【実施例】
【0095】
以下に、代表的なタッチスクリーンセンサ設計を記載する。これらは、例えば、米国特許第5,126,007号、又は同第5,492,611号に記載されるように、既知のフォトリソグラフィー法を使用して作製され得る。導電体は、当該技術分野において既知である物理蒸着法、例えば、スパッタリング又は蒸着を使用して堆積され得る。特に断らない限り、下記の例は、マイクロコンタクト印刷技術(上記の技術説明及び米国特許第8,425,792号も参照)によってパターン化された導電体を含む。本明細書において例示される各導電パターンは、当該技術分野において既知であるように(例えば、米国特許第4,087,625号、同第5,386,219号、同第6,297,811号、国際特許公開第2005/121940 A2号)、デコード回路に接続された場合に、透明タッチスクリーンセンサとして有用である。
【0096】
(実施例1)
以下の記載による薄膜金の微小パターンが、無色のガラスの薄いシート(およそ1ミリメートルの厚さ)上に堆積される。微小パターン240が、
図11及び
図12に描かれている。金層の厚さ又は高さは、約100ナノメートルである。微小パターン240は、水平の細いトレース242を含む一連の水平(x軸)メッシュバー241を伴い、トレース242は、幅がおよそ2マイクロメートルである。これらの水平メッシュトレース242の4本が、より大きな構造の接触パッド260と電気通信している。メッシュバーは、およそ6ミリメートルの幅である。したがって、13本の等間隔なトレース244が、6ミリメートルの幅(y軸)を横断し、13本の等間隔なトレース242が6ミリメートルの長さ(x軸)を横断し、トレースの正方形グリッドのピッチは500マイクロメートルである。
図12に描かれているように、いくつかのトレースは、およそ25マイクロメートル(場所の特定の容易化のために、図では誇張されている)の断絶部250を有する。500マイクロメートルピッチにおける、2マイクロメートル幅の不透明トレースを有する正方形グリッドでは、不透明トレースの空間占有率は、0.80%であり、したがって、99.20%の開口面積をもたらす。同じ正方形グリッドであるが、500マイクロメートル毎に25マイクロメートルの断絶部を有するものでは、空間占有率は0.78%であり、したがって、99.22%の開口面積をもたらす。したがって、この設計は、99.22%の開口面積を有する1mm×6mm区域、及び99.20%の開口面積を有する6mm×6mm区域を含む。メッシュを有するガラス物品の平均可視透過率は、およそ0.92×0.992=91%である(0.92という係数は、パターンの導電体が堆積されていない領域における光透過率の界面反射損失に関連する)。水平バー方向に沿って、4本の金のトレースによって互いに接続された、一連の完全なグリッド区域が存在する。スパッタ薄膜金に関し、5E−06Ωcmの有効バルク抵抗値を想定すると、2マイクロメートル幅、500マイクロメートル長の薄膜金の区分は、およそ125Ωの抵抗を有する。完成したグリッドを有する区域は、バーの方向に電流が流れるために、およそ115Ω/スクエアの有効面抵抗を有する。完成したグリッドを有する区域を接続する4本のトレースは、区域間において、およそ62.5Ωの抵抗を生じる。導電トレース要素の上記の配置は、
図13にプロットされるように、バー方向に沿って、空間的に異なる単位長さ当たりの抵抗を生じる。
図14は、水平メッシュバーの配列の、同等の回路を例示する。回路は、レジスタによって接続される、一連のプレートを有する。
【0097】
(実施例2)
以下の記載による薄膜金の微小パターンが、無色のガラスの薄いシート(およそ1ミリメートルの厚さ)上に堆積される。微小パターン340が、
図15に描かれている。金の厚さは、約100ナノメートルである。微小パターン340は、一連の交互配置された楔形又は三角形の形状の透明導電性区域を有する。各楔形は、細い金属のトレース342、344で作製されるメッシュを含み、トレース342、344(
図15a〜15c参照)は、およそ2マイクロメートルの幅である。メッシュの楔形は、その底辺においておよそ1センチメートルの幅であり、長さはおよそ6センチメートルである。トレース342、344の正方形グリッドのピッチは、500マイクロメートルである。楔形内のメッシュの選択される区域(
図15a〜
図15b参照)内において、およそ25マイクロメートル長の断絶部350が、楔形内の局部的面抵抗(その長軸に沿って通過する電流のため)に影響を与えるように、意図的に設置される。
図15a及び
図15bに描かれているように、区域15a、及び15b(
図15では、区域はおよそ1センチメートルで分離している)、断絶部350は、長軸方向において、面抵抗を1.2倍超増加させるメッシュに含まれる。全体的な設計はまた、区域15c(
図15cに描かれている)を含み、これは、区域15a及び15bから、電気的に絶縁され、離間しており、また区域15a及び15bのものよりも低い面抵抗値のメッシュを有する。メッシュ区域15cは、99.20%の開口面積を有し、一方でメッシュ区域15a及び15bは、それぞれ、99.20%及び99.21%の開口面積率を有する。全体的な設計はまた、区域15a、15b、及び15cよりも大きなピッチのメッシュを有するが、同じ幅のトレースを有する、区域15d及び15e(
図15d及び15eに描かれている)を含み、より高い面抵抗及び可視光線透過率をもたらす。
【0098】
図16は、上記のメッシュ特性の設計の、楔形に沿った抵抗の勾配への影響を、同じ形状の区域での標準的なITOコーティングの使用と比較して例示している。全体的な設計はまた、パターンの左側及び右側に沿った導電性リードの形態の、より大きな導電構造を含み、リードはおよそ1ミリメートル幅であり、およそ100ナノメートルの厚さの薄膜金からパターン化されている。
【0099】
(実施例3)
タッチスクリーンセンサのための透明センサ要素400が、
図17に例示される。センサ要素400は、互いに積層され、明確にするために
図17では分離されて描かれている、パターン化された2つの導電層410、414(例えば、X軸層、及びY軸層)、光学的に透明な2つの接着剤層412、416、及び基部プレート418を含む。層410及び414は、透明導電メッシュバーを含み、ここで一方の層はx軸方向に配向され、他方の層はy軸方向に配向されている(
図2参照)。基部プレート418は、面積が6センチメートル×6センチメートル、厚さが1ミリメートルのサイズのガラスのシートである。好適な、光学的に透明な接着剤は、3M Company,St.Paul,Minnesotaからの、Optically Clear Laminating Adhesive 8141である。X層及びY層のそれぞれに関し、金属の微小パターンを有する透明なポリマーフィルムが使用される。以下の記載による薄膜金の微小パターンが、PETの薄いシート上に堆積される。好適なPET基材としては、厚さおよそ125マイクロメートルの、DuPont,Wilmington,DelawareからのST504 PETが挙げられる。
【0100】
微小パターン440は、
図18及び
図19に描かれている。金の厚さは、約100ナノメートルである。微小パターンは、一連の平行メッシュバー442の形態の、透明導電性区域を有する。基部プレートへの指接触の容量検出のための、電子デバイスへの接続のための、正方形パッド460(面積がおよそ2ミリメートル×2ミリメートルであり、およそ100ナノメートルの厚さの薄膜金の形態の連続的な導電体を含む)で終端するメッシュバーに加え、電子デバイスから電気的に絶縁されたメッシュバー441が存在する。絶縁されたメッシュバー441は、センサ全体にわたる光学的均一性を維持するように機能する。各バーは、細い金属のトレース443で作製されるメッシュを含み、トレース443は幅がおよそ5マイクロメートルのサイズである。メッシュバーはそれぞれ、幅がおよそ2ミリメートル、長さが66ミリメートルのサイズである。各メッシュバー内には、幅がおよそ0.667ミリメートル、長さが12ミリメートルの矩形セルがある。このメッシュ設計は、各メッシュバーの長軸トレースの間の結合を提供し、長軸トレースに何らかの開回路異常がある場合に、メッシュバーに沿った電気的導通を維持するように機能する。しかしながら、このような結合を有する0.667ミリメートルピッチの正方形メッシュの使用とは対照的に、
図18及び
図19の矩形メッシュは、メッシュバーに沿った面抵抗を光学的透過性と、より最適にトレードオフする。より具体的には、
図18及び
図19に描かれているメッシュバー、並びに0.667ミリメートルピッチを有する正方形メッシュを含む2ミリメートル幅のメッシュバーは、双方とも、メッシュバーの長軸に沿って本質的に同じ面抵抗(およそ50Ω/スクエア)を有するが、正方形グリッドは、透明導電性区域の面積の1.5%を塞ぎ、
図18及び
図19に描かれているメッシュは、透明導電性区域の面積の0.8%のみを塞ぐ。
【0101】
(実施例4)
タッチスクリーンセンサのための透明センサ要素が記載される。
図17に描かれているように、センサ要素は、パターン化された2つの導電層、光学的に透明な2つの接着剤層、及び基部プレートを含む。基部プレートは、
図17に描かれるように互いに積層される、面積が6センチメートル×6センチメートル、かつ厚さが1ミリメートルである、ガラスのシートである。好適な、光学的に透明な接着剤は、3M Companyからの、Optically Clear Laminating Adhesive 8141である。X層及びY層のそれぞれに関し、金属の微小パターンを有する透明なポリマーフィルムが使用される。以下の記載による薄膜金の微小パターンが、PETの薄いシート上に堆積される。好適なPET基材としては、サイズが厚さおよそ125マイクロメートルの、DuPontからのST504 PETが挙げられる。
【0102】
微小パターン540が、
図20及び
図21に描かれている。金の厚さは、100ナノメートルである。微小パターン540は、一連の平行メッシュバー542の形態の、透明導電性区域を有する。基部プレートへの指接触の容量検出のための、電子デバイスへの接続のための、正方形パッド560で終端するメッシュバー542に加え、電子デバイスから電気的に絶縁された直線分541が存在する。直線分541は、メッシュバー542の間の区域に存在し、
