【実施例】
【0061】
実施例1:アスペルギルス・テレウスとヒポモナスネプチュニウムから由来のトランスアミナーゼAH−TACM33の製造
本発明のトランスアミナーゼAH−TACM33の製造方法の具体的な工程は以下のとおりである:
【0062】
(1)鋳型の構築:
生工生物工程(上海)有限会社に依頼して、アスペルギルス・テレウスとヒポモナスネプチュニウムから由来のトランスアミナーゼ遺伝子taAT(アスペルギルス・テレウス)(そのヌクレオチド配列は配列表中のSEQ ID NO.:5に示す遺伝子配列であって、アミノ酸配列はSEQ ID NO.:23に示すとおりである)とtaHN(ヒポモナスネプチュニウム)(そのヌクレオチド配列は配列表中のSEQ ID NO.:6に示す遺伝子配列であって、アミノ酸配列はSEQ ID NO.:24に示すとおりである)とを全遺伝子合成し、合成されたtaAT遺伝子とtaHNをベクターpUC57に接続して組換えプラスミドpUC57−taATとpUC57−taHNを得た。その後、NdeIとXhoI制限性エンドヌクレアーゼを利用して、組換えプラスミドpUC57−taATとpUC57−taHNを同時に酵素消化を行って、ゲル回収を経て純化された回収破片taATとtaHNを得て、後続のPCR の鋳型とした。
【0063】
(2)プライマーの設計:
アスペルギルス・テレウス由来のトランスアミナーゼ遺伝子に基づいて設計した特異性プライマーは以下のとおりである:
taAT A: 5’−CCGCTCGAGGTTACGCTCGTTGTAGTCAATTTC−3’ (SEQ ID NO.:7)
taAT S: 5’−GGAATTCCATATGGCGTCTATGGACAAAG−3’ (SEQ ID NO.:8)
【0064】
ヒポモナスネプチュニウム由来のトランスアミナーゼ遺伝子に基づいて設計した特異性プライマーは以下のとおりである:
taHN A: 5’−CCGCTCGAGCGGTGCATAGGTTACCGGTTC−3’ (SEQ ID NO.:9)
taHN S:5’−GGAATTCCATATGCTGACCTTCCAAAAAGTACTGAC−3’ (SEQ ID NO.:10)
【0065】
同時に異なる位に基づいて6対のプライマーを設計した:
CM31A:5’−GAACTTCAGACCGCGGGTGACAATCAG−3’ (SEQ ID NO.:11)
CM31S:5’− CACCCGCGGTCTGAAGTTCCTGC −3’ (SEQ ID NO.:12)
CM32A:5’− CGGCGGAACACGACGAACGGTACG −3’ (SEQ ID NO.:13)
CM32S:5’− TTCGTCGTACTCCGCCGGGCGCAC −3’(SEQ ID NO.:14)
CM33A:5’− TAGCCTGCGCCCTCGGTCAGGTGAG −3’ (SEQ ID NO.:15)
CM33S:5’− GACCGAGGGCGCAGGCTACAATATC −3’ (SEQ ID NO.:16)
CM34A:5’− CCCTTCAGACCACGCGTAACGATGATC −3’ (SEQ ID NO.:17)
CM34S:5’− TTACGCGTGGTCTGAAGGGTGTGCGTG −3’ (SEQ ID NO.:18)
CM35A:5’− CCAGGCGGAGTACGACGTACAGTACGAG −3’ (SEQ ID NO.:19)
CM35S:5’− TACGTCGTGTTCCGCCTGGCGCAATC −3’ (SEQ ID NO.:20)
CM36A:5’− GCCGCTGCCTTCCGTCGCGTTACC −3’ (SEQ ID NO.:21)
CM36S:5’− GACGGAAGGCAGCGGCTTCAACATC −3’ (SEQ ID NO.:22)
【0066】
(3)新規のトランスアミナーゼの取得:
アスペルギルス・テレウス由来のトランスアミナーゼ遺伝子に基づいて設計した特異性プライマーtaAT S(順方向プライマー)と上記6対のプライマーの中の三つの逆方向プライマー(CM31A、CM32A、CM33A)の中のいづれか一つの逆方向プライマーとを組み合せし、アスペルギルス・テレウス由来のトランスアミナーゼ遺伝子の破片を拡張し、又は、taHN A(逆方向プライマー)と上記6対のプライマーの中の三つの順方向プライマー(CM36S、CM35S、CM34S)の中的いづれか一つとを組み合せして、ヒポモナスネプチュニウム由来のトランスアミナーゼ遺伝子の破片を拡張した。その後、上記拡張して得た出所の異なる二つの破片を整合させて、改善されたトランスアミナーゼ遺伝子を得た。
【0067】
同様に、アスペルギルス・テレウス由来のトランスアミナーゼ遺伝子に基づいて設計した特異性プライマーtaAT A(逆方向プライマー)と上記6対のプライマーの中の三つの順方向プライマー(CM33S、CM32S、CM31S)の中のいづれか一つの順方向プライマーとを組み合せして、アスペルギルス・テレウス由来のトランスアミナーゼ遺伝子の破片を拡張し、又は、taHN S(順方向プライマー)と上記6対のプライマーの中の三つの逆方向プライマー(CM34A、CM35A、CM36A)の中のいずれか一つとを組み合わせして、ヒポモナスネプチュニウム由来のトランスアミナーゼ遺伝子の破片を拡張した。その後、上記拡張して得た出所の異なる二つの破片を整合させて、改善されたトランスアミナーゼ遺伝子を得た。
【0068】
具体的な改善ステップを、taAT S順方向プライマーとCM33A逆方向プライマーにより拡張された破片とtaHN A逆方向プライマーとCM33S順方向プライマーにより拡張された破片とを整合して得たトランスアミナーゼ及びtaAT S順方向プライマーとCM32A逆方向プライマーにより拡張された破片とtaHN A逆方向プライマーとCM32S順方向プライマーにより拡張された破片とを整合して得たトランスアミナーゼを例に詳しく説明する。
【0069】
以下はトランスアミナーゼAH−TACM33を取得するプロセスである:
(1)破片Aの取得:上記回収破片taATをPCR 鋳型とし、taAT SとCM33Aをプライマーとして、PCR 拡張を行って、産物をゲル回収して純化すると、破片Aである。
【0070】
(2)破片Bの取得:上記回収破片taHNをPCR 鋳型とし、taHN AとCM33Sをプライマーとして、PCR 拡張を行って、産物をゲル回収して純化すると、破片Bである。
【0071】
(3)破片CM33の取得:上記取得した破片Aと破片Bをそれぞれ鋳型及びプライマーとし、PCR 拡張を5個循環行った後、直接にPCR体系にプライマーtaAT SとtaHN Aを添加し、PCR拡張を重ねて、産物をゲル回収して純化すると、破片CM33である。
PCR体系:破片A 1μL、破片B 1μL、PCR MIX 5μL、ddH2O 4.5μL;
PCR プログラム:95℃ 3min;(95℃ 30s、57℃ 30s、72℃ 90s、5個循環);72℃ 1min;
体系にプライマーtaAT SとtaHN Aをそれぞれ 0.2μL添加する。
PCR プログラム:95℃ 3min;(95℃ 30s、57℃ 30s、72℃ 90s、30個循環);72℃ 10min。
【0072】
(4)組換えプラスミドpET22b−CM33の取得:NdeIとXhoIを用いて、上記破片CM33とpET−22b(+)とを同時に酵素消化を行って、T4 DNA接続酵素で接続反応させ、接続産物を大腸菌DH5α菌株の受容性細胞に形質転換し、振分盤による復活を経て、アンピシリンを最終濃度50μg/mL含有するLBペトリ皿に塗布し、37℃の培養器で一夜培養する。上記ペトリ皿上のシングルコロニーを選択してアンピシリンを最終濃度50μg/mL含有するLB液体培養基質に接種し、37℃、180r/minで一夜振動培養し、プラスミドを抽出し、PCR と酵素消化認定を行って、酵素消化認定結果は
