(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記中央装置は、前記子路側機に対して前記第1指示を送信した後に、前記親路側機が前記無線通信異常に対処する必要性に関する判定を行い、前記親路側機が前記無線通信異常に対処する必要性がある場合、前記無線通信異常に対処させるための第2指示を、前記親路側機に対して送信する
請求項1記載の交通管制用通信システム。
前記親路側機が前記無線通信異常に対処する必要性に関する前記判定は、前記中央装置が前記子路側機に対して前記第1指示を送信することで、前記無線通信異常が解消されるか否かに基づいて行われる
請求項2記載の交通管制用通信システム。
前記子路側機は、前記第2指示に基づいて前記親路側機が前記無線通信異常に対処する処理を行っている期間中の少なくとも一部の期間において、前記親路側機への送信を停止する
請求項2又は3記載の交通管制用通信システム。
前記中央装置は、前記子路側機における無線通信異常の前記通知を受信すると、前記子路側機における無線通信異常に対処させるための指示を、前記子路側機に対して送信する
請求項20記載の交通管制用通信システム。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の好ましい実施形態について図面を参照しながら説明する。
【0019】
[1.実施形態の概要]
(1)実施形態に係る交通管制用通信システムは、前記中央装置に有線回線で接続され、前記中央装置と通信可能な親路側機と、前記親路側機との間での無線通信を介して、前記中央装置と通信可能な子路側機と、を備え、前記中央装置は、前記親路側機と前記子路側機との間での無線通信異常の発生を検出すると、前記無線通信異常に対処させるための第1指示を、前記子路側機に対して送信する交通管制用通信システムである。
【0020】
中央装置と有線回線で接続される親路側機は、子路側機よりも重要であるため、親路側機と子路側機との間での無線通信異常への対処を、親路側機に行わせると、通信システムへの悪影響が大きくなる。そこで、中央装置が、親路側機と子路側機との間での無線通信異常に対処をさせるための指示を、子路側機に送信することで、指示を受けた子路側機が無線通信異常に対処することができる。
【0021】
(2)前記中央装置は、前記子路側機に対して前記第1指示を送信した後に、前記親路側機が前記無線通信異常に対処する必要性に関する判定を行い、前記親路側機が前記無線通信異常に対処する必要性がある場合、前記無線通信異常に対処させるための第2指示を、前記親路側機に対して送信するのが好ましい。
子路側機に第1指示を送信しても、さらに、親路側機が無線通信異常に対処する必要性があれば、無線通信異常に対処させるための第2指示を、親路側機に対して送信することで、無線通信異常に対してより適切に対処することができる。
【0022】
(3)前記親路側機が前記無線通信異常に対処する必要性に関する前記判定は、前記中央装置が前記子路側機に対して前記第1指示を送信することで、前記無線通信異常が解消されるか否かに基づいて行われるのが好ましい。この場合、子路側機に対して前記第1指示を送信しても、無線通信異常が解消されなければ、親路側機が無線通信異常に対処する必要性があると判定することができる。
【0023】
(4)前記子路側機は、前記第2指示に基づいて前記親路側機が前記無線通信異常に対処する処理を行っている期間中の少なくとも一部の期間において、前記親路側機への送信を停止するのが好ましい。親路側機が無線通信異常に対処している間は、子路側機と中央装置との間の通信が行えない可能性があるため、親路側機への送信を停止するのが適切である。
【0024】
(5)前記中央装置は、前記子路側機又は前記親路側機から、前記無線通信異常の通知を受けることで、前記無線通信異常の発生を検出するのが好ましい。
この場合、中央装置は路側機からの通知により、無線通信異常の発生を容易に検出することができる。
【0025】
(6)前記中央装置は、前記中央装置と前記子路側機との間の通信セッション切断に基づいて、前記無線通信異常の発生を検出するのが好ましい。この場合、中央装置は路側機から通知を受けなくても、無線通信異常の発生を容易に検出することができる。
【0026】
(7)前記中央装置は、前記子路側機に対する前記第1指示を複数回繰り返し送信するのが好ましい。無線通信異常のため、第1指示が子路側機に到達する可能性が低いおそれがあるため、複数回繰り返し送信により、第1指示をより確実に子路側機へ到達させることができる。
【0027】
(8)前記子路側機は、前記中央装置から前記第1指示を受信すると、前記子路側機の復旧処理を行うのが好ましい。子路側機の復旧によって、無線通信異常の解消を試みることができる。
【0028】
(9)実施形態に係る通信方法は、交通管制用通信システムにおける通信方法であって、前記交通管制用通信システムは、交通管制用の中央装置と、前記中央装置に有線回線で接続され、前記中央装置と通信可能な親路側機と、前記親路側機との間での無線通信を介して、前記中央装置と通信可能な子路側機と、を備え、前記中央装置は、前記親路側機と前記子路側機との間での無線通信異常の発生を検出すると、前記無線通信異常に対処させるための第1指示を、前記子路側機に対して送信する通信方法である。
【0029】
(10)他の実施形態に係る交通管制用通信システムは、交通管制用の中央装置と、前記中央装置に有線回線で接続され、前記中央装置と通信可能な親路側機と、前記親路側機との間での無線通信を介して、前記中央装置と通信可能な子路側機と、を備え、前記子路側機は、前記親路側機における無線通信異常の発生を検出すると、前記親路側機への送信を停止する交通管制用通信システムである。
子路側機が親路側機における無線通信異常の発生を検出した場合、親路側機を介した中央装置との通信が適切でなくなるため、親路側機への送信を停止するのが好ましい。なお、親路側機における無線通信異常の発生を検出した場合に、直ちに送信を停止する必要はない。例えば、親路側機における無線通信異常の発生を検出した後に、中央装置に対する通知などの必要な処理を行ってから、送信を停止してもよい。
【0030】
(11)前記子路側機は、前記親路側機への送信を停止する前に、前記親路側機における無線通信異常の通知を前記中央装置へ送信するのが好ましい。この場合、中央装置は、親路側機における無線通知異常を認識することができる。
【0031】
(12)前記子路側機は、前記親路側機への送信を停止する前に、前記親路側機における無線通信異常の通知を前記親路側機へ送信するのが好ましい。この場合、親路側機は自機における無線通信異常を認識することができる。
【0032】
(13)前記子路側機は、送信を停止している間においても、受信可能であるのが好ましい。この場合、子路側機は、送信停止の再開の指示など、子路側機にとって有用な情報を取得することができる。
【0033】
(14)前記子路側機は、前記親路側機への送信を停止している間において、送信再開の契機となる情報を受信すると、前記親路側機への送信を再開するのが好ましい。この場合、子路側機は、送信再開が容易である。
【0034】
(15)前記子路側機は、前記親路側機への送信を停止している間において、移動通信機から送信される情報を受信可能であるのが好ましい。この場合、送信停止中においても、移動通信機の情報を取得でき、子路側機近辺における交通管制に役立てることができる。
【0035】
(16)前記子路側機は、前記親路側機への送信を停止する前に、移動通信機への送信を停止する旨の通知を前記移動通信機へ送信し、前記子路側機は、前記親路側機への送信を停止する際に、移動通信機への送信も停止するのが好ましい。この場合、移動通信機は、
