特許第6368314号(P6368314)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6368314
(24)【登録日】2018年7月13日
(45)【発行日】2018年8月1日
(54)【発明の名称】冷凍の改良
(51)【国際特許分類】
   F25B 9/10 20060101AFI20180723BHJP
   F25B 9/06 20060101ALI20180723BHJP
   F25B 7/00 20060101ALI20180723BHJP
   F25B 1/00 20060101ALI20180723BHJP
   F25B 19/00 20060101ALI20180723BHJP
   F25B 27/00 20060101ALI20180723BHJP
   F25B 25/00 20060101ALI20180723BHJP
【FI】
   F25B9/10 Z
   F25B9/06 A
   F25B9/06 J
   F25B7/00 A
   F25B1/00 399Y
   F25B19/00 Z
   F25B27/00 Z
   F25B25/00 Z
【請求項の数】17
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2015-542361(P2015-542361)
(86)(22)【出願日】2013年11月19日
(65)【公表番号】特表2016-501357(P2016-501357A)
(43)【公表日】2016年1月18日
(86)【国際出願番号】GB2013053056
(87)【国際公開番号】WO2014076508
(87)【国際公開日】20140522
【審査請求日】2016年11月14日
(31)【優先権主張番号】1220788.2
(32)【優先日】2012年11月19日
(33)【優先権主張国】GB
(73)【特許権者】
【識別番号】515126411
【氏名又は名称】ディアマン エンジン カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100091214
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 進介
(72)【発明者】
【氏名】アイレス,マイケル
(72)【発明者】
【氏名】クラーク,ヘンリー
(72)【発明者】
【氏名】ディアマン,マイケル
【審査官】 金丸 治之
(56)【参考文献】
【文献】 特開2002−257452(JP,A)
【文献】 特開平10−019402(JP,A)
【文献】 米国特許第03451342(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F25B 9/10
F25B 1/00
F25B 7/00
F25B 9/06
F25B 19/00
F25B 25/00
F25B 27/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
作動流体(WF)及び熱交換流体(HEF)を利用する低温エンジンシステム(610、710);並びに
熱交換システム(90)を含む冷凍システム(660);を含むシステムであって、
前記低温エンジンシステム(610、710)と前記冷凍システム(660)は前記熱交換システム(90)を介して互いに熱的に結合され、
前記低温エンジンシステム(610、710)における前記作動流体(WF)及び/又は前記熱交換流体(HEF)が前記冷凍システム(660)から熱を除去するヒートシンクの機能を果たし、且つ、前記冷凍システム(660)によって生成される熱が前記低温エンジンシステム(610、710)における作動流体(WF)を膨張させるために用いられるようにし、
当該システムは、前記熱交換システム(90)に熱的に接続される冷凍コンパートメント(64)を含み、
前記低温エンジンシステム(610、710)は、前記冷凍コンパートメント(64)から熱を除去するための直接的且つ間接的なヒートシンクであり、且つ、
前記熱交換システム(90)は:
前記低温エンジンシステム(610、710)からの作動流体(WF)と直接的に熱的に接触し且つ前記冷凍コンパートメント(64)と直接的に熱的に接触する第1熱伝達部材(618、718)と;
前記低温エンジンシステム(610、710)における膨張させられた作動流体(WF)及び/又は前記熱交換流体(HEF)と直接的に熱的に接触する第2熱伝達部材(622、626、670、678、722、726、770、778)と;
前記冷凍コンパートメント(64)の内部と直接的に熱的に接触する第3熱伝達部材(682、782)と;
前記第2熱伝達部材(622、626、678、722、726、778)及び第3熱伝達部材(682、782)の双方と熱的に接触する中間熱伝達流体循環システム(690、790)と;を有する、
