(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6367966
(24)【登録日】2018年7月13日
(45)【発行日】2018年8月1日
(54)【発明の名称】ディスプレイ装置及びディスプレイ装置の標識作製方法
(51)【国際特許分類】
G02F 1/1333 20060101AFI20180723BHJP
G09F 9/00 20060101ALI20180723BHJP
G09F 9/30 20060101ALI20180723BHJP
【FI】
G02F1/1333
G09F9/00 338
G09F9/30 310
【請求項の数】11
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2016-561057(P2016-561057)
(86)(22)【出願日】2014年6月25日
(65)【公表番号】特表2017-503219(P2017-503219A)
(43)【公表日】2017年1月26日
(86)【国際出願番号】CN2014080727
(87)【国際公開番号】WO2015096431
(87)【国際公開日】20150702
【審査請求日】2017年3月23日
(31)【優先権主張番号】201310731238.7
(32)【優先日】2013年12月26日
(33)【優先権主張国】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】510280589
【氏名又は名称】京東方科技集團股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】BOE TECHNOLOGY GROUP CO.,LTD.
(73)【特許権者】
【識別番号】512000341
【氏名又は名称】合肥京東方光電科技有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】110000800
【氏名又は名称】特許業務法人創成国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】王輝
(72)【発明者】
【氏名】郭遠輝
(72)【発明者】
【氏名】王春
(72)【発明者】
【氏名】陳俊生
【審査官】
廣田 かおり
(56)【参考文献】
【文献】
米国特許出願公開第2010/0253656(US,A1)
【文献】
特開平05−066392(JP,A)
【文献】
国際公開第2009/087706(WO,A1)
【文献】
特開平06−281904(JP,A)
【文献】
特開平10−293313(JP,A)
【文献】
米国特許出願公開第2004/0056993(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02F 1/1333
G02F 1/1345
G02F 1/13
G09F 9/00
G09F 9/30
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
アレイ基板とカラーフィルム基板とを含み、
前記カラーフィルム基板の内側表面には、ブラックマトリックスと配向膜がこの順に設置され、
前記アレイ基板の内側表面には配向膜が設置され、
前記アレイ基板とカラーフィルム基板の内側表面の縁部はシーラントを介して接着され、
ディスプレイ装置底部の電極端に位置するアレイ基板の内側表面上には、同じロットで露光される表示スクリーンユニットを標識するための第1の標識領域が設置され、
前記シーラントの内側と表示スクリーンユニットの表示領域との間には、異なるロットで露光される表示スクリーンユニットを標識するための第2の標識領域が設置され、
前記第2の標識領域は標識シーラント塗布領域であり、且つ標識シーラント塗布領域における標識シーラントの塗布により、異なるロットで露光される表示スクリーンユニットを標識するディスプレイ装置。
【請求項2】
前記第2の標識領域と第1の標識領域とはディスプレイ装置の同じ側に位置し、且つ互いに離間する、請求項1に記載のディスプレイ装置。
【請求項3】
