【文献】
3GPP TS 23.060 V9.11.0 (2011-12),[online],2011年12月14日,p277-p278,[検索日 2015.10.15],URL,http://www.3gpp.org/ftp/Specs/archive/23_series/23.060/23060-9b0.zip
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
請求項1に記載の方法であって、前記移動管理ネットワーク要素が、前記ユーザ端末の前記特性がダイレクトトンネルを確立するための前記所定の条件を満たしていると決定するステップの前に、さらに、
前記無線アクセスネットワークと前記ゲートウェイとの間のアップリンクダイレクトトンネルを確立するための、無線アクセスベアラ割当要求を前記無線アクセスネットワークへ送信するステップであって、前記無線アクセスベアラ割当要求は、前記ゲートウェイのユーザプレーン・インターネットプロトコル(IP)アドレスと、前記ゲートウェイによって割り当てられたアップリンク・ユーザプレーン・トンネルエンドポイント識別子とを含む、ステップと、
前記無線アクセスネットワークによって送信された無線アクセスベアラ割当応答を受信するステップであって、前記無線アクセスベアラ割当応答は、前記無線アクセスネットワークと前記ゲートウェイとの間の前記アップリンクダイレクトトンネルが正常に確立されたことを確認するために使用される、ステップと、
を含む方法。
請求項1から4のいずれか1項に記載の方法であって、 前記移動管理ネットワーク要素が、前記ユーザ端末の前記特性がダイレクトトンネルを確立するための前記所定の条件を満たしていると決定するステップが、 前記移動管理ネットワーク要素が、前記ユーザ端末の接続状態とアイドル状態との間の切り替えの頻度を計数するステップと、
前記頻度が予め設定された頻度の範囲内にあることを決定するステップと、
を含む方法。
請求項1から4のいずれか1項に記載の方法であって、前記移動管理ネットワーク要素が、前記ユーザ端末の前記特性がダイレクトトンネルを確立するための前記所定の条件を満たしていると決定するステップが、
前記移動管理ネットワーク要素が、前記ユーザ端末のタイプが予め設定されたタイプの範囲内にあることを決定するステップ
を含む方法。
請求項1から4のいずれか1項に記載の方法であって、前記移動管理ネットワーク要素が、前記ユーザ端末の前記特性がダイレクトトンネルを確立するための前記所定の条件を満たしていると決定するステップが、
前記移動管理ネットワーク要素が、前記ユーザ端末のPDPコンテキストまたは前記ユーザ端末のベアラコンテキストに対応する受信したサービスの継続時間を計数し、前記継続時間が予め設定された継続時間の範囲内であると決定するステップ、または、
前記移動管理ネットワーク要素が、前記ユーザ端末のPDPコンテキストまたは前記ユーザ端末のベアラコンテキストに対応するダウンリンクデータパケットの量を計数し、前記量が予め設定された量の範囲内であると判断するステップ、または、
前記移動管理ネットワーク要素が、前記ユーザ端末のPDPコンテキストまたは前記ユーザ端末のベアラコンテキストに対応する前記ダウンリンクデータパケットのトラフィックを計数し、前記トラフィックが予め設定されたトラフィックの範囲内であると判断するステップ、または、
前記移動管理ネットワーク要素が、前記ユーザ端末のPDPコンテキストまたは前記ユーザ端末のベアラコンテキストに対応する前記ダウンリンクデータパケット間の時間間隔を計数し、前記時間間隔が予め設定された時間間隔の範囲内であると判断するステップ、
を含む方法。
請求項1から4のいずれか1項に記載の方法であって、前記移動管理ネットワーク要素が、前記ユーザ端末の前記特性がダイレクトトンネルを確立するための前記所定の条件を満たしていると決定するステップが、
前記移動管理ネットワーク要素が、前記ユーザ端末のPDPコンテキストまたは前記ユーザ端末のベアラコンテキストに対応するサービスのタイプが、予め設定されたサービスタイプであることを決定するステップ、
を含む方法。
請求項10から13のいずれか1項に記載の装置であって、前記決定部は、特に、前記ユーザ端末のPDPコンテキストまたは前記ユーザ端末のベアラコンテキストに対応するサービスのタイプが、予め設定されたサービスのタイプの範囲内にあることを決定するように構成されている、装置。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施形態における添付図面を参照して、本発明の実施形態における技術的解決策を明確かつ完全に説明する。明らかに、後述する実施形態は、本発明の実施形態の全てでなく、むしろ単なる一部である。創造的努力をすることなく本発明の実施形態に基づいて当業者によって得られる他のすべての実施形態は、本発明の保護範囲内に入るものである。
【0012】
第1実施形態
本発明の実施形態は、ダイレクトトンネルを確立するための方法を提供する。
図1に示すように、方法は以下のステップを含む。
【0013】
ステップ101:移動管理ネットワーク要素が、ユーザ端末の特性がダイレクトトンネルを確立するための所定の条件を満たしていると決定する。
【0014】
前記ユーザ端末の前記特性は、前記ユーザ端末のシグナリング特性と前記ユーザ端末のサービス属性とのうちの少なくとも1つを含み、前記ユーザ端末の前記シグナリング特性が、前記ユーザ端末の接続状態とアイドル状態との間の切り替えの頻度と前記ユーザ端末のタイプとの少なくとも1つを含み、前記ユーザ端末の前記サービス属性は、前記ユーザ端末のPDPコンテキストまたは前記ユーザ端末のベアラコンテキストに対応するサービスの継続時間、サービスのタイプ、前記ユーザ端末の前記PDPコンテキストまたは前記ユーザ端末の前記ベアラコンテキストに対応するダウンリンクデータパケットの継続時間、前記ダウンリンクデータパケットの量、前記ダウンリンクデータパケットのトラフィック、および、前記ダウンリンクデータパケット間の時間間隔の少なくとも1つを含む。
【0015】
選択的に、前記ユーザ端末の接続状態とアイドル状態との間の切り替えの頻度が計数され、移動管理ネットワーク要素が、前記頻度が予め設定された頻度の範囲内にあることを決定する、または、
移動管理ネットワーク要素が、ユーザ端末のタイプが予め設定されたタイプの範囲内であると決定する、または、
移動管理ネットワーク要素が、前記ユーザ端末のPDPコンテキストまたは前記ユーザ端末のベアラコンテキストに対応する受信したサービスの継続時間を計数する、ここで、
継続時間が予め設定された継続時間の範囲内にある、または、
移動管理ネットワーク要素が、前記ユーザ端末のPDPコンテキストまたは前記ユーザ端末のベアラコンテキストに対応する前記ダウンリンクデータパケットの量を計数する、ここで、量が予め設定された量の範囲内にある、または、
移動管理ネットワーク要素が、前記ユーザ端末のPDPコンテキストまたは前記ユーザ端末のベアラコンテキストに対応する前記ダウンリンクデータパケットの前記トラフィックを計数する、ここで、トラフィックが予め設定されたトラフィックの範囲内にある、または、
移動管理ネットワーク要素が、前記ユーザ端末のPDPコンテキストまたは前記ユーザ端末のベアラコンテキストに対応する前記ダウンリンクデータパケットの前記時間間隔を計数する、ここで、時間間隔が予め設定された時間間隔の範囲内にある、または、
移動管理ネットワーク要素が、前記ユーザ端末のPDPコンテキストまたは前記ユーザ端末のベアラコンテキストに対応するサービスのタイプが予め設定されたサービスのタイプであると決定する。
【0016】
ステップ102:要求メッセージがゲートウェイへ送信される。ここで、要求メッセージは、無線アクセスネットワークとゲートウェイとの間のダウンリンクダイレクトトンネルを確立するために使用される。
【0017】
選択的に、ダイレクトトンネルを確立するための所定の条件が、移動管理ネットワーク要素上に構成されている;または、ダイレクトトンネルを確立するための所定の条件は、オペレーションおよびメンテナンスネットワーク要素またはパラメータ配信ネットワーク要素上に構成されており、移動管理ネットワーク要素に配信される。パラメータ配信ネットワーク要素は、ポリシーおよび課金ルール機能ネットワーク要素、またはデータゲートウェイなどのネットワーク要素であってもよい。
【0018】
ゲートウェイは、データゲートウェイであってもよいし、サービングゲートウェイであてもよい。
【0019】
ステップ103:ゲートウェイによって送信された応答メッセージを受信する。ここで、応答メッセージは、無線アクセスネットワークとゲートウェイとの間のダウンリンクダイレクトトンネルが正常に確立されたことを確認するために使用される。
【0020】
ゲートウェイは、受信した要求メッセージ内に搬送された、RNCのユーザプレーンIPアドレスと、RNCによって割り当てられたダウンリンクユーザプレーントンネルエンドポイント識別子に従ってダイレクトトンネルを確立し、その後、ユーザ端末のPDPコンテキストまたはユーザ端末のベアラコンテキストに対応するダウンリンクサービスデータパケットが、データゲートウェイまたはサービングゲートウェイを使用して確立されたダイレクトトンネルを介して無線アクセスネットワークに送信されることができるように、移動管理ネットワーク要素に応答メッセージを送信する。
