(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6367841
(24)【登録日】2018年7月13日
(45)【発行日】2018年8月1日
(54)【発明の名称】特に喫煙用具、特にタバコのためのパッケージ、及びそのパッケージの製造方法
(51)【国際特許分類】
B65D 75/64 20060101AFI20180723BHJP
B65D 85/10 20060101ALI20180723BHJP
B65B 19/22 20060101ALI20180723BHJP
B65B 11/12 20060101ALN20180723BHJP
【FI】
B65D75/64
B65D85/10
B65B19/22
!B65B11/12
【請求項の数】15
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2015-559580(P2015-559580)
(86)(22)【出願日】2014年2月21日
(65)【公表番号】特表2016-511729(P2016-511729A)
(43)【公表日】2016年4月21日
(86)【国際出願番号】IB2014059162
(87)【国際公開番号】WO2014132171
(87)【国際公開日】20140904
【審査請求日】2017年2月9日
(31)【優先権主張番号】BO2013A000086
(32)【優先日】2013年2月28日
(33)【優先権主張国】IT
(73)【特許権者】
【識別番号】392003937
【氏名又は名称】ジー.デー ソチエタ ペル アツィオニ
【氏名又は名称原語表記】G.D SOCIETA PER AZIONI
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100102819
【弁理士】
【氏名又は名称】島田 哲郎
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100153084
【弁理士】
【氏名又は名称】大橋 康史
(74)【代理人】
【識別番号】100160705
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 健太郎
(74)【代理人】
【識別番号】100157211
【弁理士】
【氏名又は名称】前島 一夫
(72)【発明者】
【氏名】フランチェスコ ベルトゥッツィ
(72)【発明者】
【氏名】アンジェロ リ ビニ
(72)【発明者】
【氏名】マルコ パルメッジャーニ
(72)【発明者】
【氏名】ロベルト ポッローニ
(72)【発明者】
【氏名】ステファノ ネグリーニ
【審査官】
吉澤 秀明
(56)【参考文献】
【文献】
特表2001−524429(JP,A)
【文献】
特開平07−267255(JP,A)
【文献】
特開2004−175412(JP,A)
【文献】
特開平03−133765(JP,A)
【文献】
特表2000−501053(JP,A)
【文献】
米国特許出願公開第2010/0163563(US,A1)
【文献】
特開2010−006476(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 75/64
B65B 19/22
B65D 85/10
B65B 11/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
喫煙用具を含むパケット(1)又はカートンと、前記パケット(1)又はカートンの周囲に巻き付けられ外ラッパー(3)を形成する包装材シート(2)と、ユーザによって摘むことができ前記パケット(1)から前記外ラッパー(3)を少なくとも部分的に分離するよう設計された、プルタブ(8)を備えた引き裂き要素(5)とを有した、喫煙用具、特にタバコのためのパッケージであって、
前記引き裂き要素(5)は、前記プルタブ(8)が位置する端縁部又は側面(6’)を有し、かつ、前記プルタブ(8)を省いて前記外ラッパー(3)に結合されたラベル(6)であり、前記ラベル(6)は前記包装材シート(2)の一部分に貼り付けられ、包装材シート(2)の長さと幅の一部分にわたって延び、
前記包装材シート(2)には、前記プルタブ(8)の近傍で収斂すると共に、ユーザによって前記ラベル(6)が摘んで引っ張られた際に前記ラッパー(3)を引き裂くための少なくとも1つの破断開始点を形成するように設計された、少なくとも1つの切開部(11)が設けられ、
