(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
シールド(62)によって画成される開口部(65)が、センサ(60)の反対側に位置し、開口部(65)は、センサ(60)の視野を制約または制限するように構成される、請求項1〜5のいずれか1項に記載の補足デバイス(34)。
光源(58)は、シールド(62)の周りに配置された複数のLED(58a、58b、58c)を含む、請求項1〜10のいずれか1項に記載の補足デバイス(34)。
光源(58)は、互いに隣接して実質的に直線に配置された複数のLED(58a、58b、58c)を含む、請求項1〜10のいずれか1項に記載の補足デバイス(34)。
プロセッサ(40)は、LED(58a、58b、58c)の各々にそれぞれの露出時間にわたって光を放出させるように構成される、請求項11〜13のいずれか1項に記載の補足デバイス(34)。
複数のLED(58a、58b、58c)は、それぞれの波長の光を順次放出するように、プロセッサ(40)によって制御される、請求項14に記載の補足デバイス(34)。
補足デバイス(34)は、使用時に注射デバイス(10)から排出された薬剤の用量に関する情報を記録するように構成される、請求項1〜15のいずれか1項に記載の補足デバイス(34)。
補足デバイス(34)が使用の際に注射デバイス(10)に取り付けられるとき、補足デバイス(34)は注射デバイス(10)の投薬量窓(28)を塞ぐ、請求項1〜16のいずれか1項に記載の補足デバイス(34)。
補足デバイス(34)は、投薬量窓(28)内に表示されたものを示す情報を集める少なくとも1つの光センサ(46)をさらに収容する、請求項17に記載の補足デバイス(34)。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明の実施形態について、注射デバイスによってダイヤル設定された用量の量または投薬された用量の量を決定する補足デバイスの点から説明する。そのような補足デバイスは、そのような決定を行う光学式文字認識(OCR)機能を備えることができる。しかし本発明は、そのような用途に限定されるものではなく、他の種類の補足デバイス、たとえば注射デバイスの数字スリーブ(number sleeve)上に示されるより大きい形式でダイヤル設定された用量の量を表示するだけの補足デバイスでも、等しく導入することができる。
【0022】
注射デバイスは、たとえばペン状の注射デバイスとすることができる。この種のデバイスは、使用者または患者が薬剤の用量を投与する自己治療の環境でよく知られている。ペン状の注射デバイスからは、再利用可能および使い捨ての変形形態が知られている。これらの種類の注射デバイスは、典型的には、使用の際に手で保持される。ペン状の注射デバイスは、使用者によって、たとえばポケット、財布のような小箱などに入れて持ち運ぶことができる。
【0023】
本発明による補足デバイスは、注射デバイスに取り付けられるように構成される。使用の際、補足デバイスが取り付けられた注射デバイスは、手で保持される。
【0024】
注射デバイスに取り付けられたとき、補足デバイスは、注射デバイスを部分的に覆うことができる。補足デバイスは、注射デバイスのうち注射デバイスの用量表示を含む部分を覆うことができる。
【0025】
補足デバイスは、使用時に補足デバイスが取り付けられた注射デバイスから投与された用量に関する情報を記録するようにさらに構成することができ、または言い換えれば、補足デバイスは、注射デバイスから排出された薬剤の量を示す情報を記録するように構成することができる。
【0026】
図1は、注射デバイス10の分解図であり、注射デバイス10は、たとえばSanofiによって販売されているSolostar(商標)という注射ペンとすることができる。
【0027】
図1の注射デバイス10は、充填済み使い捨て注射ペンであり、ハウジング12を含み、インスリン容器14を収容し、インスリン容器14に針16を取り付けることができる。針16は、内側ニードルキャップ18および外側ニードルキャップ20によって保護され、外側ニードルキャップ20は、キャップ22によって覆うことができる。注射デバイス10から排出すべきインスリン用量は、投薬量ノブ24を回すことによって選択することができる(この動作を、インスリン用量のダイヤル設定と呼ぶことができる)。選択用量(ダイヤル設定用量)を示す数字26を含むマーカが、投薬量窓28を介して、たとえば国際単位(IU)の倍数で表示される。投薬量窓28内に表示されるダイヤル設定用量の一例は、
図1に示すように、30IUとすることができる。
【0028】
投薬量窓28内に表示される数字26は、ハウジング12内に収容されたスリーブ(数字スリーブ17と呼ぶ)上に印刷されており、スリーブは、インスリン容器14の内側のピストンと機械的に相互作用する。患者の皮膚の中へ針16が挿入され、注射ボタン30が押されると、表示窓28内に表示されたダイヤル設定量に対応するインスリンの量が、注射デバイス10から排出される。注射中、インスリンが注射デバイス10を離れるにつれて、数字スリーブ17が回転する。これにより、まだ投薬されていないインスリンのダイヤル設定量に従って、投薬量窓28内に表示される数字26が変化する。言い換えれば、注射中、投薬量窓28と連続して位置合わせする数字26はカウントダウンされる。
【0029】
図2は、前段落の注射中に17IUのインスリンが注射デバイス10から送達された後の投薬量窓28を示す。
【0030】
図3は、
