(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記複数段のオイルミスト除去装置において、最初の段のオイルミスト除去装置に入る前記気体に含まれる前記オイルミストの量として、前記最初の段のオイルミスト除去装置の入口へ流れる前記気体に含まれる前記オイルミストの量を測定する第1のセンサーと、
最後の段以外のオイルミスト除去装置から出てきた前記気体に含まれる前記オイルミストの量、及び、次の段のオイルミスト除去装置に入る前記気体に含まれる前記オイルミストの量として、前記最後の段以外のオイルミスト除去装置の出口から前記次の段のオイルミスト除去装置の入口へ流れる前記気体に含まれる前記オイルミストの量を測定する第2のセンサーと、
前記最後の段のオイルミスト除去装置から出てきた前記気体に含まれる前記オイルミストの量として、前記最後の段のオイルミスト除去装置の出口から流れる前記気体に含まれる前記オイルミストの量を測定する第3のセンサーと、をさらに備える請求項1に記載のオイルミスト除去装置の異常診断装置。
前記最初の段のオイルミスト除去装置の入口に接続された第1の流路、前記最後の段以外のオイルミスト除去装置の出口と前記次の段のオイルミスト除去装置の入口とを接続する第2の流路、及び、前記最後の段のオイルミスト除去装置の出口に接続された第3の流路に前記気体が流れるのを遮断するバルブと、
所定の気体と、前記所定の気体中の濃度が予め定められた値にされている単分散球状粒子とを含む検査用気体が流れ、前記第1のセンサーに対応して設けられた第1の副流路と、
前記検査用気体が流れ、前記第2のセンサーに対応して設けられた第2の副流路と、
前記検査用気体が流れ、前記第3のセンサーに対応して設けられた第3の副流路と、
前記バルブによって前記第1の流路、前記第2の流路及び前記第3の流路に前記気体が流れるのが遮断された状態で、前記第1のセンサーによって測定された、前記第1の副流路から前記第1の流路に導かれた前記検査用気体に含まれる前記単分散球状粒子の濃度、前記第2のセンサーによって測定された、前記第2の副流路から前記第2の流路に導かれた前記検査用気体に含まれる前記単分散球状粒子の濃度、及び、前記第3のセンサーによって測定された、前記第3の副流路から前記第3の流路に導かれた前記検査用気体に含まれる前記単分散球状粒子の濃度を、それぞれ、予め定められた第2の基準値と比較して、前記第1のセンサー、前記第2のセンサー及び前記第3のセンサーのそれぞれについて、異常か否かを判定する第2の判定部と、をさらに備える請求項2に記載のオイルミスト除去装置の異常診断装置。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
油冷式(給油式)の圧縮機によって生成された圧縮気体には、オイルミストが不可避的に含まれるので、オイルミスト除去装置によって圧縮気体からオイルミストが除去される。圧縮気体に含まれるオイルミストの量が、厳しく管理されている場合(例えば、医療用の圧縮空気)、一台のオイルミスト除去装置だけでは、オイルミストを十分に除去できないので、複数段のオイルミスト除去装置によってオイルミストが除去される。
【0005】
オイルミスト除去装置が劣化したり、故障したりすれば、オイルミスト除去装置でオイルミストを十分に除去できない。これにより、オイルミスト除去装置でオイルミスト除去処理がされた圧縮気体が送られる後段の機器が故障したり、圧縮機、オイルミスト除去装置及び後段の機器で構成されるシステム全体の動作が停止したりする等の問題が生じる。
【0006】
このような問題を防ぐために、オイルミスト除去装置の異常が診断される。オイルミスト除去装置は、一般に、規格に定められているろ紙法によって、異常が診断されている。
【0007】
しかし、ろ紙法では、分析に時間がかかり、かつ、最後の段のオイルミスト除去装置から出てきた気体に含まれるオイルミストの量を測定するので、複数段のオイルミスト除去装置の全体についての異常は診断できるが、各段のオイルミスト除去装置について異常が診断できない。
【0008】
本発明は、気体に含まれるオイルミストを除去する複数段のオイルミスト除去装置について、各段のオイルミスト除去装置の異常が診断できるオイルミスト除去装置の異常診断装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明に係るオイルミスト除去装置の異常診断装置は、回転機が作動することにより発生したオイルミストを除去する複数段のオイルミスト除去装置に適用されるオイルミスト除去装置の異常診断装置であって、前記複数段のオイルミスト除去装置のそれぞれについて、オイルミスト除去装置に入る気体に含まれる前記オイルミストの量、及び、オイルミスト除去装置から出てきた前記気体に含まれる前記オイルミストの量を変数とする所定式を用いて、指標値を算出する算出部と、前記複数段のオイルミスト除去装置のそれぞれの前記指標値を、予め定められた第1の基準値と比較して、前記複数段のオイルミスト除去装置のそれぞれについて、異常か否かを判定する第1の判定部と、を備える。
