(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
第193〜200番目の残基を含むカルシウム結合領域4中の少なくとも1つのアミノ酸残基に改変を含み、ここで、前記ポリペプチドのアミノ酸位置は、配列番号13に記載のバチルス・サーモプロテオリティクス(Bacillus thermoproteolyticus)のメタロプロテアーゼのアミノ酸配列と対応させて付番される、請求項1〜3のいずれか一項に記載のポリペプチド。
前記第193番目の位置のアミノ酸が、スレオニンであり;前記第194番目の位置のアミノ酸が、イソロイシンであり;前記第195番目の位置のアミノ酸が、セリンであり;前記第199番目の位置のアミノ酸が、グルタミンであり;及び/又は前記第200番目の位置のアミノ酸がプロリンである、請求項1〜4のいずれか一項に記載のポリペプチド。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明は、カルシウム結合領域に改変を有する新規メタロプロテアーゼ変異体を提供する。MEROPSデータベース(http://merops.sanger.ac.uk)は、配列相同性に基づきペプチダーゼをファミリーに分類している[Rawlings et al.(2010)Nucleic Acid Res.38:D227]。ペプチダーゼは、アミノ酸配列において例示の種類のファミリー、又は別のファミリーのメンバーと顕著な類似性を共有しているファミリーに分類される。MEROPSデータベースの現在のリリース(リリース9.4)では、全63種のメタロプロテアーゼファミリーが存在しており、そのうちの9種としては、限定するものではないがBEMPメンバーが挙げられる。一次配列及び構造上の特徴が異なることから、これらのプロテアーゼはメタロプロテアーゼの9つのファミリーに分類される。今までのところ、BEMPは、すべて、活性中心に触媒性亜鉛イオンを1つ含有するエンドプロテアーゼである。それらは、プロペプチドを有する不活性な酵素前駆体として合成され、主に微生物の栄養摂取に機能する。微生物の細胞外メタロプロテアーゼ(BEMP)は、異所性細菌により分泌される金属含有プロテアーゼの大分類である[Wu and Chen(2011)Appl.Biol.Biotechnol.92:253]。BEMPは、メタロプロテアーゼファミリーM4、M5、M9、M10、M12、M13、M23、M30、及びM34に分類される。M4はメタロプロテアーゼの大きなファミリーであり、ほとんどがBEMPである。サーモリシンは、M4ファミリーのプロトタイプである。
【0010】
サーモリシン様プロテアーゼは広い特異性を持つプロテアーゼであり、活性部位には触媒亜鉛イオンを含有する。熱安定性のバチルス(Bacillus)中性メタロプロテアーゼは4つのCa
2+イオンを結合する。2つのCa
2+イオンはカルシウムを2分子結合する結合部位(Ca1〜2)に結合し、2つのCa
2+イオンはCa3及びCa4のカルシウムを1分子結合する部位に結合する[Stark et al(1992)Eur.J.Biochem.207:207,Veltman et al(1998)Biochem.37:5312]。いくつかの研究により、これらのプロテアーゼの安定性は、カルシウムの結合に依存するものであることが判明している[Veltman et al(1997)FEBS 405:241]。熱不安定性であると考えられるサーモリシン様プロテアーゼでは単一の部位Ca3及びCa4が欠損している[Eijsink et al(2011)Prot.Sci.20:1346]。
【0011】
サーモリシン様プロテイナーゼが、洗濯及び食器洗浄用の洗剤添加剤、可能性としては食品添加物、発酵助剤、並びに数多くの医薬用途、例えば、細胞培養及び組織分散などの数多くの工業用途で良好に機能し得ることも既知である。初期の研究では、変異についての多くの研究において、カルシウム結合の重要性が実証されている。Eijsink et al 2011,[Eijsink,Matthews and Vriend(2011)Prot Sci 20:1346〜1355]では、Ca3部位のAsp57又はAsp 59変異がサーモリシンの安定性を劇的に低減させることを報告している。同じ論文において、研究者らは、カルシウム結合部位が、手段として、又は機能を制御するものの構造を不安定化させるものとして進化を遂げており、したがって、細胞質基質の低カルシウム環境から細胞膜外部の高カルシウム環境にと分泌されたときに機能する可能性があると主張している。
【0012】
メタロプロテアーゼ、例えば、M4属のメタロプロテアーゼは、カルシウム結合領域を有する。理論に束縛されるものではないが、これらのカルシウム結合領域は、これらの分子の熱安定性に関与するものと考えられる。いくつかの用途では、メタロプロテアーゼのカルシウム結合に対する依存性を低減させることが有用である。例えば、洗剤組成物は、カルシウムイオンと競合し、酵素への結合に利用され得る遊離のカルシウムの量に影響を与える界面活性剤などの金属キレート剤を含有する[Stoner et al.(2005)Biotechnol Prog.21(6):1716〜23]。洗剤環境では、メタロプロテアーゼは、遊離のカルシウムを含まないことに起因して不安定化され、かつ自己分解を生じ得る。したがって、当業界では、洗剤組成物など、遊離のカルシウムと競合する環境下で安定であり、かつこれらの環境下でメタロプロテアーゼのタンパク質分解活性を維持する、改良されたメタロプロテアーゼを発見することが必要とされている。そのため、カルシウム結合領域の改変されたメタロプロテアーゼ変異体を発見することは有益であると言って良いであろう。
【0013】
本明細書に記載の本発明は、カルシウム結合部位の少ないサーモリシン様プロテアーゼの2種の新規結晶構造の観察に一部基づく(実施例2において示す通りのPehPro1、及び、Ruf et al 2013[Ruf et al(2013)Acta Cryst.D69:24〜31に記載のPpoPro2、パエニバチルス・ポリミキサ(Paenibacillus polymyxa)プロテアーゼ])。これら及び関連する構造に共通して見られる、特定のアミノ酸の置換及び欠失を組み合わせることで、結果としてカルシウムの結合に協調する部位が少なくなり、カルシウムの結合が防止される。これらの発見に基づき、サーモリシン及びその他のサーモリシン様プロテイナーゼに関し、結合カルシウム数を更に低減させて、結合するカルシウム数を1つのみにする、又は全く結合させなくする手法が提案される。
【0014】
いくつかの実施形態では、本発明は、改変されたカルシウム結合領域を有するメタロプロテアーゼ変異体である。いくつかの実施形態では、これらの改変されたカルシウム結合領域は、結果として、メタロプロテアーゼ酵素のカルシウム結合を低減させる。他の実施形態では、本発明は、新しく発見されたカルシウム結合領域を有する新規メタロプロテアーゼである。いくつかの実施形態では、本発明は、本明細書において前述した新規メタロプロテアーゼ酵素のうち少なくとも1種を含む組成物を包含する。このような組成物のうち一部のものは、洗剤組成物を含む。本発明のメタロプロテアーゼ酵素は、洗剤組成物において有用なその他の酵素と組み合わせることができる。本発明は、本発明のメタロプロテアーゼ酵素を用いるクリーニング方法も提供する。
【0015】
定義及び略記
特に断りのない限り、本発明の実施は、当業界に属する分子生物学、タンパク質工学、微生物学、及び組み換えDNA技術において一般に使用されている従来技術を包含する。このような技術は当業者に既知のものであり、当業者に広く知られている数多くの文献及び参考文献に記載されている。本明細書の上述の及び以降に記載されるすべての特許、特許出願、論文及び刊行物は、参照により明示的に本明細書に組み込まれる。
【0016】
本明細書において別途定義されない限り、本明細書で使用されるすべての技術及び科学用語は、本発明の属する技術分野の当業者により一般に理解される意味と同様の意味を持つ。多くの専門用語辞典が当業者に既知である。本明細書に記載されているものと類似した又は等価な任意の方法及び材料が本発明の実施に使用されるが、本明細書には一部の好適な方法及び材料を記載する。したがって、以降で定義される用語は、総じて本明細書を参照することでより詳しく説明される。同様に、本明細書で使用するとき、単数形「a」、「an」及び「the」には、文脈で明示されない限り、対象物が複数個ある場合も含まれる。特に断りのない限り、核酸(の塩基配列)は5’側から3’側へ向かって左から右に表示され、そしてアミノ酸配列はアミノ基からカルボキシ基へ向かって左から右に表示される。本発明は、記載される特定の方法論、プロトコル、及び試薬に制限されるものではなく、これらは当業者により使用される文脈に応じて変動し得ると理解されるべきである。
【0017】
更に、本明細書において提供される見出しは、本発明の各種態様又は実施形態を制限するものではない。
【0018】
本明細書を通じて与えられるあらゆる最大数値の制限は、あらゆるより小さい数値の制限を、あたかもそのようなより小さい数値の制限が本明細書に明確に記載されているかのように包含することが意図される。本明細書の全体を通じて与えられるあらゆる最小数値の制限は、それよりも大きいあらゆる数値の制限を、あたかもこうしたより大きい数値の制限が本明細書に明確に記載されているかのように包含する。本明細書の全体を通じて与えられるあらゆる数値範囲は、このような広い数値範囲に含まれるより狭いあらゆる数値範囲が、あたかもこうしたより狭い数値範囲がすべて本明細書に明確に記載されているかのように包含される。
【0019】
本明細書で使用するとき、用語「プロテアーゼ」及び「プロテイナーゼ」は、タンパク質及びペプチドを分解する能力を有する酵素を指す。プロテアーゼは、ペプチド又はポリペプチド鎖においてアミノ酸を共に結合してタンパク質を形成するペプチド結合を加水分解することにより「タンパク質分解」を行う能力を有する。タンパク質消化酵素としてのプロテアーゼのこの活性は、「タンパク質分解活性」と呼ばれる。タンパク質分解活性の測定には、数多くの周知の手法が存在する(例えば、Kalisz,「Microbial Proteinases,」In:Fiechter(ed.),Advances in Biochemical Engineering/Biotechnology,(1988)を参照されたい)。例えば、タンパク質分解活性は、各プロテアーゼが好適な基質を加水分解する能力を解析する比較アッセイにより確認することができる。プロテアーゼ活性又はタンパク質分解活性の解析に有用な代表的な基質としては、限定するものではないが、ジメチルカゼイン(Sigma C−9801)、ウシコラーゲン(Sigma C−9879)、ウシエラスチン(Sigma E−1625)、及びウシケラチン(ICN Biomedical 902111)が挙げられる。これらの基質を利用する比色アッセイが当業界では周知である(例えば、国際公開第99/34011号、及び米国特許第6,376,450号を参照されたい。これらの特許文献は、いずれも、参照により本明細書に援用される)。pNAペプチジルアッセイ(例えば、Del Mar et al.,Anal.Biochem.99:316〜320[1979]を参照されたい)も、活性な酵素濃度を決定する際の使用が見出されている。このアッセイは、酵素がスクシニル−アラニン−アラニン−プロリン−フェニルアラニン−p−ニトロアニリド(suc−AAPF−pNA)などの可溶性合成基質を加水分解するのに伴いp−ニトロアニリンが放出される速度を測定するものである。加水分解反応による黄色の生成速度を分光光度計で410nmにて測定するが、この速度は活性酵素濃度に比例する。更に、280ナノメートル(nm)での吸光度測定を利用して、精製したタンパク質サンプル中の全タンパク質濃度を求めることができる。「基質に対する活性」を、「タンパク質濃度」により除算することで、酵素の特異的な活性が得られる。
【0020】
本明細書で使用するとき、用語「ポリペプチド変異体」は、親又は参照ポリペプチド(限定するものではないが野生型ポリペプチドが挙げられる)のアミノ酸配列と少なくとも1つのアミノ酸残基が異なるアミノ酸配列を含むポリペプチドを指す。
【0021】
本明細書で使用するとき、「バチルス(Bacillus)属」としては、当業者に既知の「バチルス(Bacillus)」属のすべての種を包含し、限定するものではないが、例えば、バチルス・スブチリス(B. subtilis)、バチルス・リケニフォルミス(B. licheniformis)、バチルス・レンタス(B. lentus)、バチルス・ブレビス(B. brevis)、バチルス・ステアロサーモフィルス(B. stearothermophilus)、バチルス・アルカロフィルス(B. alkalophilus)、バチルス・アミロリケファシエンス(B. amyloliquefaciens)、バチルス・クラウシイ(B. clausii)、バチルス・ハロデュランス(B. halodurans)、バチルス・メガテリウム(巨大菌、B. megaterium)、バチルス・コアギュランス(B. coagulans)、バチルス・サークランス(B. circulans)、バチルス・ロータス(B. lautus)、及びバチルス・チューリンゲンシス(B. thuringiensis)が挙げられる。バチルス属は分類学上の再編成を絶えず受けているものと認識される。したがって、属には、これまでに再分類された種、限定するものではないが、現在では「ゲオバチルス・ステアロサーモフィルス(Geobacillus stearothermophilus)」と命名されているバチルス・ステアロサーモフィルス(B. stearothermophilus)などの生物を包含するものと意図される。ストレスの多い環境条件下での耐性内生胞子の産生は、バチルス(Bacillus)属を定義する特徴であるとみなされているものの、この特徴は、近年、アリシクロバチルス(Alicyclobacillus)、アンフィバチルス(Amphibacillus)、アネウリニバチルス(Aneurinibacillus)、アノキシバチルス(Anoxybacillus)、ブレビバチルス(Brevibacillus)、フィロバチルス(Filobacillus)、グラシリバチルス(Gracilibacillus)、ハロバチルス(Halobacillus)、パエニバチルス(Paenibacillus)、サリバチルス(Salibacillus)、サーモバチルス(Thermobacillus)、ウレビバチルス(Ureibacillus)、及びビルジバチルス(Virgibacillus)と命名された複数の属にも該当する。
【0022】
本明細書で使用するとき、「カルシウム結合部位」は、遊離のカルシウムの存在下でカルシウムイオンを結合することのできるメタロプロテアーゼ内の領域を指す。カルシウムは、多くの条件下で、メタロプロテアーゼの構造的完全性の維持を補助するよう機能できる。いくつかの実施形態では、遊離のカルシウム量は、洗浄条件中の水硬度に関連付けることができ、軟水の場合にはカルシウムは17ppm(1.0グレーン/ガロン)未満の範囲であり、わずかに硬水の場合には約17〜60ppm(約1.0〜3.5グレーン/ガロン)の範囲であり、中等度硬水の場合には約60〜120ppm(約3.5〜7.0グレーン/ガロン)の範囲であり、硬水の場合には約120〜180ppm以上(約7.0〜10.5グレーン/ガロン以上)の範囲であり得る。本発明のいくつかの実施形態では、カルシウム結合部位の特徴は、メタロプロテアーゼの性能を変更するよう親又は参照メタロプロテアーゼと比較して改変されている。カルシウム結合部位の改変には、カルシウムイオン結合部位の親和性の低減又は増加が包含され得る。メタロプロテアーゼの性能の改変には、様々な用途下での酵素の安定性(例えば、酸化又は熱安定性)の改変、又は活性(例えば、メタロプロテアーゼがタンパク質基質を加水分解する速度又は効率)の改変を包含することが意図される。
【0023】
本明細書で使用するとき、「カルシウムリガンド」は、カルシウム結合部位において、カルシウムイオンを結合するリガンドを形成する、メタロプロテアーゼ酵素の1つ以上のアミノ酸残基を意味する。
【0024】
用語「ポリヌクレオチド」及び「核酸」は、本明細書ではほぼ同じ意味で使用され、ヌクレオチドモノマーが鎖状に共有結合している任意の長さのポリマーを指す。デオキシリボヌクレオチドからなるポリヌクレオチドであるDNA(デオキシリボ核酸)、及びリボヌクレオチドポリマーであるRNA(リボ核酸)は、異なる生物学的機能を有するポリヌクレオチド又は核酸の例である。ポリヌクレオチド又は核酸としては、限定するものではないが、一本鎖、二本鎖、又は三本鎖DNA、ゲノムDNA、cDNA、RNA、DNA−RNAハイブリッド、又はプリン塩基及びピリミジン塩基、若しくは他の天然の、化学的に改変された、生化学的に改変された、非天然の、若しくは誘導体化されたヌクレオチド塩基を含むポリマーが挙げられる。以下のものがポリヌクレオチドの非限定例である:遺伝子、遺伝子断片、染色体断片、1つ以上の発現配列タグ(EST)、エキソン、イントロン、メッセンジャーRNA(mRNA)、転移RNA(tRNA)、リボソームRNA(rRNA)、リボザイム、相補DNA(cDNA)、組み換えポリヌクレオチド、分岐ポリヌクレオチド、プラスミド、ベクター、任意の配列の単離DNA、任意の配列の単離RNA、核酸プローブ、及びプライマー。
【0025】
本明細書で使用するとき、用語「改変」は、参照アミノ酸又は核酸配列になされる変更を指す。この用語には、置換、挿入及び欠失が包含されることを意図する。
【0026】
本明細書で使用するとき、用語「ベクター」は、核酸を標的細胞又は組織の中に導入する又は移入するために使用される核酸構築物を指す。ベクターは、典型的には、外来DNAを細胞又は組織に導入するために使用される。ベクターとしては、プラスミド、クローニングベクター、バクテリオファージ、ウイルス(例えば、ウイルスベクター)、コスミド、発現ベクター、シャトルベクターなどが挙げられる。典型的には、ベクターは複製開始点、マルチクローニング部位、及び選択マーカーを備えている。ベクターを標的細胞に挿入するプロセスは、典型的に形質転換と呼ばれる。いくつかの実施形態では、本発明は、メタロプロテアーゼポリペプチド(例えば、前駆体又は成熟メタロプロテアーゼポリペプチド)をコードするDNA配列を含むベクターを包含するものであり、当該DNA配列は、好適な宿主内でのDNA配列の発現、並びに組み換えポリペプチド鎖のフォールディング及び転座を行うことができる好適なプロ配列(例えば、分泌性のシグナルペプチド配列など)に機能的に連結される。
【0027】
本明細書で使用するとき、用語「発現カセット」、「発現プラスミド」又は「発現ベクター」は、対象とする核酸を標的細胞で発現させるための組み換え又は合成により生成される核酸構築物又はベクターを指す。発現ベクター又は発現カセットは、典型的には外来核酸の発現を促進するプロモーターヌクレオチド配列を含む。また、典型的には発現ベクター又はカセットは、標的細胞で特定の核酸の転写を可能にする任意の他の指定された核酸エレメントを包含する。組み換え型発現カセットは、プラスミド、染色体、ミトコンドリアDNA、プラスチドDNA、ウイルス、又は核酸断片に組み込むことができる。多くの原核及び真核細胞発現ベクターが市販されている。
【0028】
いくつかの実施形態では、配列の両末端は、DNA構築物が閉環を形成するように閉じている。当業者に周知である技術を用いてDNA構築物に組み込まれる、対象とする核酸配列は、野生型、変異型、又は修飾型核酸であり得る。いくつかの実施形態では、DNA構築物は、宿主細胞染色体と相同である核酸配列を1種以上含む。他の実施形態においては、DNA構築物は、非相同的なヌクレオチド配列を1種以上含む。DNA構築物がインビトロで構築されたならば、例えば、1)異種配列の、宿主細胞の望ましい標的配列への挿入;及び/又は2)宿主細胞の染色体領域に対する変異誘発(すなわち、内在性配列を異種配列により置き換える);3)標的遺伝子の欠失;及び/又は4)複製プラスミドの宿主への導入、に使用できる。「DNA構築物」は、本明細書において「発現カセット」とほぼ同じ意味で使用される。
【0029】
本明細書で使用するとき、「プラスミド」は、染色体DNAとは独立して複製することのできる染色体外DNA分子を指す。プラスミドは二本鎖(ds)であり、環状であってもよく、典型的にはクローニングベクターとして使用される。
【0030】
本明細書で、核酸配列を細胞に導入する文脈において使用するとき、用語「導入」は、核酸配列を細胞に移入するのに好適な任意の方法を指す。導入の際のこのような方法としては、プロトプラスト融合、遺伝子導入、形質転換、電気穿孔、複合、及び形質導入(例えば、Ferrari et al.,「Genetics,」in Hardwood et al.(eds.),Bacillus,Plenum Publishing Corp.,pp.57〜72[1989]を参照されたい)が挙げられるがこれらに限定されない。
【0031】
形質転換は、遺伝物質(例えば、DNA)の取り込み、所望によりゲノムへの組み込み、及び発現がもたらされる、細胞の遺伝的変更を指す。
【0032】
本明細書で使用するとき、核酸は、別の核酸配列と機能的に関連を持つよう配置された場合に、別の核酸配列と「機能的に連結」される。例えば、プロモーターがコード配列の転写に影響を与える場合、プロモーター又はエンハンサーは、ヌクレオチドコード配列に機能的に連結される。コード配列の翻訳を促進するように配置される場合、リボソーム結合部位は、コード配列に機能的に連結され得る。通常、「機能的に連結された」DNA配列は隣接している。ただし、エンハンサーが隣接する必要はない。連結は、好都合な制限部位におけるライゲーションにより達成される。このような部位が存在しない場合には、従来の実践に従い、合成オリゴヌクレオチドアダプタ又はリンカーが用いられ得る。
【0033】
本明細書で使用するとき、用語「遺伝子」は、ポリペプチドをコードし、前述及び後述のコード領域、並びに各コード断片(エキソン)間の介在配列(イントロン)を包含するポリヌクレオチド(例えば、DNA断片)を指す。
【0034】
本明細書で使用するとき、細胞を参照して使用する場合の「組み換え」は、典型的には、その細胞が外来核酸配列の導入により改変されていること、あるいは、その細胞がそのように改変された細胞から誘導されることを指す。例えば、組み換え細胞は、未改変(非組み換え型)の細胞において同一の形で見られない遺伝子を含み得るものであり、又は組み換え細胞は、改変されて細胞に再導入されている未改変の遺伝子(未改変の細胞で見られる)を含み得る。組み換え細胞は、細胞から核酸を除去することなく改変されている細胞に対して内因性の核酸を含み得るが、このような改変としては、遺伝子置換、部位特異的変異、及び当業者に既知の関連技術によって生じる改変が挙げられる。組み換えDNA技術としては、インビトロでの組み換えDNA産生、及び組み換えDNAを発現又は増殖させることにより組み換えポリペプチドを産生する細胞への組み換えのDNA移行、のための技術が挙げられる。ポリヌクレオチド又は核酸の「組み換え(Recombination)」、「組換する(recombining)」及び「組み換えられた(recombined)」は、概して、2つ以上の核酸若しくはポリヌクレオチド鎖若しくは断片をアセンブル又は結合させて新しいポリヌクレオチド又は核酸を生成することを指す。組み換えポリヌクレオチド又は核酸は、時にキメラと呼ばれる。核酸又はポリペプチドは、人工的であるか又は操作されている場合、「組み換え型」である。
【0035】
核酸又はポリヌクレオチドは、未改変の状態にせよ又は当業者に既知の手法により工学操作された場合にせよ、転写及び/又は翻訳されてポリペプチド又はそれらの断片を産生できるのであれば、ポリペプチドを「コードする」と言われる。このような核酸のアンチセンス鎖も、同様に、配列をコードすると言われる。
【0036】
「宿主株」又は「宿主細胞」は、対象とするDNA配列を含む発現ベクターにとって好適な宿主を指す。
【0037】
「タンパク質」又は「ポリペプチド」は、アミノ酸残基のポリマー配列からなる。「タンパク質」及び「ポリペプチド」なる用語は、本明細書ではほぼ同じ意味で使用される。IUPAC−IUB Joint Commission on Biochemical Nomenclature(JCBN)に従い定義されるアミノ酸の一文字表記及び三文字表記を、本開示全体を通して使用する。一文字のXは、20種のアミノ酸のうちのいずれかを指す。ポリペプチドは、遺伝子コードの縮重により1種以上のヌクレオチド配列によりコードされる場合があることも理解されたい。変異は、親アミノ酸の1文字表記、続いて位置番号、次に変異アミノ酸を表す1文字表記により記載される。例えば、87位でのグリシン(G)のセリン(S)への変異は、「G087S」又は「G87S」と表される。変異は、また、アミノ酸の3文字表記に続いて、ポリペプチド鎖のN末端から数えた位置により記載されることがあり、例えば、10位のアラニンはAla10で記載される。複数の変異は、変異間に「−」、「+」、「/」又は「;」を挿入して示す。87位及び90位での変異は、「G087S−A090Y」若しくは「G87S−A90Y」、又は「G87S+A90Y」若しくは「G087S+A090Y」のいずれかとして表される。挿入については、1つ以上の挿入したアミノ酸を位置の後ろに掲載することができる。例えば、「G087GS」は、第87番目の位置のグリシンの後にセリンが挿入されていることを意味し;2つ目の例として、「G087GSA」は、第87番目の位置のグリシンの後にセリン及びアラニンが挿入されていることを意味する。挿入は、置換と組み合わせてなすことができ、したがって、「G087RS」は、第87番目の位置におけるグリシンからアルギニンへの置換と、それに続くセリン残基の挿入を意味する。欠失については、一番号の後に「Δ」又は「del」のいずれかを使用する。したがって、例えば、「G087del」は、第87番目の位置におけるグリシンの欠失を意味する。修飾について記載するとき、位置の後に続く括弧内に記載のアミノ酸は、置換一覧を意味し、すなわち、その位置において、掲載の任意のアミノ酸により置換がなされる。例えば、6(L,I)とは、6位がロイシン又はイソロイシンで置換され得ることを意味する。
【0038】
「プロ配列」又は「プロペプチド配列」は、プロテアーゼの適切なフォールディング及び分泌に必要とされる、シグナルペプチド配列及び成熟プロテアーゼ配列間のアミノ酸配列を指す;それらの配列は分子内シャペロンとして言及されることもある。プロ配列又はプロペプチド配列の開裂により、成熟型活性プロテアーゼを生じる。細菌メタロプロテアーゼは、プロ酵素と表現されることが多い。
【0039】
用語「シグナル配列」又は「シグナルペプチド」は、成熟型又は前駆体型タンパク質の分泌又は直接輸送に関与し得るアミノ酸残基の配列を指す。シグナル配列は、典型的に、前駆体型又は成熟型タンパク質配列のN端末に位置する。シグナル配列は内因性又は外来性であり得る。シグナル配列は通常、成熟型タンパク質には存在しない。シグナル配列は、典型的には、タンパク質の輸送後にシグナルペプチダーゼによりタンパク質から開裂される。
【0040】
用語「成熟」型タンパク質、ポリペプチド又はペプチドとは、シグナルペプチド配列及びプロペプチド配列を持たないタンパク質、ポリペプチド又はペプチドの機能的形態を指す。
【0041】
用語「前駆体」型タンパク質又はペプチドとは、タンパク質のアミノ末端又はカルボニル末端に機能的に連結されたプロ配列を有する成熟型タンパク質を指す。前駆体型タンパク質又はペプチドは、プロ配列のアミノ末端に、機能的に連結された「シグナル」配列を有する場合もある。前駆型タンパク質又はペプチドは、翻訳後活性に関係する追加のポリペプチド(例えば、前駆体から開裂されて、成熟型のタンパク質又はペプチドを後に残すポリペプチド)を有する場合もある。
【0042】
アミノ酸配列又は核酸配列に関する用語「野生型」は、そのアミノ酸配列又は核酸配列が未改変の又は天然に生じる配列であることを示す。本明細書で使用するとき、用語「天然に生じる」は、天然に見られる任意のもの(例えば、タンパク質、アミノ酸、又は核酸配列)を指す。
【0043】
本明細書で使用するとき、用語「非天然に生じる」とは、野生型配列の改変として、自然界で見出されない任意のもの(例えば、研究室で産生された組み換え型核酸及びタンパク質配列)を指す。
【0044】
本明細書でアミノ酸残基の位置に関して使用するとき、「対応する(「corresponding to」又は「corresponds to」又は「corresponds」)」とは、タンパク質若しくはペプチド中の列挙された位置にあるアミノ酸残基、又はタンパク質若しくはペプチド中の列挙された残基と類似、相同、若しくは等価であるアミノ酸残基を指す。本明細書で使用するとき、「対応する領域」とは、概して、関連するタンパク質又は参照タンパク質における類似の位置を指す。
【0045】
用語「に由来する」及び「から得られる」とは、当該生物株により産生されるあるいは産生され得るタンパク質だけでなく、このような株から単離されるDNA配列によってコードされ、このようなDNA配列を含有している宿主生物で産生されるタンパク質も指す。更にこれらの用語は、合成DNA配列及び/又はcDNA起源のDNA配列によりコードされかつ当該タンパク質の識別特徴を有するタンパク質を指す。例えば、「バチルス(Bacillus)由来のプロテアーゼ」は、バチルス(Bacillus)により天然に産生されるタンパク質分解活性を有する酵素、並びバチルス(Bacillus)源により産生されるものなどのメタロプロテアーゼを指すが、遺伝子工学技術の利用により、セリンプロテアーゼをコードしている核酸で形質転換させた、バチルス(Bacillus)以外の生物で産生されたものは含まれない。
【0046】
2つの核酸又はポリペプチド配列の文脈において、用語「同一」は、以下の配列比較又は解析アルゴリズムのうちの1つを用いて測定する際に、最大限一致するように整列させたときに同じである2つの配列中の残基を指す。
【0047】
本明細書で使用するとき、用語「相同な遺伝子」は、互いに対応し、かつ互いに同一であるか又は非常に類似している、異なるが通常は近縁である種からの一対の遺伝子を指す。この用語は、種分化(すなわち、新種の発生)(例えば、オルソロガスな遺伝子)により分別された遺伝子、並びに遺伝子重複(例えば、パラロガスな遺伝子)により分別された遺伝子を包含する。本明細書で使用するとき、「相同タンパク質」は、別種の、ただし通常は、互いに非常に似通っている関連する種のタンパク質を指す。
【0048】
本明細書で使用するとき、「同一性(%)又は同一性パーセント」は、遺伝子又はタンパク質レベルでの配列同一性を指す。これらの計算結果は、使用されるアルゴリズム、及び比較配列の長さなどといった選択されるパラメーターに大きく依存するものである。同一性(%)は当業界で既知の標準法を利用して求めることができる(例えば、Smith and Waterman,Adv.Appl.Math.2:482[1981];Needleman and Wunsch,J.Mol.Biol.48:443[1970];Pearson and Lipman,Proc.Natl.Acad.Sci.USA85:2444[1988];Wisconsin Genetics(Genetics Computer Group,Madison,WI)ソフトウェアパッケージに含まれるGAP、BESTFIT、FASTA、及びTFASTAなどのソフトウェアプログラム;及びDevereux et al.,Nucl.Acid Res.12:387〜395[1984]を参照されたい)。有用なアルゴリズムの一例は、PILEUPである。PILEUPは、プログレッシブペアワイズアラインメント法を用いて、関連する配列群から複数の配列のアラインメントを作成する。PILEUPは、アラインメントを作成するのに使用されるクラスタリング関連性を示す系統樹をプロットすることもできる。PILEUPは、Feng及びDoolittleのプログレッシブアラインメント法を単純化したものを利用する(Feng and Doolittle,J.Mol.Evol.35:351〜360[1987]を参照されたい)。この方法は、Higgins及びSharpにより記載されたものと類似のものである(Higgins and Sharp,CABIOS 5:151〜153頁[1989年]を参照されたい)。有用なPILEUPパラメーターとしては、3.00のデフォルトギャップ重み(default gap weight)、0.10のデフォルトギャップ長重み(default gap length weight)及び重み付きエンドギャップ(weighted end gaps)が挙げられる。他の有用なアルゴリズムは、Altschul et al.,(Altschul et al.,J.Mol.Biol.215:403〜410[1990];並びにKarlin and Altschul,Proc.Natl.Acad.Sci.USA90:5873〜5787[1993])により記載のBLASTアルゴリズムがある。BLASTプログラムは、そのほとんどがデフォルト値に設定される複数の検索パラメーターを使用する。
