特許第6368148号(P6368148)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6368148
(24)【登録日】2018年7月13日
(45)【発行日】2018年8月1日
(54)【発明の名称】ベルトアクチュエータのブレーキ装置
(51)【国際特許分類】
   F16H 19/02 20060101AFI20180723BHJP
   B25J 19/00 20060101ALI20180723BHJP
【FI】
   F16H19/02 K
   B25J19/00 C
   F16H19/02 D
【請求項の数】5
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2014-115664(P2014-115664)
(22)【出願日】2014年6月4日
(65)【公開番号】特開2015-230024(P2015-230024A)
(43)【公開日】2015年12月21日
【審査請求日】2017年5月10日
(73)【特許権者】
【識別番号】000103792
【氏名又は名称】オリエンタルモーター株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100099623
【弁理士】
【氏名又は名称】奥山 尚一
(74)【代理人】
【識別番号】100096769
【弁理士】
【氏名又は名称】有原 幸一
(74)【代理人】
【識別番号】100107319
【弁理士】
【氏名又は名称】松島 鉄男
(74)【代理人】
【識別番号】100114591
【弁理士】
【氏名又は名称】河村 英文
(74)【代理人】
【識別番号】100125380
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 綾子
(74)【代理人】
【識別番号】100142996
【弁理士】
【氏名又は名称】森本 聡二
(74)【代理人】
【識別番号】100154298
【弁理士】
【氏名又は名称】角田 恭子
(74)【代理人】
【識別番号】100166268
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 祐
(74)【代理人】
【識別番号】100170379
【弁理士】
【氏名又は名称】徳本 浩一
(74)【代理人】
【識別番号】100161001
【弁理士】
【氏名又は名称】渡辺 篤司
(72)【発明者】
【氏名】染谷 和志
【審査官】 前田 浩
(56)【参考文献】
【文献】 特開2006−17292(JP,A)
【文献】 特開2009−204134(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B25J 19/00
F16H 19/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ベルトとプーリ機構を備えたベルトアクチュエータと、前記ベルトアクチュエータにより直動するスライダ部と、ベルトの張力の緩みを検出する検出部とを備え、ベルトの張力の緩みを検出して作動し、前記スライダ部を停止させるブレーキ装置において、
前記ベルトアクチュエータの長手方向に沿って磁性体金属で形成されたガイドレールを設け、このガイドレールに沿って前記スライダ部を作動させるとともに、前記スライダ部に前記ベルトの緩みが一定以上緩んだときに作動する検出部を設け、該検出部が作動した時に前記磁性体金属に吸着されるマグネット部を前記スライダ部に装着したブレーキ機構とを備え、前記検出部は、前記ベルトの表面に当接されて保持されるとともに、トリガーバネによってベルトに押し付けられたトリガーピンと、このトリガーピンを摺動自在に支持した支持部材と、ベルトの緩みによって、トリガーピンがトリガーバネによって摺動した時にトリガーピンによる規制が解除されて作動するピストンとを備え、該ピストンの作動によってピストンに固定されている前記マグネット部が前記ガイドレールに吸着されて前記スライダ部を停止させることを特徴とするベルトアクチュエータのブレーキ装置。
【請求項2】
前記検出部には、前記トリガーピンが前記支持部材に形成された挿通穴に軸部を挿通して支持されており、前記トリガーピンの軸部の途中を前記ピストンの延出部に設けられた切欠き部に係合して前記ピストンの移動を規制し、前記ベルトが破断したときに前記トリガーバネの付勢力により切欠き部に係合していた前記トリガーピンの軸部の外れを検出するトリガーセンサを設け、該トリガーセンサの検出により前記ピストンをガイドレール方向に作動させる作動部を設け、該作動部により前記マグネット部が前記ガイドレールに吸着されることを特徴とする請求項1に記載のベルトアクチュエータのブレーキ装置。
