特許第6367994号(P6367994)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6367994商品販売データ処理装置およびプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6367994
(24)【登録日】2018年7月13日
(45)【発行日】2018年8月1日
(54)【発明の名称】商品販売データ処理装置およびプログラム
(51)【国際特許分類】
   G07G 1/12 20060101AFI20180723BHJP
   G07G 1/01 20060101ALI20180723BHJP
   G07G 1/06 20060101ALI20180723BHJP
   G07B 1/00 20060101ALI20180723BHJP
   G06Q 20/20 20120101ALI20180723BHJP
【FI】
   G07G1/12 361Z
   G07G1/01 301D
   G07G1/06 B
   G07B1/00 E
   G06Q20/20 370
【請求項の数】5
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2017-46086(P2017-46086)
(22)【出願日】2017年3月10日
(62)【分割の表示】特願2013-258419(P2013-258419)の分割
【原出願日】2013年12月13日
(65)【公開番号】特開2017-142815(P2017-142815A)
(43)【公開日】2017年8月17日
【審査請求日】2017年3月13日
(73)【特許権者】
【識別番号】000003562
【氏名又は名称】東芝テック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】特許業務法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】渡邉 基義
【審査官】 小島 哲次
(56)【参考文献】
【文献】 特開2003−168169(JP,A)
【文献】 特開2010−128704(JP,A)
【文献】 特開2010−277404(JP,A)
【文献】 特開平04−313189(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G07G 1/00−1/12
G06Q 20/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
客側に設けられ、情報入力部と情報表示部とが設けられた客面表示装置と、
チケットの購入申込みを受け付ける毎に発番された固有の受付番号を入力する番号入力手段と、
前記番号入力手段により入力された前記受付番号で購入申込みを受け付けた前記チケットの発券に必要なデータを入力するデータ入力手段と、
前記データ入力手段により入力されたデータに基づいて前記チケットの販売処理を行なう販売処理手段と、
前記チケットの販売処理に際して、少なくとも当該チケットに関する数量および金額と前記チケットに対する確認を宣言する確認ボタンとを前記情報表示部に表示するとともに、前記チケットの対象となる名称の表示が要求された場合に、当該名称を表示する情報確認手段と、
前記販売処理された前記チケットの購入申込み先に応じて客の署名を必要とするか否かを判定する署名要否判定手段と、
前記確認ボタンに対する操作を前記情報入力部を介して検知した場合であって、前記署名要否判定手段が署名を必要と判定した場合には、客の署名欄を含むレシートデータを作成し、署名を不要と判定した場合には、客の署名欄を含まないレシートデータを作成するレシート作成手段と、
前記レシート作成手段により作成されたレシートデータに基づくレシートをプリンタにより印字して発行するレシート発行手段と、
を備えることを特徴とする商品販売データ処理装置。
【請求項2】
前記署名要否判定手段は、チケットの購入申込みを受け付けて前記受付番号を発番するものであって店舗内ネットワークで接続された受付端末装置が購入申込み先である場合には、客の署名が不要であると判定する、
ことを特徴とする請求項1記載の商品販売データ処理装置。
【請求項3】
前記署名要否判定手段は、チケットの購入申込みを受け付けて前記受付番号を発番するものであって店舗外ネットワークで接続された外部サーバが購入申込み先である場合には、客の署名が必要であると判定する、
ことを特徴とする請求項1記載の商品販売データ処理装置。
【請求項4】
前記レシート作成手段は、署名が不要と判定された場合における客の署名欄を含まないレシートデータに、前記確認ボタンに対する操作によって署名したものとみなす旨のメッセージを含める、
