特許第6367750号(P6367750)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6367750モバイル装置、モバイル装置におけるフロントエンド信号処理の方法、モバイル装置のためのダイバーシティモジュール、ダイバーシティモジュールにおける信号処理の方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6367750
(24)【登録日】2018年7月13日
(45)【発行日】2018年8月1日
(54)【発明の名称】モバイル装置、モバイル装置におけるフロントエンド信号処理の方法、モバイル装置のためのダイバーシティモジュール、ダイバーシティモジュールにおける信号処理の方法
(51)【国際特許分類】
   H04B 7/12 20060101AFI20180723BHJP
   H04W 16/28 20090101ALI20180723BHJP
   H04B 1/54 20060101ALI20180723BHJP
【FI】
   H04B7/12
   H04W16/28 150
   H04B1/54
【請求項の数】19
【外国語出願】
【全頁数】31
(21)【出願番号】特願2015-86635(P2015-86635)
(22)【出願日】2015年4月21日
(65)【公開番号】特開2015-208007(P2015-208007A)
(43)【公開日】2015年11月19日
【審査請求日】2018年4月16日
(31)【優先権主張番号】61/982,669
(32)【優先日】2014年4月22日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】14/670,836
(32)【優先日】2015年3月27日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】14/670,778
(32)【優先日】2015年3月27日
(33)【優先権主張国】US
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】503031330
【氏名又は名称】スカイワークス ソリューションズ,インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】SKYWORKS SOLUTIONS,INC.
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】特許業務法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ステファーヌ・リシャール・マリー・ブロクジシアク
【審査官】 吉江 一明
(56)【参考文献】
【文献】 特開2003−87023(JP,A)
【文献】 特開2012−105334(JP,A)
【文献】 特開2003−169008(JP,A)
【文献】 特開2010−252346(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2013/0037924(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 7/12
H04W 16/28
H04B 1/54
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
モバイル装置であって、
少なくとも1つのダイバーシティアンテナと、
少なくとも1つのダイバーシティアンテナに電気的に結合されたダイバーシティモジュールとを含み、ダイバーシティモジュールは、少なくとも1つのダイバーシティアンテナから受信された1つ以上のダイバーシティ信号を処理することに基づいて、高帯域信号、中帯域信号、および低帯域信号を生成するように構成されており、高帯域信号は、中帯域信号の周波数成分よりも大きい周波数成分を有し、中帯域信号は、低帯域信号の周波数成分よりも大きい周波数成分を有し、ダイバーシティモジュールはさらに、低帯域信号と高帯域信号とを組合せることに基づいて、組合せ低帯域高帯域信号を生成するように構成されており、前記モバイル装置はさらに、
ダイバーシティモジュールから中帯域信号および組合せ低帯域高帯域信号を受信するように構成されたアンテナスイッチモジュールを含む、モバイル装置。
【請求項2】
低帯域信号の周波数成分は1GHz未満であり、中帯域信号の周波数成分は1GHz〜2.3GHzであり、高帯域信号の周波数成分は2.3GHzよりも大きい、請求項1に記載のモバイル装置。
【請求項3】
送受信機と、1つ以上の一次アンテナとをさらに含み、送受信機は、アンテナスイッチモジュールを介して1つ以上の一次アンテナに電気的に結合されている、請求項1に記載のモバイル装置。
【請求項4】
ダイバーシティモジュールは、低帯域信号および高帯域信号に基づいて組合せ低帯域高帯域信号を生成するように構成されたダイプレクサを含む、請求項1に記載のモバイル装置。
【請求項5】
ダイバーシティモジュールは、低帯域信号を生成するように構成された低帯域処理回路と、中帯域信号を生成するように構成された中帯域処理回路と、高帯域信号を生成するように構成された高帯域処理回路とを含む、請求項1に記載のモバイル装置。
【請求項6】
低帯域処理回路は、カスケードに配置された第1のフィルタと第1の低雑音増幅器とを含み、中帯域処理回路は、カスケードに配置された第2のフィルタと第2の低雑音増幅器とを含み、高帯域処理回路は、カスケードに配置された第3のフィルタと第3の低雑音増幅器とを含む、請求項5に記載のモバイル装置。
【請求項7】
組合せ中帯域高帯域ダイバーシティ信号を受信するように構成されたダイバーシティアンテナ端子と、
ダイバーシティアンテナ端子に電気的に結合された入力、中帯域処理回路の入力に電気的に結合された第1の出力、および高帯域処理回路の入力に電気的に結合された第2の出力を含む、帯域選択スイッチとをさらに含む、請求項5に記載のモバイル装置。
【請求項8】
モバイル装置におけるフロントエンド信号処理の方法であって、前記方法は、
少なくとも1つのダイバーシティアンテナから、1つ以上のダイバーシティ信号を受信するステップと、
ダイバーシティモジュールを使用して1つ以上のダイバーシティ信号を処理することに基づいて、高帯域信号、中帯域信号、および低帯域信号を生成するステップとを含み、高帯域信号は、中帯域信号の周波数成分よりも大きい周波数成分を有し、中帯域信号は、低帯域信号の周波数成分よりも大きい周波数成分を有し、前記方法はさらに、
ダイバーシティモジュールを使用して低帯域信号と高帯域信号とを組合せることに基づいて、組合せ低帯域高帯域信号を生成するステップと、
第1の信号ルートを通して、中帯域信号をアンテナスイッチモジュールに提供するステップと、
第2の信号ルートを通して、組合せ低帯域高帯域信号をアンテナスイッチモジュールに提供するステップとを含む、方法。
【請求項9】
低帯域信号の周波数成分は1GHz未満であり、中帯域信号の周波数成分は1GHz〜2.3GHzであり、高帯域信号の周波数成分は2.3GHzよりも大きい、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
少なくとも1つの一次アンテナから1つ以上の一次信号を受信するステップと、1つ以上の一次信号をアンテナスイッチモジュールに提供するステップとをさらに含む、請求項8に記載の方法。
【請求項11】
組合せ低帯域高帯域信号を生成するステップは、ダイプレクサを使用して低帯域信号と高帯域信号とを組合せるステップを含む、請求項8に記載の方法。
【請求項12】
無線周波数システムであって、
1つ以上のダイバーシティアンテナ端子から受信した1つ以上のダイバーシティ信号を処理することに基づいて、高帯域信号、中帯域信号、および低帯域信号を生成するように構成されたダイバーシティモジュールを含み、高帯域信号は、中帯域信号の周波数成分よりも大きい周波数成分を有し、中帯域信号は、低帯域信号の周波数成分よりも大きい周波数成分を有し、前記ダイバーシティモジュールはさらに、低帯域信号と高帯域信号とを組合せることに基づいて、組合せ低帯域/高帯域信号を生成するように構成され、
前記無線周波数システムはさらに、ダイバーシティモジュールから中帯域信号および組合せ低帯域/高帯域信号を受信するように構成されたアンテナスイッチモジュールを含む、無線周波数システム
【請求項13】
低帯域信号の周波数成分は1GHz未満であり、中帯域信号の周波数成分は1GHz〜2.3GHzであり、高帯域信号の周波数成分は2.3GHzよりも大きい、請求項12に記載の無線周波数システム
【請求項14】
送受信機と、1つ以上の一次アンテナとをさらに含み、送受信機は、アンテナスイッチモジュールを介して1つ以上の一次アンテナに電気的に結合されている、請求項12に記載の無線周波数システム。
【請求項15】
ダイバーシティモジュールは、低帯域信号と高帯域信号とに基づいて、組合せ低帯域/高帯域信号を生成するように構成されたダイプレクサをさらに含む、請求項12に記載の無線周波数システム
【請求項16】
ダイバーシティモジュールは、低帯域信号を生成するように構成された低帯域処理回路と、中帯域信号を生成するように構成された中帯域処理回路と、高帯域信号を生成するように構成された高帯域処理回路とを含む、請求項12に記載の無線周波数システム。
【請求項17】
低帯域処理回路は、カスケードに配置された第1のフィルタと第1の低雑音増幅器とを含み、中帯域処理回路は、カスケードに配置された第2のフィルタと第2の低雑音増幅器とを含み、高帯域処理回路は、カスケードに配置された第3のフィルタと第3の低雑音増幅器とを含む、請求項16に記載の無線周波数システム
【請求項18】
1つ以上のダイバーシティアンテナ端子は、低帯域処理回路の入力に電気的に結合された第1のダイバーシティアンテナ端子をさらに含む、請求項16に記載の無線周波数システム
【請求項19】
1つ以上のダイバーシティアンテナ端子は、第2のダイバーシティアンテナ端子をさらに含み、ダイバーシティモジュールは、第2のダイバーシティアンテナ端子に電気的に結合された入力、中帯域処理回路の入力に電気的に結合された第1の出力、および高帯域処理回路の入力に電気的に結合された第2の出力を含む、帯域選択スイッチをさらに含む、請求項18に記載の無線周波数システム
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明の詳細な説明
背景
分野
この発明の実施例は電子システムに関し、特に無線周波数(radio frequency:RF)電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
関連技術の説明
RFシステムは、RF信号を受信および/または送信するためのアンテナを含み得る。しかしながら、RFシステムには、アンテナへのアクセスを必要とし得るいくつかのコンポーネントが存在する場合がある。たとえば、RFシステムは、異なる周波数帯域、異なる通信規格、および/または異なる電力モードに関連する異なる送信経路または受信経路を含んでいてもよく、各経路は、ある時点である特定のアンテナへのアクセスを必要とする場合がある。
【0003】
アンテナスイッチモジュールは、ある特定のアンテナをRFシステムのある特定の送信経路または受信経路に電気的に接続するために使用可能であり、それにより、複数のコンポーネントがアンテナを共有できるようにする。ある構成では、アンテナスイッチモジュールはダイバーシティモジュールと通信しており、それは、1つ以上のダイバーシティアンテナを使用して受信および/または送信された信号を処理する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
概要
ある実施例では、この開示は、モバイル装置に関する。モバイル装置は、少なくとも1つのダイバーシティアンテナと、少なくとも1つのダイバーシティアンテナに電気的に結合されたダイバーシティモジュールと、アンテナスイッチモジュールとを含む。ダイバーシティモジュールは少なくとも1つのダイバーシティアンテナに電気的に結合されており、少なくとも1つのダイバーシティアンテナから受信された1つ以上のダイバーシティ信号を処理することに基づいて、高帯域(high band:HB)信号、中帯域(mid band:MB)信号、および低帯域(low band:LB)信号を生成するように構成されている。HB信号は、MB信号の周波数成分よりも大きい周波数成分を有し、MB信号は、LB信号の周波数成分よりも大きい周波数成分を有する。ダイバーシティモジュールはさらに、LB信号とHB信号とを組合せることに基づいて、組合せLB/HB信号を生成するように構成されている。アンテナスイッチモジュールは、ダイバーシティモジュールからMB信号および組合せLB/HB信号を受信するように構成されている。
【0006】