図13に描かれているように、およそ25マイクロメートルの断絶部550を除いてはメッシュバーと本質的に同じ形状を有する。絶縁された線分541は、センサ全体にわたる光学的均一性を維持するように機能する。各バー542は、細い金属のトレースで作製されるメッシュを含み、トレースは幅がおよそ5マイクロメートルのサイズである。メッシュバー542はそれぞれ、幅がおよそ2ミリメートル、長さが66ミリメートルのサイズである。各メッシュバー542内には、幅がおよそ0.667ミリメートル、長さが12ミリメートルの矩形セルがある。
図12及び
図13に描かれているメッシュ542は、透明導電性区域内のその面積の0.8%を塞ぐ。
図12及び
図13に描かれている、絶縁された線分541も、これらがメッシュバー542の間に占める区域内の面積の0.8%を塞ぐ。
【0103】
(実施例5)
タッチスクリーンセンサのための透明センサ要素が記載される。
図17に描かれているように、センサ要素は、パターン化された2つの導電層、光学的に透明な2つの接着剤層、及び基部プレートを含む。基部プレートは、
図17に描かれるように互いに積層される、面積が6センチメートル×6センチメートル、かつ厚さが1ミリメートルである、ガラスのシートである。好適な、光学的に透明な接着剤は、3M Companyからの、Optically Clear Laminating Adhesive 8141である。X層及びY層のそれぞれに関し、金属の微小パターンを有する透明なポリマーフィルムが使用される。以下の記載による薄膜金の微小パターンが、PETの薄いシート上に堆積される。好適なPET基材としては、サイズが厚さおよそ125マイクロメートルの、DuPontからのST504 PETが挙げられる。
【0104】
微小パターン640が、
図22及び
図23に描かれている。金の厚さは、約100ナノメートルである。微小パターン640は、一連の平行メッシュバー642の形態の、透明導電性区域を有する。基部プレートへの指接触の容量検出のための、電子デバイスへの接続のための、正方形パッド660で終端するメッシュバー642に加え、電子デバイスから電気的に絶縁された直線分641が存在する。直線分641は、メッシュバーの間の区域に位置し、メッシュバーの線分と同様の形状を有する。電気的に絶縁された線分641は、センサ全体にわたる光学的均一性を維持するように機能する。各バー641、642は、細い金属のトレースを含み、トレースは幅がおよそ3マイクロメートルである。メッシュバー642はそれぞれ、幅がおよそ2ミリメートル、長さが66ミリメートルである。各メッシュ内において、バー642はランダムな形状のセルを含む。
図22及び
図23に描かれているメッシュ642は、透明導電性区域内のその面積の5%未満を塞ぐ。
図22及び
図23に描かれている、絶縁された線分641も、これらがメッシュバーの間に占める区域内の面積の5%未満を塞ぐ。
【0105】
金属化ポリマーフィルム基材の調製(実施例6〜40)
ポリマーフィルム基材はポリエチレンテレフタレート(PET)(ST504,E.I.DuPont de Nemours and Company,Wilmington,Delaware)を用意した。ST504 PETフィルムの光学的特性が、Haze−Gardによって決定された。ヘイズ及び透過率は、それぞれ、およそ0.67%及び92.9%であった。
【0106】
いくつかの基材フィルムは金でコーティングされ、いくつかは銀でコーティングされた。金コーティングされた基材が、熱蒸着によって調製された(DV−502A、Denton Vacuum,Moorestown,New Jersey)。金コーティングされた基材に関し、基材表面が最初に20オングストロームのクロムでコーティングされ、次に100ナノメートルの金でコーティングされた。銀コーティングされた基材の場合、2つの異なる方法が使用された。銀コーティングされたいくつかの基材は、共に熱蒸着で調製され(DV−502A、Denton Vacuum,Moorestown,New Jersey)、いくつかは、スパッタリング(3M)によって調製された。基材表面は、全ての場合において、100ナノメートルの銀でコーティングされた。
【0107】
スタンプ製作
エラストマースタンプを成形するための、2つの異なるマスターツールが、フォトリソグラフィーを使用して、10センチメートル直径シリコンウェハ上にフォトレジスト(Shipley 1818、Haas Company,Philadelphia,Pennsylvania)のパターンを調製することによって、製造された。異なるマスターツールは、本明細書において「六角形(Hex)」及び「正方形」と称される、2つの異なるメッシュ形状に基づいていた。六角形とは、正六角形の形状を有する囲まれた領域を画定する線のネットワークを含むパターンを指す。正方形とは、正方形の形状を有する囲まれた領域を画定する線のネットワークを含むパターンを指す。未硬化ポリジメチルシロキサン(PDMS,SylgardTM 184,Dow Corning,Midland,Michigan)をツールの上におよそ3.0ミリメートルの厚さに注入することによって、エラストマースタンプをマスターツールに対して成形した。マスターと接触している未硬化シリコーンを、真空に暴露し、次に70℃で2時間硬化させることによって脱気した。マスターツールから剥いだ後、PDMSスタンプには、およそ1.8マイクロメートルの高さで隆起した形状を含むレリーフパターンが付与された。六角形メッシュ及び正方形メッシュの両方に関して、隆起した形状は、上記の対応するメッシュ形状を画定する線であった。
【0108】
インク付け
スタンプは、その裏側(レリーフパターンのない平坦な表面)を、エタノール中のオクタデシルチオール(「ODT」O0005、TCI AMERICA,Wellesley Hills,MassachusettsのTCI AMERICA)の溶液に20時間接触させることによってインクを付された。10mMのODT溶液が正方形メッシュパターンのスタンプに使用され、5mMのODT溶液が、六角形メッシュパターンのスタンプに使用された。
【0109】
スタンピング
金属化ポリマーフィルム基材が、上記のインクを付されたスタンプでスタンピングされた。スタンピングでは、最初にフィルムサンプルの縁部をスタンプ表面に接触させ、次に直径およそ3.0センチメートルのフォームローラーを使用して、フィルムをローラーでスタンプ全体に接触させることにより、金属化されたフィルムを、上を向いたスタンプのレリーフパターン化された表面に接触させた。ローリング工程は、実行に1秒未満を必要とした。ローリング工程の後に、基材をスタンプと10秒間接触させた。次に、基材がスタンプから剥がされ、工程は1秒未満を必要とした。
【0110】
エッチング
スタンピングの後、印刷されたパターンを有する金属化フィルム基材が、選択的エッチング及び金属パターン化のために、エッチング溶液に浸漬された。金薄膜を有する印刷金属化フィルム基材の場合、エッチャントはチオ尿素(T8656、Sigma−Aldrich,St.Louis,Missouri)1g、濃塩酸(HX0603−75、EMD Chemicals,Gibbstown,New Jersey)0.54ミリリットル、過酸化水素(30%、5240−05、Mallinckrodt Baker,Phillipsburg,New Jersey)0.5ミリリットル、及び脱イオン水21グラムを含んでいた。金薄膜をパターン化するために、印刷金属化フィルム基材をエッチング溶液中に50秒間含浸した。銀薄膜を有する印刷金属化フィルム基材の場合、エッチャントは、チオ尿素(T8656、Sigma−Aldrich,St.Louis,Missouri)0.45グラム、硝酸第二鉄(216828、Sigma−Aldrich,St.Louis,Missouri)1.64グラム、及び脱イオン水200ミリリットルを含んでいた。銀薄膜をパターン化するために、印刷金属化フィルム基材をエッチング溶液中に3分間含浸した。金をパターンエッチングした後、2.5グラムの過マンガン酸カリウム(PX1551−1、EMD Chemicals,Gibbstown,New Jersey)、4グラムの水酸化カリウム(484016、Sigma−Aldrich,St.Louis,Missouri)及び100ミリリットルの脱イオン水の溶液を使用して、残りのクロムがエッチングされた。
【0111】
特徴付け
選択的エッチング及び金属パターン化の後、金属パターンは、光学顕微鏡(Nikon,Melville,New YorkのDS−Fi1デジタルカメラ及びNIS−Elements Dソフトウェアを装備したModel ECLIPSE LV100D)、走査型電子顕微鏡(JEOL Ltd,Tokyo,JapanのSEM、Model JSM−6400)、及びHaze−Gard(Haze−Gard plus,BYK Gardner,Columbia,Maryland)を使用して特徴付けされた。金属パターンの線構造の幅を決定するために顕微鏡技術が使用された。メッシュグリッドコーティングフィルムの透過率及びヘイズを決定するために、Haze−Gardが使用された。Haze−Gard測定は、光学的に透明な接着剤(3M製品)を用いて、パターン化されたフィルムをガラス上に積層した後に行った。金属パターンの線構造の可視性の度合いを表すために、高、中、低の可視度が指定された(人の裸眼による観察)。
【0112】
(実施例6)
薄膜金の六角形メッシュグリッドパターンが、上記の手順に従って作製及び特徴付けされた。インク溶液は、5mMの濃度でエタノールに溶解したオクタデシルチオールを含んでいた。インク溶液を、スタンプの裏側に20時間接触させた。スタンピング時間は10秒間であった。
図1は、完成した薄膜金微小パターンから記録されたSEM顕微鏡写真を示す。実際の線幅はおよそ1.63マイクロメートルであった。開口面積の割合が、測定された線幅、及び設計された縁部間の幅400マイクロメートルに基づいて再計算され、これは99.2%であった。金六角形メッシュグリッドコーティングフィルムの光学的特性は、Haze−Gardによって決定された。ヘイズ及び透過率は、それぞれ、およそ1.14%及び91.6%であった。線幅1.63マイクロメートル、及び縁部間の幅400マイクロメートルを有する金六角形メッシュパターンは容易に見ることができるため、この実施例には、高い可視性が指定された。
