(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記連通管の前記第2ケーシング側の先端部の内面が、前記第1ケーシング側から前記第2ケーシング側に向かって広がるようにテーパー面状に形成されていることを特徴とする
請求項1乃至3のいずれか一項に記載の押出成形機。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の実施の形態を説明する。
【0021】
図1に本実施形態の押出成形機1の一例を示す。押出成形機1は、第1ケーシング21と、第1スクリュー31と、第2ケーシング22と、第2スクリュー32とを備える。
【0022】
第1ケーシング21は、細長い箱状に形成されている。第1ケーシング21は、一端の上面に供給口4(ホッパー)を有し、他端の下面に第1開口部71を有する。供給口4から成形材料を第1ケーシング21内に供給することができる。
【0023】
第1スクリュー31(パグスクリュー)は、第1ケーシング21内に配設されている。第1スクリュー31は、回転駆動装置(図示省略)により回転駆動されるように構成されている。第1スクリュー31を回転させることによって、第1ケーシング21内の成形材料を混練しながら、第1ケーシング21の一端側(上流側)から他端側(下流側)に送ることができる。なお、上流及び下流という用語は、成形材料が移動する向きに基づいて使用している。
【0024】
第1ケーシング21の下部に第2ケーシング22が設けられている。第2ケーシング22は、真空脱気室8と収容室9とで構成されている。収容室9は、細長い箱状に形成されている。真空脱気室8は、収容室9の一端の上部に設けられ、収容室9の他端には口金部10が設けられている。真空脱気室8から収容室9を通って口金部10まで連通している。真空脱気室8は上面に第2開口部72を有し、第2開口部72には連通管6が設けられている。連通管6は、第2開口部72の内周から真空脱気室8側に突出するように、円筒状等の筒状に形成されている。第2開口部72の位置は、第1ケーシング21の第1開口部71の位置と合致し、第1ケーシング21と第2ケーシング22とが連通管6で連通されている。口金部10は排出口5を有する。第2ケーシング22の真空脱気室8は、真空ポンプ(図示省略)により真空脱気可能に形成されている。このように、第2ケーシング22は、排出口5を有し、真空脱気可能に形成されている。真空脱気室8内の真空度は高いほど好ましいが、真空脱気室8内は、成形材料中の気泡を除去することができる程度の真空度に到達することができればよい。
【0025】
連通管6の第1ケーシング21側の開口61c付近の内面6aは、
図1に示すように外側が広く内側が狭くなるテーパー面状に形成されていることが好ましい。これにより、第1スクリュー31で混練された後の成形材料を連通管6内に引き込みやすくなる。
【0026】
連通管6の第2ケーシング22側の開口63cが第1ケーシング21側の開口61cよりも狭いことが好ましい。例えば、後述の
図2に示すように、連通管6の第2ケーシング22側の開口63c付近において、この開口63cを塞ぐ方向に突起6bを設けて開口63cを細くすることができる。このようにして連通管6の第2ケーシング22側の開口63cを第1ケーシング21側の開口61cよりも狭くすることができる。上記の突起6bは連通管6の第2ケーシング22側の開口63c付近の内周面の全部に設けてもよいし、
図2のように一部に設けてもよい。このように突起6bが設けられていると、
図9(a)に示すように連通管6内の成形材料20が真空脱気室8側に引き寄せられる際に、上記の突起6bによって、成形材料20の真空脱気室8側の先端部が剪断されやすくなり、この先端部だけが真空脱気室8内に抜け落ちやすくなる。これにより、連通管6内の成形材料20の全部が一度に第2ケーシング22の真空脱気室8内に抜け落ちることを抑制することができる。
【0027】
第2スクリュー32(オーガスクリュー)は、第2ケーシング22の収容室9内に配設されている。第2スクリュー32は、回転駆動装置(図示省略)により回転駆動されるように構成されている。第2スクリュー32を回転させることによって、第2ケーシング22内の成形材料をさらに混練しながら、第2ケーシング22の一端側(上流側)の真空脱気室8から、収容室9を経て、他端側(下流側)の口金部10に送ることができる。なお、
