特許第6367998号(P6367998)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6367998個人特定システム、個人特定プログラム、携帯情報端末及び携帯情報端末プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6367998
(24)【登録日】2018年7月13日
(45)【発行日】2018年8月1日
(54)【発明の名称】個人特定システム、個人特定プログラム、携帯情報端末及び携帯情報端末プログラム
(51)【国際特許分類】
   H04N 21/442 20110101AFI20180723BHJP
   H04N 21/436 20110101ALI20180723BHJP
   H04N 21/2668 20110101ALI20180723BHJP
   H04N 17/00 20060101ALI20180723BHJP
【FI】
   H04N21/442
   H04N21/436
   H04N21/2668
   H04N17/00 Z
【請求項の数】16
【全頁数】32
(21)【出願番号】特願2017-55578(P2017-55578)
(22)【出願日】2017年3月22日
【審査請求日】2017年5月10日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】507009009
【氏名又は名称】株式会社博報堂DYホールディングス
(74)【代理人】
【識別番号】110000578
【氏名又は名称】名古屋国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】福世 誠
(72)【発明者】
【氏名】百瀬 正光
【審査官】 長谷川 素直
(56)【参考文献】
【文献】 特開2015−233220(JP,A)
【文献】 特開2006−050134(JP,A)
【文献】 特開2013−183373(JP,A)
【文献】 特開2010−233164(JP,A)
【文献】 特開2014−158193(JP,A)
【文献】 特開2003−125102(JP,A)
【文献】 特開2004−320421(JP,A)
【文献】 特開昭64−068171(JP,A)
【文献】 特開2012−039498(JP,A)
【文献】 特開2002−305760(JP,A)
【文献】 特開2013−054736(JP,A)
【文献】 特開2012−014448(JP,A)
【文献】 特開平11−007453(JP,A)
【文献】 国際公開第2013/168518(WO,A1)
【文献】 特開2008−205885(JP,A)
【文献】 特開2003−169125(JP,A)
【文献】 特開2017−005751(JP,A)
【文献】 特開2015−186002(JP,A)
【文献】 特開2003−309874(JP,A)
【文献】 特開2014−116793(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 21/00−21/858
H04N 17/00−17/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザによる視聴操作に応じて選択されたコンテンツを出力するコンテンツ出力装置又は前記コンテンツ出力装置を遠隔操作するための遠隔操作装置から取得された情報に基づくコンテンツ視聴情報を取得する取得ユニットであって、前記コンテンツ視聴情報は、前記視聴操作に応じて選択された前記コンテンツを特定可能な情報である、前記取得ユニットと、
前記ユーザにより所持される携帯情報端末とあらかじめ優先度が設定された複数種類の通信方式で非有線通信を行う通信ユニットと、
前記携帯情報端末の記憶部にあらかじめ記憶されている前記ユーザを識別するための情報である個人情報を、前記携帯情報端末から前記通信ユニットを介して受信する個人情報受信ユニットと、
前記通信ユニットにより受信された前記携帯情報端末からの受信信号の信号強度が所定のしきい値以上であるか否かを判定する判定ユニットであって、前記複数種類の通信方式に含まれる第1の通信方式と、前記第1の通信方式よりも前記優先度が低い第2の通信方式と、の両方で前記携帯情報端末から信号が受信された場合、前記第1の通信方式により受信された受信信号の信号強度が前記しきい値以上であるか否かを判定する前記判定ユニットと、
前記コンテンツ視聴情報及び前記個人情報を所定のサーバに送信する送信ユニットであって、前記判定ユニットにより前記信号強度が前記しきい値以上であると判定された場合に前記個人情報を有効な情報として前記サーバに送信する前記送信ユニットと、
を備え、
前記優先度は、前記通信ユニットが前記携帯情報端末から前記通信方式の信号を受信した場合に、受信した前記通信方式の信号を送信した前記携帯情報端末のユーザが、前記コンテンツ出力装置により出力されている前記コンテンツの視聴者である可能性が高い前記通信方式ほど高く設定される、個人特定システム。
【請求項2】
請求項1に記載の個人特定システムであって、
前記複数種類の通信方式には、非可聴音による通信方式が含まれ、
前記非可聴音による通信方式は、前記複数種類の通信方式に含まれる他の通信方式よりも前記優先度が高く設定される、個人特定システム。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載の個人特定システムであって、
前記送信ユニットは、前記判定ユニットにより前記信号強度が前記しきい値以上であると判定された場合に前記個人情報を前記サーバに送信し、前記信号強度が前記しきい値未満であると判定された場合に前記個人情報を前記サーバに送信しない、個人特定システム。
【請求項4】
請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載の個人特定システムであって、
前記通信ユニットは、前記コンテンツ出力装置により前記コンテンツが出力されている間において、前記非有線通信による信号である要求信号を周囲に送信し、
前記個人情報受信ユニットは、前記個人情報を、前記要求信号を受信した前記携帯情報端末から受信し、
起動されているアプリケーションソフトウェアを示す情報であるアプリ情報を、前記要求信号を受信した前記携帯情報端末から前記通信ユニットを介して受信するアプリ情報受信ユニットを更に備え、
前記送信ユニットは、前記コンテンツ視聴情報、前記個人情報及び前記アプリ情報を前記サーバに送信する、個人特定システム。
【請求項5】
請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載の個人特定システムであって、
前記通信ユニットは、前記コンテンツ出力装置により前記コンテンツが出力されている間において、前記非有線通信による信号である要求信号を周囲に送信し、
前記個人情報受信ユニットは、前記個人情報を、前記要求信号を受信した前記携帯情報端末から受信し、
前記携帯情報端末に対する前記ユーザの操作を示す情報である操作情報を、前記要求信号を受信した前記携帯情報端末から前記通信ユニットを介して受信する操作情報受信ユニットを更に備え、
前記送信ユニットは、前記コンテンツ視聴情報、前記個人情報及び前記操作情報を前記サーバに送信する、個人特定システム。
【請求項6】
ユーザによる視聴操作に応じて選択されたコンテンツを出力するコンテンツ出力装置又は前記コンテンツ出力装置を遠隔操作するための遠隔操作装置から取得された情報に基づくコンテンツ視聴情報を取得する取得ユニットであって、前記コンテンツ視聴情報は、前記視聴操作に応じて選択された前記コンテンツを特定可能な情報である、前記取得ユニットと、
前記ユーザにより所持される携帯情報端末と非有線通信を行う通信ユニットであって、前記コンテンツ出力装置により前記コンテンツが出力されている間において、前記非有線通信による信号である要求信号を周囲に送信する前記通信ユニットと、
前記携帯情報端末の記憶部にあらかじめ記憶されている前記ユーザを識別するための情報である個人情報を、前記要求信号を受信した前記携帯情報端末から前記通信ユニットを介して受信する個人情報受信ユニットと、
起動されているアプリケーションソフトウェアを示す情報であるアプリ情報を、前記要求信号を受信した前記携帯情報端末から前記通信ユニットを介して受信するアプリ情報受信ユニットと、
前記コンテンツ視聴情報、前記個人情報及び前記アプリ情報を所定のサーバに送信する送信ユニットと、
を備える個人特定システム。
【請求項7】
請求項6に記載の個人特定システムであって、
前記携帯情報端末に対する前記ユーザの操作を示す情報である操作情報を、前記要求信号を受信した前記携帯情報端末から前記通信ユニットを介して受信する操作情報受信ユニットを更に備え、
前記送信ユニットは、前記コンテンツ視聴情報、前記個人情報、前記アプリ情報及び前記操作情報を前記サーバに送信する、個人特定システム。
【請求項8】
請求項6又は請求項7に記載の個人特定システムであって、
前記通信ユニットにより受信された前記携帯情報端末からの受信信号の信号強度が所定のしきい値以上であるか否かを判定する判定ユニット
を更に備え、
前記送信ユニットは、前記判定ユニットにより前記信号強度が前記しきい値以上であると判定された場合に前記個人情報を前記サーバに送信し、前記信号強度が前記しきい値未満であると判定された場合に前記個人情報を前記サーバに送信しない、個人特定システム。
【請求項9】
請求項1から請求項までのいずれか1項に記載の個人特定システムであって、
前記通信ユニットにより受信された前記携帯情報端末からの受信通信の信号強度に基づき、前記通信ユニットと前記携帯情報端末との距離を計算する計算ユニットと、
前記距離を示す情報である距離情報を前記サーバに取得させる距離取得指示ユニットと、
を更に備える個人特定システム。
【請求項10】
請求項1から請求項までのいずれか1項に記載の個人特定システムであって、
前記携帯情報端末には、前記携帯情報端末の動きを検出するセンサが搭載され、
前記通信ユニットにより受信された前記携帯情報端末からの受信通信の信号強度に基づき、前記通信ユニットと前記携帯情報端末との距離を計算する第1の計算ユニットと、
前記センサの検出値に基づき前記通信ユニットと前記携帯情報端末との距離を計算する第2の計算ユニットと、
前記第1の計算ユニットにより計算された前記距離と、前記第2の計算ユニットにより計算された前記距離と、に基づき、前記通信ユニットと前記携帯情報端末との距離を推定する推定ユニットと、
前記推定ユニットにより推定された前記距離を前記サーバに取得させる推定距離取得指示ユニットと、
を更に備える個人特定システム。
【請求項11】
請求項1から請求項までのいずれか1項に記載の個人特定システムであって、
前記携帯情報端末には、前記携帯情報端末の動きを検出するセンサが搭載され、
前記センサの検出値に基づき、前記ユーザの行動の状態を示す情報である状態情報を生成する状態情報生成ユニットと、
前記状態情報を前記サーバに取得させる状態取得指示ユニットと、
を更に備える個人特定システム。
【請求項12】
請求項11に記載の個人特定システムであって、
前記状態情報に応じて、前記携帯情報端末の表示部に表示させるコンテンツの表示態様を決定する決定ユニットと、
前記決定ユニットにより決定された前記表示態様でコンテンツを前記表示部に表示する表示処理ユニットと、
