(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載された技術では、片手で操作しにくいことに加えて、キャラクタに対してさまざまな操作を行いたい場合、ユーザは複雑な軌跡をあらかじめ記憶しておかなければ、適切なコマンドを入力することができない。
【0006】
そこで、本発明は、上記事情に鑑み、片手でもできる単純な操作で、さまざまなコマンドの入力に対応することができる技術を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る方法は、制御部を備える装置において実施される方法であって、装置が、ユーザによる連続する3回以上の入力が行われた場合、N回目に入力が行われた位置と、N+1回目に入力が行われた位置との距離が、下限値が所定値よりも大きい第N距離範囲内であるか否かを判定し、N+1回目に入力が行われた位置と、N+2回目に入力が行われた位置との距離が、下限値が所定値よりも大きい第N+1距離範囲内であるか否かを判定し、前記判定に基づき対応するコマンドを判定する。
【0008】
「コマンド」は、携帯端末等の装置に所定の処理を実行させるために生成される指示をいう。例えば、この指示は、ユーザが入力したタッチパネル、ボタン、マウス及びキーボード等への操作から生成されるものを含む。
【0009】
上記方法において、前記コマンドは、前記連続する3回以上の入力の距離及び時間の組合せに対応することが望ましい。
【0010】
上記方法は、さらに、装置が、ユーザからの入力を受け付ける入力エリアを表示するステップを実行することができる。
【0011】
また上記方法は、さらに、前記装置が、前記距離及び時間差の組合せと、前記装置において実行される処理との対応関係を記憶するステップを実行することが望ましい。
【0012】
上記方法は、さらに、装置が、記憶された対応関係を参照し、コマンドに応じて、実行される処理を決定するステップを実行することができる。
【0013】
上記方法は、さらに、装置が、前記距離及び時間差の組合せと、前記装置において実行される処理との対応関係を前記ユーザに公開することが望ましい。
また、上記方法は、所定の処理に対応する前記距離及び時間差の組合せと、別の処理に対応する前記距離及び時間差の組合せとの間に、制限を設けることが望ましい。
【0014】
本発明に係る情報処理システムは、ユーザによる連続する3回以上の入力が行われた場合、N回目に入力が行われた位置と、N+1回目に入力が行われた位置との距離が、下限値が所定値よりも大きい第N距離範囲内であるか否かを判定し、N+1回目に入力が行われた位置と、N+2回目に入力が行われた位置との距離が、下限値が所定値よりも大きい第N+1距離範囲内であるか否かを判定し、前記判定に基づき対応するコマンドを判定する判定手段を備える。
【0015】
「情報処理システム」は、情報処理装置等から構成される、特定の機能をユーザに提供するためのシステムをいう。例えば、サーバ装置、クラウドコンピューティング形態のもの、ASP(Application Service Provider)、クライアントサーバモデルのもの、などにより構成されるが、これに限られるものではない。
【0016】
また、本発明に係るプログラムは、コンピュータを、ユーザによる連続する3回以上の入力が行われた場合、N回目に入力が行われた位置と、N+1回目に入力が行われた位置との距離が、下限値が所定値よりも大きい第N距離範囲内であるか否かを判定し、N+1回目に入力が行われた位置と、N+2回目に入力が行われた位置との距離が、下限値が所定値よりも大きい第N+1距離範囲内であるか否かを判定し、前記判定に基づき対応するコマンドを判定する手段として機能させる。
【0017】
また、本発明のプログラムは、CD−ROM等の光学ディスク、磁気ディスク、半導体メモリなどの各種の記録媒体を通じて、又は通信ネットワークなどを介してダウンロードすることにより、コンピュータにインストール又はロードすることができる。
【0018】
