特許第6367918号(P6367918)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6367918
(24)【登録日】2018年7月13日
(45)【発行日】2018年8月1日
(54)【発明の名称】照明装置
(51)【国際特許分類】
   F21V 1/06 20060101AFI20180723BHJP
   F21V 1/12 20060101ALI20180723BHJP
   F21V 15/01 20060101ALI20180723BHJP
   F21S 2/00 20160101ALI20180723BHJP
   F21V 7/18 20060101ALI20180723BHJP
   F21Y 109/00 20160101ALN20180723BHJP
   F21Y 115/10 20160101ALN20180723BHJP
【FI】
   F21V1/06
   F21V1/12 300
   F21V15/01 330
   F21S2/00 110
   F21S2/00 481
   F21S2/00 484
   F21V7/18
   F21Y109:00
   F21Y115:10
【請求項の数】13
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2016-504784(P2016-504784)
(86)(22)【出願日】2014年3月17日
(65)【公表番号】特表2016-530666(P2016-530666A)
(43)【公表日】2016年9月29日
(86)【国際出願番号】IB2014059885
(87)【国際公開番号】WO2014155233
(87)【国際公開日】20141002
【審査請求日】2017年3月15日
(73)【特許権者】
【識別番号】516043960
【氏名又は名称】フィリップス ライティング ホールディング ビー ヴィ
(74)【代理人】
【識別番号】110001690
【氏名又は名称】特許業務法人M&Sパートナーズ
(72)【発明者】
【氏名】ウィーカンプ ヨハネス ウィルヘルムス
(72)【発明者】
【氏名】セニニ ジョバンニ
(72)【発明者】
【氏名】リボン セバスティエン パウル レネ
【審査官】 松本 泰典
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2013/021311(WO,A2)
【文献】 国際公開第1994/028350(WO,A1)
【文献】 実開昭54−43187(JP,U)
【文献】 特開2010−257897(JP,A)
【文献】 国際公開第2011/105854(WO,A2)
【文献】 米国特許出願公開第2011/0235318(US,A1)
【文献】 特開平07−288017(JP,A)
【文献】 蘭国特許発明第1027289(NL,C)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F21V 1/06
F21S 2/00
F21V 1/12
F21V 7/18
F21V 15/01
F21Y 109/00
F21Y 115/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
2つの外装シートの間に位置付けられる支持パネルを有する照明装置であって、
前記支持パネルは、少なくとも1つの発光モジュールを備え、
前記2つの外装シートは、
各々が2つの平行な縦側部を有し、
少なくとも、前記支持パネル及び前記2つの外装シートが互いに実質的に平行に延在する閉じた状態から、前記閉じた状態よりも前記2つの外装シートが少なくとも部分的にさらに離間される広げた状態へと、互いに対して移動可能であり、
前記閉じた状態では、相互接続された縦側部の第1及び第2のセットを形成するために、前記2つの外装シートの第1の外装シートの前記2つの平行な縦側部が、前記2つの外装シートの第2の外装シートの前記2つの平行な縦側部に接続され、
相互接続された縦側部の前記第1及び第2のセットは、前記閉じた状態から前記広げた状態にするよう、前記2つの外装シートを離間させるために互いに向かって移動可能であり、
前記支持パネルは、発光モジュールとして発光ダイオードを含み、前記閉じた状態及び前記広げた状態の両方において前記2つの外装シートの間に位置付けられ、前記発光ダイオードは、前記2つの外装シートの少なくとも一つに面する、
