(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
注出可能な食品を含む密封パッケージ(1)を形成するように折り畳むことができる、複数の折り畳み線(16、17、18)を有し、第1の折り畳み線(16)が前記パッケージ(1)の上面壁(5)及び側面壁(7)を画定するシート・パッケージ材料(M)であって、
剛性を与えるための少なくとも1つのベース層(11)と、
前記ベース層(11)に付着され、前記ベース層(11)を覆う少なくとも1つのラミネート層(12)と、
前記パッケージ(1)から前記食品を注ぐための注出口(9)を開けるように、使用時に、前記パッケージ材料(M)の残りの部分から一部を除去し、折り畳み領域で折り畳むことができる脱着可能部分(100)とを含み、
前記脱着可能部分(100)は、前記ベース層(11)に形成された開口部(102)を覆う1以上のラミネート層(12)を備え、
前記脱着可能部分(100)は、前記第1の折り畳み線(16)によって、使用時に前記パッケージ(1)の前記上面壁(5)上に位置する第1の領域(100a)及び前記側面壁(7)上に位置する第2の領域(100b)に分割され、
前記第2の領域(100b)は前記第1の領域(100a)より小さく、前記折り畳み領域を画定し、使用時に、前記注出口(9)を開けるように前記脱着可能部分(100)を折り畳み中に蝶番として作用する、
パッケージ材料。
前記弦に垂直に測定した、前記脱着可能部分(100)の中心(G)から前記弦までの距離が、前記中心(G)から前記第1の折り畳み線(16)の反対側へ、前記弦に垂直に測定した、前記中心(G)から脱着可能部分(100)の縁部までの距離の約50〜85パーセントである、請求項3に記載のパッケージ材料。
【背景技術】
【0002】
フルーツ・ジュース、超高温処理(UHT)牛乳、ワイン、トマト・ソース等、多くの注出可能な食品が、滅菌されたパッケージ材料で形成されたパッケージに入って販売されることが知られている。
【0003】
代表的な例には、ラミネートされた細長片のパッケージ材料を折り畳み、封止することによって形成される、Tetra Brik Aseptic(登録商標)として知られている液体又は注出可能な食品のための平行六面体のパッケージがある。パッケージ材料は、例えばポリエチレンなどのヒート・シール・プラスチック材料の層で両面が覆われた、例えば紙などのベース層を含む、多層構造を含む。UHT牛乳などの長期保存食品のための無菌パッケージの場合、パッケージ材料は、例えばアルミニウム・ホイルなどの酸素バリア材料の層も含み、酸素バリア材料の層は、ヒート・シール・プラスチック材料の層の上に重ねられ、次いで最終的に食品に接触するパッケージの内面を形成する別のヒート・シール・プラスチック材料の層で覆われる。
【0004】
この種のパッケージは通常、完全自動式の包装機械で製造され、包装機械ではウェブ供給されたパッケージ材料から連続的な筒が形成される。パッケージ材料のウェブは、例えば過酸化水素水など、滅菌が完了すると例えば加熱による蒸発によってパッケージ材料の表面から除去される化学滅菌剤を加えることによって、包装機械で滅菌される。次いで、そのように滅菌されたウェブは、閉鎖された滅菌環境に維持され、長手方向に折り畳まれ、密封されて、垂直方向に供給される筒を形成する。
【0005】
形成工程を完了するために、筒は、滅菌され、又は滅菌処理された食品が充填され、密封され、その後、等間隔の断面に沿って切断される。このようにピロー・パックが形成され、次いで機械的に折り畳まれてそれぞれ最終パッケージを形成する。
【0006】
あるいは、パッケージ材料は、形成スピンドルでパッケージに形成されるブランクに切断することができ、次いでパッケージは食品が充填され、密封される。このタイプのパッケージの1つの例は、Tetra Rex(登録商標)という商標名で知られている、いわゆる「ゲーブル・トップ」パッケージである。
【0007】
上記のパッケージを開けるために、該パッケージは通常、食品を注出するための注出口を開けるように、開口具によって、一部がパッケージ材料の残りの部分から除去される脱着可能部分を備えている。
【0008】
脱着可能部分は、パッケージ材料を折り畳み、封止して最終パッケージを形成する前に、パッケージ材料上に形成される。
【0009】
脱着可能部分は通常、いわゆる「プレラミネートされた」穴、すなわち、パッケージ材料のベース層のみを通って形成され、材料が穴において互いに接着するヒート・シール・プラスチック材料及びバリア材料の層でラミネートされるときに覆われる、円形の穴を含む。
【0010】
これまで数年間にわたって、業界では、食品の円滑な注ぎ出しを妨げるほつれを伴わずに、注出口の縁部の周りに明確な切断を達成するような方法で、プレラミネートされた穴を開けるための効果的で一貫した方法を考案するために多くの研究が行われてきた。
【0011】
研究では、パッケージを開封するとき、プレラミネートされた穴をできる限り効果的に切断するように設計された、開口具の様々な動作を考案すること、特に、一動作でパッケージを開封することができる、すなわち、使用者の一動作で、プレラミネートされた穴を切り離し、形成された開口を露出することができる開口具に、主に焦点が当てられてきた。
【0012】
提案された第1の解決策は、例えば、INTERNATIONAL PAPER社によって出願された国際特許出願WO 95/05996に記載されており、開口具が、注ぎ口を画定し、パッケージの脱着可能部分の周りに嵌め込まれるフレームと、注ぎ口を閉じるようにフレームの外側にねじ締めされる脱着可能なキャップと、フレームの内側にねじ締めされ、一部が、すなわち関係する壁部から小角度のフラップを除いて除去されるように脱着可能部分と協働する、実質的に筒状の円柱カッターとを実質的に含む。
【0013】
カッターは、キャップをフレームから取り外すときに作動する、一方向ラチェット・タイプの伝達手段を使用して、キャップによって作動される。上記の国際特許出願に記載された特定の場合では、カッターは、脱着可能部分に平行な、すべて三角形で高さの等しい多数の歯を有する端縁部を使用して、脱着可能部分に作用する。
【0014】
実際の使用時には、カッターは、端部の歯が脱着可能部分に面している隆起した休止位置から、端部の歯が脱着可能部分と同時に相互作用する連続的な低い切断位置へと、フレームに対して螺旋状に動く。
