(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
少なくとも1つの受器(5100)が、前記可動シャーシに取り付けられており、前記受器は、外科部位に向かって導かれる吸引ライン(60,64)を受け入れるように構成されており、
第1の廃棄物カプラー(5600)が前記可動シャーシに取り付けられており、前記第1の廃棄物カプラーは、第1の端(5606)において、前記可動廃棄物収集カートの前記容器(4200,4202)に接続された相補的な第2の廃棄物カプラー(4700)に連結され、第2の端(5500)において、前記第1及び第2の廃棄物カプラーが協働して、前記受器に取り付けられた前記吸引ラインから前記可動廃棄物収集カートの前記容器に至る前記吸引経路(3070,3072)をもたらすように、前記少なくとも1つの受器(5100)に連結されるように構成されている、請求項1〜4のいずれか1つに記載の医療/外科廃棄物収集システム。
前記制御装置(802,3802)が前記可動シャーシに取り付けられており、前記制御装置は、前記可動シャーシに取り付けられた前記少なくとも1つの器具(140,3140)と一体のメモリ(3143)からのデータを受信でき、前記可動廃棄物収集カートの前記少なくとも1つの容器に印加される吸引のレベルを定めるように前記真空レギュレータを制御することができ、前記制御装置は、
前記可動シャーシに取り付けられた前記少なくとも1つの器具と一体の前記メモリからデータを受信し、
前記可動シャーシに取り付けられた前記少なくとも1つの器具の前記メモリから読み込まれたデータに基づき、前記真空レギュレータを前記少なくとも1つの容器に印加される吸引のレベルを設定すべく制御するようにさらに構成されている、請求項1に記載の医療/外科廃棄物収集システム。
前記少なくとも1つの容器内の圧力を表す信号を前記可動廃棄物収集カートから受信するための通信回路(620,3510)が、前記可動シャーシに取り付けられており、
制御装置が、前記可動シャーシに取り付けられており、前記制御装置は、前記通信回路からカート容器圧力を表す前記信号を受信し、前記カート容器圧力を表す前記信号に基づき、前記可動廃棄物収集カートの前記少なくとも1つの容器(1020,1022,4200,4202)に印加される吸引のレベルを設定すべく、前記真空レギュレータを制御するようになっている、請求項6に記載の医療/外科廃棄物収集システム。
前記可動シャーシの前記信号カップリング(3500)は、前記可動廃棄物収集カートに取り付けられたコイルと信号の誘導交換を可能にするように配置されたコイルである、請求項8に記載の医療/外科廃棄物収集システム。
前記可動シャーシの前記信号カップリング(3500)は、前記可動廃棄物収集カートからの光信号の受信または前記可動廃棄物収集カートへの光信号の送信の少なくとも1つを行なうように構成されている、請求項8に記載の医療/外科廃棄物収集システム。
前記部材は、前記カート保持特徴部に係合するように前記可動ベースに取り付けられており、かつ磁場に吸引される材料から形成されている構造部材(1640,4310)になっている、請求項11に記載の医療/外科廃棄物収集システム。
前記可動廃棄物収集カートが、前記可動ベースに取り付けられている構成要素(1260)であって、廃棄物を吸い込んで前記少なくとも1つの容器に入れるための吸引ライン(64)が取り付けられている取付具(1261)を備えている構成要素(1260)をさらに備えている、請求項11または12に記載の医療/外科廃棄物収集システム。
取付具(1261)を備えた前記構成要素(1260)は、前記可動ベースに離脱可能に取り付けられているマニホールドになっている、請求項13に記載の医療/外科廃棄物収集システム。
【発明を実施するための形態】
【0016】
[I.概観]
図1〜
図4は、本発明によって構成された医療/外科用廃棄物収集システム50を示している。廃棄物収集システム50は、可動シャーシ100および可動ローバー1000を備えている。可動ローバー1000は、使用中、可動シャーシ100に嵌合されており、手術室/外科(医療)領域52(
図4)に配置されている。可動シャーシ100は、吸引カート100と呼ばれることもある。可動ローバー1000は、容器カートまたは可動廃棄物収集カート1000と呼ばれることもある。
【0017】
図2を特に参照すると、可動ローバー1000は、一対のマニホールド1260を備えている。多数の取付具1261が、マニホールド1260に形成されている。マニホールド1260は、(参照することによって、ここに含まれる)米国特許第7,615,037号にさらに詳細に開示されている。マニホールドの正確な構造は、本発明の一部をなすものではない
【0018】
取付具1261は、吸引ライン60を受け入れることができ、他の取付具1261は、他の吸引ライン64を受け入れることができる。各吸引ライン60,64の遠位端は、それぞれ、吸引印加器ハンドピース62,66に取り付けられている。本出願では、「遠位側」は、概して、吸引が印加される外科部位に向かう側を指し、「近位側」は、外科部位から離れる側を指している。いくつかの実施形態では、吸引印加器ハンドピース62,66は、吸引を印加する以外の仕事を達成するために外科部位に適用される他の外科用工具、例えば、外科用ドリル、生検工具、または融除工具内に組み入れられることが可能になっている。
【0019】
図3は、一対の連続吸引流体連通経路70,72を示している。これらの経路70,72は、可動シャーシ100および可動ローバー1000の組合せによって、吸引印加器62,66から吸引ポンプまたは真空ポンプ210にわたって形成されている。真空ポンプ210が作動されているとき、生じた吸引力は、廃棄物を各吸引印加器62,64内に引き込むことになる。吸引流体連通経路70に関連する廃棄物流れは、吸引印加器62からマニホールド1260を通って可動ローバー1000内に移動し、廃棄物容器1200内に入る。吸引流体連通経路72に付随する廃棄物流れは、吸引印加器66からマニホールド1260を通って廃棄物容器1202内に移動する。流体連通経路70,72は、吸引経路と呼ばれることもある。
【0020】
マニホールド1260の内部フィルターに捕捉されない液体およびこの流れに混入した小さい固形片は、この流れから各廃棄物容器1200,1202内に沈殿する。従って、キャニスターが空にされるまで、廃棄物は、各廃棄物容器1200,1202内に貯蔵されることになる。ガスおよびこのガス流れに混入した物質は、各廃棄物容器1200,1202から逆止弁1700を通って流れ、可動ローバー1000を出て、ローバー吸引または真空カプラー1600およびシャーシ吸引または真空カプラー400を通って可動シャーシ100内に入る。廃棄物容器1200,1202に吸引力を印加するための代替的手段をもたらすために、逆止弁1280が、各吸引流体連通経路70,72と並列接続されている。
【0021】
吸引流体連通経路70、従って、容器1200に印加された真空のレベルを測定するために、圧力センサ1698が吸引流体連通経路70に流体連通している。圧力センサ1698は、吸引流体連通経路70の真空レベルに対応する圧力信号を生成する。同様に、吸引流体連通経路72、従って、容器1202に印加された真空のレベルを測定するために、他の圧力センサ1699が吸引流体連通経路72に流体連通している。圧力センサ1699は、吸引流体連通経路72の真空レベルに対応する圧力信号を生成する。圧力センサ1698,1699は、容器1200,1202と逆止弁1700との間に取り付けられた状態で示されているが、圧力センサ1698,1699は、それぞれ、吸引流体連通経路70,72における真空レギュレータ222,224の下流のどこに取付けられていてもよい。一実施形態では、圧力レギュレータ1698は、容器1200内に取付けられており、圧力センサ1699は、容器1202内に取り付けられている。他の実施形態では、圧力センサ1698、1699は、シャーシカート100内における真空レギュレータ222,224の下流に取り付けられている。
【0022】
可動シャーシ100内において、吸引流体連通経路70は、シャーシ真空カプラー400、真空レギュレータ222、逆止弁226、HEPAフィルター232、および真空ポンプ210を備えている。可動シャーシ100内の吸引流体連通経路72は、シャーシ真空カプラー400、真空レギュレータ224、逆止弁228、HEPAフィルター232、および真空ポンプ210を備えている。真空ポンプ210の操作に付随する騒音レベルを低減させるために、騒音減衰器または排気マフラー236が、真空ポンプ210に接続されている。
【0023】
図4を参照すると、使用後、可動ローバー1000は、可動シャーシ100から切り離され、手術室/外科領域52から静止ドッキングステーションまたは静止ドッカー900に移動される。静止ドッカー900は、典型的には、手術室/外科領域52から遠く離れて配置されている。一実施形態では、静止ドッカー900は、1つまたは複数の可動ローバー1000を容易に空にすることができるように、いくつかの手術室/外科領域52のできるだけ近くに配置されている。
【0024】
ローバー1000およびドッカー900は、互いに相補的な流体カップリングを備えている。ローバー1000がドッカー900に係留されると、これらの流体カップリングが互いに接続される。これらの流体カップリングおよびドッカー900内の導管は、ローバー容器1200,1202から医療施設内の配管ラインに至る流体接続経路をもたらし、この接続経路を通って、廃棄物が移送され、廃棄されることになる。
【0025】
ローバーがドッカー900に係留されると、ローバー容器内の廃棄物は、ドッカーを通して空にされる。ドッカーは、可動ローバー容器1200,1202を洗浄する構成要素も備えている。(参照することによって、ここに含まれる)米国特許第7,621,898号は、ドッカーおよび一組のローバー/ドッカーカップリングの構造に関するさらなる詳細を提示している。ドッカーおよびこれらのカップリングの正確な構造は、本発明の一部をなすものではない。
【0026】
[II.第1の実施形態]
[A.可動シャーシ]
図1および
図2を再び参照すると、本発明の第1の実施形態の可動シャーシ100が示されている。可動シャーシ100は、略矩形状の下側シャーシ102および略矩形状の上側シャーシ104を備えている。上側シャーシ104は、互いに離間した一対の支持体106によって、下側シャーシ102の上方に支持されている。下側シャーシ102は、外側カバー107,108を有している。外側カバー108は、U字状の前パネル109、後パネル110、内パネル111、および外パネル112を備えている。上側シャーシ104は、外側カバー114を有している。外側カバー114は、前パネル115、一対の後ドア116、側パネル117,118、上パネル119、および底パネル120を備えている。前パネル115は、いくつかの矩形状開口121を有している。内部空洞122が、上側シャーシ104内に画定されている。
【0027】
カバー107,108,114,およびドア116は、射出成形プラスチックまたは他の適切な材料から形成し、適切な方法によって、例えば、固定具の使用によって、下側シャーシ102および上側シャーシ104に取り付けることができる。カバー107,108,114,およびドア116は、可動シャーシ100の内部構成要素を保護し、改良された視覚的外観をもたらすために用いられている。ドア116は、可動シャーシ100の後部の構成部品ラック138へのアクセスをもたらすものである。
【0028】
レセプタクルまたは空洞124が内パネル111と底パネル120との間に画定されている。空洞124は、可動ローバー1000が可動シャーシ100に嵌合するとき、可動ローバー1000を受け入れるようになっている。可動ローバー容器1202が医療従事者から見えるように、U字状切欠き126がパネル109,111に配置されている。電力カプラー500が前パネル109から開口124内に延在している。電力カプラー500は、電力を可動ローバー1000に供給するものである。
【0029】
車輪130が、カバー107の下方において下側シャーシ102に取り付けられている。車輪130によって、可動シャーシ100を運ぶことができ、手術室/外科領域内において容易に移動させることができる。車輪130は、車輪130を静止位置に係止するブレーキング機構132を備えている。ブレーキング機構132によって、可動シャーシ100を手術室内の固定位置に選択的に停止させることができる。
【0030】
互いに離間した2つのハンドル134が、上側シャーシ104の両側に配置され、前パネル115から直角に遠位方向に延在している。ハンドル134によって、医療従事者は、可動シャーシ100を掴み、該可動シャーシ100を移動させることができる。U字状フックを有する一対の旋回可能なワイヤ/ホース支持ロッド136が、側パネル117から離れる方に延在している。ロッド136は、側パネル117に向かう方または側パネル117から離れる方に回転可能になっている。ロッド136によって、医療従事者は、可動シャーシ100に接続されたワイヤおよびホース(図示せず)を目立たない位置に束ねて配置することができる。また、ロッド136は、IV流体、灌注液、または膨張溶液のバッグを保持するために用いられてもよい。
【0031】
上側シャーシ104は、構成部品ラック138を備えている。構成部品ラック138は、種々の医療/外科用器具、器具コンソール、またはモジュール140を保持するものである。例えば、構成部品ラック138は、機器、器具コンソール、またはモジュール、例えば、灌注ポンプコンソール、吹付器モジュール、光ファイバー光源モジュール、または任意の他の適切な外科用器具またはモジュールを収容することができる。ラック138は、細長の側レール143および十字状レール144によって形成された幾つかの矩形状区画142を有している。区画142は、前開口121と後開口139との間でラック138を貫通している。モジュール140は、ドア116が
図1に示されているような開位置にあるとき、区画142内にすべり込ませることができる。モジュール140がラック138内に取り付けられた後、モジュール140の前面は、開口121を通して見えるようになっている。
【0032】
上側シャーシ104は、電力帯片146をさらに備えており、電力帯片146を通って、電力がモジュール140に供給されるようになっている。電力帯片146は、空洞122内においてラック138に取り付けられている。電力帯片146は、電力コード147および電力プラグ148を介して外部の電源に接続されている。電力帯片146は、電力をモジュール140に供給するため、ワイヤ152に接続された幾つかのコネクタ150を有している。他の電力コード154および電力プラグ156は、電力を可動シャーシ100の他の構成要素に供給するものである。電力コード147,154は、取扱いを容易にし、乱雑さを抑制するために、それらの長さの一部がシース157によって一緒に束ねられている。医療施設の電気回路に過剰な電流負荷が生じる可能性を低減させるために、多数の電力プラグ148,156が用いられている。シャーシ制御装置802(
図23)は、プラグ148,156の1つに高周波電圧信号を加え、他のプラグに導通する信号の強度を監視することによって、プラグ148,156の両方を確実に異なる回路に取り付けることができる。
【0033】
シャーシ100の操作を制御し、外科用モジュール140の操作を互いに対してかつシャーシ100に対して連係させるために、上側シャーシ104は、前パネル115に取り付けられたディスプレイアセンブリまたは制御パネル162、およびコントローラまたはマイクロプロセッサのような電子部品を含む制御モジュール164を有している。電力コード154は、電力を外科用モジュール140以外の可動シャーシ100の構成部品に供給するものである。外科用モジュール140は、バス168をなすケーブルを通って互いに連通している。外科用モジュール140は、バス168を通って互いに連通すると共に制御パネル162にも連通している。本発明のいくつかの態様では、モジュールは、IEEE1394aに規定されているファイヤーワイヤシステム・アーキテクチャーを用いて互いに連通している。モジュールを互いに連通させる具体的な手段は、本発明の一部をなすものではない。機器ラック138をシャーシ100に組み合わせることによって、手術室に占める全設置面積を縮小することができる。これによって、外科用テーブルの周りに追加的な有効空間をもたらし、乱雑さを低減させることができる。医療用機器をシャーシ100と同一位置に配置することによって、チューブおよびワイヤの経路を簡素化することができる。機器ラック138は、壁に繋がる電力コードの数を少なくし、これによって、つまづきの危険をなくし、手術内に他の車輪付き機器を容易に配置させることが可能になる。
【0034】
図5を参照すると、上側シャーシ104のさらなる詳細が示されている。内部構成要素を見えるようにするために、下側シャーシ102および上側シャーシ104の構成要素を通常遮蔽しているカバー107,108,114が、
図5では省かれている。ラック138は、端197,198を有する互いに離間した一対の平行な細長支持ポスト196によって、フレーム180の上方に支持されている。端197は、フレーム180に取り付けられている。支持ポスト196は、フレーム180から直角に上方に延在している。ラック138は、端198に取り付けられている。支持ポスト196は、どのような適切な材料、例えば、鋼から形成されていてもよく、溶接のような適切な方法によってまたは固定具の使用によって、フレーム180およびラック138に取り付けられている。
【0035】
図6を参照すると、下側シャーシ102のさらなる詳細が示されている。可動シャーシ100の内部構成要素を見えるようにするために、上側シャーシ104、支持体106、ポスト196、および下側シャーシ102の構成要素を通常遮蔽しているカバー107,108は、
図6では省かれている。下側シャーシ102は、略平坦なU字状フレーム180を備えている。フレーム180は、中心部182および一対のアーム184,186を有している。一対のアーム184,186は、中心部182から略直角に近位方向に延在している。アーム184,186は、略同一長さを有しているが、アーム186は、アーム184より広くなっている。アーム184,186は、アーム184,186間の距離が、中心部182に隣接する箇所におけるよりもアーム184,186の近位端において大きくなるように、傾斜している。アーム184の傾斜は、可動ローバー1000が可動シャーシ100に嵌合されるとき、可動ローバー1000を開口124内に案内するのを助長する。
【0036】
フレーム180は、上面187、下面188、およびフレーム180の外周を囲んで直角に上方に延在する周囲リム190を有している。中心部182およびアーム184,186は、それらの間に空洞124の一部を画定している。フレーム180は、どのような適切な材料、例えば、打抜きシート鋼から形成されていてもよい。4つの車輪130が、フレーム180の底の4つのコーナの近くに取り付けられており、これによって、シャーシ100の車輪転動による移動が可能になっている。
【0037】
真空源および濾過をもたらすための真空ポンプ/フィルターアセンブリ200が、フレーム180に取り付けられている。真空ポンプ/フィルターアセンブリ200は、真空源または真空ポンプ210、真空レギュレータアセンブリ220、およびフィルターアセンブリ230を備えている。具体的には、真空ポンプ210は、固定具212を用いて、アーム186の上面187のアーム196の中心の近くに取り付けられている。一実施形態では、真空源210は、回転ベーン式真空ポンプである。このような1つの真空ポンプは、イリノイ州ノースブルックのIDEX Corporationの一部署であるGast Manufacturing, Incorporated から市販されている回転ベーン真空ポンプ(Gast 1023 シリーズ12CFM、部品番号:1023−318Q−G274AX)である。
【0038】
支持構造240が、固定具(図示せず)を用いて真空ポンプ210に取り付けられている。真空レギュレータアセンブリ220およびフィルターアセンブリ230は、固定具(図示せず)を用いて支持構造240に取り付けられている。真空レギュレータアセンブリ220は、真空レギュレータ222,224(
図3)および逆止弁226,228(
図3)を単一ユニットに一体化している。フィルターアセンブリ230は、HEPAフィルター232および真空安全弁234を単一ユニットに一体化している。真空マニホールド220およびフィルターアセンブリ230の特徴のさらなる詳細は、2009年11月24日に刊行された米国特許第7,621、898号に開示されている。この文献の内容は、参照することによって、ここに含まれるものとする。一対の真空ホース242が、真空レギュレータアセンブリ220とフィルターアセンブリ230との間に接続されている。他の真空ホース244が、真空ポンプ210をフィルターアセンブリ230に接続している。
【0039】
絶縁シェル250が、真空/フィルターアセンブリ200を密閉している。絶縁シェル250は、真空ポンプ210を含む真空構成要素によって生じる騒音を減衰するものである。絶縁シェル250は、略矩形状であり、5つのパネル252を備えている。パネル252は、内部チャンバ256を画定している。絶縁シェル250の内壁は、音響減衰絶縁物258によって覆われている。絶縁シェル250は、シート金属、鋳造金属、プラスチック、または他の適切な材料から形成されている。絶縁シェル250は、真空/フィルターアセンブリ200を覆って取り付けられ、固定具(図示せず)によってフレーム180に固定されている。
【0040】
図7をさらに参照すると、可動シャーシ(吸引カート)100は、浮動カートカップリング特徴部または浮動カプラー300を備えている。浮動カプラー300は、以下に述べるシャーシ真空カプラー400およびシャーシ電力カプラー500をシャーシフレーム180に対して移動させるために、6自由度を有している。以下に述べるように、この運動によって、可動シャーシ100に対する可動ローバー1000の電気結合および吸引結合が容易になる。この浮動カプラーによってもたらされる柔軟性によって、手術室床が凹凸であっても、すなわち、平らでなくても、嵌合部品のローバー部分およびシャーシ部分を自動的に真っ直ぐに並べることができる。これによって、ユーザーが手に触れて汚すことなくまたは真空カップリングを汚染させることなく、シャーシに対するローバーの迅速な嵌合を可能とし、外科的設置を早めることが可能になる。
【0041】