を更に備える、個人特定システム。
【請求項13】
あらかじめ優先度が設定された複数種類の通信方式で携帯情報端末と非有線通信を行う通信ユニットを備えた装置のコンピュータを、
ユーザによる視聴操作に応じて選択されたコンテンツを出力するコンテンツ出力装置又は前記コンテンツ出力装置を遠隔操作するための遠隔操作装置から取得した情報に基づくコンテンツ視聴情報を取得する取得ユニットであって、前記コンテンツ視聴情報は、前記視聴操作に応じて選択された前記コンテンツを特定可能な情報である、前記取得ユニットと、
前記ユーザにより所持される前記携帯情報端末の記憶部にあらかじめ記憶されている前記ユーザを識別するための情報である個人情報を、前記携帯情報端末から前記通信ユニットを介して受信する個人情報受信ユニットと、
前記通信ユニットにより受信された前記携帯情報端末からの受信信号の信号強度が所定のしきい値以上であるか否かを判定する判定ユニットであって、前記複数種類の通信方式に含まれる第1の通信方式と、前記第1の通信方式よりも前記優先度が低い第2の通信方式と、の両方で前記携帯情報端末から信号が受信された場合、前記第1の通信方式により受信された受信信号の信号強度が前記しきい値以上であるか否かを判定する前記判定ユニットと、
前記コンテンツ視聴情報及び前記個人情報を所定のサーバに送信する送信ユニットであって、前記判定ユニットにより前記信号強度が前記しきい値以上であると判定された場合に前記個人情報を有効な情報として前記サーバに送信する前記送信ユニットと、
として機能させ、
前記優先度は、前記通信ユニットが前記携帯情報端末から前記通信方式の信号を受信した場合に、受信した前記通信方式の信号を送信した前記携帯情報端末のユーザが、前記コンテンツ出力装置により出力されている前記コンテンツの視聴者である可能性が高い前記通信方式ほど高く設定される、個人特定プログラム。
【請求項14】
非有線通信を行う通信ユニットであって、ユーザによる視聴操作に応じて選択されたコンテンツを出力するコンテンツ出力装置により前記コンテンツが出力されている間において、前記非有線通信による信号である要求信号を周囲に送信する前記通信ユニット、を備えた装置のコンピュータを、
前記コンテンツ出力装置又は前記コンテンツ出力装置を遠隔操作するための遠隔操作装置から取得した情報に基づくコンテンツ視聴情報を取得する取得ユニットであって、前記コンテンツ視聴情報は、前記視聴操作に応じて選択された前記コンテンツを特定可能な情
報である、前記取得ユニットと、
前記ユーザにより所持される携帯情報端末の記憶部にあらかじめ記憶されている前記ユーザを識別するための情報である個人情報を、前記要求信号を受信した前記携帯情報端末から前記通信ユニットを介して受信する個人情報受信ユニットと、
起動されているアプリケーションソフトウェアを示す情報であるアプリ情報を、前記要求信号を受信した前記携帯情報端末から前記通信ユニットを介して受信するアプリ情報受信ユニットと、
前記コンテンツ視聴情報、前記個人情報及び前記アプリ情報を所定のサーバに送信する送信ユニットと、
として機能させる個人特定プログラム。
【請求項15】
携帯情報端末であって、
非有線通信を行うための端末側通信ユニットと、
ユーザを識別するための情報である個人情報を前記携帯情報端末の記憶部から取得する端末側取得ユニットと、
起動されているアプリケーションソフトウェアを示す情報であるアプリ情報を取得するアプリ情報取得ユニットと、
コンテンツ視聴情報送信装置からの前記非有線通信による信号である要求信号が前記端末側通信ユニットにより受信されたことを条件として、前記個人情報、及び、コンテンツ出力装置によりコンテンツが出力されている間において起動されている前記アプリケーションソフトウェアを示す前記アプリ情報、を前記端末側通信ユニットを介して前記コンテンツ視聴情報送信装置に送信する端末側送信ユニットと、
を備え、
前記コンテンツ視聴情報送信装置は、前記ユーザによる視聴操作に応じて選択された前記コンテンツを出力する前記コンテンツ出力装置により前記コンテンツが出力されている間において前記要求信号を周囲に送信し、また、前記コンテンツ出力装置又は前記コンテンツ出力装置を遠隔操作するための遠隔操作装置から取得した情報に基づき、前記視聴操作に応じて選択された前記コンテンツを特定可能な情報であるコンテンツ視聴情報を取得し、取得した前記コンテンツ視聴情報並びに前記携帯情報端末から受信した前記個人情報及び前記アプリ情報を所定のサーバに送信する装置である、携帯情報端末。
【請求項16】
非有線通信を行うための端末側通信ユニットを備える携帯情報端末のコンピュータを、
ユーザを識別するための情報である個人情報を前記携帯情報端末の記憶部から取得する端末側取得ユニットと、
起動されているアプリケーションソフトウェアを示す情報であるアプリ情報を取得するアプリ情報取得ユニットと、
コンテンツ視聴情報送信装置からの前記非有線通信による信号である要求信号が前記端末側通信ユニットにより受信されたことを条件として、前記個人情報、及び、コンテンツ出力装置によりコンテンツが出力されている間において起動されている前記アプリケーションソフトウェアを示す前記アプリ情報、を前記端末側通信ユニットを介して前記コンテンツ視聴情報送信装置に送信する端末側送信ユニットと、
として機能させ、
前記コンテンツ視聴情報送信装置は、前記ユーザによる視聴操作に応じて選択された前記コンテンツを出力する前記コンテンツ出力装置により前記コンテンツが出力されている間において前記要求信号を周囲に送信し、また、前記コンテンツ出力装置又は前記コンテンツ出力装置を遠隔操作するための遠隔操作装置から取得した情報に基づき、前記視聴操作に応じて選択された前記コンテンツを特定可能な情報であるコンテンツ視聴情報を取得し、取得した前記コンテンツ視聴情報並びに前記携帯情報端末から受信した前記個人情報及び前記アプリ情報を所定のサーバに送信する装置である、携帯情報端末プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、個人特定システム、個人特定プログラム、携帯情報端末及び携帯情報端末プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、ユーザがどのテレビ番組を選択したかを示す情報をサーバで取得する構成が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010−239345号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、ユーザがどのテレビ番組を選択したかを特定するだけでなく、コンテンツを視聴している家庭内の個人を特定することが考えられる。この場合、家庭内の個人を特定する方法としては、測定用に配布されたリモコン上のボタンをユーザが操作することで個人を特定する方法が挙げられる。
【0005】
しかしながら、この方法ではユーザは所定のリモコン操作を強いられる。
本開示の一局面は、ユーザにより選択されたコンテンツを特定可能であり、かつ、ユーザに所定のリモコン操作を強いることなく、コンテンツを視聴しているユーザを特定可能な技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様は、取得ユニットと、通信ユニットと、個人情報受信ユニットと、送信ユニットと、を備える個人特定システムである。取得ユニットは、ユーザによる視聴操作に応じて選択されたコンテンツを出力するコンテンツ出力装置又はコンテンツ出力装置を遠隔操作するための遠隔操作装置から取得された情報に基づくコンテンツ視聴情報を取得する。コンテンツ視聴情報は、視聴操作に応じて選択されたコンテンツを特定可能な情報である。通信ユニットは、ユーザにより所持される携帯情報端末と非有線通信を行う。個人情報受信ユニットは、携帯情報端末の記憶部にあらかじめ記憶されているユーザを識別するための情報である個人情報を、携帯情報端末から通信ユニットを介して受信する。送信ユニットは、コンテンツ視聴情報及び個人情報を所定のサーバに送信する。
【0007】
このような構成によれば、コンテンツ視聴情報を基に、ユーザにより選択されたコンテンツが特定可能である。また、ユーザの携帯情報端末との非有線通信によって個人情報が取得され、誰がコンテンツを視聴しているかが特定される。このため、ユーザにより選択されたコンテンツを特定し、かつ、ユーザに所定のリモコン操作を強いることなく、コンテンツを視聴しているユーザを特定することができる。
【0008】
本開示の一態様は、判定ユニットを更に備えていてもよい。判定ユニットは、通信ユニットにより受信された携帯情報端末からの受信信号の信号強度が所定のしきい値以上であるか否かを判定する。送信ユニットは、判定ユニットにより信号強度がしきい値以上であると判定された場合に個人情報をサーバに送信し、信号強度がしきい値未満であると判定された場合に個人情報をサーバに送信しない。
【0009】
通信ユニットの通信エリアはある程度広がりを有するため、個人情報受信ユニットにより個人情報が受信されても、その個人情報は、コンテンツを視聴していないユーザのものである場合がある。これに対して上記構成では、個人情報が受信されても、受信信号の信号強度が判定しきい値以上の場合にのみ個人情報がサーバに送信される。したがって、個人情報が受信された場合に無条件でその個人情報をサーバに送信する構成と比較して、実際に視聴しているユーザの個人情報をより送信しやすくすることができる。
【0010】
本開示の一態様は、計算ユニットと、距離取得指示ユニットと、を備えていてもよい。計算ユニットは、通信ユニットにより受信された携帯情報端末からの受信通信の信号強度に基づき、通信ユニットと携帯情報端末との距離を計算する。距離取得指示ユニットは、距離を示す情報である距離情報をサーバに取得させる。
【0011】
したがって、ユーザが、通信ユニットからどの程度の距離でコンテンツを視聴していたのかを特定することができる。
本開示の一態様は、通信ユニットが、あらかじめ優先度が設定された複数種類の通信方式で携帯情報端末と非有線通信を行ってもよい。そして、計算ユニットは、通信ユニットにより、複数種類の通信方式に含まれる第1の通信方式と、第1の通信方式よりも優先度が低い第2の通信方式と、の両方で携帯情報端末から信号が受信された場合、第1の通信方式により受信された受信信号の信号強度に基づき、距離を計算してもよい。
【0012】
このような構成によれば、例えば、遠方に存在する携帯情報端末からの信号が届きにくい通信方式ほど優先度を高く設定することで、実際に視聴しているユーザの距離情報を送信しやすくすることができる。
【0013】
本開示の一態様は、携帯情報端末には、携帯情報端末の動きを検出するセンサが搭載され、第1の計算ユニットと、第2の計算ユニットと、推定ユニットと、推定距離取得指示ユニットと、を更に備えていてもよい。第1の計算ユニットは、通信ユニットにより受信された携帯情報端末からの受信通信の信号強度に基づき、通信ユニットと携帯情報端末との距離を計算する。第2の計算ユニットは、センサの検出値に基づき通信ユニットと携帯情報端末との距離を計算する。推定ユニットは、第1の計算ユニットにより計算された距離と、第2の計算ユニットにより計算された距離と、に基づき、通信ユニットと携帯情報端末との距離を推定する。推定距離取得指示ユニットは、推定ユニットにより推定された距離をサーバに取得させる。
【0014】