また、本明細書等において、「部」とは、単に物理的構成を意味するものではなく、その構成が有する機能をソフトウェアによって実現する場合も含む。また、1つの構成が有する機能が2つ以上の物理的構成により実現されても、2つ以上の構成の機能が1つの物理的構成により実現されてもよい。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、片手でもできる単純な操作で、さまざまなコマンドの入力に対応することが可能になる。
【発明を実施するための形態】
【0021】
[第1の実施形態]
以下、本発明に係る装置の第1の実施形態を
図1乃至
図16を用いて説明する。
装置は、ユーザの操作を受け付ける機能を有した装置あるいはモジュールを含む。例えば、装置は、タッチパネル、マウス及びタッチパッド等のモジュール並びに、これらのモジュールを備えたスマートフォンやコンピュータ等を含む。なお、本実施形態においては、装置は、タッチパネルを備えたスマートフォン等の携帯端末101として説明する。
【0022】
この携帯端末101は、
図1に示すように、CPU及びメモリを含む主制御部1100、入力部120、通信部130を備えている。
【0023】
入力部120は、ユーザからの操作を受け付けるものであり、本実施形態では、タッチパネルのことをさす。以下、入力部120のことをタッチパネルと呼ぶ。タッチパネルは、液晶パネルのような表示装置とタッチパッドのような位置入力装置を組合せた電子部品であり、画面上の表示を押すことで機器を操作するものをいう。タッチパネルの入力方式には、抵抗膜方式や静電容量方式などの既存の技術を用いることができる。
【0024】
通信部130は、携帯端末101をネットワークに接続するためのものである。例えば、通信部130は、LANモジュール、LANカード、アナログモデム、ISDNモデム等、及び、これらをシステムバス等の伝送路を介して処理部と接続するためのインタフェースから構成されるものとしてもよい。
【0025】
主制御部1100は、CPU及びMPU等の演算処理部1110、及びROM1120を備えている。演算処理部1110は、各種入力に基づき、ROM1120に記録されたプログラムを実行することで、各種機能部を動作させる。このプログラムは、microSD等の外部メモリに記憶され、もしくはネットワーク300を介して配布され、携帯端末101にインストールされるものであってもよい。ROM1120は、OS(Operating System)をはじめとする、携帯端末101のシステムが処理に必要とするデータ等が記憶されている。
【0026】
さらに、演算処理部1110には、機能部として、表示制御部1111、検出部1112、判定部1113、出力部1114が備えられている。また、図には示さないが、演算処理部1110は、タッチパネル及び通信部130とのインタフェース回路を有しており、各機能部が必要に応じてこの回路を通じて、タッチパネルや通信部130の制御を行っている。
【0027】
表示制御部1111は、上述したインタフェース回路を経由してタッチパネルの液晶パネルを制御し、画像を表示させるように構成される。表示制御部1111が液晶パネルを制御することで、ユーザからの入力を受け付ける入力エリアを表示することができる。この、入力エリアは、例えば、液晶パネル上に表示され、ユーザがタッチパネルをタップすることで、ボタン操作されたと認識し、入力を受け付ける、仮想的なボタン(以下、バーチャルボタン)であってもよい。
図2は、バーチャルボタン400の一例を示す図である。
図2に示すようにバーチャルボタン400は、画面上に表示される矩形エリアとして作成されるものであってもよいが、このエリアの形状は矩形に限定されない。液晶パネルの画面全体を大きなバーチャルボタン400とし、バーチャルボタン400上に画像を表示することも可能である。
【0028】
検出部1112は、ユーザによる入力が行われた、位置及び時間を検出するように構成される。検出部1112は、タッチパネルとのインタフェース回路を経由して、ユーザのタップ操作を、タッチパネルへの入力として検知することができる。
【0029】
