。
【0011】
(2)好ましくは、前記連結部は、一端側が前記コネクタ側オス型コンタクトに接続される第1直線部と、前記第1直線部と並行して延びるように設けられ、一端側が前記コネクタ側メス型コンタクトに接続される第2直線部と、前記第1直線部及び前記第2直線部と直交する方向に延びるように設けられ、前記第1直線部の他端側と前記第2直線部の他端側とを接続する接続部と、を有している。
【0012】
この構成では、連結部の形状がU字状となるように形成されるため、連結部の長さを確保しつつ、コネクタハウジング内の限られた空間に端子部を収容することができる。
【0013】
(3)更に好ましくは、前記第1直線部には、屈曲部が形成されている。
【0014】
この構成では、連結部を展開した場合における該連結部の長さを長くすることができるため、より耐振性に優れたコネクタを提供できる。更に、この構成では、上述した屈曲部にバネ性を持たせることができるため、より一層、耐振性に優れたコネクタを提供できる。
【0015】
(4)好ましくは、前記コネクタハウジングには、前記第1接続対象又は前記第2接続対象に固定される本体側ハウジングの本体側係合爪と係合するコネクタ側係合爪が形成され、前記コネクタハウジングは、前記本体側係合爪と前記コネクタ側係合爪とが互いに密着するように、該コネクタハウジングを前記本体側ハウジングに対して付勢する付勢部によって付勢される。
【0016】
この構成では、コネクタハウジングを本体側ハウジングに対して密着させることができるため、本体側ハウジングに対するコネクタハウジングのがたつきを抑制することができる。その結果、コンタクト同士の擦れ、又はコンタクトとハウジングとの擦れ、等に起因する摩耗粉の発生を抑制することができる。
【0017】
(5)上記課題を解決するために、この発明のある局面に係る電気的接続装置は、端子部と、該端子部が収容されるコネクタハウジングとを備え、前記端子部によって第1接続対象と第2接続対象としての基板とを電気的に接続する、上述したいずれかのコネクタと、メス型のコンタクトとして形成され、前記基板に接続される本体側メス型コンタクトと、前記基板に固定される本体側ハウジングと、を備えている。
【0018】
この構成では、電気的接続装置に、十分な長さが確保された連結部が形成された端子部を有するコネクタを備えることができるため、耐振性に優れた電気的接続装置を提供できる。
【0019】
また、他の局面に係る端子部は、第1接続対象と第2接続対象とを電気的に接続するコネクタのコネクタハウジングに収容される端子部であって、前記第1接続対象に接続された本体側メス型コンタクトに挿入されるコネクタ側オス型コンタクトと、前記第2接続対象に接続された本体側オス型コンタクトが挿入されるコネクタ側メス型コンタクトと、前記コネクタ側オス型コンタクト及び前記コネクタ側メス型コンタクトを連結する弾性変形可能な連結部と、を有している。
【0020】
この構成では、上述のように、端子部における一方側にオス型のコンタクトが形成され、他方側にメス型のコンタクトが形成されている。こうすると、例えば、端子部の両端部にメス型のコンタクトが形成されている場合と比べて、連結部の長さを長くすることができる。詳しく説明すると、オス型のコンタクトは、メス型のコンタクトに比べて構成が簡素化されているため、連結部におけるオス型コンタクト側の端部を、オス型コンタクト側へ延ばして形成することが可能となる。これにより、端子部の両端部にメス型コンタクトが形成されている場合と比べて、端子部の連結部を長くすることができる。その結果、2つの接続対象のそれぞれが別々に振動しても、長さが十分に確保された連結部によってその振動を吸収できる。
【0021】
従って、この構成によると、耐振性に優れたコネクタに適した端子部を提供できる。
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、耐振性に優れたコネクタ及び電気的接続装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1】本発明の実施形態に係るコネクタ、及びこのコネクタを備えた電気的接続装置を模式的に示す斜視図である。
図2】(A)は、図1に示す電気的接続装置を後方から視た図、(B)は、図1に示す電気的接続装置の底面図、である。
図3図1に示す電気的接続装置の縦断面図であって、コネクタが本体側ハウジングに嵌合する前の状態を示す図である。