【0049】
NCBI BLASTアルゴリズムにより、生物学的類似性の点で最も相関する配列が発見されるものの、20残基未満のクエリー配列には推奨されない(Altschul,SF et al.(1997)Nucleic Acids Res.25:3389〜3402 and Schaffer、AA et al.(2001)Nucleic Acids Res.29:2994〜3005を参照されたい)。核酸配列の検索におけるデフォルトのBLASTパラメーター例は次の通りである。
・近隣wordsの閾値:11
・E値カットオフ:10
・スコア行列:NUC.3.1(マッチ=1、ミスマッチ=−3)
・ギャップ開始:5
・ギャップ伸長:2
また、アミノ酸配列検索におけるパラメーターは次の通りである。
・Word長:3
・E値カットオフ:10
・スコア行列:BLOSUM62
・ギャップ開始:11
・ギャップ伸長:1
【0050】
アミノ酸配列同一性パーセント(%)は、最適/最大のアラインメントが得られるようにプログラムによって作成された任意のギャップを含む「参照」配列の残基総数で、マッチする同一残基数を除することによって求められる。配列が、配列番号Aと90%同一性である場合、配列番号Aは、「参照」配列である。BLASTアルゴリズムでは、「参照」配列を「問い合わせ」配列と呼ぶ。
【0051】
CLUSTAL Wアルゴリズムは、別の配列アラインメントアルゴリズム例である。Thompson et al.(1994)Nucleic Acids Res.22:4673〜4680を参照されたい。CLUSTAL Wアルゴリズムのデフォルトパラメーターは、次の通りである。
【0052】
【表1】
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【0053】
CLUSTALアルゴリズムでは、どちらか一方の末端に存在する欠失を含める。例えば、500個のアミノ酸からなるポリペプチドのどちらか一方の末端で(又はポリペプチド内に)アミノ酸5個の欠失を有する変異体は、「参照」ポリペプチドに対して99%の配列同一性パーセントを有する(同一残基495個/500個×100)。このような変異体は、ポリペプチドに対して「少なくとも99%の配列同一性」を有する変異体に包含されるであろう。
【0054】
対象とするポリペプチドが参照ポリペプチドのアミノ酸配列に対して少なくとも約60%、少なくとも約65%、少なくとも約70%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約91%、少なくとも約92%、少なくとも約93%、少なくとも約94%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、少なくとも約99%、又は少なくとも約99.5%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む場合、対象とするポリペプチドは参照ポリペプチドと「実質上同一」であると言われ得る。2つのこのようなポリペプチド間の同一性(%)は、最適に整列させた2つのポリペプチド配列を目視確認することで手作業により、又は標準的なパラメーターを用いるソフトウェアプログラム若しくはアルゴリズム(例えば、BLAST、ALIGN、CLUSTAL)を使用することにより、決定することができる。2つのポリペプチドが実質的に同一であることの指標の1つは、第一のポリペプチドと第二のポリペプチドとが免疫学的な交差反応に反応するというものである。典型的に、保存的アミノ酸置換が異なるポリペプチドは、免疫学的に交差反応する。したがって、例えば、2つのペプチドが、保存的アミノ酸置換のみが異なる、又は1つ以上の保存的アミノ酸置換のみが異なる場合、ポリペプチドは第二のポリペプチドと実質的に同一である。
【0055】
対象とする核酸が参照核酸のヌクレオチド配列に対して少なくとも約60%、少なくとも約65%、少なくとも約70%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約91%、少なくとも約92%、少なくとも約93%、少なくとも約94%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、少なくとも約99%、又は少なくとも約99.5%の配列同一性を有するヌクレオチド配列を含む場合、対象とする核酸は参照核酸と「実質上同一」であると言われ得る。このような2つの核酸間の同一性(%)は、最適アラインメントされた2つの核酸配列を目視確認することで手作業により、又は標準的なパラメーターを用いるソフトウェアプログラム若しくはアルゴリズム(例えば、BLAST、ALIGN、CLUSTAL)を使用することにより決定することができる。2つの核酸配列が実質的に同一であることの指標の1つは、ストリンジェント(例えば、中程度〜高ストリンジェンシーの範囲)な条件下で、2つの核酸分子が互いにハイブリダイズするというものである。
【0056】
核酸又はポリヌクレオチドが、例えば他のタンパク質、核酸、細胞等が挙げられるがこれらに限定されない他の成分から少なくとも部分的又は完全に分離されているとき、核酸又はポリヌクレオチドは「単離され」ている。同様に、ポリペプチド、タンパク質又はペプチドが、例えば他のタンパク質、核酸、細胞等が挙げられるがこれらに限定されない他の成分から少なくとも部分的又は完全に分離されているとき、ポリペプチド、タンパク質又はペプチドは「単離され」ている。単離された分子種は、モルベースで、組成物中に他の分子種よりも豊富に含まれている。例えば、単離された分子種は、含まれているすべての高分子種の(モルベースで)少なくとも約60%、少なくとも約65%、少なくとも約70%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約91%、少なくとも約92%、少なくとも約93%、少なくとも約94%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、少なくとも約99%、又は約100%を構成し得る。好ましくは、対象とする分子種は、本質的に均質になるよう精製される(すなわち、従来の検出法では、組成に夾雑物が検出されない)。純度及び均一性は、当該技術分野で周知の多数の技術、例えば核酸又はタンパク質試料のそれぞれアガロース又はポリアクリルアミドゲル電気泳動後の染色による可視化を用いて決定することができる。必要に応じて、高解像度の技術、例えば高速液体クロマトグラフィー(HPLC)又は同様の手法を用いて材料を精製することができる。
【0057】
「ハイブリダイゼーション」とは、核酸の一つの鎖が、相補鎖と二本鎖、すなわち塩基対を形成するプロセスを指す。中等度〜高ストリンジェンシーのハイブリダイゼーション条件及び洗浄条件下で2つの配列が互いに特異的にハイブリダイズする場合、核酸配列は参照核酸配列に「選択的にハイブリダイズ可能」であるものとみなされる。ハイブリダイゼーション条件は、核酸結合複合体又はプローブの融解温度(Tm)に基づく。例えば一般的に、「最高限度のストリンジェンシー」はおよそTm−5℃(プローブのTmよりも5℃低い温度)で生じ、「高ストリンジェンシー」はTmよりも約5〜10℃低い温度で生じ、「中等度のストリンジェンシー」はプローブのTmよりも約10〜20℃低い温度で生じ、そして「低ストリンジェンシー」はTmよりも約20〜25℃低い温度で生じ。機能上、最高限度のストリンジェンシー条件は、ハイブリダイゼーションプローブと厳密な同一性又はほぼ厳密な同一性を有する配列を同定するために用いられ、一方、中等度又は低ストリンジェンシーのハイブリダイゼーションは、ポリヌクレオチド配列同族体を同定又は検出するために用いられ得る。
【0058】
中等度及び高ストリンジェンシーのハイブリダイゼーション条件は、当該技術分野において周知である。ストリンジェントなハイブリダイゼーション条件は、例えば、以下の条件下でのハイブリダイゼーションである。65℃及び0.1×SSC(ここで、1×SSC=0.15M NaCl、0.015Mクエン酸酸三ナトリウム、pH 7.0)。ハイブリダイゼーションさせた二本鎖核酸は、ハイブリダイゼーションさせた核酸鎖のうち半分が相補鎖と対をなさなくなる融解温度(T
m)により特性評価される。二本鎖にミスマッチの核酸が含まれると、T
mが低くなる。非常にストリンジェントなハイブリダイゼーション条件は、68℃及び0.1×SSCを要する。メタロプロテアーゼ変異体をコードしている核酸は、配列番号4の核酸及びその相補的な核酸間に形成される二本鎖と比較して、T
mが1℃〜3℃低くなる。
【0059】
高ストリンジェンシー条件の別の例としては、約42℃にて、50%ホルムアミド、5×SSC、5×デンハルト液、0.5% SDS及び100g/ml変性担体DNA中でハイブリダイゼーションを行った後、室温で2×SSC及び0.5% SDSにより2回洗浄し、更に42℃で0.1×SSC及び0.5% SDSで2回洗浄するというものが挙げられる。中等度ストリンジェントな条件の例としては、20%ホルムアミド、5xSSC(150mM NaCl、15mMクエン酸三ナトリウム)、50mMリン酸ナトリウム(pH 7.6)、5×デンハルト液、10%デキストラン硫酸及び20mg/ml変性せん断サケ精液DNAを含む溶液により37℃で一晩インキュベート後、約37〜50℃で、1×SSCによりろ過洗浄というものが挙げられる。当業者であれば、温度、イオン強度などを調整して、プローブ長などの因子を適切なものにする方法を御存知であろう。
【0060】
核酸又はポリペプチドに使用するとき、用語「精製された」は、概して、当業者に周知の解析技術により測定したときに、核酸又はポリペプチドが他の成分を本質的に含まないことを意味する(例えば、精製されているポリペプチド又はポリヌクレオチドは、電気泳動ゲル、クロマトグラフィー溶出液、及び/又は密度勾配遠心分離にかけた培養液中で、別個のバンドを形成する)。例えば、電気泳動ゲルで本質的に1本のバンドのみが生じる核酸又はポリペプチドは、「精製されている」。精製されている核酸又はポリペプチドは、少なくとも純度約50%のものであり、通常、少なくとも約60%、約65%、約70%、約75%、約80%、約85%、約90%、約91%、約92%、約93%、約94%、約95%、約96%、約97%、約98%、約99%、約99.5%、約99.6%、約99.7%、又は約99.8%以上(例えば、モル重量による純度)のものである。これに関連し、本発明は、本発明の1つ以上のポリペプチド又はポリヌクレオチドのような本発明の分子1つ以上について組成物を濃縮する方法を提供する。精製又は濃縮技術の適用後に分子の濃度が実質的に増加している場合、組成物はその分子について濃縮されている。本発明の実質的に純粋なポリペプチド又はポリヌクレオチド(例えば、それぞれ本発明のメタロプロテアーゼポリペプチドをコードしている実質的に純粋なメタロプロテアーゼポリペプチド又はポリヌクレオチド)は、特定の組成物中で、典型的には、全高分子種の少なくとも約55%、約60%、約65%、約70%、約75%、約80%、約85%、約90%、約91%、約92%、約93%、約94%、約95%、約96%、約97%、約98%、約99%、又は約99.5%以上(モルベース)を構成する。
【0061】
用語「濃縮された」とは、化合物、ポリペプチド、細胞、核酸、アミノ酸、又は他の特定の材料若しくは成分が開始組成物よりも高い相対濃度又は絶対濃度で組成物中に存在することを指す。
【0062】
関連する観点において、本発明は、本発明の1種以上のポリペプチド(例えば、本発明の1種以上のメタロプロテアーゼポリペプチド)、又は本発明の1種以上の核酸(例えば、本発明の1種以上のメタロプロテアーゼポリペプチドをコードしている1種以上の核酸)などの、本発明の1種以上の分子について、組成物を富化させる方法を提供する。精製又は濃縮技術の適用後に分子の濃度が実質的に増加している場合、組成物はその分子について濃縮されている。実質的に純粋なポリペプチド又はポリヌクレオチドは、典型的には、特定の組成物中で、すべての高分子種の(モルベースで)少なくとも約55重量%、約60重量%、約65重量%、約70重量%、約75重量%、約80重量%、約85重量%、約90重量%、約91重量%、約92重量%、約93重量%、約94重量%、約95重量%、約96重量%、約97重量%、約98重量%、約99重量%、約99.5重量%又はそれ以上を構成する。
【0063】
本明細書で使用するとき、用語「機能性アッセイ」は、タンパク質活性の指標を提供するアッセイを指す。いくつかの実施形態では、この用語は、タンパク質を、通常の能力範囲で機能できるかに関して解析するアッセイ系を指す。例えば、プロテアーゼの場合、機能性アッセイは、プロテアーゼがタンパク質基質を加水分解する実効性を評価することを包含する。
【0064】
用語「改変核酸配列」及び「改変遺伝子」は、本明細書において、天然に生じる(すなわち、野生型の)核酸配列に欠失、挿入、又は中断を含む核酸配列を指す際に互換的に使用される。いくつかの実施形態では、改変された核酸配列の発現産物は、切断型タンパク質である(例えば、改変が配列の欠失又は中断である場合)。いくつかの実施形態では、切断型タンパク質は生物活性を保持している。代替的な実施形態では、改変された核酸配列の発現産物は、伸長を受けたタンパク質である(例えば、改変が核酸配列に対する挿入を含む場合)。いくつかの実施形態では、核酸配列へのヌクレオチド挿入により、切断型タンパク質がもたらされる(例えば、挿入の結果、終止コドンが形成される場合)。したがって、挿入によって、切断型タンパク質又は伸長型タンパク質のいずれかが発現産物として生じ得る。
【0065】
「変異体」核酸配列は、典型的には、変異体核酸配列の発現産物が、野生型タンパク質と比較してアミノ酸配列が変化しているタンパク質になるよう、宿主細胞の野生型配列に存在する少なくとも1つのコドンに変更を有する核酸配列を指す。発現産物は、機能強度が変更されている場合もある(例えば、酵素活性が増強されているなど)。
【0066】
本明細書で使用するとき、用語「基質特異性の変化」は、酵素の基質特異性に生じる変化を指す。いくつかの実施形態では、基質特異性の変化は、酵素の変異又は反応条件の変更により、特定の基質に対するk
cat及び/又はK
mが変化することとして定義される。酵素の基質特異性は、その酵素が示す触媒効率を異なる基質と比較することで決定される。概して、対象とする基質に対し示すk
cat/K
m比が大きい変異体酵素を産生することが望ましいことから、これらの決定は、変異体酵素の効率を評価する際に特に使用される。しかしながら、本発明は、いかなる特定の基質組成物又は基質特異性にも制限されないと意図される。
【0067】
本明細書で使用するとき、「表面特性」は、静電荷、並びにタンパク質の表面が示す疎水性及び親水性などの特性に関して使用される。
【0068】
本明細書で使用するとき、用語「実効電荷」は、分子中に存在するすべての電荷の合計として定義される。「実効電荷の変更」は、親分子とは異なる実効電荷を有する変異体が提供されるよう、親タンパク質分子に対してなされる(すなわち、変異体は、親分子のものとは異なる実効電荷を有する)。例えば、中性のアミノ酸を負電荷を持つアミノ酸に置き換えるか、又は正電荷を持つアミノ酸を中性のアミノ酸に置き換えることで、親分子と比較して実効電荷が−1になる。正電荷を持つアミノ酸を負電荷を持つアミノ酸に置き換えることで、親分子と比較して実効電荷が−2になる。中性のアミノ酸を正電荷を持つアミノ酸に置き換えるか、又は負電荷を持つアミノ酸を中性のアミノ酸に置き換えることで、親分子と比較して実効電荷が+1になる。負電荷を持つアミノ酸を正電荷を持つアミノ酸に置き換えることで、親分子と比較して実効電荷が+2になる。帯電しているアミノ酸を欠失及び/又は挿入させることにより親タンパク質の実効電荷を変更することができる。同じpH条件下で測定した場合の親分子のものと、変異体の電荷を変化させるべく、実効電荷を変更(net change change)させる。
【0069】
用語「熱的に安定な」及び「熱安定性の」及び「熱安定性」は、変更された温度に曝露されているがタンパク質分解、加水分解、クリーニング、又は本発明の他のプロセスの際に一般的に適用される条件下で、所定の時間にわたって特定の温度に曝露された後でも、明記された量の酵素活性を保持するプロテアーゼを意味する。「温度の変更」は、温度の上昇又は低下を包含する。いくつかの実施形態では、プロテアーゼは、変更した温度に、例えば少なくとも約60分、約120分、約180分、約240分、約300分などの所定の時間にわたって曝露した後に、少なくとも約50%、約60%、約70%、約75%、約80%、約85%、約90%、約92%、約95%、約96%、約97%、約98%、又は約99%のタンパク質分解活性を保持する。
【0070】
酸化、キレート、熱、化学、自己分解及び/又はpH安定性のプロテアーゼの文脈において、用語「安定性の増強された」は、その他のプロテアーゼ(例えば、サーモリシンプロテアーゼ)及び/又は野生型酵素と比較して、長期間にわたってタンパク質分解活性が高度に保持されていることを指す。
【0071】
酸化、キレート、熱及び/又はpH安定性のプロテアーゼの文脈において、用語「安定性の低下している」は、その他のプロテアーゼ(例えば、サーモリシンプロテアーゼ)及び/又は野生型酵素と比較して、長期間にわたってタンパク質分解活性が低く保持されていることを指す。
【0072】
用語「クリーニング活性」は、タンパク質分解、加水分解、クリーニング、又はその他の本発明のプロセス中に適用する条件下で、メタロプロテアーゼポリペプチド又は参照プロテアーゼにより達成されるクリーニング性能を指す。いくつかの実施形態では、メタロプロテアーゼポリペプチド又は参照プロテアーゼのクリーニング性能は、物品又は表面上の、1種以上の様々な酵素反応性の染み(例えば、食品、草類、血液、インク、牛乳、油、及び/又は卵タンパク質に由来する染み)のクリーニングについての、様々なアッセイを使用して決定することもできる。プロテアーゼ変異体又は参照プロテアーゼのクリーニング性能は、物品又は表面上の染みを標準的な洗浄条件に晒す工程、及び染みが除去される程度を様々なクロマトグラフィー、分光光度法、又はその他の定量法を用いて評価する工程によって決定され得る。代表的なクリーニングアッセイ及び方法は、当該技術分野で既知であり、限定するものではないが、国際公開第WO 99/34011号、及び米国特許第6,605,458号に記載のもの(これらの特許文献の両方共が参照により本明細書に援用される)、並びに以下に提供される実施例に包含されるクリーニングアッセイ及び方法が挙げられる。
【0073】
用語「クリーニング有効量」のメタロプロテアーゼポリペプチド又は参照プロテアーゼは、特定のクリーニング組成物中で所望のレベルの酵素活性を達成するプロテアーゼの量を指す。このような有効量は、当業者により容易に確認され、使用される具体的なプロテアーゼ、クリーニング用途、クリーニング組成物の具体的な組成、及び液体又は乾燥(例えば、顆粒、錠剤、棒状物)組成物のいずれが求められているかなどの数多くの因子に基づくものである。
【0074】
クリーニング活性の文脈において、用語「性能が増強されている」は、標準的な洗浄サイクル及び/又は複数回洗浄サイクル後に、卵、牛乳、草類、インク、油、及び/又は血液などの特定の酵素反応性の染みに対し測定し、通常の評価法により評価したときに、酵素によるクリーニング活性が親又は参照タンパク質と比較して向上若しくは増大されていることを指す。
【0075】
クリーニング活性の文脈において、用語「性能が低下している」は、標準洗浄サイクル及び/又は複数回洗浄サイクル後に、卵、牛乳、草又は血液などのある種の酵素反応性の染みに対し測定し、通常の評価法により評価したときに、酵素によるクリーニング活性が低減されている若しくは劣っていることを指す。
【0076】
クリーニング組成物及びクリーニング配合物は、任意の対象物、物品、及び/又は表面をクリーニング、漂白、消毒、及び/又は殺菌するのに好適な任意の組成物を含む。このような組成物及び配合物としては、限定するものではないが、液体及び/又は固体組成物、例えば、クリーニング又は洗剤組成物(例えば、液体、錠剤、ゲル、棒状、粒状、単位用量、及び/又は固体洗濯クリーニング又は洗剤組成物、並びにおしゃれ着用洗剤組成物など);硬質表面クリーニング組成物及び配合物(例えば、ガラス、木材、セラミック及び金属製のカウンターの天板及び窓用のもの);カーペットクリーナー;オーブンクリーナー;布地フレッシュナー;布地柔軟剤;及び繊維製品、洗濯性能増進用クリーニング又は洗剤組成物、洗濯用添加型クリーニング組成物、及び洗濯物のシミ抜き前処理用クリーニング組成物;食器手洗い用又は食器手洗い又は食器手動洗浄用組成物(例えば、食器「手洗い」用又は食器「手動」洗浄用の洗剤)及び自動食器洗浄機用組成物(例えば、「自動食器洗浄機用の洗剤」)を包含する食器洗浄用組成物などが挙げられる。
【0077】
本明細書で使用するとき、用語「漂白する」は、材料の漂白(すなわち、ホワイトニング)及び/又はクリーニングに作用させるのに十分な期間、及び/又は適切なpH及び/又は温度条件下で、材料(例えば、布地、洗濯、パルプなど)又は表面を処理することを指す。漂白に好適な化学物質の例としては、例えば、ClO
2、H
2O
2、過酸、NO
2などが挙げられるがこれらに限定されない。
【0078】
本明細書で使用するとき、プロテアーゼ(例えば、本発明のメタロプロテアーゼポリペプチド)の「洗浄性能」は、洗浄に対するメタロプロテアーゼポリペプチドの貢献度を指し、この貢献度により、洗剤には、組成物にメタロプロテアーゼポリペプチドを添加していない洗剤と比較して追加のクリーニング性能がもたらされる。洗浄性能は、関連する洗浄条件下で比較される。いくつかの試験系では、ある種のマーケットセグメントにおいて(例えば、食器の手洗い又は手作業による洗浄、自動式食器洗浄、食器クリーニング、食卓用食器類クリーニング、布地クリーニングなど)、家庭での用途に関し典型的なものである1つ以上の条件が制限されるような方法で、例えば、洗剤組成物、泡濃度(sud concentration)、水硬度、洗濯機、時間、pH、及び/又温度などの他の関連する因子を調整することができる。
【0079】
本明細書において使用される用語「関連する洗浄条件」は、食器手洗い、自動食器洗浄、又は洗濯洗剤のマーケットセグメントに含まれる家事で実際に使用される条件であって、具体的には、洗浄温度、時間、洗浄機構、泡濃度、洗剤のタイプ及び水硬度などの条件を意味する。
【0080】
用語「改良された洗浄性能」の使用により、関連する洗浄条件下での染み除去において、良好な最終結果が得られること、あるいは対応する野生型又は初期親プロテアーゼと比較して、同じ最終結果を得るのに必要とされるメタロプロテアーゼポリペプチドが重量ベースで少なくなることを意味する。
【0081】
本明細書で使用するとき、用語、「消毒」は、汚染物質を表面から除去すること、並びに、物品の表面上の微生物の阻害又は死滅を指す。本発明は、任意の特定の表面、物品、又は除去される汚染物若しくは微生物に限定されないと意図される。
【0082】
本明細書では、「コンパクト」形態のクリーニング組成物は、密度により表され、組成の点で言えば無機塩充填剤の量によって表される。無機塩充填剤は、粉末形態の洗剤組成物の通常の成分である。通常の洗剤組成物では、無機塩充填剤は、相当量で、典型的には組成物全体の約17〜約35重量%で存在する。対照的に、コンパクト組成物では、塩充填剤は、組成物全体の約15重量%以下の量で存在する。いくつかの実施形態では、無機塩充填剤は、組成物の約10重量%以下、より好ましくは約5%重量以下の量で存在する。いくつかの実施形態では、無機塩充填剤は、硫酸アルカリ塩及びアルカリ土類金属塩、並びにアルカリ塩化物及びアルカリ土類金属塩化物から選択される。いくつかの実施形態では、塩充填剤は硫酸ナトリウムである。
【0083】
数値に関連して本明細書で使用するとき、用語「約」は、この用語が文脈において具体的に定義されない限り、数値の+/−0.5の範囲を指す。例えば、「pH約6」は、pHが具体的に定義されない限り、pHが5.5〜6.5であることを指す。
【0084】
オリゴヌクレオチドの合成工程及び精製工程は、典型的には本明細書に従って実施される。概して技術及び手順は、当業者に周知の従来法、並びに本明細書を通して提供される様々な一般参考文献に従って実施される。それらの手順は当業者に周知のものであると考えられ、読み手には便宜のため提供される。
【0085】
本発明のメタロプロテアーゼ変異体ポリペプチド
いくつかの実施形態では、本発明は、カルシウム結合領域に改変を有する新規メタロプロテアーゼ変異体酵素ポリペプチドを提供する。いくつかの実施形態では、変異体は、親又は参照配列の変異体である。親又は参照配列は、例えば、任意のM4メタロプロテアーゼ、又はバチルス・サーモプロテオリティクス(Bacillus thermoproteolyticus)、バチルス・セレウス(Bacillus cereus)又はバチルス・スブチリス(Bacillus subtilis)(例えば、配列番号13〜15)の配列などのバチルス(Bacillus)由来のメタロプロテアーゼ、又は配列番号1〜12の配列のものなどのパニエバチルス(Paenibacillus)由来のメタロプロテアーゼとすることができる。
【0086】
メタロプロテアーゼの残基(アミノ酸)は、バチルス・サーモプロテオリティクス(Bacillus thermoproteolyticus)由来のサーモリシンメタロプロテアーゼにおける、特異的な残基又は残基の位置について、相同である(すなわち、一次又は三次構造のいずれかにおいて位置が対応する)か、又は類似である(すなわち、化学反応又は相互作用について同様又は類似する機能強度を有する)場合に、サーモリシンメタロプロテアーゼの残基と等価である。一次構造に対する相同性を証明するため、メタロプロテアーゼのアミノ酸配列をサーモリシンの一次配列、特に、様々なM4メタロプロテイナーゼにおいて不変異体として既知の1組の残基(
図6.1に示す)と直接比較する。
【0087】
保存残基のアラインメント後、アラインメントを維持するのに必要な挿入及び欠失を行い(すなわち、任意の欠失及び挿入による、保存されている残基の排除を回避する)、サーモリシンの一次配列中の特定のアミノ酸と等価である残基を定義する。このような変更をなすのに好適な方法としては本明細書に記載のものが挙げられる。例を実施例6に示す。したがって、これらの保存されている残基を使用して、サーモリシン、及びPehPro1などのパニエバチルス(Paenibacillus)に属する生物由来のメタロプロテイナーゼといった、その他のM4メタロプロテイナーゼの対応する等価なアミノ酸残基を定義することができる。これらの2つの特定の配列(サーモリシン(1_KEI)及びPehPro1)を
図6.1にアラインメントし、保存されている残基の相同性を最大にする。見て取れる通り、サーモリシンと比較して、PehPro1配列には数多くの挿入及び欠失が存在する。
【0088】
所定のアミノ酸配列におけるアミノ酸残基の位置は、本明細書において、典型的には、配列番号13に示すバチルス・サーモプロテオリティクス(Bacillus thermoproteolyticus)のメタロプロテアーゼであるサーモリシンのアミノ酸配列の、対応するアミノ酸残基の位置に対する付番を利用して付番される。したがって、配列番号13の、バチルス・サーモプロテオリティクス(Bacillus thermoproteolyticus)のメタロプロテアーゼであるサーモリシンのアミノ酸配列は、参照親配列として提供される。本明細書に記載のアラインメントアルゴリズムを利用して、本明細書に記載のメタロプロテアーゼ酵素のアミノ酸配列及びそれらの変異体などといった所定のアミノ酸配列を、一次構造及び/又は三次構造をもとにサーモリシン配列(配列番号13)とアラインメントさせることができ、所定のアミノ酸配列中の、サーモリシン配列中のアミノ酸残基とアラインメント(好ましくは、至適アラインメント)するアミノ酸残基については、メタロプロテアーゼサーモリシン配列中の対応するアミノ酸残基を参照することにより便利に付番することができる。
【0089】
PehProにおいてサーモリシンにおけるAsp57と等価なアミノ酸は、特にアラインメントした位置に示すセリンである。
図6.1中、PpoPro1の第57番目の位置と等価のアミノ酸はアスパラギン酸である。したがって、サーモリシン中のAsp57と一次構造が等価になるよう、PehPro1、及びサーモリシン中のこれらの特定の残基を異なるアミノ酸で置換して、変異型メタロプロテアーゼを生成することもできる。当然の事ながら、等価なアミノ酸はAsp57に限定されるものではなく、サーモリシン中の残基と等価である任意の残基に及び、Asp57は等価な残基の例示を意図している。
【0090】
X線構造解析により三次元構造を求めたメタロプロテアーゼの、三次元構造のレベルで等価な残基相同体は、M4メタロプロテイナーゼ及びサーモリシンの特定のアミノ酸残基の主鎖原子の2つ以上の原子座標(N on N、CA on CA、C on C、及びO on O)が0.13nm以内のものであり、好ましくは重ね合わせ後に0.1nmであるものとして定義される。重ね合わせは、共通の二次構造をスーパーインポーズすることにより実施できる。これは、当該技術分野で既知のPyMOL Molecular Graphics System,Version 1.5.0.4 Schrodinger,LLC又はCoot[Emsley et al.(2010)Acta Crystallogr D Biol Crystallogr.66(Pt4):486]などの複数種のアルゴリズムのいずれかを利用して実施できる。重ね合わせは、ベストモデルの向きを変え、位置を合わせて、対象としているメタロプロテアーゼの水素以外のタンパク質原子を、バチルス・サーモプロテオリティクス(Bacillus thermoproteolyticus)由来のサーモリシンメタロプロテアーゼと最大限重ねた後に実施する。ベストモデルは、最も解像度の高い結晶モデルであり、1つ以上存在する場合には、そのうちの1つにより最低R因子が得られる。
【0091】
サーモリシンの特定の残基と機能上類似する等価の残基は、本明細書に記載の通りのサーモリシンの特異的な残基を定義し、これに寄与するような方法で、いずれかがタンパク質構造、基質結合性又は触媒性を変更するか、改変するか、又は関与するよう、立体構造を採用することのできる、メタロプロテアーゼのアミノ酸として定義される。更に、相同な位置の専有をベースにすると所定の残基の主鎖の原子が等価の基準を満たさなくなる場合があるものの、それらは、残基の側鎖原子のうち少なくとも2つの原子配座がサーモリシンの対応する側鎖の0.13nmのところにくるよう、メタロプロテイナーゼの残基が(X線結晶構造解析により三次元構造が得られている)類似の位置を専有しているものである。上記の通り、3つの立体構造をアラインメントした。
【0092】
カルシウム結合領域
M4クラスのメタロプロテアーゼサーモリシンの構造は、カルシウム結合領域を4つ有することが判明している。カルシウムの結合を排除する目的で、サーモリシン及びその他のメタロプロテアーゼの構造情報を利用して、M4クラスのメタロプロテアーゼを作製することのできる改変を決定することができる。
【0093】
主にサーモリシンの三次元構造の分析をもとに、M4クラスのメタロプロテアーゼは4つものカルシウム結合部位を有し得ることが判明した。サーモリシンには、本明細書においてCa1〜2として参照され、配列番号13に見られるバチルス・サーモプロテオリティクス(Bacillus thermoproteolyticus)由来のサーモリシンの付番をもとに残基136、138及び177〜190を含むカルシウム結合領域を有する、カチオンを2分子結合する部位が存在する。位置55〜66の残基を含むカルシウム結合領域を有し、本明細書においてCa3として参照されるカルシウム結合部位、及び残基193〜200を含むカルシウム結合領域を有し、本明細書においてCa4として参照される第4の結合部位も存在する。
【0094】
いくつかの実施形態では、メタロプロテアーゼのCa
2+依存性を低減可能であることが望ましい。そのため、いくつかの実施形態では、本発明は、プロテアーゼ活性を有し、親メタロプロテアーゼと比較してCa
