【実施例】
【0047】
以下に実施例及び比較例を挙げて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明の趣旨を逸脱しない限り適宜変更することができる。従って、本発明の範囲は以下に示す具体例により限定的に解釈されるべきものではない。
【0048】
[N-Boc-ethylenediamine(化合物)の合成]
【化15】
Ethylenediamine(4mL, 60mmol)をCHCl
3(130mL)に加えて攪拌し、そこにCHCl
3(20mL)に溶解したDi-tert-butyl dicarbonate(2g,9.16mmol)をAr雰囲気下滴下した。18時間撹拌し、TLCで確認後,減圧留去した。CHCl
3でろ物をろ過し、濾液をカラムクロマトグラフィーにより精製した(10%MeOH/3%TEA/CHCl
3)。これを減圧乾燥させることで化合物1を得た。なお、収量は1465mg、収率は99.9%であった。
1HNMR(400 MHz, CDCl
3) δ3.18 (2H,q) 2.80 (2H,t) 1.45 (9H,s)
ESI-MS (positive ion mode) m/z, found= 161.4, calculated for [(M+H)
+]= 161.1
【0049】
[(4-Bromobutyl)trimethylammonium Bromide(化合物2)の合成]
【化16】
13%Trimethylamine in THF(2mL)へdry-THF(0.6mL)に溶解した1,4-Dibromobutane(0.6mL,5.1mmol)を加えてAr雰囲気下で24時間撹拌した。その後THFで濾過して、濾物を化合物2として得た。なお、収量は1091mg、収率は80.0%であった。
1HNMR(400 MHz, CD
3OD)δ3.81 (2H,t) 3.53 (2H,t) 3.49 (9H,s) 2.01 (4H,m)
ESI-MS (positive ion mode) m/z, found= 194.0, calculated for [(M)
+]= 194.1
【0050】
[化合物3の合成]
【化17】
6-Chrolopurine (850mg, 5.5mmol)をn-BuOH(6mL)で懸濁させ、TEA(7.7mL)を加えて攪拌した。そこにn-BuOH(4mL)で溶かした化合物1(485mg, 3.03mmol)を加えて還流した。2時間後n-BuOH(3mL)に溶かした化合物1(485mg, 3.03mmpl)を追加して2時間還流した。反応終了後、減圧留去してCHCl
3で濾過し、ろ物を化合物3として得た。なお、収量は1342mg、収率は88%であった。
1HNMR(400 MHz, CD
3OD)δ 8.23 (1H,s) 8.06(1H,s) 3.70 (2H,m) 3.42 (2H,t) 1.39 (9H,s)
ESI-MS (positive ion mode) m/z, found= 279.5, calculated for [(M+H)
+]= 279.2
【0051】
[化合物4の合成]
【化18】
化合物3(1086mg, 3.9mmol)をdry-DMF(10mL)で溶解して氷冷化で30分攪拌した後、Sodium hydride(60% in oil)(214mg, 5.35mmol)を素早く加えて0℃で1.5時間攪拌し、dry-DMF(10mL)で溶解した化合物2(1395mg, 4.67mmol)を加えてAr雰囲気下室温で撹拌した。5時間後水を加えて減圧留去した。残渣をMeOHでとかして濾過し、濾液を減圧留去した。これを逆相カラムクロマトグラフィー(100%H
2O→5%MeOH / H
2O→10%MeOH / H
2O)により精製し、化合物4をえた。なお、収量は1283mg、収率は70%であった。
1HNMR(400 MHz, CD
3OD)δ 8.27 (1H,s) 8.12(1H,s) 4.32 (2H,t) 3.69 (2H,m) 3.41 (2H,t) 3.12 (11H,s) 1.95 (2H,m)1.84 (2H,m) 1.40 (9H,s)
ESI-MS (positive ion mode) m/z, found= 392.3, calculated for [(M)
+]= 392.3
【0052】
[化合物5の合成]
【化19】
化合物4(467mg, 0.99mmol)にTrifluoroacetate(14mL)を加えて1時間攪拌した。減圧留去し、Etherで濾過して濾物を化合物5として定量的に得た。なお、理論収量は0.99mmolである。
1HNMR(400 MHz, CD
