特許第6368021号(P6368021)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6368021
(24)【登録日】2018年7月13日
(45)【発行日】2018年8月1日
(54)【発明の名称】遊技機
(51)【国際特許分類】
   A63F 5/04 20060101AFI20180723BHJP
【FI】
   A63F5/04 512C
   A63F5/04 512D
【請求項の数】4
【全頁数】24
(21)【出願番号】特願2017-176923(P2017-176923)
(22)【出願日】2017年9月14日
【審査請求日】2018年1月31日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】390026620
【氏名又は名称】山佐株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100105980
【弁理士】
【氏名又は名称】梁瀬 右司
(74)【代理人】
【識別番号】100121027
【弁理士】
【氏名又は名称】木村 公一
(74)【代理人】
【識別番号】100178995
【弁理士】
【氏名又は名称】丸山 陽介
(72)【発明者】
【氏名】北沢 有央
【審査官】 高木 亨
(56)【参考文献】
【文献】 特開2014−226220(JP,A)
【文献】 特開2010−075396(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 5/04
A63F 7/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体を収容する容器を備え、該容器内の前記液体を流動させることにより演出を行う遊技機において、
モータからの動力に基づいて回転するインペラと、
前記インペラからの水流を第1噴出位置に案内する第1水路と、
前記インペラからの水流を前記第1噴出位置とは異なる第2噴出位置に案内する第2水路と、
導入口が形成された切替部材を有し、前記切替部材が前記インペラの回転に応じて動くことにより、前記インペラからの水流を前記導入口を介して前記第1水路および前記第2水路のいずれか一方に選択的に導く導流手段とを備え、
前記モータが正回転の場合は前記導入口が前記第1水路側に移動するように前記切替部材が動き、前記モータが逆回転の場合は、前記導入口が前記第2水路側に移動するように前記切替部材が動くことにより前記導入口の位置を切り替える
ことを特徴とする遊技機。
【請求項2】
前記導流手段は、前記切替部材を前記インペラ側に付勢する付勢部材をさらに有することを特徴とする請求項1に記載の遊技機。
【請求項3】
前記切替部材は、該切替部材と前記インペラとの隙間に前記液体を取り込む給水口が形成され、
前記付勢部材がばね部材で形成され、
前記給水口は前記導入口よりも大きく形成されていることを特徴とする請求項2に記載の遊技機。
【請求項4】
前記導流手段は、前記モータが正回転の場合は、前記導入口が前記第1水路側の所定位置で停止するように前記切替部材の動きを規制するとともに、前記モータが逆回転の場合は、前記導入口が前記第2水路側の特定位置で停止するように前記切替部材の動きを規制する導入口固定部材をさらに有することを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載の遊技機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液体を収容する容器を備え、該容器内の前記液体を流動させることにより演出を行う遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
遊技機として、スロットマシンや、パチンコ遊技機などがある。この種の遊技機において、容器内に液体を収容し、液体を流動させることにより、チャンス示唆等の演出を行うものがある(例えば特許文献1)。
【0003】
特許文献1に開示されている遊技機では、容器の底板の複数箇所に形成された放出口から気泡を放出させる。放出された気泡は容器内の上部に移動することから、液体流が発生する。この液体流により容器内に配設された可動役物を動かし演出を行う。可動役物の移動は、気泡の放出位置および放出量により制御される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2012−166007号公報(段落0023−0033、0037、図5など)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載の遊技機では、液体の流動の制御を行うのに、各放出口ごとに電磁弁とこれらの電磁弁の開閉制御が必要となり、遊技機のコストが増加する。
【0006】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、液体を収容する容器を備え、該容器内の前記液体を流動させることにより演出を行う遊技機において、簡易な構成で液体流動を制御できるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記した目的を達成するために、本発明にかかる遊技機は、液体を収容する容器を備え、該容器内の前記液体を流動させることにより演出を行う遊技機において、モータからの動力に基づいて回転するインペラと、前記インペラからの水流を第1噴出位置に案内する第1水路と、前記インペラからの水流を前記第1噴出位置とは異なる第2噴出位置に案内する第2水路と、導入口が形成された切替部材を有し、前記切替部材が前記インペラの回転に応じて動くことにより、前記インペラからの水流を前記導入口を介して前記第1水路および前記第2水路のいずれか一方に選択的に導く導流手段とを備え、前記モータが正回転の場合は前記導入口が前記第1水路側に移動するように前記切替部材が動き、前記モータが逆回転の場合は、前記導入口が前記第2水路側に移動するように前記切替部材が動くことにより前記導入口の位置を切り替えることを特徴としている。
【0008】
この構成によると、1つのモータの正逆回転により、インペラからの水流を第1水路か第2水路かに選択的に導くことができるため、液体を第1噴出位置から噴出させるか第2噴出位置から噴出させるかを制御するのに、それぞれの噴出位置用に電磁弁や電磁弁の開閉制御などの駆動機構を設ける必要ない。したがって、容器内の前記液体を流動させることにより演出を行う遊技機において、簡易な構成で液体流動を制御できる。
【0009】
また、前記導流手段は、前記切替部材を前記インペラ側に付勢する付勢部材をさらに有していてもよい。
【0010】
この構成によると、インペラと切替部材とを付勢部材により接触させることができるため、インペラの回転を動力として導入口の位置の切り替えを行うことができる。
【0011】
また、前記切替部材は、該切替部材と前記インペラとの隙間に前記液体を取り込む給水口が形成され、前記付勢部材がばね部材で形成され、前記給水口は前記導入口よりも大きく形成されていてもよい。
【0012】
この構成によると、インペラの回転により切替部材とインペラとの隙間に供給される液体の量よりも、導入口から放出される液体の量が少なくなるため、インペラの回転に伴って当該隙間の圧力が高くなる。この圧力が、付勢部材が切替部材をインペラ側に付勢する力に対する抗力を生み出すため、インペラの回転に伴ってインペラと切替部材とが接触しなくなるか、あるいは、両者の摩擦力を抑えることができる。そのため、モータへの負荷が軽減されるとともに、インペラと切替部材の耐久性が向上する。
【0013】
また、前記導流手段は、前記モータが正回転の場合は、前記導入口が前記第1水路側の所定位置で停止するように前記切替部材の動きを規制するとともに、前記モータが逆回転の場合は、前記導入口が前記第2水路側の特定位置で停止するように前記切替部材の動きを規制する導入口固定部材をさらに有していてもよい。
【0014】
この構成によると、モータの回転中であっても、導入口の位置が固定されるため、インペラからの水流を第1水路側に導くのか、第2水路側に導くのかの切り替えを容易に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明の第1実施形態にかかる遊技機の一例であるスロットマシンの斜視図である。
