【実施例】
【0056】
実施例1−合成及び基本配合
IDA−AGEモノマーの合成−「ACM1」
(エチレン性不飽和アミノカルボン酸塩モノマー)
磁気撹拌棒及び添加漏斗を備えた1Lの丸底フラスコに、211.7gのイミノ二酢酸(IDA)溶液(20.0)%活性を投入した。溶液を水浴中に置き、最低300rpmで撹拌するように設定し、35℃に加熱した。この間、27.3グラムのアリルグリシジルエーテル(AGE)を添加漏斗に投入した。撹拌中の反応物にAGEを20〜30分にわたって滴下した。完了したとき、この混合物を、反応物が2相から単相に転移するまで35℃で撹拌させ、これは30〜60分の保持時間を必要とした。これは目視観察によって決定され、完了前に反応物は曇っており、撹拌が終了すると2つの別個の相に分離するものであった。完了すると、反応物は、透明な黄色の溶液であることが観察され、これは撹拌が終了すると安定した。この段階で、生成物は、pH12及び29.84重量%のIDA−AGEの活性レベルの黄色の溶液である。この溶液は、周囲条件下の貯蔵に安定しており、そのものとして使用され得る。
【0057】
ポリマーI
ポリ−(AA/IDA−AGE)の合成
機械撹拌器、加熱マントル、熱電対、冷却器、ならびにモノマー、開始剤、及び連鎖移動剤(CTA)の添加のための入口を備えた3リットルの丸底フラスコに、113.1グラムの29.84%のIDA−AGE及び15グラムの脱イオン水を投入した。混合物を撹拌するように設定し、78℃(+/−2℃)に加熱した。その間に、191.25グラムの氷アクリル酸のモノマー溶液を、フラスコに添加するためにメスシリンダーに添加した。6.0グラムの過硫酸ナトリウムの開始剤溶液を、50グラムの脱イオン水中に溶解させ、ケトルに添加するためにシリンジに添加した。150グラムの脱イオン水中に溶解した51.75グラムの二亜硫酸ナトリウムの連鎖移動剤(CTA)溶液を、ケトルに添加するためにシリンジに添加した。
【0058】
一旦、ケトルの内容物が78℃の反応温度に達したら、モノマー、開始剤、及びCTAの溶解を開始した。モノマー供給物を90分にわたって添加し、CTA共供給物(cofeed)を80分にわたって添加し、開始剤共供給物を95分にわたって78℃で添加した。
【0059】
供給の完了時に、濯ぎとしてモノマー供給槽に15グラムの脱イオン水を添加した。反応を78℃で15分間保持した。その間に、0.87グラムの過硫酸ナトリウム及び25グラムの脱イオン水の2つのチェイサー溶液を混合し、取っておいた。
【0060】
保持の完了時に、上記の溶液を10分にわたって直線的に添加し、78℃で20分間保持した。チェイサー溶液の調製を繰り返し、10分にわたってケトルに添加し、続いて20分間保持した。
【0061】
最終の保持の完了時に、30グラムの脱イオン水の添加とともに冷却を開始した。50℃以下で、192.8グラムの50%の水酸化ナトリウムの溶液を添加漏斗に添加し、ケトルに緩徐に添加し、発熱を制御して温度を65℃未満に保った。最後に、35%の過酸化水素の7.5グラムの捕捉剤溶液をケトルに加えた。
【0062】
次いで、反応生成物を冷却し、パッケージ化した。
【0063】
最終のポリマーIは、(60分間150℃で、強制通風炉内で測定されたときに)40.17%の固形分を有した。溶液のpHは7.19であり、ゲル浸透クロマトグラフィーによって測定されたときの最終分子量は7,249ダルトンであった。
【0064】
ポリマーII
ポリ−(AA/AMPS/IDA−AGE)の合成
機械撹拌器、加熱マントル、熱電対、冷却器、ならびにモノマー、開始剤、及び連鎖移動剤(CTA)の添加のための入口を備えた3リットルの丸底フラスコに、53.69グラムの37.72%のIDA−AGE及び127.5グラムの脱イオン水を投入した。混合物を撹拌するように設定し、78℃(+/−2℃)に加熱した。その間に、148.5グラムの氷アクリル酸及び112.5グラムのAMPSのモノマー溶液を、フラスコに添加するためにメスシリンダーに添加した。5.0グラムの過硫酸ナトリウムの開始剤溶液を、45グラムの脱イオン水中に溶解させ、ケトルに添加するためにシリンジに添加した。100グラムの脱イオン水中に溶解した31.5グラムの二亜硫酸ナトリウムの連鎖移動剤溶液を、ケトルに添加するためにシリンジに添加した。