【0010】
主に以下の理由から、各段のオイルミスト除去装置から出てきた気体に含まれるオイルミストの量を基準値と比較するだけでは、各段のオイルミスト除去装置の異常が診断できない。
(1)複数段のオイルミスト除去装置が正常な場合、最初の段から最後の段に向かうに従って、オイルミスト除去装置から出てきた気体に含まれるオイルミストの量が少なくなる。オイルミストの量が少なくなるほど、異常診断が難しくなる。このため、後ろ側の段(例えば、最後の段やこれより一つ前の段)のオイルミスト除去装置について、異常が診断できないことがある。
(2)オイルミスト除去装置に入る気体に含まれるオイルミストの量に応じて、そのオイルミスト除去装置が除去できるオイルミストの量が異なる。
【0011】
本発明者は、各段のオイルミスト除去装置から出てきた気体に含まれるオイルミストの量に加えて、各段のオイルミスト除去装置に入る気体に含まれるオイルミストの量を考慮した指標値を算出することにより、各段のオイルミスト除去装置について、適切に異常が診断できることを見出した。
【0012】
本発明に係るオイルミスト除去装置の異常診断装置によれば、算出部は、複数段のオイルミスト除去装置のそれぞれについて、オイルミスト除去装置に入る気体に含まれるオイルミストの量、及び、オイルミスト除去装置から出てきた気体に含まれるオイルミストの量を変数とする所定式を用いて、指標値を算出する。第1の判定部は、複数段のオイルミスト除去装置のそれぞれの指標値を、予め定められた第1の基準値と比較して、複数段のオイルミスト除去装置のそれぞれについて、異常か否かを判定する。これにより、気体に含まれるオイルミストを除去する複数段のオイルミスト除去装置について、各段のオイルミスト除去装置の異常が診断できる。
【0013】
上記構成において、前記算出部は、前記複数段のオイルミスト除去装置のそれぞれに入る前記気体に含まれる前記オイルミストの量を第1のオイルミスト量、及び、前記複数段のオイルミスト除去装置のそれぞれから出てきた前記気体に含まれる前記オイルミストの量を第2のオイルミスト量とし、前記所定式を、(前記第1のオイルミスト量−前記第2のオイルミスト量)/(前記第1のオイルミスト量+前記第2のオイルミスト量)として、前記複数段のオイルミスト除去装置のそれぞれの前記指標値を算出する。
【0014】
この構成は、複数段のオイルミスト除去装置に共通に適用される所定式の一例である。所定式は、これに限定されない。
【0015】
上記構成の前記複数段のオイルミスト除去装置において、最初の段のオイルミスト除去装置に入る前記気体に含まれる前記オイルミストの量として、前記最初の段のオイルミスト除去装置の入口へ流れる前記気体に含まれる前記オイルミストの量を測定する第1のセンサーと、最後の段以外のオイルミスト除去装置から出てきた前記気体に含まれる前記オイルミストの量、及び、次の段のオイルミスト除去装置に入る前記気体に含まれる前記オイルミストの量として、前記最後の段以外のオイルミスト除去装置の出口から前記次の段のオイルミスト除去装置の入口へ流れる前記気体に含まれる前記オイルミストの量を測定する第2のセンサーと、前記最後の段のオイルミスト除去装置から出てきた前記気体に含まれる前記オイルミストの量として、前記最後の段のオイルミスト除去装置の出口から流れる前記気体に含まれる前記オイルミストの量を測定する第3のセンサーと、をさらに備える。
【0016】
この構成によれば、オイルミスト除去装置(最後の段以外のオイルミスト除去装置)から出てきた気体に含まれるオイルミストの量と、このオイルミスト除去装置の次の段のオイルミスト除去装置に入る気体に含まれるオイルミストの量とを測定するセンサーを、第2のセンサーに兼用させている。従って、センサーの数を減らすことができる。
【0017】
最後の段以外のオイルミスト除去装置と次の段のオイルミスト除去装置との組み合わせの数、及び、第2のセンサーの数は、複数段のオイルミスト除去装置の段数に応じて決まり、段数を2以上の整数nとすれば、これらの数は、n−1となる。
【0018】
上記構成において、前記最初の段のオイルミスト除去装置の入口に接続された第1の流路、前記最後の段以外のオイルミスト除去装置の出口と前記次の段のオイルミスト除去装置の入口とを接続する第2の流路、及び、前記最後の段のオイルミスト除去装置の出口に接続された第3の流路に前記気体が流れるのを遮断するバルブと、所定の気体と、前記所定の気体中の濃度が予め定められた値にされている単分散球状粒子とを含む検査用気体が流れ、前記第1のセンサーに対応して設けられた第1の副流路と、前記検査用気体が流れ、前記第2のセンサーに対応して設けられた第2の副流路と、前記検査用気体が流れ、前記第3のセンサーに対応して設けられた第3の副流路と、前記バルブによって前記第1の流路、前記第2の流路及び前記第3の流路に前記気体が流れるのが遮断された状態で、前記第1のセンサーによって測定された、前記第1の副流路から前記第1の流路に導かれた前記検査用気体に含まれる前記
