【実施例】
【0067】
以下の例により本発明を説明し、これらの例は、何ら本発明を限定することを意図するものではない。
【0068】
〔実施例1〕
上記で考察される遺伝的アルゴリズムを使用してモザイク抗原Gag、Pol、Nef、及びEnv配列(配列番号1〜8)を作成した。次にそれらの配列をワクチン開発に実用的なものとするため、Env(配列番号9〜11)において切断/融合活性を除去し、Pol(配列番号12〜14)において触媒活性を除去し、Nef(配列番号16〜18)においてミリスチル化部位を除去し、及びGagNef、GagPol、又はGagPolNef(配列番号19〜29)を含む融合コンストラクトを作成することにより修飾した。コンパレータ最適天然クレードC遺伝子もまた示される(配列番号30〜36)。
【0069】
〔実施例2〕
Mコンセンサス(第1群)、二価Mモザイク(第2群)、又は最適天然クレードC(第3群)配列由来のGag、Pol、及びEnv遺伝子を発現する3×10
10個のvp rAd26ベクターで20匹のアカゲザルを免疫した。Mコンセンサス配列は、世界中の循環ウイルスの唯一最良の「平均」を表す合成配列に相当する。二価Mモザイク配列は上記に記載される。最適天然クレードC配列は、特性が最も「コンセンサス様」である実際のクレードC HIV−1ウイルス由来の天然に存在する配列である。全潜在的T細胞エピトープ(PTE)ペプチドセットからの応答ペプチド数を調べることにより、細胞性免疫幅を評価した。PTEペプチドは、全HIV−1配列の85%超に相当し、NIHから自由に入手することができる。
【0070】
結果は、新規二価Mモザイク配列が、これらの他の2つの有力な抗原コンセプトより著しく優れていたことを示す。表1に示されるとおり、二価Mモザイク抗原は、Mコンセンサス抗原及び最適天然クレードC抗原と比較して、Gag特異的、Env特異的、Pol特異的、及び合計Tリンパ球の応答幅の有意な増加を誘発した。(平均値は、各サル群における平均エピトープ数を表す;SEMは平均値の標準誤差を表す)。
【表1】
【0071】
〔実施例3〕
実施例2に記載されるMコンセンサス(第1群;n=7)、二価Mモザイク(第2群;n=7)、又は最適天然クレードC(第3群;n=6)配列由来のGag、Pol、及びEnv遺伝子を発現する3×10
10個のvp rAd26ベクターでマカクザルを筋肉内免疫した。全潜在的T細胞エピトープ(PTE)ペプチドセットからの応答ペプチド数を調べることにより、細胞性免疫幅を評価した。
【0072】
読み出す情報として、プールPTEペプチドに対するCD4/CD8 IFNγ Elispot応答(大きさ)を評価した。15merのPTEペプチドを用いてエピトープを完全にマッピングし、陽性の数(陽性は、10
6個のPBMC当たり55個のスポット形成細胞(SFC)及びバックグラウンドの4倍として定義した)を評価した。完全なタンパク質のセットと応答を比較するため、5個のGagタンパク質にわたる重複ペプチドのプールセットも試験した。
【0073】
結果は、二価Mモザイク配列が、他の2つの有力な抗原コンセプト(Mcon及びOptC)より著しく優れていたことを示す。
【0074】
〔実施例4〕
モデリングを使用して、T細胞応答がモザイクワクチンの結果として増加するという本発明者らの観察を検証した。反応性ペプチド数をワクチン、ポリペプチド、及びT細胞型の関数として予測し、次に交互作用のステップワイズ除去を行ったポアソン回帰モデルをフィットした。モザイクワクチンは陽性PTE応答数の高度に有意な亢進をもたらしたが、それは、あらゆるポリタンパク質及びT細胞型にわたって多かれ少なかれ一様にもたらされたことが認められた。従って、動物が投与を受けるT細胞、ポリペプチド、及びワクチンのタイプに個別に依存する寄与分を合わせることにより、動物において陽性効果を有するペプチド数を予測し得る。
【0075】
これらのモデルはまた、動物間のばらつきを考慮するため変量効果も含んだ。これは、モデルの予測力を適切に割り当てることによりp値の信頼性を高めるために設計される予防措置である。