【0065】
一旦、ケトルの内容物が78℃の反応温度に達したら、モノマー、開始剤、及びCTAの溶解を開始した。モノマー供給物を90分にわたって添加し、CTA共供給物(cofeed)を80分にわたって添加し、開始剤共供給物を95分にわたって78℃で添加した。
【0066】
供給の完了時に、濯ぎとしてモノマー供給槽に20グラムの脱イオン水を添加した。反応を78℃で15分間保持した。その間に、0.87グラムの過硫酸ナトリウム及び16.75グラムの脱イオン水の2つのチェイサー溶液を混合し、取っておいた。
【0067】
保持の完了時に、上記の溶液を10分にわたって直線的に添加し、78℃で20分間保持した。チェイサー溶液の調製を繰り返し、10分にわたってケトルに添加し、続いて20分間保持した。
【0068】
最終の保持の完了時に、50グラムの脱イオン水の添加とともに冷却を開始した。50℃以下で、153.4グラムの50%の水酸化ナトリウムの溶液を添加漏斗に添加し、ケトルに緩徐に添加し、発熱を制御して温度を65℃未満に保った。最後に、35%の過酸化水素の7.3グラムの捕捉剤溶液をケトルに添加した。
【0069】
次いで、反応生成物を冷却し、パッケージ化した。
【0070】
最終のポリマーIIは、(60分間150℃で、強制通風炉内で測定されたときに)35.31%の固形分を有した。溶液のpHは7.52であり、ゲル浸透クロマトグラフィーによって測定されたときの最終分子量は24,580ダルトンであった。
【0071】
ポリマーIII
ポリ−(AA/IDA−AGE)の合成
59.65グラムの37.72%のIDA−AGE及び202.5グラムの氷アクリル酸のモノマー溶液を使用したことを除いて、上記のポリマーIを調製するために使用した手順に従った。
【0072】
最終のポリマーIIIは、(60分間150℃で、強制通風炉内で測定されたときに)39.42%の固形分を有した。溶液のpHは7.45であり、ゲル浸透クロマトグラフィーによって測定された最終の分子量は5,663ダルトンであった。
【0073】
ポリマーIV
ポリ−(AA/IDA−AGE)の合成
89.5グラムの29.84%のIDA−AGE及び191.25グラムの氷アクリル酸のモノマー溶液を使用したことを除いて、上記のポリマーIを調製するために使用した手順に従った。
【0074】
最終のポリマーIVは、(60分間150℃で、強制通風炉内で測定されたときに)39.63%の固形分を有した。溶液のpHは7.05であり、ゲル浸透クロマトグラフィーによって測定された最終の分子量は5,905ダルトンであった。
【0075】
ポリマーV
ポリ−(AA/IDA−AGE)の合成
119.3グラムの29.84%のIDA−AGE及び180グラムの氷アクリル酸のモノマー溶液を使用したことを除いて、上記のポリマーIを調製するために使用した手順に従った。
【0076】
最終のポリマーVは、(60分間150℃で、強制通風炉内で測定されたときに)38.91%の固形分を有した。溶液のpHは7.08であり、ゲル浸透クロマトグラフィーによって測定された最終の分子量は8,038ダルトンであった。
【0077】
ポリマーVI
ポリ−(AA/IDA−AGE)ホスフィノ末端基の合成
機械撹拌器、加熱マントル、熱電対、冷却器、ならびにモノマー、開始剤、及び連鎖移動剤の添加のための入口を備えた3リットルの丸底フラスコに、75.4グラムの29.84%のIDA−AGE及び15グラムの脱イオン水を投入した。混合物を撹拌するように設定し、92℃(+/−2℃)に加熱した。その間に、202.5グラムの氷アクリル酸のモノマー溶液を、フラスコに添加するためにメスシリンダーに添加した。5.0グラムの過硫酸ナトリウムの開始剤溶液を、45グラムの脱イオン水中に溶解させ、ケトルに添加するためにシリンジに添加した。75グラムの脱イオン水中に溶解した17.94グラムの次亜リン酸ナトリウムの連鎖移動剤溶液を、ケトルに添加するためにシリンジに添加した。
【0078】
一旦、ケトルの内容物が92℃の反応温度に達したら、モノマー、開始剤、及びCTAの溶解を開始した。モノマー供給物を90分にわたって添加し、CTA共供給物(cofeed)を80分にわたって添加し、開始剤共供給物を95分にわたって92℃で添加した。
【0079】