このような構成によれば、例えば、信号強度に基づく通信ユニットと携帯情報端末との距離だけを計算する構成と比較して、同距離の推定精度を向上させることができる。
本開示の一態様は、携帯情報端末には、携帯情報端末の動きを検出するセンサが搭載され、状態情報生成ユニットと、状態取得指示ユニットと、を備えていてもよい。状態情報生成ユニットは、センサの検出値に基づき、ユーザの行動の状態を示す情報である状態情報を生成する。状態取得指示ユニットは、状態情報をサーバに取得させる。
【0015】
このような構成によれば、コンテンツ視聴時におけるユーザの行動の状態を特定することができる。
本開示の一態様は、決定ユニットと、表示処理ユニットと、を備えていてもよい。決定ユニットは、状態情報に応じて、携帯情報端末の表示部に表示させるコンテンツの表示態様を決定する。表示処理ユニットは、決定ユニットにより決定された表示態様でコンテンツを表示部に表示する。
【0016】
このような構成によれば、ユーザの行動の状態に適した表示態様でコンテンツを表示することができる。
本開示の一態様は、アプリ情報受信ユニットを更に備えていてもよい。アプリ情報受信ユニットは、起動されているアプリケーションソフトウェアを示す情報であるアプリ情報を携帯情報端末から通信ユニットを介して受信する。送信ユニットは、アプリ情報をサーバに送信してもよい。
【0017】
このような構成によれば、コンテンツ視聴時においてユーザが視聴していたアプリを特定することができる。
本開示の一態様は、操作情報受信ユニットを更に備えていてもよい。操作情報受信ユニットは、携帯情報端末に対するユーザの操作を示す情報である操作情報を携帯情報端末から通信ユニットを介して受信する。送信ユニットは、操作情報をサーバに送信してもよい。
【0018】
このような構成によれば、コンテンツ視聴時における携帯情報端末に対するユーザの操作を特定することができる。
本開示の別の態様は、非有線通信を行う通信ユニットを備えた装置のコンピュータを、取得ユニットと、個人情報受信ユニットと、送信ユニットと、として機能させる個人特定プログラムである。取得ユニットは、ユーザによる視聴操作に応じて選択されたコンテンツを出力するコンテンツ出力装置又はコンテンツ出力装置を遠隔操作するための遠隔操作装置から取得した情報に基づくコンテンツ視聴情報を取得する。コンテンツ視聴情報は、視聴操作に応じて選択されたコンテンツを特定可能な情報である。個人情報受信ユニットは、ユーザにより所持される携帯情報端末の記憶部にあらかじめ記憶されているユーザを識別するための情報である個人情報を、携帯情報端末から通信ユニットを介して受信する。送信ユニットは、コンテンツ視聴情報及び個人情報を所定のサーバに送信する。
【0019】
このような構成によれば、前述した個人特定システムと同様の効果を奏する。
本開示の別の態様は、携帯情報端末であって、端末側通信ユニットと、端末側送信ユニットと、を備える。端末側通信ユニットは、非有線通信を行うためのユニットである。端末側取得ユニットは、ユーザを識別するための情報である個人情報を携帯情報端末の記憶部から取得する。端末側送信ユニットは、個人情報を端末側通信ユニットを介してコンテンツ視聴情報送信装置に送信する。コンテンツ視聴情報送信装置は、ユーザによる視聴操作に応じて選択されたコンテンツを出力するコンテンツ出力装置又はコンテンツ出力装置を遠隔操作するための遠隔操作装置から取得した情報に基づき、視聴操作に応じて選択されたコンテンツを特定可能な情報であるコンテンツ視聴情報を取得し、取得したコンテンツ視聴情報を所定のサーバに送信する装置である、携帯情報端末。
【0020】
このような構成によれば、コンテンツ視聴情報送信装置が携帯情報端末から受信した個人情報をサーバに送信することで、前述した個人特定システムと同様の効果を奏する。
本開示の別の態様は、非有線通信を行うための通信ユニットを備える携帯情報端末のコンピュータを、端末側取得ユニットと、端末側送信ユニットと、として機能させる携帯情報端末プログラムである。端末側取得ユニットは、ユーザを識別するための情報である個人情報を携帯情報端末の記憶部から取得する。端末側送信ユニットは、個人情報を端末側通信ユニットを介してコンテンツ視聴情報送信装置に送信する。コンテンツ視聴情報送信装置は、ユーザによる視聴操作に応じて選択されたコンテンツを出力するコンテンツ出力装置又はコンテンツ出力装置を遠隔操作するための遠隔操作装置から取得した情報に基づき、視聴操作に応じて選択されたコンテンツを特定可能な情報であるコンテンツ視聴情報を取得し、取得したコンテンツ視聴情報を所定のサーバに送信する装置である。
【0021】
このような構成によれば、コンテンツ視聴情報送信装置が携帯情報端末から受信した個人情報をサーバに送信することで、前述した個人特定システムと同様の効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】行動推定システムの構成を示すブロック図である。
図2】コンテンツ出力装置の構成を示すブロック図である。
図3】専用機器の構成を示すブロック図である。
図4】携帯情報端末の構成を示すブロック図である。
図5】行動推定サーバの構成を示すブロック図である。
図6】専用機器、携帯情報端末及び行動推定サーバの機能ブロック図である。
図7】専用機器が実行する視聴情報送信処理のフローチャートである。
図8】専用機器が実行する個人識別処理のフローチャートである。
図9】携帯情報端末が実行する個人情報送信処理のフローチャートである。
図10】携帯情報端末が実行するアプリ情報送信処理のフローチャートである。
図11】行動推定サーバが実行する推定処理のフローチャートである。
図12】行動推定サーバが実行する広告情報送信処理のフローチャートである。
図13】携帯情報端末が実行する表示処理のフローチャートである。
図14】携帯情報端末が個人情報送信処理を実行する場合のシーケンス図である。
図15】携帯情報端末がアプリ情報送信処理を実行する場合のシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、図面を参照しながら、本開示を実施するための形態を説明する。
[1.構成]
[1−1.ハードウェア構成]
図1に示す行動推定システム100は、コンテンツ出力装置1、専用機器2、携帯情報端末3、行動推定サーバ4及びデータベース5を備える。行動推定システム100は、コンテンツ出力装置1、専用機器2及び携帯情報端末3を複数備えているが、図1では1組のコンテンツ出力装置1、専用機器2及び携帯情報端末3のみが示されている。
【0024】
行動推定システム100は、複数の世帯に設置されているコンテンツ出力装置1(本実施形態ではテレビ)において選択されたテレビ番組を特定するためのシステムである。後述するように、行動推定システム100は、テレビ番組を視聴している又は視聴していたユーザの個人認識及び行動推定も行う。
【0025】
コンテンツ出力装置1は、ユーザによる視聴操作に応じて選択されたテレビ番組を出力するように構成されている。コンテンツ出力装置1は、図2に示すように、ディスプレイ11と、スピーカ12と、制御部13と、HDMI入力端子14と、赤外線受光部15と、を備える。
【0026】
ディスプレイ11は、種々の画像を表示するように構成されている。
スピーカ12は、音を出力するように構成されている。
HDMI入力端子14は、HDMI(登録商標)と呼ばれる通信インタフェースの標準規格に則って、デジタル形式の映像信号、音声信号、および制御信号を1本のケーブルで入力し、制御信号に関してはその出力も行うことが可能な周知のものである。HDMI入力端子14は、コンテンツ出力装置1の後ろ側(ディスプレイ11が設けられている側と反対側)に設けられている。本実施形態では、HDMI入力端子14は、専用機器2のHDMI接続部27に接続されている。
【0027】
赤外線受光部15は、コンテンツ出力装置1を遠隔操作するための遠隔操作装置1aから送信されてくる赤外線コードを受光し、その赤外線コードを制御部13に出力するものである。なお、遠隔操作装置1aは、コンテンツ出力装置1に付属の専用リモコンであってもよいし、この専用リモコンとしての機能を実現するためのプログラム(アプリケーション)が組み込まれたスマートフォンや携帯電話機等であってもよい。
【0028】
制御部13は、例えば、遠隔操作装置1aから入力された赤外線コードに基づいて、ユーザによる視聴操作に応じた放送チャンネルを図示しないTVチューナに選択させることで、その放送チャンネルのTV番組を、ディスプレイ11にモニタ出力させつつ、スピーカ12に音声出力させる。
【0029】
なお、制御部13は、HDMI入力端子14を介して専用機器2から後述する返信要求が入力された場合に、ユーザにより選択された放送チャンネルを示す情報(以下、視聴操作情報)を、HDMI入力端子14を介して専用機器2に出力する。
【0030】
専用機器2は、行動推定サーバ4において、選択されたテレビ番組の特定等を行うために、コンテンツ出力装置1に付属して用いられる専用の機器である。
専用機器2は、図3に示すように、マイク21と、インターネット通信部22と、BLE通信部23と、ICタグインタフェース24と、スピーカ25と、記憶部26と、電源27と、HDMI接続部28と、制御部29と、を備える。なお、インタフェースのことを以下「IF」と略称する。
【0031】
マイク21は、音を入力するように構成されている。
インターネット通信部22は、制御部29からの制御信号に従い、有線又は無線通信により図1に示すンターネット網10にアクセスし、行動推定サーバ4等と通信を行うように構成されている。無線通信の通信方式としては、例えば、WiFi(Wireless Fidelity)、3G(第3世代移動通信システム)等が考えられ、そのいずれかが使用される。なお、WiFiは登録商標である。
【0032】
BLE通信部23は、制御部29からの制御信号に従い、Bluetooth(登録商標) Low Energy(以下、BLE)による近距離通信(以下、BLE通信)を行うように構成されている。
【0033】
ICタグIF24は、制御部29からの制御信号に従い、NFC(Near Field Communication)方式に従った無線通信(以下、NFC通信)を実行するためのI/Fである。ICタグIF24は、携帯情報端末3に設けられた後述するICタグIF33との間でNFC通信を行う。なお、ICタグIF24への電力供給の方法は、いわゆるパッシブ型又はアクティブ型のどちらであってもよい。
【0034】
スピーカ25は、音を出力するように構成されている。本実施形態では、スピーカ25は、制御部29からの制御信号に従い非可聴音を出力し、携帯情報端末3との間で非可聴音による通信(以下、非可聴音通信)を行う。
【0035】
記憶部26は、半導体メモリ素子などの記憶装置である。記憶部26には、専用機器2を他の専用機器2と識別するための情報である識別情報が記憶されている。また、本実施形態では、記憶部26には、受信信号の信号強度と専用機器2までの距離とが関連付けられる情報である信号特性情報が記憶されている。信号特性情報は、BLE通信、NFC通信、非可聴音のそれぞれの通信方式ごとに用意されている。
【0036】
電源27は、制御部29等の各部に電源を供給するように構成されている。
