(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0013】
コポリマー
本発明のコポリマーは、エチレン性不飽和ポリ酸モノマー、例えばマレイン酸誘導体、一酸エチレン性不飽和モノマー、例えばアクリル酸またはメタクリル酸、アクリレートエステルモノマーおよび会合性モノマーを含む、モノマーの組合せをベースとしている。
【0014】
好ましくは、本発明におけるコポリマーの濃度は、組成物全体の0.05から1重量%;より好ましくは0.1から0.7重量%、最も好ましくは0.2から0.5重量%である。
【0015】
好ましくは、コポリマーは、水溶液中で膨潤していて、より好ましくは完全膨潤している。膨潤したという用語は、液体の取り込みに関連する溶液の構造化体積の増加を意味する。完全膨潤したという用語は、さらなる液体を取り込みできない(ゆえに粘度の上昇が起こらない)ことを意味する。このような完全膨潤ポリマーを得るためには、ポリマーが水に溶解され、粘度のさらなる変化が起こらなくなるまでpHが上昇されていると好ましい。次に完全膨潤ポリマーを処方物に添加することができるか、または処方物を完全膨潤ポリマーの周囲に構築する。界面活性剤の添加前にポリマーが膨潤していると好ましい。ポリマー中のモノマー単位の範囲が以下の通りであると好ましい:モノマーAは、コポリマーの0.2から1重量%の範囲に及び;モノマーBは、コポリマーの25から50重量%の範囲に及び;モノマーCは、コポリマーの30から65重量%の範囲に及び;およびモノマーDは、コポリマーの2から12重量%の範囲に及ぶ。本発明の状況において、コポリマー内のモノマーの重量%は、(塩形ではない)非中和モノマーに関する。
【0016】
好ましくは、モノマーAのモノマーDに対する重量比は、1:3から1:30;より好ましくは1:5から1:25;最も好ましくは1:7から1:22である。これらの重量比は、以下に示すAおよびDの好ましいモノマーで特に好都合である。
【0017】
好ましくは、コポリマーは、中和(脱プロトン化)形および部分中和形を含む。
【0018】
モノマーA
モノマーAは、エチレン性不飽和二酸(cdiacid)、好ましくは式(I):
のシス二酸またはこのようなエチレン性不飽和シス二酸の不飽和環式無水物の前駆体であって、式(II)
【化2】
【0019】
を有する無水物であり、式中、R
5およびR
6は、H、C
1−C
3アルキル、フェニル、塩素および臭素より個別に選択される無水物の前駆体であり;
好ましくは、コポリマーは、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸およびシトラコン酸およびその無水物ならびにこれらの組合せであってよい、第1のエチレン性不飽和モノマーとなる。最も好ましいのは、マレイン酸誘導体である。したがって、最も好ましい種は、マレイン酸、無水マレイン酸またはその組合せである。好ましくは、マレイン酸は、出発材料としての無水マレイン酸から、乳化重合において無水マレイン酸を二酸へと加水分解して生成することができる。
【0020】
フマル酸およびイタコン酸のどちらも本明細書での使用が検討されるが、1つ以上の実施形態においてイタコン酸が、さらなる実施形態においてイタコン酸およびフマル酸の両方が、主題のコポリマーに存在しないことが、またはごく微量に、すなわちモノマーの総重量に基づいて0.05重量%未満で、好ましくは0.005重量%未満で個別に存在することが好ましい。
【0021】
フマル酸およびイタコン酸のどちらも本明細書での使用が検討されるが、1つ以上の実施形態において、イタコン酸が、さらなる実施形態において、イタコン酸およびフマル酸の両方が、主題のコポリマーに存在しないことが、またはごく微量で、すなわちモノマーの総重量に基づいて0.05重量%未満で、好ましくは0.005重量%未満で個別に存在することが好ましい。
【0022】
第1のエチレン性不飽和酸モノマーは、モノマーの総重量に基づいて、0.1から5重量%の、好ましくは0.2から4重量%の、より好ましくは0.2から1重量%の、1つ以上の実施形態において、0.3から0.6重量%の量で用いてよい。特に興味深い1つ以上の実施形態において、マレイン酸は、第1のエチレン性不飽和酸モノマーの総重量に基づいて、少なくとも50重量%、より好ましくは少なくとも80重量%、なおより好ましくは少なくとも95重量%に相当する。
【0023】
モノマーB
第2のエチレン性不飽和酸モノマーBは、アクリル酸、メタクリル酸およびその組合せより選択される。
【0024】