多くの実施例では、LB信号の周波数成分は1GHz未満であり、MB信号の周波数成分は1GHz〜2.3GHzであり、HB信号の周波数成分は2.3GHzよりも大きい。
【0007】
さまざまな実施例では、モバイル装置はさらに、送受信機と、1つ以上の一次アンテナとを含み、送受信機は、アンテナスイッチモジュールを介して1つ以上の一次アンテナに電気的に結合されている。
【0008】
いくつかの実施例では、ダイバーシティモジュールは、LB信号およびHB信号に基づいて組合せLB/HB信号を生成するように構成されたダイプレクサを含む。
【0009】
ある実施例によれば、ダイバーシティモジュールは、LB信号を生成するように構成されたLB処理回路と、MB信号を生成するように構成されたMB処理回路と、HB信号を生成するように構成されたHB処理回路とを含む。
【0010】
いくつかの実施例では、LB処理回路は、カスケードに配置された第1のフィルタと第1のLNAとを含み、MB処理回路は、カスケードに配置された第2のフィルタと第2のLNAとを含み、HB処理回路は、カスケードに配置された第3のフィルタと第3のLNAとを含む。
【0011】
さまざまな実施例では、モバイル装置はさらに、組合せMB/HBダイバーシティ信号を受信するように構成されたダイバーシティアンテナ端子と、ダイバーシティアンテナ端子に電気的に結合された入力、MB処理回路の入力に電気的に結合された第1の出力、およびHB処理回路の入力に電気的に結合された第2の出力を含む、帯域選択スイッチとを含む。
【0012】
ある実施例では、この開示は、モバイル装置におけるフロントエンド信号処理の方法に関する。この方法は、少なくとも1つのダイバーシティアンテナから、1つ以上のダイバーシティ信号を受信するステップと、ダイバーシティモジュールを使用して1つ以上のダイバーシティ信号を処理することに基づいて、HB信号、MB信号、およびLB信号を生成するステップとを含む。HB信号は、MB信号の周波数成分よりも大きい周波数成分を有し、MB信号は、LB信号の周波数成分よりも大きい周波数成分を有する。この方法はさらに、ダイバーシティモジュールを使用してLB信号とHB信号とを組合せることに基づいて、組合せLB/HB信号を生成するステップと、第1の信号ルートを通して、MB信号をアンテナスイッチモジュールに提供するステップと、第2の信号ルートを通して、組合せLB/HB信号をアンテナスイッチモジュールに提供するステップとを含む。
【0013】
多くの実施例によれば、LB信号の周波数成分は1GHz未満であり、MB信号の周波数成分は1GHz〜2.3GHzであり、HB信号の周波数成分は2.3GHzよりも大きい。
【0014】
さまざまな実施例では、この方法はさらに、少なくとも1つの一次アンテナから1つ以上の一次信号を受信するステップと、1つ以上の一次信号をアンテナスイッチモジュールに提供するステップとを含む。
【0015】
いくつかの実施例では、組合せLB/HB信号を生成するステップは、ダイプレクサを使用してLB信号とHB信号とを組合せるステップを含む。
【0016】
ある実施例では、この開示は、モバイル装置のためのダイバーシティモジュールに関する。ダイバーシティモジュールは、1つ以上のダイバーシティ信号を処理することに基づいてLB信号を生成するように構成されたLB処理回路と、1つ以上のダイバーシティ信号を処理することに基づいてMB信号を生成するように構成されたMB処理回路と、1つ以上のダイバーシティ信号を処理することに基づいてHB信号を生成するように構成されたHB処理回路とを含む。MB信号は、LB信号の周波数成分よりも大きい周波数成分を有し、HB信号は、MB信号の周波数成分よりも大きい周波数成分を有する。ダイバーシティモジュールはさらに、MB信号を受信するように構成されたMB端子と、共有LB/HB端子と、共有LB/HB端子に電気的に結合された多投スイッチとを含む。多投スイッチは、第1の状態ではLB信号を共有LB/HB端子に提供し、第2の状態ではHB信号を共有LB/HB端子に提供するように構成されている。
【0017】
さまざまな実施例によれば、LB信号の周波数成分は1GHz未満であり、MB信号の周波数成分は1GHz〜2.3GHzであり、HB信号の周波数成分は2.3GHzよりも大きい。
【0018】
いくつかの実施例では、ダイバーシティモジュールはさらに、LB信号とHB信号とを組合せて、組合せLB/HB信号を生成するように構成されたダイプレクサを含み、多投スイッチは、第3の状態では組合せLB/HB信号を共有LB/HB端子に提供するように構成されている。ある実施例では、ダイバーシティモジュールはさらに、HB処理回路の出力とダイプレクサの第1の入力との間に電気的に結合された第1のスイッチと、LB処理回路の出力とダイプレクサの第2の入力との間に電気的に結合された第2のスイッチとを含む。さまざまな実施例では、第1および第2のスイッチは、多投スイッチが第3の状態で動作する場合には閉じ、多投スイッチが第1または第2の状態で動作する場合には開くように構成されている。
【0019】
多くの実施例では、LB処理回路は、カスケードに配置された第1のフィルタと第1のLNAとを含み、MB処理回路は、カスケードに配置された第2のフィルタと第2のLNAとを含み、HB処理回路は、カスケードに配置された第3のフィルタと第3のLNAとを含む。
【0020】
さまざまな実施例では、ダイバーシティモジュールはさらに、LBダイバーシティ信号を受信するように構成された第1のダイバーシティアンテナ端子を含み、第1のダイバーシティアンテナ端子は、LB処理回路の入力に電気的に結合されている。いくつかの実施例では、ダイバーシティモジュールはさらに、組合せMB/HBダイバーシティ信号を受信するように構成された第2のダイバーシティアンテナ端子と、第2のダイバーシティアンテナ端子に電気的に結合された入力、MB処理回路の入力に電気的に結合された第1の出力、およびHB処理回路の入力に電気的に結合された第2の出力を含む、帯域選択スイッチとを含む。
【0021】
いくつかの実施例によれば、LB処理回路は、異なる周波数範囲を有する複数の低帯域フィルタを含み、MB処理回路は、異なる周波数範囲を有する複数の中帯域フィルタを含み、HB処理回路は、異なる周波数範囲を有する複数の高帯域フィルタを含む。
【0022】
ある実施例では、この開示は、ダイバーシティモジュールに関する。ダイバーシティモジュールは、第1のアンテナ側多投スイッチと、第2のアンテナ側多投スイッチと、第1の送受信機側多投スイッチと、第2の送受信機側多投スイッチと、LB信号を生成するように構成されたLB処理回路と、LB信号の周波数成分よりも大きい周波数成分を有するMB信号を生成するように構成されたMB処理回路と、MB信号の周波数成分よりも大きい周波数成分を有するHB信号を生成するように構成されたHB処理回路とを含む。LB処理回路は、第1のアンテナ側多投スイッチと第1の送受信機側多投スイッチとの間の第1の信号経路において電気的に結合されており、MB処理回路は、第2のアンテナ側多投スイッチと第2の送受信機側多投スイッチとの間の第2の信号経路において電気的に結合されており、HB処理回路は、第2のアンテナ側多投スイッチと第1の送受信機側多投スイッチとの間の第3の信号経路において電気的に結合されている。
【0023】
多くの実施例では、LB信号の周波数成分は1GHz未満であり、MB信号の周波数成分は1GHz〜2.3GHzであり、HB信号の周波数成分は2.3GHzよりも大きい。
【0024】
さまざまな実施例では、ダイバーシティモジュールはさらに、第1の送受信機側多投スイッチと第1のアンテナ側多投スイッチとの間の第1の送信バイパス経路と、第2の送受信機側多投スイッチと第2のアンテナ側多投スイッチとの間の第2の送信バイパス経路とを含む。
【0025】
ある実施例によれば、ダイバーシティモジュールは、通常動作モードおよびスワップモードを含む複数のモードで動作可能である。加えて、第1の送受信機側多投スイッチおよび第1のアンテナ側多投スイッチは、スワップモードで、第1の送信バイパス経路を選択するように構成されており、第2の送受信機側多投スイッチおよび第2のアンテナ側多投スイッチは、スワップモードで、第2の送信バイパス経路を選択するように構成されている。
【0026】
いくつかの実施例では、ダイバーシティモジュールはさらに、第1のアンテナ側多投スイッチに電気的に結合された第1のダイバーシティアンテナ端子と、第2のアンテナ側多投スイッチに電気的に結合された第2のダイバーシティアンテナ端子と、第1の送受信機側多投スイッチに電気的に結合された第1の双方向端子と、第2の送受信機側多投スイッチに電気的に結合された第2の双方向端子とを含む。
【0027】
さまざまな実施例では、ダイバーシティモジュールは、通常動作モードおよびスワップモードを含む複数のモードで動作可能であり、第1の送受信機側多投スイッチは、通常動作モードで、LB信号またはHB信号のいずれかを第1の双方向端子に提供するように構成されており、第2の送受信機側多投スイッチは、通常動作モードで、MB信号を第2の双方向端子に提供するように構成されている。
【0028】
いくつかの実施例では、第1の送受信機側多投スイッチおよび第1のアンテナ側多投スイッチは、スワップモードで、第1の双方向端子を、第1の送信バイパス経路を介して第1のダイバーシティアンテナ端子に電気的に結合するように構成されており、第2の送受信機側多投スイッチおよび第2のアンテナ側多投スイッチは、スワップモードで、第2の双方向端子を、第2の送信バイパス経路を介して第2のダイバーシティアンテナ端子に電気的に結合するように構成されている。
【0029】
多くの実施例によれば、LB処理回路は、カスケードに配置された第1のフィルタと第1のLNAとを含み、MB処理回路は、カスケードに配置された第2のフィルタと第2のLNAとを含み、HB処理回路は、カスケードに配置された第3のフィルタと第3のLNAとを含む。
【0030】
ある実施例では、この開示は、モバイル装置に関する。モバイル装置は、送受信機と、アンテナスイッチモジュールと、少なくとも1つのダイバーシティアンテナと、送受信機側とアンテナ側とを含むダイバーシティモジュールとを含む。ダイバーシティモジュールは、送受信機側でアンテナスイッチモジュールを介して送受信機に電気的に結合され、アンテナ側で少なくとも1つのダイバーシティアンテナに電気的に結合されている。ダイバーシティモジュールは、第1のアンテナ側多投スイッチと、第2のアンテナ側多投スイッチと、第1の送受信機側多投スイッチと、第2の送受信機側多投スイッチと、LB処理回路と、MB処理回路と、HB処理回路とを含む。LB処理回路は、第1のアンテナ側多投スイッチと第1の送受信機側多投スイッチとの間の第1の信号経路において電気的に結合されており、MB処理回路は、第2のアンテナ側多投スイッチと第2の送受信機側多投スイッチとの間の第2の信号経路において電気的に結合されており、HB処理回路は、第2のアンテナ側多投スイッチと第1の送受信機側多投スイッチとの間の第3の信号経路において電気的に結合されている。
【0031】
さまざまな実施例では、LB処理回路は、少なくとも1つのダイバーシティアンテナから受信された1つ以上のダイバーシティ信号を処理することに基づいて、LB信号を生成するように構成されており、MB処理回路は、1つ以上のダイバーシティ信号を処理することに基づいて、LB信号の周波数成分よりも大きい周波数成分を有するMB信号を生成するように構成されており、HB処理回路は、1つ以上のダイバーシティ信号を処理することに基づいて、MB信号の周波数成分よりも大きい周波数成分を有するHB信号を生成するように構成されている。
【0032】
ある実施例では、LB信号の周波数成分は1GHz未満であり、MB信号の周波数成分は1GHz〜2.3GHzであり、HB信号の周波数成分は2.3GHzよりも大きい。
【0033】
いくつかの実施例によれば、ダイバーシティモジュールはさらに、第1の送受信機側多投スイッチと第1のアンテナ側多投スイッチとの間の第1の送信バイパス経路と、第2の送受信機側多投スイッチと第2のアンテナ側多投スイッチとの間の第2の送信バイパス経路とを含む。
【0034】
さまざまな実施例では、ダイバーシティモジュールは、通常動作モードおよびスワップモードを含む複数のモードで動作可能であり、第1の送受信機側多投スイッチおよび第1のアンテナ側多投スイッチは、スワップモードで、第1の送信バイパス経路を選択するように構成されており、第2の送受信機側多投スイッチおよび第2のアンテナ側多投スイッチは、スワップモードで、第2の送信バイパス経路を選択するように構成されている。
【0035】
ある実施例では、第1の送受信機側多投スイッチは、通常動作モードで、HB処理回路の出力またはLB処理回路の出力を選択するように構成されており、第2の送受信機側多投スイッチは、通常動作モードで、MB処理回路の出力を選択するように構成されている。
【0036】
さまざまな実施例では、LB処理回路は、カスケードに配置された第1のフィルタと第1のLNAとを含み、MB処理回路は、カスケードに配置された第2のフィルタと第2のLNAとを含み、HB処理回路は、カスケードに配置された第3のフィルタと第3のLNAとを含む。