HDMI接続部28は、コンテンツ出力装置1のHDMI入力端子14に接続される。HDMI接続部28は、コンテンツ出力装置1からの視聴操作情報(ユーザにより選択された放送チャンネルを示す情報)を入力するために用いられる。なお、HDMI接続部28は、HDMI入力端子14と直接接続されてもよく、ケーブル等を介して接続されてもよい。
【0037】
制御部29は、CPU291と、RAM、ROM、フラッシュメモリ等の半導体メモリ(以下、メモリ292)と、を有する周知のマイクロコンピュータを中心に構成される。制御部29の各種機能は、CPU291が非遷移的実体的記憶媒体に格納されたプログラムを実行することにより実現される。この例では、メモリ292が、プログラムを格納した非遷移的実体的記憶媒体に該当する。また、このプログラムの実行により、プログラムに対応する方法が実行される。このプログラムの実行により、後述する図7及び図8に示す視聴情報送信処理が実行される。なお、制御部29を構成するマイクロコンピュータの数は1つでも複数でもよい。
【0038】
なお、本実施形態では、制御部29は、HDMI接続部28を介して常に返信要求をコンテンツ出力装置1に入力する。そして、返信要求に対する応答信号として、コンテンツ出力装置1から視聴操作情報が入力される。つまり、コンテンツ出力装置1においてコンテンツが出力されている間は、常に視聴操作情報がコンテンツ出力装置1から入力される。
【0039】
一方、携帯情報端末3は、ユーザが携帯して使用可能な情報機器であり、本実施形態ではスマートフォンである。携帯情報端末3は、図4に示すように、マイク31と、BLE通信部32と、ICタグIF33と、スピーカ34と、タッチパネルディスプレイ35と、記憶部36と、加速度センサ37と、ジャイロセンサ38と、制御部39と、を備える。
【0040】
マイク31は、音を入力するように構成されている。
BLE通信部32は、制御部39からの制御信号に従い、BLE通信を行うように構成されている。
【0041】
ICタグIF33は、制御部39からの制御信号に従い、NFC通信を実行するためのI/Fである。ICタグIF33は、専用機器2に設けられたICタグIF24との間でNFC通信を行う。なお、ICタグIF33への電力供給の方法は、いわゆるパッシブ型又はアクティブ型のどちらであってもよい。
【0042】
スピーカ34は、音を出力するように構成されている。本実施形態では、スピーカ34は、制御部39からの制御信号に従い非可聴音を出力し、専用機器2との間で非可聴音通信を行う。
【0043】
タッチパネルディスプレイ35は、制御部39からの制御信号に従い、各種画像を表示するように構成されている。また、タッチパネルディスプレイ35は、ユーザからのタッチ操作を受け付けて、タッチ操作の内容を示す操作信号を制御部39に出力する。
【0044】
記憶部36は、半導体メモリ素子などの記憶装置である。記憶部36には、携帯情報端末3のユーザを識別するための情報である個人情報が記憶されている。個人情報は、例えば、ユーザの氏名、生年月日、年齢、性別、身体情報、趣味又は趣向等を示す情報である。個人情報は、ユーザによってあらかじめ登録されたものである。
【0045】
加速度センサ37は、携帯情報端末3の加速度を検出するように構成されたセンサである。加速度センサ37は、検出値を制御部39に出力する。
ジャイロセンサ38は、携帯情報端末3の回転角速度を検出するように構成されたセンサである。ジャイロセンサ38は、検出値を制御部39に出力する。
【0046】
制御部39は、CPU391と、RAM、ROM、フラッシュメモリ等の半導体メモリ(以下、メモリ392)と、を有する周知のマイクロコンピュータを中心に構成される。制御部39の各種機能は、CPU391が非遷移的実体的記憶媒体に格納されたプログラムを実行することにより実現される。この例では、メモリ392が、プログラムを格納した非遷移的実体的記憶媒体に該当する。また、このプログラムの実行により、プログラムに対応する方法が実行される。本実施形態では、携帯情報端末3には、専用のアプリ(以下、専用アプリ)がインストールされており、この専用アプリが実行されることにより、後述する図9に示す個人情報送信処理、図10に示すアプリ情報送信処理及び図13に示す表示処理が実行される。なお、制御部39を構成するマイクロコンピュータの数は1つでも複数でもよい。
【0047】
一方、行動推定サーバ4は、図5に示すように、ネットワークIF41と、制御部42と、を備える。
ネットワークIF41は、インターネット網10に接続されるように構成されている。
【0048】
制御部42は、CPU421と、RAM、ROM、フラッシュメモリ等の半導体メモリ(以下、メモリ422)と、を有する周知のマイクロコンピュータを中心に構成される。制御部42の各種機能は、CPU421が非遷移的実体的記憶媒体に格納されたプログラムを実行することにより実現される。この例では、メモリ422が、プログラムを格納した非遷移的実体的記憶媒体に該当する。また、このプログラムの実行により、プログラムに対応する方法が実行される。本実施形態では、このプログラムの実行により、後述する図11に示す推定処理及び図12に示す広告情報送信処理が実行される。なお、制御部42を構成するマイクロコンピュータの数は1つでも複数でもよい。
【0049】
データベース5は、行動推定サーバ4により生成された各種データを記憶するためのデータベースである。本実施形態では、データベース5には、携帯情報端末3のタッチパネルディスプレイ35に表示させるための広告の情報である広告情報が記憶されている。本実施形態では、情報の粒度の異なる複数種類の広告情報が記憶されている。具体的には、情報の粒度の異なる複数種類の広告情報として、文字数の異なる複数種類の文字メッセージの広告情報が記憶されている。特に、第1の広告情報と、第1の広告情報よりも文字数が多い第2の広告情報が記憶されている。第1の広告情報は概要が容易に把握できるような簡易的なメッセージの広告情報であり、第2の広告情報は内容の濃いメッセージの広告情報である。
【0050】
[1−2.機能構成]
次に、図6を用いて、携帯情報端末3の制御部39、専用機器2の制御部29及び行動推定サーバ4の制御部42の機能構成を順に説明する。
【0051】
まず、携帯情報端末3の制御部39は、CPU391が前述した専用アプリを実行することにより、アドバタイジングパケット受信部393と、個人情報取得部394、状態情報生成部395と、合成処理部396と、アプリ情報取得部397と、送信用データ生成部398と、データ送信部399と、データ受信部400と、表示処理部401と、として機能する。
【0052】
アドバタイジングパケット受信部393は、専用機器2から送信されたアドバタイジングパケットを受信する。すなわち、本実施形態では、専用機器2は、自装置の存在を知らせるための無線パケットであるアドバタイジングパケットを、BLE通信、NFC通信及び非可聴音通信の3種類の通信方式で自装置周囲に送信する。アドバタイジングパケット受信部393は、BLE通信部32、ICタグIF33及びマイク31を介して各通信方式のアドバタイジングパケットを受信する。
【0053】
個人情報取得部394は、アドバタイジングパケット受信部393により専用機器2からのアドバタイジングパケットが受信されると、個人情報を記憶部36から取得する。
状態情報生成部395は、アドバタイジングパケット受信部393により専用機器2からのアドバタイジングパケットが受信されると、状態情報を生成する。状態情報とは、ユーザの行動の状態を示す情報である。本実施形態では、状態情報は、携帯情報端末3に搭載された加速度センサ37及びジャイロセンサ38の検出値を含む。また、状態情報は、センサ37,38の検出値に基づき推定されたユーザの行動の状態を含む。本実施形態で推定されるユーザの行動は、ユーザが座っている状態及び移動している状態である。
【0054】
合成処理部396は、個人情報と状態情報とを合成するとともに、合成して得られた情報を送信可能なデータ形式にする。ここでいう各通信方式とは、BLE通信、NFC通信及び非可聴音通信による通信方式を指す。以下同様である。
【0055】
アプリ情報取得部397は、アドバタイジングパケット受信部393により専用機器2からのアドバタイジングパケットが受信されると、アプリ情報を取得する。アプリ情報とは、携帯情報端末3で起動されているアプリを示す情報である。換言すれば、アプリ情報は、携帯情報端末3においてユーザが視聴しているアプリを示す情報である。
【0056】
送信用データ生成部398は、アプリ情報を送信可能なデータ形式に変更する。
データ送信部399は、個人情報及び状態情報の合成情報とアプリ情報とを各通信方式で専用機器2に送信する。
【0057】
データ受信部400は、行動推定サーバ4から送られてきた広告情報を専用機器2を介して受信する。
表示処理部401は、データ受信部400により受信された広告情報の示す広告をタッチパネルディスプレイ35に表示する。
【0058】
一方、専用機器2の制御部29は、CPU291がメモリ292に記憶されているプログラムを実行することにより、アドバタイジングパケット送信部293と、視聴操作情報取得部294と、コンテンツ認識処理部295と、データ受信部296と、個人情報処理部297と、第1の距離計算部298と、状態情報処理部299と、アプリ情報処理部300と、送信用データ生成部301と、データ送信部302と、として機能する。
【0059】
アドバタイジングパケット送信部293は、専用機器2周辺に各通信方式でアドバタイジングパケットを送信する。
視聴操作情報取得部294は、コンテンツ出力装置1からHDMI接続部27を介して視聴操作情報を取得する。
【0060】
コンテンツ認識処理部295は、視聴操作情報に基づき、ユーザの視聴操作に応じて選択されたテレビ番組を特定可能なコンテンツ視聴情報を生成する。なお、コンテンツ視聴情報は、視聴操作に応じて選択されたコンテンツを行動推定サーバ4上で特定可能なものであればよい。本実施形態では、コンテンツ視聴情報は、視聴操作情報の示す放送チャンネル及びその視聴操作情報を専用機器2が取得した時刻を含む情報である。
【0061】
データ受信部296は、携帯情報端末3のデータ送信部399によって送信された各種情報を各通信方式で受信する。また、データ受信部296は、行動推定サーバ4によって送信された広告情報をインターネット通信部22を介して受信する。
【0062】
個人情報処理部297は、データ受信部296により取得された各種情報の中から個人情報を抽出する。
第1の距離計算部298は、各通信方式により受信された受信信号の信号強度に基づき、携帯情報端末3と専用機器2との距離を計算する。ここでいう信号強度とは、非可聴音通信については音量であり、BLE通信及びNFC通信については電波強度である。第1の距離計算部298は、記憶部26に記憶されている信号特性情報と受信信号の信号強度とに基づき、携帯情報端末3と専用機器2との距離を計算する。第1の距離計算部298は、計算した距離を示す情報である距離情報を生成する。
【0063】
状態情報処理部299は、データ受信部296により取得された各種情報の中から状態情報を抽出する。
アプリ情報処理部300は、データ受信部296により取得された各種情報の中からアプリ情報を抽出する。
【0064】
送信用データ生成部301は、コンテンツ視聴情報、個人情報、距離情報、状態情報及びアプリ情報のそれぞれを送信可能なデータ形式に変更する。