図1では第2スクリュー32を二軸異方向回転のものとして図示しているが、これ以外のスクリューを用いてもよい。
【0028】
次に
図2に連通管6の具体的な一例を示す。この連通管6は、
図2(a)に示すように、基部61と、中間部62と、先端部63とで構成されている。
図2(c)は短めの連通管6であり、基部61と、先端部63とで構成されている。
図2(d)は長めの連通管6であり、基部61と、中間部62と、先端部63とで構成されている。このように中間部62は使用しても使用しなくてもよい。
【0029】
基部61は筒状に形成され、一端にフランジ部61aが設けられ、他端に雄ねじ部61bが設けられている。基部61は、雄ねじ部61bが真空脱気室8側に位置するように、少なくとも第1開口部71又は第2開口部72のいずれかにフランジ部61aで固定される。このように基部61は、真空脱気室8から取り外し可能な別部材でもよいが、真空脱気室8と一体化されていてもよい。
【0030】
中間部62は長めの筒状に形成され、一端に雌ねじ部62aが設けられ、他端に雄ねじ部62bが設けられている。
【0031】
先端部63は短めの筒状に形成され、一端に雌ねじ部63aが設けられ、他端の内周面に突起6bが設けられている。突起6bは設けられていなくてもよいが、設けられていることが好ましい。
【0032】
そして、基部61の雄ねじ部61bと先端部63の雌ねじ部63aとを接合することによって、
図2(c)に示すような短めの連通管6を形成することができる。この場合、中間部62は使用されない。また、基部61の雄ねじ部61bと中間部62の雌ねじ部62aとを接合し、さらにこの中間部62の雄ねじ部62bと先端部63の雌ねじ部63aとを接合することによって、
図2(d)に示すような長めの連通管6を形成することもできる。
図2(c)のように中間部62を用いなくてもよいし、
図2(d)のように中間部62を1個のみ用いてもよいが、必要に応じて中間部62を2個以上連結してもよい。このように、連通管6の長さは可変自在であることが好ましい。成形材料が硬めの場合には連通管6を短く、成形材料が軟らかめの場合には連通管6を長くしておけば、比較的長い時間、成形材料を連通管6内に留めておくことができる。なお、基部61、中間部62及び先端部63の接合方法は上記のようなねじ込み式に限定されるものではない。
【0033】
連通管6の断面積(成形材料が通過する面積)は、成形材料の硬軟等の物性に応じて調整するが、例えば4.9〜50cm
2であり、連通管6が円筒状であれば内径は2.5〜8cmである。この断面積又は内径の箇所は、テーパー面状に形成されておらず、かつ突起6bが設けられていない箇所である。また連通管6の長さは例えば5〜15cmである。成形材料が硬めであれば、連通管6の断面積は広め、内径は長め、長さは短めでよく、成形材料が軟らかめであれば、連通管6の断面積は狭め、内径は短め、長さは長めでよい。
【0034】
次に
図3に連通管6の具体的な他の一例を示す。この連通管6も、
図3(a)に示すように、基部61と、中間部62と、先端部63とで構成されている。
図3(c)は短めの連通管6であり、基部61と、先端部63とで構成されている。
図3(d)は長めの連通管6であり、基部61と、中間部62と、先端部63とで構成されている。この場合も中間部62は使用しても使用しなくてもよい。
【0035】
基部61及び中間部62は
図2に示すものと同様に形成されている。
【0036】
先端部63は短めの筒状に形成されている。先端部63の一端には雌ねじ部63aが設けられている。先端部63の他端には少なくとも1本以上の切断用バー100が開口63cを横切るように設けられている。さらに先端部63の他端の内面63bは、一端側(上流側)から他端側(下流側)に向かって広がるようにテーパー面状に形成されている。連通管6の断面積が一定の場合、開口63cに切断用バー100を設けると、その分、成形材料が通過できる実際の開口面積(有効開口面積)が減少する。例えば、
図3(b)では開口63cの有効開口面積は、8つの扇形の開口部分の合計面積である。そこで、この有効開口面積を稼ぐために、上記のように内面63bをテーパー面状に形成している。特に開口63cの有効開口面積が、テーパー面状の内面63bの上流側における連通管6の断面積と略同等であることが好ましい。これにより、成形材料が連通管6内で長時間、移動しないで滞留したり詰まったりすることを抑制することができる。