第2のエチレン性不飽和酸モノマーは、モノマー全体に基づいて15から60重量%の、好ましくは20から55重量%の、より好ましくは25から50重量%の量で用いてよい。興味深い1つ以上の実施形態において、第2のエチレン性不飽和酸モノマーの量は、モノマー全体に基づいて、40から50重量%であり;興味深い1つ以上の他の実施形態において、第2のエチレン性不飽和酸モノマーの量は、モノマー全体に基づいて20から40重量%である。特に興味深い1つ以上の実施形態において、メタクリル酸は、第2のエチレン性不飽和酸モノマーの総重量の少なくとも50重量%、より好ましくは少なくとも70重量%、なおより好ましくは少なくとも90重量%に相当する。
【0025】
モノマーC
(メタ)アクリレートモノマーCは、(メタ)アクリル酸のC
1からC
8アルキルエステルおよびメタクリル酸のC
1からC
8アルキルエステルならびにその組合せより選択されてよく、このような酸のC
1からC
4アルキルエステルが特に好ましい。好ましいエステルモノマーは、エチルアクリレート、メチルアクリレート、エチルメタクリレート、メチルメタクリレート、ブチルアクリレートおよびブチルメタクリレートであり、エチルアクリレートが特に好ましい。特に興味深い1つ以上の実施形態において、アクリル酸のC
1からC
4アルキルエステル、好ましくはエチルアクリレートは、(メタ)アクリレートモノマーの少なくとも50重量%、より好ましくは少なくとも70重量%、なおより好ましくは少なくとも90重量%に相当する。
【0026】
モノマーD
Dは、好ましくは式(IV)
【化3】
【0027】
の会合性モノマーであり、 式中、各R
1およびR
2は、H、C
1からC
3アルキルより独立して選択される。
【0028】
好ましくはR
1はメチル基であり、R
2はHである。
【0029】
nは6から40の範囲に及び、mは6から40の範囲に及び、より好ましくはnは10から30の範囲に及び、mは15から35の範囲に及び、最も好ましくは、nは12から22の範囲に及び、mは20から30の範囲に及ぶ。mがn以上であれば好ましい。
【0030】
会合性モノマーは、モノマー全体に基づいて1から25重量%の、好ましくは2から20重量%の、より好ましくは2から12重量%の量で用いてよい。特に興味深い1つ以上の実施形態において、用いる会合性モノマーの量は、モノマー全体に基づいて5から10重量%である。
【0031】
好ましくは、ポリマーは、少なくとも0.05重量%の付加重合生成物であって:
a)0.1から5重量%の、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸およびシトラコン酸、その無水物の前駆体およびその組合せより選択される第1のエチレン性不飽和モノマー;ならびに
b)1から60重量%の、アクリル酸、メタクリル酸およびその組合せより選択される第2のエチレン性不飽和モノマーB、
c)30から75重量%の、(メタ)アクリル酸のC
1からC
8アルキルエステルおよびメタクリル酸のC
1からC
8アルキルエステルならびにその組合せより選択される(メタ)アクリレートモノマーC、
d)1から25重量%の、式:
【化4】
【0032】
の会合性モノマーDであって、式中、各R
1およびR
2は、独立してH、C
1からC
3アルキルであり、nは6から40の範囲に及び、mは6から40の範囲に及ぶ会合性モノマーD
の付加重合生成物である。
【0033】
いくつかの実施形態において、開始酸モノマーの酸基の1個以上を中和して塩を形成してよい。酸基に対する代表的な塩対イオンは、アルカリ金属、とりわけナトリウムカチオンおよびカリウムカチオンならびにアンモニウムカチオンおよびトリエタノールアンモニウムカチオンである。
【0034】
微粒子フケ防止剤
本発明の組成物は、微粒子フケ防止剤を含む。
【0035】
好ましいフケ防止剤はセレンまたは亜鉛を含む。セレン塩を使用する場合、セレンスルフィドであれば好ましい。フケ防止剤は、好ましくは亜鉛塩であり、より好ましくは亜鉛ピリチオン、硫酸亜鉛およびその水和物(例えば硫酸亜鉛6水和物)および組合せより選択される。亜鉛ピリチオン(ZnPTO)は、亜鉛1−ヒドロキシ−2−ピリジンチオンの別名であり、好ましい。
【0036】
微粒子フケ防止剤、特に金属塩の平均粒径は、好ましくは10マイクロメートル未満、より好ましくは0.1マイクロメートルから5マイクロメートルである。
【0037】
フケ防止剤、好ましくは、亜鉛ピリチオン(pyrtithione)は、組成物の総重量に基づいて、好ましくは0.05から5重量%、好ましくは0.1から3重量%、より好ましくは0.25から2.5重量%の濃度で存在する。