判定部1113は、検出部1112によって検出された位置同士の相対的な距離と、検出された時間同士の相対的な時間差とに基づいて、入力されるコマンドを判定するように構成される。コマンドは、携帯端末101等の装置に所定の処理を実行させるために生成される指示をいう。例えば、この指示は、ユーザが入力したタッチパネル、ボタン、マウス及びキーボード等への操作から生成される指示を含む。判定部1113は、ユーザが行ったバーチャルボタンへのタップ操作等による入力の距離及び時間差の組合せをコマンドとして判定する。本実施形態では、この相対的な距離と相対的な時間差の1つの組合せを1つのコマンドとして扱う。つまり、1コマンドは2回のタップ操作によって判定される距離と時間差の組合せのことを指す。また、所定時間内に入力された複数回のタップ操作による、複数の組合せを、一連のコマンドとして扱う。
【0030】
判定部1113は、N(1≦N)回目に入力が行われた位置と、N+1回目に入力が行われた位置との距離及び、N回目に入力が行われた時間と、N+1回目に入力が行われた時間との時間差を取得することによりコマンドを判定することができる。
【0031】
また、出力部1114は、判定されたコマンドを出力するように構成される。
【0032】
演算処理部1110のこれらの機能部の処理について、
図3に示すフローチャートを用いて説明する。
図3は、コマンド出力処理の流れを表すチャートである。
【0033】
液晶パネルに表示されたバーチャルボタンに対して、ユーザがタップして入力を行う(S101:YES)と、検出部1112が、ユーザによる入力が行われた位置及び時間を検出する(S102)。例えば、
図4に示すように、バーチャルボタン上の3つの点A、B、Cをこの順番でユーザが入力したとする。このとき、検出部1112は、バーチャルボタンにおける点A、B、Cの座標及び、点A、B、Cが入力された時間を検出することができる。
【0034】
次に、判定部1113は、検出された各点間の距離と、検出された時間の時間差(タイミング)とを算出する(S103)。
図4の例の場合、判定部1113は、1回目に入力された点Aの座標(Xa,Ya)と、2回目に入力された点Bの座標(Xb,Yb)から、AB間の距離を算出する。また、点Aが入力された時間と点Bが入力された時間から時間差(タイミング)を算出する。同様に、2回目に入力された点Bの座標(Xb,Yb)と点Cの座標(Xc,Yc)からCB間の距離及び、点Bが入力された時間と点Cが入力された時間からタイミングを算出する。なお、
図4の例では、ユーザは3点しか入力していないが、さらに、ユーザが点D、点E・・・と入力と続けた場合、判定部1113は、点CD間、点DE間・・・においても距離及び時間差を算出していく。
【0035】
次に、判定部1113は、ユーザが最後にタップして入力を行った時から所定時間が経過したか、判定する(S104)。この判定は、ユーザが最初に入力を行ったときからの経過時間を判定するものでもよい。所定時間経過前に、再度ユーザが入力を行った場合(S104:NO)、判定部1113は、一連のコマンドを入力中であると判定し、処理を検出部1112に戻す。一方で、所定時間経過まで、ユーザが入力を行わなかった場合(S104:YES)、判定部1113は、ユーザが入力し終わったと判定し、取得した距離及びタイミングの複数の組合せを一連のコマンドと判定する(S105)。そして、出力部1114は、判定された一連のコマンドを出力する(S106)。
【0036】
このS101からS106の処理を繰り返すことで、携帯端末101は、ユーザのタップ操作(距離とタイミングの組合せ)でさまざまなコマンドを出力することができる。
【0037】
このように構成された携帯端末101を用いた情報処理システムについて、ゲームを提供するゲームシステム10を例に説明する。
図5は、ゲームシステム10のシステム構成図である。ゲームシステム10は、
図5に示すように、サーバ装置200及び携帯端末101を含む。サーバ装置200は、インターネットや専用線等のネットワーク300に接続されたサーバ用コンピュータである。また、このサーバ装置200と同じく、ネットワーク300に有線または無線で接続された端末装置である携帯端末101が、互いに通信可能に設定されることによりゲームシステム10が構成される。なお、本実施形態において、ゲームシステム10は、サーバ装置200と携帯端末101を含むものとして説明するが、これに限定されるものではない。例えば、ゲームシステム10は、クラウドコンピューティング形式のシステムとして構成されてもよい。この場合、ユーザは、ゲームシステム10のコンピュータ処理をネットワーク経由でサービスとして利用する。また、ゲームシステム10は、ASPのサーバを含むシステムとして構成されてもよい。