3OD)δ 8.37 (1H,s) 8.22(1H,s) 4.34 (2H,t) 3.95 (2H,m) 3.42 (2H,t) 3.12 (11H,s) 1.96 (2H,m)1.85 (2H,m)
ESI-MS (positive ion mode) m/z, found= 292.4, calculated for [(M)
+]= 292.2
【0053】
<実施例1>
[化合物6の合成]
【化20】
(E)-5-(2-carboxyvinyl)-2'-deoxyuridine(204mg, 686μmol)にHOBt・H
2O(137mg,891μmol)とPyBOP(464mg, 891μmol)を加え、dry-DMF(8mL)で溶解しし、ここにDIPEA(1.2mL, 6.86mmol)を加えて攪拌してすぐにdry-DMF(2mL)で溶解した化合物5(0.99mmol)をAr雰囲気下加えた。2時間攪拌した後に減圧留去して、逆相カラムクロマトグラフィー(100%H
2O→3%MeOH / H
2O→5%→8%→10%→12%→15%)により精製した化合物6を得た。なお、収量は330mg、収率は76%であった。
1HNMR(400 MHz, D
2O)δ 8.01 (1H,s)8.27 (1H,s) 7.93(1H,s) 7.90 (1H,s) 6.78 (1H,d) 6.54 (1H,d) 6.06 (1H,t) 4.28 (1H,q) 4.05 (2H,t) 3.88 (1H,q)3.69 (1H,q) 3.59 (1H,q)3.41 (2H,q) 3.13 (2H,t) 2.88 (11H,s) 2.30-2.14 (2H,m) 1.69 (2H,m)1.60 (2H,m)
ESI-MS (positive ion mode) m/z, found= 572.5, calculated for [(M)
+]= 572.3
【0054】
<実施例2>
[化合物7の合成]
【化21】
真空乾燥させた化合物6(108mg, 166μmol)をdry-DMF(5mL)で2回、dry-MeCN(2mL)で2回共沸し、dry-TMP(50mL)に溶解して氷冷下でPhosphoryl chloride (310μL, 3.31mmol)を加え、10時間攪拌した。その後冷水30mLを加えて10分攪拌させ、TEA(1.4mL, 9.93mmol)を加えてさらに10分攪拌してクエンチした。減圧留去して、MeCNとEtherで結晶化させてろ物を得た。これを少量の水に溶かして陰イオン交換カラムクロマトグラフィーにより精製し、化合物7を得た。なお、収量は53.1μmol、収率は32%であった。
ESI-MS (positive ion mode) m/z, found= 652.3, calculated for [(M)
+]= 652.3
ESI-MS (negative ion mode) m/z, found= 649.7, calculated for [(M-2H)
-]= 650.3
【0055】
[化合物8の合成]
【化22】
凍結乾燥させた化合物7(53.1μmol)をdry-DMF(2mL)で2回共沸させ、dry-DMF(1.2mL)に懸濁させ、dry-TEA(49μL, 350μmol),Imidazole(14mg, 212μmol),Triphenylphosphine(22mg, 85μmol),2,2'-Dithiodipyridine(19mg, 85μmol)を加え、攪拌した。9時間後、Sodium perchlorate (67mg, 531μmol)を溶解したdry-Acetone16mLに反応液を加えて4℃で30分静置し,沈殿物をdry-Ether(16mL)で6回デカンテーションした。この沈殿物を真空乾燥させることで,クルードとして化合物8を得た。なお、理論収量は53.1μmolである。
ESI-MS (positive ion mode) m/z, found= 702.1, calculated for [(M)
+]= 702.3
ESI-MS (negative ion mode) m/z, found= 699.5, calculated for [(M-2H)
-]= 700.3
【0056】
<実施例3>
[化合物9(dU
taTP)の合成]
【化23】
真空乾燥させた化合物8(53.1μmol, 38mg)をdry-DMF(2mL)で2回共沸させてdry-DMF(1mL)に懸濁させ、dry-n-Tributylamine(75μL, 314μmol)と0.5M n-Tributylamine pyrophosphate in DMF(0.8mL, 404μmol)を加えて攪拌した。12時間後、1M TEABバッファー(5mL)でクエンチし、減圧留去した。これに水を加えてEtherで分液を3回し、水層を陰イオン交換カラムクロマトグラフィー、逆相HPLCを用いて精製し、凍結乾燥することで化合物9(dU