前記少なくとも1つの切開部(11)が、前記ラベル(6)の前記端縁部又は側面(6’)のプロフィールを倣うプロフィールを有するように、前記プルタブ(8)を形成する前記ラベル(6)の前記端縁部又は側面(6’)に沿って走っており、前記切開部(11)は前記ラベル(6)によって完全に覆われている、パッケージ。
【請求項2】
前記ラッパー(3)は複数の壁によって形成され、前記ラベル(6)はラッパー(3)の1つだけの壁(F)に付着していることを特徴とする請求項1に記載のパッケージ。
【請求項3】
前記ラッパー(3)は複数の壁によって形成され、前記ラベル(6)は連続したラッパー(3)の2つだけの壁に付着していることを特徴とする請求項1に記載のパッケージ。
【請求項4】
前記ラッパー(3)は複数の壁によって形成され、前記ラベル(6)は組になって連続したラッパー(3)の3つだけの壁(F,L)に付着していることを特徴とする請求項1に記載のパッケージ。
【請求項5】
前記ラベル(6)は接着剤によって前記ラッパー(3)に接合され、ラベル(6)は粘着ラベルであることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載のパッケージ。
【請求項6】
前記ラベル(6)はヒートシールによって前記ラッパー(3)に接合されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載のパッケージ。
【請求項7】
前記ラベル(6)は前記ラッパー(3)の外側面に接合されていること特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載のパッケージ。
【請求項8】
前記切開部(11)は貫通スリットによって形成されることを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項に記載のパッケージ。
【請求項9】
前記ラベル(6)は,2組の端部において互いに対して結合された2つの略円弧状対向端縁部によって境界が定められていることを特徴とする請求項1〜8のいずれか一項に記載のパッケージ。
【請求項10】
前記ラベル(6)は多角形の形状であることを特徴とする請求項1〜8のいずれか一項に記載のパッケージ。
【請求項11】
前記ラベル(6)は実質的に三角形の形状であり、前記プルタブ(8)はその三角形の頂点から延びていることを特徴とする請求項10に記載のパッケージ。
【請求項12】
前記ラベル(6)は、ラベル(6)を引き裂く方向に対して横断する方向に沿って、前記ラッパー(3)の大きな壁の端縁部から端縁部へと実質的に延びることを特徴とする請求項1〜11のいずれか一項に記載のパッケージ。
【請求項13】
前記外ラッパー(3)は、透明なヒートシール材から作られ、前記引き裂き要素(5)は、前記パケット(1)を使用開始するに先立ってユーザが前記外ラッパー(3)を容易にかつ完全に取り除くように前記外ラッパー(3)の実質的な部分を引き裂くように構成されていることを特徴とする請求項1〜12のいずれか一項に記載のパッケージ。
【請求項14】
請求項1〜13に記載の、喫煙用具、特にタバコのためのパッケージを製造する方法において、
前記方法は、少なくとも、
第1のロール(13)からラベル貼り装置(15)へと、連続した複数ラベル(6)を支持するウェブ(7)を供給する工程と、
第2のロール(14)から包装材のウェブ(4)を供給し、それより複数の包装材シート(2)を獲得する工程と、
前記ウェブ(7)から、各々が引き裂き要素(5)を定めるようなラベル(6)を分離する工程と、
ラベル貼り装置(15)を用いて包装材ウェブ(4)に対して、連続的かつ等間隔的にラベル(6)を、前記包装材シート(2)の長さの一部分と幅の一部分とにわたって延びるウェブ(4)領域に貼り付ける工程と、
ラベル(6)を備えた前記包装材ウェブ(4)を切断することで、各引き裂き要素(5)を備えると共に喫煙用具の各パケット(1)又はカートンの周りに巻き付けられるように設計された一連の包装材シート(2)を獲得する工程と、
前記包装材シート(2)を包装装置(18)へと供給する工程と、
前記包装装置(18)に、未包装の喫煙用具パケット(1)又はカートンを供給する工程と、
包装装置(18)を用いて各喫煙用具パケット(1)又はカートンの周りに包装材シート(2)を巻き付ける工程とを有することを特徴とするパッケージ製造方法。
【請求項15】
請求項1〜13に記載の、喫煙用具、特にタバコのためのパッケージを製造する方法において、
前記方法は、少なくとも、