【0113】
(実施例7〜15)
薄膜金の六角形メッシュグリッドパターンが、実施例1に記載される手順に従って、作製及び特徴付けされた。各実施例の実際の線幅は、SEMを使用して測定され、表1に記載された。次に、開口面積の割合が、実際の線幅、及び設計された縁部間の幅に基づいて再計算され、表1に記載された。表1はまた、Haze−Gardによって測定された、各実施例のヘイズ値及び透過率値、並びに各実施例に指定された可視度を示す。
【0114】
(実施例16)
薄膜金の正方形メッシュグリッドパターンが、上記の手順に従って作製及び特徴付けされた。インク溶液は、10mMの濃度でエタノール中に溶解したオクタデシルチオールを含んでいた。インク溶液を、スタンプの裏側に20時間接触させた。スタンピング時間は10秒間であった。光学顕微鏡を使用すると、実際の線幅はおよそ4.73マイクロメートルであった。開口面積の割合は、測定された線幅及び設計されたピッチ320マイクロメートルに基づいて再計算され、これは97.0%であった。金の正方形メッシュグリッドコーティングフィルムの光学的特性は、Haze−Gardによって決定された。ヘイズ及び透過率は、それぞれ、およそ1.58%及び88.6%であった。線幅4.73マイクロメートル、及びピッチ320マイクロメートルを有する金正方形メッシュパターンは容易に見ることができるため、この実施例には、高い可視性が指定された。
【0115】
(実施例17〜23)
薄膜金の正方形メッシュグリッドパターンが、実施例11に記載される手順に従って、作製及び特徴付けされた。各実施例の実際の線幅は、光学顕微鏡を使用して測定され、表1に記載された。次に、開口面積の割合が、実際の線幅、及び設計されたピッチに基づいて再計算され、表1に記載された。表1はまた、Haze−Gardによって測定された、各実施例のヘイズ値及び透過率値、並びに各実施例に指定された可視度を示す。
【0116】
(実施例24)
薄膜銀の六角形メッシュグリッドパターンが、上記の手順に従って作製及び特徴付けされた。銀コーティングされた基材は、スパッタリングによって調製された。インク溶液は、5mMの濃度でエタノールに溶解したオクタデシルチオールを含んでいた。インク溶液を、スタンプの裏側に20時間接触させた。スタンピング時間は10秒間であった。
図2は、完成した薄膜銀微小パターンから記録されたSEM顕微鏡写真を示す。実際の線幅はおよそ2.43マイクロメートルであった。開口面積の割合が、測定された線幅、及び設計された縁部間の幅600マイクロメートルに基づいて再計算され、これは99.2%であった。金六角形メッシュグリッドコーティングフィルムの光学的特性は、Haze−Gardによって決定された。ヘイズ及び透過率は、それぞれ、およそ1.19%及び91.8%であった。線幅2.43マイクロメートル、及び縁部間の幅600マイクロメートルを有する銀六角形メッシュパターンは容易に見ることができるため、この実施例には、高い可視性が指定された。
【0117】
(実施例25〜32)
薄膜銀の六角形メッシュグリッドパターンが、実施例19に記載される手順に従って、作製及び特徴付けされた。各実施例の実際の線幅は、SEMを使用して測定され、表1に記載された。次に、開口面積の割合が、実際の線幅、及び設計された縁部間の幅に基づいて再計算され、表1に記載された。表1はまた、Haze−Gardによって測定された、各実施例のヘイズ値及び透過率値、並びに各実施例に指定された可視度を示す。
【0118】
(実施例33)
薄膜銀の正方形メッシュグリッドパターンが、上記の手順に従って作製及び特徴付けされた。銀コーティングされた基材が、熱蒸着によって調製された。インク溶液は、10mMの濃度でエタノール中に溶解したオクタデシルチオールを含んでいた。インク溶液を、スタンプの裏側に20時間接触させた。スタンピング時間は10秒間であった。光学顕微鏡を使用し、実際の線幅はおよそ5.9マイクロメートルであった。開口面積の割合が、測定された線幅、及び設計されたピッチ320マイクロメートルに基づいて再計算され、これは96.3%であった。銀正方形メッシュグリッドコーティングフィルムの光学的特性は、Haze−Gardによって決定された。ヘイズ及び透過率は、それぞれ、およそ1.77%及び88.9%であった。線幅5.9マイクロメートル、及びピッチ320マイクロメートルを有する銀正方形メッシュパターンは容易に見ることができるため、この実施例には、高い可視性が指定された。
【0119】
(実施例34〜40)
薄膜銀の正方形メッシュグリッドパターンが、実施例28に記載される手順に従って、作製及び特徴付けされた。各実施例の実際の線幅は、光学顕微鏡を使用して測定され、表1に記載された。次に、開口面積の割合が、実際の線幅、及び設計されたピッチに基づいて再計算され、表1に記載された。表1はまた、Haze−Gardによって測定された、各実施例のヘイズ値及び透過率値、並びに各実施例に指定された可視度を示す。
【0120】
【表1】
【0121】
(実施例41)
米国特許第8,425,792号に記載されているようなマイクロコンタクト印刷及びエッチングを使用して、
図27、
図28及び
図29に概ね示されているように、透明センサ要素を製作して、タッチセンサ駆動デバイスと組み合わせた。次いでデバイスを、ディスプレイに接続されたコンピュータ処理ユニットに統合してデバイスを試験した。デバイスは、単一及び/又は複数の同時の指の接触の位置を検出することができ、これはディスプレイ上で画像により証明された。この例は、タッチセンサに使用される微小導電体パターンを形成するために、マイクロコンタクト印刷及びエッチング技術(米国特許第8,425,792号もまた参照)を使用した。
【0122】
透明センサ要素の形成
第1のパターン化基材
厚さ125マイクロメートル(μm)を有するポリエチレンテレフタレート(PET)から作製される第1の可視光線基材が、熱蒸着コーターを使用して、100nm銀薄膜で蒸気コーティングされて、第1の銀金属化フィルムを生成した。PETは、E.I.du Pont de Nemours,Wilmington,DEから、製品番号ST504として市販されていた。銀は、Cerac Inc.、Milwaukee、WIから純度99.99%の3mmペレットとして市販されているものであった。
【0123】
3mmの厚さを有する、PDMSと呼ばれ製品番号Sylgard 184(Dow Chemical Co.、Midland、MI)として市販されている第1のポリ(ジメチルシロキサン)スタンプを、標準的フォトリソグラフィー技術を使用して事前にパターン化された直径10cmのシリコンウエファー(産業において「マスター」と呼ばれる場合がある)に対して成形した。PDMSを、シリコンウエファー上で65℃で2時間硬化させた。その後、PDMSをウェハから剥離し、隆起した形状のパターンを有する2つの異なる低い密度の区域、第1の連続六角形メッシュパターン及び第2の不連続六角形メッシュパターンを有する第1のスタンプを得た。すなわち、隆起した形状は、辺を共有する六角形の辺を画定する。不連続六角形は、線分において選択的な断絶部を含有する六角形である。選択的な破断点は、10μm未満の長さを有していた。破断点は、約5μmであるように設計及び推定された。それらの視認性を低減するためには、好ましくは破断点が10μm未満、より好ましくは5μm以下、例えば1μm〜5μmの間となるべきであることが判明した。それぞれの隆起した六角形外形パターンは、2μmの高さ、1%〜3%の面積被覆(これは、97%〜99%の開口面積に対応する)、及び2〜3μmの幅の線分を有していた。第1のスタンプはまた、幅500μmのトレースを画定する隆起表面形状を含んでいた。第1のスタンプは、六角形メッシュパターン区域及びトレースを有する第1の構造化された面と、反対側の第2の実質的に平坦面とを有する。
【0124】
直径2mmのガラスビーズを含有するペトリ皿内に、構造化された面を上にしてスタンプを設置した。したがって、第2の実質的に平坦な面はガラスビーズと直接接触した。ビーズは、皿の底からスタンプを持ち上げるように機能したが、これにより以下のインク溶液がスタンプの平坦面の本質的に全体に接触することができた。エタノール中10ミリモルの1−オクタデカンチオール(製品番号C18H3CS、97%、TCI America、Portland ORから市販されている)のインク溶液を、スタンプの下のペトリ皿にピペットで滴下した。インク溶液は、スタンプの第2の実質的に平坦な面と直接接触した。十分なインク付け時間(例えば3時間)の後、インクがスタンプ中に拡散したところで、第1のスタンプをペトリ皿から取り出した。構造化された面を上にして、インク付きスタンプを作業面上に設置した。手持ち式ローラーを使用して、第1の銀金属化フィルムを、このようにインク付けされたスタンプの構造化された表面上に、銀フィルムが構造化された表面と直接接触するように押し付けた。金属化フィルムは、15秒間インク付きスタンプ上に保持した。次いで、第1の金属化フィルムをインク付きスタンプから取り外した。取り外したフィルムを、脱イオン水中に(i)チオ尿素(製品番号T8656、Sigma−Aldrich、St.Louis、MO)0.030モル及び(ii)硝酸第二鉄(製品番号216828、Sigma−Aldrich)0.020モルを含有する銀エッチャント溶液中に3分間入れた。エッチング工程後、得られた第1の基材を脱イオン水で洗浄し、窒素ガスで乾燥させ、第1のパターン化表面を得た。インク付きスタンプが第1の金属化基材の銀と接触したところでは、エッチング後も銀が残留した。このように、インク付きスタンプと銀フィルムとの間で接触がなかった場所から銀が除去された。
【0125】
図27、
図27a、及び
図27bは、基材の第1面(これはエッチングされパターン化された銀の金属化フィルムを含む面である)上で、複数の第1の非連続的な区域704の間に交互に並ぶ複数の第1の連続的な区域702を有する、第1のパターン化された基材700を示す。基材は、実質的に裸のPETフィルムである反対側の第2の面を有する。第1区域702にはそれぞれ、対応する幅500umの導電トレース706が一端に配置されている。
図27aは、六角形メッシュ構造を形成する複数の連続的な線を有する第1区域702の分解図を示す。