子路側機からの情報配信の停止を予め認識することができる。
【0036】
(17)前記子路側機は、全ての送信を停止することで、前記親路側機への送信を停止するのが好ましい。この場合、異常状態における不適切な送信を防止できる。
【0037】
(18)前記子路側機は、前記親路側機への送信を停止している間は、他の路側機を介して、前記中央装置と通信を行うのが好ましい。この場合、中央装置との通信を継続することができる。
【0038】
(19)他の実施形態に係る通信方法は、交通管制用通信システムにおける通信方法であって、前記交通管制用通信システムは、交通管制用の中央装置と、前記中央装置に有線回線で接続され、前記中央装置と通信可能な親路側機と、前記親路側機との間での無線通信を介して、前記中央装置と通信可能な子路側機と、を備え、前記子路側機は、前記親路側機における無線通信異常の発生を検出すると、前記親路側機への送信を停止する通信方法である。
【0039】
(20)他の実施形態に係る交通管制用通信システムは、交通管制用の中央装置と、前記中央装置に有線回線で接続され、前記中央装置と通信可能な親路側機と、前記親路側機との間での無線通信を介して、前記中央装置と通信可能な子路側機と、を備え、前記子路側機は、前記子路側機における無線通信異常の発生を検出すると、前記親路側機への送信を停止し、前記親路側機は、前記子路側機の送信停止を検出すると、前記子路側機における無線通信異常の通知を前記中央装置へ送信する交通管制用通信システムである。
子路側機は、自機における無線通信異常の発生を検出した場合、自機から親路側機への送信を停止する。これにより、親路側機は、子路側機が異常であることを検出でき、親路側機が中央装置へ、子路側機の異常を通知することができる。したがって、異常状態の子路側機が、中央装置へ異常の通知のために送信を行うことを回避できる。
【0040】
(21)前記中央装置は、前記子路側機における無線通信異常の前記通知を受信すると、前記子路側機における無線通信異常に対処させるための指示を、前記子路側機に対して送信するのが好ましい。この場合、子路側機は、中央装置からの指示に従って、中央装置の管理下において、異常に対処するための処理を行うことができる。
【0041】
(22)他の実施形態に係る通信方法は、交通管制用通信システムにおける通信方法であって、前記交通管制用通信システムは、交通管制用の中央装置と、前記中央装置に有線回線で接続され、前記中央装置と通信可能な親路側機と、前記親路側機との間での無線通信を介して、前記中央装置と通信可能な子路側機と、を備え、前記子路側機は、前記子路側機における無線通信異常の発生を検出すると、前記親路側機への送信を停止し、前記親路側機は、前記子路側機の送信停止を検出すると、前記子路側機における無線通信異常の通知を前記中央装置へ送信する通信方法である。
【0042】
(23)他の実施形態に係る交通管制用通信システムは、交通管制用の中央装置と、前記中央装置に有線回線で接続され、前記中央装置と通信可能な親路側機と、前記親路側機との間での無線通信を介して、前記中央装置と通信可能な子路側機と、を備え、前記親路側機は、前記子路側機における無線通信異常の発生を検出すると、前記子路側機における無線通信異常の通知を前記中央装置へ送信し、前記中央装置は、前記無線通信異常に対処させるための指示を、前記子路側機に対して送信する交通管制用通信システムである。
親路側機は子路側機における無線通信異常の発生を検出すると、中央装置へその通知を行い、中央装置は、子路側機へ異常に対処させるための指示を送信することができる。したがって、子路側機は、自身の異常に気付かなくても、中央装置の指示に従って、中央装置の管理下において、異常に対処するための処理を行うことができる。
【0043】
(24)前記無線通信異常に対処させるための指示は、前記子路側機を無線通信異常から復旧させるための指示であるのが好ましい。子路側機の復旧によって、無線通信異常の解消を試みることができる。
【0044】
(25)前記親路側機は、前記子路側機における無線通信異常の発生を検出すると、前記子路側機における無線通信異常の通知を前記子路側機へ送信するのが好ましい。この場合、子路側機は、自機の異常を認識することができる。
【0045】
(26)他の実施形態に係る通信方法は、交通管制用通信システムにおける通信方法であって、前記交通管制用通信システムは、交通管制用の中央装置と、前記中央装置に有線回線で接続され、前記中央装置と通信可能な親路側機と、前記親路側機との間での無線通信を介して、前記中央装置と通信可能な子路側機と、を備え、前記親路側機は、前記子路側機における無線通信異常の発生を検出すると、前記子路側機における無線通信異常の通知を前記中央装置へ送信し、前記中央装置は、前記無線通信異常に対処させるための指示を、前記子路側機に対して送信する通信方法である。
【0046】
[2.実施形態の詳細]
[2.1 通信システム]
図1は、交通管制用通信システム1を示している。交通管制用通信システム1は、交通管制センターなどに設置された中央装置10と、交差点近傍などに設置された複数の路側機A,B,C,D,Eと、を備えている。中央装置10は、路側機A〜Eに接続された交通信号制御機20、光ビーコン、及び交通情報板などの交通用端末を制御する。中央装置10は、路側機A〜Eも交通用端末として扱う。
図1では、簡略化のため、交通用端末として路側機Bに接続された交通信号制御機20だけを示した。ただし、各路側機A〜Eには、1又は複数の交通用端末が接続される。
【0047】
複数の路側機A,B,C,D,Eには、有線回線(有線ネットワーク)2を介して中央装置10と接続された親路側機(親局)A,Dと、中央装置10に対して有線回線にて接続されていない子路側機(子局)B,C,Eと、を含む。
親路側機A,Dは、主要交差点などに設置され、子路側機B,C,Eは、親路側機A,Dの周辺の交差点などに設置される。中央装置10に有線回線で接続される路側機を親路側機A,Dだけにすることで、全ての路側機が中央装置と有線回線で接続される場合に比べて、回線を集約でき、回線コストを低減することができる。
【0048】
親路側機A,Dは、中央装置10と有線通信が行えるほか、無線通信を行うことができる。子路側機B,C,Eは、中央装置10との有線通信は行えないが、無線通信を行うことができる。各路側機A〜Eが行える無線通信には、路側機同士の通信(路路間通信)が含まれる。
子路側機B,C,Eは、中央装置10に有線接続された親路側機A,Dとの路路間通信を介して、中央装置10と通信することができる。なお、子路側機B,C,Eと親路側機A,Dとの間の通信には、更に他の子路側機が介在してもよい。
【0049】
各路側機A〜Eが行える無線通信には、車載器(移動通信機)100との通信(路車間通信)も含まれる。路車間通信は、車載器100に対して運転支援情報などの交通情報を提供するために行われる。各路側機A〜Eは、車載器100から送信された情報(プローブ情報)を受信することもできる。
【0050】
[2.2 路側機及び中央装置]
図2(A)は、親路側機A,Dの構成を示している。親路側機A,Dは、処理部31、インタフェース32、無線通信部33、及び有線通信部34を備えている。処理部31はCPUなどを有して構成され、図示しないメモリに記憶されたコンピュータプログラムを実行することにより、所定の処理31a,31b,31cを行う。
【0051】
インタフェース32は、交通信号制御機20などの交通用端末を路側機に接続するために用いられる。無線通信部33は、無線信号の送受信を行うものであり、路路間通信及び路車間通信が可能である。有線通信部34は、有線回線2を介して中央装置10と間の通信を行う。
【0052】