標識シーラント塗布領域における標識シーラントの塗布長さにより、異なるロットで露光される表示スクリーンユニットを区分する、請求項1に記載のディスプレイ装置。
【請求項4】
前記第2の標識領域を複数のサブ領域に分け、異なるサブ領域への塗布の組合せにより、前記表示スクリーンユニットの露光ロットを標識する、請求項1に記載のディスプレイ装置。
【請求項5】
前記第2の標識領域のサブ領域は、アレイ基板側の複数の離間された金属マークによって形成される、請求項4に記載のディスプレイ装置。
【請求項6】
前記第1の標識領域は、アレイ基板上における金属層のパターンと同時に形成される、請求項1に記載のディスプレイ装置。
【請求項7】
ディスプレイ装置底部の電極端に位置するアレイ基板の内側表面上には、同じロットで露光される表示スクリーンユニットを標識するための第1の標識領域を設置するステップと、
表示スクリーンユニットのシーラントの内側と表示スクリーンユニットの表示領域との間には、異なるロットで露光される表示スクリーンユニットを標識するための第2の標識領域を設置するステップと、
前記アレイ基板とカラーフィルム基板の内側表面の縁部とを前記シーラントを介して接着するステップと、を含み、
第2の標識領域を設置するステップにおいて、前記第2の標識領域は標識シーラント塗布領域であり、標識シーラント塗布領域における標識シーラントの塗布により、異なるロットで露光される表示スクリーンユニットを標識するディスプレイ装置の標識作製方法。
【請求項8】
第2の標識領域を設置するステップにおいて、第2の標識領域と第1の標識領域とがディスプレイ装置の同じ側に位置し、且つ互いに離間するように設置される、請求項7に記載の標識作製方法。
【請求項9】
標識シーラント塗布領域の塗布長さにより、異なるロットで露光される表示スクリーンユニットを区分する、請求項7に記載の標識作製方法。
【請求項10】
前記第2の標識領域を複数のサブ領域に分け、異なるサブ領域への塗布の組合せにより、この表示スクリーンユニットの露光ロットを標識し、前記第2の標識領域のサブ領域は、アレイ基板側の複数の離間された金属マークによって形成される、請求項7に記載の標識作製方法。
【請求項11】
アレイ基板上における金属層のパターンと同時に前記第1の標識領域を形成する、請求項7に記載の標識作製方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はディスプレイの技術分野に属し、特に、薄膜トランジスタ液晶ディスプレイ装置(以下称TFT−LCD)及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
表示技術分野において、液晶表示パネルは、体積が小さく、消費電力が低く、輻射がなく、解像度が高い等のメリットを有するため、現代のディジタル情報化機器に広く応用されている。
【0003】
パネルメーカーにとって、1枚のマザーガラスから切り出される表示スクリーンユニットが多いほど、生産ラインの利益を多くあげられる。それぞれの表示スクリーンユニットを区分するために、製造過程において、それぞれの表示スクリーンユニット上に
パネル識別番号(Panel ID
)を付ける。それぞれの表示スクリーンユニットのPanel IDが異なるため、生産ラインでは、レーザポインタを用いてそれぞれの表示スクリーンユニットに対して順にマーキングを行う必要がある。1枚のマザーガラスからの表示スクリーンユニットの数が少いと、Panel IDのマーキング作業は楽となり、生産ラインにおいて少ないキャパシティーがかかって済む。しかし、1枚のマザーガラスからの表示スクリーンユニットの数が多いと、Panel IDのマーキング作業は煩雑となり、生産ラインにおいて多くのキャパシティーがかかる。特に、現在では、各パネル
の表示スクリーンユニットの寸法はますます小さくなり、1枚のマザーガラス基板上には、数百個の表示スクリーンユニットがあるため、Panel IDのマーキング作業は難しくなってきた。生産ラインのキャパシティーを考えた結果、表示スクリーンユニットのPanel IDのマーキングを行わないことになってしまい、そうすると、后の製造工程において問題があったら、前の工程へ遡ることができなくなり、生産ラインの效率を大いに低下させる。一方、現在の小寸法の表示スクリーンの周辺領域は、ますます小さくなり、Panel IDそのものも所定の空間を占めるため、小寸法表示スクリーンのPanel IDのマーキング方法を