図4】本体側メス型コンタクトの形状を示す斜視図である。
図5】(A)はコアハウジングの斜視図、(B)は端子部の斜視図、である。
図6】端子部が挿入された状態のコアハウジングがコネクタハウジングに収容された状態を示す斜視図であって、コネクタハウジングにおける上側の部分を省略して示す図である。
図7】コネクタの組立工程を説明するための図であって、(A)は、コアハウジングと端子部とを組み合わせる際の様子を示す図、(B)は、互いに組み合わせられたコアハウジング及び端子部をコネクタハウジング内に挿入する様子を示す図、である。
図8】本体側ハウジングに対するコネクタの嵌合動作について説明するための図であって、(A)は、コネクタが最も基板側に押し込まれた状態を示す図、(B)は、本体側ハウジングに対するコネクタの嵌合が完了した状態を示す図、である。
図9図1に示す電気的接続装置の図3とは異なる面で切断した縦断面図であって、コネクタが最も基板側に押し込まれた状態を示す図である。
図10】変形例に係る電気的接続装置の端子部の平面図である。
図11】変形例に係る電気的接続装置の縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明を実施するための形態について図面を参照しつつ説明する。本発明は、2つの接続対象を電気的に接続するコネクタ、及びこのコネクタを備えた電気的接続装置、に広く適用できる。
【0025】
[構成]
図1は、本発明の実施形態に係るコネクタ20、及びこのコネクタ20を備えた電気的接続装置1を模式的に示す斜視図である。また、図2(A)は、図1に示す電気的接続装置1を後方から視た図、図2(B)は、図1に示す電気的接続装置1の底面図、である。また、図3は、図1に示す電気的接続装置1の縦断面図であって、コネクタ20が本体側ハウジング10に嵌合する前の状態を示す図である。本実施形態に係る電気的接続装置1は、例えば一例として車載用に用いられ、バスバー(図示省略)と、バスバーから電源供給が行われる機器(図示省略)の基板50と、を電気的に接続するためのものである。なお、各図において、説明の便宜上、前と記載された矢印が指示する方向を前側又は前方と称し、後と記載された矢印が指示する方向を後側又は後方と称し、右と記載された矢印が指示する方向を右側と称し、左と記載された矢印が指示する方向を左側と称し、上と記載された矢印が指示する方向を上側又は上方と称し、下と記載された矢印が指示する方向を下側又は下方と称する。上下方向は、コネクタ20の挿抜方向に対応している。
【0026】
電気的接続装置1は、本体側オス型コンタクト2、本体側ハウジング10、補強タブ3本体側メス型コンタクト4、コネクタ20、等を備えている。
【0027】
本体側オス型コンタクト2は、ピン状に形成された導電性の部材であって、バスバーに対して固定されている。これにより、本体側オス型コンタクト2は、パスバーと同電位になる。なお、本実施形態では、本体側オス型コンタクト2の形状をピン状に形成したが、この限りでなく、いわゆるオス型に形成されていればどのような形状であってもよい。例えば、本体側オス型コンタクト2を、細長い片状の金属板を折り曲げて棒状にするなどして形成してもよい。
【0028】
本体側ハウジング10は、上下方向に延びる略角筒状に形成された樹脂製の部材である。本体側ハウジング10は、上方から視て左右方向に長い長方形状に形成されている。具体的には、本体側ハウジング10は、前壁部11、後壁部12、右壁部13、及び左壁部14を有し、これらが略角筒状となるように一体に形成されている。
【0029】
本体側ハウジング10の後壁部12における下側の部分には、当該部分から後側へ向かって膨出する段差状に形成された段差部15が形成されている。また、本体側ハウジング10の左右両側には、該本体側ハウジング10を上下方向に貫通するスリット部16,16が形成されている。
【0030】
また、本体側ハウジング10には、2つのコイルバネ収容部17a,17bが形成されている。具体的には、一方のコイルバネ収容部17aは、後壁部12と右壁部13との間の角部のうちの下側の部分が溝状に切り欠かれた部分によって形成されている。また、他方のコイルバネ収容部17bは、後壁部12と左壁部14との間の角部のうちの下側の部分が溝状に切り欠かれた部分によって形成されている。各コイルバネ収容部17a,17bには、上下方向に延びるようにコイルバネ5a,5bが配置される。
【0031】