図27bは、非連続的な六角形メッシュ構造を形成する複数の非連続的な線(各六角形における選択的な断絶部として示される)を有する第1の非連続的な区域704の分解図を示す。区域702及び704のそれぞれのメッシュ構造は、97%〜99%の開口面積を有していた。各線分の寸法は、2μm〜3μmであった。
【0126】
第2のパターン化基材
第2の銀金属化フィルムを生成するために、第2の可視光線基材を使用して、第1のパターン化基材として第2のパターン化基材を作製した。第2の不連続六角形メッシュパターンとの間に介在する第2の連続六角形メッシュパターンを有する第2のスタンプを生成した。
【0127】
図28、
図28a、及び
図28bは、第2基材の第1面上で、複数の第2の非連続的な区域724の間に交互に並ぶ、複数の第2の連続的な区域722を有する第2のパターン化された基材720を示す。第2の区域722のそれぞれは、一方の端部に配置された対応する500μmの幅の第2の導電トレースを有している。
図28aは、六角形メッシュ構造を形成する複数の連続的な線を有する1つの第2区域722の分解図を示す。
図28bは、非連続的な六角形メッシュ構造を形成する複数の非連続的な線(各六角形における選択的な断絶部として示される)を有する1つの第2の非連続的な区域724の分解図を示す。選択的な破断点は、10μm未満の長さを有していた。破断点は、約5μmであるように設計及び推定された。それらの視認性を低減するためには、好ましくは破断点が10μm未満、より好ましくは5μm以下、例えば1μm〜5μmの間となるべきであることが判明した。区域722及び724のそれぞれのメッシュ構造は、97%〜99%の開口面積を有していた。各線分の寸法は、2μm〜3μmであった。
【0128】
投影型静電容量タッチスクリーンセンサ要素の形成
上記のように作製された第1及び第2のパターン化基材を使用して、以下のように、2層投影型静電容量タッチスクリーン透明センサ要素を生成した。
【0129】
3M Company,St.Paul,MN製Optically Clear Laminating Adhesive 8141を使用して、第1及び第2のパターン化基材を互いに接着して、多層構成体を得た。手持ち式ローラーを使用して、接着剤を含まない第1及び第2の導電トレース区域706及び726の区域を有する2つのパターン化基材を積層した。Optically Clear Laminating Adhesive 8141を使用して、第1の基材の第1の面がフロートガラスに近接するように多層構造を厚さ0.7mmのフロートガラスにラミネートした。接着剤を含まない第1及び第2の導電トレース区域706及び726により、第1及び第2のパターン化基材700及び720への電気的接続をなすことができた。
【0130】
透明センサ要素の相互静電容量測定を行うために使用した集積回路は、PIC18F87J10(Microchip Technology,Chandler,Arizona)、AD7142(Analog Devices,Norwood,Massachusetts)、及びMM74HC154WM(Fairchild Semiconductor,South Portland,Maine)であった。PIC18F87J10は、システムのマイクロコントローラであった。これは、MM74HC154WMが駆動するセンサバーの選択を制御した。また、これは適切な測定を行うようにAD7142を構成した。システムの使用には、当該技術分野において既知のように、較正値の数の設定が含まれた。これらの較正値は、タッチスクリーンごとに変動し得る。システムは、16の異なるバーを駆動することができ、AD7142は12の異なるバーを測定することができる。AD7142の構成には、変換するチャネルの数、静電容量のオフセットを適用すべき場合の測定を行う正確性又は迅速性の度合い、及びアナログ・デジタル変換器の接続を選択することが含まれた。AD7142からの測定値は、透明センサ要素のマトリックス内の導電性バー間の交差点の静電容量を表す16ビット値であった。
【0131】
AD7142は、その測定を完了した後、割り込みを介して、データを収集するよう指示するためにマイクロコントローラに信号を送った。次いで、マイクロコントローラは、SPIポートを介してデータを収集した。データが受信された後、マイクロコントローラはMM74HC154WMを次の駆動線にインクリメントし、AD7142における割り込みを解除し、次のデータセットを取得するように信号を送った。上記からのサンプリングが常に行われている間、マイクロコントローラはまた、シリアルインターフェースを介してモニタを有するコンピュータにデータを送っていた。このシリアルインターフェースは、当業者には既知のように、単純なコンピュータプログラムがAD7142からの未加工データをレンダリングしてタッチあり及びなしの間で値がどのように変化するかを見ることができるようにした。コンピュータプログラムは、16ビット値の値に依存して、ディスプレイ全体に異なる色をレンダリングした。較正に基づき、16ビット値がある特定の値を下回った場合、ディスプレイ区域は白にレンダリングされた。較正に基づき、その閾値を超えると、ディスプレイ区域は緑にレンダリングされた。データは、4バイトヘッダ(0×AAAAAAAA)、1バイトチャネル(0×00−0×0F)、24バイトのデータ(容量測定値を表す)、及びキャリッジ・リターン(0×0D)の形式で非同期的に送信された。
【0132】
システムの試験結果
透明センサ要素をタッチセンサ駆動デバイスに接続した。ガラス表面に指が接触すると、コンピュータモニタは、接触感知区域内で生じている接触の位置を、モニタの対応する場所の色の変化(白から緑)の形式でレンダリングした。ガラス表面に指が2つ同時に接触すると、コンピュータモニタは、接触感知区域内で生じている接触の位置を、モニタの対応する場所の色の変化(白から緑)の形式でレンダリングした。ガラス表面に指が3つ同時に接触すると、コンピュータモニタは、接触感知区域内で生じている接触の位置を、モニタの対応する場所の色の変化(白から緑)の形式でレンダリングした。
【0133】
(実施例42)
微小複製された電極の一実施形態は、約2mm〜約5mmの中心間の間隔で分離された、幅約0.5〜約5マイクロメートル(
図5のY寸法)の平行な導電体を含む。隣接する導電体の群は、例えば、
図8及び
図9に関して記載されるプロセスを使用して、1mm〜10mmの合計幅を有する電極を形成するように、電気的に相互接続されてもよい。
【0134】
本明細書に記載された方法及び参照された方法を使用して、長方形の微小複製された溝を10μmの幅(
図5におけるX次元)で、20μmの深さ(
図5におけるZ次元)で、PETの透明基材から4mm離して形成することによって、トレースを作成した。溝の平行な配列は100mmの幅であった。溝は、PETウェブ方向に印刷されたため、これらの長さはウェブの長さであった(20メートル超)。
【0135】
溝は、Conductive Inkjet Technologies(CIT)によって製造された種インクで充填された。インクの薄い層は、溝全体で平滑化され、次に過剰分がシルクスクリーニングと似たプロセスにおいてドクターブレードで除去された。次に、種インクが紫外線を使用して硬化された。溝がインクで充填された基材が、次に銅で無電解めっきされた。結果として生じた微小導電体は、それぞれおよそ9.6μmの幅であった。インク充填、紫外線硬化、及び無電解めっきプロセスは、CITによって行った。記載されているプロセスを使用して、幅が10μm未満、深さが20μm、間隔が2mmの溝を有する微小導電体も作成した。
【0136】
微小ワイヤ導電体を利用する電極設計
次に
図29〜36を参照して、様々な微小ワイヤ電極の多数の実施形態について記載する。上述の微小ワイヤ印刷技術によって、個々の電極パターンに対して多大な設計の柔軟性が利用可能になる。かかる設計の柔軟性は性能特性を向上させることができる。例えば、米国特許出願公開第2010−0026664号、「Touch Sensitive Devices with Composite Electrodes」に更に記載されているように、透過性と呼ばれる機能、即ち、電界が電極を通過して、指などの指示物体と容量結合することを可能にする傾向を改良するために、電極設計を調整することが可能である。いくつかの配置では、透過性である上部電極が、指示物体(即ち、指)と、上部及び下部電極が互いに交差する場所に位置付けられた下部電極との間での容量結合をより良好に可能にしてもよい。このことにより、電極のより良好な信号対雑音性能が可能になってもよい。しかしながら、電極の穴又は空隙により、電極がユーザーにとってより視覚的に目立つものになることがあり、これは一般的には望ましくない。以下に示す実施形態は、概ね、基準メッシュ上で構造化され、連続的及び非連続的な微小ワイヤ導電体の領域を含み、それにより、電気的性能の改善と、電極のパターン化をより目立たなくする一貫した視覚的特性の両方をもたらしてもよい。
【0137】
図29は、本発明の第1の実施形態によるセンサ電極の一部を例示する。
図29のセンサ電極パターンは、例えば、
図28に例示される電極の代わりに用いることができる。
図29のセンサ電極は、第1の固有平均セル間隔(810a)を有する不連続的な微小ワイヤの第1の基準メッシュを含む第1のパターンと、第1のパターンのネットワークから適合された第2のパターンとを含む、セル810の2つの完全に一致した微小パターンから構築され、第2のパターンは第1のパターンと完全に一致し、単一の電極817を形成する連続的な微小ワイヤ構造(810b)のネットワークを備える。電極は、第1のパターン又は第2のパターンと同じ若しくは類似であってもよい第3のパターンに従う、不連続的な微小ワイヤの内部区域815を含む。(この
図29では、第1及び第2及び第3のパターンは、第1の格子メッシュに倣ってモデル化した同じパターン(45°軸外の繰返しの正方形)であるが、他の実施形態では、第1、第2、及び第3のパターンは同じであってもよく、又は異なってもよい)。内部区域815は、第1の固有平均セル間隔よりも実質的に大きい寸法を有する。
【0138】
第1、第2、及び第3のパターンの選択は、感知デバイスの有効面積全体を通して均一な光学特性を確立するように設計される。一実施形態では、第1、第2、及び第3のパターンは全て、