システム。
【請求項2】
前記冷凍システム(660)は、蒸気圧縮サイクルを含む、
請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記中間熱伝達流体循環システム(690、790)は、熱伝達流体(F)と、該システム内の熱伝達流体(F)を圧縮するためのコンプレッサ(676、776)とを含む、
請求項1又は2に記載のシステム。
【請求項4】
前記低温エンジンシステム(610、710)は、駆動手段(630、730)を含み、
前記コンプレッサ(676、776)は前記駆動手段(630、730)によって駆動される、
請求項3に記載のシステム。
【請求項5】
前記第1熱伝達部材(618)及び/又は前記第3熱伝達部材(682)は、前記冷凍コンパートメント(64)の内部(64i)と熱を交換するように構成される、
請求項1乃至4の何れか一項に記載のシステム。
【請求項6】
前記冷凍コンパートメント(64)の内部(64i)から大気を移動させ且つ前記第3熱伝達部材(682)の上にその大気を向けるための第1導管(666)と、前記冷凍コンパートメント(64)の前記内部(64i)に大気を戻すための第2導管(674)とを含む、
請求項1乃至5の何れか一項に記載のシステム。
【請求項7】
前記冷凍コンパートメント(64)から前記第1導管(666、766)及び/又は前記第2導管(674、774)を通じて大気を循環させるためのファン(684、784)を含む、
請求項6に記載のシステム。
【請求項8】
前記中間熱伝達流体循環システム(690、790)は:
前記第2熱伝達部材(622、722)によって形成される凝縮器(678、778);
膨張器(680、780);及び
前記第3熱伝達部材(682、782)によって形成される蒸発器;
を更に含む、
請求項3乃至6の何れか一項に記載のシステム。
【請求項9】
前記低温エンジンシステム(110)における通気口又は排気管(128、228)と前記冷凍システムの前記冷凍コンパートメント(64)との間に延びる、前記通気口又は前記排気管から前記冷凍コンパートメントに作動流体(WF)を移すための第2伝達手段を更に含む、
請求項1乃至8の何れか一項に記載のシステム。
【請求項10】
前記冷凍システムは空気循環であり、且つ、
前記冷凍コンパートメント(64)から空気を移動させるための第1導管(366、466、566);
コンプレッサ(368、468、568);
膨張に先だって前記冷凍システムにおける空気を冷却するための冷凍器熱交換器(370、470、570);
膨張器(372、472、572);及び
膨張させられた冷気を前記冷凍コンパートメント(64)に戻すための第2導管(374、474、574);
を含む、
請求項1に記載のシステム。
【請求項11】
前記冷凍システムの前記コンプレッサは、前記低温エンジンシステム(310、410、510)の駆動手段(330、430、530)によって駆動される、
請求項10に記載のシステム。
【請求項12】
前記低温エンジンシステム(110)における少なくとも1つの熱交換器(118、122、126、218、222、226、318、322、326)は、前記冷凍システムにおける少なくとも1つの熱交換器(370、470、418、570、518、670、618)に結合される、
請求項10又は11に記載のシステム。
【請求項13】
前記低温エンジンシステム(110)における前記第2熱伝達部材(422、622、626、670、678、722、726、770、778)は、前記冷凍器熱交換器(370、470、418、570、518、670、618)に結合される、
請求項12に記載のシステム。
【請求項14】
前記低温エンジンシステム(110)は:
作動流体(WF)を蓄えるためのタンク(114、214、314、414、514、614、714);
駆動手段(130、230、330、430、530、630、730);
前記駆動手段(130、230、330、430、530、630、730)に結合され、前記タンク(114、214、314、414、514、614、714)と流体的に連通し、且つ、前記駆動手段(130、230、330、430、530、630、730)を介して機械仕事を出力するように前記作動流体(WF)を膨張させるように構成される第1膨張器(120、220、320、330、420、520、620、720);及び
前記タンク(114、214、314、414、514、614、714)と前記第1膨張器(120、220、320、420、520、620、720)との間で流体的に連通し、且つ、前記作動流体(WF)が前記第1膨張器(120、220、320、420、520、620、720)に供給される前に前記作動流体(WF)に熱を伝達するように構成される第1熱交換器(118、218、318、418、518、618、718);を含み、