浮動カプラー300は、台形状ブラケット302を備えている。ブラケット302は、その一端から延在する屈曲フランジ306を有している。3つの開口304がブラケット302を貫通している。支持ポスト310は、ネジ付き端312および円板状ヘッド314を有する他端を有している。3つのコイルバネ316が、ブラケット302とフレーム180の上面187との間に圧縮されている。具体的には、支持ポスト310が、開口304を貫通しており、コイルバネ316によって囲まれている、ネジ付き端312は、フレーム面187の孔318を貫通している。ナット320がネジ付き端312を固定し、支持ポスト310をシャーシフレーム180に保持している。
【0042】
バネ316は、ポスト310よりも長くなっている。ブラケット開口304は、ポスト310の外径よりも大きくかつポストヘッド314の外径よりも小さい外径を有している。バネ316は、フレーム面187からポスト310の周りに沿って延在し、カプラーブラケット302の下面に押し付けられている。従って、バネ316は、ブラケット302をフレーム面187の上方に保持することになる。ブラケット302の上向き運動は、ポストヘッド314に対するブラケット302の上面の当接によって制限される。もしポスト310の本体がブラケット開口304よりも小さい直径を有しているなら、ブラケットは、ポスト310、従って、フレーム180に対して3軸を中心として並進運動および回転運動することができる。
【0043】
垂直方向を向いた矩形状壁324は、前面326および後面328を有している。壁324は、ブラケット302が壁324に対して略直交するように、ブラケット302のフランジ306に取り付けられている。壁324は、シート金属から形成されており、溶接のような適切な方法によってまたは固定具を用いて、フランジ306に取り付けられている。壁342の底部330は、空洞124に隣接する領域のリム190の上方に延在している。一対の孔334が、壁324の下側中心の近くに配置され、壁324を貫通している。孔334の各々は、4つの等間隔に配置された開口336によって囲まれている。2つの追加的な開口338が、壁324の片側の近くに配置されている。
【0044】
他のL字状ブラケット350が、壁324の前面に取り付けられている。
図8を参照すると、ブラケット350は、水平プレート352,第1の垂直プレート354、第2の垂直プレート356、および水平プレート352と第1の垂直プレート354との間に位置する傾斜区域358を備えている。水平プレート352は、垂直プレート354,356に対して略直交している。第1の垂直プレート354および第2の垂直プレート356は、互いに平行であり、かつ互いにいくらか離間している。水平プレート352の一端は、壁324の前面326に取り付けられている。水平プレート352は、溶接によってまたは固定具の使用によって、前面326に取り付けられている。第1の矩形状通路360が、第1の垂直プレート354に画定され、第2の矩形状通過362が、第2の垂直プレート356に画定されている。通路360,362は、互いに同軸である。
【0045】
図6および
図7を再び参照すると、浮動カプラー300は、カバーまたはシュラウド370をさらに備えている。シュラウド370は、シャーシ電力カプラー500を密閉し、保護するものである。ブラケット302,350、壁324、およびシュラウド370は、シート金属から形成されていてもよいし、またはプラスチック材料から形成されていてもよい。シュラウド370は、略U字状であり、直立壁372、底壁374、および2つの傾斜区域376を備えている。直立壁372は、適切な方法によって、例えば、固定具によって、ブラケットプレート352に取り付けられている。傾斜区域358および傾斜区域376は、可動シャーシ1000および可動ローバー100が互いに嵌合するとき、可動シャーシ1000内への可動ローバー1000の心出しを助長する。ブラケット350は、壁372をいくらか超えて延在しており、突起またはリップ377を画定している。
【0046】
浮動カプラー300によって、シャーシ真空カプラー400およびシャーシ電力カプラー500を可動ローバー1000の対応する嵌合特徴部に対してより容易に位置合わせさせるために、いくらか上方、下方、側方、遠位方向、および近位方向に回転させかつ移動させることができる。特に、コイルバネ316によって、ブラケット302、壁324、およびシュラウド370をフレーム180に対して適所にいくらか傾斜させ、かつ移動させることができる。その結果、シャーシ真空カプラー400およびシャーシ電力カプラー500は、コイルバネ316の付勢に対してあらゆる方向に移動することができ、これによって、ローバー1000に対する嵌合が容易になる。
【0047】
浮動カプラー300は、壁324に取り付けられた2つのシャーシ真空カプラー400を備えている。
図9を参照すると、各シャーシ真空カプラー400は、シャーシ内側ハブ410、電磁石420、シャーシ外側ハブ430、およびエルボー取付具450を備えている。内側ハブ410は、略スプール状であり、環状外面412、および孔411を画定する環状内面413を有している。遠位側に延在するボス414が、内側ハブ410の片側に配置されている。ボス414は、壁孔334に嵌入されている。環状空洞415が、環状外面412に画定されている。ワイヤ巻線422が、空洞415内に配置され、電力がワイヤ巻線422に印加されたとき、電磁石420を形成する。図では、電磁石420として示されているが、一実施径形態では、永久磁石であってもよい。雌ネジ山416が、内面413に形成されている。雌ネジ山416は、ボス414の端から始まり、内面413に沿って孔411の長さの略半分にわたって延在している。
【0048】
内側ハブ410および外側ハブ430は、電磁石420が励磁されたときに内側ハブ410および外側ハブ430が磁場を生じるように、鋼のような強磁性材料から形成されている。リング状の外側ハブ430は、面432,434および環状段435を有している。面434は、壁面326に隣接しかつ接触して取り付けられている。外側ハブ430は、面434から孔334内に延在する環状リム436をさらに備えている。4つのネジ付き孔438が、面434に画定されている。ネジ付き固定具444が、外側ハブ430を壁324に保持するために、ネジ付き孔438にねじ込まれている。孔440が、面432,434間にわたって外側ハブの中心を貫通し、内面442によって画定されている。環状外面412および内面442は、内側ハブ410が外側ハブ430に保持されるように、テーパが付されている。他の実施形態では、内側ハブ410は、外側ハブ430に圧入されるか、または外側ハブ430に接着剤によって接続されている。
【0049】
エルボー取付具450が、各内側ハブ410に接続されている。エルボー取付具450は、ネジ付き端452を有している。ネジ付き端452は、内側ハブのネジ山416に螺合されるネジ山453を有している。各エルボー取付具450の他端は、真空ホース246に接続されている(
図7)。各真空ホース246は、エルボー取付具450と真空マニホールド220の対応する取付具との間に延在している。
【0050】
図8を参照すると、シャーシ電力カプラー500のさらなる詳細が示されている。シャーシ電力カプラー500は、誘導結合によって、電力をシャーシ100からローバー1000に伝送するものである。シャーシ電力カプラー500は、ワイヤ巻線510が巻き付けられたフェライトコア508を備えており、ワイヤ巻線510およびフェライトコア508は、いずれもプレート開口360,362内に取り付けられている。ワイヤ巻線510は、電気ケーブル520によって、AC電源に接続されている。ケーブル520の周りに配置された電気フィルター530は、ローバーへの電気信号の伝送による電気的騒音の放出を低減させるものである。絶縁材料から形成されたカバー540が、巻線510を覆おっている。可動ローバー1000が可動シャーシ100に嵌合されたとき、電力カプラー500は、可動ローバー1000の他の巻線に対する巻線510の誘導結合を介して、電力を可動ローバー1000に供給する。これによって、ユーザーが手動によって個別の電気接続を行なうことなく、電力を弁、光源、および流体量測定センサのようなローバーの構成要素に供給することができる。
【0051】
図6および
図7を参照すると、可動シャーシ100は、シャーシデータ連通モジュール6002をさらに備えている。シャーシデータ連通モジュール600は、可動シャーシ1000と可動ローバー100との間のデータおよび情報の交換を容易にするものである。シャーシデータ通信モジュール600は、電子通信回路620を含む印刷回路基板610を備えている。電子通信回路620は、信号結合回路と呼ばれることもある。印刷回路基板610は、壁324の後面328に取り付けられている。通信回路620は、赤外線発光ダイオード(IRLED)送信機630および受信機640に接続されている。IRLED送信機630および受信機640は、印刷回路基板610に取り付けられており、IRLED送信機630および受信機640が近位方向を向くように、壁開口338を通って延在している。IRLED送信機630および受信機640は、浮動カプラー機構300に取り付けられているので、ローバー1000がシャーシ100に連結されたとき、対応するローバーデータ通信モジュールに対して自己整合することになる。
【0052】
[B.可動ローバー]
図10を参照すると、廃棄物収集システム50は、シャーシ100に離脱可能に嵌合される可動ローバー1000をさらに備えている。
図10において、内部構成要素をより明瞭に見せるために、可動ローバー1000の内部部品を通常遮蔽しているカバーが省かれている。可動ローバー1000は、上側廃棄物容器1200および下側廃棄物容器1202を備えている。フレーム1204が下側廃棄物容器1202を支持しており、下側廃棄物容器1202が上側廃棄物容器1200を支持している。上側廃棄物容器1200は、上側容器1200内の廃棄物を重力によって下側容器1202内に空けることができるように、下側廃棄物容器1202の上方に取り付けられている。2つの廃棄物容器1200,1202が
図10に示されているが、いくつかの実施形態では、可動ローバー1000は、1つのみの廃棄物容器を有していてもよい。
【0053】
図11をさらに参照すると、フレーム1204は、平坦な矩形状の可動ベース1206、およびU字状支持部材1208を備えている。フレーム1204の構成要素は、鋼のような金属から形成されているとよい。ベース1206は、上面1207および底面1209を備えている。支持部材1208は、上面1207に取り付けられている。下側廃棄物容器1202は、支持部材1208に取り付けられた底支持リング1210を有している。4つの車輪1212が、可動ローバー1000の車輪転動による移動を可能にするために、ベース1206の底に取り付けられている。
【0054】
図1および
図2を参照すると、ベース1206は、カバー1002によって覆われている。前カバー1004が、廃棄物容器1200,1202の前面を被って取り付けられており、後カバー1006が廃棄物容器1200,1202の後面を被って取り付けられている。ハンドル1010は、掴みバー1012およびフレーム1204に取り付けられたアーム1014を有している。解除ボタン1015のような入力装置が、掴みバー1012に取り付けられている。ボタン1015は、可動ローバー1000を可動シャーシ100に保持する電磁石420(
図9)の作動を停止するものである。医療従事者は、ハンドル1010を押すかまたは引っ張ることによって、可動ローバー1000を位置決めすることができる。透明窓1020,1022が、前カバー1002に形成されており、これによって、ユーザーは、廃棄物容器1200,1202の内容物を視覚的に確認することができる。
【0055】
カバー1002,1004,1006およびハンドル1010は、成形プラスチックから形成され、適切な方法によって、例えば、固定具の使用によって、フレーム1204および廃棄物容器1200,1202に取り付けられている。カバー1002,1004,1006は、可動ローバー1000の内部構成要素を保護し、かつ改良された視覚的外観をもたらすために用いられている。
【0056】
図10を特に参照すると、上側廃棄物容器1200は、上側キャニスター1218を備えている。上側キャニスター1218は、円筒状に見えるが、いくらか円錐台状になっている。上側キャニスター1218は、医療/外科廃棄物を保持するための上側廃棄物チャンバ1220を画定している。上側キャップ1222が、上側キャニスター1218を覆っており、これによって、上側廃棄物チャンバ1220を密閉している。下側廃棄物容器1202は、いくらか円錐台状の下側キャニスター1224を備えている。下側キャニスター1224は、廃棄物を保持するための下側廃棄物チャンバ1226を画定している。下側キャップ1228が、下側キャニスター1224を覆っており、これによって、下側廃棄物チャンバ1226を密閉している。
【0057】
下側キャニスター1224は、略10リットルから40リットルの間の比較的大きな容積を有している。上側キャニスター1218は、略1リットルから10リットルの間のより小さい容積を有している。キャニスター1218,1224は、円錐台形状を有するものとして示されているが、他の形状が用いられてもよい。キャニスター1218,1224およびキャップ1222,1228は、その少なくとも透明の部分が成形プラスチックから形成されている。上側キャップ1222および下側キャップ1228にさらなる剛性をもたらすために、構造的支持/取付け特徴部1225が、キャップ1222,1228の外面に形成されており、これによって、キャップ1222,1228の倒れを防ぎ、他の構成部品をキャップ1222,1228に取り付けることが可能になる。
【0058】
図12をさらに参照すると、キャニスター1218,1224は、それぞれ、底1230,1232を備えている。外壁1234,1236は、それぞれ、底1230,1232から開端に向かって上方に延在している。環状リム1238,1240が、それぞれ、開端において、外壁1234,1236の各々の周りに周方向に延在している。溝1242,1244が、それぞれ、リム1238,1240に画定されている。キャップ1222,1228をキャニスター1218,1224に封止するために、エラストマーシール1246,1248が、それぞれ、溝1242,1244に配置されている。
【0059】
キャップ1222,1228の各々は、周辺リップ1250,1252を備える略ドーム形状を有している。周辺リップ1250,1252は、それぞれ、キャニスター1218,1224のリム1238,1240にそれらの間にエラストマーシール1246,1248を介在させて係合されている。V字状クランプ1254,1256が、それぞれ、周辺リップ1250,1252をリム1238,1240に締め付けることによって、キャップ1222,1228をキャニスター1218,1224に固定している。
【0060】
マニホールド受器1258が、それぞれ、キャップ1222,1228に取り付けられている。マニホールド受器1258は、使い捨てマニホールド1260(
図2参照)を受け入れるように構成されている。マニホールド1260は、廃棄物を患者に近接する1つまたは複数の部位から吸引ライン60,64(
図2参照)を通して廃棄物容器1200,1202に導くものである。単一の吸引ライン60,64が、
図2において、使い捨てマニホールド1260の各々に取り付けられた状態で示されている。最大4つの吸引ラインが各使い捨てマニホールド1260に取り付け可能になっている。吸引ライン60の遠位端は、吸引印加器62に接続されており、吸引ライン64の遠位端は、吸引印加器66に接続されている。吸引印加器62,66は、さらなる外科手術手順を行なう他の外科用工具および外科用器具内に組み込まれていてもよい。
【0061】
一実施形態では、使い捨てマニホールド1260は、吸引ライン60,66から受けた廃棄物をキャニスター1218,1224に入る前に濾過するために、フィルター(図示せず)を備えている。
【0062】
上側キャニスター底1230は、固定具(図示せず)を用いて、支持プラットホーム1211に取り付けられている。支持プラットホーム1211は、下側キャニスターキャップ1228に取り付けられている。具体的には、支持プラットホーム1211は、固定具(図示せず)を用いて、下側キャニスターキャップ1228の取付け特徴部1225に取り付けられている。
【0063】
図13および
図14を参照すると、キャップ1222,1228のさらなる特徴が示されている。
図13および
図14では、上側キャップ1222のみが示されている。下側キャップ1228は、上側キャップ1222と同じ特徴を有している。ただし、下側キャップ1228の寸法は、下側キャニスターのより大きい寸法に対応して、大きくなっている。
【0064】
各キャップ1222,1228内には、スプリンクラーヘッド1180に接続されたスプリンクラーポート1172が設けられている。スプリンクラーポート1172およびスプリンクラーヘッド1180は、廃棄物キャニスター1218,1224を洗浄するための水および洗浄流体の源に接続されている。
【0065】
各キャップ1222,1228内に、廃棄物導管または廃棄物ポート1270が設けられている。廃棄物導管1270は、マニホールド受器1258からその関連するキャニスター1218または1224内に至る流体連通経路として機能する。導管1270の出口は、流入する空気および廃棄物の流れをキャニスター1218,1224の中心軸から該キャニスターの外壁1234,1236に向かって導くようになっている。空気および廃棄物をキャニスター壁1234,1236に向かって導くことによって、キャニスター内に生じる流体面の擾乱が最小限に抑えられ、貯蔵された流体量をより正確に測定することができる。また、空気および廃棄物の流れを強制的にキャニスター壁1234,1236に向かって導くことによって、液体と空気との分離を促進することができる。流入する空気内に捕捉された流体粒子は、空気よりもかなり重い。空気は、キャニスター壁に衝突したときに、その方向が変化する。しかし、流体粒子は、重すぎるので、その方向を変化させることができない。流体粒子は、キャニスター壁に衝突し、表面張力によって該壁に付着し、キャニスターの底に流れ落ちることになる。
【0066】
真空ポートまたは真空導管1564が、キャップ1222,1228の各々を通って画定されている。90°エルボー継手1500が、真空ポート1564の各々に取り付けられている。エルボー継手1500は、真空ポート1564に接続された一端、および真空ライン1496,1510(
図10)に接続された他端を有している。エルボー継手1500は、真空ポート1564および真空ライン1496,1510内に圧入可能になっている。真空ライン1496,1510の他端は、ローバー真空カプラー1600(
図10)に接続されている。
【0067】
キャップ1222,1228の各々は、水滴および廃棄物が真空システムおよび真空ライン1496,1510に侵入し、真空ポンプ210を塞ぐおそれを防ぐために、フィルター/フロートアセンブリ1562を備えている。
【0068】
上側キャップ1222の真空ポート1564は、フィルター区画1566内に開いている。フィルター区画1566は、上側キャップ1222の底から下方に延在する仕切り壁1568によって画定されている。フィルター/フロートアセンブリ1562は、フィルター区画1566内に取り付けられている。
【0069】
フィルター/フロートアセンブリ1562は、フィルター区画1566内に配置されたミストトラップ1570を備えている。上側キャニスター1218内から真空ポート1564内に入る任意の流体、例えば、空気は、ミストトラップ1570を先ず通過しなければならない。ミストトラップ1570は、活性化炭素材料を含む多孔性構造を有するフィルター要素である。ミストトラップ1570は、保持部材によってフィルター区画1566内に保持されている。保持部材は、複数の細長ベント1576を画定するベントプレート1574を備えており、これによって、流体をミストトラップ1570内に通流させることができる。ベントプレート1574は、上方に延在するスリーブ1578を備えている。
【0070】
フロート1580は、プラスチックまたは他の軽量材料から形成されており、スリーブ1578上に摺動可能に支持されている。フロート1580は、バルーン状ヘッド1582、および該ヘッド1582から先端1586に向かって上方に延在するネック1584を備えている。ネック1584は、スリーブ1578内に摺動するようになっている。ネジ山が先端1586に画定されている。ステム1590が、その一端に先端1586のネジ山と係合するネジ山を有している。ステム1590は、ステム1590と先端1586との間にシール部材1596を捕捉する肩部1594を有している。ステム1590は、ネック1584から第2の端に延在している。ネック1584は、真空ポート1564の底において上側キャップ1222内に画定された孔内に摺動可能に支持されている。
【0071】
廃棄物収集システムの使用中、もし上側キャニスター1218における廃棄物のレベルが所定の閾値を超えたなら、廃棄物がフロート1580を上方に持上げ、ステム1590の第2の端を真空ポート1564内に押し込む。その結果、肩部1594が上側キャップ1222と当接し、フロート1580のさらなる上方移動を阻止する。この時点で、シール部材1596が真空ポート1564を覆い、真空ポンプ210からの吸引を機械的に遮断する。これによって、廃棄物流体が上側キャニスター1218から真空ポート1564に入ることが阻止される。フロート1580は、電子的遮断の故障によって廃棄物が真空ポンプ210内に引き込まれるのを阻止するための予備の遮断弁をもたらしている。
【0072】
図12は、上側キャニスター1218の廃棄物を重力によって下側キャニスター1224に空けるのを容易にするために、上側キャニスター1218と下側キャニスター1224との間に配置された切換弁1276を示している。切換弁1276は、廃棄物容器1200,1202間の真空経路を封止するように選択的に閉鎖可能になっており、これによって、独立した真空調節を行なうことができる。開位置では、上側キャニスター1218内の廃棄物が、重力の影響を受けて、下側キャニスター1224に排出される。閉位置では、廃棄物は、上側キャニスター1218内に保持される。一実施形態では、上側キャニスター1218から下側キャニスター1224への廃棄物の排出を助長するために、低レベルの真空が下側キャニスター1224に印加されるようになっている。切換弁1276は、弁球とすることができる。切換弁1276によって、可動ローバー1000は、多量の廃棄物を保持することができ、空にすることが必要とされる前に、いくつかの医療手術手順に用いることができる。
【0073】