提供することは急務になっている。
【発明の概要】
【0004】
上記従来技術に存在している問題を解決するために、本発明は、従来のプロセスに基づき、液晶スクリーンアレイ基板のマスクに対して特定の設計を行い、同じロットで露光される表示スクリーンユニットを区分する一方、表示スクリーンユニットの周辺領域に特定な形状を有する標識シーラント塗布領域を設置し、この領域におけるシーラントの塗布長さで、異なるロットで露光される表示スクリーンユニットを区分することにより、表示スクリーンユニットPanel IDのマーキングを実現する。
【0005】
本発明の一実施例はディスプレイ装置を提供し、前記ディスプレイ装置はアレイ基板とカラーフィルム基板とを含み、前記カラーフィルム基板の内側表面には、ブラックマトリックスと配向膜がこの順に設置され、 前記アレイ基板の内側表面には配向膜が設置され、 前記アレイ基板とカラーフィルム基板の内側表面の縁部はシーラントを介して接着され、 前記ディスプレイ装置底部の電極端に位置するアレイ基板の内側表面上には、同じロットで露光される表示スクリーンユニットを標識するための第1の標識領域が設置され、 前記シーラントの内側と表示スクリーンユニットの表示領域との間には、異なるロットで露光される表示スクリーンユニットを標識するための第2の標識領域が設置される。
【0006】
本発明の実施例はディスプレイ装置の標識作製方法をさらに提供し、この標識作製方法は、 前記ディスプレイ装置底部の電極端に位置するアレイ基板の内側表面上には、同じロットで露光される表示スクリーンユニットを標識するための第1の標識領域を設置するステップと、 表示スクリーンユニットのシーラントの内側と表示スクリーンユニットの表示領域との間には、異なるロットで露光される表示スクリーンユニットを標識するための第2の標識領域を設置するステップと、 前記アレイ基板とカラーフィルム基板の内側表面の縁部を前記シーラントを介して接着するステップと、を含む。
【0007】
本発明は、現在のPanel IDマーキングプロセスが生産ラインのキャパシティーに影響を与える課題を解決したとともに、Panel IDが表示スクリーン周辺において大きい空間を占める問題を解決した。本発明では、簡単なプロセス設計及び変更により、生産ラインのキャパシティーを効果的に向上したとともに、表示スクリーン周辺領域の設計空間を最適化した。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】
図1は1枚のマザーガラス上における表示スクリーンユニットの配列模式図である。
【
図2】
図2は露光プロセスで形成されたPanel IDの模式図である。
【
図3】
図3は従来技術における1つの表示スクリーンユニットの平面構造模式図である。
【
図4】
図4は本発明の一実施例による1つの表示スクリーンユニットの平面構造模式図である。
【
図5】
図5は
図3に示した、標識シーラント塗布領域が設置されていない表示スクリーンユニットの周辺領域の断面模式図である。
【
図6】
図6は
図4に示した、標識シーラント塗布領域が設置されている表示スクリーンユニットの周辺領域の断面模式図である。
【
図7】
図7は
標識シーラント塗布領域における金属マークの構造模式図である。
【
図8】
図8は
図7に示した標識シーラント塗布領域において、異なる露光領域に対して異なる長さを塗布する模式図である。
【
図9】
図9は異なる露光ロットの表示スクリーンの模式図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
本発明の目的、技術案及びメリットをより明白にするために、以下、具体的な実施例に基づき、図面を参照しながら本発明をより詳しく説明する。
【0010】
図1は1枚のマザーガラス上における表示スクリーンユニットの配列模式図である。
図1に示すように、1枚のマザーガラス上には複数枚の表示スクリーンユニットが配列され、例えば、