【0037】
ある実施例によれば、モバイル装置はさらに1つ以上の一次アンテナを含み、送受信機は、アンテナスイッチモジュールを介して1つ以上の一次アンテナに電気的に結合されている。
【0038】
ある実施例では、この開示は、ダイバーシティモジュールにおける信号処理の方法に関する。この方法は、少なくとも1つのダイバーシティアンテナを使用して、1つ以上のダイバーシティ信号を受信するステップと、第1のアンテナ側多投スイッチと第1の送受信機側多投スイッチとの間の第1の信号経路において電気的に結合されたLB処理回路を使用して1つ以上のダイバーシティ信号を処理することに基づいて、LB信号を生成するステップとを含む。この方法はさらに、第2のアンテナ側多投スイッチと第2の送受信機側多投スイッチとの間の第2の信号経路において電気的に結合されたMB処理回路を使用して1つ以上のダイバーシティ信号を処理することに基づいて、MB信号を生成するステップを含み、MB信号は、LB信号の周波数成分よりも大きい周波数成分を有する。この方法はさらに、第2のアンテナ側多投スイッチと第1の送受信機側多投スイッチとの間の第3の信号経路において電気的に結合されたHB処理回路を使用して1つ以上のダイバーシティ信号を処理することに基づいて、HB信号を生成するステップを含み、HB信号は、MB信号の周波数成分よりも大きい周波数成分を有する。
【0039】
さまざまな実施例では、この方法はさらに、通常動作モードとスワップモードとを含む複数の動作モードのうちの1つでダイバーシティモジュールを動作させるステップと、ダイバーシティモジュールが通常動作モードにある場合、第1の送受信機側多投スイッチを使用してLB信号またはHB信号を選択するステップと、ダイバーシティモジュールが通常動作モードにある場合、第2の送受信機側多投スイッチを使用してMB信号を選択するステップとを含む。
【0040】
いくつかの実施例によれば、この方法はさらに、ダイバーシティモジュールがスワップモードにある場合、第1の送受信機側多投スイッチおよび第1のアンテナ側多投スイッチを使用して第1の送信バイパス経路を選択するステップと、ダイバーシティモジュールがスワップモードにある場合、第2の送受信機側多投スイッチおよび第2のアンテナ側多投スイッチを使用して第2の送信バイパス経路を選択するステップとを含む。
【0041】
多くの実施例では、LB信号の周波数成分は1GHz未満であり、MB信号の周波数成分は1GHz〜2.3GHzであり、HB信号の周波数成分は2.3GHzよりも大きい。
【図面の簡単な説明】
【0042】
図1】無線装置の一例の概略ブロック図である。
図2】一実施例に従った無線周波数(RF)システムの概略ブロック図である。
図3】別の実施例に従ったRFシステムの概略ブロック図である。
図4】別の実施例に従ったRFシステムの概略ブロック図である。
図5】ダイバーシティモジュールとアンテナスイッチモジュールとを含むRFシステムの一実施例の概略ブロック図である。
図6】別の実施例に従ったRFシステムの概略ブロック図である。
図7】別の実施例に従ったRFシステムの概略ブロック図である。
図8】別の実施例に従ったダイバーシティモジュールの概略ブロック図である。
図9A】RFシステムの概略ブロック図である。
図9B】RFシステムの概略ブロック図である。
図10】ダイバーシティモジュールとアンテナスイッチモジュールとを含むRFシステムの別の実施例の概略ブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0043】
実施例の詳細な説明
ここに見出しが提供される場合、それらは単なる便宜上のものであり、請求される発明の範囲または意味に必ずしも影響を与えない。
【0044】
図1は、無線またはモバイル装置11の一例の概略ブロック図である。モバイル装置11は、この開示の1つ以上の特徴を実現する無線周波数(RF)モジュールを含み得る。
【0045】
図1に示す例示的なモバイル装置11は、多帯域/多モード携帯電話といった多帯域および/または多モード装置を表わし得る。例として、グローバル・システム・フォー・モバイル(Global System for Mobile:GSM(登録商標))通信規格は、世界各地で利用されているデジタルセルラー通信のモードである。GSMモードの携帯電話は、850MHz(Txについては約824〜849MHz、Rxについては約869〜894MHz)、900MHz(Txについては約880〜915MHz、Rxについては約925〜960MHz)、1800MHz(Txについては約1710〜1785MHz、Rxについては約1805〜1880MHz)、および1900MHz(Txについては約1850〜1910MHz、Rxについては約1930〜1990MHz)という4つの周波数帯域のうちの1つ以上で動作可能である。GSM帯域の変形、および/または各地域/国での実現化例も、世界のさまざまな場所で利用されている。
【0046】
符号分割多重アクセス(code division multiple access:CDMA)は、携帯電話装置で実現可能な別の規格である。ある実現化例では、CDMA装置は、800MHz、900MHz、1800MHzおよび1900MHzの帯域のうちの1つ以上で動作可能であり、一方、あるW−CDMAおよびロング・ターム・エボリューション(Long Term Evolution:LTE)装置は、たとえば、22個以上の無線周波数スペクトル帯域にわたって動作可能である。
【0047】
この開示のRFモジュールは、前述の例示的なモードおよび/または帯域を実現するモバイル装置内で、および他の通信規格において使用可能である。たとえば、3G、4G、LTE、およびアドバンストLTEは、そのような規格の非限定的な例である。
【0048】
例示された実施例では、モバイル装置11は、アンテナスイッチモジュール12と、送受信機13と、1つ以上の一次アンテナ14と、電力増幅器17と、制御コンポーネント18と、コンピュータ読取可能媒体19と、プロセッサ20と、バッテリ21と、1つ以上のダイバーシティアンテナ22と、ダイバーシティモジュール23とを含む。
【0049】
送受信機13は、一次アンテナ14および/またはダイバーシティアンテナ22を介した送信用のRF信号を生成可能である。さらに、送受信機13は、一次アンテナ14および/またはダイバーシティアンテナ22からの入来RF信号を受信可能である。RF信号の送受信に関連するさまざまな機能性は、図1に送受信機13と総称される1つ以上のコンポーネントによって達成可能である、ということが理解されるであろう。たとえば、単一のコンポーネントが、送信機能性および受信機能性の双方を提供するように構成可能である。別の例では、送信機能性および受信機能性は、別々のコンポーネントによって提供可能である。
【0050】
図1では、送受信機13からの1つ以上の出力信号が、1つ以上の送信経路15を介してアンテナスイッチモジュール12に提供されるとして図示されている。図示された例では、異なる送信経路15は、異なる帯域および/または異なる電力出力に関連する出力経路を表わし得る。たとえば、図示された2つの異なる経路は、異なる電力出力(たとえば、低い電力出力および高い電力出力)に関連する経路、および/または異なる帯域に関連する経路を表わし得る。送信経路15は、比較的低い電力を有するRF信号を、送信に好適なより高い電力へと高めるのを助ける1つ以上の電力増幅器17を含み得る。図1は2つの送信経路15を用いた構成を例示しているが、モバイル装置11は、それよりも多い、または少ない送信経路15を含むように適合されていてもよい。
【0051】
図1では、1つ以上の受信信号が、アンテナスイッチモジュール12から1つ以上の受信経路16を介して送受信機13に提供されるとして図示されている。図示された例では、異なる受信経路16は、異なる帯域に関連する経路を表わし得る。たとえば、図示された4つの例示的な経路16は、いくつかのモバイル装置に提供される4帯域の能力を表わし得る。図1は4つの受信経路16を用いた構成を例示しているが、モバイル装置11は、それよりも多い、または少ない受信経路16を含むように適合されていてもよい。
【0052】
受信経路および/または送信経路間のスイッチングを容易にするために、アンテナスイッチモジュール12が、ある特定のアンテナを選択された送信経路または受信経路に電気的に接続するために使用可能である。このため、アンテナスイッチモジュール12は、モバイル装置11の動作に関連する多くのスイッチング機能性を提供可能である。アンテナスイッチモジュール12は、たとえば、異なる帯域間のスイッチング、異なる電力モード間のスイッチング、送信モードおよび受信モード間のスイッチング、またはそれらのいくつかの組合せに関連する機能性を提供するように構成された1つ以上の多投スイッチを含み得る。アンテナスイッチモジュール12はまた、信号のフィルタリングおよび/または二重化を含む追加の機能性を提供するように構成可能である。
【0053】
図1は、ある実施例で、アンテナスイッチモジュール12、ダイバーシティモジュール23、および/または他の動作コンポーネントの動作に関連するさまざまな制御機能性を制御するために、制御コンポーネント18が提供可能であることを例示している。たとえば、制御コンポーネント18は、一次アンテナ14および/またはダイバーシティアンテナ22への電気接続性を、たとえばスイッチの状態を設定することによって制御するために、アンテナスイッチモジュール12および/またはダイバーシティモジュール23に制御信号を提供可能である。
【0054】
ある実施例では、プロセッサ20は、モバイル装置11に対するさまざまなプロセスの実現を容易にするように構成可能である。プロセッサ20は、汎用コンピュータ、専用コンピュータ、または他のプログラム可能データ処理装置であってもよい。ある実現化例では、モバイル装置11はコンピュータ読取可能メモリ19を含んでいてもよく、それは、プロセッサ20に提供され、プロセッサ20によって実行されるコンピュータプログラム命令を含んでいてもよい。
【0055】
バッテリ21は、たとえばリチウムイオンバッテリを含む、モバイル装置11での使用にとって好適なあらゆるバッテリであり得る。
【0056】
例示されたモバイル装置11はダイバーシティアンテナ22を含み、それは、モバイル装置が一次アンテナしか含まない構成に比べ、無線リンクの品質および信頼性を向上させるのに役立ち得る。たとえば、ダイバーシティアンテナ22を含むことは、見通し線損失を減少させ、および/または、一次アンテナ14の信号干渉に関連する位相シフト、時間遅延および/または歪みの影響を軽減することができる。
【0057】
図1に示すように、ダイバーシティモジュール23は、ダイバーシティアンテナ22に電気的に結合されている。ダイバーシティモジュール23は、ダイバーシティアンテナ22を使用して受信された信号および/または送信された信号を処理するために使用可能である。ある構成では、ダイバーシティモジュール23は、フィルタリング、増幅、スイッチング、および/または他の処理を提供するために使用可能である。
【0058】
共有された低帯域端子および高帯域端子を有するダイバーシティモジュールの例
1つ以上の一次アンテナと1つ以上のダイバーシティアンテナとをモバイル装置で使用することは、信号受信の品質を向上させることができる。たとえば、ダイバーシティアンテナは、モバイル装置の近傍での無線周波数(RF)信号の追加のサンプリングを提供可能である。加えて、モバイル装置の送受信機は、一次アンテナおよびダイバーシティアンテナによって受信された信号を処理して、一次アンテナのみを用いる構成に比べてより高いエネルギおよび/または向上した忠実性の受信信号を得るように実現可能である。
【0059】
一次アンテナおよびダイバーシティアンテナによって受信された信号間の相関を減少させるために、および/またはアンテナ分離を高めるために、一次アンテナおよびダイバーシティアンテナは、モバイル装置において比較的大きな物理的距離だけ離れ得る。たとえば、ダイバーシティアンテナをモバイル装置の上部近くに位置付け、一次アンテナをモバイル装置の底部近くに位置付けてもよく、逆もまた可能である。
【0060】
モバイル装置の送受信機は、一次アンテナを用いて信号を送信または受信可能であり、送受信機は、アンテナスイッチモジュールを介して一次アンテナと通信可能である。信号通信仕様を満たす、または上回るために、送受信機、アンテナスイッチモジュール、および/または一次アンテナは、モバイル装置において物理的に互いに比較的接近していてもよい。このような態様でモバイル装置を構成することは、比較的小さい信号損失、低い雑音、および/または高い分離を提供可能である。加えて、ダイバーシティアンテナは、アンテナスイッチモジュールから物理的に比較的遠く離れて位置していてもよい。
【0061】