切換弁1276は、切換弁アクチュエータまたはモータ1278によって移動するようになっている。切換弁モータ1278は、切換弁1276を開位置と閉位置との間で移動させるように、切換弁1276に連結されている。開位置では、キャニスター1218,1224間に連通が生じ、閉位置では、キャニスター1218,1224間の流体連通が遮蔽される。切換弁1276および切換弁モータ1278は、いずれも支持プラットホーム1211に取り付けられている。切換弁1276および切換弁モータ1278のさらなる詳細は、米国特許第7,621,898号に開示されている。この文献の内容は、参照することによって、ここに含まれるものとする。
【0074】
図11は、ローバー真空カップリング1600のさらなる詳細を示している。平坦な矩形状の取付けプレート1300が、フレーム1204の上面1207から直角に上方に延在している。取付けプレート1300は、金属から形成されており、フレーム1204に取り付けられている。取付けプレート1300は、遠位面1302および近位面1304を備えている。2つの開口1306(
図16参照)が、取付けプレート1300の上端の近くに画定され、取付けプレート1300を完全に貫通している。他の対のより小さい直径の開口1308(
図16参照)が、各開口1306の互いに向き合った側において互いに直径方向に向き合っている。矩形状凹部1310が、フレーム1204に隣接する取付けプレート1300の底縁の近くに配置されている。2つのローバー真空カップリング1600は、取付けプレート1300に並んで取り付けられている。真空カプラー1600は、可動ローバー1000から遠位方向を向いており、可動ローバー1000が可動シャーシ100に嵌合したとき、空洞124(
図1)の方を向くようになっている。
【0075】
図15および
図16を参照すると、ローバー真空カプリング1600の断面図が示されている。ローバー真空カップリング1600は、ローバー内側ハブ1610、ローバー外側ハブ1640、面シール1660、逆止弁1700、およびエルボー取付具1750を備えている。面シール1660は、ローバー外側ハブ1640を囲んでおり、ローバー外側ハブ1640は、ローバー内側ハブ1610の一部を囲んでいる。ローバー内側ハブ1610は、逆止弁1700を含んでいる。逆止弁1700は、可動シャーシ100から可動ローバー1000への吸引流体の流れを阻止し、可動ローバー1000から可動シャーシ100への吸引流体の流れのみを可能にするものである。さらに、逆止弁1700によって、ローバー1000は、代替的吸引源、例えば、逆止弁1280(
図3)を介して接続される外部吸引源に接続可能になる。また、逆止弁1700は、可動ローバー1000が可動シャーシ100から切り離されたとき、真空カプラー1600内に残留する材料の滴下を阻止することができる。
【0076】
図17A〜
図17Cは、ローバー内側ハブ1610の詳細を示している。ローバー内側ハブ1610は、両端1611,1612および環状中心フランジ1614を備える略円筒形状を有している。中心フランジ1614は、両側面1615,1616を有している。ボス1618が側面1615から直角に遠位方向に延在しており、ボス1619が側面1616から直角に近位方向に延在している。孔1620Aが内側環状面1609によってボス1618に画定されており、孔1620Bが内側環状面1608によってボス1619に画定されている。孔1620A,1620Bは、互いに同軸である。孔1620A,1620B間において、環状壁1625が、中心フランジ1614から部分的に内方に延在している。
【0077】
環状段1622が、ボス1618の基部から遠位方向に延在している。環状溝1621が、段1622に隣接してボス1618の外面に画定されている。2つの直径方向において互いに向き合ったポスト1624が、ボス1618の両側において側面1615から直角に延在している。
【0078】
ボス1619の一部が除去され、切欠き1626を画定している。切欠き1626は、エルボー取付具1750の一部を受け入れるものである。長孔1627が、ボス1619の長さに沿って画定されている。2つの直径方向において向き合ったポスト1628が、ボス1619の両側において側面1616から直角に近位方向に延在している。ネジ付き孔1629が、各ポスト1628内に延在しており、一対のタブ1630がポスト1628の各々から傾斜して延在している。タブ1630は、それらの間に傾斜した長孔1632を画定している。雄ネジ山1634が、ボス1618の外面に画定されている。
【0079】
図18を参照すると、ローバー外側ハブ1640が示されている。ローバー外側ハブ1640は、遠位面1641および近位面1642を備える略円筒形状を有している。ローバー外側ハブ1640は、遠位面1641に隣接する外側環状面1643を有している。環状フランジ1644が、外側環状面1643から外方に延在し、段1645を画定している。他の外側環状面1646が、近位面1642に隣接している。外側環状面1643の直径は、外側環状面1646の直径よりも大きくなっている。他の段1647が、フランジ1644と外側環状面1646との間に画定されている。近位方向を向く傾斜面1648が、段1647から外方に延在している。
【0080】
中心貫通孔1650が、ローバー外側ハブ1640を貫通し、環状内面1651によって画定されている。雌ネジ山1652が、環状内面1651に画定されている。外側ハブの雌ネジ山1652は、内側ハブ1610および外側ハブ1640が互いに取り付けられるように、内側ハブの雄ネジ山1634(
図17A)に嵌合される。座ぐり孔1654が、近位面1642からローバー外側ハブ1640内に部分的に延在している。座ぐり孔1654は、近位側を向く部分的円錐面1655によって画定されている。環状溝1656が、環状内面1651に画定されている。環状リップ1658が、遠位面1641に隣接して孔1650内に延在している。
【0081】
ローバー外側ハブ1640は、磁場に吸引される鋼のような強磁性材料から形成されている。ローバー内側ハブ1610は、プラスチックから形成されていてもよいし、または金属から形成されていてもよい。外側ハブ1640は、電磁石420(
図9)が励磁されたとき、可動シャーシ真空カップリング400に吸引される。
【0082】
図19は、面シール1660の詳細を示している。面シール1660は、中心体1662、遠位側を向いた柔軟な環状リム1663、および近位面1664を備える略円筒形状を有している。面シール1660は、外側環状面1666および中心貫通孔1668を有している。孔1668は、環状内面1670によって部分的に画定されている。座ぐり孔1672が、近位面1664から部分的に面シール1660内に延在している。座ぐり孔1668は、環状内面1673によって画定され、段1674で終端している。
【0083】
環状溝1676が、環状内面1670に画定されている。環状溝1676は、環状傾斜面1678、環状段1689、および孔1668内に延在する環状リップ1682によって、さらに画定されている。環状溝1676は、面シール1660の中心の近くに配置されている。柔軟な環状リム1663は、環状リップ1682の基部に向かって傾斜する傾斜内面1684を有している。面シール1660は、面シール1660がいくらか圧縮されるようにかつリム1663が周方向外方および内方に撓むように、ゴムまたはプラスチックのような弾性材料から形成されているとよい。
【0084】
図20を参照すると、逆止弁1700の詳細が示されている。
図20では、逆止弁1700は、吸引空気の流れを塞ぐ閉位置にある状態で示されている。逆止弁1700は、略円筒形状を有している。逆止弁1700は、弁ヘッド1730を含む円筒状中空弁体1702を有している。弁体1702は、遠位端1704および向き合った近位端1706を備えている。弁体1702は、外周面1708を有している。環状溝1710が、外面1708の端1706の近くに画定されている。ゴムシール1712が、環状溝1710内に取り付けられている。
【0085】
弁体1702は、内面1715を備える中心通路1714を有している。開口1716が、丸形リップ1718によって通路1714の端1706に画定されており、他の開口1720が、通路1714の端1704に画定されている。環状長孔1722が、内面1715の弁体1702の近くに画定されている。環状段1724が長孔1722と内面1715との間に画定されており、他の環状段1726が長孔1722の他端に画定されている。部分的円錐面1728が、通路1714の方を向いて弁体1702内に画定され、段1726と遠位端1704との間に位置している。
【0086】
弁ヘッド1730は、略キノコ状であり、ステム1734に取り付けられた丸形キャップ1732を有している。キャップ1732は、近位側を向く上面1736および遠位側を向く底面1738を有している。環状凹部1740が、ステム1734を囲むように底面1738に画定されている。柔軟な環状リップシール1739が、段1724に取り付けられている。円錐状弁部材1742が、開口1720に隣接して通路1714内に取り付けられている。弁部材1742は、円錐壁1744および中空円筒ポスト1745を有している。円錐壁1744は、弁部材1742が遠位方向に移動しないように、円錐面1728に接触して配置されている。孔1746が、ポスト1745の中心を通って画定されている。孔1746は、ステム1734を受け入れるようになっている。ポスト1745は、ステム1734を孔1746内において線状に摺動可動に支持している。
【0087】
コイルバネ1747が、ステム1734およびポスト1745を囲んでいる。コイルバネ1747は、遠位端1748および近位端1749を有している。遠位端1748は、円錐壁1744およびポスト1745の接合点に位置している。近位端1749は、凹部1740内に保持されている。コイルバネ1749は、キャップ上面1736の一部がリップシール1739に接触して着座する閉位置に、弁ヘッド1730を付勢している。リップシール1739とキャップ上面1736との接触によって、リップシール1739は、端1706に向かって撓むことになる。弁ヘッド1730が最大開位置にあるとき、弁ヘッド1730の遠位方向の運動は、キャップ底面1736と環状段1726および円錐壁1744との係合によって制限される。
【0088】
図16、
図17A、
図17Cおよび
図20を参照すると、逆止弁1700は、内側ハブ孔1620A内に取り付けられている。この状態にあるとき、逆止弁外面1708は、内側ハブ内面1609によって囲まれており、逆止弁端1706は、内側ハブ壁1625に当接している。弁1700と内側ハブ1610との間を封止するために、シール1712が、溝1710の底と内側ハブ内面1609との間に圧縮される。このシールによって、逆止弁1700と内側ハブ1610との間の真空の漏れを実質的になくすことができる。逆止弁1700は、逆止弁遠位端1704の一部にわたって延在する外側ハブ環状リップ1658によって、孔1620A内にさらに保持されている。
【0089】
図16、
図18および
図19を参照すると、面シール1660は、外側ハブ1640を囲んで取り付けられている。具体的には、外側ハブフランジ1644は、面シール溝1676によって囲まれており、外側ハブ段1647は、面シール段1680に当接している。ゴム面シール1660の柔軟性によって、面シール1660を外側ハブ1640の全体にわたって引き伸ばすことができる。面シールリップ1682は、外側ハブ段1645の上に取り付けられており、外側ハブ段1645に当接している。面シールの近位面1664は、取付けプレート面1302と当接し、取付けプレート面1302に対していくらか圧縮されている。中心体1662は、取付けプレート面1662と外側ハブ段近位面1647との間に挟まれ、圧縮されている。中心体1662は、ゴムのような弾性材料から形成されているので、真空カプラー400に嵌合されるとき、外側ハブ遠位面1641を撓ませ、位置合せを助長することによって、バネとして作用する。
【0090】
図16、
図17A〜
図17Cおよび
図18を参照すると、ローバー内側ハブ1610は、取付けプレート1300に取り付けられている。具体的には、内側ハブボス1618および段1622は、取付けプレート孔1306を貫通し、内側ハブフランジ面1615は、取付けプレート近位面1304に当接し、内側ハブポスト1624は、開口1308を貫通している。ローバー内側ハブ1610は、ローバー外側ハブ1640に嵌合され、連結されるようになっている。面シール1660が外側ハブ1640に取り付けられ、この組合体が、取付けプレート1300の遠位側に配置され、次いで、内側ハブ1610に対して回転され、またはねじ込まれる。
【0091】
具体的には、内側および外側ハブ1610,1640を一緒に保持するために、外側ハブネジ山1652は、内側ハブネジ山1634に螺合される。外側ハブ1640が内側ハブ1610に対して回転すると、面シール近位面1664(
図19)が取付けプレート面1302に当接し、取付けプレート面1302に対していくらか圧縮される。シール1770が、外側ハブ傾斜面1655と内側ハブ段1622との間に圧縮され、内側ハブ1610と外側ハブ1640との間に真空シールを形成する。このシールによって、内側ハブ1610と外側ハブ1640との間の真空の漏れを実質的になくすことができる。
【0092】
図16および
図17Bを再び参照すると、90°エルボー取付具1750は、棘付き端1752および他の端1754を有している。環状溝1756が、端1754の外面に画定され、シール1755を受け入れている。端1754は、内側ハブ切欠き1626および孔1620B(
図17B)を受け入れている。シール1755は、溝1756の基部と内側ハブ1610の内面1608との間に圧縮され、エルボー取付具1750と内側ハブ1610との間にシールを形成している。このシールによって、内側ハブ1610とエルボー取付具1750との間の真空の漏れを実質的になくすことができる。
【0093】
環状棘1758が、端1752の外面に画定されている。エルボー取付具1750は、真空ライン1496,1510の各々に連結されている。具体的には、取付端1750は、真空ライン1499,1510の各々に接続されている。環状棘1758は、真空ライン1496,1510の内面を把持している。管腔1760が、エルボー取付具1750を通って画定されている。
図15は、取付具1750の各側面に配置された直径方向において互いに向き合った一対の特徴部1762を示している。ネジ付き固定具1764、例えば、ネジが取付特徴部1762の各々を貫通し、ネジ付き孔1629(
図17B)に保持され、エルボー取付具1750の全体にわたって延在するワイヤクリップ1766に取り付けられている。このようにして、エルボー取付具1750は、内側ハブ1610に取り付けられている。
【0094】
可動ローバー電力カプラー1800が、
図21に示されている。ローバー電力カプラー1800は、シャーシ電力カプラー500(
図8)から電力を受給するものである。ローバー電力カプラー1800は、誘導結合によって、可動シャーシ電力カプラー巻線510(
図8)から誘導結合によって電力を受給するようになっている。ローバー電力カプラー1800は、固定具1804(
図11)によってフレーム底面1208に取り付けられた矩形状ハウジング1802を備えている。カバー1806が、カバー開口1810を貫通するネジ付き固定具1808を用いて、ハウジング1802の前面に取り付けられている。カバー1806は、成形プラスチックのような非導電性材料から形成されている。カバー1806は、空洞1816および遠位側を向く開口1818を有している。前プレート1820が開口1818を覆って取り付けられており、空洞1816を密閉している。前プレート1820は、プレート1820を空洞1816内に保持するために、カバー1806の部分に当接する4つの外方に延在する肩部を有している。4つのコイルバネ1812が、ハウジング1802の遠位面とプレート1820の近位側面の孔(図示せず)との間に取り付けられている。コイルバネ1812は、前プレートの肩部が開口1818の近くのカバー1806の部分と係合するように、前プレート1820をハウジング1802から離れる方に付勢している。フェライトコア1822およびワイヤ巻線1824が、カバー1806内に取り付けられている。ワイヤ巻線1824は、電気ケーブル1826によって、可動ローバー1000内の電気回路に接続されている。
【0095】
コイルバネ1812によって、電力カプラー1800を嵌合中に電力カプラー500に良好に位置合わせさせるために、プレート1820を空洞1816内において浮上させるかまたは移動させることができる。可動ローバー1000が可動シャーシ100に嵌合したとき、ワイヤ巻線1824は、可動シャーシワイヤ巻線510から誘導結合によって電力を受給することができる。この電力は、可動ローバー1000の種々のシステムによって用いられることになる。
【0096】
図10および
図11を参照すると、可動ローバー1000は、ローバーデータ通信モジュール1850をさらに備えている。ローバーデータ通信モジュール1850は、可動ローバー1000と可動シャーシ100との間のデータおよび情報の交換を容易にするものである。ローバーデータ通信モジュール1850は、電子通信回路1856を内蔵する印刷回路基板1854を含むハウジング1852を備えている。通信回路1856は、信号結合回路と呼ばれることもある。ハウジング1852は、支持部材1208に取り付けられている。
【0097】
通信回路1856は、赤外線発光ダイオード(TRLED)送信機1858および受信機1860を備えている。IRLED送信機1858および受信機1860は、印刷回路基板1854上に取り付けられ、可動ローバー1000が可動シャーシ100に嵌合されたとき、IRLED送信機1858および受信機1860が遠位方向、すなわち、可動シャーシデータ通信モジュール609(
図7)の方を向くように、ハウジング開口1862を通って延在している。
【0098】
図6および
図11に示されているように、可動ローバー1000が可動シャーシ100に嵌合したとき、ローバーIRLED送信機1858は、シャーシIRLED受信機640と並置され、ローバーIRLED受信機1860は、シャーシ送信機630と並置されるようになっている。IRLED送信機630,1858は、光信号631を送信し、IRLED受信機640,1860は、光信号631を受信する。IRLED送信機および受信機によって、赤外線信号631を用いる可動シャーシ100と可動ローバー1000との間の通信が可能になる。
【0099】
図11は、ガイド装置1870を示している。ガイド装置1870は、可動ローバー1000が可動シャーシ100に嵌合されるとき、浮動カプラー機構300(
図6)をガイド装置1870に案内するように構成されている。ガイド装置1870は、フレーム1204の底面1208に取り付けられている。ガイド装置1870は、互いに離間した一対の細長のガイドレール1872および一対のガイドプレート1874を備えている。ガイドレール1872は、水/廃液マニホールド1900と一体に形成されている。ガイドプレート1874は、フレーム1204を通って取り付けられた固定具1876によって、一体のガイドレール1872に連結されている。固定具1876は、さらに水/廃液マニホールド1900をフレーム1204に取り付けている。ガイドレール1872およびガイドプレート1874は、フレーム1204の開口1878の両側に配置されている。開口1878は、フレーム1204の前縁の近くに配置されている。ガイドレール1872は、フレーム1204の中心軸から離れる方に延在する丸形端を有しており、ガイドプレート1874は、丸形縁を有している。ガイドレール1872は、底面1208から略直角に配向されており、ガイドプレート1872は、ガイドレール1872から直角に取り付けられている。
【0100】
ガイド装置1870は、遠位側を向いた丸形のガイド肩部1880をさらに備えている。ガイド肩部1880は、開口1878に隣接してフレーム1204の前縁からガイドレール1872間を上方に延在している。
【0101】
ガイドレール1872は、隣接ガイドレール1872の(肩部1880に隣接する)遠位端間の距離がガイドレール1872の近位端間の距離よりも大きくなるように、互いに外方に傾斜して形成されている。ガイドプレート1874は、フレーム底面1208に傾斜して取り付けられている。肩1880の近くのガイドプレート1874の端は、ガイドプレート1874の他端よりも低い位置に配置されている。
【0102】
水/廃液マニホールド1900は、開口1878の全体にわたってフレームに取り付けられている。水/廃液マニホールド1900は、廃棄物カップリングポートまたは出口取付具1902、およびマニホールド1900から開口1878内に向かって下方を向く水カップリングポートまたは入口取付具1904を備えている。廃棄物ポート1902および水ポート1904は、廃棄物キャニスター1218,1224からの排気物の排出および洗浄を容易にするために、静止ドッカー900(
図4)に接続されるようになっている。
【0103】
[C.静止ドッカー]
図22を参照すると、静止ドッカー900に係留された可動ローバー1000の水/廃液図が示されている。可動ローバー1000は、静止ドッカー900に係留されている間に、貯蔵された医療/外科廃棄物が空にされ、洗浄される。静止ドッカー900は、廃棄物ポート902および水ポート904を備えている。廃棄物ポート902および水ポート904は、それぞれ、可動ローバー1000の廃棄物ポート1902および水ポート1904に連結されている。静止ドッカーの廃棄物ポート902および可動ローバーの廃棄物ポート1902は、係留後に、連携して完全な廃棄物ポート906を形成している。水ポート1904は、水ライン1908を介して分岐弁1906に接続されている。分岐弁1906は、廃棄物容器1200,1202への水および洗浄流体の流れを調節するものである。水ライン1910は、分岐弁1906を廃棄物容器1200内のスプリンクラーヘッド1180に接続している。水ライン1912は、分岐弁1906を廃棄物容器1202内のスプリンクラーヘッド1180に接続している。廃棄物ポート1902は、容器1202の底に配置された吐出口1914によって廃棄物容器1202の底に接続されている。
【0104】