2+依存性が低減している、M4クラスのメタロプロテアーゼ又は配列番号1〜15のいずれか1つの変異体などの親メタロプロテアーゼの変異体である。Ca
2+依存性を低減させると、外部媒質中に存在するカルシウムイオン濃度が親酵素に必要とされる濃度よりも低い場合にも、変異体がタンパク質分解活性を示すという機能的な結果が得られ、そのため、例えば、カルシウム錯体を含有する媒質において得られるものなどのカルシウムイオン欠失の条件から受ける影響が、親酵素よりも少なくなる。いくつかの実施形態では、変異体は、親メタロプロテアーゼと比較して、少なくとも60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%、又は更には100%超の活性を有する。これは実施例1に記載のものなどのタンパク質分解アッセイで測定することができる。
【0095】
カルシウム結合
カルシウム結合を低減させることによる安定化ストラテジーにより、遊離カルシウムイオンの利用能を低減させた環境下での酵素の安定性を向上させることができる。サブチリシンの主要な工業用途のうちの1つは、高濃度の金属キレート剤を含有する環境下でのものである。更に、これらのカルシウム結合領域は様々なM4メタロプロテアーゼにおいて見られることから、その他のM4メタロプロテアーゼと等価な変異によっても、同様に、カルシウムの結合が排除されかつ酵素的に活性な変異体が提供されることが見込まれる。M4メタロプロテアーゼには分類されないものの、カルシウム結合領域を含むM4メタロプロテアーゼのものと同じ特性を共有する、様々なメタロプロテアーゼにおいても、これらのカルシウム結合領域を見ることができる。
【0096】
いくつかの実施形態では、本発明は、カルシウム結合領域を含むメタロプロテアーゼポリペプチドである。いくつかの実施形態では、上記ポリペプチドは、ポリペプチドのカルシウム結合領域、Ca1〜2、Ca3及びCa4(位置55〜66、136、138、177〜190、及び193〜200の残基を含む)のうちの1つの少なくとも1つのアミノ酸残基に改変を含み、ここで、ポリペプチドのアミノ酸位置は、配列番号13に記載のバチルス・サーモプロテオリティクス(Bacillus thermoproteolyticus)のメタロプロテアーゼのアミノ酸配列と対応させて付番される。
【0097】
上記の実施形態のいずれかにおいて、及び新規実施形態において、変異体は、親M4メタロプロテアーゼの位置177〜190の残基を含むカルシウム結合領域Ca1〜2において少なくとも1つのアミノ酸残基に改変を含む。上記の実施形態のいずれかにおいて、及び新規実施形態において、第184番目の位置のポリペプチドは、リジン、スレオニン、アラニン、グルタミン酸、又はアスパラギン酸である。上記の実施形態のいずれかにおいて、及び新規実施形態において、第185番目の位置のポリペプチドは、アスパラギン酸以外の残基である。いくつかの実施形態では、第185番目の位置のポリペプチドは負に帯電していない残基であり;他の実施形態では、第185番目の位置のポリペプチドは天然に帯電している残基であり;並びに更に他の実施形態では、第185番目の位置のポリペプチドはアスパラギン又はセリンである。上記の実施形態のいずれかにおいて、及び新規実施形態において、第187番目の位置のポリペプチドは負に帯電している残基ではない。いくつかの実施形態では、第187番目の位置のポリペプチドは天然に帯電している残基であり;他の実施形態では、第187番目の位置のポリペプチドはロイシン又はメチオニンであり;更に他の実施形態では、第187番目の位置のポリペプチドはアスパラギン酸である。上記の実施形態のいずれかにおいて、及び新規実施形態において、第188番目の位置のポリペプチドは、ロイシン、バリン、又はメチオニンである。上記の実施形態のいずれかにおいて、及び新規実施形態において、第190番目の位置のポリペプチドは、グルタミン酸以外の残基である。いくつかの実施形態では、第190番目の位置のポリペプチドは、アスパラギン酸である。Ca1〜2領域の配列アラインメントにおいて、第173番目の位置のグリシン残基及び第186番目の位置のトリプトファン残基は保存されている(
図12を参照されたい)。上記の実施形態のいずれかにおいて、及び新規実施形態において、ポリペプチドは、第173番目の位置のグリシン残基と、第186番目の位置のトリプトファン残基との間に7個のアミノ酸残基を含む。上記の実施形態のいずれかにおいて、及び新規実施形態において、ポリペプチドは、第173番目の位置のグリシン残基と、第186番目の位置のトリプトファン残基との間に5個のアミノ酸残基の欠失を含む。Ca1〜2領域の構造アラインメントにおいて、第176番目及び第186番目の残基の間には、既知のループ構造(ループ中の第177番目及び第185番目のアミノ酸を包括する)が存在する。上記の実施形態のいずれかにおいて、及び新規実施形態において、ポリペプチドは、第177番目の位置〜185番目の位置の間に、2つのアミノ酸配列により置き換えられた、アミノ酸7個のループ配列を含む。理論に束縛されるものではないが、本発明のポリペプチドは第177〜185番目の領域にまたがり得る、より短いアミノ酸配列によりループ構造が置き換えられ、安定性が改良されている。特に2つのアミノ酸配列が、第177〜185番目の位置の領域にまたがることが好ましい。上記の実施形態のいずれかにおいて、2つのアミノ酸配列は少なくとも1つの正に帯電しているアミノ酸を含有し、いくつかの実施形態では、正に帯電しているアミノ酸はリジンである。上記の実施形態のいずれかにおいて、及び新規実施形態において、ポリペプチドは、アミノ酸残基の第179〜183番目の位置に欠失を含む。上記の実施形態のいずれかにおいて、及び新規実施形態において、ポリペプチドの第177番目の位置は天然に帯電している残基であるか、又はアスパラギン酸であり;いくつかの実施形態では、天然に帯電している残基はグルタミンである。上記の実施形態のいずれかにおいて、及び新規実施形態において、第178番目の位置のポリペプチドはグリシン、セリン、アルギニン、アラニン、アスパラギン、及びスレオニンである。上記の実施形態のいずれかにおいて、及び新規実施形態において、第136番目の位置のポリペプチドは、アスパラギン酸又はセリンである。
【0098】
上記の実施形態のいずれかにおいて、及び新規実施形態において、本発明は、位置55〜66の残基を含むカルシウム結合領域Ca3中の少なくとも1つのアミノ酸残基において改変を有するメタロプロテアーゼポリペプチドであり、ここで、この変異体のアミノ酸位置は、配列番号13に示すバチルス・プロテオリティクス(Bacillus proteolyticus)のメタロプロテアーゼのアミノ酸配列に対応させて付番される。上記の実施形態のいずれかにおいて、及び新規実施形態において、第55番目の位置のポリペプチドは、ロイシン、セリン、バリン、及びメチオニンである。上記の実施形態のいずれかにおいて、及び新規実施形態において、第56番目の位置のポリペプチドは、セリン、アルギニン、及びスレオニンである。上記の実施形態のいずれかにおいて、及び新規実施形態において、第57番目の位置のポリペプチドはセリンである。上記の実施形態のいずれかにおいて、及び新規実施形態において、第58番目の位置のポリペプチドはセリン及びスレオニンである。上記の実施形態のいずれかにおいて、及び新規実施形態において、第59番目の位置のポリペプチドは、セリン、スレオニン、及びアスパラギンである。上記の実施形態のいずれかにおいて、及び新規実施形態において、ポリペプチドは、第57番目の位置にセリンを有し、第58番目の位置にセリンを有し、第59番目の位置にセリン又はアスパラギンを有する。上記の実施形態のいずれかにおいて、及び新規実施形態において、第60番目の位置のポリペプチドはセリンである。上記の実施形態のいずれかにおいて、及び新規実施形態において、第61番目の位置のポリペプチドはイソロイシン、バリン、及びスレオニンである。上記の実施形態のいずれかにおいて、及び新規実施形態において、第62番目の位置のポリペプチドはトリプトファン及びフェニルアラニンである。上記の実施形態のいずれかにおいて、及び新規実施形態において、第63番目の位置のポリペプチドはアスパラギン、グルタミン酸、及びスレオニンである。Ca3領域の配列アラインメントにおいて、第62番目の位置にはフェニルアラニン/トリプトファン残基が保存されており、第67番目の位置にはアスパラギン酸が保存されている(
図12を参照のこと)。上記の実施形態のいずれかにおいて、及び新規実施形態において、ポリペプチドは、第62番目の位置のフェニルアラニン/トリプトファン残基と、第67番目の位置のアスパラギン酸との間に4つのアミノ酸残基を含む。上記の実施形態のいずれかにおいて、及び新規実施形態において、ポリペプチドは、第62番目の位置のフェニルアラニン/トリプトファン残基と、第67番目の位置のアスパラギン酸との間に3つのアミノ酸残基の欠失を含む。Ca3領域の構造的アラインメントにおいて、第62番目及び第67番目の残基の間には、既知のループ構造(ループ中の第62番目及び第67番目のアミノ酸を包括する)が存在する。上記の実施形態のいずれかにおいて、及び新規実施形態において、ポリペプチドは、第62番目〜第67番目の位置に、1つのアミノ酸配列により置き換えられた4つのアミノ酸ループ配列を含む。理論に束縛されるものではないが、本発明のポリペプチドは第62〜67番目の位置の領域にまたがり得る、より短いアミノ酸配列によりループ構造が置き換えられ、安定性が改良されている。特に1つのアミノ酸配列が、第62〜67番目の位置の領域にまたがることが好ましい。上記の実施形態のいずれかにおいて、1つのアミノ酸配列は、アスパラギン、スレオニン、又はグルタミン酸である。上記の実施形態のいずれかにおいて、及び新規実施形態において、ポリペプチドは、位置64〜66のアミノ酸残基の欠失を含む。
【0099】
上記の実施形態のいずれかにおいて、及び新規実施形態において、本発明は、位置193〜200の残基を含むカルシウム結合領域Ca4において、少なくとも1つのアミノ酸残基に改変を有するメタロプロテアーゼポリペプチドであり、ここで、変異体のアミノ酸位置は、配列番号13に示すバチルス・プロテオリティクス(Bacillus proteolyticus)のメタロプロテアーゼのアミノ酸配列に対応させて付番される。上記の実施形態のいずれかにおいて、及び新規実施形態において、ポリペプチドの第193番目の位置にはスレオニンがある。上記の実施形態のいずれかにおいて、及び新規実施形態において、ポリペプチドの第194番目の位置にはイソロイシンがある。上記の実施形態のいずれかにおいて、及び新規実施形態において、ポリペプチドの第195番目の位置にはセリンがある。上記の実施形態のいずれかにおいて、及び新規実施形態において、ポリペプチドは、第196〜198番目の位置のアミノ酸残基が欠失している。上記の実施形態のいずれかにおいて、及び新規実施形態において、ポリペプチドの第199番目の位置にはグルタミンがある。上記の実施形態のいずれかにおいて、及び新規実施形態において、ポリペプチドの第200番目の位置にはプロリンがある。
【0100】
本発明のいくつかの実施形態では、カルシウム結合領域Ca1〜2は、2個以下のカルシウムイオンを結合するよう改変されている。本発明のいくつかの実施形態では、カルシウム結合領域Ca3は、1個未満のカルシウムイオンを結合するよう改変されている。本発明のいくつかの実施形態では、カルシウム結合領域Ca4は、1個未満のカルシウムイオンを結合するよう改変されている。
【0101】
いくつかの実施形態では、本発明は、親メタロプロテアーゼポリペプチドのメタロプロテアーゼ変異体である。いくつかの実施形態では、変異体は、親ポリペプチドのカルシウム結合領域に改変を含む。いくつかの実施形態では、変異体は、上掲のアミノ酸のいずれかに改変を含む。いくつかの実施形態では、親ポリペプチドはM4メタロプロテアーゼである。いくつかの実施形態では、本発明のメタロプロテアーゼポリペプチドは、親ポリペプチドに対し、少なくとも60、65、70、75、80、85、90、95、96、97、98、99、又は100%の配列同一性を有する。いくつかの実施形態では、本発明のメタロプロテアーゼポリペプチドは、配列番号1〜15に見られる配列のいずれかに対し、少なくとも60、65、70、75、80、85、90、95、96、97、98、99、又は100%の配列同一性を有する。いくつかの実施形態では、本発明のメタロプロテアーゼポリペプチドは、配列番号13に対し、少なくとも60、65、70、75、80、85、90、95、96、97、98、99、又は100%の配列同一性を有する。
【0102】
いくつかの実施形態では、本発明は、上記のメタロプロテアーゼ変異体のいずれかとの免疫交差反応性を有するメタロプロテアーゼ変異体である。上掲のいずれかのメタロプロテアーゼ変異体の少なくとも1つのエピトープに対し惹起させた又は反応する抗体を利用して、免疫交差反応性をアッセイすることができる。抗体は、モノクローナル又はポリクローナルのいずれかであってもよく、当業界で既知の方法により製造することができる。免疫交差反応性は、ウェスタンブロット、放射状免疫核酸アッセイ、又は酵素結合免疫吸着アッセイ(ELISA)などの、当業界で既知のアッセイを利用して測定できる。
【0103】
本発明のメタロプロテアーゼポリペプチド
本発明は、「本発明の酵素」又は「本発明のポリペプチド」として総称することのできる新規メタロプロテアーゼ酵素ポリペプチドを提供する。本発明のポリペプチドは、単離されたポリペプチド、組換えポリペプチド、実質的に純粋なポリペプチド、又は非天然に生じたポリペプチドを包含する。いくつかの実施形態では、本発明は、上記の通りの、M4クラスのメタロプロテアーゼの変異体を包含する。いくつかの実施形態では、本発明のポリペプチドはクリーニング用途で有用であり、クリーニングする必要のある物品又は表面をクリーニングする方法において有用なクリーニング組成物に組み込むことができる。
【0104】
いくつかの実施形態では、本発明の酵素は、M4クラスのメタロプロテアーゼと50、60、65、70、75、80、85、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、又は100%の同一性を有する。いくつかの実施形態では、本発明の酵素は、配列番号13に対し50、60、65、70、75、80、85、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、又は100%の同一性を有する。各種実施形態において、本発明の酵素は、配列番号1〜15のいずれかに由来するメタロプロテアーゼ酵素に対し、50、60、65、70、75、80、85、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、又は100%の同一性を有する。
【0105】
いくつかの実施形態では、本発明は、プロテアーゼ活性を有する、単離された酵素、組み換え酵素、実質的に純粋な酵素、又は非天然に生じる酵素を包含し、ポリペプチドは、本明細書に記載の親酵素に対し、少なくとも約60%、65%、70%、75%、80%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、又は100%の配列同一性を有するポリペプチド配列を含む。
【0106】
いくつかの実施形態では、本発明のポリペプチドは、代表的なポリペプチドに対し指定された度合いのアミノ酸配列相同性を有する、例えば、配列番号1〜15のいずれかのアミノ酸配列に対し、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、又は更には少なくとも99%の配列相同性を有する、ポリペプチドである。相同性は、例えば本明細書において述べるBLAST、ALIGN、又はCLUSTALなどのプログラムを使用した、アミノ酸配列アラインメントにより決定することができる。
【0107】
プロテアーゼ活性を有する本発明のポリペプチド酵素も提供され、この酵素は、前述のアラインメント法のいずれかを使用してアラインメントしたときに、配列番号1〜15のいずれかのアミノ酸配列と、50個以下、40個以下、30個以下、35個以下、25個以下、20個以下、19個以下、18個以下、17個以下、16個以下、15個以下、14個以下、13個以下、12個以下、11個以下、10個以下、9個以下、8個以下、7個以下、6個以下、5個以下、4個以下、3個以下、2個以下、又は1個以下のアミノ酸残基が異なるアミノ酸配列を含む。
【0108】
上記の通り、本発明の変異体酵素ポリペプチドは酵素活性(例えば、プロテアーゼ活性)を有し、したがって、食器類、食卓用食器類、布地、及び硬質表面を有する物品(例えば、テーブル、テーブルの天板、壁、家具、床、天井などの硬質表面)をクリーニングするための方法が挙げられるがこれらに限定されないクリーニング用途に有用である。本発明の1種以上のメタロプロテアーゼ変異体酵素ポリペプチドを含む代表的なクリーニング組成物を以下に記載する。本発明の酵素ポリペプチドの酵素活性(例えば、プロテアーゼ酵素活性)は、当業者に周知の手順を利用して容易に求めることができる。酵素活性及びクリーニング性能を評価する方法について、以下に例を示す。本発明のポリペプチド酵素の、染み(例えば、血液/牛乳/インク又は卵黄などのタンパク質性の染み)の除去、硬質表面のクリーニング、又は衣類、食器類、若しくは食卓用食器類のクリーニング、又はコンタクトレンズのクリーニングについての性能は、当業者に周知の手順を利用して、及び/又は実施例に記載の手順を利用して容易に決定することができる。
【0109】
本発明のメタロプロテアーゼポリペプチドは、広範なpH条件下でプロテアーゼ活性を有し得る。いくつかの実施形態では、メタロプロテアーゼポリペプチドは、実施例3において例示される通り、アゾ−カゼインを基質としてプロテアーゼ活性を有する。いくつかの実施形態では、メタロプロテアーゼポリペプチドは、pH約3.0〜約12.0でプロテアーゼ活性を有する。いくつかの実施形態では、pH約4.0〜約11.0でメタロプロテアーゼポリペプチドはプロテアーゼ活性を有する。
【0110】
いくつかの実施形態では、本発明のメタロプロテアーゼポリペプチドは、約10℃〜約100℃の温度範囲でプロテアーゼ活性を有する。いくつかの実施形態では、本発明のメタロプロテアーゼポリペプチドは、約20℃〜約90℃の温度範囲でプロテアーゼ活性を有する。
【0111】
いくつかの実施形態では、本発明のメタロプロテアーゼポリペプチドは、クリーニング組成物においてクリーニング性能を示す。クリーニング組成物は、多くの場合、酵素の安定性及び性能に有害であり、クリーニング組成物を、酵素、例えばメタロプロテアーゼが機能を保持するには過酷な環境にする。したがって、酵素をクリーニング組成物に加えて、酵素機能(例えば、クリーニング性能により示されるものなどのメタロプロテアーゼ活性)を期待することは簡単ではない。いくつかの実施形態では、本発明のメタロプロテアーゼポリペプチドは、自動食器洗い(ADW)洗剤組成物においてクリーニング性能を示す。いくつかの実施形態では、自動食器洗い(ADW)洗剤組成物におけるクリーニング性能には、卵黄の染みのクリーニングが含まれる。いくつかの実施形態では、本発明のメタロプロテアーゼポリペプチドは、洗濯洗剤組成物においてクリーニング性能を示す。いくつかの実施形態では、洗濯洗剤組成物におけるクリーニング性能には、血液/牛乳/インク染みのクリーニングが含まれる。各クリーニング組成物において、本発明のメタロプロテアーゼポリペプチドは、漂白成分による又はよらないクリーニング性能を示す。
【0112】
本発明のポリペプチドは、1つ以上のアミノ酸の挿入、欠失、及び/又は保存的若しくは非保存的のいずれかの置換などといった様々な変化を受けることができ、このような変化としては、この変化によってポリペプチドの酵素活性が実質的に変更されないものが包含される。本発明の核酸には、同様にして、特定のコドンが同じである又は異なるアミノ酸をコードしており、結果としてサイレント変異(例えば、コードされるアミノ酸がヌクレオチド変異による変更を受けていない場合)又は非サイレント変異のいずれかが生じるような、1つ以上のコドン中の1つ以上のヌクレオチドの1つ以上の置換、配列中の1つ以上の核酸(又はコドン)の1つ以上の欠失、配列中の1つ以上の核酸(又はコドン)の1つ以上の付加又は挿入、及び/あるいは配列中の1つ以上の核酸(又はコドン)の1つ以上のトランケーションに関係する切断、などの様々な変更を加えることもできる。核酸配列における多くのこのような変化は、得られるコードされているポリペプチド酵素の酵素活性を、もとの核酸配列によりコードされているポリペプチド酵素と比較して実質的に変更させなくてもよい。本発明の核酸配列を改変して、発現系(例えば、細菌による発現系)において至適発現を提供する1つ以上のコドンを含有させることもでき、その一方、所望される場合には、前述の1つ以上のコドンに、引き続き同じアミノ酸(複数可)をコードさせてもよい。
【0113】
いくつかの実施形態では、本発明は、本明細書に記載のアミノ酸置換を有する配列を含み、同様にして、保存的及び非保存的置換などの1つ以上の追加のアミノ酸置換も含む、所望の酵素活性(例えば、プロテアーゼ酵素活性又はクリーニング性能活性)を有する酵素ポリペプチド類を提供し、このポリペプチドは、所望の酵素活性(例えば、配列番号13のポリペプチド酵素のクリーニング活性又は性能において示される通りのタンパク質分解活性)を示す、維持する、又はおよそ維持する。本発明に従うアミノ酸置換には、限定するものではないが、1つ以上の非保存的置換及び/又は1つ以上の保存的アミノ酸置換が包含され得る。保存的なアミノ酸残基置換は、典型的には、1つの機能クラスのアミノ酸残基に含まれるメンバーの、同じ機能クラスに属する残基による置き換えを包含する(保存的なアミノ酸残基は機能的相同性(%)の算出において相同又は保存的に機能するものとみなされる)。保存的アミノ酸置換は、典型的には、アミノ酸配列中のアミノ酸を機能的に類似するアミノ酸により置換することを含む。例えば、アラニン、グリシン、セリン、及びトレオニンは機能的に類似するものであり、このため互いに保存的アミノ酸置換を提供し得る。アスパラギン酸及びグルタミン酸は、互いに保存的置換を提供し得る。アスパラギン及びグルタミンは、互いに保存的置換を提供し得る。アルギニン、リシン、及びヒスチジンは、互いに保存的置換を提供し得る。イソロイシン、ロイシン、メチオニン、及びバリンは、互いに保存的置換を提供し得る。フェニルアラニン、チロシン、及びトリプトファンは、互いに保存的置換を提供し得る。
【0114】
他の保存的アミノ酸置換基も想定され得る。例えば、アミノ酸は、類似する機能又は化学的構造又は組成(例えば、酸性、塩基性、脂肪族、芳香族、硫黄の含有)をもとにグループ化することができる。例えば、脂肪族のグループには、グリシン(G)、アラニン(A)、バリン(V)、ロイシン(L)、イソロイシン(I)が含まれ得る。互いに保存的な置換であるものと考えられるその他のアミノ酸を包含するグループには、芳香族:フェニルアラニン(F)、チロシン(Y)、トリプトファン(W);硫黄含有:メチオニン(M)、システイン(C);塩基性:アルギニン(R)、リジン(K)、ヒスチジン(H);酸性:アスパラギン酸(D)、グルタミン酸(E);非極性電荷残基、システイン(C)、メチオニン(M)、及びプロリン(P);親水性非荷電残基:セリン(S)、スレオニン(T)、アスパラギン(N)、及びグルタミン(Q)が挙げられる。アミノ酸のその他の分類も当業者に周知であり、様々な一般的な文献に記載されている。上記の置換基と共に、本明細書においてポリペプチド配列を列挙することで、保存的に置換されたすべてのポリペプチド配列の明白な一覧を提供する。
【0115】
上記のアミノ酸残基分類には、より保存的な置換が存在し、これらも同様に又は別法として好適であり得る。より保存的である保存的置換基としては:バリン−ロイシン−イソロイシン、フェニルアラニン−チロシン、リシン−アルギニン、アラニン−バリン、及びアスパラギン−グルタミンが挙げられる。
【0116】
本発明のポリペプチド配列の保存的置換変異体(例えば、本発明のメタロプロテアーゼ変異体)は、ポリペプチド配列中のアミノ酸のうち僅かな割合の、場合により25%未満、20%未満、15%未満、14%未満、13%未満、12%未満、11%未満、10%未満、9%未満、8%未満、7%未満、若しくは6%未満のアミノ酸、又はポリペプチド配列中のアミノ酸の5%未満、4%未満、3%未満、2%未満、若しくは1%未満、又は10個未満、9個未満、8個未満、7個未満、6個未満、5個未満、4個未満、3個未満、2個未満、又は1個未満のアミノ酸と、同じ保存的置換基の保存的に選択されたアミノ酸との置換を包含する。
【0117】
本明細書内の他の箇所で更に詳細に記載されるように、及び本明細書で提供される実施例に記載されるように、本発明のポリペプチドは、既知のメタロプロテアーゼを包含する既知のプロテアーゼに匹敵し得るクリーニング能力を有し得る。
【0118】
本発明の核酸
本発明は、「本発明の核酸」又は「本発明のポリヌクレオチド」と総称され、本発明のポリペプチドをコードする、単離された、非天然に生じる、又は組み換え核酸を提供する。以下に記載のすべてのものを含む本発明の核酸は、典型的に、対象とするポリペプチドをコードする配列又はそれらの断片を含むプラスミド発現ベクターの発現を介した本発明のポリペプチドの組み換えによる産生(例えば発現)に有用である。上記の通り、ポリペプチドは、酵素活性(例えば、タンパク質分解活性)を有するメタロプロテアーゼポリペプチドを包含し、クリーニング用途、並びにクリーニングする必要のある物品又は表面(例えば、物品の表面)をクリーニングするためのクリーニング組成物に有用である。
【0119】
いくつかの実施形態では、本発明は、上記の表題「本発明のポリペプチド」と付けられた節及び本明細書の他の場所に記載される、任意のポリペプチド(任意の融合タンパク質などが包含される)をコードするヌクレオチド配列を含む、単離された、組み換え型の、実質的に純粋な、又は非天然に生じる核酸を提供する。本発明は、上記及び本明細書の他の箇所に記載の、本発明の任意のポリペプチドの2つ以上の組み合わせをコードするヌクレオチド配列を含む、単離された、組み換え型の、実質的に純粋な、又は非天然に生じる核酸も提供する。
【0120】
本発明は、本発明のメタロプロテアーゼポリペプチドをコードしている核酸を提供し、ここで、メタロプロテアーゼポリペプチドは、タンパク質分解活性を有する成熟型であり、サーモリシン変異体のアミノ酸位置は、配列番号13に示すバチルス・サーモプロテオリティクス(Bacillus thermoproteolyticus)のメタロプロテアーゼポリペプチドのアミノ酸配列と対応させて付番する。
【0121】
本発明の核酸は、任意の好適な合成技術、操作技術、及び/又は単離技術、又はこれらの組み合わせを用いて作製できる。例えば、本発明のポリヌクレオチドは、当業者に周知の固相合成法などの標準的な核酸合成技術を用いて製造することもできる。このような技術では、典型的には最大50ヌクレオチド塩基以上の断片が合成された後、連結(例えば、酵素的又は化学的ライゲーション法により)され、本質的に任意の所望の連続的な核酸配列が生成される。本発明の核酸の合成は、古典的なホスホラミダイト法(例えば、Beaucage et al.Tetrahedron Letters 22:1859〜69[1981]を参照されたい)を利用する化学的合成法;又はMatthes et al.により記載の、典型的に自動化合成法において実施されるものなどの方法(Matthes et al.,EMBO J.3:801〜805[1984]を参照されたい)などが挙げられるがこれらに限定されない、当業界で既知の任意の好適な方法によっても促進できる。本発明の核酸は、自動DNA合成装置を使用しても作製できる。カスタマイズされた核酸を、各種供給業者(例えば、The Midland Certified Reagent Company、the Great American Gene Company、Operon Technologies Inc.及びDNA2.0)に発注することができる。核酸合成に関係するその他の技術及び関連する原理は、当業界で既知である(例えば、Itakura et al.,Ann.Rev.Biochem.53:323[1984];及びItakura et al.,Science 198:1056[1984]を参照されたい)。
【0122】
上記のように、核酸の改変に有用な、DNAの組み換え技術は、当該技術分野において周知である。例えば、制限エンドヌクレアーゼによる消化、ライゲーション、逆転写、及びcDNAの生産、並びにポリメラーゼ連鎖反応(例えば、PCR)などの技法が知られており、当業者により容易に使用される。本発明のヌクレオチドは、本発明のメタロプロテアーゼポリペプチドポリペプチド(複数可)をコードしているポリヌクレオチドにハイブリダイズすることができる、又はこれをPCR増幅させることができる1つ以上のオリゴヌクレオチドプローブを利用して、cDNAライブラリをスクリーニングすることにより得ることもできる。cDNAクローンのスクリーニング及び単離手順、並びにPCRによる増幅手順は当業者に周知のものであり、当業者に既知の標準的な参考文献に記載されている。本発明の核酸のいくつかは、天然に生じるポリヌクレオチド主鎖(例えば、酵素又は親プロテアーゼをコードするポリヌクレオチド主鎖)を、例えば既知の変異導入法(例えば、部位特異的変異導入法、部位飽和変異導入法、及びインビトロ組み換え)によって変化させることによって得ることができる。
【0123】
本発明の改変されたメタロプロテアーゼポリペプチドを作製するための方法
本発明のメタロプロテアーゼポリペプチドをコードしている本発明の改変されたポリヌクレオチドを生成するのに好適であるものとして様々な方法が既知であり、例えば、部位飽和変異導入(site-saturation mutagenesis)、走査変異導入、挿入変異導入、欠失変異導入、ランダム変異導入、部位特異的変異導入、及び定向進化、並びにその他の各種リコンビナトリアルなアプローチが挙げられるがこれらに限定されない。改変されたポリヌクレオチド及びタンパク質(例えば、メタロプロテアーゼポリペプチド)の作製方法としては、DNAシャッフリング法、ITCHY(Ostermeier et al.,7:2139〜44[1999]を参照されたい)、SCRACHY(Lutz et al.98:11248〜53[2001]を参照されたい)、SHIPREC(Sieber et al.,19:456〜60[2001]を参照されたい)、及びNRR(Bittker et al.,20:1024〜9[2001];Bittker et al.,101:7011〜6[2004]を参照されたい)などの遺伝子の非相同組換えによる方法、並びにオリゴヌクレオチドを利用してランダムな及び標的とする変異、欠失及び/又は挿入を挿入する方法(Ness et al.,20:1251〜5[2002];Coco et al.,20:1246〜50[2002];Zha et al.,4:34〜9[2003];Glaser et al.,149:3903〜13[1992]を参照されたい)が挙げられる。
【0124】
本発明のメタロプロテアーゼポリペプチドを産生するためのベクター、細胞、及び方法
本発明は、本明細書に記載の本発明の少なくとも1種のメタロプロテアーゼポリヌクレオチド(例えば、本明細書に記載の本発明のメタロプロテアーゼポリペプチドをコードしているポリヌクレオチド)を含むベクター、本発明の少なくとも1種の核酸又はポリヌクレオチドを含む発現ベクター又は発現カセット、本発明の少なくとも1種の核酸又はポリヌクレオチドを含む単離された、実質的に純粋な、又は組み換えDNA構築物、本発明の少なくとも1種のポリヌクレオチドを含む単離された又は組み換え細胞、並びにこのようなベクター、核酸、発現ベクター、発現カセット、DNA構築物、細胞、細胞培養物、又はこれらの任意の組み合わせ若しくは混合物を含む組成物を提供する。
【0125】
いくつかの実施形態では、本発明は、本発明の少なくとも1種の核酸又はポリヌクレオチドを含む本発明のベクター(例えば、発現ベクター又はDNA構築物)を少なくとも1つ含む組み換え細胞を提供する。いくつかのこのような組み換え細胞は、このような少なくとも1つのベクターにより形質転換又は形質移入される。このような細胞は、典型的には宿主細胞と呼ばれる。このような細胞のうち幾種類かは、バチルス種(Bacillus sp.)細胞、例えば、バチルス・スブチリス(B. subtilis)細胞が挙げられるがこれらに限定されない細菌細胞を含む。本発明は、本発明の少なくとも1種のメタロプロテアーゼポリペプチドを含む、組み換え細胞(例えば、組み換え宿主細胞)も提供する。
【0126】