ことを特徴とする請求項1ないし3の何れか一記載の商品販売データ処理装置。
【請求項5】
客側に設けられ、情報入力部と情報表示部とが設けられた客面表示装置を備える商品販売データ処理装置を制御するコンピュータを、
チケットの購入申込みを受け付ける毎に発番された固有の受付番号を入力する番号入力手段と、
前記番号入力手段により入力された前記受付番号で購入申込みを受け付けた前記チケットの発券に必要なデータを入力するデータ入力手段と、
前記データ入力手段により入力されたデータに基づいて前記チケットの販売処理を行なう販売処理手段と、
前記チケットの販売処理に際して、少なくとも当該チケットに関する数量および金額と前記チケットに対する確認を宣言する確認ボタンとを前記情報表示部に表示するとともに、前記チケットの対象となる名称の表示が要求された場合に、当該名称を表示する情報確認手段と、
前記販売処理された前記チケットの購入申込み先に応じて客の署名を必要とするか否かを判定する署名要否判定手段と、
前記確認ボタンに対する操作を前記情報入力部を介して検知した場合であって、前記署名要否判定手段が署名を必要と判定した場合には、客の署名欄を含むレシートデータを作成し、署名を不要と判定した場合には、客の署名欄を含まないレシートデータを作成するレシート作成手段と、
前記レシート作成手段により作成されたレシートデータに基づくレシートをプリンタにより印字して発行するレシート発行手段と、
として機能させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、商品販売データ処理装置およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、多くのコンビニエンスストアなどでは、売場に陳列している商品の販売業務とは別に、顧客がインターネットや受付端末装置などで予約したチケットをPOS(Point Of Sales)端末などの商品販売データ処理装置に接続したチケットプリンタにより専用のチケット用紙に印字して発券させ、顧客に引き渡すといったチケット販売業務が行われている。このようにして発券されて顧客に引き渡されるチケットは、例えば、コンサート,映画,アミューズメントパーク等で利用可能なチケットである。
【0003】
上述したようなチケット販売業務において、POS端末などの商品販売データ処理装置は、チケット購入客の署名欄を印字したレシートを発行し、その場で顧客に署名をしてもらう運用を行っている。
【0004】
ところで、上述のようにレシートのチケット購入客の署名欄に対してその場でチケット購入客に署名をしてもらうと、POS端末などの商品販売データ処理装置が設置されたレーンにおける混雑の原因となり、店舗側の運用に大きな負担が掛かっている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明が解決しようとする課題は、レジの混雑を回避することができるとともに、運用の負担を低減することができる商品販売データ処理装置およびプログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
実施形態の商品販売データ処理装置は、客側に設けられ、情報入力部と情報表示部とが設けられた客面表示装置と、チケットの購入申込みを受け付ける毎に発番された固有の受付番号を入力する番号入力手段と、前記番号入力手段により入力された前記受付番号で購入申込みを受け付けた前記チケットの発券に必要なデータを入力するデータ入力手段と、前記データ入力手段により入力されたデータに基づいて前記チケットの販売処理を行なう販売処理手段と、前記チケットの販売処理に際して、少なくとも当該チケットに関する数量および金額と前記チケットに対する確認を宣言する確認ボタンとを前記情報表示部に表示するとともに、前記チケットの対象となる名称の表示が要求された場合に、当該名称を表示する情報確認手段と、前記販売処理された前記チケットの購入申込み先に応じて客の署名を必要とするか否かを判定する署名要否判定手段と、前記確認ボタンに対する操作を前記情報入力部を介して検知した場合であって、前記署名要否判定手段が署名を必要と判定した場合には、客の署名欄を含むレシートデータを作成し、署名を不要と判定した場合には、客の署名欄を含まないレシートデータを作成するレシート作成手段と、前記レシート作成手段により作成されたレシートデータに基づくレシートをプリンタにより印字して発行するレシート発行手段と、を備える。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1図1は、実施形態にかかる商品販売システムの概略構成を示す図である。
