(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6367934
(24)【登録日】2018年7月13日
(45)【発行日】2018年8月1日
(54)【発明の名称】共重合ポリエステル樹脂を含む熱収縮フィルム
(51)【国際特許分類】
C08G 63/199 20060101AFI20180723BHJP
B29C 61/06 20060101ALI20180723BHJP
【FI】
C08G63/199
B29C61/06
【請求項の数】8
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2016-521193(P2016-521193)
(86)(22)【出願日】2014年6月16日
(65)【公表番号】特表2016-521806(P2016-521806A)
(43)【公表日】2016年7月25日
(86)【国際出願番号】KR2014005263
(87)【国際公開番号】WO2014204156
(87)【国際公開日】20141224
【審査請求日】2017年6月5日
(31)【優先権主張番号】10-2013-0069129
(32)【優先日】2013年6月17日
(33)【優先権主張国】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】513193923
【氏名又は名称】エスケー ケミカルズ カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110002527
【氏名又は名称】特許業務法人北斗特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100087767
【弁理士】
【氏名又は名称】西川 惠清
(74)【代理人】
【識別番号】100155745
【弁理士】
【氏名又は名称】水尻 勝久
(74)【代理人】
【識別番号】100143465
【弁理士】
【氏名又は名称】竹尾 由重
(74)【代理人】
【識別番号】100155756
【弁理士】
【氏名又は名称】坂口 武
(74)【代理人】
【識別番号】100161883
【弁理士】
【氏名又は名称】北出 英敏
(74)【代理人】
【識別番号】100167830
【弁理士】
【氏名又は名称】仲石 晴樹
(74)【代理人】
【識別番号】100162248
【弁理士】
【氏名又は名称】木村 豊
(72)【発明者】
【氏名】リム ソルフィ
(72)【発明者】
【氏名】キム スンギ
(72)【発明者】
【氏名】イ ジイエ
【審査官】
水野 明梨
(56)【参考文献】
【文献】
特表2016−516878(JP,A)
【文献】
米国特許出願公開第2012/0329980(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C08G 63/00−64/42
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
芳香族ジカルボン酸に由来する残基のジカルボン酸由来残基;および
下記化学式1で表される4−(ヒドロキシメチル)シクロヘキシルメチル4’−(ヒドロキシメチル)シクロヘキサンカルボキシレートに由来する残基
、下記化学式2で表される4,4−(オキシビス(メチレン)ビス)シクロヘキサンメタノールに由来する残基
、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ジエチレングリコールおよびエチレングリコールに由来する残基のジオール由来残基;
を含
み、
前記ジカルボン酸100モル%に対して、4−(ヒドロキシメチル)シクロヘキシルメチル4’−(ヒドロキシメチル)シクロヘキサンカルボキシレートを0.1乃至10モル%、4,4−(オキシビス(メチレン)ビス)シクロヘキサンメタノールを0.1乃至12モル%、1,4−シクロヘキサンジメタノールを0.1乃至15モル%、ジエチレングリコールを2乃至15モル%、及びエチレングリコール48乃至122.3モル%を含む共重合ポリエステル樹脂を含む熱収縮フィルム。
【化1】
【請求項2】
前記芳香族ジカルボン酸は、テレフタル酸(terephthalic acid)、ジメチルテレフタレート(dimethyl terephthalate)、イソフタル酸(isophthalic acid)、およびナフタレンジカルボン酸(naphthalenedicarboxylic acid)からなる群より選択される一つ以上である、請求項1に記載の熱収縮フィルム。