図3に示す。
【0073】
図3はpET22b−CM33プラスミドをNdeI酵素とXhoI酵素との二つの酵素消化を経た後の認定結果を示す図で、1はpET22b空きベクターを表し、2はDNA分子サイズマークを表し(上から下へそれぞれ、10000bp、8000bp、6000bp、5000bp、4000bp、3500bp、3000bp、2500bp、2000bp、1500bp、1000bp、750bp、500bp、250bp)、3はpET22b−CM33−DH5αを表す。
図3に示すように、酵素消化後の破片サイズが1000bp程度である比較的に弱いストライプが目標破片であって(目標破片を切り出した後のプラスミドストライプは比較的に強い)、これにより、組換えプラスミドpET22b−CM33の挿入配列の挿入方向及びサイズは正確であることを確定することができ。
【0074】
(5)BL21/pET22b−CM33の取得:上記取得した組換えプラスミドpET22b−CM33を直接に大腸菌BL21(DE3)に形質転換し、振分盤による復活を経てアンピシリンを最終濃度50μg/mL含有するLBペトリ皿に塗布し、37℃で一夜培養する。上記ペトリ皿中のシングルコロニーを選択してアンピシリンを最終濃度50μg/mL含有するLB液体培養基質5mLに接種し、37℃、180r/min で一夜培養する。菌液を生工生物工程(上海)有限会社に持っていて測定し、遺伝子番号の測定を経て正確と検定された後、BL21/pET22b−CM33と命名した。
【0075】
ここで、番号の測定結果を
図4に示した。
図4に示すように、番号測定の結果においてBL21/pET22b−CM33プラスミドが含む遺伝子配列は予期したものと完全に一致し、突然変異した塩基はなかった。番号測定を経て正確であると検定されると、該組換えプラスミドが目標プラスミド配列である。
【0076】
(6)AH−TACM33トランスアミナーゼの製造:上記BL21/pET22b−CM33菌液をアンピシリンを最終濃度50μg/mL含有するLB液体培養基質に接種し、37℃、180r/minで、OD600値が0.6〜0.8になるまで振動培養し、最終濃度が0.2mMになるまでIPTGを添加し、培養液を25℃にして誘導発現し、16h誘導した後、菌液を取り出し、12000r/minで10min遠心処理して菌体を得た。菌体を細胞破砕し、4℃、12000r/minで、20min遠心処理を経て、上澄みを取得し、それが製造されたトランスアミナーゼAH−TACM33であって、そのアミノ酸配列はSEQ ID NO.:4に示すとおりで、対応するヌクレオチド配列はSEQ ID NO.: 3に示すとおりであった。
【0077】
実施例2:AH−TACM33トランスアミナーゼの活性テスト1
反応瓶に1g主原料(
N−Boc−3−ピペリドン、CAS:98977−36−7)と1mL ジメチルスルホキシドを投入し、原料を分散させた後、50mL 0.2mol/Lの氷浴条件で濃い塩酸でpHを9.3〜9.5まで調節したトリエタノールアミン緩衝液、0.765g イソプロピルアミン、0.01gピリドキサールリン酸、0.01g上記AH−TACM33トランスアミナーゼを添加し、体系のpHは9.5で、30℃の恒温で12h攪拌した。体系のpHを2N NaOHを用いて10以上に調節し、酢酸エチルを利用して二回抽出し、有機相を乾燥、ろ過、濃縮して粗生成物を得て(中国語名称:(R)−1−N−Boc−3−アミノ基ピペリジン、CAS:188111−79−7)、ガスクロマトグラフィー(GC)検定の結果、形質転換率は90%で、e.e値は100%であった。
得られた製品の核磁気データは、1H−NMR(300 MHz、CDCl3)δ 4.00−3.78(m,2h)、3.80(m,2h)、3.60(m,1H)、1.90(m,1H)、1.70(m,1H)、1.60−1.40(m,12H)、1.30(m,1H)ppmである。
【0078】