【0015】
上記のタイプの開口具は、一動作でパッケージの開封に成功するが、歯が脱着可能部分の材料を「噛む」傾向があり、従って、場合によっては、食品を注ぐときに流れを外れさせることがある粗いほつれのある切断縁を形成する点に関して、満足のいくものではない。さらに、脱着可能部分の切断部がパッケージの内部にぶら下がったままとなり、使用時に、注ぎ口の流動部の少なくとも一部を塞ぐ傾向があり、従って製品の流出にとって重大な妨げとなる。
【0016】
脱着可能部分をパッケージ材料の残りの部分から除去することを改善するために、他の解決策も提案されており、そのうち最も顕著なものは、SIG Technology Ltdによって出願された特許EP‐B‐1513732及びEP‐B‐1509456に記載されている。
【0017】
より詳細には、上記のうち第1の解決策では、カッターがパッケージの壁部を貫通するとき、カッターの移動には第1の純粋に垂直な並進部分、及び第2の純粋に水平な回転部分を含むように、カッターがガイドされる。
【0018】
第2の解決策では、パッケージの開封時に、カッターの移動には第1の螺旋動作部分、及び第2の純粋に水平な回転部分を含む。
【0019】
上記の解決策は、脱着可能部分の切断の質を改善するが、食品の注出を妨げるほつれを生じない明確な切断縁の達成は、すべてが満足のいくものではない。
【0020】
最後に、上記の制限は、パッケージの脱着可能部分が、特に強度のある材料、例えば有機金属又はメタロセンで触媒されたポリマーで覆われたバリア材料で形成されるとき、特に顕著であることに留意されたい。そのような場合、カッターの動作によって、脱着可能部分を切り取るのではなく、「伸ばす」傾向があり、従って、さらに粗い切断縁を形成することになる。
【0021】
出願人は、脱着可能部分の効果的で明確な切断は、使用される開口具のタイプ及び動作のみに依存するのではなく、パッケージ材料のベース層を通って形成される穴のラミネーションの質にも依存することを観察した。
【0022】
より詳細には、出願人は、ラミネートされるベース層の穴の面積が大きいほど、面積全体に一定のラミネーション圧力を達成することがより困難になり、従ってラミネートされたポリマーが不均一な厚さになることを観察した。
【発明を実施するための形態】
【0045】
図1の番号1は、多層シート・パッケージ材料2(
図2及び4)から形成され、上面部分3にプラスチック材料の再閉鎖可能な開口具4が嵌め込まれるように設計された、注出可能な食品のための密封パッケージを全体的に示す図である。
【0046】
図面に示す非限定的な例では、開口具4はEP‐A‐2055640に開示されたものと非常に類似したタイプのものであり、後者で置換することもできる。また、EP‐A‐1088764に開示されたものなど、他の開口具を使用することもできることに留意されたい。開口具4は、接着剤などの従来の固定システム、又はマイクロフレーム、電流誘導、超音波、レーザー、又は他のヒート・シール法などによってパッケージ1に適用される。
【0047】
図1に示すパッケージ1は、ヨーロッパ特許出願EP‐A‐1338521に記載されたタイプのものである。本発明は、平行六面体又は柱状形のパッケージ、「ゲーブル・トップ」パッケージ等、他のタイプの密封パッケージにも適用できることに留意されたい。
【0048】
図1を参照すると、パッケージ1は、四辺形(図に示す例では、長方形又は正方形)の上面壁5、四辺形(この場合は、長方形又は正方形の)下面壁6、上面壁5と下面壁6との間を延びる4つの側面壁7、及び隣接する側面壁7の対の間にそれぞれ配置され、同じく上面壁5と下面壁6との間を延びる4つの隅角壁8を含む。
【0049】
それぞれの側面壁7は、長方形の中間部分7a、及びそれぞれ向かい合う上側及び下側二等辺四辺形であり、短い底辺が中間部分7aの向かい合う水平な辺と等しく、かつそれにより画定され、長い底辺が上面壁5及び下面壁6の対応する辺とそれぞれ一致する端部部分7b、7cを含む。
【0050】
それぞれの隅角壁8は、長方形の中間部分8a、及びそれぞれ向かい合う上側及び下側三角形であり、底辺が中間部分8aの向かい合う水平な辺と等しく、かつそれにより画定され、頂点が上面壁5及び下面壁6の隅角部と一致する端部部分8b、8cを含む。言い換えると、
図1の構成では、上側端部部分8bは上向きの頂点を有し、下側端部部分8cは下向きの頂点を有する。
【0051】
それぞれの端部部分7b、7c、8b、8cのパッケージ1の内側に向く辺は、隣接する上面壁5又は下面壁6と、90度より大きく180度より小さい角度を形成する。
【0052】
パッケージ1の上面には、後で説明するように、使用時に、パッケージ1から食品を注ぐための注出口9(
図6を参照)を開けるために、開口具4によってパッケージ材料2から一部を除去することができる脱着可能部分10を有している。
【0053】
パッケージ1を形成するパッケージ材料2は、剛性のために例えば紙などのベース層11、及びベース層11の両面を覆う多数のラミネート層12を含む、多層構造(
図4)を有している。
【0054】
図に示す例では、ラミネート層12は、例えばアルミニウム・ホイルなどの酸素バリア材料の層12a、及びベース層11及び層12aの両面を覆うヒート・シール・プラスチック材料の多数の層12bを含む。言い換えると、
図4の解決策は、パッケージ1の内側を最終的に形成する側から順に、ヒート・シール・プラスチック材料の層12b、バリア材料の層12a、ヒート・シール・プラスチック材料の別の層12b、ベース層11、及びヒート・シール・プラスチック材料の別の層12bを含む。
【0055】
使用時に、食品に接触するヒート・シール・プラスチック材料の内側層12bは、例えば、強度のある、特に高伸縮性の、メタロセン触媒の直鎖状低密度(LLD)ポリエチレンから形成することができる。
【0056】
通常、ヒート・シール・プラスチック材料の層12bは、溶融状態でベース層11の上にラミネートされ、次いで冷却される。
【0057】
可能な代替策として、プラスチック材料の少なくとも内側層を、ベース層11の上にラミネートされる、あらかじめ作製された膜として設けることができる。この方法によって、密封パッケージ1を形成する形成工程中に、脱着可能部分10又はその周りに穴又は亀裂が形成される危険性が減少する。