ダイバーシティアンテナ上で受信されたダイバーシティ信号をアンテナスイッチモジュールに送信するのを助けるために、モバイル装置は、増幅、フィルタリング、および/または他の処理をダイバーシティ信号に提供するためのダイバーシティモジュールを含み得る。処理されたダイバーシティ信号は、電話基板トレースおよび/またはケーブルを含み得るRF信号ルートを介して、ダイバーシティモジュールからアンテナスイッチモジュールに送信可能である。
【0062】
モバイル装置は、幅広い範囲の周波数にわたって分けられた多数の帯域を用いて動作可能である。たとえば、あるモバイル装置は、1つ以上の低帯域(たとえば、1GHz以下の周波数を有するRF信号帯域)、1つ以上の中帯域(たとえば、1GHz〜2.3GHzの周波数を有するRF信号帯域)、および1つ以上の高帯域(たとえば、2.3GHzよりも大きい周波数を有するRF信号帯域)を用いて動作可能である。高帯域、中帯域、および低帯域を含む幅広い周波数範囲にわたる通信に役立つために、あるモバイル装置は、ある帯域に高性能動作を提供するように実現された複数の一次アンテナおよび/または複数のダイバーシティアンテナを含み得る。しかしながら、1つの一次アンテナおよび/または1つのダイバーシティアンテナを使用する実現化例といった他の構成も可能である。そのような構成では、モバイル装置は、異なる周波数帯域に関連する信号を分離するためのダイプレクサまたは他の好適な回路を含み得る。
【0063】
ここに提供されるのは、多帯域RF信号ルーティングのための装置および方法である。ある構成では、モバイル装置は、アンテナスイッチモジュールと、ダイバーシティモジュールと、1つ以上のダイバーシティアンテナとを含む。ダイバーシティモジュールは1つ以上のダイバーシティアンテナに電気的に結合されており、1つ以上のダイバーシティアンテナ上で受信されたダイバーシティ信号を処理して、高帯域(HB)信号、中帯域(MB)信号、および低帯域(LB)信号を生成する。加えて、ダイバーシティモジュールは、LB信号とHB信号とを組合せることに基づいて、組合せLB/HB信号を生成し、MB信号および組合せLB/HB信号とをアンテナスイッチモジュールに提供する。
【0064】
ここでの教示は、モバイル装置でルーティングされるRF信号の数を減少させるために使用可能である。たとえば、組合せLB/HB信号を出力するようにダイバーシティモジュールを構成することは、RF信号をルーティングするために使用される電話基板上のトレースおよび/またはケーブルの数を減少させ得る。ルーティング輻輳および/またはRF信号ルートの数を減少させることは、モバイル装置のサイズおよび/またはコストを減少させ得る。
【0065】
このため、低帯域、中帯域、および高帯域用に別々のダイバーシティ信号を生成するダイバーシティモジュールとは対照的に、ここでのダイバーシティモジュールは組合せLB/HB信号を生成可能であり、それは共有RF信号経路を通してアンテナスイッチモジュールへとルーティングされる。
【0066】
加えて、ここでのダイバーシティモジュールは、低帯域、中帯域、および高帯域周波数成分を組合せる単一のダイバーシティ信号を生成するダイバーシティモジュールに比べ、強化された性能を提供可能である。たとえば、理想的には動作しないかもしれない比較的長いRF信号ルートを通して、ダイバーシティモジュールからアンテナスイッチモジュールにダイバーシティ信号を送信する際、そのようなダイバーシティ信号の周波数成分は劣化するかもしれず、および/または異なる周波数帯域に関連する信号成分が混ざるかもしれない。これに対し、組合せLB/HB信号は、低帯域と高帯域との周波数の分離を含み、このため、ダイバーシティモジュールからアンテナスイッチモジュールに信号を提供する際、組合せLB/HB信号の忠実性は維持可能である。このため、MB信号および組合せLB/HB信号を出力するようにダイバーシティモジュールを構成することは、ダイバーシティ信号のための頑強な信号品質を維持しつつ、ルーティング輻輳および/またはRF信号ルートの数を有利に減少させる。
【0067】
図2は、一実施例に従ったRFシステム25の概略ブロック図である。RFシステム25は、ダイバーシティモジュール30と、第1のまたは低帯域(LB)ダイバーシティアンテナ31と、第2のまたは組合せ中帯域/高帯域(MB/HB)ダイバーシティアンテナ32とを含む。
【0068】
明確にするために図2には例示されていないものの、RFシステム25は、追加の回路、端子、および/またはコンポーネントといった追加の構造を含み得る。たとえば、RFシステム25は、図1のモバイル装置11といったモバイル装置の一部を表わし得る。ある構成では、ダイバーシティモジュール30は、モバイル装置の無線周波数フロントエンド(radio frequency front end:RFFE)で動作可能である。
【0069】
例示されたダイバーシティモジュール30は、帯域選択スイッチ33と、LB処理回路34と、MB処理回路35と、HB処理回路36と、LB/HBダイプレクサ37とを含む。加えて、ダイバーシティモジュール30は、LBダイバーシティアンテナ31に電気的に結合された第1のダイバーシティアンテナ端子ANT1_Dと、組合せMB/HBダイバーシティアンテナ32に電気的に結合された第2のダイバーシティアンテナ端子ANT2_Dと、第1のダイバーシティ出力端子OUT1_Dと、第2のダイバーシティ出力端子OUT2_Dとを含む。明確にするために図2には例示されていないものの、RFシステム25は、追加の回路、端子、および/またはコンポーネントといった追加の構造を含み得る。
【0070】
ダイバーシティモジュール30は、ダイバーシティ出力端子を含むとして説明されているが、ある構成では、第1の出力端子OUT1_Dおよび/または第2の出力端子OUT2_Dは、双方向に動作可能である。たとえば、以下により詳細に説明されるように、ダイバーシティモジュールは、送受信機からRF信号を受信するためにダイバーシティ出力端子が使用されるスワップモードを含むように構成可能である。
【0071】
第1のダイバーシティ出力端子OUT1_Dおよび第2のダイバーシティ出力端子OUT2_Dで生成されたRF信号は、さらなる処理のために、ダイバーシティモジュール30から他の回路またはコンポーネントにルーティングされ得る。一実施例では、ダイバーシティモジュール30は、第1のダイバーシティ出力端子OUT1_Dおよび第2のダイバーシティ出力端子OUT2_Dを使用して、アンテナスイッチモジュールに電気的に結合される。
【0072】
RFシステムでルーティングされるRF信号の数を減少させることが望ましくなり得る。たとえば、モバイル装置では、RF信号をルーティングするために使用されるプリント回路基板(PCB)上のトレースおよび/またはケーブルの数を減少させることが望ましくなり得る。ルーティング輻輳および/またはRF信号ルートの数を減少させることは、モバイル装置のサイズおよび/またはコストを減少させ得る。
【0073】
一例では、モバイル装置は、ダイバーシティモジュール30と、ダイバーシティアンテナ31、32と、アンテナスイッチモジュールと、1つ以上の一次アンテナとを含む。一次アンテナによって受信された信号に比べ、LBダイバーシティアンテナ31および組合せMB/HBダイバーシティアンテナ32によって受信された信号のダイバーシティを向上させるために、ダイバーシティモジュール30、LBダイバーシティアンテナ31、および組合せMB/HBダイバーシティアンテナ32は、アンテナスイッチモジュールおよび一次アンテナから物理的に比較的大きく離れて配置可能である。たとえば、ダイバーシティアンテナおよび一次アンテナは、モバイル装置の両側または両端に位置付けられてもよい。モバイル装置におけるRF信号ルーティングを減少させるために、限定された数の出力端子および関連するRF信号ルートを有することが、ダイバーシティモジュール30にとって望ましくなり得る。
【0074】
モバイル装置は、多数の帯域を用いて動作可能である。たとえば、あるモバイル装置は、1つ以上の低帯域(たとえば、1GHz以下の周波数を有するRF信号帯域)、1つ以上の中帯域(たとえば、1GHz〜2.3GHzの周波数を有するRF信号帯域)、および1つ以上の高帯域(たとえば、2.3GHzよりも大きい周波数を有するRF信号帯域)を用いて動作可能である。
【0075】
例示されたダイバーシティモジュール30は、LB RF信号、MB RF信号、HB RF信号、またはそれらの組合せを処理するために使用可能である。たとえば、LBダイバーシティアンテナ31は、LBダイバーシティ信号を受信するために使用可能であり、LBダイバーシティ信号は、LB処理回路34を使用して処理可能である。加えて、組合せMB/HBダイバーシティアンテナ32は、MBダイバーシティ信号およびHBダイバーシティ信号の双方を受信するために使用可能である。また、MB処理回路35は、受信されたMBダイバーシティ信号を処理するために使用可能であり、HB処理回路36は、受信されたHBダイバーシティ信号を処理するために使用可能である。
【0076】
高帯域、中帯域、および低帯域を含む幅広い周波数範囲にわたって通信するあるモバイル装置は、ある帯域にわたって高性能動作を個々に提供する複数の一次アンテナおよび/または複数のダイバーシティアンテナを使用する。たとえば、ある特定のアンテナは、1つ以上の帯域を含むある周波数範囲にわたって、強化された性能を提供するように実現されていてもよい。しかしながら、1つの一次アンテナおよび/または1つのダイバーシティアンテナを使用する実現化例といった他の構成も可能である。
【0077】
図2に示すように、帯域選択スイッチ33は、組合せMB/HBダイバーシティアンテナ32に電気的に結合された入力と、HB処理回路36の入力に電気的に結合された第1の出力と、MB処理回路35の入力に電気的に結合された第2の出力とを含む。加えて、帯域選択スイッチ33は、複数の状態のうちの1つに設定可能である。たとえば、帯域選択スイッチ33は、帯域選択スイッチ33が組合せMB/HBダイバーシティアンテナ32からの受信信号をMB処理回路35に提供できるものの、HB処理回路36には提供できない第1の状態に設定可能である。加えて、帯域選択スイッチ33は、帯域選択スイッチ33が組合せMB/HBダイバーシティアンテナ32からの受信信号をHB処理回路36に提供できるものの、MB処理回路35には提供できない第2の状態に設定可能である。さらに、帯域選択スイッチ33は、帯域選択スイッチ33が組合せMB/HBダイバーシティアンテナ32からの受信信号をMB処理回路35およびHB処理回路36の双方に提供できる第3の状態に設定可能である。
【0078】
組合せMB/HBダイバーシティアンテナ32からの受信信号がMB処理回路35およびHB処理回路36の双方に提供される状態を含むように帯域選択スイッチ33を構成することは、キャリアアグリゲーションを提供するのに役立ち得る。たとえば、モバイル装置をより幅広い帯域幅で動作させるために、モバイル装置は、たとえばMB周波数およびHB周波数の双方のRF信号を含む、複数の周波数帯域にわたって同時に送信または受信される信号に基づいて、通信してもよい。RF信号は、モバイル装置の信号帯域幅を広げるために集約可能である。
【0079】
図2に示すように、LB処理回路34は、LBダイバーシティアンテナ31からの受信信号を処理してLB信号を生成するために使用される。加えて、HB処理回路36は、帯域選択スイッチ33の第1の出力を処理してHB信号を生成するために使用される。さらに、LB/HBダイプレクサ37は、LB信号とHB信号とを組合せることによって、第1のダイバーシティ出力端子OUT1_D上に組合せLB/HB出力信号を生成するために使用される。加えて、MB処理回路35は、帯域選択スイッチ33の第2の出力を処理して、第2のダイバーシティ出力端子OUT2_D上にMB信号を生成するために使用される。
【0080】
したがって、例示された構成では、ダイバーシティモジュール30は、減少した数の出力端子を有しつつ、LB信号、MB信号、HB信号、および/またはそれらの組合せを処理するために使用可能である。たとえば、例示された構成は、LB信号、MB信号、およびHB信号の各々について別個の出力端子を含むのではなく、別個のMB出力端子と共有LB/HB出力端子とを含む。出力端子の減少は、ダイバーシティモジュール30からモバイル装置の他のコンポーネント、たとえばアンテナスイッチモジュールにルーティングされるRF信号の数の減少をもたらし得る。
【0081】
したがって、ダイバーシティモジュール30は、たとえばケーブルおよび/またはPCBトレースの数を含め、ルーティングされるRF信号の数を減少させることにより、モバイル装置の一体化を強化するために使用可能である。ルーティング輻輳および/またはRF信号ルートの数を減少させることは、モバイル装置のサイズおよび/またはコストを減少させ得る。
【0082】