データ送信部302は、データ形式を変更された各種情報を、専用機器2の識別情報及びタイムスタンプと共にインターネット通信部22を介して行動推定サーバ4に送信する。また、データ送信部302は、データ受信部296により受信された広告情報を各通信方式で携帯情報端末3に送信する。
【0065】
一方、行動推定サーバ4は、CPU421がメモリ422に記憶されているプログラムを実行することにより、データ受信部423と、第1紐付け処理部424と、第2紐付け処理部425と、データ格納部426と、データ引き出し部427と、移動量計算部428と、第2の距離計算部429と、推定部430と、広告決定部431と、データ送信部432と、として機能する。
【0066】
データ受信部423は、専用機器2のデータ送信部302によって送信された各種情報をインターネット通信部22を介して受信する。
第1紐付け処理部424は、データ受信部423により受信されたコンテンツ視聴情報、個人情報、距離情報、状態情報、専用機器2の識別情報及びタイムスタンプを互いに紐付ける。
【0067】
第2紐付け処理部425は、データ受信部423により受信されたコンテンツ視聴情報、アプリ情報、専用機器2の識別情報及びタイムスタンプを互いに紐付ける。
データ格納部426は、第1紐付け処理部424及び第2紐付け処理部425で紐付けられた各種情報をデータベース5に格納(記憶)する。また、データ格納部426は、後述するように、推定部430により推定された専用機器2と携帯情報端末3との距離をデータベース5に格納する。
【0068】
データ引き出し部427は、データベース5から各種情報を引き出す。本実施形態では、データ引き出し部427は、専用機器2からのコンテンツ視聴情報の送信、換言すれば、コンテンツの視聴が開始されると、その専用機器2から過去に送信された状態情報を定期的にデータベース5から引き出す。そして、データ引き出し部427は、引き出した状態情報を広告決定部431に随時提供する。また、データ引き出し部427は、ユーザによるコンテンツの視聴が終了したタイミングで、コンテンツの視聴開始時から終了時までの間にその専用機器2から過去に送信された状態情報及び距離情報をまとめてデータベース5から引き出す。そして、引き出した状態情報及び距離情報を移動量計算部428に提供する。なお、本実施形態では一定時間以上専用機器2からコンテンツ視聴情報が送られてこない場合に、コンテンツの視聴が終了したと判定される。
【0069】
移動量計算部428は、データ引き出し部427から引き出された状態情報の中の加速度センサ37及びジャイロセンサ38の検出値に基づき、コンテンツの視聴が開始されてから終了されるまでの間の一定時間ごとの携帯情報端末3のユーザの移動量を計算する。移動量計算部428は、移動距離については、加速度情報から得られる歩数データと、個人情報に含まれる身体データからユーザの歩幅を計算し、歩数×歩幅でおおよその移動距離を計算する。
【0070】
第2の距離計算部429は、コンテンツの視聴が開始されてから終了されるまでの間の一定時間ごとの専用機器2と携帯情報端末3との距離を計算する。第2の距離計算部429は、データ引き出し部427から引き出された距離情報を初期位置とし、移動量計算部428により計算された移動量を加算する。第2の距離計算部429は、この処理を一定時間ごと実行することで、一定時間ごとの専用機器2と携帯情報端末3との距離を計算する。
【0071】
推定部430は、距離推定処理を実行する。距離推定処理では、第2の距離計算部429により計算された距離と、データ引き出し部427から引き出された、第1の距離計算部298により計算された距離情報の示す距離と、が比較され、両距離のズレが計算される。そして、ズレが所定値を超える場合には、第2の距離計算部429により計算された距離が、その時刻における専用機器2と携帯情報端末3との距離とされる。これにより専用機器2と携帯情報端末3との一定時間ごとの距離が推定される。
【0072】
広告決定部431は、データ引き出し部427から定期的に引き出された状態情報により示されるユーザの行動の状態に基づき、データベース5に記憶されている広告の中から、携帯情報端末3のタッチパネルディスプレイ35に表示する広告情報を決定する。本実施形態では、広告決定部431は、状態情報がユーザが座っている状態を示す場合、前述した第2の広告情報(文字数が多い方の広告情報)の中から任意に1つの広告情報を抽出し、表示する広告情報とする。一方、広告決定部431は、状態情報がユーザが移動している状態を示す場合、前述した第1の広告情報(文字数が少ない方の広告情報)の中から任意に1つの広告情報を抽出し、表示される広告情報とする。
【0073】
データ送信部432は、広告決定部431に決定された広告の広告情報をネットワークIF41を介して専用機器2に送信する。
[2.処理]
[2−1.視聴情報送信処理]
次に、専用機器2の制御部29が実行する視聴情報送信処理について、図7のフローチャートを用いて説明する。視聴情報送信処理は、専用機器2の電源がオンである間に周期的に実行される。
【0074】
まず、S110で、制御部29は、コンテンツ出力装置1においてコンテンツが視聴されているか否かを判定する。ここで、制御部29は、コンテンツ出力装置1から視聴操作情報が入力されている場合に、コンテンツが視聴されていると判定する。一方、制御部29は、コンテンツ出力装置1から視聴操作情報が入力されていない場合に、コンテンツが視聴されていないと判定する。
【0075】
制御部29は、コンテンツが視聴されていないと判定した場合には、S110の処理を再度実行する。
一方、制御部29は、コンテンツが視聴されていると判定した場合には、S115及びS120の一連の処理と、S130〜S165の一連の処理と、を並列に実行する。
【0076】
S115で、制御部29は、コンテンツ出力装置1から取得した視聴操作情報に基づきコンテンツ視聴情報を生成し、取得する。
そして、S120で、制御部29は、取得したコンテンツ視聴情報を、専用機器2の識別情報及びタイムスタンプと共に、行動推定サーバ4に送信した後、S115及びS120の一連の処理を終了する。
【0077】
一方で、S130で、制御部29は、専用機器2周辺にアドバタイジングパケットを送信する。このように、本実施形態では、コンテンツが視聴されていると判定された場合にのみ、アドバタイジングパケットが送信される。本実施形態では、送信されるすべてのアドバタイジングパケットにはシーケンス番号が付加されている。
【0078】
制御部29は、S130を実行すると、S140の処理と、S150及びS155の一連の処理と、S160及びS165の一連の処理と、を並列に実行する。
S140で、制御部29は、図8に示す個人識別処理を実行する。個人識別処理については後述する。
【0079】
一方、S150で、制御部29は、専用機器2からのアプリ情報が受信されたか否かを判定する。
制御部29は、S150でアプリ情報が受信されていないと判定した場合には、S150を再度実行する。
【0080】
一方、制御部29は、S150でアプリ情報が受信されたと判定した場合には、S155へ移行し、アプリ情報を行動推定サーバ4に送信し、S150及びS155の一連の処理を終了する。なお、各通信方式のいずれかの通信方式でアプリ情報が受信された後、他の通信方式で同一内容のアプリ情報が受信された場合、後に受信された同一内容のアプリ情報が破棄されてもよい。
【0081】
一方、S160で、制御部29は、行動推定サーバ4からの広告情報が受信されたか否かを判定する。
制御部29は、広告情報が受信されていないと判定した場合には、S160を再度実行する。
【0082】
一方、制御部29は、160で広告情報が受信されたと判定した場合には、S165へ移行し、広告情報を携帯情報端末3に送信し、S160及びS165の一連の処理を終了する。
【0083】
制御部29は、S115及びS120の一連の処理が終了し、また、S140の処理と、S150及びS155の一連の処理と、S160及びS165の一連の処理と、がすべて終了すると、図7の視聴情報送信処理を終了する。
【0084】
なお、制御部29は、S115、S120及びS130を実行することで、視聴操作情報取得部294、コンテンツ認識処理部295及びアドバタイジングパケット送信部293として機能する。また、制御部29は、S155及びS165を実行することで、データ送信部302として機能する。
【0085】
[2−2.個人識別処理]
次に、専用機器2の制御部29が実行する個人識別処理について、図8のフローチャートを用いて説明する。
【0086】
まず、S141で、制御部29は、携帯情報端末3から優先度高の通信方式で応答があったか否かを判定する。本実施形態では、各通信方式には、優先度があらかじめ設定されている。具体的には、非可聴音による通信方式が優先度高、NFCによる通信方式が優先度中、BLEによる通信方式が優先度低に設定されている。したがって、S141では、非可聴音による通信方式で携帯情報端末3から応答があったか否かが判定される。
【0087】
本実施形態では、優先度は、携帯情報端末3から応答があった場合に、その携帯情報端末3のユーザがコンテンツ視聴中である可能性が高いと考えられる通信方式ほど高くなるように設定されている。すなわち、非可聴音などの音波は建物の壁を通過しにくい。よって、非可聴音で応答があった場合、応答した携帯情報端末3は、専用機器2、ひいてはコンテンツ出力装置1が設置されている部屋の中に存在する可能性が高い。換言すれば、非可聴音で応答があった場合、応答した携帯情報端末3のユーザはコンテンツを視聴している可能性が高い。一方、BLE通信やNFC通信などの電波は建物の壁を通過しやすい。したがって、BLE通信及びNFC通信で応答があった場合、壁の向こう側にいるユーザの携帯情報端末3からの応答信号が受信されやすい。換言すれば、BLE通信又はNFC通信で応答があった場合、非可聴音通信よりも、コンテンツを視聴していないユーザの携帯情報端末3からの応答信号が受信されやすい。よって、本実施形態では、応答があった場合に、応答した携帯情報端末3のユーザがよりコンテンツを視聴している可能性が高い非可聴音通信の方が、BLE通信及びNFC通信よりも優先度が高く設定されている。BLE通信及びNFC通信については、壁の向こう側まで電波が届くのは同じであるが、本実施形態では、NFC通信による通信方式の方がBLE通信による通信方式よりも優先度が高く設定されている。
【0088】
制御部29は、S141で優先度高の通信方式で応答がなかったと判定した場合には、S142へ移行し、優先度中の通信方式で応答があったか否かを判定する。つまり、制御部29は、NFC通信による通信方式で応答があったか否かを判定する。
【0089】
制御部29は、S142で優先度中の通信方式で応答がなかったと判定した場合には、S143へ移行し、優先度低の通信方式で応答があったか否かを判定する。つまり、制御部29は、BLE通信による通信方式で応答があったか否かを判定する。
【0090】
制御部29は、優先度低の通信方式で応答がなかったと判定した場合、つまり、いずれの通信方式でも応答がなかったと判定した場合、図8の個人識別処理を終了する。
一方、制御部29は、S141で優先度高の通信方式で応答があったと判定した場合、S142で優先度高の通信方式で応答があったと判定した場合、又は、S143で優先度低の通信方式で応答があったと判定した場合、S144に移行する。
【0091】