また、本体側ハウジング10には、本体側係合爪18が形成されている。具体的には、本体側係合爪18は、後壁部12の左右中央部分における、段差部15のやや上方に形成されている。本体側係合爪18は、後壁部12から後方へ向かって突出するように形成されている。この本体側係合爪18は、詳しくは後述するコネクタハウジング21のコネクタ側係合爪23と係合する。
【0032】
補強タブ3は、金属製のプレート状の部材の一部が折り曲げられることにより形成されている。補強タブ3は、本体側ハウジング10のスリット部16に挿入されて固定された状態において、上述のように折り曲げられた平坦状の折り曲げ部3aが下方へ対向するように設けられる。補強タブ3は、2つのスリット部16のそれぞれに圧入されて固定される。
【0033】
本体側ハウジング10は、上述のようにして本体側ハウジング10に固定された補強タブ3の折り曲げ部3aが基板50にはんだ付けされることにより、基板50に対して固定される。
【0034】
図4は、本体側メス型コンタクト4の形状を示す斜視図である。本体側メス型コンタクト4は、例えばプレス打ち抜き加工により形成された板金が折り曲げられることにより、図4に示すような形状の形成されている。本体側メス型コンタクト4は、角筒状に形成された角筒部4aとはんだ付け部4bとを有し、これらが一体に形成されている。角筒部4aの内側にはバネ部4cが形成され、角筒部4aに挿入されたコネクタ側のオス型コンタクト31(詳しくは後述する)を角筒部4aとの間で挟んで保持する。また、本実施形態では、本体側メス型コンタクト4は、左右方向に5つ配列されて、それぞれのはんだ付け部4bが基板50にはんだ付けされた状態で、基板50に固定された状態の本体側ハウジング10に収容される。この状態において、各本体側メス型コンタクト4の上側の開口部は、本体側ハウジング10における上側の開口部を介して、上方へ露出している。
【0035】
[コネクタの構成]
図5は、コネクタ20が有する端子部30及びコアハウジング25の斜視図であって、(A)はコアハウジング25の斜視図、(B)は端子部30の斜視図、である。また、図6は、端子部30が挿入された状態のコアハウジング25がコネクタハウジング21に収容された状態を示す斜視図であって、コネクタハウジング21における上側の部分を省略して示す図である。
【0036】
コネクタ20は、コネクタハウジング21と、コアハウジング25と、端子部30とを有し、これらが互いに組み立てられることにより形成されている。
【0037】
図1から図3を参照して、コネクタハウジング21は、例えば樹脂成型により形成される部材であって、下側に形成される開口部側からコアハウジング25及び端子部30が挿入されることにより、内部にコアハウジング25及び端子部30が収容される。
【0038】
コネクタハウジング21における後側の部分には、本体側ハウジング10の後壁部12に形成された本体側係合爪18と係合するコネクタ側係合爪23を有する片持ち梁状の爪部22が形成されている。コネクタ側係合爪23は、爪部22の下側における前側の部分から前方へ突出するように形成されている。爪部22は、上側の部分を基端部として下側の部分が前後方向へ撓むように形成されている。
【0039】
また、コネクタハウジング21の内部には、該コネクタハウジング21の内部空間を5つの空間Sに区画する区画壁24が4つ、形成されている(図7(B)参照)。この区画壁24は、前後方向及び上下方向に拡がるように形成され、左右方向に等間隔に配列されている。これらの区画壁24によって区画された5つの空間Sのそれぞれには、詳しくは後述するように、互いに組み合わせられた状態のコアハウジング25及び端子部30が挿入される。
【0040】
コアハウジング25は、例えば樹脂材料によって、図5(A)に示すように、上下方向に延びる略角筒状に形成された部材である。コアハウジング25の前側の壁部における上側の部分には、外側に向かって段状に膨出する第1膨出部26が形成されている。更に、第1膨出部26における上下方向の中央部分には、該第1膨出部26と同じ方向に向かって段状に膨出する第2膨出部27が形成されている。また、コアハウジング25の後側の壁部における上側の部分には、後方に向かって開口する第1開口部28が形成されている。更に、コアハウジング25の左右両側の壁部における上側の部分には、後側から前側に向かって切り欠かれた切欠き部29が形成されている。
【0041】
