特許第6368286号(P6368286)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6368286
(24)【登録日】2018年7月13日
(45)【発行日】2018年8月1日
(54)【発明の名称】釣用のソフトルアー
(51)【国際特許分類】
   A01K 85/00 20060101AFI20180723BHJP
【FI】
   A01K85/00 C
【請求項の数】5
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2015-139329(P2015-139329)
(22)【出願日】2015年7月13日
(65)【公開番号】特開2017-18044(P2017-18044A)
(43)【公開日】2017年1月26日
【審査請求日】2017年8月9日
(73)【特許権者】
【識別番号】000002495
【氏名又は名称】グローブライド株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100126572
【弁理士】
【氏名又は名称】村越 智史
(74)【代理人】
【識別番号】100125195
【弁理士】
【氏名又は名称】尾畑 雄一
(72)【発明者】
【氏名】古谷 英之
【審査官】 田辺 義拓
(56)【参考文献】
【文献】 登録実用新案第3189473(JP,U)
【文献】 特開2000−228933(JP,A)
【文献】 特開2006−149328(JP,A)
【文献】 米国特許第07308773(US,B1)
【文献】 米国特許第04790100(US,A)
【文献】 米国特許第04862630(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A01K 85/00−85/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
釣用のソフトルアーであって、
本体部と、
各々が前記本体部の側面から突出し、前記ソフトルアーの進行方向に沿って並べて設けられると共に前記ソフトルアーの進行に伴う水流に応じて揺動する複数の脚部と、を備え、
前記複数の脚部に含まれる少なくとも1つの脚部は、前記本体部と接続する第1の部分が、前記進行方向の厚みよりも上下方向の厚みの方が薄くなるように形成されており、前記第1の部分よりも外側に位置する第2の部分が、前記進行方向の厚みよりも上下方向の厚みの方が厚くなるように形成されている、
ソフトルアー。
【請求項2】
前記少なくとも1つの脚部は、水流を受ける前方側の面が、前記進行方向に略直交する面に対して前記進行方向に傾斜するように設けられている請求項1に記載のソフトルアー。
【請求項3】
前記少なくとも1つの脚部は、前記第1の部分において、前記進行方向の長さよりも上下方向の長さの方が短い断面を有する板状部材が設けられている請求項1又は2に記載のソフトルアー。
【請求項4】
前記少なくとも1つの脚部の前記第1の部分の前記進行方向の前側及び/又は後側に、補強部材が設けられている請求項1ないし3何れかに記載のソフトルアー。
【請求項5】
前記複数の脚部は、前記本体部の一方の側面と他方の側面とに対称に設けられている請求項1ないし4何れかに記載のソフトルアー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、釣用のソフトルアーに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、魚釣りに使用される疑似餌(ルアー)の一つとして、合成樹脂やゴム等の軟質材料により形成されるソフトルアーが存在する。ソフトルアーは、硬質材料により形成されるハードルアーと比較して、水流に応じた変形や微細な動作を実現し易いルアーであると言える。
【0003】
また、ルアーを用いた釣りでは、リトリーブ中のルアーの動きを、活き餌の動きに出来るだけ近づけることが好ましい。そこで、例えば、日本国実用新案登録第3189473号公報に開示されているワーム型のソフトルアーでは、水流抵抗を受けて揺れ動く多数の揺動部位が本体部に設けられており、これにより、活き餌の動きに近い動作を実現し、対象魚に対する視覚的な刺激の増大を図っている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】実用新案登録第3189473号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、こうした揺動部位を有するソフトルアーにおいて、例えば、前後に隣接する揺動部位間の間隔が比較的狭い場合、又は、揺動部位の全長が比較的長い場合等には、揺動部位が前後方向に揺れ動くと、隣接する他の揺動部位の動きを阻害してしまうことがある。そして、揺動部位の動きが阻害されてしまうと対象魚に対する視覚的な刺激も低減してしまうから、こうした揺動部位間の動きの干渉を抑制することが望ましい。
