特許第6367823号(P6367823)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6367823RORcモジュレーターとしてのベンジルスルホンアミド誘導体
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6367823
(24)【登録日】2018年7月13日
(45)【発行日】2018年8月1日
(54)【発明の名称】RORcモジュレーターとしてのベンジルスルホンアミド誘導体
(51)【国際特許分類】
   C07C 311/39 20060101AFI20180723BHJP
   C07C 311/44 20060101ALI20180723BHJP
   C07C 317/14 20060101ALI20180723BHJP
   C07C 317/22 20060101ALI20180723BHJP
   A61K 31/18 20060101ALI20180723BHJP
   A61P 19/02 20060101ALI20180723BHJP
   A61P 29/00 20060101ALI20180723BHJP
【FI】
   C07C311/39CSP
   C07C311/44
   C07C317/14
   C07C317/22
   A61K31/18
   A61P19/02
   A61P29/00
【請求項の数】25
【全頁数】37
(21)【出願番号】特願2015-546044(P2015-546044)
(86)(22)【出願日】2013年12月9日
(65)【公表番号】特表2016-502975(P2016-502975A)
(43)【公表日】2016年2月1日
(86)【国際出願番号】EP2013075876
(87)【国際公開番号】WO2014090710
(87)【国際公開日】20140619
【審査請求日】2016年12月2日
(31)【優先権主張番号】61/735,364
(32)【優先日】2012年12月10日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】591003013
【氏名又は名称】エフ.ホフマン−ラ ロシュ アーゲー
【氏名又は名称原語表記】F. HOFFMANN−LA ROCHE AKTIENGESELLSCHAFT
(74)【代理人】
【識別番号】110001508
【氏名又は名称】特許業務法人 津国
(72)【発明者】
【氏名】ボーディル・ヴァン・ニール,モニク
(72)【発明者】
【氏名】ファウバー,ベンジャミン
(72)【発明者】
【氏名】レーネ,オリヴィエ
(72)【発明者】
【氏名】ワード,スチュアート
【審査官】 早川 裕之
(56)【参考文献】
【文献】 特表2010−522152(JP,A)
【文献】 特表2008−508212(JP,A)
【文献】 特表2011−500823(JP,A)
【文献】 国際公開第2011/115892(WO,A1)
【文献】 国際公開第2013/092939(WO,A1)
【文献】 国際公開第2013/045431(WO,A1)
【文献】 国際公開第2013/160418(WO,A1)
【文献】 国際公開第2008/021388(WO,A1)
【文献】 国際公開第2010/102154(WO,A1)
【文献】 国際公開第2012/158784(WO,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2010/0197688(US,A1)
【文献】 REGISTRY(STN)[online],2005年,CAS 登録番号:851689-54-8
【文献】 REGISTRY(STN)[online],2003年,CAS 登録番号:627841-51-4
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C07C 311/39
C07C 311/44
C07C 317/14
C07C 317/22
A61K 31/18
A61P 19/02
A61P 29/00
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
式Ia又はIb:
【化13】

(式中:
mは、0又は1であり;
nは、0又は1であり;
rは、0〜3であり;
Aは、結合;−CH−;−NR−;又は−O−であり;
、X、X、及びXの1つ又は2つは、Nであり、他のものは、CRであるか;又はX、X、X、及びXの3つは、Nであり、他のものは、CRであるか;又はX、X、X、及びXのそれぞれは、CRであり;
、R、R、及びRは、それぞれ独立して、水素;又は置換されていないか、若しくはハロで1回以上置換されていてもよいC1−6アルキルであり;
は、C1−6アルキル;C3−6シクロアルキル;C3−6シクロアルキル−C1−6アルキル;C1−6アルコキシ−C1−6アルキル;又はヒドロキシ−C1−6アルキル(ここで、C1−6アルキル、C3−6シクロアルキル、及びC3−6シクロアルキル−C1−6アルキル部分は、ハロで1回以上置換されていてもよい)であり;
それぞれのRは、独立して、C1−6アルキル;ハロ;C1−6アルコキシ;又はシアノ(ここで、C1−6アルキル部分は、置換されていないか、又はハロで1回以上置換されていてもよい)であり;
は、C1−6アルキルスルホニル;C3−6シクロアルキルスルホニル;C3−6シクロアルキル−C1−6アルキルスルホニル;アミノスルホニル;C1−6アルキルスルホニルアミノ;C1−6アルキルカルボニル;C3−6シクロアルキルカルボニル;C3−6シクロアルキル−C1−6アルキルカルボニル;又はアミノカルボニル(ここで、C1−6アルキル、C3−6シクロアルキル、及びC3−6シクロアルキル−C1−6アルキル部分は、置換されていないか、又はハロで1回以上置換されていてもよい)であり;
は、水素;C1−6アルキル;ハロ;C1−6アルコキシ;又はシアノ(ここで、C1−6アルキル部分は、置換されていないか、又はハロで1回以上置換されていてもよい)であり;
は、水素;又は置換されていないか、若しくはハロで1回以上置換されていてもよいC1−6アルキルであり;そして
それぞれのRは、独立して、水素;C1−6アルキル;ハロ;C1−6アルコキシ;又はシアノ(ここで、C1−6アルキル部分は、置換されていないか、又はハロで1回以上置換されていてもよい)である)
の化合物、又はその薬学的に許容される塩、但し、
6−(4−アセチル−2−メトキシフェノキシ)−N−エチル−N−フェニル−3−ピリジンスルホンアミド、及び
6−[(4−アセチルフェニル)アミノ]−N−エチル−N−フェニル−3−ピリジンスルホンアミドを除く
【請求項2】
mが0である、請求項1記載の化合物。
【請求項3】
nが0である、請求項1又は2記載の化合物。
【請求項4】
nが1である、請求項1又は2記載の化合物。
【請求項5】
rが0又は1である、請求項1〜3のいずれか記載の化合物。
【請求項6】
Aが結合である、請求項1〜5のいずれか記載の化合物。
【請求項7】
Aが−O−である、請求項1〜5のいずれか記載の化合物。
【請求項8】
、X、X、及びXのそれぞれが、CRである、請求項1〜7のいずれか記載の化合物。
【請求項9】
が水素である、請求項1〜8のいずれか記載の化合物。
【請求項10】
、R、R、及びRが、水素である、請求項1〜9のいずれか記載の化合物。
【請求項11】
がC1−6アルキルである、請求項1〜10のいずれか記載の化合物。
【請求項12】
が、ハロ又はトリフルオロメチルである、請求項1〜11のいずれか記載の化合物。
【請求項13】
が、C1−6アルキルスルホニル;C1−6アルキルスルホニルアミノ;アミノスルホニル;又はアミノカルボニルである、請求項1〜12のいずれか記載の化合物。
【請求項14】
がC1−6アルキルスルホニルである、請求項1〜13のいずれか記載の化合物。
【請求項15】
がアミノスルホニルである、請求項1〜13のいずれか記載の化合物。
【請求項16】
が、C1−6アルキルスルホニルアミノである、請求項1〜13のいずれか記載の化合物。
【請求項17】
がアミノカルボニルである、請求項1〜13のいずれか記載の化合物。
【請求項18】
がC1−6アルキルスルホニルアミノである、請求項1〜13のいずれか記載の化合物。
【請求項19】
が水素である、請求項1〜18のいずれか記載の化合物。
【請求項20】
式III:
【化14】

(式中:
sは、0〜2であり;そして
それぞれのRは、独立して、C1−6アルキル;ハロ;C1−6アルコキシ;又はハロ−C1−6アルキルである)の化合物である、請求項1記載の化合物。
【請求項21】
式IV:
【化15】

(式中:
sは、0〜2であり;そして
それぞれのRは、独立して、C1−6アルキル;ハロ;C1−6アルコキシ;又はハロ−C1−6アルキルである)
の化合物である、請求項1記載の化合物。
【請求項22】
(a)薬学的に許容される担体;及び
(b)請求項1〜21のいずれか記載の化合物
を含む、組成物。
【請求項23】
治療活性物質として使用するための、請求項1〜21のいずれか1項記載の化合物。
【請求項24】
関節炎の治療又は予防のための、請求項22記載の組成物
【請求項25】
関節炎の治療又は予防のための、請求項1〜21のいずれか1項記載の化合物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、レチノイド受容体関連オーファン受容体RORc(RORγ)の機能を調節する化合物、及び自己免疫疾患の処置のためのかかる化合物の使用に関する。
【0002】
Tヘルパー17細胞(Th17)は、自己免疫疾患(例えば、関節リウマチ、過敏性腸疾患、乾癬、乾癬性関節炎、及び脊椎関節炎(spondyloarthridities)の発病に関与するインターロイキン(IL)−17分泌CD4+T細胞である。レチノイン酸関連オーファン受容体γ(RORγ又はRORc)は、Th17細胞の分化に必須の転写因子として認識されている。RORcは、RORα(RORa)及びRORβ(RORb)を含む核ホルモン受容体サブファミリーのオーファンメンバーである。RORcは、DNAにモノマーとして結合することにより、遺伝子の転写を制御する。RORcの選択的調節は、Th17細胞に関連する自己免疫疾患の発見及び発症への経路として提案された。
【0003】
従って、自己免疫疾患(例えば、関節リウマチ、過敏性腸疾患、乾癬、乾癬性関節炎、及び脊椎関節炎)の処置において使用するためのRORcを阻害する化合物が必要である。
【0004】
本発明は、式Ia又はIb:
【化1】