図1に示すような注射デバイスに解放可能に取り付けることができる補足デバイス34の概略図である。補足デバイス34は、注射デバイス10のハウジング12を取り囲む嵌合ユニット、連結ユニット、またはコネクタ37を備えるハウジング36を含む。具体的には、コネクタ37は、注射デバイス10のハウジング12上へ、デバイス34をハウジング12から後に取り外すことができるように、スナップ嵌めされるように構成することができる。しかし、コネクタ37はスナップ嵌めの種類である必要はなく、別法として、他の配置が、補足デバイス34を注射デバイスに連結するのに適していることもある。
【0031】
注射デバイス10に連結されたとき、補足デバイス34は、投薬量窓28を塞ぐ(
図4に示す)。補足デバイス34は、注射デバイス10から情報を集める少なくとも1つの光センサを収容する。具体的には、光センサは、投薬量窓28内に表示されたものを示す情報を集めさせられる。次いで、この集められた情報を処理して、用量履歴データベース(dose history database)を生成することが可能である。そのような用量履歴データベースは、インスリン用量が投与された様々な時間および各用量で投与されたインスリンの量に関する情報を収容する記録を含むことができる。集められた情報はまた、投薬量窓28と位置合わせされた数字26をより大きい形式で表示する目的で、たとえば数字スリーブ17上に設けられた数字より大きい数字を表示ユニット上に表示することによって、処理することができる。これにより、ダイヤル設定された用量の量、または注射の場合、まだ送達されていないダイヤル設定用量の量の可読性が改善される。
【0032】
図4は、注射デバイス10に連結された状態の補足デバイス34の内部概略図である。
【0033】
補足デバイス34のハウジング36内には、様々な構成要素が位置し、システムバス35によってともに連結される。1つのそのような構成要素は、プロセッサ40を含む。プログラムメモリ42および主メモリ44も、システムバス35に連結される。プロセッサ40は、プログラムメモリ42内に記憶されたプログラムコード(たとえば、ソフトウェアまたはファームウェア)を実行し、主メモリ44を使用して、中間結果を記憶する。補足デバイス34はまた、前述の用量履歴データベースを記憶する補足メモリ43を含む。プログラムメモリ42は、たとえば、読取り専用メモリなどの不揮発性メモリとすることができる。主メモリ44は、たとえば、ランダムアクセスメモリ、DRAM、またはSDRAMなどの揮発性メモリとすることができ、補足メモリ43は、たとえば、フラッシュメモリもしくはEEPROMとすることができ、またはUSB型接続などのインターフェースを介してシステムバス35に連結されたメモリカードを含むことができる。
【0034】
やはりシステムバス35に連結された1次光センサユニット46を使用して、投薬量窓28内に表示されたものを示す情報を収容する信号を生成する。プロセッサ40は、これらの信号を使用して、送達用量を決定し、用量履歴データベースを生成することができる。プロセッサ40は、光学式文字認識アプリケーションを実行し、1次光センサユニット46によって送られた信号から、どの数字26が投薬量窓28と位置合わせされているかを決定することによって、これを実現することができる。そのような情報に基づいて、プロセッサ40は次いで、どれだけのインスリンがダイヤル設定されたか、または注射の場合、まだ送達されていない(もしくは注射中にすでに送達された)インスリンのダイヤル設定量を決定する。
【0035】
システムバス35に連結することができる他の構成要素は、照明ユニット47、表示ユニット38、および入力デバイス48を含む。そのような照明ユニット47は、1つまたはそれ以上のLEDを含むことができ、投薬量窓28内に表示される情報を照明するように、プロセッサ40によって制御することができる。入力デバイス48(たとえば、キーパッド)は、補足デバイス34と対話するために、使用者によって利用される。たとえば、そのような入力デバイス48を使用して、表示ユニット38上に表示された1つまたはそれ以上の選択肢を選択することができる。いくつかの実施形態では、表示ユニット38は、タッチスクリーン機能を備えることができ、したがって出力デバイスと入力デバイス48の両方として機能することが有効になる。
【0036】
電源50(たとえば、電池)は、補足デバイス34の様々な構成要素に電力供給するためのものである。
【0037】
いくつかの実施形態では、1次光センサユニット46は、カメラを含むことができ、プロセッサ40は、表示ユニット38に、カメラの視野内に見られる数字スリーブ17を表す情報、たとえば画像を示させることができる。
【0038】
提供される特徴の特定の組合せにかかわらず、補足デバイス34は、システムバス35に連結された2次光センサユニット56をさらに含む。プロセッサ40は、2次光センサユニット56を使用して、注射デバイス10上に位置する表面部分57の特徴を決定する。表面部分57は、たとえば、ラベルの一部または注射デバイス10の外側ケーシングの一部を構成することができる。したがって表面部分57は、注射デバイス10上へ固定、接着、もしくは印刷することができ、または注射デバイス10の外側ケーシングの一体部材を含むことができる。これは、異なる特性を有する注射デバイス10が異なる種類の表面部分57を備えることができるため、有用である。具体的には、異なるタイプの薬剤(たとえば、異なるタイプのインスリン)を収容する注射デバイス10は、異なる色の付いた表面部分57を有することができる。したがって、補足デバイス34は、その表面部分57または表面部分57の一部、たとえばラベルのうちブランド情報などの注射デバイス10の詳細を含む部分の特徴を分析することによって、注射デバイス10が収容する薬剤のタイプを決定することが可能である。