図2図1の水槽デバイスを正面から見た概略図である。
図3図1の水槽デバイスを背面から見たときの概略斜視図である。
図4図1の容器本体を正面から見た図である。
図5図2のA−A矢視断面図である。
図6図5の要部拡大図である。
図7図2の水槽デバイスのポンプ演出ユニットの駆動部分を説明するための図であり、(a)は駆動部分の斜視図、(b)はインペラの羽根部形成面と反対側の面側から見たときの斜視図である。
図8】インペラカバーの斜視図であり、(a)はカバー体に近い外側から見たときの斜視図、(b)はインペラに近い内側から見たときの斜視図である。
図9】カバー体の斜視図であり、(a)はインペラカバーから遠い外側から見たときの斜視図、(b)はインペラカバーから近い内側から見たときの斜視図である。
図10】水流の切り替え機構を説明するための図であり、(a)はポンプ駆動用モータが正回転の場合を説明するための図、(b)は逆回転の場合を説明するための図である。
図11図1のスロットマシンの電気的構成を示すブロック図である。
図12図11のメイン制御基板およびサブ制御基板の機能を示す機能ブロック図である。
図13】本発明の第2実施形態にかかる水流の切り替え機構を示す図である。
図14図13の要部拡大図である。
図15図13のインペラの斜視図であり、(a)はインペラの羽根部形成面側から見たときの斜視図、(b)はインペラの羽根部形成面と反対側の面側から見たときの斜視図である。
図16図13のインペラカバーの斜視図であり、(a)はカバー体に近い外側から見たときの斜視図、(b)はインペラに近い内側から見たときの斜視図である。
図17図13のばね部材を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
<第1実施形態>
本発明の第1実施形態について、図1から図12を参照して説明する。
【0017】
(構成)
この実施形態に係る遊技機の一例であるスロットマシン1は、予め設定された複数の遊技状態のうちのいずれかの遊技状態において、メダルなどの遊技媒体が規定数(例えば、3枚)投入され、後述するスタートスイッチ19が操作されることを条件に一回の遊技が実行開始されるものであり、図1のように構成されている。
【0018】
筐体3の前面は、前面扉5により開閉自在に閉塞され、この前面扉5のほぼ中央高さの位置に操作板7が配設される。操作板7の上方に正面板9が配設されている。正面板9には横長矩形の表示窓11が設けられている。また、表示窓11の内側には、複数種類の図柄を予め定められた順序で可変表示する左・中・右リール13L,13M,13Rが配置されている。左・中・右リール13L,13M,13Rには、例えば、複数種類の図柄が合計20個、所定の配列でそれぞれ設けられている。
【0019】
また、各図柄には、0番から19番までのコマ番号が順に付されている。この場合、例えば、コマ番号0番から19番までの図柄が印刷されたリールテープが各リール13L,13M,13Rの周面に貼り付けられている。そして、各リール13L,13M,13Rが回転すると、コマ番号19番、18番、…、0番、19番、…の予め定められた順に複数の図柄がそれぞれ表示窓11に変動表示される。表示窓11からは、各リール13L,13M,13Rの回転が停止すると、図柄が上段、中段および下段にそれぞれ1個の合計3個ずつ覗くように設定されている。すなわち、3個すべてのリール13L,13M,13Rが停止すると、縦3列横3行に配列された合計9個の図柄が表示窓11に停止表示されるようになっている。なお、この実施形態では、入賞判定に使用される表示窓11内の入賞ラインとして、左リール13Lの下段、中リール13Mの下段、右リール13Rの下段により構成されるいわゆる下段ラインが設定されている。
【0020】
また、各リール13L,13M,13Rを独立して回転駆動できるように、各リール13L,13M,13Rそれぞれには、ステッピングモータで構成されるリールモータ14L,14M,14R(図11参照)が連結されている。なお、各リール13L,13M,13Rと各々のリールモータ14L,14M,14Rとで構成されたリールユニット(図示省略)によりスロットマシン1の表示手段が構成されている。
【0021】
更に、操作板7には、内部に貯留されているクレジットメダルから1枚ずつのメダル投入を指示するためのベットスイッチ15、クレジットメダルから1ゲーム(遊技)あたりの最大投入枚数(ここでは3枚に設定されている)のメダル投入を指示するための最大ベットスイッチ17、各リール13L,13M,13Rを回転させて各図柄の可変表示を開始させるレバー状のスタートスイッチ19、左・中・右リール13L,13M,13Rの回転をそれぞれ停止させて各図柄の可変表示を停止させる左・中・右ストップスイッチ21L,21M,21R(停止操作手段)、クレジットメダルを払い出すための精算スイッチ23、およびメダル投入口25が設けられている。なお、この実施形態では、1ゲームに必要なメダル投入数(規定数)は、3枚の1種類が設定されている。また、各リール13L,13M,13Rにより複数種類の図柄を可変表示する複数の可変表示列が形成されており、各ストップスイッチ21L,21M,21Rは、各リール13L,13M,13Rそれぞれに対応して設けられている。
【0022】
また、正面板9の上方のほぼ中央には、後述する液晶表示器27の表示内容と一体となって、または、独立して演出を行う水槽デバイス280が設けられている。
【0023】
水槽デバイス280には、図2に示すように、容器301と、容器301内に収容された2種類の液体320,325が設けられている。また、水槽デバイス280には、図2に示すように、ポンプ演出ユニット350が容器301内に収容されている。なお、図2では、ポンプ演出ユニット350は容器301の前面蓋303(図5参照)の背後に配置されているが、図の簡略化のためポンプ演出ユニット350は実線で示している。
【0024】
ポンプ演出ユニット350は、図3に示すように、容器301の後述する容器本体302の背板302a側に設けられたポンプ演出駆動部370を備える。
【0025】
容器301は、図3図5に示すように、前方側が開放された略矩形箱型の容器本体302と、該容器本体302を閉塞する略矩形板状の前面蓋303と、容器本体302との間で前面蓋303を挟持することにより前面蓋303を固定する枠体304とを備え、容器本体302が前面蓋303に閉塞されることにより内部空間が形成される。なお、前面蓋303と容器本体302とは容器301の内部空間が容器301外部から視認可能となるように例えばポリカーボネートなどの無色透明の合成樹脂により形成されている。ただし、前面蓋303と容器本体302とは容器301の内部空間が容器301外部から視認可能であれば無色透明に限定されるものではなく有色透明の材料により形成されていてもよい。
【0026】
容器本体302は、前面蓋303と略平行に対向配置される矩形状の背板302aと、背板302aの周縁から前面蓋側に向かって延在する側板302bと、側板302bの外側面(液体が接する面と反対側の面)に形成されたフランジ部302cとを有する。フランジ部302cには、枠体304を固定するためのねじ穴305が所定間隔で形成される。
【0027】
背板302aには、スロットマシン1を前方から見たときの右下部の領域に、後述するインペラ503と、該インペラ503を覆うインペラカバー600を配置するための嵌合凹部306が形成される(図4図6参照)。嵌合凹部306の開口と底面306aはいずれも円形に形成されるとともに、その深さはインペラカバー600の一部が容器301の収納空間側に突出する程度の深さで形成される。嵌合凹部306の底面306aの中心には支持軸306bが立設される。支持軸306bは、インペラ503の貫通孔503cに挿通し、インペラ503の回転軸を形成する。
【0028】