得られた製品の核磁気データは、1H−NMR(300 MHz、CDCl3)δ 4.00−3.78(m,2h)、3.80(m,2h)、3.60(m,1H)、1.90(m,1H)、1.70(m,1H)、1.60−1.40(m,12H)、1.30(m,1H)ppmである。
【0079】
実施例3:AH−TACM33トランスアミナーゼの活性テスト2
反応瓶に0.1g主原料(2,4−ジクロロアセトフェノン、CAS: 2234−16−4)と1.5 mLポリエチレングリコールPEG−400を投入し、原料を分散させた後、23.5mLリン酸塩緩衝液(pH8.0)、0.031 gイソプロピルアミン、0.0075gピリドキサールリン酸、0.02g 上記AH−TACM33トランスアミナーゼを添加し、体系のpHは8.0で、45℃の恒温で20h攪拌した。体系のpHを2N NaOHを利用して10以上に調節し、酢酸エチルを利用して二回抽出し、有機相を乾燥、ろ過、濃縮して粗生成物(
[(R)−(+)−1−(2,4−ジクロロフェニル)エチル]アミン、CAS:133773−29−2)を得て、GC検定の結果、形質転換率は82%で、e.e値は100%であった。
【0080】
得られた製品の核磁気データは、1H NMR(400 MHz,DMSO D6):δ=7.67(d 1H)、7.60(d,1H)、7.47(dd,1H)、7.34(dd,4H)、7.23−7.12(m,6H)、4.84(s,1H)、4.47(quartet,1H)、1.31(d,3H)である。
【0081】
実施例4:アスペルギルス・テレウスとヒポモナスネプチュニウム由来のトランスアミナーゼAH−TACM32の製造
本発明のトランスアミナーゼAH−TACM32の製造方法は以下の工程を含む。
【0082】
(1)鋳型の構築:
実施例1に記載の方法に従って組換えプラスミドpUC57−taAT とpUC57−taHNを取得した。NdeIとXhoI制限性エンドヌクレアーゼを利用して、組換えプラスミドpUC57−taATとpUC57−taHNとを同時に酵素消化を行って、ゲル回収し純化して、回収破片taATとtaHNを得て、次のPCRの鋳型とした。
【0083】
(2)プライマーの設計:
実施例1と同じである。
【0084】
(3)新規のトランスアミナーゼの取得:
(1)破片Eの取得:上記回収破片taATをPCR 鋳型とし、taAT SとCM32Aをプライマーとし、PCR 拡張を行って、産物をゲル回収して純化すると、破片Eである。
【0085】
(2)破片Fの取得:上記回収破片taHNをPCR 鋳型とし、taHN AとCM32Sをプライマーとし、PCR 拡張を行って、産物をゲル回収して純化すると、破片Fである。
【0086】
(3)破片CM32の取得:上記取得した破片Eと破片Fをそれぞれ鋳型及びプライマーとし、PCR拡張を5個循環を行った後、直接にPCR体系にプライマーtaAT SとtaHN Aを添加し、PCR拡張を重ねて、産物をゲル回収して純化すると、破片CM32である。
【0087】
(4)組換えプラスミドpET22b−CM32の取得:NdeIとXhoIを利用して、上記破片CM32とpET−22b(+)とを同時に酵素消化を行って、T4 DNA接続酵素で接続反応させ、接続産物を大腸菌DH5α菌株の受容性細胞に形質転換し、振分盤による復活を経て、アンピシリンを最終濃度50μg/mL含有するLBペトリ皿に塗布し、37℃の培養器で一夜培養する。上記ペトリ皿上のシングルコロニーを選択してアンピシリンを最終濃度50μg/mL含有するLB液体培養基質に接種し、37℃、180r/minで一夜振動培養し、プラスミドを抽出し、PCRと酵素消化認定を行って、酵素消化認定結果は
図5に示す。
【0088】