【0021】
本発明の実施形態によって提供されるダイレクトトンネルを確立するための方法において、ユーザ端末の特性がダイレクトトンネルを確立するための所定の条件を満たしていると決定される、無線アクセスネットワークとゲートウェイとの間のダウンリンクダイレクトトンネルを確立するために、要求メッセージがゲートウェイに送信される;ゲートウェイによって送信された応答メッセージが受信される、ここで応答メッセージは、無線アクセスネットワークとゲートウェイとの間のダウンリンクダイレクトトンネルが正常に確立されたことを確認するために使用される。本発明の実施形態では、ユーザ端末の特性に従って、接続状態とアイドル状態との間で頻繁に切り替えるユーザ端末のために確立されたダウンリンクダイレクトトンネルが低減される。従って、GGSNまたはSGWにおいて処理が必要なシグナリングメッセージの数を低減することができ、GGSNまたはSGWにおけるシグナリング負荷を低減することができ、同時に、いくつかのサービスの遅延要件を保証することができる。
【0022】
本発明の実施形態は、ダイレクトトンネルを確立するための装置を提供する。ここで、装置が移動管理ネットワーク要素であってもよい。
図2に示すように、装置は、決定部201、送信部202、および、受信部203を含む。
【0023】
決定部201は、ユーザ端末の特性がダイレクトトンネルを確立するための所定の条件を満たしていると決定するように構成されている。
【0024】
ユーザ端末の特性は、ユーザ端末のシグナリング特性とユーザ端末のサービス属性とのうちの少なくとも1つを含み、ユーザ端末のシグナリング特性が、ユーザ端末の接続状態とアイドル状態との間の切り替えの頻度とユーザ端末のタイプとの少なくとも1つを含み、ユーザ端末のサービス属性が、ユーザ端末のPDPコンテキストまたはユーザ端末のベアラコンテキストに対応するサービスの継続時間、サービスのタイプ、ユーザ端末のPDPコンテキストまたはユーザ端末のベアラコンテキストに対応するダウンリンクデータパケットの継続時間、ダウンリンクデータパケットの量、ダウンリンクデータパケットのトラフィック、および、ダウンリンクデータパケット間の時間間隔の少なくとも1つを含む。
【0025】
さらに、決定部において、第1計数部が、ユーザ端末の接続状態とアイドル状態との間の切り替えの頻度を計数するように構成され、第1決定部が、頻度が予め設定された頻度の範囲内にあることを決定するように構成されている。
【0026】
さらに、決定部は、特に、ユーザ端末のタイプが予め設定されたタイプの範囲内であると決定するように構成されている。
【0027】
さらに、決定部において、第2計数部が、ユーザ端末のPDPコンテキストまたはユーザ端末のベアラコンテキストに対応する受信したサービスの継続時間を計数するように構成され、第2決定部が、継続時間が予め設定された継続時間の範囲内にあることを決定するように構成されている、または、
第2計数部が、ユーザ端末のPDPコンテキストまたはユーザ端末のベアラコンテキストに対応するダウンリンクデータパケットの量を計数するように構成され、第2決定部が、量が予め設定された量の範囲内にあることを決定するように構成されている、または、
第2計数部が、ユーザ端末のPDPコンテキストまたはユーザ端末のベアラコンテキストに対応するダウンリンクデータパケットのトラフィックを計数するように構成され、第2決定部が、トラフィックが予め設定されたトラフィックの範囲内にあることを決定するように構成されている、または、
第2計数部が、ユーザ端末のPDPコンテキストまたはユーザ端末のベアラコンテキストに対応するダウンリンクデータパケットの時間間隔を計数するように構成され、第2決定部が、時間間隔が予め設定された時間間隔の範囲内にあることを決定するように構成されている。
【0028】
さらに決定部は、特に、ユーザ端末のPDPコンテキストまたはユーザ端末のベアラコンテキストに対応するサービスのタイプが予め設定されたサービスのタイプであることを決定するように構成されている。
【0029】
決定部の機能は、第1計数部と第1決定部とによって完了されてもよいし、第2計数部と第2決定部とによって完了されてもよいことに留意すべきである。
【0030】
送信部202は、要求メッセージをゲートウェイに送信するように構成されている。ここで、要求メッセージは、無線アクセスネットワークとゲートウェイとの間のダウンリンクダイレクトトンネルを確立するために使用される。
【0031】
選択的に、ダイレクトトンネルを確立するための所定の条件が、移動管理ネットワーク要素上に構成されている、または、ダイレクトトンネルを確立するための所定の条件は、オペレーションおよびメンテナンスネットワーク要素またはパラメータ配信ネットワーク要素上に構成されており、移動管理ネットワーク要素に配信される。
【0032】
受信部203は、ゲートウェイによって送信された応答メッセージを受信するように構成されている。ここで応答メッセージは、無線アクセスネットワークとゲートウェイとの間のダウンリンクダイレクトトンネルが正常に確立されたことを確認するために使用される。
【0033】
本発明の実施形態により提供されるダイレクトトンネルを確立するための装置では、決定部が、ユーザ端末の特性がダイレクトトンネルを確立するための所定の条件を満たしていると決定し;送信部が、要求メッセージをゲートウェイに送信し、ここで要求メッセージは、無線アクセスネットワークとゲートウェイとの間のダウンリンクダイレクトトンネルを確立するために使用され;受信部が、ゲートウェイによって送信された応答メッセージを受信し、ここで応答メッセージは、無線アクセスネットワークとゲートウェイとの間のダウンリンクダイレクトトンネルが正常に確立されたことを確認するために使用される。本発明の実施形態では、ユーザ端末の特性に従って、接続状態とアイドル状態との間で頻繁に切り替えるユーザ端末のために確立されたダウンリンクダイレクトトンネルが低減される。従って、GGSNまたはSGWにおいて処理が必要なシグナリングメッセージの数を低減することができ、GGSNまたはSGWにおけるシグナリング負荷を低減することができ、同時に、いくつかのサービスの遅延要件を保証することができる。
【0034】
実施形態2
本発明の実施形態は、ダイレクトトンネルを確立するための方法を提供し、この方法の適用シナリオは以下である。GPRSネットワークまたはEPSネットワークにおいて、サービス要求プロセスを開始するためにユーザ端末をトリガするように、アイドル状態のユーザ端末のためのページングプロセスを移動管理ネットワーク要素が開始するときに、または、ユーザ端末が能動的にサービス要求プロセスを開始するときに、ダイレクトトンネルが確立される。
【0035】
GPRSネットワークでは、無線アクセスネットワークはUTRAN(Universal Terrestrial Radio Access Network)の3GPP(3rd Generation Partnership Project)アクセスを使用しているRNS(Radio Network Subsystem)であり、移動管理ネットワーク要素はSGSNであり、データゲートウェイはGGSNである。
【0036】
図3に示すように、この方法は以下のステップを含む。
【0037】
ステップ301:移動管理ネットワーク要素が、データゲートウェイによって送信されたダウンリンクユーザプレーンデータパケットを受信し、ユーザプレーンデータパケットに対応するユーザ端末の状態を取得する。
【0038】
移動管理ネットワーク要素は、受信されたダウンリンクユーザプレーンデータパケットに対応するユーザコンテキストを使用してユーザ端末の状態を取得する。ユーザコンテキストがダウンリンクのユーザプレーン情報を含んでいない場合、ユーザ端末がアイドル状態にあることを示し;ユーザコンテキストがダウンリンクのユーザプレーン情報を含む場合、ユーザ端末が接続状態にあることを示す。ダウンリンクのユーザプレーン情報は、ユーザプレーンIPアドレスとRNCによって割り当てられたPDPコンテキストのトンネルエンドポイント識別子である。
【0039】
ステップ302:ユーザ端末がアイドル状態の場合、移動管理ネットワーク要素が、ユーザ端末のためのページングプロセスを開始し、ユーザ端末にページングメッセージを送信する。
【0040】
なお、ユーザ端末がユーザプレーンデータパケットを送信する必要があるとき、ユーザ端末が能動的にサービス要求プロセスを開始することもできることに留意されたい。この場合、ステップ301およびステップ302は実行されず、すなわち、ページングプロセスが開始されず、無線アクセスネットワークとの接続を確立し、それ以降の処理が直接実行される。
【0041】
ステップ303:ページングメッセージを検出した後、ユーザ端末は、無線アクセスネットワークとの接続を確立する。
【0042】
ユーザ端末がページングメッセージを検出した後、ユーザ端末は、無線リソース接続確立プロセスを使用して、ネットワークとのシグナリング接続を復元する。
【0043】
ステップ304:ユーザ端末が、移動管理ネットワーク要素にサービス要求メッセージを送信する。
【0044】
無線アクセスネットワークとの接続を確立した後、ユーザ端末は、移動管理ネットワーク要素がユーザ端末のベアラを確立するように、移動管理ネットワーク要素にサービス要求メッセージを送信する。ここでサービス要求メッセージは、ユーザ端末のユーザ識別子を搬送する。