【0039】
以下により詳細に説明するように、プロセッサ40は、2次光センサユニット56に表面部分57を異なる波長の光で照明させる。2次光センサユニット56は、表面部分57によって反射される光の強度を示すそれぞれの各波長の信号を生成する。次いで、これらの信号は、プロセッサ40によって、注射デバイス10の特性を決定するために使用される。これは、プロセッサ40が表面部分57の反射特徴を1つまたはそれ以上の記録と比較することによって有効になり、各記録は、注射デバイスの異なる特性をそれぞれの反射応答と関連付ける。異なる色の付いた表面部分57は、異なる波長のスペクトルにおいて異なる量の光を反射する。したがって、特定の色を有する表面部分57の反射特徴を決定することによって、前述の記録の1つにおいてその色に関連付けられた特性を決定することができる。1つのそのような特性の一例は、注射デバイスのタイプまたは薬剤のタイプとすることができる。
【0040】
前述のように、本発明の一実装形態は、たとえば医療デバイスが収容する医薬品の種類に応じて、異なる色の付いた表面部分57を有する医療デバイスを区別することである。別法として、表面部分57は、それぞれのデバイスが収容するインスリンのタイプに応じて異なる色を付けることもできる。
【0041】
たとえば、短時間作用型のインスリンを収容する注射デバイス10は、第1の色の付いた、たとえば赤色の付いた表面部分57を備えることができ、長時間作用型のインスリンを収容する注射デバイス10は、第2の色の付いた、たとえば青色の付いた表面部分57を備えることができる。特定の注射デバイス10内に収容されたインスリンのタイプを決定するために、短時間作用型のインスリンを第1の色、この例では赤色の反射特徴に関連付ける第1の記録、および長時間作用型のインスリンを第2の色、この例では青色の反射特徴に関連付ける第2の記録に、プロセッサ40によってアクセスすることができる。より具体的には、特定の注射デバイス10の表面部分57の反射特徴が、上記の記録内の反射特徴と比較される。これにより、プロセッサ40は、表面部分57の色に関連付けられたインスリンタイプを決定することが有効になる。たとえば、表面部分57が青色である場合、プロセッサ40は、注射デバイス10が長時間作用型のインスリンを収容すると決定する。
【0042】
他のタイプのインスリンまたは他のタイプの薬剤を収容する注射デバイスは、異なる色の付いた表面部分を備えることができることが理解されよう。続いて前段落の例から、そのような色は、赤色または青色以外にするべきである。様々な表面部分の色の反射特徴をそれぞれのタイプのインスリンまたは他の薬剤に関連付ける対応する記録を提供して、プロセッサが、その表面部分(またはその一部)の反射特徴を分析する際に、注射デバイスによって収容される物質を決定することを有効にすることができる。
【0043】
2次光センサユニット56の詳細について、
図5を参照しながらより詳細に次に説明する。
【0044】
2次光センサユニット56は、使用時に注射デバイスの表面部分57を照明するLEDなどの複数の光源58を含む。LEDからの光は、補足デバイス34から退出し、表面部分57に入射する。各光源58は、異なる波長の光を放出するように構成することができる。たとえば、
図5の第1、第2、および第3の光源58a、58b、58cは、それぞれ第1、第2、および第3の波長λ
1、λ
2、λ
3の光を放出するように構成される。しかし、代わりに複数の光源群を設けることもでき、各群内の光源は、同じ波長の光を放出するように構成される。
【0045】
第1の光源58aによって放出される第1の波長λ
1の光は、赤色、青色、または緑色とすることができる。第2の光源58bによって放出される第2の波長λ
2の光は、赤色、青色、または緑色のうちの別の色とすることができる。第3の光源58cによって放出される第3の波長λ
3の光は、赤色、青色、または緑色のうちの残りの色とすることができる。
【0046】
いくつかの実施形態では、第1の波長λ
1の光は赤色であり、第2の波長λ
2の光は青色であり、第3の波長λ
3の光は緑色である。本明細書全体にわたって、赤色光は約620nm〜740nmの波長を有し、青色光は約450nm〜495nmの波長を有し、緑色光は約520nm〜570nmの波長を有する。
【0047】
前段落に略述した第1〜第3の波長λ
1、λ
2、λ
3の例は、単なる例示である。そのような波長は、互いに異なる限り、任意の値の波長とすることができる。加えて、光源58の放出は、1つの個別の周波数とすることができるだけでなく、代わりに比較的狭い周波数帯域にわたって分散させることもでき、この帯域は、別の光源58の帯域とある程度重複することができる。また、第1〜第3の波長λ
1、λ
2、λ
3の1つまたはそれ以上は、可視スペクトル外とすることができ、たとえば赤外線または紫外線とすることもできる。
【0048】
図5を再び参照すると、2次光センサユニット56は、センサ出力を生成するセンサ60をさらに含む。そのようなセンサ出力は、表面部分57から反射される異なる波長の光のそれぞれの強度を示す。たとえば、特定の波長の反射光がセンサ60に入射する露出時間に続いて、センサ60は、その特定の露出時間中にセンサ60に当たるその特定の波長の反射光の強度を示す信号を生成する。使用時に、異なる波長の光が、それぞれの露出時間にわたってセンサ60に入射させられる。センサ60は、それぞれの露出時間中にセンサ60に当たる特定の各波長の反射光の強度を示す信号を生成する。
【0049】
図5の例では、プロセッサ40は、第1〜第3の光源58a〜58cに、それぞれの露出時間t
1〜t
3にわたって第1〜第3の波長λ
