【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明によると、特に包装材を滅菌することを目的とする滅菌デバイスは、筐体と、バリア要素とを備え、筐体は、少なくとも1つの第1のチャンバを備え、第1のチャンバは、滅菌するために電荷キャリアを提供するように適合されており、筐体が第3のチャンバに接続されることで、バリア要素が、第1の大気が存在する空間の境界の少なくとも一部を形成することを特徴とする。1つまたは複数の実施形態によると、第1のチャンバは、特に包装容器のために電荷キャリアを生成するための手段を備える。電荷キャリアは、単一のまたは複数の高圧電子ビームをそれぞれ形成する高圧電子である。このような包装容器は、液体、半液体および/または固体媒体に対して使用することができる。それらは、例えば食品産業または医療または生物学の分野で(生物学的および医療用物質を搬送および保護する目的で)使用することができる。しかしながら滅菌デバイスはまた、例えば医療用または生物学的デバイスなどのデバイスあるいは食品などの滅菌に使用される場合もある。第3のチャンバの1つの主な目的は、第1のチャンバ内の電子生成器のために電力を提供することである。換言すると第3のチャンバは好ましくは、電力を提供するための手段、例えば高圧電源ユニットを備える。バリア要素は、第1のチャンバを前記筐体の範囲内に制限する、またはその範囲を限定する。詳細には、バリア要素は、第1のチャンバ内で第2の大気を保護する。一方バリア要素は、第1の大気が存在する空間の境界の少なくとも一部を形成する。これは、第1のチャンバ内と空間内に異なる大気を提供することができることを意味している。バリア要素は、気密である。
【0006】
その結果、第1のチャンバ内の大気は、電子を生成するように適合させることができ、(第1のチャンバのために)電力を生成するための手段を備える空間内の大気は、しかるべき要件に理想的に適合させることができる。その結果、例えば空間内部の電気部品に関する理想の条件を実現することができる。有利には、バリア要素は、空間の境界の少なくとも一部を形成する。バリア要素はこのとき、第1の大気と第2の大気の間に配置される。
【0007】
筐体と第3のチャンバの間の接続を実現するために、筐体は、しかるべき接続範囲を備える。同様に第3のチャンバもまた好ましくは、筐体の接続範囲に一致するしかるべき接続範囲を備える。1つまたは複数の実施形態によると、これらの接続範囲は、互いの間に形態一致接続および/または圧力一致接続を実現するように適合される。換言すると、第3のチャンバは、筐体の接続範囲に一致する1つまたは複数の接続範囲を備える。1つまたは複数の実施形態によると、これらの接続範囲はフランジとして形成される。接続部自体に関して、接続要素、例えばボルトまたはねじ(第1の接続要素)などを使用することができる。これは、接続範囲またはフランジがそれぞれ、しかるべき穴(第2の接続要素)を備えることで、第1の接続要素を配置することができることを意味している。代替または追加として少なくとも1つの第1の接続要素は、接続範囲内またはフランジ内にそれぞれ既に統合されている場合もある。これは、接続範囲を互いに対して極めて装着し易くする、または特に第3のチャンバを他の部品から取り外す目的で滅菌デバイスを分解し易くする。
【0008】
接続範囲の断面は、様々な幾何学形状を有することができる。1つまたは複数の実施形態によると、接続範囲は基本的に丸みを帯びており、具体的には基本的に円形である。しかしながら卵形、矩形、正方形または多角形の断面も可能である。有利には、接続範囲は、密閉部材を備え、例えばO-リングまたは密閉材を備えることで第1の大気を筐体の内部で保護し維持することができる。第1の大気中には固有の温度または固有の圧力が存在し得る。詳細には、空間は、第1の大気を特徴付ける固有の媒体によって満たすことができる。便宜上、この大気は、しかるべき要件に理想的に適合される。詳細には、大気は、空間の内部で電力を生成し変換する構成要素を絶縁するように適合されており、それはさらに、筐体または第1のチャンバそれぞれへの電力輸送手段を絶縁するように適合される。有利には、筐体と第3のチャンバは共通の筐体を持たない。代わりにそれらは有利には、それらが接続範囲を介して接続されるために分解することができる。その結果簡単なメンテナンスの実現性を高めることができる。