【0058】
図2の文字Mは、パッケージ1を製造するためのパッケージ材料2の基本ユニットを示し、あらかじめ切断したブランクとすることができ、又はパッケージ材料のウェブの一連のユニットMを含む部分とすることができる。
【0059】
第1の場合では、基本ユニットMは既知の折り畳みスピンドル(図示せず)で折り畳まれ、食品が充填され、上部が密封されて、最終パッケージを形成する。第2の場合では、一連の基本ユニットMを含むパッケージ材料2のウェブは、
円柱形に折り畳まれ、長手方向に密封されて垂直方向の筒を形成し、
食品で連続的に充填され、
横方向に密封され、基本ユニットMに切断され、次いで折り畳まれて各パッケージ1を形成する。
【0060】
これらの工程が完了した後、パッケージ1は、上面壁5と中心線に沿って交差する上側横方向封止帯13、下面壁6と交差する下側横方向封止帯(図示せず)、及び上面壁及び下面壁5、6のそれぞれの一部分に沿って、側面壁7の1つに沿って、上側横方向封止帯13と下側横方向封止帯との間を垂直に延びる長手方向封止帯14を有する。
【0061】
より詳細には、パッケージ1が完全に密封され、形成された後、上側横方向封止帯13及び上側横方向封止帯13から垂直に延びる長手方向封止帯14の端部部分14aが上面壁5と交差する。さらに詳しくは、上側横方向封止帯13は上面壁5を2つの領域5a、5bに分割し、長手方向封止帯14の端部部分14aは上側横方向封止帯13の中間部分からそのような領域5a、5bの1つ(5b)の上を延びている。
【0062】
パッケージ1を得るための形成工程中に、上側横方向封止帯13は、領域5b及び長手方向封止帯14の端部部分14aの上で折り畳まれる。このように、領域5aは、領域5bより大きい面積を有しており、従って、後で詳述するように、脱着可能部分10及び開口具4を受けるために適切である。
【0063】
図2を特に参照すると、基本ユニットMは折り目パターン15、すなわち、それぞれの折り畳み線を画定する多数の折り目線を有し、折り目パターン15に沿ってパッケージ材料2が折り畳まれて、最終パッケージ1が形成される。
【0064】
図に示す例では、折り目パターン15は、パッケージ1の
図1の構成で水平に延びる第1の折り畳み線16、パッケージ1の
図1の構成で垂直に延びる第2の折り畳み線17、及び折り畳み線16及び17に対して傾斜する第3の折り畳み線18を含む。折り畳み線16、17、18は、既知の方法で、パッケージ1の様々な壁部5、6、7、8、及び壁部7及び8の様々な部分7a、7b、7c、8a、8b、8cを画定する。
【0065】
脱着可能部分10は、
図1に明確に示すように、パッケージ材料を折り畳み、封止してパッケージ1を形成する前に、パッケージ材料2上に形成され、使用時に開口具4によって覆われる。
【0066】
既に述べたように、開口具4の動作によって、脱着可能部分10を1つの円弧形の切断線20に沿ってパッケージ材料2の残りの部分から一部を除去し、切断線20の反対側の端部の間を延びる折り畳み領域21で折り畳むことができる。
【0067】
脱着可能部分10は、折り畳み線16の1つと交差して、使用時に、パッケージ1の2つの隣接する壁部の間の縁部を画定するように、基本ユニットM上に有利に配置されている。より詳細には、脱着可能部分10は折り畳み線16と交差し、使用時にこの折り畳み線は、上面壁5と側面壁7の1つの上側端部部分7bとの間の縁部24を画定する。
【0068】
図3及び4に示すように、脱着可能部分10は、使用時に、どのような場合でも、折り畳み領域21によって画定される永久ブリッジ26を通して基本ユニットMのパッケージ材料の残りの部分に取り付けられたままとなるパッケージ材料全体の中心部分25、及び中心部分25の一部の周りを延び、切断線20を含む、切断相互作用のための周辺部分27(すなわち、パッケージ1の最初の開口中に開口具4がこれに沿って作用するように設計されている)を含む。
【0069】
使用時に、脱着可能部分10が関連するパッケージ1のパッケージ材料の残りの部分から切断線20に沿って除去され、折り畳まれるとき、永久ブリッジ26は蝶番として作用し、除去された材料をパッケージ1の内向きに回転させる。
【0070】
図2及び3に示すように、ブリッジ26は、ラミネーション方向Lに交差する方向、すなわち、パッケージ材料2が既知のローラーラミネーション装置(図示せず)によって供給される方向に沿って、中心部分25からパッケージ材料2の残りの部分へと延びる。
【0071】
周辺部分27は、中心部分25に面する1つの凹面を有する、開いた、曲線状の細長片によって画定される。実際には、周辺部分27は実質的にC字形である。
【0072】
図1〜6に示す好ましい実施例によると、周辺部分27は、ベース層11に設けられ、他のラミネート層12a、12bによって覆われた貫通スロット31によって形成される1つのプレラミネートされた細長片状の開口30によって、完全に画定される。
【0073】
この場合、切断線20は、プレラミネートされた開口30内に完全に含まれる。これは、使用時に、パッケージ1の最初の開口中に、開口具4によって実施される切断動作が(後でより詳細に説明する)、プレラミネートされた開口30に沿って行われるだけであることを意味している。
【0074】
有利には、
図4で明確に示すように、ベース層11の両側の面に沿って延びるラミネート層12bは、ラミネーション中に、スロット31を通って互いに封止される。このように、脱着可能部分10を切断線20に沿って切断した後、ラミネート層12の残りの部分によって注出口9の縁部の外側が覆われ、それにより「縁部の浸漬」という望ましくない現象、すなわち、最初の開口後にパッケージ1を水平位置で保存することによる紙の縁部の吸水を避けることができる。
【0075】
図3及び4を特に参照すると、パッケージ材料2のユニットMのスロット31は、中心部分25に隣接する第1の縁部32、縁部32に対向して面する第2の縁部33によって境界を定められている。縁部32、33は、スロット31のそれぞれ反対側の端部36、37で、ともに結合されている。
【0076】
反対側の縁部32と33との間の距離に対応するスロット31の幅Wは、1mm〜6mmの範囲であり、好ましくは2mm〜5mmである。
【0077】