供給の完了時に、濯ぎとしてモノマー供給槽に15グラムの脱イオン水を添加した。反応を92℃で15分間保持した。その間に、0.87グラムの過硫酸ナトリウム及び25グラムの脱イオン水の2つのチェイサー溶液を混合し、取っておいた。
【0080】
保持の完了時に、上記の溶液を10分にわたって直線的に添加し、92℃で20分間保持した。チェイサー溶液の調製を繰り返し、10分にわたってケトルに添加し、続いて20分間保持した。
【0081】
最終の保持の完了時に、30グラムの脱イオン水の添加とともに冷却を開始した。50℃以下で、208.5グラムの50%の水酸化ナトリウムの溶液を添加漏斗に添加し、ケトルに緩徐に添加し、発熱を制御して温度を65℃未満に保った。次いで、反応生成物を冷却し、パッケージ化した。
【0082】
最終のポリマーVIは、(60分間150℃で、強制通風炉内で測定されたときに)36.85%の固形分を有した。溶液のpHは7.38であり、ゲル浸透クロマトグラフィーによって測定された最終の分子量は6,011ダルトンであった。
【0083】
【表1】
【0084】
基本配合A、B、及びCを調製し、次いで、試験をされかつ以下にさらに詳細に記載される例示的なADW洗剤配合物を配合するために使用した。基本配合A、B、及びCの組成を表2に列挙する。
【0085】
【表2】
【0086】
実施例2−ADW洗剤配合中の分散剤ポリマーの性能
本発明に従う様々なポリマーのそれぞれを含有する自動食器洗浄用洗剤の膜形成及び斑形成性能を判定するために、基本配合A、B、及びCにおいて異なる分散剤ポリマー及びそれらの量を有する、いくつかのADW配合物を調製し、各試料ADW配合物を使用して、以下の条件下で、自動食器洗浄機でガラスを洗浄した。
機械:Miele G1222SC Labor
プログラム:予洗浄、65℃での主洗浄
水の硬度:37.5°fH、Ca/Mg比3/1、HCO3硬度=25°fH
洗剤用量は、洗浄1回当たり20グラムである
【0087】
第3、第5、第10、そしていくつかの場合では第15のサイクル後に、ガラスを取り出す。暗明箱内で目視観察によってガラスを評価し、膜形成及び斑形成について等級付けする。
【0088】
膜形成性能は、訓練された試験員によって査定され、綿手袋を用いて取り扱われる。機械的食器洗浄中のガラス製品上の沈着についてのASTM D3556標準試験法(名称D3556−85、2009年再認可)に従い、光チャンバ内における以下に所定される点数化システムに従って、評価を行う。
1は、最良であり、斑形成がなく、膜形成がなく、
2は、無秩序な斑、及び辛うじて知覚可能な膜形成であり、
3は、表面の約4分の1が斑状であり、わずかな膜があり、
4は、表面の約2分の1が斑状であり、中度の膜があり、
5は、斑及び重度の膜で実質上完全に覆われている)。
【0089】
各運転は、主洗浄中に添加される50グラムの冷凍バラスト(IKWソイル、Industrieverband Korperpflege und Waschmittel e.V.、内容物%:マーガリン(10.0)、牛乳(低温殺菌、脂肪分3.5%)(5.0)、卵黄(9.4)、安息香酸(0.1)、ジャガイモデンプン(0.5)、マスタード(2.5)、ケチャップ(2.5)、水(70.0))の存在下で行われる。
【0090】
基本配合A中の分散剤の性能
各場合において、基本配合Aに以下の表3に示される2.5重量%の分散剤ポリマーを添加することによって、ADW洗剤配合物A1、A2、A3、及びA4を生成した。配合物A1〜A4のそれぞれの沈着の点数化の結果も、以下の表3に提供する。
【0091】
【表3】
【0092】
基本配合B中の分散剤の性能
各場合において、基本配合Bに以下の表4に示される5重量%の分散剤ポリマーを添加することによって、ADW洗剤配合物B1、B2、及びB3を生成した。配合物B1、B2、及びB3のそれぞれの沈着の点数化の結果も、以下の表4に提供する。
【0093】
【表4】
【0094】
基本配合C中の分散剤の性能
各場合において、基本配合Cに以下の表5に示される5重量%の分散剤ポリマーを添加することによって、ADW洗剤配合物C1、C2、及びC3を生成した。配合物C1、C2、及びC3のそれぞれの沈着の点数化の結果も、以下の表5に提供する。
【0095】
【表5】