【0045】
選択的に、移動管理ネットワーク要素は、制御プレーン上でシグナリングメッセージを暗号化するように、セキュリティ機能、ユーザ端末における完全な認証、および、HLR(Home Location Register)のセキュリティベクトルを得ることを実行してもよい。HLRは、ホームユーザの加入情報を管理することと維持する。
【0046】
ステップ305:移動管理ネットワーク要素は、無線アクセスネットワークとデータゲートウェイとの間のアップリンクダイレクトトンネルを確立するために、無線アクセスベアラ割当要求を無線アクセスネットワークへ送信する。ここで無線アクセスベアラ割当要求は、データゲートウェイのユーザプレーンIPアドレスおよびデータゲートウェイによって割り当てられたPDPコンテキストのアップリンクユーザプレーントンネルエンドポイント識別子を含む。
【0047】
なお、移動管理ネットワーク要素が、ダウンリンクデータパケットに対応するPDPコンテキストのためのダイレクトトンネルを確立することを決定したとき、無線アクセスネットワークに送信された無線アクセスベアラ割当要求は、データゲートウェイのユーザプレーンIPアドレスとデータゲートウェイによって割り当てられたPDPコンテキストのアップリンクユーザプレーントンネルエンドポイント識別子とを搬送することに留意すべきである。このように、ユーザ端末のPDPコンテキストに対応するアップリンクデータパケットが、無線アクセスネットワークを介し、ダイレクトトンネルを通ってデータゲートウェイへ送信される。ダウンリンクデータパケットは、データゲートウェイを使用することによって、インダイレクトトンネルを介して移動管理ネットワーク要素に送信され、無線アクセスネットワークに転送される。
【0048】
インダイレクトトンネルは、2つのセクションのトンネルモードと呼ぶことができる。例えば、GPRSネットワークにおいて、同一のPDPコンテキストに対応するトンネルは2つのセクションを有しており、ユーザプレーントンネルがGGSNとSGSNとの間に確立され、ユーザプレーントンネルがSGSNとRNCとの間に確立される。ダイレクトトンネルはまた1つのセクションのトンネルモードと呼ぶことができる。例えば、GPRSネットワークにおいて、同一のPDPコンテキストに対応するトンネルは1つのセクションを有しており、ユーザプレーントンネルがRNCとGGSNによって直接確立される。ダイレクトトンネルモードは、ユーザプレーンデータパケットの転送効率を向上させ、サービス遅延を低減し、ユーザ端末のサービスエクスペリエンスを向上させることができる。
従来技術において、移動管理ネットワーク要素が、ユーザ端末のPDPコンテキストのためのダイレクトトンネルを確立することを決定した場合、アップリンクとダウンリンクとの両方が、ダイレクトトンネルを使用する。
【0049】
PDPコンテキストのアップリンクユーザプレーントンネルエンドポイント識別子は、データゲートウェイによって無線アクセスネットワークに割り当てられる。選択的に、ユーザ端末が接続状態からアイドル状態へ変更するとき、移動管理ネットワーク要素は、PDPアクティブ化プロセスのシグナリングメッセージまたはPDPコンテキスト更新などの処理を使用して、以前にデータゲートウェイによって送信されたPDPコンテキストのアップリンクユーザプレーントンネルエンドポイント識別子を格納する。
【0050】
ステップ306:無線アクセスネットワークは、移動管理ネットワーク要素に無線アクセスベアラ割当応答メッセージを返す。無線アクセスベアラ割当応答は、無線アクセスネットワークとゲートウェイとの間のアップリンクダイレクトトンネルが正常に確立されたことを確認するために使用される。
【0051】
移動管理ネットワーク要素によって送信された無線アクセスベアラ割当要求を受信した後、無線アクセスネットワークはユーザ端末に対して無線ベアラ確立要求を送信し、ユーザ端末は無線アクセスネットワーク確立完了メッセージを無線ベアラへ返す;無線ベアラ確立完了メッセージを受信した後、無線アクセスネットワークは、移動管理ネットワーク要素に無線アクセスベアラ割当応答メッセージを送信する。
【0052】
なお、無線アクセスベアラ割当応答メッセージは、無線ネットワークコントローラRNCのユーザプレーンIPアドレスとRNCによって割り当てられたダウンリンクユーザプレーントンネルエンドポイント識別子とを含むことに留意すべきである。RNCのユーザプレーンIPアドレスとRNCによって割り当てられたダウンリンクユーザプレーントンネルエンドポイント識別子とは、無線アクセスネットワークとデータゲートウェイとの間のダウンリンクダイレクトトンネルを確立するように、無線アクセスベアラ割当応答メッセージで搬送される。
【0053】
RNSは無線ネットワークサブシステムであり、すべてのセルのリソースを制御する。各RNSは、1つのRNC(Radio Network Controller)および1つまたは複数のノードBを含む。RNCは、RNSの制御部であり、各種インターフェースの管理し、無線リソース及び無線パラメータを管理する。RNCの主な機能は、システム情報ブロードキャストとアクセス制御機能、ハンドオーバおよびRNC移行などのモビリティ管理機能、およびマクロダイバーシチ合成、電力制御、無全ベアラ割当などのリソース管理機能を含む。ノードBはRNCによって制御され、特定のセルの無線送受信装置を提供し、RNCと無線チャネルとの間の切り替え完了し、ノードBと移動局との間のエアインターフェースを介して無線送信および関連する制御機能を実現する。
【0054】
ステップ307:移動管理ネットワーク要素は、ユーザ端末の特性がダイレクトトンネルを確立するための所定の条件を満たしているか否かを判定する。
【0055】
移動管理ネットワーク要素が、ユーザ端末の特性がダイレクトトンネルを確立するための所定の条件を満たしていないと判断した場合、処理する必要があるシグナリングメッセージの数を減らし、データゲートウェイのシグナリング負荷を低減するように、ユーザ端末のための無線アクセスネットワークとデータゲートウェイとの間のダウンリンクダイレクトトンネルは確立されない;移動管理ネットワーク要素が、ユーザ端末の特性がダイレクトトンネルを確立するための所定の条件を満たしていると判断した場合、ステップ308が実行される。
【0056】
ステップ308:ユーザ端末の特性がダイレクトトンネルを確立するための所定の条件を満たしていると判定した場合、移動管理ネットワーク要素は、パケットデータプロトコルPDPコンテキスト更新要求メッセージをデータゲートウェイに送信する。PDPコンテキスト更新要求メッセージは、RNCのユーザプレーンIPアドレスとRNCによって割り当てられたダウンリンクユーザプレーントンネルエンドポイント識別子とを含み、PDPコンテキスト更新要求メッセージは、無線アクセスネットワークとデータゲートウェイとの間のダウンリンクダイレクトトンネルを確立するために使用される。
【0057】
選択的に、ダイレクトトンネルを確立するための所定の条件が、移動管理ネットワーク要素上に構成されている;または、ダイレクトトンネルを確立するための所定の条件は、オペレーションおよびメンテナンスネットワーク要素またはパラメータ配信ネットワーク要素上に構成されており、移動性管理ネットワーク要素に配信される。パラメータ配信ネットワーク要素は、ポリシーおよび課金ルールネットワーク要素とデータゲートウェイのようなネットワーク要素であってもよい。
【0058】
選択的に、ユーザ端末のPDPコンテキストのためのダウンリンクダイレクトトンネルを確立するために、移動管理ネットワーク要素は、ユーザ端末の特性に従って、決定する。ユーザ端末の特性は、ユーザ端末のシグナリング特性とユーザ端末のサービス属性とのうちの少なくとも1つを含む。ユーザ端末のシグナリング特性は、ユーザ端末の接続状態とアイドル状態との間の切り替えの頻度と、ユーザ端末のタイプとの少なくとも一つを含み、ユーザ端末のサービス属性は、ユーザ端末のPDPコンテキストのサービスの継続時間、サービスのタイプ、ユーザ端末のPDPコンテキストに対応するダウンリンクデータパケットの継続時間、ダウンリンクデータパケットの量、ダウンリンクデータパケットのトラフィック、および、ダウンリンクデータパケット間の時間間隔の少なくとも1つを含む。
【0059】
たとえば、ダイレクトトンネルを確立するための所定の条件が予め設定された状態の切り替えの頻度の閾値範囲である場合、移動管理ネットワーク要素は、ユーザ端末の接続状態とアイドル状態との間の切り替えの頻度を計数し、計数した状態の切り替えの頻度が状態の切り替えの頻度の閾値範囲であると判断されたとき、パケットデータプロトコルPDPコンテキスト更新要求メッセージをゲートウェイへ送信し、無線アクセスネットワークとゲートウェイとの間のダウンリンクダイレクトトンネルを確立する;
選択的に、移動管理ネットワーク要素は、Iuインターフェース解放プロセスとサービス要求プロセスとの発生頻度を計数することにより、ユーザ端末の接続状態とアイドル状態との間の切り替えの頻度を計数してもよい。Iuインターフェースは、RNCとSGSNとの間の接続インターフェースである。Iuインターフェース解放プロセスが実行されるとき、ユーザ端末はアイドル状態に変化し;サービス要求プロセスが実行されるとき、ユーザ端末は接続状態に変化する。頻度が予め設定された頻度の閾値範囲を満足する場合、例えば、ユーザ端末が5分間に2回未満の状態の切り替えを実行し、ユーザ端末が3時間以内に5回以上の状態の切り替え実行する場合、移動管理ネットワークの要素は、無線アクセスネットワークとデータゲートウェイとの間のダウンリンクダイレクトトンネルを確立する。