出願人は、スロット31を通って封止される層12の正常なラミネーションを保証するための最小値は1mmの幅Wであり、幅Wが6mmより大きいと、プレラミネートされた開口30の面積が非常に大きくなり、ラミネーションに欠陥を生じる可能性があることを観察した。実際、プレラミネートされた開口30の面積が大きいほど、溶融したプラスチック・ポリマーが脱着可能部分10で移動しやすく、それにより、ベース層11に形成されるスロット31の部分におけるラミネート層12の厚さが不均一になる。
【0078】
切断線20の湾曲中心Gに対するスロット31の反対側の端部36、37の間の角距離は、中心Gからの上記の端部36、37の接線の間に形成される、角度α(
図3)によって測定することができる。
【0079】
出願人は、角度αが10度〜160度、好ましくは30度〜90度の範囲にあるとき、脱着可能部分10の周辺部分27の高品質のラミネーション及び明確かつ簡単な切断を得ることができることを観察した。
【0080】
プレラミネートされた開口30の別の重要なパラメータは、パッケージ材料2がスロット31を形成するために装置(図示せず)に供給される方向と、角度αの二等分線Zによって表すことができるプレラミネートされた開口30の向きを示す方向との間の、βで示される角度である。
【0081】
スロット31を形成するためにパッケージ材料2を装置に供給する方向は、ラミネーション方向Lと一致させることができることに留意されたい。
【0082】
脱着可能部分10の周辺部分27の高品質のラミネーション及び明確かつ簡単な切断を得るために、出願人は、角度βは45度〜135度、好ましくは60度〜120度の範囲であることを観察した。
【0083】
中心Gは、プレラミネートされた開口30によって境界を定められた部分の中心を識別するための一種の基準点を表すが、開口30は完全な円形ではない。この基準点は、形成工程中にプレラミネートされた開口30の正確な位置を測定し、そこに開口具4を高い精度で嵌め込むために有益である。
【0084】
上記の工程をより簡単にするために、有利には、例えば十字形の参照記号35を、脱着可能部分10の中心部分25内の中心Gに印刷し、又は折り目を付けることができる。特に、参照記号35を、折り目付け工程中、すなわち折り目パターン15を形成するための工程中、又はスロット31を形成する切断工程中に、設けることができる。
【0085】
図1、5及び6を参照すると、開口具4は、脱着可能部分10の周りでパッケージ1に嵌め込まれる、食品を注ぐための軸Aの円形の注ぎ口41を有するフレーム40、注ぎ口41を閉めるために注ぎ口41と同軸に嵌め込まれる脱着可能なねじキャップ42、及び、使用時に、注ぎ口41と軸方向に係合し、角度的に可動であり、パッケージ1を開けるために脱着可能部分10の一部を切断線20に沿ってパッケージ材料の残りの部分から除去するように、脱着可能部分10の周辺部分27と相互作用する、軸Aの筒状カッター43を含む。
【0086】
開口具4はまた、キャップ42をカッター43に連結し、使用時に、キャップ42をフレーム40から緩めると、カッター43に回転推力を加える第1の連結手段44、及び、フレーム40をカッター43に連結し、使用時に、キャップ42の緩めに応じて、カッター43を脱着可能部分10の周辺部分27を通る螺旋貫通経路に沿って送り出す第2の連結手段45も含む。
【0087】
開口具4は、脱着可能部分10の参照記号35、従って、設計された切断線20の中心Gに中心合わせされた注ぎ口41、キャップ42及びカッター43が軸Aを有するように、パッケージ1に嵌め込まれる。
【0088】
脱着可能部分10と同様に、フレーム40は、上面壁5とパッケージ1の側面壁7の1つの上側端部部分7bとの間の縁部24と有利に交差し、第1及び第2の部分46、47を含み、互いに対する角度は壁部5と壁部7との間の角度と同じである。
【0089】
より詳細には、フレーム40は、フレームをそれぞれの壁部5、7に締結する、部分46及び47を画定する環状ベース・フランジ48、及び、フランジ48の径方向内側の縁部から壁部5、7に固定された側と反対側に突出し、注ぎ口41を画定し、キャップ42を受けるように設計されている、軸Aの筒状の円筒形カラー49を含む。
【0090】
図5に示すように、カラー49は、使用時に、キャップ42の対応するねじ山52と係合する第1のねじ山51を有する外側円筒面、及び、注ぎ口41を画定し、使用時に、カッター43の対応するねじ山55と係合するねじ山54を有する、反対側の内側円筒面を含む。
【0091】
フレーム40のカラー49のねじ山54、及びカッター43のねじ山55はともに連結手段45を画定する。
【0092】
キャップ42は、フレーム40の注ぎ口41を閉じるための円形の端部壁58、及び、端部壁58の周縁側端部から同軸方向に突出し、内面がフレーム40のカラー49の外側のねじ山51と係合するねじ山52を支持する、実質的に円筒形の側面壁59を含む。
【0093】
図1に示すように、キャップ42がフレーム40に嵌め込まれるとき、側面壁59はカラー49の外側を覆う。
【0094】
カッター43は、最初にフレーム40のカラー49の内側に完全に嵌め込まれ(
図1)、パッケージ1が開封された後、脱着可能部分10の一部をパッケージ材料の残りの部分から除去した後、一部がパッケージの内側に配置される。
【0095】
カッター43(
図5)は1つの軸方向端部に、脱着可能部分10の一部を隣接するパッケージ材料から除去するように、パッケージ1の脱着可能部分10の周辺部分27と相互作用する、切断縁部60を有する。
【0096】
切断縁部60は、あらかじめ定められた円弧に沿って延びる、多数の実質的に三角形の歯60a、及び歯60aに対して軸方向に後退しており切断機能を持たない、所定の角度寸法の部分60bを含む。
【0097】
連結手段44は、キャップ42の端部壁58上で軸Aの周りに角度方向に等間隔に配置された多数(図に示す例では4つ)の作動部材61、及びカッター43の内側面に配置され、キャップ42が最初にフレーム40から緩めて外されると、各作動部材61によって押される、多数の対応する従動部材62を含む。
【0098】
言い換えると、作動部材61及び対応する従動部材62はともに、キャップ42の緩め方向(図面の反時計方向)でキャップ42が回転式にカッター43に連結されるが、反対方向で解除される、一方向作動デバイスを画定する。
【0099】