1〜λ
3の光をそれぞれ放出させる。光源58a〜58cは、第1〜第3の波長λ
1〜λ
3の光を順次放出するように制御される。したがって、第1の波長λ
1の反射光がセンサ60に入射する第1の露出時間t
1に続いて、センサ60は、第1の信号S1(次段落に記載)を生成する。第2の波長λ
2の反射光がセンサ60に入射する第2の露出時間t
2に続いて、センサ60は、第2の信号S2を生成する。さらに、第3の波長λ
3の光がセンサ60に入射する第3の露出時間t
3に続いて、センサ60は、第3の信号S3を生成する。
【0050】
前段落に記載の第1の信号S1は、第1の露出時間t
1中にセンサ60に入射する第1の波長λ
1の反射光の強度を示す。同様に、第2の信号S2は、第2の露出時間t
2中にセンサ60に入射する第2の波長λ
2の反射光の強度を示す。第3の信号S3は、第3の露出時間t
3中にセンサ60に入射する第3の波長λ
3の反射光の強度を示す。
【0051】
補足デバイス34は、表面部分57(または少なくとも表面部分57のうち光がそこからセンサ60上へ反射する部分)が中間色(たとえば、灰色)である場合、異なる波長の光を検出したことに応答してセンサ60によって生成されるそれぞれの信号が実質的に類似するように較正される。より具体的には、そのような状況で、センサ60によって生成されるそれぞれの信号は実質的に類似しており、これらの信号は、それぞれの露出時間中にセンサ60に当たる特定の各波長の反射光の強度を示す。
【0052】
図5の例では、補足デバイス34は、表面部分57(または少なくとも表面部分57のうち光がそこからセンサ60上へ反射する部分)が中間色(たとえば、灰色)である場合、使用の際にセンサ60によって生成される第1〜第3の信号S1〜S3が実質的に類似するように構成される。そのような信号S1〜S3は、第1〜第3の露出時間t
1〜t
3中にセンサ60に当たる第1〜第3のそれぞれの波長λ
1〜λ
3の反射光の強度が実質的に類似していることを示す場合、実質的に類似していると見なされる。
【0053】
このように実行するように補足デバイス34を較正することは、それぞれの波長の光の露出時間(
図5の例では、露出時間t
1〜t
3)の1つまたはそれ以上の持続時間を変更することを伴う。較正された露出時間のそれぞれの持続時間は、補足デバイス34によって、たとえばプログラムメモリ42内に記憶される。補足デバイス34は、異なる波長の光のそれぞれの露出時間にわたって使用されるとき、これらの較正された露出時間の持続時間を利用する。有利には、補足デバイス34をこのように較正することで、使用の際に光源58が起動される総時間量が最小になる。これにより、補足デバイス34の電力消費が低減され、それによって電池寿命が長くなる。
【0054】
図5を再び参照すると、補足デバイス34内の2次光センサユニット56は、遮蔽版またはバッフルと呼ぶこともできるシールド62をさらに備える。このシールド62は、光源58によって放出される波長の光を通さない。たとえば、
図5で、シールド62は、少なくとも第1、第2、および第3の波長λ
1、λ
2、λ
3の光を通さない。
【0055】
シールド62は、光源58によって放出される光がセンサ60に直接入射するのを防止する。シールド62によって画成される開口部65が、センサ60の視野内に位置する。開口部65は、以下でより詳細に論じるように、センサ60の視野を制約または制限する。センサ60の視野は、開口部65によって画成される。センサ60の視野(開口部65によって画成される)内で表面部分57から反射された光は、補足デバイス34に入り、開口部65を通ってセンサに入射する。いくつかの実施形態では、前記光は、開口部65を通って補足デバイスに入ることができる。
【0056】
開口部65の中心は、センサ60の視野の中心と実質的に心合わせされる。開口部65は、シールド62の中空の切頭体状の阻止部材64のピークに形成される。シールド62の中空の切頭体状の阻止部材64は、一定の横断面幅をもたない。
図5に示すように、中空の切頭体状の阻止部材64の内径は、センサ60の方へ向かって増大する。
図5aを特に参照すると、切頭体状の阻止部材64は、一定の横断面幅を有する頸状部64aと、頸状部64aから先細りしてセンサ60の方へ向かって幅が増大するチャンバ64bとを含む。
【0057】
使用時に、注射デバイス10の表面部分57は、
図4および
図5に示すように、開口部65とセンサ60の両方と位置合わせさせられる。これは、コネクタ37(
図3参照)が注射デバイス10に嵌合(連結)されたときに行われる。そのような位置合わせは、使用時に表面部分57(または表面部分の少なくとも一区域)がセンサ60の視野内に位置するようにする。
【0058】
具体的には、シールド62の中空の切頭体状の阻止部材64によって画成される開口部65は、使用時に表面部分57の関連区域のみがセンサ60の視野内に位置するようにする。さらに、シールド62の中空の切頭体状の阻止部材64によって画成される開口部65が表面部分57の関連区域に関連して配置されるため、これは、センサ60と表面部分57の関連区域との間の経路内でいかなるレンズも使用することなく実現される。言い換えれば、補足デバイス34は、注射デバイス10の表面部分57とセンサ60との間にレンズのない経路を備える。したがって、補足デバイス34は、注射デバイス10の表面部分57とセンサ60との間に、屈折力を有するいかなる構成要素も有していない。言い換えれば、補足デバイス34は、注射デバイス10の表面部分57とセンサ60との間に、光を集束させることが可能ないかなる構成要素も有していない。さらに言い換えれば、注射デバイス10の表面部分57とセンサ60との間のすべての透明の構成要素は、ゼロの屈折力(集束能力)を有する。ゼロの屈折力は、光の収束または発散を生じさせない。そのような透明の構成要素は図示しないが、実際には、補足デバイス34の内部構成要素を汚染材料の侵入から保護するために、透明の平面の保護窓を含むことができる。