加えて、ダイバーシティモジュール30は、共有MB/HB出力端子を通した通信のためにMB信号とHB信号とを再度組合せるためにダイプレクサが使用される構成に比べ、強化された性能および/またはより低いコストを提供可能である。たとえば、MB信号およびHB信号は、周波数が比較的接近して隔てられており、周波数間隔が接近した2つのRF信号を低い損失で再度組合せることは、困難な場合がある。
【0083】
たとえば、MB信号とHB信号とを組合せるために使用される電力結合器は3dBの損失をもたらすかもしれず、それは、RFフロントエンド仕様にとって受入れられないかもしれない。たとえば、受信機では、結合器からの3dBの損失は、受信機の感度の3dBの減少に対応し得る。空洞フィルタおよび/または表面弾性波(surface acoustic wave:SAW)フィルタが、MB信号とHB信号とを再度組合せるのに十分な周波数感度をもたらすかもしれないが、そのようなフィルタは、特にモバイル技術にとっては禁止となり得るコストおよび/またはサイズを有し得る。モバイル装置が複数の高周波数帯域および/または複数の中周波数帯域を用いて動作する構成では、フィルタリングのオーバーヘッドが悪化し得る。なぜなら、各帯域は別個のフィルタを利用し得るためである。
【0084】
したがって、例示されたダイバーシティモジュールは、MBを別個にルーティングしつつ、LB信号とHB信号とを再度組合せる。LB処理回路34およびHB処理回路36によって生成されたLB信号およびHB信号は、低損失低コストのダイプレクサを用いて再度組合され得る。なぜなら、LB信号とHB信号との周波数分離は比較的大きくなり得るためである。
【0085】
一実施例では、LB/HBダイプレクサ37は、約717MHz〜約960MHzの範囲の周波数を有するLB信号を、約2300MHz〜約2690MHzの範囲の周波数を有するHB信号と再度組合せる。LB/HBダイプレクサの周波数範囲の一例を提供したが、他の構成も可能である。
【0086】
図3は、別の実施例に従ったRFシステム45の概略ブロック図である。RFシステム45は、ダイバーシティモジュール50と、ダイバーシティアンテナ51と、ダイバーシティダイプレクサ52とを含む。ダイバーシティダイプレクサ52はダイバーシティアンテナ51に電気的に結合されており、MB/HBダイバーシティ受信信号とLBダイバーシティ受信信号とを生成するために使用される。図3に示すように、MB/HBダイバーシティ受信信号は、ダイバーシティモジュール50の第のダイバーシティアンテナ端子ANT_Dに提供され、LB受信信号は、ダイバーシティモジュール50の第のダイバーシティアンテナ端子ANT_Dに提供される。
【0087】
図2のRFシステム25とは対照的に、図3のRFシステム45はたった1つのダイバーシティアンテナに電気的に結合されており、それは、異なる周波数帯域に関連する複数のダイバーシティ受信信号へと分割される出力を有する。
【0088】
ある構成では、ダイバーシティモジュールは複数のダイバーシティアンテナ端子を含んでいてもよく、それらは、同じまたは異なるダイバーシティアンテナからダイバーシティ信号を受信可能である。たとえば、図2は、2つのダイバーシティアンテナ端子と2つのダイバーシティアンテナとを含む構成を例示しており、一方、図3は、2つのダイバーシティアンテナ端子と1つのダイバーシティアンテナとを含む構成を例示している。したがって、ここでの教示は、1つのダイバーシティアンテナと組合されて動作するダイバーシティアンテナ、および複数のダイバーシティアンテナと組合されて動作するダイバーシティアンテナの双方に適用可能である。
【0089】
ダイバーシティモジュール50は、帯域選択スイッチ33と、LB/HBダイプレクサ37と、第1のダイバーシティアンテナ端子ANT1_Dおよび第2のダイバーシティアンテナ端子ANT2_Dと、第1のダイバーシティ出力端子OUT1_Dおよび第2のダイバーシティ出力端子OUT2_Dとを含み、それらは前述のとおりであり得る。ダイバーシティモジュール50はさらに、LB処理回路54と、MB処理回路55と、HB処理回路56とを含む。
【0090】
図3のダイバーシティモジュール50は、図3のダイバーシティモジュール50がLB処理回路、MB処理回路、およびHB処理回路の具体的な構成を示す点以外は、図2のダイバーシティモジュール30と同様である。たとえば、例示されたLB処理回路54は、LBフィルタ61と第1の低雑音増幅器(low noise amplifier:LNA)64とのカスケードを含む。加えて、例示されたMB処理回路55は、MBフィルタ62と第2のLNA65とのカスケードを含み、例示されたHB処理回路56は、HBフィルタ63と第3のLNA66とのカスケードを含む。LB処理回路、MB処理回路、およびHB処理回路の具体的な一実現化例を図3に示したが、他の構成も可能である。
【0091】
RFシステム45のさらなる詳細は、前述のものと同様であり得る。
図4は、別の実施例に従ったRFシステム75の概略ブロック図である。RFシステム75は、ダイバーシティモジュール80と、LBダイバーシティアンテナ31と、組合せMB/HBダイバーシティアンテナ32とを含む。
【0092】
図4のRFシステム75は、RFシステム75がダイバーシティモジュールの異なる構成を含む点以外は、図2のRFシステム25と同様である。たとえば、図4のダイバーシティモジュール80は、帯域選択スイッチ33と、LB処理回路54と、MB処理回路55と、HB処理回路56と、LB/HBダイプレクサ37と、第1のダイバーシティアンテナ端子ANT1_Dおよび第2のダイバーシティアンテナ端子ANT2_Dと、第1のダイバーシティ出力端子OUT1_Dおよび第2のダイバーシティ出力端子OUT2_Dとを含み、それらは前述のとおりであり得る。図4のRFシステム75はさらに、単極3投(SP3T)スイッチ81と、第1の単極単投(SPST)スイッチ82と、第2のSPSTスイッチ83とを含む。
【0093】
前述のように、帯域選択スイッチ33は、第1の状態、第2の状態、および第3の状態を含む複数の状態を含み得る。第1の状態では、帯域選択スイッチ33は、組合せMB/HBダイバーシティアンテナ32からの受信信号をMB処理回路55に提供できるものの、HB処理回路56には提供できない。加えて、第2の状態では、帯域選択スイッチ33は、組合せMB/HBダイバーシティアンテナ32からの受信信号をHB処理回路56に提供できるものの、MB処理回路55には提供できない。さらに、第3の状態では、帯域選択スイッチ33は、組合せMB/HBダイバーシティアンテナ32からの受信信号をMB処理回路55およびHB処理回路56の双方に提供できる。
【0094】
SP3Tスイッチ81は、第1の状態ではLB信号を第1のダイバーシティ出力端子OUT1_Dに提供し、第2の状態ではHB信号を第1のダイバーシティ出力端子OUT1_D端子に提供し、第3の状態では組合せLB/HB信号を第1のダイバーシティ出力端子OUT1_D端子に提供する、多投スイッチとして動作する。
【0095】
SP3Tスイッチ81と、第1のSPSTスイッチ82および第2のSPSTスイッチ83とは、図3に示す構成に比べ、図4のダイバーシティモジュール80の性能を強化できる。たとえば、ダイバーシティモジュール80がHB信号とLB信号との双方を処理している場合、第1のSPSTスイッチ82および第2のSPSTスイッチ83を閉じて、LB/HBダイプレクサ37の出力を第1のダイバーシティ出力端子OUT1_Dに電気的に接続するようにSP3Tスイッチ81を設定することが可能である。しかしながら、ダイバーシティモジュール80がHB信号を処理しているものの、LB信号を処理していない場合、第1のSPSTスイッチ82および第2のSPSTスイッチ83を開き、HB処理回路56の出力を第1のダイバーシティ出力端子OUT1_Dに電気的に接続するようにSP3Tスイッチ81を設定することが可能である。加えて、ダイバーシティモジュール80がLB信号を処理しているものの、HB信号を処理していない場合、第1のSPSTスイッチ82および第2のSPSTスイッチ83を開き、LB処理回路54の出力を第1のダイバーシティ出力端子OUT1_Dに電気的に接続するようにSP3Tスイッチ81を設定することが可能である。
【0096】
したがって、SP3Tスイッチ81と、第1のSPSTスイッチ82および第2のSPSTスイッチ83とは、LB信号が処理されていない場合にはLB/HBダイプレクサ37からHB処理回路の出力を分離することにより、また、HB信号が処理されていない場合にはLB/HBダイプレクサ37からLB処理回路の出力を分離することにより、ダイバーシティモジュール80の性能を強化できる。
【0097】
RFシステム75のさらなる詳細は、前述のものと同様であり得る。
図5は、LB一次アンテナ101と、組合せMB/HB一次アンテナ102と、LBダイバーシティアンテナ31と、組合せMB/HBダイバーシティアンテナ32と、ダイバーシティモジュール80と、アンテナスイッチモジュール103とを含むRFシステム100の一実施例の概略ブロック図である。
【0098】
図5のRFシステム100は、図4のダイバーシティモジュール80を含むとして例示されているが、図5のRFシステム100は、たとえば図2および図3に示すダイバーシティモジュールを含む、ダイバーシティモジュールの他の構成を用いて実現可能である。加えて、アンテナスイッチモジュール103は他の方法で実現可能であり、RFシステム100は、より多い、またはより少ない一次アンテナおよび/またはダイバーシティアンテナを含むように適合可能である。
【0099】
例示されたアンテナスイッチモジュール103は、第1のSP3Tスイッチ105と、第2のSP3Tスイッチ106と、LB/HBダイプレクサ107と、MB/HBダイプレクサ108と、第1のSPSTスイッチ111と、第2のSPSTスイッチ112と、第3のSPSTスイッチ113と、第4のSPSTスイッチ114とを含む。アンテナスイッチモジュール103はさらに、LB一次端子LB_P、MB一次端子MB_P、HB一次端子HB_P、LBダイバーシティ端子LB_D、MBダイバーシティ端子MB_D、およびHBダイバーシティ端子HB_Dとを含み、それらは、送受信機(図5に例示せず)に電気的に結合可能である。加えて、アンテナスイッチモジュール103はさらに、LB一次アンテナ101に電気的に結合された第1の一次アンテナ端子ANT1_Pと、組合せMB/HB一次アンテナ102に電気的に結合された第2の一次アンテナ端子ANT2_Pと、ダイバーシティモジュール80の第1のダイバーシティ出力端子OUT1_Dに電気的に結合された第1のダイバーシティ入力端子IN1_Dと、ダイバーシティモジュール80の第2のダイバーシティ出力端子OUT2_Dに電気的に結合された第2のダイバーシティ入力端子IN2_Dとを含む。
【0100】
図5に示すように、ダイバーシティモジュール80とアンテナスイッチモジュール103との間には、共有LB/HB信号ルート115と、別個のMB信号ルート116とが設けられている。概略的な形で例示されているものの、これらの信号ルートは、PCBトレースおよび/またはケーブルを含み得る。このため、共有LB/HB信号ルートを使用することは、HB信号およびLB信号のために別々の信号ルートが設けられている構成に比べ、RF信号ルーティングオーバーヘッドを減少させることができる。
【0101】
図5に示すように、アンテナスイッチモジュール103は、ダイバーシティモジュール80から組合せLB/HB信号および別個のMB信号を受信する。加えて、アンテナスイッチモジュール103は、LBダイバーシティ端子LB_D、MBダイバーシティ端子MB_D、およびHBダイバーシティ端子HB_Dを使用して、LBダイバーシティ信号、MBダイバーシティ信号、およびHBダイバーシティ信号をそれぞれ送受信機に提供可能である。さらに、送受信機とアンテナスイッチモジュール103とは、一次アンテナ101、102を用いる一次通信に関連する信号を送信または受信するために使用可能であるLB一次端子LB_P、MB一次端子MB_P、およびHB一次端子HB_Pを使用して、互いに電気的に結合されている。
【0102】
アンテナスイッチモジュール103の第1のSP3Tスイッチ105と第1のSPSTスイッチ111および第2のSPSTスイッチ112とは、所望のHBダイバーシティ信号およびLBダイバーシティ信号を受信するように設定可能である。たとえば、送受信機がHBダイバーシティ信号およびLBダイバーシティ信号の双方を受信する場合、第1のSPSTスイッチ111および第2のSPSTスイッチ112は閉じられ、第1のSP3Tスイッチ105は、第1のダイバーシティ入力端子IN1_DをダイプレクサLB/HBダイプレクサ107の入力に電気的に接続するために使用可能である。加えて、送受信機がHBダイバーシティ信号を受信するものの、LBダイバーシティ信号を受信しない場合、第1のSPSTスイッチ111および第2のSPSTスイッチ112は開かれ、第1のSP3Tスイッチ105は、第1のダイバーシティ入力端子IN1_DをHBダイバーシティ端子HB_Dに電気的に接続するために設定可能である。さらに、送受信機がLBダイバーシティ信号を受信するものの、HBダイバーシティ信号を受信しない場合、第1のSPSTスイッチ111および第2のSPSTスイッチ112は開かれ、第1のSP3Tスイッチ105は、第1のダイバーシティ入力端子IN1_DをLBダイバーシティ端子LB_Dに電気的に接続するために使用可能である。