S144で、制御部29は、応答のあった通信方式の受信信号の信号強度が所定のしきい値(以下、判定しきい値)以上であるか否かを判定する。S144及び後述するS145でいう応答のあった通信方式とは、応答のあった通信方式のうち最も優先度が高い通信方式を指すものとする。
【0092】
また、判定しきい値は、視聴エリアの中と外の境目上に位置する携帯情報端末3から送信された信号が受信された場合の受信信号の信号強度を目安に設定される。つまり、判定しきい値は、通信方式ごとに設定される。視聴エリアとは、専用機器2、ひいてはコンテンツ出力装置1周辺のエリアであってコンテンツ出力装置1に出力されているテレビ番組を視聴しているユーザが通常存在すると考えられる所定のエリアである。本実施形態では、視聴エリアは、専用機器2によるいずれの通信方式の通信エリア内よりも狭いエリアに設定されている。
【0093】
制御部29は、S144で信号強度が判定しきい値以上であると判定した場合、換言すれば、携帯情報端末3が視聴エリア内に存在すると判定した場合には、S145へ移行し、応答のあった通信方式の受信信号の信号強度に基づき、専用機器2と携帯情報端末3との距離を計算する。
【0094】
続いて、S146で、制御部29は、携帯情報端末3から取得した各種情報の中から個人情報及び状態情報を抽出する。
続いて、S147で、制御部29は、抽出された個人情報及び状態情報並びにS145で計算された距離を示す距離情報を、専用機器2の識別情報及びタイムスタンプと共に、行動推定サーバ4に送信する。制御部29は、S147を実行すると、図8の個人識別処理を終了する。
【0095】
一方、制御部29は、S144で信号強度が判定しきい値未満であると判定した場合、換言すれば、携帯情報端末3が視聴エリア内に存在しないと判定した場合には、前述したS145〜147の処理を実行せずに、図8の個人識別処理を終了する。つまり、信号強度が判定しきい以上である、換言すれば、携帯情報端末3が視聴エリア内に存在すると判定される場合にのみ、個人情報等の情報が行動推定サーバ4に送信される。
【0096】
なお、制御部29は、S141〜S143を実行することで、データ受信部296として機能する。また、制御部29は、S145を実行することで、第1の距離計算部298として機能し、S146を実行することで、個人情報処理部297及び状態情報処理部299として機能する。また、制御部29は、S147を実行することで、データ送信部302として機能する。
【0097】
[2−3.個人情報送信処理]
次に、携帯情報端末3の制御部39が実行する個人情報送信処理について、図9のフローチャートを用いて説明する。なお、個人情報送信処理は、前述した専用アプリが起動されている間において周期的に実行される。
【0098】
まず、S410で、制御部39は、専用機器2からのアドバタイジングパケットが各通信方式のうち少なくとも1つの通信方式で受信されたか否かを判定する。
制御部39は、S410でアドバタイジングパケットが受信されていないと判定した場合には、S410を再度実行する。
【0099】
一方、制御部39は、S410でアドバタイジングパケットが受信されたと判定した場合には、S420へ移行し、加速度センサ37が携帯情報端末3に搭載されているか否かを判定する。
【0100】
制御部39は、S420で加速度センサ37が携帯情報端末3に搭載されていると判定した場合には、S430へ移行し、加速度センサ37から検出値を示す加速度情報を取得する。ここで、後述するとおり、専用アプリが起動されている間において加速度情報及び後述する方位情報は状態情報として携帯情報端末3に定期的に送信される。S430では、制御部39は、前回状態情報が送信された時点から現在までの間の検出値を示す加速度情報を取得する。したがって、専用アプリが継続された状態で携帯情報端末3が専用機器2の通信エリアから出て再度入った場合、携帯情報端末3が通信エリアの外に存在したときの検出値も取得される。なお、専用アプリが起動されてから一度も状態情報が送信されていない場合、専用アプリが起動されてから最初にアドバタイジングパケットを受信した時点から現在までの間の検出値を示す加速度情報を送信する。制御部39は、S430を実行すると、S440に移行する。
【0101】
一方、制御部39は、S420で加速度センサ37が携帯情報端末3に搭載されていないと判定した場合には、S430を飛ばして、S440に移行する。
S440で、制御部39は、ジャイロセンサ38が携帯情報端末3に搭載されているか否かを判定する。
【0102】
制御部39は、S440でジャイロセンサ38が携帯情報端末3に搭載されていると判定した場合には、S450へ移行し、ジャイロセンサ38から検出値を示す方位情報を取得する。S450では、制御部39は、前回状態情報が送信された時点から現在までの間の検出値を示す方位情報を送信する。また、専用アプリが起動されてから、一度も状態情報が送信されていない場合、専用アプリが起動されてから最初にアドバタイジングパケットを受信した時点から現在までの間の検出値を示す方位情報を送信する。制御部39は、S450を実行すると、S460に移行する。
【0103】
一方、制御部39は、S440でジャイロセンサ38が携帯情報端末3に搭載されていないと判定した場合には、S450を飛ばして、S460に移行する。
S460で、制御部39は、記憶部36からユーザの個人情報を取得する。
【0104】
続いて、S470で、制御部39は、取得された加速度情報及び方位情報の少なくとも一方に基づいて、状態情報を生成する。ここで、加速度情報が、一定期間の間に所定の変化幅を超える加速度の変化が周期的にあったことを示す場合、ユーザが移動している状態を示す状態情報が生成される。一方、加速度情報が、一定期間の間に所定の変化幅を超える加速度の変化が周期的にあったことを示さない場合、ユーザが座っている状態を示す状態情報が生成される。
【0105】
続いて、S480で、制御部39は、個人情報と状態情報とを合成し、合成情報を生成する。
続いて、S490で、制御部39は、合成情報を各通信方式で専用機器2に送信した後、図9の個人情報送信処理を終了する。本実施形態では、合成情報は、受信されたアドバタイジングパケットのシーケンス番号とセットで専用機器2に送信される。このため、携帯情報端末3から送られてくる合成情報の時系列的な順序性は保証される。
【0106】
なお、制御部39は、S410、S460、S470、S480及びS490を実行することで、アドバタイジングパケット受信部393、個人情報取得部394、状態情報生成部395、合成処理部396及びデータ送信部399として機能する。
【0107】
[2−4.アプリ情報送信処理]
次に、携帯情報端末3の制御部39が実行するアプリ情報送信処理について、図10のフローチャートを用いて説明する。アプリ情報送信処理は、前述した専用アプリが起動されている間において周期的に実行される。
【0108】
まず、S510で、制御部39は、専用機器2からのアドバタイジングパケットが各通信方式のうち少なくとも1つの通信方式で受信されたか否かを判定する。
制御部39は、S510でアドバタイジングパケットが受信されていないと判定した場合には、S510を再度実行する。
【0109】
一方、制御部39は、S510でアドバタイジングパケットが受信されたと判定した場合には、S520へ移行し、アプリ情報を取得する。
続いて、S530で、制御部39は、アプリ情報を送信可能な形式に変更し、送信用データを生成する。
【0110】
続いて、S540で、制御部39は、送信用データを各通信方式で専用機器2に送信した後、図10のアプリ情報送信処理を終了する。なお、送信用データは、受信されたアドバタイジングパケットのシーケンス番号とセットで専用機器2に送信される。このため、携帯情報端末3から送られてくる送信用データ(アプリ情報)の時系列的な順序性は保証される。
【0111】
なお、制御部39は、S510、S520、S530及びS540を実行することで、アドバタイジングパケット受信部393、アプリ情報取得部397、送信用データ生成部398及びデータ送信部399として機能する。
【0112】
[2−5.推定処理]
次に、行動推定サーバ4の制御部42が実行する推定処理について、図11のフローチャートを用いて説明する。推定処理は、一定時間以上専用機器2からコンテンツ視聴情報が送られてこない場合に実行される。
【0113】
まず、S610で、制御部42は、データベース5から各種情報を引き出す。
続いて、S620で、制御部42は、データ引き出し部427から引き出された状態情報の中の加速度センサ37及びジャイロセンサ38の検出値に基づき、コンテンツの視聴が開始されてから終了されるまでの間の一定時間ごとの携帯情報端末3のユーザの移動量を計算する。
【0114】
続いて、S630で、制御部42は、コンテンツの視聴が開始されてから終了されるまでの間の一定時間ごとの専用機器2に対する携帯情報端末3の距離を計算する。
続いて、S640で、制御部42は、前述した距離推定処理を実行する。
【0115】
続いて、S650で、制御部42は、推定された一定時間ごとの専用機器2と携帯情報端末3との距離をデータベース5に格納する。制御部42は、S650を実行すると、図11の推定処理を終了する。
【0116】
なお、制御部42は、S610〜S650を実行することで、データ引き出し部427、移動量計算部428、第2の距離計算部429、推定部430、データ格納部426として機能する。
【0117】
[2−6.広告情報送信処理]
次に、行動推定サーバ4の制御部42が実行する広告情報送信処理について、図12のフローチャートを用いて説明する。広告情報送信処理は、専用機器2からコンテンツ視聴情報が送られてきている間において周期的に実行される。
【0118】
まず、S710で、制御部42は、状態情報を引き出す。
続いて、S720で、制御部42は、状態情報に応じた文字数の広告情報を決定する。
続いて、S730で、制御部42は、S720で決定した広告情報を専用機器2に送信した後、図12の広告情報送信処理を終了する。
【0119】
なお、制御部42は、S710〜S730を実行することで、データ引き出し部427、広告決定部431及びデータ送信部432として機能する。
[2−7.表示処理]
次に、携帯情報端末3の制御部39が実行する広告表示処理について、図13のフローチャートを用いて説明する。広告表示処理は、専用アプリが起動されている間において周期的に実行される。
【0120】
まず、S810で、制御部39は、専用機器2からの広告情報が受信されたか否かを判定する。
制御部39は、専用機器2から広告情報が受信されていないと判定した場合には、S810を再度実行する。
【0121】
一方、制御部39は、広告情報が受信されたと判定した場合には、S820で、広告情報の示す広告をタッチパネルディスプレイ36に表示し、図13の広告表示処理を終了する。
なお、制御部39は、S810及びS820を実行することで、データ受信部400及び表示処理部401として機能する。
【0122】
[2−8.シーケンス]
次に、専用機器2、携帯情報端末3及び行動推定サーバ4の間のシーケンスについて説明する。
【0123】
まず、携帯情報端末3が個人情報送信処理を実行する場合のシーケンスを、図14を用いて説明する。以下では、コンテンツ出力装置1においてコンテンツが視聴されていることを前提とする。
【0124】