さらに、背板302aにおける該嵌合凹部306の外側には、該嵌合凹部306に沿って湾曲した囲み板400が設けられ、該囲み板400によりインペラカバー600の嵌合凹部306から突出した部分の一部が囲まれる。また、容器301の液体320、325を収容する収容空間には、図4に示すように、容器301を正面から見たときに、嵌合凹部306の開口(円形)の周線のうち、左下の領域付近を入口として、容器301の下部の中央を出口(噴出口411a)とする第1水路410aと、嵌合凹部306の開口(円形)の周線のうち、右下の領域付近を入口として、容器301の下部の左側を出口(噴出口411b)とする第2水路410bとが設けられる。第1水路410aと第2水路410bとは、背板302aに固定されている。また、第1水路410aおよび第2水路410bの入口は、いずれも囲み板400と滑らかに繋がって一体化されている。また、囲み板400、第1水路410a、第2水路410bは、後述するカバー体420により閉塞され、インペラ503の回転により発生する水流が第1水路410aか第2水路410bのいずれかに流れるようになっている。
【0029】
容器301内に収容された2種類の液体320,325は互いに比重が異なっている。この比重の違いにより、比重が大きい方の液体(特定液体)320が沈殿することによって容器301内の下側に比重が大きい方の液体320の液層が形成されるとともに、容器301内の上側に比重が小さい方の液体325の液層が形成される(図2参照)。この実施形態では、比重が大きい方の液体320を有色透明な液体とし、比重が小さい方の液体325を無色透明な液体とするが、これに限定されるものではない。なお、以下では、比重が大きい方の液体320を「下層液体320」と呼び、比重が軽い方の液体325を「上層液体325」と呼ぶ。
【0030】
インペラ503は、図7に示すように、円盤部503aと、複数の羽根部503bとを備える。円盤部503aの中心には、支持軸306bの挿通用の貫通孔503cが設けられる。各羽根部503bは、円盤部503aの一方面に凸設されるとともに、周方向に略等間隔で配列される。また、円盤部503aの隣接する羽根部503bの間それぞれには、磁石503eを配設するための貫通孔503dが形成され、該貫通孔503dに円柱状の磁石503eが嵌め込まれて固定される。なお、インペラ503は、他方面が容器本体302に設けられた嵌合凹部306の底面306aに当接するように、嵌合凹部306に嵌め込まれ、インペラ503が支持軸306bを中心に回転すると、各羽根部503bも回転し水流が形成される。
【0031】
ポンプ演出駆動部370が備えるポンプ駆動用モータ28および駆動マグネット部504は、容器301の外側に配設される。駆動マグネット部504は、インペラ503の円盤部503aと略同形状の駆動円盤部504aを有する。駆動円盤部504aには、周方向に等間隔で複数の貫通孔504bが形成され、これらの貫通孔504bに円柱状の磁石504cが嵌め込まれて固定される。また、駆動円盤部504aの中心にはポンプ駆動用モータ28用の挿通孔504d(図5図6参照)が形成されており、ポンプ駆動用モータ28の回転軸28aに駆動マグネット部504が取り付けられる。これにより、回転軸28aの回転に伴って駆動マグネット部504が回転する。駆動マグネット部504は、容器本体302の背板302aを挟んでインペラ503の円盤部503aと重なる位置に配置される。
【0032】
なお、インペラ503に配設された磁石503eの駆動マグネット部504に配設された磁石504cと対向する側の磁石の極性と、駆動マグネット部504に配設された磁石504cのインペラ503に配設された磁石503eに対向する側の磁石の磁性とは、この実施形態では逆極性の関係にある。したがって、駆動マグネット部504が回転すると、支持軸306bを中心として、容器301の内部空間に配設されたインペラ503が駆動マグネット部504と同じ方向で回転する。なお、ポンプ駆動用モータ28は、例えば、DCモータ、ACモータ、ステッピングモータ等で形成することができる。
【0033】
インペラカバー600(本発明の「切替部材」に相当)は、円筒状部600aと、該円筒状部600aの一方口を閉塞するように設けられた閉塞部600bとを有する。円筒状部600aは、インペラ503を収納可能なように、インペラ503の円盤部503aの径よりも若干大径に形成される。また、インペラカバー600は、円筒状部600aがインペラ503を囲み、閉塞部600bがインペラ503の円盤部503aの一方面(羽根部503b側の面)に対向するようにインペラ503に装着される。
【0034】
また、閉塞部600bの中心には、インペラカバー600とインペラ503との隙間に下層液体320を供給するための円形の供給口600c(本発明の「給水口」に相当)が形成される。閉塞部600bの外側面(インペラ503との対向面と反対側の面)の周縁には、約240°に亘って段差路600gが設けられている(図8(a)参照)。この段差路600gは、インペラカバー600の回転範囲を規定するものであり、詳しくは後述する。さらに、閉塞部600bのインペラ503との対向面には、複数のカバー側羽根部600dが形成される(図8(b)参照)。また、円筒状部600aの所定位置に矩形状の放出口600e(本発明の「導入口」に相当)が形成され、供給口600cから供給された下層液体320を当該放出口600eから、第1水路410aの入り口または第2水路410bの入り口に放出できるようになっている。
【0035】
カバー体420は、インペラ503に装着されるインペラカバー600と、第1水路410aおよび第2水路410bをまとめて覆うものであり、インペラカバー閉塞部420aと、第1水路閉塞部420bと、第2水路閉塞部420cとを有する。インペラカバー閉塞部420aには、インペラカバー600の供給口600cとの対向領域に円形の供給口420dが形成され、インペラカバー600がカバー体420に覆われた状態でも、インペラカバー600の供給口600cから下層液体320を供給できるようになっている。また、インペラカバー閉塞部420aの内側面(インペラカバー600との対向面)には、規制ピン420e(本発明の「導入口固定部材」に相当)が形成される。この規制ピン420eは、インペラカバー600にカバー体420を装着したときに、インペラカバー600の外側面に形成された段差に位置するように配設されており、インペラカバー600が回転した際、段差路600gの両端それぞれで規制ピン420eが当接し、それ以上のインペラカバー600の回転が規制されるようになっている。
【0036】
なお、カバー体420の装着した状態では、インペラカバー閉塞部420aの供給口420dが、インペラカバー600の供給口600cの外側に形成された円形のリブ600fに嵌合する(図5参照)。したがって、インペラ503の回転にともなってインペラカバー600が回転した場合でも、インペラ503とインペラカバー600の回転軸がずれない。
【0037】
次に、図10を参照して、インペラ503の回転により発生する水流を、第1水路410aに導く過程(図10(b))と、第2水路410b(図10(a))に導く過程について説明する。
【0038】
まず、ポンプ駆動用モータ28が時計回り(正回転)で回転した場合について図10(a)を参照して説明する。ポンプ駆動用モータ28が時計回りで回転した場合、当該モータ28の回転軸28aに取り付けられた駆動マグネット部504も時計回りに回転する。駆動マグネット部504には周方向に複数の磁石504cが固定されているため、インペラ503に固定された磁石503eと、駆動マグネット部504に固定された磁石504cとの吸引/反発作用により、容器本体302の背板302aを挟んで配置されたインペラ503も時計回りに回転する。
【0039】
インペラ503が時計周りに回転すると、インペラ503の羽根部503bにより、インペラ503とインペラカバー600との隙間にある下層液体320も時計回りに流動し、この流動をインペラカバー600のカバー側羽根部600dが受けてインペラカバー600も時計回りに回転する。
【0040】
インペラカバー600が時計回りに回転すると、インペラカバー600の閉塞部600bの周縁に設けられた段差路600gの一方端部がカバー体420の規制ピン420eに当たってそれ以上のインペラカバー600の回転が規制される。これにより、インペラカバー600の放出口600eは、第2水路410bの入り口付近で停止する。
【0041】
また、インペラカバー600の回転が規制されている状態であっても、インペラ503の回転は継続するため、インペラカバー600の供給口600cから取り込まれた下層液体320が、放出口600eから放出され、第2水路410bの入口に下層液体320が供給され続けることになる。つまり、インペラ503の回転により発生した水流が第2水路410bに導かれて、下層液体320が噴出口411bから噴出する。