(式中:
mは、0又は1であり;
nは、0又は1であり;
rは、0〜3であり;
Aは、結合;−CH−;−NR−;又は−O−であり;
、X、X、及びXの1つ又は2つは、Nであり、他は、CRであるか;又はX、X、X、及びXの3つは、Nであり、他は、CRであるか;又はX、X、X、及びXのそれぞれは、CRであり;
、R、R、及びRは、それぞれ独立して、水素;又は置換されていないか、若しくはハロで1回以上置換されていてもよいC1−6アルキルであり;
は、C1−6アルキル;C3−6シクロアルキル;C3−6シクロアルキル−C1−6アルキル;C1−6アルコキシ−C1−6アルキル;又はヒドロキシ−C1−6アルキル(ここで、C1−6アルキル、C3−6シクロアルキル、及びC3−6シクロアルキル−C1−6アルキル部分は、ハロで1回以上置換されていてもよい)であり;
それぞれのRは、独立して、C1−6アルキル;ハロ;C1−6アルコキシ;又はシアノ(ここで、C1−6アルキル部分は、置換されていないか、又はハロで1回以上置換されていてもよい)であり;
は、C1−6アルキルスルホニル;C3−6シクロアルキルスルホニル;C3−6シクロアルキル−C1−6アルキルスルホニル;アミノスルホニル;C1−6アルキルスルホニルアミノ;C1−6アルキルカルボニル;C3−6シクロアルキルカルボニル;C3−6シクロアルキル−C1−6アルキルカルボニル;又はアミノカルボニル(ここで、C1−6アルキル、C3−6シクロアルキル、及びC3−6シクロアルキル−C1−6アルキル部分は、置換されていないか、又はハロで1回以上置換されていてもよい)であり;
は、水素;C1−6アルキル;ハロ;C1−6アルコキシ;又はシアノ(ここで、C1−6アルキル部分は、置換されていないか、又はハロで1回以上置換されていてもよい)であり;
は、水素;又は置換されていないか、若しくはハロで1回以上置換されていてもよいC1−6アルキルであり;そして
それぞれのRは、独立して、水素;C1−6アルキル;ハロ;C1−6アルコキシ;又はシアノ(ここで、C1−6アルキル部分は、置換されていないか、又はハロで1回以上置換されていてもよい)である)
の化合物、又はその薬学的に許容される塩を提供する。
【0005】
本発明はまた、本化合物を含む医薬組成物、本化合物の使用方法、及び本化合物の調製方法を提供する。
【0006】
定義
特に明記されない限り、明細書及び請求項を含む、本出願において用いられる以下の用語は、下記の定義を有する。本明細書及び添付の請求項において用いられる通り、単数形「a」、「an」、及び「the」は、文脈が明確に指示しない限り、複数の指示対象を含むことに注意しなければならない。
【0007】
「アルキル」は、1〜12個の炭素原子を有する、単に、炭素及び水素原子からなる、1価の直鎖又は分岐の飽和炭化水素部分を意味する。「低級アルキル」は、1〜6個の炭素原子のアルキル基、すなわち、C−Cアルキルに言及する。アルキル基の例は、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、ペンチル、n−ヘキシル、オクチル、ドデシルなどを含むが、これらに限定されない。
【0008】
「アルケニル」は、少なくとも1個の2重結合を含有する、2〜6個の炭素原子の直鎖の1価の炭化水素ラジカル、又は3〜6個の炭素原子の分岐の1価の炭化水素ラジカル(例えば、エテニル、プロペニルなど)を意味する。
【0009】
「アルキニル」は、少なくとも1個の3重結合を含有する、2〜6個の炭素原子の直鎖の1価の炭化水素ラジカル、又は3〜6個の炭素原子の分岐の1価の炭化水素ラジカル(例えば、エチニル、プロピニルなど)を意味する。
【0010】
「アルキレン」は、1〜6個の炭素原子の直鎖の飽和の2価の炭化水素ラジカル、又は3〜6個の炭素原子の分岐の飽和の2価の炭化水素ラジカル(例えば、メチレン、エチレン、2,2−ジメチルエチレン、プロピレン、2−メチルプロピレン、ブチレン、ペンチレンなど)を意味する。
【0011】
「アルコキシ」及び「アルキルオキシ」(これらは互換的に用いられ得る)は、式−OR(式中、Rは、本明細書に定義されるアルキル部分である)の部分を意味する。アルコキシ部分の例は、メトキシ、エトキシ、イソプロポキシなどを含むが、これらに限定されない。
【0012】
「アルコキシアルキル」は、式R−O−R−(式中、Rは本明細書に定義されるアルキルであり、Rは、本明細書に定義されるアルキレンである)の部分を意味する。典型的なアルコキシアルキル基は、例えば、2−メトキシエチル、3−メトキシプロピル、1−メチル−2−メトキシエチル、1−(2−メトキシエチル)−3−メトキシプロピル、及び1−(2−メトキシエチル)−3−メトキシプロピルを含む。
【0013】
「アルコキシアルコキシ」は、式−O−R−R’(式中、Rは、本明細書に定義されるアルキレンであり、R'は、本明細書に定義されるアルコキシである)の基を意味する。
【0014】
「アルキルカルボニル」は、式−C(O)−R(式中、Rは、本明細書に定義されるアルキルである)の部分を意味する。
【0015】
「アルコキシカルボニル」は、式−C(O)−R(式中、Rは、本明細書に定義されるアルコキシである)の基を意味する。
【0016】
「アルキルカルボニルアルキル」は、式−R−C(O)−R(式中、Rは、本明細書に定義されるアルキレンであり、R’は、本明細書に定義されるアルキルである)の基を意味する。
【0017】
「アルコキシカルボニルアルキル」は、式−R−C(O)−R(式中、Rは、本明細書に定義されるアルキレンであり、R’は、本明細書に定義されるアルコキシである)の基を意味する。
【0018】
「アルコキシカルボニルアルコキシ」は、式−O−R−C(O)−R’(式中、Rは、本明細書に定義されるアルキレンであり、R’は、本明細書に定義されるアルコキシである)の基を意味する。
【0019】
「ヒドロキシカルボニルアルコキシ」は、式−O−R−C(O)−OH(式中、Rは、本明細書に定義されるアルキレンである)の基を意味する。
【0020】
「アルキルアミノカルボニルアルコキシ」は、式−O−R−C(O)−NHR’(式中、Rは、本明細書に定義されるアルキレンであり、R'は、本明細書に定義されるアルキルである)の基を意味する。
【0021】
「ジアルキルアミノカルボニルアルコキシ」は、式−O−R−C(O)−NR’R''(式中、Rは、本明細書に定義されるアルキレンであり、R’及びR''は、本明細書に定義されるアルキルである)の基を意味する。
【0022】
「アルキルアミノアルコキシ」は、式−O−R−NHR’(式中、Rは、本明細書に定義されるアルキレンであり、R’は、本明細書に定義されるアルキルである)の基を意味する。
【0023】
「ジアルキルアミノアルコキシ」は、式−O−R−NR’R’(式中、Rは、本明細書に定義されるアルキレンであり、R’及びR''は、本明細書に定義されるアルキルである)の基を意味する。
【0024】
「アルキルスルホニル」は、式−SO−R(式中、Rは、本明細書に定義されるアルキルである)の部分を意味する。
【0025】
「アルキルスルホニルアルキル」は、式−R’−SO−R''(式中、R’は、本明細書に定義されるアルキレンであり、R''は、本明細書に定義されるアルキルである)の部分を意味する。
【0026】
「アルキルスルホニルアルコキシ」は、式−O−R−SO−R’(式中、Rは、本明細書に定義されるアルキレンであり、R’は、本明細書に定義されるアルキルである)の基を意味する。
【0027】
「アミノ」は、式−NRR’(式中、R及びR’は、それぞれ独立して、水素、又は本明細書に定義されるアルキルである)の部分を意味する。従って、「アミノ」は、「アルキルアミノ(ここで、RとR’の一方はアルキルであり、他方は水素である)」、及び「ジアルキルアミノ(ここで、RとR’は共にアルキルである)」を含む。
【0028】
「アミノカルボニル」は、式−C(O)−R(式中、Rは、本明細書に定義されるアミノである)の基を意味する。
【0029】
「アルコキシアミノ」は、式−NR−OR’(式中、Rは、水素又は本明細書に定義されるアルキルであり、R’は、本明細書に定義されるアルキルである)の部分を意味する。
【0030】
「アルキルスルファニル」は、式−SR(式中、Rは、本明細書に定義されるアルキルである)の部分を意味する。
【0031】
「アミノアルキル」は、−R−R’(式中、R’は、本明細書に定義されるアミノであり、Rは、本明細書に定義されるアルキレンである)の基を意味する。「アミノアルキル」は、アミノメチル、アミノエチル、1−アミノプロピル、2−アミノプロピルなどを含む。「アミノアルキル」のアミノ部分は、1回又は2回アルキルで置換されて、それぞれ「アルキルアミノアルキル」及び「ジアルキルアミノアルキル」が提供され得る。「アルキルアミノアルキル」は、メチルアミノメチル、メチルアミノエチル、メチルアミノプロピル、エチルアミノエチルなどを含む。「ジアルキルアミノアルキル」は、ジメチルアミノメチル、ジメチルアミノエチル、ジメチルアミノプロピル、N−メチル−N−エチルアミノエチルなどを含む。
【0032】
「アミノアルコキシ」は、−OR−R’(式中、R’は、本明細書に定義されるアミノであり、Rは、本明細書に定義されるアルキレンである)の基を意味する。
【0033】
「アルキルスルホニルアミド」は、式−NR’SO−R(式中、Rはアルキルであり、R’は、水素又はアルキルである)の部分を意味する。
【0034】
「アミノカルボニルオキシアルキル」又は「カルバミルアルキル」は、式−R−O−C(O)−NR’R''(式中、Rは、本明細書に定義されるアルキレンであり、R’、R''は、それぞれ独立して、水素、又は本明細書に定義されるアルキルである)の基を意味する。
【0035】
「アルキニルアルコキシ」は、式−O−R−R’(式中、Rは、本明細書に定義されるアルキレンであり、R’は、本明細書に定義されるアルキニルである)の基を意味する。
【0036】
「アリール」は、単、二、又は三環式芳香環からなる1価の環状芳香族炭化水素を意味する。アリール基は、本明細書に定義される通り場合により置換されていてもよい。アリール部分の例は、フェニル、ナフチル、フェナントリル、フルオレニル、インデニル、ペンタレニル、アズレニル、オキシジフェニル、ビフェニル、メチレンジフェニル、アミノジフェニル、ジフェニルスルフィジル、ジフェニルスルホニル、ジフェニルイソプロピリデニル、ベンゾジオキサニル、ベンゾフラニル、ベンゾジオキシリル、ベンゾピラニル、ベンゾオキサジニル、ベンゾオキサジノニル、ベンゾピペラジニル(benzopiperadinyl)、ベンゾピペラジニル(benzopiperazinyl)、ベンゾピロリジニル、ベンゾモルホリニル、メチレンジオキシフェニル、エチレンジオキシフェニルなど(これらは本明細書に定義される通り場合により置換されていてもよい)を含むが、これらに限定されない。
【0037】
「アリールアルキル」及び「アラルキル」(これらは互換的に用いられ得る)は、ラジカル−R(式中、Rは、本明細書に定義されるアルキレン基であり、Rは、本明細書に定義されるアリール基である)を意味する(例えば、フェニルアルキル(例えば、ベンジル、フェニルエチル、3−(3−クロロフェニル)−2−メチルペンチルなど)は、アリールアルキルの例である)。
【0038】
「アリールスルホニル」は、式−SO−R(式中、Rは、本明細書に定義されるアリールである)の基を意味する。
【0039】
「アリールオキシ」は、式−O−R(式中、Rは、本明細書に定義されるアリールである)の基を意味する。
【0040】
「アラルキルオキシ」は、式−O−R−R''(式中、Rは、本明細書に定義されるアルキレンであり、R’は、本明細書に定義されるアリールである)の基を意味する。
【0041】
「カルボキシ」又は「ヒドロキシカルボニル」(これらは互換的に用いられ得る)は、式−C(O)−OHの基を意味する。
【0042】
「シアノアルキル」は、式−R’−R''(式中、R’は、本明細書に定義されるアルキレンであり、R''は、シアノ又はニトリルである)の部分を意味する。
【0043】
「シクロアルキル」は、単又は二環式環からなる1価の飽和炭素環式部分を意味する。特定のシクロアルキルは、置換されていないか、又はアルキルで置換されている。シクロアルキルは、本明細書に定義される通り場合により置換されていてもよい。特に定義されない限り、シクロアルキルは、1個又は複数の置換基(ここで、それぞれの置換基は、独立して、ヒドロキシ、アルキル、アルコキシ、ハロ、ハロアルキル、アミノ、モノアルキルアミノ、又はジアルキルアミノである)で場合により置換されていてもよい。シクロアルキル部分の例は、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチルなど(部分的に不飽和のその(シクロアルケニル)誘導体を含む)を含むが、これらに限定されない。
【0044】
「シクロアルキルアルキル」は、式−R’−R''(式中、R’は、本明細書に定義されるアルキレンであり、R''は、本明細書に定義されるシクロアルキルである)の部分を意味する。
【0045】
「シクロアルキルアルコキシ」は、式−O−R−R’(式中、Rは、本明細書に定義されるアルキレンであり、R’は、本明細書に定義されるシクロアルキルである)の基を意味する。
【0046】
「ヘテロアリール」は、ヘテロアリールラジカルの結合点が芳香環上であるとの理解の下、N、O、又はSから選択される1、2、又は3個の環のヘテロ原子、Cである残りの環原子を含有する少なくとも1個の芳香環を有する5〜12個の環原子の単環式又は二環式ラジカルを意味する。ヘテロアリール環は、本明細書に定義される通り場合により置換されていてもよい。ヘテロアリール部分の例は、場合により置換されているイミダゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、オキサジアゾリル、チアジアゾリル、ピラジニル、チエニル、ベンゾチエニル、チオフェニル、フラニル、ピラニル、ピリジル、ピロリル、ピラゾリル、ピリミジル、キノリニル、イソキノリニル、ベンゾフリル、ベンゾチオフェニル、ベンゾチオピラニル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾオキサジアゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾチアジアゾリル、ベンゾピラニル、インドリル、イソインドリル、トリアゾリル、トリアジニル、キノキサリニル、プリニル、キナゾリニル、キノリジニル、ナフチリジニル、プテリジニル、カルバゾリル、アゼピニル、ジアゼピニル、アクリジニルなど(それぞれが、本明細書に定義される通り場合により置換されていてもよい)を含むが、これらに限定されない。
【0047】
「ヘテロアリールアルキル」又は「ヘテロアラルキル」は、式−R−R’(式中、Rは、本明細書に定義されるアルキレンであり、R’は、本明細書に定義されるヘテロアリールである)の基を意味する。
【0048】