【0006】
本発明の実施形態は、前後方向に隣接する揺動部位間の動きの干渉が抑制されたソフトルアーを提供することを目的の一つとする。本発明の実施形態の他の目的は、本明細書全体を参照することにより明らかとなる。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一実施形態に係るソフトルアーは、釣用のソフトルアーであって、本体部と、各々が前記本体部の側面から突出し、前記ソフトルアーの進行方向に沿って並べて設けられると共に前記ソフトルアーの進行に伴う水流に応じて揺動する複数の脚部と、を備え、前記複数の脚部に含まれる少なくとも1つの脚部は、前記本体部と接続する第1の部分が、前記進行方向の厚みよりも上下方向の厚みの方が薄くなるように形成されており、前記第1の部分よりも外側に位置する第2の部分が、前記進行方向の厚みよりも上下方向の厚みの方が厚くなるように形成されている。
【発明の効果】
【0008】
本発明の様々な実施形態によって、前後方向に隣接する揺動部位間の動きの干渉が抑制されたソフトルアーを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】一実施形態に係るソフトルアー10の斜視図。
図2】一実施形態に係るソフトルアー10の上面図。
図3】一実施形態に係るソフトルアー10の側面図。
図4】一実施形態に係るソフトルアー10の正面図。
図5】他の実施形態に係るソフトルアーの脚部20の断面図。
図6】更に他の実施形態に係るソフトルアーの上面図。
図7】更に他の実施形態に係るソフトルアーの上面図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の様々な実施形態を適宜図面を参照して説明する。なお、図面における共通する構成要素には同一の参照符号が付されている。
【0011】
図1は、本発明の一実施形態に係るソフトルアー10の斜視図であり、図2は、同じくソフトルアー10の上面図であり、図3は、同じくソフトルアー10の側面図であり、図4は、同じくソフトルアー10の正面図である。一実施形態におけるソフトルアー10は、ワーム型のソフトルアーであり、図示するように、本体部11と、本体部11の側面から左右対称に突出するように設けられた複数の脚部20と、を備える。ここで、ワーム型のソフトルアーは例示であって、本発明の実施形態において、軟質材料により形成される様々な種類のソフトルアーが適用され得る。
【0012】
一実施形態におけるソフトルアー10は、リトリーブ中において図1の矢印Aが示す方向に進行する。以下、本明細書において単に「前方」及び「後方」という場合、この矢印Aが示すソフトルアー10の進行方向を基準とする。
【0013】
一実施形態における本体部11は、図1に示すように、略円柱形状の頭部12と、頭部12の進行方向後方に連続して形成される胴体部14と、胴体部14の進行方向後方に連続して形成されると共に先細りの略紐状の形状を有する尾部16と、を有する。一実施形態においては、これらの頭部12、胴体部14、及び尾部16が、合成樹脂やゴム等の軟質材料により、射出成形等の手法を用いて一体に形成されている。ここで、一実施形態における本体部11の進行方向の長さは、例えば10cm程度であり、例えば7−13cmの範囲にある。
【0014】
胴体部14は、図2に示すように、ソフトルアー10の進行方向に略直交する左右方向の幅が、進行方向略中央に近づくほど広くなる形状を有している。また、胴体部14は、図3に示すように、ソフトルアー10の進行方向に略直交する上下方向の高さが、進行方向略中央に近づくほど高くなる形状を有している。このように、一実施形態における胴体部14は、進行方向略中央が幅広で上方向に盛上がる形状を有する。
【0015】
また、胴体部14の外周面には、複数の円環状の凹部(溝、符号なし)が、ソフトルアーの進行方向に所定の間隔を空けて形成されており、同じく胴体部14の下面には、ソフトルアーの進行方向に沿って延びる直線状の凸部(符号なし)が形成されている。また、尾部16の先端には、略三角形状の針部(符号なし)が形成されている。
【0016】