図2(B)は、子路側機B,C,Eの構成を示している。子路側機B,C,Eは、親路側機と同様に、処理部41、インタフェース42及び無線通信部43を備えているが、有線通信部は備えていない。処理部41はCPUなどを有して構成され、図示しないメモリに記憶されたコンピュータプログラムを実行することにより、所定の処理41a,41b,41cを行う。
【0053】
図2(C)は、中央装置10の構成を示している。中央装置10は、処理部51と、有線通信部54と、を有して構成されている。処理部51は、CPUなどを有して構成され、図示しないメモリに記憶されたコンピュータプログラムを実行することにより、所定の処理51aを行う。有線通信部54は、有線回線2を介して親路側機A,Dに接続されている。
【0054】
[2.3 データ構造]
図3は、交通用端末(路側機A〜E)と中央装置10との間でやりとりされる交通管制用パケット(有線パケット)200と、交通管制用パケット200をカプセル化した路路間通信パケット(無線パケット)300と、を示している。
親路側機A,Dと中央装置10との間の有線区間においては、交通管制用パケット200がやりとりされる。
【0055】
一方、路側機A〜E同士の通信区間である無線区間においては、送信すべき交通管制用パケット200をカプセル化した路路間通信パケット300がやりとりされる。
つまり、子路側機B,C,Eが、中央装置10宛ての交通管制用パケット200を送信したり、親路側機A,Dが、中央装置10から子路側機B,C,Eへ送信される交通管制用パケットを送信(転送)したりする場合において、無線区間においては路路間通信パケット300が用いられる。
このように、中央装置10と有線接続されていない子路側機B,C,Eを含む全ての路側機A〜Eと中央装置10との間は、交通管制用パケット200のやりとりが可能であり、各路側機A〜Eと中央装置10との間には、交通管制用の通信セッション(Datexセッション)が確立されている。
【0056】
交通管制用パケット200は、IPヘッダ201、UDPヘッダ202、Datex−Ashヘッダ203、個別アプリケーションデータ部204を有している。
図4は、個別アプリケーションデータ部204のデータ構造の例を示している。
図4に示す例は、路側機の無線通信に関連した異常(無線通信異常)に関する通知・指示を行うためのものである。なお、
図4に示すデータ構造は、専ら、無線通信異常に関する通知・指示を行うためのものであるが、無線通信異常以外の他の情報の伝送のためのデータ構造を有していても良い。
【0057】
図4(A)は、データ204のデータ構造例として、路側機A〜Eから中央装置10へ送信される「無線通信異常に関する通知」2041のデータ構造を示し、
図4(B)は、データ204のデータ構造例として、中央装置10から路側機A〜Eへ送信される「路側機への指示」2042のデータ構造を示している。
【0058】
図4(A)に示すように、「無線通信異常に関する通知」2041は、データ種別ID2041a、対象端末ID2041b、状態2041c、エラーコード2041d、指示実行情報2041e、通知端末ID2041f、及び、異常通知通し番号2041gの各データフィールドを有している。
【0059】
データ種別ID2041aは、データ204の種別を示す識別IDであり、「無線通信異常に関する通知(状態通知)」2041を示すID、「路側機への指示」2042を示すIDが格納される。
【0060】
対象端末ID2041bには、無線通信異常が疑われる路側機(対象端末)A〜EのID(端末ID)が格納される。無線通信異常が疑われる路側機は、通知2041を生成する路側機(自機)である場合もあるし、他の路側機である場合もある。
通知2041を生成する路側機(自機)にも他の路側機にも無線通信異常が検出されない場合(正常の場合)は、対象端末ID2041bには、通知2041を生成する路側機A〜EのID(端末ID)が格納される。
対象端末ID2041bには、対象端末A〜Eが、中央装置10と有線接続されているか否か(親路側機であるか否か)を示す識別子を含めても良い。
【0061】
状態2041cには、対象端末A〜Eの状態を示す識別子が格納される。状態には、「正常」状態と「異常」状態とが含まれる。正常は、路側機(対象端末)A〜Eが正常状態にあることを示し、「正常」には、「安定」状態と「復旧直後」状態が含まれる。「安定」は、正常で安定している状態であり、「復旧直後」は、異常から正常に復旧した直後であることを示す。
「異常」は、路側機(対象端末)A〜Eが異常に対処した状態にあることを示し、異常に対処した状態として、「停波中」、「別経路送信中」、「経路移行中」などを含む。
「停波中」は、全ての送信を停止した状態(ただし受信は可)であることを示す。「別経路送信中」は、子路側機B,C,Eが、中央装置10へ送信する際に、予め設定された親路側機Aを介するのではなく、他の親路側機Dを介する経路で中央装置10への送信を行う状態であることを示す。「経路移行中」は、別経路に移行中であることを示す。
【0062】
エラーコード2041dには、検出された無線通信異常の種類が格納される。無線通信異常には、路側機の送信出力の異常(出力が高すぎたり低すぎたりする異常)、路側機の同期異常(他の路側機とのタイミング同期・周波数同期の誤差が大きい異常)、通信異常(他の路側機との通信状況が異常)などがある。
【0063】
指示実行情報2041eは、路側機A〜Eが中央装置10からの指示2042を実行することに関する情報が格納される。指示実行情報2041eは、「実行指示コード」、「指示情報通し番号」、「指示実行内容」の各データフィールドを有している。「実行指示コード」には、中央装置10からの指示2042に含まれる指示コード2042cが格納される。「指示情報通し番号」には、中央装置10からの指示2042に含まれる「指示通知通し番号」2042eが格納される。「指示実行内容」には、中央装置10からの指示2042(指示コード2042c)に応じて路側機A〜Eが実行した内容が格納される。
【0064】
通知端末ID2041fには、通知2041を生成する路側機(自機)A〜EのID(端末ID)が格納される。無線通信異常の通知2041は、他の路側機A〜Eの無線通信異常を通知するものである場合もあるため、通知2041を生成(送信した)路側機A〜Eは通知端末DI2041fによって示される。
【0065】
異常通知通し番号2041gは、通知2041に付与される通し番号であり、路側機A〜Eが通知2041を行う毎に1インクリメントされる。
【0066】
図4(B)に示すように、中央装置10から「路側機への指示」2042は、データ種別ID2042a、対象端末ID2042b、指示コード(指示内容)2042c、異常通知情報2042d、及び、指示通知通し番号2042eの各データフィールドを有している。
【0067】
データ種別ID2042aは、データ種別ID2041aと同様である。
【0068】
対象端末ID2042bは、指示2042を受ける路側機(指示対象端末)A〜Eを示すID(端末ID)が格納される。
【0069】
指示コード2042cには、中央装置10から路側機(指示対象端末)A〜Eへの指示内容を示すコードが格納される。指示内容には、例えば、路側機の復旧の指示、路側機の停波(送信停止)の指示、路側機の変調レート変更の指示、路側機の送信出力変更の指示、他の路側機がサービス停止(送信停止)であることの連絡、などが含まれる。
【0070】
異常通知情報2042dには、指示対象端末に対して、指示対象端末以外の路側機が異常であることを通知ための情報が格納される。異常通知情報2042dには、「異常端末ID」、「エラーコード」、「異常通知通し番号」、「通知端末ID」の各データフィールドを有している。
「異常端末ID」には、異常である路側機(異常端末)A〜EのID(端末ID)が格納される。