「ヘテロアリールスルホニル」は、式−SO−R(式中、Rは、本明細書に定義されるヘテロアリールである)の基を意味する。
【0049】
「ヘテロアリールオキシ」は、式−O−R(式中、Rは、本明細書に定義されるヘテロアリールである)の基を意味する。
【0050】
「ヘテロアラルキルオキシ」は、式−O−R−R’(式中、Rは、本明細書に定義されるアルキレンであり、R’は、本明細書に定義されるヘテロアリールである)の基を意味する。
【0051】
用語「ハロ」、「ハロゲン」、及び「ハロゲン化物」(これらは互換的に用いられ得る)は、置換基であるフルオロ、クロロ、ブロモ、又はヨードに言及する。
【0052】
「ハロアルキル」は、1個又は複数の水素が同一又は異なるハロゲンで置換されている、本明細書に定義されるアルキルを意味する。典型的なハロアルキルは、−CHCl、−CHCF、−CHCCl、ペルフルオロアルキル(例えば、−CF)などを含む。
【0053】
「ハロアルコキシ」は、式−OR(式中、Rは、本明細書に定義されるハロアルキル部分である)の部分を意味する。典型的なハロアルコキシは、ジフルオロメトキシである。
【0054】
「ヘテロシクロアミノ」は、飽和環(ここで、少なくとも1個の環原子は、N、NH、又はN−アルキルであり、残りの環原子は、アルキレン基を形成する)を意味する。
【0055】
「ヘテロシクリル」は、1、2、又は3又は4個のヘテロ原子(窒素、酸素、又は硫黄から選択される)が組み込まれた、1〜3個の環からなる、1価の飽和部分を意味する。ヘテロシクリル環は、本明細書に定義される通り場合により置換されていてもよい。ヘテロシクリル部分の例は、場合により置換されているピペリジニル、ピペラジニル、モルホリニル、チオモルホリニル、アゼピニル、ピロリジニル、アゼチジニル、テトラヒドロピラニル、テトラヒドロフラニル、オキセタニルなどを含むが、これらに限定されない。このようなヘテロシクリルは、本明細書に定義される通り場合により置換されていてもよい。
【0056】
「ヘテロシクリルアルキル」は、式−R−R’(式中、Rは、本明細書に定義されるアルキレンであり、R’は、本明細書に定義されるヘテロシクリルである)の部分を意味する。
【0057】
「ヘテロシクリルオキシ」は、式−OR(式中、Rは、本明細書に定義されるヘテロシクリルである)の部分を意味する。
【0058】
「ヘテロシクリルアルコキシ」は、式−OR−R’(式中、Rは、本明細書に定義されるアルキレンであり、R’は、本明細書に定義されるヘテロシクリルである)の部分を意味する。
【0059】
「ヒドロキシアルコキシ」は、式−OR(式中、Rは、本明細書に定義されるヒドロキシアルキルである)の部分を意味する。
【0060】
「ヒドロキシアルキルアミノ」は、式−NR−R’(式中、Rは、水素又は本明細書に定義されるアルキルであり、R’は、本明細書に定義されるヒドロキシアルキルである)の部分を意味する。
【0061】
「ヒドロキシアルキルアミノアルキル」は、式−R−NR’−R''(式中、Rは、本明細書に定義されるアルキレンであり、R’は、水素又は本明細書に定義されるアルキルであり、R''は、本明細書に定義されるヒドロキシアルキルである)の部分を意味する。
【0062】
「ヒドロキシカルボニルアルキル」、又は「カルボキシアルキル」は、式−R−(CO)−OH(式中、Rは、本明細書に定義されるアルキレンである)の基を意味する。
【0063】
「ヒドロキシカルボニルアルコキシ」は、式−O−R−C(O)−OH(式中、Rは、本明細書に定義されるアルキレンである)の基を意味する。
【0064】
「ヒドロキシアルキルオキシカルボニルアルキル」、又は「ヒドロキシアルコキシカルボニルアルキル」は、式−R−C(O)−O−R−OH(式中、それぞれのRはアルキレンであり、同一であるか、又は異なっていてもよい)の基を意味する。
【0065】
「ヒドロキシアルキル」は、1個又は複数(例えば、1、2、又は3個)のヒドロキシ基で置換されている(但し、同一の炭素原子は、1個より多いヒドロキシ基を有さない)、本明細書に定義されるアルキル部分を意味する。代表的な例は、ヒドロキシメチル、2−ヒドロキシエチル、2−ヒドロキシプロピル、3−ヒドロキシプロピル、1−(ヒドロキシメチル)−2−メチルプロピル、2−ヒドロキシブチル、3−ヒドロキシブチル、4−ヒドロキシブチル、2,3−ジヒドロキシプロピル、2−ヒドロキシ−1−ヒドロキシメチルエチル、2,3−ジヒドロキシブチル、3,4−ジヒドロキシブチル、及び2−(ヒドロキシメチル)−3−ヒドロキシプロピルを含むが、これらに限定されない。
【0066】
「ヒドロキシシクロアルキル」は、本明細書に定義されるシクロアルキル部分を意味する(式中、シクロアルキルラジカル中の1、2、又は3個の水素原子は、ヒドロキシ置換基で置換されている)。代表的な例は、2−、3−、又は4−ヒドロキシシクロヘキシルなどを含むが、これらに限定されない。
【0067】
「オキソ」は、式=O(すなわち、2重結合を有する酸素)の基を意味する。従って、例えば、1−オキソ−エチル基は、アセチル基である。
【0068】
「アルコキシヒドロキシアルキル」、及び「ヒドロキシアルコキシアルキル」(これらは互換的に用いられ得る)は、少なくとも1回ヒドロキシで置換され、少なくとも1回アルコキシで置換されている、本明細書に定義されるアルキルを意味する。従って、「アルコキシヒドロキシアルキル」、及び「ヒドロキシアルコキシアルキル」は、例えば、2−ヒドロキシ−3−メトキシ−プロパン−1−イルなどを包含する。
【0069】
「尿素」又は「ウレイド」は、式−NR’−C(O)−NR''R'''(式中、R’、R''、及びR'''は、それぞれ独立して、水素、又はアルキルである)の基を意味する。
【0070】
「カルバメート」は、式−O−C(O)−NR’R''(式中、R’及びR''は、それぞれ独立して、水素又はアルキルである)の基を意味する。
【0071】
「カルボキシ」は、式−O−C(O)−OHの基を意味する。
【0072】
「スルホンアミド」は、式−SO−NR’R''(式中、R’、R''、及びR'''は、それぞれ独立して、水素又はアルキルである)の基を意味する。
【0073】
「場合により置換されている」は、「アリール」、「フェニル」、「ヘテロアリール」、「シクロアルキル」、又は「ヘテロシクリル」部分と関連して用いられるとき、かかる部分が置換されていなくてもよいか(すなわち、全ての空の原子価が水素原子により占められている)、又は本明細書において関連する特定の基で置換されていてもよいことを意味する。
【0074】
「脱離基」は、合成有機化学においてこれと通常関連する意味を有する基、すなわち、置換反応条件下で置換可能な原子又は基を意味する。脱離基の例は、ハロゲン、アルカン−又はアリーレンスルホニルオキシ、例えば、メタンスルホニルオキシ、エタンスルホニルオキシ、チオメチル、ベンゼンスルホニルオキシ、トシルオキシ、及びチエニルオキシ、ジハロホスフィノイルオキシ、場合により置換されているベンジルオキシ、イソプロピルオキシ、アシルオキシなどを含むが、これらに限定されない。
【0075】
「モジュレーター」は、標的と相互作用する分子を意味する。相互作用は、本明細書に定義される通り、アゴニスト、アンタゴニストなどを含むが、これらに限定されない。
【0076】
「場合の」又は「場合により」は、後に記載されている現象又は状況が生じてもよいが生じる必要はなく、記載が、現象又は状況が生じる場合、及びそれが生じない場合を含むことを意味する。
【0077】
「疾患」及び「疾患状態」は、任意の疾患、状態、症状、障害、又は兆候を意味する。
【0078】
「不活性有機溶媒」又は「不活性溶媒」は、溶媒が、関連して記載された反応条件下で不活性であることを意味し、例えば、ベンゼン、トルエン、アセトニトリル、テトラヒドロフラン、N,N−ジメチルホルムアミド、クロロホルム、塩化メチレン、又はジクロロメタン、ジクロロエタン、ジエチルエーテル、酢酸エチル、アセトン、メチルエチルケトン、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、tert−ブタノール、ジオキサン、ピリジンなどを含む。逆に指定されない限り、本発明の反応において用いられる溶媒は、不活性溶媒である。
【0079】
「薬学的に許容される」は、それが、一般的に安全であり、非毒性であり、生物学的にもその他の面でも不所望でもない医薬組成物を調製する際に有用であることを意味し、動物、並びにヒトの薬学的使用に許容可能であるものを含む。
【0080】
化合物の「薬学的に許容される塩」は、本明細書に定義される通り、薬学的に許容され、かつ親化合物の所望の薬理活性を有する塩を意味する。
【0081】
薬学的に許容される塩への全ての言及が、同一の酸付加塩の、本明細書に定義される溶媒付加形態(溶媒和物)又は結晶形態(多形)を含むことは、理解されるべきだ。
【0082】
「保護用基」又は「保護基」は、合成化学においてこれと通常関連する意味で化学反応が、別の保護されていない反応性部位で選択的に行われ得るように、多官能性の化合物における1個の反応性部位を選択的にブロックする基を意味する。本発明のある種のプロセスは、反応体中に存在する反応性の窒素原子及び/又は酸素原子をブロックするための保護用基に依存する。例えば、用語「アミノ保護基」及び「窒素保護基」は、本明細書において互換的に用いられ、合成手法中に不所望の反応に対して窒素原子を保護することを意図された有機基に言及する。典型的な窒素保護基は、トリフルオロアセチル、アセトアミド、ベンジル(Bn)、ベンジルオキシカルボニル(カルボベンジルオキシ、CBZ)、p−メトキシベンジルオキシカルボニル、p−ニトロベンジルオキシカルボニル、tert−ブトキシカルボニル(BOC)などを含むが、これらに限定されない。当業者は、除去の容易さ、及び続く反応に耐える能力について、どのように基を選択するかを知っているであろう。
【0083】
「溶媒和物」は、溶媒の化学量論量又は非化学量論量のいずれかを含有する溶媒付加形態を意味する。いくつかの化合物は、結晶性固形状態で固定モル比の溶媒分子をトラップする傾向を有し、これにより溶媒和物を形成する。溶媒が水であれば、形成される溶媒和物は水和物であり、溶媒がアルコールであるとき、形成される溶媒和物はアルコラートである。水和物は、水の1個又は複数の分子の、物質の1個との組み合わせ(ここで、水は、その分子状態をHOとして保持し、かかる組み合わせが1種又は複数の水和物を形成することを可能にする)により形成される。
【0084】
「関節炎」は、身体の関節に対して損傷を引き起こし、かかる関節の損傷と関連する疼痛を引き起こす疾患又は状態を意味する。関節炎は、関節リウマチ、骨関節炎、乾癬性関節炎、敗血症性関節炎、脊椎関節症、痛風性関節炎、全身性エリテマトーデス、及び若年性関節炎、骨関節炎、及び他の関節炎状態を含む。
【0085】
「呼吸障害」は、限定することなく、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、喘息、気管支けいれんなどに言及する。
【0086】
「胃腸障害」(「GI障害」)は、限定することなく、過敏性腸症候群(IBS)、炎症性腸疾患(IBD)、胆道疝痛及び他の胆管障害、腎疝痛、下痢主徴(diarrhea-dominant)IBS、GI膨満と関連する疼痛などに言及する。
【0087】
「疼痛」は、限定することなく、炎症性疼痛;術後疼痛;内臓疼痛;歯痛;月経前疼痛;中枢性疼痛;やけどに起因する疼痛;片頭痛又は群発性頭痛;神経損傷;神経炎;神経痛;中毒;虚血性損傷;間質性膀胱炎;癌性疼痛;ウイルス、寄生虫、又は細菌感染;外傷後損傷;又は過敏性腸症候群と関連する疼痛を含む。
【0088】
「被験体」は、哺乳類及び非哺乳類を意味する。哺乳類は、ヒト;非ヒト霊長類(例えば、チンパンジー、及び他の類人猿及びサル種);家畜(例えば、ウシ、ウマ、ヒツジ、ヤギ、及びブタ);家庭内動物(例えば、ウサギ、イヌ、及びネコ);げっ歯類(例えば、ラット、マウス、及びモルモット)を含む実験動物などを含むが、これらに限定されない哺乳類種の任意のメンバーを意味する。非哺乳類の例は、トリなどを含むが、これらに限定されない。用語「被験体」は、特定の年齢又は性別を示さない。
【0089】
「治療上有効量」は、疾患状態を処置するために対象に投与されるとき、疾患状態のためのかかる処置をもたらすのに十分である化合物の量を意味する。「治療上有効量」は、化合物、処置される疾患状態、処置される重要度又は疾患、対象の年齢及び関連する健康状態、投与の経路及び形態、主治医又は獣医の判断、及び他の因子に依存して、変動する。
【0090】
用語「上で定義されるもの」、及び「本明細書に定義されるもの」は、変化するものに言及するとき、変化するものの広義の定義、並びにもしあれば特定の定義を参照することにより取り込む。
【0091】
疾患状態の「処置すること」又は「処置」は、とりわけ、疾患状態の阻害、すなわち、疾患状態又はその臨床症状の発症の阻止、及び/又は疾患状態の緩和、すなわち、疾患状態又はその臨床症状の一時的又は永続的退行を引き起こすことを含む。
【0092】
用語「処理すること」、「接触すること」、及び「反応させること」は、化学反応に言及するとき、所定及び/又は所望の生成物を生成するのに適当な条件下で2種以上の試薬を加えるか、又は混合することを意味する。所定及び/又は所望の生成物を生成する反応は、必ずしも、最初に加えられた2つの試薬の組み合わせから直接的に生じる必要がないこと、すなわち、所定及び/又は所望の生成物の形成を最終的に導く混合物において生成される1つ又は複数の中間体が存在し得ることは、解されるべきである。
【0093】
命名法及び構造
一般的に、本出願において用いられる命名法及び化学名は、CambridgeSoft(商標)によるChembioOffice(商標)に基づく。構造中の炭素、酸素、硫黄、又は窒素原子上に現れる任意の空の原子価は、本明細書において、特に指定されない限り、水素原子の存在を示す。窒素含有ヘテロアリール環が、窒素原子上の空の原子価で示され、変化するもの(例えば、R、R、又はR)がヘテロアリール環上に示される場合、かかる変化するものは、空の原子価窒素に結合するか、又は一緒になり得る。キラル中心が構造中に存在するが、特定の立体化学がキラル中心について示されない場合、キラル中心と関連する両方のエナンチオマーが、その構造により包含される。本明細書に示される構造が多数の互変異性型で存在し得る場合、かかる互変異性型全てが、その構造により包含される。構造中に表される原子は、本明細書において、全ての天然に存在するこのような原子のアイソトープを包含することが意図される。従って、例えば、本明細書において表される水素原子は、ジュウテリウム及びトリチウムを含むことが意味され、炭素原子は、C13及びC14アイソトープを含むことが意味される。本発明の化合物の1個又は複数の炭素原子は、ケイ素原子(複数を含む)により置換されてもよく、本発明の化合物の1個又は複数の酸素原子は、硫黄又はセレン原子(複数を含む)により置換されてもよいことが考慮される。
【0094】
本発明の化合物
本発明は、式Ia又はIb:
【化2】