【0009】
1つまたは複数の実施形態によると、空間は、第3のチャンバによって、または第3のチャンバと、第2のチャンバによって形成される。換言すると空間は第3のチャンバの内部の空間である、または空間は第3のチャンバと、第2のチャンバの内部であり、バリア要素は、空間の境界の少なくとも一部を形成する。1つまたは複数の実施形態によると、第1のチャンバと第3のチャンバの間に第2のチャンバが形成される。これは、バリア要素と筐体の一端の間の偏差によって実現されてよい。第2のチャンバは、筐体の一部または筐体の1つの要素であり、第2のチャンバまたは第1のチャンバは、接続範囲を備えることができる。好ましくは第1および第2のチャンバは、筐体によって形成され、筐体は、1つまたは複数の実施形態によってフランジとして形成される接続範囲を備える。第2のチャンバが設けられる場合、有利には第2および第3のチャンバ内の大気は同一である。換言すると空間は第2および第3のチャンバによって少なくとも一部が形成される。好ましい一実施形態において、第1のチャンバ内の滅菌手段に対して電力を提供するように適合された電源ユニットが第3のチャンバ内に設置される。空間または第3のチャンバはそれぞれ、複数の電源ユニット、または概して電気部品を備えることができることは言うまでもない
【0010】
便宜上、第1のチャンバは電子生成器を備え、電子生成器は、カソードハウジングと、フィラメントとを備える。換言すると、第1のチャンバを備える筐体は、電子ビームエミッターである。以下において好ましい実施形態が記載される。フィラメントは電子を放出し、これにより単一の電子ビームまたは複数の電子ビームを形成するように適合されている。使用する際、フィラメントを加熱することによって電子ビームが生成される。フィラメントを通るように電流を送る際、フィラメントの電気抵抗によってフィラメントを2000℃ほどの温度まで加熱させる。この加熱作用によってフィラメントに電子を放出させる。電子は、カソードハウジングと電子出口窓の間の高圧電位を利用して電子出口窓に向かって加速される。その後、電子は、電子出口窓を通過し、標的範囲、例えば滅菌すべき材料または範囲それぞれに向かって進み続ける。第1のチャンバは、第2の大気、好ましくは真空を含む。第1のチャンバは真空を維持するためにポンプに対して気密式に密閉される、または接続されるかのいずれかであってよい。1つまたは複数の実施形態によると、電子生成器を備える筐体は、(例えば準備が整った)包装容器の内部を滅菌するための電子ビームエミッターである。電子ビームエミッターは、第1のチャンバである真空チャンバ内に封入された電子生成器を備える。真空チャンバには電子出口窓が備わっている。便宜上、真空チャンバは、ほぼ円形の断面を備える2つの円筒形の本体で構成される。円筒形の本体は、共通の長手方向軸を有する。第1の円筒形の本体は、この軸に直交する面内に端部面を有し、電子出口窓が備わっている。電子出口窓は円形であり、端部面の大半にわたって延在している。窓は、例えばチタンなどの金属フォイルで作成することができ、およそ4〜12μmほどの厚さを有することができる。穴を備えた支持構造体が、真空チャンバの内部からフォイルを支持する。支持構造体は、例えばアルミニウムまたは銅で作成される。第1の本体の直径は、例えば準備が整った包装容器の中に挿入するのに十分に小さい。第1の本体の断面は、包装容器の開口を通ってそれを誘導することができるように寸法が決められる。第2の本体には、電子ビーム生成器が備わっており、第2の本体の直径は第1の本体より大きい。
【0011】