図29に見られるように、同じパターン、即ち第1の格子メッシュに基づく。平均セル間隔は、メッシュを形成するパターン化された微小ワイヤの幅と共に、下にあるメッシュの平均開口面積と、光透過率及び反射率などの全体的なセンサ特性に主に影響を及ぼす光学密度とを決定する。下にあるメッシュの特定の局所区域が導電性(第2のパターン)であるか非導電性(第1および第3のパターン)であるかは、微小ワイヤの長さに沿って、小さい(かつほぼ不可視の)断絶部をパターン化することによって決定される。第1のパターン、即ち
図29の下にある格子メッシュは、印刷したページに対して軸を45°に配向した、単純な正方形の配列から構築される。代替の設計は、三角形、角錐形、台形、平行四辺形、六角形、または他の繰返し形状を使用する、非限定的な格子メッシュパターンを含む、
図29に見られる格子メッシュパターンを含んでもよいことが理解されるであろう。いくつかの実施形態では、配列を作成するセルは直線の辺を有する多角形であってもよく、他の実施形態では、配列したセルの境界は、曲線、凸形、又は凹形であってもよい。配列を構成する複数のセルは必ずしも等しい面積でなくてもよいが、光学密度のために、局所的な平均セル間隔は好ましくは感知デバイス全体を通して均一に保たれる。代替実施形態では、配列のうち任意のものの主軸は、いずれかの任意角に沿って配設されてもよい。いくつかの実施形態では、第1のパターン格子メッシュは、必ずしもセルの規則的な繰返し配列を含まなくてもよいが、その代わりに、いかなる視認可能な主軸も有さない、金属微小ワイヤのランダムネットワークから構築されてもよい。金属ワイヤの擬似ランダムネットワークが依然として、均一な光学特性を確立することができる、局所的な平均セル間隔によって特徴付けられるのが好ましいことがある。金属微小ワイヤのランダムネットワークであっても、ワイヤの長さに沿って適切な数の小さな断絶部をパターン化することによって、局所的に導電性又は非導電性にすることができる。
【0139】
3つのパターンはそれぞれ、平均セル間隔によって特徴付けられる。固有セル間隔は10ミクロン〜1ミリメートルの間で変動し得るが、光透過率及びパターンの可視性の理由から、一実施形態におけるセル間隔は、好ましくは100〜350ミクロンの範囲である。微小ワイヤ導電体は、0.2ミクロン〜10ミクロンの幅でパターン化することができる。一実施形態では、微小ワイヤの幅は3ミクロン未満、好ましくは2ミクロン未満である。
【0140】
図29に例示される第2のパターンである、電極817を備える電気的に連続的なパターンは、一実施形態では、第1のパターンのメッシュに完全に一致する。第2のパターンの設計は、タッチセンサのための電極の電気的機能及び回路を確立する。
図29の第2のパターンは、センサ電極配列における複数の上部列電極の1つとして機能する、垂直に配向された連続的な導電性電極として設計される。
図29に示されるパターンは、上部電極配列の1つであるが、下部電極配列の1つでもあり得る。代替実施形態では、
図29の第2のパターンに類似した第2のパターンは、いずれかの任意角に沿って方向付けられる電極を形成することができる。
【0141】
図29の第2のパターンによって確立されるセンサ電極は、第3のパターンによる内部区域815を含む。内部区域は、不連続的な、即ち断絶された微小ワイヤのメッシュを備えるが、いくつかの実施形態では、第1のパターンに非常に類似するか、又はそれと同じである。内部区域は、一実施形態では、任意の方向にわたって350ミクロン超の寸法を含む。第3のパターンによって形成される内部区域内において、第1のパターンの下にあるメッシュは、空隙内のメッシュを非導電性にするため、微小ワイヤに沿って断絶部を含む。内部区域は、一実施形態では、第1のパターンと完全に一致するようにパターン化される。
【0142】
図29の第2のパターンに示される内部区域815は、センサ電極817の長さに沿って配置することができる更に多数の内部区域のうち2つのみを表している。例えば、これらの内部区域の1つ以上は、下部電極と関連付けられる交差点の上で中央に位置してもよく、内部区域は、下部電極の間隔と同じピッチを有する。
図29の列電極内に非導電性の内部区域又は穴が存在することによって、指又は任意の接地した物体が行電極及び列電極のうち1つの交点付近に置かれたときにセンサによって検出される、容量差信号が増加する。内部区域が存在することによって、下にある行電極から発する電界に対する列電極の透過率が増加する。一実施形態では、列電極の第2のパターンの内部区域は、第1又は第2のパターンの少なくとも2つのメッシュセルに等しい距離に及ぶ。更なる実施形態では、第3のパターンによって画定される電極における内部区域は、任意のパターン方向における第1のパターン又は第2のパターンの平均セル間隔(若しくはメッシュサイズ)の少なくとも2倍の大きさであるべきである。一般に、横幅350ミクロンの大きさの列電極内に任意のパターン化された微小パターンを有さない内部区域(即ち、裸の穴)は、人間の眼にとって十分に目立つ大きさであろう。しかしながら、
図29では、内部区域は、第1又は第2のパターン(
図29に示される実施形態において言及したように、同じである)のメッシュの連続で充填されて、内部区域を人間の眼には実質上見えなくなるようにする、均一な光学密度が達成される。換言すれば、第1のパターンは基準メッシュを確立するものと考えてもよく、第2及び第3のパターンはこの基準メッシュと完全に一致する。この方式では、横幅1〜5mmの大きさの電極内の内部区域を、パターンの可視性というリスクが低減されたセンサ電極の形に設計することができる。
【0143】
図29の第2のパターンによって確立されるセンサ電極の幅「A」は、いくつかの実施形態では、200ミクロン〜10ミリメートルの範囲であり得る。
【0144】
図30aは、第2の実施形態によるセンサ電極の一部を例示する。
図30aのセンサ電極パターンは、
図28に例示される垂直電極の代わりに用いることができる。
図30aのセンサ電極は、第1の固有平均セル間隔を有する第1のメッシュを含む第1のパターンと、第1のパターンのネットワークから適合された、導電性電極817Bを備える第2のパターンと、電極817B内に内部区域815Bを備える第3のパターンとを含む、完全に一致した微小パターンから構築され、内部区域は、第1の固有平均セル間隔よりも大幅に大きい内部寸法を有する。
図30aに示される第1の微小パターンは、
図29で用いられた下にあるメッシュパターンと同じである。正六角形メッシュパターン、又は金属微小ワイヤのランダムネットワークを含む、
図29に関して記載される代替のメッシュパターンのいずれかを有用に置き換えることができる。
【0145】
上部センサ電極の機能的な形状を確立する
図30aの第2のパターンは、下にあるメッシュセルの連続的なチェーンを導電性にして、第1のパターンによる単一の平均セルと局所的にのみ同じ幅である電極を作製することによって構築される。しかしながら、
図30aの完全なセンサ電極は、下にある第1のパターンのセルから全て構築される、導電チェーンの撚り合わせたラダー又はトレリスからなる。ラダーの横木の間、又は第2のパターンのトレリスのつる(vines)の間で、第1のパターンの下にあるメッシュは、微小ワイヤの小さな断絶部を用いて非導電性にされて、内部区域815Bが形成される。
図30aに示される実施形態では、内部区域を備える第3のパターンは、第1及び第2のパターンと同じである。他の実施形態では、それらは異なってもよい。
図30aの特定の実施例では、第2のパターンの導電性セルは、より大きい菱形の接続された配列又は上部構造としてレイアウトされ、パターンは、図面の垂直軸に沿って連続的に延びている。菱形の両側における導電チェーン間の距離は、下にあるメッシュ構造からちょうどセル7個分である。したがって、
図29に類似した方式で、
図30の電極パターンは、第2のパターンの導電トレースによる、一連の非導電性内部区域を含む。これらの大きい非導電性区域によって、
図30aに例示されるセンサ電極の透過性は増加し、空隙によって、接地した物体(指など)が行電極及び列電極の交点付近に置かれたときに、センサによって検出される容量差信号が増加する。
【0146】
図30aの第2のパターンによって確立される、その最も幅広の地点におけるセンサ電極の幅は、一実施形態では、200ミクロン〜10ミリメートルの範囲である。
【0147】
図30aでは、より大きい菱形の上部構造を構築するのに使用される導電トレースは、わずかに、下にあるメッシュ構造、即ち基準メッシュの単一のセル程度の幅である。代替実施形態では、導電トレースは、2つ、3つ、4つ、又はそれ以上のセルの幅であり得る。それに加えて、上部構造の導電トレースは、必ずしもそれらの長さに沿って均一な幅でなくてもよい。
図30aに類似した第2のパターンの導電チェーンは、下にあるメッシュの1つ、2つ、又は3つのセルを交互に組み込んだ幅の区画を含んでもよい。代替実施形態では、第1の微小パターンが金属微小ワイヤのランダムなネットワークから構築される場合、上部構造における導電区画の幅は、固有平均セル間隔よりも大きい任意の平均分数によって特徴付けられてもよい。例えば、導電トレースの有効幅は、平均セル間隔の1.1倍、又は1.6倍、又は平均セル間隔の2.3倍であってもよい。
【0148】
図30aでは、第2のパターンの上部構造の導電トレース内にメッシュ格子を形成する微小ワイヤは、断絶したトレースとして示されている。したがって、導電トレースは、第2のパターンにおける導電トレースの方向に直交する方向の導電性が導電トレースの長さに沿った導電性に比べて非常に低い、異方性の導電性アスペクト(conductive aspect)を有する。しかしながら、代替実施形態では、第2のパターンの導電性が最大限かつ異方性になるように、導電トレース内の全ての微小ワイヤを、破断部を有さずにパターン化することができる。
【0149】
次に
図30bを参照すると、
図30aに関して示したものと類似の電極構成が示されるが、この場合、電極817bから電気的に絶縁されたアイランド819を、電気的に不連続的な内部区域815b内に追加的に含んでいる。アイランド819は、この実施形態では、パターン1、パターン2、及びパターン3を形成する、下にあるメッシュパターンにしたがった、かつそれと完全に一致した、電気的に不連続的な微小ワイヤで形成される。
図30cは、可能な電極構成の更なる実施形態を示す。