(式中:
mは、0又は1であり;
nは、0又は1であり;
rは、0〜3であり;
Aは、結合;−CH−;−NR−;又は−O−であり;
、X、X、及びXの1つ又は2つは、Nであり、他のものは、CRであるか;又はX、X、X、及びXの3つは、Nであり、他のものは、CRであるか;又はX、X、X、及びXのそれぞれは、CRであり;
、R、R、及びRは、それぞれ独立して、水素;又は置換されていないか、若しくはハロで1回以上置換されていてもよいC1−6アルキルであり;
は、C1−6アルキル;C3−6シクロアルキル;C3−6シクロアルキル−C1−6アルキル;C1−6アルコキシ−C1−6アルキル;又はヒドロキシ−C1−6アルキル(ここで、C1−6アルキル、C3−6シクロアルキル、及びC3−6シクロアルキル−C1−6アルキル部分は、ハロで1回以上置換されていてもよい)であり;
それぞれのRは、独立して、C1−6アルキル;ハロ;C1−6アルコキシ;又はシアノ(ここで、C1−6アルキル部分は、置換されていないか、又はハロで1回以上置換されていてもよい)であり;
は、C1−6アルキルスルホニル;C3−6シクロアルキルスルホニル;C3−6シクロアルキル−C1−6アルキルスルホニル;アミノスルホニル;C1−6アルキルスルホニルアミノ;C1−6アルキルカルボニル;C3−6シクロアルキルカルボニル;C3−6シクロアルキル−C1−6アルキルカルボニル;又はアミノカルボニル(ここで、C1−6アルキル、C3−6シクロアルキル、及びC3−6シクロアルキル−C1−6アルキル部分は、置換されていないか、又はハロで1回以上置換されていてもよい)であり;
は、水素;C1−6アルキル;ハロ;C1−6アルコキシ;又はシアノ(ここで、C1−6アルキル部分は、置換されていないか、又はハロで1回以上置換されていてもよい)であり;
は、水素;又は置換されていないか、若しくはハロで1回以上置換されていてもよいC1−6アルキルであり;そして
それぞれのRは、独立して、水素;C1−6アルキル;ハロ;C1−6アルコキシ;又はシアノ(ここで、C1−6アルキル部分は、置換されていないか、又はハロで1回以上置換されていてもよい)である)
の化合物、又はその薬学的に許容される塩を提供する。
【0095】
ある種の実施態様において、本発明の化合物は、式Iaの化合物である。
【0096】
ある種の実施態様において、本発明の化合物は、式Ibの化合物である。
【0097】
式Ia又はIbのある種の実施態様において、mは0である。
【0098】
式Ia又はIbのある種の実施態様において、mは1である。
【0099】
式Ia又はIbのある種の実施態様において、nは0である。
【0100】
式Ia又はIbのある種の実施態様において、nは1である。
【0101】
式Ia又はIbのある種の実施態様において、rは0〜2である。
【0102】
式Ia又はIbのある種の実施態様において、rは0又は1である。
【0103】
式Ia又はIbのある種の実施態様において、rは0である。
【0104】
式Ia又はIbのある種の実施態様において、rは1である。
【0105】
式Ia又はIbのある種の実施態様において、rは2である。
【0106】
式Ia又はIbのある種の実施態様において、rは3である。
【0107】
式Ia又はIbのある種の実施態様において、Aは、結合;−CH−;又は−O−である。
【0108】
式Ia又はIbのある種の実施態様において、Aは、結合;−NR−;又は−O−である。
【0109】
式Ia又はIbのある種の実施態様において、Aは、結合;又は−O−である。
【0110】
式Ia又はIbのある種の実施態様において、Aは結合である。
【0111】
式Ia又はIbのある種の実施態様において、Aは−CH−である。
【0112】
式Ia又はIbのある種の実施態様において、Aは−NR−である。
【0113】
式Ia又はIbのある種の実施態様において、Aは−O−である。
【0114】
式Ia又はIbのある種の実施態様において、X、X、X、及びXの1つ又は2つは、Nであり、他のものは、CRである。
【0115】
式Ia又はIbのある種の実施態様において、X、X、X、及びXの3つは、Nであり、他のものは、CRである。
【0116】
式Ia又はIbのある種の実施態様において、X、X、X、及びXのそれぞれは、CRである。
【0117】
式Ia又はIbのある種の実施態様において、X、X、X、及びXの1つは、Nであり、他のものは、CRである。
【0118】
式Ia又はIbのある種の実施態様において、X、X、X、及びXの2つは、Nであり、他のものは、CRである。
【0119】
式Ia又はIbのある種の実施態様において、Xは、Nであり、X、X、及びXは、CRである。
【0120】
式Ia又はIbのある種の実施態様において、Xは、Nであり、X、X、及びXは、CRである。
【0121】
式Ia又はIbのある種の実施態様において、X及びXは、Nであり、X及びXは、CRである。
【0122】
式Ia又はIbのある種の実施態様において、X及びXは、Nであり、X及びXは、CRである。
【0123】
式Ia又はIbのある種の実施態様において、X及びXは、Nであり、X及びXは、CRである。
【0124】
式Ia又はIbのある種の実施態様において、X及びXは、Nであり、X及びXは、CRである。
【0125】
式Ia又はIbのある種の実施態様において、R、R、R、及びRは、水素である。
【0126】
式Ia又はIbのある種の実施態様において、Rは水素である。
【0127】
式Ia又はIbのある種の実施態様において、Rは、置換されていないか、又はハロで1回以上置換されていてもよいC1−6アルキルである。
【0128】
式Ia又はIbのある種の実施態様において、RはC1−6アルキルである。
【0129】
式Ia又はIbのある種の実施態様において、Rは水素である。
【0130】
式Ia又はIbのある種の実施態様において、Rは、置換されていないか、又はハロで1回以上置換されていてもよいC2−6アルキルである。
【0131】
式Ia又はIbのある種の実施態様において、RはC2−6アルキルである。
【0132】
式Ia又はIbのある種の実施態様において、Rは水素である。
【0133】
式Ia又はIbのある種の実施態様において、Rは、置換されていないか、又はハロで1回以上置換されていてもよいC3−6アルキルである。
【0134】
式Ia又はIbのある種の実施態様において、RはC3−6アルキルである。
【0135】
式Ia又はIbのある種の実施態様において、Rは水素である。
【0136】
式Ia又はIbのある種の実施態様において、Rは、置換されていないか、又はハロで1回以上置換されていてもよいC4−6アルキルである。
【0137】
式Ia又はIbのある種の実施態様において、RはC4−6アルキルである。
【0138】
式Ia又はIbのある種の実施態様において、Rは、C1−6アルキル;C3−6シクロアルキル;又はC3−6シクロアルキル−C1−6アルキル(ここで、C1−6アルキル、及びC3−6シクロアルキル部分は、ハロで1回以上置換されていてもよい)である。
【0139】
式Ia又はIbのある種の実施態様において、RはC1−6アルキルである。
【0140】
式Ia又はIbのある種の実施態様において、Rはハロ−C1−6アルキルである。
【0141】
式Ia又はIbのある種の実施態様において、RはC3−6シクロアルキルである。
【0142】
式Ia又はIbのある種の実施態様において、RはC3−6シクロアルキル−C1−6アルキルである。
【0143】
式Ia又はIbのある種の実施態様において、RはC1−6アルコキシ−C1−6アルキルである。
【0144】
式Ia又はIbのある種の実施態様において、Rはヒドロキシ−C1−6アルキルである。
【0145】
式Ia又はIbのある種の実施態様において、それぞれのRは、独立して、C1−6アルキル;ハロ−C1−6アルキル;ハロ;C1−6アルコキシ;又はシアノである。
【0146】
式Ia又はIbのある種の実施態様において、それぞれのRは、独立して、C1−6アルキル;ハロ−C1−6アルキル;又はハロである。
【0147】
式Ia又はIbのある種の実施態様において、RはC1−6アルキルである。
【0148】
式Ia又はIbのある種の実施態様において、Rはハロである。
【0149】
式Ia又はIbのある種の実施態様において、RはC1−6アルコキシである。
【0150】
式Ia又はIbのある種の実施態様において、Rはシアノである。
【0151】
式Ia又はIbのある種の実施態様において、Rは、ハロ又はトリフルオロメチルである。
【0152】
式Ia又はIbのある種の実施態様において、Rは、C1−6アルキルスルホニル;C1−6アルキルスルホニルアミノ;アミノスルホニル;C1−6アルキルカルボニル;又はアミノカルボニル(ここで、C1−6アルキル部分は、置換されていないか、又はハロで1回以上置換されていてもよい)である。
【0153】
式Ia又はIbのある種の実施態様において、Rは、C1−6アルキルスルホニル;C1−6アルキルスルホニルアミノ;アミノスルホニル;又はアミノカルボニルである。
【0154】
式Ia又はIbのある種の実施態様において、Rは、C1−6アルキルスルホニルである。
【0155】
式Ia又はIbのある種の実施態様において、Rは、アミノスルホニルである。
【0156】
式Ia又はIbのある種の実施態様において、Rは、C1−6アルキルスルホニルアミノである。
【0157】
式Ia又はIbのある種の実施態様において、Rは、C1−6アルキルカルボニルである。
【0158】
式Ia又はIbのある種の実施態様において、Rは、アミノカルボニルである。
【0159】
式Ia又はIbのある種の実施態様において、Rは、水素、又はC1−6アルキルである。
【0160】
式Ia又はIbのある種の実施態様において、Rは水素である。
【0161】
式Ia又はIbのある種の実施態様において、RはC1−6アルキルである。
【0162】
式Ia又はIbのある種の実施態様において、Rは水素である。
【0163】
式Ia又はIbのある種の実施態様において、RはC1−6アルキルである。
【0164】
式Ia又はIbのある種の実施態様において、Rは水素である。
【0165】
式Ia又はIbのある種の実施態様において、RはC1−6アルキルである。
【0166】
式Ia又はIbのある種の実施態様において、Rはハロである。
【0167】
式Ia又はIbのある種の実施態様において、RはC1−6アルコキシである。
【0168】
式Ia又はIbのある種の実施態様において、Rはシアノである。
【0169】
式Ia又はIbのある種の実施態様において、Rはハロである。
【0170】
式Ia又はIbのある種の実施態様において、Rはトリフルオロメチルである。
【0171】
式Iaのある種の実施態様において、対象化合物は、式II:
【化3】