前記熱交換流体(HEF)を前記第1膨張器(220、520)に導入するための導入器(250、550)を更に含み、
前記第1膨張器(220、520)は、前記作動流体(WF)と前記熱交換流体(HEF)とを混合するように構成される、
請求項1乃至13の何れか一項に記載のシステム。
【請求項15】
前記低温エンジンシステム(210、510)は:
膨張後に前記熱交換流体(HEF)から前記作動流体(WF)を分離するために前記第1膨張器(220、520)と流体的に連通する相分離器(234、534);
前記熱交換流体(HEF)を再加熱するための再熱器(236、570);及び
前記熱交換流体(HEF)を前記第1膨張器(220、520)に戻すための第2ポンプ(232、532);
を含む、
請求項14に記載のシステム。
【請求項16】
前記第2ポンプ(232、532)は前記駆動手段(230、530)によって駆動される、
請求項15に記載のシステム。
【請求項17】
前記作動流体(WF)は、液体窒素、液体空気、液化天然ガス、二酸化炭素、酸素、アルゴン、圧縮空気、圧縮天然ガスのうちの少なくとも1つを含む、
請求項1乃至16の何れか一項に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、(極)低温エンジン及び冷凍システムを含むシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
今日使用されている車両輸送冷凍システムの大多数は、ディーゼル燃料で動く内燃機関により、冷凍トレーラに搭載された補助発電機を用いて直接的に、或いは、オルタネータを介して機械的に若しくは電気的にトラクタエンジンユニットから動力を取り出すことによって間接的に、動力が供給される。そして、標準的な閉ループ冷凍システムを駆動するためにその動力を使用することによって冷却が実現される。
【0003】
典型的には、動力取り出し及び冷凍ユニットの双方は、輸送中のコンパートメントの温度を維持するために通常必要とされる冷却のレベルに対してはオーバースペックである。これは、以下の複数の理由のためである。
1)冷凍ユニットはドアが開かれた後に容器を冷却できなければならない。
2)そのような冷コンパートメントの断熱性能は年毎に3〜5%だけ悪化し、ライフサイクルを通じて必要とされる冷却力は増大する。
3)APTは、30℃の周囲温度で容器壁を通じて伝達される熱の1.35〜1.75倍で熱を除去できなければならないことを義務づける。
【0004】
この結果、移動車両に搭載される冷凍ユニットは、その運用年数のほとんどを、効率の悪い点での動作に費やすこととなる。この結果、移動冷凍ユニットの性能係数は、典型的には、他の冷却装置に比べてかなり低いものとなる(例えば、3℃まで冷却されるコンパートメントに関する1.5〜1.75に対し、−20℃の冷凍コンパートメントに関しては略0.5である。)。
【0005】
現在、英国の温室効果ガスの総排出量の略0.05%が食品輸送に用いられる冷凍装置に由来すると見積もられている。これは少ない割合に過ぎないがかなりの量である。それ故に、冷凍輸送ユニットからの排出を低減させる必要がある。また、これらの冷凍ユニットのための炭化水素燃料の非効率な使用は不利であり、そのため、この用途での消費を低減させる方法が求められる。
【0006】
多くの他の冷却方法が提案されている。それらは、燃料電池又はバッテリを用いたエネルギ貯蔵を含むが、コスト、インフラ、及び充電時間に関する欠点が望ましくないものとして知られている。相変化物質を採用する共晶梁は冷熱を蓄えるために用いられるが、かなりの重量ペナルティを課す。トラクタ動力ユニットの排熱を利用する吸着及び吸収方法が知られているがかさばる傾向があり、且つ、トラクタ動力ユニットからの高品質の熱に依存する傾向があり、アイドル時には利用できない場合がある。冷コンパートメントからの空気を作動流体として用いる空気循環冷凍システムは、冷媒の必要性を取り除くが、それでもやはり動力源を必要とする。
【0007】
液体窒素のような低温流体が断熱容器に貯蔵され且つ冷熱のソースとして用いられるところの様々な低温システムが説明されている。これらは、国際公開第2011/126581号及び米国特許第3699694号に記載されるような、寒剤(cryogen)を冷コンパートメントに噴霧することで直接的に寒剤を用いるシステム、国際公開第2010/128233号及び国際公開第01/53764号に記載されるような、熱交換器を介して間接的に寒剤を用いるシステム、又は双方の混合として大まかにグループ化される。また、運ばれなければならない寒剤の量を減らすために、個別に動力が供給される冷凍システムで寒剤を用いることも知られている。欧州特許出願公開第0599612号では、寒剤は、スラリータンク内の冷媒と直接的に熱を交換する。空気置換ファンを駆動するために間接的な熱交換からの加熱された或いは放出された蒸気を用いる可能性については、国際公開第2007/116382号及び欧州特許出願公開599626号で考慮されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】国際公開第2011/126581号