【0060】
たとえば、ダイレクトトンネルを確立するための所定の条件がユーザ端末の予め定められたタイプである場合、移動管理ネットワーク要素は、ユーザ端末のタイプが予め設定されたタイプの範囲内にあることを決定し、PDPコンテキスト更新要求メッセージをゲートウェイへ送信し、無線アクセスネットワークとゲートウェイとの間のダウンリンクダイレクトトンネルを確立する;
選択的に、移動管理ネットワーク要素は、別のネットワーク要素によって送信された、受信したシグナリングメッセージに含まれる情報を用いて、ユーザ端末のタイプを得てもよい。例えば、ユーザ端末のタイプは、国際移動装置識別(International Mobile Equipment Identity, IMEI)、または、無線アクセスネットワーク、データゲートウェイまたはサービングゲートウェイなどのネットワーク要素によって送信され、受信したシグナリングメッセージに含まれるユーザ端末タイプ識別子などの情報を使用することによって得られる。たとえば、ユーザ端末の予め定められたタイプがフィーチャーフォンである場合、移動管理ネットワーク要素は、ユーザ端末のタイプが特徴のフィーチャーフォンの場合、無線アクセスネットワークとデータゲートウェイとの間のダウンリンクダイレクトトンネルを確立する;移動管理ネットワーク要素は、ユーザ端末のタイプがスマートフォンである場合、無線アクセスネットワークとデータゲートウェイまたはサービングゲートウェイとの間のダウンリンクダイレクトトンネルを確立しない。スマートフォンは、ファストドーマンシー、プラットフォームおよびサービスのハートビート、およびプッシュ機構などの機能を持っており、これらすべての機能は、スマートフォンを頻繁に接続状態とアイドル状態との間で切り替えさせる。移動管理ネットワーク要素が無線アクセスネットワークとデータゲートウェイまたはサービングゲートウェイとの間のダウンリンクダイレクトトンネルを確立しないことは、データゲートウェイまたはサービングゲートウェイで処理する必要があるシグナリングメッセージを減らすことができる。
【0061】
たとえば、ダイレクトトンネルを確立するための予め設定された条件が、サービスの予め定められた継続時間の閾値であるとき、移動管理ネットワーク要素は、ユーザ端末のPDPコンテキストに対応する受信されたサービスの継続時間を計数する。ここで、継続時間は、予め定められた期間の範囲内である。例えば、サービスの継続時間が3秒よりも大きい、またはサービスの継続時間が2秒よりも大きい場合、移動管理ネットワーク要素は、無線アクセスネットワークとデータゲートウェイとの間のダウンリンクダイレクトトンネルを確立する。サービスが継続するとき、ユーザ端末は、常に接続状態にある。サービスの期間が長くなるほど、ダイレクトトンネルを確立することを容易にし、ダイレクトトンネルを確立することは、サービスが継続している場合、関連するユーザプレーンの転送のための転送パスホップの数を低減することができ、転送遅延を低減することができる。
【0062】
例えば、ダイレクトトンネルを確立するための所定の条件が予め設定されたサービスのタイプの場合、移動管理ネットワーク要素は、ユーザ端末のPDPコンテキストに対応するサービスのタイプが予め設定されたサービスのタイプであると決定し、PDPコンテキスト更新要求メッセージをデータゲートウェイへ送信し、無線アクセスネットワークとデータゲートウェイとの間のダウンリンクダイレクトトンネルを確立する。
【0063】
選択的に、移動管理ネットワーク要素は、ディープパケット解析手段によってダウンリンクデータパケットに対応するサービスタイプを取得してもよいし、差別化サービスコードポイントまたはダウンリンクデータパケットのIPヘッダのフローラベルを用いて、または、GTPヘッダの拡張ヘッダを用いて、ダウンリンクデータパケットのサービスタイプを取得してもよいし、データゲートウェイまたはサービングゲートウェイによって送信されたシグナリングメッセージを用いて、ダウンリンクデータパケットのサービスタイプを取得してもよい。たとえば、予め設定されたサービスタイプが音声サービスまたはビデオサービスであるとき、ダウンリンクデータパケットのサービスタイプが音声である、または、ダウンリンクデータパケットのサービスタイプがビデオサービスある場合、移動管理ネットワーク要素は、無線アクセスネットワークとデータゲートウェイとの間のダウンリンクダイレクトトンネルを確立する。ダウンリンクデータパケットのサービスタイプがインスタントメッセージングサービスである場合、移動管理ネットワーク要素は、無線アクセスネットワークとデータゲートウェイとの間のダウンリンクダイレクトトンネルを確立しない。異なるサービスには遅延の異なる要件がある場合があり、一部のサービスはより長い遅延を許容することができるのに対して、一部のサービスは遅延に敏感である。高い遅延要件を有するサービスのためのダイレクトトンネルを確立することは、ダイレクトトンネルの利点を発揮し、サービス遅延を低減することができる。
【0064】
例えば、ダイレクトトンネルを確立するための所定の条件が、ダウンリンクデータパケットの予め設定された継続時間の閾値である場合移動管理ネットワーク要素は、現在のPDPコンテキストに対応するダウンリンクデータパケットの継続時間を計数する。例えば、ダウンリンクデータパケットの継続時間が1秒よりも大きいとき、またはダウンリンクデータパケットの継続時間が700ミリ秒以上のとき、移動管理ネットワーク要素は、無線アクセスネットワークとデータゲートウェイとの間のダウンリンクダイレクトトンネルを確立する。ダウンリンクデータパケットの期間が長くなるほど、ダイレクトトンネルを確立することを容易にし、ダイレクトトンネルを確立することは、PDPコンテキストに対応するダウンリンクデータパケットのユーザプレーンの転送のための転送パスホップの数を低減することができ、転送遅延を低減することができる。
【0065】
たとえば、ダイレクトトンネルを確立するための所定の条件が予め設定されたダウンリンクデータパケットの量である場合、移動管理ネットワーク要素は、ユーザ端末のPDPコンテキストに対応するダウンリンクデータパケットの量を計数する。ここで、量は予め定められた量範囲にある。例えば、ダウンリンクデータパケットの量が10以上である場合、移動管理ネットワーク要素は、無線アクセスネットワークとデータゲートウェイとの間のダウンリンクダイレクトトンネルを確立する。ダウンリンクデータパケットの期間が長くなるほど、ダイレクトトンネルを確立することを容易にし、ダイレクトトンネルを確立することは、ダウンリンクデータパケットの後続のユーザプレーンの転送のための転送パスホップの数を低減することができ、転送遅延を低減することができる。
【0066】
例えば、ダイレクトトンネルを確立するための所定の条件が、ダウンリンクデータパケットの予め設定されたトラフィックである場合、移動管理ネットワーク要素は、ユーザ端末のPDPコンテキストに対応するダウンリンクデータパケットのトラフィックを計数する。ここで、トラフィックは予め定められたトラフィックの範囲内にある。例えば、ダウンリンクデータパケットのトラフィックが1Mより大きい、またはダウンリンクデータパケットのトラフィックが300K以上である場合、移動管理ネットワーク要素は、無線アクセスネットワークとデータゲートウェイとの間のダウンリンクダイレクトトンネルを確立する。
ダウンリンクデータパケットのトラフィックが大きくなるほど、ダイレクトトンネルを確立することを容易にし、ダイレクトトンネルを確立することは、PDPコンテキストに対応するダウンリンクデータパケットのユーザプレーンの転送のための転送パスホップの数を低減することができ、転送遅延を低減することができる。
【0067】
例えば、ダイレクトトンネルを確立するための所定の条件が、ダウンリンクデータパケット間の時間間隔である場合、移動管理ネットワーク要素は、PDPコンテキストに対応するダウンリンクデータパケット間の時間間隔を計数する。ここで、時間間隔は予め設定された時間間隔の範囲内である。たとえば、データパケット間の時間間隔が2秒よりも大きくない、またはデータパケット間の時間間隔が3秒未満である場合、移動管理ネットワーク要素は、無線アクセスネットワークとデータゲートウェイとの間のダウンリンクダイレクトトンネルを確立する。ダウンリンクデータパケット間のより長い時間間隔は、接続状態とアイドル状態との間の移動管理ネットワーク要素の切り替えの高い可能性につながり、ダイレクトトンネルの不適切な確立につながる。
【0068】
なお、本発明のステップ308で説明した、データゲートウェイに要求メッセージを送信するための条件は、ユーザ端末機能の1つ、任意の2つの組み合わせ、または、2つ以上の任意の組み合わせがダイレクトトンネルを確立するための所定の条件を満たしたとき、要求メッセージをデータゲートウェイに送信してもよいことに留意すべきである。選択的に、ダイレクトトンネルを確立するための所定の条件は、特定のアプリケーションシナリオに従って設定されてもよい。
