(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記ヘッドユニットは、同種のL個(Lは2以上の整数)の前記リード部品を前記部品供給部からピックアップした後に前記基板へ移動して、前記L個のリード部品のそれぞれを互いに異なる前記取付箇所に取り付ける実装ターンを実行可能であり、
前記制御部は、前記実装ターンで前記L個のリード部品を取り付ける前記取付箇所を前記複数の取付箇所のうちから探索した結果に基づき、前記実装ターンで前記リード部品を取り付ける前記取付箇所を選択する請求項1に記載の部品実装機。
前記制御部は、前記L個のリード部品と前記L個の取付箇所とを一対一で対応付ける互いに異なる複数通りの対応パターンのそれぞれについて対応関係にある前記リード部品の前記リードと前記取付箇所の前記孔との位置関係を比較した結果に基づき、前記複数の対応パターンから一の対応パターンを選択し、前記実装ターンで前記リード部品を取り付ける前記取付箇所を前記一の対応パターンが示す対応関係に従って決定する請求項3に記載の部品実装機。
前記制御部は、前記リード部品を前記取付箇所に取り付けるために前記リード部品の前記複数のリードの位置が前記取付箇所の前記複数の孔の位置に対して満たすべき所定の取付基準を有し、前記L個のリード部品のそれぞれについて前記取付基準を満たす前記取付箇所を、前記取付手順が規定する前記L個の取付箇所のうちから探索する請求項3または4に記載の部品実装機。
前記制御部は、前記L個のリード部品のうちの一のリード部品について前記取付基準を満たす前記取付箇所を前記取付手順が規定する前記L個の取付箇所のうちから発見できないと判断すると、前記ヘッドユニットに前記一のリード部品の前記基板への取り付けを中止させて、所定の退避エリアに前記一のリード部品を載置させる請求項5に記載の部品実装機。
前記制御部は、前記L個のリード部品のうちの一のリード部品について前記取付基準を満たす前記取付箇所を前記取付手順が規定する前記L個の取付箇所のうちから発見できないと判断すると、前記取付手順が規定する前記L個の取付箇所とは異なる前記取付箇所のうちから前記一のリード部品について前記取付基準を満たす前記取付箇所を探索する請求項5に記載の部品実装機。
前記制御部は、前記リード部品の前記複数のリードの位置に対する回帰直線と前記複数のリードそれぞれの位置とのずれを求めるとともに、前記取付箇所の前記複数の孔の位置に対する回帰直線と前記複数の孔それぞれの位置とのずれを求め、前記リードについて求めたずれと前記リードの挿入先の候補となる前記孔について求めたずれとの差に基づいて、前記ヘッドユニットが保持する前記リード部品の前記取付箇所を選択する請求項1ないし7のいずれか一項に記載の部品実装機。
前記制御部は、前記リード部品について求めた回帰直線と、前記取付箇所について求めた回帰直線とが成す角度に基づいて、前記ヘッドユニットが前記リード部品を前記取付箇所に取り付ける際の前記リード部品の回転角度を調整する請求項8に記載の部品実装機。
リード部品が有する複数のリードの位置と、基板に設けられた取付箇所が有する複数の孔の位置とを比較した結果に基づき、前記基板に設けられた複数の前記取付箇所から前記リード部品を取り付ける前記取付箇所を選択する工程と、
選択した前記取付箇所に前記リード部品を取り付ける工程と
を備える部品実装方法。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
つまり、リード部品を取付箇所に取り付けるにあたっては、リード部品が有する複数のリードと挿入箇所の複数の孔との位置関係が重要となる。そこで、特許文献1、2では、リード部品のリードの位置と、当該リード部品を取り付ける取付箇所の孔の位置とを取得した結果に基づき、長いリードから順に孔への位置合わせを行ったり、リード部品を搖動したりする。
【0007】
ところで、リード部品のリードの位置のみならず、取付箇所が有する複数の孔の位置も、基板の製造精度等に起因して誤差を有する。そのため、複数の取付箇所が設けられた基板では、取付箇所によって複数の孔の配列が異なり得る。その結果、取付箇所での複数の孔の配列がリード部品の複数のリードの配列から大きくずれており、特許文献1、2に記載の技術を用いたとしても、リード部品を取付箇所に適切に取り付けられない場合があった。
【0008】
この発明は上記課題に鑑みなされたものであり、複数の取付箇所が設けられた基板に対するリード部品の適切な取り付けを実現するのに適した技術の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
この発明にかかる部品実装機は、上記目的を達成するために、リード部品を供給する部品供給部と、複数の取付箇所が設けられた基板を支持する基板支持部と、部品供給部からピックアップしたリード部品を基板支持部に支持された基板の取付箇所に取り付けるヘッドユニットと、ヘッドユニットがピックアップしたリード部品を取り付ける取付箇所を複数の取付箇所のうちから選択する制御部とを備え、制御部は、ヘッドユニットがピックアップしたリード部品が有する複数のリードの位置と、取付箇所が有する複数の孔の位置との比較に基づき取付箇所を選択し、ヘッドユニットは、ピックアップしたリード部品の複数のリードを、制御部が選択した取付箇所の複数の孔に挿入する。
【0010】
この発明にかかる部品実装方法は、上記目的を達成するために、リード部品が有する複数のリードの位置と、基板に設けられた取付箇所が有する複数の孔の位置とを比較した結果に基づき、基板に設けられた複数の取付箇所からリード部品を取り付ける取付箇所を選択する工程と、選択した取付箇所にリード部品を取り付ける工程とを備える。
【0011】