【0038】
他の成分
非常に好ましい形態において、本発明による組成物は、毛髪を洗浄して、続いてすすぐための組成物として処方される。
【0039】
クレンジング界面活性剤
本発明のシャンプー組成物は、化粧品的に許容され、毛髪への局所塗布に好適である、1つ以上のクレンジング界面活性剤を含む。さらなる界面活性剤は、乳化剤として存在してよい。
【0040】
好適なクレンジング界面活性剤は、アニオン性界面活性剤、両性界面活性剤および両性イオン性界面活性剤、およびその混合物より選択される。クレンジング界面活性剤は、乳化剤と同じ界面活性剤であってもよく、または異なっていてもよい。
【0041】
本発明の組成物は、アニオン性界面活性剤を含む。好適なアニオン性クレンジング界面活性剤の例は、アルキルサルフェート、アルキルエーテルサルフェート、アルカリルスルホネート、アルカノイルイセチオネート、アルキルスクシネート、アルキルスルホスクシネート、アルキルエーテルスルホスクシネート、N−アルキルサルコシネート、アルキルホスフェート、アルキルエーテルホスフェートおよびアルキルエーテルカルボン酸ならびにその塩、とりわけそのナトリウム塩、マグネシウム塩、アンモニウム塩ならびにモノ−、ジ−およびトリエタノールアミン塩である。アルキル基およびアシル基は一般に、8から18個の、好ましくは10から16個の炭素原子を含有し、不飽和であってよい。アルキルエーテルサルフェート、アルキルエーテルスルホスクシネート、アルキルエーテルホスフェートならびにアルキルエーテルカルボン酸およびその塩は、分子1個当たり1から20個のエチレンオキシド単位またはプロピレンオキシド単位を含有してよい。
【0042】
本発明の組成物で使用するための代表的なアニオン性クレンジング界面活性剤としては、ナトリウムオレイルスクシネート、アンモニウムラウリルスルホスクシネート、ナトリウムラウリルサルフェート、ナトリウムラウリルエーテルサルフェート、ナトリウムラウリルエーテルスルホスクシネート、アンモニウムラウリルサルフェート、アンモニウムラウリルエーテルサルフェート、ナトリウムドデシルベンゼンスルホネート、トリエタノールアミンドデシルベンゼンスルホネート、ナトリウムココイルイセチオネート、ナトリウムラウリルイセチオネート、ラウリルエーテルカルボン酸およびナトリウムN−ラウリルサルコシネートが挙げられる。
【0043】
好ましいアニオン性界面活性剤は、アルキルサルフェートおよびアルキルエーテルサルフェートである。これらの物質はそれぞれ式R
2OSO
3MおよびR
1O(C
2H
4O)
xSO
3Mを有し、式中、R
2は炭素原子8から18個のアルキルまたはアルケニルであり、xは約1から約10の値を有する整数であり、Mはカチオン、例えばアンモニウム、アルカノールアミン、例えばトリエタノールアミン、1価金属、例えばナトリウムおよびカリウムならびに多価金属カチオン、例えばマグネシウムおよびカルシウムである。最も好ましくは、R
2は、分岐鎖よりむしろ直鎖中に12から14個の炭素原子を有する。
【0044】
好ましいアニオン性クレンジング界面活性剤は、ナトリウムラウリルサルフェートおよびナトリウムラウリルエーテルサルフェート(n)EO、(式中、nは1から3である);より好ましくはナトリウムラウリルエーテルサルフェート(n)EO、(式中、nは1から3である);最も好ましくは、nが1であるナトリウムラウリルエーテルサルフェート(n)EOより選択される。
【0045】
好ましくはアルキルエーテルサルフェートの濃度は、組成物全体の0.5重量%から25重量%、より好ましくは3重量%から18重量%、最も好ましくは組成物全体の6重量%から15重量%である。
【0046】
本発明の組成物中のアニオン性クレンジング界面活性剤は一般に、0.5重量%から45重量%の、より好ましくは1.5重量%から20重量%の範囲に及ぶ。
【0047】
本発明の組成物は、存在するならば脂肪アシルイセチオネートを、好ましくは1から10重量%の、より好ましくは2から8重量%の、最も好ましくは2.5から7.5重量%の濃度で含んでよい。
【0048】
好ましい脂肪アシルイセチオネート生成物は、脂肪アシルイセチオネート界面活性剤を、生成物の濃度の40から80重量%で、ならびに遊離脂肪酸および/または脂肪酸塩を15から50%の濃度で含む。
【0049】
好ましくは、脂肪アシルイセチオネートの20重量%を超えて45重量%未満が、より好ましくは25重量%を超えて45重量%未満がC
16以下であり;遊離脂肪酸/石鹸の50重量%超が、好ましくは60重量%超がC
16からC
20の鎖長である。