いくつかの実施形態では、本発明は、本発明の核酸又はポリヌクレオチドを含むベクターを提供する。いくつかの実施形態では、ベクターは、本発明のメタロプロテアーゼポリペプチドをコードする本発明のポリヌクレオチド配列が、効率的な遺伝子発現に必要とされる1つの又は追加の核酸断片(例えば、本発明のメタロプロテアーゼポリペプチドをコードしている本発明のポリヌクレオチドに操作可能に連結されているプロモーター)に操作可能に連結されている、発現ベクター又は発現カセットである。ベクターには、転写ターミネーター及び/又は選択遺伝子を含有させることができ、選択遺伝子は、例えば、抗生物質を含有させた培地で増殖させることによりプラスミド感染させた宿主細胞の持続的な培養を維持することのできる、抗生物質耐性遺伝子などである。
【0127】
発現ベクターは、プラスミド又はウイルスDNAから誘導され得るか、又は代替的な実施形態では、これらの両方の要素を含有する。ベクターの例としては、pC194、pJH101、pE194、pHP13(Harwood and Cutting[eds.],Chapter 3,Molecular Biological Methods for Bacillus,John Wiley & Sons[1990]を参照されたい;バチルス・スブチリス(B. subtilis)に好適な複製プラスミドとしては、第92頁に掲載のものが挙げられる)。同様にして、Perego,Integrational Vectors for Genetic Manipulations in Bacillus subtilis,in Sonenshein et al.,[eds.]Bacillus subtilisand Other Gram−Positive Bacteria:Biochemistry,Physiology and Molecular Genetics,American Society for Microbiology,Washington,D.C.[1993],pp.615〜624も参照されたい)、及びp2JM103BBIが挙げられるがこれらに限定されない。
【0128】
細胞において、対象とするタンパク質(例えば、メタロプロテアーゼポリペプチド)を発現及び産生させるため、メタロプロテアーゼポリペプチドをコードしているポリヌクレオチドの少なくとも1つのコピーを含み、及びいくつかの例では複数のコピーを含む、少なくとも1種の発現ベクターを、メタロプロテアーゼの発現に好適な条件下で細胞に形質転換させる。本発明のいくつかの実施形態では、メタロプロテアーゼポリペプチド(並びにベクターに含有させるその他の配列)をコードしているポリヌクレオチド配列を宿主細胞のゲノムに組み込むのに対し、他の実施形態では、メタロプロテアーゼポリペプチドをコードしているポリヌクレオチド配列を含むプラスミドベクターは、細胞内に自律性の染色体外エレメントとしてとどまる。本発明は、染色体外の核酸エレメント、並びに宿主細胞のゲノムに組み込まれる移入ヌクレオチド配列の両方を提供する。本明細書に記載のベクターは、本発明のメタロプロテアーゼポリペプチドを産生させるのに有用である。いくつかの実施形態では、メタロプロテアーゼポリペプチドをコードしているポリヌクレオチド構築物は、メタロプロテアーゼポリペプチドをコードしているポリヌクレオチドを宿主染色体に組み込みかつ任意選択的に増幅させることのできる、組み込みベクター上に存在する。組み込み部位の例は、当業者に周知である。いくつかの実施形態では、本発明のメタロプロテアーゼポリペプチドをコードしているポリヌクレオチドの転写は、選択された前駆体プロテアーゼのための野生型プロモーターにより実施される。他のいくつかの実施形態では、プロモーターは、前駆体プロテアーゼとは異種であるものの、宿主細胞中で機能するものである。具体的には、細菌宿主細胞で使用するのに好適なプロモーターの例としては、限定するものではないが、例えば、amyE、amyQ、amyL、pstS、sacB、pSPAC、pAprE、pVeg、pHpaIIプロモーター、並びにバチルス・ステアロサーモフィルス(B. stearothermophilus)のマルトース生成型アミラーゼ遺伝子、バチルス・アミロリケファシエンス(B. amyloliquefaciens)(BAN)アミラーゼ遺伝子、バチルス・スブチリス(B. subtilis)アルカリプロテアーゼ遺伝子、バチルス・クラウシイ(B. clausii)のアルカリプロテアーゼ遺伝子、バチルス・プミルス(B. pumilis)のキシロシダーゼ遺伝子、バチルス・チューリンゲンシス(B. thuringiensis)のcryIIIA、及びバチルス・リケニフォルミス(B. licheniformis)のα−アミラーゼ遺伝子のプロモーターが挙げられる。追加のプロモーターとしては、限定するものではないが、A4プロモーター、並びにファージλPR又はPLプロモーター、及び大腸菌lac、trp又はtacプロモーターが挙げられる。
【0129】
本発明のメタロプロテアーゼポリペプチドは、細菌及び糸状菌などの任意の好適な微生物宿主細胞において産生させることができる。いくつかの実施形態では、本発明のメタロプロテアーゼポリペプチドは、グラム陽性細菌において産生させることができる。いくつかの実施形態では、宿主細胞は、バチルス(Bacillus spp.)、ストレプトミセス(Streptomyces spp.)、エシェリキア(Escherichia spp.)、アスペルギルス(Aspergillus spp.)、トリコデルマ(Trichoderma spp.)、シュードモナス(Pseudomonas spp.)、コリネバクテリウム(Corynebacterium spp.)、サッカロミセス(Saccharomyces spp.)、又はピキア(Pichia spp.)である。いくつかの実施形態では、メタロプロテアーゼポリペプチドは、バチルス種(Bacillus sp.)宿主細胞により産生される。本発明のメタロプロテアーゼポリペプチドの産生への使用が見いだされるバチルス種(Bacillus sp.)宿主細胞の例としては、バチルス・リケニフォルミス(B. licheniformis)、バチルス・レンタス(B. lentus)、バチルス・スブチリス(B. subtilis)、バチルス・アミロリケファシエンス(B. amyloliquefaciens)、バチルス・レンタス(B. lentus)、バチルス・ブレビス(B. brevis)、バチルス・ステアロサーモフィラス(B. stearothermophilus)、バチルス・アルカロフィラス(B. alkalophilus)、バチルス・コアギュランス(B. coagulans)、バチルス・サーキュランス(B. circulans)、バチルス・プミリス(B. pumilis)、バチルス・チューリンゲンシス(B. thuringiensis)、バチルス・クラウシイ(B. clausii)、及びバチルス・メガテリウム(B. megaterium)、並びにバチルス(Bacillus)属に含まれるその他の生物が挙げられるがこれらに限定されない。いくつかの実施形態では、メタロプロテアーゼポリペプチドの産生にはバチルス・スブチリス(B. subtilis)宿主細胞が使用される。米国特許第5,264,366号及び同第4,760,025号(再発行34,606)には、本発明のメタロプロテアーゼポリペプチドの産生に使用することのできる様々なバチルス(Bacillus)宿主株が記載されているものの、その他の好適な株を使用することもできる。
【0130】
本発明のメタロプロテアーゼポリペプチドの産生に使用することのできる幾種類かの細菌株としては、非組み換え型(すなわち、野生型)バチルス種(Bacillus sp.)株、並びに天然に生じる株及び/又は組み換え株が挙げられる。いくつかの実施形態では、宿主株は組み換え株であり、宿主には、対象とするポリペプチドをコードするポリヌクレオチドが導入されている。いくつかの実施形態では、宿主株はバチルス・スブチリス(B.subtilis)宿主株であり、特に組み換え型バチルス・スブチリス(Bacillus subtilis)宿主株である。数多くのバチルス・スブチリス(B. subtilis)株が既知であり、限定するものではないが、例えば、1A6(ATCC 39085)、168(1A01)、SB19、W23、Ts85、B637、PB1753〜PB1758、PB3360、JH642、1A243(ATCC 39,087)、ATCC 21332、ATCC 6051、MI113、DE100(ATCC 39,094)、GX4931、PBT 110、及びPEP 211株が挙げられる(例えば、Hoch et al.,Genetics 73:215〜228頁[1973年]、また同様に、米国特許第4,450,235号及び同第4,302,544号、並びに欧州特許第0134048号を参照されたい。これら各公報は参照によりその全文が組み込まれる)。発現宿主細胞としてのバチルス・スブチリス(B. subtilis)の使用は当業者に周知である(例えば、Palva et al.,Gene 19:81〜87頁[1982年];Fahnestock and Fischer,J.Bacteriol.,165:796〜804頁[1986年];並びにWang et al.,Gene 69:39〜47頁[1988年]を参照されたい)。
【0131】
いくつかの実施形態では、バチルス(Bacillus)宿主細胞は、次の遺伝子、degU、degS、degR、及びdegQのうちの少なくとも1つに変異又は欠失を含むバチルス種(Bacillus sp.)である。いくつかの実施形態では、変異はdegU遺伝子中のものであり、いくつかの実施形態では、変異はdegU(Hy)32中のものである(例えば、Msadek et al.,J.Bacteriol.172:824〜834[1990];及びOlmos et al.,Mol.Gen.Genet.253:562〜567[1997]を参照されたい)。いくつかの実施形態では、バチルス(Bacillus)宿主は、scoC4(例えば、Caldwell et al.,J.Bacteriol.183:7329〜7340[2001]を参照されたい);spoIIE(例えば、Arigoni et al.,Mol.Microbiol.31:1407〜1415[1999]を参照されたい);及び/又はoppA又はoppオペロンのその他の遺伝子(例えば、Perego et al.,Mol.Microbiol.5:173〜185[1991]を参照されたい)中に変異又は欠失を含む。実際に、oppAの遺伝子の変異と同じ表現型を生じるoppオペロンにおけるいかなる変異も、本発明の変化したバチルス株に関するいくつかの実施形態において有用であろうと想到される。いくつかの実施形態では、これらの変異は単独で生じるが、他の実施形態では複数の変異が組み合わさって存在する。いくつかの実施形態では、本発明のメタロプロテアーゼポリペプチドの産生に使用することのできる、変更を加えたバチルス(Bacillus)宿主細胞株は、上記遺伝子の1種以上に予め変異を含有しているバチルス(Bacillus)宿主株である。加えて、内因性のプロテアーゼ遺伝子に関する変異及び/又は欠失を含むバチルス種の宿主細胞も有用である。いくつかの実施形態では、バチルス属の宿主細胞は、aprE遺伝子及びnprE遺伝子の欠失を含む。他の実施形態では、バチルス種(Bacillus sp.)宿主細胞は、5つのプロテアーゼ遺伝子に欠失を含むのに対し、他の実施形態では、バチルス種(Bacillus sp.)宿主細胞は9つのプロテアーゼ遺伝子に欠失を含む(例えば、参照により本明細書に援用される米国特許出願公開第2005/0202535号を参照されたい)。
【0132】
宿主細胞は、当該技術分野で既知の任意の好適な方法の利用により、本発明の少なくとも1種のメタロプロテアーゼポリペプチドをコードしている少なくとも1種の核酸で形質転換される。プラスミドDNA構築物又はベクターを利用して、核酸(例えば、DNA)をバチルス属の細胞又は大腸菌細胞に導入する方法、及びこのようなプラスミドDNA構築物又はベクターをそのような細胞に形質転換する方法は周知である。いくつかの実施形態では、プラスミドは、次に大腸菌細胞から単離され、バチルス属の細胞に形質転換される。しかしながら、大腸菌などの介在微生物を用いることは必須ではなく、いくつかの実施形態では、DNA構築物又はベクターは直接バチルス属の宿主に導入される。
【0133】
当業者であれば、本発明の核酸配列をバチルス(Bacillus)細胞に導入するのに好適な方法を認識されるであろう(例えば、Ferrari et al.,「Genetics,」in Harwood et al.[eds.],Bacillus,Plenum Publishing Corp.[1989],pp.57〜72;Saunders et al.,J.Bacteriol.157:718〜726[1984];Hoch et al.,J.Bacteriol.93:1925〜1937[1967];Mann et al.,Current Microbiol.13:131〜135[1986];Holubova,Folia Microbiol.30:97[1985];Chang et al.,Mol.Gen.Genet.168:11〜115[1979];Vorobjeva et al.,FEMS Microbiol.Lett.7:261〜263[1980];Smith et al.,Appl.Env.Microbiol.51:634[1986];Fisher et al.,Arch.Microbiol.139:213〜217[1981];及びMcDonald,J.Gen.Microbiol.130:203[1984]を参照されたい)。更に、プロトプラスト形質転換及び遺伝子導入、形質導入、及びプロトプラスト融合を含むこのような形質転換方法が周知であり、本発明で使用するのに好適である。バチルス(Bacillus)細胞を形質転換させるのに当該技術分野で既知の方法としては、部分的に相同性の常在性プラスミドを保有しているコンピテントセルにドナープラスミドを取り込ませることを包含するプラスミドマーカーレスキュー形質転換法(Contente et al.,Plasmid 2:555〜571[1979];Haima et al.,Mol.Gen.Genet.223:185〜191[1990];Weinrauch et al.,J.Bacteriol.154:1077〜1087[1983];及びWeinrauch et al.,J.Bacteriol.169:1205〜1211[1987]を参照されたい)などの方法が挙げられる。この方法では、組み込まれるドナープラスミドは、染色体の形質転換を模倣するプロセスにおいて、常在性の「ヘルパー」プラスミドの相同領域と組み換えられる。
【0134】
共通して使用される方法に加え、いくつかの実施形態では、宿主細胞は、DNA構築物、又は本発明のメタロプロテアーゼポリペプチドをコードしている核酸を含むベクターにより、直接形質転換される(すなわち、DNA構築物又はベクターを宿主細胞に導入する前の増幅、あるいは別のプロセスに中間体細胞は使用されない)。本発明のDNA構築物又はベクターの宿主細胞への導入には、核酸配列(例えば、DNA配列)を、宿主ゲノムには挿入せずに宿主細胞に導入する、当該技術分野で既知の物理的及び化学的方法が包含される。このような方法としては、限定するものではないが、塩化カルシウム沈殿、電気穿孔、ネイキッドDNA、及びリポソームなどが挙げられる。更なる実施形態では、DNA構築物又はベクターは、プラスミドに挿入されることなく、プラスミドと共に同時形質転換される。更なる実施形態では、選択マーカーは、当該技術分野で既知の方法により、変更を加えたバチルス(Bacillus)株から除去される(Stahl et al.,J.Bacteriol.158:411〜418[1984];及びPalmeros et al.,Gene 247:255〜264[2000]を参照されたい)。
【0135】
いくつかの実施形態では、本発明の形質転換細胞は、一般的な栄養培地で培養される。温度及びpHなどの好適な具体的な培養条件は当業者に既知であり、科学文献に詳しく記載されている。いくつかの実施形態では、本発明は、少なくとも1種のメタロプロテアーゼポリペプチド又は本発明の少なくとも1種の核酸を含む培養物(例えば、細胞培養物)を提供する。
【0136】
いくつかの実施形態では、本発明の少なくとも1種のメタロプロテアーゼポリペプチドをコードしている少なくとも1種のポリヌクレオチド配列により形質転換させた宿主細胞を、好適な栄養培地で、本発明のプロテアーゼを発現させる条件下で培養した後、得られるプロテアーゼを培地から回収する。いくつかの実施形態では、細胞により産生されたプロテアーゼは、限定するものではないが、例えば、遠心沈降又は濾過による培養液からの宿主細胞の分離、塩(例えば、硫酸アンモニウム)による上清又は濾液中のタンパク質様成分の沈殿、クロマトグラフィー精製(例えば、イオン交換、ゲル濾過、アフィニティーなど)などの従来法により培地から回収される。
【0137】
いくつかの実施形態では、組み換え宿主細胞により産生されたメタロプロテアーゼポリペプチドは、培養培地に分泌される。精製促進ドメインをコードしている核酸配列を使用して、タンパク質の精製を促進することができる。メタロプロテアーゼポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列を含むベクター又はDNA構築物は、メタロプロテアーゼポリペプチドの精製を促進する精製促進ドメインをコードしている核酸配列を更に含む(例えば、Kroll et al.,DNA Cell Biol.12:441〜53[1993]を参照されたい)。このような精製促進ドメインとしては、例えば、固定した金属による精製を可能にするヒスチジン−トリプトファンモジュールなどの金属キレートペプチド(Porath,Protein Expr.Purif.3:263〜281[1992]を参照されたい)、固定した免疫グロブリンによる精製を可能にするプロテインAドメイン、及びFLAGS伸長/アフィニティー精製系に利用されるドメインが挙げられるがこれらに限定されない。精製ドメインと非相同的なタンパク質との間に、凝固因子XA又はエンテロキナーゼなどの開裂可能なリンカー配列(例えば、Invitrogen(San Diego,CA)から入手可能な配列)を含めることも、精製を促進するために有用である。
【0138】
本発明のメタロプロテアーゼポリペプチドなどの酵素の酵素活性を検出及び測定するためのアッセイは周知である。プロテアーゼ(例えば、本発明のメタロプロテアーゼポリペプチド)の活性を検出及び測定するための様々なアッセイも当業者に既知である。特に、それらのアッセイは、280nmでの吸光度又はフォリン法を利用する比色測定により測定される、カゼイン又はヘモグロビンからの酸可溶性ペプチドの放出をベースとして、プロテアーゼ活性を測定する際に、利用可能である。他の代表的なアッセイは、発色基質の可溶化を伴うものである(例えば、Ward,「Proteinases,」in Fogarty(ed.).,Microbial Enzymes and Biotechnology,Applied Science,London,[1983年],251〜317頁を参照されたい)。他の代表的なアッセイとしては、カゼイン(アゾ−カゼイン、ジメチル−カゼイン及びその他の形態)などのタンパク質基質、及びスクシニル−Ala−Ala−Pro−Phe−パラニトロアニリドアッセイ(suc−AAPF−pNA)などのペプチジル基質、及び2,4,6−トリニトロベンゼンスルホン酸ナトリウム塩(TNBS)の加水分解が挙げられるがこれらに限定されない。当該技術分野で既知の数多くのその他の参照文献により好適な方法が提供される(例えば、Wells et al.,Nucleic Acids Res.11:7911〜7925[1983];Christianson et al.,Anal.Biochem.223:119〜129[1994];及びHsia et al.,Anal Biochem.242:221〜227[1999]を参照されたい)。
【0139】
様々な方法を使用して、宿主細胞における成熟型プロテアーゼ(例えば、本発明の成熟型メタロプロテアーゼポリペプチド)の産生レベルを評価することができる。このような方法としては、限定するものではないが、例えば、プロテアーゼに特異的なポリクローナル抗体又はモノクローナル抗体のいずれかを利用する方法が挙げられる。例示的な方法としては、限定するものではないが、例えば、酵素結合免疫吸着検査法(ELISA)、ラジオイムノアッセイ(RIA)、蛍光イムノアッセイ(FIA)、及び蛍光活性化セルソーティング(FACS)が挙げられる。これらの及びその他のアッセイは、当該技術分野で周知である(例えば、Maddox et al.,J.Exp.Med.158:1211[1983]を参照されたい)。
【0140】
いくつかのその他の実施形態では、本発明は、本発明の成熟型メタロプロテアーゼポリペプチドを作製又は産生するための方法を提供する。成熟型メタロプロテアーゼポリペプチドは、シグナルペプチド又はプロペプチド配列を含有しない。いくつかの方法は、例えば、バチルス種(Bacillus sp.)細胞(例えば、バチルス・スブチリス(B. subtilis)細胞)などの組み換え細菌宿主細胞において本発明のメタロプロテアーゼポリペプチドを作製又は産生することを含む。いくつかの実施形態では、本発明は、本発明のメタロプロテアーゼポリペプチドを産生する方法を提供し、方法は、本発明のメタロプロテアーゼポリペプチドをコードしている核酸を含む組み換え発現ベクターを含む組み換え宿主細胞を、メタロプロテアーゼポリペプチドの産生を誘導する条件下で培養することを含む。いくつかのこのような方法は、培養物からメタロプロテアーゼポリペプチドを回収することを更に含む。
【0141】
本発明のいくつかの実施形態では、本発明のメタロプロテアーゼポリペプチドを産生する方法を提供し、方法は、(a)本発明のメタロプロテアーゼポリペプチドをコードしている核酸を含む組み換え発現べクターを細胞群(例えば、バチルス・スブチリス(B. subtilis)細胞などの細菌細胞)に導入することと;(b)この細胞を、発現ベクターによりコードされているメタロプロテアーゼポリペプチドの産生を実施する条件下で、培養培地で培養することと、を含む。いくつかのこのような方法は、(c)細胞又は培養培地からメタロプロテアーゼポリペプチドを単離することを更に含む。
【0142】
本発明のメタロプロテアーゼポリペプチドを有する組成物
特に断りのない限り、本明細書に提供される成分又は組成物のレベルはすべて、成分又は組成物の活性レベルに関するものであり、市販の供給源に存在し得る不純物、例えば、残留溶媒又は副生成物は除外される。酵素成分の重量は活性タンパク質の合計に基づくものである。百分率(%)及び比率はすべて、特に断りのない限り、重量で計算している。百分率(%)及び比率はすべて、特に断りのない限り、全組成物を基準として計算している。本発明の組成物は、洗剤組成物などのクリーニング組成物を包含する。例示された洗剤組成物において、酵素レベルは、組成物の合計重量に基づき純粋な酵素濃度として表現され、かつ特に断りのない限り、洗剤成分は組成物の合計重量に基づき表記される。
【0143】
本明細書で示されるように、いくつかの実施形態では、本発明のクリーニング組成物は、更に、限定するものではないが、界面活性剤、ビルダー、漂白剤、漂白活性化剤、漂白触媒、他の酵素、酵素安定化系、キレート剤、蛍光増白剤、汚れ剥離ポリマー、移染剤、分散剤、抑泡剤、染料、香料、着色剤、充填塩、ヒドロトロープ、光活性化剤、蛍光剤、布地コンディショナー、加水分解性界面活性剤、保存料、抗酸化剤、収縮防止剤、防皺剤、殺菌剤、防カビ剤、色スペックル、銀製品ケア剤、変色防止剤及び/又は防食剤、アルカリ度供給源、可溶化剤、キャリア、加工助剤、色素、及びpH調整剤などの補助材料を含む(例えば、参照によりその全容が本明細書に援用される、米国特許第6,610,642号、同第6,605,458号、同第5,705,464号、同第5,710,115号、同第5,698,504号、同第5,695,679号、同第5,686,014号、及び同第5,646,101号を参照されたい)がこれらに限定されない補助剤を更に含む。具体的なクリーニング組成物材料の実施形態を以下に詳細に例示する。クリーニング助剤が、クリーニング組成物中の本発明のメタロプロテアーゼポリペプチドと適合するものでない実施形態では、これら2種の構成成分を組み合わせることが適切になるまでの間、クリーニング助剤及びプロテアーゼ(複数可)を別々に保管する(すなわち、互いに接触させない)好適な方法が使用される。このような分離手法には、当該技術分野において既知の任意の好適な方法が包含される(例えば、ゲルキャップ法、カプセル封入、錠剤、物理的分離など)。
【0144】
本発明のクリーニング組成物は、例えば、洗濯用途、硬質表面のクリーニング、自動食器洗い及び食器の手洗いを含む食器洗浄用途、並びに義歯、歯、毛髪及び肌などの美容用途において、有利に利用される。加えて、低温の溶液中で有効性が増大するという独特の利点により、本発明の酵素は洗濯用途に理想的なものである。更に本発明の酵素は、粒状及び液体組成物においての使用が見出される。
【0145】
本発明のメタロプロテアーゼポリペプチドは、クリーニング添加剤への使用も見出されている。いくつかの実施形態では、低温溶液を用いるクリーニング用途での使用が見出される。いくつかの実施形態では、本発明は、本発明の酵素を少なくとも1種含むクリーニング添加剤を提供し、当該クリーニング添加剤は、更に漂白効果が所望される場合に、洗浄プロセスに含めるために理想的に適している。このような場合の例としては、限定するものではないが、例えば、低温溶液を用いるクリーニング用途が挙げられる。いくつかの実施形態では、添加剤は最も単純な形態の1種以上のプロテアーゼである。いくつかの実施形態では、添加剤は、クリーニングプロセスに添加される剤形にパッケージングされる。いくつかの実施形態では、添加剤は、過酸化物供給源が用いられかつ漂白効果の増加が所望されるクリーニングプロセスに添加される剤形にパッケージングされる。限定するものではないが、例えば、丸剤、錠剤、ゲルキャップ、又は予め計量された粉末若しくは液体などの他の一回用量単位が挙げられる、任意の好適な一回用量単位が、本発明において有用である。いくつかの実施形態では、このような組成物を増量するために充填剤又はキャリア材料を含める。好適な充填剤又はキャリア材料としては、限定するものではないが、例えば、様々な硫酸塩、炭酸塩及びケイ酸塩並びにタルク、及びクレイなどが挙げられる。液体組成物に好適な充填剤又はキャリア材料としては、限定するものではないが、例えば、水、又はポリオール及びジオールなどの低分子量の一級及び二級アルコールが挙げられる。このようなアルコールの例としては、限定するものではないが、メタノール、エタノール、プロパノール及びイソプロパノールが挙げられる。いくつかの実施形態では、組成物は、このような材料を約5%〜約90%含有する。酸性充填剤はpHを低下させるために有用である。あるいは、いくつかの実施形態では、クリーニング添加剤として、以下により詳細に記載されるような補助成分が挙げられる。
【0146】
本発明のクリーニング組成物及びクリーニング添加剤は、単独で又はその他のプロテアーゼ及び/又は追加の酵素と組み合わせて本明細書で提供される、有効量の少なくとも1種のメタロプロテアーゼポリペプチドを必要とする。必要とされる酵素レベルは、1種以上の本発明のメタロプロテアーゼポリペプチドを添加することにより達成される。典型的には、本発明のクリーニング組成物は、本発明のメタロプロテアーゼポリペプチドのうち少なくとも1種を、少なくとも約0.0001重量%、約0.0001〜約10、約0.001〜約1、又は約0.01〜約0.1重量%含む。
【0147】
本明細書に記載のクリーニング組成物は、典型的には、水性クリーニング操作において使用している間、洗浄水が約4.0〜約11.5、又は更には約5.0〜約11.5、又は更には約5.0〜約8.0、又は更には約7.5〜約10.5のpHを有するよう配合される。液体製品の処方は、典型的には、pHが約3.0〜約9.0、又は更には約3〜約5のになるよう配合される。粒状洗濯製品は、典型的にはpHが約9〜約11になるよう配合される。推奨される使用レベルでpHを調節する技術としては、緩衝剤、アルカリ、酸などの使用が挙げられ、これらは当業者には周知のものである。
【0148】
好適な「低pHクリーニング組成物」は、典型的には、約3〜約5のpHを有し、典型的には、このようなpH環境で加水分解する界面活性剤を含まない。このような界面活性剤としては、エチレンオキシド部分を少なくとも1つ又は更にはエチレンオキシド約1〜約16モルを含むアルキル硫酸ナトリウム界面活性剤が挙げられる。このようなクリーニング組成物は、典型的には、水酸化ナトリウム、モノエタノールアミン、又は塩酸などのpH調整剤を十分量含み、このようなクリーニング組成物のpHは約3〜約5になる。このような組成物は、典型的には、酸に安定な酵素を少なくとも1種含む。いくつかの実施形態では、組成物は液体であるが、他の実施形態では、組成物は固体である。このような液体組成物のpHは、典型的には原液のpHとして測定される。このような固形組成物のpHは、上記組成物の10%固体溶液として測定され、ここで、その溶媒は蒸留水である。これらの実施形態では、特に断りのない限り、pHの測定はすべて20℃で行われる。
【0149】
いくつかの実施形態では、メタロプロテアーゼポリペプチド(複数可)を顆粒状組成物又は液体に利用するとき、保管中にメタロプロテアーゼポリペプチドを顆粒状組成物以外の成分から保護するため、メタロプロテアーゼポリペプチドがカプセル化された粒子の形態であることが望ましい。更に、カプセル化はまた、クリーニングプロセス中のメタロプロテアーゼポリペプチドの利用能を調節する手段でもある。いくつかの実施形態では、カプセル化は、メタロプロテアーゼポリペプチド(複数可)及び/又は追加の酵素の性能を増強する。これに関し、本発明のメタロプロテアーゼポリペプチドは、当業界で既知の任意の好適なカプセル材でカプセル化される。いくつかの実施形態では、カプセル材は、典型的には、本発明のメタロプロテアーゼポリペプチド(複数可)の少なくとも部分をカプセル化する。典型的には、カプセル材は、水溶性及び/又は水分散性である。いくつかの実施形態では、カプセル材は、0℃以上のガラス転移温度(Tg)を有する。ガラス転移温度は、PCT国際特許出願公開第WO 97/11151号により詳細に記載されている。カプセル材は、典型的には、炭水化物、天然又は合成ゴム、キチン、キトサン、セルロース及びセルロース誘導体、ケイ酸塩、リン酸塩、ホウ酸塩、ポリビニルアルコール、ポリエチレングリコール、パラフィンワックス、並びにこれらの組み合わせからなる群から選択される。カプセル材が炭水化物である場合、典型的には、単糖、オリゴ糖、多糖、及びこれらの組み合わせから選択される。一部の典型的な実施形態では、カプセル材はデンプンである(例えば、欧州特許第0922499号;米国特許第4,977,252号、同第5,354,559号、及び同第5,935,826号を参照されたい)。いくつかの実施形態では、カプセル材は、熱可塑性物質、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、ポリアクリロニトリル、ポリメタクリロニトリル及びこれらの混合物などのプラスチックから製造されるマイクロスフェアであり、有用な市販のマイクロスフェアとしては、限定するものではないが、EXPANCEL(登録商標)(Stockviksverken,Sweden)、並びにPM6545、PM6550、PM7220、PM7228、EXTENDOSPHERES(登録商標)、LUXSIL(登録商標)、Q−CEL(登録商標)、及びSPHERICEL(登録商標)(PQ Corp.,Valley Forge,PA)として供給されるものが挙げられる。
【0150】
本明細書で記載するとき、本発明のメタロプロテアーゼポリペプチドは、クリーニング及び食器洗剤が挙げられるがこれらに限定されないクリーニング工業での使用が特に見いだされる。これらの用途では、酵素は様々な環境ストレス下に置かれる。本発明のメタロプロテアーゼポリペプチドは、様々な条件下で安定であることから、現在使用されている多くの酵素を上回る利点を提供する。
【0151】
実際に、多様な洗剤の配合、多様な洗浄水の容量、多様な洗浄水の温度、及び多様な洗浄時間の長さを含む各種洗浄条件が存在し、洗浄に関与するプロテアーゼはこれらの条件に晒される。加えて、異なる地域で使用される洗剤配合物では、洗浄水中に、関連する成分が異なる濃度で存在する。例えば、欧州の洗剤は一般的には4500〜5000ppmの洗剤成分を洗浄水中に有するが、日本の洗剤は一般的には667ppmの洗剤成分を洗浄水に有する。北アメリカ、特に合衆国では、一般的には約975ppmの洗剤成分を洗浄水中に有する。
