(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
一の基地局制御装置と一又は複数の基地局装置の各々との間で交換される第1のメッセージと、前記基地局装置を介してユーザ装置との間でユーザデータを送受する伝送装置と前記基地局制御装置との間で交換される第2のメッセージとを分析するメッセージ分析装置であり、
メッセージの交換時刻情報と、前記基地局制御装置の管理下にある一のユーザ装置に対して一時的に付与された第1の端末識別子とを有する前記第1のメッセージと、
メッセージの交換時刻情報と、前記第1の端末識別子と、当該第1の端末識別子が付与されたユーザ装置のユーザデータの前記伝送装置との送受に使用されるユーザデータ伝送経路に対して付与された第1の伝送経路識別子と、を有する前記第1のメッセージと、
メッセージの交換時刻情報と、一のユーザ装置に固有の第2の端末識別子と、当該第2の端末識別子が付与されたユーザ装置のユーザデータの前記伝送装置との送受に使用されるユーザデータ伝送経路に対して付与された第2の伝送経路識別子と、を有する前記第2のメッセージと、
を収集するメッセージ収集部と、
前記メッセージ収集部により収集された前記第1のメッセージから前記交換時刻情報と前記第1の端末識別子と前記第1の伝送経路識別子とを取得し、
前記メッセージ収集部により収集された前記第2のメッセージから前記交換時刻情報と前記第2の端末識別子と前記第2の伝送経路識別子とを取得する、
メッセージ解析部と、
前記メッセージ解析部により取得された前記第1の端末識別子に基づいて前記メッセージ収集部により収集された前記第1のメッセージをグループ分けし、
前記メッセージ解析部により取得された前記第2の伝送経路識別子と同じ値の前記第1の伝送経路識別子を有する前記第1のメッセージを含む前記第1の端末識別子のグループに対して、当該前記第2の伝送経路識別子を有する前記第2のメッセージの前記第2の端末識別子を対応付ける、
メッセージ対応付け部と、
を備えたメッセージ分析装置。
前記メッセージ対応付け部は、前記第1の端末識別子の有効期限の判定を行い、有効期限切れの前記第1の端末識別子を有する前記第1のメッセージを当該第1の端末識別子のグループから削除する、
請求項1に記載のメッセージ分析装置。
前記メッセージ収集部は、メッセージの交換時刻情報と、前記第1の端末識別子と、一の前記基地局装置と当該基地局装置のカバレッジ内に在る一のユーザ装置との関連付けを示す基地局・端末関連付け識別情報または前記基地局制御装置の管理下にある一のユーザ装置と前記基地局制御装置との関連付けを示す端末・基地局制御装置関連付け識別情報と、を有する前記第1のメッセージをさらに収集し、
前記メッセージ解析部は、前記メッセージ収集部により収集された前記第1のメッセージから前記基地局・端末関連付け識別情報または前記端末・基地局制御装置関連付け識別情報をさらに取得し、
前記メッセージ対応付け部は、異なる前記第1の端末識別子のグループの各々に同じ前記基地局・端末関連付け識別情報または同じ前記端末・基地局制御装置関連付け識別情報を有する前記第1のメッセージが存在する場合には、当該異なる前記第1の端末識別子のグループ同士を対応付ける、
請求項1又は2のいずれか1項に記載のメッセージ分析装置。
前記メッセージ対応付け部により対応付けされた前記第1の端末識別子のグループ内の前記第1のメッセージの各々の交換時刻情報に基づいた最も早い交換時刻から最も遅い交換時刻までの経過時間に基づいて、当該グループに対応付けされた前記第2の端末識別子に該当するユーザ装置の動作状態を判定するユーザ装置状態管理部、
をさらに備えた請求項1から3のいずれか1項に記載のメッセージ分析装置。
一の基地局制御装置と一又は複数の基地局装置の各々との間で交換される第1のメッセージと、前記基地局装置を介してユーザ装置との間でユーザデータを送受する伝送装置と前記基地局制御装置との間で交換される第2のメッセージとを分析するメッセージ分析方法であり、
メッセージ分析装置が、
メッセージの交換時刻情報と、前記基地局制御装置の管理下にある一のユーザ装置に対して一時的に付与された第1の端末識別子とを有する前記第1のメッセージと、
メッセージの交換時刻情報と、前記第1の端末識別子と、当該第1の端末識別子が付与されたユーザ装置のユーザデータの前記伝送装置との送受に使用されるユーザデータ伝送経路に対して付与された第1の伝送経路識別子と、を有する前記第1のメッセージと、
メッセージの交換時刻情報と、一のユーザ装置に固有の第2の端末識別子と、当該第2の端末識別子が付与されたユーザ装置のユーザデータの前記伝送装置との送受に使用されるユーザデータ伝送経路に対して付与された第2の伝送経路識別子と、を有する前記第2のメッセージと、
を収集するメッセージ収集ステップと、
前記メッセージ分析装置が、
前記メッセージ収集ステップにより収集された前記第1のメッセージから前記交換時刻情報と前記第1の端末識別子と前記第1の伝送経路識別子とを取得し、
前記メッセージ収集ステップにより収集された前記第2のメッセージから前記交換時刻情報と前記第2の端末識別子と前記第2の伝送経路識別子とを取得する、
メッセージ解析ステップと、
前記メッセージ分析装置が、
前記メッセージ解析ステップにより取得された前記第1の端末識別子に基づいて前記メッセージ収集ステップにより収集された前記第1のメッセージをグループ分けし、
前記メッセージ解析ステップにより取得された前記第2の伝送経路識別子と同じ値の前記第1の伝送経路識別子を有する前記第1のメッセージを含む前記第1の端末識別子のグループに対して、当該前記第2の伝送経路識別子を有する前記第2のメッセージの前記第2の端末識別子を対応付ける、
メッセージ対応付けステップと、
を含むメッセージ分析方法。
一の基地局制御装置と一又は複数の基地局装置の各々との間で交換される第1のメッセージと、前記基地局装置を介してユーザ装置との間でユーザデータを送受する伝送装置と前記基地局制御装置との間で交換される第2のメッセージとの分析を行うためのコンピュータプログラムであって、
メッセージの交換時刻情報と、前記基地局制御装置の管理下にある一のユーザ装置に対して一時的に付与された第1の端末識別子とを有する前記第1のメッセージと、
メッセージの交換時刻情報と、前記第1の端末識別子と、当該第1の端末識別子が付与されたユーザ装置のユーザデータの前記伝送装置との送受に使用されるユーザデータ伝送経路に対して付与された第1の伝送経路識別子と、を有する前記第1のメッセージと、
メッセージの交換時刻情報と、一のユーザ装置に固有の第2の端末識別子と、当該第2の端末識別子が付与されたユーザ装置のユーザデータの前記伝送装置との送受に使用されるユーザデータ伝送経路に対して付与された第2の伝送経路識別子と、を有する前記第2のメッセージと、