作動部材61及び従動部材62は、使用時に注ぎ口41に面するキャップ42の端部壁58の表面及びカッター43の内側面からそれぞれ突出する、起伏形状の突起によって画定される。
【0100】
実際の使用時には、パッケージ1はキャップ42を開方向(
図1の反時計方向)に回転することによって開封され、キャップ42がフレーム40から徐々に係脱し、同時に、従動部材62に係合する作動部材61によってカッター43を動作させるようになる。
【0101】
すなわち、ねじ山51及び52が相互作用して、キャップ42が軸Aの周りでフレーム40に対して螺旋状に動き、フランジ48から離れるようにフレームから軸方向に後退するようになる。同時に、キャップ42の作動部材61は、カッター43の従動部材62に作用して、カッターを同じく軸Aの周りで回転させる。ねじ山54及び55の相互作用は、キャップ42によるカッター43の回転を、最初に脱着可能部分10に向かい、次いで脱着可能部分10を通過する、カッター43の螺旋動作に変換する。
【0102】
切断縁部60は、移動しながら、脱着可能部分10の周辺部分27のプレラミネートされた開口30と相互作用して、切断線20を形成する。より詳細には、切断縁部60は、スロット31の端部部分を覆うラミネート層12a、12bを最初に貫通し、そこから、カッター43の移動方向(
図1及び5の反時計方向)に、プレラミネートされた開口30の全体に沿って前進し、これを切断する。
【0103】
このとき、切断縁部60がプレラミネートされた開口30へと完全に貫通され、それにより脱着可能部分10が切断線20に沿ってすべて除去された後、カッター43をさらに回転することによって、無傷のまま蝶番として作用するブリッジ26に沿って折り畳み動作が行われる。より詳細には、脱着可能部分10はカッター43の外側へと折り畳まれ(
図6)、食品を注ぐための経路を開けるように、カッターによってこの位置に維持される。
【0104】
従って、全切断角度は1回転未満であり、実質的に200度〜350度、好ましくは270度〜330度であり、従って、脱着可能部分10がパッケージ材料の隣接する部分から完全に除去されることを防ぐ。
【0105】
キャップ42がさらに緩められると、作動部材61は従動部材62から軸方向に後退し、従ってカッター43を低い開口位置で停止し、フレーム40からパッケージ1の内側へと軸方向に突出するが(
図6)、ねじ山55に係合するねじ山54によってカラー49に連結されたままとなる。
【0106】
次いで、キャップ42を完全に緩めてパッケージ1を開き、パッケージ1はキャップ42をカラー49に再びねじ締めするだけで再び閉じることができる。
【0107】
パッケージ1が開けられた後、作動部材61はカッター43の従動部材62と係合する軸方向位置に達することができないので、カッター43が低い開口位置からそれ以上動かないようにすることができる。
【0108】
低い開口位置では、カッター43は脱着可能部分10の切除部が食品を注ぐための注ぎ口41を塞がないように押しとどめる(
図6)。
【0109】
図7〜11の番号10’、10’’、10’’’及び10’’’’は、本発明によるパッケージ材料2の脱着可能部分の様々な実施例を示す。脱着可能部分10、10’、10’’、10’’’と10’’’’は互いに同様であり、以下はこれらの差異についての説明に限られ、同一又は対応する部品について可能な場合は同じ参照符号を使用する。
【0110】
図7及び8に示す実施例では、脱着可能部分10’は周辺部分27’を有し、周辺部分27’は、切断線20と同じ湾曲中心Gを有する、1つの円弧形のプレラミネートされた開口30’によって完全に画定される。実際には、プレラミネートされた開口30’は、実質的に半円形の細長片形状であり、パッケージ材料2のベース層11に同じ形に形成され、ラミネート層12によって覆われた貫通スロット31’によって形成される。
【0111】
有利には、スロット31’の幅Wは一定であり、切断相互作用が可能な、すなわち、開口具4のカッター43の歯60aによる係合が可能な最小限に維持される。言い換えると、スロット31’の幅Wは、カッター43の歯60aの幅とほぼ正確に一致するように、0.5mm〜0.9mmの範囲である。
【0112】
この解決策では、
図8に示すように、脱着可能部分10’では、貫通スロット31’の幅Wが狭すぎるため、パッケージ材料2のラミネート層12はスロット31’を通って互いに封止されることができない。
【0113】
スロット31’は、レーザー切断デバイス(図示せず)を使用して、パッケージ材料2のベース層11に形成することもできる。
【0114】
図9の実施例では、脱着可能部分10’’の周辺部分27’’は、脱着可能部分10’の周辺部分27’と同じ円弧形状であり、一連のプレラミネートされた開口30’’がパッケージ材料全体の各ブリッジ70と交互に配置され、中心部分25と結合されている点が周辺部分27’と異なる。
【0115】
実際には、この場合は、周辺部分27’’は、ラミネート層12によって外側を覆われた、一連の離間された穿孔又は貫通スロット31’’をパッケージ材料2のベース層11に形成することによって得られる。
【0116】
ベース層11を穿孔する工程は、レーザー切断デバイスを使用して、有利に実施することができる。
【0117】
図9に示すように、切断線20はブリッジ70と交差する。これは、パッケージ1の最初の開口中に、ブリッジ70がカッター43によって完全に切り離されることを意味する。
【0118】
図10に示す実施例では、脱着可能部分10’’’は周辺部分27’’’を有し、周辺部分27’’’は、互いに向き合い、永久ブリッジ26及びパッケージ材料全体の別のブリッジ71によって隔てられ、中心部分25に結合された、2つのプレラミネートされた開口30’’’を含む。
【0119】
好ましくは、切断線20はブリッジ71と交差する。これは、パッケージ1の最初の開口中に、ブリッジ71がカッター43によって完全に切り離されることを意味する。
【0120】
図10に明確に示すように、プレラミネートされた開口30’’’は、ブリッジ26及び71を連結し、切断線20の中心Gを通過し、開口具4の注ぎ口41、キャップ42及びカッター43の軸Aに直交して延びる軸Bに対して対称形である。
【0121】
有利には、ブリッジ26及び71を連結する軸Bは、パッケージ材料2のラミネーション方向Lに平行である。
【0122】