【0103】
アンテナスイッチモジュール103の第2のSP3Tスイッチ106と第3のSPSTスイッチ113および第4のSPSTスイッチ114とは、組合せMB/HB一次アンテナ102を通した一次信号通信を制御するように設定可能である。
【0104】
RFシステム100のさらなる詳細は、前述のものと同様であり得る。
図6は、別の実施例に従ったRFシステム120の概略ブロック図である。RFシステム120は、LBダイバーシティアンテナ31と、組合せMB/HBダイバーシティアンテナ32と、ダイバーシティモジュール130とを含む。
【0105】
ダイバーシティモジュール130は、単極7投(SP7T)スイッチ121と、単極9投(SP9T)帯域選択スイッチ122と、単極5投(SP5T)スイッチ123と、単極2投(SP2T)スイッチ124と、第1のインピーダンス125と、第2のインピーダンス126と、LB/HBダイプレクサ37と、第1のSPSTスイッチ82および第2のSPSTスイッチ83と、LB処理回路131と、MB処理回路132と、HB処理回路133とを含む。LB処理回路131は、第1〜第8のLBフィルタ61a〜61hと、第1〜第8のLB LNA64a〜64hとを含む。MB処理回路132は、第1〜第6のMBフィルタ62a〜62fと、第1〜第6のMB LNA65a〜65fとを含む。HB処理回路133は、第1〜第4のHBフィルタ63a〜63dと、第1〜第4のHB LNA66a〜66dとを含む。ダイバーシティモジュール130はさらに、第1の双方向端子BI1と、第2の双方向端子BI2と、第1のダイバーシティアンテナ端子ANT1_Dと、第2のダイバーシティアンテナ端子ANT2_Dとを含む。
【0106】
例示された構成では、ダイバーシティモジュール130は、一次LB信号を送信するためにLBダイバーシティアンテナ31が使用され、一次MB/HB信号を送信するために組合せMB/HBダイバーシティアンテナ32が使用されるスワップモードで、動作可能である。ダイバーシティモジュール130をスワップモードで実現することは、たとえば一次アンテナが遮断または妨害されている場合に、モバイル装置が一次送信用にダイバーシティアンテナを選択的に使用できるようにすることにより、モバイル装置の性能を強化することができる。たとえば、モバイル装置は、ダイバーシティアンテナを介して信号を送信することによって性能が強化され得るように、一次アンテナを遮断または妨害する態様で、ユーザによって表面上に設定されてもよい。
【0107】
SP7Tスイッチ121は、LBダイバーシティアンテナ31を、第1のインピーダンス125に、またはLBバイパス経路135を介してSP5Tスイッチ123を通して第1の双方向端子BI1に、または異なる低周波数帯域に関連するさまざまなLBフィルタ61a〜61hに接続するために使用可能である。LBバイパス経路135を選択するようにSP7Tスイッチ121およびSP5Tスイッチ123を設定することにより、スワップモード中、一次LB送信信号がLBダイバーシティアンテナ31に提供され得る。この態様で動作されると、第1の双方向端子BI1は一次送信信号を受信する。しかしながら、ダイバーシティモジュール130がスワップモードで動作していない場合、ダイバーシティモジュール130は、第1の双方向端子BI1を共有LB/HBダイバーシティ端子として使用可能である。したがって、例示された構成では、第1の双方向端子BI1は、双方向信号フローで動作可能である。
【0108】
SP9T帯域選択スイッチ122は、組合せMB/HBダイバーシティアンテナ32を、第2のインピーダンス126に、またはMB/HBバイパス経路136を介してSP2Tスイッチ124を通して第2の双方向端子BI2に電気的に接続するために使用可能である。SP9T帯域選択スイッチ122およびSP2Tスイッチ124が、スワップモード中、MB/HBバイパス経路136を選択するように使用される場合、一次MB/HB送信信号が組合せMB/HBダイバーシティアンテナ32に提供され得る。
【0109】
加えて、SP9T帯域選択スイッチ122は、組合せMB/HBダイバーシティアンテナ32を、異なる中周波数帯域に関連するさまざまなMBフィルタ62a〜62fに、および/または、異なる高周波数帯域に関連するさまざまなHBフィルタ63a〜63dに電気的に接続するために使用可能である。例示された構成では、SP9T帯域選択スイッチ122は、組合せMB/HBダイバーシティアンテナ32からの受信信号を、MBフィルタおよびHBフィルタの双方に、所望すれば同時に提供可能である。組合せMB/HBダイバーシティアンテナ32からの受信信号がMBフィルタおよびHBフィルタの双方に提供される状態を含むように、SP9T帯域選択スイッチ122を構成することは、前述のものと同様の態様でキャリアアグリゲーションを提供するのに役立ち得る。例示された構成では、第2の双方向端子BI2は、双方向信号フローで動作可能である。
【0110】
例示された構成では、第1のLBフィルタ61aは帯域29をフィルタリングし、第2のLBフィルタ61bは帯域27をフィルタリングし、第3のLBフィルタ61cは帯域28のブロックAをフィルタリングし、第4のLBフィルタ61dは帯域28のブロックBをフィルタリングし、第5のLBフィルタ61eは帯域5、帯域6、帯域18、帯域19、および帯域26をフィルタリングし、第6のLBフィルタ61fは帯域12、帯域13、および帯域17をフィルタリングし、第7のLBフィルタ61gは帯域20をフィルタリングし、第8のLBフィルタ61hは帯域8をフィルタリングする。加えて、第1のMBフィルタ62aは帯域3をフィルタリングし、第2のMBフィルタ62bは帯域1をフィルタリングし、第3のMBフィルタ62cは帯域1および帯域4をフィルタリングし、第4のMBフィルタ62dは帯域25および帯域2をフィルタリングし、第5のMBフィルタ62eは帯域39をフィルタリングし、第6のMBフィルタ62fは帯域34をフィルタリングする。さらに、第1のHBフィルタ63aは帯域7をフィルタリングし、第2のHBフィルタ63bは帯域30をフィルタリングし、第3のHBフィルタ63cは帯域40をフィルタリングし、第4のLBフィルタ63dは帯域41をフィルタリングする。
【0111】
可能なLBフィルタ、MBフィルタ、およびHBフィルタならびに帯域の一例を提供したが、他の構成も可能である。
【0112】
ダイバーシティモジュール130は、ある構成では、ダイバーシティモジュールが、複数の高周波数帯域、複数の中周波数帯域、および/または複数の低周波数帯域を用いて動作するように構成可能である、ということを例示している。加えて、LB/HBダイプレクサ37は、LB信号とHB信号とを組合せて、RFシステムの他の場所へルーティング可能な組合せLB/HB信号を生成するために使用可能である。
【0113】
図7は、別の実施例に従ったRFシステム200の概略ブロック図である。RFシステム200は、ダイバーシティモジュール210と、LBダイバーシティアンテナ31と、組合せMB/HBダイバーシティアンテナ32とを含む。
【0114】
ダイバーシティモジュール210は、帯域選択スイッチ33と、LB処理回路34と、MB処理回路35と、HB処理回路36と、第1のダイバーシティアンテナ端子ANT1_Dおよび第2のダイバーシティアンテナ端子ANT2_Dと、第1のダイバーシティ出力端子OUT1_Dおよび第2のダイバーシティ出力端子OUT2_Dとを含み、それらは前述のとおりであり得る。加えて、ダイバーシティモジュール210は、SP2Tスイッチ207を含む。
【0115】
図7のダイバーシティモジュール210は、図7のダイバーシティモジュール210がSP2Tスイッチ207を含む代わりに図2のLB/HBダイプレクサ37を省略している点以外は、図2のダイバーシティモジュール30と同様である。図7に示すように、SP2Tスイッチ207は、LB処理回路34によって生成されたLB信号、またはHB処理回路36によって生成されたHB信号を、第1のダイバーシティ出力端子OUT1_Dに提供するために使用可能であり、それは共有LB/HB出力端子として動作する。したがって、図2のダイバーシティモジュール30について示すように第1のダイバーシティ出力端子OUT1_D上で組合せLB/HB信号を送信する代わりに、例示された構成は、所与の時点でLB信号とHB信号との間で選択する。たとえば、SP2Tスイッチ207は、第1の状態ではLB信号を第1のダイバーシティ出力端子OUT1_Dに提供し、第2の状態ではHB信号を第1のダイバーシティ出力端子OUT1_Dに提供する多投スイッチの一例を例示する。
【0116】
例示された構成は、たとえば、モバイル装置の送受信機が、LBダイバーシティアンテナ31およびMB/HBダイバーシティアンテナ32からLB信号およびHB信号を同時に受信する必要がない構成において使用可能である。
【0117】
図7のダイバーシティモジュール210のさらなる詳細は、前述のものと同様であり得る。
【0118】
相互変調歪みが低いダイバーシティモジュールの例
ダイバーシティモジュールのための装置および方法がここに提供される。ある構成では、ダイバーシティモジュールは、第1のアンテナ側多投スイッチと、第2のアンテナ側多投スイッチと、第1の送信機側多投スイッチと、第2の送信機側多投スイッチと、低帯域(LB)処理回路と、中帯域(MB)処理回路と、高帯域(HB)処理回路とを含む。LB処理回路は、第1のアンテナ側多投スイッチと第1の送受信機側多投スイッチとの間の第1の信号経路において電気的に結合されており、MB処理回路は、第2のアンテナ側多投スイッチと第2の送受信機側多投スイッチとの間の第2の信号経路において電気的に結合されており、HB処理回路は、第2のアンテナ側多投スイッチと第1の送信機側多投スイッチとの間の第3の信号経路において電気的に結合されている。
【0119】
ダイバーシティモジュールはさらに、第1の送受信機側多投スイッチと第1のアンテナ側多投スイッチとを使用して選択可能な、LB送信バイパス経路といった第1の送信バイパス経路を含み得る。加えて、ダイバーシティモジュールはさらに、第2の送受信機側多投スイッチと第2のアンテナ側多投スイッチとを使用して選択可能な、MBおよび/またはHB送信バイパス経路といった第2の送信バイパス経路を含み得る。第1および/または第2の送信バイパス経路は、一次信号送信のために、アンテナ側多投スイッチに電気的に結合されたダイバーシティアンテナが使用されるスワップモード中に使用可能である。
【0120】
第2のアンテナ側多投スイッチと第1の送信機側多投スイッチとの間にHB処理回路を電気的に結合することは、ダイバーシティモジュールの性能を強化することができる。たとえば、以下により詳細に説明されるように、第2のアンテナ側多投スイッチと第1の送信機側多投スイッチとの間にHB処理回路を電気的に結合することは、MB一次送信信号および/またはHB一次送信信号に関連するHB処理回路の出力での相互変調を減少または排除することができる。したがって、ここでのダイバーシティモジュールは、より小さい相互変調歪みおよび/またはより大きい分離を含む、強化された性能を提示することができる。
【0121】
図8は、別の実施例に従ったダイバーシティモジュール500の概略ブロック図である。ダイバーシティモジュール500は、第1のアンテナ側多投スイッチ501と、第2のアンテナ側多投スイッチ502と、第1の送受信機側多投スイッチ503と、第2の送受信機側多投スイッチ504と、LB処理回路34と、MB処理回路35と、HB処理回路36とを含む。ダイバーシティモジュール500はさらに、第1のダイバーシティアンテナ端子ANT1_Dと、第2のダイバーシティアンテナ端子ANT2_Dと、第1の双方向端子BI1と、第2の双方向端子BI2とを含む。
【0122】
ダイバーシティモジュール500は、ダイバーシティモジュール500のアンテナ側で動作する第1のダイバーシティアンテナ端子ANT1_Dおよび第2のダイバーシティアンテナ端子ANT2_Dを介して、1つ以上のダイバーシティアンテナに電気的に結合可能である。加えて、ダイバーシティモジュール500は、ダイバーシティモジュール500の送受信機側で動作する第1の双方向端子BI1および第2の双方向端子BI2を介して、(たとえば、アンテナスイッチモジュールによって)送受信機に電気的に結合可能である。
【0123】
図8に示すように、第1のアンテナ側多投スイッチ501は第1のダイバーシティアンテナ端子ANT1_Dに電気的に結合され、第2のアンテナ側多投スイッチ502は第2のダイバーシティアンテナ端子ANT2_Dに電気的に結合され、第1の送受信機側多投スイッチ503は第1の双方向端子BI1に電気的に結合され、第2の送受信機側多投スイッチ504は第2の双方向端子BI2に電気的に結合されている。