第1のロールから粘着性ウェブ又は部分粘着性ウェブを供給する工程と、
第2のロール(14)から包装材のウェブ(4)を供給する工程と、
前記粘着性ウェブ又は部分粘着性ウェブを切断して、各々が引き裂き要素(5)を定めるような複数のラベル(6)を獲得する工程と、
包装材ウェブ(4)に対して、連続的かつ等間隔的にラベル(6)を、前記包装材シート(2)の長さの一部分と幅の一部分とにわたって延びるウェブ(4)の領域に貼り付ける工程と、
ラベル(6)を備えた前記包装材ウェブ(4)を切断することで、各引き裂き要素(5)を備えると共に喫煙用具の各パケット(1)又はカートンの周りに巻き付けられるように設計された一連の包装材シート(2)を獲得する工程と、
前記包装材シート(2)を包装装置(18)へと供給する工程と、
前記包装装置(18)に、未包装の喫煙用具パケット(1)又はカートンを供給する工程と、
包装装置(18)を用いて各喫煙用具パケット(1)又はカートンの周りに包装材シート(2)を巻き付ける工程とを有することを特徴とするパッケージ製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は喫煙用具、特にタバコのパッケージに関し、更にそのパッケージを製造するための方法に関する。
【0002】
より具体的に言えば、本発明は、タバコのパケット又はタバコパケットのカートンの周りに包装紙を巻き付けることによって作られるパッケージに関する。
【背景技術】
【0003】
よく知られているように、タバコのパケットには、通常、熱収縮材料の場合もあるような透明材料から作られる、一般的に“オーバーラップ材”と呼ばれる保護用外ラッパーが設けられている。
【0004】
通常、そのオーバーラップ材はポリプロピレンからなる。
【0005】
ある包装機は、パケットの周りにオーバーラップ材を包んだ後、それが熱収縮材料の場合にはそれを加熱し、パケットの外壁にそれを良好な状態で接着させるようにしている。
【0006】
外ラッパーには通常、開封テープとして知られる狭いテープがあり、それはパケットを開けるにあたって外ラッパーを迅速かつ容易に引き裂くために使用することができる。
【0007】
外ラッパーを作るため、引き裂きテープはロールから連続して引き出され、ヒートシールや接着によって、連続的或いは間欠的に供給されるオーバーラップ材のウェブに貼り付けられる。パッケージの開放を容易にするために、夫々が引き裂きテープ上に位置して引き裂きテープの摘み端(自由端)を作るのに役立つ、一連のU字形切開部がオーバーラップ材上に作られる場合もある。切開部が作られた後、或いはそれと同時に、引き裂きテープに結合されたオーバーラッピング材のウェブは、包装機へと供給されかつ上記外ラッパーを定める長さへと切断される。
【0008】
例えばヒンジ蓋付きタバコパケットの場合、引き裂きテープを引っ張った際には、外ラッパーがパケットと外ラッパーの縦方向の延びを横切る方向に沿って切断されるように、パッケージ完成時点では、引裂きテープは、外ラッパーの内側面上であってかつパケットの一端の周囲に沿った位置に配置される。これらのパケットでは、外ラッパーを2つの部分、即ち、パケットの上端周りに巻き付けられる小部分と、パケット本体に巻き付けられる大部分とに分割するように、引き裂きテープはパケットの上端に配置されている。
【0009】
タバコパケットのカートン、特にタバコパケットと同じ形状を持つカートンの場合も又、外ラッパーを小部分と大部分に分割するべく、引き裂きテープは往々にしてカートンの一端に配置されている。
【0010】
一旦、外ラッパーが引き裂きテープと共に引き裂かれたならば、外ラッパーの2つの部分は、多くの場合、完全除去を可能にするために更に引き裂かれなければならない。しかしながら完全除去は必ずしも容易なものではない。何故なら、上述したように、熱収縮によってパッケージの外壁に付着した状態で作られるオーバーラップ材は、パッケージに非常に密接に付着しているために、その除去は問題になる可能性があるからである。
【0011】
この問題は、除去対象となるラッパー部分が大きな部分である場合、特に顕著なものとなる。
【0012】
この問題を克服するため、或いは少なくとも最小限に抑えるため、ある特許文献では、引き裂きテープの近くに、外ラッパーを構成するスリットをオーバーラップ材に作ることを教示している(例えば、特許文献1参照。)。これらのスリットは、外ラッパーを引き裂くにあたっての起点を構成している。外ラッパーを開くために引き裂きテープを用いた場合、テープがスリットに応力を加えることで、それに隣接するオーバーラップ材部分が引き裂かれることにもなる。スリットは、包装材料において、引き裂きテープから離れて延びる誘導線を作りだしてしまう。