単分散球状粒子の濃度、前記第2のセンサーによって測定された、前記第2の副流路から前記第2の流路に導かれた前記検査用気体に含まれる前記
単分散球状粒子の濃度、及び、前記第3のセンサーによって測定された、前記第3の副流路から前記第3の流路に導かれた前記検査用気体に含まれる前記
単分散球状粒子の濃度を、それぞれ、予め定められた第2の基準値と比較して、前記第1のセンサー、前記第2のセンサー及び前記第3のセンサーのそれぞれについて、異常か否かを判定する第2の判定部と、をさらに備える。
【0019】
この構成によれば、回転機の動作を止めることなく、第1のセンサー、第2のセンサー、第3のセンサーのそれぞれについて異常を診断できる。
【0020】
上記構成において、前記回転機は、油冷式の圧縮機であり、前記気体は、前記圧縮機により生成された圧縮気体である。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、気体に含まれるオイルミストを除去する複数段のオイルミスト除去装置について、各段のオイルミスト除去装置の異常が診断できる。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、図面に基づいて、本発明の一実施形態を詳細に説明する。
図1は、本実施形態に係るオイルミスト除去装置の異常診断装置を適用できる圧縮機システム3を示す模式図である。圧縮機システム3は、圧縮機5及び複数段のオイルミスト除去装置7を含む。
【0024】
圧縮機5は、回転機の一例であり、油冷式(給油式)のスクリュー式圧縮機である。
【0025】
複数段のオイルミスト除去装置7は、圧縮機5が作動することにより生成された圧縮気体に含まれるオイルミストを、圧縮気体から除去する処理をする。本実施形態では、複数段のオイルミスト除去装置7として、三段のオイルミスト除去装置7を例にして説明するが、二段のオイルミスト除去装置7でもよいし、四段以上のオイルミスト除去装置7でもよい。複数段のオイルミスト除去装置7を区別するとき、オイルミスト除去装置7a,7b,7cと記載する。
【0026】
オイルミスト除去装置7には、圧縮気体を液体に通して、圧縮気体とオイルミストとを分離する油分離器や、圧縮気体をフィルタに通して、圧縮気体からオイルミストを回収する油回収器がある。本実施形態では、オイルミスト除去装置7aが油分離器であり、オイルミスト除去装置7b,7cが油回収器である。複数段のオイルミスト除去装置7の組み合わせは、これに限定されない。
【0027】
オイルミスト除去装置7aは、最初の段(言い換えれば、一段目)のオイルミスト除去装置7であり、オイルミスト除去装置7aの入口9aには、流路11a(第1の流路の具体例)が接続されている。圧縮機5で生成された圧縮気体は、流路11aを流れて、オイルミスト除去装置7aに入り、オイルミスト除去装置7aでオイルミストの除去処理がされる。
【0028】
センサー13a(第1のセンサーの具体例)は、最初の段のオイルミスト除去装置7aに入る圧縮気体に含まれるオイルミストの量として、流路11aを流れる(すなわち、入口9aへ流れる)圧縮気体に含まれるオイルミストの量を測定する。
【0029】
オイルミスト除去装置7bは、二段目のオイルミスト除去装置7である。オイルミスト除去装置7a(最後の段以外のオイルミスト除去装置7の具体例)の出口15aと、オイルミスト除去装置7b(次の段のオイルミスト除去装置7の具体例)の入口9bとは、流路11b(第2の流路の具体例)によって接続さている。オイルミスト除去装置7aでオイルミストの除去処理がされて、オイルミスト除去装置7aの出口15aから出てきた圧縮気体は、流路11bを流れて、オイルミスト除去装置7bに入り、オイルミスト除去装置7bでオイルミストの除去処理がされる。
【0030】
センサー13b(第2のセンサーの具体例)は、オイルミスト除去装置7a(最後の段以外のオイルミスト除去装置7の具体例)から出てきた圧縮気体に含まれるオイルミストの量、及び、オイルミスト除去装置7b(次の段のオイルミスト除去装置7の具体例)に入る圧縮気体に含まれるオイルミストの量として、流路11bを流れる(すなわち、オイルミスト除去装置7aの出口15aからオイルミスト除去装置7bの入口9bへと流れる)圧縮気体に含まれるオイルミストの量を測定する。
【0031】
オイルミスト除去装置7cは、最後の段(言い換えれば、三段目)のオイルミスト除去装置7である。オイルミスト除去装置7b(最後の段以外のオイルミスト除去装置7の具体例)の出口15bと、オイルミスト除去装置7c(次の段のオイルミスト除去装置7の具体例)の入口9cとは、流路11c(第2の流路の具体例)によって接続されている。オイルミスト除去装置7bでオイルミストの除去処理がされて、オイルミスト除去装置7bの出口15bから出てきた圧縮気体は、流路11cを流れて、オイルミスト除去装置7cに入り、オイルミスト除去装置7cでオイルミストの除去処理がされる。