を収集するメッセージ収集ステップと、
前記メッセージ収集ステップにより収集された前記第1のメッセージから前記交換時刻情報と前記第1の端末識別子と前記第1の伝送経路識別子とを取得し、
前記メッセージ収集ステップにより収集された前記第2のメッセージから前記交換時刻情報と前記第2の端末識別子と前記第2の伝送経路識別子とを取得する、
メッセージ解析ステップと、
前記メッセージ解析ステップにより取得された前記第1の端末識別子に基づいて前記メッセージ収集ステップにより収集された前記第1のメッセージをグループ分けし、
前記メッセージ解析ステップにより取得された前記第2の伝送経路識別子と同じ値の前記第1の伝送経路識別子を有する前記第1のメッセージを含む前記第1の端末識別子のグループに対して、当該前記第2の伝送経路識別子を有する前記第2のメッセージの前記第2の端末識別子を対応付ける、
メッセージ対応付けステップと、
をコンピュータに実行させるためのコンピュータプログラム。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図面を参照し、本発明の実施形態について説明する。本実施形態では、無線通信ネットワークの一例として、LTEネットワークを挙げて説明する。
【0014】
図1は、本発明の一実施形態に係るメッセージ分析装置1の構成を示すブロック図である。
図1において、メッセージ分析装置1は、メッセージ収集部10とメッセージ解析部12とパラメータ記憶部14とメッセージ対応付け部16とユーザ装置状態管理部18とを備える。メッセージ収集部10は、解析対象のメッセージを収集する。メッセージ解析部12は、該収集されたメッセージを解析する。パラメータ記憶部14は、該解析の結果として得られたパラメータを記憶する。メッセージ対応付け部16は、該記憶されたパラメータに基づいて、メッセージ収集部10で収集されたメッセージとユーザ装置との対応付けを行う。ユーザ装置状態管理部18は、ユーザ装置に対応付けされたメッセージに基づいて、当該ユーザ装置の動作状態の管理を行う。
【0015】
図2は、本実施形態に係るメッセージ分析装置1が適用されるLTEネットワークの一例を示す概略構成図である。
図2において、LTEネットワークは、無線ネットワークとしてのeUTRAN(Evolved Universal Terrestrial Radio Network)_30と、コアネットワークとしてのEPC(Evolved Packet Core)_40とを有する。eUTRAN_30は、eNodeB_32(基地局装置)を有する。eNodeB_32は、自己のカバレッジ(coverage:無線通信が可能な範囲)内に在るUE(ユーザ装置)_34と無線通信する。EPC_40は、MME_42(基地局制御装置)、SGW(Serving Gateway)_44、PGW(PDN(Packet Data Network) Gateway)_46、HSS_48など、複数の装置群よって構成されている。
【0016】
メッセージ分析装置1は、一のMME_42と一のeNodeB_32とを相互接続するS1−MMEインタフェースを流れるデータ・パケットを捕捉する。又は、メッセージ分析装置1は、一のMME_42と複数(N個)のeNodeB_32とを各々相互接続する複数(N個)のS1−MMEインタフェースの各々を流れるデータ・パケットを捕捉してもよい。
【0017】
メッセージ分析装置1は、一のMME_42と一のSGW_44とを相互接続するS11インタフェースを流れるデータ・パケットを捕捉する。なお、データ・パケットとは、IP(Internet Protocol)ヘッダおよびIPヘッダ以降のペイロードを含むIPパケットのことを指す。
【0018】
SGW_44は、UE_34のユーザデータの伝送を行う伝送装置である。SGW_44は、eNodeB_32を介して、UE_34との間でユーザデータを送受する。UE_34毎に、ユーザデータ伝送経路(以下、トンネルと称する)が設定される。UE_34のユーザデータは、トンネルを介して、SGW_44との間で送受される。
【0019】
UE_34にはTMSIパラメータとIMSIパラメータとが付与される。TMSIパラメータは、MME_42の管理下にある一のUE_34に対して一時的に付与された第1の端末識別子である。IMSIパラメータは、一のUE_34に固有の第2の端末識別子である。
【0020】
次に、本実施形態に係るメッセージ分析装置1の動作を説明する。
図3および
図4は、本実施形態に係るメッセージ分析方法の手順を示すフローチャートである。まず、
図3を参照して、メッセージの収集および解析に係る動作を説明する。メッセージ分析装置1は、データ・パケットを捕捉すると、
図3の処理を開始する。
【0021】
(ステップS1)メッセージ収集部10は、S1−MMEインタフェースを流れるデータ・パケットを捕捉(受信)し、該捕捉したデータ・パケットから解析対象のメッセージを収集する。メッセージ収集部10は、S11インタフェースを流れるデータ・パケットを捕捉(受信)し、該捕捉したデータ・パケットから解析対象のメッセージを収集する。ここで、本実施形態に係る解析対象のメッセージについて以下に説明する。
【0022】
図5は、本実施形態に係る解析対象のメッセージの種類を示す図表である。
図5には、S1−MMEインタフェースにおける解析対象のメッセージの種類が示される。本実施形態では、
図5に示される5種類の制御メッセージ「初期UEメッセージ(Initial UE Message)」、「初期コンテキスト設定メッセージ(Initial Context Setup Message)」、「パス切替要求メッセージ(Path Switch Request Message)」、「UEコンテキストリリースメッセージ(UE Context Release Message)」、及び「ハンドオーバリソース割当メッセージ(Handover Resource Allocation)」を、S1−MMEインタフェースにおける解析対象のメッセージ(第1のメッセージ)として収集する。初期UEメッセージ、初期コンテキスト設定メッセージ、パス切替要求メッセージ、UEコンテキストリリースメッセージ、及びハンドオーバリソース割当メッセージは、
図6に示されるS1−APの制御信号である。
【0023】