図5はpET22b−CM32プラスミドをNdeI酵素とXhoI酵素との二つの酵素消化を経た後の認定結果を示す図で、1はDNA分子サイズマークを表し(上から下へそれぞれ、10000bp、8000bp、6000bp、5000bp、4000bp、3500bp、3000bp、2500bp、2000bp、1500bp、1000bp、750bp、500bp、250bp)、2はpET22b−CM32−DH5αを表し、3はpET22b空きベクターを表す。
【0089】
図5に示すように、制限酵素消化後の破片サイズが1000bp程度である比較的に弱いストライプが目標破片であって(目標破片を切り出した後のプラスミドストライプは比較的に強い)、これにより、組換えプラスミドpET22b−CM32の挿入配列の挿入方向及びサイズは正確であることを確定することができ、組換えプラスミドpET22b−CM32を取得できる。
【0090】
(5)BL21/pET22b−CM32の取得:上記取得した組換えプラスミドpET22b−CM32を直接に大腸菌BL21(DE3)に形質転換し、振分盤による復活を経てアンピシリンを最終濃度50μg/mL含有するLBペトリ皿に塗布し、37℃で一夜培養する。上記ペトリ皿中のシングルコロニーを選択してアンピシリンを最終濃度50μg/mL含有するLB液体培養基質5mLに接種し、37℃、180r/min で一夜培養する。菌液を生工生物工程(上海)有限会社に持っていて番号測定し、遺伝子の番号測定を経て正確と検定された後、BL21/pET22b−CM32と命名した。
【0091】
ここで、番号測定結果を
図6に示した。
図6に示すように、番号測定の結果においてBL21/pET22b−CM32プラスミドが含む遺伝子配列は予期したものと完全に一致し、突然変異した塩基はなかった。番号測定を経て正確であると検定されると、該組換えプラスミドが目標プラスミド配列である。
【0092】
(6)AH−TACM32トランスアミナーゼの製造:上記BL21/pET22b−CM32菌液をアンピシリンを最終濃度50μg/mL含有するLB液体培養基質に接種し、37℃、180r/minで、OD600値が0.6〜0.8になるまで振動培養し、最終濃度が0.2mMになるまでIPTGを添加し、培養液を25℃にして誘導発現し、16h誘導した後、菌液を取り出し、12000r/minで10min遠心処理して菌体を得た。菌体を細胞破砕し、4℃、12000r/minで、20min遠心処理を経て、上澄みを取得し、それが製造されたトランスアミナーゼAH−TACM32であって、そのアミノ酸配列はSEQ ID NO.:2に示すとおりで、対応するヌクレオチド配列はSEQ ID NO.: 1に示すとおりであった。
【0093】
実施例5:AH−TACM32トランスアミナーゼの活性テスト
反応瓶に0.1g主原料(2−アセトナフトン、CAS:93−08−3)と1mLポリエチレングリコールPEG−400を投入し、原料を分散させた後、24mLリン酸塩緩衝液(pHが7.0)、0.17gイソプロピルアミン、0.01gピリドキサールリン酸、0.004g上記AH−TACM32トランスアミナーゼを添加し、体系のpHは7.0で、20℃の恒温で48h攪拌した。体系のpHを2N NaOHを利用して10以上に調節し、酢酸エチルを利用して二回抽出し、有機相を乾燥、ろ過、濃縮して粗生成物
(((R)−(+)−1−(2−ナフチル)エチルアミン、CAS:3906−16−9)を得て、GC検定の結果、形質転換率は20%で、e.e値は100%であった。
【0094】
得られた製品の核磁気データは、1H NMR(400 MHz,CDCl3)δ7.86−7.76(m,4H)、7.52−7.41 (m,3H)、4.29(q,J = 6.4 Hz,1H)、1.74(br s,2H)、1.48(d,J = 6.4 Hz,3H)である。
【0095】
本発明において、主原料で(2−アセトナフトン、CAS:93−08−3)トランスアミナーゼAH−TACM33のトランスアミナーゼ活性をテストし、主原料(