【0076】
以下の効果が認められた:
a)CD8応答はCD4応答と比べてはるかに多く、4.37倍である(p<2×10
−16);
b)gp160ではgag又はpolと比べて応答が少なく、0.54倍であり(p=0.000830)、及びgagとpolとの間に(polはGagの2倍長く、従って応答する確率がより高いため、配列長さにより正規化した場合であっても)有意差はない;及び
c)モザイクワクチンはMconと比べて有意により多くの陽性応答をもたらし(3.6倍、p=6.26×10
−11)、一方、OptCがもたらす応答はより少なく、但しMcon−OptCの差は有意ではない。
【0077】
〔実施例5〕
ワクチンにより誘発され、PTEペプチドにより検出される最小応答数だけを考え、従って変異に関わらず8アミノ酸以上重複する全てのペプチドを1回のみ数える場合にも、モザイクワクチンはなお、別個の領域に対するより多い応答数をもたらす。
【0078】
CD8について、各重複ペプチドセットを1回のみ数える:
統計概要:
Mos2>Mcon〜OptC(MconはOptCより応答が多い傾向を示す)
Mconと比較したMos2についてのウィルコクソンp値:p値=0.0009992最適Cと比較したMconについてのウィルコクソンp値:p値=0.2351
【0079】
【0080】
CD4について、各重複ペプチドセットを1回のみ数える(CD4には重複はほとんどないため、これは最初のカウントとほぼ同じである)。
【0081】
統計概要:
Mos2>>Mcon〜OptC(MconはOptCより応答が多い傾向を示す)
Mconと比較したMos2についてのウィルコクソンp値:p値=0.00198
最適Cと比較したMconについてのウィルコクソンp値:0.099
【0082】
【0083】
〔実施例6〕各重複ペプチドセットを1回のみ数えるポアソン回帰
重複PTEペプチドを使用して以下を決定したが、これは、各陽性PTE応答を別のものとして数えた上記の実施例4で考察した結果と広く一致している:
a)CD8応答はCD4応答と比べてはるかに多く、約2.8倍である(p≒1×10
−7;
b)モザイクワクチンはMconと比べて有意により多くの陽性応答をもたらし(2.84倍、p≒4.3×10
−7)、一方OptCがもたらす応答はより少なく、但しMcon−OptCの差は有意ではない;及び
c)Gagに対する応答よりPolに対する応答が多く、及びgp160に対する応答よりGagに対する応答が多いが、有意であったのはPol−gp160の差のみで、約2倍であった(p<0.001)。
【0084】
〔実施例7〕
以下の表は、2モザイク(Mos2)又はMconのワクチン接種を受けた7動物、及び最適天然Cクレード(OptC)のワクチン接種を受けた6動物における3つのワクチンに対するGag、Pol、及びEnv応答に対する応答合計の集計表である:
【0085】
OptCワクチンは、全てのサルにわたり、タンパク質当たりのCD8+ T細胞応答より僅かに少ない平均応答をもたらした。Mconワクチンは、タンパク質当たり約1つの応答を示した。Mos2に関してのみタンパク質の違いが認められ、ここでEnvは、典型的にはGag又はPolのいずれと比べても応答が少ない。
【0086】
Mos2ワクチン中のタンパク質の各々は多くの応答を誘発し、全般的な応答に寄与した。不活化polに対する修飾、並びにEnvにおける切断及び融合ドメインの欠失後のコンセンサスタンパク質の相対的な長さは、以下のとおりであった:Envの671アミノ酸、Polの851、Gagの498(1.35:1.7:1)。
【0087】
要約
幅:2モザイクワクチンは、Mコンセンサス又は単一最適天然株よりはるかに多くのエピトープ領域の認識能を有するT細胞応答を誘発する。
【0088】
深さ:認識されたPTEペプチドの多様性は、2モザイクの双方の型が変異ペプチドに対する異なるT細胞応答を誘発し、交差反応の可能性が増加していることを示唆する。