【0037】
切断用バー100を設ける前の先端部63の開口63cの形状は、
図5に示すように円形とすることができるが、この場合、
図3(b)に示すように円形の開口63cの中心で4本の切断用バー100が交差して、開口63cを8等分するように設けられている。切断用バー100は、長尺矩形状に形成され、刃部100aを有している。刃部100aは、先端ほど肉薄となるテーパー面状に形成されている。刃部100aを雌ねじ部63a側に向けて、切断用バー100が先端部63の他端に設けられている。先端部63に設ける切断用バー100の本数は1本でも2本でもよい。例えば、
図4(a)では1本の切断用バー100が開口63cの中心を通って開口63cを2等分するように設けられている。また、
図4(b)では2本の切断用バー100が開口63cの中心で十字状に交差して、開口63cを4等分するように設けられている。なお、切断用バー100の本数の上限は、成形材料の硬軟等の物性にも依存するが、例えば6本である。
【0038】
ここで、
図3(b)及び
図4(a)(b)に示すように切断用バー100を設ける方法の一例について説明する。
【0039】
まず先端部63の他端の縁部には、
図5に示すように開口63cの中心から放射状の位置に複数の溝部63dが設けられている。
図5では開口63cの中心を通って対向する1組の溝部63が合計4組設けられている。
【0040】
一方、
図6〜
図8は切断用バー100を構成する部材を示し、以下ではこれらを区別するため、便宜上、
図6に示すものを第1切断用バー101、
図7に示すものを第2切断用バー、
図8に示すものを第3切断用バー103という。
【0041】
図6に示す第1切断用バー101は、長尺矩形状に形成され、長尺方向の一側縁に刃部101aを有し、他側縁の中央部に切欠部101bを有している。刃部101aは、先端ほど肉薄となるテーパー面状に形成されている。
【0042】
図7に示す第2切断用バー102も、長尺矩形状に形成されているが、長尺方向の一側縁に刃部102aを有し、この側縁の中央部に切欠部102bを有している。刃部102aは、先端ほど肉薄となるテーパー面状に形成されている。
【0043】
図8に示す第3切断用バー103は、2つのバー半体113からなる。バー半体113は、切断用バー100の半分の大きさであり、一側縁に刃部113aを有している。刃部113aは、先端ほど肉薄となるテーパー面状に形成されている。刃部113aに隣り合う一辺に突合せ部113bが設けられている。突合せ部113bは、
図8(c)に示すように頂角が直角となるようにV字状に形成されている。
【0044】
そして、
図4(a)に示すように、対向する1組の溝部63dに第1切断用バー101を架け渡して差し込み、溶接などで固定することによって、1本の切断用バー100が設けられた先端部63を形成することができる。なお、第1切断用バー101の刃部101aは、溝部63dのある側に向けておく。
【0045】
さらに、
図4(b)に示すように、第1切断用バー101に対して直交するようにして、対向する1組の溝部63dに第2切断用バー102を架け渡して差し込むと共に、第1切断用バー101の切欠部101bと第2切断用バー102の切欠部102bとを噛み合わせる。その後、溶接などで固定することによって、2本の切断用バー100が設けられた先端部63を形成することができる。なお、第2切断用バー102の刃部102aは、溝部63dのある側に向くことになる。
【0046】
さらに、
図4(b)に示す残り4箇所の溝部63dに、バー半体113を差し込む。バー半体113の刃部113aは、溝部63dのある側に向け、突合せ部113bは、第1切断用バー101と第2切断用バー102とが交差する箇所に突き合わせておく。その後、溶接などで固定することによって、
図3(b)に示すような4本の切断用バー100が設けられた先端部63を形成することができる。
【0047】
次に本実施形態の押出成形機1を用いて押出成形を行って成形品を製造する方法について説明する。
【0048】