【0032】
センサー13c(第2のセンサーの具体例)は、オイルミスト除去装置7b(最後の段以外のオイルミスト除去装置7の具体例)から出てきた圧縮気体に含まれるオイルミストの量、及び、オイルミスト除去装置7c(次の段のオイルミスト除去装置7の具体例)に入る圧縮気体に含まれるオイルミストの量として、流路11cを流れる(すなわち、オイルミスト除去装置7bの出口15bからオイルミスト除去装置7cの入口9cへと流れる)圧縮気体に含まれるオイルミストの量を測定する。
【0033】
最後の段以外のオイルミスト除去装置7と次の段のオイルミスト除去装置7の組み合わせの数、第2のセンサーの数、及び、第2の流路の数は、複数段のオイルミスト除去装置7の段数に応じて決まり、段数を2以上の整数nとすれば、これらの数は、n−1となる。
【0034】
オイルミスト除去装置7cの出口15cには、流路11d(第3の流路の具体例)が接続されている。オイルミスト除去装置7cでオイルミストの除去処理がされて、オイルミスト除去装置7cの出口15cから出てきた圧縮気体は、流路11dを流れて、後段の機器に送られる。
【0035】
センサー13d(第3のセンサーの具体例)は、最後の段のオイルミスト除去装置7cから出てきた圧縮気体に含まれるオイルミストの量として、流路11dを流れる(すなわち、オイルミスト除去装置7cの出口15cから流れる)圧縮気体に含まれるオイルミストの量を測定する。
【0036】
なお、流路11a〜11dを設けない態様もある。この態様では、圧縮機5の圧縮気体の出口とオイルミスト除去装置7aの入口9aとを直接に接続し、オイルミスト除去装置7aの出口15aとオイルミスト除去装置7bの入口9bとを直接に接続し、オイルミスト除去装置7bの出口15bとオイルミスト除去装置7cの入口9cとを直接に接続する。
【0037】
図2は、本実施形態に係るオイルミスト除去装置の異常診断装置1a(以下、異常診断装置1aと記載することもある)の構成を示すブロック図である。異常診断装置1aは、センサー13a〜13d、パーソナルコンピュータ21及びAD変換器23を備える。
【0038】
センサー13aは、
図1に示す流路11aを流れる圧縮気体に含まれるオイルミストの量として、流路11aを流れる圧縮気体に含まれるオイルミストの濃度を測定する光学式センサーである。
【0039】
センサー13bは、流路11bを流れる圧縮気体に含まれるオイルミストの量として、流路11bを流れる圧縮気体に含まれるオイルミストの濃度を測定する光学式センサーである。
【0040】
センサー13cは、流路11cを流れる圧縮気体に含まれるオイルミストの量として、流路11cを流れる圧縮気体に含まれるオイルミストの濃度を測定する光学式センサーである。
【0041】
センサー13dは、流路11dを流れる圧縮気体に含まれるオイルミストの量として、流路11dを流れる圧縮気体に含まれるオイルミストの濃度を測定する光学式センサーである。
【0042】
AD変換器23は、センサー13a〜13dのそれぞれによって測定されたオイルミストの量をアナログ値からデジタル値に変換する。
【0043】
AD変換器23によってデジタル値に変換されたオイルミストの量は、パーソナルコンピュータ21に入力される。パーソナルコンピュータ21は、表示部25及び制御部27を備える。表示部25は、液晶パネルのようなディスプレイである。制御部27は、CPU、ROM及びRAMを備えており、これらにより、表示制御部29、測定制御部31、算出部33及び第1の判定部35の機能が実現される。
【0044】
表示制御部29は、表示部25に各種画面(例えば、異常診断の結果を示す画面)を表示させる制御をする。
【0045】
測定制御部31は、センサー13a、センサー13b、センサー13c及びセンサー13dを制御して、流路11a、流路11b、流路11c及び流路11dを流れる圧縮気体に含まれるオイルミストの量を測定させる。
【0046】
算出部33は、複数段のオイルミスト除去装置7のそれぞれについて、オイルミスト除去装置7に入る圧縮気体に含まれるオイルミストの量、及び、オイルミスト除去装置7から出てきた圧縮気体に含まれるオイルミストの量を変数とする所定式を用いて、指標値を算出する。
【0047】
主に以下の理由から、各段のオイルミスト除去装置7から出てきた圧縮気体に含まれるオイルミストの量を基準値と比較するだけでは、各段のオイルミスト除去装置7の異常が診断できない。
【0048】
複数段のオイルミスト除去装置7が正常な場合、最初の段から最後の段に向かうに従って、オイルミスト除去装置7から出てきた圧縮気体に含まれるオイルミストの量が少なくなる。オイルミストの量が少なくなるほど、異常の診断が難しくなる。このため、後ろ側の段(例えば、最後の段やこれより一つ前の段)のオイルミスト除去装置7について、異常が診断できないことがある。
【0049】
図3は、油分離器タイプのオイルミスト除去装置7において、オイルミストの除去能力を説明するグラフである。