端子部30は、例えばプレス打ち抜き加工により形成された板金が折り曲げられることにより、図5(B)に示すような形状の形成されている。端子部30は、オス型コンタクト31(コネクタ側オス型コンタクト)とメス型コンタクト35(コネクタ側メス型コンタクト)と、連結部40とを有し、これらが一体に形成されている。
【0042】
オス型コンタクト31は、コンタクト部32によって構成されている。コンタクト部32は、図5(B)に示すように、板状の部分が、上下方向に沿う折り曲げ線で折り曲げられて重ねられることにより形成されている。これにより、コンタクト部32は、所定の厚みを有する上下方向に細長い略棒状に形成される。
【0043】
メス型コンタクト35は、角筒部36a及びバネ部36bを有するコンタクト部36によって構成されている。角筒部36aは、上下方向に沿って延びる角筒状に形成されている。角筒部36aの内部には、該角筒部36aと一体に形成されたバネ部36bが形成されている。メス型コンタクト35では、本体側オス型コンタクト2が角筒部36aの内部に挿入されることにより、該角筒部36aの内側の部分とバネ部36bとで、本体側オス型コンタクト2が挟んで保持される。また、メス型コンタクト35には、突出片37が一体に形成されている。突出片37は、メス型コンタクト35の上下方向における中央部分から前方へ向かって突出するように形成されている。この突出片37の先端部には、上方へ向かって膨出する膨出部37aが形成されている。
【0044】
上述のように、オス型コンタクト31は、比較的形状が単純であるため、該オス型コンタクト31よりも形状が複雑なメス型コンタクト35と比べて、全体的な大きさがやや小さくなっている。
【0045】
連結部40は、第1直線部41と第2直線部42と接続部43とを有し、これらがU字状となるように一体に形成された部分である。
【0046】
第1直線部41は、上下方向に延びるように形成された直線状の部分であって、一端側(下側)がオス型コンタクト31と繋がっている。第1直線部41における上下方向中央部分には、該第1直線部41の左右方向の幅よりも幅が広い幅広部41aが形成されている。
【0047】
第2直線部42は、上下方向に延びるように形成された直線状の部分であって、一端側(下側)がメス型コンタクト35と繋がっている。第2直線部42は、第1直線部41と並行して延びるように設けられている。また、第2直線部42は、第1直線部41よりも上下方向の長さがやや短い。
【0048】
接続部43は、第1直線部41及び第2直線部42と直交する方向に延びるように設けられ、第1直線部41における上側の端部と第2直線部42における上側の端部とを接続している。接続部43の両端部は、円弧状に形成されたR部43a,43aとして設けられている。これにより、端子部30に外力が作用しても、第1直線部41と接続部43との接続部分、及び第2直線部42と接続部43との接続部分に応力が集中するのを避けることができる。
【0049】
[コネクタの組立工程]
図7は、コネクタ20の組立工程を説明するための図であって、(A)は、コアハウジング25と端子部30とを組み合わせる際の様子を示す図、(B)は、互いに組み合わせられたコアハウジング25及び端子部30をコネクタハウジング21内に挿入する様子を示す図、である。なお、図7(B)のコネクタハウジング21の上側の部分については、その形状を模式的に示している。
【0050】
コネクタ20の組立の際、まず、図7(A)に示すように、コアハウジング25と端子部30とが組み合わせられる。具体的には、メス型コンタクト35の突出片37がコアハウジング25の第2膨出部27内に収容されるように、メス型コンタクト35が、第1開口部28側からコアハウジング25内へ挿入される。これにより、突出片37及び膨出部37aが第2膨出部27内に圧入されるため、端子部30がコアハウジング25から抜けてしまうのを防止できる。また、このとき、オス型コンタクト31のコンタクト部32、及びメス型コンタクト35のコンタクト部36が、下方へ向かうように配置される。なお、このようにコアハウジング25と端子部30とが組み合わせられた状態では、幅広部41aがコアハウジング25の切欠き部29に載置された状態となる。本実施形態では、5つのコアハウジング25のそれぞれに対して、5つの端子部30のそれぞれが組み合わせられる。
【0051】