まずセメントを主成分とする成形材料を材料混練ミキサー(図示省略)で混練する。成形材料としては、例えば、セメントを主成分とし、これに、ケイ酸質原料、パルプ、ポリプロピレン繊維やビニロン繊維等の有機繊維、ガラス繊維等の無機繊維、珪砂、珪石粉、フライアッシュ等のシリカ成分、マイカ、軽量化骨材などを適宜選択して加え、さらに水を混合して得ることができる。成形材料の硬さは、粘度硬度計(日本碍子株式会社製「CRAY HARDNESS TESTER」)で評価することができる。軟らかい成形材料は、粘度硬度計での針進入値が0以上3未満程度であり、硬い成形材料は、粘度硬度計での針進入値が3以上6以下程度であるが、成形材料としては、硬いものでも軟らかいものでも用いることができる。
【0049】
次にこの成形材料を押出成形機1の供給口4から第1ケーシング21内に供給する。第1ケーシング21内では、回転駆動装置により第1スクリュー31が回転駆動され、この第1スクリュー31によって、成形材料が均一に混練されながら、第1ケーシング21の一端側から他端側に送られる。
【0050】
そして成形材料は、順に第1開口部71、第2開口部72、連通管6に進入し、連通管6内に充填されて滞留する。上述のように、連通管6の第1ケーシング21側の開口61c付近の内面6aがテーパー面状に形成されていると、成形材料を連通管6内に引き込みやすくなる。第2ケーシング22の真空脱気室8の内部は、真空ポンプにより排気されて減圧状態となっている。そのため、連通管6内の成形材料が第1スクリュー31による送りと真空脱気室8の減圧により真空脱気室8側に引き寄せられ、少しずつ真空脱気室8内に抜け落ちる。連通管6は筒状に形成されているので、連通管6内の成形材料は、軟らかいものであっても、連通管6の内面の摩擦抵抗を受けやすく、連通管6内の成形材料の全部が一度に真空脱気室8内には抜け落ちにくい。このように、成形材料が少しずつ安定して真空脱気室8内に供給されることで、第1スクリュー31及び第2スクリュー32の回転速度の調整が容易となる。
【0051】
ここで、
図2に示す連通管6が用いられている場合、連通管6の第2ケーシング22側の開口63c付近に突起6bが設けられているので、成形材料20が連通管6内から一度に全部抜け落ちることを
図9(a)に示すようにさらに抑制することができる。また連通管6の長さが
図2(c)(d)のように可変自在であると、成形材料の硬さ又は軟らかさに応じて、事前に連通管6の長さを変えておくことにより、真空脱気室8内の減圧状態を保持することができる。
【0052】
一方、
図3に示す連通管6が用いられている場合、連通管6の第2ケーシング22側の開口63cを横切るように少なくとも1本以上の切断用バー100が設けられているので、
図9(b)に示すように切断用バー100の刃部100aで成形材料20を細かく切断することができる。これにより成形材料20の表面積が増加し、真空脱気室8内において成形材料20中の気泡をより多く除去することができ、脱気効率を向上させることができる。特に刃部100aは、テーパー面状に形成されているので、成形材料20は切断用バー100に引っ掛かりにくくなり、連通管6内における成形材料20の移動を切断用バー100が妨げるおそれは非常に低くなる。
【0053】
また、切断用バー100がない場合に比べると、切断用バー100がある場合の方が、切断用バー100が抵抗となって成形材料20が連通管6内から一度に全部抜け落ちることをさらに抑制することができる。このように切断用バー100が抵抗となれば、より長い時間、成形材料20を連通管6内に留めておくことができるため、連通管6の長さを短くしても十分に脱気することができる。連通管6を短くすれば、連通管6の開口63cから第2スクリュー32までの距離が長くなるため、真空脱気室8を大きくすることなく、脱気時間を十分に確保することができる。脱気時間が長くなればそれだけ真空脱気室8内での成形材料20の脱気効率を向上させることができる。ただ一概に連通管6を短くすればよいものではなく、実際には成形材料20の硬軟等の物性も考慮する場合がある。このような場合でも、連通管6の長さが
図3(c)(d)のように可変自在であると、成形材料20の硬さ又は軟らかさに応じて、事前に連通管6の長さを変えておくことにより、真空脱気室8内の減圧状態を保持することができる。
【0054】