図6は、LTEネットワークに係るプロトコルスタックの一つを示す図である。S1−APの制御信号は、eNodeB_32とMME_42との間で交換される。S1−APの制御信号には「S1AP Procedure Code」が付与されている。初期UEメッセージの「S1AP Procedure Code」は「12」、初期コンテキスト設定メッセージの「S1AP Procedure Code」は「9」、パス切替要求メッセージの「S1AP Procedure Code」は「3」、UEコンテキストリリースメッセージの「S1AP Procedure Code」は「23」、ハンドオーバリソース割当メッセージの「S1AP Procedure Code」は「1」である。
【0024】
初期UEメッセージは、一のeNodeB_32と当該eNodeB_32のカバレッジ内に在る一のUE_34との関連付けの開始を示す関連付け開始メッセージとして機能する。初期コンテキスト設定メッセージは、MME_42の管理下にある一のUE_34と当該MME_42との関連付けを示す関連付け情報メッセージとして機能する。パス切替要求メッセージは、MME_42の管理下にある一のUE_34とeNodeB_32との関連付けの変更を示す関連付け変更メッセージとして機能する。パス切替要求メッセージは、当該UE_34との関連付けの変更先のeNodeB_32から送信される。UEコンテキストリリースメッセージは、一のeNodeB_32と当該eNodeB_32のカバレッジ内に在る一のUE_34との関連付けの解放を示す関連付け解放メッセージとして機能する。
【0025】
図7は、初期UEメッセージ、初期コンテキスト設定メッセージ、パス切替要求メッセージ及びUEコンテキストリリースメッセージの一連の送信順序と送信方向を示すシーケンス図である。初期UEメッセージは、eNodeB_32からMME_42へ送信される。初期コンテキスト設定メッセージは、MME_42からeNodeB_32へ送信される。パス切替要求メッセージは、eNodeB_32からMME_42へ送信される。UEコンテキストリリースメッセージは、eNodeB_32からMME_42へ送信される。なお、UEコンテキストリリースメッセージは、MME_42からeNodeB_32へ送信される場合もある。
【0026】
ハンドオーバリソース割当メッセージは、MME_42からハンドオーバ先のeNodeB_32へ送信される。ハンドオーバリソース割当メッセージは、MME_42からハンドオーバ先のeNodeB_32に対して、UE_34のハンドオーバのために、ハンドオーバ先のeNodeB_32のリソースを割当てるように通知するメッセージである。
【0027】
図8は、本実施形態に係る解析対象のメッセージの種類を示す図表である。
図8には、
S11インタフェースにおける解析対象のメッセージの種類が示される。本実施形態では、
図8に示される2種類の制御メッセージ「ベアラ変更要求メッセージ(Modify Bearer Request)」及び「ベアラ変更応答メッセージ(Modify Bearer Response)」を、S11インタフェースにおける解析対象のメッセージ(第2のメッセージ)として収集する。ベアラ変更要求メッセージ及びベアラ変更応答メッセージは、GTPv2プロトコルの制御信号である。GTPv2プロトコルの制御信号には「GTPv2 Message Type」が付与されている。ベアラ変更要求メッセージの「GTPv2 Message Type」は「34」、ベアラ変更応答メッセージの「GTPv2 Message Type」は「35」である。
【0028】
説明を
図3に戻す。
(ステップS2)メッセージ解析部12は、メッセージ収集部10により収集された制御メッセージについての解析を行い、この解析の結果としてパラメータを抽出する。ここで、本実施形態に係る抽出対象のパラメータについて以下に説明する。
【0029】
[初期UEメッセージ]
初期UEメッセージについて、以下のパラメータを抽出する。
(1)交換時刻情報
交換時刻情報は、当該初期UEメッセージがeNodeB_32とMME_42との間で交換された時刻を示す。具体的には、初期UEメッセージが格納されていたデータ・パケットのタイムスタンプ情報に基づいて、当該初期UEメッセージの交換時刻情報を取得する。
(2)TMSIパラメータ
TMSIパラメータは、初期UEメッセージから取得される。このTMSIパラメータは、当該初期UEメッセージを送信したeNodeB_32のカバレッジ内に在る一のUE_34に対して付与された一時的な識別子である。TMSIパラメータは、当該eNodeB_32を管理するMME_42の管理下に入ったUE_34に対して、該UE_34を識別するために一時的に、MME_42によって付与される。TMSIパラメータは、UE_34に固有のIMSIとは異なり、一時的な識別子であるので、実際のUE_34の特定を行うことはできない。なお、UE_34がはじめてMME_42の管理下に入った時にはまだTMSIパラメータが付与されていないので、初期UEメッセージからTMSIパラメータを取得できない。TMSIパラメータを取得できなかった初期UEメッセージについては、廃棄する。
(3)ENB−UE−S1AP−IDパラメータ
ENB−UE−S1AP−IDパラメータは、初期UEメッセージから取得される。このENB−UE−S1AP−IDパラメータは、当該初期UEメッセージのTMSIパラメータで識別されるUE_34と当該初期UEメッセージを送信したeNodeB_32との関連付けを示す基地局・端末関連付け識別情報である。
【0030】
[初期コンテキスト設定メッセージ]
初期コンテキスト設定メッセージについて、以下のパラメータを抽出する。
(1)交換時刻情報
交換時刻情報は、当該初期コンテキスト設定メッセージがeNodeB_32とMME_42との間で交換された時刻を示す。具体的には、初期コンテキスト設定メッセージが格納されていたデータ・パケットのタイムスタンプ情報に基づいて、当該初期コンテキスト設定メッセージの交換時刻情報を取得する。
(2)TMSIパラメータ
TMSIパラメータは、初期コンテキスト設定メッセージから取得される。このTMSIパラメータは、当該初期コンテキスト設定メッセージを送信したMME_42の管理下にある一のUE_34に対して付与された一時的な識別子である。
(3)MME−UE−S1AP−IDパラメータ
MME−UE−S1AP−IDパラメータは、初期コンテキスト設定メッセージから取得される。このMME−UE−S1AP−IDパラメータは、当該初期コンテキスト設定メッセージを送信したMME_42の管理下にある一のUE_34と当該MME_42との関連付けを示す端末・基地局制御装置関連付け識別情報である。
(4)ENB−UE−S1AP−IDパラメータ