taTP)を得た。なお、収量は7.74μmol、収率は14.6%(from 化合物7)であった。
ESI-MS (negative ion mode) m/z, found= 809.5, calculated for [(M-3H)
-]= 809.6
【0057】
[化合物10の合成]
【化24】
真空乾燥させた化合物3(666mg, 2.4mmol)をdry-DMF(5mL)で懸濁させ、氷冷下で30分攪拌したあと、Sodium hydride(60% in oil) (180mg, 4.5mmol)を素早く入れてAr雰囲気、氷冷下で1.5時間攪拌した。そこへ真空乾燥させたN-(4-Bromobutyl)phthalimide (886mg, 3.14mmol)を加えて、4時間後に減圧留去した。これをCHCl
3で濾過し、濾液をカラムクロマトグラフィー(0%→0.5%→1%→2%→3%MeOH/CHCl
3)により精製し,化合物10を得た。なお、収量は847mg、収率は73.8%であった。
1HNMR(400 MHz, CDCl
3)δ 8.34 (1H,s)7.84 (2H,m) 7.76 (1H,s)7.72(2H,m) 4.25 (2H,t) 3.83−3.71(4H,m) 3.43 (2H,q) 1.94 (2H,m) 1.73 (2H,m) 1.41 (9H,s)
ESI-MS (positive ion mode) m/z, found= 480.2, calculated for [(M+H)
+]=480.2
【0058】
[化合物11の合成]
【化25】
化合物10(847mg, 1.77mmol)をEtOH(19mL)に懸濁させ、Hydrazine monohydrate(429μL, 8.83mmol)を加えて攪拌した。4時間後、冷EtOHで濾過したあと濾液を減圧留去し、クルードの化合物11を定量的に得た。なお、理論収量は1.77mmolであった。
ESI-MS (positive ion mode) m/z, found= 350.3, calculated for [(M+H)
+]=350.2
【0059】
[化合物12の合成]
【化26】
化合物11(1.77mmol)をdry-MeOH(9mL)で溶かし、TEA(2.5mL, 9.1mmol)とEthyl Trifluoroacetate (1.1mL, 9.1mmol)を加えてAr雰囲気下で攪拌した。2時間後、減圧留去してカラムクロマトグラフィーにより精製(0%→0.5%→1%→1.5%→2%→2.5%→3%MeOH/CHCl
3)し,化合物12を得た。なお、収量は740mg、収率は91.2%(from 化合物10)であった。
1HNMR(400 MHz, CDCl
3)δ 8.35 (1H,s)7.75 (1H,s) 4.25 (2H,t) 3.81 (2H,m) 3.52-3.41 (4H,m) 1.98 (2H,m) 1.64 (2H,m) 1.42 (9H,s)
ESI-MS (positive ion mode) m/z, found= 446.1, calculated for [(M+H)
+]=446.2
【0060】
[化合物13の合成]
【化27】
化合物12(740mg, 1.66mmol)にTrifluoroacetate(10mL)を加えて攪拌し、1時間後、減圧留去して真空乾燥させた。その後水とEtherで分液して、水層を減圧留去し、化合物13をクルードとして定量的に得た。なお、理論収量は1.66mmolであった。
1HNMR(400 MHz, CD
3OD)δ 8.34 (1H,s)8.30 (1H,s) 4.34 (2H,t) 4.03 (2H,m) 3.25-3.18 (4H,m) 1.93 (2H,m) 1.58 (2H,m)
ESI-MS (positive ion mode) m/z, found= 346.2, calculated for [(M+H)
+]= 346.2
【0061】
<実施例4>
[化合物14の合成]
【化28】
(E)-5-(2-carboxyvinyl)-2'-deoxyuridine(267mg, 0.91mmol)にdry-DMF(10mL)を加えて溶解し、HOBt・H
2O(182mg, 1.18mmol)とPyBOP(616mg, 1.18mmol)とDIPEA(1.6mL, 9.1mmol)を加えて攪拌して、dry-DMF(10mL)で溶かした化合物13(1.66mmol)をAr雰囲気下で加えた。2時間後、減圧留去してMeOHで濾過することにより、ろ物を化合物14として得た。なお、収量は558mg、収率は98.1%であった。