【特許文献2】米国特許第3699694号明細書
【特許文献3】国際公開第2010/128233号
【特許文献4】国際公開第01/53764号
【特許文献5】欧州特許出願公開第0599612号明細書
【特許文献6】国際公開第2007/116382号
【特許文献7】欧州特許出願公開599626号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかし、寒剤の直接的な使用は、低温流体の選択肢の多くで窒息の危険をもたらし得る。さらに、低温物質を用いる既存の冷却システムは非効率である。それ故に、低温物質の有益な特性を用いる、商業的に実現可能で、効率的で、安全で、且つ、持続可能な冷却システムの必要性が存在する。
【0010】
本発明の目的は上述の問題に対処することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の第1の態様により、作動流体を利用する低温エンジンシステムと、熱交換システムを含む冷凍システムとを含むシステムであって、低温エンジンシステムと冷凍システムは熱交換システムを介して互いに熱的に結合され、低温エンジンシステムにおける作動流体が、冷凍システムから熱を除去するヒートシンクの機能を果たし、且つ、冷凍システムによって生成される熱が低温エンジンシステムにおける作動流体を膨張させるために用いられるようにする、システムが提供される。
【0012】
低温エンジンシステムを冷凍システムに結合することの利点は、冷凍システムが小型化され且つユニット温度を維持するためにのみ使用され、一方で、低温流体が迅速な温度の引き下げ及び静かな作動といった効果を得るために直接的に使用され得ることにある。さらに、冷凍コンパートメントからの熱は、膨張ステップの前に低温流体を温めるために使用され、それ故に低温エンジンの効率を大幅に高め得る。
【0013】
そのシステムは冷凍コンパートメントを含んでいてもよく、その低温エンジンシステムは冷凍コンパートメントから熱を除去する直接的なヒートシンクであってもよい。
【0014】
好都合なことには、熱交換システムは第1熱伝達部材を含んでいてもよい。第1熱伝達部材は、コンパートメントの内部と直接的に熱的に接触し、且つ、作動流体を低温エンジンに移動させるために流体的に連通している。
【0015】
別の構成では、そのシステムは冷凍コンパートメントを含んでいてもよく、低温エンジンシステムは、冷凍コンパートメントから熱を除去するための間接的なヒートシンクである。
【0016】
そのような別の構成では、熱交換システムは、低温エンジンシステムにおける膨張させられた作動流体と直接的に熱的に接触する第2熱伝達部材と、コンパートメントの内部と直接的に熱的に接触する第3熱伝達部材とを含み、第2熱伝達部材及び第3熱伝達部材の双方と熱的に接触している中間熱伝達流体循環システムを更に含む。
【0017】
ある特定の構成では、冷凍システムは、蒸気圧縮サイクルを含んでいてもよい。
【0018】
ある構成では、中間熱伝達流体循環システムは、該システム内の熱伝達流体を圧縮するためのコンプレッサを含んでいてもよい。そのようなコンプレッサは、低温エンジンの駆動手段によって駆動され得る。
【0019】
第1熱伝達部材及び/又は第3熱伝達部材は、チャンバの内部と熱を交換するように構成される。
【0020】
そのシステムは、チャンバの内部から大気を移動させ且つ熱伝達部材の上に大気を向けるための第1導管と、チャンバの内部に大気を戻すための第2導管とを含んでいてもよい。
【0021】
そのシステムは、チャンバの内部から大気を移動させ且つ熱伝達部材の上に大気を向けるための第1導管と、チャンバの内部に大気を戻すための第2導管とを含んでいてもよい。
【0022】
また、そのシステムは、冷凍コンパートメントから第1導管及び/又は第2導管を通じて大気を循環させるためのファンを含んでいてもよい。そのようなファンは、低温エンジンの駆動手段によって駆動されてもよい。
【0023】
ある構成では、中間熱伝達流体循環システムは、第2熱伝達部材によって形成される凝縮器と、膨張器と、第3熱伝達部材によって形成される蒸発器とを更に含んでいてもよい。
【0024】
コンプレッサは、低温エンジンシステムの駆動手段によって駆動されてもよい。
【0025】
ある構成では、そのシステムは、低温エンジンシステムにおける通気口又は排気管と冷凍システムの冷凍コンパートメントとの間に延びる、その通気口又は排気管からの作動流体を冷凍コンパートメントに移すための第2伝達手段を更に含んでいてもよい。