【0150】
図31aは、電極の更なる実施形態を例示する。
図31aのセンサ電極は、第1の固有平均セル間隔を有する第1のメッシュを含む第1のパターンと、第1のパターンのネットワークから適合された、導電性電極81Cを備える第2のパターンと、電極817C内に内部区域815Cを備える第3のパターンとを含む、完全に一致した微小パターンから構築され、内部区域は、第1の固有平均セル間隔よりも大幅に大きい内部寸法を有する。
図31aに例示される第1の微小パターンは、
図29に関して示したのと同じ、下にあるメッシュパターンを利用する。正六角形メッシュパターン、又は金属微小ワイヤのランダムネットワークを含む、
図29に関して記載される代替のメッシュパターンのいずれかを有用に置き換えることができる。導電性電極の機能的形態を確立する
図31aの第2のパターンは、下にあるメッシュから電気的に連続的な、即ち断絶していない導電性セルを備える。電極817Cを形成する
図31aの第2のパターンの導電トレースは、トレリス型の構造としてレイアウトされている。トレリス構造のいくつかの部分では、導電トレースは、下にあるメッシュ構造、即ち基準メッシュからのセル2つ分の幅であり、トレリスの他の部分では、導電トレースはセル1つ分のみの幅である。導電トレース間に形成される内部区域は、水平方向でセル4つ分の幅、垂直方向でセル9つ分の高さである。下にある第1のパターンの光学密度はセンサ全体にわたる全ての位置において一定に保たれ、その結果、
図31aのトレリス(導電性上部構造)の特定の形状は、人間の眼にとって実質的に目立たなくなる。
【0151】
図31aの第2のパターンによって確立されるセンサ電極817Cの幅は、いくつかの実施形態では、200ミクロン〜10ミリメートルの範囲である。
【0152】
図31bは、
図31aに関して示した電極構成に対する変形例を示す。電極817ccは、電極817ccに電気的に接続され、そこから外側に延びている分岐要素818を含む。
図31aに関して示された実施形態では、分岐要素は内部区域内へと延びている。分岐要素は、第3のパターン(内部区域と関連付けられるパターン)と完全に一致する。分岐要素のパターンは、第1のパターンの基準メッシュとも完全に一致する。分岐要素は、連続的な微小ワイヤを含む。
【0153】
任意の2つの分岐要素間の距離は、下にあるメッシュの平均固有セル間隔と等しいかそれよりも大きい。電極817ccに関して示される分岐要素818は、内部区域815cの第3のパターンのメッシュ内における2つの固有セル間隔に等しい距離だけ分離される。代替実施形態では、分岐要素間の分離を、一般には下にある基準間隔の整数倍だけ、増加又は減少させることによって、分岐要素のより高い又は低い密度を内部区域内に提供することができる。この方式では、これらの内部区域と関連付けられる電界に対する透過性の品質は、特定の用途に適応するように調整することができる。
【0154】
電極817ccに使用される連続的な微小ワイヤ導電体は、固有平均幅を有し、分岐要素の幅は同じであり、即ち、分岐要素は、電極817ccの幹部部分を備える電気的に連続的な微小ワイヤ導電体の形状を有してもよい。
【0155】
図31cは、
図31a及び31bに関して示した電極構成に対する更に別の変形例を示す。電極817cccは、
図31a及び31bに関して示した内部区域を含まない。電極817cccは主電極幹部819を有し、幹部から外側に延びているのは、下にある基準メッシュと完全に一致する連続的な微小ワイヤでそれぞれ形成される分岐要素818である。分岐要素は、下にある基準メッシュパターンとやはり完全に一致する電気的に不連続的な、即ち断絶された微小ワイヤを備える、第1のパターンの周囲領域内へと外側に延びている。下にある基準メッシュの各セルは固有平均セル間隔を有し、分岐要素間の距離は少なくともセル1つ分である。図示される実施形態では、各分岐要素は、1つ以下の端子領域で電極幹部に結合する。電極817cccの主要幹部は第1の方向に沿って配設され、分岐要素は、第1の方向に対してほぼ横断する方向に沿って外側に延びている。
【0156】
分岐要素818の長さは、基準メッシュの固有平均セル間隔よりも長い。いくつかの実施形態では、分岐要素は固有平均セル間隔の5倍超の長さであることができ、他の実施形態では、分岐要素は固有平均セル間隔の10倍超の長さであることができる。
図31cの電極817cccに取り付けられる分岐要素818は、複数の異なる長さを有する。いくつかの実施形態では、長さは、導電性電極の好ましい外形又は形状にぴったり一致するように選択される。例えば、電極817cccの分岐要素は、総合すれば、中央の幹部を中心にした菱形形状にぴったり一致する。
【0157】
電極817cccの静電容量感度、及び位置の関数としてのその透過性は、分岐要素818の長さ及びそれらの間の間隔における設計の変形を用いて調整することができる。例えば、電極817cccの分岐要素は、下にある基準メッシュのセル1つ分の間隔で離間される。代替実施形態では、分岐要素は、セル2つ又は3つ分の間隔の距離で離間させることができる。
【0158】
図27及び28に例示されるように、タッチセンサは、一般に、互いに平行に配置される複数の電極を用いる。しかしながら、センサの容量性の接触反応は、平行な接触電極を横切り、その間を通る小さい物体に対して、常に均一ではない。
図31cに例示されるものと類似した分岐要素818を使用して、平行電極間の空間を充填し、センサ反応を円滑にすることができる。平行な接触電極から外側に延びており、それらの間に配置される微小ワイヤ分岐要素を用いることによって、背景の静電容量全体に対する付加をほとんど伴うことなく、各電極のセンサ反応を改善することができる。いくつかの実施形態では、隣接する電極からの微小ワイヤ分岐要素は、接触電極間の空間内で交互配置又は混合させることができる。この接触電極の混合によって、接触物体のサイズが小さいことにも係わらず、2つの隣接する電極それぞれからの接触反応を同時に記録できることが確保される。接触位置は、隣接する電極からの静電容量信号の補間として計算される場合が多いので、平行電極間で分岐要素を混合させることが可能であることによって、タッチセンサからの報告の精度が改善される。
【0159】
図32は、更なる電極の実施形態を例示する。
図32のセンサ電極は、固有平均セル間隔を有するセルを含む第1の下にある基準メッシュパターンと、第1のパターンのネットワークから適合された、導電性電極817cを備える第2のパターンと、電極817d内に内部区域815dを備える第3のパターンとを含む、完全に一致した微小パターンから構築される。第2のパターンは、第1のパターンと比較して、より大きい固有セル間隔を有する。第2のパターンは、スーパーセルの配列を含み、スーパーセルはそれぞれ、第1のパターンからの整数倍のセルを備える(9つの第1のパターンのセルが、
図32に示されるスーパーセルに含まれる)。第2のパターンの固有セル間隔は、第1の固有セル間隔の整数倍(2と等しいかそれよりも大きい)である(
図32では、倍数は3である)。電極817dを画定する微小ワイヤは全て、断絶部を有さずにパターン化され、連続的に導電性である。電極817dの内部区域は、第3のパターン(この実施形態では、第1のパターンと同じ)にしたがってパターン化され、微小ワイヤの長さに沿った断絶部を用いて非導電性にされて、内部区域が電気的に絶縁された区域にされる。
【0160】
図32のセンサ電極817dは、第2のパターンのスーパーセルの配列によって確立される。
図32の第2のパターンのスーパーセル配列は、垂直軸に沿って連続的に導電性である電極817dを確立し、例えば、
図28に例示される列電極の1つとして用いることができる。
図32の第2のパターンは、2つ及び3つのスーパーセルを交互にすることによって確立される幅を有する。
図32の有効電極幅は、200ミクロン〜10ミリメートルの範囲のどこかであり得る。
【0161】
図29に関して記載した代替のメッシュパターンのいずれかを、
図32に示される完全に一致した格子構造において実現することができる。例えば、第2の導電性パターンは、横幅900ミクロンであり得る六角形セルを含むことができ、第1のパターンは横幅300ミクロンの六角形セルを含む。第1のパターンのメッシュが微小ワイヤの擬似ランダムネットワークから形成される一実施形態では、第2のパターンもまた、微小ワイヤのランダムネットワークとして設計することができる。この擬似ランダムの実施形態では、第2の固有セル間隔が、第1の固有セル間隔よりも大きい任意の距離であることが可能である。しかしながら、透過性の有用な増加を達成するために、第2の固有セル間隔は第1の固有セル間隔の少なくとも2倍であることが好ましい。
【0162】
図27及び28に示される、単純に接続された電極形状と比較すると、内部区域(及び本明細書で考察する他の実施形態に関して記載される、対応する内部区域)を
図32の上部電極に含めることは、いくつかの利点を示してもよい。
図32の電極構造の透過性は大幅に向上される。例えば、両方の電極における下にあるメッシュは、200ミクロンの固有間隔(パターンの広範囲な光学密度を決定する間隔)を有するセルを含んでもよいが、
図32の上部構造の導電性メッシュ(電極17Dを形成する第2のパターン)は、800、1000、又は1200ミクロンの遥かに大きい固有セル間隔を有することができる。第2のパターンの導電トレースの間にある内部区域によって、下にある下部電極から電界を浸透させることが可能になる。それに比例して、上部及び下部電極を結合する電界の大部分は、通常は近傍の指又は導電性物体と相互作用することができる、センサの上方に延びるフリンジ電界になる。これらのフリンジ電界の割合又は有用性は、
図32における導電性の第2のパターンの間隔と、a)上部及び下部電極を分離する絶縁体の厚さ、又はb)上部電極をセンサ上に置かれた指から分離する被覆絶縁体の厚さのどちらかとの比に応じて変わってもよい。一実施形態では、導電性の第2のパターンのセル間隔が、上記に定義した厚さのどちらか又は両方の少なくとも1/4であるのが好ましいことがあり、セル間隔がそれらの厚さのどちらかまたは両方の少なくとも1/2であることがより好ましい。上部構造の導電性メッシュにより、