【0069】
ステップ309:データゲートウェイは、PDPコンテキスト更新応答メッセージを移動管理ネットワーク要素へ返す。PDPコンテキスト更新応答メッセージは、NCのユーザプレーンIPアドレスとRNCによって割り当てられたダウンリンクユーザプレーントンネルエンドポイント識別子とに従って、ダイレクトトンネルが正常に確立されたことを確認するために用いられる。
【0070】
データゲートウェイは、RNCのユーザプレーンIPアドレスとRNCによって割り当てられたダウンリンクユーザプレーントンネルエンドポイント識別子とに従って、ゲートウェイと無線アクセスネットワークとの間のダイレクトトンネルを確立し、ユーザ端末のPDPコンテキストに対応するダウンリンクサービスデータパケットが、データゲートウェイを使用してダイレクトトンネルを介して無線アクセスネットワークに送信される。
【0071】
ステップ310:移動管理ネットワーク要素が、データゲートウェイによって送信されたPDPコンテキスト更新応答メッセージを受信する。
【0072】
本発明の実施形態によって提供されるダイレクトトンネルを確立するための方法において、ユーザ端末の特性がダイレクトトンネルを確立するための所定の条件を満たしていると決定される。要求メッセージが、データゲートウェイに送信される。要求メッセージは、無線アクセスネットワークとゲートウェイとの間のダウンリンクダイレクトトンネルを確立するために用いられる。データゲートウェイによって送信された応答メッセージが受信される。応答メッセージは、無線アクセスネットワークとデータゲートウェイとの間のダウンリンクダイレクトトンネルが正常に確立されたことを確認するために使用される。本発明の実施形態では、ユーザ端末の特性に従って、接続状態とアイドル状態との間で頻繁に切り替えるユーザ端末のために確立されたダウンリンクダイレクトトンネルが低減される。従って、GGSNまたはSGWにおいて処理が必要なシグナリングメッセージの数を低減することができ、GGSNまたはSGWにおけるシグナリング負荷を低減することができ、同時に、いくつかのサービスの遅延要件を保証することができる。
【0073】
本発明の実施形態は、ダイレクトトンネルを確立するための別の方法を提供し、方法の適用シナリオは以下である。EPSネットワークでは、ダイレクトトンネルは、移動管理ネットワーク要素がアイドル状態のユーザ端末のためのサービス要求プロセスを開始するとき、または、ユーザ端末が能動的にサービス要求プロセスを開始するときに、確立される。EPSネットワークでは、アクセスネットワークは、UTRANの3GPPアクセスを使用するRNSであってもよいし、移動管理ネットワーク要素はSGSNであってもよいし、サービングゲートウェイはSGWであってもよいし、データゲートウェイはPGW(Packet Data Network Gateway)であってもよい。
【0074】
図4に示すように、方法は以下のステップを含む。
【0075】
ステップ401:移動管理ネットワーク要素は、サービングゲートウェイによって送信されたダウンリンクユーザプレーンデータパケットを受信し、ユーザプレーンデータパケットに対応するユーザ端末の状態を取得する。
【0076】
移動管理ネットワーク要素は、受信したダウンリンクユーザプレーンデータパケットに対応するユーザコンテキストを使用してユーザ端末の状態を取得する。ユーザコンテキストがダウンリンクのユーザプレーン情報を含んでいない場合、ユーザ端末がアイドル状態にあることを示し;ユーザコンテキストがダウンリンクのユーザプレーン情報を含む場合、ユーザ端末が接続状態にあることを示す。ダウンリンクのユーザプレーン情報は、ユーザプレーンIPアドレスとRNCによって割り当てられたPDPコンテキスト/ベアラコンテキストのトンネルエンドポイント識別子とである。
【0077】
ステップ402:ユーザ端末がアイドル状態にあるとき、移動管理ネットワーク要素は、ユーザ端末のためのページングプロセスを開始し、ユーザ端末にページングメッセージを送信する。
【0078】
なお、ユーザ端末がユーザプレーンデータパケットを送信する必要があるとき、ユーザ端末が能動的にサービス要求の処理を開始することもできることに留意されたい。この場合、ステップ401およびステップ402は実行されず、すなわち、ページングプロセスが開始されず、無線アクセスネットワークとの接続の確立と、以降の処理とが直接実行される。
【0079】
ステップ403:ページングメッセージを検出した後、ユーザ端末は、無線アクセスネットワークとの接続を確立する。
【0080】
ステップ404:ユーザ端末が、移動管理ネットワーク要素にサービス要求メッセージを送信する。
【0081】
無線アクセスネットワークとの接続を確立した後、ユーザ端末は、移動管理ネットワーク要素がユーザ端末のベアラを確立するように、サービス要求メッセージを移動管理ネットワーク要素に送信する。サービス要求メッセージは、ユーザ端末のユーザ識別子を搬送する。
【0082】
選択的に、移動管理ネットワーク要素は、制御プレーン上でシグナリングメッセージを暗号化するように、セキュリティ機能、ユーザ端末における完全な認証、および、HSS(Home Subscriber Server)のセキュリティベクトルを得ることを実行してもよい。HSSは、ホームユーザの加入情報を管理することと維持する。
【0083】
ステップ405:移動管理ネットワーク要素は、無線アクセスネットワークとサービングゲートウェイとの間のアップリンクダイレクトトンネルを確立するために無線アクセスベアラ割当要求を無線アクセスネットワークへ送信する。無線アクセスベアラ割当要求は、サービングゲートウェイのユーザプレーンIPアドレスとサービングゲートウェイによって割り当てられたベアラのアップリンクユーザプレーントンネルエンドポイント識別子とを含む。
【0084】
なお、移動管理ネットワーク要素が、ダウンリンクデータパケットに対応するベアラのためのダイレクトトンネルを確立することを決定した場合、無線アクセスネットワークに送信された無線アクセスベアラ割当要求が、サービングゲートウェイのユーザプレーンIPアドレスとサービングゲートウェイによって割り当てられたベアラのアップリンクユーザプレーントンネルエンドポイント識別子とを搬送することに留意すべきである。このように、ユーザ端末のベアラコンテキストに対応するアップリンクデータパケットは、無線アクセスネットワークを利用してダイレクトトンネルを介してサービングゲートウェイに送信される。ダウンリンクデータパケットは、サービングゲートウェイを使用することによって、インダイレクトトンネルを介して移動管理ネットワーク要素に送信され、その後、無線アクセスネットワークに転送される。
【0085】
ステップ406:無線アクセスネットワークは、無線アクセスベアラ割当応答メッセージを、移動管理ネットワーク要素に返す。無線アクセスベアラ割当応答は、無線アクセスネットワークとサービングゲートウェイとの間のアップリンクダイレクトトンネルが正常に確立されていることを確認するために使用される。
【0086】
なお、無線アクセスベアラ割当応答メッセージは、無線ネットワークコントローラRNCのユーザプレーンIPアドレスとRNCによって割り当てられたダウンリンクユーザプレーントンネルエンドポイント識別子とを含み;RNCのユーザプレーンIPアドレスとRNCによって割り当てられたダウンリンクユーザプレーントンネルエンドポイント識別子とは、無線アクセスネットワークとサービングゲートウェイとの間のダウンリンクダイレクトトンネルを確立するように、無線アクセスベアラ割当応答メッセージ内に搬送される、ことに留意すべきである。
【0087】
ステップ407:移動管理ネットワーク要素が、ユーザ端末の特性がダイレクトトンネルを確立するための所定の条件を満たしているか否かを判定する。
【0088】
移動管理ネットワーク要素が、ユーザ端末の特性がダイレクトトンネルを確立するための所定の条件を満たしていないと判定した場合、処理が必要なシグナリングメッセージの数を低減し、サービングゲートウェイのシグナリング負荷を低減するように、無線アクセスネットワークとサービングゲートウェイとの間のダウンリンクダイレクトトンネルがユーザ端末のために確立されない。移動管理ネットワーク要素が、ユーザ端末の特性がダイレクトトンネルを確立するための所定の条件を満たしていると判定した場合、ステップ408が実行される。
【0089】
ステップ408:ユーザ端末の特性がダイレクトトンネルを確立するための所定の条件を満たしていると判定した場合、移動管理ネットワーク要素は、ベアラ変更要求メッセージをサービングゲートウェイに送信する。ベアラ変更要求メッセージは、RNCのユーザプレーンIPアドレスとRNCによって割り当てられたダウンリンクユーザプレーントンネルエンドポイント識別子とを含み、ベアラ変更要求メッセージは、無線アクセスネットワークとサービングゲートウェイとの間のダウンリンクダイレクトトンネルを確立するために使用される。
【0090】
選択的に、ダイレクトトンネルを確立するための所定の条件が、移動管理ネットワーク要素上に構成されている、または、ダイレクトトンネルを確立するための所定の条件は、オペレーションおよびメンテナンスネットワーク要素またはパラメータ配信ネットワーク要素上に構成されており、移動性管理ネットワーク要素に配信される。パラメータ配信ネットワーク要素は、ポリシーおよび課金ルールネットワーク要素とデータゲートウェイのようなネットワーク要素であってもよい。