【0038】
このゲームシステム10では、ユーザは、携帯端末101を用いてサーバ装置200にアクセスし、ゲームの提供を受ける。このゲームの種類はどのようなものでもかまわないが、一例として、ユーザの操作に応じて技を繰り出して対戦相手と格闘するゲームや、アイテムなどを利用してダンジョン等を攻略するようなロールプレイングゲームなどが挙げられる。本実施形態では、ユーザがキャラクタを操作することで進行するロールプレイングゲームを例に説明する。
【0039】
このゲームでは、ゲーム上の世界としてサーバ装置200から提供されるステージを、ユーザがキャラクタを操作して移動させ冒険させる。このとき、ユーザのキャラクタが、敵キャラクタと遭遇した場合には、バトルが発生し、このバトルによってユーザのキャラクタは、経験値を獲得し、レベルアップしたり、アイテムやカードを入手したりする。
【0040】
図6は、本実施形態に係るゲームシステム10に含まれるサーバ装置200のブロック図の一例である。サーバ装置200は、任意の設計で構築可能だが、受信部210と、記憶部220と、決定部230とを備えていることが望ましい。
【0041】
受信部210は、携帯端末101の出力部1114が出力するコマンドを受信するように構成される。
【0042】
また、記憶部220は、上述した距離及び時間差の組合せまたは、距離及び時間の複数の組合せのセットと携帯端末101において実行される処理との対応関係を記憶するよう構成される。この対応関係は、後述するリストに記憶されている。また、記憶部220は、ユーザID、パスワード、ゲーム履歴(レベル、獲得アイテム、経験値、パラメータ等)、操作履歴などのユーザ情報を記憶することもできる。なお、本実施形態において、記憶部220はサーバ装置200上に構築されるものとして説明するが、これに限定されるものでなく、携帯端末101上や、ネットワーク300に接続された別の端末上に構築されるものであってもよい。
【0043】
決定部230は、リストに記憶された対応関係を参照し、コマンドに応じて、実行される処理を決定するように構成される。この、実行される処理は、例えば、ゲームに用いられるキャラクタに実行させる行動、キャラクタのパラメータの決定、キャラクタの移動またはゲームで利用されるアイテムの提供、のうちの少なくともいずれか1つに関するものとすることができる。
【0044】
具体的には、この実行される処理は、ユーザのキャラクタが敵キャラクタとバトルをする際に繰り出す技を実行させる処理であったり、キャラクタがレベルアップする際のパラメータの値を変動させる処理、複数種類あるうちのいずれかのアイテム・カードを提供する処理、所定の方法による移動を行わせる処理などが挙げられる。
【0045】
決定部230は、携帯端末101から出力される、一連のコマンドのうちの少なくとも一部が、リストに記載された組合せと一致する場合、一致したレコードに関する処理を実行させる処理として決定することができる。
図7は、決定部230によって、一連のコマンドから、リストに一致する一部のコマンドが抽出される様子を模式的に示した図である。
図7には、ユーザが、携帯端末101に11回のタップ操作を行い、コマンド501〜510の10のコマンドが一連のコマンドとしてサーバ装置200に送信されている場合が例に示されている。
【0046】
例えば、このとき決定部230が参照するリストには、連続する3回のタップによって送信される2つの距離及びタイミングの組合せ(組合せA、組合せBとする)のセットがレコードの1つとして記載されているとする。このとき決定部230は、組合せAと、各コマンドとが、一致するか否かを、コマンド501から順次判定していく。例えば、コマンド504が初めて組合せAと一致するコマンドだった場合、決定部230は、次にコマンド505が組合せBと一致するか否かを判定する。コマンド505が組合せBと一致した場合には、決定部230は、コマンド504及びコマンド505が組合せA及び組合せBに対応するとして、組合せA及び組合せBのセットが記載されたレコードに対応する処理を、携帯端末101が実行する処理として決定する。