【0042】
次に、ポンプ駆動用モータ28が反時計回り(逆回転)で回転した場合について図10(b)を参照して説明する。ポンプ駆動用モータ28が反時計回りで回転した場合、当該モータ28の回転軸28aに取り付けられた駆動マグネット部504も反時計回りに回転する。駆動マグネット部504には周方向に複数の磁石504cが固定されているため、インペラ503に固定された磁石503eと、駆動マグネット部504に固定された磁石504cとの吸引/反発作用により、容器本体302の背板302aを挟んで配置されたインペラ503も反時計回りに回転する。
【0043】
インペラ503が反時計周りに回転すると、インペラ503の羽根部503bにより、インペラ503とインペラカバー600との隙間にある下層液体320も反時計回りに流動し、この流動をインペラカバー600のカバー側羽根部600dが受けてインペラカバー600も反時計回りに回転する。
【0044】
インペラカバー600が反時計回りに回転すると、インペラカバー600の閉塞部600bの周縁に設けられた段差路600gの他方端部がカバー体420の規制ピン420eに当たってそれ以上のインペラカバー600の回転が規制される。これにより、インペラカバー600の放出口600eは、第1水路410aの入口付近で停止する。
【0045】
また、インペラカバー600の回転が規制されている状態であっても、インペラ503の回転は継続するため、インペラカバー600の供給口600cから取り込まれた下層液体320が、放出口600eから放出され、第1水路410aの入口に下層液体320が供給され続けることになる。つまり、インペラ503の回転により発生した水流が第1水路410aに導かれて、下層液体320が噴出口411aから噴出する。
【0046】
以上のように、ポンプ駆動用モータ28が時計回り(正回転)で回転した場合は、放出口600eが第2水路410bの入口側に移動するように、インペラカバー600が回転し、反時計周り(逆回転)で回転した場合は、放出口600eが第1水路410aの入口側に移動するように、インペラカバー600が回転することにより、放出口600eの位置が切り替えられる。
【0047】
図1の説明に戻る。スロットマシン1の前方側から視認される表示領域を有する液晶表示器27が、水槽デバイス280の後方側に配置されている。液晶表示器27の表示領域のうちの下側の第1表示領域の表示内容がスロットマシン1の前方側から水槽デバイス280の容器301内の下層側の液体(比重が大きい液体:下層液体320)を介して視認可能なように、かつ、その表示領域のうちの上側の第2表示領域の表示内容がスロットマシン1の前方側から水槽デバイス280の容器301内の上層側の液体(比重が小さい液体:上層液体325)を介して視認可能なようになっている。この液晶表示器27は、動画などを表示して遊技者に当選や入賞などを告知したり、各ストップスイッチ21L,21M,21Rの操作態様を報知したりする演出を行ったり、スロットマシン1にエラーが発生した場合にエラーの発生を報知するためのものである。ただし、液晶表示器27の表示領域における第1表示領域および第2表示領域の位置は、下層液体320の液面が波うった場合には変化することになる。
【0048】
また、液晶表示器27のすぐ上方には、各種の入賞図柄が表示された説明パネル29が設けられ、液晶表示器27および説明パネル29の左右には、音楽や音声などによる演出を行うためのスピーカ31L,31Rがそれぞれ設けられている。また、説明パネル29およびスピーカ31L,31Rの上辺には中央ランプ部33Mが配設され、その左右には左・右ランプ部33L,33Rがそれぞれ配設されている。各ランプ部33M,33L,33Rには、それぞれ発光ダイオードなどの光源が配設されている。これらのランプ部33M,33L,33Rは一体的に形成され、遊技者に当選や入賞を告知するなどの演出を行うための上部ランプ部33を構成している。
【0049】
また、操作板7の下方には、装飾画などが表示された下部パネル35が設けられ、この下部パネル35の左右には、それぞれ複数の光源が例えば2列に並んで配置された下部ランプ部37L,37Rが設けられている。また、下部パネル35の下方には、メダルのメダル払出口39や、このメダル払出口39から払い出されるメダルを受けるメダル受け41が設けられている。また、正面板9の右下隅には、3つのリールに対する入賞ラインの位置を示す図形(図示省略)が描かれ、正面板9の左下隅にはクレジットメダルの貯留枚数を表示するクレジット表示器45が配設されている。このクレジット表示器45は、例えば2個の7セグメントLEDで構成され、2桁の貯留枚数(最大で50枚)が表示可能になっている。
【0050】
また、クレジット表示器45の下方には、入賞時のメダルの払出枚数を表示するためのペイアウト表示器46が配設される。このペイアウト表示器46は、クレジット表示器45と同様、2個の7セグメントLEDで構成されている。なお、ペイアウト表示器46は、エラー情報の表示に兼用される。
【0051】
また、正面板9の表示窓11の下方には、左ストップスイッチ21L,中ストップスイッチ21M,右ストップスイッチ21Rを操作する順番や、役抽選の結果など、メイン制御基板63(図11図12参照)の制御に関する情報を報知(表示)するための報知用表示器60が配設されている。報知用表示器60は、例えば2個の7セグメントLEDを備えている。したがって、両7セグメントLEDそれぞれが有する各セグメントの点灯態様を変化させることによって、例えば、各ストップスイッチ21L,21M,21Rの操作順序や操作タイミングなどの操作様態を報知できるように構成されている。
【0052】
また、各リール13L,13M,13Rを支持する支持枠体が、筐体3内の後壁に固定されている。筐体3内の支持枠体の下方には、メダルをメダル払出口39に排出するためのホッパーユニット43(図11参照)が配設されている。また、メダル投入口25付近の裏面側には、メダル投入口25に投入されたメダルが正規のものか否かを選別して正規のメダルのみをホッパーユニット43に導くメダルセレクタ48(図11参照)が配設されている。また、スロットマシン1の正面から見てホッパーユニット43の左側には、操作ボックス49(図11参照)が筐体3内の左側壁に固定されている。この操作ボックス49には、電源のON、OFFを切り換える電源スイッチ50(図11参照)が設けられるとともに、設定変更処理用のキーシリンダからなる変更処理開始スイッチ56(図11参照)、設定変更時の設定値の切り換えを行うのに用いられるリセットスイッチ52(図11参照)が設けられている。なお、リセットスイッチ52は、エラーが発生した際のエラー解除や、許容状態滞在比率を表示するためのスイッチとしても用いられる。
【0053】
図11の投入センサ53が、筐体3内部のメダル投入口25近傍であってメダルセレクタ48部分に設けられ、メダル投入口25に投入されたメダルを1枚ずつ検出する。払出センサ54が、ホッパーユニット43の出口に設けられ、メダル払出口39に払い出されるメダルを1枚ずつ検出する。
【0054】
図11の左・中・右位置センサ55L,55M,55Rは、左・中・右リール13L,13M,13Rの回転位置をそれぞれ検出するもので、例えば左・中・右リール13L,13M,13Rにそれぞれ設けられた突起部を検出するフォトインタラプタからなり、左・中・右リール13L,13M,13Rが回転すると、一周ごとに突起部を検出してその検出信号をメイン制御基板63に出力する。この実施形態では、例えば左・中・右位置センサ55L,55M,55Rが上記突起部を検出したときに、それぞれコマ番号19番の図柄が表示窓11の中段に位置するように構成されている。
【0055】
図11のホッパーモータ57は、ホッパーユニット43に配設されて、その駆動によりメダルをメダル払出口39に向けて払い出す。
【0056】
図11の許容状態報知ランプ80は、スロットマシン1の状態が、AT遊技を許容する状態(AT許容状態)であることを報知するためのもので、例えば、LEDランプで形成されている。この実施形態では、AT許容状態のときは許容状態報知ランプ80が点灯され、AT非許容状態のときは消灯される。なお、許容状態報知ランプ80として、遊技者からも確認できるように、例えば、ペイアウト表示器46のドット部分を用いてもよく、クレジット表示器45のドット部分を用いてもよく、報知用表示器60のドット部分を用いてもよく、別のランプ部材を用いてもよい。