【0089】
〔実施例8〕
本発明のモザイクHIV−1ワクチンは、アカゲザルにおける細胞性免疫応答の幅及び深さを拡大する。HIV−1 M群配列のPTE有効範囲を最適化したモザイクHIV−1 Gag、Pol、及びEnv抗原を作成した。HIV−1 M群配列は、ロスアラモスHIV−1配列データベース内の全ての主要なHIV−1クレード及び組換え系統を含む。二価モザイク戦略を利用して、理論的な有効範囲と実用性との競合問題について均衡をとった。二価モザイクHIV−1 Gag、Pol、及びEnv抗原は、アカゲザルにおいてコンセンサス配列及び天然配列のHIV−1抗原を使用して観察される免疫応答と比べて、アカゲザルにおけるエピトープ特異的CD8+及びCD4+ Tリンパ球応答の幅及び大きさ(深さ)を実質的に拡大した。
【0090】
27匹の非近交系アカゲザルを、以下の抗原を発現する組換えアデノウイルス血清型26(rAd26)ベクターの単回注射で免疫した:(i)二価モザイク(N=7)、(ii)Mコンセンサス(N=7)、(iii)クレードBとクレードC(N=7)とを組み合わせた二価、又は(iv)最適天然クレードC(N=6)HIV−1 Gag、Pol、及びEnv抗原。これらの抗原を発現するrAd26ベクターの3×10
10個のウイルス粒子の全用量を各動物に1回筋肉内投与した。最適クレードC抗原は、ロスアラモスHIV−1配列データベースにおけるクレードC配列の最大PTE有効範囲を提供するように選択した天然株配列であった(以下の「材料及び方法」で考察する)。ワクチンにより誘発されたHIV−1特異的Tリンパ球応答の幅及び大きさ(深さ)を、HIV−1 M群配列の少なくとも15%に存在する全てのPTEを含むペプチドのプール及びサブプールを利用して、免疫後4週目にIFN−γ ELISPOTアッセイにより評価した。全ての個々のペプチド応答を解析し、細胞枯渇IFN−γ ELISPOTアッセイを実施して、反応性ペプチドがCD8+又はCD4+ Tリンパ球エピトープに相当するかどうかを判断した。
【0091】
モザイク抗原により誘発されたPTEペプチドに対するGag特異的、Pol特異的、及びEnv特異的細胞性免疫応答の総数は、コンセンサス又は天然配列抗原により誘起された応答数と比べて3.8倍高かった(
図19A;P=1×10
−11、モザイクを次に高い群のコンセンサス抗原との比較、ポアソン回帰モデルに基づく)。CD4+ Tリンパ球応答と比べてCD8+は4.4倍多く(P<10
−11)、Gag又はPolに対する応答と比べてEnvに対する応答は少なかった(P<0.0007)。CD8+ Tリンパ球応答の中位数はモザイクワクチンについて最も高く、それにコンセンサス、組み合わせのB+C、及び天然クレードCワクチンが続いた(それぞれ、各群における動物当たりの応答の中央値は16、5、3、及び2)。全体ではCD4+ Tリンパ球応答はより少なかったが、CD4+ Tリンパ球応答に関しても、最高数がモザイクワクチンに対するもので、それにコンセンサス、組み合わせのB+C、及び天然クレードCワクチンが続く、同じ相対的パターンが現れた(それぞれ、各群における動物当たりの応答の中央値は4、1、1、及び0.5)。コンセンサス、組み合わせのB+C、及び天然クレードCワクチンにより誘発されたCD8+及びCD4+ Tリンパ球応答の数は、統計的には区別できなかった。
【0092】
PTEペプチドは、天然に存在するHIV−1配列多型を反映する複数の重複配列を含み、従ってPTEペプチド応答は、特定のエピトープの認識(幅)と当該エピトープの変異体の交差認識(深さ)との双方を包含する。サル当たりの反応性エピトープ領域の数を評価することにより幅の保存分析を実施し、ここでは8個以上のアミノ酸が重複する全ての反応性PTEペプチドを1イベントとして数えた。この保存分析においてもなお、モザイク抗原が、コンセンサス抗原又は天然配列抗原と比較したとき3.1倍多いGag、Pol、及びEnv反応性エピトープ領域数を誘発したことが観察された(
図19B;P=1.6×10