ENB−UE−S1AP−IDパラメータは、初期コンテキスト設定メッセージから取得される。このENB−UE−S1AP−IDパラメータは、当該初期コンテキスト設定メッセージのMME−UE−S1AP−IDパラメータで識別される関連付けに該当するUE_34と当該初期コンテキスト設定メッセージの宛先のeNodeB_32との関連付けを示す基地局・端末関連付け識別情報である。
(5)PDUパラメータ
PDUパラメータは、初期コンテキスト設定メッセージから取得される。PDUパラメータは、同一の「S1AP Procedure Code」である制御メッセージについて、リクエストであるか又は応答であるかを識別するパラメータである。PDUパラメータの、「0」はリクエストを示すものであり、「1」は応答を示すものである。なお、初期コンテキスト設定メッセージ(リクエスト)はMME_42からeNodeB_32へ送信されるが、その応答メッセージはeNodeB_32からMME_42へ送信される。
(6)gTP_TEIDパラメータ
gTP_TEIDパラメータは、初期コンテキスト設定メッセージから取得される。このgTP_TEIDパラメータは、当該初期コンテキスト設定メッセージのTMSIパラメータが付与されたUE_34のユーザデータに使用されるトンネルに対して付与された伝送経路識別子である。
【0031】
[パス切替要求メッセージ]
パス切替要求メッセージについて、以下のパラメータを抽出する。
(1)交換時刻情報
交換時刻情報は、当該パス切替要求メッセージがeNodeB_32とMME_42との間で交換された時刻を示す。具体的には、パス切替要求メッセージが格納されていたデータ・パケットのタイムスタンプ情報に基づいて、当該パス切替要求メッセージの交換時刻情報を取得する。
(2)TMSIパラメータ
TMSIパラメータは、パス切替要求メッセージから取得される。このTMSIパラメータは、当該パス切替要求メッセージを送信したeNodeB_32のカバレッジ内に在る一のUE_34に対して付与された一時的な識別子である。
(3)MME−UE−S1AP−IDパラメータ
MME−UE−S1AP−IDパラメータは、パス切替要求メッセージから取得される。このMME−UE−S1AP−IDパラメータは、当該パス切替要求メッセージの宛先であるMME_42の管理下にある一のUE_34であって当該パス切替要求メッセージの関連付け変更に該当するUE_34と、当該MME_42との関連付けを示す端末・基地局制御装置関連付け識別情報である。
(4)ENB−UE−S1AP−IDパラメータ
ENB−UE−S1AP−IDパラメータは、パス切替要求メッセージから取得される。このENB−UE−S1AP−IDパラメータは、当該パス切替要求メッセージのMME−UE−S1AP−IDパラメータで識別される関連付けに該当するUE_34と、当該パス切替要求メッセージを送信したeNodeB_32との関連付けを示す基地局・端末関連付け識別情報である。
(5)PDUパラメータ
PDUパラメータは、パス切替要求メッセージから取得される。PDUパラメータは、同一の「S1AP Procedure Code」である制御メッセージについて、リクエストであるか又は応答であるかを識別するパラメータである。PDUパラメータの、「0」はリクエストを示すものであり、「1」は応答を示すものである。なお、パス切替要求メッセージ(リクエスト)はeNodeB_32からMME_42へ送信されるが、その応答メッセージはMME_42からeNodeB_32へ送信される。
(6)f_teid_gre_keyパラメータ
f_teid_gre_keyパラメータは、パス切替要求メッセージから取得される。このf_teid_gre_keyパラメータは、当該パス切替要求メッセージのTMSIパラメータが付与されたUE_34のユーザデータに使用されるトンネルに対して付与された伝送経路識別子である。
【0032】
[UEコンテキストリリースメッセージ]
UEコンテキストリリースメッセージについて、以下のパラメータを抽出する。
(1)交換時刻情報
交換時刻情報は、当該UEコンテキストリリースメッセージがeNodeB_32とMME_42との間で交換された時刻を示す。具体的には、UEコンテキストリリースメッセージが格納されていたデータ・パケットのタイムスタンプ情報に基づいて、当該UEコンテキストリリースメッセージの交換時刻情報を取得する。
(2)TMSIパラメータ
TMSIパラメータは、UEコンテキストリリースメッセージから取得される。このTMSIパラメータは、当該UEコンテキストリリースメッセージを送信したeNodeB_32のカバレッジ内に在る一のUE_34に対して付与された一時的な識別子である。
(3)ENB−UE−S1AP−IDパラメータ
ENB−UE−S1AP−IDパラメータは、UEコンテキストリリースメッセージから取得される。このENB−UE−S1AP−IDパラメータは、当該UEコンテキストリリースメッセージを交換したeNodeB_32と、当該eNodeB_32のカバレッジ内に在る一のUE_34との関連付けを示す基地局・端末関連付け識別情報である。
(4)MME−UE−S1AP−IDパラメータ
MME−UE−S1AP−IDパラメータは、UEコンテキストリリースメッセージから取得される。このMME−UE−S1AP−IDパラメータは、当該UEコンテキストリリースメッセージを交換したMME_42の管理下にある一のUE_34と、当該MME_42との関連付けを示す端末・基地局制御装置関連付け識別情報である。
(5)PDUパラメータ
PDUパラメータは、UEコンテキストリリースメッセージから取得される。PDUパラメータは、同一の「S1AP Procedure Code」である制御メッセージについて、リクエストであるか又は応答であるかを識別するパラメータである。PDUパラメータの、「0」はリクエストを示すものであり、「1」は応答を示すものである。なお、MME_42からeNodeB_32へ送信されたUEコンテキストリリースメッセージ(リクエスト)に対して、eNodeB_32からMME_42へ、その応答メッセージが送信される。
【0033】
[ハンドオーバリソース割当メッセージ]
ハンドオーバリソース割当メッセージについて、以下のパラメータを抽出する。
(1)交換時刻情報
交換時刻情報は、当該ハンドオーバリソース割当メッセージがeNodeB_32とMME_42との間で交換された時刻を示す。具体的には、ハンドオーバリソース割当メッセージが格納されていたデータ・パケットのタイムスタンプ情報に基づいて、当該ハンドオーバリソース割当メッセージの交換時刻情報を取得する。
(2)TMSIパラメータ
TMSIパラメータは、ハンドオーバリソース割当メッセージから取得される。このTMSIパラメータは、当該ハンドオーバリソース割当メッセージに関するハンドオーバの対象のUE_34に対して付与された一時的な識別子である。
(3)ENB−UE−S1AP−IDパラメータ