図2図2は、POS端末の外観を示す斜視図である。
図3図3は、申込み受付テーブルのデータ構成を概略的に示す模式図である。
図4図4は、POS端末のハードウェア構成を示すブロック図である。
図5図5は、RAMに形成される主要なメモリエリアを示す模式図である。
図6図6は、POS端末におけるチケット販売処理にかかる機能ブロック図である。
図7図7は、チケット販売処理の流れを概略的に示すフローチャートである。
図8図8は、画面の一例を示す正面図である。
図9図9は、画面の一例を示す正面図である。
図10図10は、画面の一例を示す正面図である。
図11図11は、内容確認画面の一例を示す正面図である。
図12図12は、チケットの販売レシートの一例を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本実施形態を図面を用いて説明する。本実施形態は、売場に陳列している商品の販売業務とは別に、顧客がインターネットなどで予約したチケットをPOS端末に接続したチケットプリンタにより専用のチケット用紙に印字して発券させ、顧客に引き渡すといったチケット販売業務を行なう商品販売システムに設けられるPOS(Point Of Sales)端末を商品販売データ処理装置として適用した例である。
【0009】
図1は、実施形態にかかる商品販売システム100の概略構成を示す図である。図1に示すように、商品販売システム100は、LAN(Local Area Network)などのネットワーク1に、1台の受付端末装置2と、商品販売データ処理装置である2台のPOS端末3と、1台のチケットプリンタ4と、1台のストアコンピュータ5とを備えている。なお、受付端末装置2,POS端末3及びチケットプリンタ4の接続台数は、本実施形態に限定されるものではない。
【0010】
POS端末3は、客が買上げる商品の販売データをメモリに登録し、登録を完了すると、その客が買上げた商品の明細等を印字した買上レシートを発行する会計装置として機能する。
【0011】
ここで、図2はPOS端末3の外観を示す斜視図である。図2に示すように、POS端末3は、正面に、キーボード31、モードスイッチ32及びオペレータ用のタッチパネル付ディスプレイ33を設けている。また、POS端末3は、背面に、客面表示装置として機能する客用のタッチパネル付ディスプレイ34を設けている。
【0012】
キーボード31は、数値データを置数入力するための置数キーの他、PLUキー,小計キー,現金取引の終了を宣言する現計キー,信用取引の終了を宣言する信計キー,中止キー等の各種ファンクションキーを配設したものである。中止キーは、チケットの販売処理の中止を宣言する中止宣言手段として機能する。モードスイッチ32は、登録モード,点検モード,精算モード等の各種業務モードを選択するためのものである。
【0013】
また、キーボード31は、インターネットや受付端末装置2にて購入申込みが受け付けられたチケット商品の登録を指令するチケット登録キーも備えている。
【0014】
また、POS端末3は、レシート印字及びジャーナル印字を行なうためのプリンタ35を設けている。POS端末3は、このプリンタ35で印字されたレシートをレシート発行口36から発行する。さらに、POS端末3は、現金等を収容するためのドロワ37を備えるとともに、バーコードを読み取るためのスキャナ38を備えている。
【0015】
チケットプリンタ4は、所定のフォーマットで印刷項目欄のプレ印刷が施されたチケット用紙を使用して、コンサート,映画,アミューズメントパーク等で利用可能な各種のチケットを印刷する。
【0016】
ストアコンピュータ5は、各POS端末3で登録処理された各商品の販売データに基づいて、各商品の売上げや在庫を管理するなどの処理を実行する。
【0017】
受付端末装置2は、WAN(Wide Area Network)6を介して1ないし複数のチケットセンタ7と接続している。チケットセンタ7は、それぞれ管理する各種のチケット商品の販売申込みを受け付ける。
【0018】
受付端末装置2は、通常、顧客自身が操作する。顧客は、受付端末装置2を操作してチケットセンタ7にアクセスし、購入を希望する商品を探す。そして、顧客は、該当する商品を見つけると、その商品の購入を申し込む。受付端末装置2は、商品の購入申込みを受け付けると、固有の受付番号を発番する。そして、受付端末装置2は、この受付番号と対応付けて、購入申込みを受け付けた商品の情報を申込み受付テーブルTに記憶保存する。
【0019】