【0047】
一方で、コマンド504は組合せAと一致したが、コマンド505が組合せBと一致しなかった場合、決定部230は、再度コマンド505から順次、組合せAと一致するか否か判定を行う。
【0048】
次に、記憶部220に記憶されるリストについて
図8乃至
図15を用いて説明する。
記憶部220に記憶されるリストの一例として、これに限定されるものではないが、技リスト221、アイテムリスト222、カードリスト223、パラメータリスト224、移動リスト225などが挙げられる。以下に各リストの詳細について、図を用いて説明する。なお、図中のpixelとは、画素の単位をいう。また、frameとは、その期間に表示されるフレームの枚数をいう。例えばフレームレート(1秒間に表示されるフレーム数)が30枚の場合、30frameは、1秒間のことを指す。また、記憶部220に記憶されるリストは、ゲーム履歴(レベル、獲得アイテム、経験値、パラメータ等)や操作履歴に基づいて修正やカスタマイズを行うことも可能である。さらに、具体的な数値は適宜変更が可能である。
【0049】
各リストの1列目には、対応する処理の内容が記載されており、2列目以降には、距離とタイミングの組合せのセットが格納されている。例えば、
図8のように、2〜8列目に、座標間距離A〜D及びタイミングA〜Dの組合せが格納されている場合を例に説明する。このとき、携帯端末101から送信される一連のコマンドのうち、最初に座標間距離A及びタイミングAと一致したのが、N回目とN+1回目のタップによるコマンドであったとする。この場合、座標間距離B及びタイミングBの組合せは、N+1回目とN+2回目のタップの距離とタイミングによるコマンドと、座標間距離C及びタイミングCの組合せは、N+2回目とN+3回目のタップによるコマンドと、座標間距離D及びタイミングDの組合せはN+3回目とN+4回目のタップによるコマンドと一致するか否かを、決定部230によって判定されるものである。
【0050】
図8は、技リスト221を示している。技リスト221は、ユーザがタッチパネルを連打した際の座標間の距離と、ボタンを連打する際のタイミングとの組合せにより発動する技のリストである。
【0051】
技は、ユーザのキャラクタが敵キャラクタとバトルする際の攻撃の手段をいう。技には、敵キャラクタに与えるダメージに応じて、小攻撃、中攻撃、また、1回の技において攻撃する回数に応じて、小コンボ、大コンボなどの種類がある。また、通常の攻撃よりも攻撃力の大きい、必殺技などを設けてもよい。
図8の技リスト221に示されるように、このリストは下段に行くほど、相手に与えるダメージが大きくなる技が格納されている。そのため、下段に格納されている技ほど、コマンド入力が難しいものとなる。また、最上段に格納されているミスは、入力されたコマンドが、リスト中の組合せのいずれにも一致しなかった場合、自動的に選択される。ミスは、例えば、敵キャラクタにダメージを与えることができない攻撃としてもよいし、ごくわずかなダメージしか与えることができない攻撃としてもよい。なお、ミスを設定せずに、中攻撃、小コンボ、大コンボ、必殺技に対して具体的な数値を設定し、リスト中の組合せのいずれも一致しなかった場合には、小攻撃とすることも可能である。また、リストに格納される技の種類や、リスト上の順番は適宜変更することが可能である。
【0052】
決定部230は、ユーザのキャラクタが敵キャラクタと遭遇し、バトルが発生している際に、バトルイベント発生中と判断し、コマンドに応じた処理を決定するリストとして技リスト221を選択する。
【0053】
図9は、アイテムリスト222を示している。アイテムリスト222は、ユーザがタッチパネルを連打した際の座標間の距離と、ボタンを連打するタイミングとの組合せにより入手できるアイテムのリストである。
【0054】
アイテムは、ゲームにおいてユーザのキャラクタを補助するための道具をいう。アイテムはカードとしてゲーム中に登場するものであってもよい。この場合、
図10に示すようなカードリスト223を記憶部220が記憶するものとしてもよい。これらのアイテムリスト222及びカードリスト223は、下段に格納されているアイテム・カードほど希少価値が高いものである。また、最上段に格納されている薬草及びスライムは、入力されたコマンドが、リスト中の組合せのいずれにも一致しなかった場合、自動的に選択される。なお、リストに格納されるアイテム・カードの種類や、リスト上の順番は適宜変更することが可能である。