【0059】
補足デバイス34は、表面部分57がセンサ60から離れる距離が比較的小さくなるように注射ペン1に係合するように構成される。さらに、この嵌合配置は、補足デバイス34が注射ペン1に係合されるときにこの距離が実質的に一定になるような配置である。
【0060】
表面部分のうちセンサの視野内に位置する領域は、開口部65の形状および寸法、センサ60に対する開口部65の位置、センサ60の能動部材の寸法および形状、ならびに表面部分57と開口部65との間の距離を含む複数の要因によって画成される。様々な特性は、補足デバイス34が注射ペン1に適切に係合されたとき、センサ60の視野内に約0.5平方mmの表面部分57の領域を提供するように構成される。様々な特性は、補足デバイス34の関連部材と注射デバイス1との間の離隔距離がわずかに増大または減少した場合でも、視野内に位置する表面部分57の領域が常に許容限度内に位置するように構成される。
【0061】
光源58およびレンズ66は、わずかな所期の離隔距離範囲内で、補足デバイス34の関連部材と注射デバイス1との間のすべての離隔距離にわたって、センサの視野内より大きい表面部分57の領域を照明するように構成することができる。
【0062】
光源58は、センサ60および開口部65と位置合わせされない。これは、光源58がセンサ60の視野内に位置しないようにする。したがって、プロセッサ40が光源58に光を放出させるとき、光源58によって放出される光のうち、表面部分57のうちセンサ60の視野内に位置する区域から反射される光のみが検出される。より具体的には、使用時に、センサ60の視野内で表面部分57から反射される光は、開口部65を通ってからセンサ60に入射する。
【0063】
これにより、センサ60の視野内で表面部分57から反射されなかった光(たとえば、周囲源から)は、センサ60によって生成される信号に影響することができないため、補足デバイス34の信頼性が改善される。それによって、センサ60の視野内の表面部分57の反射応答分析が改善される。これにより、特定の反射応答に関連付けられた特性が不正確に特定される可能性が低減される。たとえば、センサ60の視野内の表面部分57の色を決定し、次いで、特定の色をそれぞれの注射デバイス特性、たとえばインスリンのタイプに関連付ける補足デバイス34のメモリ内に事前に記憶された情報と、この色を比較することができる。この例では、補足デバイス34の色検出/決定の信頼性を改善することによって、分析下で表面部分57の決定された色に誤ったタイプのインスリンが関連付けられる可能性が低くなる。これにより、補足デバイス34が取り付けられた注射デバイスが、使用者が自身に注射しようと考えるものとは異なるタイプのインスリンを収容すると決定されたときに、たとえば、補足デバイス34が警報音を鳴らし、または視覚的な警告を示す場合、潜在的に人命を救助することができ;それによって、処方されたインスリンのタイプを示す情報が、補足デバイス34のメモリ内に記憶される。
【0064】
シールド62の構造について、
図5aを参照しながらやや詳細に次に説明する。
図5aから、シールド62のうち開口部65を画成する部分が、チャンバ64bのベースに位置する第1の端部64cと、頸状部64aの反対側の端部に位置する第2の端部64dとの間に延びることが明らかである。第2の端部64dは、第1の端部64cよりセンサ60から遠い。また、第1の端部64cの対向する端部は、第2の端部64dの対向する端部より遠くに離れて変位されていることが明らかである。より具体的には、シールド62のうち開口部65を画成する部分は、実質的に切頭体の形状であり、開口部65は、切頭体のピークに位置する。
【0065】
いくつかの実施形態では、切頭体状部分の外面は、実質的に円を画成する。そのような実施形態では、切頭体状部分は、実質的に円錐形の切頭体の形状である。他の実施形態では、切頭体状部分の外面は、実質的に多角形を画成する。そのような実施形態では、切頭体状部分は、実質的にたとえば正方形の切頭体または角錐の切頭体の形状とすることができる。
【0066】
しかし、中空の切頭体状の阻止部材64がシールド62の一部として使用される必要はない。
図5bでは、シールド62の部材64のうち開口部65を画成する部分の外面は、実質的に正方形の形状である。
【0067】
さらに、シールド62がチャンバ64bおよび頸状部64aなどの異なる横断面幅の2つの部分を有する必要はない。たとえば
図5cを見ると、シールド62によって画成される開口部65は、代わりに、その長さに沿って一定の横断面幅を有し、2つの側壁64eおよび64fによって画成される体積内へ開くことができる。
【0068】
図6は、それぞれの光源(たとえば、58a、58b、および58cで示すもの)を、互いに隣接してたとえば一列に配置することができることを示す。しかし、それぞれの光源は、中空の切頭体状の阻止部材64の周りに分散させることができる。たとえば、1つまたはそれ以上の光源は、
図6でシールド62の左側に位置することができ、1つまたはそれ以上の他の光源は、
図6でシールド62の右側に位置することができる。また、いくつかの実施形態では、光源は、シールド62の周りで輪、正方形、長方形、または三角形に配置することができる。
【0069】