まず、T101で、専用機器2は、コンテンツ視聴情報を行動推定サーバ4に送信する。続いて、T102で、専用機器2は、アドバタイジングパケットを携帯情報端末3に送信する。ただし、この時点では、携帯情報端末3は専用機器2の通信エリア外に存在しており、専用機器2からのアドバタイジングパケットを受信しない。よって、携帯情報端末3からの応答はない。
【0125】
T103及びT104は、前述したT101及びT102と同様である。また、T105及びT106も、前述したT101及びT102と同様である。
ただし、T106でアドバタイジングパケットが携帯情報端末3に送信されたとき、携帯情報端末3は専用機器2の通信エリア内に存在する。よって、T107で、携帯情報端末3は、加速度センサ37及びジャイロセンサ38から加速度情報及び方位情報を取得する。なお、図14では、携帯情報端末3は時刻T1で専用機器2の通信エリアに入り、時刻T2で専用機器2の通信エリアから出ている。
【0126】
続いて、T108で、携帯情報端末3は、記憶部36から個人情報を取得し、取得した加速度情報及び方位情報に基づき状態情報を生成する。その後、T109で、個人情報及び状態情報の合成情報を専用機器2に送信する。
【0127】
T110で、送信された合成情報を受信した専用機器2は、コンテンツ視聴情報と、受信した個人情報及び状態情報を、行動推定サーバ4に送信する。
T111〜T115及びT116〜T120は、T106〜T110と同様である。
【0128】
T121で、専用機器2はアドバタイジングパケットを携帯情報端末3に送信する。ただし、この時点では携帯情報端末3は専用機器2の通信エリアの外に出ており、携帯情報端末3からの応答がなくなる。
【0129】
よって、T122で、専用機器2は、コンテンツ視聴情報番組情報のみを行動推定サーバ4に送信する。
次に、携帯情報端末3がアプリ情報送信処理を実行する場合のシーケンスを、図15を用いて説明する。
【0130】
まず、T201で、専用機器2は、アドバタイジングパケットを携帯情報端末3に送信する。ただし、この時点では、携帯情報端末3は専用機器2の通信エリア外に存在しており、専用機器2からのアドバタイジングパケットを受信しない。よって、携帯情報端末3からの応答はない。
【0131】
T202で、専用機器2は、アドバタイジングパケットを携帯情報端末3に送信する。このとき、携帯情報端末3は、専用機器2の通信エリア内に存在する。よって、T203で携帯情報端末3は、アプリ情報を取得する。なお、図15では、携帯情報端末3は時刻T3で専用機器2の通信エリア内に入り、時刻T4で専用機器2の通信エリア内から出ている。
【0132】
T204で、携帯情報端末3は、送信用データを生成する。T205で、携帯情報端末3は、送信用データ(アプリ情報)を専用機器2に送信する。T206で、専用機器2は、アプリ情報を行動推定サーバ4に送信する。
【0133】
T207〜T211は、T202〜T206と同様である。
T212で、専用機器2はアドバタイジングパケットを携帯情報端末3に送信する。ただし、この時点では、携帯情報端末3は専用機器2の通信エリアの外に出ており、携帯情報端末3からの応答がなくなる。
【0134】
[3.効果]
以上詳述した実施形態によれば、以下の効果が得られる。
(1)本実施形態では、専用機器2は、コンテンツ視聴情報を取得する。また、専用機器2は、個人情報を、携帯情報端末3が専用機器2の通信エリアに入った契機で、携帯情報端末3からBLE通信、NFC通信又は非可聴音通信により受信する。そして、専用機器2は、コンテンツ視聴情報及び個人情報を行動推定サーバ4に送信する。
【0135】
したがって、ユーザにより選択されたコンテンツを特定し、かつ、ユーザに所定のリモコン操作を強いることなく、コンテンツを視聴しているユーザを特定することができる。
(2)本実施形態では、専用機器2は、携帯情報端末3からの受信信号の信号強度が判定しきい値以上であると判定した場合に個人情報を行動推定サーバ4に送信する。一方、専用機器2は、受信信号の信号強度が判定しきい値未満であると判定した場合に個人情報を行動推定サーバ4に送信しない。
【0136】
専用機器2の通信エリアは比較的広い。このため、専用機器2が個人情報を受信しても、その個人情報は、コンテンツを視聴していないユーザのものである場合がある。これに対して本実施形態では、個人情報が受信されても、受信信号の信号強度が判定しきい値以上の場合、換言すれば、携帯情報端末3が視聴エリア内に存在する場合にのみ個人情報が行動推定サーバ4に送信される。したがって、個人情報が受信された場合に無条件でその個人情報を行動推定サーバ4に送信する構成と比較して、実際に視聴しているユーザの個人情報をより送信しやすくすることができる。
【0137】
(3)本実施形態では、専用機器2は、携帯情報端末3からの受信信号の信号強度に基づき、専用機器2と携帯情報端末3との距離を計算する。そして、距離を示す距離情報を行動推定サーバ4に送信する。
【0138】
したがって、ユーザが、専用機器2、ひいてはコンテンツ出力装置1からどの程度の距離でコンテンツを視聴していたのかを特定することができる。
(4)本実施形態では、専用機器2は、あらかじめ優先度が設定された複数種類の通信方式で携帯情報端末3と通信を行う。そして、専用機器2は、第1の通信方式と、第1の通信方式よりも優先度が低い第2の通信方式と、の両方で携帯情報端末3から信号を受信した場合、優先度の高い第1の通信方式により受信された受信信号の信号強度に基づき、距離を計算する。また、本実施形態では、遠方に存在する携帯情報端末3からの信号が届きにくい通信方式ほど優先度が高く設定されているため、実際に視聴しているユーザの距離情報を送信しやすくすることができる。
【0139】
(5)本実施形態では、行動推定サーバ4は、加速度センサ37及びジャイロセンサ38の検出値に基づき、専用機器2と携帯情報端末3との距離を計算する。また、行動推定サーバ4は、センサ37,38の検出値に基づき計算した距離と、専用機器2から取得した、信号強度に基づく距離と、に基づき、上記距離を推定する。したがって、例えば、信号強度に基づく距離だけを計算する構成と比較して、上記距離の推定精度を向上させることができる。
【0140】
(6)本実施形態では、携帯情報端末3は、加速度センサ37及びジャイロセンサ38の検出値に基づき状態情報を生成する。そして、専用機器2は、携帯情報端末3から受信した状態情報を行動推定サーバ4に取得させる。
【0141】
したがって、コンテンツ視聴時におけるユーザの行動の状態を特定することができる。
(7)本実施形態では、行動推定サーバ4は、状態情報に応じて、携帯情報端末3のタッチパネルディスプレイ35に表示させる広告の情報の粒度を決定する。また、携帯情報端末3は、行動推定サーバ4により決定された粒度の広告を、タッチパネルディスプレイ35に表示する。
【0142】
したがって、ユーザの行動に適した情報の粒度でコンテンツを表示することができる。
(8)本実施形態では、専用機器2は、アプリ情報を携帯情報端末3から受信し、行動推定サーバ4に送信する。
【0143】
したがって、コンテンツ視聴時においてユーザが視聴していたアプリを特定することができる。
なお、本実施形態では、マイク21、BLE通信部23、ICタグIF24及びスピーカ25が通信ユニットに相当し、マイク31、BLE通信部32、ICタグIF33及びスピーカ34が端末側通信ユニットに相当し、タッチパネルディスプレイ35が表示部に相当する。また、視聴操作情報取得部294及びS115が取得ユニットとしての処理に相当し、データ受信部296及びS141〜S143が個人情報受信ユニット及びアプリ情報受信ユニットとしての処理に相当し、S144が判定ユニットとしての処理に相当し、第1の距離計算部298及びS145が計算ユニット及び第1の計算ユニットとしての処理に相当し、データ送信部302及びS147が送信ユニット及び距離取得指示ユニットとしての処理に相当し、個人情報取得部394及びS460が端末側取得ユニットとしての処理に相当し、データ送信部399及びS490が端末側送信ユニットとしての処理に相当する。状態情報生成部395及びS470が状態情報生成ユニットとしての処理に相当し、データ送信部399、データ送信部302、S490及びS147が状態取得指示ユニットとしての処理に相当し、移動量計算部428及びS620が移動量取得ユニットとしての処理に相当し、第2の距離計算部429及びS630が第2の計算ユニットとしての処理に相当し、推定部430及びS640が推定ユニット及び推定距離取得指示ユニットとしての処理に相当し、広告決定部431及びS720が決定ユニットとしての処理に相当し、表示処理部401及びS820が表示処理ユニットとしての処理に相当する。
【0144】
[4.他の実施形態]
以上、本開示を実施するための形態について説明したが、本開示は上述の実施形態に限定されることなく、種々変形して実施することができる。
【0145】
(1)上記実施形態では、コンテンツ出力装置1はテレビであり、コンテンツはテレビ番組であるが、コンテンツ出力装置及びコンテンツはこれに限られるものではない。例えば、コンテンツ出力装置は、ラジオ、モニタ、スピーカ、ヘッドフォン、録画再生装置などであってもよい。また例えば、コンテンツは、ラジオ放送データ、動画データ、静止画像群データ、音声データなどであってもよい。
【0146】
(2)上記実施形態では、コンテンツ視聴情報は、コンテンツ出力装置1から取得された放送チャンネルの情報に基づく情報であるが、コンテンツ視聴情報はこれに限られるものではない。例えば、コンテンツ視聴情報は、コンテンツ出力装置1から取得されたコンテンツの音情報や画像情報に基づく情報であってもよい。具体的には例えば、コンテンツ視聴情報は、コンテンツの音情報や画像情報の特徴を示す情報(例えば音声フィンガープリント等)であってもよい。また例えば、コンテンツ視聴情報は、コンテンツ出力装置1の遠隔操作装置1aから取得された情報に基づく情報であってもよい。具体的には例えば、コンテンツ視聴情報は、遠隔操作装置1aから出力された赤外線コードに含まれるユーザの視聴操作の内容を示す情報等であってもよい。
【0147】
また例えば、コンテンツ視聴情報は、放送チャンネルの情報などの、視聴中のコンテンツを特定するための情報に限られず、特定済みのコンテンツを示す情報であってもよい。
なお、行動推定サーバで特定されるコンテンツは、ユーザが現在視聴しているコンテンツに限られず、ユーザが過去に視聴していたコンテンツであってもよい。
【0148】
(3)上記実施形態では、コンテンツ視聴情報を行動推定サーバ4に送信する視聴情報送信装置は、コンテンツ出力装置1に付属して用いられる専用機器2であるが、視聴情報送信装置はこれに限られるものではない。例えば、視聴情報送信装置は、セットトップボックス、HDレコーダ等の録画再生機器、ゲーム機、スティック型パーソナルコンピュータ等であってもよい。また、視聴情報送信装置は、コンテンツ出力装置に内蔵されていてもよい。また、視聴情報送信装置とコンテンツ出力装置との接続形式は、HDMI形式以外にも、USB形式、光デジタルケーブル形式、無線形式等であってもよく、接続形式は問わない。また例えば、視聴中のコンテンツの特定がコンテンツ出力装置から出力される音情報に基づき行われる場合、視聴情報送信装置のマイクにコンテンツ出力装置からの音情報が入力されることにより、視聴情報送信装置とコンテンツ出力装置とが接続されてもよい。
【0149】