【0055】
決定部230は、キャラクタが宝箱を入手した際などに、アイテム(またはカード)入手イベント発生中と判断し、コマンドに応じた処理を決定するリストとしてアイテムリスト222またはカードリスト223を選択する。アイテム入手イベント発生中には、例えば
図11に示すような画面が表示される。
図11(A)は、宝箱を入手したときの画面、
図11(B)は宝箱を開けるときの画面、
図11(C)は宝箱からアイテムをとりだしたときの画面である。各画面は、ユーザがタッチパネルをタップすることで遷移する。このときのタップする位置及びタイミングで、宝箱から取り出されるアイテムが決定される。
【0056】
図12は、パラメータリスト224を示す図である。パラメータリスト224は、ユーザがタッチパネルを連打した際の座標間の距離と、ボタンを連打するタイミングとの組合せによるパラメータの伸び率を表すリストである。なお、
図12に示すようなパラメータリスト224をリストとして記憶する場合には、記憶部220は、パラメータリスト224の1列目に格納されたパラメータの伸び率と、各パラメータの変動率とを対応付けたパラメータテーブルを記憶しておくことが望ましい。
【0057】
パラメータは、ゲームに用いられるキャラクタの強さを表すデータであり、この強さの違いがゲームを進める際に、有利・不利に働く。パラメータの例として、体力、魔力、攻撃力、防御力などのような要素が挙げられる。このパラメータリスト224には、通常のパラメータの伸び率を示す「あがった」、通常以下のパラメータの伸び率を示す「あまり伸びなかった」、「あがった」より高い伸び率を示す「良い伸びだ!」、「良い伸びだ!」よりさらに高い伸び率を示す「会心の伸びだ!」の4種類の伸び率と、それに対応する距離とタイミングの組合せ格納がされている。パラメータリスト224は、例えば、
図12に示すように、最上段には、通常のパラメータの伸び率を示す「あがった」が格納され、入力されたコマンドが、リスト中の組合せのいずれにも一致しなかった場合、自動的に選択されるようにしておいてもよい。これによって、特定のコマンドを入力してしまった場合にのみ、パラメータの伸び率が悪い「あまり伸びなかった」が選択され、コマンドの入力に駆け引きの要素を取り入れることが可能となる。なお、リストに格納されるパラメータの伸び率の種類や、リスト上の順番は適宜変更することが可能である。
【0058】
決定部230は、ユーザのキャラクタが獲得した経験値が所定の値に達成した際に、レベルアップイベントが発生したと判断し、コマンドに応じた処理を決定するリストとしてパラメータリスト224を選択する。レベルアップイベント発生中には、
図13に示すような、画面が表示される。
図13(A)は、経験値が所定の値に達成したことを示す画面、
図13(B)はレベルが上がったことを示す画面、
図13(C)は、レベルアップに伴うパラメータの伸びを表示する画面である。これらの画面は、ユーザがタッチパネルをタップすることで遷移する。このときのタップする位置及びタイミングで、パラメータの伸び率が決定される。
【0059】
図14は移動リスト225を示す図である。移動リスト225は、ユーザがタッチパネルを連打した際の座標間の距離と、ボタンを連打するタイミングとの組合せによって決定される移動方法のリストである。
【0060】
例えば本実施形態には、移動方法としてリストに、通常移動とステルス移動の2種類が格納されている。
図15は、移動の種類を模式的に示す図である。
図15(A)に示すように移動中の画面で、ユーザがタッチパネルをダブルタップすると、このダブルタップのタイミングと距離で、移動方法が選択される。
図15(B)は、通常移動と判断された場合を模式的に示している。通常移動の場合、ユーザのキャラクタが敵キャラクタの視界に入ると、敵キャラクタに発見され、バトルイベントが発生する。
図15(C)はステルス移動と判断された場合を模式的に示している。ステルス移動の場合、敵キャラクタの前をユーザのキャラクタが横切ったとしても、発見されない。なお、リストに格納される移動方法の種類や、リスト上の順番は適宜変更することが可能である。