1HNMR(400 MHz, CD
3OD)δ 8.38 (1H,s)8.27 (1H,s) 8.08 (1H,s) 7.20 (1H,d) 7.04 (1H,d) 6.27 (1H,t) 4.42 (1H,q) 4.26 (2H,t) 3.95 (1H,q)3.85 (1H,q) 3.76 (1H,q)3.57 (2H,t) 3.52 (2H,t) 3.38 (2H,t)2.29 (2H,m) 1.86 (2H,m)1.67 (2H,m)
ESI-MS (positive ion mode) m/z, found= 624.1, calculated for [(M+H)
+]= 624.2
【0062】
<実施例5>
[化合物15の合成]
【化29】
真空乾燥した化合物14(250mg, 0.4mmol)をdry-TMP 10mLで懸濁させ、Ar雰囲気、氷冷下で40分攪拌した。その後Phosphoryl chloride (100μL,1.07mmol)を加えて攪拌し、30分後に追加でPhosphoryl chloride (85μL, 9.2mmol)を加え、13.5時間後冷水60mLでクエンチして1時間攪拌した。TEAを加えてさらに1時間攪拌した。減圧留去後EtherとMeCNを加えて沈殿物をろ過した。同様の操作で別な化合物14(145mg, 0.232mmol)を一リン酸化し、合わせて陰イオン交換カラムクロマトグラフィーにかけた。フラクションを集めて減圧留去し、凍結乾燥することで化合物15を得た。なお、収量は377μmol、収率は60%であった。
ESI-MS (positive ion mode) m/z, found= 706.0, calculated for [(M+H)
+]= 706.1
ESI-MS (negative ion mode) m/z, found= 704.0, calculated for [(M-H)
-]= 704.1
【0063】
[化合物16の合成]
【化30】
凍結乾燥した化合物15(377μmol)をdry-Pyridine(20mL)とdry-DMF(10mL)で各1回共沸させ、dry-DMF(2mL)で溶解し、dry-TEA(350μL, 2.5μmol)、Imidazole(103mg, 1.51mmol),Triphenylphosphine(6.63μmol, 174mg),2,2'-Dithiodipyridine(160mg, 726μmol)を加え、Ar雰囲気下攪拌した。5時間後、Sodium perchlorate(462mg, 3.77mmol)をdry-Acetone(18mL),dry-Ether(27mL),dry-TEA(2mL)に溶解して、これに反応液を入れて、4℃で30分静置し、沈殿物をdry-Ether(16mL)で6回デカンテーションした。沈殿物を真空乾燥させることで化合物16をクルードで得た。なお、理論収量は377μmolである。
ESI-MS (negative ion mode) m/z, found= 754.2, calculated for [(M-H)
-]= 754.2
【0064】
<実施例6>
[化合物17(dU
tfTP)の合成]
【化31】
真空乾燥させた化合物16(377μmol)をdry-Pyridine(5mL)で2回共沸させ、dry-DMF(1mL)で懸濁させて攪拌し、dry-n-Tributylamine(361μL, 1.15mmol)と0.5M n-Tributylamine pyrophosphate in DMF (3.74mL, 1.89mmol)を加えてAr雰囲気下攪拌した。5時間後、1M TEABバッファー5mLでクエンチし、30分攪拌後に減圧留去した。水を加えて、Etherで分液を3回し、水層を濃縮してから陰イオン交換カラムクロマトグラフィーにより分離した。目的のフラクションを回収した後、逆相HPLCにより精製し,凍結乾燥することで化合物17(dU
tfTP)を得た。なお、収量は93μmol、収率は24.7 %(from 化合物15)であった。
ESI-MS (negative ion mode) m/z, found= 864.1, calculated for [(M-H)
-]= 864.1
【0065】
<実施例7>
[化合物18(dU
amTP)の合成]
【化32】
凍結乾燥した化合物17(81μmol)に28%Aqueous ammonia (4mL)を加えて攪拌した。2時間後、ダイヤフラムポンプでAmmoniaを抜いて凍結乾燥し、逆相HPLCにより精製し、凍結乾燥することで化合物18(dU
amTP)を定量的に得た。
ESI-MS (negative ion mode) m/z, found= 768.1, calculated for [(M-H)