照明装置。
【請求項2】
少なくとも前記広げた状態では、前記2つの外装シートの相互接続された縦側部の前記2つのセットは、前記支持パネルのための取り付け具を有する、請求項1に記載の照明装置。
【請求項3】
前記2つの外装シートの少なくとも1つが、前記2つの平行な縦側部の間に延在する折り目に沿って畳むことが可能なフラップを有する、請求項1または2に記載の照明装置。
【請求項4】
前記折り目がアーク状であり、前記アーク状の折り目の凸側が、前記フラップの外側に位置付けられている、請求項3に記載の照明装置。
【請求項5】
前記フラップが、前記フラップの一方の側にある前記アーク状の折り目と、前記フラップの対向する側にあるアーク状縁部とによって境界付けられている、請求項4に記載の照明装置。
【請求項6】
前記広げた状態では、前記2つの外装シートは、閉じられた前記フラップによって離間されて保持される、請求項3ないし5のいずれか一項に記載の照明装置。
【請求項7】
前記2つの外装シートの一方は反射性であり、前記広げた状態では、発光モジュールによって前記反射性外装シートに向かって放射された光は、前記反射性外装シートによって、前記支持パネルを通って他方の半透明な外装シートに向かって反射される、請求項1ないし6のいずれか一項に記載の照明装置。
【請求項8】
前記支持パネルは、少なくとも部分的に半透明である、請求項7に記載の照明装置。
【請求項9】
前記半透明な外装シートは、光拡散器である、請求項7または8に記載の照明装置。
【請求項10】
前記反射性外装シートは、不透明である、請求項7ないし9のいずれか一項に記載の照明装置。
【請求項11】
前記2つの外装シートの両方が、半透明である、請求項1ないし6のいずれか一項に記載の照明装置。
【請求項12】
前記2つの外装シートの前記相互接続された縦側部が、締結手段によって互いに接続される、請求項1ないし11のいずれか一項に記載の照明装置。
【請求項13】
前記発光ダイオードが、前記支持パネルの両側に取り付けられ、各々がそれぞれの前記2つの外装シートの一つに面する、請求項1ないし12のいずれか一項に記載の照明装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、2つの外装シートの間に位置付けられる支持パネルを有する照明装置であって、支持パネルは少なくとも1つの発光モジュールを備え、外装シートの少なくとも1つは半透明であり、外装シートは、少なくとも、支持パネル及び外装シートが互いに実質的に平行に延在する閉じた状態から、閉じた状態よりも外装シートが少なくとも部分的にさらに離間される広げた状態へと、互いに対して移動可能である照明装置に関する。
【背景技術】
【0002】
畳むことができる照明装置は、多数の分野において非常に広く用いられている。
【0003】
WO2009/147657A2は、安価な大量生産に順応でき、且つ、簡単に組み立てられるように構成された畳むことが可能なランプシェードを示す。フレーム部分は、実質的に互いの鏡像として成形された、相互接続された又は別々の相補的なシート状の部品の対を有する。シート状の部品は、シート又は箔であり、任意選択で凹及び/若しくは凸形のレリーフ形状並びに/又は装飾若しくは畳むための補助としての切り欠き曲線を有する。ランプシェードは、電球を備えるランプソケットを取り外すことなく、組み立てられ、分解される。
【0004】
この照明装置の欠点は、シート状の部品に平行な方向に畳んだ状態(=位置)における照明装置のサイズが比較的大きいことである。さらに、畳んだ状態では、電球は露出し、損傷が与えられやすく、汚染されやすい。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
先行技術の上記及び他の欠点を考慮して、本発明の全体的な目的は、改良された畳むことができる照明装置、特に組み立てるのが簡単な照明装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
第1態様によれば、本発明は、閉じた状態では、相互接続された縦側部の第1及び第2のセットを形成するために、2つの外装シートの第1の2つの平行な縦側部が、それぞれの2つの外装シートの第2の2つの平行な縦側部に接続され、相互接続された縦側部の第1及び第2のセットは、広げた状態では、外装シートを離間するために互いに向かって移動可能である照明装置を提供する。