【0091】
選択的に、移動管理ネットワーク要素は、ユーザ端末の特性に従って、ユーザ端末のベアラコンテキストのためのダウンリンクダイレクトトンネルを確立することを決定する。ユーザ端末の特性は、ユーザ端末のシグナリング特性とユーザ端末のサービス属性とのうちの少なくとも1つを含み、ユーザ端末のシグナリング特性は、ユーザ端末の接続状態とアイドル状態との間の切り替えの頻度とユーザ端末のタイプとのうちの少なくとも1つを含み、ユーザ端末のサービス属性は、ユーザ端末のベアラコンテキストのサービスの継続時間、サービスのタイプ、ユーザ端末のベアラコンテキストに対応するダウンリンクデータパケットの継続時間、ダウンリンクデータパケットの量、ダウンリンクデータパケットのトラフィック、および、ダウンリンクデータパケット間の時間間隔のうちの少なくとも1つを含む。
【0092】
ユーザ端末の特性がダイレクトトンネルを確立するための所定の条件を満たしているか否かを決定する処理は、GPRSネットワークにおけるPDPコンテキストがEPSネットワークにおけるベアラコンテキストであること以外は、
図3に対応する実施形態におけるステップ308の演算処理と同様である。したがって、詳細は、このステップでは繰り返されない。
【0093】
本発明のステップ408において、ユーザ端末機能の1つ、任意の2つの組み合わせ、または、2つ以上の任意の組み合わせがダイレクトトンネルを確立するための所定の条件を満たしたとき、要求メッセージがサービングゲートウェイに送信されてもよいことに留意すべきである。選択的に、ダイレクトトンネルを確立するための所定の条件は、特定のアプリケーションシナリオに従って設定されてもよい。
【0094】
ステップ409:サービングゲートウェイが、ベアラコンテキスト変更応答メッセージを、移動管理ネットワーク要素に返す。ベアラコンテキスト変更応答メッセージは、RNCのユーザプレーンIPアドレスとRNCによって割り当てられたダウンリンクユーザプレーントンネルエンドポイント識別子とに従って、ダイレクトトンネルが正常に確立されたことを確認するために用いられる。
【0095】
サービングゲートウェイは、RNCのユーザプレーンIPアドレスとRNCによって割り当てられたダウンリンクユーザプレーントンネルエンドポイント識別子とに従って、サービングゲートウェイと無線アクセスネットワークとの間のダイレクトトンネルを確立し、ユーザ端末のベアラコンテキストに対応するダウンリンクサービスデータパケットが、サービングゲートウェイを使用してダイレクトトンネルを介して無線アクセスネットワークに送信される。
【0096】
ステップ410:移動管理ネットワーク要素が、サービングゲートウェイから送信されたベアラコンテキスト変更応答メッセージを受信する。
【0097】
本発明のこの実施形態による提供されるダイレクトトンネルを確立するための方法において、ユーザ端末の特性がダイレクトトンネルを確立するための所定の条件を満たしていると決定され、要求メッセージが、サービングゲートウェイに送信される。要求メッセージは、無線アクセスネットワークとゲートウェイとの間のダウンリンクダイレクトトンネルを確立するために使用されるサービングゲートウェイによって送信された応答メッセージが、受信される。応答メッセージは、無線アクセスネットワークとサービングゲートウェイとの間のダウンリンクダイレクトトンネルが正常に確立されたことを確認するために使用される。本発明の実施形態では、ユーザ端末の特性に従って、接続状態とアイドル状態との間で頻繁に切り替えるユーザ端末のために確立されたダウンリンクダイレクトトンネルが低減される。従って、GGSNまたはSGWにおいて処理が必要なシグナリングメッセージの数を低減することができ、GGSNまたはSGWにおけるシグナリング負荷を低減することができ、同時に、いくつかのサービスの遅延要件を保証することができる。
【0098】
本発明の一実施形態は、ダイレクトトンネルを確立するための別の方法を提供し、方法のアプリケーションシナリオは以下である。GPRSネットワークまたはEPSネットワークでは、ユーザ端末がPDPアクティベーションプロセスを開始するときに、ダイレクトトンネルが確立される。GPRSネットワークでは、アクセスネットワークは、UTRANの3GPPアクセスを使用するRNSであり、移動管理ネットワーク要素はSGSNであり、データゲートウェイはGGSNである。また、本発明のこの実施形態で提供される解決法は、ユーザ端末によって開始されたPDPコンテキスト起動手順に適用することができ、また、ユーザ端末によって開始された二次PDPコンテキスト起動手順に適用することもできる。本発明は、一例として、ユーザ端末によって開始されたPDPコンテキスト起動手順を使用して詳細な説明を与える。
【0099】
図5に示すように、方法は以下のステップを含む。
【0100】
ステップ501:ユーザ端末がPDPコンテキスト起動手順を開始し、PDPコンテキストアクティブ化要求メッセージを移動管理ネットワーク要素に送信する。
【0101】
PDPコンテキストアクティブ化要求メッセージは、PDPアクティベーションタイプ、PDPアドレス、APN(Access Point Name)、必要なQoS(Quality of Service)、PDP構成オプション等を含んでいる。
【0102】
ステップ502:移動管理ネットワーク要素は、ユーザ端末によって送信されたPDPコンテキストアクティブ化要求メッセージを受信し、データゲートウェイへPDPコンテキスト確立要求を送信する。
【0103】
ステップ503:データゲートウェイは、移動管理ネットワーク要素によって送信されたPDPコンテキスト確立要求を受信し、PDPコンテキスト確立応答を移動管理ネットワーク要素に返信する。
【0104】
データゲートウェイがQoSを満たすことができる場合、PDPコンテキスト確立応答が移動管理ネットワーク要素に返され、データゲートウェイがQoSを満たすことができない場合、PDPコンテキスト確立拒否が移動管理ネットワーク要素に返される。
【0105】
PDPコンテキスト確立応答は、データゲートウェイのユーザプレーンIPアドレスとデータゲートウェイによって割り当てられたアップリンクユーザプレーントンネルエンドポイント識別子とを含み、アップリンクダイレクトトンネルを確立するために使用される。
【0106】
ステップ504:移動管理ネットワーク要素が、無線アクセスベアラ割当要求を無線アクセスネットワークへ送信する。無線アクセスベアラ割当要求は、データゲートウェイのユーザプレーンIPアドレスとデータゲートウェイによって割り当てられたアップリンクユーザプレーントンネルエンドポイント識別子とを含む。
【0107】
ステップ505:無線アクセスネットワークが、無線アクセスベアラ割当応答メッセージを、移動管理ネットワーク要素に返す。無線アクセスベアラ割当応答メッセージは、無線ネットワークコントローラRNCのユーザプレーンIPアドレスとRNCによって割り当てられたダウンリンクユーザプレーントンネルエンドポイント識別子とを含む。
【0108】
ステップ504及びステップ505は、上記実施形態におけるステップ305およびステップ306を実行するプロセスと同様であり、RNCのユーザプレーンIPアドレスとRNCによって割り当てられたダウンリンクユーザプレーントンネルエンドポイント識別子とを取得するプロセスである。詳細については、上記実施形態のステップ305及びステップ306を参照することができ、その詳細はここでは繰り返されない。
【0109】
ステップ506:移動管理ネットワーク要素は、PDPコンテキストアクティブ化応答メッセージをユーザ端末へ返す。
【0110】
ステップ507:移動管理ネットワーク要素は、ユーザ端末の特性がダイレクトトンネルを確立するための所定の条件を満たしているか否かを判定する。
【0111】
移動管理ネットワーク要素が、ユーザ端末の特性がダイレクトトンネルを確立するための所定の条件を満たしていないと判断した場合、処理が必要なシグナリングメッセージの数を低減し、データゲートウェイのシグナリング負荷を低減するように、無線アクセスネットワークとデータゲートウェイとの間のダウンリンクダイレクトトンネルをユーザのために確立しない。移動管理ネットワーク要素が、ユーザ端末の特性がダイレクトトンネルを確立するための所定の条件を満たしていると判定した場合、ステップ508が実行される。
【0112】
ステップ508:ユーザ端末の特性がダイレクトトンネルを確立するための所定の条件を満たしていると判定した場合、移動管理ネットワーク要素は、無線アクセスネットワークとデータゲートウェイとの間のダウンリンクダイレクトトンネルを確立するために、PDPコンテキスト更新要求メッセージをデータゲートウェイへ送信する。PDPコンテキスト更新要求メッセージは、RNCのユーザプレーンIPアドレスとRNCによって割り当てられたダウンリンクユーザプレーントンネルエンドポイント識別子とを含む。
【0113】
ステップ508の実行は、上記実施形態におけるステップ308の実行と同様である。詳細については、ステップ308を参照してもよい。
【0114】