図1に示す54枚が挙げられる。アレイ基板の製造過程において、各層のフィルムに対しそれぞれの露光プロセスの要求があるため、一般的には、複数回にわたって1枚のマザーガラスを露光する必要がある。現在、よく見られるプロセスは、
図1に示す6回露光プロセスであるが、今後、コスト及びキャパシティーを考えると、露光プロセスの回数は少なくなっていく。
【0011】
露光プロセスが繰返しの製造プロセスであるため、異なるロットで露光される表示スクリーンユニットのPanel IDは、露光プロセスで区分されることができない。
図2に示すように、露光プロセスにおいて、アレイ(ガラス)基板におけるある1層のマスクに対して特定のPanel ID(例えばS1,S2,S3・・・S9等)を設計することにより、同じロットで露光される表示スクリーンユニットを識別することができるが
、異なるロットで露光される表示スクリーンユニットを識別することができない。
【0012】
将来の表示スクリーンには、狭枠型の発展傾向がある。したがって、表示スクリーンユニットPanel IDの標識について、製造時のキャパシティーだけではなく、Panel IDが表示スクリーンユニットの周辺領域において占める空間の大きさを考える必要もある。TV(テレビ)及びNB(ノートパソコン)製品では、1つのPanel IDが占める空間の大きさは1cm×10cmであるが、携帯電話の場合、表示スクリーン周辺の空間が割りに小く、アレイ基板上の配線が多いため、TVやNB製品のように1cm×10cmのような大空間を取っておくことができない。
図3は従来技術における1つの表示スクリーンユニットの平面構造模式図である。
図3に示すように、Panel IDが表示スクリーンの一端または隅に配置されることは一般的である。
【0013】
上記考えに基づき、本発明では、主に、露光プロセスと、アレイ基板とカラーフィルム基板との継ぎ合わせのときに接着作用を奏するシーラント塗布プロセスとを組み合せることにより、1枚のマザーガラス上における全ての表示スクリーンユニットPanel IDに対する有效なマーキングを実現する。
【0014】
図4は本発明の一実施例による1つの表示スクリーンユニットの平面構造模式図であり、
図5は図3に示した、標識シーラント塗布領域が設置されていない表示スクリーンユニットの周辺領域の断面模式図であり、図6は図4に示した、標識シーラント塗布領域が設置されている表示スクリーンユニットの周辺領域の断面模式図である。
図4〜6に示すように、
本発明の一実施例によるディスプレイ装置は、アレイ基板1とカラーフィルム基板2とを含む。勿論、このディスプレイ装置は、液晶層、駆動回路及びバックライトモジュールなどの相応の部品をさらに含むはずであるが、上記のように、本発明のポイントは、カラーフィルム基板、アレイ基板及びシーラントのみに関わるため、ここでは、これらのみについて詳しく説明する。当業者は、必要に応じて、従来技術における既存知識に基づいてほかの部品を相応的に設置することができる。【0015】
具体的には、前記カラーフィルム基板2の内側表面(例えば少なくとも一部)には、ブラックマトリックス3と配向膜4がこの順に設置(例えば塗布)されている。前記アレイ基板1の内側表面(例えば少なくとも一部)には配向膜4が設置(例えば塗布)されている。【0016】
前記アレイ基板1とカラーフィルム基板2の内側表面の縁部はシーラント5を介して接着されている。本発明では、シーラント5の接着位置が特に限定されない。
ほかの代替可能な例示において、シーラントは、シール及び導電の作用を兼ね備えるシーラントであってもよい。前記シーラントは、カラーフィルム基板2及びアレイ基板1の内側表面における共通電極とそれぞれ接触することにより、アレイ基板1の共通電極とカラーフィルム基板2の共通電極とを導通させる。
【0017】
前記ディスプレイ装置の底部の電極端(Source端)に位置するアレイ基板1の内側表面上には、同じロットで露光される表示スクリーンユニットを標識するための第1の標識領域が設置されている。
本発明の一実施例において、前記第1の標識領域は、アレイ基板1上における金属層のパターンと同時に形成される。一般的には、パターンプロセスとは、薄膜のスパッタリングや沈着、フォトレジストの塗布、露光、現像、エッチング、剥離などの工程のことをいう。【0018】
前記シーラント5は前記アレイ基板1及び