【0057】
図11の扉センサ(扉開閉検知用センサ)85は、筐体3に配設され、前面扉5が開状態にあるか、閉状態にあるかを検知するものであり、検知信号をメイン制御基板63に出力する。扉センサ85は、例えば、接触センサにより構成されている。接触センサは、前面扉5が閉じている場合に前面扉5の背面と接触センサの前面とが近接することによりオン状態(ON状態)となり、前面扉5が開放するに従って前面扉5の背面が接触センサの前面から離間してオフ状態(OFF状態)となり、前面扉5の開閉を検知することができる。なお、扉センサ85は、接触センサに限定されるものではなく、光センサや磁気センサなど、前面扉5の開閉を検知することができるようなものであればよい。
【0058】
また、スロットマシン1には、図11に示すように、遊技の進行に関する制御を行うメインCPU61が実装されたメイン制御基板63と、メイン制御基板63から送信された情報に基づき遊技の進行に合わせた演出の制御を行うサブCPU71が実装されたサブ制御基板73とが別々に設けられ、メイン制御基板63からサブ制御基板73に対して一方向に各種のデータが送信される。なお、メイン制御基板63は、外部から不正にアクセスすることができないように、基板ケース内に厳重に封印されている。また、基板ケースには、不正に解放されたことを確実に視認することができるように、種々の対策が講じられている。
【0059】
また、図11に示すように、メイン制御基板63のRAM65は、メインCPU61内部の記憶容量であり、スロットマシン1の遊技状態などの遊技に関するデータを一時的に記憶するものである。また、図11に示すように、メイン制御基板63のROM67は、メインCPU61内部の記憶容量であり、図12に示す予め設定されたデータである役抽選テーブル671、停止テーブル672などを含むスロットマシン1用のプログラム(遊技機用プログラム)を格納する。
【0060】
メイン制御基板63のメインCPU61は、タイマ割込などの割込機能を有し、ROM67に記憶された遊技機用プログラムを実行することにより、遊技の進行に関する処理を行う。このメインCPU61は、役抽選結果に関するデータ、各ストップスイッチ21L,21M,21R、スタートスイッチ19などの遊技者により操作される操作器具の操作に関するデータなどの種々のデータを、所定のコマンド形式でサブ制御基板73(サブCPU71)に送信する。
【0061】
サブ制御基板73のメモリ75は、各種データを一時的に記憶するRAM部と、演出用の各種プログラムなどを記憶するROM部とを備えている。また、サブ制御基板73のサブCPU71は、タイマ割込などの割込機能を有し、サブCPU71は、メインCPU61から送信されるスロットマシン1に関する各種のデータ(役抽選手段103による役抽選処理における役抽選結果、各ストップスイッチ21L,21M,21R、スタートスイッチ19などの操作器具が操作されたか、などに関するデータ)に基づいてメモリ75に格納されたプログラムを実行し、遊技者に対する遊技に関連する演出の内容を決定する。また、サブ制御基板73のサブCPU71は、決定された演出の内容に基づいて、サブ制御基板73が有するI/Oポートを介して、液晶表示器27、水槽デバイス280、スピーカ31L,31Rなどの演出機器の制御を行う。
【0062】
(メイン制御基板)
次に、メイン制御基板63について、図12を参照して詳細に説明する。図12に示すように、メイン制御基板63は、ROM67に格納されたプログラムを実行することにより実現される種々の機能や、ハードウェアが制御されることにより実現される種々の機能を備えている。
【0063】
(1)遊技制御手段100
図12の遊技制御手段100は、予め設定された複数の遊技状態のうちのいずれかの遊技状態においてスロットマシン1の遊技を制御するものである。具体的には、遊技制御手段100は、通常遊技状態において一般的な遊技を実行し、これらの遊技状態よりも遊技者に有利な予め定められた1または複数のボーナス役の入賞により移行するボーナス遊技状態においてボーナス遊技を実行する。ボーナス遊技状態は、入賞したボーナス役の種類に応じた終了条件(たとえば、終了条件はAT非許容状態中、AT許容状態中のいずれでも払出枚数が規定数の200枚を超えること)が定められており、遊技制御手段100は、その種類に応じた終了条件が成立したときにボーナス遊技状態を終了する。
【0064】
また、ボーナス遊技状態での遊技であるボーナス遊技とは異なる遊技者に有利な遊技として、後述する役抽選手段103の役抽選により、各ストップスイッチ21L,21M,21Rの操作手順によって遊技者に付与する有利度の異なる1又は複数の当選役グループ(以下、「押し順ベル」と記載する。)の当選となったときに、当選した押し順ベルに対応する有利な各ストップスイッチ21L,21M,21Rの操作手順(押し順)を特定可能に報知するAT遊技(特殊遊技)がある。遊技制御手段100は、AT許容状態、かつ、AT期間(特殊遊技継続期間)中の遊技において、役抽選手段103の役抽選により押し順ベルの当選となった場合はAT遊技を行う。
【0065】
遊技制御手段100は、AT遊技を許容しないAT非許容状態(特殊遊技非許容状態)、および、AT遊技を許容するAT許容状態(特殊遊技許容状態)のいずれか1つにスロットマシン1の状態を設定する。スロットマシン1をAT非許容状態からAT許容状態へ移行するか否かの抽選(AT許容移行抽選)を行う契機役としてのAT許容役グループ(役抽選手段103による役抽選の対象となる当選役グループのうちの予め定められた1または複数の当選役グループ)に当選し、AT許容役グループに当選して行われるAT許容移行抽選によりスロットマシン1をAT非許容状態からAT許容状態へ移行することが決定された場合、遊技制御手段100はスロットマシン1をAT許容状態に設定するとともに、AT遊技を実行する権利のゲーム数を例えば予め決められたゲーム数に決定する。また、遊技制御手段100は、AT遊技を実行する権利のゲームが0になるというAT許容状態の終了条件が成立した場合、スロットマシン1をAT許容状態からAT非許容状態に設定する。
【0066】
(2)設定制御手段101
図12の設定制御手段101は、払出率の異なる複数の設定値(設定1〜設定6)から一の設定値を設定するものである。この設定値は、後述するテーブル選択手段102により選択される役抽選テーブル671を選択するためのものであり、ROM67に格納された複数の役抽選テーブル671のそれぞれに各設定値のいずれかが対応付けられている。そして、設定制御手段101は、電源投入時(電源スイッチ50をONにした時)に変更処理開始スイッチ56のON、OFF状態を判定し、変更処理開始スイッチ56がONの状態で電源が投入されると、所定の設定変更処理を開始する。そして、上記設定変更処理が開始されると、スロットマシン1を設置するパチンコホールの管理者が、この設定値を変更することが可能になる。このときにリセットスイッチ52が用いられ、設定変更処理が開始された後に、リセットスイッチ52が押される度に、設定値が1ずつ増加して変更できるようになっている。なお、設定6のときにリセットスイッチ52が押されると、設定1に戻る。
【0067】
(3)テーブル選択手段102
図12のテーブル選択手段102は、設定制御手段101により設定される設定値(設定1〜設定6)に基づき、図12に示す複数の役抽選テーブル671から1つの抽選テーブルを選択するものである。
【0068】
(4)役抽選手段103
図12の役抽選手段103は、スタートスイッチ19が操作されて遊技を開始するタイミングで、予め設定された複数の当選役グループのうちのいずれの当選役グループに当選したか否かを、遊技開始に基づいて抽選値を生成して当該抽選値により決定する役抽選を行うものである。また、役抽選手段103は、AT非許容状態である場合において、役抽選によりAT許容役グループ(複数の当選役グループのうちの予め定められた1または複数の当選役グループ)に当選したときには、役抽選に用いられる抽選値と同じ抽選値を用いて、スロットマシン1をAT非許容状態からAT許容状態へ移行するか否かの抽選(AT許容移行抽選)を行う。