【請求項3】
収縮開始温度が65℃以下であり、65℃で最大熱収縮率が25%以上である、請求項1又は2に記載の熱収縮フィルム。
【請求項4】
95℃で最大熱収縮率が75%以上である、請求項1又は2に記載の熱収縮フィルム。
【請求項5】
芳香族ジカルボン酸を含むジカルボン酸と、
下記化学式1で表される4−(ヒドロキシメチル)シクロヘキシルメチル4’−(ヒドロキシメチル)シクロヘキサンカルボキシレート
、下記化学式2で表される4,4−(オキシビス(メチレン)ビス)シクロヘキサンメタノール
、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ジエチレングリコール、及びエチレングリコールを含むジオールを反応させてエステル化反応および重縮合反応を行う段階を含
み、
前記ジカルボン酸100モル%に対して、4−(ヒドロキシメチル)シクロヘキシルメチル4’−(ヒドロキシメチル)シクロヘキサンカルボキシレートを0.1乃至10モル%、4,4−(オキシビス(メチレン)ビス)シクロヘキサンメタノールを0.1乃至12モル%、1,4−シクロヘキサンジメタノールを0.1乃至15モル%、ジエチレングリコールを2乃至15モル%、及びエチレングリコール48乃至122.3モル%を含む共重合ポリエステル樹脂を製造する段階;および 前記共重合ポリエステル樹脂を押出および延伸する段階;
を含む熱収縮フィルムの製造方法。
【化2】
【請求項6】
前記エステル化反応は、前記ジカルボン酸に対してジオールを1.2乃至3.0のモル比で投入し、230乃至265℃の反応温度、および1.0乃至3.0kg/cm2の圧力下で100乃至300分間行う、請求項5に記載の熱収縮フィルムの製造方法。
【請求項7】
前記エステル化反応または重縮合反応では、触媒、安定剤、および呈色剤を含む添加剤が使用される、請求項5又は6に記載の熱収縮フィルムの製造方法。
【請求項8】
前記重縮合反応は、260乃至290℃の反応温度および400乃至0.1mmHgの減圧条件下で行う、請求項5乃至7のいずれか1項に記載の熱収縮フィルムの製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、共重合ポリエステル樹脂を含む熱収縮フィルムに関し、より詳しくは、収縮率に優れており、低い温度で熱収縮が可能な共重合ポリエステル樹脂を含む熱収縮フィルムに関する。
【背景技術】
【0002】
熱収縮性プラスチック製品は、加熱により収縮する性質を用い、収縮包装、収縮ラベル(label)などのフィルム用途に広く使用される。そのうち、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリスチレン(Polystyrene)、ポリエステル(polyester)系プラスチックフィルムなどが各種容器などのラベル(label)やキャップシール(cap seal)、または直接包装などの目的で使用されてきた。
【0003】
しかし、ポリ塩化ビニルからなるフィルムは、焼却時に塩化水素ガスおよびダイオキシンの原因になる物質が発生する問題があり、規制の対象となっている。また、この製品をPET容器などの収縮ラベルとして用いる場合、容器を再生利用する時にはラベルと容器を分離しなければならない面倒さがあった。
【0004】
また、ポリスチレン(polystyrene)系フィルムは、収縮工程による作業安定性がよく、製品の外観が良好であるが、耐薬品性がよくないため、印刷時には特殊な組成のインクを使用しなければならない問題がある。また、常温での保管安定性が不足して自ら収縮するなど、サイズが変形するという短所がある。
【0005】
前述の問題を解決するために、ポリエステル(polyester)樹脂からなるフィルムが前記二つの原料から作るフィルムを代替する原料として研究開発されている。一方、PET容器の使用量が増加することによって、再生利用時に別途にラベルを分離することなく、再生が容易なポリエステルフィルムの使用量が増加する傾向にあるが、従来の熱収縮ポリエステルフィルムは、収縮特性において問題点があった。つまり、急激な収縮率挙動変化により収縮時にシワや不均一な収縮が成形中に頻繁に発生する問題点があり、またポリ塩化ビニル系フィルムやポリスチレン系フィルムと比較するとき、低温での収縮性が落ちたため、これを補完するために高温で収縮しなければならず、この場合、PET容器の変形または白濁が発生する問題点があった。
【0006】