このように構成された発明(部品実装機、部品実装方法)では、複数の取付箇所が基板に設けられており、取付箇所が有する複数の孔の配列が取付箇所によって異なり得る。そのため、リード部品が有する複数のリードの位置に対する複数の孔の位置の適合の程度が取付箇所によって異なり得る。そこで、この発明は、リード部品が有する複数のリードの位置と、取付箇所が有する複数の孔の位置とを比較した結果に基づき、複数の取付箇所からリード部品を取り付ける取付箇所を選択する。そのため、リード部品の複数のリードの位置に対して複数の孔の位置が比較的適合した取付箇所を複数の取付箇所から選択して、リード部品を取り付けることが可能となる。こうして、リード部品の適切な取り付けの実現が図られている。
【0012】
また、ヘッドユニットは、同種のL個(Lは2以上の整数)のリード部品を部品供給部からピックアップした後に基板へ移動して、L個のリード部品のそれぞれを互いに異なる取付箇所に取り付ける実装ターンを実行可能であり、制御部は、実装ターンでL個のリード部品を取り付ける取付箇所を複数の取付箇所のうちから探索した結果に基づき、実装ターンでリード部品を取り付ける取付箇所を選択するように、部品実装機を構成しても良い。これによって、実装ターンでピックアップしたリード部品を、リードの位置に対して孔の位置が比較的適合した取付箇所に取り付けることが可能となる。その結果、実装ターンにおけるリード部品の適切な取り付けの実現が図られている。
【0013】
また、実装ターンでL個のリード部品を取り付けるL個の取付箇所を複数の取付箇所のうちから予め規定した取付手順を記憶する記憶部をさらに備え、制御部は、ヘッドユニットが保持するリード部品の複数のリードの位置と、取付手順が規定する取付箇所の複数の孔の位置との比較に基づき、実装ターンにおいてヘッドユニットが保持するL個のリード部品のそれぞれを取り付ける取付箇所を取付手順が規定するL個の取付箇所のうちから探索するように、部品実装機を構成しても良い。かかる構成では、実装ターンでヘッドユニットが保持する各リード部品の取り付けに比較的適した取付箇所を、取付手順が規定するL個の取付箇所から探索できる。その結果、実装ターンにおけるリード部品の適切な取り付けの実現が図られている。
【0014】
具体的には、制御部は、L個のリード部品とL個の取付箇所とを一対一で対応付ける互いに異なる複数通りの対応パターンのそれぞれについて対応関係にあるリード部品のリードと取付箇所の孔との位置関係を比較した結果に基づき、複数の対応パターンから一の対応パターンを選択し、実装ターンでリード部品を取り付ける取付箇所を一の対応パターンが示す対応関係に従って決定するように、部品実装機を構成しても良い。
【0015】
また、制御部は、リード部品を取付箇所に取り付けるためにリード部品の複数のリードの位置が取付箇所の複数の孔の位置に対して満たすべき所定の取付基準を有し、L個のリード部品のそれぞれについて取付基準を満たす取付箇所を、取付手順が規定するL個の取付箇所のうちから探索するように、部品実装機を構成しても良い。かかる構成では、実装ターンにおいてリード部品を所定の取付基準を満たす取付箇所に取り付けることができ、実装ターンにおけるリード部品の適切な取り付けの実現が図られている。
【0016】
また、制御部は、L個のリード部品のうちの一のリード部品について取付基準を満たす取付箇所を取付手順が規定するL個の取付箇所のうちから発見できないと判断すると、ヘッドユニットに一のリード部品の基板への取り付けを中止させて、所定の退避エリアに一のリード部品を載置させるように、部品実装機を構成しても良い。かかる構成では、所定の取付基準を満たさない取付箇所へはリード部品の取り付けが実行されないため、リード部品の取り付けの失敗を抑制できる。
【0017】
また、制御部は、L個のリード部品のうちの一のリード部品について取付基準を満たす取付箇所を取付手順が規定するL個の取付箇所のうちから発見できないと判断すると、取付手順が規定するL個の取付箇所とは異なる取付箇所のうちから一のリード部品について取付基準を満たす取付箇所を探索するように、部品実装機を構成しても良い。かかる構成では、所定の取付基準を満たす取付箇所を、取付手順が規定するL個の取付箇所のうちから発見できなかった場合は、探索範囲を変更して探索を行う。したがって、所定の取付基準を満たす取付箇所を確実に発見して、当該取付箇所にリード部品を適切に取り付けることができる。これによって、実装ターンにおけるL個のリード部品の適切な取り付けの実現が図られている。
【0018】
また、制御部は、リード部品の複数のリードの位置に対する回帰直線と複数のリードそれぞれの位置とのずれを求めるとともに、取付箇所の複数の孔の位置に対する回帰直線と複数の孔それぞれの位置とのずれを求め、リードについて求めたずれとリードの挿入先の候補となる孔について求めたずれとの差に基づいて、ヘッドユニットが保持するリード部品の取付箇所を選択するように、部品実装機を構成しても良い。かかる構成により、リード部品の複数のリードの位置に対して複数の孔の位置が比較的適合した取付箇所を的確に選択することができる。
【0019】
また、制御部は、リード部品について求めた回帰直線と、取付箇所について求めた回帰直線とが成す角度に基づいて、ヘッドユニットがリード部品を取付箇所に取り付ける際のリード部品の回転角度を調整するように、部品実装機を構成しても良い。かかる構成では、取付箇所の選択のために求めた回帰直線を、取付箇所に取り付ける際のリード部品の回転角度の調整にも有効活用することができ、合理的である。
【発明の効果】
【0020】
複数の取付箇所が設けられた基板に対するリード部品の適切な取り付けの実現が図られている。
【発明を実施するための形態】
【0022】
図1は本発明にかかる部品実装機の一例を模式的に示す平面図である。
図2は