次に、端子部30が取り付けられた上記コアハウジング25が、コネクタハウジング21内へ挿入される。具体的には、各前記コアハウジング25が、各該コアハウジング25の第2開口部25aが下側を向くように、区画壁24によって区画された各空間S(図7(B)参照)に挿入される。このとき、各コアハウジング25は、第2膨出部27が、コネクタハウジング21の前側の壁部に形成されたスリット穴21a(図3参照)に挿通するまで、コネクタハウジング21側へ挿入されることにより、各コアハウジング25のコネクタハウジング21に対する離脱が防止される。このように端子部30が取り付けられた各コアハウジング25をコネクタハウジング21に固定することにより、コネクタ20の組立が完成する。
【0052】
[本体側ハウジングに対するコネクタの嵌合]
図8は、本体側ハウジング10に対するコネクタ20の嵌合動作について説明するための図であって、(A)は、コネクタ20が最も基板50側に押し込まれた状態を示す図、(B)は、本体側ハウジング10に対するコネクタ20の嵌合が完了した状態を示す図、である。以下では、図3及び図8を参照して、本体側ハウジング10に対するコネクタ20の嵌合動作について説明する。
【0053】
図3の状態、すなわち、コネクタ20が本体側ハウジング10に嵌合する前の状態では、本体側のコンタクト(オス型コンタクト2及びメス型コンタクト4)と、コネクタ側のコンタクト(メス型コンタクト35及びオス型コンタクト31)とは互いに接触しておらず、バスバーと、基板50を有する機器とは電気的に接続されていない状態となっている。この状態において、コネクタ20を基板50側へ押し込むと、コネクタ20が本体側ハウジング10側へ移動する。そうすると、コネクタ20側のメス型コンタクト35がオス型コンタクト2側へ移動することによりオス型コンタクト2がメス型コンタクト35内に挿入される一方、コネクタ20側のオス型コンタクト31がメス型コンタクト4内に挿入される。これにより、オス型コンタクト2とメス型コンタクト35とが電気的に接続されるとともに、オス型コンタクト31とメス型コンタクト4とが電気的に接続されるため、バスバーと、基板50を有する機器とを電気的に接続することができる。
【0054】
上述のようにコネクタ20が基板50側へ押し込まれると、コネクタハウジング21における後側の部分と、コイルバネ5a,5bとが当接する。当該コイルバネ5a,5bの付勢力に抗してコネクタ20が更に基板50側へ押し込まれることにより、コネクタ20は更に本体側ハウジング10側へ移動する。
【0055】
そして、上述のようにコイルバネ5a,5bの付勢力に抗しながらコネクタ20が基板50側へ押し込まれることにより、コネクタ20の爪部22の先端部が後側へ撓みながら、コネクタ側係合爪23が本体側係合爪18を乗り越える。これにより、コネクタ側係合爪23が本体側係合爪18よりも下側に入り込む(図8(A)参照)。なお、図9は、電気的接続装置1を後方から視た場合における断面図であって、コネクタ20が最も基板50側へ押し込まれた状態の図である。
【0056】
上述のようにコネクタ20が最も基板50側へ押し込まれた状態において、コネクタ20の基板50側への押圧を解除すると、コイルバネ5a,5bの付勢力によりコネクタ20が上方へ押圧され、コネクタ側係合爪23と本体側係合爪18とが上下方向において互いに密着する。これにより、コネクタハウジング21が本体側ハウジング10に対してがたつくことなく、コネクタ20を本体側ハウジング10に嵌合することができる。
【0057】
[コネクタの耐振性について]
上述のように、本実施形態に係る電気的接続装置1は、例えば一例として車載用に用いられるため、比較的振動が多い環境下で用いられる。更に、本実施形態では、第1接続対象であるバスバーと、第2接続対象である機器とが、それぞれ別個に設けられているため、それぞれ別々の振動モードで振動する。そうすると、例えばバスバー側に固定された部品(例えば本体側オス型コンタクト2)と基板50側に固定された部品(例えば本体側ハウジング10)とが擦れたり、或いは、基板50側に固定された部品(例えば本体側ハウジング10)とコネクタ20側に固定された部位(例えばオス型コンタクト31)とが擦れたりすることにより、各部品が大きく摩耗するようにも思える。
【0058】