光源58によって放出される光を表面部分57またはそのうちセンサ60の視野内の区域上へ集束させるために、1つまたはそれ以上のレンズ66を設けることができる。さらに、表面部分57によって反射される光をセンサ60上へ集束させるために、1つまたはそれ以上のレンズ(図示せず)を設けることができるが、これも必須ではなく、有利には、そのようなレンズは存在しない。有利には、これにより、表面部分57から反射されなかった光は、センサ60によって生成される信号に影響することができないため、補足デバイス34によって実行することが可能な反射応答分析の信頼性が改善される。具体的には、補足デバイス34は、使用時に、光源58から放出されて表面部分57によって反射される光のみがセンサ60に入射することができるように構成される。
【0070】
注射デバイス10の特性を決定するために2次光センサユニット56がプロセッサ40によってどのように使用されるかについて、
図5の例を特に参照して次に説明する。プロセッサ40は、それぞれの較正された露出時間t
1、t
2、t
3にわたって、それぞれ第1、第2、および第3の波長λ
1、λ
2、λ
3の光で表面部分57を照明するように、第1、第2、および第3の光源58a、58b、58cを順次制御する。そのような照明の際、センサ60は、それぞれ第1、第2、および第3の信号S1、S2、およびS3を生成する。これらの第1〜第3の信号S1〜S3は、それぞれの露出時間中にセンサ60に入射する反射光の強度を示す(前述)。
【0071】
プロセッサ40は、第1〜第3の信号S1〜S3を使用して、第1〜第3のそれぞれの値A〜Cを取得する。言い換えれば、プロセッサ40は、第1〜第3の信号S1〜S3の各々に数値を割り当てる。第1〜第3の値A〜Cのそれぞれの大きさは、特定の露出時間中にセンサ60に入射する反射光の強度に応じて変化する第1〜第3のそれぞれの信号S1〜S3の特性に比例する。
【0072】
たとえばセンサ60がフォトダイオードである例では、フォトダイオードによって生成される出力電圧信号の大きさは、特定の露出時間中の入射光の強度に依存する。したがって、たとえば第1の波長λ
1の光が露出時間t
1にわたってフォトダイオードに入射するとき、出力電圧信号S1の大きさが小さい場合、プロセッサ40によって取得される対応する第1の値Aも小さくなる。しかし、露出時間t
1中に第1の波長λ
1の光の強度が増大されたために生成される出力電圧信号S1の大きさがより大きい場合、プロセッサ40によって取得される第1の値Aもより大きくなる。同じことが、フォトダイオードがそれぞれ第2および第3の波長λ
2およびλ
3の光で照明されたときに生成される第2および第3の出力電圧信号S2およびS3を使用して取得される第2および第3の値BおよびCにも当てはまる。
【0073】
第1〜第3の値A〜Cは、単位面積当たりのパワー(W/m
2)を示すことができる。第1の値Aは、第1の露出時間t
1中にセンサ60に当たる第1の波長λ
1の光の単位面積当たりのパワーを示すことができる。同様に、第2および第3の値BおよびCは、第2および第3のそれぞれの露出時間t
2およびt
3中にセンサ60に当たる第2および第3のそれぞれの波長λ
2およびλ
3の光の単位面積当たりのパワーを示すことができる。しかし、第1〜第3の値A〜Cが同じ数量を示すという条件で、第1〜第3の値A〜Cは単位面積当たりのパワーを示さなくてもよく、代わりに別の数量を示すことができる。たとえば、第1〜第3の値A〜Cは、それぞれの露出時間t
1〜t
3中にセンサ60に入射する電磁エネルギー(ジュール)の総量を示すことができる。
【0074】
プロセッサ40は、第1および第2の値AおよびBを使用して第4の値Dを提供する計算を実行する。プロセッサ40は、この計算を実行するとき、第3の値Cを使用しない。Dの値を計算することは、関数f(A,B)の出力を決定することを含む。したがって、数学的にf(A,B)=Dであり、f(A,B)は、少なくとも、Aが分子内にあり、Bが分母内にある除算を含むことができる。たとえば、Dの値を計算することは、少なくともA/BまたはA/(A+B)の値を決定することを伴うことができる。
【0075】
プロセッサ40はまた、第3の値Cを使用して第5の値Eを提供する別の計算を実行する。Eの値を計算することは、関数f(C)の出力を決定することを含む。したがって、数学的にf(C)=Eであり、f(C)は、後に論じる1つまたはそれ以上の較正係数を含む。
【0076】
第4および第5の値DおよびEを決定した後、プロセッサ40は、プロセッサ40が分析している注射デバイス10の特性を決定する。これは、プロセッサ40が決定された第4および第5の値DおよびEを記録リストと比較することによって有効にされる。これらの記録は、それぞれ、所定の第4および第5の値DおよびEの異なる組合せと異なる情報を関連付ける。
【0077】
特定の記録内の所定の第4および第5の値DおよびEは、注射デバイス10の表面部分57(または少なくとも表面部分57のうちセンサ60の視野内に位置する部分)が特定の色である場合にプロセッサ40が決定する値である。これが、注射デバイス10に特定の色の表面部分57を設けることで、補足デバイス34が注射デバイス10の特性を決定することをどのように有効にするかである。より具体的には、表面部分57に特定の色を提供する結果、プロセッサ40は、分析された表面部分57がその特定の色であるときのみ決定される第4および第5の値DおよびEの特定の組合せを決定する。プロセッサ40によってアクセス可能な1つまたはそれ以上の記録とこれらの値を比較することで、プロセッサは、どの特定の特性がそれらの特定の第4および第5の値DおよびEに関連付けられているかを決定することが有効になる。
【0078】