なお、本発明のステップ508で説明した、要求メッセージをデータゲートウェイに送信するための条件は、ユーザ端末機能の1つ、任意の2つの組み合わせ、または、2つ以上の任意の組み合わせがダイレクトトンネルを確立するための所定の条件を満たしたとき、要求メッセージをデータゲートウェイへ送信してもよいことに留意すべきである。選択的に、ダイレクトトンネルを確立するための所定の条件は、特定のアプリケーションシナリオに従って設定されてもよい。
【0115】
ステップ509:データゲートウェイが、PDPコンテキスト更新応答メッセージを移動管理ネットワーク要素に返す。PDPコンテキスト更新応答メッセージは、RNCのユーザプレーンIPアドレスとRNCによって割り当てられたダウンリンクユーザプレーントンネルエンドポイント識別子とに従って、ダイレクトトンネルが正常に確立されたことを確認するために用いられる。
【0116】
ステップ509の実行は、上記実施形態におけるステップ309の実行と同様である。詳細については、ステップ309を参照してもよい。
【0117】
データゲートウェイは、RNCのユーザプレーンIPアドレスとRNCによって割り当てられたダウンリンクユーザプレーントンネルエンドポイント識別子とに従って、ゲートウェイと無線アクセスネットワークとの間のダウンリンクダイレクトトンネルを確立する。ユーザ端末のPDPコンテキストに対応するダウンリンクサービスデータパケットが、データゲートウェイを使用してダイレクトトンネルを介して無線アクセスネットワークに送信される。
【0118】
ステップ510:移動管理ネットワーク要素が、データゲートウェイから送信されたPDPコンテキスト更新応答メッセージを受信する。
【0119】
本発明の実施形態によって提供されるダイレクトトンネルを確立するための方法において、ユーザ端末の特性がダイレクトトンネルを確立するための所定の条件を満たしている場合、パケットデータプロトコルPDPコンテキスト更新要求メッセージがデータゲートウェイに送られる。データゲートウェイが、PDPコンテキスト更新要求メッセージに含まれる、RNCのユーザプレーンIPアドレスと、RNCによって割り当てられたダウンリンクユーザプレーントンネルエンドポイント識別子とに従って、無線アクセスネットワークとデータゲートウェイとの間のダウンリンクダイレクトトンネルを確立し、PDPコンテキスト更新応答メッセージを移動管理ネットワーク要素へ送信する。本発明の実施形態では、ユーザ端末の特性に従って、接続状態とアイドル状態との間で頻繁に切り替えるユーザ端末のために確立されたダウンリンクダイレクトトンネルが低減される。したがって、GGSNまたはSGWにおける処理が必要なシグナリングメッセージの数を低減し、GGSNまたはSGWにおけるシグナリング負荷を低減することができる。
【0120】
本発明の一実施形態はダイレクトトンネルを確立するための別の方法を提供し、方法のアプリケーションシナリオは下記である。GPRSネットワークまたはEPSネットワークでは、ユーザ端末がPDP起動手順を開始するときに、ダイレクトトンネルが確立される。EPSネットワークでは、アクセスネットワークはUTRANの3GPPアクセスを使用するRNSであってもよいし、移動管理ネットワーク要素はSGSNであってもよいし、サービングゲートウェイはSGWであってもよいし、データゲートウェイはPGWであってもよい。また、本発明の実施形態で提供される解決法は、ユーザ端末によって開始されたPDPコンテキスト起動手順に適用することができ、また、ユーザ端末によって開始された二次PDPコンテキスト起動手順に適用することもできる。本発明は、一例として、ユーザ端末によって開始された一次PDPコンテキスト起動手順を用いて詳細な説明を与える。
【0121】
図6に示すように、方法は以下のステップを含む。
【0122】
ステップ601:ユーザ端末が、PDPコンテキスト起動手順を開始し、PDPコンテキストアクティブ化要求メッセージを移動管理ネットワーク要素に送信する。
【0123】
ステップ602:移動管理ネットワーク要素が、セッション確立要求をサービングゲートウェイへ送信する。
【0124】
ステップ603:サービングゲートウェイが、移動管理ネットワーク要素によって送信されたセッション確立要求を受信し、セッション確立要求をデータゲートウェイへ転送し、データゲートウェイから応答を受信した後、移動管理ネットワーク要素へセッション確立応答を返信する。
【0125】
セッション確立応答は、サービングゲートウェイのユーザプレーンのIPアドレスとサービングゲートウェイによって割り当てられたアップリンクユーザプレーントンネルエンドポイント識別子とを含み、アップリンクダイレクトトンネルを確立するために使用される。
【0126】
ステップ604:移動管理ネットワーク要素は、無線アクセスベアラ割当要求を無線アクセスネットワークへ送信する。無線アクセスベアラ割当要求は、サービングゲートウェイのユーザプレーンのIPアドレスと、サービングゲートウェイによって割り当てられたアップリンクユーザプレーントンネルエンドポイント識別子とを含む。
【0127】
ステップ605:無線アクセスネットワークは、無線アクセスベアラ割当応答メッセージを、移動管理ネットワーク要素へ返す。無線アクセスベアラ割当応答メッセージは、無線ネットワークコントローラRNCのユーザプレーンIPアドレスとRNCによって割り当てられたダウンリンクユーザプレーントンネルエンドポイント識別子とを含む。
【0128】
ステップ604及びステップ605は、上記実施形態におけるステップ305およびステップ306を実行するプロセスと同じであり、RNCのユーザプレーンIPアドレスとRNCによって割り当てられたダウンリンクユーザプレーントンネルエンドポイント識別子とを取得するプロセスである。詳細については、上記実施形態におけるステップ305及びステップ306を参照でき、その詳細はここでは繰り返されない。
【0129】
ステップ606:移動管理ネットワーク要素が、PDPコンテキストアクティブ化応答メッセージをユーザ端末へ返す。
【0130】
ステップ607:移動管理ネットワーク要素が、ユーザ端末の特性がダイレクトトンネルを確立するための所定の条件を満たしているか否かを判定する。
【0131】
移動管理ネットワーク要素が、ユーザ端末の特性がダイレクトトンネルを確立するための所定の条件を満たしていないと判定した場合、処理が必要なシグナリングメッセージの数を低減し、サービングゲートウェイのシグナリング負荷を低減するように、無線アクセスネットワークとサービングゲートウェイとの間のダウンリンクダイレクトトンネルはユーザのために確立されない。移動管理ネットワーク要素が、ユーザ端末の特性がダイレクトトンネルを確立するための所定の条件を満たしていると判定した場合、ステップ608が実行される。
【0132】
ステップ608:ユーザ端末の特性がダイレクトトンネルを確立するための所定の条件を満たしていると判定された場合、移動管理ネットワーク要素は、無線アクセスネットワークとサービングゲートウェイとの間のダウンリンクダイレクトトンネルを確立するために、ベアラ変更要求メッセージをサービングゲートウェイに送信する。ベアラ変更要求メッセージは、RNCのユーザプレーンIPアドレスとRNCによって割り当てられたダウンリンクユーザプレーントンネルエンドポイント識別子とを含む。
【0133】
ステップ608の実行は、上記実施形態におけるステップ308の実行と同様である。詳細については、ステップ308を参照されてもよい。
【0134】
なお、本発明のステップ608で説明した、サービングゲートウェイに要求メッセージを送信するための条件は、ユーザ端末機能の1つ、任意の2つの組み合わせ、または、2つ以上の任意の組み合わせがダイレクトトンネルを確立するための所定の条件を満たしたとき、サービングゲートウェイに要求メッセージを送信してもよいことに留意すべきである。選択的に、ダイレクトトンネルを確立するための所定の条件は、特定のアプリケーションシナリオに従って設定されてもよい。
【0135】
ステップ609:サービングゲートウェイは、ベアラ変更応答メッセージを移動管理ネットワーク要素に返す。ベアラ変更応答メッセージは、RNCのユーザプレーンIPアドレスとRNCによって割り当てられたダウンリンクユーザプレーントンネルエンドポイント識別子とに従って、ダイレクトトンネルが正常に確立されたことを確認するために用いられる。
【0136】
ステップ609の実行は、上記実施形態におけるステップ309の実行と同様である。詳細については、ステップ309を参照してもよい。
【0137】
サービングゲートウェイは、RNCのユーザプレーンIPアドレスとRNCによって割り当てられたダウンリンクユーザプレーントンネルエンドポイント識別子とに従って、ゲートウェイと無線アクセスネットワークとの間のダウンリンクダイレクトトンネルを確立し、ユーザ端末のPDPコンテキストに対応するダウンリンクサービスデータパケットが、サービングゲートウェイを使用してダイレクトトンネルを介して無線アクセスネットワークに送信される。
【0138】
ステップ610:移動管理ネットワーク要素が、サービングゲートウェイから送信されたベアラ変更応答メッセージを受信する。
【0139】