【請求項3】
前記マグネット部は、前記ガイドレールの上面に対向して設けられたディスクと、マグネット本体と、マグネット本体を間に挟んで積層されたマグネットホイールとで一体に形成され、前記マグネットホイールの上面軸方向に形成された逆円錐状の開口穴に係合されたジョイントを介して作動部に支持されており、前記ジョイントの軸部が前記ピストンに支持されており、前記ジョイントとマグネットホイール間に隙間を設け、フローティング機能を持たせたことを特徴とする請求項1または2に記載のベルトアクチュエータのブレーキ装置。
【請求項4】
前記ピストンをソレノイドにより駆動し、前記トリガーセンサの作動により前記ソレノイドのコイルに通電する構成にしたことを特徴とする請求項2に記載のベルトアクチュエータのブレーキ装置。
【請求項5】
前記ピストンを電磁コイル機構により駆動し、前記トリガーセンサの作動により前記電磁コイルに通電する構成にしたことを特徴とする請求項2に記載のベルトアクチュエータのブレーキ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ベルトとプーリを使用したベルトアクチュエータのブレーキ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、この種のベルトとプーリを使用したリニアアクチュエータのブレーキ機構としては、例えば、特開2008−23678号公報(特許文献1)に示すようなものがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008−23678号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、このような従来のブレーキ機構だと、ブレーキ部材とブレーキ部材を固定するパッドフレームが必要であった。また、ベルトはタイミングベルト(歯付ベルト)である必要があり、ブレーキ動作時、歯が噛み合わないと止まらない、組み付け精度が必要、歯飛びをする可能性があり、タイミングベルトのモジュールが小さいと機構的に難しいため、適切なタイミングベルトでないと対応できない。さらに、タイミングベルトの他端は、ブレーキフレームに摺動可能に配設されたブレーキロックに固着され、ブレーキロックとパッド取付け部材が第1のバネで係合されている。タイミングベルトの張力が一定の張力以下となったときに第1のバネにより、ブレーキロックからパッド取付け部材が離脱する機構である。しかしながら、通常のプーリの回転によるベルトの往復駆動においても、正逆運転時、速度変化時などには、タイミングベルトの張力が変化する。したがって、タイミングベルトの他端が、機構側で固定されていないため、停止精度がでない。特に、ベルト撓みが大きくなるロングストロークに向かない。ベルト緩みが許容範囲でも、誤動作してブレーキをかけてしまうことになるからである。
【0005】
本発明は、このような従来の課題に着目してなされたもので、ベルトが破断した時などベルトの張力が一定以上緩んだときに、マグネットの力で停止する機構を備えたベルトアクチュエータのブレーキ装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、上記課題を解決するため、ベルトとプーリ機構を備えたベルトアクチュエータと、前記ベルトアクチュエータにより直動するスライダ部と、ベルトの張力の緩みを検出する検出部とを備え、ベルトの張力の緩みを検出して作動し、前記スライダ部を停止させるブレーキ装置において、前記ベルトアクチュエータの長手方向に沿って磁性体金属で形成されたガイドレールを設け、このガイドレールに沿って前記スライダ部を作動させるとともに、前記スライダ部に前記ベルトの緩みが一定以上緩んだときに作動する検出部を設け、該検出部が作動した時に前記磁性体金属に吸着されるマグネット部を前記スライダ部に装着したブレーキ機構とを備え、前記検出部は、前記ベルトの表面に当接されて保持されるとともに、トリガーバネによってベルトに押し付けられたトリガーピンと、このトリガーピンを摺動自在に支持した支持部材と、ベルトの緩みによって、前記トリガーピンが前記トリガーバネによって摺動した時に該トリガーピンによる規制が解除されて作動するピストンとを備え、該ピストンの作動によって該ピストンに固定されている前記マグネット部が前記ガイドレールに吸着されて前記スライダ部を停止させることにある。