(式中:
sは、0〜2であり;
それぞれのRは、独立して、C1−6アルキル;ハロ;C1−6アルコキシ;又はハロ−C1−6アルキルであり;そして
A、m、n、r、R、R、R、R、R、R、R、R、R、及びRは、本明細書で定義される通りである)
の化合物、又はその薬学的に許容される塩であってもよい。
【0172】
式IIのある種の実施態様において、sは、0又は1である。
【0173】
式IIのある種の実施態様において、sは、0である。
【0174】
式IIのある種の実施態様において、sは、1である。
【0175】
式IIのある種の実施態様において、それぞれのRは、独立して、C1−6アルキル;又はハロである。
【0176】
式IIのある種の実施態様において、それぞれのRは、独立して、メチル;又はフルオロである。
【0177】
式IIのある種の実施態様において、対象化合物は、式III:
【化4】

(式中、A、n、r、s、R、R、R、R、及びRは、本明細書で定義される通りである)
の化合物、又はその薬学的に許容される塩であってもよい。
【0178】
式IIのある種の実施態様において、対象化合物は、式IV:
【化5】

(式中、n、r、s、R、R、R、R、及びRは、本明細書で定義される通りである)
の化合物、又はその薬学的に許容される塩であってもよい。
【0179】
式IIのある種の実施態様において、対象化合物は、式V:
【化6】