【0007】
照明装置を閉じた状態から広げた状態に動かすために、相互接続された縦側部の第1及び第2のセットは、互いに向かって動かされる。この移動中、2つの外装シートは外側に湾曲し、シートが支持パネルから少なくとも部分的に離間されることを可能にする。移動及び湾曲の結果は、筒のような形状を有する照明装置である。閉じた状態では、照明装置は、比較的平坦であり、したがって、ほとんどスペースを占めず、収納及び持ち運びが容易である。支持パネルが外装シート間に位置付けられるため、閉じた状態及び広げた状態の両方において、支持パネル上の発光モジュールは常に、外装シートによって損傷及び汚染から保護される。
【0008】
閉じた状態では、外装シートは、支持パネルの幅よりも大きな幅を有し得る。広げた状態では、外装シートの縦側部間の距離は、閉じた状態よりも小さい。このことは、外装シートが湾曲されることを可能にする。
【0009】
他の態様によれば、本発明は、少なくとも広げた状態において、外装シートの相互接続された縦側部の2つのセットは、支持パネルのための取り付け具(mount)を有する照明装置を提供する。
【0010】
広げた状態では、外装シートは、外装シートの接続された平行な縦側部が、互いに関して、支持パネルの幅とおおよそ同じ距離にある態様で湾曲し得る。湾曲した外装シートは、接続された平行な縦側部の領域において、互いに対して或る角度で取り付けられる。支持パネルは、その後、両方の平行な縦側部上の2つの外装シートによって形成された各角度によって保持され得る。支持パネルは、広げた状態では、接続された平行な縦側部間で動かなくなる。理想的な状況では、支持パネルと接続された平行な縦側部との間には遊びが無く、その結果、支持パネルは、しっかりと所定の位置に保持され、支持パネルに平行な方向に動くことは不可能である。
【0011】
支持パネルは、支持パネルが長手方向に移動するのを防止するために、締結手段によって、外装シートのいずれか一つに締結され得る。支持パネルが両方の外装シートに締結される場合、広げた状態において、締結された支持パネルが、湾曲した外装シートが閉じた状態に戻るのを防止するため、照明装置の構造的完全性が保証される。
【0012】
代替的に、相互接続された平行な縦側部は、突出部、すなわち支持パネルのための取り付け具を形成する閉じられた縁部を有し得る。
【0013】
他の態様によれば、本発明は、外装シートの少なくとも1つが、2つの平行な縦側部間に延在する折り目について畳むことが可能なフラップ(flap)を有する照明装置を提供する。
【0014】
フラップは、閉じた平坦な状態と広げた状態との間で畳むことが可能であり、フラップは折り目にわたって或る角度で閉じられ、これにより照明装置の横側部を少なくとも部分的に覆う。
【0015】
他の態様によれば、本発明は、折り目がアーク状であり、アーク状の折り目の凸側がフラップの外側に位置付けられる照明装置を提供する。
【0016】
広げた状態では、外装シートが湾曲した形状を有するため、アーク状の折り目は有利である。フラップがアーク状の折り目について畳まれると、折り目は、折り目が取り付けられた外側シートの湾曲を規定する。
【0017】
他の態様によれば、本発明は、フラップが、フラップの一方の側にあるアーク状の折り目と、フラップの対向する側にあるアーク状縁部とによって境界付けられる照明装置を提供する。
【0018】
外装シートが湾曲すると、照明装置の横側部にある開口部は、外装シート側の両方が湾曲した断面を有する。フラップは、開口部全体を覆うことができる。
【0019】
フラップは、好ましくは、約90°を介して閉じられ、したがって、支持パネルに実質的に垂直に延在する。フラップは、1つの外装シートのフラップのアーク状縁部が、他の外装シートの湾曲した縁部に隣接する態様で湾曲する。
【0020】
他の態様によれば、本発明は、広げた状態では、外装シートが、閉じられたフラップによって離間されて保持される照明装置を提供する。
【0021】
外装シートが湾曲した状態に維持されるために、閉じられたフラップは、外装シートが閉じられた状態に戻ることを防止するブロック手段を提供する。この目的を達成するために、1つの外装シートのフラップのアーク状縁部は、他の外装シートの湾曲した縁部に隣接される。
【0022】