また、本発明は、前記検出部には、前記トリガーピンが前記支持部材に形成された挿通穴に軸部を挿通して支持されており、前記トリガーピンの軸部の途中を前記ピストンの延出部に設けられた切欠き部に係合して前記ピストンの移動を規制し、前記ベルトが破断したときに前記トリガーバネの付勢力により切欠き部に係合していた前記トリガーピンの軸部の外れを検出するトリガーセンサを設け、該トリガーセンサの検出により前記ピストンをガイドレール方向に作動させる作動部を設け、該作動部により前記マグネット部が前記ガイドレールに吸着されることにある。
さらに、本発明は、前記マグネット部は、前記ガイドレールの上面に対向して設けられたディスクと、マグネット本体と、マグネット本体を間に挟んで積層されたマグネットホイールとで一体に形成され、前記マグネットホイールの上面軸方向に形成された逆円錐状の開口穴に係合されたジョイントを介して作動部に支持されており、前記ジョイントの軸部が前記ピストンに支持されており、前記ジョイントとマグネットホイール間に隙間を設け、フローティング機能を持たせたことにある。
またさらに、本発明は、前記ピストンをソレノイドにより駆動し、前記トリガーセンサの作動により前記ソレノイドのコイルに通電する構成にしたことにある。
また、本発明は、前記ピストンを電磁コイル機構により駆動し、前記トリガーセンサの作動により前記電磁コイルに通電する構成にしたことにある。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、直動アクチュエータ機構に必須であるガイドレールをブレーキ機構として使用するため、ブレーキ部材とブレーキ部材を固定するパッドフレーム等を設ける必要がない。ベルトの両端ともテーブルブロックに固定されているので、精度が安定する効果がえられる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の実施の形態によるベルトアクチュエータのブレーキ装置を示すベルトアクチュエータ全体の斜視図である。
図2図1のベルトアクチュエータのブレーキ装置を拡大して示す斜視図である。
図3図2のベルトアクチュエータのブレーキ装置を示す正面図である。
図4図3のA−A線断面図である。
図5】本発明の実施の形態によるベルトアクチュエータのブレーキ装置の動作原理を説明するための斜視図である。
図6図5のベルトアクチュエータのブレーキ装置の右側面図である。
図7図6のB−B線断面図である。
図8図1のベルトアクチュエータのブレーキ装置の他の実施の形態を示す正面図である。
図9図8のC−C線断面図である。
図10図1のベルトアクチュエータのブレーキ装置の別の他の実施の形態を示す正面図である。
図11図10のD−D線断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下本発明の実施の形態を、図面を参照しながら詳細に説明する。
図1ないし図7において、ベルトアクチュエータ1は、第1のプーリ2を内蔵した第1のプーリケース3と、第2のプーリ2を内蔵した第2のプーリケース3と、第1のプーリ2と第2のプーリ2間に架け渡された無端状のベルト4と、このベルト4によって操作されるスライダ部としてのテーブルブロック5と、前記第1のプーリケース3と第2のプーリケース3との間に配置され、ベルト4およびテーブルブロック5を内蔵したハウジング6とを備えている。
【0010】
前記ハウジング6内の下面フレーム上にはベルトアクチュエータ1の長手方向に沿って磁性体金属で形成された長尺平板状のガイドレール7が設けられており、このガイドレール7にガイドされて金属製のガイドブロック7aが摺動自在に組み付けられている。ガイドブロック7aは、左右の両側下面側に前記ガイドレール7の上面両側に跨いで組み付けられる断面コ字状の摺動部を有し、ガイドブロック7aの上面に前記テーブルブロック5が組み付けられている。前記テーブルブロック5は前記ガイドブロック7aの組付面の上部側に前記ベルト4を挿通する開口部5bが移動方向に形成され、その上方に細い首部5cが設けられ、この首部5cの上に平板部5dと、平板部の幅方向両側に設けられたテーブル部5eとが設けられている。前記ベルト4の両端は、前記テーブルブロック5の開口部5b内に設けられたベルト固定金具(図示せず)を介してテーブルブロック5に固定されている。テーブルブロック5はベルト4の動きに伴ってガイドレール7に沿って摺動操作される。