このように、連通管6の第2ケーシング22側の先端部63の内面63bが、第1ケーシング21側から第2ケーシング22側に向かって広がるようにテーパー面状に形成されている。このように、連通管6の第2ケーシング22側の開口63c付近において、成形材料の流路が広がることによって、連通管6内における成形材料の移動速度の低下を抑制することができる。内面63bのテーパー角度は限定されないが、例えば5〜80°である。
【0055】
そして、
図2又は
図3に示す連通管6が用いられている場合、連通管6から真空脱気室8に成形材料が抜け落ちても、引き続き第1ケーシング21から成形材料が連通管6に進入するので、連通管6内はほぼ常に成形材料で塞がれていることとなる。そのため連通管6を塞いでいる成形材料によって、第1ケーシング21内の空気が真空脱気室8内に流入しにくくなり、真空脱気室8内の減圧状態を保持することができる。このように減圧状態が保持されることで、真空脱気室8内に送られた成形材料中の気泡を十分に除去することができる。
【0056】
第2ケーシング22の収容室9内では、回転駆動装置により第2スクリュー32が回転駆動されている。上記のように真空脱気室8内で気泡が除去された成形材料は、その後、第2スクリュー32によって、さらに均一に混練されながら、収容室9の一端側から他端側に送られる。第2スクリュー32と収容室9との隙間はほぼ常に成形材料で塞がれているので、収容室9又は口金部10内の空気が真空脱気室8内に流入しにくくなり、真空脱気室8内の減圧状態を保持することができる。
【0057】
収容室9の他端側に送られた成形材料は、口金部10の排出口5からグリーンシートとして連続的に押し出されて成形される。このようにして押出成形されたグリーンシートは切断装置(図示省略)により所定の長さに切断された後、養生硬化することによって、成形品として例えば無機質板等の建築部材を得ることができる。真空脱気室8内の減圧状態が保持されているので、成形材料中の気泡が十分に除去されることとなり、養生時に破裂による割れの発生を抑制することができる。なお、建築部材としては、例えば、外壁材、床材、天井材、屋根材、内装材、レンガブロック等を挙げることができる。
【実施例】
【0058】
以下、本発明を実施例によって具体的に説明する。
【0059】
表1に示す配合量でセメント、ケイ酸質原料、パルプ、添加剤(メチルセルロースなどの押出助剤)を配合し、これらの固形分100質量部に対して水を40質量部加えて成形材料を製造し、材料混練ミキサーで混練した。
【0060】
【表1】
次に上記の成形材料を用いて
図1に示す押出成形機1で押出成形を行って成形品を製造した。真空度はゲージ圧表記で−0.08MPaとした。成形品の寸法は、幅200mm×長さ500mm×厚さ20mmである。
【0061】
表2に実施例1〜4及び比較例1の連通管6の形態を示す。実施例1、2では連通管6の長さが異なり、連通管6には切断用バー100は設けられていない。実施例3では
図4(b)のように連通管6に2本の切断用バー100が設けられている。実施例4では
図3(b)のように連通管6に4本の切断用バー100が設けられている。実施例3、4の連通管6の先端部63の内面63bはテーパー面状に形成され、そのテーパー角度は60°である。表2中の実施例3、4の連通管6の内径は、テーパー面状の内面63bの上流側における内径である。比較例1では連通管6の長さは0mm、つまり連通管6自体が設けられていない。
【0062】
(気泡観察)
成形品を厚さ方向に切断し、断面を観察して気泡の有無を確認した。気泡の有無は以下の基準で判定した。
【0063】
「◎」:気泡がないもの。
【0064】
「○」:気泡がほとんどないもの。
【0065】
「△」:気泡が少しあるもの。
【0066】
「×」:気泡が多数あるもの。
【0067】
(成形品の比重)
実施例4の成形品の比重を100とし、これに対する相対値として実施例1〜3の成形品の比重を求めた。なお、比較例1の成形品については、気泡の巻き込みが多かったため、比重を求めなかった。
【0068】
以上の結果を表2に示す。
【0069】
【表2】
表2から明らかなように、実施例1〜4では、比較例1に比べて、成形品から気泡を十分に除去することができることが確認された。
【0070】
なお、
図2(b)のように連通管6に突起6bが設けられていると、連通管6を長くしなくても長くするのと同様に気泡除去の効果を得ることができた。