-]= 768.1
【0066】
[化合物19の合成]
【化33】
Thiourea(1g, 13.1mmol)をEtOH(2mL)に懸濁させて攪拌し、1,2-Dibromobutane(4.1mL, 52.6mmol)を加えて55〜65℃で3時間還流させた後、追加で同量の1,2-Dibromobutaneを加えて2時間還流した。減圧留去した後、Etherで結晶化させてデカンテーションし、残渣を化合物19として得た。なお、収量は2291mg、収率は94.2%であった。
ESI-MS (positive ion mode) m/z, found= 105.2, calculated for [(M+H)
+]= 105.0
【0067】
<実施例8>
[化合物20(dU
guTP)の合成]
【化34】
凍結乾燥した化合物18(38.9μmol)を28%Aqueous ammonia(400μL)で溶解し、28%Aqueous Ammonia(400μL)に 化合物19(188mg, 1.01mmol)を溶解したものを加えて攪拌した。
2時間後、減圧留去して凍結乾燥させ、逆相HPLCによって精製し、凍結乾燥することで化合物20(dU
guTP)を定量的に得た。
ESI-MS (negative ion mode) m/z, found= 810.1, calculated for [(M-H)
-]= 810.2
【0068】
<実施例9>
[化合物21(dU
dnTP)の合成]
【化35】
dU
amTP(6.76μmol)と1-Fluoro-2,4-dinitrobenzene(30mg)をEtOH(1.0mL)に溶解したもの92μL(2.76mg, 13.5μmol)とNaHCO
3(30mg)をWater(0.5mL)に溶解したもの23.6μL(1.42mg, 16.9μmol)を混合し、室温で5時間攪拌した。遠心分離を行って上澄み液を採取し、Etherで2回デカンテーションした後HPLC分取した。これを減圧留去して凍結乾燥し、滅菌水に溶解させて保存した。なお、収量は2.65μmol、収率は39%であった。
ESI-MS (negative ion mode) m/z, found= 934.0, calculated for [(M-H)
-]= 934.1
【0069】
[化合物22の合成]
【化36】
Sodium 1-naphthol-5-sulfonate(1g,4.06mmol)とNaHSO
3(3.4g,32.7mmol)を量りとってWater(12.3mL)を加えて攪拌した後、Ethylenediamine(814μL,12.2mmol)を加え、conc.HClでpHを8以下にして13.5時間還流した。反応液をろ過してcold WaterとAcetonitrleで洗浄し、ろ物を真空乾燥した。なお、収量は791mg、収率は73%であった。
1HNMR(400 MHz, DMSO-D6) δ8.19(1H,d) 8.13(1H,d) 7.94(1H,d) 7.35(1H,t) 7.28(1H,t) 6.57(1H,d) 3.42 (2H,t) 3.15 (2H,t)
ESI-MS (positive ion mode) m/z, found= 289.1, calculated for [(M+Na)
+]= 289.1
ESI-MS (negative ion mode) m/z, found= 265.0, calculated for [(M−H)
-]= 265.1
【0070】
[化合物23の合成]
【化37】
化合物22(159mg, 597μmol)を1N NaOHaq(3mL)で溶解し、Chloroform(1.5mL)を加えて氷浴で30分攪拌した。Chloroform(1.5mL)に溶解したTriphosgene(266,mg 895μmol)をゆっくり有機層に流し込み、15分間攪拌した。水相をろ過してろ液を中圧カラムにより精製し、真空乾燥した。なお、収量は106-176mg、収率は56-97%であった。
1HNMR(400 MHz, D
2O) δ8.67(1H,d) 8.20(2H,m) 7.76(1H,t) 7.65(2H,q) 4.06(2H,t) 3.76(2H,t)
ESI-MS (negative ion mode) m/z, found= 291.0, calculated for [(M−H)
-]= 291.1
【0071】
化合物23と化合物18を下記式のように反応させることにより、式(I−1)〜(I−6)におけるYの位置に化合物23の構造を導入した化合物を得ることができる。
【化38】
【0072】
また、化合物23と同様にイソシアネート基(−NCO)を形成することにより、化合物18等と反応させてYの位置に目的の構造を導入することができる。