これによって、熱収縮に優れており、低温熱収縮が向上した共重合ポリエステル樹脂に対する研究が必要なのが実情である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の目的は、収縮率に優れており、低い温度で熱収縮が可能な共重合ポリエステル樹脂を含む熱収縮フィルムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一実施形態に係る熱収縮フィルムは、芳香族ジカルボン酸に由来する残基のジカルボン酸由来残基;および下記化学式1で表される4−(ヒドロキシメチル)シクロヘキシルメチル4’−(ヒドロキシメチル)シクロヘキサンカルボキシレートに由来する残基
、下記化学式2で表される4,4−(オキシビス(メチレン)ビス)シクロヘキサンメタノールに由来する残基
、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ジエチレングリコールおよびエチレングリコールに由来する残基のジオール由来残基を含む共重合ポリエステル樹脂を含む。
また、前記ジオールは、前記ジカルボン酸100モル%に対して、4−(ヒドロキシメチル)シクロヘキシルメチル4’−(ヒドロキシメチル)シクロヘキサンカルボキシレートを0.1乃至10モル%、4,4−(オキシビス(メチレン)ビス)シクロヘキサンメタノールを0.1乃至12モル%、1,4−シクロヘキサンジメタノールを0.1乃至15モル%、ジエチレングリコールを2乃至15モル%、およびエチレングリコールを48乃至122.3モル%を含む。
【0009】
【化1】
【0011】
同時に、前記芳香族ジカルボン酸は、テレフタル酸(terephthalic acid)、ジメチルテレフタレート(dimethyl terephthalate)
、イソフタル酸(isophthalic acid)、
およびナフタレンジカルボン酸(naphthalenedicarboxylic acid
)からなる群より選択される一つ以上であってもよい。
【0012】
そして、前記熱収縮フィルムは、収縮開始温度が約65℃以下であり、65℃で最大熱収縮率が約25%以上であり、95℃で最大熱収縮率が約75%以上であってもよい。
【0013】
本発明の他の実施形態に係る熱収縮フィルムの製造方法は、芳香族ジカルボン酸を含むジカルボン酸と、前記化学式1で表される4−(ヒドロキシメチル)シクロヘキシルメチル4’−(ヒドロキシメチル)シクロヘキサンカルボキシレート
、前記化学式2で表される4,4−(オキシビス(メチレン)ビス)シクロヘキサンメタノール
、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ジエチレングリコール、及びエチレングリコールを含むジオールを反応させてエステル化反応および重縮合反応を行う段階を含む共重合ポリエステル樹脂を製造する段階;および前記共重合ポリエステル樹脂を押出および延伸する段階を含むことができる。
【0015】
また、前記ジオールは、前記ジカルボン酸100モル%に対して、4−(ヒドロキシメチル)シクロヘキシルメチル4’−(ヒドロキシメチル)シクロヘキサンカルボキシレート
を0.1乃至10モル%、4,4−(オキシビス(メチレン)ビス)シクロヘキサンメタノール
を0.1乃至12モル%、1,4−シクロヘキサンジメタノール
を0.1乃至15モル%、ジエチレングリコール
を2乃至15モル%、およびエチレングリコール
を48乃至
122.3モル%を含
む。
【0016】
そして、前記エステル化反応は、前記ジカルボン酸に対してジオールを約1.2乃至3.0のモル比で投入し、約230乃至265℃の反応温度、および約1.0乃至3.0kg/cm
2の圧力下で約100乃至300分間行うことができる。
【0017】
また、前記エステル化反応および/または重縮合反応では、触媒、安定剤、および呈色剤を含む添加剤を用いることができる。
【0018】
一方、前記重縮合反応は、約260乃至290℃の反応温度および約400乃至0.1mmHgの減圧条件下で行うことができる。
【発明の効果】
【0019】
本発明による共重合ポリエステル樹脂を含む熱収縮フィルムは、従来の共重合ポリエステルに比べて収縮率に優れており、PVCと類似な低い温度で熱収縮が可能であるため、フィルムの熱収縮工程で引き起こされたPET容器の変形または白濁を防止することができ、収縮速度の調節が容易であるため、成形不良を減少させることができる。
【発明を実施するための形態】
【0020】