【0050】
加えて、生成物は、通例5重量%未満の濃度で存在するイセチオネート塩および微量(2重量%未満)の他の不純物を含有してよい。
【0051】
好ましくは、脂肪族脂肪酸の混合物は、市販の脂肪アシルイセチオネート界面活性剤の調製に使用される。生じた脂肪アシルイセチオネート界面活性剤(例えばアルカリ金属イセチオネートおよび脂肪族脂肪酸の反応から生じる)は、生じた脂肪アシルイセチオネート生成物の優れた泡立ちおよびマイルド性を提供するために、好ましくは(脂肪アシルイセチオネート反応生成物に基づいて)20重量%を超える、好ましくは25重量%を超える、しかし45重量%以下の、好ましくは35%の、16個以上の炭素原子を有する脂肪アシル基を有するべきである。これらのより長鎖の脂肪アシルイセチオネート界面活性剤および脂肪酸、すなわち16個以上の炭素を有する脂肪アシル基および脂肪酸は、通例、不溶性界面活性剤/脂肪酸結晶を周囲温度の水中で形成することができる。
【0052】
本発明で特に有用である市販の脂肪アシルイセチオネート生成物の例は、ユニリーバ製のDEFIフレークおよびダヴ(登録商標)クレンジング・バー・ヌードルである。DEFI(脂肪イセチオネートの直接エステル化)フレークは通例、約68から80重量%のナトリウム脂肪アシルイセチオネートおよび15から30重量%の遊離脂肪酸を含有する。25重量%を超えて35%以下の、生じた脂肪アシルイセチオネートの脂肪アシル基は、16から18個の炭素原子を有する。ダヴ(登録商標)クレンジング・バー・ヌードルは、上記のDEFIフレークならびに約40から55重量%の脂肪アシルイセチオネートおよび30から40重量%の脂肪酸および脂肪石鹸を含有する長鎖(主にC
16およびC
18)脂肪酸および脂肪石鹸の混合物である。
【0053】
本発明の組成物は、非イオン性界面活性剤を含有してよい。最も好ましくは、非イオン性界面活性剤は、0から5重量%の範囲で存在する。
【0054】
本発明の組成物に含めることができる非イオン性界面活性剤としては、脂肪族(C
8−C
18)第1級または第2級直鎖または分岐鎖アルコールまたはフェノールとアルキレンオキシド、通常、エチレンオキシドとの、一般に6から30個のエチレンオキシド基を有する縮合生成物が挙げられる。アルキルエトキシレートが特に好ましい。最も好ましいのは、式R−(OCH
2CH
2)
nOHを有するアルキルエトキシレートであり、式中、RはC12からC15のアルキル鎖であり、nは5から9である。
【0055】
他の好適な非イオン性界面活性剤としては、モノまたはジアルキルアルカノールアミドが挙げられる。例としては、ココモノまたはジエタノールアミドならびにココモノイソプロパノールアミドが挙げられる。
【0056】
本発明の組成物に含めることができる、さらなる非イオン性界面活性剤は、アルキルポリグリコシド(APG)である。通例、APGは、1個以上のグリコシル基のブロックに結合された(架橋基を介していてもよい)アルキル基を含むものである。好ましいAPGは、以下の式:RO−(G)
nによって定義され、式中、Rは、飽和または不飽和であってよい分岐鎖または直鎖アルキル基であり、Gは糖基である。
【0057】
Rは、約C
5から約C
20の平均アルキル鎖長を表すことがある。好ましくは、Rは、約C
8から約C
12の平均アルキル鎖長を表す。GはC
5またはC
6単糖残基より選択してよく、好ましくはグルコシドである。Gは、グルコース、キシロース、ラクトース、フルクトース、マンノースおよびその誘導体を含む群より選択してよい。好ましくは、Gはグルコースである。
【0058】
重合度nは、約1から約10またはそれ以上の値を有してよい。最も好ましくは、nの値は約1.3から約1.5の間にある。
【0059】
本発明で使用するために好適なアルキルポリグリコシドは市販されていて、例えば:セピック(Seppic)製のオラミックス(Oramix)NS10;ヘンケル(Henkel)製のプランタレン(Plantaren)1200およびプランタレン2000と呼ばれる物質が挙げられる。
【0060】
本発明の組成物に含めることができる他の糖由来非イオン性界面活性剤としては、C
10−C
18N−アルキル(C
l−C
6)ポリヒドロキシ脂肪酸アミド、例えば国際公開第92/06154号パンフレットおよび米国特許第5194639号明細書に記載されている例えばC
12−C
18N−メチルグルカミドならびにN−アルコキシポリヒドロキシ脂肪酸アミド、例えばC
10−C
18N−(3−メトキシプロピル)グルカミドが挙げられる。
【0061】