ENB−UE−S1AP−IDパラメータは、ハンドオーバリソース割当メッセージ(応答)から取得される。ハンドオーバリソース割当メッセージから取得されたENB−UE−S1AP−IDパラメータは、当該ハンドオーバリソース割当メッセージを交換したハンドオーバ先のeNodeB_32と、ハンドオーバ対象のUE_34との関連付けを示すハンドオーバ先基地局・ハンドオーバ対象端末関連付け識別情報である。
(4)MME−UE−S1AP−IDパラメータ
MME−UE−S1AP−IDパラメータは、ハンドオーバリソース割当メッセージから取得される。ハンドオーバリソース割当メッセージから取得されたMME−UE−S1AP−IDパラメータは、当該ハンドオーバリソース割当メッセージを交換したMME_42と、ハンドオーバ対象のUE_34との関連付けを示すハンドオーバ対象端末・基地局制御装置関連付け識別情報である。
(5)PDUパラメータ
PDUパラメータは、ハンドオーバリソース割当メッセージから取得される。PDUパラメータは、同一の「S1AP Procedure Code」である制御メッセージについて、リクエストであるか又は応答であるかを識別するパラメータである。PDUパラメータの、「0」はリクエストを示すものであり、「1」は応答を示すものである。なお、ハンドオーバリソース割当メッセージ(リクエスト)はMME_42からハンドオーバ先のeNodeB_32へ送信されるが、その応答メッセージはハンドオーバ先のeNodeB_32からMME_42へ送信される。
(6)gTP_TEIDパラメータ
gTP_TEIDパラメータは、ハンドオーバリソース割当メッセージから取得される。このgTP_TEIDパラメータは、当該ハンドオーバリソース割当メッセージのTMSIパラメータが付与されたUE_34のユーザデータに使用されるトンネルに対して付与された伝送経路識別子である。
【0034】
[ベアラ変更要求メッセージ]
ベアラ変更要求メッセージについて、以下のパラメータを抽出する。
(1)交換時刻情報
交換時刻情報は、当該ベアラ変更要求メッセージがMME_42とSGW_44との間で交換された時刻を示す。具体的には、ベアラ変更要求メッセージが格納されていたデータ・パケットのタイムスタンプ情報に基づいて、当該ベアラ変更要求メッセージの交換時刻情報を取得する。
(2)IMSIパラメータ
TMSIパラメータは、ベアラ変更要求メッセージから取得される。このIMSIパラメータは、当該ベアラ変更要求メッセージに関するベアラ変更の対象のUE_34に対して付与された固有の識別子である。
(3)f_teid_gre_keyパラメータ
f_teid_gre_keyパラメータは、ベアラ変更要求メッセージから取得される。このf_teid_gre_keyパラメータは、当該ベアラ変更要求メッセージのIMSIパラメータが付与されたUE_34のユーザデータに使用されるトンネルに対して付与された伝送経路識別子である。
【0035】
[ベアラ変更応答メッセージ]
ベアラ変更応答メッセージについて、以下のパラメータを抽出する。
(1)交換時刻情報
交換時刻情報は、当該ベアラ変更応答メッセージがMME_42とSGW_44との間で交換された時刻を示す。具体的には、ベアラ変更応答メッセージが格納されていたデータ・パケットのタイムスタンプ情報に基づいて、当該ベアラ変更応答メッセージ交換時刻情報を取得する。
(2)IMSIパラメータ
TMSIパラメータは、ベアラ変更応答メッセージから取得される。このIMSIパラメータは、当該ベアラ変更応答メッセージに関するベアラ変更の対象のUE_34に対して付与された固有の識別子である。
(3)f_teid_gre_keyパラメータ
f_teid_gre_keyパラメータは、ベアラ変更応答メッセージから取得される。このf_teid_gre_keyパラメータは、当該ベアラ変更応答メッセージのIMSIパラメータが付与されたUE_34のユーザデータに使用されるトンネルに対して付与された伝送経路識別子である。
【0036】
以上が本実施形態に係る抽出対象のパラメータについての説明である。
【0037】
説明を
図3に戻す。
(ステップS3)メッセージ解析部12は、ステップS2の解析の結果として得られたパラメータをパラメータ記憶部14に記録する。パラメータ記憶部14には、各パラメータが当該パラメータの取得元の制御メッセージに関連付けて記憶される。
【0038】
次に、
図4を参照して、メッセージの対応付けおよびユーザ装置状態の判定に係る動作を説明する。メッセージ分析装置1は、オペレータからの指示や所定のタイミングにより
図4の処理を開始する。例えば、毎日一回、所定の時刻に、
図4の処理を開始する。
【0039】
(ステップS11)メッセージ対応付け部16は、パラメータ記憶部14に記憶されているパラメータに基づいて、メッセージ収集部10で収集された制御メッセージとUE_34との対応付け(マッピング)を行う。この対応付けの対象の制御メッセージは、所定の期間においてメッセージ収集部10で収集されたものである。例えば、毎日一回、所定の時刻に、
図4の処理が開始される場合、前日の
図4の処理分以降にメッセージ収集部10で収集された一日分の制御メッセージが、当日の対応付けの対象となる。以下、
図9を参照して、本実施形態に係る制御メッセージとUE_34との対応付けについて説明する。
図9は、
図4に示すステップS11の処理手順を示すフローチャートである。
【0040】
(ステップS111)メッセージ対応付け部16は、対応付けの対象の制御メッセージを、各交換時刻情報により交換時刻の早い順にソートする。
【0041】
(ステップS112)メッセージ対応付け部16は、ソート後の対応付けの対象の制御メッセージのうち、S1−MMEインタフェースにおける解析対象のメッセージである初期UEメッセージ、初期コンテキスト設定メッセージ、パス切替要求メッセージ、UEコンテキストリリースメッセージ、及びハンドオーバリソース割当メッセージのみを対象にして、同一TMSIパラメータを有する制御メッセージを同一グループにグループ分けする。
【0042】
(ステップS113)メッセージ対応付け部16は、TMSIパラメータの有効期限の判定を行う。TMSIパラメータが取り得る値の範囲は限られており、通常、あるUE_34に割り当てられていたTMSIパラメータと同じ値のTMSIパラメータが時間の経過に伴って異なるUE_34に再利用される。このため、TMSIパラメータに有効期限を設け、有効期限を過ぎたTMSIパラメータを有する制御メッセージを、当該TMSIパラメータのグループから削除する。TMSIパラメータの有効期限は、予め、メッセージ分析装置1に設定される。
【0043】