【0124】
LB処理回路34は、第1のアンテナ側多投スイッチ501と第1の送受信機側多投スイッチ503との間の第1の信号経路において電気的に結合されている。第1のアンテナ側多投スイッチ501および第1の送受信機側多投スイッチ503の状態が、LB処理回路34を選択するように設定されている場合、LB処理回路34は、第1のダイバーシティアンテナ端子ANT1_D上で受信されたダイバーシティ信号を処理して、第1の双方向端子BI1上にLB信号を生成することができる。
【0125】
MB処理回路35は、第2のアンテナ側多投スイッチ502と第2の送受信機側多投スイッチ504との間の第2の信号経路において電気的に結合されている。第2のアンテナ側多投スイッチ502および第2の送受信機側多投スイッチ504の状態が、MB処理回路35を選択するように設定されている場合、MB処理回路35は、第2のダイバーシティアンテナ端子ANT2_D上で受信されたダイバーシティ信号を処理して、第2の双方向端子BI2上にMB信号を生成することができる。
【0126】
HB処理回路36は、第2のアンテナ側多投スイッチ502と第1の送受信機側多投スイッチ503との間の第3の信号経路において電気的に結合されている。第2のアンテナ側多投スイッチ502および第1の送受信機側多投スイッチ503の状態が、HB処理回路36を選択するように設定されている場合、HB処理回路36は、第2のダイバーシティアンテナ端子ANT2_D上で受信されたダイバーシティ信号を処理して、第1の双方向端子BI1上にHB信号を生成することができる。
【0127】
例示されたダイバーシティモジュール500はさらに、第1のアンテナ側多投スイッチ501と第1の送受信機側多投スイッチ503との間に、第1の送信バイパス経路511を含む。第1のアンテナ側多投スイッチ501および第1の送受信機側多投スイッチ503の状態が、第1の送信バイパス経路511を選択するように設定されている場合、第1の双方向端子BI1上で受信された送信信号は、第1のダイバーシティアンテナ端子ANT1_Dに提供可能である。例示されたダイバーシティモジュール500はさらに、第2のアンテナ側多投スイッチ502と第2の送受信機側多投スイッチ504との間に、第2の送信バイパス経路512を含む。第2のアンテナ側多投スイッチ502および第2の送受信機側多投スイッチ504の状態が、第2の送信バイパス経路512を選択するように設定されている場合、第2の双方向端子BI2上で受信された送信信号は、第2のダイバーシティアンテナ端子ANT2_Dに提供可能である。
【0128】
第1の送信バイパス経路511および第2の送信バイパス経路512は、ダイバーシティモジュール500のスワップモード中、送受信機がダイバーシティアンテナを使用して一次信号を送信できるようにするために使用可能である。たとえば、一実施例では、第1の送信バイパス経路511は、スワップモード中、LB一次送信信号を送信するために、送受信機によって使用可能であり、第2の送信バイパス経路512は、スワップモード中、MBおよび/またはHB一次送信信号を送信するために、送受信機によって使用可能である。ダイバーシティモジュールをスワップモードで実現することは、一次アンテナが遮断または妨害されている場合など、一次アンテナを介した通信が損なわれている場合に、送受信機がダイバーシティアンテナを介して送信できるようにすることにより、モバイル装置の性能を強化することができる。
【0129】
図8は多投スイッチ間のある信号経路を例示しているが、多投スイッチは、追加の経路の選択を提供するように適合可能である。たとえば、図6を再度参照すると、多投スイッチは、複数の低帯域、複数の中帯域、および/または複数の高帯域の選択のために使用可能である。さらに、ダイバーシティモジュールは、追加の回路または端子といった追加の構造を含むように適合可能である。
【0130】
例示された構成では、HB処理回路36は、第2のアンテナ側多投スイッチ502と第1の送受信機側多投スイッチ503との間の信号経路において電気的に結合されている。以下により詳細に説明されるように、この態様でHB処理回路36を構成することは、高周波数の送信漏れがHB処理回路36の出力に到達して相互変調を生成することを阻止することにより、ダイバーシティモジュール500の性能を強化することができる。
【0131】
ダイバーシティモジュール500のさらなる詳細は、前述のものと同様であり得る。
図9Aは、RFシステム220の一例の概略ブロック図である。RFシステム220は、ダイバーシティモジュール230と、アンテナスイッチモジュール240と、LBダイバーシティアンテナ31と、組合せMB/HBダイバーシティアンテナ32と、組合せMB/HB一次アンテナ102とを含む。
【0132】
ダイバーシティモジュール230は、アンテナ側SP2Tスイッチ211と、アンテナ側SP3Tスイッチ212と、送受信機側SP2Tスイッチ213と、送受信機側SP3Tスイッチ214とを含む。ダイバーシティモジュール230はさらに、LBフィルタ231とLB LNA234とを含むLB処理回路を含む。ダイバーシティモジュール230はさらに、MBフィルタ232とMB LNA235とを含むMB処理回路を含む。ダイバーシティモジュール230はさらに、HBフィルタ233とHB LNA236とを含むHB処理回路を含む。ダイバーシティモジュール230はさらに、第1の双方向端子BI1と、第2の双方向端子BI2と、LBダイバーシティアンテナ31に電気的に結合された第1のダイバーシティアンテナ端子ANT1_Dと、組合せMB/HBダイバーシティアンテナ32に電気的に結合された第2のダイバーシティアンテナ端子ANT2_Dとを含む。
【0133】
図9Aに示すように、LB処理回路は、アンテナ側SP2Tスイッチ211と送受信機側SP2Tスイッチ213との間の第1の信号経路において電気的に結合されている。加えて、MB処理回路は、アンテナ側SP3Tスイッチ212と送受信機側SP3Tスイッチ214との間の第2の信号経路において電気的に結合されている。さらに、HB処理回路は、アンテナ側SP3Tスイッチ212と送受信機側SP3Tスイッチ214との間の第3の信号経路において電気的に結合されている。例示されたダイバーシティモジュール230はさらに、アンテナ側SP2Tスイッチ211と送受信機側SP2Tスイッチ213との間のLB送信バイパス経路251と、アンテナ側SP3Tスイッチ212と送受信機側SP3Tスイッチ214との間のMB/HB送信バイパス経路252とを含む。
【0134】
アンテナスイッチモジュール240は、第1のSP2Tスイッチ241と、第2のSP2Tスイッチ242とを含む。アンテナスイッチモジュール240はさらに、組合せMB/HB一次アンテナ102に電気的に結合された一次アンテナ端子と、ダイバーシティモジュール230の第1の双方向端子BI1に電気的に結合された第1の双方向端子BI1と、ダイバーシティモジュール230の第2の双方向端子BI2に電気的に結合された第2の双方向端子BI2とを含む。アンテナスイッチモジュール240はさらに、一次MBおよびHB端子MB/HB_Pと、ダイバーシティMBおよびHB端子MB/HB_Dと、LB端子LBとを含む。
【0135】
ある構成では、1つ以上のダイバーシティアンテナを使用して信号を送信することが、モバイル装置にとって望ましくなり得る。たとえば、あるモバイル装置は、1つ以上のダイバーシティアンテナを使用して一次LB信号、一次MB信号、および/または一次HB信号が送信されるスワップモードをモバイル装置が含み得るように、構成可能である。
【0136】
たとえば、スワップモードでは、MB/HB送信バイパス経路252を選択し、MB/HB_P端子を組合せMB/HBダイバーシティアンテナ32に電気的に接続するために、第2のSP2Tスイッチ242、送受信機側SP3Tスイッチ214、およびアンテナ側SP3Tスイッチ212が使用可能である。加えて、スワップモードでは、LB送信バイパス経路251を選択し、LB端子をLBダイバーシティアンテナ31に電気的に接続するために、送受信機側SP2Tスイッチ213およびアンテナ側SP2Tスイッチ211が使用可能である。
【0137】
スワップモードを含むようにRFシステムを構成することは、一次信号およびダイバーシティ信号の送受信における柔軟性を提供し得るものの、そのような実現化例は性能を低下させる場合もあり得る。
【0138】
たとえば、RFシステム220が(スワップモードではなく)通常動作モードにある場合、RFシステム220は、組合せMB/HBダイバーシティアンテナ32上でHBダイバーシティ信号を受信し、組合せMB/HB一次アンテナ102上でHB一次信号を送信するかもしれない。そのような構成では、アンテナスイッチモジュール240およびダイバーシティモジュール230の多投スイッチは、一次MBおよびHB端子MB/HB_Pが組合せMB/HB一次アンテナ102に電気的に結合されるように、かつ、ダイバーシティMBおよびHB端子MB/HB_D端子がHB LNA236の出力に電気的に結合されるように、設定可能である。
【0139】
アンテナスイッチモジュール240およびダイバーシティモジュール230の多投スイッチがこのような態様で設定される場合、有限のスイッチ分離が、第2のSP2Tスイッチ242を通した送信漏れ249をもたらすかもしれず、それは、一次MBおよびHB端子MB/HB_P上の送信信号の一部がHB LNA236の出力に到達することをもたらすかもしれない。一次MBおよびHB端子MB/HB_P上の送信信号は電力増幅器(たとえば図1参照)によって生成可能であるため、送信信号は比較的大きい電力を有するかもしれず、送信漏れ249に関連する電力は比較的大きいかもしれない。
【0140】
送信漏れ249は、HB LNA236の出力での相互変調をもたらし得る。この相互変調は、一次MBおよびHB端子MB/HB_P上の送信信号の送信周波数に関連する場合があり、および、組合せMB/HBダイバーシティアンテナ32に関連する遮断または妨害周波数に関連する場合がある。
【0141】
分離を強化し、送信漏れ249によって生じる相互変調を減少させるために、HB LNA236の出力にフィルタが含まれてもよい。しかしながら、そのようなフィルタは、RFシステムのサイズおよび/コストを増加させるかもしれない。
【0142】
図9Bは、RFシステム250の一実施例の概略ブロック図である。RFシステム250は、ダイバーシティモジュール260と、アンテナスイッチモジュール270と、ダイバーシティLBダイバーシティアンテナ31と、組合せMB/HBダイバーシティアンテナ32と、組合せMB/HB一次アンテナ102とを含む。
【0143】
ダイバーシティモジュール260は、アンテナ側SP2Tスイッチ271と、アンテナ側SP3Tスイッチ272と、送受信機側SP3Tスイッチ273と、送受信機側SP2Tスイッチ274とを含む。ダイバーシティモジュール260はさらに、LB処理回路54と、MB処理回路55と、HB処理回路56とを含み、それらは前述のとおりであり得る。ダイバーシティモジュール260はさらに、LBダイバーシティアンテナ31に電気的に結合された第1のダイバーシティアンテナ端子ANT1_Dと、組合せMB/HBダイバーシティアンテナ32に電気的に結合された第2のダイバーシティアンテナ端子ANT2_Dと、第1の双方向端子BI1と、第2の双方向端子BI2とを含む。
【0144】
図9Bに示すように、LB処理回路54は、アンテナ側SP2Tスイッチ271と送受信機側SP3Tスイッチ273との間の第1の信号経路において電気的に結合されている。加えて、MB処理回路55は、アンテナ側SP3Tスイッチ272と送受信機側SP2Tスイッチ274との間の第2の信号経路において電気的に結合されている。さらに、HB処理回路56は、アンテナ側SP3Tスイッチ272と送受信機側SP3Tスイッチ273との間の第3の信号経路において電気的に結合されている。例示されたダイバーシティモジュール260はさらに、アンテナ側SP2Tスイッチ271と送受信機側SP3Tスイッチ273との間のLB送信バイパス経路281と、アンテナ側SP3Tスイッチ272と送受信機側SP2Tスイッチ274との間のMB/HB送信バイパス経路282とを含む。
【0145】
例示された構成では、アンテナ側SP3Tスイッチ272は、組合せMB/HBダイバーシティアンテナ32上で受信されたダイバーシティ信号を、MB処理回路55の入力に、またはHB処理回路56の入力に提供するために使用可能である。ダイバーシティモジュール260がスワップモードで動作している場合、アンテナ側SP3Tスイッチ272はまた、MB/HB一次送信信号をMB/HB送信バイパス経路282を介して組合せMB/HBダイバーシティアンテナ32に提供するために使用可能である。送受信機側SP2Tスイッチ274は、MB処理回路55によって生成されたMB信号を、ダイバーシティモジュールの第2の双方向端子BI2に提供するために使用可能である。加えて、ダイバーシティモジュール260がスワップモードで動作している場合、送受信機側SP2Tスイッチ274は、第2の双方向端子BI2をMB/HB送信バイパス経路282に電気的に接続するために使用可能である。