図1に示す部品実装機の部分正面図である。
図3は
図1に示す部品実装機の主要な電気的構成を示すブロック図である。以下の説明では、互いに直交する基板搬送方向X、幅方向Yおよび鉛直方向Zを適宜示すこととする。部品実装機1は、基板搬送方向Xの一方側(
図1の右側)から搬入された基板10に電子部品を実装して、部品実装済みの基板10を基板搬送方向Xの他方側(
図1の左側)へ搬出する。部品実装機1は、リード部品およびチップ部品の両方を基板10に実装可能であるが、以下では、リード部品のリードを基板10に設けられた取付箇所の挿入孔に挿入することで、リード部品を取付箇所に取り付ける構成を中心に説明を行うこととする。
【0023】
図3に示すように、部品実装機1は装置各部を制御する制御ユニット100を備える。制御ユニット100は、CPU(Central Processing Unit)およびメモリーで構成されたコンピューターである主制御部110、HDD(hard disk drive)で構成された記憶部120、駆動制御部130、把持制御部140および画像処理部150を備える。そして、主制御部110が記憶部120に記憶された生産プログラム121に従って各機能部130、140、150を動作させることで、生産プログラム121に規定される手順で部品を基板10へ実装する。
【0024】
図1および
図2に示すように、部品実装機1は、矩形状の基台11と、基台11の上に設けられた基板搬送機構2とを有する。基板搬送機構2は、基台11上において
図1の右側から左側へ基板搬送方向Xに沿って基板10を搬送する一対のコンベア21、21と、基板Sを保持する基板保持手段23とを有する。この基板搬送機構2は、駆動制御部130からの指令に応じて基板10の搬送を実行する。具体的には、基板搬送機構2は、各コンベア21により基板10を装置外部から所定の作業位置10a(
図1の基板10の位置)まで搬送して、基板保持手段23により基板10を作業位置10aに保持する。これによって、基板10は作業位置10aにおいて水平に保持される。そして、作業位置10aで保持された基板10への部品の実装が完了すると、基板搬送機構2は、各コンベア21により基板10を作業位置10aから装置外部へ搬出する。
【0025】
基板搬送機構2の幅方向Yの両側それぞれには、2個の部品供給部3が基板搬送方向X方向に間隔を空けて並ぶ。各部品供給部14は、X方向に並ぶ複数のフィーダー31で構成されて、各フィーダー31がその先端の部品供給位置31aに部品を供給する。これによって、ヘッドユニット4が部品供給位置31aから部品をピックアップして、作業位置10aの基板10に実装できる。
【0026】
ヘッドユニット4は、基板搬送方向Xに等ピッチで並ぶ4本の実装ヘッド41を有する。各実装ヘッド41はその先端で部品供給位置31aから部品をピックアップすることができる。ここで、
図4は実装ヘッドの先端部の部分拡大図であり、同図の「把持」の欄は部品を把持した状態での実装ヘッドの先端を示し、同図の「解放」の欄は部品を解放した状態での実装ヘッドの先端を示す。実装ヘッド41の先端部では、基板搬送方向Xに接離可能な一対の爪411、411が下方に突出するとともに、これらの爪411を離間方向へ付勢する圧縮バネ412が収容されている。
【0027】
実装ヘッド41の先端部の内部は圧力切換機構413(
図3)に連通しており、把持制御部140が圧力切換機構413により実装ヘッド41の先端部に負圧を与えると、2個の爪411が圧縮バネ412の弾性力に抗して相互に近づく(
図4の「把持」の欄)。この状態において、実装ヘッド41は2個の爪411の間に部品を把持して、部品供給位置31aからピックアップできる。一方、把持制御部140が圧力切換機構413により実装ヘッド41の先端部に正圧を与えると、2個の爪411が圧縮バネ412の弾性力を受けて相互に離れる(
図4の「解放」の欄)。この状態において、実装ヘッド41は2個の爪411の間で把持していた部品を放して、基板10に実装できる。この際、実装ヘッド41の先端部に与えられた正圧によって生じる気流により、部品は瞬時に爪411から離れて基板10に移動する。
【0028】
図1〜
図3に戻って説明を続ける。各実装ヘッド41に対しては、図略の動力伝達機構を介してZ軸サーボモーター5zおよびR軸サーボモーター5rが接続されている。つまり、実装ヘッド41は、Z軸サーボモーター5zからの駆動力を受けて鉛直方向Zへ移動する。したがって、駆動制御部130は、Z軸サーボモーター5zを制御することで、部品のピックアップあるいは実装を行うときの高さ(下降端)と、部品の搬送を行うときの高さ(上昇端)との間で実装ヘッド41の爪411を昇降させることができる。また、実装ヘッド41はR軸サーボモーター5rからの駆動力を受けてその中心軸周りに回転する。したがって、駆動制御部130は、R軸サーボモーター5rを制御することで、実装ヘッド41が把持する部品の回転角度を調整することができる。
【0029】
また、部品実装機1は、実装ヘッド41を保持するヘッドユニット4を、鉛直方向Zに直交する水平面内(基板搬送方向Xおよび幅方向Yに平行な面内)で二次元的に移動させるヘッド移動機構6を備える。このヘッド移動機構6は基板搬送方向Xに延びる可動ビーム61を有し、可動ビーム61がヘッドユニット4を基板搬送方向Xに沿って移動可能に支持する。可動ビーム61の基板搬送方向Xの一端にはX軸サーボモーター5xが取り付けられている。そして、ヘッドユニット4は、基板搬送方向Xに延びるボールネジ62を介してX軸サーボモーター5xに接続されており、X軸サーボモーター5xからの駆動力を受けて基板搬送方向Xに移動する。したがって、駆動制御部130はX軸サーボモーター5xを制御することで、基板搬送方向Xにおける各実装ヘッド41の位置を調整することができる。