ここで、図3は申込み受付テーブルTのデータ構成を概略的に示す模式図である。図3に示すように、申込み受付テーブルTは、チケット商品の購入申込みを受け付ける毎に発番される受付番号に対応して、受付時刻,チケット情報,チケット印刷情報及びステータスの各データを格納する。チケット情報は、購入申込みを受け付けたチケット商品の品名,単価,申込み枚数,枚数分の金額等である。チケット印刷情報は、購入申込みを受け付けたチケット商品に関してチケットプリンタ4で印刷する情報である。ステータスは、対応する受付番号で管理されるデータの状態(申込み中,取引中,終了,取消等)を示す情報である。
【0020】
また、受付端末装置2は、受付番号のバーコードが印刷されたチケット引換レシートを発行する。顧客は、受付端末装置2から発行されたチケット引換レシートを店のオペレータに渡す。
【0021】
続いて、POS端末3について詳述する。図4は、POS端末3のハードウェア構成を示すブロック図である。図4に示すように、POS端末3は、制御部本体を構成するCPU(Central Processing Unit)61を備えている。CPU61は、プログラム等を格納したROM(Read Only Memory)62、各種のデータを記憶するRAM(Random Access Memory)63、現在の日時を計時する時計部64、I/Oポート65、ネットワークコントローラ66、キーボードコントローラ67、タッチパネルコントローラ68、タッチパネルコントローラ69、プリンタコントローラ70、スキャナインタフェース71等をバス接続する。
【0022】
また、POS端末3は、アプリケーションプログラムや各種ファイルを書き換え自在に記憶するHDD(Hard Disk Drive)72も備えている。HDD72も、CPU61に対してバス接続されている。このHDD72は、一例としてPOS端末3が内蔵する内蔵型HDDとして構成され、他の一例としてはそのようなPOS端末3が内蔵する内蔵型HDDの他に外部記憶装置として分散されて構成されている。大容量が必要である場合等には内蔵型HDDと外部記憶装置とにHDD72を分散させることが望ましい。起動中のPOS端末3では、HDD72に記憶するアプリケーションプログラムの全部又は一部をRAM63に移し、アクセス速度の高速度化を図っている。
【0023】
なお、POS端末3のCPU61を動作させるアプリケーションプログラムは、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルでCD−ROM、フレキシブルディスク(FD)、CD−R、DVD(Digital Versatile Disk)等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録されて提供される。
【0024】
また、POS端末3のCPU61を動作させるアプリケーションプログラムを、インターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納し、ネットワーク経由でダウンロードさせることにより提供するように構成しても良い。また、POS端末3のCPU61を動作させるアプリケーションプログラムをインターネット等のネットワーク経由で提供または配布するように構成しても良い。
【0025】
また、POS端末3は、I/Oポート65にモードスイッチ32とドロワ37の自動開放装置37Aとを接続し、ネットワークコントローラ66にネットワーク1を接続する。また、POS端末3は、キーボードコントローラ67にキーボード31を接続し、タッチパネルコントローラ68にオペレータ用のタッチパネル付ディスプレイ33のタッチパネルセンサ33Aとディスプレイ33Bとを接続し、タッチパネルコントローラ69に客用のタッチパネル付ディスプレイ34の情報入力部であるタッチパネルセンサ34Aと情報表示部であるディスプレイ34Bとを接続する。さらに、POS端末3は、プリンタコントローラ70にプリンタ35を接続し、スキャナインタフェース71にスキャナ38を接続する。
【0026】
ネットワークコントローラ66は、ネットワーク1を通じて行なうデータ通信を制御する。キーボードコントローラ67は、キーボード31から操作されたキーに対応するキー信号を取り込みCPU61に通知する。タッチパネルコントローラ68は、CPU61からの指令によりディスプレイ33Bに各種の画面を選択的に表示させるとともに、タッチパネルセンサ33Aの信号を取り込みタッチ位置座標を求めてCPU61に通知する。タッチパネルコントローラ69は、表示データに対応した文字等を客用のタッチパネル付ディスプレイ34のディスプレイ34Bに表示させる。プリンタコントローラ70は、プリンタ35によるレシート印字及びジャーナル印字を制御する。スキャナインタフェース71は、スキャナ38にてスキャニングされたバーコードデータを入力する。ここで、スキャナ38にてスキャニングされるバーコードデータは、チケットの購入申込みを受け付ける毎に発番される固有の受付番号である。