【0152】
低濃度洗剤系には、約800ppm未満の洗剤成分が洗浄水に存在する洗剤が包含される。日本の洗剤は、洗浄水中におよそ667ppmの洗剤成分が存在していることから、一般に低濃度洗剤系とみなされる。
【0153】
中間濃度の洗剤には、約800ppm〜約2000ppmの洗剤成分が洗浄水中に存在する洗剤が包含される。北アメリカの洗剤は、洗浄水中におよそ975ppmの洗剤成分が存在していることから、一般に中間濃度の洗剤系であるとみなされる。ブラジルでは、典型的に洗浄水中におよそ1500ppmの洗剤成分が存在する。
【0154】
高濃度洗剤系には、約2000ppm超の洗剤成分が洗浄水中に存在している洗剤が包含される。欧州の洗剤は、洗浄水中におよそ4500〜5000ppmの洗剤成分が存在していることから、一般に高濃度洗剤系であるとみなされる。
【0155】
ラテンアメリカの洗剤は、概して高起泡性のリン酸塩ビルダー洗剤であり、洗浄水中に1500〜6000ppmの範囲の洗剤成分が存在していることから、ラテンアメリカで使用されている洗剤の範囲は、中間濃度及び高濃度洗剤の両方に包含される。上記のように、ブラジルでは、洗浄水中に典型的におよそ1500ppmの洗剤成分が存在する。しかしながら、例えば、その他のラテンアメリカの国々に限定するものではないが、高起泡性のリン酸ビルダー洗剤が使用されている他の地域では、洗浄水中に洗剤成分が最大で約6000ppm存在している高濃度洗剤系が使用されている場合がある。
【0156】
前述の点を踏まえると、世界中の典型的な洗浄溶液中の洗剤組成物の濃度は、約800ppm未満から、高起泡性のリン酸ビルダー洗剤が使用されている地域で約6000ppmと異なることが明らかである。
【0157】
典型的な洗浄液の濃度は経験的に決定される。例えば、米国では、典型的な洗濯機の洗浄液容量は約64.4Lである。したがって、洗浄溶液中に約975ppmの洗剤濃度を得るためには、64.4Lの洗浄液に約62.79gの洗剤組成物を添加しなくてはならない。この量は、消費者が、洗剤に付属された計量カップを用いて洗浄水に量り入れる典型的な量である。
【0158】
更なる例として、異なる地域では異なる洗浄温度が使用される。日本で使用されている洗浄水の温度は、一般的に、欧州で使用される温度よりも低い。例えば、北アメリカ及び日本の洗浄水の温度は、典型的には約10〜約40℃(例えば、約20℃)であるのに対し、欧州の洗浄水の温度は、典型的には約30〜約60℃(例えば、約40℃)である。しかしながら、エネルギーの節約の観点から、多くの消費者は冷水洗浄の使用に切り替えている。加えて、一部の更なる地域では、典型的に洗濯だけでなく食器洗浄用途にも冷水が使用されている。いくつかの実施形態では、本発明の「冷水洗浄」では、約10℃〜約40℃、又は約20℃〜約30℃、又は約15℃〜約25℃、並びに約15℃〜約35℃の範囲内のすべてのその他の組み合わせ、並びに10℃〜40℃のすべての範囲の洗浄温度に好適な「冷水用洗剤」を用いる。
【0159】
更なる例として、異なる地域では、典型的に、異なる硬度の水が用いられている。水硬度は、通常、Ca
2+/Mg
2+を合わせて1ガロンあたりのグレーンを単位とする。硬度は、水中のカルシウム(Ca
2+)及びマグネシウム(Mg
2+)量の測定値である。米国ではほとんどの水は硬水であるが、硬度の程度は様々である。中硬水(60〜120ppm)〜硬水(121〜181ppm)は、60〜181ppm(ppmをグレーン/USガロン単位に変換する場合、ppm数を17.1で除したものがグレーン/ガロンに相当する)の鉱物を含有する。
【0160】
【表2】
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【0161】
欧州の水硬度は、典型的には、Ca
2+/Mg
2+合わせて約180(例えば、約180〜約340)ppm[約10.5(例えば、約10.5〜約20.0)グレーン/ガロン]である[例えば、Ca
2+/Mg
2+合わせて約255ppm(15グレーン/ガロン)]。北アメリカの水硬度は、一般的には日本の水硬度よりも高いものの、欧州の水硬度より低い。例えば、北アメリカの水硬度は、約51〜約170ppm、約51〜約136ppm、約51〜102ppm(約3〜約10グレーン、約3〜約8グレーン又は約6グレーン)とすることができる。日本の水硬度は、典型的には、北アメリカの水硬度よりも低く、通常、約68未満であり、例えば、Ca
2+/Mg
2+合わせて約51ppm(約4、例えば、約3グレーン/ガロン)である。
【0162】
したがって、いくつかの実施形態では、本発明は、少なくとも1組の洗浄条件(例えば、水温、水硬度、及び/又は洗剤濃度)において驚くべき洗浄性能を示すメタロプロテアーゼポリペプチドを提供する。いくつかの実施形態では、本発明のメタロプロテアーゼポリペプチドは、その他のメタロプロテアーゼポリペプチドプロテアーゼに対し、洗浄性能において適合する。本発明のいくつかの実施形態では、本明細書において提供するメタロプロテアーゼポリペプチドは、増強された酸化安定性、増強された熱安定性、様々な条件下で増強されたクリーニング能力、及び/又は増強されたキレート安定性を示す。更に、本発明のメタロプロテアーゼポリペプチドは、洗剤を含有しないクリーニング組成物への、単独使用、又はビルダー及び安定剤と組み合わせての使用が見いだされる。
【0163】
本発明のいくつかの実施形態では、クリーニング組成物は、組成物の約0.00001重量%〜約10重量%のレベルで本発明の少なくとも1種のメタロプロテアーゼポリペプチドと、組成物の重量をもとに、クリーニング助剤を含む残部(例えば、約99.999重量%〜約90.0重量%)と、を含む。本発明のいくつかのその他の実施形態では、本発明のクリーニング組成物は、組成物の約0.0001重量%〜約10重量%、約0.001重量%〜約5重量%、約0.001重量%〜約2重量%、約0.005重量%〜約0.5重量%のレベルの少なくとも1種のメタロプロテアーゼポリペプチドと、クリーニング助剤を含むクリーニング組成物の残部(例えば、約99.9999重量%〜約90.0重量%、約99.999重量%〜約98重量%、約99.995重量%〜約99.5重量%)とを含む。
【0164】
いくつかの実施形態では、本発明のクリーニング組成物は、クリーニング性能及び/又は布地ケア及び/又は食器洗浄効果を提供する追加の洗剤用酵素を1種以上含む。好適な酵素の例としては、アシルトランスフェラーゼ、α−アミラーゼ、β−アミラーゼ、α−ガラクトシダーゼ、アラビノシダーゼ、アリールエステラーゼ、β−ガラクトシダーゼ、カラギナーゼ、カタラーゼ、セロビオヒドロラーゼ、セルラーゼ、コンドロイチナーゼ、クチナーゼ、エンド−β−1、4−グルカナーゼ、エンド−β−マンナナーゼ、エステラーゼ、エキソ型マンナナーゼ、ガラクタナーゼ、グルコアミラーゼ、ヘミセルラーゼ、ヒアルロニダーゼ、ケラチナーゼ、ラッカーゼ、ラクターゼ,リグニナーゼ、リパーゼ、リポキシゲナーゼ、マンナナーゼ、オキシダーゼ、ペクチン酸リアーゼ、ペクチンアセチルエステラーゼ、ペクチナーゼ、ペントサナーゼ、ペルオキシダーゼ、フェノールオキシダーゼ、ホスファターゼ、ホスホリパーゼ、フィターゼ、ポリガラクツロナーゼ,プロテアーゼ、プルラナーゼ、還元酵素、ラムノガラクツロナーゼ、β−グルカナーゼ、タンナーゼ、トランスグルタミナーゼ、キシランアセチル−エステラーゼ、キシラナーゼ、キシログルカナーゼ、及びキシロシダーゼ、又はこれらの任意の組み合わせ若しくは混合物が挙げられるがこれらに限定されない。いくつかの実施形態では、プロテアーゼ、リパーゼ、クチナーゼ、及び/又はセルラーゼなどの一般的に適用可能な酵素をアミラーゼと共に含む酵素混合物(すなわち、「カクテル」)が使用される。
【0165】
本発明の組成物には、本明細書で提供されるメタロプロテアーゼポリペプチドに加え、任意のその他の好適なプロテアーゼの使用が見いだされる。好適なプロテアーゼとしては、動物、植物又は微生物由来のものが挙げられる。いくつかの実施形態では、微生物由来のプロテアーゼが使用される。いくつかの実施形態では、化学物質により改変された又は遺伝子改変された変異体が包含される。いくつかの実施形態では、プロテアーゼはセリンプロテアーゼであり、好ましくはアルカリ性の微生物プロテアーゼ又はトリプシン様プロテアーゼである。アルカリ性プロテアーゼの例としては、サブチリシン、特にバチルス属由来のサブチリシンが挙げられる(例えば、サブチリシン、レンタス、アミロリケファシエンス、サブチリシンカールスバーグ、サブチリシン309、サブチリシン147、及びサブチリシン168)。追加の例としては、参照によりその全容が本明細書に援用される、米国再発行特許第34,606号、同第5,955,340号、同第5,700,676号、同第6,312,936号、及び同第6,482,628号が挙げられる。追加のプロテアーゼ例としては、例えば、限定するものではないが、トリプシン(例えば、ブタ又はウシ由来)、及びPCT国際特許出願公開第WO 89/06270号に記載のフサリウムプロテアーゼが挙げられる。いくつかの実施形態では、本発明に使用できる市販のプロテアーゼ酵素としては、限定するものではないが、MAXATASE(登録商標)、MAXACAL(商標)、MAXAPEM(商標)、OPTICLEAN(登録商標)、OPTIMASE(登録商標)、PROPERASE(登録商標)、PURAFECT(登録商標)、PURAFECT(登録商標)OXP、PURAMAX(商標)、EXCELLASE(商標)、及びPURAFAST(商標)(Genencor);ALCALASE(登録商標)、SAVINASE(登録商標)、PRIMASE(登録商標)、DURAZYM(商標)、POLARZYME(登録商標)、OVOZYME(登録商標)、KANNASE(登録商標)、LIQUANASE(登録商標)、NEUTRASE(登録商標)、RELASE(登録商標)及びESPERASE(登録商標)(Novozymes);BLAP(商標)及びBLAP(商標)変異体(Henkel Kommanditgesellschaft auf Aktien(Duesseldorf,Germany))、並びにKAP(バチルス・アルカロフィルスサブチリシン;花王株式会社、日本国東京)が挙げられる。様々なプロテアーゼが、国際公開第WO95/23221号、同第WO 92/21760号、同第WO 09/149200号、同第WO 09/149144号、同第WO 09/149145号、同第WO 11/072099号、同第WO 10/056640号、同第WO 10/056653号、同第WO 11/140364号、同第WO 12/151534号、米国特許出願公開第2008/0090747号、及び米国特許第5,801,039号、同第5,340,735号、同第5,500,364号、同第5,855,625号、米国再発行特許第34,606号、同第5,955,340号、同第5,700,676号、同第6,312,936、及び同第6,482,628号、並びに様々なその他の特許文献に記載されている。一部の更なる実施形態では、本発明において有用であるメタロプロテアーゼとしては、限定するものではないが、PCT国際特許出願公開第WO 07/044993号に記載の中性のメタロプロテアーゼが挙げられる。
【0166】
加えて、任意の好適なリパーゼが本発明において有用である。好適なリパーゼとしては、限定するものではないが、細菌又は真菌由来のものが挙げられる。化学物質により改変された又は遺伝子改変された変異体は本発明に包含される。有用なリパーゼの例としては、ヒュミコラ・ラヌギノーサ(Humicola lanuginosa)リパーゼ(例えば、欧州特許第258 068号、及び同第305 216号を参照されたい)、リゾムコール・ミエヘイ(Rhizomucor miehei)リパーゼ(例えば、欧州特許第238 023号を参照されたい)、カンジダ(Candida)リパーゼ、例えば、カンジダ・アンタークティカ(C. antarctica)リパーゼ[例えば、カンジダ・アンタークティカ(C. antarctica)リパーゼA又はB;例えば、欧州特許第214 761号を参照されたい]、シュードモナス(Pseudomonas)リパーゼ、例えば、シュードモナス・アルカリジェネス(P. alcaligenes)及びシュードモナス・シュードアルカリジェネス(P. pseudoalcaligenes)リパーゼ(例えば、欧州特許第218 272号を参照されたい)、シュードモナス・セパキア(P. cepacia)リパーゼ(例えば、欧州特許第331 376号を参照されたい)、シュードモナス・ストゥッチェリ(P. stutzeri)リパーゼ(例えば、英国特許第1,372,034号を参照されたい),シュードモナス・フルオレッセンス(P. fluorescens)リパーゼ、バチルス(Bacillus)リパーゼ(例えば、バチルス・スブチリス(B. subtilis)リパーゼ[Dartois et al.,Biochem.Biophys.Acta 1131:253〜260[1993]);バチルス・ステアロサーモフィラス(B.stearothermophilus)リパーゼ[例えば、日本国特許第64/744992号を参照されたい];並びにバチルス・プミルス(B. pumilus)リパーゼ[例えば、国際公開第WO 91/16422号を参照されたい])が挙げられる。
【0167】
更に、本発明のいくつかの実施形態には、ペニシリウム・カマンベルティ(Penicillium camembertii)リパーゼ(Yamaguchi et al.,Gene 103:61〜67[1991]を参照されたい)、ゲオトリクム・カンジドウム(Geotricum candidum)リパーゼ(Schimada et al.,J.Biochem.,106:383〜388[1989]を参照されたい)、及び様々なリゾプス(Rhizopus)リパーゼ、例えば、リゾプス・デレマー(R.delemar)リパーゼ(Hass et al.,Gene 109:117〜113[1991]を参照されたい)、リゾプス・ニベウス(R. niveus)リパーゼ(Kugimiya et al.,Biosci.Biotech.Biochem.56:716〜719[1992])、及びリゾプス・オリゼ(R. oryzae)リパーゼが挙げられるがこれらに限定されない数多くのクローン化されたリパーゼの使用が見いだされる。
【0168】
本発明のいくつかの実施形態では、シュードモナス・メンドシナ(Pseudomonas mendocina)に由来するクチナーゼ(国際公開第WO 88/09367号を参照されたい)、及びフザリウム・ソラニィ(Fusarium solani pisi)に由来するクチナーゼ(国際公開第WO 90/09446号を参照されたい)が挙げられるがこれらに限定されないクチナーゼなどの、他の種類のリパーゼポリペプチド酵素も使用が見いだされる。
【0169】
その他の好適なリパーゼとしては、M1 LIPASE(商標)、LUMA FAST(商標)、及びLIPOMAX(商標)(Genencor);LIPEX(登録商標)、LIPOLASE(登録商標)及びLIPOLASE(登録商標)ULTRA(Novozymes);及びLIPASE P(商標)「アマノ」(天野エンザイム,日本)などの市販のリパーゼが挙げられる。様々なリパーゼが、国際公開第2010065455号、同第2010107560号、同第2011084412号、同第2011084417号、同第2011084599号、同第2011078949号、同第2011150157号、同第2012137147号、同第2013033318号、同第2013096653号、及び米国特許出願公開第61/713436号に記載されている。
【0170】
本発明のいくつかの実施形態では、本発明のクリーニング組成物は、組成物の約0.00001重量%〜約10重量%のレベルの追加のリパーゼと、組成物の重量に基づき残部のクリーニング助剤と、を更に含む。本発明の他のいくつかの実施形態では、本発明のクリーニング組成物はまた、更にリパーゼを、組成物の重量に基づき約0.0001重量%〜約10重量%、約0.001重量%〜約5重量%、約0.001重量%〜約2重量%、約0.005重量%〜約0.5重量%のレベルで含む。
【0171】
本発明のいくつかの実施形態では、任意の好適なアミラーゼが、本発明において有用である。いくつかの実施形態では、アルカリ性溶液に使用するのに好適である任意のアミラーゼ(例えば、α及び/又はβ)も有用である。好適なアミラーゼとしては、限定するものではないが、細菌由来のもの又は真菌由来のものが挙げられる。一部の実施例では、化学物質により改変された又は遺伝子改変された変異体が包含される。本発明において有用なアミラーゼとしては、限定するものではないが、バチルス・リケニフォルミスから得られるα−アミラーゼが挙げられる(例えば、英国特許第1,296,839号を参照されたい)。追加の好適なアミラーゼとしては、国際公開第9510603号、同第9526397号、同第9623874号、同第9623873号、同第9741213号、同第9919467号、同第0060060号、同第0029560号、同第9923211号、同第9946399号、同第0060058号、同第0060059号、同第9942567号、同第0114532号、同第02092797号、同第0166712号、同第0188107号、同第0196537号、同第0210355号、同第9402597号、同第0231124号、同第9943793号、同第9943794号、同第2004113551号、同第2005001064号、同第2005003311号、同第0164852号、同第2006063594号、同第2006066594号、同第2006066596号、同第2006012899号、同第2008092919号、同第2008000825号、同第2005018336号、同第2005066338号、同第2009140504号、同第2005019443号、同第2010091221号、同第2010088447号、同第0134784号、同第2006012902号、同第2006031554号、同第2006136161号、同第2008101894号、同第2010059413号、同第2011098531号、同第2011080352号、同第2011080353号、同第2011080354号、同第2011082425号、同第2011082429号、同第2011076123号、同第2011087836号、同第2011076897号、同第94183314号、同第9535382号、同第9909183号、同第9826078号、同第9902702号、同第9743424号、同第9929876号、同第9100353号、同第9605295号、同第9630481号、同第9710342号、同第2008088493号、同第2009149419号、同第2009061381号、同第2009100102号、同第2010104675号、同第2010117511号、及び同第WO2010115021号に見いだされるものが挙げられる。本発明において有用な市販のアミラーゼとしては、限定するものではないが、DURAMYL(登録商標)、TERMAMYL(登録商標)、FUNGAMYL(登録商標)、STAINZYME(登録商標)、STAINZYME PLUS(登録商標)、STAINZYME ULTRA(登録商標)、及びBAN(商標)(Novozymes)、並びにPOWERASE(商標)、RAPIDASE(登録商標)及びMAXAMYL(登録商標)P(Genencor)が挙げられる。
【0172】
本発明のいくつかの実施形態では、本発明のクリーニング組成物は、組成物の約0.00001重量%〜約10重量%のレベルの追加のアミラーゼと、組成物の重量に基づき残部のクリーニング助剤と、を更に含む。同様に、本発明の一部の他の実施例では、本発明のクリーニング組成物はまた、更にアミラーゼを、組成物の重量に基づき約0.0001重量%〜約10重量%、約0.001重量%〜約5重量%、約0.001重量%〜約2重量%、約0.005重量%〜約0.5重量%アミラーゼのレベルで含む。
【0173】
一部の更なる実施形態では、任意の好適なセルラーゼが、本発明のクリーニング組成物において有用である。好適なセルラーゼとしては、限定するものではないが、細菌又は真菌由来のものが挙げられる。一部の実施例では、化学物質により改変された又は遺伝子改変された変異体が包含される。好適なセルラーゼには、ヒュミコラ・インソレンス(Humicola insolens)セルラーゼがある(例えば、米国特許第4,435,307号を参照されたい)。特に好適なセルラーゼは、色ケア効果を有するセルラーゼである(例えば、欧州特許第0 495 257号を参照されたい)。本発明において有用である市販のセルラーゼとしては、限定するものではないが、CELLUZYME(登録商標)、CAREZYME(登録商標)(Novozymes)、及びKAC−500(B)(商標)(花王株式会社)が挙げられる。いくつかの実施形態では、セルラーゼは、N−末端部分が欠失している成熟野生型又は変異体セルラーゼの部分又は断片として組み込まれる(例えば、米国特許第5,874,276号を参照されたい)。更なる好適なセルラーゼとしては、国際公開第WO2005054475号、同第WO2005056787号、米国特許第7,449,318号、及び同第7,833,773号に見いだされるものが挙げられる。いくつかの実施形態では、本発明のクリーニング組成物は、組成物の重量に基づき約0.00001重量%〜約10重量%のレベルの追加のセルラーゼと、組成物の重量に基づき残部のクリーニング助剤と、を更に含む。本発明の他のいくつかの実施形態では、本発明のクリーニング組成物はまた、更にセルラーゼを、組成物の重量に基づいて約0.0001重量%〜約10重量%、約0.001重量%〜約5重量%、約0.001重量%〜約2重量%、約0.005重量%〜約0.5重量%のレベルで含む。
【0174】
洗剤組成物で使用するのに好適な任意のマンナナーゼも同様に本発明において有用である。好適なマンナナーゼとしては、限定するものではないが、細菌又は真菌由来のものが挙げられる。一部の実施形態では、化学物質により改変された又は遺伝子改変された変異体が包含される。本発明において使用が見いだされる様々なマンナナーゼが既知である(例えば、参照によりその全容が本明細書に援用される米国特許第6,566,114号、同第6,602,842号、及び同第6,440,991号を参照されたい)。本発明において使用が見いだされる市販のマンナナーゼの例としては、MANNASTAR(登録商標)、PURABRITE(商標)、MANNAWAY(登録商標)が挙げられるがこれらに限定されない。いくつかの実施形態では、本発明のクリーニング組成物は、組成物の約0.00001重量%〜約10重量%のレベルの追加のマンナナーゼと、組成物の重量に基づき残部のクリーニング助剤と、を更に含む。本発明のいくつかの実施形態では、本発明のクリーニング組成物はまた、更に、組成物の約0.0001重量%〜約10重量%、約0.001重量%〜約5重量%、約0.001重量%〜約2重量%、約0.005重量%〜約0.5重量%レベルでマンナナーゼを含む。
【0175】
いくつかの実施形態では、ペルオキシダーゼは過酸化水素又は過酸化水素供給源(例えば、過炭酸塩、過ホウ酸塩又は過硫酸塩)と組み合わせて本発明の組成物に使用される。一部の代替的な実施形態では、オキシダーゼは酸素と組み合わせて使用される。いずれのタイプの酵素も「溶液を漂白する」(すなわち、布地を一緒に洗浄液で洗浄する場合に、繊維製品の染料が、その染料で染色されている布から他の布へと色移りするのを予防する)ために、好ましくは増感剤と共に使用される(例えば、PCT国際特許出願公開第WO 94/12621号及び同第WO 95/01426号を参照されたい)。好適なペルオキシダーゼ/オキシダーゼとしては、限定するものではないが、植物、細菌又は真菌由来のものが挙げられる。一部の実施形態では、化学物質により改変された又は遺伝子改変された変異体が包含される。いくつかの実施形態では、本発明のクリーニング組成物は、組成物の重量に基づいて約0.00001重量%〜約10重量%のレベルの追加のペルオキシダーゼ及び/又はオキシダーゼと、組成物の重量に基づき残部のクリーニング助剤と、を更に含む。本発明の他のいくつかの実施形態では、本発明のクリーニング組成物はまた、更にペルオキシダーゼ及び/又はオキシダーゼを、組成物の重量に基づき約0.0001重量%〜約10重量%、約0.001重量%〜約5重量%、約0.001重量%〜約2重量%、約0.005重量%〜約0.5重量%ペルオキシダーゼ及び/又はオキシダーゼのレベルで含む。
【0176】
いくつかの実施形態では、有用である追加の酵素としては、限定するものではないがペルヒドロラーゼが挙げられる(例えば、PCT国際特許出願公開第WO 05/056782号を参照されたい)。加えて、いくつかの実施形態では、上述の酵素の混合物、特に、1種以上の追加のプロテアーゼ、アミラーゼ、リパーゼ、マンナナーゼ、及び/又は少なくとも1種のセルラーゼなどの酵素の混合物が、本明細書に包含される。実際に、これらの酵素の多様な混合物が本発明において有用であることは想到される。様々なレベルのメタロプロテアーゼポリペプチド(複数可)と、1種以上の追加の酵素を、いずれも独立して、約10%の範囲までとし、クリーニング組成物の残部をクリーニング助剤としてもよいことも想到される。具体的なクリーニング助剤の選別は、クリーニングされる表面、物品、又は布地、並びに使用時(例えば、洗剤を用いた洗浄中)のクリーニング条件に所望される組成物の形態を考慮することで容易になされる。
【0177】
好適なクリーニング助剤の例としては、限定するものではないが、界面活性剤、ビルダー、漂白剤、漂白活性化剤、漂白触媒、他の酵素、酵素安定化系、キレート剤、蛍光増白剤、汚れ剥離ポリマー、移染剤、移染防止剤、触媒材料、過酸化水素、過酸化水素供給源、予形成された過酸、ポリマー型分散剤、泥汚れ除去剤、構造弾性化剤、分散剤、抑泡剤、染料、香料、着色剤、フィラー塩、ヒドロトロープ、光活性化剤、蛍光剤、布地コンディショナー、布地柔軟剤、キャリア、ヒドロトロープ、加工助剤、溶媒、色素、加水分解性界面活性剤、保存料、抗酸化剤、収縮防止剤、防皺剤、殺菌剤、防カビ剤、色スペックル、銀製品ケア剤、変色防止剤及び/又は防食剤、アルカリ供給源、可溶化剤、キャリア、加工助剤、色素、及びpH調整剤が挙げられる(例えば、参照により本明細書にその全容が援用される、米国特許第6,610,642号、同第6,605,458号、同第5,705,464号、同第5,710,115号、同第5,698,504号、同第5,695,679号、同第5,686,014号、及び同第5,646,101号を参照されたい)。具体的なクリーニング組成物材料の実施形態を以下に詳細に例示する。洗濯組成物中で、クリーニング助剤が本発明のメタロプロテアーゼポリペプチドと適合するものでない実施形態では、これら2種の構成成分を組み合わせることが適切になるまでの間、クリーニング助剤及びプロテアーゼ(複数可)を別々に保管する(すなわち、互いに接触させない)好適な方法が使用される。このような分離手法には、当該技術分野において既知の任意の好適な方法が包含される(例えば、ゲルキャップ法、カプセル封入、錠剤、物理的分離など)。
【0178】
いくつかの実施形態では、本明細書において提供される有効量の1種以上のメタロプロテアーゼポリペプチド(複数可)を、タンパク質性の染みを除去する必要のある様々な表面をクリーニングするのに有用な組成物に含有させる。このようなクリーニング組成物としては、硬質表面、布地、及び皿のクリーニングなどの用途向けのクリーニング組成物が挙げられる。実際に、いくつかの実施形態では、本発明は布地クリーニング組成物を提供するが、他の実施形態では、本発明は非布地用クリーニング組成物を提供する。特に、本発明は、口腔ケア組成物(歯磨剤、歯磨き粉、マウスウォッシュなど、並びに義歯洗浄用組成物を包含する)、皮膚クリーニング組成物及び毛髪クリーニング組成物などのパーソナルケアに好適なクリーニング組成物も提供する。本発明は、任意の形態(すなわち、液体、粒状、棒状、半固形、ゲル、乳濁液、錠剤、カプセル剤など)の洗剤組成物を包含することを意図する。
【0179】
例えば、本発明のメタロプロテアーゼポリペプチドの使用が見いだされる複数種のクリーニング組成物を以下に詳細に記載する。本発明のクリーニング組成物が、洗濯機を用いる洗浄方法で使用するのに好適な組成物として配合されるいくつかの実施形態では、本発明の組成物は、好ましくは少なくとも1種の界面活性剤と、少なくとも1種のビルダー化合物と、並びに好ましくは、有機高分子化合物、漂白剤、追加の酵素、抑泡剤、分散剤、石鹸カス分散剤、汚れ懸濁剤及び再付着防止剤、及び防食剤から選択される1種以上のクリーニング助剤と、を含有する。いくつかの実施形態では、洗濯用組成物は柔軟剤も含有する(すなわち、追加のクリーニング助剤として)。本発明の組成物は、固体又は液体形態の洗剤添加剤への使用も見いだされる。このような添加剤は、従来の洗剤組成物の性能を補う及び/又は強化することが意図されるものであり、クリーニングプロセスの任意の段階で添加できる。いくつかの実施形態では、20℃で測定した場合、本発明の洗濯洗剤組成物の密度は約400〜約1200g/リットルの範囲であり、一方で他の実施形態では約500〜約950g/リットルの範囲である。
【0180】
食器手洗い方式で使用する組成物として配合される実施形態では、本発明の組成物は、好ましくは少なくとも1種の界面活性剤と、好ましくは有機高分子化合物、起泡剤、第2族金属イオン、溶媒、ヒドロトロープ、及び追加の酵素から選択される少なくとも1種の追加のクリーニング助剤と、を含有する。
【0181】
いくつかの実施形態では、米国特許第6,605,458号に提供されるものなどの様々なクリーニング組成物に、本発明のメタロプロテアーゼポリペプチドと組み合わせての使用が見いだされる。したがって、いくつかの実施形態では、本発明の少なくとも1種のメタロプロテアーゼポリペプチドを含む組成物は、コンパクト顆粒布地クリーニング組成物であるのに対し、他の実施形態では、組成物は、着色の施された布地の洗濯に有用な顆粒布地クリーニング組成物であり、更なる実施形態では、組成物は、洗浄キャパシティ(wash capacity)により柔軟化を提供する顆粒布地クリーニング組成物であり、更なる実施形態では、組成物は重質液体布地クリーニング組成物である。いくつかの実施形態では、本発明の少なくとも1種のメタロプロテアーゼポリペプチドを含む組成物は、米国特許第6,610,642号及び同第6,376,450号に記載のものなどの布地クリーニング組成物である。更に、本発明のメタロプロテアーゼポリペプチドは、欧州又は日本の洗浄条件(例えば、米国特許第6,610,642号を参照されたい)下で特に有用である顆粒状洗濯洗剤組成物への使用が見いだされる。
【0182】
いくつかの代替的な実施形態では、本発明は、本明細書で提供される少なくとも1種のメタロプロテアーゼポリペプチドを含む硬質表面クリーニング組成物を提供する。したがって、いくつかの実施形態では、少なくとも1種の本発明のメタロプロテアーゼポリペプチドを含む組成物は、米国特許第6,610,642号、同第6,376,450号、及び同第6,376,450号に記載の硬質表面クリーニング組成物である。
【0183】
尚更なる実施形態では、本発明は、本明細書で提供される少なくとも1種のメタロプロテアーゼポリペプチドを含む食器洗浄組成物を提供する。したがって、いくつかの実施形態では、少なくとも1種の本発明のメタロプロテアーゼポリペプチドを含む組成物は、米国特許第6,610,642号及び同第6,376,450号に記載のものなどの硬質表面クリーニング組成物である。いくつかの尚更なる実施形態では、本発明は、本明細書で提供される少なくとも1種のメタロプロテアーゼポリペプチドを含む食器洗浄組成物を提供する。いくつかの更なる実施形態では、少なくとも1種の本発明のメタロプロテアーゼポリペプチドを含む組成物は、米国特許第6,376,450号及び同第6,376,450号に記載のものなどの口腔ケア組成物を含む。前述の米国特許第6,376,450号、同第6,605,458号、同第6,605,458号、及び同第6,610,642号に含有される化合物及びクリーニング助剤についての処方及び記載には、本明細書で提供されるメタロプロテアーゼポリペプチドの使用が見いだされる。
【0184】
本発明のクリーニング組成物は、製造者により選択される任意のプロセスにより、任意の好適な形態に処方され、かつ調製され、非限定的な例としては、参照によりその全容が本明細書に援用される米国特許第5,879,584号、同第5,691,297号、同第5,574,005号、同第5,569,645号、同第5,565,422号、同第5,516,448号、同第5,489,392号、及び同第5,486,303号が挙げられる。低pHのクリーニング組成物が所望される場合、かかる組成物のpHは、モノエタノールアミン又は酸性材料(例えば、HCl)などの追加の材料により調整される。