図4は、油回収器タイプのオイルミスト除去装置7において、オイルミストの除去能力を説明するグラフである。
図3及び
図4の横軸は、オイルミスト含有量を示す。これは、オイルミスト除去装置7に入る圧縮気体に含まれるオイルミストの量である。縦軸は、オイルミスト含有量の減少割合を示す。これは、例えば、オイルミスト含有量が100であれば、オイルミストを2割減少でき、また、オイルミスト含有量が50であれば、オイルミストを1割減少できることを意味する。いずれのタイプも、オイルミスト含有量が多ければ、オイルミスト含有量の減少割合が大きくなり、オイルミスト含有量が少なければ、オイルミスト含有量の減少割合が小さくなる。このように、オイルミスト除去装置7に入る圧縮気体に含まれるオイルミストの量に応じて、そのオイルミスト除去装置7が除去できるオイルミストの量が異なる。オイルミスト除去装置7から出てきた圧縮気体に含まれるオイルミストの量を測定するだけでは、これを反映することができない。
【0050】
また、
図3及び
図4に示すように、オイルミスト含有量と、オイルミスト含有量の減少割合とは、ほぼ比例している。オイルミスト除去装置7から出てきた圧縮気体に含まれるオイルミストの量を測定するだけでは、これを反映することができない。
【0051】
本発明者は、各段のオイルミスト除去装置7から出てきた圧縮気体に含まれるオイルミストの量に加えて、各段のオイルミスト除去装置7に入る圧縮気体に含まれるオイルミストの量を考慮した指標値を算出することにより、各段のオイルミスト除去装置7について、適切に異常が診断できることを見出した。
【0052】
次に所定式について説明する。所定式は、複数段のオイルミスト除去装置7において、共通の式でもよいし、複数段のオイルミスト除去装置7のそれぞれに割り当てられた異なる式でもよい。ここでは、共通の式の態様について説明する。
【0053】
複数段のオイルミスト除去装置7のそれぞれに入る圧縮気体に含まれるオイルミストの量を第1のオイルミスト量、及び、複数段のオイルミスト除去装置7のそれぞれから出てきた圧縮気体に含まれるオイルミストの量を第2のオイルミスト量とする。算出部33は、所定式を、(第1のオイルミスト量−第2のオイルミスト量)/(第1のオイルミスト量+第2のオイルミスト量)として、複数段のオイルミスト除去装置7のそれぞれの指標値を算出する。
【0054】
所定式の分子は、オイルミスト除去装置7で除去できたオイルミストの量を示す。この値は、
図3及び
図4で説明したように、オイルミスト含有量に応じて変化するので、これを考慮するために、オイルミスト除去装置7で除去処理する前後のオイルミストの量を加えた値を、分母とする。
【0055】
所定式は、上記式に限定されず、様々な式が考えられる。
【0056】
第1の判定部35は、所定式によって算出された複数段のオイルミスト除去装置7のそれぞれの指標値を、異常基準値(予め定められた第1の基準値の一例)と比較して、複数段のオイルミスト除去装置7のそれぞれについて、異常か否かを判定する。
図5は、指標値とオイルミスト除去装置7の運転時間との関係を示すグラフの一例である。
図6は、指標値とオイルミスト除去装置7の運転時間との関係を示すグラフの他の例である。
図5及び
図6の横軸は、オイルミスト除去装置7の運転時間を示し、縦軸は、指標値を示す。
【0057】
第1の判定部35は、指標値が異常基準値以上であるとき、オイルミスト除去装置7が正常と判定し、指標値が異常基準値より小さいとき、オイルミスト除去装置7が異常と判定する。複数段のオイルミスト除去装置7の異常基準値は、同じにしてもよいし、複数段のオイルミスト除去装置7に応じて異なる異常基準値でもよい。
【0058】
また、第1の異常基準値と、これより小さい第2の異常基準値とを、異常基準値としてもよい。指標値が、第1の異常基準値より小さく、かつ、第2の異常基準値以上のとき、表示制御部29は、オイルミスト除去装置7のメンテナンスを推奨する旨を表示部25に表示させ、指標値が、第2の異常基準値より小さいとき、表示制御部29は、オイルミスト除去装置7のメンテナンスが必要である警告を表示部25に表示させる。
【0059】
図5に示すグラフにおいて、指標値が徐々に低下している。これは、オイルミスト除去装置7の劣化を示唆している。一方、
図6に示すグラフにおいて、指標値が急激に低下している。これは、オイルミスト除去装置7の故障を示唆している。
【0060】
本実施形態に係るオイルミスト除去装置の異常診断装置1aの動作について、
図1、
図2、
図7及び
図8を用いて説明する。
図7及び
図8は、その動作を説明するフローチャートである。
【0061】
図1、
図2及び