【0011】
前記第1のプーリケース3には、ケース内の上下に内蔵された一対の軸受け8を介して両端部を回転自在に支持されたプーリシャフト9が鉛直方向に設けられており、このプーリシャフト9に前記第1のプーリ2が軸線上を支持されて装着されている。前記第1のプーリケース3の上面側には、カップリング10を介してモータ軸に連結された駆動用モータ11が配置されている。
【0012】
前記第2のプーリケース3には、ケース内上下に内蔵された一対の軸受け8を介して両端部を回転自在に支持されたプーリシャフト9が鉛直方向に設けられており、このプーリシャフト9に前記第2のプーリ2が軸線上を支持されて装着されている。前記第2のプーリケース3には、下面側にベルトテンションプレート12が設けられており、前記第2のプーリケース3の位置と、第1のプーリケース3の位置の距離を調整して前記ベルト4にテンションを与えることができるように設定している。
【0013】
前記テーブルブロック5には、図1に示すように走行方向一方端面5aにブレーキ機構20が装着されている。このブレーキ機構20について、図2ないし図4に基づいて説明する。
ブレーキ機構20は、マグネット部30と、作動部40と、検出部50とで構成されている。マグネット部30は、ガイドレール7の上面に対向して設けられた円盤状のディスク31と、円盤状のマグネット本体32と、円盤状のマグネットホイール33がマグネット本体32を間に挟んで積層して一体に形成されている。このマグネット部30は、マグネットホイール33の上面軸方向に形成された逆円錐状の開口穴33aに係合されたジョイント34を介して前記作動部40に支持されている。
【0014】
前記作動部40はシリンダケース41と、このシリンダケース41に内蔵されたピストン42とを備えている。このピストン42の上下方向軸線上に形成された円筒部42aの下部側には雌ネジ部42bが形成され、この雌ネジ部42bに前記ジョイント34の軸部34aに形成された雄ネジ部34bが螺着されて支持されている。
ピストン42の円筒部42aの上部側には、別の雌ネジ部42cが形成され、この雌ネジ部42cにはリセットネジ43が軸線上に螺着して取り付けられている。前記シリンダケース41の上端開口部にはエンドキャップ44が設けられており、このエンドキャップ44に形成された開口穴44aを通して前記リセットネジ43のネジ部43aがピストン42の円筒部42aの雌ネジ部42cに螺着されている。前記シリンダケース41の上端外面には前記テーブルブロック5の走行方向一方端面5aに対向する取付板45が左右の両側に延出して設けられており、この取付板45に形成した取付孔45aを介してネジ等により前記テーブルブロック5の端面5aに螺着されている。前記シリンダケース41のピストン42とエンドキャップ44に挟まれた空間41aにはリセットネジ43と同心状にピストン42を下面側すなわちガイドレール7側に付勢するピストンバネ46が配置されている。
【0015】
前記シリンダケース41の走行方向端面には、スリット41b上下方向に形成されており、このスリット41bを通してシリンダケース41の外部に延出される延出部42dが前記ピストン42の外周面に設けられている。この延出部42dには、先端下面側に円弧上の切欠き部42eが設けられている。前記シリンダケース41の前記スリット41bの両側には、互いに対向するように一対の支持部材41cが設けられており、この支持部材41cに前記検出部50が装着されている。
【0016】
前記検出部50は、一対の支持部材41cに形成された挿通穴41dに軸部51aを挿通して支持されたトリガーピン51と、このトリガーピン51の頭部51bと一方の支持部材41cとの間に配置されたトリガーバネ52とで構成されている。トリガーピン51は一対の支持部材41cの挿通穴41dに軸部51aを摺動自在に支持されており、軸部51aの途中を前記ピストン42の延出部42dに設けられた切欠き部42eに係合して前記ピストン42の移動を規制している。前記トリガーバネ52の頭部51bは前記無端状のベルト4の面にトリガーバネ52によって押し付けられて取り付けられており、ベルト4が破断した際にトリガーバネ52の付勢力により前記トリガーピン51の軸部51aが切欠き部42eから外れ、前記ピストン42を下方向に移動させ、マグネット部30をガイドレール7に吸着させることができる。
【0017】