【0026】
別の構成では、冷凍システムは空気循環であってもよい。
【0027】
空気循環冷凍システムは、冷凍コンパートメントから空気を移動させるための第1導管と、コンプレッサと、膨張に先だって冷凍システムにおける空気を加熱するための冷凍器熱交換器と、膨張器と、膨張させられた冷気を冷凍コンパートメントに戻すための第2導管とを含んでいてもよい。
【0028】
空気冷凍サイクルのコンプレッサは、低温エンジンシステムの駆動手段によって駆動されてもよい。
【0029】
低温エンジンシステムにおける少なくとも1つの熱交換器は、冷凍システムにおける少なくとも1つの熱交換器に結合され得る。
【0030】
望ましくは、低温エンジンシステムにおける第2熱交換器及び排熱交換器のうちの少なくとも1つは、冷凍器熱交換器に結合される。
【0031】
そのシステムは低温エンジンシステムを含んでいてもよい。低温エンジンシステムは、作動流体を蓄えるためのタンクと、駆動手段に機械的に結合され、タンクと流体的に連通し、且つ、駆動手段を介して機械仕事を出力するように作動流体を膨張させるように構成される第1膨張器と、タンクと第1膨張器との間で流体的に連通し、且つ、作動流体が第1膨張器に供給される前に作動流体に熱を伝達するように構成される第1熱交換器とを含む。
【0032】
低温エンジンシステムは、作動流体を第1熱交換器に導入するように構成される第1ポンプを更に含んでいてもよい。そのような第1ポンプは、駆動手段によって駆動されてもよい。
【0033】
低温エンジンシステムは、第1膨張器と流体的に連通する第2熱交換器を更に含んでいてもよい。
【0034】
低温エンジンシステムは、駆動手段及び第2膨張器を更に含んでいてもよい。第2膨張器は、駆動手段に機械的に結合され、第2熱交換器と流体的に連通し、且つ、駆動手段を介して機械仕事を出力するように作動流体を膨張させるように構成され、第2熱交換器は、作動流体WFが第2膨張器に供給される前に作動流体WFに熱を伝達するように構成される。
【0035】
低温エンジンシステムは、排熱交換器と、作動流体が1又は複数の膨張器を通過した後に低温エンジンシステムから作動流体を放出するための通気口とを更に含んでいてもよい。
【0036】
そのエンジンは、熱交換流体を第1膨張器に導入するための導入器を更に含んでいてもよく、第1膨張器は、作動流体と熱交換流体とを混合するように構成され得る。
【0037】
低温エンジンシステムは、膨張後に熱交換流体から作動流体を分離するために第1膨張器と流体的に連通する相分離器と、熱交換流体を再加熱するための再熱器と、熱交換流体を第1膨張器に戻すための第2ポンプと、を含んでいてもよい。
【0038】
第2ポンプは駆動手段によって駆動されてもよい。
【0039】
低温エンジンシステムは、作動流体が膨張器を通過した後で低温エンジンシステムから作動流体を放出するための通気口を更に含んでいてもよい。
【0040】
1又は複数の膨張器の少なくとも1つはレシプロ型膨張器であってもよい。
【0041】
或いは、膨張器の少なくとも1つはタービン型膨張器であってもよい。
【0042】
有利的には、低温エンジンシステムは、冷凍システムの外側にある少なくとも1つの別のシステムを駆動するように構成される。
【0043】
低温エンジンシステムにおける作動流体は、液体窒素、液体空気、液化天然ガス、二酸化炭素、酸素、アルゴン、圧縮空気、圧縮天然ガスのうちの少なくとも1つを含んでいてもよい。
【0044】
これより、本発明は、ほんの一例として、添付図面を参照して説明される。
【図面の簡単な説明】
【0045】
図1】本発明によるシステムのボックス図である。
図2】本発明の第1実施例による低温エンジンシステムの概略図である。
図3】本発明の第2実施例による低温エンジンシステムの概略図である。
図4図2に示す低温エンジンシステムと第1の典型的な冷凍システムの概略図である。
図5図2に示す低温エンジンシステムと第1の典型的な冷凍システムを含むシステムの概略図である。
図6図3に示す低温エンジンシステムと第1の典型的な冷凍システムを含むシステムの概略図である。
図7図2に示す低温エンジンシステムと第2の典型的な冷凍システムを含むシステムの概略図である。
図8】互いに組み合わされたレシプロ型膨張器とタービン型膨張器の双方を示す構成である。
【発明を実施するための形態】
【0046】
図面では、同様の特徴は同様の参照数字で表される。
【0047】