カラーフィルム基板2と垂直であり、
表示スクリーンユニットの周辺領域に設置されている。一般的には、前記アレイ基板1とカラーフィルム基板2との間には第2の標識領域が設置されている。本発明の一実施例において、第2の標識領域は、表示スクリーンのシーラント内側と表示スクリーンの表示領域との間に設置される標識シーラント塗布領域6である。好ましくは、第2の標識領域と第1の標識領域とがディスプレイ装置の同側に位置し、且つ互いに離間する。具体的には、図4及び6に示すように、第2の標識領域と第1の標識領域は、共に図4に示すディスプレイ装置(即ち図4の頁面)の下側に位置する。勿論、本発明では、第2の標識領域の具体的な位置は特に限定されない。なお、標識シーラント塗布領域6の延伸方向は、表示スクリーンユニットのシーラント5の延伸方向と平行である。即ち、上記両者は共に図4に示すように、それぞれ左から右まである程度の長さで延伸する。【0019】
第2の標識領域6の設置において、標識シーラント塗布領域6における標識シーラントの塗布により、異なるロットで露光される表示スクリーンユニットを標識し、例えば、
標識シーラント塗布領域6における標識シーラントの塗布の長さにより、異なるロットで露光される表示スクリーンユニット
を区分することができる。勿論、前記第2の標識領域を複数のサブ領域に分け、異なるサブ領域への塗布の組合せにより、この表示スクリーンユニットの露光ロットを標識してもよい。
【0020】
図6に示すように、前記第2の標識領域は標識シーラント塗布領域6である。本発明の一実施例において、前記標識シーラント塗布領域6は矩形であり、アレイガラス基板の6回露光プロセスを例とすると、この矩形の長さは6mmに設置される。アレイガラス基板上の金属層でこの領域を6つのサブ領域(
標識シーラント塗布領域における標識シーラント塗布の位置精度が0.2mmであることを考えると、それぞれのサブ領域の長さは1mmである)に等分することができ、塗布するサブ領域の数で露光の回数を標識することができる。
【0021】
図6に示すように、前記第2の標識領域
6はシーラント
5の内側に位置し、主にアレイ基板側の金属マーク(mark)及び標識シーラントの塗布によりマーキングする。
図7は
標識シーラント塗布領域における金属マークの構造模式図である。
図7において、7つの隣合った
又は離間された金属マークで前記第2の標識領域
6を形成し、それぞれの金属マークの幅を0.02mmに設置し、高さを0.5mmに設置し、隣合う金属マークを1mmの等間隔で分布させる。このように、6段の空間を分割した。この6段の空間はそれぞれマザーガラス上の6つの露光領域に対応し、
第1の露光領域内に標識シーラント塗布領域6のうちの1段目の空間を塗布し、第2の露光領域内に標識シーラント塗布領域6のうちの2段目の空間を塗布する。このように、第6の露光領域内において6段目の空間を塗布する。
図8に示すように、このように、異なる露光領域の同一位置の表示スクリーンユニットを異なる長さの標識シーラント塗布領域(
図2に示す)で区分する目的を達成している。前記金属マークは信号線(Data層)又はゲート線(Gate層)の金属層で実現されることができる。勿論、前記金属マークの配置は上記状況に限らない。実際に、前記金属マークの幅が金属露光寸法の最小値を満たせばよく、高さが0.1mm〜1mmに設置され、隣合う金属マークの間隔値は
標識シーラント塗布領域の最小塗布精度0.2mmより
大きい。
【0022】
前記のように、露光プロセスによって、同じロットで露光される複数の表示スクリーンユニットを区分することができるが、異なるロットで露光される表示スクリーンユニットを区分することができない。本発明では、シーラント塗布を行うとき、まず、第1の標識領域シーラントの塗布を先に行い、そして、異なる露光領域(A1,A2,A3,A4,A5,A6)内の表示スクリーンユニットについて第2の標識領域シーラントの塗布
(即ち標識シーラントの塗布)を行う。
図9に示すように、A1領域における全ての表示スクリーンユニットについて、第2の標識領域において1段のシーラントを塗布し、A2領域における全ての表示スクリーンユニットについて、第2の標識領域において2段のシーラントを塗布し、このように、A6領域における全ての表示スクリーンユニットについて、第2の標識領域において6段のシーラントを塗布する。このように、