【0061】
決定部230は、ユーザのキャラクタがステージ上を移動中は移動イベント発生中と判断し、コマンドに応じた処理を決定するリストとして移動リスト225を選択する。
【0062】
このように構成されたゲームシステム10における、ゲーム実行時のコマンド決定処理について、
図16のフローチャートを用いて説明する。
【0063】
まず、ユーザが携帯端末101を操作し、ネットワーク300を介して、サーバ装置200に携帯端末101を接続させる。さらに、携帯端末101を操作して、サーバ装置200から提供されるゲームを選択する。このとき、サーバ装置200は、ゲームを開始させる前に、ユーザIDやパスワード等のログイン情報の入力を求めることが望ましい。これによりサーバ装置200が、そのログイン情報を認識すると、記憶部130に記憶されたユーザ情報から、そのユーザIDに紐付けられたユーザ固有の履歴情報を取得し、前回の続きからゲームを再開させることが可能となるからである。
【0064】
ユーザからのゲーム開始要求を受信する(S201:YES)と、サーバ装置200は、選択されたゲームに関する画像を作成し、携帯端末101に送信する(S202)。ユーザが送信された画像を用いてゲームを進行させていく。そして、所定のイベントが発生すると、決定部230が発生したイベントに応じて、記憶部220に記憶されたリストの中から、参照するリストを決定する。具体的には、バトルイベント発生中には、決定部230は、技リスト221を選択し、アイテム入手イベント発生中には、アイテムリスト222またはカードリスト223を、レベルアップイベント発生中には、パラメータリスト224を、移動イベント発生中には、移動リスト225を選択する(S203)。ここでは、バトルイベント発生中に、決定部230が技リストを選択したものとして、説明する。
【0065】
バトルイベント発生中に、携帯端末101が、
図3に示したコマンド出力処理を実施することで、一連のコマンドが出力される(S204:YES)。受信部210は出力された、この一連のコマンドを受信する(S205)。一連のコマンドが受信されると決定部230は、選択したリスト(この例では技リスト221)を、下段から上段に順次参照する。一連のコマンドに含まれる距離及びタイミングの組合せが、リスト中の組合せと一致した場合(S206:YES)、その一致した組合せに対応する、技に関する情報を、携帯端末101に送信し、ユーザのキャラクタにその技を実行させる(S207)。ステップS206において一致する組合せがない場合(S206:NO)は、技リスト221の最上段に格納されたミスが選択される。このとき、例えば決定部230は、ユーザのキャラクタに、空振り等の敵キャラクタにダメージを与えない攻撃を実行させる(S208)。他のリストが選択された場合もこれと同様の処理によって、リスト中のどのレコードに関する処理を実行させるかが決定される。
【0066】
このように、本発明に係る方法が、制御部を備える携帯端末101等の装置において実施される方法であって、装置が、ユーザによる入力が行われた位置及び時間を検出するステップと、検出された位置同士の相対的な距離と、検出された時間同士の相対的な時間差とに基づいて、入力されるコマンドを判定するステップと、判定されたコマンドを出力するステップと、を実行することによって、片手でできる単純な操作で、さまざまなコマンド入力に対応することが可能になる。
【0067】
[その他の実施形態]
以上、本発明の実施形態について述べたが、本発明は既述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の技術的思想に基づいて各種の変形及び変更が可能である。
【0068】
例えば、既述の実施形態において、携帯端末101は、ネットワーク300を介して、サーバ装置200と直接アクセスする構成になっている。しかし、例えば、通信システムがWebサーバを有する場合には、携帯端末101とのやりとりをWebサーバが中継する構成としてもよい。これによって、セキュリティ上のリスクを低減することが可能となる。
【0069】