【0185】
いくつかの実施形態では、本発明のクリーニング組成物は、pH約8.0〜約12.0、又は約8.5〜約11.0、又は約9.0〜約11.0などの洗浄条件下でアルカリpHを有するよう処方できる。いくつかの実施形態では、本発明のクリーニング組成物は、pH約5.0〜約8.0、又は約5.5〜約8.0、又は約6.0〜約8.0、又は約6.0〜約7.5などの洗浄条件下で、中性のpHを有するよう処方できる。いくつかの実施形態では、中性のpH条件は、20℃にてクリーニング組成物を脱イオン水に1:100(重量:重量)で溶解させて測定でき、標準的なpHメーターを利用して測定される。
【0186】
本発明の目的には必須でないが、以下に例示される助剤の非限定的な一覧は、本発明のクリーニング組成物での使用に好適である。いくつかの実施形態では、これらの助剤は、例えば、クリーニング性能を補助又は強化させるために、クリーニングされる基材を処理するために、あるいは香料、着色剤、又は染料などの場合にはクリーニング組成物の美観を改善するために組み込まれる。本発明のメタロプロテアーゼポリペプチドにはこのような助剤が加えられることは理解されたい。このような追加成分の正確な性質及びその添加レベルは、組成物の物理的形態、及び組成物が使用されるクリーニング操作の性質によって決まる。好適な補助剤としては、限定するものではないが、界面活性剤、ビルダー、キレート剤、移染防止剤、付着助剤、分散剤、追加の酵素、及び酵素安定化剤、触媒材料、漂白活性化剤、漂白増進剤、過酸化水素、過酸化水素供給源、予形成された過酸、高分子分散剤、泥汚れ除去/再付着防止剤、増白剤、抑泡剤、染料、香料、構造弾性化剤、布地柔軟剤、キャリア、ヒドロトロープ、加工助剤及び/又は色素が挙げられる。以下の開示に加え、このような他の補助剤の好適な例及び使用レベルは、米国特許第5,576,282号、同第6,306,812号、及び同第6,326,348号に記載されており、これら公報は参照により組み込まれる。上述の補助成分は、本発明のクリーニング組成物の残部を構成し得る。
【0187】
いくつかの実施形態では、本発明によるクリーニング組成物は、酸性化粒子又はアミノカルボン酸ビルダーを含む。アミノカルボン酸ビルダーの例としては、アミノカルボン酸、それらの塩及び誘導体が挙げられる。いくつかの実施形態では、アミノカルボン酸ビルダーは、アミノポリカルボン酸ビルダー、例えば、グリシン−N,N−二酢酸又は一般式MOOC−CHR−N(CH
2COOM)
2の誘導体であり、式中、RはC
1−12アルキルであり、Mはアルカリ金属である。いくつかの実施形態では、アミノカルボン酸ビルダーは、メチルグリシン二酢酸(MGDA)、GLDA(グルタミン酸−N,N−二酢酸)、イミノ二コハク酸(IDS)、カルボキシメチルイヌリン及びそれらの塩及び誘導体、アスパラギン酸−N−一酢酸(ASMA)、アスパラギン酸−N,N−二酢酸(ASDA)、アスパラギン酸−N−一プロピオン酸(ASMP)、イミノ二コハク酸(IDA)、N−(2−スルホメチル)アスパラギン酸(SMAS)、N−(2−スルホエチル)アスパラギン酸(SEAS)、N−(2−スルホメチル)グルタミン酸(SMGL)、N−(2−スルホエチル)グルタミン酸(SEGL)、IDS(イミノ二酢酸)及びそれらの塩及び誘導体、例えば、N−メチルイミノ二酢酸(MIDA)、α−アラニン−N,N−二酢酸(α−ALDA)、セリン−N,N−二酢酸(SEDA)、イソセリン−N,N二酢酸(ISDA)、フェニルアラニン−N,N−二酢酸(PHDA)、アントラニル酸−N,N−二酢酸(ANDA)、スルファニル酸−N,N−二酢酸(SLDA)、タウリン−N,N−二酢酸(TUDA)及びスルホメチル−N,N−二酢酸(SMDA)及びこれらのアルカリ金属塩及び誘導体とすることができる。いくつかの実施形態では、酸性化粒子は、約400μ〜約1200μの加重幾何平均粒径と、少なくとも550g/Lのかさ密度を有する。いくつかの実施形態では、酸性化粒子は、少なくとも約5%のビルダーを含む。
【0188】
いくつかの実施形態では、酸性化粒子は、有機酸及び鉱酸などの任意の酸を含み得る。有機酸は、1種又は2種のカルボキシル部分を有し得るものであり、いくつかの例では、最大15個、特に最大10個の炭素を有することができ、例えば、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、カプリン酸,、シュウ酸、コハク酸、アジピン酸、マレイン酸、フマル酸、セバシン酸、リンゴ酸、乳酸、グリコール酸、酒石酸、及びグリオキシル酸などである。いくつかの実施形態では、酸はクエン酸である。鉱酸としては、塩酸及び硫酸が挙げられる。いくつかの例では、本発明の酸性化粒子は、アミノカルボン酸ビルダーを高レベルで含む高活性の粒子である。硫酸は、最終的な粒子の安定性に更に貢献することも判明している。
【0189】
いくつかの実施形態では、本発明に従うクリーニング組成物は、少なくとも1種の界面活性剤及び/又は界面活性剤系を含み、界面活性剤は、非イオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両性界面活性剤、双性イオン性界面活性剤、半極性非イオン性界面活性剤及びこれらの混合物から選択される。一部の低pHクリーニング組成物の実施形態(例えば、原液pHが約3〜約5の組成物の場合)では、界面活性剤がこのような組成物の酸性成分により加水分解される恐れがあると考えられることから、典型的には当該組成物はエトキシル化アルキル硫酸塩を含まない。いくつかの実施形態では、界面活性剤は、クリーニング組成物の重量に基づいて、約0.1重量%〜約60重量%のレベルで存在する一方、代替的な実施形態では約1重量%〜約50重量%のレベルで、あるいは更に他の実施形態では約5重量%〜約40重量%のレベルで存在する。
【0190】
いくつかの実施形態では、本発明のクリーニング組成物は、1種以上のクリーニングビルダー又はビルダー系を含む。少なくとも1種のビルダーを組み込むいくつかの実施形態では、クリーニング組成物は、クリーニング組成物の重量に基づいて、少なくとも約1重量%、約3重量%〜約60重量%、又は更には約5重量%〜約40重量%のビルダーを含む。ビルダーとしては、限定するものではないが、例えば、ポリリン酸のアルカリ金属塩、アンモニウム塩及びアルカノールアンモニウム塩、ケイ酸アルカリ金属塩、炭酸のアルカリ土類金属塩及びアルカリ金属塩、アルミノケイ酸塩、ポリカルボン酸塩化合物、エーテルヒドロキシポリカルボン酸塩、無水マレイン酸とエチレン又はビニルメチルエーテルとのコポリマー、1,3,5−トリヒドロキシベンゼン−2,4,6−トリスルホン酸、及びカルボキシメチルオキシコハク酸、ポリ酢酸の様々なアルカリ金属塩、アンモニウム塩及び置換アンモニウム塩(例えば、エチレンジアミン四酢酸及びニトリロ三酢酸)、並びにメリト酸、コハク酸、クエン酸、オキシジコハク酸、ポリマレイン酸、ベンゼン1,3,5−トリカルボン酸、カルボキシメチルオキシコハク酸、及びこれらの可溶性塩などのポリカルボン酸類が挙げられる。実際に、本発明の様々な実施形態では任意の好適なビルダーが有用であることが想到される。
【0191】
いくつかの実施形態では、ビルダーは水溶性の硬度イオン錯体(例えば、金属イオン封鎖ビルダー)、例えば、クエン酸塩及びポリリン酸塩など(例えば、トリポリリン酸ナトリウム及びトリポリリン酸ナトリウム六水和物、トリポリリン酸カリウム、並びにトリポリリン酸ナトリウムとトリポリリン酸カリウムとの混合物など)を形成する。当該技術分野において既知のものが挙げられる(例えば、欧州特許第2 100 949号参照)、任意の好適なビルダーが、本発明において有用であることが想到される。
【0192】
いくつかの実施形態では、本明細書で使用されるビルダーは、リン酸塩ビルダー及び非リン酸塩ビルダーを包含する。いくつかの実施形態では、ビルダーはリン酸塩ビルダーである。いくつかの実施形態では、ビルダーは非リン酸塩ビルダーである。存在させる場合、ビルダーは、組成物の0.1重量%〜80重量%、又は5〜60重量%、又は10〜50重量%のレベルで使用する。いくつかの実施形態では、製品は、リン酸塩及び非リン酸塩ビルダーの混合物を含む。好適なリン酸塩ビルダーとしては、一リン酸塩、二リン酸塩、三リン酸塩又はオリゴマー程度のポリリン酸塩が挙げられ、これらの化合物のアルカリ金属塩が包含され、ナトリウム塩が包含される。いくつかの実施形態では、ビルダーは、三リン酸ナトリウム(STPP)とすることができる。更に、組成物には、カルボン酸塩及び/又はクエン酸塩を含ませることができ、好ましくは、クエン酸は本発明のpH組成物を達成するよう機能する。その他の好適な非リン酸塩ビルダーとしては、ポリカルボン酸及びそれらの部分的に又は完全に中和された塩、ポリカルボン酸及びヒドロキシカルボン酸及びそれらの塩のホモポリマー及びコポリマーが挙げられる。いくつかの実施形態では、上記の化合物の塩としては、アンモニウム及び/又はアルカリ金属塩、すなわち、リチウム、ナトリウム、及びカリウム塩、ナトリウム塩が挙げられる。好適なポリカルボン酸としては、非環式、脂環式、複素環式及び芳香族カルボン酸が挙げられ、いくつかの実施形態では、それらのポリカルボン酸は、いずれの場合にも互いに別々のものであり、炭素原子2個以下の少なくとも2つのカルボキシル基を含有する。
【0193】
いくつかの実施形態では、本発明のクリーニング組成物は少なくとも1種のキレート剤を含有する。好適なキレート剤としては、銅、鉄及び/又はマンガンキレート剤及びこれらの混合物が挙げられるがこれらに限定されない。少なくとも1種のキレート剤を使用する実施形態では、本発明のクリーニング組成物は、対象とするクリーニング組成物の重量に基づいて、約0.1重量%〜約15重量%又は更には約3.0重量%〜約10重量%のキレート剤を含む。
【0194】
一部の更なる実施形態では、本明細書で提供されるクリーニング組成物は、少なくとも1種の付着助剤を含有する。好適な付着助剤としては、限定するものではないが、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリカルボン酸塩、ポリテレフタル酸などの汚れ剥離ポリマー、カオリナイトなどのクレイ、モンモリロナイト、アタパルジャイト(atapulgite)、イライト、ベントナイト、ハロイサイト、及びこれらの混合物が挙げられる。
【0195】
本明細書に記載されるように、再付着防止剤は、本発明のいくつかの実施形態において有用である。いくつかの実施形態では、非イオン性界面活性剤は有用である。例えば、自動食器洗浄機の実施形態では、非イオン性界面活性剤は、表面改質の目的で、特にシート形成に関し、フィルム形成とスポッティングを防止するため、及び光沢を改善するために有用である。これらの非イオンの界面活性剤は、また、汚れの再付着の防止にも有用である。いくつかの実施形態では、再付着防止剤は、当該技術分野において既知の非イオン性界面活性剤である(例えば、欧州特許第2 100 949号を参照されたい)。いくつかの実施形態では、非イオン性界面活性剤は、エトキシル化非イオン性界面活性剤、エポキシ保護ポリ(オキシアルキル化)アルコール及びアミンオキシド系界面活性剤とすることができる。
【0196】
いくつかの実施形態では、本発明のクリーニング組成物は、1種以上の移染防止剤を包含する。好適なポリマー移染防止剤としては、ポリビニルピロリドンポリマー、ポリアミンN−オキシドポリマー、N−ビニルピロリドンとN−ビニルイミダゾールとのコポリマー、ポリビニルオキサゾリドン、及びポリビニルイミダゾール、又はこれらの混合物が挙げられるがこれらに限定されない。少なくとも1種の移染防止剤が使用される実施形態では、本発明のクリーニング組成物において、クリーニング組成物の重量に基づき約0.0001重量%〜約10重量%、約0.01重量%〜約5重量%、又は更には約0.1重量%〜約3重量%を構成する。
【0197】
いくつかの実施形態では、ケイ酸塩が本発明の組成物に含まれる。このようないくつかの実施形態では、ケイ酸ナトリウム(例えば、二ケイ酸ナトリウム、メタケイ酸ナトリウム、及び結晶質フィロケイ酸塩)は有用である。いくつかの実施形態では、ケイ酸塩は約1%〜約20%のレベルで存在する。いくつかの実施形態では、ケイ酸塩は組成物の約5重量%〜約15重量%のレベルで存在する。
【0198】
いくつかの更なる実施形態では、本発明のクリーニング組成物は分散剤も含有する。好適な水溶性有機材料には、ホモポリマー型若しくはコポリマー型の酸又はそれらの塩が挙げられるが、これらに限定されず、このうち、ポリカルボン酸は、炭素原子2個以内の程度で互いに離れている少なくとも2個のカルボキシルラジカルを含む。
【0199】
いくつかの更なる実施形態では、クリーニング組成物に使用される酵素は任意の好適な技術により安定化されている。いくつかの実施形態では、本明細書で使用される酵素は、最終組成物中にカルシウムイオン及び/又はマグネシウムイオンの水溶性供給源を存在させて、カルシウムイオン及び/又はマグネシウムイオンを酵素に供給することで安定化する。いくつかの実施形態では、酵素安定剤としては、オリゴ糖、多糖、及びアルカリ土類金属塩などの無機二価金属塩、例えば、ギ酸カルシウムなどのカルシウム塩が挙げられる。酵素安定化に関する様々な技術が本発明において有用であると想到される。例えば、いくつかの実施形態では、本明細書で使用される酵素は、最終組成物中に、亜鉛(II)、カルシウム(II)及び/又はマグネシウム(II)イオンの水溶性供給源、並びに他の金属イオン(例えば、バリウム(II)、スカンジウム(II)、鉄(II)、マンガン(II)、アルミニウム(III)、スズ(II)、コバルト(II)、銅(II)、ニッケル(II)、及びオキソバナジウム(IV)イオン)の水溶性供給源を存在させて当該イオンを酵素に供給することで安定化される。塩化物及び硫酸塩もまた、本発明のいくつかの実施形態において有用である。好適なオリゴ糖類及び多糖類(例えば、デキストリン)の例は、当該技術分野において既知である(例えば、PCT国際特許出願公開第WO 07/145964号を参照されたい)。いくつかの実施形態では、例えば、ホウ素含有化合物(例えば、ホウ酸塩、4−ホルミルフェニルボロン酸)及び/又はトリペプチドアルデヒドなどの可逆的プロテアーゼ阻害剤もまた、所望により更に安定性を改善させるために有用である。
【0200】
いくつかの実施形態では、漂白剤、漂白活性化剤及び/又は漂白触媒が、本発明の組成物中に存在する。いくつかの実施形態では、本発明のクリーニング組成物は、無機及び/又は有機漂白化合物を含む。無機漂白剤としては、限定するものではないが、ペルハイドレート塩(例えば、過ホウ酸塩、過炭酸塩、過リン酸塩、過硫酸塩、及び過ケイ酸塩)が挙げられる。いくつかの実施形態では、無機ペルハイドレート塩はアルカリ金属塩である。いくつかの実施形態では、無機ペルハイドレート塩が、更なる保護はされずに結晶質の固体として含まれるが、他のいくつかの実施形態では、この塩はコーティングされる。当該技術分野において既知な任意の好適な塩が、本発明において有用である(例えば、欧州特許第2 100 949号を参照されたい)。
【0201】
いくつかの実施形態では、漂白活性化剤を本発明の組成物に使用する。漂白活性化剤は、典型的には、60℃以下の温度にてクリーニング過程で漂白作用を増強させる有機過酸前駆体である。本明細書に用いるのに好適な漂白活性化剤としては、過加水分解条件下で好ましくは約1〜約10個の炭素原子、特に約2〜約4個の炭素原子を有する脂肪族ペルオキシカルボン酸及び/又は任意に置換された過安息香酸を生じる化合物が挙げられる。更なる漂白活性化剤も当該技術分野において既知であり、本発明において有用である(例えば、欧州特許第2 100 949号を参照されたい)。
【0202】
加えて、いくつかの実施形態において及び本明細書に更に記載されるように、本発明のクリーニング組成物は、少なくとも1種の漂白触媒を更に含む。いくつかの実施形態では、マンガントリアザシクロノナン及び関連する錯体、並びにコバルト錯体、銅錯体、マンガン錯体、及び鉄錯体も有用である。その他の漂白触媒も本発明において有用である(例えば、米国特許第4,246,612号、同第5,227,084号、及び同第4,810,410号;PCT国際特許出願公開第WO 99/06521号;及び欧州特許第2 100 949号を参照されたい)。
【0203】
いくつかの実施形態では、本発明のクリーニング組成物は1種以上の触媒型金属錯体を含有する。いくつかの実施形態では、金属系漂白触媒は有用である。いくつかの実施形態では、金属系漂白触媒には、所定の漂白触媒活性を有する遷移金属カチオン(例えば、銅、鉄、チタン、ルテニウム、タングステン、モリブデン又はマンガンカチオン)、漂白触媒活性をわずかしか有さない又は全く有さない補助金属カチオン(例えば、亜鉛又はアルミニウムカチオン)、及び触媒型及び補助金属カチオンに関して所定の安定性定数を有する金属イオン封鎖剤、具体的には、エチレンジアミン四酢酸、エチレンジアミン四(メチレンホスホン酸)及びこれらの水溶性塩を含む触媒系が含まれる(例えば、米国特許第4,430,243号を参照されたい)。いくつかの実施形態では、本発明のクリーニング組成物はマンガン化合物により触媒される。このような化合物及び使用レベルは当該技術分野において周知である(例えば、米国特許第5,576,282号を参照されたい)。追加の実施形態では、コバルト漂白触媒は、本発明のクリーニング組成物において有用である。様々なコバルト漂白触媒が当該技術分野において既知であり(例えば、米国特許第5,597,936号及び同第5,595,967号を参照されたい)、既知の手順により容易に調製される。
【0204】
一部の更なる実施形態では、本発明のクリーニング組成物は、マクロ多環式剛性配位子(MRL)の遷移金属錯体を含有する。実際問題として、制限を目的とするものではないが、いくつかの実施形態では、本発明により提供される組成物及びクリーニング方法は、水性洗浄媒質中に少なくとも1pphmの次数で活性MRL種を供給するように調整され、及びいくつかの実施形態では約0.005ppm〜約25ppm、より好ましくは約0.05ppm〜約10ppm、及び最も好ましくは約0.1ppm〜約5ppmのMRLが洗浄液中に供給される。
【0205】
いくつかの実施形態では、本発明の遷移金属漂白触媒の遷移金属としては、限定するものではないが、例えば、マンガン、鉄及びクロムが挙げられる。同様に、MRLとしては、限定するものではないが、例えば、特定の架橋型超剛性配位子(例えば、5,12−ジエチル−1,5,8,12−テトラアザビシクロ(6.6.2)ヘキサデカン)が挙げられる。好適な遷移金属MRLは、既知の手順により容易に調製される(例えば、PCT国際特許出願公開第WO第2000/32601号及び米国特許第6,225,464号を参照されたい)。
【0206】
いくつかの実施形態では、本発明のクリーニング組成物は、金属製品ケア剤を含有する。金属製品ケア剤は、アルミニウム、ステンレス鋼、及び非鉄金属(例えば、銀及び銅)を包含する金属の、変色、腐食、及び/又は酸化の予防及び/又は軽減に有用である。好適な金属製品ケア剤としては、欧州特許第2 100 949号、PCT国際特許出願公開第WO 94/26860号、及び同第WO 94/26859号に記載のものが挙げられる。いくつかの実施形態では、金属製品ケア剤は亜鉛塩である。一部の更なる実施形態では、本発明のクリーニング組成物は、1種以上の金属製品ケア剤を約0.1重量%〜約5重量%含む。
【0207】
いくつかの実施形態では、クリーニング組成物は、メタロプロテアーゼ変異体ポリペプチドプロテアーゼを有する高密度液体(HDL)組成物である。HDL液体洗濯洗剤には、アニオン性洗剤界面活性剤(線状又は分岐状又はランダム鎖、置換又は非置換アルキル硫酸塩、スルホン酸アルキル、アルキルアルコキシル化硫酸塩、アルキル硫酸塩、アルキルホスホン酸塩、アルキルカルボン酸塩、及び/又はこれらの混合物からなる群から選択される);及び任意選択的に非イオン界面活性剤(線状又は分岐状又はランダム鎖、置換又は非置換アルキルアルコキシル化アルコール、例えば、C
8〜C
18アルキルエトキシル化アルコール及び/又はC
6〜C
12アルキルフェノールアルコキシレートからなる群から選択される)を含む、洗剤界面活性剤を含ませることができ(10%〜40%)、任意選択的に、アニオン性洗剤界面活性剤(親水性指数(HIc)が6.0〜9のもの)の非イオン性洗剤界面活性剤に対する重量比は1:1である。
【0208】
組成物には、任意選択的に、両親媒性アルコキシル化グリースクリーニングポリマーからなる界面活性増強ポリマー(surfactancy boosting polymer)(分岐親水性及び疎水性を備える分岐部分を有するアルコキシル化ポリマーからなる群から選択され、例えば、アルコキシル化ポリアルキレンイミンを0.05重量%〜10重量%)、及び/又はランダムグラフトポリマー(典型的には、不飽和C
1〜C
6カルボン酸、エーテル、アルコール、アルデヒド、ケトン、エステル、糖単位、アルコキシ単位、無水マレイン酸、飽和ポリアルコール、例えば、グリセロール、及びこれらの混合物からなる群から選択されるモノマーを含む親水性主鎖と、C
4〜C
25アルキル基、ポリプロピレン、ポリブチレン、飽和C〜C
6モノカルボン酸のビニルエステル、アクリル酸又はメタクリル酸のC
1〜C
6アルキルエステル、及びこれらの混合物からなる群から選択される疎水性側鎖(複数可)とを含む)を含ませることができる。
【0209】
組成物には、追加ポリマー、例えば汚れ剥離ポリマー(アニオン性末端保護ポリエステル、例えば、SRP1、ランダム又はブロック構成で、単糖類、ジカルボン酸、ポリオール及びこれらの組み合わせから選択される少なくとも1種のモノマー単位を含むポリマー、ランダム又はブロック構成のエチレンテレフタレート系ポリマー及びそれらのコポリマーであって、例えば、Repel−o−tex SF、SF−2及びSRP6、Texcare SRA100、SRA300、SRN100、SRN170、SRN240、SRN300及びSRN325、Marloquest SLを含む)、再付着防止ポリマー(分子量500〜100,000Daの範囲の、アクリル酸、マイレン酸(若しくはマレイン酸無水物)、フマル酸、イタコン酸、アコニット酸、メサコン酸、シトラコン酸、メチレンマロン酸、及びこれらの任意の混合物から選択される少なくとも1種のモノマーを含むポリマー、ビニルピロリドンホモポリマー、並びに/又はポリエチレングリコールなどのカルボキシレートポリマーを0.1重量%〜10重量%含む)、セルロースポリマー(アルキルセルロース、アルキルアルコキシアルキルセルロース、カルボキシアルキルセルロース、アルキルカルボキシアルキルセルロースであって、例えば、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、メチルヒドロキシエチルセルロース、メチルカルボキシメチルセルロース、及びこれらの混合物などから選択されるものを含む)、並びに高分子カルボキシレート(マレイン酸/アクリル酸ランダムコポリマー又はポリアクリル酸ホモポリマーなど)などを含めることもできる。
【0210】
組成物は、飽和又は不飽和脂肪酸、好ましくは飽和又は不飽和C
12〜C
24脂肪酸(0重量%〜10重量%)、及び付着補助剤を含んでもよく、付着補助剤の例としては、多糖類、好ましくはセルロース系ポリマー、ポリジアリルジメチルアンモニウムハロゲン化物(DADMAC)、及びDAD MACと、ビニルピロリドン、アクリルアミド、イミダゾール、ハロゲン化イミダゾリニウム、及びそれらの混合物との、ランダム又はブロック構成のコポリマー、カチオン性グアーガム、カチオン性セルロース(例えば、カチオン性ヒドロキシエチル(hydoxyethyl)セルロースなど)、カチオン性デンプン、カチオン性ポリアシルアミド、並びにそれらの混合物が挙げられる。
【0211】
組成物が、移染防止剤、例えば、マンガンフタロシアニン、ペルオキシダーゼ、ポリビニルピロリドンポリマー、ポリアミンN−オキシドポリマー、N−ビニルピロリドン及びN−ビニルイミダゾールのコポリマー、ポリビニルオキサゾリドン、及びポリビニルイミダゾール、及び/又はこれらの混合物など;キレート剤、例えば、エチレン−ジアミン−四酢酸(EDTA);ジエチレントリアミンペンタメチレンホスホン酸(DTPMP);ヒドロキシ−エタンジホスホン酸(HEDP);エチレンジアミンN,N’−ニコハク酸(EDDS);メチルグリシン二酢酸(MGDA);ジエチレントリアミン五酢酸ナトリウム(DTPA);プロピレンジアミン四酢酸(PDT A);2−ヒドロキシピリジン−N−オキシド(HPNO);又はメチルグリシン二酢酸(MGDA);グルタミン酸N,N−二酢酸(N,N−ジカルボキシメチルグルタミン酸四ナトリウム塩(GLDA);ニトリロ三酢酸(NTA);4,5−ジヒドロキシ−m−ベンゼンジスルホン酸;クエン酸及びそれらの任意の塩;N−ヒドロキシエチルエチレンジアミン三酢酸(HEDTA)、トリエチレンテトラミン六酢酸(TTHA)、N−ヒドロキシエチルイミノ二酢酸(HEIDA)、ジヒドロキシエチルグリシン(DHEG)、エチレンジアミンテトラプロピオン酸(EDTP)、及びこれらの誘導体を更に含んでも良い。
【0212】
組成物には、アシルトランスフェラーゼ、α−アミラーゼ、β−アミラーゼ、α−ガラクトシダーゼ、アラビノシダーゼ、アリールエステラーゼ、β−ガラクトシダーゼ、カラギナーゼ、カタラーゼ、セロビオヒドロラーゼ、セルラーゼ、コンドロイチナーゼ、クチナーゼ、エンド−β−1、4−グルカナーゼ、エンド−β−マンナナーゼ、エステラーゼ、エキソ型マンナナーゼ、ガラクタナーゼ、グルコアミラーゼ、ヘミセルラーゼ、ヒアルロニダーゼ、ケラチナーゼ、ラッカーゼ、ラクターゼ,リグニナーゼ、リパーゼ、リポキシゲナーゼ、マンナナーゼ、オキシダーゼ、ペクチン酸リアーゼ、ペクチンアセチルエステラーゼ、ペクチナーゼ、ペントサナーゼ、ペルオキシダーゼ、フェノールオキシダーゼ、ホスファターゼ、ホスホリパーゼ、フィターゼ、ポリガラクツロナーゼ、プロテアーゼ、プルラナーゼ、還元酵素、ラムノガラクツロナーゼ(rhamnogalacturonases)、β−グルカナーゼ、タンナーゼ、トランスグルタミナーゼ、キシランアセチル−エステラーゼ、キシラナーゼ、キシログルカナーゼ、及びキシロシダーゼ、及びこれらの任意の混合物からなる群から選択される酵素(0.01重量%活性酵素〜0.03重量%活性酵素)を更に含ませることができる。組成物は、酵素安定化剤(例としては、プロピレングリコール若しくはグリセロールなどのポリオール類、糖若しくは糖アルコール、乳酸、可逆的プロテアーゼ阻害剤、ホウ酸、若しくは芳香族ホウ酸エステルなどのホウ酸誘導体、又は4−ホルミルフェニルボロン酸などのフェニルボロン酸誘導体が挙げられる)を含んでもよい。
【0213】
組成物には、シリコーン又は脂肪酸系抑泡剤、色相染料、カルシウム及びマグネシウムカチオン、視覚的シグナル成分、消泡剤(0.001重量%〜約4.0重量%)、及び/又は構造剤/増粘剤(0.01重量%〜5重量%、ジグリセリド及びトリグリセリド、エチレングリコールジステアレート、微小結晶セルロース、セルロース系材料、微小繊維セルロース、バイオポリマー、キサンタンガム、ジェランガム、及びこれらの混合物からなる群から選択される)を更に含ませることもできる。
【0214】
好適な洗浄界面活性剤には、カチオン性洗浄界面活性剤(アルキルピリジニウム化合物、アルキル第四級アンモニウム化合物、アルキル第四級ホスホニウム化合物、アルキル第三級スルホニウム化合物、及び/又はこれらの混合物からなる群から選択される)、双極性及び/又は両性洗浄界面活性剤(アルカノールアミンスルホベタインからなる群から選択される)、両性界面活性剤、半極性非イオン性界面活性剤、並びにこれらの混合物も含まれる。
【0215】
組成物は任意の液体形態であってよく、例えば、液体又はジェル形態、あるいはこれらの組み合わせであってよい。組成物は、任意の単回用量形態であってよく、例えば、パウチであってもよい。
【0216】
いくつかの実施形態では、クリーニング組成物は、メタロプロテアーゼ変異体ポリペプチドプロテアーゼを有する高密度粉体(HDD)組成物である。HDD粉末洗濯洗剤は、洗浄用界面活性剤、例えば、アニオン性洗浄用界面活性剤(例えば、直鎖状又は分岐鎖状又はランダム鎖状の、置換又は非置換のアルキル硫酸塩、アルキルスルホン酸塩、アルキルアルコキシル化硫酸塩、アルキルリン酸塩、アルキルホスホン酸塩、アルキルカルボン酸塩、及び/又はそれらの混合物からなる群から選択される)、非イオン性洗浄用界面活性剤(例えば、直鎖状又は分岐鎖状又はランダム鎖状の、置換又は非置換のC
8〜C
18アルキルエトキシレート、及び/又はC
6〜C
12アルキルフェノールアルコキシレートからなる群から選択される)、カチオン性洗浄用界面活性剤(例えば、アルキルピリジニウム化合物、アルキル第四級アンモニウム化合物、アルキル第四級ホスホニウム化合物、アルキル第三級スルホニウム化合物、及びそれらの混合物からなる群から選択される)、双性イオン性及び/又は両性洗浄用界面活性剤(アルカノールアミンスルホベタインからなる群から選択される)、両性界面活性剤、半極性非イオン性界面活性剤、及びそれらの混合物など;ビルダー、例えば、リン酸塩を含まないビルダー(例えば、0重量%〜10重量%未満の範囲の、ゼオライトA、ゼオライトX、ゼオライトP及びゼオライトMAPなどのゼオライトビルダー)、リン酸塩ビルダー(例えば、0重量%〜10重量%未満の範囲の、トリポリリン酸ナトリウムを包含する)、15重量%未満の範囲のクエン酸、クエン酸塩、及びニトリロ三酢酸又はその塩、ケイ酸塩(0重量%〜10重量%未満の範囲のケイ酸ナトリウム若しくはケイ酸カリウム又はメタケイ酸ナトリウム、あるいは層状ケイ酸塩(SKS−6))、炭酸塩(0重量%〜10重量%未満の範囲の、炭酸ナトリウム及び/又は重炭酸ナトリウム);並びに漂白剤(すなわち、フォトブリーチであって、例としては、スルホン化亜鉛フタロシアニン、スルホン化アルミニウムフタロシアニン、キサンテン染料、及びそれらの混合物が含まれる)、疎水性若しくは親水性の漂白活性剤(例えば、ドデカノイルオキシベンゼンスルホン酸塩、デカノイルオキシベンゼンスルホン酸塩、デカノイルオキシ安息香酸若しくはその塩、3,5,5−トリメチルヘキサノイルオキシベンゼンスルホン酸塩、テトラアセチルエチレンジアミン(TAED)、及びノナノイルオキシベンゼンスルホン酸塩(NOBS)、ニトリル四級アンモニウム塩、並びにこれらの混合物を含む)、過酸化水素、過酸化水素供給源(無機ペルハイドレート塩、例えば、過ホウ酸、過炭酸、過硫酸、過リン酸又は過ケイ酸のナトリウム塩一水和物又は四水和物を含む)、予形成された親水性及び/又は疎水性の過酸(過カルボン酸及びその塩、過炭酸及びその塩、ペルイミド酸及びその塩、ペルオキシ一硫酸及びその塩からなる群から選択される)、並びにこれらの混合物及び/又は漂白触媒(例えば、イミニウムカチオン及びポリイオンを含むイミン漂白増進剤など、イミニウム双性イオン、変性アミン、変性アミンオキシド、N−スルホニルイミン、N−ホスホニルイミン、N−アシルイミン、チアジアゾールジオキシド、ペルフルオロイミン、環状糖ケトン及びこれらの混合物、並びに金属含有漂白触媒(例えば、銅、鉄、チタン、ルテニウム、タングステン、モリブデン又はマンガンカチオンと、亜鉛又はアルミニウムなどの補助金属カチオン)が挙げられる)、並びにエチレンジアミン四酢酸、エチレンジアミン四(メチレンホスホン酸)及びそれらの水溶性塩などの金属イオン封鎖剤を含ませることができる。
【0217】
組成物には、アシルトランスフェラーゼ、α−アミラーゼ、β−アミラーゼ、α−ガラクトシダーゼ、アラビノシダーゼ、アリールエステラーゼ、β−ガラクトシダーゼ、カラギナーゼ、カタラーゼ、セロビオヒドロラーゼ、セルラーゼ、コンドロイチナーゼ、クチナーゼ、エンド−β−1、4−グルカナーゼ、エンド−β−マンナナーゼ、エステラーゼ、エキソ型マンナナーゼ、ガラクタナーゼ、グルコアミラーゼ、グルコースオキシダーゼ、ヘミセルラーゼ、ヒアルロニダーゼ、ケラチナーゼ、ラッカーゼ、ラクターゼ、リグニナーゼ、リパーゼ、リポキシゲナーゼ、マンナナーゼ、オキシダーゼ、ペクチン酸リアーゼ、ペクチンアセチルエステラーゼ、ペクチナーゼ、ペントサナーゼ、ペルヒドロラーゼ、ペルオキシダーゼ、フェノールオキシダーゼ、ホスファターゼ、ホスホリパーゼ、フィターゼ、ポリガラクツロナーゼ、プロテアーゼ、プルラナーゼ、還元酵素、ラムノガラクツロナーゼ(rhamnogalacturonases)、β−グルカナーゼ、タンナーゼ、トランスグルタミナーゼ、キシランアセチル−エステラーゼ、キシラナーゼ、キシログルカナーゼ、及びキシロシダーゼ、及びこれらの任意の混合物からなる群から選択される酵素を更に含ませることができる。
【0218】