(式中、n、r、s、R、R、R、R、及びRは、本明細書で定義される通りである)
の化合物、又はその薬学的に許容される塩であってもよい。
【0180】
本発明はまた、RORc受容体により仲介されるか、又はそうでなければ関連する疾患又は状態の処置方法であって、それを必要とする対象に有効量の本発明の化合物を投与することを含む方法を提供する。
【0181】
疾患は、関節炎(例えば関節リウマチ又は骨関節炎)であり得る。
【0182】
疾患は、喘息又はCOPDであり得る。
【0183】
本発明はまた、治療活性物質として使用するための、請求項1〜21のいずれか1項記載の化合物も提供する。
【0184】
本発明はまた、関節炎の治療又は予防のための、請求項1〜21のいずれか1項記載の化合物の使用も提供する。
【0185】
本発明はまた、関節炎の治療又は予防のための、請求項1〜21のいずれか1項記載の化合物も提供する。
【0186】
本発明はまた、関節炎の治療又は予防用医薬の製造のための、請求項1〜21のいずれか1項記載の化合物の使用も提供する。本発明の方法に基づく代表的な化合物は、以下の実験例に示される。
【0187】
合成
本発明の化合物は、以下に示され、記載される例示的合成反応スキームにおいて示される様々な方法により製造され得る。
【0188】
これらの化合物を調製する際に用いられる出発材料及び試薬は、一般に、市販の供給源(例えば、Aldrich Chemical Co.)から入手されるか、又は当業者に公知の方法により、参考文献(例えば、Fieser and Fieser's Reagents for Organic Synthesis; Wiley & Sons: New York, 1991, Volumes 1-15; Rodd's Chemistry of Carbon Compounds, Elsevier Science Publishers, 1989, Volumes 1-5 and Supplementals;及びOrganic Reactions, Wiley & Sons: New York, 1991, Volumes 1-40)に説明される手法に従い、調製される。以下の合成反応スキームは、いくつかの方法(これにより、本発明の化合物が合成され得る)の単なる例であり、種々の改変は、これらの合成反応スキームに対して成され得、本出願に含まれる開示に対する当業者に示唆されるだろう。
【0189】
合成反応スキームの出発材料及び中間体は、所望なら、濾過、蒸留、結晶化、クロマトグラフィーなどを含むがこれらに限定されない通常の技術を用いて、単離され、精製され得る。このような材料は、物理定数、及びスペクトルデータを含む、通常の手段を用いて特徴付けることができる。
【0190】
逆に指定されない限り、本明細書に記載される反応は、不活性雰囲気下、大気圧で、約−78℃〜約150℃の反応温度範囲(例えば、約0℃〜約125℃)、又は通常、およそ室温(周囲温度)(例えば、約20℃)で行われ得る。
【0191】
以下のスキームAは、式Ia(式中、Xは、脱離基であり、出現毎に同一であっても、異なっていてもよく、m、n、r、X、X、X、X、Y、Z、R、R、R、R、R、R、R、R、及びRは、本明細書で定義される通りである)の特定の化合物を調製するのに使用可能な1つの合成方法を例示する。
【化7】
【0192】
スキームAの工程1において、アリール又はアラルキルスルホニルハロゲン化化合物が、アリール又はアラルキルアミン化合物と反応して、アリールスルホンアミド化合物を与える。工程1の反応は、極性非プロトン溶媒中、3級アミンの存在下で行われてもよい。
【0193】
工程2において、N−アルキル化が、化合物をアルキル化剤(例えば、ハロゲン化アルキル又はアルキルトリフレートであってもよい)で処理することにより行われ、アリールスルホンアミド化合物を生じる。この反応は、例えば、極性非プロトン溶媒条件下で行われてもよい。
【0194】
次に、工程3aにおける化合物のアニリン化合物との反応が、本発明による式Iの化合物である、アリールスルホンアミドを提供し得る。工程3aの反応は、例えば、非極性溶媒中、適切なパラジウム触媒の存在下で行われてもよい。
【0195】
或いは、化合物eが、工程3bにおいてフェノール化合物hで処理されて、本発明による式Iの化合物である、アリールスルホンアミド化合物iを生じ得る。工程3bの反応は、例えば、極性溶媒中、無水条件下、アルカリ金属ヒドリド塩基の存在下で行われてもよい。
【0196】
なお別の方法では、化合物は、フェニルボロン酸化合物と反応して、本発明による式Iの化合物である、アリールスルホンアミド化合物を与え得る。工程3cの反応は、非極性溶媒中、適切なパラジウム触媒の存在下で行われてもよい。
【0197】
スキームAの方法の多数のバリエーションが可能であり、これらは当業者に示唆されるだろう。例えば、アミン化合物は、ある種の実施態様において、工程1に先立ち、試薬でアルキル化されてもよい。種々の保護基ストラテジーが、スキームAの反応で用いられてもよい。本発明の化合物の生成の具体的な詳細は、以下の実施例に記載される。
【0198】
投与及び医薬組成物
本発明は、少なくとも一種の本発明の化合物、あるいはその各異性体、異性体のラセミ混合物若しくは非ラセミ混合物、又は薬学的に許容される塩若しくは溶媒和物を、少なくとも一種の薬理学的に許容される担体及び場合により他の治療的及び/又は予防的成分と共に含む、医薬組成物を含む。
【0199】
一般に、本発明の化合物は、治療有効量で、類似の有用性をもたらす薬剤について許容される任意の投与形態により投与される。適切な用量範囲は、処置される疾患の重篤度、被験体の年齢及び相対的な健康状態、使用する化合物の効力、投与経路及び形態、投与が目的とする適応症並びに担当する医師の選択及び経験のような数多くの要因に応じて、一般的には1日当たり1〜500mg、例えば1日当たり1〜100mg、最も好ましくは1日当たり1〜30mgである。そのような疾患を処置する当業者により、必要以上に試験を行うことなく、個人的な知識及び本出願の開示により、ある特定の疾患用の本発明の化合物の治療有効量を確定することが可能となる。
【0200】
本発明の化合物は、経口(口腔及び舌下を含む)、直腸内、鼻腔内、局所、経肺、経膣若しくは非経口(筋肉内、動脈内、髄腔内、皮下及び静脈内を含む)投与に適切なものを含む医薬製剤として又は吸入若しくは通気による投与に適切な形態で投与してもよい。特定の投与方法は、一般的に、苦痛の程度に従って調整できる簡便な1日用量レジメンを使用する経口である。
【0201】
本発明の化合物の一種又は複数を、慣用の佐剤、担体又は希釈剤の一種以上と一緒に、医薬組成物及び単位投薬の形態にすることができる。医薬組成物及び単位投薬形態は、慣用の成分を慣用の割合で、追加の活性化合物若しくは成分と共に又は無しで含むことができ、単位投薬形態は、使用される1日用量の意図される範囲に釣り合う活性成分のあらゆる適切な有効量を含むことができる。医薬組成物は、錠剤若しくは充填カプセル剤のような固形剤、半固形剤、粉末剤、持続性放出製剤として、又は溶液のような液剤、懸濁剤、乳剤、エリキシル剤、若しくは経口用の充填カプセル剤として;又は直腸内若しくは膣内投与用の坐剤の形態;又は非経口的使用の注射用滅菌液剤の形態で使用することができる。したがって、活性成分を1錠当たり約1mg、又はより広くは約0.01〜約100mg含有する製剤が、適切で代表的な単位投薬形態である。
【0202】
本発明の化合物は、多種多様な経口投与用の投薬形態で処方されてもよい。医薬組成物及び投薬形態は、活性成分として、1種若しくは複数の本発明の化合物、又は薬学的に許容されるその塩を含むことができる。薬学的に許容される担体は、固体又は液体のいずれかであってよい。固体製剤は、粉末剤、錠剤、丸剤、カプセル剤、カシェ剤、坐剤、及び分散性顆粒剤を含む。固体担体は、希釈剤、風味剤、可溶化剤、滑沢剤、懸濁剤、結合剤、防腐剤、錠剤崩解剤又はカプセル化材料としても作用することができる1種以上の物質であってよい。粉末剤では、担体は、一般に、微粉化した活性成分との混合物である微粉化固体である。錠剤では、活性成分は、一般的に、必要な結合能力を有する担体と適切な割合で混合され、所望の形状及び大きさに成形される。粉末剤及び錠剤は、活性化合物を約1〜約70%含有してもよい。適切な担体には、炭酸マグネシウム、ステアリン酸マグネシウム、タルク、糖、乳糖、ペクチン、デキストリン、デンプン、ゼラチン、トラガカント、メチルセルロース、ナトリウムカルボキシメチルセルロース、低融点ロウ、ココアバター等が含まれるが、これらに限定されない。用語「製剤」は、担体を有するか又は有しない活性成分がそれと関連する担体により周囲を囲まれているカプセル剤を提供する、担体としてのカプセル化材料を有する活性化合物の製剤を含むことを意図している。同様に、カシェ剤およびトローチ剤も包含される。錠剤、粉末剤、カプセル剤、丸剤、カシェ剤及びトローチ剤は、経口投与に適切な固体形態であってよい。
【0203】
経口投与に適切な他の形態は、乳剤、シロップ剤、エリキシル剤、水性液剤、水性懸濁剤を含む液体形態の製剤、又は使用の直前に液体形態の製剤に変換されることが意図されている固体形態の製剤を含む。乳剤は、溶液、例えば、プロピレングリコール水溶液で調製されることができるか、又は例えばレシチン、ソルビタンモノオレアート若しくはアカシアのような乳化剤を含有することができる。水性液剤は、活性成分を水に溶解し、適切な着色剤、風味剤、安定剤及び増粘剤を加えることにより調製できる。水性懸濁剤は、微粉化した活性成分を、天然又は合成ガム、樹脂、メチルセルロース、ナトリウムカルボキシメチルセルロース及び他の周知の懸濁剤のような粘性材料と共に水に分散することにより調製できる。固体形態の製剤は、液剤、懸濁剤及び乳剤を含み、活性成分に加えて、着色剤、風味剤、安定剤、緩衝剤、人工及び天然甘味料、分散剤、増粘剤、可溶化剤等を含有することができる。
【0204】
本発明の化合物は、非経口投与(例えば、注射、例としてはボーラス注射又は持続注入による)のために配合することができ、アンプル剤、充填済注射器、防腐剤を添加した小型注入容器又は多用量容器に単位投薬形態で存在できる。組成物は、油性又は水性ビヒクル中の懸濁剤、液剤又は乳剤、例えばポリエチレングリコール水溶液中の液剤のような形態をとることができる。油性又は非水性の担体、希釈剤、溶媒又はビヒクルの例は、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、植物油(例えば、オリーブ油)及び注射用有機エステル類(例えば、オレイン酸エチル)を含み、防腐剤、湿潤剤、乳化剤又は懸濁剤、安定剤及び/又は分散助剤のような配合剤を含有してよい。あるいはまた、活性成分は、滅菌固体の無菌単離によるか、又は適切なビヒクル、例えば滅菌した発熱物質を含まない水を用いて、使用前の構成用溶液から凍結乾燥することにより得られる粉末形態であってよい。
【0205】
本発明の化合物を、軟膏剤、クリーム剤若しくはローション剤として又は経皮パッチ剤として表皮に局所投与するために製剤化することができる。例えば、軟膏剤及びクリーム剤を、適切な増粘剤及び/又はゲル化剤を加え、水性又は油性基剤を用いて製剤化することができる。ローション剤は、水性又は油性基剤を用いて製剤化することができ、また一般的に、1種以上の乳化剤、安定剤、分散剤、懸濁剤、増粘剤又は着色剤も含有する。口腔内の局所投与に適切な製剤には、風味付けした基剤、通常、スクロース及びアカシア又はトラガカント中に活性剤を含むトローチ剤;ゼラチン及びグリセリン又はスクロース及びアカシアのような不活性基剤中に活性成分を含むパステル剤;並びに適切な液体担体中に活性成分を含む洗口剤が含まれる。
【0206】
本発明の化合物は、坐剤として投与するために製剤化することもできる。脂肪酸グリセリド又はココアバターの混合物のような低融点ロウを、最初に溶融して、活性成分を例えば撹拌により均質に分散する。次に均質溶融混合物を、都合のよい大きさの成形型に注ぎ、冷却させ、凝固させる。
【0207】
本発明の化合物は膣内投与用に製剤化することができる。活性成分に加えて、当該技術で適切であることが公知である担体を含有するペッサリー剤、タンポン剤、クリーム剤、ゲル剤、ペースト剤、フォーム剤又はスプレー剤。
【0208】
対象化合物は、経鼻投与用に製剤化することができる。液剤又は懸濁剤を、慣用の方法、例えば、滴瓶、ピペット又はスプレーを用いて直接鼻腔に適用する。製剤は単回投与又は多回投与形態で提供することができる。滴瓶又はピペットの後者の場合、液剤又は懸濁剤の適切で所定の容量を患者が投与することで、それを達成することができる。スプレーの場合、例えば計量噴霧スプレーポンプを用いて達成することができる。
【0209】
本発明の化合物は、特に、鼻内投与を含む気道へのエアロゾル投与用に製剤化することができる。化合物は、一般的に、例えばほぼ5ミクロン以下程度の小さい粒径を有する。そのような粒径は、当該技術で公知の方法、例えば微粉砕により得ることができる。活性成分は、クロロフルオロカーボン(CFC)、例えばジクロロジフルオロメタン、トリクロロフルオロメタン若しくはジクロロテトラフルオロエタン、又は二酸化炭素、或いは他の適切なガスのような、適切な噴射剤を用いた加圧パックで提供される。エアロゾルはまた、レシチンのような界面活性剤を都合よく含有することができる。薬剤の用量は、計量弁により制御され得る。あるいはまた、活性成分は、乾燥粉末の形態で、例えば、乳糖、デンプン、デンプン誘導体、例えばヒドロキシプロピルメチルセルロース及びポリビニルピロリジン(PVP)のような適切な粉末基剤中の化合物の粉末混合物で提供され得る。粉末担体は、鼻腔内でゲルを形成する。粉末組成物は、例えばゼラチンのカプセル又はカートリッジ、又はブリスターパックのような単位投薬形態で存在してよく、これから粉末剤が吸入器により投与され得る。
【0210】
所望であれば、製剤は、活性成分の持続的又は制御的放出投与に適合する腸溶性コーティングを用いて調製できる。例えば本発明の化合物は、経皮又は皮下薬剤送達装置に配合できる。これらの送達系は、化合物の持続放出が必要であり、患者の処置レジメンに対するコンプライアンスが重要である場合に有利である。経皮送達系における化合物は、多くの場合、皮膚付着固体支持体に結合されている。目的の化合物は、また、浸透向上剤、例えばアゾン(1−ドデシルアザシクロヘプタン−2−オン)と組み合わせることができる。持続的放出送達系は、手術又は注入により皮下層に皮下的に挿入される。皮下インプラントは、脂質可溶膜、例えばシリコーンゴム又は生物分解性ポリマー、例えばポリ酸中に化合物を包み込む。
【0211】
医薬製剤は、好ましくは単位投薬形態であってもよい。そのような形態では、製剤は、活性成分の適切な量を含有する単位用量に細分化されている。単位投薬形態は、パッケージ製剤であることができ、そのパッケージは、パケット錠剤、カプセル剤、及びバイアル又はアンプル中の粉末剤などの別個の分量の製剤を含有する。また、単位投薬形態は、それ自体カプセル剤、錠剤、カシェ剤又はトローチ剤であることができるか、又はパッケージ形態におけるこれらのうちのいずれかの適切な数であることができる。
【0212】
他の適切な医薬担体及びその製剤は、Remington: The Science and Practice of Pharmacy 1995, edited by E. W. Martin, Mack Publishing Company, 19th edition, Easton, Pennsylvaniaに記載されている。本発明の化合物を含有する代表的な医薬製剤は、以下に記載されている。
【0213】
有用性
本発明の化合物は、一般的に、免疫障害の処置に有用である。化合物は、関節リウマチ、骨関節炎、乾癬性関節炎、敗血症性関節炎、脊椎関節症、痛風性関節炎、全身性エリテマトーデス、及び若年性関節炎、骨関節炎、及び他の関節炎状態を含む関節炎の処置のために用いられ得る。
【0214】
化合物は、呼吸障害(例えば、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、喘息、気管支けいれんなど)の処置のために用いられ得る。
【0215】
化合物は、胃腸障害(「GI障害」)(例えば、過敏性腸症候群(IBS)、炎症性腸疾患(IBD)、胆道疝痛及び他の胆管障害、腎疝痛、下痢主徴IBS、GI膨満と関連する疼痛など)の処置のために用いられ得る。
【0216】
化合物は、疼痛状態(例えば、炎症性疼痛;関節炎疼痛、術後疼痛;内臓疼痛;歯痛;月経前疼痛;中枢性疼痛;やけどに起因する疼痛;片頭痛又は群発性頭痛;神経損傷;神経炎;神経痛;中毒;虚血性損傷;間質性膀胱炎;癌性疼痛;ウイルス、寄生虫、又は細菌感染;外傷後損傷;又は過敏性腸症候群と関連する疼痛)の処置のために用いられ得る。
【0217】
実施例
下記の調製及び実施例は、当業者が本発明をより明確に理解し、実施できるために示されている。これらは、本発明の範囲を制限するものではなく、本発明の例示及び代表例としてのみ考えられるべきである。
【0218】
特に指定されない限り、融点(すなわち、MP)を含む全ての温度は、摂氏温度(℃)である。所定及び/又は所望の生成物を生成する反応は、必ずしも、最初に加えられた2つの試薬の組み合わせから直接的に生じる必要がないこと、すなわち、所定及び/又は所望の生成物の形成を最終的に導く混合物において生成される1つ又は複数の中間体が存在し得ることは、解されるべきである。以下の略語が、調製及び実施例において用いられ得る。
【0219】
LCMS方法:
保持時間(RT)と関連質量イオンを決めるための高圧液体クロマトグラフィー−質量分析(LCMS)実験を、以下の方法の1つを用いて行った:
方法A:化合物を、以下の条件を用いて分析した:実験を、UVダイオードアレイ検出器及び100ポジション・オートサンプラーを備えたHewlett Packard HP1100 LCシステムに繋げたWaters ZMDシングル四重極質量分析計にて行った。分析計は、陽イオン及び陰イオンモードで操作するエレクトロスプレー供給源を備えている。このシステムは、Phenomenex Luna3ミクロンC18(2)30×4.6mmカラムを、周囲温度、流速2.0mL/分で用いる。最初の溶媒系は、初めの0.5分間、0.1%ギ酸を含有する95%水(溶媒A)、及び0.1%ギ酸を含有する5%アセトニトリル(溶媒B)であり、続く4分間、5%溶媒A及び95%溶媒Bまでの勾配であった。これを1分間維持した後、続く0.5分間、95%溶媒A及び5%溶媒Bに戻した。通算可動時間は6分であった。
【0220】
方法B:化合物を、以下の条件を用いて分析した:実験を、PDA UV検出器を備えたWaters Acquity UPLCシステムに繋げたWaters Micromass ZQ2000四重極質量分析計にて行った。分析計は、陽イオン及び陰イオンモードで操作するエレクトロスプレー供給源を備えている。このシステムは、40℃で維持した、Acquity BEH C18 1.7μm 100×2.1mmカラム、又は40℃かつ流速0.4mL/分で維持した、Acquity BEH Shield RP18 1.7μm 100×2.1mmカラムを用いる。最初の溶媒系は、初めの0.4分間、0.1%ギ酸を含有する95%水(溶媒A)、及び0.1%ギ酸を含有する5%アセトニトリル(溶媒B)であり、続く5.6分間、5%溶媒A及び95%溶媒Bまでの勾配であった。これを0.8分間維持した後、続く1.2分間、95%溶媒A及び5%溶媒Bに戻した。通算可動時間は8分であった。
【0221】
NMR方法:
H NMRスペクトルを、周囲温度又は指定の80℃で、以下の機械の1つを用いて記録した:3重共鳴5mmプローブを用いるVarian Unity Inova(400MHz)分光計、3重共鳴5mmプローブを用いるBruker Avance DRX 400(400MHz)分光計、H及び13Cの検出用の標準的5mm2周波プローブを備えたBruker Avance DPX 300(300MHz)、BBI Broad Band Inverse5mmプローブを用いるBruker AVIII(400MHz)、又はQNP(Quad Nucleusgが検出する)5mmプローブを用いるBruker AVIII(500MHz)。化学シフトを、内部標準テトラメチルシラン(ppm=0.00)に対するppmで表す。以下の略語を用いた:br=広域シグナル、s=1重項、d=2重項、dd=2重の2重項、t=3重項、q=4重項、m=多重項、又はその任意の組み合わせ。
【0222】
マイクロ波反応装置:
マイクロ波反応を、Biotage(登録商標)Initiator(登録商標)を用いて、反応スケールに適したバイアル中、実施例詳細に記載する温度及び時間で行った。
【0223】
精製装置:
精製を、Teledyne ISCO CombiFlash(登録商標)、又はBiotage(登録商標)Isolera Four(登録商標)のいずれかで予めパックしたシリカゲルカートリッジを用いて、又は外圧を適用するための圧縮空気を用いて行った。実施例の詳細に示す溶媒及び勾配を用いた。
【0224】
逆相高圧液体クロマトグラフィー(HPLC)を用いて、指定の化合物を精製した。固定相としてのPhenomenex Gemini C18カラム(250×21.2mm、5ミクロン)上の勾配溶出を用い、かつ指定の移動相を用い、Gilson UV/Vis-155デュアルチャネル検出器、及びGilson GX-271自動液体取扱装置を用いて流速18mL/分で操作する、分離。
【0225】
相分離カートリッジは、Biotage(登録商標)によりIsolute(登録商標)相分離カートリッジとして供給される。
【0226】
略語リスト
AcOH 酢酸
AIBN 2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオニトリル)
Atm. 気圧
BOC tert−ブチルオキシカルボニル基
(BOC)O ジ−tert−ブチルジカルボネート
CDCl 重水素化クロロホルム
DavePhos 2−ジシクロヘキシルホスフィノ−2’−(N,N−ジメチルアミノ)ビフェニル
DCM ジクロロメタン/塩化メチレン
DMA N,N−ジメチルアセトアミド
DIAD ジイソプロピルアゾジカルボキシレート
DIPEA DIPEA
DMAP 4−ジメチルアミノピリジン
DME 1,2−ジメトキシエタン
DMF N,N−ジメチルホルムアミド
DMSO ジメチルスルホキシド
DPPF 1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン
ES エレクトロスプレー
EtO ジエチルエーテル
EtN トリエチルアミン
EtOH エタノール/エチルアルコール
EtOAc 酢酸エチル
HATU 2−(1H−7−アザベンゾトリアゾール−1−イル)−−1,1,3,3−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェートメタンアミニウム
HBTU O−ベンゾトリアゾール−1−イル−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート
HCl 塩酸
HOBT 1−ヒドロキシベンゾトリアゾール
HPLC 高圧液体クロマトグラフィー
RP HPLC 逆相高圧液体クロマトグラフィー
IBX 2−ヨードキシ安息香酸
IMS 工業用変性アルコール
CO 炭酸カリウム
i−PrOH イソプロパノール/イソプロピルアルコール/プロパン−2−オール
LCMS 液体クロマトグラフ/質量分析
MeOH メタノール/メチルアルコール
MW マイクロ波
NaH 水素化ナトリウム
NaOH 水酸化ナトリウム
NaSO 硫酸ナトリウム
NaCO 炭酸ナトリウム
NaHCO 重炭酸ナトリウム/炭酸水素ナトリウム
NBS N−ブロモスクシンイミド
NHCl 塩化アンモニウム
NMP 1−メチル−2−ピロリジノン
Pd(dba) トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)
PSI ポンド毎平方インチ
RT 室温
sat. 飽和
SCX−2 予めパックした、化学結合プロピルスルホン酸官能基を有するIsolute(登録商標)シリカベース吸着剤
TBDMS tert−ブチルジメチルシリル
TFA トリフルオロ酢酸
THF テトラヒドロフラン
TIPS トリイソプロピルシリル
TLC 薄層クロマトグラフィー
XantPhos 4,5−ビス(ジフェニルホスフィノ)−9,9−ジメチルキサンテン
【0227】
調製1: C−(4−ブロモ−フェニル)−N−(3−クロロ−フェニル)−N−イソブチル−メタンスルホンアミド
【化8】