【0013】
しかしながら、これらのスリットは、時としてあまり効果的なものではなく、すべからくパッケージのシールや外観にマイナスの効果を及ぼしている。
【0014】
また、ある特許文献では、引き裂きテープは、外ラッパーを構成する包装材と接触するように配置され、それに対し、包装されたパケットの周りで実質的に螺旋形状を付与するように配置されている(例えば、特許文献2及び3参照。)。このように配置した結果として、引き裂きテープを使用することでオーバーラップ材を確実に引き裂くことができ、引き裂かれた外ラッパーを、それに関連付けられたパッケージから容易に除去することが可能になる。
【0015】
この解決策は、非常に有効であるが、美観上という点では明らかに魅力的なものではない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0016】
【特許文献1】欧州特許第1839845号
【特許文献2】特開平08−164926号公報
【特許文献3】特開平11−321882号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0017】
本発明の目的は、従来技術を参照して説明した上記欠点のない喫煙用品のためのパッケージであって、特にタバコのためのパッケージを提供することにある。
【0018】
本発明の別の目的は、従来技術を参照して説明した上記欠点のない喫煙用品のためのパッケージの製造方法であって、容易かつ比較的安価に実施する製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0019】
従って、本発明は、添付された特許請求の範囲に記載された喫煙用具のためのパッケージであって、特にタバコ用パッケージ、及びそのパッケージの製造方法を提供するものである。
【0020】
本発明を、その非限定的な実施形態を示す添付図面を参照しながら、以下、説明する。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図1a】本発明による喫煙用具用パッケージの3変形実施形態の1つを示した概略的斜視図である。
【
図1b】本発明による喫煙用具用パッケージの3変形実施形態の1つを示した概略的斜視図である。
【
図1c】本発明による喫煙用具用パッケージの3変形実施形態の1つを示した概略的斜視図である。
【
図2】本発明による外ラッパーを獲得することが可能な包装材シートの2変形実施形態の1つを示した図である。
【
図3】本発明による外ラッパーを獲得することが可能な包装材シートの2変形実施形態の1つを示した図である。
【
図4】本発明によって作られた様々な引き裂き要素を接着した支持ウェブを示した図である。
【
図5】本発明によって作られた様々な引き裂き要素を接着した支持ウェブを示した図である。
【
図6】本発明によって作られた様々な引き裂き要素を接着した支持ウェブを示した図である。
【
図7】本発明によるパッケージの製造システムをブロック図の形で概略的に示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
図1、
図1b及び
図1cを参照するに、参照番号1は全体としてタバコのパケット又はカートンであって、本発明に従って製造されたパッケージCの一部を形成するものを示している。
【0023】
特記しない限り、以下、説明の便宜上、タバコのパケット1を参照するものとする。
【0024】
ここではパケット1は平行6面体の形状をした要素として概略的に示されてはいるが、その形状は本発明と関係ないため、それとは異なる形状をする場合もある。例えば、蓋や、は喫煙用具(タバコ)を含んだ箱状体のようなパケット1の詳細部についても、特にそれらの有無、形状及び相互の寸法は本発明の記述と関係ないため、ここでは図示していない。
【0025】
パケット1は、例えば、タバコからなる図示しない喫煙用具を含んでおり、板紙などの紙ベースの材料で作られることが好ましい。その外側では、パケット1は、パケット1の外ラッパー3を構成する、例えばポリプロピレンのような透明なヒートシール材から作られるが好ましいシート2によって覆われる。シート2は、好ましくは、連続的又は間欠的に供給されるウェブ4からそれらを切断することによって次々と獲得される。
【0026】
シート2も又、パケット1のようにパッケージCの一部を成している。