組成物には、香料マイクロカプセル、デンプンカプセル化香料アコード、色相剤(hueing agent)、追加のポリマー(布地保全剤(fabric integrity)及びカチオン性ポリマー)、染料固定剤、布地柔軟剤、増白剤(例えば、C.I.蛍光増白剤)、凝集剤、キレート剤、アルコキシル化ポリアミン、布地付着助剤(fabric deposition aid)、及び/又はシクロデキストリンなどの追加の洗剤原料を更に含ませることができる。
【0219】
いくつかの実施形態では、クリーニング組成物は、本発明のメタロプロテアーゼを有する自動食器洗い(ADW)洗剤組成物である。ADW洗剤組成物は、0〜10重量%の量で存在する2種以上の非イオン性界面活性剤であって、エトキシル化非イオン性界面活性剤、アルコールアルコキシル化界面活性剤、エポキシキャップされたポリ(オキシアルキル化)アルコール、又はアミンオキシド界面活性剤から選択されるもの;5〜60%の範囲のビルダーであって、リン酸塩ビルダー(一リン酸塩、二リン酸塩、三リン酸塩又はオリゴマー化ポリリン酸塩、好ましくはトリポリリン酸ナトリウム(STPP))又はリン酸を含まないビルダー[アミノ酸系化合物、例えばMGDA(メチルグリシン二酢酸)及びその塩並びにそれらの誘導体、GLDA(グルタミン酸−N,N−二酢酸)及びその塩並びにそれらの誘導体、IDS(イミノ二コハク酸)及びその塩並びにそれらの誘導体、カルボキシメチルイヌリン及びその塩及びそれらの誘導体並びにこれらの混合物、ニトリロ三酢酸(NTA)、ジエチレントリアミン五酢酸(DTPA)、B−アラニン二酢酸(B−ADA)及びその塩を含む]のうちいずれかを含むビルダー;約0.5重量%〜約50重量%の範囲の、ポリカルボン酸のホモポリマー及びコポリマー並びにそれらの部分中和した又は完全中和した塩、カルボン酸モノマー及びポリカルボン酸及びヒドロキシカルボン酸並びにそれらの塩;約0.1重量%〜約50重量%の範囲の、スルホン化/カルボキシル化ポリマー(製品に寸法安定性を付与するためのもの);約0.1重量%〜約10重量%の範囲の、乾燥補助剤(ポリエステルから選択され、特にアニオン性ポリエステルであって、場合により、重縮合を促す3〜6個の官能基、具体的には酸、アルコール又はエステル官能基を有する更なるモノマーを併せ持つもの、ポリカーボネート−、ポリウレタン−及び/若しくはポリ尿素−ポリオルガノシロキサン化合物又はその反応性環状炭酸エステル及び尿素型の前駆体化合物);約1重量%〜約20重量%の範囲のケイ酸塩(ケイ酸ナトリウム又はケイ酸カリウム、例えば、二ケイ酸ナトリウム、メタケイ酸ナトリウム及び結晶質フィロケイ酸塩など);無機漂白剤(例えば、過ホウ酸塩、過炭酸塩、過リン酸塩、過硫酸塩及び過ケイ酸塩などのペルハイドレート塩)及び有機漂白剤(例えば、過酸化ジアシル及びテトラアシル、特に、ジペルオキシドデカン二酸、ジペルオキシテトラデカン二酸(diperoxytetradecanedioc acid)、及びジペルオキシヘキサデカン二酸(diperoxyhexadecanedioc acid)などの有機ペルオキシ酸);漂白活性剤(即ち、約0.1重量%〜約10重量%の範囲の有機過酸前駆物質);漂白触媒(マンガン−トリアザシクロノナン及び関連する錯体、Co、Cu、Mn及びFeビスピリジルアミン及び関連する錯体、並びにペンタミン酢酸コバルト(III)及び関連する錯体から選択されるもの);約0.1重量%〜5重量%の範囲の金属製品ケア剤(ベンゾトリアゾール(benzatriazole)、金属塩及び錯体、及び/又はケイ酸塩);自動食器洗浄用洗剤組成物1グラム当たり活性酵素約0.01〜5.0mgの範囲の酵素(アシルトランスフェラーゼ、α−アミラーゼ、β−アミラーゼ、α−ガラクトシダーゼ、アラビノシダーゼ、アリールエステラーゼ、β−ガラクトシダーゼ、カラギナーゼ、カタラーゼ、セロビオヒドロラーゼ、セルラーゼ、コンドロイチナーゼ、クチナーゼ、エンド−β−1、4−グルカナーゼ、エンド−β−マンナナーゼ、エステラーゼ、エキソ型マンナナーゼ、ガラクタナーゼ、グルコアミラーゼ、ヘミセルラーゼ、ヒアルロニダーゼ、ケラチナーゼ、ラッカーゼ、ラクターゼ、リグニナーゼ、リパーゼ、リポキシゲナーゼ、マンナナーゼ、オキシダーゼ、ペクチン酸リアーゼ、ペクチンアセチルエステラーゼ、ペクチナーゼ、ペントサナーゼ、ペルオキシダーゼ、フェノールオキシダーゼ、ホスファターゼ、ホスホリパーゼ、フィターゼ、ポリガラクツロナーゼ,プロテアーゼ、プルラナーゼ、還元酵素、ラムノガラクツロナーゼ、β−グルカナーゼ、タンナーゼ、トランスグルタミナーゼ、キシランアセチル−エステラーゼ、キシラナーゼ、キシログルカナーゼ、及びキシロシダーゼ、及びそれらの任意の混合物などから選択されるもの);並びに酵素安定化剤成分(オリゴ糖、多糖類、及び二価の無機金属塩から選択されるもの)を含ませることができる。
【0220】
本発明のメタロプロテアーゼポリペプチドを有益に含有する代表的な洗剤処方としては、参照により本明細書に援用される国際公開第WO2013063460号、第78〜152頁に見られるものが挙げられ、特に、第94〜152頁に見られるものが挙げられる。メタロプロテアーゼは、通常、酵素タンパク質が組成物の0.000001重量%〜5重量%のレベルになるよう、又は酵素タンパク質が組成物の0.00001重量%〜2重量%、又は0.0001重量%〜1重量%、又は0.001重量%〜0.75重量%のレベルになるよう洗剤組成物に組み込まれる。
【0221】
動物飼料に使用するための本発明のメタロプロテアーゼポリペプチド
本発明の更なる態様では、本発明のメタロプロテアーゼポリペプチドは、メタロプロテアーゼ及びそれらの変異体を含む動物飼料組成物、動物飼料添加剤、及び/又はペットフードの成分として使用することができる。更に、本発明は、1種類以上の動物飼料材料、及び/又は動物飼料添加物成分、及び/又はペットフード材料に、メタロプロテアーゼポリペプチドを混合することを含む、このような動物飼料組成物、動物飼料添加組成物、及び/又はペットフードの調製方法に関する。更に、本発明は、動物飼料組成物、及び/又は動物飼料添加組成物、及び/又はペットフードの調製における、メタロプロテアーゼポリペプチドの使用に関する。
【0222】
用語「動物」は、すべての非反芻及び反芻動物を含む。特定の実施形態では、動物は、馬及び単胃動物などの非反芻動物である。単胃動物の例としては、豚及び家畜豚(子豚、育成豚、雌豚など)、鶏(七面鳥、アヒル、鶏、ブロイラー、産卵鶏など)、魚(鮭、鱒、テラピア、ナマズ、及び鯉など)、及び甲殻類(海老及び車海老など)が挙げられるがこれらに限定されない。更なる実施形態では、動物は反芻動物であり、畜牛、幼若牛、ヤギ、羊、キリン、バイソン、ヘラジカ、エルク、ヤク、水牛、シカ、ラクダ、アルパカ、リャマ、レイヨウ、エダツノレイヨウ、及びニルガイが挙げられるがこれらに限定されない。
【0223】
この文脈において、用語「ペットフード」は、イヌ、ネコ、スナネズミ、ハムスター、チンチラ、高級ラット、モルモット、飼育用鳥類(カナリア、インコ、及びオウムなど)、飼育用爬虫類(亀、とかげ、及びヘビなど)、並びに飼育用水生生物(熱帯魚、及び蛙など)であるがこれらに限定されない家庭内飼育用動物のための飼料を意味するものと理解されることが意図される。
【0224】
用語「動物用飼料組成物」、「飼料」及び「飼葉」は互換可能に用いられ、かつa)シリアル類、例えば、小粒穀物(例えば、小麦、大麦、ライ麦、エンバク、及びこれらの組み合わせ)、及び/又は大粒穀物(例えば、コーン又はサトウモロコシなど)など、b)シリアル類を原料とする製品、例えば、コーングルテンミール、蒸留粕(DDGS)(特にコーン系の蒸留粕(cDDGS)、小麦ふすま、粗びき小麦粉、小麦ショート(wheat shorts)、米ぬか、もみ殻、オーツ麦のもみ殻、パーム核、及び柑橘パルプ、c)タンパク質類、例えば、大豆、ヒマワリ、落花生、ルピナス、エンドウ豆、ソラマメ、綿、セイヨウアブラナ、魚粉、乾燥血漿タンパク質、肉骨粉飼料、ポテトタンパク質、乳清、コプラ、ゴマなどの供給源から得られるタンパク質、d)植物資源及び動物資源から得られる油類及び脂肪類、e)ミネラル類及びビタミン類、からなる群から選択される1種以上の飼料材料を含み得る。
【0225】
布地の湯通しに使用するための本発明のメタロプロテアーゼポリペプチド
本発明のメタロプロテアーゼポリペプチドを用いて布地を処理する(例えば、布地を湯通しする)組成物及び方法も想到される。布地の処理方法は当該技術分野において周知である(例えば、米国特許第6,077,316号を参照されたい)。例えば、布地の感触及び外観は、その布地を溶液中のメタロプロテアーゼと接触させる工程を含む方法により改善することができる。布地は、圧力下で溶液により処理され得る。
【0226】
本発明のメタロプロテアーゼは、織物の製織の間に若しくはその後に、又は糊抜き段階、若しくは1つ以上の追加の布地加工工程の間に、適用することができる。織物の製織の間、織り糸は相当な機械的な歪に曝される。機械式織機での製織前、縦糸は、引張り強度を向上させ、かつ断裂を防止するために、しばしば糊付けデンプン又はデンプン誘導体により被覆される。本発明のメタロプロテアーゼは、これらの糊付け用デンプン又はデンプン誘導体を取り除くために、製織の間又はその後に適用することができる。製織後にメタロプロテアーゼを使用して、均一かつ耐洗浄的な効果を確保するために布地を更に加工する前に、糊付け用コーティングを取り除くことができる。
【0227】
本発明のメタロプロテアーゼは、単体で使用して、又は他の糊抜き用化学試薬、及び/若しくは糊抜き用酵素と共に、(例えば、水性組成物中の)洗剤添加剤として使用して、綿含有布地などの布地の糊抜きを行ってよい。また、アミラーゼは、インディゴ染色デニム布地及び衣類のストーンウォッシュ加工したような見た目を作り出すための組成物及び方法において使用することもできる。衣服の製造に際し、布地を裁断し、衣服又は衣類に縫製し、その後仕上げることができる。特にデニムジーンズの製造に関し、異なる酵素による仕上げ方法が開発されている。デニム衣類の仕上げは、通常、酵素による湯通し工程により開始され、この間、衣類はタンパク質分解酵素による作用を受け、布地には柔軟性がもたらされ、木綿は以降の酵素による仕上げ工程による作用を受けやすくなる。メタロプロテアーゼは、デニム衣類の仕上げ方法(例えば、「バイオストーン加工」)、酵素による糊抜き方法及び、布地への柔らかさの付与方法、並びに/又は仕上げ加工にて使用することができる。
【0228】
製紙用パルプの漂白に使用するための本発明のメタロプロテアーゼポリペプチド
本明細書に記載のメタロプロテアーゼポリペプチドは、酵素により補助される製紙パルプの漂白、例えば、化学パルプ、セミケミカルパルプ、クラフトパルプ、機械パルプ又は亜硫酸塩法によリ調製されたパルプなどの漂白への更なる使用が見出されている。おおまかに言えば、製紙パルプの漂白に好適な条件下で製紙パルプを本発明のメタロプロテアーゼポリペプチドとインキュベートする。
【0229】
いくつかの実施形態では、パルプは無塩素漂白パルプのうち酸素、オゾン、ペルオキシド又はペルオキシ酸漂白されたものである。いくつかの実施形態では、メタロプロテアーゼポリペプチドは、改変又はパルプ連続製造法により製造され、低リグニン含量を示すパルプの、酵素による漂白補助に使用される。その他のいくつかの実施形態では、メタロプロテアーゼポリペプチドは単独で利用され、又は好ましくはキシラナーゼ及び/又はエンドグルカナーゼ及び/又はα−ガラクトシダーゼ及び/又はセロビオヒドロラーゼ酵素と組み合わせて利用される。
【0230】
タンパク質分解に使用するための本発明のメタロプロテアーゼポリペプチド
本明細書に記載のメタロプロテアーゼポリペプチドは、羽毛、皮膚、毛髪、皮革、及び等価物などの動物由来のタンパク質の酵素による除去及びそれらの分解又は廃棄への使用が更に見いだされる。いくつかの例では、本発明のメタロプロテアーゼポリペプチドを含む溶液中に動物の死骸を浸漬することで、従来の熱湯消毒水への浸漬又は抜羽プロセスと比較して皮膚を損傷から保護するよう機能させることができる。一実施形態では、羽毛には、羽毛の消化又は分解の開始に好適な条件下で、本発明の単離したメタロプロテアーゼポリペプチドを噴霧することができる。いくつかの実施形態では、本発明のメタロプロテアーゼは、上記のとおりに酸化剤と組み合わせて使用することができる。
【0231】
いくつかの実施形態では、原羽毛の油脂の除去は本発明のメタロプロテアーゼポリペプチドを使用することにより補助される。いくつかの実施形態では、メタロプロテアーゼポリペプチドは、羽毛のクリーニング並びに繊維の消毒及び部分的脱水のために組成物に使用される。いくつかの他の実施形態では、メタロプロテアーゼポリペプチドは、約0.5%(体積/体積)の界面活性剤を添加して又は添加せずに、95%エタノール又はその他の極性有機溶媒と組み合わせて利用される。
【0232】
尚更なる実施形態では、本開示のメタロプロテアーゼポリペプチドは、羽毛由来のタンパク質の回収への使用が見いだされる。いくつかの実施形態では、回収したタンパク質を、続いて動物又は魚用の飼料に使用することができる。
【0233】
組織創傷清拭に使用するための本発明のメタロプロテアーゼポリペプチド
本明細書に記載のメタロプロテアーゼポリペプチドは、酵素による組織の創傷清拭の補助への使用が更に見出されている。これには、例えば、創傷から、死組織又は損傷組織を除去して治癒を補助することが包含される。
【0234】
組織培養に使用するための本発明のメタロプロテアーゼポリペプチド
本明細書に記載のメタロプロテアーゼポリペプチドには、組織培養への使用が更に見いだされる。特に、本発明のメタロプロテアーゼは、細胞の回収プロセス中などに、細胞培養壁に接着している細胞を懸濁又は再懸濁するのに使用できる。本発明のメタロプロテアーゼは、培養細胞とディッシュとのタンパク質結合部を切断して、細胞を溶液に懸濁させるのに使用できる。
【0235】
皮革加工に使用するための本発明のメタロプロテアーゼポリペプチド
本明細書に記載のメタロプロテアーゼポリペプチドは、動物の皮からの毛髪の除去、浸漬、脱脂、又はベーチングによるものなどの、レザーの製造中の非構造タンパク質の分解を包含する、皮革加工への使用が更に見いだされる。
【0236】
実験
請求される本発明は、以降の実施例により、更に詳細に記載されるが、この記載により本発明の範囲が請求されたものとして、本発明の範囲を制限することを意図するものではない。
【実施例】
【0237】
(実施例1)
PehPro1メタロプロテアーゼの結晶化及び構造決定
ハンギングドロップ法により、27.9mg/mL濃度のタンパク質ストック液[20mM Tris(pH 8.5)+0.10M塩化ナトリウム+1mM塩化カルシウム)]から、パエニバチルス・エヒメンシス(Paenibacillus ehimensis)株によりコードされているメタロプロテアーゼPehPro1を結晶化した。タンパク質ストック液の2μLのアリコートと、2μLの結晶化溶液をプラスチック製カバーガラス上で混合し、15〜25%ポリエチレングリコール8000+50mMリン酸カリウム一塩基性+0.10M HEPES(pH 7.5)を入れたLinbro 6×4培養プレートのチャンバ上で反転させて、シールした。
【0238】
格子定数;a=58.814Å、b=194.346Å、及びc=138.355Åを備える空間群C 2 2 2
1で結晶を成長させた。もとの結晶に対し解像度2.79Åでデータを収集し、相モデルとして関連するタンパク質(pdb ID 1ESP)を利用する分子置換により、PehPro1の構造を決定した。回収されたデータの統計を表1.1に表す。
【0239】
【表3】
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*丸括弧中の値は、最外殻データのものである
【0240】
プログラムCOOT(Emsley,P et al Acta Cryst.D66 486〜501(2010))を利用して、得られた電子密度にこのモデルを当てはめた。当てはめた後、及び再当てはめして調節した後、CCP4ソフトウェアスイートに一般的なデフォルト設定を利用し、REFMACプログラムにより座標を精密化した。現行モデルの統計データを表1.2に示す。
【0241】
【表4】
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【0242】
(実施例2)
PehPro1結晶構造の詳細
PehPro1の構造は、2つの等価な分子の二量体から構成される。各単量体の第1〜304番目の残基について電子密度を利用可能であった。各モデルには連続的に密度を当てはめた。全体的な二量体の配置を
図1に示す。活性部位領域を形成する残基には、特徴的な亜鉛金属結合部位を形成する触媒残基;His135、Glu136、His139及びGlu159(付番はPehPro1成熟配列に基づく)と、PehPro1及びサーモリシン構造間に保存されている基質結合ポケットを形成するその他の残基とを含む(Matthews,B.W.,Weaver,L.H.,Kester,W.R.,The Conformation of Thermolysin,(1974)J.Biol.Chem.249:8030;Dahlquist,F.W.,Long,J.W.,Bigbee,W.L.,Role of Calcium in the Thermal Stability of Thermolysin,(1976) Biochemistry 15:1103)。
【0243】
この分子の座標を以下に掲載する。
【0244】
【表5-1】
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【0245】
【表5-2】
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【0246】
【表5-3】
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【0247】
【表5-4】
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【0248】
【表5-5】
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【0249】
【表5-6】
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【0250】
【表5-7】
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【0251】
【表5-8】
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【0252】
【表5-9】
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【0253】
【表5-10】
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【0254】
【表5-11】
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【0255】
【表5-12】
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【0256】
【表5-13】
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【0257】
【表5-14】
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【0258】
【表5-15】
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【0259】
【表5-16】
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【0260】
【表5-17】
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【0261】
【表5-18】
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【0262】
【表5-19】
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【0263】
【表5-20】
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【0264】
【表5-21】
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【0265】
【表5-22】
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【0266】
【表5-23】
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【0267】
【表5-24】
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【0268】
【表5-25】
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【0269】
【表5-26】
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【0270】
【表5-27】
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【0271】
【表5-28】
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【0272】
【表5-29】
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【0273】
【表5-30】
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【0274】
【表5-31】
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【0275】
【表5-32】
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【0276】
【表5-33】
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【0277】
【表5-34】
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【0278】
【表5-35】
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【0279】
【表5-36】
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【0280】
【表5-37】
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【0281】
【表5-38】
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【0282】
【表5-39】
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【0283】
【表5-40】
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【0284】
【表5-41】
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【0285】
【表5-42】
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【0286】
【表5-43】
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【0287】
【表5-44】
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【0288】
【表5-45】
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【0289】
【表5-46】
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【0290】
【表5-47】
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【0291】
【表5-48】
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【0292】
【表5-49】
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【0293】
【表5-50】
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【0294】
【表5-51】
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【0295】
【表5-52】
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【0296】
【表5-53】
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【0297】
【表5-54】
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【0298】
【表5-55】
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【0299】
【表5-56】
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【0300】
【表5-57】
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【0301】
【表5-58】
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【0302】
【表5-59】
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【0303】
【表5-60】
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【0304】
【表5-61】
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【0305】
(実施例3)
PehPro1とサーモリシンの構造比較
PehPro1の構造を、サーモリシン[バチルス・サーモプロテオリティクス(B.thermoproteolyticus)メタロプロテアーゼ、pdb 1KEI.A]と比較した[Senda,M.,Senda,T.and Kidokoro,S.,Crystal Structure Analyses Of Thermolysin In Complex With Its Inhibitors,Direct Submission]。PehPro1の全体的なフォールディングは、二つのドメイン及び中央連結ヘリックスから構成される、サーモリシン、及びバチルス(Bacillus)[バチルス・セレウス(B. cereus)(pdb 1NPC.A)][Sidler,W.,Niederer,E.,Suter,F.and Zuber,H.,The primary structure of Bacillus cereus neutral proteinase and comparison with thermolysin and Bacillus subtilis neutral Proteinase,Biol.Chem.Hoppe−Seyler 367(7),643〜657(1986)]及びバチルス・ステアロサーモフィラス(B. stearothermophilus)、及びバチルス・スブチリス(B. subtilis)メタロプロテアーゼ由来のその他の既知のメタロプロテアーゼと非常に類似するものである。PehPro1の全体的なトポロジーの概略を、サーモリシンと比較して
図2に示す。その他の既知のメタロプロテアーゼ構造と比較して、PehPro1配列において欠失が見られる領域があることが主な違いである。PehPro1には2つの欠失領域が生じていることから、結果として、主鎖のフォールディングは、PehPro1の残基Trp58の後ろ(
図3を参照されたい)、及びPehPro1の残基Asp170の後ろ(
図4を参照されたい)でサーモリシンとは異なっている。PehPro1において、サーモリシン中の4つの残基をAsn59で置き換え、及びPehPro1において、サーモリシン中の7つの残基をGly171−Lys172で置き換え、これらの欠失を
図2中に矢印で示す。残基の付番は、各成熟酵素の線状連続配列にそれぞれ対応させる。
【0306】
サーモリシン構造には4つのカルシウムイオンが結合しており:2つはカチオンを2分子結合する部位(Ca1、2)、及び1つはそれぞれカチオンを1分子結合する部位(Ca3、Ca4)に結合している。サーモリシンと比較して、PehPro1構造は2つのカルシウム結合部位を有しており、そのうち1つ目(Ca1〜2)はサーモリシンの、カチオンを2分子結合する部位付近にあり、2つ目(Ca4)は、2分子中に保存されているようである。PehPro1構造では、サーモリシンカルシウム部位(Ca3)が1つ完全に欠失している。カルシウム依存性は、これらのプロテアーゼのいくつかの潜在的な用途、特にカルシウム及びマグネシウムなどのイオンをキレートすることにより水の硬度を特異的に低減させるようビルダーを存在させる洗剤添加剤としての用途において係数となるものと考えられることから、これらの酵素のカチオン感受性を低減させることで、カルシウム利用能が低い条件下での安定性の向上が示され得る。
【0307】
サーモリシンの、カチオンを2分子結合する部位(Ca1、2)周辺の領域を
図5に示す。この図では、サーモリシンの構造を黒色の線として表し、2つのカルシウムイオンを十字で示す。PehPro1を重ねあわせた構造を、非結合球としてカルシウムイオンを1つ備える棒線画として示す。2つの部位が実質的に異なることを見ることができる。サーモリシンにおいて、溶媒と一緒に6残基が存在することで、側鎖のAsp138、Glu177、Asp185、Glu190と、Asn183及びGlu187残基の主鎖カルボニル(サーモリシン付番)を含むイオン対が安定化される。PehPro1(成熟PehPro1に対し付番)において、溶媒とともに、Asp129、Asp131、Asp170及びAsp178の側鎖によりカルシウムが同じ度合いで安定化される。PehPro1において、Asp131及びAsp178は、それぞれサーモリシンの側鎖Asp138及びGlu190と相同である。
【0308】
図6では、PehPro1中の第2のカルシウム結合部位を、サーモリシンの相同部位(Ca4)と比較する。この例では、サーモリシン及びPehPro1の両方のカルシウム結合部位を形成している残基を1対1対応させている。サーモリシンでは、側鎖のThr194及びAsp200(サーモリシン付番)とともにTyr193、Thr194及びIle197残基の主鎖カルボニルがこのカルシウムイオンに対するリガンドを形成するのに対し、PehPro1では、相同な残基Thr182及びAsp188とともにTyr181、Thr182及びThr185残基のカルボニル酸素がその役割を果たす(成熟PehPro1に対する付番)。
【0309】
図7では、PehPro1及びサーモリシンの構造を、サーモリシンのCa3カルシウム部位付近と比較する。サーモリシンでは、2つのアスパラギン酸残基Asp57及びAsp59を含有するループにCa3カルシウム部位が形成され、主鎖カルボニル酸素及び溶媒とともにカルシウムイオンに対するリガンドを形成するのに対し、PehPro1では、相同な構造を保ったまま2つの(Asp)リガンドがセリン残基により置き換えられており、カルシウムイオンを安定に結合しない。電子密度マップでは、結晶化条件下ではカルシウム結合のエビデンスが見られない。
【0310】
(実施例4)
PehPro1及びPpoPro2メタロプロテアーゼの構造比較
最近では、パエニバチルス(Paenibacillus)属のメンバー、パエニバチルス・ポリミキサ(Paenibacillus polymyxa)(PpoPro2)由来のメタロプロテアーゼの構造が報告されている(Ruf et al,Acta Cryst.D 69,24〜31(2013))。PpoPro2の全体的なフォールディングは、サーモリシン及びその他の既知のM4メタロプロテアーゼに対する相同性が高い。304残基から構成されるPehPro1及びPpoPro2構造に挿入又は欠失は行わずに互いにアラインメントさせた。したがって、PpoPro2及びPehPro1構造は、その他の既知のメタロプロテアーゼ構造に対する欠失と共通のパターンを共有している。PehPro1及びPpoPro2の全体的なフォールディングを