次に上記実施の形態の作用を説明する。
ベルトアクチュエータ1は、図1に示すように駆動用モータ11の動力はカップリング10を介して第1のプーリ2に伝達される。第1のプーリ2と第2のプーリ2間に架け渡された無端状のベルト4の両端がテーブルブロック5に固定されている。テーブルブロック5はガイドレール7にガイドされる金属製のガイドブロック7aに組み付けられていることから、ベルト4の動きに伴ってガイドブロック7aとともにガイドレール7に沿って摺動操作される。ブレーキ機構20は、図1に示すようにテーブルブロック5の走行方向一方端面5aに装着されていることから、テーブルブロック5の走行操作に伴って一体で移動することになる。このとき、ブレーキ機構20の検出部50であるトリガーピン51の頭部51bは、トリガーバネ52の付勢力によってベルト4表面に押し付けられて摺動操作される。
【0018】
そして、図5に示すように、ベルト4が破断すると図7に示すようにベルト4の張力がなくなるか、または極端に張力が弱くなることで、トリガーバネ52の付勢力によってトリガーピン51が矢視方向に移動する。
トリガーピン51が動くとピストン42の延出部42dに設けられた切欠き部42eに係合していたトリガーピン51の軸部51aが外れ、トリガーピン51に引っかかっていたピストン42がピストンバネ46の付勢力によってガイドレール7方向に動く。そして、ピストン42に固定されているマグネット部30の磁力によりディスク31がガイドレール7にくっつき、制動がかかる。このとき、マグネット部30とガイドレール7が密着するようにピストン42とディスク31間は公差、組み付け誤差を吸収できる範囲でフローティングする構造が必要となる。本機能ではジョイント34とマグネットホイール33間に隙間があり、フローティングできる機能を用いている。この際、マグネット本体32の磁力が強いほど、ブレーキ力は向上する。
【0019】
上記実施の形態によれば、直動アクチュエータ機構に必須であるガイドレール7をブレーキ機構として使用するため、従来のブレーキ部材とブレーキ部材を固定するパッドフレーム等を設ける必要がない。ベルトアクチュエータ1のベルト4の両端ともテーブルブロック5に固定されているので、ベルトアクチュエータ1の精度が安定する効果がえられる。
【0020】
図8および図9は、本発明の他の実施の形態であり、この場合図3および図4と同一部分は同符号を付して、同一部分の説明は省略して説明する。
この実施の形態では、ブレーキ機構20の作動部40にソレノイド機構を用いたものである。このソレノイド機構をシリンダケース内に入れたものであり、ソレノイドに電源を接続してコイルに通電(ON)することにより、プランジャを動かし、ブレーキ動作を行う。
【0021】
作動部40はシリンダケース61と、このシリンダケース61に内蔵されたプランジャ62とを備えている。このプランジャ62は、軸方向先端部に、ジョイント63が設けられ、このジョイント63の先端円錐状部63aをマグネット部30の逆円錐状の開口穴33aに係合させて支持している。シリンダケース61には、プランジャ62の周囲に同心状にコイル64が配置され、コイル64の先端側に同じく同心状にソレノイドマグネット65が配置されている。プランジャ62の後端側には固定鉄心66が配置され、シリンダケース61の後端開口部にはエンドキャップ67が配置されて密閉されている。
前記シリンダケース61とマグネット部30相互間に位置するプランジャ62先端部の周囲にはプランジャ62と同心状にプランジャ62を下面側、すなわちガイドレール7側に付勢する可動バネ68が配置されている。シリンダケース61の側面外側にはベルト4の破断を検出する検出部50が設けられている。
【0022】
この検出部50は、シリンダケース61外側面に延出した延出部61aに装着されている。このシリンダケース61の延出部61aには、プランジャ62の軸方向と同方向の孔61bが形成され、この孔61bに直交する幅方向の孔61cが形成されている。この幅方向の孔61cには、トリガーピン51の軸部51aが挿入され、トリガーピン51の頭部51bと延出部61aの側壁面との間には、トリガーバネ52が配置されている。トリガーピン51の頭部51bは、トリガーバネ52に付勢されて前記ベルト4表面に当接されて保持されている。前記プランジャ62の軸方向と同方向の孔61bには、トリガーセンサ69が設けられており、トリガーピン51の軸部51aの抜けを検出している。
【0023】