標識シーラントの塗布図形の差異により、異なる露光ロットの表示スクリーンユニットを区分する目的を達成でき、最終的には、マザーガラス上の全ての表示スクリーンユニットPanel IDの標識を実現することができる。勿論、本発明における露光回数は6回に限らず、6回以上または6回未満であってもよい。
【0023】
上述の通り、本発明では、露光プロセスで形成される第1の標識領域と、それぞれの表示スクリーンユニットの第2の標識領域とを組合せば、マザーガラス上におけるいずれか1つの表示スクリーンユニットの位置を確定し、表示スクリーンユニットを精確にマーキングする目的を達し得る。
【0024】
本発明の別の方面は、以下のステップを含むディスプレイ装置の
標識作製方法をさらに提出した。
【0025】
ステップ1:前記ディスプレイ装置底部の電極端に位置するアレイ基板の内側表面上には、同じロットで露光される表示スクリーンユニットを標識するための第1の標識領域を設置する。
【0026】
本発明の一実施例において、前記第1の標識領域は、アレイ基板上における金属層のパターンと同時に形成される。一般的には、パターンプロセスとは、薄膜のスパッタリングや沈着、フォトレジストの塗布、露光、現像、エッチング、剥離などのプロセスのことをいう。
【0027】
ステップ2:前記アレイ基板とカラーフィルム基板との間には
、異なるロットで露光される表示スクリーンユニットを標識するための第2の標識領域を設置する。
【0028】
ステップ3:前記アレイ基板とカラーフィルム基板の内側表面の縁部をシーラントを介して接着する。
前記カラーフィルム基板の内側表面の一部にはブラックマトリックスと配向膜がこの順に
設置(例えば塗布)されており、前記アレイ基板の内側表面の一部には配向膜が設置(例えば塗布)されている。
【0029】
そのうち、前記ステップ1とステップ2の実行順序には特別な要求がなく、互いに入れ替わることができる。
一般的には、まず、正常領域のシーラントの塗布を先に行い、そして、標識シーラント領域に対してシーラント塗布を行う。【0030】
第2の標識領域を設置するステップにおいて、第2の標識領域と第1の標識領域がディスプレイ装置の同側に位置し、且つ互いに離間するように設置される。【0031】
第2の標識領域の設置において、標識シーラント塗布領域における標識シーラントの塗布により、異なるロットで露光される表示スクリーンユニットを標識する。【0032】
前記第2の標識領域は標識シーラント塗布領域であり、例えば、
標識シーラント塗布領域における標識シーラントの塗布長さにより、異なるロットで露光される表示スクリーンユニットを区分することができる。
代替的には、前記第2の標識領域を複数のサブ領域に分け、異なるサブ領域に対する塗布の組合せにより、この表示スクリーンユニットの露光ロットを標識する。
前記第2の標識領域のサブ領域は、アレイ基板側の複数の隔てられた金属マークによって形成される。【0033】
現在、パネルメーカーは、レーザコードプリンタで表示スクリーンユニットのコードプリントを行う。即ち、表示スクリーンユニット上に1枚の金属層を形成し、マザーガラス上のそれぞれのスクリーンユニットに対してレーザを用いて一回のコードプリントを行う。それは、手動作業で手間がかかり、生産ラインのキャパシティーに影響を与える欠点を有する。
これに比べて、本発明では、露光プロセスとシーラント塗布プロセスとの組合せによって、マザーガラス上の表示スクリーンユニットの標識(即コードプリント)を実現した。全てのプロセスは、オートマチック操作であり、手間がかからず、キャパシティーへの影響が小さい。同時に、現在のPanel IDが占める空間に比べて、本発明における標識領域が占める表示スクリーンの周辺領域が小さいため、表示スクリーン周辺の設計を最適化した。
【0034】
前記の具体的な実施例により、本発明の目的、技術案及び有益な効果をさらに詳しく説明したが、上記は本発明の具体的な例示に過ぎず、本発明を制限するためのものではない。本発明の思想及び旨内で行った如何なる補正、等価代替、改善なども、本発明の保護範囲内に含まれるはずである。