図32の第2のパターンで、350マイクロメートル超、いくつかの実施形態では600マイクロメートル超のセル間隔が可能になるので、上部構造メッシュにより、1ミリメートル超の厚さ、いくつかの実施形態では2ミリメートル超の厚さの被覆絶縁体を有する透過性センサの設計が可能になる。
【0163】
電極から電気的に絶縁された電極のパターン化された内部区域を含む、本明細書に記載される実施形態によって、第2のパターンの導電トレースが覆うのが電極の表面積の1パーセント未満、多くの場合は表面積の0.5%未満である、電極構造が可能になる。これらの低い割合は、改善された透過性に特徴的である。
【0164】
本明細書に記載される実施形態は、投影型静電容量センサの性能に対する別の利点を示してもよい。指が存在する状態でセンサによって検出される容量差信号は、センサ電極の透過性に伴って増加し、それと同時に、指とセンサ電極との間の絶対的な容量結合は、透過性がより低い電極に比べて減少する。感知機能を妨害する可能性がある雑音信号は、センサ電極と指との間の静電容量に対応する傾向があるので、
図32の導電性上部構造の透過性(又は金属トレースに覆われる表面積が比較的小さいこと)によって、感知信号が改善されると同時に、センサの雑音感受性が低減される。
【0165】
図33は更なる実施形態を例示する。
図33のセンサ電極は、第1の固有平均セル間隔を有する第1のメッシュを含む第1のパターンと、第1のパターンのネットワークから適合された、導電性電極817eを備える第2のパターンと、電極817e内に内部区域810eを備える第3のパターンとを含む、完全に一致した微小パターンから構築され、内部区域は、様々な異なるサイズ及び形状を有する。電極817eを画成する微小ワイヤは、断絶部を有さずにパターン化され、連続的に導電性である。電極810eの内部区域を備える第3のパターンのセルは、微小ワイヤの長さに沿った断絶部を用いて、電極817eから電気的に絶縁される。
【0166】
第3のパターン、すなわち、電極817eの内部区域815eは、
図32に示されているような電極構成を参照して示されているようなものと比べると、均一ではない。
図33に示される電極の左縁部及び右縁部付近では、内部区域は、下にあるメッシュパターン(第1のパターン)のセルの4倍の大きさである。電極817eの中央付近では、内部区域815eのセルは第1のパターンの2倍に過ぎない。
【0167】
導電性電極を備える第2のパターンは、均一でないセル間隔によって特徴付けられる。
図32に例示される導電性電極は、固定した固有のセル間隔を有するスーパーセルとして特徴付けられたが、一方で、電極817eの上部構造のセル間隔は位置の関数として変動する。電極817eの左縁部及び右縁部に沿って位置する連続的なメッシュのセル間隔は、中心軸に沿って見られるセル間隔よりも大きい。
【0168】
図33の導電性の第2のパターンを備えるメッシュセルは概して等方性であり、つまり、セル寸法は2つの直交方向でほぼ等しく、下にあるメッシュからのセル寸法の整数倍(2と等しいかそれよりも大きい)である。
【0169】
図29に関して記載した代替のメッシュパターンのいずれかを、
図33に示される完全に一致した格子構造において用いることができる。例えば、第2の導電性パターンは、その寸法が第1のパターンからの六角形セルの寸法の2倍以上である、六角形セルを含むことができる。第1のパターンのメッシュが微小ワイヤの擬似ランダムネットワークから形成される一実施形態では、導電性の第2のパターン及びその電気的に絶縁された内部区域もまた、微小ワイヤの擬似ランダムネットワークとして設計することができる。この擬似ランダムの実施形態では、導電性の第2のパターンにおけるワイヤ間の平均距離は、下にある第1のパターンの平均固有セル間隔の少なくとも2倍であってもよい。
【0170】
図33の電極817eの中心軸に沿って、
図31a、b、及びcに示される実施形態のものに類似した、導電トレース、即ち幹部が設計されている。この導電性幹部は、接続された導電性メッシュセルのチェーンを含み、中央の幹部は、下にある第1のパターン又は基準メッシュ構造の単一のセルの幅に過ぎない。
【0171】
タッチセンサの1つの電気的設計では、タッチセンサの容量差信号は、指とセンサ電極との間の絶対的容量に比例する。
図32及び33に例示されるものなどの電極の場合、指とセンサ電極との間の静電容量は、第2のパターンの導電性微小ワイヤの数及び密度に伴って増加する。電極817eの設計によって、センサ電極に沿った位置の関数としての、センサと物体(即ち、指)との間の静電容量の変動が可能になってもよい。センサ電極の外見上の局部的な中心点はXX位置に位置する。物体がXX位置を通る垂直線から離れて左側又は右側のどちらかに移動するにつれて、第2のパターンの導電性メッシュの密度が低下し(又はセル間隔が増加し)、XX位置を通る水平線から離れてセンサ電極の頂部又は底部のどちらかに向かって移動するにつれて、第2のパターンのメッシュの密度が低下する。上部構造メッシュの密度は、指が中心点XXから離れて移動するにつれて、ほぼ等方的に、かつ半径方向で低下する。結果として、
図33の第2のパターンの導電性メッシュによって、センサのXX中心点からの局部的距離の関数としての、容量差信号の変動が可能になる。センサ反応のこの設計された変動により、センサは、電極構造内における内部区域の類似した分布又は多様性を含まないセンサと比較して、遥かに優れた精度で、指の位置を検出し解釈することができる。
【0172】
図33に関して示される特定の実施形態では、電極817eを備える第2のパターンのセル間隔は、400〜1000ミクロンの間で位置に応じて変動する。第2のパターンの導電性メッシュの密度、及び局部的な静電容量は、1mm未満分離したセンサ上の地点間で大幅に変動する。構造はまた、隣接したセンサ電極間の5〜7ミリメートルのピッチと互換性がある。かかる構造は、内部区域の変動と共に、センサ電極間のピッチよりも大幅に小さい物体の場合であっても、小さい指の位置検出及び直径1mm程度の小さいスタイラスの位置検出に適応してもよい。
【0173】
図33、及び電極設計の他の類似の例示は、より長い感知電極の一部のみを例示することが理解されるであろう。
図33に示されるメッシュパターン全体を、垂直電極、即ち列電極の全長に沿って、他の電極配列の電極のピッチにしたがって周期的に繰り返すことができ、その場合、電極はセンサ配列の複数の上部列電極の1つである。電極817eのパターンの局部的な中心点XXは、行電極と列電極の交点の中心点と完全に一致する。電極817eのパターンは各上部電極の長さに沿って繰り返すので、複数の局部的な中心点XXが、行電極及び列電極それぞれの交点に見出されるであろう。
【0174】
図33の第2のパターンによって確立されるセンサ電極の中心点XXのピッチは、200ミクロン〜10ミリメートルの範囲であり得る。上部電極、即ち列電極の、最大水平幅又は範囲は、ピッチの一部である任意の幅であることができ、例えば、電極の幅はピッチの20%〜ピッチの98%であってもよい。交差する行電極の幅は、ピッチの一部である任意の幅であることができ、例えば、幅はピッチの30%〜ピッチの98%であってもよい。好ましくは、下部電極、即ち行電極の幅は、ピッチの70%〜98%であろう。
【0175】
図34は、電極構成の更なる実施形態を例示する。
図34のセンサ電極は、第1の固有平均セル間隔を有する第1のメッシュを含む第1のパターンと、第1のパターンのネットワークから適合された、導電性電極817fを備える第2のパターンと、電極817f内に内部区域815fを備える第3のパターンとを含む、完全に一致した微小パターンから構築され、内部区域は、様々な異なるサイズ及び形状を有する。第2のパターンのセルを画成する微小ワイヤは全て、断絶部を有さずに提供され、連続的に導電性である。電極817fの内部区域815fは、微小ワイヤの長さに沿ったパターン内の断絶部を用いて、電気的に不連続的にされ、電極817fから絶縁され、かつ非導電性にされる。
【0176】
図34に関して示される電極における第2のパターンのセル間隔は、
図33のセルサイズの変動が
図34に示されるもののように等方性でない点を除いて、
図33に関して示した電極と類似した方法で、センサに沿って位置に伴って変動する。
図34の左縁部及び右縁部付近では、導電性の第2のパターンのセルは、下にあるメッシュパターンのセルの4倍の大きさである。
図34の垂直中心線付近では、第2のパターンのセルは第1のパターンの3倍に過ぎない。
図34の上部構造の第2のパターンを備えるセルは矩形である。例えば、「PP」と印を付した上部構造は、水平に沿って、下にあるメッシュのセル寸法の4倍の幅と、垂直に沿って、下にあるメッシュのセル寸法の8倍の高さとを有する。
【0177】
図29に関して記載した代替のメッシュパターンのいずれかを、
図34に示される完全に一致した格子構造において用いることができる。ほぼ矩形の上部構造セルは、依然として、おおよそ六角形セル幅の4倍の幅及び六角形セル幅の8倍の高さである、下にある六角形セルの集合体を結合することによって形成することができる。第1のパターンのメッシュが微小ワイヤの擬似ランダムネットワークから形成される一実施形態では、導電性の第2のパターンもまた、微小ワイヤの擬似ランダムネットワークとして設計することができる。このランダムな実施形態では、導電性の第2のパターンのワイヤ間の平均距離は、必ずしも2つの直交方向に沿って等しくなくてもよい。
【0178】
図34の中心線に沿って、上述した実施形態で用いたものと類似した、第2のパターンの導電性幹部が示される。この導電性幹部は、垂直軸に沿った、単一の幅の隣接したメッシュセルの外形を含む。導電性セルのこの中心列の第3のパターンにしたがった内部区域を備える横方向の微小ワイヤは、断絶したトレースとして維持される。
【0179】
図34の上部構造導電性メッシュの場合、静電容量の変動は、センサ電極に沿った位置の関数として提供されている。センサ電極の外見上の局部的な中心点はQQ位置に位置する。上部構造導電性メッシュの密度は、指示物体がQQ位置を通る垂直線から離れて左側又は右側に水平移動するにつれて低下する。しかしながら、指がQQを通る水平線から離れて垂直移動するにつれて、上部構造メッシュの密度はほとんど変化しない。したがって、上部構造メッシュの密度は、中心点QQからの距離に伴う等方性の変動を有さない。その代わりに、
図34の電極の上部構造は、垂直中心線を中心にした鏡像対称性を有する密度の変動を示すように設計される。
【0180】