メッセージ分析装置1は、TMSIパラメータのグループ毎に、TMSIパラメータの有効期限の判定を行う。具体的には、メッセージ分析装置1は、同一TMSIパラメータのグループに属する制御メッセージの交換時刻のうち最も早い交換時刻を基準とし、この基準の交換時刻からTMSIパラメータの有効期限を経過した交換時刻の制御メッセージを、当該グループから削除する。
【0044】
(ステップS114)メッセージ対応付け部16は、TMSIパラメータのグループに対して、IMSIパラメータの対応付けを行う。メッセージ対応付け部16は、TMSIパラメータのグループ毎に、IMSIパラメータの対応付けを行う。以下、IMSIパラメータの対応付けについて例を挙げて説明する。
【0045】
[IMSIパラメータの対応付けの例1]
図10は、IMSIパラメータの対応付けの例1を説明するための制御メッセージのシーケンス図である。
図10において、eNodeB_32(eNB)は、初期コンテキスト設定メッセージ(S1AP Procedure Code「9」、応答)をMME_42へ送信する。次いで、MME_42は、初期コンテキスト設定メッセージ(S1AP Procedure Code「9」、リクエスト)をeNodeB_32へ送信する。次いで、MME_42は、ベアラ変更要求メッセージ(GTPv2 Message Type「34」)をSGW_44へ送信する。次いで、SGW_44は、ベアラ変更応答メッセージ(GTPv2 Message Type「35」)をMME_42へ送信する。
【0046】
図10に示される制御メッセージシーケンスにおいて、初期コンテキスト設定メッセージ(S1AP Procedure Code「9」、応答)が有するgTP_TEIDパラメータと、ベアラ変更応答メッセージ(GTPv2 Message Type「35」)が有するf_teid_gre_keyパラメータとは、同じ値である。また、初期コンテキスト設定メッセージ(S1AP Procedure Code「9」、リクエスト)が有するgTP_TEIDパラメータと、ベアラ変更要求メッセージ(GTPv2 Message Type「34」)が有するf_teid_gre_keyパラメータとは、同じ値である。
【0047】
これにより、メッセージ対応付け部16は、同一TMSIパラメータのグループ内の初期コンテキスト設定メッセージ(S1AP Procedure Code「9」、応答)が有するgTP_TEIDパラメータと同じ値のf_teid_gre_keyパラメータを有するベアラ変更応答メッセージ(GTPv2 Message Type「35」)であって、当該初期コンテキスト設定メッセージよりも後のベアラ変更応答メッセージがある場合に、当該ベアラ変更応答メッセージが有するIMSIパラメータを当該TMSIパラメータのグループに対応付ける。又は、メッセージ対応付け部16は、同一TMSIパラメータのグループ内の初期コンテキスト設定メッセージ(S1AP Procedure Code「9」、リクエスト)が有するgTP_TEIDパラメータと同じ値のf_teid_gre_keyパラメータを有するベアラ変更要求メッセージ(GTPv2 Message Type「34」)であって、当該初期コンテキスト設定メッセージよりも後のベアラ変更要求メッセージがある場合に、当該ベアラ変更要求メッセージが有するIMSIパラメータを当該TMSIパラメータのグループに対応付ける。
【0048】
[IMSIパラメータの対応付けの例2]
図11は、IMSIパラメータの対応付けの例2を説明するための制御メッセージのシーケンス図である。
図11において、eNodeB_32(eNB)は、ハンドオーバリソース割当メッセージ(S1AP Procedure Code「1」、応答)をMME_42へ送信する。次いで、MME_42は、ハンドオーバリソース割当メッセージ(S1AP Procedure Code「1」、リクエスト)をeNodeB_32へ送信する。次いで、MME_42は、ベアラ変更要求メッセージ(GTPv2 Message Type「34」)をSGW_44へ送信する。次いで、SGW_44は、ベアラ変更応答メッセージ(GTPv2 Message Type「35」)をMME_42へ送信する。
【0049】
図11に示される制御メッセージシーケンスにおいて、ハンドオーバリソース割当メッセージ(S1AP Procedure Code「1」、応答)が有するgTP_TEIDパラメータと、ベアラ変更応答メッセージ(GTPv2 Message Type「35」)が有するf_teid_gre_keyパラメータとは、同じ値である。また、ハンドオーバリソース割当メッセージ(S1AP Procedure Code「1」、リクエスト)が有するgTP_TEIDパラメータと、ベアラ変更要求メッセージ(GTPv2 Message Type「34」)が有するf_teid_gre_keyパラメータとは、同じ値である。
【0050】
これにより、メッセージ対応付け部16は、同一TMSIパラメータのグループ内のハンドオーバリソース割当メッセージ(S1AP Procedure Code「1」、応答)が有するgTP_TEIDパラメータと同じ値のf_teid_gre_keyパラメータを有するベアラ変更応答メッセージ(GTPv2 Message Type「35」)であって、当該ハンドオーバリソース割当メッセージよりも後のベアラ変更応答メッセージがある場合に、当該ベアラ変更応答メッセージが有するIMSIパラメータを当該TMSIパラメータのグループに対応付ける。又は、メッセージ対応付け部16は、同一TMSIパラメータのグループ内のハンドオーバリソース割当メッセージ(S1AP Procedure Code「1」、リクエスト)が有するgTP_TEIDパラメータと同じ値のf_teid_gre_keyパラメータを有するベアラ変更要求メッセージ(GTPv2 Message Type「34」)であって、当該ハンドオーバリソース割当メッセージよりも後のベアラ変更要求メッセージがある場合に、当該ベアラ変更要求メッセージが有するIMSIパラメータを当該TMSIパラメータのグループに対応付ける。
【0051】
[IMSIパラメータの対応付けの例3]
図12は、IMSIパラメータの対応付けの例3を説明するための制御メッセージのシーケンス図である。
図12において、eNodeB_32(eNB)は、パス切替要求メッセージ(S1AP Procedure Code「3」、リクエスト)をMME_42へ送信する。次いで、MME_42は、ベアラ変更要求メッセージ(GTPv2 Message Type「34」)をSGW_44へ送信する。次いで、SGW_44は、ベアラ変更応答メッセージ(GTPv2 Message Type「35」)をMME_42へ送信する。次いで、MME_42は、パス切替要求メッセージ(S1AP Procedure Code「3」、応答)をeNodeB_32へ送信する。