図7を参照して、異常診断装置1aは、圧縮機5の作動中、所定の周期で異常診断を実行する。まず、測定制御部31は、圧縮機5の作動中、センサー13a〜13dにオイルミストの量を測定させる。測定制御部31は、異常診断を実行するタイミングになったとき、センサー13a〜13dによって測定されているオイルミストの量を記憶する(ステップS1)。第1の判定部35は、ステップS1で記憶されたオイルミストの量のうち、センサー13dによって測定されたオイルミストの量(すなわち、最後の段のオイルミスト除去装置7から出てきた圧縮気体に含まれるオイルミストの量)が、システム基準値以下か否かを判定する(ステップS2)。システム基準値とは、複数段のオイルミスト除去装置7でオイルミストの除去処理がされた圧縮気体に含まれるオイルミストの量が、問題のない値の上限値であり、圧縮気体の用途に応じて決められる。
【0062】
第1の判定部35が、センサー13dによって測定されたオイルミストの量がシステム基準値以下と判定したとき(ステップS2でYes)、第1の判定部35は、複数段のオイルミスト除去装置7が正常と判定し(ステップS3)、ステップS1に戻る。
【0063】
第1の判定部35が、センサー13dによって測定されたオイルミストの量がシステム基準値を超えていると判定したとき(ステップS2でNo)、第1の判定部35は、複数段のオイルミスト除去装置7が異常と判定する(ステップS4)。この判定がされたとき、いずれの段のオイルミスト除去装置7に異常が発生しているかを診断するステップに移る。
【0064】
第1の判定部35は、ステップS1で記憶された、センサー13aで測定されたオイルミストの量、及び、センサー13bで測定されたオイルミストの量を用いて、オイルミスト除去装置7aの異常診断をする(ステップS5)。これについて説明する。
図2及び
図8を参照して、算出部33は、センサー13aで測定されたオイルミストの量、及び、センサー13bで測定されたオイルミストの量を、上記所定式に代入して、指標値を算出する(ステップT1)。
【0065】
第1の判定部35は、ステップT1で算出された指標値が、異常基準値以上か否かを判定する(ステップT2)。異常基準値とは、上述したように、オイルミスト除去装置7aの指標値が異常基準値より小さくなると、オイルミスト除去装置7aに異常が生じていることを示す値である。
【0066】
第1の判定部35が、ステップT1で算出された指標値が、異常基準値以上と判定したとき(ステップT2でYes)、第1の判定部35は、オイルミスト除去装置7aを正常と判定する(ステップT3)。
【0067】
第1の判定部35が、ステップT1で算出された指標値が、異常基準値より小さいと判定したとき(ステップT2でNo)、第1の判定部35は、オイルミスト除去装置7aを異常と判定する(ステップT4)。
【0068】
次に、第1の判定部35は、オイルミスト除去装置7aの異常の原因が、オイルミスト除去装置7aの劣化又は故障かを判定する。詳しく説明すると、算出部33は、以前の異常診断(前回又はそれよりも前の異常診断)において、ステップS1で記憶された、センサー13aで測定されたオイルミストの量、及び、センサー13bで測定されたオイルミストの量を、上記所定式に代入して指標値を算出する(ステップT5)。
【0069】
算出部33は、下記式を用いて時間変化率を算出する(ステップT6)。
【0070】
(ステップT1で算出された指標値−ステップT5で算出された指標値)/(今回の異常診断を実行した時刻−以前の異常診断を実行した時刻)
第1の判定部35は、ステップT6で算出された時間変化率の絶対値が、劣化基準値以下であるか否かを判定する(ステップT7)。時間変化率の絶対値が大きいとは、指標値が急激に低下したことを示しており(例えば、
図6)、これは、オイルミスト除去装置7aの故障を意味する。時間変化率の絶対値が小さいとは、指標値が徐々に低下したことを示しており(例えば、
図5)、これは、オイルミスト除去装置7aの劣化を意味する。劣化基準値とは、時間変化率の絶対値が劣化基準値より大きくなると、オイルミスト除去装置7aに故障が生じていることを示す値である。
【0071】
第1の判定部35は、時間変化率の絶対値が、劣化基準値以下と判定したとき(ステップT7でYes)、オイルミスト除去装置7aの劣化と判定する(ステップT8)。表示制御部29は、オイルミスト除去装置7aに劣化が生じていることを、表示部25に表示させる。
【0072】
第1の判定部35は、時間変化率の絶対値が、劣化基準値より大きいと判定したとき(ステップT7でNo)、オイルミスト除去装置7aの故障と判定する(ステップT9)。表示制御部29は、オイルミスト除去装置7aに故障が生じていることを、表示部25に表示させる。以上が、オイルミスト除去装置7aの異常診断である。
【0073】
図2及び
図7を参照して、オイルミスト除去装置7aの異常診断の終了後、第1の判定部35は、ステップS1で記憶された、センサー13bで測定されたオイルミストの量、及び、センサー13cで測定されたオイルミストの量を用いて、オイルミスト除去装置7bの異常診断をする(ステップS6)。指標値の算出において、センサー13aで測定されたオイルミストの量、及び、センサー13bで測定されたオイルミストの量の換わりに、センサー13bで測定されたオイルミストの量、及び、センサー13cで測定されたオイルミストの量が用いられる以外、ステップS6は、ステップS5と同じなので、説明を省略する。