本発明の実施形態によって提供されるダイレクトトンネルを確立するための方法では、ユーザ端末の特性がダイレクトトンネルを確立するための所定の条件を満たしている場合、ベアラ変更要求メッセージがサービングゲートウェイに送信され、サービングゲートウェイが、ベアラ変更要求メッセージに含まれている、RNCのユーザプレーンIPアドレスと、RNCによって割り当てられたダウンリンクユーザプレーントンネルエンドポイント識別子とに従って、無線アクセスネットワークとサービングゲートウェイとの間のダウンリンクダイレクトトンネルを確立し、ベアラ変更応答メッセージを移動管理ネットワーク要素へ送信する。本発明の実施形態では、ユーザ端末の特性に従って、接続状態とアイドル状態との間で頻繁に切り替えるユーザ端末のために確立されたダウンリンクダイレクトトンネルが低減される。従って、GGSNまたはSGWにおいて処理が必要なシグナリングメッセージの数を低減することができ、GGSNまたはSGWにおけるシグナリング負荷を低減することができ、同時に、いくつかのサービスの遅延要件を保証することができる。
【0140】
本発明の実施形態で提供される方法の実施形態に対応して、本発明の実施形態は、ダイレクトトンネルを確立するための装置を提供する。装置は移動管理ネットワーク要素とすることができる。同7に示すように、装置は、送信部701、受信部702および決定部703を含む。
【0141】
送信部701は、無線アクセスネットワークとゲートウェイとの間のアップリンクダイレクトトンネルを確立するために、無線アクセスベアラ割当要求を無線アクセスネットワークへ送信するように構成されている。無線アクセスベアラ割当要求は、ゲートウェイのユーザプレーンインターネットプロトコルIPアドレスと、ゲートウェイによって割り当てられたアップリンクユーザプレーントンネルエンドポイント識別子とを含む。
ゲートウェイは、データゲートウェイまたはサービングゲートウェイを含む。
受信部702は、無線アクセスネットワークによって送信された無線アクセスベアラ割当応答を受信するように構成されている。無線アクセスベアラ割当応答は、無線アクセスネットワークとゲートウェイとの間のアップリンクダイレクトトンネルが正常に確立されたことを確認するために使用される。無線アクセスベアラ割当応答は、無線ネットワークコントローラRNCのユーザプレーンインターネットプロトコルIPアドレスとRNCによって割り当てられたダウンリンクユーザプレーントンネルエンドポイント識別子とを含む。
決定部703は、ユーザ端末の特性がダイレクトトンネルを確立するための所定の条件を満たしていると決定するように構成されている。
【0142】
ユーザ端末の特性は、ユーザ端末のシグナリング特性とユーザ端末のサービス属性とのうちの少なくとも1つを含む。ユーザ端末のシグナリング特性が、ユーザ端末の接続状態とアイドル状態との間の切り替えの頻度とユーザ端末のタイプとの少なくとも1つを含み、ユーザ端末のサービス属性は、ユーザ端末のPDPコンテキストまたはユーザ端末のベアラコンテキストに対応するサービスの継続時間、サービスのタイプ、ユーザ端末のPDPコンテキストまたはユーザ端末のベアラコンテキストに対応するダウンリンクデータパケットの継続時間、ダウンリンクデータパケットの量、ダウンリンクデータパケットのトラフィック、および、ダウンリンクデータパケット間の時間間隔の少なくとも1つを含む。
【0143】
選択的に、ダイレクトトンネルを確立するための所定の条件が、移動管理ネットワーク要素上に構成されている、または、ダイレクトトンネルを確立するための所定の条件は、オペレーションおよびメンテナンスネットワーク要素またはパラメータ配信ネットワーク要素上に構成されており、移動性管理ネットワーク要素に配信される。
【0144】
ユーザ端末の特性がダイレクトトンネルを確立するための所定の条件を満たしているという決定に従って、送信部701が、要求メッセージをゲートウェイに送信する。要求メッセージは、無線アクセスネットワークとゲートウェイとの間のダウンリンクダイレクトトンネルを確立するために使用される。
受信部702は、ゲートウェイによって送信された応答メッセージを受信するように構成されている。応答メッセージは、無線アクセスネットワークとゲートウェイとの間のダウンリンクダイレクトトンネルが正常に確立されたことを確認するために使用される。
【0145】
また、
図7に示すように、決定部703は、第1計数部7031と第1決定部7032とを含む。
決定部703の第1計数部7031は、ユーザ端末の接続状態とアイドル状態との間の切り替えの頻度を計数するように構成されている。決定部703の第1決定部7032は、頻度が予め設定された頻度の範囲内にあることを決定するように構成されている。
【0146】
決定部703は、具体的には、ユーザ端末のタイプが予め設定されたタイプの範囲内であると決定するように構成されている。
【0147】
また、
図7に示すように、決定部703は、第2計数部7033と第2決定部7034とを含む。
【0148】
図7において破線で示したように、決定部の機能は、第1計数部7031と第1決定部7032とによって完成されてもよく、また、第2計数部7033と第2決定部7034とによって完了されてもよいことに留意すべきである。
【0149】
決定部703の第2計数部7033は、ユーザ端末のPDPコンテキストまたはユーザ端末のベアラコンテキストに対応する受信したサービスの継続時間を計数するように構成されており、決定部703の第2決定部7034は、継続時間が予め設定された継続時間の範囲内にあることを決定するように構成されている。
また、第2計数部7033は、ユーザ端末のPDPコンテキストまたはユーザ端末のベアラコンテキストに対応するダウンリンクデータパケットの量を計数するように構成され、第2決定部7034は、量が予め設定された量の範囲内にあることを決定するように構成されている。
また、第2計数部7033は、ユーザ端末のPDPコンテキストまたはユーザ端末のベアラコンテキストに対応するダウンリンクデータパケットのトラフィックを計数するように構成され、第2決定部7034は、トラフィックが予め設定されたトラフィックの範囲内にあることを決定するように構成されている。
また、第2計数部7033は、ユーザ端末のPDPコンテキストまたはユーザ端末のベアラコンテキストに対応するダウンリンクデータパケットの時間間隔を計数するように構成され、第2決定部7034は、時間間隔が予め設定された時間間隔の範囲内にあることを決定するように構成されている。
【0150】
さらに、決定部703は、具体的には、ユーザ端末のPDPコンテキストまたはユーザ端末のベアラコンテキストに対応するサービスのタイプが予め定められたサービスタイプであることを判定するように構成されている。
【0151】
また、GPRSネットワークにおいて、送信部701は、PDPコンテキスト更新要求メッセージをデータゲートウェイへ送信する。PDPコンテキスト更新要求メッセージは、RNCのユーザプレーンIPアドレスとRNCによって割り当てられたダウンリンクユーザプレーントンネルエンドポイント識別子とを含む。
EPSネットワークにおいて、送信部701は、ベアラ変更要求メッセージをサービスゲートウェイに送信する。ベアラ変更要求メッセージは、RNCのユーザプレーンIPアドレスとRNCによって割り当てられたダウンリンクユーザプレーントンネルエンドポイント識別子とを含む。
データゲートウェイまたはサービングゲートウェイは、RNCのユーザプレーンIPアドレスとRNCによって割り当てられたダウンリンクユーザプレーントンネルエンドポイント識別子とに従って、ゲートウェイと無線アクセスネットワークとの間のダイレクトトンネルを確立する。ユーザ端末のPDPコンテキストまたはユーザ端末のベアラコンテキストに対応するダウンリンクサービスデータパケットが、データゲートウェイまたはサービングゲートウェイを使用してダイレクトトンネルを介して無線アクセスネットワークに送信される。
【0152】
さらに、GPRSネットワークにおいて、受信部702は、データゲートウェイから送信されたPDPコンテキスト更新応答メッセージを受信する。
EPSネットワークにおいて、受信部702は、サービングゲートウェイによって送信されたベアラ変更応答メッセージを受信する。
【0153】
本発明の実施形態によって提供されるダイレクトトンネルを確立するための装置において、予め設定された条件が判定され、送信部は、要求メッセージをゲートウェイに送信し、ゲートウェイは、要求メッセージに含まれている、RNCのユーザプレーンIPアドレスと、RNCによって割り当てられたダウンリンクユーザプレーントンネルエンドポイント識別子とに従って、無線アクセスとゲートウェイとの間のダウンリンクダイレクトトンネルを確立し、応答メッセージを移動管理ネットワーク要素に送信する。本発明の実施形態では、ユーザ端末の特性に従って、接続状態とアイドル状態との間で頻繁に切り替えるユーザ端末のために確立されたダウンリンクダイレクトトンネルが低減される。従って、GGSNまたはSGWにおいて処理が必要なシグナリングメッセージの数を低減することができ、GGSNまたはSGWにおけるシグナリング負荷を低減することができ、同時に、いくつかのサービスの遅延要件を保証することができる。
【0154】
以上の説明は、本発明の実施形態の単なる例示的な実施形態であるが、本発明の実施形態を限定することを意図するものではない。本発明で開示された技術的範囲内で当業者によって容易に考え出される任意の変形または置換は、本発明の保護範囲内に入るものである。したがって、本発明の保護範囲は、特許請求の範囲の保護範囲に従うものである。