【0069】
なお、役の種類として、ボーナス役と、再遊技役と、小役とが予め設定されている。ボーナス役は、ボーナス遊技状態への移行役である。再遊技役は、入賞すると、新たなメダルを投入することなく当該入賞遊技と同じ賭数で次遊技行うことができる役である。小役は、入賞すると所定の配当(払出数)が得られる役である。また、当選役グループの種類として、1または複数のボーナス役により構成される当選役グループ、1または複数の再遊技役で構成される当選役グループ、1または複数の小役により構成される当選役グループなどが予め設定されている。
【0070】
(5)扉開閉検出手段104
図12の扉開閉検出手段104は、図11の扉センサ85から入力される検知信号に基づいて前面扉5が開いているか、閉じているかを検出する。
【0071】
(6)停止制御手段105
図12の停止制御手段105は、遊技者による各ストップスイッチ21L,21M,21Rの操作態様と役抽選手段103の役抽選結果とに基づき、停止テーブル672を用いて各リール13L,13M,13Rの停止制御を行うものである。
【0072】
(7)報知表示制御手段106
図12の報知表示制御手段106は、報知用表示器60での報知が報知態様決定手段107で決定された報知態様となるように制御するものである。
【0073】
(8)報知態様決定手段107
図12の報知態様決定手段107は、役抽選手段103の役抽選結果やスロットマシン1の状態(AT非許容状態、AT許容状態にAT準備中、AT許容状態におけるAT期間中)などに基づいて、報知用表示器60での報知態様を決定するものである。報知態様決定手段107が決定した報知態様については、コマンド作成手段108によりその種類を特定可能なコマンドが作成され、サブ制御基板73に送信される。例えば、AT期間中に押し順ベルに内部当選した場合は、その種類に応じて設定された有利な押し順を報知するという報知態様に決定する。
【0074】
(9)コマンド作成手段108
図12のコマンド作成手段108は、一般遊技状態およびボーナス遊技状態などの遊技状態、スロットマシン1のAT非許容状態/AT許容状態に関する情報、役抽選手段103におけるボーナス役や押し順ベルなどの役抽選結果に関する情報、各ストップスイッチ21L,21M,21R、スタートスイッチ19などの遊技者により操作される操作器具の操作に関する情報、扉開閉検出手段104の検出結果に基づく前面扉5の開閉に関する情報(前面扉5が開けられたこと、前面扉5が閉じられたこと)などの種々の情報をサブ制御基板73(サブCPU71)に送信するためのコマンドを生成するものである。そして、コマンド作成手段108により生成されたコマンドは、後述するようにコマンド送信手段113によりサブ制御基板73に送信される。サブ制御基板73では、メイン制御基板63から送られてきたコマンドに基づき、実行する演出を選択する。換言すれば、サブ制御基板73において実行される演出内容を指示するコマンドがコマンド作成手段108により作成される。
【0075】
また、コマンド作成手段108は、スロットマシン1の状態および役抽選手段103の役抽選結果に基づいて、報知用表示器60の報知態様に対応するコマンドを作成する。例えば、役抽選手段103の役抽選結果(当選役グループの識別番号)を構成する役の種類を特定可能なコマンドを作成するとともに、報知用表示器60の報知態様の種類を特定可能なコマンドを作成する。
【0076】
(10)リール検出手段109
図12のリール検出手段109は、左・中・右位置センサ55L,55M,55Rの検出信号と、左・中・右リール13L,13M,13Rを駆動する各リールモータ14L,14M,14Rへの供給パルス数とに基づき、左・中・右リール13L,13M,13Rの回転位置をそれぞれ検出するものである。この場合、リール検出手段109は、左・中・右リール13L,13M,13Rの回転中および回転停止時に、所定の基準位置(この実施形態では例えば、表示窓11の下段)に位置する図柄に対応するコマ番号をそれぞれ検出する。
【0077】
(11)図柄判定手段110
図12の図柄判定手段110は、各リール13L,13M,13Rそれぞれの回転位置に基づき、停止制御手段105により停止制御されて停止した各リール13L,13M,13Rの図柄の表示態様が、予め定められた表示態様であるかどうかの判定を行うものであり、リール13L,13M,13Rが停止したときの図柄の表示結果が所定の入賞態様であるかどうかを判定する。
【0078】
(12)払出制御手段111
図12の払出制御手段111は、図柄判定手段110による判定結果に基づき、遊技者に所定の特典(利益)を付与するものであり、図柄判定手段110により、いずれかの役に入賞したと判定されたときに、メダルの払い出しのある入賞であれば、クレジットメダルの貯留枚数が上限値(この実施形態では例えば50枚)に達した後は、ホッパーユニット43を動作させ、入賞した役に対応した払出数だけメダルを払い出して遊技者に利益を付与する。また、払出制御手段111は、クレジットメダルの貯留枚数が上限値に達するまでは、メダルの払い出しとして、ホッパーユニット43の動作に代えて上記払出数だけクレジットメダルを増加させる。さらに、払出制御手段111は、図柄判定手段110により再遊技役に入賞したと判定されたときに、規定数(3枚)のメダルが投入されたものとして次遊技の入賞ラインを有効とする。
【0079】
(13)メダル制御手段112
図12のメダル制御手段112は、メダルセレクタ48の動作を制御することにより、メダル受入可と受入不可とを切換えるものである。
【0080】
(14)コマンド送信手段113
図12のコマンド送信手段113は、メイン制御基板63からサブ制御基板73へ、コマンド作成手段108により作成された種々の情報を含むコマンドを一方通行で送信するものである。この場合、一般遊技状態およびボーナス遊技状態などの遊技状態、スロットマシン1のAT非許容状態/AT許容状態に関する情報、役抽選手段103におけるボーナス役や押し順ベルなどの役抽選結果、前面扉5の開閉に関する情報(前面扉5が開けられたこと、前面扉5が閉じられたこと)、図柄判定手段110による図柄判定結果、各リール13L,13M,13Rの回転・停止状態、払出制御手段111によるメダルの払出状態などのスロットマシン1の状態を表す情報を含むコマンドをサブ制御基板73へ送信する。
【0081】
また、コマンド送信手段113は、投入センサ53による投入メダルの検出状態、ベットスイッチ15および最大ベットスイッチ17の操作状態などを表すデータを含むコマンドをサブ制御基板73に送信する。また、コマンド送信手段113は、スタートスイッチ19およびストップスイッチ21L,21M,21Rなどの各種スイッチが遊技者により操作されたことを示すデータを含むコマンドをサブ制御基板73に送信する。
【0082】
(サブ制御基板)
次に、サブ制御基板73について詳細に説明する。図12のサブ制御基板73は、メイン制御基板63から送信されたコマンドを受信し、メイン制御基板63の動作や状態に応じた演出を行うものである。サブ制御基板73は、メモリ75(図11参照)に格納されたプログラムを実行することにより実現される種々の機能や、ハードウェアが制御されることにより実現される種々の機能を備えている。
【0083】
(1)コマンド受信手段200
図12のコマンド受信手段200は、メイン制御基板63により送信された種々の情報を含むコマンドを受信するものである。コマンド受信手段200は、メイン制御基板63から送信されるコマンドを受信すれば、コマンドの種類に応じてサブ制御基板73が備える各機能に通知を行う。
【0084】
(2)演出内容決定手段201
図12の演出内容決定手段201は、コマンド受信手段200により受信されたコマンドに応じて、演出の内容を決定するためのものである。具体的には、遊技の進行、スロットマシン1のAT非許容状態/AT許容状態に関する情報、ボーナス役や押し順ベルなどの役抽選結果などに対応して予め設定された演出パターンから、液晶表示器27に表示される動画を決定したり、ポンプ演出ユニット350による噴出演出の実行を決定したり、スピーカ31L,31Rから流れる音楽や音声を決定したり、上部ランプ部33や下部ランプ部37L,37Rの光源を一斉にあるいは個別に点滅したりするなどの演出を決定したりする。また、演出内容決定手段201は、報知用表示器60の報知態様(例えば、AT期間中に押し順ベルに内部当選した場合は、その種類に応じて設定された有利な押し順を報知するという報知態様)に対応する報知演出を実行する演出内容に決定する。