【0074】
オイルミスト除去装置7bの異常診断の終了後、第1の判定部35は、ステップS1で記憶された、センサー13cで測定されたオイルミストの量、及び、センサー13dで測定されたオイルミストの量を用いて、オイルミスト除去装置7cの異常診断をする(ステップS7)。指標値の算出において、センサー13aで測定されたオイルミストの量、及び、センサー13bで測定されたオイルミストの量の換わりに、センサー13cで測定されたオイルミストの量、及び、センサー13dで測定されたオイルミストの量が用いられる以外、ステップS7は、ステップS5と同じなので、説明を省略する。
【0075】
オイルミスト除去装置7cの異常診断の終了後、第1の判定部35は、ステップS1で記憶されたオイルミストの量のうち、センサー13aによって測定されたオイルミストの量(すなわち、最初の段のオイルミスト除去装置7aに入る圧縮気体に含まれるオイルミストの量)が、圧縮機基準値以下か否かを判定する(ステップS8)。圧縮機基準値とは、圧縮機5で生成された圧縮気体に含まれるオイルミストの量が、圧縮機5の油冷システムに問題のない値の上限値である。
【0076】
第1の判定部35が、センサー13aによって測定されたオイルミストの量が圧縮機基準値以下と判定したとき(ステップS8でYes)、第1の判定部35は、圧縮機5の油冷システムが正常と判定する(ステップS9)。
【0077】
第1の判定部35が、センサー13aによって測定されたオイルミストの量が圧縮機基準値を超えていると判定したとき(ステップS8でNo)、第1の判定部35は、圧縮機5の油冷システムが異常と判定する(ステップS10)。表示制御部29は、圧縮機5の油冷システムに異常が生じていることを、表示部25に表示させる。
【0078】
本実施形態の主な効果を説明する。本実施形態によれば、算出部33は、複数段のオイルミスト除去装置7のそれぞれについて、オイルミスト除去装置7に入る気体に含まれるオイルミストの量、及び、オイルミスト除去装置7から出てきた気体に含まれるオイルミストの量を変数とする所定式を用いて、指標値を算出する(ステップS5のステップT1、ステップS6及びステップS7でもステップT1と同様の処理がされる)。第1の判定部35は、複数段のオイルミスト除去装置7のそれぞれの指標値を、異常基準値(予め定められた第1の基準値)と比較して、複数段のオイルミスト除去装置7のそれぞれについて、異常か否かを判定する(ステップT2)。これにより、圧縮気体に含まれるオイルミストを除去する複数段のオイルミスト除去装置7について、各段のオイルミスト除去装置7の異常が診断できる。
【0079】
図1を参照して、オイルミスト除去装置7a(最後の段以外のオイルミスト除去装置7)から出てきた圧縮気体に含まれるオイルミストの量と、オイルミスト除去装置7b(次の段のオイルミスト除去装置7)に入る圧縮気体に含まれるオイルミストの量とを測定するセンサーを、第2のセンサーであるセンサー13bに兼用させている。同様に、オイルミスト除去装置7b(最後の段以外のオイルミスト除去装置7)から出てきた圧縮気体に含まれるオイルミストの量と、オイルミスト除去装置7c(次の段のオイルミスト除去装置7)に入る圧縮気体に含まれるオイルミストの量とを測定するセンサーを、第2のセンサーであるセンサー13cに兼用させている。従って、オイルミストの量を測定するセンサーの数を減らすことができる。
【0080】
本実施形態の変形例を説明する。
図9は、本実施形態の変形例に係るオイルミスト除去装置の異常診断装置を適用できる圧縮機システム3を示す模式図である。
図9において、
図1で示す符号と同じ構成については、同じ符号を付すことにより説明を省略する。変形例は、本実施形態で説明した異常診断に加えて、さらに、検査用気体Gを用いて、センサー13a〜13dのそれぞれについて、異常を診断する。
【0081】
検査用気体Gは、所定の気体と、この気体中の濃度が予め定められた値にされている単分散球状粒子とを含み、圧縮機5で生成されたオイルミストを含む圧縮気体の換わりとなる。
【0082】
所定の気体とは、当該圧縮機で使用されている気体そのものであり、単分散球状粒子は、例えばパーティクルカウンターの校正等に用いられる単分散球状粒子である。単分散球状粒子の粒径は、オイルミストの粒径と同じ程度であり、例えば、数十nm〜数μmである。
【0083】
流路11aには、二つのバルブ31a,31bが設けられ、そして、上流副流路33a及び下流副流路33bが接続されている。詳しく説明すると、バルブ31a,31bは、流路11aを遮断する。流路11aのうち、バルブ31aとバルブ31bとの間の部分を測定箇所37aとする。センサー13aは、測定箇所37aにおいて、圧縮気体に含まれるオイルミストの量を測定する。
【0084】