この実施の形態では、ベルト4の破断が生じると、トリガーピン51の軸部51aが孔61cから抜けるか、あるいは抜けかかると、トリガーセンサ69がこれを検出して作動部60の電磁コイル64に通電して、プランジャ62を作動し、マグネット部30をガイドレール7方向に作動させる。このとき、可動バネ68の付勢力も加わってマグネット部30が下方向に作動してガイドレール7に吸着し、テーブルブロック5に制動をかけることになる。
【0024】
図10および図11は、本発明のまた別の他の実施の形態であり、この場合、図3および図4と同一部分は同符号を付して、同一部分の説明は省略して説明する。
この場合、電磁コイル機構をシリンダケース内に入れたものであり、これも電源のONN,OFFによりソレノイド機構式と同様なブレーキ動作となる。
【0025】
この場合、前記作動部40は、シリンダケース71と、シリンダケース71に内蔵されたピストン72とを備えている。このピストン72の上部側軸部72aには、環状の可動鉄心73と、ブレーキライニング74が軸方向に並設して設けられ、シリンダケース71の開口端には環状のエンドピース75が装着されている。シリンダケース71内には、ピストン72の周囲に同心状にスプリング76と電磁コイル77が同心状に配置され、コイル77は、内壁78aと外壁78bが同心状に形成されたフィールド78の内壁78aと外壁78b相互間に配置されている。前記スプリング76は前記フィールド78の内壁78aの内周側に配置されている。ピストン72の下部側軸部72bには、ピストン本体72cとの間に段差部72dが形成されており、この段差部72dに係止されて前記スプリング76の下端部が配置されている。このピストン72の下部側軸部72bの下面側には、ピストン72の軸線上に支持されたマグネット部30が設けられ、このマグネット部30はマグネットホイール33の上面軸方向に形成された逆円錐状の開口穴33aに係合されたジョイント34を介して支持されている。
【0026】
シリンダケース71の側面外側にはベルト4の破断を検出する検出部50が設けられている。
この検出部50は、シリンダケース71外側面に延出した延出部71aに装着されている。このシリンダケース71の延出部71aには、ピストン72の軸方向と同方向の孔71bが形成され、この孔71bに直交する幅方向の孔71cが形成されている。この幅方向の孔71cには、トリガーピン51の軸部51aが挿入され、トリガーピン51の頭部51bと延出部71aの側壁面との間には、トリガーバネ52が配置されている。トリガーピン51の頭部51bは、前記ベルト4表面に当接されて保持されている。前記ピストン72の軸方向と同方向の孔71bには、トリガーセンサ79が設けられており、トリガーピン51の軸部51aの抜けを検出している。
【0027】
この実施の形態の場合も、ベルト4が切れると、トリガーピン51の軸部51aが図10の矢視方向に移動して、軸部51aが孔71cから抜けると、この動きをトリガーセンサ79が検出する。このトリガーセンサ79の検知信号によって電磁コイル77に通電され、可動鉄心73が電磁コイル77側に移動し、フィールド78に可動鉄心73が当たり、停止する。可動鉄心73にはピストン72が締結されているため、ピストン72が図11の矢視方向に移動しマグネット部30がガイドレール7に吸着し制動をかけることになる。
【0028】
第2の実施の形態および第3の実施の形態のいずれの場合も、第1の実施の形態と同様の効果を奏することができる。
【産業上の利用可能性】
【0029】
本発明は、上記実施の形態のみに限定されず、例えば、ロングストロークあるいはモジュールの小さい歯付きベルトにも対応することができる。また、歯付ベルトでない平ベルト、Vベルトなどにも対応することができる。等、その他、本発明の技術的範囲を変更しない範囲内で適宜変更して実施しうることは言うまでもない。
【符号の説明】
【0030】
1 ベルトアクチュエータ
第1のプーリ
第2のプーリ
第1のプーリケース
第2のプーリケース
4 無端状のベルト
5 テーブルブロック
6 ハウジング
7 ガイドレール
7a ガイドブロック
11 駆動用モータ
12 ベルトテンションプレート
20 ブレーキ機構
30 マグネット部
31 ディスク
32 マグネット本体
33 マグネットホイール
34 ジョイント
40 作動部
41 シリンダケース
42 ピストン
43 リセットネジ
46 ピストンバネ
50 検出部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11