可動ローバー1000が静止ドッカー900に係留された後、下側廃棄物容器1202内に貯蔵された廃棄物が静止ドッカー900に空けられる。切換弁1276は、空にする操作中、上側廃棄物容器1200内の廃棄物が下側廃棄物容器1202内に流れるように、開位置にある。下側廃棄物容器1202が空になった後、上側廃棄物容器1200および下側廃棄物容器1202は、静止ドッカー900によって、水ポート1904、水ライン1908、分岐弁1906、各水ライン1910,1912、各スプリンクラーヘッド1180を通って各廃棄物容器1200,1202に送り込まれる洗浄流体によって洗浄される。溜まった洗浄流体は、吐出口1914および廃棄物ポート1902を通して空にされる。
【0105】
[D.電力/制御システム]
図23は、電力を送給し、可動シャーシ100および可動ローバー1000の操作を制御するための電力/制御システム1980の概略図を示している。電力コード147,154は、可動シャーシ100から延在して電力プラグ148、156で終端するそれらの長さの一部が一緒に束ねられている。電力プラグ148,156は、商用電力システムへの接続を容易にするために、医療施設内の電気レセプタクルに接続されている。電力帯片146は、電力コード147および電力プラグ148を介して、外部電源に接続されている。電力帯片146は、電力をワイヤ152を通して外科用モジュール140に送給するものである。
【0106】
電力コード154および電力プラグ156は、電力を電源804に送給するために用いられている。電源804は、1つまたは複数の電圧および電流レベルを可動シャーシ100に送給することができる。電源804は、可動シャーシ制御装置802に接続されている。可動シャーシ制御装置802は、可動シャーシ100の構成部品の操作を制御するためのコントローラまたはマイクロプロセッサおよび半導体スイッチを備えている。
【0107】
制御装置802は、電力/データケーブル808を介して電力カプラー制御装置806に接続されている。電力カプラー制御装置806は、電力ケーブル520を介して電力カプラー500に接続されている。電力カプラー500は、誘導結合によって、電力を可動ローバー1000に伝送している。可動ローバー1000は、電力ケーブル1826を介して電力調節回路1950に接続された電力カプラー1800を備えている。電力調節回路1950は、電力/データケーブル1954を介して可動ローバー制御装置1952に接続されている。ローバー制御装置1952は、電力を電力調節回路1950を介して電力カプラー1800から受給するようになっている。
【0108】
電力カプラー500は、巻線510を有しており、電力カプラー1800は、巻線1824を有している。可動ローバー1000が可動シャーシ100に嵌合されると、各電力カプラー500,1800および各巻線510,1824は、互いに物理的に近接し、これによって、AC電力が電力カプラー制御装置806によって巻線510に送給されるとき、巻線510,1824が互いに誘電結合される。
【0109】
電力は、巻線510から誘電間隙を超えて巻線1824に伝送され、電力調整回路1950に電力を供給する。この電力は、可動ローバー1000の種々のシステムによって用いられる。電力調節回路1950は、電力の電圧、電流、および周波数を制御し、典型的には、DC電力を制御装置1952に供給している。
【0110】
電力カプラー500,1800における誘電結合を用いて電力を可動ローバー1000に供給することによって、廃棄物流体の吸引中の塵埃または腐食した電気接点に付随するローバー1000と可動シャーシ100との間の電力接続の信頼性の問題を阻止することができる。
【0111】
可動シャーシ100は、電力/データケーブル810を介して制御装置802に接続された通信回路620を有している。通信回路620は、赤外線発光ダイオード(IELED)送信機630および受信機640に連通している。同様に、可動ローバー1000は、データ信号1957を伝達する電力/データケーブル1956を介して制御装置1952に接続された通信回路1856を有している。通信回路1856は、IRLED送信機1858および受信機1860に接続されている。
【0112】
可動ローバー1000が可動シャーシ100に嵌合したとき、IRLED送信機および受信機は、互いに物理的に近接し、これによって、赤外先通信光信号が赤外線送信機と受信機との間に伝達される。各IRLED送信機630、受信機640、送信機1858、および受信機1860によって、可動シャーシ100と可動ローバー1000との間のデータ通信が容易になる。
【0113】
可動ローバー1000が静止ドッカー900(
図4)に係留したとき、ローバー電力カプラー1800およびローバー通信回路1856によって、静止ドッカー900は、廃棄物を空にして洗浄する手順中に、電力を可動ローバー1000に送給し、かつ可動ローバー1000と通信することが可能になる。
【0114】
図9および
図16をさらに参照すると、制御装置802は、電力ケーブル812を介して電磁石420にさらに接続されている。電磁石420は、可動シャーシ真空カプラー400および金属ハブ430に組み入れられている。金属外側ハブ1640は、ローバー真空カプラー1600の一部である。可動ローバー1000が可動シャーシ100に嵌合されるとき、金属ハブ1640は、電磁石420に物理的に近接する。可動ローバー1000が可動シャーシ100に嵌合されたとき、可動ローバー1000は、電力カプラー500から電力を受け、これによって、ローバー制御装置1952は、電磁石420を励磁させることを指示する電気信号をデータ通信回路1856,620を介してシャーシ制御装置802に自動的に送信する。電磁石420が励磁されると、磁場が生じる。この磁場は、ローバー外側ハブ1640を引き込み、互いに向き合った面432,1641が隣接するように、ローバー外側ハブ1640をシャーシ外側ハブ430に接触させる。ローバー1000がシャーシ100に嵌合するときはいつでも、電磁石420は、自動的に励磁される。電磁石420を継続的に励磁することによって、可動ローバー真空カプラー1600は、可動シャーシ真空カプラー400に保持される。
【0115】
解除ボタン1015は、可動ローバー1000に取り付けられており、制御装置1952に連通している。ユーザーが解除ボタン1015を押し込むと、制御装置1952は、電気信号をデータ通信回路1856,620を介して制御装置802に送信し、制御装置802に電磁石420を脱磁するように指示する。電磁石420が脱磁すると、磁場がシャーシ外側ハブ430から取り除かれ、これによって、可動ローバー真空カプラー1600が可動シャーシ真空カプラー400から離脱させられている。
【0116】
図23のみを参照すると、シャーシ制御装置802は、電力/データケーブル820を介して真空ポンプ210に連通している。制御装置802は、真空ポンプ210の操作を制御する。制御装置802は、電力/データケーブル824を介してHEPAフィルターメモリ装置822に連通している。制御装置802は、フィルターが変更を必要とすることを指示する信号をHEPAフィルターメモリ装置822から受信する。制御装置802は、電力/データケーブル826を介して真空レギュレータ222にも連通している。制御装置802は、電力/データケーブル828を介して真空レギュレータ224にも連通している。制御装置802は、廃棄物容器1200,1202の各々に供給される真空レベルを独立して調節するために、真空レギュレータ222,224の操作を制御するようになっている。
【0117】
制御装置802は、電力/データケーブル832を介してスマートアクセサリポート830にさらに連通している。制御装置802は、スマートアクセサルポート830を用いて連通するように構成された種々の外科用工具および器具とインターフェイスを介して連通している。制御装置802は、電力/データケーブル834を介して可動シャーシ制御パネル162にも連通している。ユーザーは、制御パネル162を用いて、パラメータを見ることができ、設定値を調整することができ、可動シャーシ100および可動ローバー1000の操作を制御することができる。
【0118】
制御装置802は、データケーブルまたはバス168を介して外科用モジュール140にもさらに連通している。制御装置802は、電力/データケーブル836を介して電力帯片146に連通している。
【0119】
可動ローバー制御装置1952は、データケーブル1960を介して解除ボタン1015にさらに連通している。制御装置1952は、データケーブル1964を介して廃棄物制御装置レベルセンサ1962にも連通している。レベルセンサ1962は、廃棄物容器1200,1202の各々内の廃棄物のレベルを表す電気信号を生成するものである。廃棄物のレベルは、制御パネル162に表示されるようになっている。制御装置1952は、電力ケーブル1968を介してLED光源1966に連通しており、電力ケーブル1972を介してLED光源1970に連通している。制御パネル162を用いるユーザーは、各廃棄物容器1200,1202を照明するために、LED光源1966,1970を点灯および消灯するように制御装置1952を指示することができる。
【0120】
制御装置1952は、データケーブル1967を介して圧力センサ1698に連通している。データケーブル1967は、圧力信号を圧力センサ1698から制御装置1952に送信する。制御装置1952は、データケーブル1971を介して圧力センサ1699に連通している。データケーブル1967は、圧力信号を圧力センサ1699から制御装置1952に送信する。圧力信号は、ローバー制御装置1952から通信回路1856,620を介してシャーシ制御装置802に送信される。シャーシ制御装置802は、少なくとも部分的に圧力センサ信号に基づき、容器1200,1202に印加される真空を調節する。一実施形態では、制御装置802は、廃棄物容器1200,1202の各々に印加される真空レベルを独立して調整するために、圧力センサ信号に基づき、真空レギュレータ222,224の操作を制御している。
【0121】
制御装置1952は、電力/データケーブル1974を介して切換弁アクチュエータ1278にも連通している。制御装置1952は、アクチュエータ1278を用いて制御弁1276を開閉することができる。制御装置1952は、電力/データケーブル1976を介して分岐弁アクチュエータ1907にもさらに連通している。制御装置1952は、アクチュエータ1907を用いて、分岐弁1906を開閉することができる。
【0122】
[E.第1の実施形態の操作]
図1および
図2を参照すると、医療/外科用廃棄物収集システム50が、医療/外科廃棄物の収集に用いられる準備がなされる。可動シャーシ100は、典型的には、使用中、手術室/外科領域に配置されている。係止可能な車輪130によって、医療従事者は、可動シャーシ100を所望の位置に配置し、所望の方向に配向させることができる。電力プラグ148,156が電力を可動シャーシ100に供給するために電源に接続され、可動シャーシ100がユーザーによって制御パネル162を介して作動される。
【0123】
図6および
図11をさらに参照すると、空の可動ローバー1000がユーザーによって可動シャーシ空洞124内に移動される。可動ローバー1000が空洞124内に移動されると、ガイド開口1870が浮動カプラー機構300に係合する。具体的には、可動ローバー1000が可動シャーシ100に向かって移動すると、傾斜したガイドレール1872が傾斜した区域372に係合し、傾斜したガイドプレート1874がリップ377に係合し、ローバーガイド機構1870およびシャーシカプラー機構300を互いに整合する位置に移動させる。同時に、カプラー機構300は、コイルバネ316によって、いくらか移動または浮上し、これによって、シャーシ真空カプラー400およびシャーシ電力カプラー500が、それぞれ、ローバー真空カプラー1600およびローバー電力カプラー1800と真っ直ぐに並ぶために、いくらか上方、下方、側方に移動し、かつ傾斜または回転する。
【0124】
最終的に、ローバー真空カプラー1600は、シャーシ真空カプラー400と接触し、これによって、可動ローバー1000の前方移動を制限することになる。この位置において、ローバー電力カプラー1800は、シャーシ電力カプラー500に隣接し、これによって、巻線510,1824が互いに物理的に近接する。巻線510,1824が誘導結合され、電力が可動ローバー1000に送給される。また、この位置において、可動ローバーの通信LED1858,1860(
図23)とシャーシ630,640の通信LED(
図23)とが真っ直ぐに並んでいる。
【0125】
ローバー電力カプラー1800およびシャーシ電力カプラー500は、可動吸引カートから可動容器カートへの電力接続をもたらすために、自動的に接続される。可動容器カート内の通信回路1856の通信LED1858,1860および通信回路620の通信LED630,640が、可動吸引カートから可動容器カートへのデータ伝達接続をもたらすために、自動的に接続される。
【0126】
図23をさらに参照すると、電力が可動ローバー1000に送給された後、シャーシ制御装置802は、自動的にデータ通信回路620,1856を介するローバー制御装置1952とのデータ通信を開始する。一実施形態では、制御装置1952は、データ信号1957を生成し、該信号1957は、通信回路1856,620を介して制御装置802に送信される。制御装置802,1952は、廃棄物収集システム50の操作を準備するための起動シーケンスを開始することができる。
【0127】
可動ローバー1000が空洞124内に十分に挿入された状態で、ローバー制御装置1952は、電磁石420を自動的に励磁する指示をシャーシ制御装置802に送信する。電磁石は、ローバー1000とシャーシ100との組合体を再位置決めするために、もし必要なら離脱することなく、ローバー1000を大きな力でシャーシ100に保持することができる。
【0128】
図24を参照すると、電磁石420が励磁されたとき、シャーシ外側ハブ430も磁化され、互いに向き合った面432,1641が接触するように、ローバー外側ハブ1640を吸引する。電磁石420の励磁を継続することによって、可動ローバー真空カプラー1600を可動シャーシ真空カプラー400に保持することができる。ローバー外側ハブ1640がシャーシ外側ハブ430に向かって移動するのと同時に、面シールの周辺リム1663が、外側ハブ段435に係合し、外側ハブ段435に対して圧縮され、これによって、リム1663を半径方向外方にいくらか撓ませ、ローバー真空カプラー1600とシャーシ真空カプラー400との間にシール1990をもたらすことになる。
【0129】
図1、
図2および
図3を再び参照すると、新しい使い捨てマニホールド1260がマニホールド受器1258の一方または両方に挿入され、1つまたは複数の吸引ライン62,64が使い捨てマニホールド1260の1つまたは複数の入口(またはポート)に接続される。制御パネル162によって、ユーザーは、真空ポンプ210を選択的に作動または遮断することができ、適切な真空レギュレータ222,224を用いることによって、廃棄物容器1200,1202の一方または両方に印加される真空の大きさを選択的に変化させることができる。
【0130】
真空ポンプ210は、吸引印加器62,66から吸引ポンプまたは真空ポンプ210にわたって形成される2つの連続的吸引流体連通経路70,72をもたらしている。真空ポンプ210が作動されると、生じた吸引力がユーザーによって選択された各吸引印加器62,66内に廃棄物を引き込む。吸引流体連通経路70に関連する廃棄物流れは、吸引印加器62から吸引ライン60、マニホールド1260、および廃棄物導管1270(
図14)を通って上側廃棄物容器1200内に入り、上側廃棄物容器1200において、廃棄物流れが沈殿する。主に空気を含む吸引流体連通経路70は、廃棄物容器1200から真空導管1564(
図14)、真空ライン1496(
図10)、エルボー取付具1750(
図24)、逆止弁1700(
図24)、および内側ハブ410を経て、エルボー取付具450(
図24)に至る。吸引流体連通経路70は、さらにエルボー取付具450から、真空ホース246(
図6)、真空レギュレータ222(
図3)、逆止弁226(
図6)、真空ホース242(
図6)、HEPAフィルター232(
図6)、およびホース244(
図6)を経て、真空ポンプ210で終端する。
【0131】
吸引流体連通経路72に関連する廃棄物流れは、吸引印加器66から吸引ライン64、マニホールド1260、および廃棄物導管1270(
図14)を通って、下側廃棄物容器1202内に入り、下側廃棄物容器1202内において、廃棄物流れが沈殿する。主に空気を含む吸引流体連通経路72は、廃棄物容器1202から真空導管1564(
図14)、真空ライン1510(
図10)、エルボー取付具1750(
図24)、逆止弁1700(
図24)、および内側ハブ450を経て、エルボー取付具450(
図24)に至る。吸引流体連通経路72は、さらにエルボー取付具450から、真空ホース246(
図6)、真空レギュレータ224(
図3)、逆止弁228(
図3)、真空ホース242(
図6)、HEPAフィルター(
図6)、およびホース244(
図6)を経て、真空ポンプ210で終端する。
【0132】
液体廃棄物および小片の固形廃棄物は、各廃棄物容器キャニスター1200,1202内に沈殿する。従って、廃棄物は、空にされるまで、各廃棄物キャニスター1200,1202内に貯蔵される。
【0133】
代替的実施形態では、廃棄物流体の吸引が上側廃棄物容器1200内にのみ生じ、下側廃棄物容器が上側廃棄物容器1200から送られる廃棄物の貯蔵のためにのみ用いられるように、下側廃棄物容器1202内への吸引流体連通経路72が省略されている。
【0134】
廃棄物収集システム50の操作中に、種々の操作パラメータがユーザーによって制御可能になっており、廃棄物収集システム50は、ユーザーに種々の作動状態または作動条件を通知することができる。一実施形態では、ユーザーは、制御パネル162を用いて、廃棄物容器1200,1202のいずれの内容物を照明するかを選択し、発光ダイオード1968,1970の一方または両方を点灯することができる。他の実施形態では、レベルセンサ1962が、廃棄物容器1200,1202のいずれがいつ充填されるかを検出し、廃棄物収集システム50の作動状態を表すレベルセンサ信号を制御パネル162に送信し、ユーザーにこの状態を警告する。
【0135】
医療従事者は、種々の外科機能を果たすために、廃棄物収集システム50の操作中にまたは該操作とは別に、外科用モジュール140を操作することもできる。
【0136】
一定時間が経過した後、上側廃棄物容器1200が用いられていると、上側キャニスター1218が充填され、空にする必要がある。あるいは、充填される前に、オペレータによって、上側廃棄物容器を空にすることが選択されることもある、この時点で、ユーザーは、制御パネル162を用いて、切換弁1276(
図3)を開いて廃棄物を上側容器1200から下側容器1202に送るように、弁アクチュエータ1278(
図24)に指示することができる。
【0137】
上側容器1200から下側容器1202への廃棄物の移動中、上側容器1200内の真空が、真空レギュレータ222を介して大気圧に開放される。下側廃棄物容器1202の真空は、2つの廃棄物容器1200,1202の所望の低真空レベルの圧力に設定されている。その結果、下側廃棄物容器1202の真空が、廃棄物を下側廃棄物容器1202内に引き込むのを助長することになる。
【0138】
いったん上側および下側廃棄物容器1200,1202の両方が充填されたなら、またはもしユーザーが充填される前に廃棄物容器1200,1202を空にし、洗浄することを望んだなら、ユーザーは、制御パネル162を用いて真空ポンプ210を遮断することができる。次いで、電磁石420の作動を停止するために、ボタン1015が押し込まれる。電磁石420の作動が停止された状態で、医療従事者は、ハンドル1012を可動シャーシ100から離れる方向に引っ張ることによって、可動ローバー1000を可動シャーシ100から離脱または分離させることができる。分離可能なローバーによって、制限のない量の流体廃棄物の収集を便利に行なうことができる。廃棄物容器が充填されたローバーを取り外し、他の空のローバーと迅速に置き換え、行っている外科手術手順の混乱を最小限に抑えることができる。
【0139】
次いで、可動ローバー1000は、廃棄物を治療施設910(
図4)に排出し、かつ廃棄物容器1200,1202を洗浄するために、外科領域52(
図4)から静止ドッカー900(
図4)に車輪転動によって移動される。
【0140】
[III.第2の実施形態]
図25は、本発明によって構成された医療/外科用廃棄物収集システム2000の代替的実施形態を示している。廃棄物収集システム2000は、可動シャーシ2100および可動ローバー2500を備えている。可動ローバー2500は、外部構成要素のいくつかの形状および大きさが変更されていることを除けば、第1の実施形態に記載されているものと同じである。可動ローバー2500の内部構成要素および操作は、可動ローバー1000に対するものと同じである。可動シャーシ2100は、吸引カート2100と呼ばれることもある。可動ローバー2500は、容器カート2500と呼ばれることもある。
【0141】
可動シャーシ2100は、上側シャーシ104(
図1)が省略されていることを除けば、第1の実施形態の可動シャーシ100と同様である。可動シャーシ2100は、略矩形状であり、可動シャーシ2100の4つの外側壁2106の上に延在する略平坦な上側カバー2104を備えている。ユーザーが可動シャーシ2100を位置決めすることを可能にするために、ハンドル2108が1つまたは複数の壁2106に取り付けられている。制御パネル162が、壁2106の1つに取り付けられている。空洞124が、可動シャーシ2100内の壁2106の1つに画定されており、可動ローバー2500が可動シャーシ2100に嵌合されるとき、可動ローバー2500を受け入れるようになっている。矩形状空洞2110が、可動シャーシ2100の壁2106の1つに画定されている。外科用モジュール140は、空洞2110内に取り付けられており、空洞2110内において棚2112によって支持されている。可動シャーシ2100の内部構成要素および操作は、可動シャーシ100に対して前述したものと同じである。
【0142】
[IV.第3の実施形態]
[A.可動シャーシ]
図26および
図28を参照すると、廃棄物収集システム3000は、シャーシ3100および可動ローバー4000を備えている。ローバー4000は、シャーシ3100と嵌合可能になっている。シャーシ3100は、吸引カート3100と呼ばれることもある。可動ローバー4000は、容器カート4000と呼ばれることもある。
図26を特に参照すると、シャーシ3100は、略矩形状であり、下側シャーシ3102および上側シャーシ3104を有している。シャーシ3100は、いくつかの外側成形カバー3108を支持する内側フレームを有している。カバー3108は、前パネル3109、後パネル3110、側パネル3111,および上パネル3112を備えている。