両性または両性イオン性界面活性剤は、組成物全体の0.5重量%から約8重量%の、より好ましくは1重量%から4重量%の範囲に及ぶ量で含むことができる。
【0062】
両性または両性イオン性界面活性剤の例としては、アルキルアミンオキシド、アルキルベタイン、アルキルアミドプロピルベタイン、アルキルスルホベタイン(スルタイン)、アルキルグリシネート、アルキルカルボキシグリシネート、アルキルアンホアセテート、アルキルアンホプロピオネート、アルキルアンホグリシネート、アルキルアミドプロピルヒドロキシスルタイン、アシルタウレートおよびアシルグルタメートが挙げられ、アルキル基およびアシル基は8から19個の炭素原子を有する。本発明のシャンプーで使用するための代表的な両性および両性イオン性界面活性剤としては、ラウリルアミンオキシド、ココジメチルスルホプロピルベタイン、ラウリルベタイン、コカミドプロピルベタインおよびナトリウムココアンホアセテートが挙げられる。
【0063】
特に好ましい両性または両性イオン性界面活性剤は、コカミドプロピルベタインである。
【0064】
上述の両性または両性イオン性界面活性剤のいずれの混合物もまた好適であり得る。好ましい混合物は、コカミドプロピルベタインと上記のようなさらなる両性または両性イオン性界面活性剤との混合物である。好ましいさらなる両性または両性イオン性界面活性剤は、ナトリウムココアンホアセテートである。
【0065】
シリコーンコンディショニング剤
本発明の組成物は、コンディショニング性能を向上させるために、シリコーンコンディショニング剤の乳化液滴を含有する。
【0066】
好適なシリコーンとしては、ポリジオルガノシロキサン、特にCTFA名ジメチコンを有するポリジメチルシロキサンが挙げられる。本発明の組成物(特にシャンプーおよびコンディショナー)での使用にまた好適なのは、CTFA名ジメチコノールを有する、ヒドロキシル末端基を有するポリジメチルシロキサンである。本発明の組成物での使用にまた好適なのは、例えば国際公開第96/31188号に記載されているような、低い架橋度を有するシリコーンゴムである。
【0067】
乳化シリコーン自体(エマルジョンまたは最終の毛髪コンディショニング組成物ではない)の粘度は通例、25℃において少なくとも10,000cStであり、シリコーン自体の粘度は、好ましくは少なくとも60,000cSt、最も好ましくは少なくとも500,000cSt、理想的には少なくとも1,000,000cStである。好ましくは、処方を容易にするために、粘度は10
9cStを超えない。
【0068】
本発明のシャンプー組成物で使用するための乳化シリコーンは、通例、30マイクロメートル未満の、好ましくは20マイクロメートル未満の、より好ましくは10マイクロメートル未満の、理想的には0.01から1マイクロメートルの組成物中の平均シリコーン液滴径を有する。0.15マイクロメートル未満の平均シリコーン液滴径を有するシリコーンエマルジョンは一般に、マイクロエマルジョンと呼ばれる。
【0069】
シリコーン粒径は、レーザ光散乱技術によって、例えばマルバーンインスツルメント(Malvern Instruments)による2600Dパーティクルサイザー(Particle Sizer)を使用して測定してよい。
【0070】
好適なプレフォームエマルジョンの例としては、ダウコーニング(Dow Corning)より入手できるザイアメター(Xiameter)MEM 1785およびマイクロエマルジョンDC2−1865が挙げられる。これらはジメチコノールのエマルジョン/マイクロエマルジョンである。架橋シリコーンゴムは、処方を容易にするために好都合である、プレ乳化形態でも入手可能である。
【0071】
本発明のシャンプーおよびコンディショナーに包含させるためにさらに好ましいシリコーンのクラスは、アミノ官能性シリコーンである。「アミノ官能性シリコーン」とは、少なくとも1個の第1級、第2級もしく第3級アミン基または第4級アンモニウム基を含有するシリコーンを意味する。好適なアミノ官能性シリコーンの例としては、CTFA名「アモジメチコン」を有するポリシロキサンが挙げられる。
【0072】
本発明での使用に好適なアミノ官能性シリコーンの具体的な例は、アミノシリコーンオイルDC2−8220、DC2−8166およびDC2−8566(すべてダウコーニングより)である。
【0073】
好適な第4級シリコーンポリマーは、欧州特許第0530974号明細書に記載されている。好ましい第4級シリコーンポリマーは、ゴールドシュミット(Goldschmidt)からのK3474である。
【0074】
また好適なのは、アミノ官能性シリコーンオイルと非イオン性および/またはカチオン性界面活性剤とのエマルジョンである。