本発明は、多様な変換を加えることができ、多様な実施形態を有することができるところ、特定の実施形態を詳細な説明に説明する。しかし、これは本発明を特定の実施形態に対して限定しようとするのではなく、本発明の思想および技術範囲に含まれるすべての変換、均等物乃至代替物を含むものと理解しなければならない。本発明を説明するに当たり、関連した公知の技術に対する具体的な説明が本発明の要旨を不明にすると判断される場合、その詳細な説明を省略する。
【0021】
本発明は、芳香族ジカルボン酸に由来する残基のジカルボン酸由来残基;および下記化学式1で表される4−(ヒドロキシメチル)シクロヘキシルメチル4’−(ヒドロキシメチル)シクロヘキサンカルボキシレートに由来する残基、および下記化学式2で表される4,4−(オキシビス(メチレン)ビス)シクロヘキサンメタノールに由来する残基のジオール由来残基を含む共重合ポリエステル樹脂を含む熱収縮フィルムを提供する。
【0023】
また、本発明の他の実施形態によれば、芳香族ジカルボン酸を含むジカルボン酸と、上記化学式1で表される4−(ヒドロキシメチル)シクロヘキシルメチル4’−(ヒドロキシメチル)シクロヘキサンカルボキシレートおよび上記化学式2で表される4,4−(オキシビス(メチレン)ビス)シクロヘキサンメタノールを含むジオールを反応させてエステル化反応および重縮合反応を行う段階を含む共重合ポリエステル樹脂を製造する段階;および前記共重合ポリエステル樹脂を押出および延伸する段階を含む熱収縮フィルムの製造方法が提供される。
【0024】
以下、発明の具体的な実施形態による共重合ポリエステル樹脂を含む熱収縮フィルムについてより詳細に説明する。
【0025】
本明細書で、「残基」とは、特定の化合物が化学反応に参加した時、その化学反応の結果物に含まれ、前記特定の化合物に由来する一定の部分または単位を意味する。例えば、前記ジカルボン酸由来「残基」またはジオール由来「残基」のそれぞれは、エステル化反応または縮重合反応で形成されるポリエステルにおいてジカルボン酸成分に由来する部分またはジオール成分に由来する部分を意味する。
【0026】
本発明の一実施形態による熱収縮フィルムは、芳香族ジカルボン酸に由来する残基のジカルボン酸由来残基;および上記化学式1で表される4−(ヒドロキシメチル)シクロヘキシルメチル4’−(ヒドロキシメチル)シクロヘキサンカルボキシレートに由来する残基、および上記化学式2で表される4,4−(オキシビス(メチレン)ビス)シクロヘキサンメタノールに由来する残基のジオール由来残基を含む共重合ポリエステル樹脂を含む。
【0027】
従来のポリエステルフィルムは、急激な収縮率挙動変化により収縮時にシワや不均一な収縮が成形中に頻繁に発生する問題点があり、またポリ塩化ビニル系フィルムやポリスチレン系フィルムと比較するとき、低温での収縮性が落ちたため、これを補完するために高温で収縮しなければならず、この場合、PET容器の変形または白濁が発生する問題点があった。
【0028】
そこで、本発明者らは、4−(ヒドロキシメチル)シクロヘキシルメチル4’−(ヒドロキシメチル)シクロヘキサンカルボキシレート、および4,4−(オキシビス(メチレン)ビス)シクロヘキサンメタノールを含むジオールを使用する場合、収縮率に優れており、PVCと類似な低い温度で熱収縮が可能であるため、フィルムの熱収縮工程で引き起こされたPET容器の変形または白濁を防止することができ、収縮速度の調節が容易であるため、成形不良を減少させることができるという点を実験を通じて確認し、発明を完成した。
【0029】
テレフタル酸とジエチレングリコールおよびエチレングリコールを原料とするポリマーの成形性またはその他の物性を改善するために使用されるジオール化合物としては、4−(ヒドロキシメチル)シクロヘキシルメチル4’−(ヒドロキシメチル)シクロヘキサンカルボキシレート、4,4−(オキシビス(メチレン)ビス)シクロヘキサンメタノール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,2−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジオール、1,2−シクロヘキサンジメタノール、および1,3−シクロヘキサンジメタノールなどがあるが、特にポリマーの物性改善のために使用されるジオール化合物としては、4−(ヒドロキシメチル)シクロヘキシルメチル4’−(ヒドロキシメチル)シクロヘキサンカルボキシレートと4,4−(オキシビス(メチレン)ビス)シクロヘキサンメタノールが好ましい。これは4−(ヒドロキシメチル)シクロヘキシルメチル4’−(ヒドロキシメチル)シクロヘキサンカルボキシレートと4,4−(オキシビス(メチレン)ビス)シクロヘキサンメタノールを使用する場合、残留応力と関連した一定水準以上の分子鎖長が前記化合物を使用する時より長くなり、延伸による残留応力が大きくなって熱量供給時に残留応力の解消による収縮力が高くなるためである。