【0143】
カバー3108は、適切な方法によって、例えば、固定具の使用によって、成形プラスチックから形成可能であり、下側シャーシ3102および上側シャーシ3104に取付け可能になっている。カバー3108は、シャーシ3100の内部構成要素を保護し、かつ改良された視覚的外観をもたらすために、用いられている。レセプタクルまたは空洞3124が、前パネル3109に画定されている。可動ローバー4000が可動シャーシ3100に嵌合されたとき、空洞3124は、可動ローバー4000を受け入れるようになっている。空洞3124は、上部3125および下部3126を有している。可動ローバー4000が可動シャーシ3100に嵌合されるときに可動ローバー4000を空洞3124に案内するために、前パネル3109は、下部3126のいずれの側においても傾斜している。開口3127が、上部3125の上方において前パネル3109に画定されている。
【0144】
浮動カプラー機構3300、真空カプラー3400、および電力/データカプラー3500は、前パネル3109からレセプタクル3124内に延在している。
図26の実施形態では、シャーシ3100は、車輪を有していない状態で示されている。シャーシ3100は、外科領域52(
図4)内の比較的静止位置で用いることが可能になっている。他の実施形態では、シャーシ3100を運び、手術室/外科領域52内において容易に移動させることを可能にするために、車輪3130(
図28)をシャーシ3100に取り付けることもできる。
【0145】
内部空洞3122が、上側シャーシ3104内に画定されている。構成部品ラック3138が、空洞3122内において上側シャーシ3104に取り付けられている。構成部品ラック3138は、種々の医療/外科用器具またはモジュール3140を保持している。例えば、構成部品ラック3138は、機器、器具、またはモジュール、例えば、灌注ポンプコンソール、電気焼灼器具、吹付けモジュール、光ファイバー光モジュール、または任意の他の適切な外科用器具またはモジュールを収納することができる。器具3140は、1つまたは複数のメモリ装置、または器具3140の機能に関するデータ、情報、指示を記憶することができるメモリを含んでいる。ラック3138は、データコネクタ3144および電力コネクタ3146を含む電子バックプレーン3142を有している。電力コネクタ3146は、電力をモジュール3140を送給するものである。
【0146】
モジュール3140は、電力コネクタ3148およびデータコネクタ3150を備えている。モジュール3140は、ラック3138内にすべり込ませることができる。モジュール3140がラック3138内に取り付けられると、モジュール電力コネクタ3148がシャーシ電力コネクタ3146に嵌合され、モジュールデータコネクタ3150がシャーシデータコネクタ3144に嵌合されるようになっている。電力コード3154および電力プラグ3156は、電力を可動シャーシ3100およびモジュール3140に送給するために用いられている。
【0147】
旋回可能な支持ロッド3158が、上パネル3112の上に延在しており、側パネル3111の1つに沿って下方に屈曲している。ディスプレイアセンブリまたは制御パネル3162が、支持ロッド3158に取り付けられている。支持ロッド3158によって、医療従事者は、制御パネル3162を観察および指令の入力に最適な位置に配置することができる。
【0148】
制御パネル3162は、シャーシ3100の構成要素および可動ローバー4000の構成要素のいくつかの操作を制御するようになっている。制御パネル3162は、タッチスクリーンディスプレイアセンブリであってもよいし、またはボタンのようなユーザー入力装置を備えていてもよい。一実施形態では、制御パネル3162は、外科用モジュール3140の操作を制御することができる。ディスプレイアセンブリ3162は、少なくとも部分的に圧力センサ1698,1699またはレベルセンサ1962,4962から受信したセンサ信号に基づき、容器カートまたは吸引カートの操作状態に関する情報を表示している。また、ディスプレイアセンブリ3162は、圧力センサ1698,1699からの圧力センサ信号およびレベルセンサ1962,4962からのレベルセンサ信号を直接表示することができる。制御パネル3162は、バックプレーン3142およびデータコネクタ3144,3150を介して外科用モジュール3140と通信することができる。
【0149】
2つの電磁石3160が、遠位方向を向いてレセプタクル3124内に面している。励磁されたとき、電磁石3160は、可動ローバー4000をシャーシ3100に保持することになる。
【0150】
シャーシ3100は、3つの使い捨て吸引入口取付具5100を備えるマニホールドアセンブリ5000を備えている。吸引入口取付具5100は、下側シャーシの前パネル3109に取り付けられ、前パネル3109から直角に延在している。吸引入口取付具5100は、吸引入口受器と呼ばれることもある。各使い捨て入口取付具5100には、吸引ライン60,64の1つまたは他に吸引ライン(図示せず)が嵌入されるようになっている。各吸引ライン62,64の遠位端は、それぞれ、吸引印加器ハンドピース62,66に取付け可能になっている。
【0151】
図28、
図29および
図30を参照すると、シャーシ3100のさらなる詳細が示されている。
図29および
図30において、シャーシ3100の内部構成要素をより明瞭に示すために、シャーシ3100および上側シャーシ3104の構成要素を通常遮蔽しているカバー3108は、示されていない。
【0152】
下側シャーシ3102は、矩形状フレーム3180を備えている。フレーム3180は、ベース3181,上パネル3182、およびベース3181と平面状上パネル3182との間に直角に延在する6つの支持脚または支持レール3184を備えている。フレーム3180は、金属のような適切な材料から形成可能になっている。ベース3181は、中心取付けプレート3185、および中心取付けプレート3185からシャーシ3100の遠位端に向かって略直角に延在する一対のアーム3186を有している。アーム3186、遠位側に位置するアーム3184、および上パネル3182は、それらの内方に空洞3124を画定している。
【0153】
4つの近位レール3184、取付けプレート3185、および上パネル3182は、内部空洞3187を画定している。近位壁3188が、近位レール3184間において取付けプレート3185から部分的に上方に延在している。矩形状取付け壁3189が、上パネル3182の遠位端から直角に上方に延在している。支持ガセット3190が、取付け壁3189の各端に取り付けられ、近位方向に延在し、上パネル3182い取り付けられている。4つの支持/水平化脚3191が、ベース3181の下側コーナに取り付けられている。
【0154】
真空源および濾過をもたらすための真空/フィルターアセンブリ3200が、取り付けプレート3185に取り付けられている。真空/フィルターアセンブリ3200は、真空/フィルターアセンブリ200と同じであってもよい。真空/フィルターアセンブリ3200は、真空源または真空ポンプ3210、真空レギュレータアセンブリ3220、およびフィルターアセンブリ3230を備えている。具体的には、真空マニホールド3220は、取付けプレート3185の上面に取り付けられている。真空ポンプ3210およびフィルターアセンブリ3230は、真空レギュレータアセンブリ3220に取り付けられている。
【0155】
図28をさらに参照すると、真空レギュレータアセンブリ3220は、真空レギュレータ3222,3224および逆止弁3226,3228を単一ユニットに一体化している。フィルターアセンブリ3230は、HEPAフィルター3232および真空安全弁3234を単一ユニットに一体化している。真空ホース3242が、逆止弁3226,3228とHEPAフィルター3234との間に接続されている。他の真空ホース3244が、真空ポンプ3210をHEPAフィルターアセンブリ3234に接続している。
【0156】
絶縁シェル3250(
図29)が、真空/フィルターアセンブリ3200を略密閉している。絶縁シェル3250は、真空構成部品によって生じる騒音を減衰するものである。絶縁シェル3250は、略矩形状であり、5つの隣接パネル3251によって画定され、内部チャンバ3256を有している。絶縁シェル3250の内壁は、音響抑制絶縁物3258によって覆われている。絶縁シェル3250は、シート金属、鋳造金属、プラスチック、または他の適切な材料から形成されている。絶縁シェル3250は、真空/フィルターアセンブリを覆って取り付けられ、固定具(図示せず)によって取付けプレート3185に固定されている。
【0157】
図31をさらに参照すると、シャーシ3100は、カートカップリング特徴部3300を備えている。カートカップリング特徴部3300は、保持特徴部または浮動カプラー特徴部3300と呼ばれることもある。浮動カプラー機構3300は、可動ローバー4000に対するシャーシ吸引(真空)カプラー3400およびシャーシ電力/データカプラー3500の6自由度の運動を可能にし、これによって、可動ローバー4000のそれぞれのカップリングに対するシャーシ真空カプラー3400およびシャーシ電力/データカプラー3500の嵌合能力を高めるものである。
【0158】
浮動カプラー機構3300は、ベントバネブラケット3302を備えている。ベントバネブラケット3302は、底プレート3303、対向する上プレート3304、前プレート3305、前プレート3305と上プレート3304との間に延在する傾斜プレート3306、接続プレート3307、および段プレート3308を有している。これらのプレートの全てが互いに接続され、ブラケット3302を形成している。ブラケット3302は、金属材料から形成可能になっている。プレート3304〜3308は、それらの間に通路3310を画定している。ベントフランジ3309が、上プレート3304から上方に延在している。2つの互いに離間したアーム3312が、底プレート3302の近位端に沿って配置され、底プレート3302から直角に延在している。固定具3316が、アーム3312を近位壁3188に固定している。
【0159】
ブラケット3302は、空洞3124内に、特に、空洞3124の下側区域3126内に向かって遠位方向に延在している。ブラケット3302は、バネとして作用し、上プレート3304およびフランジ3309を底プレート3310に向かってまたは底プレート3310から離れる方に撓ませることができる。また、上プレート3304およびフランジ3309を左右方向および遠位−近位方向においてもいくらか撓ませることができる。
【0160】
浮動カプラー機構3300は、バネブラケット3302の全体にわたって取り付けられたカバーまたはシュラウド3320(
図26参照)をさらに備えている。シュラウド3320は、傾斜区域3322、およびシュラウド3320の互いに向き合った上縁から外方に延在するリップ3324を備えている。傾斜区域3322およびリップ3324は、可動ローバー4000がシャーシ3100に嵌合されるとき、シャーシ3100内への可動ローバー4000の心出しするのを助長する。浮動カプラー機構3300によって、シャーシ真空カプラー3400およびシャーシ電力/データカプラー3500を、可動ローバー4000の対応する嵌合特徴部に対してより容易に位置合わせさせるために、いくらか上下動させることができる。特に、プレート3304およびフランジ3309をフレーム3180に対していくらか傾斜して適所に移動させることができる。その結果、シャーシ真空カプラー3400およびシャーシ電力/データカプラー3500をバネブラケット3302の付勢に対して上下に傾斜させ、これによって、可動ローバー4000の対応するカプラーに容易に嵌合させることができる。
【0161】
図31および
図32は、シャーシ真空カプラー3400を示している。2つのシャーシ真空カプラー3400が、上プレート3304に取り付けられている。各シャーシ真空カプラー3400は、90°エルボー取付具3402を備えている。エルボー取付具3402は、ネジ付き円筒状内側バレル3410およびネジ付き外側本体3430を備えている。内側バレル3410は、テーパ端3411および環状外面3412を備える略円筒形状を有している。雄ネジ山3413が、外面3412に画定されている。ネジ付き内側バレル3410は、貫通孔3414、および内側バレル3410の一端の近くに位置して外方に延在するフランジ3416をさらに有している。
【0162】
内側バレル3410は、上プレート3304の開口3340を通って取り付けられている。フランジ3416が、上プレート3404に当接している。環状溝3418が、環状外面3412に画定されている。シール3420が、溝3412内に取り付けられている。
【0163】
ネジ付き外側本体3430は、基部3432、および基部3432から離れる方に延在する円筒ボス3434を備えている。ボス3434は、内面3436を有しており、この内縁3436に雌ネジ山3438が画定されている。貫通孔3440が、基部3432およびボス3434を貫通している。
【0164】
内側バレル3410は、バレル雄ネジ山3413を基部雌ネジ山3438に螺合させながら孔3440に嵌入され、これによって、エルボー取付具3402を上プレート3304に取り付けている。棘付き取付具3442が、基部3432の片側から延在している。真空ホース3444が、各棘付き取付具3442の周りに取り付けられている。これらの真空ホース3444は、シャーシカプラー3400を真空レギュレータ3222,3224(
図28)の各々に接続するものである。各真空ホース3444は、取付具3442から、真空レギュレータ3222,3224(
図28)を含む真空レギュレータアセンブリ3220(
図30)に延在している。
【0165】
図31を参照すると、シャーシ電力/データカプラー3500のさらなる詳細が示されている。シャーシ電力/データカプラー3500は、電力およびデータをシャーシ3100から電気接点を介して可動ローバー4000に伝達するものである。シャーシ電力/データカプラー3500は、電力接点3502、接地接点3504、およびデータ接点3510を含む4つのブレード状接点を有している。接点3502、3504,3510は、各々、電気絶縁材料3512の領域によって包囲されている。接点3502,3504,3510は、上プレート3304とフランジ3309との内側接合部に取り付けられており、上プレート3304およびフランジ3309の両方から直角に延在している。接点3502,3504,3510は、銅合金のような導電金属から形成されており、アーク放電に耐えかつ腐食を防ぐためにメッキされていてもよい。接点3502,3504,3510は、可動ローバー4000の説明に関して後述するように、可動ローバー4000の対応する接点に嵌合されるようになっている。
【0166】
電気ケーブル3810が、接点3502,3504をシャーシ3100内の電源に接続している。シャーシの電力/データカプラー3500は、可動ローバー4000に対して電力/データ連通をもたらすものである。この電力は、可動ローバー4000の種々のシステムによって用いられる。電気ケーブル3812は、データ接点3510をシャーシ制御装置3802(
図44)に接続している。データ接点3510は、シャーシ3100と可動ローバー4000との間でデータおよび情報の交換を容易にするものである。
【0167】
図33Aおよび
図33Bを参照すると、使い捨て入口取付具5100の詳細が示されている。使い捨て入口取付具5100は、遠位側を向くテーパ付きノズル5154および近位バレル5102を有する円筒キャップ5150を備えている。テーパ付きノズル5154は、吸引ライン60,64の1つを受け、吸引ライン60,64に対して真空シールを形成するように構成されている。キャップ5150およびバレル5102は、入口取付具5100を形成するように互いに連結されている。
【0168】
入口取付具の最近位部は、バレル5102である。バレル5102は、略円筒状であり、遠位端5106および丸形近位端5108を有する管状側壁5104を有している。側壁5104は、外面5110および内面5112を有するように形成されている。内面5112が、貫通孔5114を画定している。環状テーパ溝5116が、バレル5102の中心の近くにおいて内面5112に画定されている。3つの隆起部またはリブ5118が、バレル5102の近くにおいて外面5110の周りに周方向外方に延在している。
【0169】
液滴停止/逆流阻止具5120が、バレル5102と一体に形成されており、孔5114内の近位端5108の近くに配置されている。バレル5102は、ポリイソプレンゴムのような圧縮可能なエラストマー材料から形成されている。液滴/逆流阻止具5120は、リング状基部5122およびヘッド5124を有している。ヘッド5124は、基部5124と一体で基部5124から近位方向に突出する凹凸輪郭を有している。液滴停止ヘッド5124は、2つの直径方向において互いに向き合った柔軟なリップ5126を備えている。リップ5126は、長孔5128をそれらの間に画定するように、互いに当接している。
【0170】
長孔5128は、孔5114の直径よりもいくらか短い長さを有している。液滴停止ヘッド5124の互いに向き合ったリップの通常時の当接によって、入口取付具5100が切り離されているとき、入口取付具5100内に溜まったわずかな量の廃棄流体が近位端5108から流れることが阻止される。真空吸引が貫通孔5114に印加されると、互いに向き合ったリップ5126が撓み、内面5112に向かって近位方向に移動し、その結果として、リップ5126間の距離が拡大し、長孔5128の寸法が増大し、これによって、吸引流体は、液滴停止具5120およびバレル5102を通って流れることが可能になる。
【0171】
以下、
図33Aおよび
図33Bをさらに参照して、キャップ5150の特徴部について説明する。キャップ5150は、ポリプロピレンのような成形プラスチックの単一片から形成することができる。
【0172】
キャップ5150は、遠位面5157を備えるフランジ5156を有している。近位側に延在する円筒状スカート5158が、フランジ5156から延在し、端5160で終端している。スカート5158は、環状内面5162および環状外面5164を有している。長孔5166が、スカート5158に画定されている。長孔5166は、端5160を起点としてスカート5158の略半分にわたって遠位方向に延在している。長孔5166は、90°屈曲し、長孔5166と連続するノッチ5168内に延在している。
【0173】
管状スリーブ5170が、フランジ5156から近位方向に突出し、端5172で終端している。スリーブ5170は、環状外面5174、内面5175、および周方向リップ5176を有している。リップ5176は、外面5164から半径方向外に突出し、端5172の近くに位置している。内面5175は、スリーブ孔5178を画定している。
【0174】
バレル5012は、スリーブ5170を覆って装着され、スリーブ5179に保持されている。具体的には、スリーブ5170は、バレル遠位端5106の開口に嵌合され、バレル孔5114に嵌入されている。スリーブ5170は、スリーブ端5172が孔5114内に延在する基部5122の一部に当接し、かつスリーブ外面5174がバレル内面5112と並置されるまで、孔5114内に摺動される。この位置において、スリーブリップ5176は、バレル溝5116内に着座し、その結果、バレル5102がスリーブ5170に対して近位方向に移動するのを阻止し、これによって、バレル5102をキャップ5150に保持することができる。スリーブ外面5174の周りのバレル内面5112の圧縮によって、キャップ5150とバレル5102との間の吸引の漏れを実質的になくすことができる。
【0175】
キャップ5150は、フランジ遠位面5157から遠位方向に延在する遠位側を向くテーパ付きノズル5154をさらに備えている。テーパ付きノズル5154は、吸引ライン60,64の1つを受けるものである。ノズル5154は、遠位端5180およびテーパ付き内面5182を有している。内面5182は、孔5184を画定している。孔5114,5178,5184は、全てが連続しており、入口取付具5100を通る連続流体通流孔5188を形成している。周方向長孔5190が、スカート環状内面5162とバレル環状外面5110との間に画定されている。長孔5190は、スカート端5160から延在し、フランジ5156の近位面で終端している。
【0176】
図33Cを参照すると、使い捨て入口取付具5800の他の実施形態が示されている。使い捨て入口取付具5800は、使い捨て入口取付具5800が多数のノズル5854,5856および取外し可能なフィルター5900をさらに備えていることを除けば、使い捨て入口取付具5100と同様である。使い捨て入口取付具5100は、2つの遠位側を向くテーパ付きノズル5854,5856および近位バレル5802を有する円筒キャップ5850を備えている。テーパ付きノズル5854,5856は、吸引ライン60,64の1つを受け、吸引ライン60,64に対して真空シールを形成するように構成されている。キャップ5850およびバレル5802は、入口取付具5800を形成するように互いに連結されている。
【0177】
入口取付具の最近位部は、バレル5802である。バレル5802は、略円筒状であり、遠位端5806および丸形近位端5808を備える管状側壁5804を有している。側壁5804は、外面5810および内面5812を有するように形成されている。内面5812は、貫通孔5814を画定している。3つの隆起部またはリブ5818が、バレル5802の中心の近くにおいて外面5810の周りに周方向外方に延在している。
【0178】
バレル5802は、入口取付具5800が切り離されているときに廃棄物流体の漏れを防ぐために、入口取付具5100に関して説明したのと同じ液滴停止/逆流阻止具(図示せず)を備えることができる。バレル5802は、ポリイソプレンゴムのような圧縮可能なエラストマー材料から形成されている。
【0179】
以下、
図33Cをさらに参照して、キャップ5850の特徴について説明する。キャップ5850は、ポリプロピレンのような成形プラスチックの単一片から形成することができる。キャップ5850は、遠位面5857および基部5861を備えるヘッド5855を有している。近位側に延在する円筒状スカート5858が、基部5861から延在し、端5860で終端している。キャップ5850は、外面5864を有しており、スカート5858は、環状内面5862を有している。長孔5866が、スカート5858に画定されている。長孔5866は、端5860を起点としてスカート5858の略幅にわたって遠位方向に延在している。長孔5866は、90°に屈曲し、(