【0075】
アミノ官能性シリコーンのプレフォームエマルジョンも、ダウコーニングおよびゼネラルエレクトリック(General Electric)などのシリコーンオイルの供給者から入手できる。具体的な例としては、DC939カチオン性エマルジョンならびに非イオン性エマルジョンDC2−7224、DC2−8467、DC2−8177およびDC2−8154(すべてダウコーニングより)が挙げられる。
【0076】
アミノ官能性シリコーンおよび非アミノ官能性シリコーンも使用してよい。
【0077】
シリコーンの総量は、組成物全体の好ましくは0.01重量%から10重量%、より好ましくは0.1重量%から5重量%であり、最も好ましくは0.5重量%から3重量%である。
【0078】
カチオン性被着ポリマー
カチオン性ポリマーは、被着性能をさらに向上させるために本発明の組成物中に存在してよい。
【0079】
好適なカチオン性ポリマーは、カチオン置換されているホモポリマーであってよく、または2種類以上のモノマーから形成されてよい。ポリマーの重量平均(M
w)分子量は、一般に100000から2000000g/molである。ポリマーは、カチオン性窒素含有基、例えば第4級アンモニウム基もしくはプロトン化アミノ基またはその混合物を有する。ポリマーの分子量が低すぎる場合には、コンディショニング効果は不十分である。高すぎる場合には、高い伸長粘度により、組成物を注ぐときの糸引き性につながるという問題が存在することがある。
【0080】
カチオン性窒素含有基は一般に、カチオン性ポリマーのモノマー単位全体のごく一部に置換基として存在する。このためポリマーがホモポリマーでない場合、ポリマーはスペーサ非カチオン性モノマー単位を含有できる。このようなポリマーは、CTFA Cosmetic Ingredient Directory,3rd editionに記載されている。カチオン性の非カチオン性モノマー単位に対する比は、一般に0.2から3.0meq/gmである、要求される範囲のカチオン性電荷密度を有するポリマーを与えるように選択される。ポリマーのカチオン電荷密度は、米国薬局方の窒素測定のための化学試験に記載されているようなケルダール法によって測定される。
【0081】
好適なカチオン性ポリマーとしては、例えばカチオン性アミン官能基または第4級アンモニウム官能基を有するビニルモノマーと水溶性スペーサモノマー、例えば(メタ)アクリルアミド、アルキルアクリルアミドおよびジアルキル(メタ)アクリルアミド、アルキル(メタ)アクリレート、ビニルカプロラクトンおよびビニルピロリジンとのコポリマーが挙げられる。アルキル置換モノマーおよびジアルキル置換モノマーは、好ましくはC1−C7アルキル基、より好ましくはC1−3アルキル基を有する。他の好適なスペーサとしては、ビニルエステル、ビニルアルコール、無水マレイン酸、プロピレングリコールおよびエチレングリコールが挙げられる。
【0082】
カチオン性アミンは、組成物の特定の種およびpHに応じて、第1級アミン、第2級アミンまたは第3級アミンであることができる。一般に、第2級アミンおよび第3級アミンがとりわけ好ましい。
【0083】
アミン置換ビニルモノマーおよびアミンは、アミン形で重合して、次に4級化によってアンモニウムに変換することができる。
【0084】
カチオン性ポリマーは、アミンおよび/または第4級アンモニウム置換モノマーおよび/または相溶性スペーサモノマーから誘導されるモノマー単位の混合物を含むことができる。
【0085】
好適なカチオン性ポリマーとしては、例えば:
−例えば当業界(CTFA)においてそれぞれポリクオタニウム6およびポリクオタニウム7と呼ばれる、ジメチルジアリルアンモニウムクロリドホモポリマーならびにアクリルアミドおよびジメチルジアリルアンモニウムクロリドのコポリマーを含む、カチオン性ジアリル第4級アンモニウム含有ポリマー;
−(米国特許第4009256号明細書に記載されているような)3から5個の炭素原子を有する不飽和カルボン酸のホモポリマーおよびコポリマーのアミノアルキルエステルの鉱酸塩;
−(国際公開第95/22311号パンフレットに記載されているような)カチオン性ポリアクリルアミドが挙げられる。
【0086】
使用できる他のカチオン性ポリマーとしては、カチオン性ポリサッカライドポリマー、例えばカチオン性セルロース誘導体、カチオン性デンプン誘導体およびカチオン性グアーガム誘導体が挙げられる。
【0087】
本発明の組成物での使用に好適なカチオン性ポリサッカライドポリマーとしては、式:
のモノマーが挙げられ、式中:Aはアンヒドログルコース残基、例えばデンプンまたはセルロースアンヒドログルコース残基であり、Rはアルキレン基、オキシアルキレン基、ポリオキシアルキレン基もしくはヒドロキシアルキレン基またはその組合せであり、R
1、R
2およびR
3は、各基が約18個までの炭素原子を含有するアルキル基、アリール基、アルキルアリール基、アリールアルキル基、アルコキシアルキル基またはアルコキシアリール基を独立して表す。各カチオン性部分の炭素原子の総数(すなわちR
1、R
2およびR
3中の炭素原子の和)は、好ましくは約20以下であり、Xはアニオン性対イオンである。
【0088】
別の種類のカチオン性セルロースとしては、当業界(CTFA)においてポリクオタニウム24と呼ばれる、ラウリルジメチルアンモニウム置換エポキシドと反応したヒドロキシエチルセルロースのポリマー性第4級アンモニウム塩が挙げられる。これらの物質は、アメルコール社(Amerchol Corporation)から、例えば商品名ポリマーLM−200で入手できる。
【0089】
他の好適なカチオン性ポリサッカライドポリマーとしては、第4級窒素含有セルロースエーテル(例えば米国特許第3962418号明細書に記載)ならびにエーテル化セルロースおよびデンプンのコポリマー(例えば米国特許第3958581号明細書に記載)が挙げられる。
【0090】
特に好適な種類の使用可能なカチオン性ポリサッカライドポリマーは、カチオン性グアーガム誘導体、例えばグアーヒドロキシプロピルトリメチルアンモニウムクロリド(ロディア(Rhodia)より同社のジャグアー(JAGUAR)商標シリーズとして市販)が挙げられる。このような物質の例は、ジャグアーC13S、ジャグアーC14、ジャグアーC15、ジャグアーC17およびジャグアーC16ジャグアーCHTならびにジャグアーC162である。
【0091】
上のカチオン性ポリマーのいずれの混合物も使用してよい。
【0092】
カチオン性ポリマーは一般に、本発明のシャンプー組成物中に、組成物の総重量に基づくカチオン性ポリマーの総重量で、0.01から5%の、好ましくは0.05から1%の、より好ましくは0.08から0.5%の濃度で存在する。
【0093】
非シリコーン油性コンディショニング構成成分
本発明による組成物は、分散非揮発性水不溶性油性コンディショニング剤も含んでもよい。
【0094】
「不溶性」とは、物質が25にて0.1%(重量/重量)の濃度で(蒸留または同等の)水に溶解しないことを意味する。
【0095】
好適な油性または脂肪物質は、炭化水素油、脂肪エステルおよびその混合物より選択される。
【0096】
直鎖炭化水素油は、好ましくは約12から約30個の炭素原子を含有する。アルケニルモノマーのポリマー性炭化水素、例えばC
2−C
6アルケニルモノマーも好適である。
【0097】
好適な炭化水素油の具体的な例としては、パラフィン油、鉱油、飽和および不飽和ドデカン、飽和および不飽和トリデカン、飽和および不飽和テトラデカン、飽和および不飽和ペンタデカン、飽和および不飽和ヘキサデカンならびにその混合物が挙げられる。これらの化合物の、ならびにより長い鎖長の炭化水素の分岐鎖異性体も使用できる。
【0098】
好適な脂肪エステルは、少なくとも10個の炭素原子を有することを特徴とし、脂肪酸またはアルコールから誘導されたヒドロカルビル鎖を有するエステルを含む。モノカルボン酸エステルとしては、式R’COORのアルコールおよび/または酸のエステルが挙げられ、式中、R’およびRは独立してアルキルラジカルまたはアルケニルラジカルを示し、R’およびR中の炭素原子の和は少なくとも10、好ましくは少なくとも20である。カルボン酸のジアルキルエステルおよびトリアルキルエステルならびにアルケニルエステルも使用することができる。
【0099】
特に好ましい脂肪エステルは、モノグリセリド、ジグリセリドおよびトリグリセリド、より具体的にはグリセロールおよび長鎖カルボン酸、例えばC
1−C
22カルボン酸のモノエステル、ジエステルおよびトリエステルである。好ましい物質としては、ココアバター、パームステアリン、ヒマワリ油、ダイズ油およびココナッツ油が挙げられる。
【0100】
油性または脂肪物質は好適には、0.05から10重量%の、好ましくは0.2から5重量%の、より好ましくは約0.5から3重量%の濃度で存在する。
【0101】
さらなる必須ではない成分
本発明の組成物はまた、ヘアケアに好適な添加剤を含有してよい。一般にこのような成分は、組成物全体の2重量%までの、好ましくは1重量%までの濃度で個別に含まれる。
【0102】