実際には、注射デバイスの表面部分57に特定の色を提供する結果、プロセッサ40が特定の第4および第5の値DおよびEを正確に決定することはできない。代わりに、そのような値は、補足デバイスアセンブリプロセスの製造公差、またその様々な構成要素、たとえばセンサ60および光源58の効率によって影響される精度範囲内でのみ決定することができる。したがって、前述の記録は、所定の範囲の第4および第5の値DおよびEを特定の注射デバイス特性に関連付けることができる(正確な値を注射デバイス特性に関連付けるのではない)。
【0079】
それぞれの記録内には、異なる注射デバイスタイプを示す情報を含むことができることが理解されよう。言い換えれば、異なる注射デバイスタイプを、所定の第4および第5の値DおよびE(またはそれらの範囲)の異なる組合せに関連付けることができる。この実装形態では、補足デバイス34が注射デバイス10のタイプを決定することを有効にするために、異なるタイプの注射デバイス10は、異なる色の付いた表面部分57を備えることができる。
【0080】
また、それぞれの記録内には、異なる薬剤のタイプ(たとえば、異なるインスリンのタイプ)を示す情報を含むことができることが理解されよう。言い換えれば、異なる薬剤のタイプを、所定の第4および第5の値DおよびE(またはそれらの範囲)の異なる組合せに関連付けることができる。この実装形態では、補足デバイス34が注射デバイス10内に収容された薬剤のタイプを決定することを有効にするために、注射デバイス10は、異なる色の付いた表面部分57を備えることができる。
【0081】
自身に注射する薬剤のタイプに関する情報は、前述の用量履歴データベース内に記憶することができる。また、補足デバイス34は、注射デバイス10が処方されたタイプの薬剤以外の薬剤を収容すると決定されたとき、使用者に警報するように構成することができる。そのような警報は、警報音を鳴らすことまたは表示ユニット上に視覚的に示すものを提示することを含むことができる。
【0082】
図7は、上記のグラフである。垂直軸は、関数f(A,B)の出力である第4の値Dの可能な大きさを表す。水平軸は、関数f(C)の出力である第5の値Eの可能な大きさを表す。異なる色の付いた表面部分57が、異なる第4および第5の値DおよびEに関連付けられるため、異なる色の付いた表面部分57は、
図7に示す空間内の異なる位置に関連付けられる。
【0083】
記録に関する前述の議論では、それぞれの記録が、第4および第5の値DおよびEの所定の範囲を特定の注射デバイス特性に関連付けることができることを述べた。これを、
図7にグラフを表す。たとえば、特定の色の付いた表面部分57に関連付けられた位置が、領域70内にあると決定された場合、その表面部分57を有する注射デバイス10は、特定の特性を有すると決定される。しかし、特定の色の付いた表面部分57に関連付けられた位置が、領域72内にあると決定された場合、その表面部分57を有する注射デバイス10は、別の特性を有すると決定される。
【0084】
図7に70および72と示す領域など、特定の特性に関連付けられた領域の形状は、任意の形状を画成することができる。たとえば、
図7の領域70、72の1つまたはそれ以上は、たとえば正方形、長方形、多角形、円、または楕円形を画成することができる。
図7の垂直軸と水平軸状の両方で0.9と1.0との間に延びる正方形を領域が画成する例を考慮されたい。この例では、D=0.9〜1.0およびE=0.9〜1.0の組合せが、短時間作用型のインスリンに関連付けられる。特定の表面部分57のそれぞれの第4および第5の値DおよびEが各々、0.9〜1.0の範囲内にあると決定された場合、その表面部分を有する注射デバイス10は、短時間作用型のインスリンを収容すると決定される。
【0085】
異なる補足デバイス34が、同じ色の表面部分57に対して実質的に類似の第4および第5の値DおよびEを決定するように、補足デバイス34のさらなる構成が必要とされる。グラフでは、これは、異なる補足デバイス34が、同じ色の表面部分57を
図7内の実質的に類似の位置に関連付けられると決定するように、さらなる構成が必要とされることを意味する。
【0086】
そのような構成がどのように実現されるかについて、次に説明する。補足デバイス34は、表面部分57が中間色(たとえば、灰色)である場合、プロセッサ40が、第4および第5の値DおよびEが所定の大きさを有すると決定するように構成される。少なくとも表面部分57のうち光がそこからセンサ60上へ反射する部分が中間色であるという条件で、同じことが行われる。
【0087】
第4の値Dを決定するために使用される関数f(A,B)は、Dの可能な値が0〜1の範囲になるようにすることができる。この関数f(A,B)はまた、表面部分57(具体的には、表面部分57のうち光がそこからセンサ60上へ反射する部分)が中間色(たとえば、灰色)である場合、Dの値が実質的に0.5であると決定されるようにすることができる。
【0088】
中間色の付いた表面部分、たとえば特定の灰色の陰は、すべてのスペクトル範囲にわたって約40%の反射率を有することができる。関数f(A,B)がA/(A+B)を含む上記の例では、表面部分57がこの色である場合、AおよびBの値は実質的に同じである。これは、第1〜第3の値A〜Cのそれぞれの大きさが、特定の露出時間中にセンサ60に入射する反射光の強度に応じて変化する第1〜第3のそれぞれの信号S1〜S3の特性に比例するためである(前述)。したがって、表面部分57の反射率が第1〜第3の波長λ
1〜λ
3の光に対して約40%である場合、A〜Cのそれぞれの値は実質的に類似する。これは、A/(A+B)を計算することによって決定される第4の値Dが実質的に0.5になるようにする。有利には、関数f(A,B)がA/(A+B)を含む場合、これにより、第1の波長λ