−7、ポアソン回帰)。エピトープ領域は、高いエピトープ密度の領域によって明らかなとおり、動物にわたっていくらかのクラスタ化を示した(
図20A〜
図20C及び
図21A〜
図21C)。応答領域ごとに整理した全ての陽性ペプチドの完全アラインメントを
図22に示す。
【0093】
これらのデータは、モザイク抗原が、Mコンセンサス及び天然クレードC抗原と比較したとき、細胞性免疫応答の幅を実質的に増加させたことを示す。二価モザイク抗原はまた、クレードB及びクレードC抗原の二価の組み合わせより優れていることも分かり(
図19A及び
図19B)、幅の亢進がモザイク配列設計に起因したもので、単純にタンパク質当たりに2つの異なる抗原配列を使用したことを反映したものではないことが示された。モザイク抗原により誘起された幅の増加により応答の潜在能力が損なわれたかどうかを判断するため、全ての個々のCD8+及びCD4+ Tリンパ球応答の大きさを評価した。これらの応答の大きさはあらゆる群間で同程度であることが分かった(
図23;それぞれP=0.58及びP=0.99、コルモゴロフ−スミルノフの両側検定)。このように、モザイク抗原は、個々のエピトープ特異的応答の大きさを損なうことなく細胞性免疫幅を拡大し、抗原競合及び免疫優性の制約が、この試験のモザイク抗原の免疫原性を制限しなかったことが示された。
【0094】
次に、様々なワクチンレジメンにより誘発された細胞性免疫応答の深さを特徴付けた。特定のエピトープ領域について同時に誘発された変異PTEペプチドの数として深さを定義した。複数の共通のエピトープ変異体に対する応答が誘起されると、感染ウイルス配列の免疫有効範囲は大きくなり、生体内で共通のエスケープ経路が遮断され、又は大きいフィットネスコストを被る三次エスケープ経路にウイルスが押し込まれ得る。コンセンサス及び天然配列抗原は、天然クレードC抗原の投与を受けたサル366における応答により例示されるとおりの、ワクチン配列と反応性PTEペプチドとの間の高度の配列同一性により特徴付けられる応答を誘発した(
図24A;また
図22も参照)。対照的に、モザイク抗原は、特定のエピトープ領域における複数の反応性PTEペプチドにより特徴付けられる応答を誘発した。これらのペプチドは共通の変異体を表し、多くの場合に、サル361における応答により例示されるとおり、モザイクワクチン配列に含まれる多型を反映した(
図24B;また
図22も参照)。これらの動物における全てのエピトープ特異的応答についての要約から、コンセンサス又は天然配列抗原と比較したとき、モザイク抗原は、2個以上の標的化された変異体を有するペプチドに対する細胞性免疫応答の頻度を増加させたことが実証される(
図24C;P=0.001、モザイクを次に高い群のコンセンサス抗原と比較するウィルコクソン順位和検定)。
【0095】
PTEペプチドを利用する分析を補足するため、5個の異なるGag配列:クレードC DU422、クレードC ZM651、コンセンサスC、コンセンサスA、及びコンセンサスBを包含する従来の重複ペプチドによるワクチン接種を受けたサルにおける細胞性免疫応答の幅も評価した。細胞性免疫幅は、各Gag配列にわたる10個の重複ペプチドのサブプールに対する反応性を評価することにより決定した。モザイク抗原は、コンセンサス又は天然配列抗原と比較したとき、試験した全てのGag配列に対してTリンパ球応答の増幅を誘発した(
図25;P=1×10
−7、二項回帰)。このように、モザイク抗原は、PTEペプチドに対するだけでなく、クレードA、B、及びC由来の実際のGagペプチドに対する細胞性免疫幅も増大させた。モザイク抗原は、クレードC Gagペプチドに対する応答の誘起について最適天然クレードC抗原より優れていることまでもが分かった。さらに、モザイク抗原は複数のクレード由来のGagペプチドに対する同程度の応答を誘発したが、一方、天然クレードC抗原は、クレードA及びクレードB Gagペプチドに対する応答の低下を示した(
図25)。
【0096】