1つまたは複数の実施形態において包装材は基本的に管状であり、滅菌デバイスまたは電子ビームエミッターは、管状包装材の開口を介して少なくとも管状包装材の内側の面を滅菌するように適合されている。管状の包装材は、包装容器である。用語「管状の」は、断面の可能性のある形態に関する制限を全く含んでいない。これは、断面が丸みを帯びている、矩形、円形、多角形および/または角度付きであってよく、詳細には基本的に管状の包装材の断面は、軸に沿って一定である必要はない。一般論を限定することなく、基本的に管状の包装材は、以下において「包装容器」と呼ばれることが多い。
【0012】
包装容器の開口は、エミッターの挿入を可能にするように適合されている。包装容器は、開口の反対側のその他端部分において閉鎖されており、それはある軸に沿って延在している。
【0013】
包装容器は例えば、プラスチック材、例えばPETなどで作成することができる、あるいは(薄層を重ねた)ボール紙材で作成される場合もある。後者に関して、一般的なタイプの薄層を重ねたボール紙材は、紙または板紙の中心層と、例えばポリマー材またはアルミニウムフォイルの1つまたは複数のバリア層とを備える。増加しつつある一般的な包装タイプは、上記に記載した包装薄層の包装素材がスリーブとして形成され密閉される、充填機械において製造される「カートンボトル」である。前記スリーブは、一端において閉鎖されており、熱可塑性材の頂部がスリーブの端部部分に直接射出成形される。包装薄層のシートは、包装薄層のマガジンリールから切断されてよい。
【0014】
有利には、包装容器の開口、例えば包装容器の注ぎ口または底部は、電子出口窓を備える電子ビームエミッターの少なくとも一部分が、特に包装容器の内側の面を滅菌するためにそこを通過することができるように十分な大きさである必要がある。1つまたは複数の実施形態において、エミッターは、丸みを帯びていて、詳細には基本的に一定の円形の断面を有する。断面の直径は、およそ5〜100mmの範囲内にある。
【0015】
別の好ましい実施形態において、電子ビームエミッターは、包装容器の外側を滅菌するように適合される。このような包装容器はまた、医療用または生物学的デバイスあるいは食品などの滅菌を目的としたウェブ滅菌に使用することもできる。このような電子ビームエミッターは、細長い管状本体を備える。細長い管状本体の長手方向軸は、電子出口窓の面に対して基本的に平行であり、故に電子ビームがこの窓を出る際、その主たる方向に対して直交している。電子出口窓は、管状本体の内部で真空チャンバからの電子のための出口を提供する。電子出口窓は、電子ビームエミッターの長手方向軸に対して平行な方向にその最も長い延長部を有する略矩形である。電子出口窓は、ほぼ平坦であり、管状本体の周辺面から突出している。電子出口窓は、例えばチタンなどの金属製フォイルで作成することができ、およそ4〜12μmほどの厚さを有することができる。穴を備えた支持構造体が、真空チャンバの内部からフォイルを支持する。支持構造体は、例えばアルミニウムまたは銅で作成される。
【0016】
包装容器の外側の滅菌とは、包装容器の外側の面の滅菌を意味する。例えば外側の滅菌は、上記に挙げたタイプの2つの電子ビームエミッターをそれぞれの電子出口窓が互いに面し、それらの間に隙間を形成するように配置することによって実現されてよい。2つの電子ビームによって生成される電子ビームは互いに重なり合い、隙間を満たす一体化した電子雲を形成する。この隙間は、包装容器内に内容物を充填するための充填ステーションと、包装容器の開口を密閉するための密閉ステーションとを備える無菌区域への入口であってよい。したがって一体化した雲は、少なくともこの進入領域を覆う放射バリアまたは滅菌仕切りを形成する。電子出口窓40の間の距離は、包装容器の半径方向の断面の大きさに合わされ、包装容器がそれらの間を容易に通過することができるようにわずかに大きくなるように維持すべきである。本発明を使用することができる一例の用途は、出願人によって出願された国際出願第PCT/EP2013/076870号に記載されている。上記に記載される外側の滅菌、および先に記載された内側の滅菌の両方が実施されている。