図1は、本発明の実施例によるシステム1のボックス図を示す。システム1は、低温エンジンシステム10と冷凍システム60を含む。低温エンジンシステム10は、熱力学的動力サイクル12と、液体窒素、液体空気、液化天然ガス、二酸化炭素、酸素、アルゴン、圧縮空気若しくは圧縮天然ガス、又は、液体空気のような低温流体の混合物等の低温作動流体を蓄えるためのタンク14とを含む。他の任意の適切な低温作動流体が同様に使用され得ることを当業者は理解する。冷凍システム60は、冷凍コンパートメント64を冷やすために用いられる冷凍システム62を含む。熱交換システム90は、低温流体からの冷熱を冷凍コンパートメントの内部64iに移動させ、且つ/或いは、低温流体WFの膨張を支援するために冷凍コンパートメント64の内部64iからの熱を低温流体WFに移動させる1又は複数の任意の構成要素によって形成される。
【0048】
図1に示すように、低温エンジンシステム10及び冷凍システム60は、機械的に且つ/或いは熱的に互いに結合されている。低温エンジンシステム10は、冷凍システム60の冷凍システム62に機械的に結合され、また、冷凍システム62に熱的に結合され、且つ/或いは、冷凍コンパートメント64に直接的に熱的に結合されている。熱的結合は、本書でより詳細に後述する熱交換システム90による。機械的結合は、低温エンジンシステム10が冷凍システム62を機械的に駆動することを意味する。或いは、機械的結合は、冷凍システムを駆動するための発電機を低温エンジンシステムが駆動できるようにし得る。熱的結合は、冷凍システム60によって生成された熱が低温エンジンシステム10における作動流体を膨張させるために用いられ、且つ、低温エンジンシステム10での冷却(低温作動流体の効果)が、冷凍システム60から熱を除去するためのヒートシンクの機能を果たすことを意味する。低温エンジンシステム10は、冷凍コンパートメント64のための直接的な或いは間接的なヒートシンクとなり得る。直接的な構成では、低温エンジンからの冷熱は、容器64内からの大気と直接接している熱交換器に直接移動するが、間接的な構成では、低温エンジンからの冷熱は、最初に中間の熱伝達流体Fに移動し、その後、中間の熱伝達流体Fはその冷熱をコンパートメント64内からの大気に移動させる。これらの構成の双方は本書で詳細に後述する。図7及び図8は間接的な構成を図示する。
【0049】
図2は、本発明の第1実施例による低温エンジンシステム110を示す。低温エンジンシステム110の熱力学的動力サイクル112は、断熱された貯蔵タンク114からの加圧された低温作動流体WF(例えば液体窒素)の供給を伴う。これは、タンク114内又は外部に取り付けられた低温ポンプ116を用いて、或いは、例えばヒータ回路を用いたタンク加圧によって実現される。液体窒素は、間接的な熱伝達のために第1熱交換器118に供給され、そこで液体窒素は蒸発して窒素ガスとなり、且つ、第1膨張器120で膨張させられる前に加熱される。膨張はほぼ断熱的であるため、窒素ガスの温度は低下する。それ故に、冷熱は各膨張段階の前後で収集される。第1の膨張の後には更なる熱交換器及び膨張を伴う任意の数の後続の段階が続く。図2に示す実施例は、第2熱交換器122及び第2膨張器124を含む。また、作動流体すなわち窒素ガスは、通気口128を介した大気への放出に先立ち、最後の膨張の後に更なる間接的な排熱交換器126を通過する。各段階における膨張器は、駆動軸130の形で図示される駆動手段を通じて動力を発生させるレシプロ型又はタービン型である。駆動軸130を介した機械力の出力は、詳細を後述する冷凍システムのような他の装置又はシステムに動力を供給するために用いられる。
【0050】
本書では駆動手段130は駆動軸として記載されるが、別の機械的な駆動手段が使用され得ることを当業者は理解する。さらに、液圧的若しくは電気的なポンプ若しくはモータ及び他の非機械的な駆動手段も使用され得る。バッテリのような中間の貯蔵手段も提供され得る。また、各膨張器が個別の駆動手段若しくは駆動軸に結合されてもよく、その場合、それら駆動軸は、例えば電気的結合によって互いに結合されてもよい。
【0051】
図3は、本発明の第2実施例による低温エンジンシステム210を示す。低温エンジンシステム210は、図2を参照して上述したように、タンク214、第1ポンプ216、第1熱交換器218、第1膨張器220、及び通気口228を含む。しかし、この実施例では、第2ポンプ232及び導入器250を用いて第1膨張器220に導入される(グリコール、水、冷媒、又は空気のような)熱伝達流体を用いて窒素に熱を伝達するために直接接触熱伝達が用いられる。それ故に、窒素は第1膨張器220内で熱伝達流体によって加熱され且つ蒸発させられ得る。膨張後、サイクロン分離器又は他の相分離器234によって熱伝達流体は窒素から分離され、窒素ガスは通気口228を通じて大気中に放出される。窒素から分離されると、熱伝達流体は再熱器236を通過させられ、且つ、再利用のために第2ポンプ232によって第1膨張器220に戻される。
【0052】