しかしながら、本実施形態に係るコネクタ20では、端子部30の一方側にオス型コンタクト31を形成している。こうすると、端子部30の両端部に形成されたコンタクト31,35同士を連結する連結部40の長さを長くすることができる。詳しく説明すると、オス型コンタクト31は、メス型コンタクト35と比べて構成が簡素化されており且つ大きさも小さいため、連結部40におけるオス型コンタクト31側の端部(第1直線部41の下端部)をオス型コンタクト31側へ延ばして形成することができる。これにより、例えば端子部の両端側にメス型コンタクトが形成されている場合と比べて、連結部を長くすることができる。その結果、2つの接続対象(本実施形態の場合、バスバー、及び基板50を有する機器)のそれぞれが別々に振動しても、長さが十分に確保された連結部40によってその振動を吸収できる。
【0059】
[効果]
以上のように、本実施形態に係るコネクタ20では、上述のように、連結部40の長さを長くできる。従って、コネクタ20では、耐振性に優れたコネクタを提供できる。
【0060】
また、コネクタ20では、連結部40の形状がU字状となるように形成されるため、連結部40の長さを確保しつつ、コネクタハウジング21内の限られた空間に端子部30を収容することができる。
【0061】
また、コネクタ20では、コイルバネ5a,5bによって、コネクタハウジング21を本体側ハウジング10に対して密着させることができるため、本体側ハウジング10に対するコネクタハウジング21のがたつきを抑制することができる。その結果、コンタクト同士の擦れ、又はコンタクトとハウジングとの擦れ、等に起因する摩耗粉の発生を抑制することができる。
【0062】
また、本実施形態に係る電気的接続装置1によれば、十分な長さが確保された連結部40が形成された端子部30を有するコネクタ20を備えることができるため、耐振性に優れた電気的接続装置を提供できる。
【0063】
また、本実施形態に係る端子部30によれば、耐振性に優れたコネクタに適した端子部を提供できる。
【0064】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明はこれらに限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない限りにおいて種々の変更が可能である。
【0065】
[変形例]
(1)図10は、変形例に係るコネクタの端子部30aの平面図である。本変形例の端子部30aは、上記実施形態の端子部30と比べて、連結部の形状が異なっている。以下では、上記実施形態と異なる部分について主に説明し、その他の部分については説明を省略する。
【0066】
本変形例の連結部40aは、上記実施形態の場合と異なり、第1直線部41に幅広部41aが形成されておらず、その代わりに、蛇行部41b(屈曲部)が形成されている。蛇行部41bは、前後方向に蛇行しながら、上下方向に延びるように形成されている。このように、第1直線部41に蛇行部41bを設けることで、連結部40aを展開した場合における該連結部40aの長さを長くできるため、より耐振性に優れたコネクタを提供できる。更に、この構成では、上述した蛇行部41bにバネ性を持たせることができるため、より一層、耐振性に優れたコネクタを提供できる。
【0067】
(2)図11は、変形例に係る電気的接続装置1aの縦断面図である。上記実施形態では、本体側ハウジング10に対するコネクタ20のがたつきを、コイルバネ5a,5bによって抑制しているが、これに限らない。具体的には、図11に示すように、樹脂バネ19によってコネクタ20aのガタツキを抑制してもよい。
【0068】
図11に示す例では、本体側ハウジング10aに、樹脂バネ19が形成されている。樹脂バネ19は、本体側ハウジング10aにおける下側から上方へ向かって延びるように形成され、コネクタ20を上方へ付勢している。このような構成であっても、上述した実施形態の場合と同様、本体側ハウジング10aに対するコネクタ20aのがたつきを抑制できる。
【産業上の利用可能性】
【0069】
本発明は、2つの接続対象を電気的に接続するコネクタ、及びこのコネクタを備えた電気的接続装置として広く適用することができる。
【符号の説明】
【0070】
1,1a 電気的接続装置
2 本体側オス型コンタクト
4 本体側メス型コンタクト
20,20a コネクタ
21 コネクタハウジング
30,30a 端子部
31 オス型コンタクト(コネクタ側オス型コンタクト)
35 メス型コンタクト(コネクタ側メス型コンタクト)
40,40a 連結部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11