【0052】
図12に示される制御メッセージシーケンスにおいて、パス切替要求メッセージ(S1AP Procedure Code「3」、リクエスト)が有するf_teid_gre_keyパラメータと、ベアラ変更要求メッセージ(GTPv2 Message Type「34」)が有するf_teid_gre_keyパラメータとは、同じ値である。
【0053】
これにより、メッセージ対応付け部16は、同一TMSIパラメータのグループ内のパス切替要求メッセージ(S1AP Procedure Code「3」、リクエスト)が有するf_teid_gre_keyパラメータと同じ値のf_teid_gre_keyパラメータを有するベアラ変更要求メッセージ(GTPv2 Message Type「34」)であって、当該パス切替要求メッセージよりも後のベアラ変更要求メッセージがある場合に、当該ベアラ変更要求メッセージが有するIMSIパラメータを当該TMSIパラメータのグループに対応付ける。
【0054】
以上がIMSIパラメータの対応付けの例の説明である。
【0055】
以上が
図9に係る処理の説明である。
なお、メッセージ対応付け部16は、ステップS11において、上記
図9の処理に加えてさらに、異なるTMSIパラメータのグループの各々に同じENB−UE−S1AP−IDパラメータ又は同じMME−UE−S1AP−IDパラメータを有する制御メッセージが存在する場合には、当該異なるTMSIパラメータのグループ同士を対応付けてもよい。これは、TMSIパラメータの再割り当てや再利用への対処である。TMSIパラメータはUE_34の一時的な識別子である。このため、同じUE_34に対して、異なる値のTMSIパラメータが割り当てられる可能性がある。一方、同じUE_34に対して、TMSIパラメータが変更されても、ENB−UE−S1AP−IDパラメータ及びMME−UE−S1AP−IDパラメータは変わらず同じ値である。これにより、異なるTMSIパラメータのグループの各々に、同じENB−UE−S1AP−IDパラメータ又は同じMME−UE−S1AP−IDパラメータを有する制御メッセージが存在する場合には、当該異なるTMSIパラメータは同じUE_34に一時的に付与された識別子であるので、当該異なるTMSIパラメータのグループ同士を対応付ける。
【0056】
説明を
図4に戻す。
(ステップS12,S13,S14)ユーザ装置状態管理部18は、ステップS11により対応付けされたTMSIパラメータのグループ毎に、該対応付けされたTMSIパラメータのグループ内の制御メッセージに基づいて、当該グループに対応付けされたIMSIパラメータに該当するUE_34の動作状態を判定する。以下に、以下に、UE_34の動作状態の判定方法の例1を示す。
【0057】
(UE_34の動作状態の判定方法の例1)
LTEネットワークにおいて、アクティブ状態のUE_34が一定時間Th以上の間継続して無通信状態である場合には、当該UE_34はアクティブ状態からアイドル状態へ遷移する。このことから、UE_34が一定時間Th以上の間継続して無通信状態であることを判定することにより、当該UE_34がアクティブ状態であるのか又はアイドル状態であるのかを推定する。
【0058】
ユーザ装置状態管理部18は、ステップS11により対応付けされたTMSIパラメータのグループ内の制御メッセージに基づいて、当該グループに対応付けされたIMSIパラメータに該当するUE_34の動作状態を判定する。まず、ユーザ装置状態管理部18は、ステップS11により対応付けされたTMSIパラメータのグループ内の制御メッセージのうち、交換時刻情報の交換時刻が最も早い制御メッセージと交換時刻情報の交換時刻が最も遅い制御メッセージとの各交換時刻情報に基づいて、最も早い交換時刻から最も遅い交換時刻までの経過時間Tを算出する。ユーザ装置状態管理部18は、算出した経過時間Tが所定の閾値α以上であるかを判定する(ステップS12)。閾値αは、上記一定時間Thに基づいて、予め、ユーザ装置状態管理部18に設定される。
【0059】
ユーザ装置状態管理部18は、ステップS12の判定の結果、経過時間Tが閾値α以上である場合には、当該経過時間Tの期間における当該UE_34の動作状態を「アクティブ状態」であると判定する(ステップS13)。一方、ユーザ装置状態管理部18は、ステップS12の判定の結果、経過時間Tが閾値α未満である場合には、当該経過時間Tの期間における当該UE_34の動作状態を「アイドル状態」であると判定する(ステップS14)。ユーザ装置状態管理部18は、UE_34の動作状態の判定結果を記録する。
以上がUE_34の動作状態の判定方法の例1の説明である。
【0061】
(UE_34の動作状態の判定方法の例2)
ユーザ装置状態管理部18は、ステップS11により対応付けされたTMSIパラメータのグループ毎に、当該TMSIパラメータに該当するUE_34の動作状態の判定を行う。ユーザ装置状態管理部18は、ステップS11により対応付けされたTMSIパラメータのグループ内の制御メッセージのうち、UEコンテキストリリースメッセージを選択する。但し、S1ハンドオーバに係るメッセージシーケンスで発生したUEコンテキストリリースメッセージは除外する。次いで、ユーザ装置状態管理部18は、選択されたUEコンテキストリリースメッセージの交換時刻情報の交換時刻に、当該UE_34がアクティブ状態からアイドル状態へ遷移したと判定する。なお、S1ハンドオーバとは、一台のMME_42が管理する複数のトラッキングエリアにおいて、異なるトラッキングエリア間のハンドオーバのことを指す。各トラッキングエリアには、一又は複数のeNodeB_32が配置される。
【0062】
図13は、本実施形態に係る制御メッセージの対応付けの例を示す図表である。
図13において「S1AP Procedure Code」、PDUパラメータ及び「GTPv2 Message Type」以外の各パラメータの値、並びに時刻の値は、説明の便宜上の値である。また、以下の説明では、制御メッセージの「S1AP Procedure Code」及び「GTPv2 Message Type」をカッコ内に記す。
【0063】
図13において、No.1の初期コンテキスト設定メッセージ(9)のgTP_TEIDパラメータと、No.4のベアラ変更応答メッセージ(35)のf_teid_gre_keyパラメータとは、同じ値「300」である。これにより、No.1の初期コンテキスト設定メッセージ(9)のTMSIパラメータ「A」が一時的に付与されたUE_34の固有の識別子であるIMSIパラメータは、No.4のベアラ変更応答メッセージ(35)のIMSIパラメータ「Q」である。