【0030】
また、ヘッド移動機構6は幅方向Yに延びる2本の固定レール63を有し、これら固定レール63が可動ビーム61を幅方向Yに沿って移動可能に支持する。一方の固定レール63の幅方向Yの一端にはY軸サーボモーター5yが取り付けられている。そして、可動ビーム61は、幅方向Yに延びるボールネジ64を介してY軸サーボモーター5yに接続されており、Y軸サーボモーター5yからの駆動力を受けて幅方向Yに移動する。したがって、駆動制御部130はY軸サーボモーター5yを制御することで、幅方向Yにおける各実装ヘッド41の位置を調整することができる。
【0031】
さらに、部品実装機1は、基板搬送機構2の幅方向Yの両側それぞれにおいて、部品供給部3の間に配置された部品認識カメラ7を有する。部品認識カメラ7は上方を向いて基台11上に配置され、各実装ヘッド41が把持する部品を下方から撮像する。したがって、画像処理部150は部品認識カメラ7の撮像結果に基づき、各実装ヘッド41による部品の把持状態を把握することができる。
【0032】
かかる部品実装機1では、ヘッドユニット4が部品供給部3から作業位置10aの基板10へ移動する実装ターンを繰り返すことで、部品供給部3により供給された部品を基板10に実装する。
図5は実装ターンでの動作の一例を示すフローチャートである。
図5のフローチャートは、主制御部110が生産プログラム121に従って各機能部130、140、150を制御することにより実行される。
【0033】
ステップS101では、主制御部110は、当該実装ターンで基板10に実装すべきリード部品8(
図6)をヘッドユニット4にピックアップさせる。つまり、主制御部110の指令に従って、ヘッドユニット4は部品供給部3の上方に移動して、部品供給位置31aから各実装ヘッド41によりリード部品8をピックアップする。ステップS102では、主制御部110は、部品認識カメラ7の上方をヘッドユニット4に通過させて、各実装ヘッド41が把持するリード部品8を認識する(
図6)。
【0034】
図6は部品認識カメラによる部品の認識動作を模式的に示す図である。同図の例では、基板搬送方向Xに並ぶ複数(3本)のリード81を有する同種のリード部品8を各実装ヘッド41によりピックアップした場合が示されている。同図に示すように、ヘッドユニット4は部品認識カメラ7の上方を基板搬送方向Xに通過する。一方、部品認識カメラ7は、各実装ヘッド41が把持するリード部品8を下方から順次撮像する。こうして、底面視における各リード部品8の撮像画像が取得される。画像処理部150は撮像画像を分析することで、上方からの平面視における各リード部品8のリード81の先端(下端)の位置(X座標、Y座標)を求めて、リードデータ122として記憶部120に記憶する。こうして、ステップS102でのリードの位置の認識が完了する。
【0035】
ステップS103では、ステップS101でピックアップした各リード部品8の取付箇所を、基板10に設けられて複数の取付箇所から決定する。ここで、これら複数の取付箇所は同種の部品8を取り付け可能であるものとする。かかる決定は、詳細は後述するが、記憶部120に記憶されたリードデータ122と挿入孔データ123との比較によって実行される。ここで、挿入孔データ123は、上方からの平面視における取付箇所の各挿入孔の位置(X座標、Y座標)を示すデータであり、予め記憶部120に記憶されている。
【0036】
この挿入孔データ123の取得方法は種々考えられる。具体的には、例えば部品実装機1より前の工程の装置(基板検査機、半田印刷機あるいは他の部品実装機等)が基板認識カメラ等を用いて認識した結果に基づき求めた挿入孔データ123を記憶部120に記憶しても良い。基板10の納入業者が基板10の納入前に取付箇所の各挿入孔の位置を計測して求めた挿入孔データ123を記憶部120に記憶しても良い。あるいは、部品実装機1が図略の基板認識カメラ等を用いて認識した結果に基づき求めた挿入孔データ123を記憶部120に記憶しても良い。
【0037】
ステップS104では、主制御部110は、各実装ヘッド41が把持するリード部品8を、ステップS103で決定された対応する取付箇所に取り付ける。以上のステップS101〜S104が実装ターンで実行される動作の概略である。
【0038】
ところで、上述のように、
図5の実装ターンは生産プログラム121に基づき実行される。つまり、生産プログラム121には、当該実装ターンでピックアップすべき4個のリード部品8a〜8dと、これらを取り付けるべき4個の取付箇所9a〜9dとを一対一で対応付けた対応パターンが規定されている(
図7)。
【0039】
図7は生産プログラムが示す部品と取付箇所との対応パターンの一例を模式的に示す図である。同図は、リード部品8のリード81の先端および取付箇所9の挿入孔91のそれぞれの位置を、上方からの平面視において示す。なお、同図では各部品に異なる符号8a〜8dが付されているが、各部品を区別しない場合は共通の符号8を適宜用いる。また、各取付箇所に異なる符号取付箇所9a〜9dが付されているが、各取付箇所を区別しない場合は共通の符号9を適宜用いる。
【0040】
生産プログラム121は、各実装ヘッド41がピックアップした4個のリード部品8a〜8dのそれぞれを、基板10の4個の取付箇所9a〜9dに一対一で対応付けている。特に
図7の例では、リード部品8dにおける3個のリード81の配列は、当該リード部品8dの取付先に規定された取付箇所9dにおける3個の挿入孔91の配列と一致している。したがって、生産プログラム121の規定通り、リード部品8dの各リード81を取付箇所9dの対応する挿入孔91に円滑に挿入して、リード部品8dを取付箇所9dに適切に取り付けることができる。
【0041】