より詳細には、この場合は、ラミネーション方向Lは、ブリッジ26から、ブリッジ26より短いブリッジ71へと向かう。
【0123】
図10に示すように、それぞれのプレラミネートされた開口30’’’は、ほぼ細長い豆形であり、パッケージ材料2のベース層11に同じ形に形成され、ラミネート層12によって覆われた貫通スロット31’’’によって形成される。
【0124】
脱着可能部分10のプレラミネートされた開口30と同様に、この実施例でも、ラミネート層12は、それぞれスロット31’’’を通って互いに封止される。
【0125】
形成工程中に非円形のプレラミネートされた開口30’’’の正確な位置の決定を簡単にし、そこに開口具4を高い精度で嵌め込むことができるようにするために、この場合も、例えば十字形の参照記号35を、脱着可能部分10’’’の中心部分25内の中心Gに印刷し、又は折り目を付けることができる。特に、参照記号35を、折り目パターン15を形成するための折り目付け工程中、又はスロット31’’’を形成する切断工程中に、設けることができる。
【0126】
図11に示す実施例では、脱着可能部分10’’’’は周辺部分27’’’’を有し、周辺部分27’’’’は、脱着可能部分10’’’の周辺部分27’’’と比較すると、プレラミネートされた開口30’’’の1つに対応する第1のプレラミネートされた開口30a’’’’、及び、ともに他のプレラミネートされた開口30’’’の代わりとなる第2及び第3のプレラミネートされた開口30b’’’’、30c’’’’を有する。
【0127】
プレラミネートされた開口30a’’’’は、永久ブリッジ26、及び、脱着可能部分10’’’の周辺部分27’’’のブリッジ71に対応する、パッケージ材料全体の完全に切り離し可能なブリッジ72によって、プレラミネートされた開口30b’’’’及び30c’’’’から隔てられている。プレラミネートされた開口30b’’’’及び30c’’’’は、パッケージ材料全体の他の完全に切り離し可能なブリッジ73によって、互いから隔てられている。
【0128】
すべてのブリッジ26、72及び73は、脱着可能部分10’’’’の中心部分25に結合されている。
【0129】
図11に示すように、プレラミネートされた開口30a’’’’、30b’’’’、30c’’’’は、ほぼ細長い豆形であり、異なる長さを有する。特に、プレラミネートされた開口30a’’’’は周辺部分27’’’’の一方の半分にほぼ沿って延び、プレラミネートされた開口30b’’’’及び30c’’’’は周辺部分27’’’’の他方の半分にほぼ沿って延び、従ってプレラミネートされた開口30a’’’’に面している。
【0130】
実際には、プレラミネートされた開口30a’’’’は、周辺部分21’’’’に沿って、同程度の長さであるプレラミネートされた開口30b’’’’及び30c’’’’の長さの合計とほぼ等しい、又はそれよりわずかに長い長さを延びる。
【0131】
この場合も、プレラミネートされた開口30a’’’’、30b’’’’、30c’’’’は、パッケージ材料2のベース層11に形成され、ラミネート層12によって覆われた、対応する貫通スロット31a’’’’、31b’’’’、31c’’’’によって形成される。
【0132】
脱着可能部分10、10’’’のプレラミネートされた開口30、30’’’と同様に、ラミネート層12は、それぞれスロット31a’’’’、31b’’’’、31c’’’’を通って互いに封止される。
【0133】
使用時に、脱着可能部分10’’’’をパッケージ材料2の残りの部分に永久的に連結するためのブリッジ26は、ブリッジ72、73より長い。
【0134】
図11に示すように、ブリッジ26及び72は、パッケージ材料2のラミネーション方向L、この場合は、より長いブリッジ26からブリッジ72の方向に平行な軸Bに沿って、互いに反対側に有利に配置されている。
【0135】
他方、ブリッジ73は軸Bの一方の側に配置され、プレラミネートされた開口30a’’’’に面している。
【0136】
さらに、プレラミネートされた開口30b’’’’及び30c’’’’は、プレラミネートされた開口30a’’’’に対して軸Bの反対側に配置され、使用時にパッケージ1の縁部24を画定する折り畳み線16は、プレラミネートされた開口30a’’’’及び30b’’’’と交差する。
【0137】
形成工程中に非円形のプレラミネートされた開口30a’’’’、30b’’’’、30c’’’’の正確な位置の決定を簡単にし、そこに開口具4を高い精度で嵌め込むことができるようにするために、この場合も、例えば十字形の参照記号35を、脱着可能部分10’’’’の中心部分25内の中心Gに印刷し、又は折り目を付けることができる。特に、参照記号35を、折り目パターン15を形成するための折り目付け工程中、又はスロット31a’’’’、31b’’’’、31c’’’’を形成する切断工程中に、設けることができる。
【0138】
図12に示す実施例では、脱着可能部分10’’’’’は周辺部分27’’’’’を有し、周辺部分27’’’’’は脱着可能部分10’’’の周辺部分27’’’と非常に類似しており、切断動作が、それぞれのプレラミネートされた開口30’’’’’内に完全に含まれる2つの円弧形の切断線20’’’’’に沿って実施される点が基本的に異なる。
【0139】
好ましくは、
図12に示すように、切断線20’’’’’はそれぞれ、関連するプレラミネートされた開口30’’’’’の一方の端部から他方の端部へと向けられている。
【0140】
この場合、プレラミネートされた開口30’’’’’は、永久ブリッジ26、及び、ブリッジ71に対応するが永久的なタイプの、すなわち、パッケージ1の最初の開口中にカッター43によって切り離されない、別のブリッジ74によって、隔てられている。
【0141】
より詳細には、パッケージ1を開封するために、ブリッジ26と74との間を延び、2つの別の折り畳み線82によって境界を定められる、パッケージ材料全体の細長片81と結合される2つのフラップ80を形成するように、脱着可能部分10’’’’’の一部が2つの円弧形の切断線20’’’’’に沿ってパッケージ材料2の残りの部分から除去される。
【0142】
実際には、パッケージ1の開口は、2つのフラップ80を細長片81のいずれかの側に折り畳むことによって実行される。
【0143】