「エラーコード」には、異常の種類が格納され、異常には、路側機の送信出力の異常(出力が高すぎたり低すぎたりする異常)、路側機の同期異常(他の路側機とのタイミング同期・周波数同期の誤差が大きい異常)、通信異常(他の路側機との通信状況が異常)などがある。
「異常通知通し番号」には、中央装置10が指示2042のよりどころとした異常通知2041の通し番号2041gが格納される。
「通知端末ID」には、中央装置10が指示2042のよりどころとした異常通知2041を行った路側機(通知端末)のIDが格納される。
【0071】
指示通知通し番号2042eは、指示2042に付与される通し番号であり、中央装置10が指示2042を行う毎に1インクリメントされる。
【0072】
図3に戻り、路路間通信パケット(無線パケット)300は、路路間通信ヘッダ301と、アプリケーションデータ部302と、を有している。アプリケーションデータ部302には、交通管制用パケット200が格納される。
図5は、路路間通信ヘッダ301のデータ構造の例を示している。
路路間通信ヘッダ301は、無線機種別コード3011、対象端末ID3012、状態3013、エラーコード3014、送信元ID3015、生成元ID3016、宛先ID3017、及び、通し番号3018の各データフィールドを有している。
【0073】
図4に示す通知2041・指示2042は、路側機A〜Eと中央装置10との間でやりとりされる情報であるのに対し、
図5に示す路路間通信ヘッダ301は、路側機A〜E同士でやりとりされる情報である。路路間通信ヘッダ301に含まれる情報は、路側機A〜E間で無線通信異常を通知する場合など、通信状況を路側機A〜E間でやりとりするために用いられるとともに、他の路側機A〜Eとの通信状況の把握(通信異常の検出;パケット到達率の計算など)のために用いられる。
【0074】
無線機種別コード3011には、無線機である路側機の種別を示すコードが格納される。
【0075】
対象端末ID3012には、対象端末ID2041bと同様に、無線通信異常が疑われる路側機(対象端末)A〜EのID(端末ID)が格納される。無線通信異常が疑われる路側機は、路路間通信ヘッダ301を生成する路側機(自機)である場合もあるし、他の路側機である場合もある。
路路間通信を送信する路側機(自機)にも他の路側機にも無線通信異常が検出されない場合(正常の場合)は、対象端末ID3012には、路路間通信ヘッダ301を生成する路側機A〜EのID(端末ID)が格納される。
【0076】
状態3013には、状態2041cと同様に、対象端末A〜Eの状態を示す識別子が格納される。
【0077】
エラーコード3014には、エラーコード2041dと同様に、無線通信異常の種類が格納される。
【0078】
対象端末ID3012、状態3013、及びエラーコード3014は、路路間通信ヘッダ301を含む路路間通信パケット300を受信した路側機A〜Eが、路路間通信パケット300に含まれる路路間通信ヘッダ301を生成した路側機(送信元)A〜Eの通信異常の検出のために用いられる。
【0079】
送信元ID3015には、路路間通信パケット(無線パケット)300を送信する路側機(基地局)A〜EのIDが格納される。この送信元ID3015は、パケット300が転送される度に、転送する路側機によって更新される。
【0080】
生成元ID3016には、路路間通信の送信開始時の路側機(基地局)A〜EのIDが格納される。
【0081】
宛先ID3017には、路路間通信の宛先の路側機(基地局)A〜EのIDが格納される。
【0082】
通し番号3018には、送信元の路側機が付与する通し番号が付与される。
送信元ID3015及び通し番号3018は、路路間通信ヘッダ301を含む路路間通信パケット300を受信した路側機A〜Eが、送信元の路側機との間の通信状態の把握(パケット到達率の計算など)に用いられる。
【0083】
[2.4 他の路側機の観測(異常検出処理)]
図6は、親路側機(親局)Aによる子路側機(子局)Bの通信状況の観測と、子路側機Bによる親路側機Aの通信状況の観測の様子を示している。
子路側機Bが中央装置10宛てのパケット200を送信する場合、子路側機Bは、路路間通信ヘッダ301を生成して当該パケット200に付加し、当該パケット200をカプセル化した路路間通信パケット(無線パケット)300を生成して無線区間に送信する。子路側機Bから送信された路路間通信パケット300を受信した親路側機Aは、路路間通信パケット300に含まれる路路間通信ヘッダ301を参照し、宛先が中央装置10であることに基づいて、アプリケーションデータ部302(パケット200)を有線区間に送信(転送)する。
親路側機Aは、子路側機Bから送信された路路間通信パケット(無線パケット)300を受信する毎に、路路間通信パケット300に含まれる路路間通信ヘッダ301を参照し、子路側機Bとの間の通信状態の把握(通信異常の検出;パケット到達率の計算など)を行う(子路側機Bの観測;ステップS1)。
【0084】
中央装置10が子路側機B宛てのパケット200を送信する場合、中央装置10から子路側機B宛てのパケットを受信した親路側機Aは、路路間通信ヘッダ301を生成して当該パケット200に付加し、当該パケット200をカプセル化した路路間通信パケット(無線パケット)300を生成して無線区間に送信(転送)し、子路側機Bはその路路間通信パケット300を受信する。
子路側機Bは、親路側機Aから送信された路路間通信パケット300を受信する毎に、路路間通信パケット300に含まれる路路間通信ヘッダ301を参照し、親路側機Aとの間の通信状態の把握(通信異常の検出;パケット到達率の計算など)を行う(親路側機Aの観測;ステップS2)。
【0085】
以上のように路側機A〜Eは、路路間通信パケット(無線パケット)300を観測することで、他の路側機A〜Eから自機A〜Eの異常の通知を受けることができる。
また、路側機A〜Eは、路路間通信パケット(無線パケット)300を観測することで、所定の送信元(又は宛先)のパケットの到達率が低いことをもって、無線通信異常を検知することができる。
さらに、路側機A〜Eは、自機A〜Eから他の路側機A〜Eへ定期的に送信されるハートビートパケットを利用し、自機A〜Eが送信したハートビートパケットに対する他の路側機A〜Eからの応答が所定頻度以下である場合、無線通信異常であると判断してもよい。
また、路側機A〜E間で、通信セッションが確立している場合、通信セッション断の発生に基づいて、無線通信異常であると判断してもよい。なお、中央装置10と子路側機Bとの間に通信セッションが確立している場合、中央装置10は、子路側機Bとの通信セッションが切断された場合、子路側機B若しくは親路側機A又は親−子路側機間に無線通信異常が発生していると判断することができる。
【0086】
路側機A〜Eが、非特許文献1に規定する路側機(基地局)である場合、路側機A〜Eは、路車間通信を所定の頻度(100msに1回以上)で行うため、路側機A〜Eは、他の路側機A〜Eが送信する路車間通信パケットの受信頻度が、所定頻度以下(例えば、1秒間に8パケット以下など)である場合、無線通信異常であると判断することができる。
さらに、路側機A〜Eは、他の路側機A〜Eから送信された信号の受信電力を監視して、受信電力が上限値又は下限値から外れていることで、他の路側機A〜Eに無線通信異常(出力異常)が発生していることを検出してもよい。
【0087】
各路側機A〜Eは、自機A〜Eの通信異常を検出することもできる。例えば、自機A〜Eの送信電力を監視し、送信電力が上限値又は下限値から外れている場合に、自機A〜Eに無線通信異常が発生していることを検出することができる。さらに、路側機A〜Eは、自機A〜Eのタイミング・周波数同期精度が所定値以下となることで、自機A〜Eに無線通信異常が発生していることを検出してもよい。