【0027】
ここで、図5はRAM63に形成される主要なメモリエリアを示す模式図である。図5に示すように、POS端末3のRAM63には、売上登録メモリ72、取引バッファ73及び取引中フラグメモリ74等を形成している。売上登録メモリ72は、商品別に売上金額及び売上点数を累計するエリアと、現金取引,信用取引等の取引別に金額及び回数を累計するエリアとを形成したものである。また、売上登録メモリ72は、チケット商品の売上金額及び売上枚数を累計するエリアを有する。取引バッファ73は、1取引として売上げる商品のデータをその取引終了まで保存するエリアである。取引中フラグメモリ74は、1取引の開始時にセットされ、終了時にリセットされる取引中フラグの記憶エリアである。
【0028】
次に、POS端末3のHDD72に格納されたアプリケーションプログラムがCPU61に実行させる機能について説明する。
【0029】
本実施形態においては、従来のPOS端末によって行なわれる処理と同様の処理(売場に陳列している商品の販売登録処理など)についてはその説明を省略する。
【0030】
ここでは、本実施形態のPOS端末3の有する特長的な機能であるチケット販売処理について説明する。チケット販売処理は、売場に陳列している商品の販売業務とは別に、顧客がインターネットや受付端末装置2などで予約したチケットをPOS端末3に接続したチケットプリンタ4により専用のチケット用紙に印字して発券させる処理である。
【0031】
ここで、図6はPOS端末3におけるチケット販売処理にかかる機能ブロック図である。図6に示すように、POS端末3のCPU61で実行されるアプリケーションプログラムは、番号入力手段11と、データ入力手段12と、販売処理手段13と、情報確認手段14と、チケット発券手段15と、レシート作成手段16と、レシート発行手段17と、署名要否判定手段18とを含むモジュール構成となっている。CPU61は、HDD72からアプリケーションプログラムを読み出して、上記各部をRAM63にロードする。これにより、番号入力手段11と、データ入力手段12と、販売処理手段13と、情報確認手段14と、チケット発券手段15と、レシート作成手段16と、レシート発行手段17と、署名要否判定手段18とがRAM63上に生成される。
【0032】
番号入力手段11は、チケットの購入申込みを受け付ける毎に発番された固有の受付番号を入力する。
【0033】
データ入力手段12は、番号入力手段11により入力された受付番号で購入申込みを受け付けたチケットの発券に必要なデータを入力する。
【0034】
販売処理手段13は、データ入力手段12により入力されたデータに基づいてチケットの販売処理を行なう。
【0035】
情報確認手段14は、チケットの販売処理に際して、当該チケットに関するチケット情報と当該チケット情報に対する確認を宣言する確認ボタン95(図11参照)とを情報表示部である客用のタッチパネル付ディスプレイ34のディスプレイ34Bに表示する。
【0036】
また、情報確認手段14は、チケット情報と確認ボタン95とをディスプレイ34Bに表示する際に、当該チケット情報に対する確認行為を促す旨のガイダンス情報を発声する。
【0037】
さらに、情報確認手段14は、チケットに関するチケット情報として当該チケットの対象となる名称を含めて客用のタッチパネル付ディスプレイ34のディスプレイ34Bに表示するか否かを選択可能とする。例えば、情報確認手段14は、チケットに関するチケット情報として当該チケットの対象となる名称を含めて客用のタッチパネル付ディスプレイ34のディスプレイ34Bに表示することを宣言する表示宣言手段として機能する名称表示ボタン96(図11参照)をディスプレイ33Bに表示する。そして、情報確認手段14は、名称表示ボタン96に対する操作を客用のタッチパネル付ディスプレイ34の情報入力部であるタッチパネルセンサ34Aを介して検知したことによる宣言があった場合、チケットに関するチケット情報として当該チケットの対象となる名称を含めてディスプレイ33Bに表示する。
【0038】
チケット発券手段15は、確認ボタン95に対する操作を客用のタッチパネル付ディスプレイ34の情報入力部であるタッチパネルセンサ34Aを介して検知した場合であって、販売処理手段13における販売処理の締めが宣言された場合に、データ入力手段12により入力されたデータに基づいてチケットプリンタ4を動作させてチケットを発券する。
【0039】