【0085】
例えば、演出内容決定手段201は、AT期間中に押し順ベルに内部当選した場合は、その種類に応じて設定された有利な押し順を液晶表示器27に表示するという演出内容に決定する。また、演出内容決定手段201は、例えば、遊技者がメダルの払い出しを受けやすくなるなど遊技者が遊技媒体の払い出しを受けることができる期待度が高いチャンス状態にスロットマシン1がなった場合(例えば、役抽選結果が1または複数のボーナス役を構成役とする1または複数の当選役グループに内部当選したことを示す場合、AT非許容状態/AT許容状態に関する情報がスロットマシン1をAT非許容状態からAT許容状態に移行することが決定されたことを示す場合など)、遊技者がメダルの払い出しを受けやすくなる可能性があるなど遊技者が遊技媒体の払い出しを受けることができる期待度が高い可能性があるチャンス状態にスロットマシン1がなった場合(例えば、役抽選結果がボーナスに同時に当選している可能性がある当選役グループに内部当選した場合、役抽選結果がAT許容移行抽選が行われるAT許容役グループに内部当選した場合など)、チャンス示唆演出として噴出演出の実行を決定する。
【0086】
具体的には、演出内容決定手段201は、第1水路410aの噴出口411aから下層液体320を噴出させる第1噴出演出の実行条件を満たした場合(例えば、役抽選結果が第1噴出演出用に予め定められた1または複数の当選役グループに当選したことを示す場合)、第1噴出演出の実行を決定する。また、演出内容決定手段201は、第2水路410bの噴出口411bから下層液体320を噴出させる第2噴出演出の実行条件を満たした場合(例えば、役抽選結果が第2噴出演出用に予め定められた1または複数の当選役グループに当選したことを示す場合)、第2噴出演出の実行を決定する。なお、噴出演出を、スロットマシン1に設定されている設定値を示唆する示唆演出、プレミア演出などに用いてもよい。
【0087】
噴出演出は、ポンプ演出ユニット350の噴出口411a,411bから上方向に向かって下層液体320が噴出され、噴出口411a,411bの上方の部分とその付近の下層液体320の液面は大きく盛り上がり、該盛り上がり部分が上層液体325側に侵入する。下層液体320は、上層液体325よりも比重が重いので噴出停止後は、盛り上がり部分が下層液体320側に戻って通常状態に戻ることになる。
【0088】
そして、演出内容決定手段201は、決定した演出内容に関するデータを含む信号を表示制御手段202、音声制御手段203、モータ駆動制御手段204に送信する。
【0089】
(3)表示制御手段202
図12の表示制御手段202は、演出内容決定手段201から送信された信号に含まれるデータに基づいて、液晶表示器27に動画(画像)を表示したり、上部ランプ部33や下部ランプ部37L,37Rなどの光源を一斉にあるいは個別に点滅したりするなどの制御を行うものである。
【0090】
(4)音声制御手段203
図12の音声制御手段203は、演出内容決定手段201から送信された信号に含まれるデータに基づいて、スピーカ31L,31Rから音楽を流したり、音声を出力したりするなど制御を行うものである。
【0091】
(5)モータ駆動制御手段204
図12のモータ駆動制御手段204は、演出内容決定手段201から送信された信号に含まれるデータに基づいて、ポンプ演出ユニット350による噴出演出を実行する場合に、ポンプ駆動用モータ28の駆動制御を行うものである。例えば、モータ駆動制御手段204は、演出内容決定手段201が第1噴出演出を行うと決定した場合、所定時間、ポンプ駆動用モータ28を反時計回り(逆回転)に回転させる制御を行う。この制御により下層液体320が第1水路410aの噴出口411aから上層液体325中へ噴出される第1噴出演出が実行される。また、モータ駆動制御手段204は、演出内容決定手段201が第2噴出演出を行うと決定した場合、所定時間、ポンプ駆動用モータ28を時計回り(正回転)に回転させる制御を行う。この制御により下層液体320が第2水路410bの噴出口411bから上層液体325中へ噴出される第2噴出演出が実行される。
【0092】
したがって、上記した実施形態によれば、1つのポンプ駆動用モータ28の正逆回転により、インペラ503からの水流を第1水路410aか第2水路410bかに選択的に導くことができるため、下層液体320を第1水路410aの噴出口411aから噴出させるか、第2水路410bの噴出口411bから噴出させるかを制御するのに、それぞれの噴出口411a,411b用にインペラおよびモータを設ける必要ない。したがって、容器内の前記液体を流動させることにより演出を行う遊技機において、簡易な構成で液体流動を制御できる。
【0093】
また、ポンプ駆動用モータ28が正回転の場合は、カバー体420の規制ピン420eがインペラカバー600の段差路600gの一方端部に当接し、それ以上のインペラカバー600の回転が規制されるため、インペラカバー600の放出口600eが第2水路410bの入口で停止する。一方、ポンプ駆動用モータ28が逆回転の場合は、カバー体420の規制ピン420eがインペラカバー600の段差路600gの他方端部に当接し、それ以上のインペラカバー600の回転が規制されるため、インペラカバー600の放出口600eが第1水路410aの入口で停止する。したがって、ポンプ駆動用モータ28が回転中であっても、放出口600eの位置が所望の水路410a,410bの入口で固定されるため、インペラ503からの水流を第1水路410a側に導くのか、第2水路410b側に導くのかの切り替えを容易に行うことができる。
【0094】
<第2実施形態>
本発明の第2実施形態について、図13図17を参照して説明する。
【0095】
この実施形態が第1実施形態と異なるところは、インペラおよびインペラカバーの構成が異なることと、インペラカバーをインペラ側に付勢するばね部材(本発明の「付勢部材」に相当)を備えることである。その他の構成は、第1実施形態と同じであるため、同一符号を付すことにより説明を省略する。
【0096】
この実施形態のインペラ703は、図15に示すように、円盤部703aと、複数の羽根部703bとを備える。円盤部703aは、各羽根部703bが凸設される一方面の径が、容器本体302の嵌合凹部306の底面306aに当接する他方面の径よりも小さく形成される。すなわち、円盤部703aの厚み方向の断面は、一方面から他方面に向かう方向に拡開するテーパ状に形成される。したがって、円盤部703aの一方面と他方面の端縁同士を繋ぐ側面703fが傾斜する。また、円盤部703aの中心には、第1実施形態と同様に、支持軸306bの挿通用の貫通孔703cが設けられる。各羽根部503bは、円盤部703aの一方面の周方向に略等間隔で配列される。また、円盤部703aの隣接する羽根部703bの間それぞれには、磁石703eを配設するための貫通孔703dが形成され、該貫通孔703dに円柱状の磁石703eが嵌め込まれて固定される。なお、インペラ703は、他方面が容器本体302に設けられた嵌合凹部306の底面306aに当接するように、嵌合凹部306に嵌め込まれ、インペラ703が支持軸306bを中心に回転すると、各羽根部703bも回転し水流が形成される。
【0097】
インペラカバー800は、円筒状部800aと、該円筒状部800aの一方口を閉塞するように設けられた閉塞部800bとを有する。インペラカバー800は、円筒状部800aがインペラ703を囲み、閉塞部800bがインペラ703の円盤部703aの一方面(羽根部703b側の面)に対向するようにインペラ703に装着される。また、円筒状部800aは、図16(b)に示すように、内側面のうち、閉塞部800bから遠い方の端部である開口部に傾斜面800hが形成される。つまり、インペラカバー800をインペラ703に装着し、インペラカバー800を後述するばね部材90で付勢すると、当該傾斜面800hがインペラ703の円盤部703aの側面703fに当接するようになっている(図14参照)。
【0098】