一方、リード部品8aにおける3個のリード81の配列は、当該リード部品8aの取付先に規定された取付箇所9aにおける3個の挿入孔91の配列と一致しない。したがって、リード部品8aの各リード81を取付箇所9aの対応する挿入孔91に円滑に挿入できず、リード部品8aを取付箇所9aに適切に取り付けられない可能性が有る。また、リード部品8bと取付箇所9bとの組み合わせ、およびリード部品8cおよび取付箇所9cとの組み合わせについても同様である。
【0042】
ただし、リード81の配列と挿入孔91の配列との関係において、リード部品8aは取付箇所9bと比較的一致し、リード部品8bは取付箇所9cと比較的一致し、リード部品8cは取付箇所9aと比較一致している。このように、生産プログラム121が規定する組み合わせに従ってリード部品8a〜8dを取付箇所9a〜9dに取り付けることが必ずしも適切とは限らず、他の組み合わせの方が適切である可能性がある。そこで、上記のステップS103では、ヘッドユニット4がピックアップした4個のリード部品8a〜8dのそれぞれを、当該実装ターンでの取付箇所9として生産プログラム121が規定する4個の取付箇所9a〜9うちのいずれに取り付けるかを決定する。具体的には次の通りである。
【0043】
図8は
図5のフローチャートで実行される部品の取付箇所の決定の第1例を示すフローチャートである。ステップS201では、4個のリード部品8a〜8dと4個の取付箇所9a〜9dとを一対一で対応付ける、互いに異なる複数通りの対応パターンを生成する。これら対応パターンのパターンには、生産プログラム121で規定される
図7の対応パターンも含まれる。続いて、複数の対応パターンを識別するための識別番号Mをゼロにリセットし(ステップS202)、識別番号Mをインクリメントする(ステップS203)。
【0044】
さらに、M番目の対応パターンに規定されるリード部品8と取付箇所9との4つの組み合わせ(
図7の例では、リード部品8aと取付箇所9aとの組み合わせ、リード部品8bと取付箇所9bとの組み合わせ、…)を識別する識別番号Nをゼロにリセットし(ステップS204)、識別番号Nをインクリメントする(ステップS205)。そして、ステップS205では、M番目の対応パターンにおけるN番目の組み合わせで対応付けられたリード部品8と取付箇所9との適合度を算出する。この適合度は、リード部品8の各リード81の理想位置からの位置ずれ、および取付箇所9の各挿入孔91の理想位置からの位置ずれをそれぞれ評価した結果から算出される。
【0045】
図9は理想位置からの位置ずれを評価する方法の一例を模式的に示す図である。同図では、上方からの平面視における評価対象の位置を示す。詳しくは、「理想位置」の欄は評価対象の理想位置I1〜I3を示し、「実測位置」の欄は評価対象の実測位置R1〜R3を示し、「位置ずれ評価」の欄は評価対象の理想位置I1〜I3と実測位置R1〜R3の位置ずれを示す。なお、リード部品8のリード81の位置ずれの評価方法と、取付箇所9の挿入孔91の位置ずれの評価方法とは共通する。そこで、
図9では評価対象がリード81および挿入孔91のいずれであるかを区別せずに、評価対象の理想位置を符号I1〜I3で表し、評価対象の実測位置を符号R1〜R3で表す。つまり、リード部品8の各リード81の位置ずれを評価する場合は、3本のリード81の先端の理想位置が理想位置I1〜I3となり、リードデータ122に示される3本のリード81の実測位置が実測位置R1〜R3となる。また、挿入孔91の位置ずれを評価する場合は、3個の挿入孔91の理想位置が理想位置I1〜I3となり、挿入孔データ123に示される3個の挿入孔91の実測位置が実測位置R1〜R3となる。
【0046】
同図の「位置ずれ評価」の欄に示すように、主制御部110は、実測位置R1〜R3の回帰直線CRを最小二乗法によって算出し、実測位置R1〜R3の回帰直線CRに理想位置I1〜I3を重ね合せる。この重ね合わせは、実測位置R1〜R3の幾何重心と理想位置I1〜I3の幾何重心とが一致するように実行される。そして、対応関係にある実測位置と理想位置との位置ずれ量を求める。具体的には、実測位置R1と理想位置I1とのペアP1について、基板搬送方向Xへの位置ずれ量dxと、幅方向Yへの位置ずれ量dyとを求める。ここで、位置ずれ量dxは実測位置R1のx座標から理想位置I1のx座標を引くことで求まり、位置ずれ量dyは実測位置R1のy座標から理想位置I1のy座標を引くことで求まる。同様に、実測位置R2と理想位置I2のペアP2、および実測位置R3と理想位置I3のペアP3についても位置ずれ量dx、dyが求められる。
【0047】
図10は部品のリードについて位置ずれを評価した結果を表として示す図である。
図11は取付箇所の挿入孔について位置ずれを評価した結果を表として示す図である。これらの表において、互いに対応関係にあるリード81と挿入孔91には、同一のペア符号(P1〜P3)を付している。換言すれば、ペア符号P1〜P3のうち同じペア符号が付されたリード81と挿入孔91とは対応関係にあり、リード81はそれと同じペア符号が付された挿入孔91に挿入される。また、リード81と挿入孔91との間で位置ずれdx、dyを区別するために、リード81については位置ずれdx1、dy1と表し、挿入孔91については位置ずれdx2、dy2と表す。
【0048】
そして、互いに対向関係にあるリード81と挿入孔91について、基板搬送方向Xにおける位置ずれ(=dx1−dx2)を求めるとともに、幅方向Yにおける位置ずれ(=dy1−dy2)を求める。さらに、これらについて、次式で与えられる二乗和平方根を算出する。
【0050】