N−Boc−3−ピペリドン、CAS:98977−36−7)と主原料(2,4−ジクロロアセトフェノン、CAS: 2234−16−4)でトランスアミナーゼAH−TACM32のトランスアミナーゼ活性をテストし、具体的な方法は上記実施例と同じである。
【0096】
実施例6
アミノ酸配列がSEQ ID NO.:2であるトランスアミナーゼであるAH−TACM32を基に、該トランスアミナーゼを第38位のロイシンに突然変異させて、ロイシンをイソロイシンに置換して、配列がSEQ ID NO.:25であるトランスアミナーゼを得た。
【0097】
該トランスアミナーゼに酵素活性テストを行って検定し、検定工程は以下のようである:
突然変異体菌液をアンピシリンを最終濃度50μg/mL含有するLB液体培養基質100mLに接種し、37℃、180r/minで、OD600値が0.6〜0.8になるまで振動培養し、最終濃度が0.2mMになるまでIPTGを添加し、培養液を25℃にして誘導発現し、同時に、IPTG誘導剤を添加していない培養液を陰性対照とした。16h誘導した後、菌液を取り出して、12000r/minで、5min遠心処理して菌体を収集した。0.5gの菌体を計って再懸濁させ2.5mL 0.1Mリン酸塩緩衝液(pH8.0)菌体と超音波破砕器で細胞破砕し、超音波パラメータはプローブ直径が6mmで、出力が200Wで、2s動作し、6s間欠的に休憩し、合計で10min行って、超音波処理後に4℃、12000r/minで、20min遠心処理して超音波上澄みと沈殿物を得て、上澄みは酵素活性のテスト反応へ用いた。
【0098】
反応瓶に0.1g主原料(アセトフェノン、CAS:98−86−2)を投入して、原料を13.5mL 0.1M リン酸塩緩衝液(pH8.0)と、0.356g D−アラニンと、0.002g β−NAD+と、0.0192g 乳酸脱水素酵素と、0.006g グルコース脱水素酵素と、0.432 グルコースと、0.004g ピリドキサールリン酸と、2.5mL 配列がSEQ ID NO.:25であるR体Ω−トランスアミナーゼとに分散させ、体系のpHは7.0で、30℃の恒温で16h攪拌した。体系のpHを2N NaOHを利用して10以上に調節し、酢酸エチルを利用して二回抽出し、有機相を乾燥、ろ過、濃縮して粗生成物 (中国語名称:(R)−1−フェネチルアミン,CAS:3886−69−9)を得て、ガスクロマトグラフィー(GC)検定の結果、形質転換率は83%で、e.e値は99.5%であった。
【0099】
得られた製品の核磁気データは、1H NMR (CDCl3,400 MHz,300 K)δ (ppm):7.36−7.29(m,4H)、7.26−7.19(m,1H)、4.11(q,J=6.6 Hz,1H)、1.53 (bs,2h)、1.38(d,J=6.6 Hz,3H)である。
【0100】
当該結果から分かるように、本発明の上記実施例中のトランスアミナーゼによると、いずれも類似する収率及び鏡像体の純度を得られ、対応するR体キラルアミンを得ることができる。
【0101】
上述のように、本発明の上記実施例によると、以下のような技術効果を実現できる:本発明に開示された新規のトランスアミナーゼは、アミノ基供与体の中のアミノ基がプロキラルケトン又はアルデヒド系へ移転することを触媒し、対応するR体のキラルアミンを生成する。本発明の新規のトランスアミナーゼの合成方法によると高純度の目標産物が得られ、得られた製品の光学純度は98%以上に安定することになる。上述した合成方法に用いられる原料は容易に入手できるものであって、方法は簡単で、化学反応の条件は温和であって、収率及び鏡像体の純度も高く、生産全般において操作が簡単で、実行可能なものであって且つ汚染の低い合成工程で、キラルアミンの製造のために新しいルート及び方法を提供した。
【0102】
以上は、本発明の好適な実施例に過ぎず、本発明を限定するものではない。当業者であれば本発明に様々な修正や変形が可能である。本発明の精神や原則内での如何なる修正、置換、改良などは本発明の保護範囲内に含まれる。