【0146】
アンテナ側SP2Tスイッチ271は、LBダイバーシティアンテナ31上で受信されたダイバーシティ信号を、LB処理回路54の入力に提供するために使用可能である。ダイバーシティモジュール260がスワップモードで動作している場合、アンテナ側SP2Tスイッチ271はまた、LB一次送信信号をLB送信バイパス経路281を介してLBダイバーシティアンテナ31に提供するために使用可能である。送受信機側SP3Tスイッチ273は、HB処理回路56によって生成されたHB信号を第1の双方向端子BI1に提供するために、または、LB処理回路54によって生成されたLB信号を第1の双方向端子BI1に提供するために使用可能である。加えて、ダイバーシティモジュール260がスワップモードで動作している場合、送受信機側SP3Tスイッチ273は、第1の双方向端子BI1をLB送信バイパス経路281に電気的に接続するために使用可能である。
【0147】
アンテナスイッチモジュール270は、第1のSP2Tスイッチ261と、第2のSP2Tスイッチ262とを含む。アンテナスイッチモジュール270はさらに、組合せMB/HB一次アンテナ102に電気的に結合された一次アンテナ端子と、ダイバーシティモジュール260の第1の双方向端子BI1に電気的に結合された第1の双方向端子BI1と、ダイバーシティモジュール260の第2の双方向端子BI2に電気的に結合された第2の双方向端子BI2とを含む。アンテナスイッチモジュール270はさらに、一次MBおよびHB端子MB/HB_Pと、ダイバーシティLBおよびHB端子LB/HB_Dと、ダイバーシティMB端子MB_Dとを含む。
【0148】
RFシステム250の(スワップモードではなく)通常動作モード中、RFシステム250は、組合せMB/HBダイバーシティアンテナ32上でHBダイバーシティ信号を受信し、組合せMB/HB一次アンテナ102上でHB一次信号を送信するかもしれない。アンテナスイッチモジュール270およびダイバーシティモジュール260のスイッチがこのような態様で設定される場合、有限のスイッチ分離が、第2のSP2Tスイッチ262を通した送信漏れ259をもたらすかもしれない。
【0149】
しかしながら、図9AのRFシステム220とは対照的に、図9BのRFシステム250は、HB LNAの出力に到達する送信漏れ259に関連する相互変調を回避できる。たとえば、図9Bのダイバーシティモジュール260は、HB処理回路56によって生成されたHB信号を第2のSP3Tスイッチ273に提供し、それは次に、アンテナスイッチモジュール260のダイバーシティLBおよびHB端子LB/HB_Dに電気的に結合されている。RFシステムをこのような態様で構成することは、送信漏れ259がHB LNA66の出力に到達することを防止することができる。送信漏れ259はMB LNA65の出力に到達し得るものの、相互変調は、中帯域周波数に比べ、高帯域周波数で悪化し得る。したがって、送信漏れ259がMB LNA65の出力に到達することに関連する性能への影響は、送信漏れ259がHB LNA66の出力に到達することに関連する性能への影響よりも著しく低い。
【0150】
RFシステム250のさらなる詳細は、前述のものと同様であり得る。
図10は、RFシステム300の別の実施例の概略ブロック図である。RFシステム300は、ダイバーシティモジュール310と、アンテナスイッチモジュール320と、LBダイバーシティアンテナ31と、組合せMB/HBダイバーシティアンテナ32と、LB一次アンテナ101と、組合せMB/HB一次アンテナ102とを含む。
【0151】
図10のダイバーシティモジュール310は、図9Bのダイバーシティモジュール260と、ダイバーシティモジュール260がLB処理回路、MB処理回路、およびHB処理回路の異なる実現化例を含む点以外は同様である。特に、図10のダイバーシティモジュール310は、LB処理回路34と、MB処理回路35と、HB処理回路36とをそれぞれ含む。
【0152】
例示されたアンテナスイッチモジュール320は、SP2Tスイッチ330と、第1のSP3Tスイッチ331と、第2のSP3Tスイッチ332と、第3のSP3Tスイッチ333とを含む。アンテナスイッチモジュール320はさらに、LB一次アンテナ101に電気的に結合された第1の一次アンテナ端子ANT1_Pと、組合せMB/HB一次アンテナ102に電気的に結合された第2の一次アンテナ端子ANT2_Pと、ダイバーシティモジュール310の第1の双方向端子BI1に電気的に結合された第1の双方向端子BI1と、ダイバーシティモジュール310の第2の双方向端子BI2に電気的に結合された第2の双方向端子BI2と、一次HB端子HB_Pと、一次MB端子MB_Pと、一次LB端子LB_Pと、ダイバーシティHB端子HB_Dと、共有ダイバーシティMB/HB端子MB/HB_Dと、ダイバーシティLB端子LB_Dとを含む。
【0153】
図10に示すように、第1のSP3Tスイッチ331は、第1の双方向端子BI1を、一次LB端子LB_Pに、ダイバーシティLB端子LB_Dに、またはダイバーシティHB端子HB_Dに電気的に接続するために使用可能である。加えて、第2のSP3Tスイッチ332は、組合せMB/HB一次アンテナ102を、一次HB端子HB_Pに、一次MB端子MB_Pに、または共有ダイバーシティMB/HB端子MB/HB_Dに電気的に接続するために使用可能である。さらに、第3のSP3Tスイッチ333は、第2の双方向端子BI2を、一次MB端子MB_Pに、一次HB端子HB_Pに、または共有ダイバーシティMB/HB端子MB/HB_Dに電気的に接続するために使用可能である。さらに、SP2Tスイッチ330は、LB一次アンテナ101を、一次LB端子LB_Pに、またはダイバーシティLB端子LB_Dに電気的に接続するために使用可能である。
【0154】
図10のRFシステム300のさらなる詳細は、前述のものと同様であり得る。
図9Bのダイバーシティモジュール260および図10のダイバーシティモジュール310は、図2〜6に示すLB/HBダイプレクサ37を含むように例示されてはいないものの、図9Bのダイバーシティモジュール260および/または図10のダイバーシティモジュール310は、LB/HBダイプレクサを含むように適合可能である。たとえば、一実施例では、図10の第2のSP3Tスイッチ273は、SP2Tスイッチを含む代わりに省略され、LB処理回路34の出力とHB処理回路36の出力とを再度組合せて、SP2Tスイッチに提供される組合せLB/HB信号を生成するために、LB/HBダイプレクサが含まれる。さらに、ある構成では、アンテナ側多投スイッチは、一度に2つ以上の帯域を選択可能な帯域選択スイッチとして実現可能である。
【0155】
図2〜10に示すRFモジュールは、ある端子およびコンポーネントを含むように図示されているが、ここでの教示は他の構成にも適用可能である。たとえば、ここでのモジュールは、明確にするために図面から省略された追加の端子および/またはコンポーネントを含み得る。たとえば、ある実施例では、受信方向で使用されるモジュールの回路および端子が例示されているものの、モジュールは、送信方向に関連する追加の回路を含むように適合可能である。
【0156】
用途
上述の実施例のいくつかは、モバイル装置に関する例を提供してきた。しかしながら、実施例の原理および利点は、RFモジュールに対する要望を有する任意の他のシステムまたは装置のために使用可能である。
【0157】
そのようなRFモジュールは、さまざまな電子装置で実現可能である。電子装置の例は、家電製品、家電製品の一部、電子検査機器などを含み得るものの、それらに限定されない。電子装置の例はまた、メモリチップ、メモリモジュール、光ネットワークまたは他の通信ネットワークの回路、およびディスクドライバ回路を含み得るものの、それらに限定されない。家電製品は、携帯電話、電話、テレビ、コンピュータモニター、コンピュータ、ハンドヘルドコンピュータ、携帯情報端末(personal digital assistant:PDA)、電子レンジ、冷蔵庫、自動車、ステレオシステム、カセットレコーダまたはプレーヤ、DVDプレーヤ、CDプレーヤ、VCR、MP3プレーヤ、ラジオ、カムコーダ、カメラ、デジタルカメラ、ポータブルメモリチップ、洗濯機、乾燥機、洗濯乾燥機、複写機、ファクシミリ機、スキャナ、多機能周辺装置、腕時計、時計などを含み得るものの、それらに限定されない。また、電子装置は未完成品を含み得る。
【0158】
結論
文脈上明白に他の意味に解釈すべき場合を除き、明細書および請求項全体を通し、「含む」[含んで」などの用語は、排他的または網羅的な意味とは対照的なものとしての、包括的な意味で、すなわち、「〜を含むもののそれに限定されない」という意味で解釈すべきである。ここに概して使用される「結合される」という用語は、直接接続されるかまたは1つ以上の中間要素によって接続され得る2つ以上の要素を指す。同様に、ここに概して使用される「接続される」という用語は、直接接続されるかまたは1つ以上の中間要素によって接続され得る2つ以上の要素を指す。加えて、「ここに」「上述の」「以下に」という用語、および同様の趣旨の用語は、本願で使用される場合、本願全体を指しており、本願のある特定の部分を指すものではない。文脈上許容される場合、上述の詳細な説明で単数形または複数形を用いた用語はそれぞれ、複数形または単数形も含み得る。2つ以上の項目のリストに関する「または」という用語は、リストの項目のいずれか、リストの項目のすべて、リストの項目の任意の組合せといった、用語のあらゆる解釈を網羅する。
【0159】
さらに、とりわけ「可能である」「場合がある」「し得る」「できる」「たとえば」「などの」といった、ここに使用される条件付き文言は概して、特に明記されない限り、または使用される文脈内で他の意味に理解される場合を除き、ある特徴、要素および/または状態を、ある実施例は含み、他の実施例は含まない、ということを伝えるように意図されている。このため、そのような条件付き文言は概して、特徴、要素および/または状態が1つ以上の実施例について多少なりともに必要とされること、もしくは、これらの特徴、要素および/または状態が任意の特定の実施例に含まれるか、または任意の特定の実施例で行なわれるべきかを、作者の入力または促しの有無にかかわらず決定するための論理を必ず含むということを暗示するように意図されてはいない。
【0160】
この発明の実施例の上述の詳細な説明は、網羅的であるよう、またはこの発明を上に開示されたとおりの形に限定するように意図されてはいない。この発明の具体的な実施例およびこの発明についての例が、例示的な目的のために上述されているが、当業者であれば認識するように、さまざまな同等の修正がこの発明の範囲内で可能である。たとえば、プロセスまたはブロックは所与の順序で提示されているものの、代替的な実施例は異なる順序で、ステップを有するルーチンを行ない、またはブロックを有するシステムを採用してもよく、いくつかのプロセスまたはブロックは削除され、移動され、追加され、さらに分割され、組合され、および/または修正されてもよい。これらのプロセスまたはブロックの各々は、さまざまな異なるやり方で実現されてもよい。また、プロセスまたはブロックは時折、連続して行なわれるように示されているものの、これらのプロセスまたはブロックはその代りに、並行して行なわれてもよく、または異なる時間に行なわれてもよい。
【0161】
ここに提供されるこの発明の教示は、必ずしも上述のシステムにではなく、他のシステムに適用可能である。上述のさまざまな実施例の要素および行為は、さらに別の実施例を提供するために組合せ可能である。
【0162】
この発明のある実施例を説明してきたが、これらの実施例は単なる例として提示されたものであり、この開示の範囲を限定するように意図されてはいない。実際、ここに説明された新規の方法およびシステムは、さまざまな他の形で具現化されてもよく、さらに、ここに説明された方法およびシステムの形におけるさまざまな省略、置き換え、および変更が、この開示の精神から逸脱することなく行なわれてもよい。添付された請求項およびそれらの均等物は、この開示の範囲および精神に該当するであろうそのような形または修正を網羅するように意図されている。
【符号の説明】
【0163】
11 モバイル装置、12、103、240、270、320 アンテナスイッチモジュール、13 送受信機、22 ダイバーシティアンテナ、23、30、50、80、130、210、230、260、310、500 ダイバーシティモジュール、31 LBダイバーシティアンテナ、32 組合せMB/HBダイバーシティアンテナ、34 LB処理回路、35 MB処理回路、36 HB処理回路。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9A
図9B
図10