好ましくは、両方の外装シートは、その両側にフラップが設けられ、2つの外装シートの一方の側の近くのフラップは互いに平行に延在し、1つの外装のアーク状の折り目は、他の外装シートのアーク状縁部の近くに位置付けられる。
【0023】
他の態様によれば、本発明は、外装シートの1つは反射性であり、広げた状態では、発光モジュールによって反射性外装シートに向かって放射された光は、反射性外装シートによって、支持パネルを通って半透明な外装シートに向かって反射される照明装置を提供する。
【0024】
発光モジュールは、従来の電球、ネオン電球又はこれらに類するものなど任意の種類の発光モジュールであり得るが、好ましくは、非常に高強度の光を生成し、他の発光モジュールと比較して比較的低消費電力の発光ダイオード(LED)である。発光モジュールは、好ましくは、支持パネルの、反射性外装シートに面する側にのみ取り付けられる。
【0025】
反射性外装シートは、少なくとも1つの発光モジュールに面する方向に反射特性を有する。好ましくは、反射性外装シートは、光を最大限に反射させるために高反射性である。反射性外装シートは、例えばMCPETシート又はアルミニウムシートであり得る。
【0026】
半透明な外装シートは、光が照明装置の内側から照明装置の外側に通過することを可能とするシートである。半透明な外装シートは、支持パネルの、少なくとも1つの発光モジュールから離れる方に面する側に取り付けられる。半透明な外装シートは、プラスチックシートであり得る。
【0027】
支持パネルは、少なくとも1つの発光モジュールを有し、少なくとも1つの発光モジュールに電力を供給するために必要な電力供給線も有し得る。
【0028】
2つ以上の発光モジュールが支持パネルに取り付けられ得る。この目的を達成するために、相互接続された発光モジュールのアレイが形成され得る。
【0029】
少なくとも1つの発光モジュールによって放射される光線は、反射性外装シートに向かって進む。反射性外装シートは、光線を、支持パネルを通って半透明な外装シートの方向へ、そして、半透明な外装シートを通って照明装置の外側へ向かって反射させる。
【0030】
湾曲した反射性外装シートは、入射光線及び出射光線の角度が湾曲した反射性外装シートの各点で変わるように、光が種々異なる方向に反射されるのを可能にする。湾曲した半透明な外装シートは、半透明な外装シートの上にまだらな影ができるのを防止するために、必要なスペースを支持パネルに提供する。
【0031】
例えば、LEDが使用される場合、半透明の外装シートにわたって均一な配光を得るために、支持パネル上のLED間の距離は、好ましくはLEDと半透明な外装シートとの間の距離よりも小さい。光は、まず反射性外装シートに向けられ、その後反射されて戻って支持パネルを通り、半透明な外装シートに向けられるため、2つの外装シート間の距離は、光が支持パネルから半透明な外装シートに直接向けられた場合に、光路と同じ長さを得るために必要となる距離の約2/3であり得る。
【0032】
他の態様によれば、本発明は、支持パネルが少なくとも部分的に半透明である照明装置を提供する。
【0033】
好ましくは、支持パネルは、開放構造を有し、光が支持パネルを通過することを可能にする。反射性外装シートによって反射される光は、発光モジュール及び電力供給線が取り付けられる支持パネルを通過する。
【0034】
発光モジュール、支持パネル自体、及び最終的には電力供給線によって阻止される光の量を最小化するために、支持パネルは、例えば透明なプラスチックで作られたベースパネルなどの半透明な部品を有し得る。代替的に、支持パネルは、発光モジュールが取り付けられるワイヤグリッドとして形成され得る。ワイヤ又は発光モジュールで覆われていないエリアは、開放エリアであり得る。支持パネルの構造的強度がワイヤグリッドによって提供され得るので、これらのエリアにベースパネルを設ける必要は無い。
【0035】
他の態様によれば、本発明は、半透明な外装シートが光拡散器である照明装置を提供する。
【0036】
光拡散器は、特定の表面粗さを有する半透明なプラスチックシートであり得る。表面粗さは、光拡散器を通過する光線を分散し、光を複数方向に拡散する。拡散器の使用は、比較的高強度の光が複数方向に広がり、これにより1つの特定方向における光の相対強度を低減させるという有利な点を有する。特定方向における高強度光線によって生ずるグレアは、これによりさらに大幅に低減される。
【0037】