1の光を放出して第1の値Aを生成する第1の光源58aによって与えられる温度ドリフトの影響が最小になる。これは、第1の光源58aが赤色LEDである場合、赤色LEDは概して青色および緑色などの色のLEDより温度ドリフトの影響を受けやすいため、特に有用となることができる。
【0089】
第5の値Eを決定するために使用される関数f(C)は、Eの可能な値も0〜1の範囲となるようにすることができる。すべてのスペクトル範囲にわたって約40%の反射率を有する中間色の付いた表面の場合、第3の値Cを取得するために使用される第3の波長λ
3の光の反射率は、表面部分57(または少なくとも表面部分57のうち光がそこからセンサ60上へ反射する部分)がこの色である場合、40%である。そのような色は、前段落に記載の特定の灰色の陰とすることができる。関数f(C)内の較正係数は、この状況で関数f(C)から出力されるEの値が実質的に0.4になるように設定することができる。これらの較正係数は、補足デバイス34によって、たとえばプログラムメモリ42内に記憶される。
【0090】
前の2つの段落に従って補足デバイス34が較正されるシナリオを考慮されたい。そのような較正された補足デバイス34は、すべてのスペクトル範囲にわたって反射率が約40%の灰色の陰である表面部分57を有する注射デバイス10に連結されたとき、第4および第5の値DおよびEが
図7に68で示す較正位置に関連付けられた値であると決定する。
【0091】
上記の点から、表面部分57の反射特徴に基づいて注射デバイス10の特性を決定する際、補足デバイス34はまた、2つの色パラメータD1およびD2と1つの輝度パラメータEとを含む3次元システムを利用することもできることが理解されよう。2つの色パラメータD1およびD2は、(A、B、C)の関数として計算される。たとえば、D1=A/(A+B+C)およびD2=B/(A+B+C)である。輝度パラメータEは、Cの関数として上記と同様に計算され、E=f(C)である。
【0092】
2次光センサユニット56の前述の動作は、プログラムメモリ42内に記憶された動作アプリケーション内に収容された命令に従ってプロセッサ40が動作することによって実現される。較正された露出時間(たとえば、t
1〜t
3)および前述の較正係数などの関連する較正情報は、動作アプリケーション内に収容された命令に従ってプロセッサ40が動作することによってアクセスすることができる。
【0093】
前述の実施形態は、単なる例示であり、本発明の範囲を限定するものではないことが理解されよう。他の変形形態および修正形態は、本出願を読めば当業者には明らかになるであろう。
【0094】
たとえば、いくつかの実施形態では、2次光センサユニット56は、複数の異なるセンサ60(たとえば、複数のフォトダイオード)を含む。しかし、そのような各センサは、特定の波長(または波長範囲)の光のみがセンサによって検出されるように入射光を濾波するように構成されたフィルタをさらに備える。そのような実施形態では、2次光センサユニット56は、第1の波長λ
1の反射光を検出するように構成された1つまたはそれ以上のセンサを含む。2次光センサユニット56はまた、第2の波長λ
2の反射光を検出するように構成された1つまたはそれ以上のセンサを含む。2次光センサユニット56は、第3の波長λ
3の光を検出するように構成された1つまたはそれ以上のセンサをさらに含む。この実施形態では、プロセッサ40は、使用の際、第1〜第3の光源58a〜58c(またはこれらの群)に、第1〜第3の波長λ
1〜λ
3の光を表面部分57上へ同時に放出させる。これは、前述の信号(すなわち、第1〜第3の信号S1〜S3)に類似の第1〜第3の信号が同時に生成されるようにする。
【0095】
前段落に略述した実施形態では、異なる波長の光に対するそれぞれの露出時間が同時に経過するが、そのような露出時間は、持続時間の異なるものとすることができる。これは、較正目的のためである。具体的には、これは、表面部分57(または少なくとも表面部分57のうち光がそこからセンサ上へ反射する部分)が中間色(たとえば、灰色)である場合、異なる波長の光を検出したことに応答してそれぞれのセンサによって生成される信号が実質的に類似するようにすることである。より具体的には、この状況で、それぞれの露出時間中のそれぞれの波長の反射光の強度を示すそれぞれのセンサによって生成される信号は、実質的に類似している。
【0096】
2つ以上の光の波長の反射応答を使用して注射デバイスの特性を決定することについて説明してきたが、いくつかの他の実施形態では、単一の光の波長の反射応答を分析することによって特性を決定することができることが想定される。そのような決定を行うためにそのような分析中に収集されたデータをどのように処理することができるかは、当業者にはよく知られている。
【0097】
最終的に、いくつかの実施形態では、補足デバイス34が使用中であるとき、表面部分57から反射される光は、補足デバイス34の1つまたはそれ以上の反射面(たとえば、鏡)を介してセンサ60上へ向けることができる。そのような実施形態では、表面部分57は、使用時にセンサ60の視野内に位置することができるが、センサ60の見通し線内には位置しない。
【0098】
最後に、本出願の開示は、本明細書に明示的もしくは暗示的に開示されるあらゆる新規な特徴もしくはあらゆる新規な特徴の組合せ、またはそのあらゆる一般化を含むことを理解されたい。本出願または本出願から導出されるあらゆる出願の手続中、あらゆるそのような特徴および/またはそのような特徴の組合せを包含するために、新しい請求項を構築することができる。