【0017】
1つまたは複数の実施形態において、空間は、絶縁作用を提供するように適合された絶縁材を備え、絶縁材は好ましくは、絶縁流体または気体であり、例えば窒素である。換言すると空間の大気は、絶縁作用を提供する。換言すると第1の大気は絶縁大気である。1つまたは複数の実施形態によると、第2および第3のチャンバは有利には絶縁材によって満たされる。絶縁材は気体、詳細には窒素である。窒素は、それが電気放電を阻止するまたは抑制することが可能な高い絶縁耐力を有するため、極めて優れた絶縁特性を有する誘電気体である。1つまたは複数の実施形態によると、この気体は加圧される。好ましくは絶縁材、詳細には窒素などの気体の圧力は、およそ1.5から3.5バールの範囲内にある。1つまたは複数の実施形態において、この範囲は2から3バールであり、1つまたは複数の実施形態では、この範囲は2.5から3バールである。このことにより絶縁作用を向上させる。便宜上、絶縁材は、電源ユニット(および空間内のその他の電気部品)と、空間の内部の電源ユニットから第1のチャンバまでの電気的な接続部の両方を保護する。1つまたは複数の実施形態によると、第2および/または第3のチャンバは、チャンバを絶縁材によって満たす、または絶縁材を徐々に排出させるように適合された少なくとも1つの弁を備える。絶縁材を排出させることによって、第2および第3のチャンバを容易に分離させ、別々に修理/交換することが可能である。絶縁に関して上記に挙げた特徴は、第2のチャンバの有無に左右されないことは言うまでもない。大気がバリア要素と接触することを確実にするだけで十分である。
【0018】
有利にはバリア要素は、少なくとも1つの接続器、詳細には電気接続器を備える。接続器は、空間と第1のチャンバの間に電気的な接続を形成するように適合されている。バリア要素は、第1のチャンバを空間から隔てるように適合されており、詳細にはそれはしかるべき大気を隔てるように適合されている。しかしながら電気的接続は、第1のチャンバに例えば電力を供給することによって実現される必要がある。接続器は、バリア要素を介して電気的接続を実現するように適合されており、接続器は、1つまたは複数の実施形態によると、その端部部分の各々に少なくとも1つの接続要素を備える。接続要素は、例えばコネクタまたはブッシングまたは複数のそれらの構成要素であってよい。バリア要素を介して電気的接続を実現する要素は、例えばケーブルであってよい。しかしながらこのような機能性はまた、1つまたは複数の接続要素それ自体によって実現される場合もある。接続器はまた、その端部部分にしかるべきコネクタまたはジャックを有する、バリア要素内に統合されたケーブルである場合もある。接続器は、第1のチャンバ内の電子生成器からバリア要素まで、ならびにバリア要素から第3のチャンバ内または空間内の電源ユニットまでそれぞれ便宜上の電気的接続を実現する。バリア要素は空間の境界を形成するため、バリア要素はその大気と接触しており、詳細には絶縁大気と接触している。その結果電気接続器、詳細には空間の側に向けられた1つまたは複数の接続要素もまた、絶縁大気と接触している。よってそれらもまた好ましくは絶縁される。1つまたは複数の実施形態によると、バリア要素は、例えばX線などの放射に対して保護するための手段を備える。詳細には、バリア要素内に鉛または鉛の層をそれぞれ挿入することができ、これらの層は好ましくは基本的に軸に直交して延在する。またその材料はタングステンである場合もある。
【0019】