【0027】
ラッパー3の内側、或いは外側のどちらかにあるシート2の表面の一部分は引き裂き要素5に付いた状態にあり、それを使うことでラッパー3自体の実質的な部分を手で引き裂くことができる。引き裂きは、パケット1を使用開始するに先立ってユーザが容易にラッパー3を取り除くことを可能にする。
【0028】
添付図面に示されるように、引き裂き要素5はシート2に結合したラベル6の形態で作られる。結合は、例えば不乾性の接着剤のような熱間で再封止可能な接着剤のような接着剤を使用して達成されることが好ましい。代替的なものとしては、例えばビニル接着剤のような冷間接着剤を使用することもある。
【0029】
別の実施形態としては、ラベル6とシート2は、ヒートシールによって互いに結合されるかもしれない。
【0030】
接着剤による接続の場合、ラベル6は、自己接着ラベルの形態をとること、即ち片面に接着剤を塗布したものであることが好ましい。
【0031】
それらは、ウェブ4からシート2が切断された後においても、各シート2上に存在するような方法で、ウェブ4の所定の領域に次々と貼り付けられる。
【0032】
ウェブ4に貼り付けられる前に、ラベル6は
図4〜
図6に示す支持ウェブ7に接続されることが好ましくは、これによりそれらは図示しない既知の方法で、ウェブ4に貼り付けられる領域へと搬送される。
【0033】
或いは、ラベル6は、接着剤テープや部分的に粘着剤の付けたテープのロールから得られるかもしれない。このテープは、引き裂き要素5を形成するラベル6の獲得のために、好ましくは一定長さに切断されなければならない。
【0034】
各ラベル6には、好ましくは実質的に中間領域に、手で摘めるようなプルタブ8を識別することができる端縁部又は側面6’がある。プルタブ8はシート2に接続されず、ラベル6はシート2に接着しており、以下に説明するようにラッパー3開放開始のために、ユーザによってシート2から離すことができ、容易に摘めることが好ましい。
【0035】
図2の実施形態では、図示しないが、その内容から容易に推測できるパッケージCに対応して、ラベル6は、シート2それ自体の両面のいずれかと接触して、シート2を形成するウェブ4部分に貼り付けられる。プルタブ8は、ウェブ4からシート2を分離することができる切断線10’をほんの少し引き延ばして追従するように配置される。パッケージCが完成した際には切断線10’はパケット1の側壁Lの上にくる。
【0036】
シート2の2つの部分では、プルタブ8の各側面に隣接してシート2それ自体を引き裂き始めるための要素が形成されることが好ましい。引き裂き開始要素は2つの切開部11によって形成されることが好ましい。切開部11は切断線10’を横断する方向に走っている。好ましくは、切開部11は夫々の貫通スリットによって形成される。
【0037】
切開部11の目的は、シート2を引き裂いてパッケージCからそれを除去するためにプルタブ8を摘んで引っ張った際に、そのプルタブ8に続いてシート2を引き裂き開始するためにある。
【0038】
より具体的には、包装材のシート2は、プルタブ8の近傍で収斂する少なくとも1つの切開部11を有する。この構成では、切開部11があることでシート2の引き裂きをプルタブ8からスタートさせることができ、ラベル6の表面積に少なくともサイズに等しいシート2部分を除去することが可能になる。
【0039】
図3の実施形態では、
図1aのパッケージCに対応し、ラベル6は、パケット1の外側においてシート2の面に接触した状態でシート2を形成するウェブ4部分に貼り付けられる。プルタブ8は、その一端縁部が折り線10上に位置するように配置される。パッケージCが完成した際にはその折り線10は実質上、パケット1の端縁部に対応する。
【0040】
シート2上には、ラベル6の下に位置し、それによって覆われる切開部11’が存在する。切開部11’はラベル6のプロフィール、即ち、その外周を倣うことが好ましい。具体的には、切開部11’は、プルタブ8を形成するラベル6の上記端縁部6’に沿って走る。
【0041】
好ましくは、切開部11’は、プルタブ8を形成するラベル6の上記端縁部6に略平行な線に沿って走る。
【0042】
好ましくは、切開部11’は連続するスリットによって形成される。
【0043】
好ましくは、切開部11’を貫通スリットによって形成される。
【0044】
有利なこととして、切開部11’はパッケージCのシールを保証するように、完全にラベル6によって覆われる。換言すれば、ラベル6は、それに沿ってラッパー3を開放することができかつ切開部11’で形成されるようなラインを覆い密封する。