【化39】
【0073】
<実施例10>
[4種類の三リン酸体の酵素的導入]
500μLのマイクロチューブに、下記表1に示す組成(酵素は除く)で各基質を含む反応液をそれぞれ調製し、サーマルサイクラーを用いてdenature(95℃,1min)させ、Annealing(95℃→25℃,0.5℃/ min)した。続いてKOD Dashを加えてExtension(74℃,0.5 or 5min)した。伸長反応の確認は20%変性ポリアクリルアミドゲル電気泳動(300V,100mM,140min,45℃)の後、レーザー照射(488nm)によってイメージング(FAM)を行った。イメージングを
図1に、対応表を表2に示す。
【0074】
【表1】
【0075】
【表2】
【0076】
[dU
dnTPの酵素的導入]
500μLのマイクロチューブに、下記表3に示す組成(酵素は除く)で反応液をそれぞれ調製し、1時間Annealing (95℃→25℃,0.5℃/ min)した。続いてKOD Dashを加えてExtension(74℃,0.5 or 5min)した。反応液の量×1.4倍の色素液でクエンチし、Denature (95℃,5min) した。伸長反応の確認は20%変性ポリアクリルアミドゲル電気泳動(300V,100mM,140min,45℃)の後、レーザー照射(488nm)によってイメージング(FAM)を行った。イメージングを
図2に、対応表を表4に示す。
【0077】
【表3】
【0078】
【表4】
【0079】
[修飾ヌクレオチドを含むDNAライブラリーの酵素的調製]
1.5mLマイクロチューブに反応液を以下のように調製した。これを500μLマイクロチューブに100μLずつ8本に小分けし、遺伝子増幅装置にセットして以下の温度条件でPCRを行った。PCR産物の確認は10%変性ポリアクリルアミドゲル電気泳動(TBE Buffer、200V、45℃、35分)の後、外部レーザー(488nm)照射によって行った。確認後、反応液を10%変性ポリアクリルアミドゲル電気泳動(TB Buffer、200 or 300V、45 or 4℃、150~250分)により目的の70merのDNAバンドを外部レーザー(488nm)照射で検出し、ゲルから切り出した。切り出したゲルを、透析チューブを用いて透析(TB Buffer、100V、4℃、80分)を行った。抽出したDNA溶出液を遠心フィルターユニットにより脱塩し、凍結乾燥後、適量の滅菌水で溶解させて濃度を測定することでライブラリーを得た。
【0080】
【表5】
【0081】
【表6】
【0082】
<実施例11>
[NECEEMによるライブラリーのセレクション]
500μLマイクロチューブにイニシャルライブラリーを緩衝液中で1μMになるように調製した。緩衝液にはTris-HCl buffer(20mM Tris-HCl(pH 7.4)、1mM MgCl
2、10mM NaCl)を用いた。これを遺伝子増幅装置にセットして、94℃で0.5分熱変性し0.5℃/分の降温速度で25℃まで下げてアニーリングを行った。その後、ポジティブコントロールには標的分子であるタンパク質がファイナル0.2μMになるように加えて37℃で30分インキュベートした。ネガティブコントロールにはバッファーを加えた。この際、ポジティブコントロールとネガティブコントロールともに、DNAの濃度は0.5μMとなるようにした。インキュベート後、NECEEMによって測定した。測定条件には下記の条件を用いた。ネガティブコントロールと比べて蛍光強度の増加がみられる部分を分取した。また、キャピラリー内壁へのDNAの吸着を確認するために、反応液をインジェクトする前にも分取している。
【0083】
<泳動条件>
Capillary length: 80cm
Running buffer: 100mM Boric acid buffer(pH 8.4)
TemperatureCartridge : 25℃
Sample storage : 15℃
Dynamic range: 1000RFU
Excitation wavelength: 488nm
Emission wavelength: 520nm
【0084】
【表7】
【0085】
[修飾ヌクレオチドを含むDNAライブラリーの酵素的調製]
1.5mLマイクロチューブに反応液を以下のように調製した。これを500μLマイクロチューブに100μLずつ8本に小分けし、遺伝子増幅装置にセットして以下の温度条件でPCRを行った。PCR産物の確認は10%変性ポリアクリルアミドゲル電気泳動(TBE Buffer、200V、45℃、35分)の後、外部レーザー(488nm)照射によって行った。確認後、反応液を10%変性ポリアクリルアミドゲル電気泳動(TB Buffer、200 or 300V、45 or 4℃、150~250分)により目的の70merのDNAバンドを外部レーザー(488nm)照射で検出し、ゲルから切り出した。切り出したゲルを、透析チューブを用いて透析(TB Buffer、100V、4℃、80分)を行った。抽出したDNA溶出液を遠心フィルターユニットにより脱塩し、凍結乾燥後、適量の滅菌水で溶解させて濃度を測定することでライブラリーを得た。