また、閉塞部800bの中心には、インペラカバー800とインペラ703との隙間に下層液体320を供給するための円形の供給口800cが形成される。また、供給口800cの外側には、インペラカバー閉塞部420aの供給口420dに嵌合するリブ800fが形成される。閉塞部800bの外側面(インペラ703との対向面と反対側の面)の周縁には、約240°に亘って段差路800gが設けられている(図16(a)参照)。この段差路800gは、第1実施形態と同様、インペラカバー800の回転範囲を規定するものである。さらに、閉塞部800bのインペラ703との対向面には、複数のカバー側羽根部800dが形成される(図16(b)参照)。また、円筒状部800aの所定位置に矩形状の放出口800eが形成され、供給口800cから供給された下層液体320を当該放出口800eから、第1水路410aの入り口または第2水路410bの入り口に放出できるようになっている。
【0099】
また、インペラカバー800は、カバー体420が装着された状態では、カバー体420とインペラカバー800との間にばね部材90が配設される。ばね部材90は、円環状の金属板で形成されている(図17参照)。また、ばね部材90の内径は、インペラカバー800の供給口800cよりも大きい径で形成されており、ばね部材90が、インペラカバー800の閉塞部800bの外側面(インペラ703との対向面と反対側の面)と、カバー体420の内側面とに当接するように配置される。そして、インペラ703が回転していない状態では、インペラカバー800がばね部材90の付勢力によりインペラ703側に押されて、インペラカバー800の円筒状部800aの傾斜面800hが、インペラ703の円盤部703aの側面に当接した状態となる。なお、ばね部材90は金属に限らず、ゴム等の弾性体で形成することができる。
【0100】
次に、ポンプ駆動用モータ28の回転時の動作について説明する。ポンプ駆動用モータ28が回転し始めた場合、当該モータ28の回転軸28aに取り付けられた駆動マグネット部504も回転する。駆動マグネット部504には周方向に複数の磁石504cが固定されているため、インペラ703に固定された磁石703eと、駆動マグネット部504に固定された磁石504cとの吸引/反発作用により、容器本体302の背板302aを挟んで配置されたインペラ703も回転する。このとき、インペラ703とインペラカバー800とは、ばね部材90の付勢力により当接しているため、両者の摩擦力によりインペラカバー800も回転を開始する。インペラ703の回転速度が速くなると、インペラ703とインペラカバー800との隙間の水圧が増す。これは、インペラカバー800の供給口800cの開口面積が、放出口800eの面積よりも大きいことから、インペラ703とインペラカバー800との隙間に供給される下層液体320の量が多くなると、その量と同じ量の下層液体320を放出口800eから放出できなくなり、その差分が前記隙間内に溜まるためである。インペラ703とインペラカバー800との隙間の水圧が増すと、ばね部材90の付勢力に抗する応力が働く。すなわち、ばね部材90の付勢力に抗して、インペラカバー800をカバー体420側に押し込む応力が働く。
【0101】
これによると、ポンプ駆動用モータ28の回転が開始して定常回転となる過程において、インペラ703とインペラカバー800の動作は以下のようになる。ポンプ駆動用モータ28が回転し始めの初期状態では、インペラ703とインペラカバー800とは当接した状態であるため、インペラ703の回転に伴って、両者間の摩擦力によりインペラカバー800が回転する。インペラカバー800は規制ピン420eで規制されるまで回転する。ポンプ駆動用モータ28の回転速度が増してくると、インペラ703とインペラカバー800との隙間の水圧が増すため、インペラ703とインペラカバー800との当接状態が次第に解除される。
【0102】
この実施形態によれば、第1実施形態の効果に加えて、インペラ703とインペラカバー800とをばね部材90の付勢により接触させることができるため、インペラ703の回転を動力としてインペラカバー800の放出口800eの位置の切り替えを容易に行うことができる。また、インペラカバー800の放出口800eの位置の切り替えが遅くなると、ポンプ駆動用モータ28の正逆回転の切り替わり時に意図しない水路410a,410b側に下層液体320が流れるおそれがある。しかしながら、この実施形態では、ポンプ駆動用モータ28の正逆回転の切り替わり時には、インペラ703とインペラカバー800とが当接した状態であるため、放出口800eの位置の切り替わりが早くなり、このような不具合を防止することができる。
【0103】
また、インペラ703とインペラカバー800とが当接した状態で回転していると、ポンプ駆動用モータ28に付加がかかって、故障が発生するおそれがある。しかしながら、この実施形態では、インペラ703の回転速度が増加すると、インペラカバー800とインペラ703との隙間の水圧が高くなって、インペラ703とインペラカバー800との当接状態が解除されため、ポンプ駆動用モータ28への負荷を軽減することができる。さらに、インペラ703とインペラカバー800とが当接した状態で回転する時間を減らすことで、インペラ703およびインペラカバー800の耐久性が向上する。
【0104】
なお、本発明は上記した実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない限りにおいて上述したもの以外に種々の変更を行うことが可能である。
【0105】
例えば、上層液体325を空気などの気体に置き換え、ポンプ演出ユニット350は噴出演出において下層液体320を供給口600c,800cから取り込んで噴出口411a,411bから空気などの気体中に噴出するようにしてもよい。
【0106】
また、上記した各実施形態では、本発明の遊技機としてスロットマシン1を例に挙げて説明したが、スロットマシンとパチンコ機とを組み合わせたパロットと称される遊技機に本発明を適用してもよく、このような遊技機に本発明を適用する場合、遊技用価値としての遊技球(パチンコ玉)を採用すればよい。さらに、本発明の遊技機を、コンピュータプログラムが実行されることによるビデオゲームに適用してもよい。また、本発明の表示手段を、液晶ディスプレイやCRTなどの画像表示装置を用いて、この画像表示装置に複数の図柄を順次表示させることにより構成してもよい。また、可変表示列の数は2列以上であればよく、遊技の態様に応じて適宜最適な数の可変表示列を構成すればよい。
【0107】
また、上記した実施形態で説明した内容を適宜組み合わせてもよい。
【0108】
そして、液体を収容する容器を備え、該容器内の前記液体を流動させることにより演出を行う遊技機に本発明を広く適用することができる。
【符号の説明】
【0109】
1…スロットマシン(遊技機)
28…ポンプ駆動用モータ
90…ばね部材(付勢部材)
301…容器
320,325…液体
410a…第1水路
410b…第2水路
420e…規制ピン(導入口固定部材)
503,703…インペラ
600,800…インペラカバー(切替部材)
600e…放出口(導入口)
【要約】
【課題】液体を収容する容器を備え、該容器内の前記液体を流動させることにより演出を行う遊技機において、簡易な構成で液体流動を制御できるようにすることを目的とする。
【解決手段】液体320,325を収容する容器301を備え、該容器301内の液体320,325を流動させることにより演出を行うスロットマシン1は、ポンプ駆動用モータ28からの動力で回転するインペラ503と、該インペラ503からの水流を噴出口411aに案内する第1水路410aと、インペラ503からの水流を噴出口411bに案内する第2水路410bと、放出口600eが形成されたインペラカバー600とを有し、ポンプ駆動用モータ28が正回転の場合は放出口600eが第2水路410b側に移動するようにインペラカバー600が回転し、ポンプ駆動用モータ28が逆回転の場合は、放出口600eが第1水路410a側に移動するようにインペラカバー600が動く。
【選択図】図10
図1
図2
図3
図4
図5
図6
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図10
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図17