図12は対応関係にあるリードと挿入孔からなる各ペアについて二乗和平方根を算出した結果を表として示す図である。こうして求められた二乗和平方根を位置ずれ評価値として、互いに対応関係にあるリード81と挿入孔91との位置ずれを評価する。同図の例では、ペアP3で対応付けられるリード81と挿入孔91との位置ずれ評価値(二乗和平方根)がワースト、すなわち最大(=0.22)となっている。したがって、M番目の対応パターンにおけるN番目の組み合わせに応じてリード部品8を取付箇所9に取り付けるにあたっては、ペアP3のリード81を当該ペアP3の挿入孔91に挿入するのが最も難しい。そこで、このワーストの位置ずれ評価値(=0.22)を、M番目の対応パターンにおけるN番目の組み合わせで対応付けられたリード部品8と取付箇所9との適合度とする(ステップS206)。
【0051】
そして、
図8に示すように、リード部品8と取付箇所9との組み合わせの識別番号NがNmax(=4)を超えるまで(すなわち、ステップS207で「NO」となるまで)、ステップS205〜S206を繰り返す。これによって、M番目の対応パターンで対応付けられたリード部品8と取付箇所9との4つの組み合わせの全てについて適合度が算出される。さらに、ステップS208では、これら4つの適合度のうちワーストの適合度を、M番目の対応パターンにおけるリード部品8と取付箇所9との適合度を表す代表適合度として求める。つまり、M番目の対応パターンで規定されるリード部品8と取付箇所9との組み合わせのうち、リード部品8の取付箇所9への取り付けが最も難しい組み合わせの適合度を、当該代表適合度とする。
【0052】
そして、
図8に示すように、4個のリード部品8a〜8dと4個の取付箇所9a〜9dとを一対一で対応付ける対応パターンの識別番号MがMmaxを超えるまで(すなわち、ステップS209で「NO」となるまで)、ステップS203〜S208を繰り返す。これによって、Mmax通りの対応パターンの全てについて代表適合度が算出される。ステップS210では、Mmax通りの対応パターンのうち、代表適合度がベストの対応パターン(ベスト対応パターン)に従いリード部品8を取付箇所9に取り付けると決定する。つまり、4個のリード部品8a〜8dを、取付箇所9a〜9dのうち当該ベスト対応パターンがそれぞれに対応付ける取付箇所9に取り付けると決定する。こうして、
図8のフローチャートを終了する。
【0053】
以上に説明したように実施形態の第1例では、複数の取付箇所9が基板10に設けられており、取付箇所9が有する複数の挿入孔91の配列が取付箇所9によって異なり得る。そのため、リード部品8が有する複数のリード81の位置に対する複数の挿入孔91の位置の適合度が取付箇所9によって異なり得る。そこで、リード部品8が有する複数のリード81の位置と、取付箇所9が有する複数の挿入孔91の位置とを比較した結果に基づき、複数の取付箇所9からリード部品8を取り付ける取付箇所9を選択する。そのため、リード部品8の複数のリード81の位置に対して複数の挿入孔91の位置が比較的適合した取付箇所9を複数の取付箇所9から選択して、リード部品8を取り付けることが可能となる。こうして、リード部品8の適切な取り付けの実現が図られている。
【0054】
また、ヘッドユニットは、同種の4個のリード81を部品供給部3からピックアップした後に基板10へ移動して、4個のリード81のそれぞれを互いに異なる取付箇所9に取り付ける実装ターンを実行可能である。そして、主制御部110は、実装ターンで4個のリード81を取り付ける4個の取付箇所9を複数の取付箇所9のうちから選択する。これによって、実装ターンにより基板に取り付ける4個のリード部品8のそれぞれを、リード81の位置に対して挿入孔91の位置が比較的適合した取付箇所9に取り付けることが可能となる。その結果、実装ターンにおける4個のリード部品8の適切な取り付けの実現が図られている。
【0055】
また、記憶部120は、実装ターンで4個のリード部品8を取り付ける4個の取付箇所9を複数の取付箇所9のうちから予め規定した生産プログラム121を記憶する。そして、主制御部110は、ヘッドユニット4が保持するリード部品8の複数のリード81の位置と、生産プログラム121が規定する取付箇所9の複数の挿入孔91の位置とを比較する。そして、その比較結果に基づき、実装ターンでヘッドユニット4が把持する4個のリード部品8のそれぞれを、生産プログラム121が規定する4個の取付箇所9のいずれに取り付けるのかを決定する。かかる構成では、実装ターンでヘッドユニット4が保持する4個のリード部品8のそれぞれについて、取り付けに比較的適した取付箇所9を生産プログラム121が規定する4個の取付箇所9から選択できる。その結果、実装ターンにおける4個のリード部品8の適切な取り付けの実現が図られている。
【0056】
また、主制御部110は、リード部品8の複数のリード81の位置に対する回帰直線CRと複数のリード81それぞれの位置とのずれを求めるとともに、取付箇所9の複数の挿入孔91の位置に対する回帰直線CRと複数の挿入孔91それぞれの位置とのずれを求める。そして、リード81について求めたずれとリード81の挿入先の候補となる挿入孔91について求めたずれとの差に基づいて、リード部品8が保持するリード部品8の取付箇所9を選択する。これによって、リード部品8の複数のリード81の位置に対して複数の挿入孔91の位置が比較的適合した取付箇所9を的確に選択することができる。
【0057】
このように本実施形態では、部品実装機1が本発明の「部品実装機」の一例に相当し、部品供給部3が本発明の「部品供給部」の一例に相当し、基板搬送機構2が本発明の「基板支持部」の一例に相当し、ヘッドユニット4が本発明の「ヘッドユニット」の一例に相当し、制御ユニット100が本発明の「制御部」の一例に相当し、リード部品8が本発明の「リード部品」の一例に相当し、リード81が本発明の「リード」の一例に相当し、取付箇所9が本発明の「取付箇所」の一例に相当し、挿入孔91が本発明の「孔」の一例に相当し、記憶部120が本発明の「記憶部」の一例に相当し、生産プログラム121が本発明の「取付手順」の一例に相当する。