【0086】
【表8】
【0087】
【表9】
【0088】
[2
ndPCR]
1.5mLマイクロチューブに反応液を以下のように調製した。これを500μLマイクロチューブに100μLずつ8本に小分けし、遺伝子増幅装置にセットして以下の温度条件で対称PCRを行った。PCR産物の確認は10%変性ポリアクリルアミドゲル電気泳動(TBE Buffer、200V、45℃、35分)の後、外部レーザー(488nm)照射によって行った。反応液を酢酸ナトリウムでエタノール沈殿し、凍結乾燥した後、残渣を80μLの滅菌水に溶解した。
【0089】
【表10】
【0090】
【表11】
【0091】
[λエキソヌクレアーゼによる相補鎖の分解]
1.5mLマイクロチューブに酵素を除く反応液を以下のように調製した。500μLマイクロチューブに90μLずつ8本に小分けし、遺伝子増幅装置にセットしてアニーリング(降温速度1.2℃/min, 95→25℃)を行った。その後、λ-exonucleaseを10μL加えて、37℃で30分反応させた。相補鎖の分解の確認は10%変性ポリアクリルアミドゲル電気泳動(TBE Buffer、200V、45℃、35分)の後、SYBR Goldで染色し、外部レーザー(488nm)照射によって行った。反応液をスピンカラム(10k)により脱塩し、凍結乾燥した残渣を滅菌水400μLで溶解した。
【0092】
【表12】
【0093】
dU
guTP-Library(標的分子(トロンビン)なし)の1Round目のNECEEMの測定結果を
図3に、dU
guTP-Library(標的分子(トロンビン)あり)の1Round目のNECEEMの測定結果を
図4に、dU
guTP-Library(標的分子(トロンビン)なし)の2Round目のNECEEMの測定結果を
図5に、dU
guTP-Library(標的分子(トロンビン)あり)の2Round目のNECEEMの測定結果を
図6に示す。1Round目における標的分子ありと標的分子なしの面積の差は0.01%、2Round目における標的分子ありと標的分子なしの面積の差は0.56%となり、濃縮割合は56倍となった。また、1Round目と2Round目のcomplex peakの面積差は0.58%となり、濃縮割合は30倍(0.02%→0.60%)となった。
dU
adTP-Library(標的分子(トロンビン)なし)の1Round目のNECEEMの測定結果を
図7に、dU
adTP-Library(標的分子(トロンビン)あり)の1Round目のNECEEMの測定結果を
図8に、dU
adTP-Library(標的分子(トロンビン)なし)の2Round目NECEEMのの測定結果を
図9に、dU
adTP-Library(標的分子(トロンビン)あり)の2Round目のNECEEMの測定結果を
図10に示す。1Round目における標的分子ありと標的分子なしの面積の差は0.06%、2Round目における標的分子ありと標的分子なしの面積の差は0.28%となり、濃縮割合は4.7倍となった。また、1Round目と2Round目のcomplex peakの面積差は0.23%となり、濃縮割合は4.3倍(0.07%→0.30%)となった。
【0094】
<実施例12>
上記化合物20を化合物(i)(KK10)として、以下の実験に使用した。
CE-SELEXの実験方法
・用いたDNA
GOL#P1P:5’-TCG CTC GGC AGG ATC GCA AG-3’(5’リン酸化)(配列番号3)
GOL#P1F:5’-TCG CTC GGC AGG ATC GCA AG-3’(5’FITC化(6-FAM)) (配列番号3)
GOL#P2P:5’-TGC TGC CAC TGC TCC GTC CA-3’(5’リン酸化) (配列番号5)
GOL#P2H:5’-TGC TGC CAC TGC TCC GTC CA-3’(配列番号5)
GOL#T2H:5’-TGC TGC CAC TGC TCC GTC CAN NNN NNN NNN NNN NNN NNN NNN NNN NNN NNC TTG CGA TCC TGC CGA GCG A-3’(配列番号4)
【0095】
[修飾DNAライブラリーの酵素的調製]