【0030】
前記4−(ヒドロキシメチル)シクロヘキシルメチル4’−(ヒドロキシメチル)シクロヘキサンカルボキシレートは、下記化学式1で表され、4,4−(オキシビス(メチレン)ビス)シクロヘキサンメタノールは、下記化学式2で表される。
【0032】
本発明で使用される4−(ヒドロキシメチル)シクロヘキシルメチル4’−(ヒドロキシメチル)シクロヘキサンカルボキシレートと4,4−(オキシビス(メチレン)ビス)シクロヘキサンメタノールの使用量は、最終ポリマーの中の所望のモル%と近似量を投入するが、好ましくは、結晶化による成形性不良を防止するために全体ジオール成分中の約2乃至17モル%であることが好ましい。これは、2モル%未満であれば収縮率向上効果を確認するのが難しく、約17モル%を超えれば過延伸による白化現象が発生して熱収縮フィルムとしての活用度が落ちる問題点があるためである。
【0033】
そして、前記ジオール由来残基は、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ジエチレングリコール、およびエチレングリコールに由来する残基をさらに含むことができる。
【0034】
同時に、前記芳香族ジカルボン酸は、テレフタル酸(terephthalic acid)、ジメチルテレフタレート(dimethyl terephthalate)、環状ジカルボン酸、イソフタル酸(isophthalic acid)、アジピン酸(adipic acid)、アゼライン酸(azelaic acid)、ナフタレンジカルボン酸(naphthalenedicarboxylic acid)、およびスクシン酸(succinic acid)からなる群より選択される一つ以上であってもよい。
【0035】
このような熱収縮フィルムは、収縮開始温度が約65℃以下、あるいは約20乃至60℃であり、65℃で最大熱収縮率が約25%以上、あるいは約25乃至35%、あるいは約25乃至30%であり、95℃で最大熱収縮率が約75%以上、あるいは約75乃至90%、あるいは約75乃至80%であってもよい。
【0036】
本発明の他の実施形態に係る熱収縮フィルムの製造方法は、芳香族ジカルボン酸を含むジカルボン酸と、前記化学式1で表される4−(ヒドロキシメチル)シクロヘキシルメチル4’−(ヒドロキシメチル)シクロヘキサンカルボキシレートおよび前記化学式2で表される4,4−(オキシビス(メチレン)ビス)シクロヘキサンメタノールを含むジオールを反応させてエステル化反応および重縮合反応を行う段階を含む共重合ポリエステル樹脂を製造する段階;および前記共重合ポリエステル樹脂を押出および延伸する段階を含むことができる。
【0037】
そして、前記ジオールは、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ジエチレングリコール、およびエチレングリコールをさらに含むことができ、前記ジオールは、前記ジカルボン酸100モル%に対して、4−(ヒドロキシメチル)シクロヘキシルメチル4’−(ヒドロキシメチル)シクロヘキサンカルボキシレート約0.1乃至10モル%、4,4−(オキシビス(メチレン)ビス)シクロヘキサンメタノール約0.1乃至12モル%、1,4−シクロヘキサンジメタノール約0.1乃至15モル%、ジエチレングリコール約2乃至15モル%、およびエチレングリコール約48乃至97.7モル%を含むことができる。
【0038】
本発明による共重合ポリエステル樹脂は、エステル化反応、および重縮合反応を通じて製造される。第1段階であるエステル化反応は、バッチ(Batch)式または連続式で行うことができ、それぞれの原料は別途に投入することもできるが、好ましくはジオールにジカルボン酸をスラリー形態で作って投入することができる。
【0039】
そして、前記エステル化反応は、前記ジカルボン酸に対してジオールを約1.2乃至3.0のモル比で投入し、約230乃至265℃、より好ましくは約245乃至255℃の反応温度、および約1.0乃至3.0kg/cm
2の圧力下で行うことができる。また、前記エステル化反応時間は、通常、約100乃至300分程度がかかるが、これは反応温度、圧力、および使用されるジカルボン酸に対するグリコールのモル比により適切に変化することができるため、これに限定されない。