【0088】
[2.5 異常検出時の処理]
以下、無線通信異常が検出された場合における親路側機A、子路側機B、中央装置10の処理に関する複数の例を説明する。なお、以下の各例では、各路側機A,Bにおいて、
図6で説明した観測が行われていることを前提とする。また、ある例において説明された処理における当該説明内容は、矛盾の生じない範囲で、他の例における同様の処理についても適用される。
[2.5.1 親路側機−子路側機間の通信品質悪化]
図7は、親路側機Aと子路側機Bとの間の通信品質が悪化(通信異常)し、その通信品質悪化が、子路側機Bによって検出された場合の処理を示している。なお、ここでは、親路側機Aから子路側機Bへの通信に問題が生じているものとする。この場合、問題の要因としては、親路側機Aの送信系に問題が生じている可能性と、子路側機Bの受信系に問題が生じている可能性などがある。
【0089】
以上の状況において、子路側機Bは、例えば、親路側機Aからの路路間通信パケット(無線パケット)のパケット到達率(Packet Arrival Ratio;PAR)=0.8となったことを検出し、親路側機Aから子路側機Bへの通信に何らかの異常が生じていることを検出する(ステップS11)。この時点で、子路側機Bは、親路側機Aの送信系に問題(親路側機Aの出力異常)が生じているのか、子路側機Bの受信系に問題(子路側機Bの受信以上)が生じているのかは認識できない。
そこで、子路側機Bは、この通信異常の通知2041を中央装置10へ送信する。具体的には、子路側機Bは、通信異常通知2041を含むパケット200を生成し、そのパケット200を路路間通信ヘッダ301によってカプセル化した路路間通信パケット(無線パケット)300を送信する(ステップS12)。
ステップS12で生成される通信異常通知2041を含むパケット200の宛先は、中央装置10であり、通信異常通知2041において、通知端末ID2041fは子路側機BのIDであり、対象端末ID2041bは親路側機AのIDであり、エラーコード2041dは通信異常を示すコードとなる。
【0090】
路路間通信パケット(無線パケット)300を受信した親路側機Aは、無線パケット300に含まれる有線パケット200(通信異常通知2041)を中央装置10へ送信(転送)する。中央装置10は、有線パケット200(通信異常通知2041)を子路側機Bから受信することで、通知端末である子路側機Bと対象端末である親路側機Aとの間で通信異常が生じていることを検出することができる。なお、中央装置10は、子路側機Bとの通信接セッション切断に基づいて、通信異常の発生を検出してもよい。
【0091】
なお、子路側機BがステップS12で送信した無線パケット300の路路間通信ヘッダ301には、通信異常通知2041と同様に、対象端末ID3012とエラーコード3014とが含まれているため、無線パケット300を受信した親路側機Aは、路路間通信ヘッダ301を参照することで、通信異常を認識することもできるが、この点については、ここでは考慮しない。
【0092】
親路側機A−子路側機B間の通信異常通知2041を子路側機Bから受信した中央装置10は、まず、異常に対処させる指示を親路側機Aではなく子路側機Bへ送信する。なお、中央装置10は、親路側機A−子路側機B間の通信異常通知2041を親路側機Aから受信した場合も、異常に対処させる指示(復旧指示)を親路側機Aではなく子路側機Bへ送信する。
【0093】
親路側機A−子路側機B間に通信異常が生じている場合(通信異常の原因が親路側機Aか子路側機Bかが中央装置10にとって不明である場合)に、親路側機Aに異常に対処させるべく親路側機Aに復旧処理を行わせると、復旧するまでの間、親路側機Aの機能が実質的に停止することになり、親路側機Aによる路路間通信(例えば、異常の発生していない子路側機Eとの路路間通信)が停止したり、主要交差点に設置されている親路側機Aによる路車間通信サービスが停止することになり、悪影響が大きくなる。
【0094】
そこで、中央装置10は、親路側機A−子路側機B間での通信異常の発生を検出すると、通信異常に対処させるための指示(第1指示)2042を、子路側機Bへ送信する(ステップS13)。
この際、中央装置10は、同一の第1指示2042を子路側機Bへ複数回繰り返し送信する連送を行う。中央装置10から子路側機Bへの通信区間は、通信異常が発生している親路側機A−子路側機B間の無線区間を含むため、指示2042を複数回送信することで子路側機Bへの確実な到達が期待できる。同一の第1指示2042の複数回繰り返し送信は、子路側機Bからの再送要求に基づく再送であってもよい。また、子路側機Bが異常通知2041を行う場合(ステップS12)も、異常通知2041を連送するなどして複数回繰り返し送信してもよい。
【0095】
ステップS13で送信される指示2042は、対象端末ID2042bが子路側機BのIDであり、指示コード(指示内容)2042cが復旧に設定される。
【0096】
指示2042を受信した子路側機Bは、指示2042の指示内容(復旧)に従って、復旧処理を行う(ステップS14)。復旧処理には、子路側機Bの再起動や再設定(変調レートなどの再設定)などの処理が含まれる。子路側機Bの復旧処理の間は、通常の通信(親路側機Aへの送信など)が行えなくなる。したがって、親路側機Aからみると、子路側機Bからの通信の品質が低下する。この通信品質低下を、親路側機Aは、例えば、子路側機Bの送信出力低下(出力異常)として検出する(ステップS15)。
【0097】
そこで、親路側機Aは、子路側機Bの出力異常を示す通知2041を中央装置10へ送信する(ステップS16)。なお、この通知2041において、通知端末ID2041fは親路側機AのIDであり、対象端末ID2041bも親路側機AのIDであり、エラーコード2041dは「出力異常」を示すコードである。
中央装置10は、子路側機Bの出力異常を示す通知2041を親路側機Aから受信しても、子路側機Bの復旧実行中(復旧指示をしてから復旧完了の通知を受信するまで)は、子路側機Bの出力異常を示す通知2041を無視する。
【0098】
子路側機Bは、復旧処理が完了すると、復旧が完了したことの通知2041を中央装置10へ送信する(ステップS17)。この通知2041において、通知端末ID2041fは子路側機BのIDであり、対象端末ID2041bも子路側機BのIDであり、指示実行内容は「復旧完了」である。
【0099】
また、子路側機Bは、復旧完了して、送信を再開した直後は、送信する通知2041における状態2041cが「復旧直後」に設定され、その後「安定」に変更される。
【0100】
親路側機Aは、子路側機Bからの通知2041における状態2041cが「復旧直後」になることで、子路側機Bの観測を再開する(ステップS18)。子路側機Bは、復旧後に親路側機Aからの無線パケット受信をきっかけに、親路側機Aの観測を再開する(ステップS19)。
【0101】
ここで、親路側機Aの観測を再開した子路側機Bは、親路側機Aからの無線パケットのPAR=0.8となったことを検出し、親路側機Aから子路側機Bへの通信に何らかの異常が生じていることを再度検出したものとする(ステップS20a)。この時点でも、路側機Aが通信異常の原因とは断定できない。なお、中央装置10は、子路側機Bとの通信接セッション切断に基づいて、通信異常の発生を検出してもよい。
この場合も、子路側機Bは、この通信異常の通知2041を中央装置10へ送信する(ステップS20b)。
【0102】
中央装置10は、子路側機Bに復旧指示(第1指示)2042を送信して子路側機Bに異常に対処させたにもかかわらず、再度、子路側機Bから通信異常の通知2041を受信した場合、親路側機Aに対して、異常に対処させるための指示(復旧指示;第2指示)2042を送信する(ステップS21)。