図35は、電極構成の更なる実施形態を例示する。
図35のセンサ電極は、第1の固有平均セル間隔を有する第1のメッシュを含む第1のパターンと、第1のパターンのネットワークから適合された、第2のパターンとを含む、2つの完全に一致した微小パターンか構築され、第2のパターンは様々なより大きいセル間隔を有する第2の上部構造メッシュを備える。第2のメッシュの境界を画定する微小ワイヤは全て、断絶部を有さずにパターン化され、連続的に導電性である。第2のパターンの空隙内に位置する第1のパターンのセルは、微小ワイヤの長さに沿った断絶部を用いて非導電性にされる。
【0181】
図35の上部構造は
図34のものに類似しているが、但し、
図35の電極パターンの全幅又は範囲は
図34に示されるものよりも狭く、上部構造におけるセル間隔の変動は遥かに目立たない。導電性の第2のパターンを備える上部構造セルは矩形であり、密度の変動は、垂直の幹部又は中心線を中心にした鏡像対称性を示す。
【0182】
図35のセンサ電極の幅を測定した場合、上部構造パターンは6本の垂直導電線を含み、
図34のパターンは8本の垂直導電線を含むことに気付くであろう。結果として、
図35の電極パターンは、上部電極と指との間に有する合計の静電容量がより小さくなる。いくつかの用途では、この指に対する低減された静電容量は、静電容量センサの出力に対する信号対雑音比の改善をもたらすことができる。しかしながら、
図34に示されるパターンは、各列に沿った8本の垂直線を有する電極が、電極のフローに対するより冗長な経路を提供し、それによって、導電トレースの断絶又は不適正なパターン化による、障害を引き起こす欠陥の確率をより低くして製造されてもよいので、センサの製造業者に対して利点を示すことがある。
【0183】
しかしながら、
図34及び35に関して示される電極の導電性メッシュにおけるより大きい上部構造セル間隔により、
図34及び35のセンサパターンにおける指に対する合計静電容量は、下にあるメッシュの8つの垂直に並んだほぼ隣接するセルからセンサパターンが構築された場合に達成されるであろう静電容量よりも大幅に低い。結果として、
図34及び35に示される電極は、類似の幅を有する単純に接続されたメッシュに基づく電極構造よりも、高い透過性及び指に対する低い静電容量を示す。
【0184】
図35に示される実施形態の変形例では、行及び列の各交点の水平中心線に沿って垂直トレースから左側及び右側に突出する、導電性セル(第2のパターン)の横方向のトレリス又は延長部を付加することができる。電極パターンのこの横方向の延長は、上部電極と指との間の合計静電容量を多少増加させるが、指がセンサ電極の長さに沿って上下に移動するにつれて、容量差信号の変動ももたらす可能性がある。したがって、導電性セルの横方向の延長は、センサ電極と指との間の合計静電容量をほとんど増加させることなく、位置報告の精度を改善することができる。
【0185】
図29〜35に関する実施形態は、上部電極との関連で主として記載されてきたが、同様の設計及びパターン化が下部電極に対して使用されることができる。換言すれば、下部電極は、下部電極から電気的に絶縁された、但し断絶部又は分岐要素を備えたパターン化された微小導電体を含む、内部区域を含むことができる。
【0186】
図36は、電極構成の更なる実施形態を例示する。
図36のセンサ電極は、第1の固有平均セル間隔を有する第1のメッシュを含む第1のパターンと、第1のパターンのネットワークから適合された、導電性電極を備える第2のパターンと、電極内に内部区域815bを備える第3のパターンとを含む、完全に一致した微小パターンから構築され、内部区域は、様々な異なるサイズ及び形状を有する。電極の内部区域815bは、微小ワイヤの長さに沿った断絶部を用いて、電気的に不連続的にされ、電極から絶縁され、かつ非導電性にされる。
【0187】
図36に関して示される第2のパターンのセル間隔は、電極内での位置に伴って変動する。しかしながら、
図33〜35の電極とは対照的に、
図36に示される実施形態の上部構造セルは、電極の縁部に比べて中心にある方が大きい。
図36の菱形パターンの中心付近では、導電性の第2のパターンの上部構造セルは、下にある基準メッシュのセルの3倍の大きさである。しかしながら、菱形の外角付近では、セルサイズはより小さい。
【0188】
図36に示される電極は内部区域815bを含む。内部区域のサイズは、電極内における位置の関数として変動する。菱形の中心にある内部区域は、外縁部付近に見られるものよりも大きい。
【0189】
図36に示される電極によって、センサ電極に沿った物体の位置の関数として、センサと物体(即ち、指)との間で静電容量が変動する設計が可能になる。物体が菱形の中心から縁部に向かって移動するにつれて、第2のパターンの導電性メッシュの密度が増加する(かつセル間隔が減少する)。上部構造メッシュの密度は、指が中心点から離れて移動するにつれて、ほぼ等方的に、かつ半径方向で増加する。この設計された変動の透過性又はセル間隔により、いくつかの実施形態では、電極を横切って指を移動させるにつれて、センサ反応のより段階的な変動が可能になる。
【0190】
図37は、多層タッチスクリーンセンサ要素740の平面図を示し、第1及び第2のパターン化された基材が積層されている。区域730は、第1及び第2の連続区域の重複を示した。区域732は、第1の連続区域及び第2の不連続区域の重複を示した。区域734は、第2の連続区域及び第1の不連続区域の重複を示した。また、区域736は、第1及び第2の不連続区域間の重複を示した。これらの重複区域が複数存在したが、例証を容易とするために、それぞれ1つの区域のみが図に示されている。要素740の列電極又は行電極は、本明細書に記載される実施形態にしたがって構成されてもよい。
【0191】
以下は、本開示についての項目である。
項目1は、タッチセンサ用の電極であって、
基準メッシュを確立する非連続的な微小ワイヤ導電体の配列と、
第1の方向に沿って配置された連続的な微小ワイヤの第1の導電パターンであって、前記導電パターンは前記基準メッシュと一致している、第1の導電パターンと、
前記第1の導電パターンに電気的に接続され、そこから外側に延びている複数の電気的に連続的な分岐要素であって、前記分岐要素は、前記基準メッシュと一致し、微小ワイヤを含む、分岐要素と、を備える電極である。
項目2は、前記第1の導電パターンが電極幹部を画定し、前記分岐要素は、前記電極幹部から外側に延びている、項目1に記載の電極である。
項目3は、前記分岐要素が前記第1の方向を実質的に横断する方向に沿って配列されている、項目1に記載の電極である。
項目4は、前記基準メッシュが正六角形格子である、項目1に記載の電極である。
項目5は、前記基準メッシュが擬似ランダム格子である、項目1に記載の電極である。
項目6は、基準格子が特徴的な平均セル間隔を有し、分岐要素同士間の距離は、少なくとも1つの特徴的な平均セル間隔と等しいかそれよりも大きい、項目1に記載の電極である。
項目7は、前記基準メッシュが特徴的な平均セル間隔を有し、前記分岐要素の長さは、少なくとも1つの特徴的な平均セル間隔と等しいかそれよりも大きい、項目1に記載の電極である。
項目8は、分岐要素が1つ以下の端子領域で幹部電極に電気的に結合されている、項目1に記載の電極である。
項目9は、前記分岐要素のうちの少なくとも一部が前記タッチセンサの他の電極の分岐要素と交互配置されている、項目1に記載の電極である。
項目10は、前記分岐要素が約0.5〜5.0マイクロメートルのトレース幅を有する、項目1に記載の電極である。
項目11は、前記基準メッシュがマイクロメートルの単位で約X+0.5のトレース幅、及び約[95−X]%と99.5%との間の開口面積率を有する微小ワイヤを含み、0≦X≦4.5である、項目1に記載の電極である。
項目12は、前記第1の導電パターンが電極幹部を更に画定し、前記分岐要素がこれらの更なる電極幹部から外側に延びている、項目2に記載の電極である。
【0192】
本発明は、開示されたもの以外の実施形態でも実施可能であることを、当業者は理解するであろう。開示された実施形態は、例示の目的で提示されたものであって、限定的なものではなく、本発明は以下の「特許請求の範囲」によってのみ限定される。
本発明の実施態様の一部を以下の項目[1]−[12]に記載する。
[項目1]
基準メッシュを確立する非連続的な微小ワイヤ導電体の配列と、
第1の方向に沿って配置された連続的な微小ワイヤの第1の導電パターンであって、前記導電パターンは前記基準メッシュと一致している、第1の導電パターンと、
前記第1の導電パターンに電気的に接続され、そこから外側に延びている複数の電気的に連続的な分岐要素であって、前記分岐要素は、前記基準メッシュと一致し、微小ワイヤを含む、分岐要素と、を備える、タッチセンサ用の電極。
[項目2]
前記第1の導電パターンは、電極幹部を画定し、前記分岐要素は、前記電極幹部から外側に延びている、項目1に記載の電極。
[項目3]
前記分岐要素は、前記第1の方向を実質的に横断する方向に沿って配列されている、項目1に記載の電極。
[項目4]
前記基準メッシュは、正多角形格子である、項目1に記載の電極。
[項目5]
前記基準メッシュは、擬似ランダム格子である、項目1に記載の電極。
[項目6]
基準格子は、特徴的な平均セル間隔を有し、分岐要素同士間の距離は、少なくとも1つの特徴的な平均セル間隔と等しいかそれよりも大きい、項目1に記載の電極。
[項目7]
前記基準メッシュは、特徴的な平均セル間隔を有し、前記分岐要素の長さは、少なくとも1つの特徴的な平均セル間隔と等しいかそれよりも大きい、項目1に記載の電極。
[項目8]
分岐要素は、1つ以下の端子領域で幹部電極に電気的に結合されている、項目1に記載の電極。
[項目9]
前記分岐要素のうちの少なくとも一部は、前記タッチセンサの他の電極の分岐要素と交互配置されている、項目1に記載の電極。
[項目10]
前記分岐要素は、約0.5〜5.0マイクロメートルのトレース幅を有する、項目1に記載の電極。
[項目11]
前記基準メッシュは、マイクロメートルの単位で約X+0.5のトレース幅、及び約[95−X]%と99.5%との間の開口面積率を有する微小ワイヤを含み、0≦X≦4.5である、項目1に記載の電極。
[項目12]
前記第1の導電パターンは、電極幹部を更に画定し、前記分岐要素は、これらの更なる電極幹部から外側に延びている、項目2に記載の電極。