便宜上、電源ユニットは空間内に設置され、バリア要素と、電源ユニットは電源接続ラインを介して、詳細には可撓性の電源接続ラインを介して相互に接続される。可撓性の電源接続ラインは、ケーブル、または好ましくはある程度可撓性である同様のものであってよい。電源接続ラインは、可撓性である必要はないことは言うまでもない。しかしながらそれによって扱い易くなる可能性がある。1つまたは複数の実施形態によると、バリア要素はコネクタ要素を備え、電源接続ラインは、単一のコネクタ要素(または複数のコネクタ要素)に接続される。バリア要素と、第1のチャンバ内の滅菌用の手段、詳細には電子生成器との間の(電気的な)接続部にも同様のことが適用される。便宜上、空間内に設置される電源接続ラインは、第1の大気、詳細には絶縁大気と接触する、またはそれによって囲まれる。既に述べたように、バリア要素の電気接続器またはその接続要素それぞれにも同様のことが適用される。その結果、第1の大気によって極めて十分な絶縁が実現する。例えば窒素などの気体が使用された場合、空間内の全ての電気部品は十分に絶縁されることを保証することができる。
【0020】
有利には、空間は、バリア要素に対して基本的に平行に延在する放射線遮蔽体を備え、放射線遮蔽体は、少なくとも1つの開口を備えるまたは形成し、この開口は、好ましくはバリア要素に対して平行に延在する。詳細には、放射線遮蔽体がラビリンスシールを形成することで、第3のチャンバ、および詳細には電源ユニットまたは他の電気部品がそれぞれ、エミッターまたは電子によって生じる放射に対して完璧に保護される。詳細には、放射線遮蔽体は、X線の放出またはガンマ線それぞれに対する保護を提供する。放射は、加速された電子が物体にぶつかる際に生じる。電気部品、例えば電源ユニットは、X線から(またはガンマ線など)から保護する必要がある。
【0021】
1つまたは複数の実施形態において、第2のチャンバと、第3のチャンバは、接続範囲において接続可能である。1つまたは複数の別の実施形態において、放射線遮蔽体は、第2のチャンバ内で、接続範囲とバリア要素の間に設けられる。さらに1つまたは複数の実施形態において、放射線遮蔽体は、第3のチャンバ内で、接続範囲と電源ユニットの間に設けられる。
【0022】
しかしながら従来技術において、放射線保護に関して少なくとも電気接続器の範囲が脆弱な地点であるという問題はなおも存在している。有利には、1つまたは複数の実施形態によると、放射線遮蔽体は、バリア要素に対して基本的に直交する偏差を有しバリア要素に対して少なくとも部分的に平行に重なり合う例えば2つ(またはそれ以上の)プレートを備える。このような構成は、開口またはラビリンスシールをそれぞれ形成または生成する。開口はそこを介して電源接続ラインを配置するまたは誘導するのに十分な大きさおよび幾何学形状を有することは言うまでもない。これらプレートが軸に直交して重なるため、x線またはガンマ線が放射線遮蔽体を通過し得る、この軸に沿ったまたは整列される進路は存在しない。この概念を実装するのに種々の設計が可能である。例えばバリア要素に対して基本的に平行に延在するプレートを設けることができ、この場合プレートは、この範囲において第2のチャンバまたは第3のチャンバの断面と同じ大きさである。換言するとプレートは、この範囲において第2または第3のチャンバに近接するように適合される。有利には、プレートは、そこを介して電源接続ラインまたは電気接続器を誘導するように適合された開口を備える。この開口を「塞ぐ」ために、放射線遮蔽体は、開口を覆うように適合された別のプレートを備える。またバリア要素が上記に挙げたプレートを形成することもできる。プレートはそれぞれ、好ましくは鉛で作成される、あるいは鉛または鉛の層を含むことは言うまでもない。また他の材料、例えば鋼なども可能である。
【0023】
便宜上、電源接続ラインは、この開口を介して誘導される。よって可撓性の電源接続ラインは、開口またはラビリンスシールをそれぞれ介して誘導し易いため、可撓性の電源接続ラインを使用することが極めて有利である。1つまたは複数の実施形態によると、放射線遮蔽体は、第2のチャンバの内部ならびに第3のチャンバの内部に設置することができ、外部の放射線遮蔽体と接続される、またはそれと組み合わされる。外部の放射線遮蔽体は、放射線遮蔽体の外側に設置され、例えば軸に直交しておよび/または軸に沿って配向することができる。よって第2のチャンバは有利には、放射線遮蔽体および/または可撓性の電源接続ラインを挿入するための空間を形成することができる。外部の放射線遮蔽体に関する材料は、滅菌デバイスの内部の放射線遮蔽体に関するものと同じであってよい。