工程1: チオ酢酸S−(4−ブロモ−ベンジル)エステル
DCM(30mL)中の4−ブロモベンジルアルコール(2g、10.7mmol)の溶液に、0℃で、EtN(2.2mL、16.0mmol)、続いて塩化メタンスルホニル(910μL、11.8mmol)を加えた。反応物をそのまま室温まで温め、2時間撹拌し、次に水でクエンチした。飽和NaHCO水溶液を加え、生成物をDCMで抽出し、合わせた有機抽出物を、相分離カートリッジを通して濾過し、濃縮して、メタンスルホン酸4−ブロモ−ベンジルエステル(2.67g、10mmol、94%)を得た。DMSO(40mL)中の粗生成物(2.67g、10mmol)の溶液を、室温で16時間、チオ酢酸カリウム(1.26g、11mmol)と一緒に撹拌した。反応物を、水で処理し、DCMで抽出し、相分離装置を通して濾過し、濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(シクロヘキサン中の0〜50%のDCM)により精製して、チオ酢酸S−(4−ブロモ−ベンジル)エステル(1.81g、7.39mmol、69%)を得た。H NMR(300MHz,CDCl):δ7.41(d,2H),7.16(d,2H),4.05(s,2H),2.35(s,3H)。
【0228】
工程2: (4−ブロモ−フェニル)−メタンスルホニルクロリド
アセトニトリル(11.6mL)及び1M HCl(2.31mL)中のN−クロロスクシンイミド(3.95g、29.6mmol)の溶液に、0℃で、アセトニトリル(6.3mL)中のチオ酢酸S−(4−ブロモ−ベンジル)エステル(1.81g、7.39mmol)の溶液を、60分かけて、反応物を15℃まで温めながら、ゆっくり加えた。残りの溶液を加え、反応物をそのまま室温まで10分間温めた。混合物を0℃まで冷却し、1時間撹拌した。水を加え、生成物をEtOAcで抽出し、ブラインで洗浄し、NaSOで乾燥させ、濃縮して、(4−ブロモ−フェニル)−メタンスルホニルクロリド(2.6g、9.6mmol)を得た。H NMR(300MHz,CDCl):δ7.60(d,2H),7.36(d,2H),4.81(s,2H)。
【0229】
工程3: C−(4−ブロモ−フェニル)−N−(3−クロロ−フェニル)−メタンスルホンアミド
DCM(20mL)中の(4−ブロモ−フェニル)−メタンスルホニルクロリド(1.4g、5.2mmol)の溶液に、室温で、ピリジン(1.26mL、15.6mmol)、続いて3−クロロアニリン(1.1mL、10.4mmol)を加え、反応物を、室温で3時間撹拌した。1M HCl水溶液を加え、次にDCMで抽出し、分離装置を通して濾過し、濃縮し、シリカ上に充填して乾燥させ、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(シクロヘキサン中の0〜100%のDCM)により精製して、C−(4−ブロモ−フェニル)−N−(3−クロロ−フェニル)−メタンスルホンアミド(0.61g、1.68mmol)を得た。H NMR(300MHz,CDCl):δ7.49(d,2H),7.26(m,1H),7.13−7.15(m,4H),6.96−6.98(m,1H),6.31(s,1H),4.31(s,2H)。
【0230】
工程4: C−(4−ブロモ−フェニル)−N−(3−クロロ−フェニル)−N−イソブチル−メタンスルホンアミド
ジメチルホルムアミド(5mL)中のC−(4−ブロモ−フェニル)−N−(3−クロロ−フェニル)−メタンスルホンアミド(0.61g、1.68mmol)とKCO(464mg、3.4mmol)の混合物に、1−ヨード−2−メチルプロパン(584μL、5.0mmol)を加えた。混合物を、100℃で、マイクロ波反応器にて、3時間加熱した。水を加え、反応物をEtOAcで抽出し、ブラインで洗浄し、NaSOで乾燥させ、濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(シクロヘキサン中の0〜50%のDCM)により精製して、C−(4−ブロモ−フェニル)−N−(3−クロロ−フェニル)−N−イソブチル−メタンスルホンアミド(423mg、1.0mmol、60%)を得た。LCMS(m/z、方法A)ES415.8[M+1]
【0231】
調製2: 4−ブロモ−N−(4−フルオロ−ベンジル)−N−イソブチル−ベンゼンスルホンアミド
【化9】

工程1: 4−ブロモ−N−イソブチル−ベンゼンスルホンアミド
DCM(40mL)中の4−ブロモベンゼンスルホニルクロリド(2g、7.8mmol)の溶液に、ピリジン(1.9mL、23.5mmol)、続いてイソブチルアミン(1.56mL、15.7mmol)を加え、反応物を、室温で16時間撹拌した。1M HCl水溶液を加え、反応物を、DCMで抽出し、相分離装置を通して濾過し、濃縮して、4−ブロモ−N−イソブチル−ベンゼンスルホンアミド(1.99g)を得た。LCMS(m/z、方法A)ES294[M+1]
【0232】
工程2: 4−ブロモ−N−(4−フルオロ−ベンジル)−N−イソブチル−ベンゼンスルホンアミド
無水ジメチルアセトアミド(5mL)中の4−ブロモ−N−イソブチル−ベンゼンスルホンアミド(0.25g、856μmol)の溶液に、NaH(鉱油中の60%の分散物、37.7mg、942μmol)を加え、混合物を、室温で15分間撹拌した。4−フルオロベンジルブロミド(117μL、942μmol)を加え、反応物を、90℃で2時間加熱した。反応物をそのまま室温まで冷却し、水を加え、次にDCMで抽出し、相分離装置を通して濾過し、濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(シクロヘキサン中の0〜25%のDCM)により精製して、4−ブロモ−N−(4−フルオロ−ベンジル)−N−イソブチル−ベンゼンスルホンアミド(267mg、78%)を得た。H NMR(300MHz,CDCl):δ7.65−7.66(m,4H),7.23(m,2H),6.99(t,2H),4.27(s,2H),2.89(d,2H),1.64(dt,1H),0.74(d,6H)。
【0233】
調製3: 5−ブロモ−ピリジン−2−スルホン酸(4−フルオロ−フェニル)−イソブチル−アミド
【化10】