可能な代替策として、切断動作は、プレラミネートされた開口30’’’’’のそれぞれの中央から実施し、両方向に対称に進めることもできる。
【0144】
図13〜16の番号100は、本発明による脱着可能部分のさらに異なる実施例を示す。脱着可能部分100は、上記で述べた脱着可能部分10、10’、10’’、10’’’、10’’’’、10’’’’’に対する類似及び差異に焦点を当てて説明し、既に述べた、又は均等な部品について可能な場合は同じ参照符号を使用する。
【0145】
パッケージ1及びパッケージ1が得られるパッケージ材料2の基本ユニットM上に形成された脱着可能部分100が、
図13及び14に示されている。脱着可能部分100は、平行六面体又は角柱形のパッケージ、「ゲーブル・トップ」パッケージ等、異なるタイプの密封パッケージ、又はパッケージの主要な部分に様々に異なる断面を有するパッケージにも、有利に形成することができることに留意されたい。
【0146】
脱着可能部分10、10’、10’’、10’’’、10’’’’、10’’’’’と全く同様に、この場合も、脱着可能部分100は、使用時に、パッケージ1の2つの隣接する壁部間の縁部を画定する折り畳み線16の1つと有利に交差する。より詳細には、脱着可能部分100は、使用時に、上面壁5と、通常はパッケージ1の前面パネルを画定する側面壁7の1つの上側端部部分7bとの間の縁部24を画定する、折り畳み線16と交差する。
【0147】
図に示す例では、脱着可能部分100は、一部が上面壁5の領域5aを延び、一部が領域5bに対して上側横方向封止帯13の反対側に位置する隣接する側面壁7の上側端部部分7bを延びる。
【0148】
特に、脱着可能部分100と交差する折り畳み線16は、脱着可能部分100を、使用時にパッケージ1の上記の個別の壁部5、7上に位置する第1及び第2の領域100a、100bに分割する。領域100bは領域100aより小さい。
【0149】
開口具4の動作により、脱着可能部分100の一部を、領域100aに含まれる1つの円弧形の切断線101に沿って、パッケージ材料2の残りの部分から除去し、切断線101の反対側の端部間を延び、領域100bによって画定される折り畳み領域(
図13、14及び16)で、折り畳むことができる。実際には、この場合、領域100bは使用時に、注出口9を開けるために、除去された材料がパッケージ1の内側へと、そのような領域が位置する側面壁7に向かって(
図16)、回転できるようにする蝶番として作用する。
【0150】
脱着可能部分10は、上面壁5だけでなく、上面壁5に対して傾斜した隣接する側面壁7上にも位置することによって、最終パッケージ1に湾曲を有する。このように、開口具のカッターは、例えば軸方向下向きの貫通動作(EP‐A‐2055640など)を受け、同一面に配置された歯を備えるなど、非常に単純な設計であっても、脱着可能部分100全体に一度に接触することはないので、パッケージ1の最初の開口中に脱着可能部分100が完全に切り離される危険性を最小限にすることができる。
【0151】
図13〜16に示すように、脱着可能部分100は、少なくともベース層11に形成され、被覆材料103によって覆われ、脱着可能部分100全体に沿って延びる1つの開口部102を含む点が、脱着可能部分10、10’、10’’、10’’’、10’’’’、10’’’’’と異なる。
【0152】
特に、この場合、開口部102及び脱着可能部分100は、中心Gを有する円又は円形の輪郭を有する。脱着可能部分100に交差する折り畳み線16は、その弦を画定する。
図14に示す実施例では、脱着可能部分100に交差する折り畳み線16は、開口部102の半径の約70%の開口部102の中心Gから最小距離Dに位置する。折り畳み線16は、開口部102の半径の約50〜85%の範囲、又は開口部102の半径の約60〜80%の範囲にある開口部102の中心Gから最小距離Dに位置することも可能である。
【0153】
図13〜16に示す好ましい実施例によると、被覆材料103はラミネート層12のすべてによって画定される。図示しない可能な代替策として、被覆材料103は、ラミネート層12の1つのみ、又はいくつかによって画定することもできる。
【0154】
図示しない別の可能な代替策によると、開口部102は、パッケージ材料2全体を通って形成することができ、この場合、被覆材料103は、開口部102を封止するようにパッケージ材料2に貼付され、例えばアルミニウム・ホイルなどの酸素バリア材料の層、及びヒート・シール・プラスチック材料の1つ又は複数の層を含む、パッチによって画定することができる。
【0155】
本発明によるパッケージ材料2及びパッケージ1の利点は、上記の説明から明らかであろう。
【0156】
特に、上記のように、脱着可能部分10、10’、10’’、10’’’、10’’’’、10’’’’’、100をパッケージ1の2つの壁部(5、7)に互いに傾斜して跨るように配置することによって、注出口9の直径を大きく増加することができ、従ってパッケージ1からの食品の流出が改良される。
【0157】
この注出口9の直径の増加は、折り目パターン15の複雑性を増加することなく得られる。
【0158】
さらに、より広い脱着可能部分100を、パッケージ材料2の残りの部分から除去された後にパッケージ1の内側へと折り畳まれるようにすることによって、製品の流れをより妨げることなく、除去された部分の安定性を高めることができる。
【0159】
図13〜16に示す解決策では、パッケージ1の隣接する傾斜した側面壁7上の脱着可能部分100の延長部から形成される湾曲によって、開口具が非常に単純な設計であっても、パッケージ1の最初の開口中に完全に切り離される危険性を最小限にすることができる。
図13及び14に示す実施例では、上面パネル5は下面パネル6に実質的に平行であり、前面パネル7の上側部分7bは前面パネルの主要部分に対して傾斜している。これにより、上面パネル5と前面パネルの上側部分7bとの間の角度は90度より大きく、図示された実施例では約106度である。脱着可能部分100が位置するパネル間の角度が90度より大きいことにより、脱着可能部分100の折り畳みが減少し、従って脱着可能部分への応力が減少する。従って、いくつかの実施例では、パッケージへと折り畳まれたとき、上面パネル5と側面壁7の上側部分7bとの間の角度が95〜115度の範囲、又は100〜110度の範囲であることが想定される。
【0160】