【0024】
1つまたは複数の実施形態において、第3のチャンバと筐体の間にアダプタ要素が配置され、このアダプタ要素が、放射線遮蔽体を備えるように適合させることができる。アダプタ要素はまた、第3のチャンバと第2のチャンバの間に配置することもできる。1つまたは複数の実施形態によると、アダプタ要素は、第1および第2のアダプタ領域を含む。第1のアダプタ領域は、筐体または第2のチャンバの接続範囲にそれぞれ接続されるように適合され、第2のアダプタ領域は、第3のチャンバの接続範囲に接続されるように適合される。有利には筐体(または第2のチャンバ)および第3のチャンバの接続範囲の様々な大きさおよび/または幾何学形状を等しくするようにすることができる。これにより接続範囲のサイズの違いを相殺することができるため、例えば、様々なタイプの電子ビームエミッターと、様々な電源ユニットまたは第3のチャンバとの各々の組み合わせが可能になる。便宜上、アダプタ要素はまた、既存の電子ビームエミッターまたは既存の第3のチャンバを放射線遮蔽技術によって改善することを可能にする放射線遮蔽体を備える場合もある。
【0025】
本発明の別の態様によって、特に包装材を滅菌することを目的とし、筐体と、バリア要素とを備える電子ビームエミッターが提供され、筐体は少なくとも1つの第1のチャンバを備え、第1のチャンバは、滅菌のために電荷キャリアを提供するように適合された電子ビームエミッターであって、筐体が第3のチャンバに接続可能であることにより、バリア要素は、第1の大気が存在する空間の境界の少なくとも一部を形成することを特徴とする。
【0026】
有利には、電子ビームエミッターは、端部部分を備える。この端部部分によって、電源接続ライン、詳細には可撓性の電源接続ラインの配置、および/または放射線遮蔽体の配置が可能になる。筐体の端部領域または頂部は、第3のチャンバに向けられる範囲である。
【0027】
本発明の1つの態様によって、第1のアダプタ領域と、第2のアダプタ領域とを備える、特に滅菌デバイスのためのアダプタ要素が提供される。便宜上、第1および第2のアダプタ領域の直径は、互いに異なっている。これは、アダプタ領域の断面が異なる可能性があることを意味している。便宜上、断面は、既に記載した第3のチャンバ、および筐体または第2のチャンバの接続範囲のそれぞれの断面に一致するように適合されている。有利にはアダプタ要素は、放射線遮蔽体を備える。
【0028】
滅菌とは、例えば菌類、バクテリア、ウイルスおよび胞子などの伝染性の病原体を含めた病原菌の命をなくすまたは殺す任意の工程を指す用語であり、これらの微生物は、包装材の表面または製品の中に存在する可能性があることを述べるべきである。(食品)包装産業において、これは一般に無菌包装を指しており、すなわち滅菌された製品を滅菌済みの包装容器の中に包装する、すなわち製品と包装容器の両方を生きている細菌および微生物のない状態に維持することで特別な冷却規定なしに製品の鮮度を保つことができる、すなわち包装容器が周辺温度中で保管されても包装容器の内部で滅菌性を維持することができることを指している。この文脈において、用語「商業的に無菌である」も一般的に使用され、これは一般に、食品が、製造、流通および保管する間に保持される可能性がある通常の非冷凍状態において食品内で成長することが可能な微生物が存在しないことを意味する。本特許出願において、単語「滅菌」は、少なくとも商業的に滅菌されている状態を指す。
【0029】
本発明による滅菌デバイスは、本発明による電子ビームエミッターの特徴および利点、本発明によるアダプタ要素の特徴および利点を含むことができ、逆もまた同様である。
【0030】
現行の発明の追加の態様および機能は、添付の図面を参照する現行の発明の好ましい実施形態の以下の記載において示されている。それぞれの実施形態の同一の特徴または特性は現行の発明の範囲において組み合わせることが可能であることは明白である。