すなわち、中央装置10は、子路側機Bに対して第1指示2042を送信することで、通信異常が解消されるか否かによって、第2指示2042を送信するか否を決定する。中央装置10は、再度、通信異常の通知2041を受信した場合、子路側機Bによる対処では通信異常は解消されておらず、親路側機Aが通信異常に対処する必要があるものと判定し、親路側機Aへ第2指示2042を送信する。
異常に対処させるための処理は、変調レートを低レートに変更する指示など、通信状況を改善させるための処理であってもよい。
なお、第2指示2042において、対象端末ID2042bは親路側機AのIDであり、指示コード(指示内容)2042cは「復旧」である。
【0103】
第2指示2042を受信した親路側機Aは、第2指示2042の指示内容(復旧)に従って、復旧処理を行う(ステップS22)。
親路側機Aは、復旧処理が完了すると、復旧が完了したことの通知2041を中央装置10へ送信する(ステップS23)。この通知2041において、通知端末ID2041fは親路側機AのIDであり、対象端末ID2041bも親路側機AのIDであり、指示実行内容は「指示了解」である。
【0104】
親路側機Aの復旧処理の間は、通常の通信(子路側機Bへの送信など)が行えなくなる。したがって、子路側機Bは、例えば、親路側機Aからの無線パケットのPAR=0となったことを検出し、親路側機Aの出力異常として検出する(ステップS24)。親路側機Aからの無線パケットのPAR=0の場合、親路側機Aが原因であると断定することができる。
すると、子路側機Bは、親路側機Aへの送信を停止すべく、全ての送信(路路間通信及び路車間通信)を停止(停波)する(ステップS25)。
これにより、子路側機Bは、親路側機Aが復旧(異常への対処)のため無線送信が行えない期間(の少なくとも一部)において、送信を行うことを避けることができる。子路側機Bは、親路側機Aと無線通信が行えなければ、中央装置10とも通信できず、子路側機Bは中央装置10からの管理下から離れた状態になるため、路路間通信だけでなく路車間通信も行わないことで、子路側機Bが中央装置10の管理外で動作することを避けることができる。路路間通信及び路車間通信を停止する場合、その停止前に、路車間通信(車載器100への送信)を停止する旨の通知を車載器100に行うことで、車載器100は路車通信によって得られるべきサービスが停止することを把握することができる。
なお、ステップS25では、親路側機Aへの送信を停止すれば足り、車載器100への送信を行ったり、他の路側機C,D経由で中央装置10と通信を行っても良い。また、子路側機Bは、停波中においても受信可能であり、車載器100からの受信や親路側機Aからの受信を行うことができる。
【0105】
親路側機Aの復旧処理によって通信異常が解消されると、子路側機Bは、親路側機Aから、状態2041cが「復旧直後」(送信再開の契機となる情報)である通知2041を受信することができる。子路側機Bは、これに基づいて、停止していた送信及び観測を再開する(ステップS26)。また、親路側機Aは、復旧後に子路側機Bからの無線パケット受信をきっかけに、子路側機Bの観測を再開する(ステップS27)。
【0106】
[2.5.2 親路側機に通信異常発生し、親路側機が異常検出]
図8は、親路側機Aに通信異常(送信出力異常)が発生し、親路側機A自らがその通信異常を検出した場合の処理を示している。
【0107】
親路側機Aは、自機Aに通信異常が発生したことを検出すると(ステップS31)、異常への対処として、全ての送信(路路間通信及び路車間通信)を停止(停波)する(ステップS32)。これにより、親路側機Aが異常な送信電力で送信することによる悪影響を回避できる。そして、親路側機Aは、自機Aの通信異常の通知2041を中央装置10へ送信する(ステップS33)。この通知2041において、通知端末ID2041fは親路側機AのIDであり、対象端末IDも親路側機AのIDであり、状態2041cは異常(停波中)であり、エラーコード2041dは出力異常のコードとなる。
【0108】
中央装置10は、親路側機Aからの通知2041を受信することで、親路側機Aに通信異常が生じていることを認識できる。
【0109】
子路側機Bは、親路側機Aが停波することで、例えば、親路側機Aからの無線パケットのPAR=0となったことを検出し、親路側機Aの出力異常として検出する(ステップS34)。
子路側機Bは、親路側機Aの出力異常の通知2041を中央装置へ送信する(ステップS35)。この通知2041において、通知端末ID2041fは子路側機BのIDであり、対象端末ID2041bは親路側機AのIDであり、エラーコードは「出力異常」のコードとなる。
子路側機Bは、親路側機Aが異常であると、中央装置10からの受信が行えない。そこで、子路側機Bは、親路側機Aへの送信を停止し、他の路側機C,Dを経由して中央装置10と通信を行うように経路変更を行う(ステップS36)。経路変更を行うことで、子路側機Bは中央装置10と通信を行うことができる。したがって、子路側機Bは、路車間通信など、車載器100に対するサービスを限定的であっても行うことができる。
なお、子路側機Bは、親路側機Aの異常を検出すると、ステップS25と同様に、停波してもよい。
このように、子路側機Bは、親路側機Aを介して中央装置10と通信できなくなると、親路側機Aを介した通信を行わないようにすることで、無駄な送信を回避できる。特に、子路側機Bが経路変更を行う場合は、中央装置10との通信を継続できる。
【0110】
中央装置10は、親路側機Aからの通知2041を受信することで、親路側機Aに通信異常が生じていることを認識すると、復旧の指示2042を親路側機Aへ送信する(ステップS37)。この指示2042において、対象端末ID2042bは親路側機AのIDであり、指示コード(指示内容)2042cは「復旧」である。
【0111】
復旧の指示2042を受信した親路側機Aは、復旧処理を行う(ステップS38)。
親路側機Aは、復旧処理が完了すると、復旧が完了したことの通知2041を中央装置10へ送信する(ステップS39)。この通知2041において、通知端末ID2041fは親路側機AのIDであり、対象端末ID2041bも親路側機AのIDであり、指示実行内容は「指示了解」である。
【0112】
親路側機Aの復旧処理によって通信異常が解消されると、子路側機Bは、親路側機Aから、状態2041cが「復旧直後」である通知2041を受信することができる。子路側機Bは、これに基づいて、中央装置10へ送信経路を基に戻し、観測を再開する(ステップS40)。また、親路側機Aは、復旧後に子路側機Bからの無線パケット受信をきっかけに、子路側機Bの観測を再開する(ステップS41)。
【0113】
[2.5.3 親路側機に通信異常発生し、子路側機が異常検出(その1)]
図9は、親路側機Aに通信異常(送信出力異常)が発生したが、親路側機Aはその異常を検出せず、子路側機Bがその異常を検出した場合の処理を示している。
【0114】
親路側機Aに通信異常(例えば、送信出力低下)が生じたにもかかわらず、親路側機Aが子路側機Bに送信を行っていると、子路側機Bは、例えば、親路側機Aからの無線パケットのPAR=0となったことを検出し、親路側機Aの出力異常として検出する(ステップS51)。
すると、子路側機Bは、中央装置10へ親路側機Aの通信異常の通知2041を送信する(ステップS52)。この通知2041において、通知端末ID2041fは子路側機BのIDであり、対象端末ID2041bは親路側機AのIDであり、エラーコード2041dは「出力異常」のコードとなる。
【0115】