図33Cには示されていない)ノッチ内に延在している。周方向長孔5889が、スカートの環状内面5862とバレルの環状外面5810とに間に画定されている。キャップ5850は、入口取付具5100と同じ内部構成要素、例えば、キャップ5850をバレル5802に連結させ、かつ保持させるスリーブ(図示せず)を備えている。
【0180】
キャップ5850は、ヘッド遠位面5857から遠位方向に延在する2つの遠位側を向くテーパ付きポートまたはノズル5854,5856をさらに備えている。テーパ付きノズル5854,5856は、各々、吸引ライン60,64の1つを受けることができるようになっている。ノズル5854は、遠位端5880およびテーパ付き内面5882を有している。内面5882は、孔5884を画定している。ノズル5856は、遠位5881およびテーパ付き内面5883を有している。内面5883は、孔5885を画定している。2つのノズル5854,5856が
図33Cに示されているが、2つよりも多いかまたは少ない数のノズルが、入口取付具5800と共に用いられてもよい。使用しないときにノズル5854,5856の一方または両方を閉じるために、カバーまたは蓋5870が、端5880,5881の一方または両方に取付けられていてもよい。
【0181】
キャップ5880は、中心区域5872を備えている。矩形状のフィルター空洞5890が、中心区域5872に画定されている。フィルター空洞5890は、4つの側壁5891および底壁5892によって画定されている。開口5893が、最遠位壁5891に画定されている。チャンバ6894が、ヘッド5855内に画定され、孔5854,5855に接続され、開口5893に接続されている。孔5854,5856、チャンバ5894、開口5893、フィルター空洞5890、および孔5814は、全てが連続し、入口取付具5800を通る連続流体通流経路を形成している。
【0182】
取外し可能なフィルター5900は、略矩形状であり、ハウジング5910を有している。ハウジング5910は、2つの互いに向き合った平坦な側壁5912および2つの互いに向き合った平坦な側壁5914によって画定されている。壁5912、5914は、内部空洞5920を画定している。上壁5914は、空洞5890の大きさよりもいくらか大きくなっており、上壁5914がキャップの外面5864を覆うように開いている。メッシュスクリーンまたはフィルターグリッド5930が、空洞5920を横切ってハウジング5910の片側に取り付けられている。ハンドル5916が、上壁5914に取り付けられている。ハンドル5916によって、ユーザーは、フィルター5900を手動によって取り扱うことができる。フィルター5900およびスクリーン5930は、ポリプロピレンのような成形プラスチックの単一片から形成することができる。一実施形態では、フィルター5900は、ユーザーがフィルター5900の内容物を見ることができるように、少なくとも一部が透明材料から形成されている。
【0183】
フィルター5900は、フィルター空洞5890に嵌入されるようになっている。キャップ外面5864および空洞側壁5891によって、フィルター5900を密封することができる。フィルター5900は、ユーザーによって、空洞5920が開口5893の方を向き、上壁5914がキャップ外面5864に当接するように、フィルター空洞5890内に挿入される。一実施形態では、シャーシ3100またはローバー4000の内部構成要素を遮るかまたは塞ぐ可能性のある骨片または組織のような固体廃棄物粒子を収集するために、フィルター5900が用いられる。もしフィルター5900が使用中に破片によって詰まったなら、ユーザーは、各入口取付具5800を通る真空を遮断し、用いられているフィルター5900を取り外し、新しいフィルター5900を挿入することができる。次いで、使用済みのフィルターは、医療廃棄物として廃棄されることになる。
【0184】
他の実施形態では、フィルター5900は、外科手術手順中に組織試料を収集する試料収集器として用いられる。医療従事者は、組織試料を収集するために、新しいフィルター5900を入口取付具5900に挿入し、各入口取付具5800を通して真空を印加することができる。組織試料は、流体が入口取付具5800を通って流れるとき、スクリーン5930に捕捉される。組織試料が収集された後、真空が遮断され、組織試料を含むフィルター5900は、入口取付具5800から取り外され、さらなる分析のために研究所に送られる。次いで、新しいフィルター5900が、入口取付具5800内に挿入されることになる。
【0185】
図34を参照すると、入口取付具受器5200および制御弁5400が示されている。ユーザーは、使い捨て入口取付具5100を入口取付具受器5200に取り付けることができ、入口取付具受器5200から取り外すことができる。入口取付具受器5200は、制御弁5400の一部である。制御弁5400は、固定具(図示せず)によって、シャーシ取付け壁3189の後側に取り付けられている。制御弁5400は、略T字状弁体5402を備えており、弁体5402から、入口取付具受器5200が取付け壁3189を通って遠位方向に延在している。弁体5402は、ポリプロピレンのような射出成形プラスチックの単一片から形成することができる。
【0186】
入口取付具受器5200は、管状壁5202を有している。管状壁5202は、弁体5402から延在し、遠位端5204で終端している。壁5202は、環状外面5206および環状内面5208を有している。ポスト5210が、遠位端5204の近くにおいて外面520から直角に延在している。孔5212が、受器5200を通って弁体5402内に延在している。孔5212は、環状内面5208によって画定されている。
【0187】
図33Aをさらに参照すると、入口取付具5100が孔5212に嵌入されるようになっている。具体的には、バレル5102は、バレル近位端5108が弁体5402に当接触し、受器内面5208がバレル外面5110に隣接するように、孔5112内に配置される。受器壁5202は、スカート環状長孔5190内に嵌合される。遠位壁端5204は、取付具フランジ5156の近位面に当接する。バレルリブ5118が、受器内面5208に対して圧縮される。受器内面5208に対するバレルリブ5118の圧縮によって、入口取付具受器5200とバレル5102との間の吸引の漏れを実質的になくすことができる。
【0188】
使い捨て入口取付具5100は、ユーザーがキャップスカート5158を掴み、バレル5102を受器孔5212内に挿入することによって、入口取付け受器5200に取り付けられる。具体的には、ポート5210を長孔5166に位置合わせし、バレル5102が孔5212内に着座するまで、入口取付具5100を近位方向に移動させる。バレル近位端5108が弁体5402に当接し、遠位端5204がフランジ5156の近位面に当接する。次いで、スカート5158および入口取付具5100を時計方向に回転させ、ポスト5210を凹部5168内にすべり込ませ、これによって、入口取付具5100を入口取付具受器5200に係止する。
【0189】
使い捨て入口取付具5100は、ユーザーがキャップスカート5158を掴み、ポスト5210が凹部5168からすべり出るように、スカート5158および入口取付具5100を反時計方向に回転させることによって、入口取付具受器5200から取り外すことができる。次いで、ユーザーが入口取付具5100を手動によって遠位方向に引っ張ることによって、バレル5102を孔5112からすべり出させ、ポスト5210を長孔5166からすべり出させることになる。
【0190】
管状ダクト5300が、弁体5402から遠位方向に延在し、近位端5304で終端している。ダクト5300は、孔5310を画定する内面5308を有している。プラグ5312が、孔5310内にねじ込まれ、これによって、ダクト内面5308に当接し、孔5310を封止する。このダクト5300は、制御弁5400の製造中に用いられるものである。
【0191】
他の管状ダクト5350が、弁体5402から下方に延在し、端5354で終端している。ダクト5350は、孔5360を画定する内面5358を有している。プラグ5262が、孔5360にねじ込まれ、ダクト内面5358に当接する。孔5364が、プラグ5362を通って画定されている。90°エルボー取付具5380が、ダクト5350に取り付けられている。エルボー取付具5380は、孔5360および棘付き端5384内に嵌合される端5382を有している。
【0192】
弁体5402は、球面状弁球5410を含む球空洞5404をさらに有している。弁球5410は、3つの環状テーパ付きシール5412によって、空洞5404内に回転可能に支持されている。シール5412が、空洞5404内に取り付けられている。シール5412は、弁球5410と空洞5404の内壁との間に流体シールを形成している。90°屈曲部を有する孔5414が、弁球5410を通して画定されている。角状長孔5416が、弁球5410の頂部に画定されている。ボス5406が、弁体5402から直角に上方に突出して、貫通孔5408を有している。
【0193】
回転アクチュエータ5430が、適切な手段によって、例えば、固定具(図示せず)によって、弁体5402の頂部に取り付けられている。回転アクチュエータ5430は、電源に接続された電動モータの形式である。回転アクチュエータ5430は、角状長孔5416内に嵌入された下方に延在する角状シャフト5432を有している。回転アクチュエータ5430は、シャーシ制御装置3802(
図44)に連通している。回転アクチュエータ5430は、弁球5410を開位置と閉位置との間で回転させ、または制御弁5400によって流量を制御すべく弁球5410を1つまたは複数の中間位置に回転させるために、制御装置3802の指令によって、時計方向および反時計方向に回転することができる。このように、シャーシ制御装置3802は、制御弁5400の操作を制御することができる。
【0194】
図34では、開位置にある弁球5410が示されている。開位置では、吸引流体は、入口取付具5100、受器孔5412、球孔5414、プラグ孔5364、およびエルボー取付具5380を通って流れることができる。弁球5410が回転アクチュエータ5430によって90°回転したとき、弁球5410は、制御弁5400を通る吸引流体の流れを妨げる閉位置にある。
【0195】
図35および
図36を参照すると、シャーシ3100に取り付けられた入口マニホールドアセンブリ5000の図が示されている。3つの制御弁5400が、取付けプレート3189に取り付けられている。制御弁5400の各々は、関連するアクチュエータ5430を有している。各アクチュエータ5430をシャーシ制御装置3802(
図44)に接続するために、電気ケーブル5440が用いられている。制御弁5400によって、入口取付具5100および吸引ライン60,64(
図26)の各々への吸引または真空を、各制御弁5400を所望の位置に設定することによって、独立して制御または調節されることが可能になる。
【0196】
入口マニホールドアセンブリ5000は、シャーシ廃棄物カプラー5600に連結されたマニホールド5500を備えている。マニホールド5500は、シャーシ廃棄物カプラーの一端と呼ばれることもある。マニホールド5500は、U字状壁5504によって画定された略楕円状アキュムレータ5502を有している。アキュムレータ5502の開端は、廃棄物カプラー5600の方を向いている。周辺リム5506が、壁5504の底縁から周方向外方に延在している。壁5504は、アキュムレータ5502内に空洞5508を画定している。3つの棘付きホース取付具5510が、アキュムレータ5502の上面から直角に上方に延在している。マニホールド5500は、適切な方法によって、例えば、接着剤または固定具(図示せず)を用いて、シャーシ廃棄物カプラー5600の上面5604に取り付けられている。リム5506が、上面5604上に位置している。
【0197】
真空ホース5520が、各制御弁5400と各取付具5510との間に接続されている。具体的には、真空ホース5520は、端5522,5524を有している。ホース端5522は、取付具棘付き端5385に取り付けられ、かつ保持されており、ホース端5524は、取付具5510に取り付けられ、かつ保持されている。ホース5520は、制御弁5400とマニホールド5500との間に吸引流体連通経路をもたらしている。
【0198】
シャーシ廃棄物カプラー5600は、フレーム上パネル3182に取り付けられている。シャーシ廃棄物カプラー5600は、略D字状であり、ポリプロピレンのようなプラスチック材料の単一片から形成されている。フレーム上パネル3182は、シャーシ廃棄物カプラー5600を受け入れる切欠き部5602を有している。シャーシ廃棄物カプラー5600は、中心体5601を有している。中心体5601は、上面5604および向き合った底面5606を有しており、端とも呼ばれている。周辺側面5608が、シャーシ廃棄物カプラー5600を囲んでいる。周辺リップ5610が、側面5608の全体にわたって上面5604から外方に延在している。リップ5610は、上パネル3182上に位置しており、廃棄物カプラー5600が切欠き5602を下方に通ることを防ぐものである。
【0199】
孔5620が、上面5604から下方に延在している。傾斜した座ぐり孔5622が、底面5606に位置する凹部5624の上端から上方に延在している。傾斜した座ぐり孔5622は、凹部5624の方を向く円錐台状面5623によって画定されている。孔5620、傾斜した座ぐり孔5622、および凹部5624は、互いに同軸であり、上面5604と底面5606との間の全体に延在している。底を向く傾斜面または壁5626が、凹部5624から側面5608に延在している。傾斜した面または壁5626が、ガイドレセプタクル5630を画定している。
【0200】
シャーシ廃棄物カプラー5600は、3つのバネクリップ5640によって、シャーシ上パネル3182に移動可能に連結されている。開口5642が、上パネル3182に画定されている。バネクリップ5640は、端5646およびU字状クランプ端5648を有している。開口5643が、端5646に画定されている。バネクリップ5640は、開口5642,5643を通る固定具5644によって、上パネル3182に取り付けられている。クランプ端5648は、廃棄物カプラー上面5604に係合し、廃棄物カプラー上面5604を加圧する。
【0201】
バネクリップ5640は、端5646,5648間に配置された中心バネ区域5650をさらに有している。バネ区域5650によって、バネクリップ5640を曲げ、シャーシ廃棄物カプラー5600を下方に付勢することができる。バネクリップ5640によって、可動ローバー4000がシャーシ3100に嵌合したとき廃棄物カプラー5600をいくらか上方に移動させることができる。また、バネクリップ5640によって、可動ローバー4000がシャーシ3100に嵌合したとき、廃棄物カプラー5600を可動ローバー4000に向かって下方に付勢することができる。
【0202】
[B.可動ローバー]
図29および
図37を参照すると、可動ローバー4000の詳細が示されている。廃棄物収集システム3000は、可動シャーシ3100に嵌合されかつ可動シャーシ310から離脱される可動ローバー4000を備えている。可動ローバー4000は、使用中に、上側廃棄物容器4200および下側貯蔵タンク4202を利用して、医療/外科廃棄物を収集し、一時的に貯蔵するようになっている。
【0203】
フレーム4204が、下側貯蔵タンク4202を支持し、下側貯蔵タンク4202が上側廃棄物容器4200を支持している。上側廃棄物容器4200は、貯蔵タンク4202の上方に取り付けられており、これによって、上側容器4200内の廃棄物を重力にて下側貯蔵タンク4202内に空にするすることができる。上側廃棄物4200および貯蔵タンク4202が
図29に示されているが、いくつかの実施形態では、可動ローバー4000は、廃棄物容器4200または貯蔵タンク4202のいずれか1つのみを備えるようになっていてもよい。
【0204】
フレーム4204は、平坦な矩形状ベース4206およびU字状支持部材4208を備えている。フレーム4204の構成要素は、鋼のような金属から形成することができる。ベース4206は、上面4207および底面4209を備えている。支持部材4208は、溶接または固定具によって、フレーム上面4207に取り付けられている。U字状支持部材4208およびフレーム上面4207は、通路4210を画定している。下側貯蔵タンク4202は、支持部材4208に取り付けられた底面を有している。4つの車輪4212が、可動ローバー4000の車輪転動による移動を可能にするために、ベース4206の底4209に取り付けられている。
【0205】
図27をさらに参照すると、フレームベース4206は、カバー4002によって覆われている。前カバー4004が、上側廃棄物容器4200および下側貯蔵タンク4202の前部を覆って取り付けられており、後カバー4006が、上側廃棄物容器4200および下側貯蔵タンク4202の後部を覆って取り付けられている。ハンドル4010は、掴みバー4012、および貯蔵タンク4202に取り付けられたアーム4014を有している。解除ボタン4015が、掴みバー4012上に取り付けられている。ボタン4015は、可動ローバー4000をシャーシ3100に保持する電磁石3160(
図26)の作動を停止するものである。医療従事者は、ハンドル4010を押すかまたは引っ張ることによって、可動ローバー4000を位置決めすることができる。透明窓4020が、前カバー40004に形成されており、これによって、ユーザーは、上側廃棄物容器4200の内容物を視覚的に確認することができる。
【0206】
カバー4002,4004,4006、およびハンドル4010は、成形プラスチックから形成し、適切な方法によって、例えば、固定具の使用によって、フレーム4204および廃棄物容器4200,4202に取り付けることができる。カバー4002,4004,4006は、可動ローバー4000の内部構成要素を保護し、改良された視覚的外観をもたらすために、用いられている。
【0207】
図37を特に参照すると、上側廃棄物容器4200は、上側キャニスター4218を備えている。上側キャニスター4218は、円筒状に見えるが、いくらか円錐台状である。上側キャニスター4218は、医療/外科廃棄物を収集し、かつ保持するための上側廃棄物チャンバ4220を画定している。カバーまたはキャップ4222が、上側キャニスター4218を覆っており、上側廃棄物チャンバ4220を閉鎖している。下側貯蔵タンク4203は、略立方体の廃棄物容器4224を備えている。廃棄物容器4224は、廃棄物を保持するための下側廃棄物チャンバ4226を画定している。下側廃棄物容器4224は、上面4227、底面4228、および4つの側面4229を有している。
【0208】
貯蔵タンク4202は、流体廃棄物を収集するために用いられない。貯蔵タンク4202は、流体廃棄物を貯蔵するために用いられる。貯蔵タンク4202は、略30リットルから100リットルの比較的に大きい内部容量を有している。上側キャニスター4218は、略3リットルから10リットルのより小さい容量を有している。キャニスター4218およびキャップ4222は、成形プラスチックから形成されており、少なくともその一部が透明になっている。貯蔵タンク4202は、回転成形またはブロー成形されたプラスチックから形成することができる。
【0209】
支持構造4230が、固定具(図示せず)によって、貯蔵タンク上面4227に取り付けられている。支持構造4230は、上面4227に取り付けられた4つの下方に延在する脚4232を有している。上側キャニスター4218は、固定具(図示せず)によって、支持構造4230に取り付けられている。上側キャニスター4218は、脚4232の長さだけ貯蔵タンク4202から上方に離間している。支持構造4230は、上側廃棄物容器4200を貯蔵タンク4202の上方に保持している。
【0210】
可動ローバーの上側廃棄物カプラー4700は、キャップ4222に取り付けられており、キャップ4222から直角に上方に延在している。エルボー取付具4498が、キャップ4222に取り付けられ、かつ保持されている。エルボー取付具4498は、上側廃棄物チャンバ4220に流体連通している。真空ホース4496の一端は、エルボー取付具4498に接続されており、真空ホース4496の他端は、可動ローバーの吸引(真空)カプラー4600に接続されている。真空ホース4496は、上側廃棄物チャンバ4420を可動ローバー真空カプラー4600の1つに接続し、上側廃棄物容器4200と可動ローバー真空カプラー4600との間に流体連通経路をもたらしている。
【0211】
他のエルボー取付具4512が、貯蔵タンク上面4227の開口4508を通って取り付けられており、下側廃棄物チャンバ4226に流体連通している。真空ホース4510の一端は、エルボー取付具4512に接続されており、真空ホース4510の他端は、可動ローバー真空カプラー4600(
図28)に接続されている。真空ホース4512は、下側廃棄物容器4224を可動ローバー真空カプラー4600の1つに接続し、貯蔵タンク4202と可動ローバー真空カプラー4600との間に流体連通経路をもたらししている。
【0212】
図39および
図40は、キャップ4222および可動ローバー上側廃棄物カプラー4700の詳細を示している。
図39および
図40を参照すると、キャップ4222は、周辺リップ4250を有する略ドーム状である。リップ4250は、キャニスター4218のリム4238をそれらの間に捕捉されたエラストマーシール4246に係合している。V字状クランプ4254が、周辺リプ4250をリム4238に締め付けることによって、キャプ4222をキャニスター4218に固定している。
【0213】
キャップ4222は、上方に突出するボス4260を有している。真空ポートまたは導管4264が、ボス4260およびキャップ4222を通って上側廃棄物チャンバ4220内に画定されている。90°エルボー継手4498が、真空ポート4264内に取り付けられている。エルボー継手4498は、真空ポート4264の接続された一端および真空ホース4496に接続された他端を有している。エルボー継手の一端は、真空ポート4264内に圧入され、その他端は、真空ホース4496内に圧入されている。真空ホースの他端は、ローバー真空カプラー4600に接続されている。
【0214】