【0040】
一方、前記エステル化反応には触媒が不要であるが、反応時間の短縮のために選択的に触媒を投入することもできる。
【0041】
前述のエステル化反応が完了した後には、重縮合反応が行われるが、ポリエステル樹脂の重縮合反応時に一般に使用される成分として、触媒、安定剤および呈色剤などを選択的に使用することができる。
【0042】
本発明で使用可能な重縮合触媒としては、チタニウム、ゲルマニウムおよびアンチモン化合物などがあるが、特にこれに限定されない。
【0043】
前記チタニウム系触媒は、シクロヘキサンジメタノール系誘導体をテレフタル酸重量に対して15%以上共重合させたポリエステル樹脂の重縮合触媒として使用される触媒であり、アンチモン系触媒に比べて少量を使用しても反応が可能であり、またゲルマニウム系触媒より低価であるという長所を有する。
【0044】
具体的に使用可能なチタニウム系触媒としては、テトラエチルチタネート、アセチルトリプロピルチタネート、テトラプロピルチタネート、テトラブチルチタネート、テトラブチルチタネート、ポリブチルチタネート、2−エチルヘキシルチタネート、オクチレングリコールチタネート、ラクテートチタネート、トリエタノールアミンチタネート、アセチルアセトネートチタネート、エチルアセトアセチックエステルチタネート、イソステアリルチタネート、チタニウムジオキシド、チタニウムジオキシドとシリコンジオキシド共沈物およびチタニウムジオキシドとジルコニウムジオキシド共沈物などがある。
【0045】
この時、前記触媒の使用量は、最終ポリマーの色に影響を与えるため、所望の色と使用される安定剤および呈色剤により変わり得るが、好ましくは、最終ポリマーの重量に対してチタニウム元素量を基準に約1乃至100ppm、より好ましくは約1乃至50ppmがよく、シリコン元素量を基準に約10ppm以下が好ましい。これは、前記チタニウム元素量が約1ppm未満であれば所望の重合度に到達することができず、約100ppmを超えれば最終ポリマーの色が黄色になって所望の色を得ることができないためである。
【0046】
また、その他の添加剤として、安定剤および呈色剤などを使用することができる。本発明で使用可能な安定剤としては、リン酸、トリメチルホスフェート、トリエチルホスフェート、トリエチルホスホノアセテートなどがあり、その添加量はリン元素量を基準に最終ポリマーの重量に対して約10乃至100ppmであることが好ましい。これは、前記安定剤の添加量が約10ppm未満であれば所望の明るい色を得にくく、約100ppmを超えれば所望の高重合度に到達することができない問題があるためである。
【0047】
また、本発明で所望の色を得るために使用可能な呈色剤としては、コバルトアセテートおよびコバルトプロピオネートなどの呈色剤が挙げられ、その添加量は最終ポリマー重量に対して約100ppm以下が好ましい。同時に、前記呈色剤以外にも既存の公知の有機化合物を呈色剤として使用することができる。
【0048】
一方、このような成分が添加された後に行われる重縮合反応は、約260乃至290℃および約400乃至0.1mmHgの減圧条件下で実施されることが好ましいが、これに限定されない。
【0049】
前記重縮合段階は、所望の固有粘度に到達する時まで必要な時間実施されるが、反応温度は、一般に約260乃至290℃であり、好ましくは約260乃至280℃、より好ましくは約265乃至275℃である。
【0050】
以下、本発明の好ましい実施例を詳しく説明する。ただし、これらの実施例は本発明を例示するためのものに過ぎず、本発明の範囲はこれらの実施例によって制限されると解釈されないといえる。
【0051】
(実施例1)
テレフタル酸2312gを基準に
4−(ヒドロキシメチル)シクロヘキシルメチル4’−(ヒドロキシメチル)シクロヘキサンカルボキシレート33g、4,4−(オキシビス(メチレン)ビス)シクロヘキサンメタノール166g、1,4−シクロヘキサンジメタノール22g、ジエチレングリコール162g、エチレングリコール1056
gが共重合されたポリエステル樹脂を3kgバッチ反応器で混合しながら、温度を徐々に255℃まで昇温しながら反応させた。
【0052】
この時、発生する水を界外に流出させてエステル反応させ、水の発生、流出が終了されると攪拌機と冷却コンデンサおよび真空システム付きの重縮合反応器に内容物を移した。
【0053】