一実施形態における複数の脚部20は、図示するように、前方から見て胴体部14の右側の側面から突出する5つの右側脚部20Rと、同じく胴体部14の左側の側面から突出する5つの左側脚部20Lと、によって構成されており、右側脚部20R及び左側脚部20Lは、左右対称の関係となるように設けられている。一実施形態において、脚部20は、本体部11と同じ合成樹脂やゴム等の軟質材料により形成されており、また、射出成形等の手法を用いて本体部11と一体に形成されている。
【0017】
右側脚部20R及び左側脚部20Lの各々は、図2、3に示すように、胴体部14の右側側面及び左側側面の、進行方向略中央よりも前方側の下端部に、所定の間隔を空けて進行方向に沿って一列に並ぶように設けられた5つの脚部20によって構成されている。一実施形態において、各脚部20が突出して延びる方向は、図示するように、進行方向の前方に傾斜しており、この傾斜角度は、例えば、進行方向に略直交する左右方向を基準として0−45°の範囲とすることが出来る。
【0018】
一実施形態における複数の脚部20は、進行方向の前方から見て略半円形状の(進行方向に略直交する断面が略半円形状の)相互に略相似する形状を有する。また、各脚部20の進行方向(前後方向)の厚みは、図2に示すように、胴体部14と接続する部分(付け根部分)から左右方向の略中央部分までは略一定であり、その後、外側先端部に向けて先細りとなっている(徐々に薄くなっている)。そして、進行方向の前方から見て略半円形状を有する各脚部20は、胴体部14と接続する部分においては、前後方向の厚み(例えば、図2のT1)よりも上下方向の厚み(例えば、図4のT2)の方が薄くなっており、また、左右方向の略中央部分においては、前後方向の厚み(例えば、図2のT1)よりも上下方向の厚み(例えば、図4のT3)の方が厚くなっている。
【0019】
一実施形態における各脚部20の前方側の面は、進行方向に対して略直交しており、水流の抵抗を受ける水流抵抗面として機能する。この脚部20の水流抵抗面の大きさは、最も前方の脚部20−1よりも、その後方に位置する2番目の脚部20−2の方が大きく、この2番目の脚部20−2よりも、その後方に位置する3番目の脚部20−3の方が大きくなっている。また、3番目の脚部20−3の後方に位置する4番目の脚部20−4の水流抵抗面の大きさは、2番目の脚部20−2と略同一であり、その後方に位置する5番目の脚部20−5の水流抵抗面の大きさは、1番目の脚部20−1と略同一である。従って、水流抵抗面の大きさは、3番目の脚部20−3よりも、この後方に位置する4番目の脚部20−4の方が小さく、この4番目の脚部20−4よりも、この後方に位置する5番目の脚部20−5の方が小さい。
【0020】
ここで、一実施形態においては、複数の脚部20は前方から見て略半円形状の相互に略相似する形状を有するから、水流抵抗面の大きさが大きいということは、左右方向の長さ(突出する方向の長さ)が長く、且つ、上下方向の幅(水流抵抗面における突出する方向に略直交する方向の幅)が長いということを意味する。ここで、一実施形態における脚部20の左右方向の長さは、例えば5−20mmの範囲にあり、同じく上下方向の幅は、例えば、2−7mmの範囲にある。
【0021】
このように、一実施形態における複数の脚部20は、前方から1番目から3番目までの脚部20は、後方に行くに従って水流抵抗面の大きさが大きくなり(左右方向の長さ、及び、上下方向の幅が長くなり)、3番目から5番目までの脚部20は、後方に行くに従って水流抵抗面の大きさが小さくなる(左右方向の長さ、及び、上下方向の幅が短くなる)ように構成されている。こうした構成によって、複数の脚部20の左右方向端部(右側脚部20Rの右方向端部、及び、左側脚部20Lの左方向端部)によって画定される曲線、及び、上端部によって画定される曲線が、それぞれ山なりとなり、ソフトルアー10全体の形状が流線型状に近づくことを実現している。
【0022】
また、前方から1番目から3番目までの脚部20−1、20−2、及び、20−3の水流抵抗面の大きさは、前方から後方に行くに従って大きくなるから、図4に示すように、2番目の脚部20−2、及び、3番目の脚部20−3の水流抵抗面は、その一部が、進行方向の前方から見て露出している。
【0023】
また、図2に示すように、一実施形態における複数の脚部20において、ソフトルアー10の進行方向の厚みは、最も前方の脚部20−1よりも、その後方に位置する2番目の脚部20−2の方が厚く、この2番目の脚部20−2よりも、その後方に位置する3番目の脚部20−3の方が厚くなっている。また、3番目の脚部20−3の後方に位置する4番目の脚部20−4の進行方向の厚みは、2番目の脚部20−2と略同一であり、その後方に位置する5番目の脚部20−5の進行方向の厚みは、1番目の脚部20−1と略同一である。従って、進行方向の厚みは、3番目の脚部20−3よりも、この後方に位置する4番目の脚部20−4の方が薄く、この4番目の脚部20−4よりも、この後方に位置する5番目の脚部20−5の方が薄い。