図3に示す実施例では、第1膨張器220からの機械力を出力する駆動軸230によって第2ポンプ232が駆動される。しかし、他の任意の都合良く配置された動力源が同様に使用されてもよい。膨張器220はこの場合もやはりレシプロ型又はタービン型であり、駆動軸230を通じて動力出力を発生させる複数の段階又は単一の段階で構成される。或いは、各膨張器は、自身の個別の駆動軸を介して機械仕事を出力してもよく、その場合、それら駆動軸は例えば電気的結合によって互いに結合される。
【0053】
図2及び図3に示すように、膨張段階からの駆動軸による作業出力は、第1ポンプを駆動するために用いられる。図5図8に示す本発明に係るシステムの実施例では、膨張によって生成される機械力及び駆動軸による出力は、冷凍コンパートメントを冷却するための冷凍システムを駆動するために用いられる。冷凍システムは、蒸気圧縮型又は空気循環型のような、軸動力を利用できる任意の公知の構成である。
【0054】
図4は、駆動軸330を介して冷凍システム360に機械的に結合される、図2に示すシステムのような低温エンジンシステム310を含むシステム300を示す。冷凍システム360は、冷凍コンパートメントから空気を移動させるための第1導管366、コンプレッサ368、冷凍器熱交換器370、膨張器372、及び、冷凍コンパートメントに冷気を戻すための第2導管374を含む空気循環を含む。図4は、駆動軸330が冷凍システム360のコンプレッサ368を駆動することを示す。冷凍システムの膨張器372は駆動軸330の駆動をアシストする。
【0055】
また、低温エンジンシステムと冷凍システムとの間で、機械的結合ばかりでなく、熱的結合を実現することが有利である。図5図8は、この利点を実現する本発明の実施例を示す。これらの実施例では、低温エンジンシステムにおける熱交換器は、適切な配管又は他のインタフェース手段を通じ、熱交換システム90における熱交換器に結合される。この目的は、膨張の準備が整った低温エンジンシステムにおける低温流体を温めるためにコンパートメント64からの熱を捕集することにある。また、熱は、大気(周囲の熱)によってもたらされてもよく、例えばICエンジン等の他の任意のソースからもたらされてもよい。このアプローチの他の利点は、冷凍システムからの排熱を増進し、それによってそのシステムの冷凍性能を改善することにある。組み合わされた熱交換器/放熱器における環境での熱伝達に対して付加的であることはこの熱伝達にとって有益となり得る。
【0056】
図5は、図4を参照して説明したような空気循環冷凍システムに結合された2段階の熱力学的動力サイクルを有する(図2を参照して上述したシステムのような)低温エンジンシステム410を含むシステム400を示す。低温エンジンシステムにおける第2熱交換器422及び排熱交換器426は、冷凍システムの高温側にある熱交換器470に熱的に結合される。これは付加的であってもよく、或いは、冷凍システムにおける大気との熱交換を置き換えるために用いられてもよい。第1段階の熱交換器418(又は気化器)は、戻り空気流474(すなわち冷凍コンパートメントに戻される冷気)に結合され、冷コンパートメントに戻る前に寒剤によって戻り空気を更に冷却できるようにする。低温流体が液体空気の場合、冷排気を直接そのコンパートメントに放出することも望ましいこととなり得る。前述のように、低温エンジンシステム410の第1ポンプ416、及び、冷凍システム460のコンプレッサ468は全て、低温エンジンシステム410の膨張器によってもたらされる機械仕事を出力する駆動軸430によって駆動される。冷凍システムの膨張器472は駆動軸430の駆動をアシストする。
【0057】
図6は、図5のシステムと同様であるが、図3に示すシステムのようなシステム510で置き換えられた低温エンジンシステムを有するシステム500を示す。この構成では、第1膨張器520での膨張中に低温エンジンシステム510における窒素を加熱するために熱交換流体(HEF)が用いられ、有益には、熱交換流体(HEF)の再加熱は冷凍システムの空気循環の高温側からの熱を用いる。導入器550は、HEFが膨張器520に導入されるようにする。これは、窒素膨張において周囲温度より高い温度を可能とし、低温エンジンシステム510の動力サイクルの作業出力を増大させる。
【0058】
図7は、図2を参照して上述したシステムのような低温エンジンシステム610が蒸気圧縮冷凍システム660と結合される別の実施例を示す。蒸気圧縮冷凍システム660は、冷凍コンパートメント64から空気/大気を移動させるための第1導管666、コンプレッサ668、凝縮器678、膨張弁680、蒸発器682、冷凍コンパートメント64に冷気を戻すための第2導管674、冷凍コンパートメント64から第1及び/又は第2導管を通じて冷却のために空気を循環させるためのファン684を含む。第2熱交換器622及び排熱交換器626は、冷凍システム660の凝縮器678に熱的に結合される。第1段階の熱交換器618と蒸発器682は冷凍コンパートメント64からの冷気と順次的に熱を交換するように配置される。中間熱伝達流体循環システム690は、冷凍システム660の構成要素間で用いられ、且つ、熱伝達流体Fを含む。前述のように、低温エンジンサイクルの第1ポンプ616、及び、冷凍システムのコンプレッサ668は、低温エンジンシステム610の膨張器によってもたらされる機械仕事を出力する駆動軸630によって駆動される。冷却コイルにわたって空気流を送るファン684も駆動軸630によって動力が供給される。