【0045】
実際には、ウェブ4に貼り付けられる各ラベル6のために、切開部11’が包装材からなるウェブ4上に作られる。切開部11’の製造工程はラベル6の貼り付け工程よりも先であり、ラベル6貼り付け工程によって切開部11’を完全にカバーすることにもなる。
【0046】
図1a、1c、2、3及び
図4に示される例示的な実施形態では、プルタブ8を付けたラベル6の側面6’又は端縁部と、側面6’の反対側にある端縁部又は側面6”は共に同じ円弧形状であり、夫々の端部分はラベル6の真っ直ぐな辺によって2つ1組で接合される。同様に、端部分は本発明の範囲を限定することなく、別の方法で接合されるかもしれない。
【0047】
図4は、
図1a、
図1c、
図2及び
図3に示すタイプの複数ラベル6をその上に重ねた支持ウェブ7を示している。ラベル6は全て同じ形をしており、互いから隔てられることなく、即ち2つの連続したラベル6間に空白や余分な材料を介在させることなく互いに対して結合させている。
【0048】
図示されていない実施形態において、ウェブ7それ自体は6複数ラベル7を構成している。より具体的には、連続して粘着性があるか、或いは部分的に粘着性のあるウェブが切断されて個々のラベル6を形成するかもしれない。
【0049】
図7を参照するに、パケット1を包装することは、第1のロール13からラベル貼り装置15へと、連続した複数ラベル6を定めるウェブ7を供給し、第2のロール14から包装材のウェブ4を供給し、夫々のラベル6が引き裂き要素5を定めるようなラベル6を、それらを定めるウェブ7から分離し、ラベル貼り装置15を用いて包装材料ウェブ4に対して、連続的かつ等間隔にラベル6を、包装材シート2の長さと幅の一部分にわたって延びるウェブ4部分に貼り付け、ラベル6を備えた包装材ウェブ4を接断装置16によって切断して、各引き裂き要素5を設け、喫煙用具の各パケット1周りに巻き付けられるように設計された、一連の包装材シート2を獲得し、包装材シート2を包装装置18へと供給し、包装装置18に、包装ユニット17によって包装されるべき喫煙用具パケット1を供給し、そして包装装置18を用いて各喫煙用具パケット1の周りに包装材シート2を巻き付けることからなる。複数のラベルを“定める”ウェブに関し、“定める”という用語は、本発明においては、「ウェブが、そこから取り外し可能なラベルの支持部として作用する可能性」、或いは「ウェブを粘着性がある長さ、或いは部分的に粘着性のある長さに切断することでウェブそれ自体からラベルを作る可能性」を意味するものとして使用されている。
【0050】
ラベル6が、それらを支持するウェブ7から獲得される場合、各ラベルは、ウェブ7が送り出されている間、支持部から各ラベル6を取り外すか、或いはし剥がすことが可能なラベル貼り機によって供給されることが好ましい。仮に、各ラベルが間隔なしで並んで配置されるような場合、或いはラベルがゴミを排出しないタイプである場合、それらがシートに貼り付けられる前に、取り外されたラベル又は部分的に取り外されたラベルを移動させるために、ラベル貼り装置15に別の装置が設けられるかもしれない。より具体的に言えば、ラベルを所望の方向に回転させるか、各ラベル6が包装材ウェブ4に貼り付つのを可能にする間隔をあけてそれらをセットするための中間ユニットを設けるようにしても良い。この中間ユニットは、ラベル貼り装置の一体部分であっても良く、或いはラベル貼り機の上流側に設けられるようにしても良い。
【0051】
ラベル6は、粘着テープ又は部分的粘着テープのロールから獲得されても良い。その際、テープは所定サイズの長物に切断される。粘着テープ又は部分的粘着テープからなる各切断長物は、各パッケージCの引き裂き要素5に対応するラベル6を形成する、このような場合にも又、上述したような中間ユニットを設けることも可能である。
【0052】
図2を参照して図示及び説明した切開部11は、ラベル6が貼られる前、或いは貼られた後に作るようにしても良い。好ましくは、処理時間を最小限に抑えるために、切開部1を切断装置16で作るようにしても良く、つまり切断線10’に沿ってウェブ4からシート2を分離する際に、同時に作られるようにしても良い。
【0053】
仮にラベル6が包装材シート2の外側面に貼られるならば(
図3)、ラベル6が貼られる前に切開部11’が作られる。
【0054】
図示しない実施形態では、パッケージCが完成した後、即ち、パケット1が各包装材シート2の中に完全に包まれた際にラベル6を貼り付けるようにしても良い。この場合、切開部又はスリットは、包装工程中或いはラベル貼付工程時に作られるかもしれない。