図8に示す。
【0311】
PehPro1とは対照的に、PpoPro2の構造には3つのカルシウムイオンの結合が見られる。下記の最初の2つ(Ca4、及び、Ca1〜2の変異体)は、PehPro1及びPpoPro2分子間で非常に相同性が高く、3つ目はカルシウム結合部位のCa3部位と相同である。共通する部位を
図9及び10で比較する。両方の部位において、PehPro1又はPpoPro2のいずれでも見られたすべての相互作用が互いに保存されていた。
【0312】
上記に見られる通り、PpoPro2は、PehPro1では見られない、Ca3に結合している追加のカルシウムイオンを有した。サーモリシンの構造同様(
図7)、PpoPro2ではアスパラギン酸残基が見られたのに対し、PehPro1ではアスパラギン酸残基の代わりにSer53及びSer55が見られる(
図11)。
【0313】
(実施例5)
NprEの結晶化及び構造決定
バチルス・スブチリス(Bacillus subtilis)から得たメタロプロテアーゼNprEは、洗剤処方中で機能することが既知である(米国特許第8,114,656(B2)号、Shaw et al及びその他の文献に記載)。ハンギングドロップ法により、濃度26.2mg/mLのタンパク質ストック液(40%ポリエチレングリコール+50mM MES(pH 5.4)+1mM塩化カルシウム)から、NprE変異体(S129I/F130L/M138L/V190I/D220P)を結晶化した。タンパク質ストック液の3μLのアリコートと、3μLの結晶化溶液をプラスチック製カバーガラス上で混合し、23%ポリエチレングリコール4000+0.20M塩化リチウム+0.09Mビストリスプロパン(pH 6.5)+12%イソプロパノール+4mM塩化亜鉛+12.5mM塩化イットリウムを入れたLinbro 6×4培養プレートのチャンバ上で反転させて、シールした。
【0314】
格子定数;a=122.9Å、b=122.9Å、及びc=119.1Åを備える空間群P6(3)22で結晶を成長させた。もとの結晶に対し解像度2.5Åでデータを収集し、相モデルとして関連するタンパク質(pdb ID 1ESP)を利用する分子置換により、NprEの構造を決定した。回収されたデータの統計を表5.1に表す。
【0315】
【表6】
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*丸括弧中の値は、最外殻データのものである
【0316】
プログラムCOOT[Emsley,P et al Acta Cryst.D66 486〜501]を利用して、得られた電子密度にこのモデルを当てはめた。当てはめた後、及び再当てはめして調節した後、CCP4ソフトウェアスイートに一般的なデフォルト設定を利用し、REFMACプログラムにより座標を精密化した。現行モデルの統計データを表5.2に示す。
【0317】
【表7】
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【0318】
NprE変異体構造の座標を以下に示す。
【0319】
【表8-1】
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【0320】
【表8-2】
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【0321】
【表8-3】
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【0322】
【表8-4】
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【0323】
【表8-5】
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【0324】
【表8-6】
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【0325】
【表8-7】
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【0326】
【表8-8】
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【0327】
【表8-9】
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【0328】
【表8-10】
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【0329】
【表8-11】
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【0330】
【表8-12】
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【0331】
【表8-13】
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【0332】
【表8-14】
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【0333】
【表8-15】
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【0334】
【表8-16】
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【0335】
【表8-17】
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【0336】
【表8-18】
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【0337】
【表8-19】
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【0338】
【表8-20】
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【0339】
【表8-21】
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【0340】
【表8-22】
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【0341】
【表8-23】
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【0342】
【表8-24】
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【0343】
【表8-25】
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【0344】
【表8-26】
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【0345】
【表8-27】
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【0346】
【表8-28】
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【0347】
【表8-29】
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【0348】
【表8-30】
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【0349】
【表8-31】
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【0350】
(実施例6)
NprE変異体構造とサーモリシンとの比較
NprE変異体とその他のメタロプロテアーゼの構造ベースの配列アラインメントを
図12に示す。メタロプロテアーゼサーモリシン[バチルス・サーモプロテオリティクス(Bacillus thermoproteolyticus)、ptotein 1]、PbaPro1[パエニバチルス・バリキノネンシス(Paenibacillus barcinonensis)、protein 1]、PhuPro1[パエニバチルス・ヒュナネンシス(Paenibacillus hunanensis)、protein 1]、PhuPro2(パエニバチルス・ヒュナネンシス(Paenibacillus hunanensis)、protein 2]、PehPro1[パエニバチルス・エキメンシス(Paenibacillus ehimensis)、protein1、Peh1.A 結晶構造]、PpoPro1[パエニバチルス・ポリミキサ(Paenibacillus polymyxa)、protein 1]、PspPro3[パエニバチルス種(Paenibacillus sp.)、protein 3)、及びPspPro2[パエニバチルス種(Paenibacillus sp.)、protein 2]、及びBbrPro1[ブレビバチルス・ブレビス(Brevibacillus brevis)、protein 1)の成熟タンパク質配列を、パエニバチルス・ポリミキサ(P. polymyxa)(PpoPro2、YP_003872179.1)、パエニバチルス・ペオリアエ(P. peoriae)(PpePro1、ZP_10241029.1)、パエニバチルス・テラエ(P. terrae)(PtePro1、F5LRG4)由来の既知のパエニバチルス(Paenibacillus)メタロプロテアーゼの配列、並びに既知の中性プロテアーゼ相同体1NPC.A[バチルス・セレウス(Bacillus cereus)メタロプロテアーゼ]及び1 KEI.A[サーモリシン、バチルス・サーモプロテオリティクス(Bacillus thermoproteolyticus)]とアラインメントさせた。これらのアラインメントは、NprE変異体が、サーモリシン(pdb entry 1KEI)に対しPehPro1及びPpoPro2と共通の欠失を共有していることを示す。
【0351】
未改変のNprE及びNprE変異体の配列において(掲載)、この5つの残基の欠失は残基Asp178の後ろで生じる(NprE付番)。サーモリシン中の7つの残基をNprEのThr179〜Glu180で置き換える。更に、NprE変異体は、PehPro1及びPpoPro2では共通して見られない、3つのその他の欠失、すなわち、Ser191後の3残基の欠失、Thr243後の10残基の欠失、及びGly284後の2残基の欠失と、3つの挿入、すなわち、Lys33後に2残基、Tyr49後に1残基、及びPro217後に4残基(NprE付番)を示す。それにもかかわらず、NprE変異体及びサーモリシン間の全体的なトポロジーは
図16に示すとおりに高度に保存されており、PehPro1及びPpoPro2にも保存されている(非掲載)。
【0352】
(実施例7)
様々なメタロプロテアーゼ間のカルシウム結合部位における差異
NprE変異体の結晶由来の電子密度には、Ca1,2に相当する2つのカルシウムイオンの密度が存在している(上記のサーモリシンにおける2つのカルシウム)。サーモリシンでは見られるCa3又はCa4部位にはカルシウムイオンの電子密度は見られない。Ca4部位がPehPro1及びPpoPro2に保存されていること、並びに前述のとおり、PpoPro2構造にはCa3も見られることには留意されたい。
【0353】
サーモリシンの、カルシウムを2分子結合する部位(Ca1,2)の近傍では、NprE変異体の構造は
図13に示すものと同様の結合パターンを保持している。PehPro1及びPpoPro2に見られる物と同様の欠失を有するにも関わらず、リガンド群は、Glu186(NprE付番)と共に両方のカルシウムイオンに対するリガンドを形成する、Asp181の存在により維持されるという例外を有する。NprEでは存在し、PehPro1及びPpoPro2構造に共通するサーモリシンの残基183のカルボニル酸素が、欠失のせいで存在しないことが唯一の例外である。サーモリシンのAsp185及びGlu190のカルボキシレートは両方のカルシウムイオンに対するリガンドを形成し、このパターンはNprEにおいてAsp181及びGlu186で保持される。
【0354】
再度
図9を参照すると、サーモリシン、NprE変異体、PpoPro2、及びPehPro1間でカルシウム結合において見られる差異は、特有の配列の違い、並びに5つの残基の欠失の有無に由来し得る。サーモリシンでは、Ca1〜2部位は6つのリガンドにより形成されているのに対し、NprEでは、これらのリガンドのうち5つが保持されており、最後の1つは5残基の欠失に起因して除去されている。具体的には、NprEのAsp181及びサーモリシンのAsp185は、PehPro1及びPpoPro2ではAsn173により置き換えられており、NprEのGlu186及びサーモリシンのGlu190は、PehPro1及びPpoPro2ではAsn178により置き換えられている(PehPro1又はPpoPro2付番、成熟配列)。PehPro1及びPpoPro2における欠失により、3つの可能性のあるリガンドが除去される。更に、PehPro1及びPpoPro2の主鎖カルボニル(サーモリシンのAsn183)の除去及び新しいリガンドの存在(Asp129)により、結果として、これまでに観察されている2分子結合する部位Ca1〜2の代わりに、PehPro1及びPpoPro2酵素構造のカルシウム結合部位に変更が加えられる。PehPro1及びPpoPro2では、サーモリシン及びNprE変異体のそれぞれに、Asp129によるGly及びSerの置き換えが見られた。PehPro1及びPpoPro2において、この部位は効果的に再形成されて、カルシウムリガンドが6つから4つに減らされたCa結合部位が1つ生じることになる。
【0355】
PehPro1におけるAsp57及びAsp59(サーモリシン付番)の置き換えに関し、興味深いことに、ほとんどのM4メタロプロテアーゼに存在するDxDモチーフが、今やSSS/Nにより「Ca3」部位にて置き換えられ、PehPro1はこの部位にカルシウム結合部位を有していない(
図7及び
図11)。DxD部位にて主鎖の立体構造が保存されているのに対し、PehPro1ではこれらの位置のアスパラギン酸は、セリン残基により置き換えられている。NprE変異体(
図14)の構造において、主鎖の立体構造は再保存されていたものの、サーモリシンで観察されるアスパラギン酸残基は、今やSer及びThr残基で置き換えられており、カルシウムの結合は存在していなかった。
【0356】
図12に示す複数の配列アラインメントから、DxDモチーフ(サーモリシンのCa3部位及びPpoPro2の第3のカルシウム部位)の存在によるものであることは明らかであり、メタロプロテアーゼの異なるサブセットが観察される。DxDモチーフを有するメタロプロテアーゼの例としては、サーモリシン、バチルス・セレウス(Bacillus cereus)中性プロテアーゼ及びPpoPro2が挙げられるのに対し、DxDモチーフを有していないものにはPehPro1及びNprEなどのメンバーを有する。2つの欠失を含有している複数種のプロテアーゼではDxDモチーフが欠失していることを確認している(
図15−
図12を引き伸ばしたもの)。
【0357】
サーモリシン、PpoPro2、及びPehPro1はすべて1つの共通のCa結合部位、すなわちサーモリシンのCa4部位を共有している(
図6及び10を参照されたい)。NprE変異体では、サーモリシン、PehPro1、及びPpoPro2と比較してNprE変異体中のSer191後の3つの残基が欠失していることに起因して、この部位は存在しない。サーモリシン及びNprE変異体の構造を比較して
図17に示す。
【0358】
(実施例8)
メタロプロテアーゼからカルシウム依存性を排除するためのストラテジー
サブチリシン及びサーモリシンなどのプロテアーゼからカルシウムを除去しようとする試行からは、カルシウムの除去はこれらの酵素の安定的なフォールディング及び機能に害をなすという原理が教示されるしかしながら、これらのプロテアーゼを洗剤に使用するには、プロテアーゼが低カルシウム環境でも機能することが望ましい。高濃度でカルシウムが存在する場合、水硬度に影響することから望ましくないものと考えられる。洗剤製造者はキレート剤を加えて溶存カルシウムを除去する。理論に束縛されることを望むものではないが、洗剤溶液中でのサーモリシンなどのメタロプロテアーゼの不安定性には、カルシウム依存性が主に関与しているという説を提案する。したがって、フォールディング及び安定性に関しカルシウムをさほど必要としないメタロプロテアーゼは、恐らく洗剤処方中でより安定となるであろう。
【0359】
1つのアプローチは、天然にカルシウムイオンの結合が少なく、2重欠失メタロプロテアーゼから出発するか、又はDxDモチーフを1つ欠失している酵素から出発するものである。
【0360】
一実施形態では、サーモリシンCa4カルシウムを除去するストラテジーは、NprEに見られる相同性に従うものであり、すなわち、NprE中に配列TISQP(配列番号18)が存在するサーモリシンの位置193〜200の残基(YTPGISGD(配列番号17))に相当する部位の残基を置き換えることで、3残基の欠失を得るものである。
【0361】
サーモリシンのCa3に相当する部位を除去するストラテジーは、サーモリシン中の位置55〜66の残基(WADADNQFFASY(配列番号19))に相当する部位の残基を、サーモリシン中のDxDモチーフ(すなわち、WASSSNQFFASY(配列番号20))で置き換えるか、又はDxDモチーフとともにPehPro1タイプの欠失[すなわち、LTSSSNIWN(配列番号21)]で置き換えるものである。
【0362】
サーモリシン(Ca1,2)の、カルシウムを2分子結合する部位を除去するストラテジーは、段階化することができる。最初に、2分子結合する部位をPehPro1及びPpoPro2で見られる通りの1分子結合する部位で置き換える。サーモリシンの、177〜185番目の残基(EFYANKNPD(配列番号22))に相当する部位の残基をPehPro1(5残基に欠失が生じている)のDGKN(配列番号23)により置換するとともに、サーモリシンの136番目の位置(G)に相当する残基をAspに置換し、及びサーモリシンの第190番目の位置(E)をAspに置換することで、カルシウムを1つ排除することになる。
【0363】
残存するカルシウムイオンを置き換えるため、追加の1工程により、第190番目の位置に相当する負電荷(この段階ではAsp)を安定化するべくサーモリシンの第136番目に相当する残基をLys又はArgにより置き換える。サーモリシンの第177番目の残基に相当する残基(上記の通りこの段階ではAsp)をAsn又はSerに置き換え、サーモリシン138(Asp)をSerに置き換える追加の工程が必要とされる場合もある。
【0364】
配列提示用のタンパク質配列:
PehPro1(パエニバチルス・エヒメンシス(Paenibacillus ehimensis)、protein 1)
ATGTGKGVLGDTKSFTTTQSGSTYQLKDTTRGQGIVTYSAGNRSSLPGTLLTSSSNIWNDGAAVDAHAYTAKVYDYYKNKFGRNSIDGNGFQLKSTVHYSSRYNNAFWNGVQMVYGDGDGVTFIPFSADPDVIGHELTHGVTEHTAGLEYYGESGALNESISDIIGNAIDGKNWLIGDLIYTPNTPGDALRSMENPKLYNQPDRYQDRYTGPSDNGGVHINSGINNKAFYLIAQGGTHYGVTVNGIGRDAAVQIFYDALINYLTPTSNFSAMRAAAIQAATDLYGANSSQVNAVKKAYTAVGVN(配列番号1)
【0365】
PbaPro1[パエニバチルス・バルシノネンシス(Paenibacillus barcinonensis)、protein 1]
ATGTGTGVHGDTKTLTTTQSGSTYQLKDTTRGKGIQTYTANNRSSLPGSLSTSSNNVWTDRAAVDAHAYAAATYDFYKNKFNRNGIDGNGLLIRSTVHYGSNYKNAFWNGAQIVYGDGDGIEFGPFSGDLDVVGHELTHGVIEYTANLEYRNEPGALNEAFADIMGNTIESKNWLLGDGIYTPNIPGDALRSLSDPTLYNQPDKYSDRYTGSQDNGGVHINSGIINKAYYLAAQGGTHNGVTVSGIGRDKAVRIFYSTLVNYLTPTSKFAAAKTATIQAAKDLYGANSAEATAITKAYQAVGL(配列番号2)
【0366】
PhuPro1[パエニバチルス・ヒュナネンシス(Paenibacillus hunanensis),protein 1]
ATGTGKGVLGDTKSFTVGTSGSSYVMTDSTRGKGIQTYTASNRTSLPGSTVTSSSSTFNDPASVDAHAYAQKVYDFYKSNFNRNSIDGNGLAIRSTTHYSTRYNNAFWNGSQMVYGDGDGSQFIAFSGDLDVVGHELTHGVTEYTANLEYYGQSGALNESISDIFGNTIEGKNWMVGDAIYTPGVSGDALRYMDDPTKGGQPARMADYNNTSADNGGVHTNSGIPNKAYYLLAQGGTFGGVNVTGIGRSQAIQIVYRALTYYLTSTSNFSNYRSAMVQASTDLYGANSTQTTAVKNSLSAVGIN(配列番号3)
【0367】
PpoPro2[パエニバチルス・ポリミキサ(Paenibacillus polymyxa)、protein 2]
ATGTGKGVLGDTKSFTTTASGSSYQLKDTTRGNGIVTYTASNRQSIPGTLLTDADNVWNDPAGVDAHAYAAKTYDYYKSKFGRDSVDGRGLQLRSTVHYGSRYNNAFWNGSQMTYGDGDGSTFIAFSGDPDVVGHELTHGVTEYTSNLEYYGESGALNEAFSDVIGNDIQRKNWLVGDDIYTPNIAGDALRSMSNPTLYDQPDHYSNLYKGSSDNGGVHTNSGIINKAYYLLAQGGTFHGVAVNGIGRDAAVQIYYSAFTNYLTSSSDFSNARAAVIQAAKDLYGANSAEATAAAKSFDAVGVN(配列番号4)
【0368】
PpoPro1[パエニバチルス・ポリミキサ(Paenibacillus polymyxa)、protein 1]
ATGTGKGVLGDSKSFTTTASGSSYQLKDTTRGNGIVTYTASNRQSIPGTILTDADNVWNDPAGVDAHAYAAKTYDYYKAKFGRNSIDGRGLQLRSTVHYGSRYNNAFWNGSQMTYGDGDGSTFIAFSGDPDVVGHELTHGVTEYTSNLEYYGESGALNEAFSDVIGNDIQRKNWLVGDDIYTPNIAGDALRSMSNPTLYDQPDHYSNLYRGSSDNGGVHTNSGIINKAYYLLAQGGNFHGVTVNGIGRDAAVQIYYSAFTNYLTSSSDFSNARAAVIQAAKDLYGANSAEATAAAKSFDAVGVN(配列番号5)
【0369】
PamPro1[パエニバチルス・アミロリティカス(Paenibacillus amylolyticus)、protein 1]
ATGTGTGVLGDTKTLTTTQSGSTFQLKDTTRGNGIQTYTANNGSSLPGSLLTDSDNVWTDRAGVDAHAHAAATYDFYKNKFNRNGINGNGLLIRSTVHYGSNYNNAFWNGAQIVFGDGDGTMFRSLSGDLDVVGHELTHGVIEYTANLEYRNEPGALNEAFADIFGNTIQSKNWLLGDDIYTPNTPGDALRSLSNPTLYGQPDKYSDRYTGSQDNGGVHINSGIINKAYFLAAQGGTHNGVTVTGIGRDKAIQIFYSTLVNYLTPTSKFAAAKTATIQAAKDLYGATSAEATAITKAYQAVGL(配列番号6)
【0370】
PhuPro2[パエニバチルス・ヒュナネンシス(Paenibacillus hunanensis),protein 2]
ATGSGTGVLGDNKTFQTTLSGSTYQLKDTTRGNGIYTYTASNRTTIPGTLLTDADNVWTDGAAVDAHTYAGKVYDFYKTKFGRNSLDGNGLLIRSSVHYSSRYNNAFWNGTQIVFGDGDGSTFIPLSGDLDVVGHELSHGVIEYTSNLQYLNESGALNESYADVLGNSIQAKNWLIGDDVYTPGISGDALRSMSNPTLYGQPDNYANRYTGSSDNGGVHTNSGITNKAFYLLAQGGTQNGVTVAGIGRDAAVNIFYNTVAYYLTSTSNFAAAKNASIQAAKDLYGTGSSYVTSVTNAFRAVGL(配列番号7)
【0371】
PspPro2[パエニバチルス種(Paenibacillus sp.)、protein 2]
ATGTGRGVDGKTKSFTTTASGNRYQLKDTTRSNGIVTYTAGNRQTTPGTILTDTDNVWEDPAAVDAHAYAIKTYDYYKNKFGRDSIDGRGMQIRSTVHYGKKYNNAFWNGSQMTYGDGDGSTFTFFSGDPDVVGHELTHGVTEFTSNLEYYGESGALNEAFSDIIGNDIDGTSWLLGDGIYTPNIPGDALRSLSDPTRFGQPDHYSNFYPDPNNDDEGGVHTNSGIINKAYYLLAQGGTSHGVTVTGIGREAAVFIYYNAFTNYLTSTSNFSNARAAVIQAAKDFYGADSLAVTSAIQSFDAVGIK(配列番号8)
【0372】
PspPro3[パエニバチルス種(Paenibacillus sp.)、protein 3]
ATGTGKGVLGDTKTFNTTASGSSYQLRDTTRGNGIVTYTASNRQSIPGTILTDADNVWNDPAGVDAHAYAAKTYDYYKEKFNRNSIDGRGLQLRSTVHYGNRYNNAFWNGSQMTYGDGDGTTFIAFSGDPDVVGHELTHGVTEYTSNLEYYGESGALNEAFSDIIGNDIQRKNWLVGDDIYTPRIAGDALRSMSNPTLYDQPDHYSNLYRGSSDNGGVHTNSGIINKAYYLLAQGGTFHGVTVNGIGRDAAVQIYYSAFTNYLTSSSDFSNARDAVVQAAKDLYGASSAQATAAAKSFDAVGVN(配列番号9)
【0373】
PpePro1[パエニバチルス・ペオリアエ(Paenibacillus peoriae)、protein 1]
ATGTGRGVDGVTKSFTTTASGNGYQLKDTTRSNGIVTYTANNRQTTPGTIMTDADNVWNDPAAVDAHAYAIKTYDYYKNKFGRDSIDGRGMQIRSTVHYGKKYVNAFWNGSQMTYGDGDGSTFTFFSGDPDVVGHELTHGVTEFTSNLEYYGESGALNEAFSDIIGNDIDGANWLLGDGIYTPGIPGDALRSLSDPTRFGQPDHYSNFYPDPNNDDEGGVHTNSGIINKAYYLLAQGGTSHGVKVTGIGREAAVFIYYNAFTNYLTSTSNFSNARAAVIQAAKDFYGADSLAVTSAIKSFDAVGIK(配列番号10)
【0374】
PtePro1[パエニバチルス・テラエ(Paenibacillus terrae)、protein 1]
ATGTGVGVLGDTKTFTTTQSGTQYVMQDTTRGGGIVTYSAGNTQSLPGTLMRDTDNVWTDPAAVDAHAYAAVVYDYFKNNFNRDSLDGRGMAIKSTVHYGSRYNNAFWNGTQIAYGDGDGTTFRAFSGDLDVIGHELTHGITEKTAGLIYQGESGALNESISDVFGNTIQGKNWLIGDDIYTPSIPGDALRSMENPTLFNQPDHYSNIYRGSDDNGGVHTNSGIPNKAFYLLAQGGTHRGVSVTGIGRGDAAKIVYKALTYYLTSTSNFAAMRQAAISSATDLFGANSAQVNSVKAAYAAVGI(配列番号11)
【0375】
BbrPro1[ブレビバチルス・ブレビス(Brevibacillus brevis)、protein 1]
VTATGKGVLGDTKQFETTKQGSTYMLKDTTRGKGIETYTANNRTSLPGTLMTDSDNYWTDGAAVDAHAHAQKTYDYFRNVHNRNSYDGNGAVIRSTVHYSTRYNNAFWNGSQMVYGDGDGTTFLPLSGGLDVVAHELTHAVTERTAGLVYQNESGALNESMSDIFGAMVDNDDWLMGEDIYTPGRSGDALRSLQDPAAYGDPDHYSKRYTGSQDNGGVHTNSGINNKAAYLLA卵THYGVRVNGIGRTDTAKIYYHALTHYLTPYSNFSAMRRAAVLSATDLFGANSRQVQAVNAAYDAVGVK(配列番号12)
【0376】
1KEI.A[バチルス・サーモプロテオリティクス(Bacillus thermoproteolyticus)、サーモリシン]
ITGTSTVGVGRGVLGDQKNINTTYSTYYYLQDNTRGNGIFTYDAKYRTTLPGSLWADADNQFFASYDAPAVDAHYYAGVTYDYYKNVHNRLSYDGNNAAIRSSVHYSQGYNNAFWNGSQMVYGDGDGQTFIPLSGGIDVVAHELTHAVTDYTAGLIYQNESGAINEAISDIFGTLVEFYANKNPDWEIGEDVYTPGISGDSLRSMSDPAKYGDPDHYSKRYTGTQDNGGVHINSGIINKAAYLISQGGTHYGVSVVGIGRDKLGKIFYRALTQYLTPTSNFSQLRAAAVQSATDLYGSTSQEVASVKQAFDAVGVK(配列番号13)
【0377】
1NPC.A[バチルス・セレウス(Bacillus cereus)]
VTGTNKVGTGKGVLGDTKSLNTTLSGSSYYLQDNTRGATIFTYDAKNRSTLPGTLWADADNVFNAAYDAAAVDAHYYAGKTYDYYKATFNRNSINDAGAPLKSTVHYGSNYNNAFWNGSQMVYGDGDGVTFTSLSGGIDVIGHELTHAVTENSSNLIYQNESGALNEAISDIFGTLVEFYDNRNPDWEIGEDIYTPGKAGDALRSMSDPTKYGDPDHYSKRYTGSSDNGGVHTNSGIINKQAYLLANGGTHYGVTVTGIGKDKLGAIYYRANTQYFTQSTTFSQARAGAVQAAADLYGANSAEVAAVKQSFSAVGVN(配列番号14)
【0378】
NprE_var[バチルス・スブチリス(Bacillus subtilis)]
AATTGTGTTLKGKTVSLNISSESGKYVLRDLSKPTGTQIITYDLQNREYNLPGTLVSSTTNQFTTSSQRAAVDAHYNLGKVYDYFYQKFNRNSYDNKGGKIVSSVHYGSRYNNAAWIGDQMIYGDGDGILFSPLSGSLDVTAHEMTHGVTQETANLNYENQPGALNESFSDVFGYFNDTEDWDIGEDITISQPALRSLSNPTKYGQPDNFKNYKNLPNTPAGDYGGVHTNSGIPNKAAYNTITKIGVNKAEQIYYRALTVYLTPSSTFKDAKAALIQSARDLYGSQDAASVEAAWNAVGL(配列番号15)
【0379】
NprE[バチルス・スブチリス(Bacillus subtilis)]
AATTGTGTTLKGKTVSLNISSESGKYVLRDLSKPTGTQIITYDLQNREYNLPGTLVSSTTNQFTTSSQRAAVDAHYNLGKVYDYFYQKFNRNSYDNKGGKIVSSVHYGSRYNNAAWIGDQMIYGDGDGSFFSPLSGSMDVTAHEMTHGVTQETANLNYENQPGALNESFSDVFGYFNDTEDWDIGEDITVSQPALRSLSNPTKYGQPDNFKNYKNLPNTDAGDYGGVHTNSGIPNKAAYNTITKIGVNKAEQIYYRALTVYLTPSSTFKDAKAALIQSARDLYGSQDAASVEAAWNAVGL(配列番号16)