なお、販売処理手段13は、確認ボタン95に対する操作を客用のタッチパネル付ディスプレイ34の情報入力部であるタッチパネルセンサ34Aを介して検知する前に、中止キーによってチケットの販売処理の中止が宣言された場合、チケットの販売処理を中止する。
【0040】
レシート作成手段16は、確認ボタン95に対する操作をタッチパネルセンサ34Aを介して検知した場合であって、販売処理手段13における販売処理の締めが宣言された場合に、チケットの販売処理に対する確認がなされたものとして、客の署名欄を含まないレシートデータを作成する。
【0041】
レシート発行手段17は、レシート作成手段16により作成されたレシートデータに基づくチケットの販売レシートR(図12参照)をプリンタ35により印字して発行する。
【0042】
署名要否判定手段18は、販売処理されたチケットの購入申込み先に応じて客の署名を必要とするか否かを判定する。そして、レシート作成手段16は、署名要否判定手段18により署名が必要と判定された場合には客の署名欄を含むレシートデータを作成し、署名要否判定手段18により署名が不要と判定された場合には客の署名欄を含まないレシートデータを作成する。
【0043】
例えば、署名要否判定手段18は、チケットの購入申込みを受け付けて受付番号を発番するものであって店舗内ネットワークであるネットワーク1に接続された受付端末装置2が購入申込み先である場合には、客の署名が不要であると判定する。また、署名要否判定手段18は、チケットの購入申込みを受け付けて受付番号を発番するものであって店舗外ネットワーク(例えば、インターネットなど)で接続された外部サーバ(図示せず)が購入申込み先である場合には、客の署名が必要であると判定する。
【0044】
次に、POS端末3におけるチケット販売処理の流れについて、図7のフローチャートを参照して説明する。オペレータは、例えば受付端末装置2で発行されたチケット引換レシートを顧客から受け取ると、キーボード31のチケット登録キーを押下した後、顧客から受取ったチケット引換レシートに印刷されているバーコードをPOS端末3のスキャナ38で読み取る。
【0045】
すなわち、図7に示すように、POS端末3のCPU61は、キーボードコントローラ67を介して入力したキー信号からチケット登録キーの押下を検知すると(ステップS1のYes)、チケット販売処理を開始する。
【0046】
まず、CPU61(番号入力手段11)は、オペレータ用のタッチパネル付ディスプレイ33のディスプレイ33Bに、例えば図8に示すレイアウトのチケット入力画面83を表示する(ステップS2)。このチケット入力画面83には、チケット引換レシートに印刷されているバーコードのデータである受付番号を表示するバーコード表示エリアA4と、メッセージデータやチケット情報を表示する表示エリアA5とが形成されている。また、チケット入力画面83には、中止ボタンB5と確定ボタンB6とが配設されている。
【0047】
次に、CPU61(番号入力手段11)は、スキャナ38からの受付番号の入力に待機する(ステップS3)。そして、CPU61(番号入力手段11)は、スキャナ38が読み取った受付番号の入力があった場合(ステップS3のYes)、その受付番号をチケット入力画面83のバーコード表示エリアA4に表示させる(ステップS4)。
【0048】
次に、CPU61(データ入力手段12)は、タッチパネルセンサ33Aの信号によりチケット入力画面83の確定ボタンB6がタッチ入力されたと認識した場合には(ステップS5のYes)、スキャナ38から入力した受付番号を含むチケット情報問合せ伝文を作成し、この問合せ伝文をネットワーク1を通じて受付端末装置2に送信する(ステップS6)。このとき、チケット入力画面83の表示エリアA5に、例えば「チケット情報の問合せ中」である旨をオペレータに報知するメッセージを表示させる。
【0049】
なお、POS端末3のRAM63には、チケット情報の問合せに対して充分な待機時間が予め設定されている。そこで、CPU61(データ入力手段12)は、チケット情報問合せ伝文を送信後、経過時間を計時する(ステップS7)。そして、CPU61(データ入力手段12)は、経過時間が問合せ待機時間に達する前に(ステップS9のNo)、受付端末装置2からチケット商品の品名,単価,申込み枚数,枚数分の金額等のチケット情報を含む応答伝文を受信したならば(ステップS8のYes)、このチケット情報を記憶するとともに、図9に示すように、このチケット情報の商品名,単価,申込み枚数(数量),金額をチケット入力画面83の表示エリアA5に表示させる(ステップS10)。
【0050】
なお、応答伝文を受信することなく、経過時間が問合せ待機時間に達した場合には(ステップS9のYes)、CPU61(データ入力手段12)は、エラー処理を行ない、処理を終了する。
【0051】