また、既述の実施形態において、記憶部220の構成の一例を述べたが、これに限らず、記憶部220、決定部230等のサーバ装置200が備えている構成を携帯端末101やそれ以外の装置が備え、対応する処理を携帯端末101やそれ以外の装置が行う構成でも良い。同様に携帯端末101やそれ以外の装置が備えている構成をサーバ装置200が備え対応する処理をサーバ装置200が行う構成でも良い。
【0070】
そして、記憶部220に格納される所定のリストは、ユーザに対して公開される構成でも良いし、ユーザには非公開としても良い。例えば、公開した場合には、リストに対応した入力を行いたいと考えるため、ユーザの入力の技量に応じて技が発動される場合がある。非公開とした場合には、偶然技が発動される場合があるためゲームの面白みが増す。
【0071】
さらに、既述の実施形態において、ゲームに適用される例を述べたが、ゲームに限らず他のアプリケーションを利用している場合にも適用可能である。
【0072】
例えば、
図17のリスト226を用いて、ユーザの入力を簡易的に行うことが出来る構成としても良い。例えば、携帯端末101でユーザがメールを作成している時にユーザの操作により
図17のリスト226と一致した場合には、対応する処理として、「ホームウィンドウ」では、良く使う機能の一覧や特定の機能を備えるウィンドウが中央に表示され、「セーブ」では、ユーザが作成していたメールのデータがセーブされる処理が行われる。
【0073】
なお、メールの作成に限らず、ユーザが現在利用しているアプリケーションに対応させる処理とすることが可能である。また、
図17のリスト226の座標間距離やタイミングの数値を制限することでユーザの誤操作を防ぐことも可能である。以下に、本願の原出願の特許査定時の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
[1]
制御部を備える装置において実施される方法であって、
前記装置が、
ユーザによる連続する3回以上の入力が行われた場合、N回目に入力が行われた位置と、N+1回目に入力が行われた位置との距離が第N距離範囲内であるか否かを判定し、N+1回目に入力が行われた位置と、N+2回目に入力が行われた位置との距離が、前記第N距離範囲とは異なる第N+1距離範囲内であるか否かを判定し、前記判定に基づき対応するコマンドを判定する方法。
[2]
前記コマンドは、前記連続する3回以上の入力の距離及び時間の組合せに対応する、[1]に記載の方法。
[3]
前記方法は、さらに、
前記装置が、
前記ユーザからの入力を受け付ける入力エリアを表示するステップを実行することを特徴とする[1]または[2]に記載の方法。
[4]
前記方法は、さらに、
前記装置が、
前記距離及び時間差の組合せと、前記装置において実行される処理との対応関係を記憶するステップを実行することを特徴とする[2]に記載の方法。
[5]
前記方法は、さらに、
前記装置が、
前記記憶された対応関係を参照し、前記コマンドに応じて、前記実行される処理を決定するステップを実行することを特徴とする[4]に記載の方法。
[6]
前記距離及び時間差の組合せと、前記装置において実行される処理との対応関係を前記ユーザに公開することを特徴とする、[4]又は[5]に記載の方法。
[7]
所定の処理に対応する前記距離及び時間差の組合せと、別の処理に対応する前記距離及び時間差の組合せとの間に、制限を設けることを特徴とする、[4]乃至[6]のいずれか一項に記載の方法。
[8]
ユーザによる連続する3回以上の入力が行われた場合、N回目に入力が行われた位置と、N+1回目に入力が行われた位置との距離が第N距離範囲内であるか否かを判定し、N+1回目に入力が行われた位置と、N+2回目に入力が行われた位置との距離が、前記第N距離範囲とは異なる第N+1距離範囲内であるか否かを判定し、前記判定に基づき対応するコマンドを判定する判定手段を備える情報処理システム。
[9]
コンピュータを、
ユーザによる連続する3回以上の入力が行われた場合、N回目に入力が行われた位置と、N+1回目に入力が行われた位置との距離が第N距離範囲内であるか否かを判定し、N+1回目に入力が行われた位置と、N+2回目に入力が行われた位置との距離が、前記第N距離範囲とは異なる第N+1距離範囲内であるか否かを判定し、前記判定に基づき対応するコマンドを判定する手段として機能させるプログラム。