【0055】
図1aに示されたパッケージCの実施形態では、シート2は、これに接続されたラベル6がパケット1の大きな前壁Fに重畳されるように折り畳まれる。ラベル6は、その中央部分がパケット1の縦方向端縁部S1の中間部の近傍に位置し、その各端部が前壁Fそれ自体の上・下端縁部の近傍に夫々位置するように、配置される。ラベル6のプルタブ8は、ラベル6それ自体の中央部分において、パケット1の縦方向端縁部S1から側方に短く突出している。
【0056】
図1cに示したパッケージCの実施形態では、シート2は、これに接続されたラベル6がパケット1の大きな前壁Fに重畳されるように折り畳まれる。ラベル6は、その中央部分がパケット1の上部横方向端縁部S2の中間部の近傍に位置し、その各端部分がパケット1の各縦方向端縁部S1において下方に延びてパケット1それ自体の側壁Lの上に折り畳まれるように、配置される。ラベル6のプルタブ8は、ラベル6それ自体の中央部分において、パケット1の上部横方向端縁部S2から上方に短く突出している。
【0057】
図1bに示すパッケージCの実施形態では、ラベル6は実質的に二等辺三角形の形状になっており、第1の頂点は上部にあって、パケット1の上部横方向端縁部S2の位置ある。シート2は、これに接続されたラベル6がパケット1の大きな前壁Fに重畳されるように折り畳まれる。ラベル6のプルタブ8は、上述した第1の頂点からなり、ラベル6それ自体の中央部分において、パケット1の上部横方向端縁部S2から上方に短く突出している。
【0058】
図1a及び
図1bを参照して説明した実施形態では、ラベル6は、そのラベル6が貼り付けられるパッケージCの壁面Fとほぼ同じ幅を有し、ラッパー3の壁面Fだけに付着する。
【0059】
これらの場合、ラベル6は、ラベル6を引き裂く方向に対して横断する方向に沿ってラッパー3の大きな面上で実質上、端縁部から端縁部へと延びる。
【0060】
他方、
図1cの実施形態では、ラベル6は、対を成して隣接しているラッパー3の3壁面F、Lのみに付着する。図示しない本発明の更なる実施形態では、ラベル6はラッパー3の隣接する2壁面だけに付着する場合もあるだろう。
【0061】
いずれにせよ、一般的に言えば、包装材シート2の一部分に貼り付けられる各ラベル6は、同じ包装材シート2の長さと幅の一部分にわたって延びる。言い換えれば、ラベル6は、包装材シート2の全高や全幅を覆わないようなサイズとなっている。
【0062】
図5および
図6では、ラベル6は実質的に多角形の形状をしている。具体的には、ラベル6は、
図1bのように二等辺三角形の形状であり、プルタブ8は、三角形の頂点の1つからなるコーナー域と一致している。
【0063】
図示しないが更なる実施形態では、ラベルは、包装材シート2に対する平面内幾何学図形に従って具現化されるかもしれない。プルタブの反対側にある各ラベルの辺や、プルタブの反対の位置にある最大幅の突起は、包装材シート2の少なくとも一つの引き裂き側を形成する。
【0064】
ラベル6の形状は、それらの端縁部が、上述したコーナー域や接合域を除いて、その方向について急激な変化や突然の変動がないことが好ましい。
【0065】
必要に応じて、上述のラベルは、それらについての有益なメッセージ又は広告メッセージを持つ場合もあることに留意されたい。例えば、これは
図1bに示されており、そこではラベル6がグラフィック・シンボルを携えている。ラベルは又、画像やテキストを伴い任意の所望の形で着色を施したり印刷される場合もあり、ラベルが覆うところのパケット1部分のグラフィック的に再現する場合もある。或いは、ラベルを透明なものとして、パケット1の表面上に印刷されたテキストや画像が隠れないようにしても良い。
【0066】
パッケージCのラッパー3を開いて完全に取り除くためには、2本の指でラッパー3に接続されたラベル6のプルタブ8を摘み、引き裂き方向に沿ってタブ8を引っ張れば充分である。これは、プルタブ8を起点とするラベル6の延びの方向に相当する。
【0067】
以上の記述は又、高い頻度でそれらを覆う保護上のオーバーラップ材料を除去するために、タバコのパケットのカートンに適用される。
【0068】
完成したパッケージCでは、添付図面において各ラッパー3の外側に向かって突出した状態で示されたプルタブは、折り畳まれ、パケット1の一方の壁に付着するように形で作られており、弛んだプルタブ8によって、パッケージCの一群をカートンやパックに梱包する際に問題を発生しないようになっている。