いくつかの取付け特徴部4268およびウエブ4270が、キャップ4222の上外面に形成されている。ウエブ4270は、キャップ4222に剛性および強度を追加するものである。可動ローバー上側廃棄物カプラー4700は、固定具4272を用いて取付け特徴部4268に取付けられている。可動ローバー上側廃棄物カプラー4700は、平坦な基部4702、および基部4702と直交する円筒状廃棄物導管4704を有している。孔4705が、廃棄物導管4704を貫通している。上側廃棄物カプラー4700に構造的剛性を追加するために、いくつかのガセット4706が、基部4702と導管4704との間に形成されている。廃棄物導管4704は、シャーシ廃棄物カプラー5600から可動ローバー上側廃棄物容器4200に至る廃棄物流体連通経路として機能している。
【0215】
廃棄物導管4704は、互いに向き合った端4710,4712をさらに備えている。環状溝4714が、端4712に隣接して廃棄物導管4704の外面に画定されており、ゴムシール4716を含んでいる。端4712は、キャップ4222に形成された環状スリーブ4274に嵌入されている。スリーブ4274は、廃棄物チャンバ4220内に延在する貫通孔を有している。
【0216】
シール4716によって、真空シールがスリーブ4274の内面と廃棄物導管4704の外面との間に形成されている。出口4276が、キャップ4222の底面から下方に延在し、キャップ4222の一部として形成されている。出口4276は、廃棄物導管4704に流体連通している。出口4276は、廃棄物流れを廃棄物キャニスター4218の中心軸からキャニスターの外壁に向かって導くようになっている。
【0217】
廃棄物導管端4710は、テーパが付されており、環状溝4720を有している。環状溝4720は、端4710に隣接して廃棄物導管の外面に画定されている。ゴムシール4722が、溝4720に取り付けられている。可動ローバー4000がシャーシ3100に嵌合されるとき、廃棄物導管4704は、廃棄物カプラー5600に嵌入されることになる。
【0218】
具体的には、廃棄物導管端4710は、該廃棄物導管端4710が凹部5624に入り、傾斜した座ぐり孔5622内にすべり込むまで、廃棄物カプラーの傾斜面5626の全体にわたって摺動する。ゴムシール4722は、傾斜した座ぐり孔5622の内面5623と端4710における廃棄物導管4704の外面との間に真空シールを形成する。内面5623と廃棄物導管4704の外面との間のシール4722の圧縮によって、ローバー上側廃棄物カプラー4700とシャーシ廃棄物カプラー5600との間の吸引の漏れを実質的になくすことができる。
【0219】
図28および
図29を参照すると、切換弁4280が、上側廃棄物容器4200から貯蔵タンク4202に重力によって廃棄物を空にするのを容易にするために、上側廃棄物容器4200と貯蔵タンク4202との間に配置されている。切換弁4280は、上側廃棄物容器4200と貯蔵タンク4202との間の真空経路を密封して個別の真空調整を可能にするために、選択的に閉鎖可能になっている。開位置では、上側廃棄物容器4200内の廃棄物は、重力によって、貯蔵タンク4202内に排出される。閉位置では、廃棄物は、上側廃棄物容器4200に保持される。一実施形態では、上側廃棄物容器4200から貯蔵タンク4202への廃棄物の排出を助長するために、低レベルの真空が貯蔵タンク4202に印加されてもよい。切換弁4280は、ボール弁である。切換弁4280によって、可動ローバー4000は、多量の廃棄物を保持することができ、空にすることが必要になる前にいくつかの医療手術手順に用いられることが可能になる。
【0220】
切換弁4280は、切換弁アクチュエータまたはモータ4282によって移動するようになっている。切換弁モータ4282は、切換弁4280に連結され、切換弁4280を上側廃棄物容器4200と貯蔵タンク4202との間に流体連通をもたらす開位置と上側廃棄物容器4200と貯蔵タンク4202との間の流体連通を妨げる閉位置との間で移動させる。切換弁4280および切換弁モータ4282は、いずれも貯蔵タンク4202の上端と支持構造4230との間に取り付けられている。
【0221】
吸引流体経路3070、従って、容器4200に印加される真空のレベルを測定するために、圧力センサ1698が吸引流体連通経路3070に流体連通している。圧力センサ1698は、吸引流体連通経路3070の真空レベルに対応する圧力信号を生成する。同様に、吸引流体連通経路3072、従って、容器4202に印加される真空のレベルを測定するために、他の圧力センサ1699が吸引流体連通経路3072に流体連通している。圧力センサ1699は、吸引流体連通経路3072の真空レベルに対応する圧力信号を生成する。容器4200,4202とカプラー4600との間に取り付けられた圧力センサ1698,1699が示されているが、圧力センサ1698,1699は、真空レギュレータ3222,3224の下流における吸引流体連通経路3070,3072のどこに取り付けられていてもよい。一実施形態では、圧力センサ1698は、容器4200内に取り付けられており、圧力センサ1699は、容器4202内に取り付けられている。他の実施形態では、圧力センサ1698,1699は、真空レギュレータ3222,3224の下流においてシャーシカート3100内に取り付けられている。
【0222】
図41および
図42を参照すると、可動ローバー4000は、ガイド装置4870を備えている。ガイド装置4870は、可動ローバー4000がシャーシ3100に嵌合されるときに浮動カプラー機構3300(
図26)をガイド装置4870内に案内するように構成されている。ガイド装置4870は、可動ローバーフレーム4204の底面4209に取り付けられている。ガイド装置4870は、互いに離間した一対の細長のガイドレール4872および一対のガイドプレート4874を備えている。ガイドレール4872は、水/廃液マニホールド4900と一体に形成されている。ガイドプレート4874は、固定具4876によって、一体のガイドレール4872に連結されている。また、固定具4876は、水/廃液マニホールド4900をフレーム4204に取り付けている。ガイドレール4872およびガイドプレート4874は、フレーム4204の開口4878の両側に配置されている。開口4878は、フレーム4204の近位縁の近くに配置されている。ガイドレール4872は、フレーム4204の中心軸から離れる方に延在する丸形端を有しており、ガイドプレート4874は、丸形縁を有している。ガイドレール4872は、フレームの底面4209と略直交して配向しており、ガイドプレート4872は、ガイドレール4874と直交して取り付けられている。
【0223】
ガイド装置4870は、4つの丸形ガイド肩部4880をさらに備えている。ガイド肩部4880は、ガイドレール4872間において、開口4878に隣接するフレーム4204の近位縁から上方に延在している。
【0224】
ガイドレール4872は、近位側を向く開口を有している。この開口は、肩部4880に隣接するガイドレール4872の端間の距離がポスト4882に隣接するガイドレール4872の端間の距離よりも大きくなるように、互いに傾斜している。ガイドプレート4874は、フレーム底面1209に傾斜して取り付けられている。肩部4880に向かうガイドプレート4874の近位端は、ガイドプレート4874の遠位端よりも低くなっている。
【0225】
真空/排出マニホールド4900は、開口4878の全体にわたってフレーム4204に取り付けられている。真空/排液マニホールド4900は、下側廃棄物排出カップリングまたは廃棄物排出ポート4902、水カップリングまたは水ポート4904、および2つの真空カップリング4600を備えており、これらの全てがマニホールド4900から開口4878内に下向き方向に向けられている。真空/排出マニホールド4900は、固定具(図示せず)を用いてフレーム4204に取り付けられている。真空カップリング4600は、可動ローバー4000が静止ドッカー900(
図4)に係留したとき、ガイドピンレセプタクルとしても用いられるようになっている。廃棄物排出ポート4902および水ポート4904は、上側廃棄物容器4200および貯蔵タンク4202(
図37)から廃棄物を空にし、かつ洗浄することを容易にするために、静止ドッカー900に接続されるようになっている。
【0226】
図41および
図42をさらに参照すると、ローバー真空カップリング4600の詳細が示されている。可動ローバー4000がシャーシ3100に嵌合されたとき、ローバー真空カップリング4600は、シャーシ真空カップリング3400(
図32)に嵌合される。真空/排出マニホールド4900は、開口4878の全体にわたってフレーム4204に取り付けられた略矩形状ハウジング4920を有している。ハウジング4920は、上面4922、底面4924、および丸形近位面4880を有している。ハウジング4920は、周辺リップ4928も有している。周辺リップ4928は、ハウジング4920の3つの側面から開口4878を通って延在し、フレーム底面4209に接触している。
【0227】
ローバー真空カップリング4600は、ハウジング4920を貫通する孔4602と、ハウジング底面4924からハウジング4920の厚みの略1/3にわたってハウジング4920内に延在する傾斜した座ぐり孔4604と、によって画定されている。傾斜した座ぐり孔4604は、円錐台状下向き面4606によって画定されている。表面4606がハウジング底面4924との交差箇所において、円開口4608が画定されている。
【0228】
ローバー真空カップリング4600は、ハウジング上面4922から直角に延在する2つの円筒状導管4610をさらに備えている。導管4610は、ハウジング4920と一体に形成することができる。導管4610は、各々、ハウジング上面4922に取り付けられた端4612、他端4614,および孔4602に繋がる孔4616を有している。
【0229】
90°エルボー取付具4620が、各導管端4614に取り付けられている。各エルボー取付具4620は、中心体4622、下向き端4624、および遠位側を向く棘付き端4626を有している。1つのエルボー取付具の棘付き端4626は、真空ホース4496の端を受け入れ、他のエルボー取付具の棘付き端4626は、真空ホース4510の端を受け入れている。環状溝4630が、取付具端4624の内面に画定されている。ゴムシール4632が、環状溝4630に着座している。エルボー取付具端4624が導管端4614の周りに押圧され、これによって、ゴムシール4632が導管4610の外面とエルボー取付具端4624の内面との間に圧縮され、その結果、真空シールを形成することができる。
【0230】
可動ローバー電力/データカプラー4800が
図37および
図41に示されている。ローバー電力/データカプラー4800は、可動ローバー4000がシャーシ3100に嵌合したとき、低電圧電力およびデータをシャーシ電力/データカプラー―3500(
図31)から受給するようになっている。この電力は、可動ローバー4000の種々のシステムによって用いられる。電力/データカプラー4800によって、(例えば、解除ボタン4015を介する)制御およびローバーと可動シャーシとの間の(例えば、レベルセンサ4962を介する)測定情報の交換が行なわれる。ローバー電力/データカプラー4800は、電気接点を介して、シャーシ3100から可動ローバー4000に電力を送給する。
【0231】
4つの長孔4801が、4つのフレーム肩部4880間に画定されている。ブレードレセプタクル4802,4804,4810が真空/排出ハウジング4920の近位部分に取り付けられている。ブレードレセプタクル4802,4804,4810は、長孔4801に隣接して配置され、長孔4801内に向いており、長孔4801を通してアクセス可能になっている。ブレードレセプタクル4802,4804,4810は、分岐され、バネ付勢されている。ブレード接点3502,3504,3510(
図31)が、それぞれ、ブレードレセプタクル4802,4804,4810内にすべり込み、ブレードレセプタクル4802,4804,4810によって把持されることになる。
【0232】
さらに具体的には、電力レセプタクル4802は、電力接点3502に嵌合され、可動ローバー4000に陽電位をもたらす。接地レセプタクル4804は、接地接点3504に嵌合され、可動ローバー4000に接地電位をもたらす。データレセプタクル4810は、データ接点3510に嵌合され、可動ローバー4000とシャーシ3100との間のデータ通信を容易にする。レセプタクル4802,4804,4810は、銅合金のような導電金属から形成されており、アーク放電に耐え、腐食を防ぐためにメッキが施されているとよい。
【0233】
図42を参照すると、平坦な矩形状取付けプレート4300が、フレーム4204の上面4207から直角に上方に延在している。取付けプレート4300は、金属から形成されており、フレーム4204に取り付けられている。取付けプレート4300は、近位面4302および遠位面4304を備えている。2つの円筒状ドラム4310が、近位面4302に取り付けられており、近位方向を向いている。ドラム4310は、鋼のような磁場に吸引される材料から形成されている。可動ローバー4000がシャーシ31000に嵌合されたとき、ドラム4310は、レセプタクル3124(
図26)内を向き、電磁石3160が励磁されると、電磁石3160(
図26)に吸引されて接触する。励磁されたとき、電磁石3160は、可動ローバー4000をシャーシ3100を保持することになる。
【0234】
[C.静止ドッカー]
図43を参照すると、静止ドッカー900に係留された可動ローバー4000の水/廃液図が示されている。可動ローバー4000が静止ドッカー900に係留されている間に、可動ローバー400の貯められた医療/外科廃棄物が空にされ、次いで、可動ローバー400が洗浄される。静止ドッカー900は、廃棄物ポート902および水ポート904を備えている。廃棄物ポート902および水ポート904は、それぞれ、可動ローバー4000の廃棄物ポート4902および水ポート4904に連結されている。
【0235】
水ポート4904は、水ライン4908を通って分岐弁4906に接続されている。分岐弁4906は、各廃棄物容器4200,4202への水および洗浄流体の流れを調節するものである。水ライン4910は、分岐弁4906を上側廃棄物容器4200内のスプリンクラーヘッド4180に接続している。水ライン4912は、分岐弁4906を貯蔵タンク4202内のスプリンクラーヘッド4180に接続している。廃棄物ポート4902は、吐出口4914によって、貯蔵タンク4202の底に接続されている。
【0236】
可動ローバー4000が静止ドッカー900に係留された後、貯蔵タンク4200内の溜まった廃棄物は静止ドッカー900内に空になるまで排出される。切換弁4276は、排出操作中に開位置にあり、これによって、上側廃棄物容器4200内の廃棄物が貯蔵タンク4202内に流れる。貯蔵タンク4202が空になった後、上側廃棄物容器4200および貯蔵タンク4202は、静止ドッカー4906から、水ポート4904、水ライン4908、分岐弁4906、水ライン4910、4912、およびスプリンクラーヘッド4180を通って、各廃棄物容器4200および貯蔵タンク4202内に送り出される流体によって、洗浄される。溜まった洗浄流体は、廃棄物ポート4902を通って空にされる。
【0237】
[D.電力/制御システム]
図44は、電力を供給し、シャーシ3100および可動ローバー4000の操作を制御するための電力/制御システム4980の概略図を示している。電力/制御システム4980の構成要素が、シャーシ3100および可動ローバー4000内に取り付けられている。電力コード3154は、可動シャーシ3100から延在し、電力プラグ3156で終端している。商用電源システムへの接続を容易にするために、電力プラグ3156は、医療用施設内の電気的レセプタクルに接続されている。
【0238】
電力コード3154および電力プラグ3156は、電源3804に接続されている。電源3804は、1つまたは複数の電圧/電流レベルを可動シャーシ3100に供給することができる。電源3804は、電力を電力ケーブル3152を通して外科用モジュール3140に供給する。電源3804は、電力を電力ケーブル3153を通してシャーシ制御装置3802にも供給する。主電力が失われたときに補充電力をシャーシ3100に供給するために、補充バッテリまたは超コンデンサ3805が、電力ケーブル3806を通して電源3804に接続されている。熱管理システム3808が、外科用モジュール3140および他の電子制御装置の近くでシャーシ3100内に取り付けられている。熱管理システム3808は、ファンのような冷却装置および熱レベルを検出するセンサを備えている。熱管理システム3808は、電力ケーブル3809を通して電源3804に接続されている。
【0239】
シャーシ制御装置3802は、シャーシ3100の構成要素の操作を制御するために、コントローラまたはマイクロプロセッサおよび半導体スイッチを備えている。制御装置3802は、電力ケーブル3810およびデータケーブル3812を通して電力/データカプラー3500に接続されている。電力/データカプラー3500は、電力およびデータを電気接点を介して可動ローバー4000に伝達する。可動ローバー4000は、電力/データカプラー4800を備えている。電力/データカプラー4800は、電力ケーブル4954およびデータケーブル4956を通して可動ローバー制御装置4952に接続されている。電力およびデータは、電力/データカプラー4500,4800内の各接点およびレセプタクルの嵌合を介して伝達される。
【0240】
可動ローバー4000が静止ドッカー900(
図4)に係留されたとき、廃棄物を空にし、洗浄する手順中に、ローバー電力/データカプラー4800によって、静止ドッカー900が電力を可動ローバー4000に供給し、かつ可動ローバー4000と通信することが可能になる。
【0241】
図26および
図27をさらに参照すると、制御装置3802は、電力ケーブル3814を介して電磁石3160にさらに接続されている。電磁石3160は、シャーシ3100に嵌合され、レセプタクル3124の方を向いている。可動ローバー4000がシャーシ3100に嵌合されると、鋼ドラム4310が電磁石3160に物理的に近接する。ローバー4000がシャーシ3100に嵌合され、電力がローバー4000に最初に供給されると、制御装置4952は、電気信号をカプラー4800,3500を通して制御装置3802に自動的に送信し、電磁石3160を励磁または作動するように制御装置3802に指令をもたらす。電磁石3160が励磁されると、磁場が生じ、鋼ドラム4310を電磁石3160に接触するように吸引し、これによって、可動ローバー4000がシャーシ3100に保持される。
【0242】
解除ボタン4015が可動ローバー4000に取り付けられており、制御装置4952に接続されている。ユーザーが解除ボタン4015を押し込むと、制御装置4952は、電気信号をカプラー4800,3500を通して制御装置3802に送信し、電磁石3160を脱磁するように制御装置3802に指令をもたらす。電磁石3160が脱磁されると、磁場が取り除かれ、これによって、可動ローバー4000をシャーシ3100から取り外すことができる。
【0243】
図44を参照すると、制御装置3802は、電力/データケーブル5440を介して制御弁アクチュエータ5430にも連通している。制御装置3802は、アクチュエータ5430を用いて、制御弁5400のいずれかを選択的に開閉または部分的に開放することができる。制御装置3802は、電力/データケーブル3820を介して真空ポンプ3210に連通している。制御装置3802は、真空ポンプ3210の操作を制御する。制御装置3802は、電力/データケーブル3824を介してHEPAフィルターメモリ装置3802に連通している。制御装置3802は、フィルターが変化を要求することを示す信号をHEPAフィルターメモリ装置3822から受信することができる。
【0244】
制御装置3802は、電力/データケーブル3826を介して真空レギュレータ3222にも連通しており、電力/データケーブル3828を介して真空レギュレータ3224にも連通している。制御装置3802は、上側廃棄物容器4200および貯蔵タンク4202に供給された真空レベルを独立して調節するために、真空レギュレータ3222,3224の操作を制御している。
【0245】
制御装置3802は、電力/データケーブル3832を介して無線周波数識別装置(RFID)リーダー3830にさらに連通している。RFIDリーダー3830は、医療用機器の種々の断片に配置されたRFIDタグから情報を読み取り、該情報を制御装置3802に送信するものである。一実施形態では、RFIDタグは、外科用ハンドピース62,64(
図2)上に配置されており、制御装置3802は、用いられているハンドピース62,64の種類を認識し、可動ローバー4000およびシャーシ3100のための1つまたは複数の操作パラメータを決定するようになっている。
【0246】
制御装置3802は、電力/データケーブル3834を介してシャーシ制御パネル3162にも連通している。ユーザーは、制御パネル3162を用いて、シャーシ3100および可動ローバー4000のパラメータ、制御設定値、および操作を見ることができる。制御装置3802は、データケーブルまたはバス3168を介して外科用モジュールまたは器具3140にさらに連通している。制御装置3802は、容器カート4000の容器4200,4202に印加される吸引のレベルを定めるために真空レギュレータ3222,3224を制御するために、器具3140と一体のメモリ3143からデータを受信することができる。制御装置3802は、器具3140のメモリからデータを受信し、器具3140のメモリから読み取ったデータに基づいて、容器4200,4202に印加される吸引のレベルを設定する。
【0247】
制御装置3802は、電力ケーブル3968を介してLED光源3966にさらに連通しており、電力ケーブル3972を介してLED光源3970にさらに連通している。可動ローバー4000がシャーシ3100に嵌合されたとき、シャーシ3100に取り付けられたLED光源3966は、上側廃棄物容器4202に隣接して配置され、シャーシ3100に取り付けられたLED光源3970は、貯蔵タンク4202に隣接して配置される。制御装置3802は、上側廃棄物容器4200および貯蔵タンク4202を背後から照明するために、LED光源3966,3970を点灯および消灯する。
【0248】