中央装置10は、子路側機Bからの通知2041を受信することで、親路側機Aに出力異常が生じていることを認識できる。
【0116】
子路側機Bは、中央装置10へ通知2041を送信(ステップS52)した後、親路側機Aへの送信を停止、他の路側機C,Dを経由して中央装置10と通信を行うように経路変更を行う(ステップS53)。経路変更を行うことで、子路側機Bは中央装置10と通信を継続することができる。したがって、子路側機Bは、路車間通信など、車載器100に対するサービスを限定的であっても行うことができる。
なお、子路側機Bは、親路側機Aの異常を検出すると、ステップS25と同様に、停波してもよい。
このように、子路側機Bは、親路側機Aを介して中央装置10と通信できなくなると、親路側機Aを介した通信を行わないようにすることで、無駄な送信を回避できる。特に、子路側機Bが経路変更を行う場合は、中央装置10との通信を継続できる。
【0117】
中央装置10は、子路側機Bからの通知2041を受信することで、親路側機Aに出力異常が生じていることを認識すると、復旧の指示2042を親路側機Aへ送信する(ステップS54)。この指示2042において、対象端末ID2042bは親路側機AのIDであり、指示コード(指示内容)2042cは「復旧」である。
【0118】
復旧の指示2042を受信した親路側機Aは、復旧処理を行う(ステップS55)。親路側機Aは、復旧処理が完了すると、復旧が完了したことの通知2041を中央装置10へ送信する(ステップS56)。この通知2041において、通知端末ID2041fは親路側機AのIDであり、対象端末ID2041bも親路側機AのIDであり、指示実行内容は「指示了解」である。
【0119】
親路側機Aの復旧処理によって通信異常が解消されると、子路側機Bは、親路側機Aから、状態2041cが「復旧直後」である通知2041を受信することができる。子路側機Bは、これに基づいて、中央装置10へ送信経路を基に戻し、観測を再開する(ステップS57)。また、親路側機Aは、復旧後に子路側機Bからの無線パケット受信をきっかけに、子路側機Bの観測を再開する(ステップS58)。
【0120】
[2.5.4 親路側機に通信異常発生し、子路側機が異常検出(その2)]
図10は、親路側機Aに通信異常(送信出力異常)が発生したが、親路側機Aはその異常を検出せず、子路側機Bがその異常を検出した場合の処理の他の例を示している。
図10では、子路側機Bは、親路側機Aの出力異常を検出すると(ステップS51)、経路変更(親路側機Aへの送信停止;ステップS53)の前に、親路側機Aの通信異常(送信出力異常)の通知2041を、親路側機Aにも送信する(ステップS51a)。
親路側機Aは、子路側機Bからの通知2041を受信すると、自機Aの異常を検出することができる。
親路側機Aは、自機Aの異常を検出すると、異常状態での送信を避けるべく、停波する(ステップS51b)。これにより、異常状態にある親路側機Aの送信による悪影響を回避できる。
【0121】
図10において、説明を省略した点については、
図9と同様である。
【0122】
[2.5.5 子路側機に通信異常発生し、子路側機が異常検出]
図11は、子路側機Bに通信異常(送信出力異常)が発生し、子路側機が異常を検出した場合の処理を示している。
子路側機Bは、自機Bの異常を検出すると(ステップS61)、全ての送信(路路間通信及び路車間通信)を停止(停波)する(ステップS62)。
【0123】
子路側機Bが、停波(ステップS62)すると、親路側機Aは、例えば、子路側機Bからの無線パケットのPAR=0となったことで、子路側機Bの送信停止を検出し、子路側機Bの出力異常として検出する(ステップS63)。
親路側機Aは、子路側機Bの出力異常の通知2041を中央装置へ送信する(ステップS64)。この通知2041において、通知端末ID2041fは親路側機AのIDであり、対象端末ID2041bは子路側機BのIDであり、エラーコードは「出力異常」のコードとなる。
【0124】
中央装置10は、子路側機Bの異常の通知2041を、親路側機Aから受信することで、子路側機Bから通知を受けなくても、子路側機Bの異常を検出することができる。
中央装置10は、子路側機Bの異常の通知2041を受信すると、子路側機Bにおける異常に対処(復旧)させるための指示2042を、子路側機Bへ送信する(ステップS65)。この指示2042において、対象端末ID2042bは子路側機BのIDであり、指示コード(指示内容)2042cは「復旧」のコードとなる。
【0125】
復旧指示2042を受信した子路側機Bは、復旧処理を行う(ステップS66)。
復旧指示2042を送信した中央装置10は、親路側機Aに対し、子路側機Bがサービス停止中であることを示す指示2042を送信する(ステップS67)。この指示2042において、対象端末2042bは親路側機AのIDであり、指示コード(指示内容)2042cは「子路側機Bサービス停止中」のコードとなる。
ステップS67の指示2042を受信した親路側機Aは、指示了解の通知2041を中央装置10へ送信する(ステップS68)。この通知2041において、通知端末ID2041fは親路側機AのIDであり、対象端末ID2041bも親路側機AのIDであり、指示実行内容は「指示了解」である。
【0126】
子路側機Bは、復旧処理が完了すると、復旧が完了したことの通知2041を中央装置10へ送信する(ステップS69)。この通知2041において、通知端末ID2041fは子路側機BのIDであり、対象端末ID2041bも子路側機BのIDであり、指示実行内容は「復旧完了」である。
【0127】
子路側機Bの復旧処理によって通信異常が解消されると、親路側機Aは、子路側機Bから、状態2041cが「復旧直後」である通知2041を受信することができる。親路側機Aは、これに基づいて、子路側機Bの観測を再開する(ステップS70)。また、子路側機Bは、復旧後に親路側機Aからの無線パケット受信をきっかけに、親路側機Aの観測を再開する(ステップS71)。
【0128】
[2.5.6 子路側機に通信異常発生し、親路側機が異常検出(その1)]
図12は、子路側機Bに通信異常(送信出力異常)が発生したが、子路側機Bはその異常を検出せず、親路側機Aがその異常を検出した場合の処理を示している。
【0129】
子路側機Bに通信異常(例えば、送信出力低下)が生じたにもかかわらず、子路側機Bが親路側機Aに送信を行っていると、親路側機Aは、例えば、子路側機Bからの無線パケットのPAR=0となったことを検出し、子路側機Bの出力異常として検出する(ステップS81)。
すると、親路側機Aは、中央装置10へ子路側機Bの通信異常の通知2041を送信する(ステップS82)。この通知2041において、通知端末ID2041fは親路側機AのIDであり、対象端末ID2041bは子路側機BのIDであり、エラーコード2041dは「出力異常」のコードとなる。
【0130】
中央装置10は、子路側機Bの異常の通知2041を、親路側機Aから受信することで、子路側機Bから通知を受けなくても、子路側機Bに出力異常が生じていることを認識できる。
中央装置10は、子路側機Bに出力異常が生じていることを認識すると、子路側機Bにおける異常に対処(復旧)させるための指示2042を、子路側機Bへ送信する(ステップS83)。この指示2042において、対象端末ID2042bは子路側機BのIDであり、指示コード(指示内容)2042cは「復旧」である。
【0131】
復旧の指示2042を受信した子路側機Aは、復旧処理を行う(ステップS84)。
復旧指示2042を送信した中央装置10は、親路側機Aに対し、子路側機Bがサービス停止中であることを示す指示2042を送信する(ステップS85)。この指示2042において、対象端末2042bは親路側機AのIDであり、指示コード(指示内容)2042cは「子路側機Bサービス停止中」のコードとなる。