発光モジュールによって放射される光線が、反射性外装シートによって支持パネルの方向に反射されると、光線は、発光モジュールに当たり、これにより半透明な外装シート上に影を生じさせる。半透明な外装シートとして機能する拡散器は、光を拡散し、ユーザに均一な配光を提供し、これにより影を補償する。この目的を達成するために、拡散器は支持パネルから離間される必要がある。
【0038】
拡散シートは、好ましくは、表面粗さを有するPET又はPCフィルムである。
【0039】
他の態様によれば、本発明は、反射性外装シートが不透明である照明装置を提供する。
【0040】
不透明な反射性外装シートは、光が反射性外装シートを通過するのを防止する。反射性外装シートが反射シートに当たる全ての光を反射するため、光の損失は最小化され、半透明外装シートを通る光出力は最大化される。
【0041】
他の態様によれば、本発明は、外装シートの相互接続された縦側部が、締結手段によって互いに接続される照明装置を提供する。
【0042】
締結手段は、例えばクリップ、リング又は接着テープを含み得る。締結手段は、照明装置を広げるために、外装シートの1つの縦側部の近くの領域を、他の外装シートの縦側部の近くの領域に対して傾斜させることを可能にする。
【0043】
本発明のこれら及び他の態様は、本発明の現在好ましい実施形態を示す添付の図面を参照して、ここでより詳細に説明される。
【図面の簡単な説明】
【0044】
図1A図1Aは、広げた状態の本発明による照明装置の第1実施形態の斜視図を示す。
図1B図1Bは、広げた状態の本発明による照明装置の第1実施形態の断面図を示す。
図2A図2Aは、図1Aに示される実施形態の閉じた状態の斜視図を示す。
図2B図2Bは、図1Bに示される実施形態の閉じた状態の断面図を示す。
図3A図3Aは、閉じた状態の図2Aに示される照明装置の層のスタックの斜視図を示す。
図3B図3Bは、閉じた状態の図2Bに示される照明装置の層のスタックの断面図を示す。
図4A図4Aは、広げた状態の本発明による照明装置の第2実施形態の斜視図を示す。
図4B図4Bは、図4Aに示される照明装置の閉じた状態の外装シート及びフラップの平面を示す。
【発明を実施するための形態】
【0045】
図1A乃至図3Bは、本発明による照明装置1の第1実施形態の斜視図及び断面図を示す。照明装置1は、支持パネル2を有し、発光モジュール3、例えばLEDが支持パネル2の一方の側に取り付けられる。支持パネル2は、2つの対向する縦側部4、5と、2つの対向する横側部6、7とを有する。縦側部4、5は、矢印P1の方向に延在する。
【0046】
発光モジュール3が取り付けられる支持パネル2の側に、照明装置1は、反射性外装シート8を有する。反射性外装シート8は、反射層9を備える。反射層9は、発光モジュール3の方に向けられている。反射性外装シート8は、矢印P1の方向に延在する第1及び第2の平行な縦側部11、12を有する。好ましくは、反射性外装シート8は不透明であり、これにより光が照明装置1のこちら側から放射されることを防ぐ。
【0047】
支持パネル2の他方の側に、照明装置1は、半透明な外装シート10を有する。半透明な外装シート10は、矢印P1の方向に延在する第1及び第2の平行な縦側部13、14を有する。
【0048】
反射性外装シート8の第1の縦側部11は、接着テープ15の形態の締結手段によって、半透明な外装シート10の第1の縦側部13に接続される。両方の湾曲した外装シートの対向する側には、反射性外装シート8の第2の縦側部12が、接着テープ16の形態の締結手段によって、半透明な外装シート10の第2の縦側部14に接続される。
【0049】
図1A及び図1Bに示される広げた状態では、外装シート8、10は、互いに離間され、相互接続された第1の縦側部11、13と相互接続された第2の縦側部12、14との間の支持パネル2から離間され、これにより照明装置1のハウジングを形成する中空の、筒状部材を形成する。
【0050】
広げた状態では、反射性外装シート8及び半透明な外装シート10は、相互接続された第1の縦側部11、13及び相互接続された第2の縦側部12、14がそれぞれ支持パネル2の縦側部4、5と接触する態様で湾曲する。
【0051】
図1Bは、使用時における広げた状態の照明装置1を示す。光線17は、発光モジュール3によって反射性外装シート8に向けて放射される。これらの光線17は、反射性外装シート8によって、少なくとも部分的に半透明な支持パネル2を通過する光線18として、半透明な外装シート10の方向に反射される。半透明な外装シート10は、拡散器として作用する。半透明な外装シート10に到達する光線18は、多数の方向に伝搬する多数の光線19として半透明な外装シート10を通過する。