その後、CPU61(販売処理手段13)は、タッチパネルセンサ33Aの信号によりチケット入力画面83の確定ボタンB6がタッチ入力されたと認識した場合には(ステップS11のYes)、取引中フラグメモリ74に取引中フラグがセットされているか否かを判断する(ステップS12)。
【0052】
ここで、取引中フラグがセットされていない場合には(ステップS12のNo)、CPU61(販売処理手段13)は、1取引の1点目の商品登録なので、取引バッファ73をクリアし(ステップS13)、取引中フラグメモリ74に取引中フラグをセットする(ステップS14)。
【0053】
一方、CPU61(販売処理手段13)は、既に取引中フラグメモリ74に取引中フラグがセットされている場合には(ステップS12のYes)、1取引の2点目以降の商品登録なので、ステップS13及びステップS14の各処理を実行しない。
【0054】
その後、CPU61(販売処理手段13)は、受付端末装置2から取り込んだチケット情報と、スキャナ38から入力した受付番号とを取引バッファ73に格納したならば(ステップS15)、図10に示すような売上登録画面81をオペレータ用のタッチパネル付ディスプレイ33のディスプレイ33Bに表示する(ステップS16)。
【0055】
図10に示す売上登録画面81には、売上登録商品(チケット)の商品名,単価,販売点数及び販売金額の明細データを表示する単品明細情報エリアA1と、売上登録商品(チケット)の税額を表示するエリアA2と、売上登録商品(チケット)の合計金額を表示するエリアA3とが形成されている。また、エリアA1の前頁を表示させる前頁ボタンB1と、次頁を表示させる次頁ボタンB2とが表示されている。
【0056】
上述のようにチケット情報が取り込まれた場合、売上登録画面81の単品明細情報エリアA1には、チケット情報の商品名,単価,数量,金額が表示される。
【0057】
以上説明したように、オペレータは、顧客から受取ったチケット引換レシートに印刷されているバーコードをPOS端末3のスキャナ38で読み取る。これにより、POS端末3は、バーコードに対応する受付番号で受け付けられた商品の情報を受付端末装置2から得て、チケットの販売データを登録処理する。
【0058】
加えて、CPU61(情報確認手段14)は、POS端末3の背面に設けられた客用のタッチパネル付ディスプレイ34のディスプレイ34Bに対して、図11に示すような内容確認画面90をポップアップ表示させる(ステップS17)。図11に示すように、内容確認画面90には、表示されているチケット情報の確認を促すメッセージ91と、数量(発券枚数)92と、金額93と、払込先名94と、チケット情報を確認したことを示すための確認ボタン95と、名称表示ボタン96とが表示されている。
【0059】
顧客は購入商品の内容を確認したうえで確認ボタン95を押下し、チケット購入へと進む。すなわち、このようなタッチパネルセンサ34A(確認ボタン95)へのタッチ操作は、チケット情報に対する確認行為である。
【0060】
なお、CPU61(情報確認手段14)は、確認ボタン95を含む内容確認画面90を表示する際に、チケット情報に対する確認行為を促す旨のガイダンス情報(音声ガイダンス)を図示しないスピーカを介して発声するようにしても良い。ガイダンス情報(音声ガイダンス)は、例えば、「ご注文内容の確認をお願い致します」などである。これにより、顧客に対して購入商品の内容の確認を促すことができる。
【0061】
なお、顧客は、名称表示ボタン96を押下することで、チケットに関するチケット情報として当該チケットの対象となる名称も内容確認画面90に表示することができる。図11に示すように、内容確認画面90には、通常、チケットの対象となる名称(例えば、コンサート名)は表示されない。これは、このようなチケットは趣味的な要素が強く、外部に公開されることを望まない客が多く存在するからである。したがって、チケットの対象となる名称(例えば、コンサート名)が表示されていない通常の内容確認画面90では、顧客は数量(発券枚数)92や金額93に基づいて購入商品の内容を確認することになる。しかしながら、購入商品の内容の確認としては、チケットの対象となる名称(例えば、コンサート名)が最もわかり易い。そこで、本実施形態においては、顧客が名称表示ボタン96を押下した場合には、チケットに関するチケット情報として当該チケットの対象となる名称も内容確認画面90に表示するようにしたものである。
【0062】
内容確認画面90におけるチケットの対象となる名称(例えば、コンサート名)は、数量(発券枚数)92や金額93に隣接する領域に表示するものであっても良いし、内容確認画面90に重ねてポップアップ表示するものであっても良い。
【0063】