【0064】
また、No.5のハンドオーバリソース割当メッセージ(1)のgTP_TEIDパラメータと、No.8のベアラ変更応答メッセージ(35)のf_teid_gre_keyパラメータとは、同じ値「310」である。これにより、No.5のハンドオーバリソース割当メッセージ(1)のTMSIパラメータ「B」が一時的に付与されたUE_34の固有の識別子であるIMSIパラメータは、No.8のベアラ変更応答メッセージ(35)のIMSIパラメータ「Q」である。
【0065】
また、No.9のパス切替要求メッセージ(3)のf_teid_gre_keyパラメータと、No.10のベアラ変更要求メッセージ(34)が有するf_teid_gre_keyパラメータとは、同じ値「320」である。これにより、No.9のパス切替要求メッセージ(3)のTMSIパラメータ「C」が一時的に付与されたUE_34の固有の識別子であるIMSIパラメータは、No.10のベアラ変更要求メッセージ(34)のIMSIパラメータ「Q」である。
【0066】
上記
図13において、各TMSIパラメータ「A」、「B」、「C」に対応付けされるIMSIパラメータは全て「Q」である。したがって、TMSIパラメータ「A」、「B」、「C」は全て同一UE_34に対して一時的に付与された識別子である。これにより、各TMSIパラメータ「A」、「B」、「C」を有する制御メッセージは、IMSIパラメータ「Q」が付与された同一UE_34に関する制御メッセージとして、当該UE_34の動作状態の判定に使用される。
【0067】
上述した実施形態によれば、S1−MMEインタフェースを流れるデータ・パケットを捕捉し、捕捉されたデータ・パケットから収集された特定の複数種類の制御メッセージをTMSIパラメータに基づいてグループ分けする。これにより、eNodeB_32とMME_42との間で交換される制御メッセージとUE_34との対応付け範囲の拡大を図ることができる。また、TMSIパラメータのグループ内の制御メッセージに基づいて、当該TMSIパラメータに該当するUE_34の動作状態を判定することができる。
【0068】
また、上述した実施形態によれば、S11インタフェースを流れるデータ・パケットを捕捉し、捕捉されたデータ・パケットから収集された特定の種類の制御メッセージに含まれるIMSIパラメータを、S1−MMEインタフェースの制御メッセージとS11インタフェースの制御メッセージとに共通に含まれるトンネル識別子(伝送経路識別子)に基づいてTMSIパラメータのグループに対応付ける。これにより、IMSIパラメータに対応付けされたTMSIパラメータのグループ内の制御メッセージに基づいて、当該IMSIパラメータで特定されるUE_34の動作状態を判定することができる。
【0069】
また、上述した実施形態によれば、TMSIパラメータの有効期限の判定を行い、有効期限切れのTMSIパラメータを有する制御メッセージを、当該TMSIパラメータのグループから削除する。これにより、有効期限切れのTMSIパラメータを有する制御メッセージは、当該TMSIパラメータに該当するUE_34の動作状態の判定に使用されないので、TMSIパラメータの再利用によるUE_34の動作状態の誤判定を防止できる。
【0070】
また、異なるTMSIパラメータのグループの各々に同じENB−UE−S1AP−IDパラメータ又は同じMME−UE−S1AP−IDパラメータを有する制御メッセージが存在する場合には、当該異なるTMSIパラメータのグループ同士を対応付けることにより、同じUE_34に対して異なる値のTMSIパラメータが割り当てられた場合にも、当該異なるTMSIパラメータのグループ内の制御メッセージに基づいて、同じUE_34の動作状態を判定することができる。これは、TMSIパラメータの再割り当てや再利用への対処の一つとして有効である。
【0071】
また、本実施形態によれば、UE_34がアクティブ状態であるか又はアイドル状態であるのかを把握し、UE_34の状態を管理することによって、例えば、アイドル状態であるUE_34の比率を算出することができる。
【0072】
また、特定の複数種類の制御メッセージの対応付けの結果が通常とは異なるシーケンスを示すことを判定することによって、例えば端末ソフトウェアのバグのために異常なシーケンスを示すUE_34を検出することができる。
【0073】
以上、本発明の実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等も含まれる。
【0074】
例えば、上述した実施形態ではLTEネットワークに適用したが、他の無線通信ネットワークに適用してもよい。
【0075】
また、上述したメッセージ分析装置1の機能を実現するためのコンピュータプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行するようにしてもよい。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものであってもよい。
また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、フラッシュメモリ等の書き込み可能な不揮発性メモリ、DVD(Digital Versatile Disk)等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。
【0076】
さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムが送信された場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリ(例えばDRAM(Dynamic Random Access Memory))のように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。
また、上記プログラムは、このプログラムを記憶装置等に格納したコンピュータシステムから、伝送媒体を介して、あるいは、伝送媒体中の伝送波により他のコンピュータシステムに伝送されてもよい。ここで、プログラムを伝送する「伝送媒体」は、インターネット等のネットワーク(通信網)や電話回線等の通信回線(通信線)のように情報を伝送する機能を有する媒体のことをいう。
また、上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良い。さらに、前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であっても良い。