1.5mLマイクロチューブに反応液を以下のように調製した。これを500μLマイクロチューブに100μLずつ8本に小分けし、遺伝子増幅装置にセットして以下の温度条件でPCRを行った。PCR産物の確認は10%変性ポリアクリルアミドゲル電気泳動(TBE Buffer、200V、45℃、35分)の後、外部レーザー(488nm)照射によって行った。確認後、反応液を10%変性ポリアクリルアミドゲル電気泳動(TB Buffer、300V、4℃、200-240分)により目的の70merのDNAバンドを外部レーザー(488nm)照射で検出し、ゲルから切り出した。切り出したゲルを、透析チューブを用いて透析(TB Buffer、100V、4℃、80分)を行った。抽出したDNA溶出液を遠心フィルターユニットにより脱塩し、凍結乾燥後、適量の蒸留水で溶解させて濃度を測定することでライブラリーを得た。
【0096】
【表13】
【0097】
【表14】
【0098】
[NECEEMによる修飾DNAライブラリーのセレクション]
500μLマイクロチューブに上記で合成したライブラリーを緩衝液中で1μMになるように調製した。緩衝液にはTris-HCl buffer(20mM Tris-HCl(pH 7.4)、1mM MgCl
2、10mM NaCl)を用いた。これを遺伝子増幅装置にセットして、94℃で0.5分熱変性し2.5hかけて25℃まで下げてアニーリングを行った。その後、標的分子であるヒトVEGFタンパク質がファイナル0.5μM(1ラウンド目のみ)もしくは0.2μM(2ラウンド目以降)になるように加えて37℃で30分インキュベートした。ネガティブコントロールにはバッファーを加えた。この際、DNAの濃度は0.5μMとなるようにした。インキュベート後、非平衡キャピラリー電気泳動法(NECEEM)によって測定した。測定条件には下記の条件を用いた。ネガティブコントロールと比べて蛍光強度の増加がみられる部分を分取した。また、キャピラリー内壁へのDNAの吸着を確認するために、反応液をインジェクトする前にも分取している。
【0099】
<泳動条件>
Capillary length: 80cm
Running buffer: 100mM Boric acid buffer (pH 8.4)
Temperature
Cartridge : 25℃
Sample storage : 15℃
Dynamic range: 1000RFU
Excitation wavelength: 488nm
Emission wavelength: 520nm
【0100】
【表15】
【0101】
[分取液のPCR (1
st PCR)による修飾DNAライブラリー濃縮の確認]
500μLマイクロチューブに反応液を以下のように調製した。これを遺伝子増幅装置にセットし、上記セレクションで濃縮された画分を鋳型にし、以下の温度条件で1
st PCRを行った。PCR産物の確認は10%変性ポリアクリルアミドゲル電気泳動(TBE Buffer、200V、45℃、35分)の後、外部レーザー(488nm)照射によって行った。反応液を酢酸ナトリウムでエタノール沈殿し、凍結乾燥した後、残渣を200μLの蒸留水に溶解した。この溶液を2
nd PCRの鋳型とした。
【0102】
【表16】
【0103】
【表17】
【0104】
[2
ndPCRおよび鋳型鎖の調製]
1.5mLマイクロチューブに反応液を以下のように調製した。これを500μLマイクロチューブに100μLずつ8本に小分けし、遺伝子増幅装置にセットして、上記で得られた1
stPCR産物を鋳型とし、以下の温度条件で対称PCRを行った。PCR産物の確認は10%変性ポリアクリルアミドゲル電気泳動(TBE Buffer、200V、45℃、35分)の後、外部レーザー(488nm)照射によって行った。反応液を酢酸ナトリウムでエタノール沈殿し、凍結乾燥した後、残渣を80μLの蒸留水に溶解した。定法に従って、GOL#P1P伸長鎖を、λ-exonucleaseを用いて選択的に分解し、次のラウンドの修飾DNAライブラリー調製のための鋳型鎖を得た。
【0105】
【表18】
【0106】
【表19】
【0107】
【表20】
上記の、NECEEMによるセレクションとPCRの操作を繰り返すことにより、VEGF結合アプタマーを選択した。KK10を含むライブラリーから得られたVEGF結合アプタマーの配列を
図11に示す。
【0108】
K
d測定の結果
上記で得られたVEGF結合アプタマーのうち、一部のアプタマーの活性評価をCE(キャピラリー電気泳動)により行った。また、キャピラリーの長さは30.2cmのものを使用し、injection時間は12secとった。他の条件は同じである。複合体平均と標準偏差は3回測定により算出してある。結果を
図12〜
図13に示した。
いずれのアプタマーもVEGFと高親和性を示すことが分かった。