可動ローバー制御装置4952は、電力/データケーブル4960を介して解除ボタン4015にさらに連通している。制御装置4952は、電力/データケーブル4964を介して廃棄物容器および貯蔵タンクのレベルセンサ4962に連通している。レベルセンサ4962は、上側廃棄物容器4200および貯蔵タンク4202内の廃棄物のレベルを表す電気信号を生成する。制御装置4952は、電力/データケーブル4966を介して切換弁アクチュエータ4282にも連通している。制御装置4952は、上側廃棄物容器4200から貯蔵タンク4202への廃棄物の流れを選択的に制御するために、アクチュエータ4282を用いて、切換弁4280を開閉または部分的に開放することができる。制御装置4952は、電力/データケーブル4970を介して分岐弁アクチュエータ4907にもさらに連通している。上側廃棄物容器4200および貯蔵タンク4202への水の流れを選択的に制御するために、アクチュエータ4907を用いて分岐弁4906を開閉することができる。
【0249】
制御装置4952は、データケーブル1967を介して圧力センサ1698に連通している。データケーブル1967は、圧力信号をセンサ1698から制御装置4952に伝達する。データケーブル1971は、圧力信号をセンサ1699から制御装置5952に伝達する。圧力信号は、ローバー制御装置4952から通信回路1856,620を介してシャーシ制御装置3802に伝達される。シャーシ制御装置3802は、少なくとも部分的に圧力センサ信号に基づき、容器4200,4202に印加される真空を調節する。一実施形態では、廃棄物容器4200,4202の各々に供給される真空レベルを独立して調節するために、制御装置3802は、圧力センサ信号に基づき、真空レギュレータ3222,3224の操作を操作する。
【0250】
[E.第2の実施形態の操作]
図26〜
図28を参照すると、医療/外科用廃棄物収集システム3000が、医療/外科廃棄物の収集に用いるために準備される。シャーシ3100は、使用中、手術室/外科領域に配置されている。電力プラグ3156が電源に接続され、電力をシャーシ3100に供給する。オペレータが、制御パネル3162を用いて、シャーシ3100を作動させる。
【0251】
図31および
図41をさらに参照すると、ユーザーが空の可動ローバー4000をシャーシレセプタクルまたは空洞3124に移動させることによって、空の可動ローバー4000がシャーシ3100に嵌合される。可動ローバー4000が空洞3124内に移動すると、ガイド装置4870が、浮動カプラー機構3300に係合する。具体的には、可動ローバー4000がシャーシ3100に向かって移動すると、ローバーの傾斜したガイドレール4872がシャーシの傾斜した区域3322に係合し、ローバーの傾斜したガイドプレート4874がシャーシリップ3324に係合し、これによって、ローバーガイド機構4870およびシャーシ浮動カプラー機構3300が、互いに対して中心位置に移動することになる。同時に、シャーシ浮動カプラー機構3300は、バネブラケット3302によって、いくらか移動または浮上し、これによって、シャーシ真空カプラー3400およびシャーシ電力/データカプラー3500をいくらか上下動させることができ、その結果、各ローバー真空カプラー4600およびローバー電力/データカプラー4800に対してより容易に位置合わせさせることができる。
【0252】
最終的に、ローバー電力/データカプラー4800は、シャーシ電力/データカプラー3400に係合かつ接触し、鋼ドラム4310が、電磁石3160に接触し、可動ローバー4000の前方移動を制限する。この位置において、ローバー電力/データカプラー4800は、ローバーレセプタクル4802,4804,4810がそれぞれシャーシ接点3502,3504,3510に嵌合するように、シャーシ電力/データカプラー3500に係合される。これによって、シャーシ電力/データカプラー3400は、電力を可動ローバー4000に供給することができる。
【0253】
図44をさらに参照すると、電力が可動ローバー4000に供給された後、シャーシ制御装置3802は、データ接点3510およびレセプタクル4810を介してローバー制御装置4952とのデータ通信を開始する。制御装置3802,4952は、廃棄物収集システム3000の操作を準備する起動シーケンスを開始する。可動ローバー4000がシャーシ空洞3124内に完全に着座した状態で、制御装置3802,4952は、ローバー4000がシャーシ3100に嵌合されたことを検出し、自動的に電磁石3160を励磁することができる。シャーシ電磁石3160が励磁されると、該電磁石3160は、鋼ドラム4310を吸引し、これによって、鋼ドラム4310が引き込まれ、電磁石3160に接触する。電磁石3160の励磁の継続によって、可動ローバー4000は、シャーシ3100に保持されることになる。
【0254】
図32、
図42および
図45を特に参照すると、可動ローバー4000がシャーシ3100に嵌合するとき、ローバー真空カプラー4600は、シャーシ真空カプラー3400に係合かつ嵌合する。可動ローバー4000が近位方向において空洞3124内に移動すると、ローバーハウジング4920の底面4924が、シャーシエルボー取付具3402のテーパ端3411に接触し、エルボー取付具3402および上プレート3304を下方に加圧する。バネブラケット3302のバネ撓みによって、この下方運動が可能になる。
【0255】
可動ローバー4000の近位運動を継続させると、ローバーの傾斜した座ぐり孔4604がシャーシテーパ端3411と同軸位置合せし、これによって、テーパ端3411を受けることになる。バネブラケット3302が、取付具テーパ端3411を付勢し、傾斜した座ぐり孔4604内に移動させ、その結果、シール3420が円錐面4606に着座し、かつ円錐面4606に対して圧縮される。シール3420の圧縮によって、円錐面4606に対して真空シール4605をもたらし、これによって、エルボー取付具3402とハウジング4920との間の吸引の漏れをなくすことができる。孔4610,4602,3414,3440によって、ローバー真空カプラー4600およびシャーシ真空カプラー3400を通る連続吸引流体連通経路が画定される。すなわち、ハウジング4920を含むカート構成要素は、シャーシ機械的カプラー3400を受け入れ、容器カート4000および吸引カート3100を単一ユニットとして離脱可能に一緒に保持する機械的な連動装置をもたらすことになる。具体的には、シャーシ真空カプラーのテーパ端3411は、ハウジングの座ぐり孔4604に係合し、容器カート4000および吸引カート3100を単一ユニットとして離脱可能に一緒に保持する機械的戻り止め4603を形成することになる。
【0256】
図36および
図40を参照すると、可動ローバー4000がシャーシ3100に嵌合するとき、ローバー上側廃棄物カプラー4700も、シャーシ廃棄物カプラー5600に係合かつ嵌合する。可動ローバー4000が近位方向に空洞3124内に移動すると、ローバー廃棄物導管4704は、シャーシ廃棄物カプラー5600に嵌入される。
【0257】
具体的には、可動ローバー4000が近位方向に移動している状態で、ローバー廃棄物導管のテーパ端4710がシャーシ開口3127内にすべり込み、シャーシの傾斜面5626に接触する。傾斜面5626に対してすべる傾斜端4710の当接によって、廃棄物カプラー本体5601が、バネクリップ5640によって生じる下方付勢を上回って、上方に付勢される。近位方向における運動がさらに継続されると、廃棄物導管のテーパ端4710が、凹部5624に入り、次いで、傾斜した座ぐり孔5622内にすべり込む。バネクリップ5640は、廃棄物カプラー本体5610を下方に移動するように付勢し、これによって、座ぐり孔円錐面5623がシール4722に着座されかつ圧縮される。シール4722の圧縮によって、円錐面5623に対して真空シール4701をもたらし、これによって、カプラー本体5610と廃棄物導管4704との間の吸引の漏れをなくすことができる。孔4705,5620,5622によって、ローバー上側廃棄物カプラー4700およびシャーシ廃棄物カプラー5600を通る連続吸引流体連通経路が画定される。すなわち、廃棄物カプラー本体5601を含むカート構成要素は、廃棄物導管4704を受け入れ、容器カート4000および吸引カート3100を単一ユニットとして離脱可能に一緒に保持する機械的な連動装置をもたらすことになる。具体的には、導管テーパ端4710は、本体の傾斜した座ぐり孔5622に係合し、容器カート4000および吸引カート3100を単一ユニットとして離脱可能に一緒に保持する他の機械的戻り止め4711を形成することになる。
【0258】
図26、
図27、
図33Aおよび
図34を参照すると、1つまたは複数の新しい使い捨て入口取付具5100が、1つまたは複数の対応する入口取付具受器5200に取り付けられる。ユーザーは、キャップスカート5158を掴み、バレル5102を受器孔5212内に挿入する。ポスト5210が長孔5166と真っ直ぐに並んだ状態で、入口取付具5100を、バレル5102が孔5212内に着座するまで、近位方向に移動させる。バレル近位端5108が弁体5402と当接し、遠位端5204がフランジ5156の近位面に当接する。次いで、スカート5158および入口取付具5100を時計方向に回転させ、その結果として、ポスト5210が凹部5168内にすべり落ち、これによって、入口取付具5100が入口取付具受器520に係止されることになる。
【0259】
1つまたは複数の吸引ライン62,64が、使い捨て入口取付具5100の1つまたは複数に接続される。制御弁5400によって、吸引ライン60,64の各々の吸引または真空を独立して制御されることができる。制御パネル3162によって、ユーザーは、制御弁5400の各々を選択的に開閉または部分的に開放することができる。これによって、ユーザーは、自在に吸引ラインへの吸引を遮断し、手術室の騒音を低減させることができる。
【0260】
吸引ライン62,64が入口取付具5100を介してシャーシ3100に取り付けられているので、医療手術手順中、可動ローバー4000が廃棄物によって充填されたとき、外科領域に延びる吸引ライン60,64を離脱させることなく、他の空の可動ローバーと取り換えることができる。加えて、可動ローバー4000を取り換えるとき、外科用モジュールまたは機器3149から延在する他のケーブルおよびチューブ(図示せず)を離脱させる必要がない。これによって、充填した可動ローバーを空の可動ローバーに迅速に取り換えることが可能であり、多量の流体廃棄物が収集される外科用手術手順の中断を最小限に抑えることができる。
【0261】
一実施形態では、制御弁5400の操作は、1つまたは複数の医療/外科用器具またはモジュール3140によって制御される。これによって、医療/外科用器具は、互いに協働し、性能を改良することができる。例えば、流出カニューレに接続された制御弁と相互作用する関節鏡ポンプは、関節への流入/流出する膨張流体の流れを良好に制御することができ、可視化および関節膨張圧力を維持する間に用いられる流体の体積を最小限に抑えることができる。
【0262】
図28および
図44をさらに参照すると、制御パネル3162によって、ユーザーは、真空ポンプ3210を選択的に作動かつ遮断することができ、また真空レギュレータ3222,3224を用いて、上側廃棄物容器4200または貯蔵タンク4202の一方または両方内に印加される真空の大きさを選択的に変化させることができる。
【0263】
真空ポンプ3210は、吸引印加器62または66(
図26)から吸引または真空ポンプ3210にわたって形成される連続吸引流体連通経路3070をもたらしている。真空ポンプ3210が作動されると、得られた吸引が、廃棄物をユーザーによって選択された吸引印加器62または66内に引き込む。吸引流体連通経路3070は、真空経路3070と呼ばれることもある。
【0264】
真空ポンプ3210が操作状態にあり、制御弁5400が開位置にあるとき、吸引流体連通経路3070に関連する廃棄物流れは、吸引印加器62から吸引ライン60に入り、使い捨て入口取付具5100、入口取付具受器5200、制御弁5400、およびエルボー取付具5380(
図40)を通って流れる。
図40を参照すると、吸引流体連通経路3070は、さらに真空ホース5520、取付具5510、マニホールド5500、シャーシ弁カプラー本体5601、およびローバー廃棄物導管4704を通って、出口4276から出て、上側廃棄物容器4200に入り、上側廃棄物容器4200において廃棄物流れが沈殿する。
【0265】
図28、
図37および
図45を参照すると、主に空気を含む吸引流体連通経路3070は、上側廃棄物容器4200からエルボー取付具4498および真空ホース4496に至り、エルボー取付具4620を経てハウジング4920の孔4620およびエルボー取付具3402内に至る。吸引流体連通経路3070は、さらにエルボー取付具3402から真空ホース3444(
図32)に至り、真空レギュレータ3222(
図28)、逆止弁3226、真空ホース3242、HEPAフィルター3232、および真空ホース3244を経て、真空ポンプ3210で終端する。
【0266】
図28、
図37および
図45を参照すると、主に空気を含む吸引流体連通経路3072は、貯蔵タンク4202から、エルボー取付具4512、真空ホース4510、エルボー取付具4620,ハウジング4920の孔4602、およびエルボー取付具3402に至る。吸引流体連通経路3072は、さらにエルボー取付具3402から、真空ホース3444(
図32)、真空レギュレータ3222(
図28)、逆止弁3226、真空ホース3242、HEPAフィルター3232、および真空ホース3244を経て、真空ポンプ3210で終端する。
【0267】
液体廃棄物および固形廃棄物の小片は、上側廃棄物容器4200内に沈殿している。いったん上側廃棄物容器が充填されたなら、またはユーザーが上側廃棄物容器を空にすることが望んだなら、ユーザーは、切換弁4280を用いて、廃棄物を貯蔵タンク4202に移すように選択することができる。これによって、廃棄物は、貯蔵タンク4202において空にされるまで貯蔵される。
【0268】
廃棄物収集システム3000の操作中、種々の操作状態またはパラメータがユーザーによって制御可能であり、廃棄物収集システムは、ユーザーに種々の操作状態を通知することができる。一実施形態では、ユーザーは、制御パネル3162を用いて、廃棄物容器4200または貯蔵タンク4202のいずれかの内容物を照明するかを選択し、発光ダイオード3966または3970(
図44)を点灯させることができる。他の実施形態では、レベルセンサ4962(
図44)は、上側容器4200または貯蔵タンク4202のいずれがいつ充填するかを検出し、パネル廃棄物収集システム3000の操作状態を表すレベルセンサ信号を制御パネル3162に送信し、ユーザーにこの状態を通知することができる。
【0269】
医療従事者は、種々の外科機能を果たすために、廃棄物収集システム3000の操作中または廃棄物収集システム3000とは無関係に、外科用モジュール3140を操作することもできる。
【0270】
一定時間が経過した後、上側廃棄物容器4200が用いられていると、上側廃棄物容器4200が充填され、空にする必要がある。あるいは、充填される前に、オペレータによって上側廃棄物容器を空にすることが選択されることもある。この時点で、ユーザーは、制御パネル3162を用いて、切換弁アクチュエータ4282(
図44)に切換弁4280(
図44)を開くように指示し、廃棄物を上側廃棄物容器4200から貯蔵タンク4202に送ることができる。
【0271】
図28に示されているように、真空ポンプ3210は、貯蔵タンク4202から吸引または真空ポンプ3210にわたって形成された連続吸引流体連通経路3072をもたらしている。吸引流体連通経路3072は、真空経路3072と呼ばれることもある。吸引流体連通経路3072は、上側廃棄物容器4200から貯蔵タンク4202への廃棄物の移送中に用いられる。切換弁4280にて上側廃棄物容器4200から貯蔵タンク4202への溜まった廃棄物の排出を助長するために、吸引流体連通雨経路3072によって、低レベルの真空を貯蔵タンク4202内に供給することができる。廃棄物の移送に用いられる真空のレベルを最小限に抑えることによって、貯蔵タンク4202の強度の要件を低減させることができる。これによって、貯蔵タンクを円筒状または球面状の壁ではなく平坦な壁によって作製することが可能になる。平坦な側壁を有する貯蔵タンクによって、より多量の流体を同一の床空間内に貯蔵することが可能になる。また、強度要求の低下によって、材料選択および製造プロセスの柔軟性を大きくすることができる。
【0272】
上側廃棄物容器4200から貯蔵タンク4202への廃棄物の移送中に、上側廃棄物容器4200内の真空は、真空レギュレータ3222を通って大気圧に解放される。貯蔵タンク4202内の真空は、上側廃棄物容器4200の真空レベルよりも低い圧力に設定されている。その結果、貯蔵タンク内の真空は、廃棄物を切換弁4280を介して貯蔵タンク4202内に引き込むのを助長することになる。
【0273】
いったん上側廃棄物容器4200および貯蔵タンク4202の両方が充填されたなら、またはもしユーザーが上側廃棄物容器4200および/または貯蔵タンク4202を充填前に空にして洗浄することを望んだなら、ユーザーは、制御パネル3162を用いて真空ポンプ3210を遮断することができる。次いで、電磁石3160を脱磁させるために、ボタン1015(
図27)が押し込まれる。電磁石3160が脱磁されると、医療従事者は、ハンドル4012(
図27)をシャーシ3100から遠位方向に引っ張ることによって、ローバー4000をシャーシ3100から取り外すかまたは切り離すことができる。
【0274】
次いで、可動ローバー4000は、外科領域から静止ドッカー900(
図4)に車輪転動によって移動され、廃棄物を治療施設910(
図4)に排出し、廃棄物容器4200および貯蔵タンク4202を洗浄する。
【0275】
[V.第4の実施形態]
図46は、本発明によって構成された医療/外科用廃棄物収集システム6000の代替的実施形態を示している。廃棄物収集システム6000は、可動ローバー4000(
図27)と共に用いられる静止シャーシ6100を備えている。静止シャーシ6100は、静止シャーシ6100が手術室/外科領域52の壁6002内に埋め込まれているかまたは取り付けられていることを除けば、シャーシ3100と同様である。壁6202内への静止シャーシ6100の取付けによって、手術室/外科領域52内の利用可能な床空間を拡大することができる。周辺フランジ6004が、静止シャーシ6100の両側面および上面から外方に延在し、壁6002に拡がっている。静止シャーシ6100の内部構成要素および操作は、前述のシャーシ3100と同じである。
【0276】
[VI.代替的実施形態]
本発明を例示的実施形態を参照して説明してきたが、当業者であれば、本発明の範囲から逸脱することなく、種々の変更がなされてもよく、本発明の要素および特徴部がそれらの等価物に置き換えられてもよいことを理解するだろう。例えば、一実施形態の要素および/または特徴部は、他の実施形態の要素および/または特徴部と組み合わされてもよいし、またはそれらと置き換えられてもよいことも考慮されている。加えて、本発明の根本的な範囲から逸脱することなく、特定のシステム、装置、または構成要素を本発明の示唆に適合させる多くの修正がなされてもよい。本発明は、本発明を実施するために開示された特定の実施形態に制限されることを意図していない。
【0277】
例えば、本発明の全ての態様が必ずしも開示されている特徴の全てを有している必要がない。本発明の異なる実施形態の特徴が組み合わされてもよい。同様に、本発明の全ての態様が、前述の高可動性ローバー1000,4000を必ずしも備えている必要がない。本発明のいくつかの態様では、ローバー1000,4000は、静止ユニットであってもよい。いくつかの実施形態では、真空ポンプ3210が作動中に連続吸引が3つの使い捨て入口取付具5100の全てにもたらされるように、制御弁5400(
図28)がシャーシ3100から省略されていてもよい。他の態様では、制御弁5400および入口取付具5100(
図28)は、シャーシ3100から取り外され、可動ローバー4000に取り付けられ、ローバー制御装置4952が制御弁54000の操作を制御するようになっていてもよい。この実施形態では、廃棄物カップリング4700、5600は、用いる必要がなく、省略されてもよい。
【0278】
本発明のさらなる実施形態では、外科用モジュール3140(
図44)の1つは、灌注流体を外科部位に供給する灌注ポンプおよび制御システムであってもよい。外科用モジュール3140は、シャーシ制御装置3802(
図44)に連通していてもよい。灌注ポンプが灌注流体を外科部位に供給するために作動するとき、制御装置3802は、外科部位に吸引をもたらすために、灌注ポンプの操作を検出し、自動的に真空ポンプ3210および制御弁5400の1つを作動することができる。従って、外科部位が灌注流体によって洗浄されるときはいつでも、吸引ラインの1つまたは複数が自動的に吸引を印加し、外科手術中に生じた廃棄流体および破片を除去することができる。
【0279】
本発明のいくつかの態様では、カート100,1000を離脱可能に一緒に保持する構成要素は、廃棄物収集カート1000に取り付けられていてもよい。これによって、磁石または移動する機械部材をカート1000に取り付けることができる。制御装置802から吸引カート1000に送られる信号に基づき、カート100,1000を離脱可能に一緒に保持する構成要素が作動され、かつ停止されることになる。
【0280】
本発明の全ての態様において、ローバーは、必ずしも取り換え可能なマニホールドを保持するための受器を備えている必要がない。本発明のこれらの態様では、受器は、吸引ラインを受ける単純な取付具であってもよい。同様に、受器は、吸引ラインが延出するある種の流体カップリングを受ける装置であってもよい。
【0281】
本発明のいくつかの態様では、シャーシまたは吸引カートの一端と容器カートの他端との間のデータおよび/または指令信号の伝送は、無線接続であってもよい。この接続は、誘導結合に関連する周波数またはRF信号交換に関連する高周波数のいずれによって行われてもよい。
【0282】
真空レギュレータは、開示されているものと異なる機能を有していてもよい。従って、本発明のいくつかの態様では、真空レギュレータは、真空ポンプのオン/オフ状態および/または真空ポンプの作動率を単純に制御するものであってもよい。
【0283】
本発明のいくつかの態様では、ローバーが最初にシャーシに嵌合され、その後、シャーシ制御装置802がローバー制御装置1952に問合せ要求を送信するようになっていてもよい。ローバー制御装置1952は、適切な認識コードに対応しなければならない。もしシャーシ制御装置802が適切な認識コードを受信しなければ、シャーシ制御装置は、ポンプ210を作動しない。これによって、シャーシと共に用いられるように特別に設計されていない容器に吸引が印加されることがない。
【0284】
従って、添付の請求項の目的は、本発明の真の精神および範囲内に含まれるこのような変更および修正の全てを包含することにある。