【0059】
図8は、前述のように熱交換流体(HEF)が低温エンジン装置で用いられる一方で熱伝達流体Fが冷凍回路で用いられるところの更に別の構成を示す。より詳細には、作動流体WFは、膨張器720に導入されるのに先だって膨張させられるように、第1熱交換器718を通過させられる。熱交換流体HEFは個別の回路内に提供される。個別の回路は、HEFを膨張器720に導入するための導入器750と、相分離器734とを含む。相分離器734は、WFからHEFを分離するためのものであり、また、使用済みの作動流体が排気管728を介して大気中に放出されるように、且つ、再利用のためにHEFが膨張器720に送り返される前に再加熱されるところの熱交換器凝縮器722、726、770、778を介してHEFが再循環させられるようにするためのものである。また、熱交換器722は、冷凍システム回路790における凝縮器熱交換器778の機能を果たす。回路790は、図7を参照して上述したものと同様、好適には低温エンジンシ710の駆動手段730によって駆動されるコンプレッサ776と、循環流体Fを膨張させるための膨張器780と、蒸発器782とを更に含む。膨張させられた流体Fは、コンプレッサ776に戻される前に熱交換用蒸発器782を通過する。本構成は、冷凍コンパートメント64からの空気/大気を移動させ、且つ、コンパートメント64からの大気と流体Fとの間で熱を交換できるようにその大気が膨張器熱交換器782を通過するようにさせ、それによって容器64に大気を戻す前にその大気及び第2導管774を冷却できるようにするための第1導管766を更に含む。第1熱交換器718はその大気の流路内に配置されてもよく、好都合には、熱伝達によってその大気を冷却し或いは更に冷却できるように第2導管774内に配置されてもよい。熱交換器782及び718は、導管766、774の一方、他方、又は両方の中で直列に或いは並列に配置されてもよい。
【0060】
上述の構成における熱交換器118、122、126、218、236、318、322、326、370、418、422、426、470、518、570、618、622、626、670、718、782、770が個別に且つ/或いは互いに組み合わされ、低温エンジンと、冷凍システム60及び冷凍コンパートメント64自体の一方、他方、又は両方との間で熱を交換するための熱交換システム90を効果的に形成することが理解されるであろう。これらの熱交換器の1又は複数は、熱伝達仕事を実行するときには熱伝達部材として参照され得る。この明細書内では、直接的な熱交換は低温エンジンと冷凍コンパートメント64内からの大気との間での単一の熱交換器を介した熱の交換を参照し、一方で、間接的な熱交換は中間の熱伝達流体を採用する構成を参照する。
【0061】
上述の実施例の全てでは、(冷凍システム内の何れかの膨張器によってアシストされた)単一の駆動軸又は複数の駆動軸によって出力される低温エンジンからの軸動力は、冷凍システムにおけるコンプレッサ、ポンプ、及び何れかのファンを駆動するために用いられる。別の実施例では、駆動軸によって出力される軸動力の一部又は全部は補助的な動力源として用いられ、それ故に、例えば、照明用オルタネータを駆動するために用いられ、或いは、制御目的で用いられ、或いは、トラクタに動力を供給するための主な動力源として用いられる。
【0062】
本発明のシステムの適用例は、重量物運搬車のための冷凍トレーラ、軽量物運搬車及びバンのための冷凍システム、並びに、船舶輸送で用いられる冷凍コンテナのためのシステムを含む。また、そのシステムは、固定された冷凍コンテナ及び建造物のいくつかのクラスにとっても有益である。前述の適用例の全てでは、用語“冷凍”は、腐りやすい商品の輸送のための標準温度(〜0℃)及び冷凍商品のための標準温度(〜−20℃)を含むがそれらには限定されない任意の周囲保持温度(sub-ambient holding temperature)に適用される。また、特に輸送適用例において取り付けられる空調システムの全てのクラスに関し、この発明の潜在用途が存在する。
【0063】
本発明は、本発明の実施例を表す添付図面を参照して典型的な形で説明された。本発明の多くの異なる実施例が存在し、且つ、請求項で定められるような発明の範囲内にそれらの実施例の全てが含まれることが理解されるであろう。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8