【0052】
光線18の拡散は、光の強度を低減させる。半透明な外装シートを通過する光線19は、光線18の強度よりもはるかに弱い強度を有する。したがって、高強度の光線の結果として生じるグレアは大幅に低減される。
【0053】
閉じた状態では、図2A図3Bに示されるように、支持パネル2、反射性外装シート8及び半透明な外装シート10は、全て平坦である。支持パネル2の縦側部4、5間の距離X1は、第1の外装シート8の縦側部11、12間の距離X2よりも小さく、第2の外装シート10の縦側部13、14間の同じ距離X2よりも小さい。
【0054】
閉じた状態では、反射性外装シート8は、発光モジュールに隣接し、これにより、例えば収納時及び持ち運び時に、発光モジュール3のための保護層を形成する。
【0055】
照明装置1を閉じた状態から広げた状態に組み立てるとき、ユーザーは、相互接続された第1の縦側部11、12と第2の縦側部13、14とを互いに向かって押し、これにより相互接続された縦側部11、12と13、14との間の距離を互いに対して小さくすることができる。相互接続された第1の縦側部11、12と第2の縦側部13、14との間の距離は、距離X2から距離X1に減少する。支持パネル2も縦側部4、5間に距離X1を有するため、距離X2からX1への減少は、支持パネル2が外装シートの縦側部11、12及び13、14で保持されることを可能にする。
【0056】
距離X2を距離X1に減少させると、反射性外装シート8及び半透明な外装シート10は、両方の外装シートが互いに離間され、さらに支持パネル2から離間される態様で湾曲する。反射性外装シート8及び半透明な外装シート10の湾曲を可能にするために、両方の外装シート8、10は、フレキシブルな材料で作られる。
【0057】
接着テープ15、16の領域では、反射性外装シート8及び半透明な外装シート10は、互いに隣接し、互いに対して傾斜する。反射性外装シート8と半透明な外装シート10との間に規定される角度は、支持パネル2が保持される空間を形成する。支持パネル2は、縦側部11、12と13、14との間にしっかりと固定され、これにより横方向においてガタつくことなくしっかりと取り付けられ得る。照明装置1は、いくつかの手段、例えば支持パネル2の縦側部4、5を相互接続された縦側部11、12のそれぞれに取り付けることによって、広げた状態に維持され得る。
【0058】
照明装置全体にわたって、支持パネル2上の発光モジュール3から反射性外装シート8に向かい、その後戻って支持パネル2を通り、半透明な外装シート10に向かう光路の全長が、支持パネル2上の隣接する発光モジュール3間の距離よりもわずかに長くなるように、縦側部11、12、13、14の近くの支持パネル2上の隣接する発光モジュール3間の距離は、好ましくは、支持パネル2の中央の近くに位置付けられた隣接する発光モジュール3間の距離よりも小さい。
【0059】
図4A図4Bは、広げた状態(図4A)及び閉じた状態(図4B)における本発明による照明装置30を示す。
【0060】
照明装置30は、発光モジュールを備える支持パネル(不図示)と、反射性外装シート31と、半透明シート32とを有する。閉じた状態では、図4Bに示されるように、反射性外装シート31及び半透明シート32は、折り目35を形成する縦側部33、34で互いに接続される。外装シート31、32の縦側部36、37は、折り目35の両側に位置付けられる。閉じた状態では、両方の外装シートの縦側部33、34は同じ場所に位置付けられる。
【0061】
反射性外装シート31及び半透明な外装シート32の横側部にフラップが形成される。フラップ38、39は、アーク状の折り目40、41を介して、それぞれの外装シート31、32に接続される。アーク状の折り目40は、反射性外装シート31の縦側部33、36間に延在する。折り目41は、半透明な外装シート32の縦側部34、37間に延在する。アーク状の折り目40、41は、アーク状の折り目40、41の凸側がフラップ38、39の外側であって外装シート31、32上に位置付けられるようになっている。アーク状の折り目40、41と対向する側にあるフラップ38、39の境界を定めるフラップ38、39の外縁辺42は、好ましくは、アーク状の折り目40、41と同じアーク状の形状を有する。アーク状の縁辺42の凹側は、フラップ38、39の方に向けられている。