工程1: (4−フルオロ−フェニル)−イソブチル−アミン
DCM(20mL)中の4−フルオロアニリン(1g、9mmol)の溶液に、室温で、イソブチルアルデヒド(985μL、10.8mmol)を加え、続いてトリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(2.86g、13.5mmol)を滴下して加え、反応物を、室温で64時間撹拌した。反応物を濃縮し、次に、DCM及びMeOH中に溶解し、シリカ上に充填して乾燥させ、次にシリカゲルカラムクロマトグラフィー(シクロヘキサン中の0〜25%のDCM)により精製して、(4−フルオロ−フェニル)−イソブチル−アミン(817mg、54%)を得た。LCMS(m/z、方法A)ES168[M+1]
【0234】
工程2: 5−ブロモ−ピリジン−2−スルホン酸(4−フルオロ−フェニル)−イソブチル−アミド
DCM(10mL)中の5−ブロモ−ピリジン−2−スルホニルクロリド(330mg、1.29mmol)の溶液に、ピリジン(208μL、2.57mmol)、続いてDCM(10mL)中の(4−フルオロ−フェニル)−イソブチル−アミン(215mg、1.29mmol)の溶液を加え、反応物を、室温で16時間撹拌した。水及び飽和NaHCO水溶液を加え、次にDCMで抽出し、相分離装置を通して濾過し、濃縮し、次にシリカゲルカラムクロマトグラフィー(シクロヘキサン中の0〜20%のEtOAc)により精製して、5−ブロモ−ピリジン−2−スルホン酸(4−フルオロ−フェニル)−イソブチル−アミド(414mg、78%)を得た。LCMS(m/z、方法A)ES387/389[M+1]
【0235】
調製4: 4−ブロモ−N−イソブチル−N−(2−トリフルオロメチル−フェニル)−ベンゼンスルホンアミド
【化11】

工程1: 4−ブロモ−N−(2−トリフルオロメチル−フェニル)−ベンゼンスルホンアミド
DCM(40mL)中の2−(トリフルオロメチル)アニリン(693mg、4.30mmol)とピリジン(438μL、5.87mmol)の溶液を、4−ブロモベンゼンスルホニルクロリド(1.0g、3.91mmol)で処理し、室温で18時間撹拌した。混合物をDCMで希釈し、1N HCl、飽和NaHCO、水、及びブラインで洗浄し、NaSOで乾燥させ、真空下で濃縮した。シリカゲルカラムクロマトグラフィー(シクロヘキサン中の0〜20%のEtOAc)による精製、及びペンタンでの粉砕により、4−ブロモ−N−(2−トリフルオロメチル−フェニル)−ベンゼンスルホンアミド(719mg、収率48%)を無色の結晶性固体として得た。H NMR(300MHz,CDCl)δ7.83(d,J=8.2Hz,1H),7.65−7.47(m,6H),7.29−7.20(m,1H),6.85(brs,1H),LCMS(m/z、方法A)ES380.0[M+1]
【0236】
工程2: 4−ブロモ−N−イソブチル−N−(2−トリフルオロメチル−フェニル)−ベンゼンスルホンアミド
DMF(5mL)中の4−ブロモ−N−(2−トリフルオロメチル−フェニル)−ベンゼンスルホンアミド(710mg、1.87mmol)、1−ブロモ−2−メチルプロパン(305μL、2.80mmol)とKCO(412mg、2.99mmol)の混合物を、90℃で18時間加熱した。冷却した混合物を、EtOAcで希釈し、水(3×)及びブラインで洗浄し、NaSOで乾燥させ、真空下で濃縮した。シリカゲルカラムクロマトグラフィー(シクロヘキサン中の0〜15%のEtOAc)による精製、及びペンタンでの粉砕により、4−ブロモ−N−イソブチル−N−(2−トリフルオロメチル−フェニル)−ベンゼンスルホンアミド(562mg、収率69%)を無色の結晶性固体として得た。H NMR(300MHz,CDCl)δ7.76−7.71(m,1H),7.72−7.55(m,2H),7.57−7.56(m,2H),7.58−7.43(m,2H),7.13−7.09(m,1H),3.53−3.08(m,2H),1.66−1.63(m,1H),0.90(d,J=6.5Hz,3H),0.81(d,J=6.7Hz,3H),LCMS(m/z、方法A)ES436.0[M+1]
【0237】
実施例1: (4’−メタンスルホニル−ビフェニル−4−スルホン酸イソブチル−(2−トリフルオロメチル−フェニル)−アミド)
【化12】

2〜5mLのマイクロ波バイアルを、4−ブロモ−N−イソブチル−N−(2−トリフルオロメチル−フェニル)−ベンゼンスルホンアミド(108mg、0.248mmol)、4−(メタンスルホニル)ベンゼンボロン酸(60mg、0.298mmol)、1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン−パラジウム(II)ジクロリド(18mg、0.025mmol)、1M NaCO溶液(496μL、0.496mmol)、及び1,4−ジオキサン(2.5mL)でチャージした。混合物を脱気し、窒素でパージし、マイクロ波照射を用いて、150℃で30分間加熱した。混合物をEtOAcで希釈し、水(2×)及びブラインで洗浄し、NaSOで乾燥させ、真空下で濃縮した。シリカゲルカラムクロマトグラフィー(シクロヘキサン中の0〜100%のEtOAc)による精製、及びジエチルエーテルでの粉砕により、表題化合物(99mg、収率78%)を白色の固体として得た。H NMR(400MHz,DMSO)δ8.06−8.03(m,6H),7.85(dd,J=7.4,2.1Hz,1H),7.80−7.74(m,2H),7.69−7.60(m,2H),7.07(d,J=7.7Hz,1H),3.47(dd,J=13.4,8.7Hz,1H),3.29(s,3H),3.21(dd,J=13.4,4.8Hz,1H),1.56−1.45(m,1H),0.91(d,J=6.5Hz,3H),0.74(d,J=6.7Hz,3H),LCMS(m/z 方法B)ES512.0[M+1]
【0238】
上記の手順を用いて製造した更なる化合物と一緒に、上記化合物を、後述のアッセイから決定した、選択した化合物のRORc IC50(マイクロモル)データと一緒に、以下の表1に示す。
【0239】
【表1】


【0240】
実施例15 インビトロRORcリガンド結合アッセイ
このアッセイを用いて、Kiapp、IC50、又はパーセント阻害値を決定することにより、RORcの阻害活性における化合物の有効性を決定した。この実施例において用いた消耗品を、以下の表2に示す。
【0241】
【表2】
【0242】
濾過プレート調製
アッセイ日に、0.05% CHAPS(脱イオンHO中)100μLを、GFB Unifilterプレートの全ウェルに加え、1時間浸漬させた。50mM HEPES(pH7.4)、150mM NaCl、及び5mM MgClの洗浄バッファーを調製し、濾過プレートを洗浄した。アッセイバッファーを調製するため、BSAを洗浄バッファーに0.01%になるまで加え、DTTを1mMになるまで加えた。
【0243】
化合物
IC50モードについて、10mM化合物ストックをDMSO中にDMSOで連続希釈して、DMSO中の20×必要終濃度(化合物15μL+DMSO 30μL)を得た。20×化合物ストックをDMSO中にアッセイバッファー(4倍)で希釈して、25% DMSO中の5×終試験濃度(化合物10μL+アッセイバッファー30μL)にした。溶液を、アスピレーションにより数回、50μLの容量に設定したピペットで混合した。アッセイのため、25% DMSO中の5×化合物ストック溶液10μLを、アッセイプレートにデュプリケートで加えた。
【0244】
2つのポイントでのスクリーンングのため、10mMストック化合物溶液をDMSO中に希釈して、200μM(20×高試験濃度)を得て、次に、更に10倍希釈して、20μM(20×低試験濃度)にした。20×ストックをアッセイバッファーで4倍希釈し(化合物10μL+アッセイバッファー30μL)、5×試験濃度(50μM及び5μM)にし、10uLを2枚のアッセイプレートにデュプリケートウェル用に加えた。2枚のプレート上で試験した各濃度で、80種の化合物の各セットは、4枚のアッセイプレートを用いた(1μM及び10μM、n=2)。
【0245】
非特異的結合(NSB)試料、総結合(TB)試料、及び受容体なし(NoR)試料
25−ヒドロキシコレステロール(1μM)を用いてNSBシグナルレベルを決定した。上記の化合物についてはDMSO中で調製し、次に、アッセイバッファー中に希釈して、終濃度5μMとした。25% DMSO/75%アッセイバッファー中の25−ヒドロキシコレステロールについては、1ウェル当たり10μLをNSB試料のために用いた。総結合及び受容体なし試料の決定用のウェルは、1ウェル当たり25% DMSO/75%アッセイバッファーを10μL含有していた。
【0246】
放射性リガンド(25−[3H]ヒドロキシコレステロール)調製
25−[H]ヒドロキシコレステロールをアッセイバッファー中に希釈し、15nMを得て、ボルテックスして混合する。20μLを全ウェルに加え、アッセイでの終濃度6nMとする。
【0247】
受容体調製
RORc受容体に最適な濃度は、0.6μg/mLであると見出した。ストック受容体溶液をアッセイバッファー中に希釈して、アッセイバッファー中の1.5μg/mLを得た。20μLを全ウェルに加えた。受容体なし試料について、アッセイバッファー20μLを受容体溶液に置き換えた。
【0248】
プレートへの試料添加及びインキュベーション
アッセイプレートは96ウェルポリプロピレンV底プレートであった。25% DMSO/75%アッセイバッファー中の5×化合物10μLを、試験ウェルに加えた。25% DMSO/75%アッセイバッファー10μLを、総結合又は受容体なしのウェルに加えた。25% DMSO/75%アッセイバッファー中の5μM 25−ヒドロキシコレステロール10μLをNSBウェルに加えた。アッセイバッファー中に調製した15nM 25−[H]ヒドロキシコレステロール20μLを全てのウェルに加えた。1.5μg/mL RORc受容体20μLをウェルに(又はアッセイバッファー40μLをNoRウェルに)加えた。ウェルに加えた後、プレートを3時間25℃でインキュベーションした。
【0249】
濾過
Packard Filtermate Harvesterを用いて、インキュベーションした試料を移した後に濾過プレートを4回洗浄した。プレートを完全に乾燥−濾過した(50℃で2時間、又は室温で一晩)。Microscint 0 50μLを全てのウェルに加え、Topcount protocol Inverted上にて読み込んだ。
【0250】
終濃度
終濃度は次の通りであった:50mM HEPESバッファー(pH7.4);150mM NaCl;1mM DTT;5mM MgCl;0.01% BSA;5% DMSO;0.6μg/mL RORc受容体;6nM 25−[H]ヒドロキシコレステロール。NSBウェルについては、1μM 25−ヒドロキシコレステロールも存在していた。
【0251】
本発明がその特定の実施態様を参照して記載される一方、種々の変更が成され得ること、及び均等物が、本発明の真の精神及び範囲から逸脱することなく置換され得ることは、当業者により理解されるべきである。加えて、多くの改変が、特定の状況、材料、物質の組成、プロセス、プロセス工程又は複数の工程を、本発明の目的の精神及び範囲に適合するように成され得る。このような改変の全てが、添付の請求の範囲内であることが意図される。