【0058】
なお、本発明は上記した実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない限りにおいて、上述したもの以外に種々の変更を行うことが可能である。例えば、ステップS103において部品の取付箇所を決定する方法を適宜変更しても構わない。
図13は
図5のフローチャートで実行される部品の取付箇所の決定の第2例を示すフローチャートである。ステップS201〜S209は第1例と第2例で共通する。ここで、第2例においても、第1例と共通の構成を具備することで、同様の効果が得られることは言うまでもない。
【0059】
第2例では、ステップS209の次のステップS211において、代表適合度がベストの対応パターン(ベスト対応パターン)における各リード部品8a〜8dの適合度を取得する。そして、ステップS212では、ベスト対応パターンにおけるリード部品8a〜8dそれぞれの適合度を所定の所定閾値と比較して、適合度が所定閾値未満であるとの取付基準を当該リード部品8a〜8dのそれぞれが満たすか否かを判定する。
【0060】
そして、適合度が所定閾値以上であって取付基準を満たさないリード部品8が存在する場合(ステップS212で「YES」の場合)は、ステップS213を実行してからステップS214に進む。このステップS213では、取付基準を満たさない該当リード部品8を、所定の退避エリア(例えば、基台11上の部品供給部3に隣接するエリア)に退避させる。具体的には、ヘッドユニット4は把持するリード部品8a〜8dのうち、該当リード部品8のみを選択的に退避エリアに解放する。一方、ベスト対応パターンにおけるリード部品8a〜8dの全ての適合度が所定閾値未満であって取付基準を満たす場合(ステップS212で「NO」)は、そのままステップS214に進む。
【0061】
ステップS214では、リード部品8a〜8dのうち、ベスト対応パターンにおける適合度が取付基準を満たすリード部品8のみを、ベスト対応パターンで対応付けられた取付箇所9に取り付けると決定する。こうして、
図13のフローチャートを終了する。
【0062】
このように実施形態の第2例においても、リード部品8が有する複数のリード81の位置と、取付箇所9が有する複数の挿入孔91の位置とを比較した結果に基づき、複数の取付箇所9からリード部品8を取り付ける取付箇所9を選択する。そのため、リード部品8の複数のリード81の位置に対して複数の挿入孔91の位置が比較的適合した取付箇所9を複数の取付箇所9から選択して、リード部品8を取り付けることが可能となる。こうして、リード部品8の適切な取り付けの実現が図られている。
【0063】
また、主制御部110は、実装ターンで4個のリード部品8を取り付ける取付箇所9を複数の取付箇所9のうちから探索した結果に基づき、実装ターンでリード部品8を取り付ける取付箇所9を選択する。これによって、実装ターンでピックアップしたリード部品8を、リード81の位置に対して挿入孔91の位置が比較的適合した取付箇所9に取り付けることが可能となる。その結果、実装ターンにおけるリード部品8の適切な取り付けの実現が図られている。
【0064】
また、記憶部120は、実装ターンで4個のリード部品8を取り付ける4個の取付箇所9を複数の取付箇所9のうちから予め規定した生産プログラム121を記憶する。そして、主制御部110は、ヘッドユニット4が保持するリード部品8の複数のリード81の位置と、生産プログラム121が規定する取付箇所9の複数の挿入孔91の位置とを比較する。そして、その比較結果に基づき、実装ターンにおいてヘッドユニット4が保持する4個のリード部品8のそれぞれを取り付ける取付箇所9を生産プログラム121が規定する4個の取付箇所9のうちから探索する。かかる構成では、実装ターンでヘッドユニット4が保持する各リード部品8の取り付けに比較的適した取付箇所9を、生産プログラム121が規定する4個の取付箇所9から探索できる。その結果、実装ターンにおけるリード部品の適切な取り付けの実現が図られている。
【0065】
また、主制御部110は、リード部品8を取付箇所9に取り付けるためにリード部品8の複数のリード81の位置が取付箇所9の複数の挿入孔91の位置に対して満たすべき所定の取付基準(適合度が所定閾値未満)を有する。そして、4個のリード部品8のそれぞれについて取付基準を満たす取付箇所9を生産プログラム121が規定する4個の取付箇所9のうちから探索する。かかる構成では、実装ターンにおいてリード81を所定の取付基準を満たす取付箇所9に取り付けることができ、実装ターンにおけるリード81の適切な取り付けの実現が図られている。
【0066】
また、主制御部110は、4個のリード部品8のうちの一のリード部品8について取付基準を満たす取付箇所9を生産プログラム121が規定する4個の取付箇所9のうちから発見できないと判断すると、ヘッドユニット4に一のリード部品8の基板10への取り付けを中止させる。そして、ヘッドユニット4に所定の退避エリアに一のリード部品8を載置させる。かかる構成では、所定の取付基準を満たさない取付箇所9へはリード部品8の取り付けが実行されないため、リード部品8の取り付けの失敗を抑制できる。
【0067】
ちなみに、退避エリアに退避させたリード部品8を、後の実装ターンでピックアップして、基板10に実装することもできる。そして、当該後の実装ターンにおいても、
図5および
図13のフローチャートに従って、リード部品8の取付箇所9を選択すれば良い。
【0068】
図14は
図5のフローチャートで実行される部品の取付箇所の決定の第3例を示すフローチャートである。ステップS201〜S212は第2例と第3例で同様である。ここで、第3例においても、第2例と共通の構成を具備することで、同様の効果が得られることは言うまでもない。