【0024】
ここで、一実施形態においては、複数の脚部20は同じ材料で形成されているから、厚みが厚いということは、強度が高いことを意味する。
【0025】
次に、このように構成された一実施形態におけるソフトルアー10のリトリーブ中の動きについて説明する。釣り人の操作に伴ってソフトルアー10が水中を泳動すると、ソフトルアー10の進行に伴う水流抵抗を水流抵抗面が受けて各脚部20は揺動する。このとき、各脚部20は、胴体部14と接続する部分においては、前後方向の厚みよりも上下方向の厚みの方が薄くなっているから、この胴体部14と接続する部分を支点とした上下方向の動きが促進される。従って、前後に隣接する他の脚部20の動きが阻害され難い。また、こうした脚部20が上下方向に揺動するソフトルアー10は、実際のワームの動きに近い動きを実現し得る。さらに、各脚部20は、左右方向の略中央部分においては、前後方向の厚みよりも上下方向の厚みの方が厚くなっているから、水流抵抗を十分に受け易い。
【0026】
また、ソフトルアー10のリトリーブ中において、水流抵抗面の大きさが大きく、左右方向の長さが長い脚部20ほど、揺れ動く移動量が大きくなるため、前後に隣接する脚部20の動きを阻害する恐れが生じ易い。しかしながら、一実施形態におけるソフトルアー10は、水流抵抗面の大きさが大きく左右方向の長さが長い脚部20ほど、進行方向の厚みが厚く強度が高くなっているから、揺れ動く移動量が抑制され、この結果、前後に隣接する他の脚部20の動きがより一層阻害され難い。
【0027】
また、ソフトルアー10のリトリーブ中において、1番目の脚部20−1によって水流が乱されるため、その後方の2番目以降の脚部20は水流抵抗を受けにくい。しかしながら、一実施形態におけるソフトルアー10は、2番目の脚部20−2、及び、3番目の脚部20−3の水流抵抗面の大きさが、その前方の脚部20よりも大きく、水流抵抗面の一部が進行方向の前方から見て露出するように構成されているから、水流抵抗面の大きさが前方の脚部20と同等であり水流抵抗面が前方から見て露出していない場合と比較して、水流抵抗を受けやすい。即ち、一実施形態におけるソフトルアー10は、後方に位置する2番目の脚部20−2、及び、3番目の脚部20−3の動きが阻害され難い。
【0028】
上述した一実施形態においては、各脚部20の前方側の水流抵抗面が進行方向に略直交するように構成したが、本発明の他の実施形態においては、水流抵抗面が、進行方向に略直交する面に対して進行方向(前後方向)に傾斜するように、各脚部20を設けることが出来る。図5はこの実施形態におけるソフトルアーの脚部20の断面図である。この実施形態におけるソフトルアーの脚部20は、図示するように、水流抵抗面が所定の角度(例えば、40°)傾斜して上前方を向いている。このような構成によれば、水流抵抗を受けた脚部20に対して下方向の力が作用し易くなるから、各脚部20の上下方向の動きがより一層促進され得る。
【0029】
また、本発明の更に他の実施形態においては、各脚部20の上下方向の動きを促進するために、更なる変更が加えられ得る。例えば、各脚部20の胴体部14と接続する部分(付け根部分)に、進行方向の長さよりも上下方向の長さの方が短い断面を有する板状部材を設けることによって、各脚部20の上下方向の動きが促進され得る。図6は、この実施形態におけるソフトルアーの上面図である。この実施形態におけるソフトルアーは、左右に対応する一組の脚部20毎に上記断面を有する板状部材110が設けられており、この板状部材110は、胴体部14の内部に埋め込まれ、その左右両端部が、左右両側の脚部20の付け根部分(の内部)に達している。この実施形態におけるソフトルアーは、板状部材110によって各脚部20の付け根部分の前後方向の動きが制限されて上下方向の動きが促進される。
【0030】
また、例えば、各脚部20の付け根部分の進行方向前後に補強部材を設けることによって、各脚部20の上下方向の動きが促進され得る。図7は、この実施形態におけるソフトルアーの上面図である。この実施形態におけるソフトルアーは、前後に隣接する脚部20の間において、胴体部14の側面に略円柱状の補強部材120が設けられている。この補強部材120は、例えば、本体部11及び脚部20と同じ合成樹脂やゴム等の軟質材料により形成され、また、射出成型等の手法を用いて、本体部11及び/又は脚部20と一体に形成され得る。この実施形態におけるソフトルアーは、補強部材120によって各脚部20の付け根部分の前後方向の動きが制限されて上下方向を動きが促進される。補強部材120は、各脚部20の付け根部分の前後方向の動きを制限することができる限り、任意の形状をとることができる。