ステップS85の指示2042を受信した親路側機Aは、指示了解の通知2041を中央装置10へ送信する(ステップS86)。この通知2041において、通知端末ID2041fは親路側機AのIDであり、対象端末ID2041bも親路側機AのIDであり、指示実行内容は「指示了解」である。
【0132】
子路側機Bは、復旧処理が完了すると、復旧が完了したことの通知2041を中央装置10へ送信する(ステップS87)。この通知2041において、通知端末ID2041fは子路側機BのIDであり、対象端末ID2041bも子路側機BのIDであり、指示実行内容は「復旧完了」である。
【0133】
子路側機Bの復旧処理によって通信異常が解消されると、親路側機Aは、子路側機Bから、状態2041cが「復旧直後」である通知2041を受信することができる。親路側機Aは、これに基づいて、子路側機Bの観測を再開する(ステップS88)。また、子路側機Bは、復旧後に親路側機Aからの無線パケット受信をきっかけに、親路側機Aの観測を再開する(ステップS89)。
【0134】
[2.5.7 子路側機に通信異常発生し、親路側機が異常検出(その2)]
図13は、子路側機Bに通信異常(送信出力異常)が発生したが、子路側機Bはその異常を検出せず、親路側機Aがその異常を検出した場合の処理の他の例を示している。
図13では、親路側機Aは、子路側機Bの出力異常を検出すると(ステップS81)、子路側機Bにおける通信異常(送信出力異常)の通知2041を、子路側機Bにも送信する(ステップS81a)。
子路側機Bは、親路側機Aからの通知2041を受信すると、自機Bの異常を検出することができる。
子路側機Bは、自機Bの異常を検出すると、異常状態での送信を避けるべく、停波する(ステップS81b)。これにより、異常状態にある子路側機Bの送信による悪影響を回避できる。
【0135】
図13において、説明を省略した点については、
図12と同様である。
【0136】
[2.6 通知処理]
[2.6.1 路路間での通信状況の通知]
既述の説明では、路側機A〜Eは、他の路側機との間の通信状況(通信状況の良し悪し、又は、パケット到達率など)を、他の路側機から受信した路路間通信ヘッダ301に基づいて把握する。ただし、路路間通信ヘッダ301を用いる必要はなく、路路間通信ヘッダ301に含まれる送信元ID3015及び通し番号3018に相当する情報を、路側機間でやり取りすれば足りる。
また、路側機A〜Eは、自機が把握した通信状況(他の路側機との間の通信状況)を、路路間通信ヘッダ301に含めるなどして、他の路側機へ通知してもよい。
さらに、路側機A〜Eは、他の路側機が異常であることを通知してもよい。
【0137】
[2.6.2 路側機から中央装置への通知]
既に説明したように、路側機A〜Eは、自機の異常を検出した場合(自ら検出した場合及び他局からの通知で検出した場合を含む)、停波し、自機の異常を中央装置10へ伝える。これにより、中央装置10は路側機A〜Eの異常を認識することができる。
また、路側機A〜Eは、他の路側機の異常を検出した場合、他の路側機の異常を中央装置10へ伝えるのが好ましい。これにより、中央装置10は他の路側機の異常を認識することができる。
さらに、路側機A〜Eは、自機と他の路側機との間の通信異常の原因が自機か他の路側機かわからない状態において、その通信異常を、中央装置10へ伝えるのが好ましい。この場合、路側機A〜Eは、自機A〜Eの通信異常であるかどうかわからないため、停波をしない。
【0138】
[2.7 中央装置から路側機への停波指示]
中央装置10は、ある路側機(異常局)における通信異常の通知を、他の路側機から受信すると、異常局である路側機に対して、停波(送信を停止。送信再開のため受信は可能)を指示するのが好ましい。
また、中央装置10は、ある路側機(異常局)における通信異常の通知を、他の路側機から受信すると、異常局である路側機が、中央装置10と有線接続された親路側機Aである場合、その親路側機Aと無線接続される子路側機B,Eに対して、停波(送信を停止。送信再開のため受信は可能)又は経路切替を指示するのが好ましい。親路側機が異常局なったのに子路側機を放置すると、子路側機B,Eが中央装置10の管理から外れた状態で動作するが、停波又は経路切替により、これを避けることができる。
中央装置10は路側機B,Eに対しする停波又は経路切替の指示後、異常局である親路側機Aに対して、停波又は復旧を指示するのが好ましい。
【0139】
[2.8 路側機の異常対処処理(停波等)]
[2.8.1 親路側機]
親路側機A,Dは、自機A,Dが異常であることを検出すると、異常への対処として、自主的に停波等するのが好ましい。
親路側機A,Dは、中央装置10から停波の指示を受けた場合も、停波等するのが好ましい。
親路側機A,Dは、他の路側機から自機A,Dが異常である旨の通知を受けた場合も、停波等するのが好ましい。
親路側機Aは、自機Aが正常であっても、自機Aに無線接続する子路側機B,Eが異常である場合も、停波等するのが好ましい。
【0140】
[2.8.2 子路側機]
子路側機B,C,Eは、自機B,C,Eが異常であることを検出すると、異常への対処として、自主的に停波等するのが好ましい。
子路側機Bは、自機Bと無線接続される親路側機Aが停波した場合、その場合のために予め設定された動作を行うのが好ましい。予め設定された動作としては、停波、サービス中止中の送信(路車間通信)、経路切替などが好ましい。
子路側機B,Eは、中央装置10から停波の指示を受けた場合も、停波等するのが好ましい。
子路側機B,Eは、異常局である親路側機Aに無線接続される子路側機B,Eである場合において、中央装置10が停波又は経路切替を指示してきた場合、その指示に従って、停波、サービス中止中の送信(路車間通信)、経路切替などをするのが好ましい。
子路側機B,Eは、他の路側機から、自機B,Eが異常である旨の通知を受けた場合も、停波等を行っても良い。
【0141】
[2.9 中央装置から路側機への復旧指示]
中央装置10は、異常局である(又は停波中)の路側機A〜Eに対して、復旧、変調レート変更、送信出力変更等の指示を行うのが好ましい。
中央装置10は、異常局である(又は停波中)親路側機Aの復旧後、親路側機Aに無線接続する子路側機B(停波中か経路切替中)に対して、復旧指示を送信するのが好ましい。
中央装置10は、異常局(又は停波中)の路側機Aの隣接路側機B,Eに対して、路側機Aがサービス停止中であることを示す情報を送信するのが好ましい。
【0142】
[2.10 路側機の異常対処処理(復旧等)]
[2.10.1 親路側機]
親路側機Aは、中央装置10からの指示に従って、復旧等することができる。
親路側機Aは、中央装置10からの指示に対して回答するのが好ましい。
なお、親路側機Aは、子路側機B,Eの通信異常から復旧(観測再開)する場合、子路側機B,Eから受信を開始してから復旧するのが好ましい。
【0143】
[2.10.2 子路側機]
子路側機Bは、中央装置10からの指示に従って、復旧等することができる。子路側機Bが異常局である親路側機Aに無線接続している場合も同様である。
子路側機Bは、中央装置10からの指示に対して回答するのが好ましい。
なお、子路側機Bは、親路側機Aの通信異常から復旧(観測再開)する場合、親路側機Aから受信を開始してから復旧するのが好ましい。
【0144】
[3.付記]
上記実施の形態および変形例は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記説明ではなく特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。