【0069】
第3例では、適合度が所定閾値以上であって取付基準を満たさないリード部品8が存在する場合(ステップS212で「YES」の場合)は、ステップS215を実行してからステップS214に進む。なお、ベスト対応パターンにおけるリード部品8a〜8dの全ての適合度が所定閾値未満であって取付基準を満たす場合(ステップS212で「NO」)は、そのままステップS214に進む。
【0070】
このステップS215では、ベスト対応パターンにおいて適合度が所定閾値以上である特定リード部品8の取付箇所9を、生産プログラム121が取付箇所9として規定する4個の取付箇所9とは異なる取付箇所9のうちから探索する。つまり、ステップS201〜S212では、生産プログラム121が規定する4個の取付箇所9を探索範囲(第1探索範囲)として、取付基準を満たす取付箇所9を探索する。これに対して、ステップS215では、生産プログラム121が規定する4個の取付箇所9と異なる取付箇所9を探索範囲(第2探索範囲)として、特定リード部品8との関係において取付基準を満たす取付箇所9を探索する。
【0071】
ステップS214では、リード部品8a〜8dのうち、ベスト対応パターンにおける適合度が取付基準を満たすリード部品8については、ベスト対応パターンで対応付けられた取付箇所9に取り付けると決定する。また、ベスト対応パターンにおける適合度が取付基準を満たさない特定リード部品8については、ステップS215で発見された取付箇所9に取り付けると決定する。こうして、
図14のフローチャートを終了する。
【0072】
このように実施形態の第3例においても、リード部品8が有する複数のリード81の位置と、取付箇所9が有する複数の挿入孔91の位置とを比較した結果に基づき、複数の取付箇所9からリード部品8を取り付ける取付箇所9を選択する。そのため、リード部品8の複数のリード81の位置に対して複数の挿入孔91の位置が比較的適合した取付箇所9を複数の取付箇所9から選択して、リード部品8を取り付けることが可能となる。こうして、リード部品8の適切な取り付けの実現が図られている。
【0073】
また、第3例では、主制御部110は、実装ターンでピックアップした4個のリード部品8のうちの一のリード部品8について取付基準を満たす取付箇所9を生産プログラム121が規定する4個の取付箇所9のうちから発見できないと判断すると、生産プログラム121が規定する4個の取付箇所9とは異なる取付箇所9のうちから取付基準を満たす取付箇所9を探索する。つまり、取付基準を満たす取付箇所9を、生産プログラム121取付手順が規定する4個の取付箇所9のうちから発見できなかった場合は、探索範囲を変更して探索を行う。したがって、取付基準を満たす取付箇所9を基板10に設けられた複数の取付箇所9のうちから確実に発見して、当該取付箇所9にリード部品8を適切に取り付けることができる。これによって、実装ターンにおける4個のリード部品8の適切な取り付けの実現が図られている。
【0074】
さらに、第2例および第3例と異なる次のような方法で、ステップS103において部品の取付箇所を決定することもできる。つまり、ステップS201で生成した全ての対応パターンについて各リード部品8の適合度が取付基準(所定閾値未満)を満たすかを判断するステップをステップS209の後に実行する。そして、全対応パターンのうち、取付基準を満たすリード部品8の個数が最も多い対応パターンに従って、リード部品8を取付箇所9に取り付けると決定する。この際、該当する対応パターンが複数ある場合は、これらのうち代表適合度がベストの対応パターンに従って、リード部品8を取付箇所9に取り付けると決定すればよい。また、取付基準を満たさないリード部品8が存在する場合は、当該部品については第2例のステップS213あるいは第3例のステップS215を実行すれば良い。
【0075】
ステップS104において部品を基板10に実装する方法も、適宜変更が可能である。例えば、主制御部110は、リード部品8について求めた回帰直線CRと、取付箇所9について求めた回帰直線CRとが成す角度に基づいて、ヘッドユニット4がリード部品8を取付箇所9に取り付ける際のリード部品8の回転角度を調整しても良い。かかる構成では、取付箇所9の選択のために求めた回帰直線CRを、取付箇所9に取り付ける際のリード部品8の回転角度の調整にも有効活用することができ、合理的である。
【0076】
また、上記実施形態では、生産プログラム121において、実装ターンで4個のリード部品8を取り付ける4個の取付箇所9が規定されていた。しかしながら、生産プログラム121では取付箇所9を特に規定せず、実装ターン毎にリード部品8を取り付ける取付箇所9を、基板10上の全ての取付箇所9のうちから探索するように構成しても良い。かかる変形例では、実装ターンにおいてヘッドユニット4が同種の4個のリード部品8をピックアップすると、当該リード部品8を取り付け可能な基板10上の全ての取付箇所9のうちから取付基準を満たす取付箇所9を探索する。そして、各リード部品8について発見された取付基準を満たす取付箇所9に、各リード部品8を取り付けると決定する。
【0077】
また、実装ターンでピックアップするリード部品8の個数は、4個に限られない。つまり、実装ターンにおいては、1あるいは複数の適当な個数のリード81をピックアップすることができる。
【0078】
また、リード部品8が有するリード81の本数は3本に限られない。つまり、複数のリード81を有するリード部品8を基板10の取付箇所9に取り付けるに対して、上記実施形態と同様の構成を適用することができる。
【0079】
また、適合度の評価方法や、取付基準の内容についても、適宜変更が可能である。