好適な毛髪ケア添加剤としては、香料、繊維活性剤、アミノ酸、糖、保存料、pH調整剤およびセラミドが挙げられる。
【0103】
好ましくは、生成物の粘度を調整するために、塩が組成物全体の0.1から1重量%の濃度で存在する。
【0104】
好ましくは、処方物のpHを調整するために、NaOHが組成物全体の0.1から1重量%の濃度で存在する。
【0105】
本発明を以下の非限定的な実施例によって説明する。
【0106】
[実施例]
[実施例1]
会合性モノマーの合成
【化5】
【0107】
Brij(登録商標)35P(150g)を無水ジクロロメタン500mlに窒素雰囲気下で溶解させて、氷浴中で5℃まで冷却した。トリエチルアミン(18.6g)をシリンジによって添加してから、メタクリロイルクロリド(20.9g)を30分間の期間にわたって滴加した。添加完了後、溶液を室温まで昇温させて、反応物を4週間撹拌した。次に溶液を濾過して、生じた沈殿物を除去し、飽和炭酸水素ナトリウム溶液(200ml)で1回、飽和塩水(200ml)で1回洗浄した。次に溶液を、塩基性アルミナを含有するカラムに通過させてから、生成物を無水硫酸マグネシウムによって脱水し、濾過して、溶媒を真空中で除去した。続く実施例では、生成物をサーフマー(Surfmer)D1と呼ぶ。
【0108】
HASEコポリマーの合成
丸底フラスコにエチルアクリレート(66.8g)、メタクリル酸(37.7g)、無水マレイン酸(0.515g)およびサーフマーD1(10.0g)を投入した。混合物を密封して、窒素で60分間置換してから、ナトリウムドデシルスルホネート(1.03g)および脱酸素水(26.5g)を添加して撹拌し、プレエマルジョンを形成した。多口丸底フラスコに窒素スパージャおよびオーバヘッドスターラーを装着した。脱酸素水(181g)およびナトリウムドデシルスルホネート(0.298g)を添加して、250rpmにて撹拌し、90℃まで加熱した。水中(1ml)の過硫酸アンモニウム(0.073g)をシリンジで添加した。プレエマルジョンを界面活性剤溶液中に蠕動ポンプによって150分間にわたって供給した。添加完了後、水中(1ml)過硫酸アンモニウム(0.033g)を添加して、反応物をさらに240分間撹拌した。表xのコポリマーは、この工程を好適に適応させて用いて合成した。
【0111】
[実施例]
フケ防止活性Zn−PTOを含有する処方物を、コポリマー実施例1のコポリマーを用いて異なる濃度の実施例1.1および1.2で調製し、実施例Aに示すカルボポール980を含む同様のシャンプー処方物と比較した。
【0112】
実施例の調製
ポリマーを水に添加して、次にNaOHを添加する。ポリマーは水中で膨潤して、分子間疎水性会合を生じる。膨潤後に界面活性剤を添加した。次にジャグアーを処方物に添加し、続いて残りの成分を添加した。最後にpHを調整して、塩を添加して粘度を調整した。
【0114】
すべての生成物は、25℃で20rpmにて(スピンドル5)ブルックフィールド粘度計を使用して、2000cPから10000cPの間で調整した粘度を有していた。
【0115】
実施例BおよびCはただちに相分離して、亜鉛の被着を測定することはできなかった。
【0116】
(バイオスキンへの)亜鉛被着分析
各生成物について、5回の繰り返しを競合させた。これらを以下の方法を用いて処理した:
1.水1.5mlをプラスチックリング内に添加した。
【0117】
2.次にシャンプー0.5mlをリング内に添加した。
【0118】
3.シャンプーを人工皮膚の表面全体に塗布した。
【0120】
5.人工皮膚を水2mlで30秒間こすってすすいだ。
【0122】
7.サンプルを一晩乾燥させて、次にXRF分析を行った。
【0123】
毛髪への亜鉛の被着:
暗褐色ヨーロッパ人毛髪(直毛)の2.5gの6インチ毛束を使用した。
【0124】
(1)ベース洗浄
・0.1g/g SLES/毛髪=SLES 1.25gを使用して14%SLESによる2回のベース洗浄を、毛束5本に対して同時に行った
・37℃の4L/分の一定流の水道水中で毛髪を湿らせた(10秒)
・SLESを塗布した
・30秒間マッサージした
・30秒間すすいだ
・SLES洗浄を反復した
・櫛でとかして、もつれを除いた
(2)シャンプー洗浄
・シャンプーを塗布した(毛束5本に1.25g)
・30秒間マッサージした
・30秒間すすいだ
・シャンプー洗浄を反復した
(3)乾燥およびセルの準備
・50℃の乾燥キャビネットに吊るして乾燥させた。
【0125】
・XRFセルに載せて、過剰の毛髪を切り取った。
【0127】
本発明の実施例は、Zn−PTOはバイオスキンに被着するが、Zn−PTOの毛髪への被着は抑制されていることを示す。