なお、内容確認画面90に異なる商品が登録されていた場合、顧客はその旨をオペレータに伝達する。オペレータがPOS端末3のキーボード31の中止キーを押下することで、CPU61(販売処理手段13)は、チケットの販売処理を中止して、商品取消のためにチケットセンタ7へ問い合わせを行なう。このようにオペレータがPOS端末3のキーボード31の中止キーを押下するようにしたのは、顧客がチケットを取消すことはほぼ無いと考えられるからである。仮に内容確認画面90に中止キーを設けた場合には、誤って中止キーを操作してしまうことも考えられ、このような場合にはオペレータの負担が非常に大きくなってしまう、という問題もある。
【0064】
CPU61(情報確認手段14)は、タッチパネルセンサ34Aの信号により内容確認画面90の確認ボタン95がタッチ入力されたと認識した場合には(ステップS18のYes)、チケット情報に対する確認行為がなされたとして、次の処理に進む。
【0065】
オペレータは、顧客からチケット代金の支払いを受ける。そして、オペレータは、キーボード31の置数キーや現計キーのキー操作により、その支払いデータをPOS端末3に入力する。
【0066】
キーボード31のキー操作により代金の支払い入力があった場合には(ステップS19のYes)、CPU61(レシート作成手段16、レシート発行手段17、署名要否判定手段18)は、プリンタ35によりチケットの販売レシートを発行する(ステップS20)。そして、CPU61(チケット発券手段15)は、チケットプリンタ4からチケットを印刷発行する(ステップS21)。
【0067】
オペレータは、チケットプリンタ4から発行されたチケットおよびプリンタ35から発行されたチケットの販売レシートを顧客に渡す。かくして、受付端末装置2を操作してチケット等の商品の購入を申し込んだ顧客は、その申し込んだ商品を受取ることができる。
【0068】
ここで、図12はチケットの販売レシートRの一例を示す平面図である。図12に示すように、チケットの販売レシートRには、店舗情報などから構成されるヘッダ情報r1、取引日付r2、レジナンバr3、オペレータの店員コード及び氏名r4、チケットのチケット情報r5などが印字されている。
【0069】
なお、上述したように、POS端末3の背面に設けられた客用のタッチパネル付ディスプレイ34のディスプレイ34Bに対してチケット情報を表示するとともに、確認ボタン95を表示するようにした。そして、顧客がこの確認ボタン95を押下することで顧客によるチケット情報に対する確認行為がなされたものとした。このため、顧客による署名が既に済んでいるものとみなし、本実施形態のチケットの販売レシートRにおいては、従来のチケットの販売レシートには存在した署名欄が省略されている。
【0070】
また、署名が不要と判定された場合における客の署名欄を含まないチケットの販売レシートRにおいては、確認ボタン95に対する操作によって署名したものとみなす旨のメッセージM(例えば、「確認ボタンの押下により署名したものとします」)を印字するようにしても良い。
【0071】
このように、実施形態のPOS端末3によれば、POS端末3の背面に設けられた客用のタッチパネル付ディスプレイ34のディスプレイ34Bに対してチケット情報を表示するとともに、確認ボタン95を表示するようにし、顧客がこの確認ボタン95を押下することで顧客によるチケット情報に対する確認行為がなされたものとすることで、異なる商品の取消を行なうための後始末が無くなり、店舗運用やセンタ運用の負担を低減することができる。
【0072】
また、実施形態のPOS端末3によれば、顧客がこの確認ボタン95を押下した場合には、顧客による署名が既に済んでいるものとみなし、チケットの販売レシートRにおいては、従来のチケットの販売レシートには存在した署名欄を省略するようにしたので、署名を行なわないことでレジの混雑を回避することができるとともに、レシートから署名欄が削除されることでレシート用紙の節約となり運用の負担を低減することができる。
【0073】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0074】
3 商品販売データ処理装置
11 番号入力手段
12 データ入力手段
13 販売処理手段
14 情報確認手段
15 チケット発券手段
16 レシート作成手段
17 レシート発行手段
18 署名要否判定手段
34 客面表示装置
34A 情報入力部
34B 情報表示部
95 確認ボタン
R レシート
【先行技術文献】
【特許文献】
【0075】
【特許文献1】特開2001−76250号公報
図1
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