(4)上記実施形態では、携帯情報端末3はスマートフォンであるが、携帯情報端末はこれに限られるものではない。例えば、携帯情報端末は、タブレット端末などのスマートフォン以外のスマートデバイス、ユーザが身に着けることの可能な情報機器であるウェアラブルデバイス等であってもよい。
【0150】
(5)上記実施形態では、専用機器2及び携帯情報端末3は、有線通信以外の通信である非有線通信としてのBLE通信、NFC通信及び非可聴音通信の各通信方式で通信を行うが、専用機器及び携帯情報端末が行う非有線通信はこれに限られるものではない。専用機器及び携帯情報端末は、BLE通信、NFC通信及び非可聴音通信のうちいずれか1つ又は2つの通信方式で通信を行ってもよい。また、専用機器及び携帯情報端末は、BLE通信、NFC通信及び非可聴音通信以外の非有線通信を行ってもよい。
【0151】
(6)距離推定処理の処理内容は上記実施形態のものに限られない。例えば、第2の距離計算部429により計算された距離と、データ引き出し部427から引き出された、第1の距離計算部298により計算された距離と、の平均を取るなどして、同距離が推定されてもよい。換言すれば、第1の距離は第2の距離で補正されてもよい。
【0152】
(7)上記実施形態では、専用機器2は、携帯情報端末3からの受信信号に基づき、携帯情報端末3からの距離を計算するが、計算対象はこれに限られるものではない。例えば、専用機器2は、携帯情報端末3からの受信信号に基づき、専用機器2に対する携帯情報端末3の相対位置を計算してもよい。この場合において、例えば、BLE通信を例に取ると、専用機器2に2つのBLE通信部23を搭載し、2つのBLE通信部23間の距離を用いて三角測量により、携帯情報端末3の相対位置を計算してもよい。NFC通信、非可聴音通信も同様である。
【0153】
(8)上記実施形態では、携帯情報端末3に表示されるコンテンツとして広告を例示したが、携帯情報端末に表示されるコンテンツはこれに限られるものではない。例えば、コンテンツは、携帯情報端末のアプリ等であってもよい。
【0154】
(9)上記実施形態では、情報の粒度が異なる広告として文字数が異なる広告を例示したが、情報の粒度の異なる広告、ひいてはコンテンツはこれに限られるものではない。情報の粒度の異なるコンテンツは、携帯情報端末3に表示される文字や図形等の大きさが異なるコンテンツであってもよい。この場合において例えば、状態情報がユーザが移動している状態を示す場合、状態情報がユーザが座っている、つまり移動していない状態を示す場合と比較して、より大きなコンテンツ、つまり内容を把握しやすいコンテンツが表示されてもよい。この場合に、表示される複数種類のコンテンツは、含有する情報量が異なってもよい。
【0155】
また、上記実施形態では、状態情報に応じて決定されるコンテンツの表示態様として、コンテンツの情報の粒度を例示したが、状態情報に応じて決定されるコンテンツの表示態様はこれに限られるものではない。例えば、状態情報に応じて、タッチパネルディスプレイ35におけるコンテンツの表示範囲が決定されてもよい。例えば、状態情報がユーザが移動している状態を示す場合、ユーザが移動していない状態を示す場合と比較して、コンテンツの表示範囲が大きくなるようにコンテンツの表示態様が決定されてもよい。
【0156】
(10)上記実施形態では、状態情報が示す状態は、ユーザが座っている状態及び移動している状態であるが、状態情報が示す状態はこれに限られるものではない。例えば、状態情報は、ユーザが歩いている状態、走っている状態、立っている状態なども表してもよい。この場合において例えば、状態情報がユーザが走っている状態を示す場合、状態情報がユーザが歩いている状態を示す場合と比較して、情報の粒度がより大きいコンテンツ又は表示範囲のより大きいコンテンツ、つまりコンテンツの内容がより把握されやすいコンテンツが表示されてもよい。換言すれば、状態情報は、移動速度の異なる複数種類の移動の状態を表し、ユーザの移動速度に応じたコンテンツが表示されてもよい。
【0157】
(11)上記実施形態では、専用機器2は携帯情報端末3からアプリ情報を受信し、受信したアプリ情報を行動推定サーバ4に送信するが、専用機器2が受信して送信する情報はこれに限られるものではない。
【0158】
例えば、携帯情報端末3は、当該携帯情報端末3に対するユーザの操作を検出し、ユーザの操作を示す情報である操作情報を専用機器2に送信する。
ここで、携帯情報端末3が検出するユーザの操作としては、例えば、タッチパネルディスプレイ35に対するタッチ操作が挙げられる。タッチ操作を示す情報は、例えば、タッチ操作が開始されてから終了する(ユーザの指がタッチパネルディスプレイ35に触れてから離れる)までのタッチ操作の種類を示す情報、タッチパネルディスプレイ35上のタッチされた箇所の座標情報、タッチ操作が行われた時刻の情報などである。ここでいうタッチ操作の種類とは、例えば、スクロール操作や複数の箇所に同時にタッチするマルチタッチ操作等である。
【0159】
そして、専用機器2は、受信した操作情報を行動推定サーバ4に送信してもよい。
このような構成によれば、コンテンツ視聴時における携帯情報端末3に対するユーザの操作を特定することができる。
【0160】
なお、この構成では、専用機器2が携帯情報端末3から操作情報を受信する処理が操作情報受信ユニットとしての処理に相当する。
なお、操作情報は、アプリ情報と共に行動推定サーバ4に送信されてもよい。
【0161】
(12)上記実施形態では、状態情報は、加速度センサ37等の検出値を含むが、状態情報はこれに限られるものではない。状態情報は、センサの検出値を含まず、ユーザの行動の状態(ユーザが移動しているなど)のみを含んでいてもよい。
【0162】
(13)上記実施形態では、携帯情報端末3に表示されるコンテンツの表示形態は行動推定サーバ4によって決定されるが、表示形態を決定する主体はこれに限られるものではない。例えば、携帯情報端末3側で、専用のアプリを実行することにより、表示されるコンテンツの表示態様が決定されてもよい。この場合、携帯情報端末3でコンテンツの表示態様を決定する処理が決定ユニットとしての処理に相当する。
【0163】
(14)優先度の設定の仕方は上記実施形態のものに限られない。例えば、各通信方式の優先度はすべて同じでもよい。この場合、通信方式ごとに信号強度による専用機器と携帯情報端末との間の距離計算の結果にばらつきが生じることがある。そのため、距離計算を行うに際し、例えば全通信方式における距離の平均値を採用したり、中間値を採用したりして、計算された距離が補完されてもよい。
【0164】
(15)上記実施形態では、信号強度に基づく専用機器2と携帯情報端末3との距離計算は、専用機器2側で実行されたが、同距離を計算する主体はこれに限られるものではない。例えば、専用機器2が信号強度を行動推定サーバ4に送信して、行動推定サーバ4側で距離が計算されてもよい。
【0165】
この場合、行動推定サーバ4が距離を計算する処理が計算ユニット及び第1の計算ユニットとしての処理に相当し、距離を計算することにより取得する処理が距離取得指示ユニットとしての処理に相当する。
【0166】
(16)上記実施形態では、行動推定サーバ4側で、センサ37,38の検出値に基づく専用機器2と携帯情報端末3との距離が計算されるが、同距離の計算を行う主体はこれに限られるものではない。例えば、専用機器2が携帯情報端末3の移動量を取得し、専用機器2側でセンサ37,38の検出値に基づく携帯情報端末3までの距離が計算されてもよい。この場合、専用機器2における携帯情報端末3までの距離を計算する処理が第2の計算ユニットとしての処理に相当する。また、専用機器2がセンサ37,38の検出値に基づく距離を示す情報を行動推定サーバ4に送信する処理が推定距離取得指示ユニットとしての処理に相当する。
【0167】
(17)上記実施形態では、状態情報は、携帯情報端末3で生成されたが、状態情報を生成する主体はこれに限られるものではない。状態情報は、携帯情報端末3から取得したセンサの検出値に基づき、専用機器2側で生成され、行動推定サーバ4に送信されてもよい。この場合、専用機器2で状態情報を生成する処理が状態情報生成ユニットとしての処理に相当し、専用機器2が生成した状態情報を行動推定サーバ4に送信する処理が状態取得指示ユニットとしての処理に相当する。
【0168】
また例えば、状態情報は、携帯情報端末3から取得したセンサの検出値に基づき、行動推定サーバ4で生成され、取得されてもよい。この場合、行動推定サーバ4が状態情報を生成する処理が状態情報生成ユニットとしての処理に相当し、行動推定サーバ4が生成した状態情報を取得する処理が状態取得指示ユニットとしての処理に相当する。
【0169】
(18)上記実施形態で、制御部29,39,42が実行する機能の一部又は全部を、1つあるいは複数のIC等によりハードウェア的に構成してもよい。
(19)前述した制御部29,39,42の他、当該制御部29,39,42を構成要素とするシステム、当該制御部29,39,42としてコンピュータを機能させるためのプログラム、このプログラムを記憶した半導体メモリ等の非遷移的実体的記憶媒体、コンテンツ視聴情報及び個人情報等を取得する方法など、種々の形態で本開示を実現することもできる。
【0170】
(20)上記実施形態における1つの構成要素が有する複数の機能を、複数の構成要素によって実現したり、1つの構成要素が有する1つの機能を、複数の構成要素によって実現したりしてもよい。また、複数の構成要素が有する複数の機能を、1つの構成要素によって実現したり、複数の構成要素によって実現される1つの機能を、1つの構成要素によって実現したりしてもよい。また、上記実施形態の構成の一部を省略してもよい。また、上記実施形態の構成の少なくとも一部を、他の上記実施形態の構成に対して付加又は置換してもよい。なお、特許請求の範囲に記載した文言によって特定される技術思想に含まれるあらゆる態様が本開示の実施形態である。
【符号の説明】
【0171】
1…コンテンツ出力装置、2…専用機器、3…携帯情報端末、4…行動推定サーバ、5…データベース、23…専用機器のBLE通信部、24…専用機器のICタグIF、25…専用機器のスピーカ、29…専用機器2の制御部、31…携帯情報端末のマイク、32…携帯情報端末の通信部、33…携帯情報端末のICタグIF、34…携帯情報端末のスピーカ、35…タッチパネルディスプレイ、36…記憶部、39…携帯情報端末の制御部、42…行動推定サーバの制御部。
【要約】
【課題】ユーザにより選択されたコンテンツを特定可能であり、かつ、ユーザに所定のリモコン操作を強いることなく、コンテンツを視聴しているユーザを特定可能な技術を提供する。
【解決手段】取得ユニットは、ユーザによる視聴操作に応じて選択されたコンテンツを出力するコンテンツ出力装置又はコンテンツ出力装置を遠隔操作するための遠隔操作装置から取得された情報に基づくコンテンツ視聴情報を取得する。コンテンツ視聴情報は、コンテンツ出力装置において出力されたコンテンツを特定可能な情報である。通信ユニットは、ユーザにより所持される携帯情報端末と非有線通信を行う。個人情報受信ユニットは、携帯情報端末の記憶部にあらかじめ記憶されているユーザを識別するための情報である個人情報を、携帯情報端末から通信ユニットを介して受信する。送信ユニットは、コンテンツ視聴情報及び個人情報を所定のサーバに送信する。
【選択図】図9
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