エステル化反応物にテトラブチルチタネート140gになるように添加し、トリエチルホスフェートを0.4gになるように添加し、コバルトアセテートを19gになるように添加した後、内部温度を240℃から275℃まで上げながら圧力を一次的に常圧から50mmHgまで40分間低真空反応させ、エチレングリコールを抜き出し、再び0.1mmHgまで徐々に減圧して高真空雰囲気で所望の固有粘度になるまで反応させ、これを吐出し、チップ状に切断した。製造された共重合ポリエステル樹脂を用いて熱収縮フィルムを製造した。
【0054】
(実施例2)
テレフタル酸2312gを基準に
4−(ヒドロキシメチル)シクロヘキシルメチル4’−(ヒドロキシメチル)シクロヘキサンカルボキシレート89g、4,4−(オキシビス(メチレン)ビス)シクロヘキサンメタノール375g、1,4−シクロヘキサンジメタノール33g、ジエチレングリコール162g、エチレングリコール976
gが投入されたことを除き、実施例1と同様な方式で熱収縮フィルムを製造した。
【0055】
(実施例3)
テレフタル酸2312gを基準に
4−(ヒドロキシメチル)シクロヘキシルメチル4’−(ヒドロキシメチル)シクロヘキサンカルボキシレート83g、4,4−(オキシビス(メチレン)ビス)シクロヘキサンメタノール265g、1,4−シクロヘキサンジメタノール112g、ジエチレングリコール162g、エチレングリコール976gが投入されたことを除き、実施例1と同様な方式で熱収縮フィルムを製造した。
【0056】
(実施例4)
テレフタル酸2312gを基準に
4−(ヒドロキシメチル)シクロヘキシルメチル4’−(ヒドロキシメチル)シクロヘキサンカルボキシレート100g、4,4−(オキシビス(メチレン)ビス)シクロヘキサンメタノール149g、1,4−シクロヘキサンジメタノール167g、ジエチレングリコール162g、エチレングリコール985gが投入されたことを除き、実施例1と同様な方式で熱収縮フィルムを製造した。
【0057】
(実施例5)
テレフタル酸2312gを基準に
4−(ヒドロキシメチル)シクロヘキシルメチル4’−(ヒドロキシメチル)シクロヘキサンカルボキシレート133g、4,4−(オキシビス(メチレン)ビス)シクロヘキサンメタノール66g、1,4−シクロヘキサンジメタノール268g、ジエチレングリコール162g、エチレングリコール959gが投入されたことを除き、実施例1と同様な方式で熱収縮フィルムを製造した。
【0058】
(比較例1)
4−(ヒドロキシメチル)シクロヘキシルメチル4’−(ヒドロキシメチル)シクロヘキサンカルボキシレート、4,4−(オキシビス(メチレン)ビス)シクロヘキサンメタノールを使用せず、1,4−シクロヘキサンジメタノール466gを投入したことを除き、実施例1と同様に熱収縮フィルムを製造した。
【0059】
(比較例2)
PVC樹脂を用いて熱収縮フィルムを製造した。
【0060】
(試験例)
前記実施例および比較例により製造された共重合ポリエステル樹脂を用いて製造された熱収縮フィルムを下記の方法によりガラス転移温度、収縮開始温度、熱収縮率および固有粘度(IV)を測定して下記表1に示した。
【0061】
(1)ガラス転移温度(Tg):ティーエーインストルメント(TA instrument)社の示差走査熱量計(Differential Scanning Calorimetry)用いて測定した。
【0062】
(2)固有粘度(IV):150℃のオルト−クロロフェノールに0.12%濃度で溶解後、35℃の恒温槽でウベローデ型粘度計を用いて測定した。
【0063】
(3)熱収縮率:10cmm×10cmmの正方形に裁断し、延伸比(DR)がMD:TD=1:5または1:6、延伸速度20mm/sec.で延伸した後、下記表1に記載されたような温度で40秒間オーブンに入れて熱収縮させた後、試料の縦および横方向の長さを測定して下記の式により計算した。
【0064】
熱収縮率(%)=100×(収縮前の長さ−収縮後の長さ)/(収縮前の長さ)
【0066】
前記表1から分かるように、本発明による共重合ポリエステル樹脂は、低い収縮開始温度を有することによって収縮速度が遅いため、円滑な工程制御が可能であることによって不良率が減少して優れた成形性を有するようになる。したがって、このような共重合ポリエステル樹脂を押出および延伸工程を通じて成形して優れた成形性を有する熱収縮フィルム製品を得ることができる。
【0067】
以上で、本発明内容の特定部分を詳しく記述したところ、当業界の通常の知識を有する者において、このような具体的技術は単に好ましい実施様態に過ぎず、これによって本発明の範囲が制限されるのではない点は明白であろう。したがって、本発明の実質的な範囲は添付された請求項とそれらの等価物により定義されるといえる。