【0062】
照明装置30を閉じた状態から広げた状態に組み立てると、反射性外装シート31及び半透明な外装シート32は、反射性外装シート31の縦側部36と半透明な外装シート32の縦側部37とが互いに隣接するようになる態様で、折り目35を中心として閉じられる。両方の縦側部36、37は、テープのような締結手段によって互いに接続される。相互接続される縦側部33、34及び相互接続される縦側部36、37は、次いで互いに向かって移動し、これにより外装シート31、32をアーク形状に湾曲させ、少なくとも部分的に互いから離間されるようにする。外装シート31、32は、中空の、筒状部材を形成する。したがって、フラップ38、39は、アーク状の折り目40、41について、筒状部材の横側部の開口部を覆うために、約90°の角度を介して閉じられる。
【0063】
まず、フラップ38は、縁辺42がフラップ39の折り目41に隣接するまで、折り目40について閉じられる。次いで、フラップ39は、縁辺42がフラップ38の折り目40に隣接するまで、折り目41について閉じられる。閉じられたフラップ38、39は、照明装置の構造的完全性を維持するために、照明装置30を広げた状態のままにすることを可能にする。フラップ38、39は、外装シート31、32が閉じた、平坦な状態に戻ることを防止し、反射性外装シート31及び半透明な外装シート32が離間されたままであることを確実にする。
【0064】
代替的に、反射性外装シート31及び半透明な外装シート32を、広げた状態で離間された状態に保つために、他の手段も使用し得る。この目的を達成するために、反射性外装シート31と半透明な外装シート32との間の横方向開口部に取り付けられるスペーサー、ロッド又は任意の他の形状のフラップが使用され得る。
【0065】
支持パネル2は、発光モジュールが取り付けられるワイヤグリッド又は伸長リードフレームであり得る。
【0066】
反射性外装シート及び半透明な外装シートを相互接続するための締結手段は、接着テープに限定されない。他の可能な締結手段、例えば糊、リング、ボタン又は縫い糸があり得る。
【0067】
代替的に、支持パネル2は、他の取付手段によって外装シート間に保持され得る。この目的を達成するために、支持パネル2の縦側部は、ピンなどの、支持パネルを所定の位置に保持しながら、外装シートの少なくとも1つから突出する突出部が設けられ得る。他の取付手段は、支持パネルの取付を可能とする折られた切り欠きも外装シートに有し得る。両方の外装シートが半透明であることも可能である。
【0068】
各々が半透明な外装シートの一つに面する発光モジュールが、支持パネルの両側に取り付けられる照明装置が提供され得ることをさらに留意されたい。
【0069】
半透明な外装シートに面する支持パネルの側のこのような発光モジュールは、比較的高強度の光が、半透明な外装シートを通って外部に向かって配光されることを可能にする。
【0070】
当業者は、本発明が決して好ましい実施形態に限定されないことを理解するであろう。開示された実施形態に対する他のバリエーションは、当業者により、請求項に係る発明を実施する際に、図面、開示内容、及び添付の請求項の精査から理解され、実施されることができる。請求項において、「有する(comprising)」なる単語は、他の要素又はステップを排除するものではなく、不定冠詞「a」又は「an」は、複数を排除するものではない。特定の手段が互いに異なる従属請求項に引用されているという単なる事実は、これら手段の組み合わせを有利に使用することができないということを示すものではない。特許請求の範囲における参照符号は全て、該範囲を限定するものとみなされるべきではない。
【符号の説明】
【0071】
1 照明装置
2 支持パネル
3 発光モジュール
4 側部
5 側部
6 側部
7 側部
8 外装シート
9 層
10 外装シート
11 側部
12 側部
13 側部
14 側部
15 テープ
16 テープ
17 光線
18 光線
19 光線
30 照明装置
31 外装シート
32 外装シート
33 側部
34 側部
35 折り目
36 側部
37 側部
38 フラップ
39 フラップ
40 折り目
41 折り目
42 縁辺
P1 矢印
X1 距離
X2 距離
X3 距離
図1A
図1B
図2A
図2B
図3A
図3B
図4A
図4B