【0031】
上述した一実施形態においては、ソフトルアー10全体の流線型状を実現するために、複数の脚部20は、前方から3番目から5番目までの脚部20は、後方に行くに従って水流抵抗面の大きさが小さくなる(左右方向の長さ、及び、上下方向の幅が短くなる)ように構成したが、本発明の他の実施形態においては、3番目から5番目までの脚部20についても、1番目から3番目までの脚部20と同様に、後方に行くに従って水流抵抗面の大きさが大きくなるように構成され得る。この場合、4番目及び5番目の脚部20を含む全ての脚部20の水流抵抗面の一部が進行方向の前方から見て露出することになるから、複数の脚部20の全ての脚部20が水流抵抗を受けやすくなり、動きが阻害され難くなる。
【0032】
上述した一実施形態においては、複数の脚部20は、前方から見て略半円形状の相互に略相似する形状を有するように構成したが、本発明の他の実施形態においては、脚部20を前方から見た形状は略半円形状に限られず、様々な形状とすることができるし、複数の脚部20の形状は、相互に略相似する形状に限られない。例えば、複数の脚部20について、水流抵抗面の上下方向の幅は略同一の長さとし、水流抵抗面の大きさが大きい脚部20は、左右方向の長さのみが長くなるように構成しても良いし、又は、複数の脚部20について、水流抵抗面の左右方向の長さは略同一の長さとし、水流抵抗面の大きさが大きい脚部20は、上下方向の幅のみが長くなるように構成しても良い。
【0033】
上述した一実施形態においては、前方の脚部20よりも水流抵抗面の大きさが大きい後方の脚部20(具体的には、2番目の脚部20−2及び3番目の脚部20−3)の水流抵抗面の一部が進行方向の前方からみて露出するように構成したが、本発明の他の実施形態においては、前方の脚部20と水流抵抗面の大きさが同等、又は、より小さい後方の脚部20の水流抵抗面の一部が進行方向の前方から見て露出するように構成され得る。例えば、脚部20が突出して延びる方向に上下方向の傾斜を設け、この傾斜角度を、前後する脚部20間で異なるようにすることによって、後方の脚部20の水流抵抗面の少なくとも一部が進行方向の前方から見て露出するように構成することもできる。
【0034】
上述した一実施形態においては、水流抵抗面の大きさが大きく左右方向の長さが長い脚部20ほど、進行方向の厚みが厚く強度が高くなるように構成したが、本発明の他の実施形態においては、脚部20の強度は、進行方向の厚みを厚くする方法以外の方法で高くされ得る。例えば、水流抵抗面の大きさが大きく左右方向の長さが長い脚部20には、強度を補強する部材が設けられてその強度が高くなるように構成され、又は、強度の高い別の材料を用いて形成することによってその強度が高くなるように構成され得る。
【0035】
以上説明した本発明の様々な実施形態におけるソフトルアー10は、本体部11と、各々が本体部11の側面から突出し、ソフトルアー10の進行方向に沿って並べて設けられると共にソフトルアー10の進行に伴う水流に応じて揺動する複数の脚部20と、を備え、複数の脚部20に含まれる少なくとも1つの脚部20は、本体部11(胴体部14)と接続する部分が、進行方向の厚みよりも上下方向の厚みの方が薄くなるように形成されており、これよりも外側に位置する左右方向の略中央部分が、進行方向の厚みよりも上下方向の厚みの方が厚くなるように形成されている。このように構成された脚部20は、上下方向の動きが促進されるから、前後方向に隣接する脚部20間の動きの干渉が抑制される。
【0036】
本発明の実施形態は、上述した実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲内で様々な変更が可能である。例えば、脚部20の数及び配置は、上述した実施形態に限定されず、様々な変更が可能である。例えば、ソフトルアー10の進行方向に沿って一列に並ぶ複数の脚部20によって構成される脚部20の「列」の数は、1、又は、3以上とすることも出来る。脚部20の列を3以上とすることにより、対象魚とソフトルアー10との位置関係に関わらず、複数の脚部20の少なくとも一部が対象魚の視界に入り易くなる。
【符号の説明】
【0037】
10 ソフトルアー
11 本体部
12 頭部
14 胴体部
16 尾部
20 脚部
20R 右側脚部
20L 左側脚部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7