測定箇所37aの上流部に上流副流路33aが接続され、測定箇所37aの下流部に下流副流路35bが接続されている。上流副流路33aには、上流副流路33aを遮断するバルブ39aが設けられている。下流副流路35aには、下流副流路35aを遮断するバルブ39bが設けられている。
【0085】
検査用気体Gは、上流副流路33aから測定箇所37aに導かれ、測定箇所37aを通り、下流副流路35aに導かれる。
【0086】
流路11bには、二つのバルブ31c,31dが設けられ、そして、上流副流路33b及び下流副流路35bが接続されている。これらの構成は、流路11aの場合と同様なので説明を省略する。37bは測定箇所、39c,39dはバルブを示す。
【0087】
流路11cには、二つのバルブ31e,31fが設けられ、そして、上流副流路33c及び下流副流路35cが接続されている。これらの構成は、流路11aの場合と同様なので説明を省略する。37cは測定箇所、39e,39fはバルブを示す。
【0088】
流路11dには、二つのバルブ31g,31hが設けられ、そして、上流副流路33d及び下流副流路35dが接続されている。これらの構成は、流路11aの場合と同様なので説明を省略する。37dは測定箇所、39g,39hはバルブを示す。
【0089】
上流副流路33aは、センサー13aに対応して設けられた第1の副流路の具体例である。上流副流路33bは、センサー13bに対応して設けられた第2の副流路の具体例である。上流副流路33cは、センサー13cに対応して設けられた第2の副流路の具体例である。上流副流路33dは、センサー13dに対応して設けられた第3の副流路の具体例である。
【0090】
上流副流路33a〜33dのそれぞれに流量計を設置し、上流副流路33a〜33dのそれぞれを流れる検査用気体Gの量を管理できるようにしてもよい。
【0091】
図10は、本実施形態の変形例に係るオイルミスト除去装置の異常診断装置1bの構成を示すブロック図である。
図10において、
図2で示す符号と同じ構成については、同じ符号を付すことにより説明を省略する。オイルミスト除去装置の異常診断装置1bは、
図2に示す制御部27が表示制御部29、測定制御部31、算出部33及び第1の判定部35の機能に加えて、バルブ制御部37及び第2の判定部39の機能を有する。
【0092】
バルブ制御部37は、異常診断装置1bを用いて、センサー13a〜13dのそれぞれについて、異常の診断がされない場合、
図9に示すバルブ31a〜31hを開け、かつ、バルブ39a〜39hを閉じる。
【0093】
これに対して、異常診断装置1bを用いて、センサー13a〜13dのそれぞれについて、異常の診断がされる場合、バルブ制御部37は、所定期間、次の制御をする。バルブ制御部37は、
図9を参照して、バルブ31a,31bを閉じることによって流路11a(第1の流路の具体例)を遮断し、バルブ31c,31dを閉じることによって流路11b(第2の流路の具体例)を遮断し、バルブ31e,31fを閉じることによって流路11c(第2の流路の具体例)を遮断し、バルブ31g,31hを閉じることによって流路11d(第3の流路の具体例)を遮断し、バルブ39a,39bを開けて、上流副流路33aに検査用気体Gを流し、バルブ39c,39dを開けて、上流副流路33bに検査用気体Gを流し、バルブ39e,39fを開けて、上流副流路33cに検査用気体Gを流し、バルブ39g,39hを開けて、上流副流路33dに検査用気体Gを流す。
【0094】
この状態において、第2の判定部39は、次の判定をする。センサー13a(第1のセンサーの具体例)によって測定された、上流副流路33a(第1の副流路の具体例)から測定箇所37a(第1の流路)に導かれた検査用気体Gに含まれる
単分散球状粒子の濃度、センサー13b(第2のセンサーの具体例)によって測定された、上流副流路33b(第2の副流路の具体例)から測定箇所37b(第2の流路)導かれた検査用気体Gに含まれる
単分散球状粒子の濃度、センサー13c(第2のセンサーの具体例)によって測定された、上流副流路33c(第2の副流路の具体例)から測定箇所37c(第2の流路)導かれた検査用気体Gに含まれる
単分散球状粒子の濃度、センサー13d(第3のセンサーの具体例)によって測定された、上流副流路33d(第3の副流路の具体例)から測定箇所37d(第3の流路)導かれた検査用気体Gに含まれる
単分散球状粒子の濃度を、それぞれ、予め定められた第2の基準値と比較して、センサー13a〜13dのそれぞれについて、異常か否かを判定する。第2の基準値は、センサー13a〜13dにおいて、共通の値である。
【0095】
検査用気体Gを測定箇所37a〜37dに流す上記所定期間は、極めて短い期間である。従って、変形例によれば、圧縮機5の動作を止めることなく、センサー13a〜13dのそれぞれについて異常が診断できる。
【0096】
本実施形態に係る異常診断装置1a及び変形例に係る異常診断装置1bによって、異常診断の対象となる回転機として、圧縮機5を例に説明したが、圧縮機5に限定されない。