上面パネル5と側面パネル7との間の上記の角度が90度より大きくなるように、下面パネル6に対して傾斜した上面パネル5、及び実質的に垂直な側面パネル7(パッケージが直立しているとき)を有することも可能である。そのようなパッケージの1つの例が、出願人によって、Tetra Brik Edgeの商標名で販売されている。
【0161】
さらに、脱着可能部分100の折り畳み領域が領域100bによって画定されることにより、除去された材料を非常に良好な方法でそのような領域が位置するパッケージ1の側面壁7の上に重ねることができる。このようにして、開口具の設計の複雑性が低くても、パッケージ1を完全に空にすることが可能である。
【0162】
所定のサイズの注出口9は、
図1〜12で説明され図示された脱着可能部分10、10’、10’’、10’’’、10’’’’及び10’’’’’の構成によって、注出口部分の全体を覆うプレラミネートされた穴と比較して、より良いラミネーションの質が得られる。
【0163】
これは基本的に、ラミネーション中に、脱着可能部分10、10’、10’’、10’’’、10’’’’、10’’’’’でのポリマーの移動が大幅に低減され、従って、スロット31、31’、31’’、31’’’、31a’’’’、31b’’’’、31c’’’’、31’’’’’それぞれのラミネート層12の厚さが、注出口部分の全体を画定する従来のプレラミネートされた穴より大幅に均一になることによる。
【0164】
従って、既知のプレラミネートされた穴と比較して、より広い加工ウィンドウを得ることが可能になり、例えばラミネーション速度が速くなり、ベース層11の被覆材料の費用が大幅に低減される。
【0165】
実際、ラミネーション中にポリマーの移動を抑えることにより、ラミネーション・ローラーを通る材料をより速く供給することができ、説明され図示された解決策で生じる材料費が低減されることにより、基本重量の少ないラミネート材料の使用が可能になる。
【0166】
切断相互作用のための部分(周辺部分27、27’、27’’、27’’’、27’’’’、27’’’’’)のラミネーションの質を改良することによって、伸縮性の高いヒート・シール・プラスチック材料の内側層を使用する場合であっても、脱着可能部分10、10’、10’’、10’’’、10’’’’、10’’’’’の一貫した整然とした切断が可能になる。
【0167】
さらに、脱着可能部分10、10’、10’’、10’’’、10’’’’、10’’’’’を、パッケージ1の都合の良い位置に、例えば、特にパッケージ材料2の折り畳み線16と交差して、従って、パッケージ1の縁部24に、より簡単に配置することができる。
【0168】
上記で述べたように、
図1〜4の特定の解決策では、1つのプレラミネートされた開口30の幅W及び角度α及びβは、ラミネーション中に、脱着可能部分10での溶融したプラスチック・ポリマーの移動、及びラミネーションの欠陥が発生する可能性を最小限にするために考慮される重要なパラメータである。同じことが
図7及び8の解決策にも当てはまる。
【0169】
図10、11及び12の場合、パッケージ材料全体のブリッジ26及び71、74を、パッケージ材料のラミネーション方向(L)に平行な軸(B)に沿って位置合わせして配置することによって、ラミネーション中に、脱着可能部分10’’’、10’’’’、10’’’’’におけるポリマーの移動が低減される。実際、出願人は、ポリマーの移動が、ラミネーション・ローラーを通る脱着可能部分の先端部分及び後端部分を画定する部分においてより顕著になる傾向があることを観察した。従って、パッケージ材料全体のブリッジ(26;71、74)をこれらの部分のみに設けることによって、ラミネーション中に、ポリマーの移動が大幅に低減され、従って、スロット31’’’、31a’’’’、31b’’’’、31c’’’’、31’’’’’におけるラミネート層12の厚さが、注出口部分の全体を画定する従来のプレラミネートされた穴より大幅に均一になる。
【0170】
さらに、
図11の場合、他のブリッジ(73)をブリッジ26及び72を結合する軸Bの側面に配置することによって、ブリッジ72を切断縁部60によって切断するとき、脱着可能部分10’’’’の元の位置を維持することができる。すなわち、切断縁部60がブリッジ72を通って前進すると、脱着可能部分10’’’’をスロット31a’’’’に向かって押す推力は、ブリッジ73の反作用を受け、従って脱着可能部分10’’’’の横方向の移動を防ぐ。この場合、開口具4の切断縁部60が、パッケージ1の最初の開口中に、最初にブリッジ72に、次いでブリッジ73に作用するように設計されるべきであることは明らかである。例えば、これは、歯60aに対して軸方向に後退した、切断機能を有さない所定の角度寸法の部分によって隔てられる、歯60aの2つの群を設けることによって実現することができる。2つの群は、一方がブリッジ72を切断してから他方がブリッジ73の切断を開始するように、脱着可能部分10’’’’及びカッター43の螺旋経路に対して配置するべきである。
【0171】
脱着可能部分10、10’及び10’’’’’の重要な利点は以下の通りである。切断動作は、紙材料のベース層11を通ってではなく、ラミネート層12のみを通って実施される。これにより、紙繊維が切断動作中に除去され、パッケージ1内へと落下する危険性がなくなる。
【0172】
さらに、パッケージ1を最初に開けるために必要な力が、非常に小さい量である。
【0173】
最後に、以下の理由により、上記のパッケージ材料によって開口具4の高度な一体化が可能になる。
パッケージ材料2の製造工程は、開口具4によって切り離しやすい1つの又は複数のプレラミネートされた穴を含む脱着可能部分10、10’、10’’、10’’’、10’’’’、10’’’’’、100を製造するように、設計されている。
パッケージ1は、使用者の労力をほとんど必要とせずに、一動作で開封することができる。
パッケージが開封された後、パッケージ材料の残りの部分から一部が除去される脱着可能部分10、10’、10’’、10’’’、10’’’’、10’’’’’、100は、フレーム40とカッター43との間で維持され、従って除去される危険性がなくなる。
【0174】
添付の特許請求の範囲に定義された範囲から逸脱することなく、本明細書で説明され図示されたパッケージ材料2及びパッケージ1に変更を行うことができることは明らかである。