これらの観察の耐久性を評価するため、モザイク、コンセンサス、及び最適天然クレードC抗原の投与を受けたサルを、初回の免疫で利用された配列と一致するHIV−1 Gag、Pol、及びEnv抗原を発現する異種ベクターrAd5HVR48の3×10
10個のウイルス粒子の合計用量で40週目に追加免疫した。10個のPTEペプチドのサブプールに対する反応性を4週目(プライミング後)及び44週目(追加免疫後)に評価することにより、細胞性免疫幅を決定した。プライミング免疫後に観察されたCD8+及びCD4+ Tリンパ球応答の大部分が、追加免疫後に拡大し(
図26A、赤色及び青色の線)、及び数多くの新規の応答も検出された(
図26A、赤色及び青色の点)。44週目、個々の細胞性免疫応答の大きさは群間で同程度であることが分かった(
図26A)。しかしながら、モザイク抗原により誘発されたサブプール応答の数は(動物当たりの応答の中央値27)、追加免疫後、コンセンサス抗原(動物当たりの応答の中央値11)又は最適天然クレードC抗原(動物当たりの応答の中央値10)により誘起されたサブプール応答の数と比べて実質的に高いままであった(
図26B)。追加免疫の前も、及び後も、モザイクワクチンにより誘発された動物当たりの応答は、コンセンサス又は天然クレードCワクチンによるものより多かった(P<0.001、全てのペアワイズ比較についてのウィルコクソン順位和検定)。
【0097】
また、追加免疫後、ELISA(
図26C)及びルシフェラーゼベースのシュードウイルス中和アッセイ(
図26D)によりEnv特異的体液性免疫応答も測定した。全ての群がクレードC gp140に対する同程度のELISA力価を示し、第1層クレードCウイルスMW965.26に対する同程度の中和抗体(NAb)応答を示した。モザイク抗原は、コンセンサス又は天然クレードC抗原と比較したとき、第1層クレードBウイルスSF162.LSに対する僅かに高いNab応答を誘発したが(P=0.02、ウィルコクソン順位和検定)、しかしながらどの群においても、第2層ウイルスに対するNAb応答は検出されなかった。
【0098】
本発明者らのデータは、モザイクHIV−1 Gag、Pol、及びEnv抗原が、理論的予想と良好に一致して、アカゲザルにおいてコンセンサス又は天然配列抗原と比較したときにエピトープ特異的細胞性免疫応答の幅及び深さの双方を増大させたことを実証する(
図27)。この試験におけるモザイク抗原に関する顕著な結果は、rAd26ベクターが、CD8+ Tリンパ球応答の誘発に特に効率的であるという事実、並びにモザイク抗原がCD8+ Tリンパ球幅の増大に特に有効であるように思われるという事実を反映したものであり得る(
図19A及び
図19B)。また、モザイク抗原に関してCD4+ Tリンパ球幅の亢進も認められたが、しかしながらそれらの応答数は実質的により少なかった。
【0099】
Gag特異的細胞性免疫応答の幅は、アカゲザルにおけるSIV制御及びヒトにおけるHIV−1制御にとって重要であることが示されている。さらに、第2b相STEP試験において、天然クレードB Gag、Pol、及びNef抗原を発現するrAd5ベースのHIV−1ワクチン候補は、限られた幅のHIV−1特異的細胞性免疫応答しか誘発せず、ワクチン有益性は認められなかった。STEP試験のワクチン被接種体は、Gagに対するわずか1のエピトープ特異的応答の中央値を含め、わずか2〜3のエピトープ特異的Tリンパ球応答の中央値を生じ、この極めて狭い幅の細胞性免疫応答が、感染ウイルスの多様性の不十分な免疫有効範囲をもたらしたように思われる。CD8+ Tリンパ球からのウイルスエスケープもまた、急性HIV−1感染において急速に起こることが報告されており、従って共通のエピトープ変異体に対するワクチンにより誘発された細胞性免疫応答もまた重要であることが分かり得る。まとめると、以上の試験は、細胞性免疫の幅及び深さを増大させるHIV−1ワクチン戦略を開発する必要性を強調するものである。
【0100】
本発明者らはこの試験においてモザイクHIV−1抗原を評価したため、SIV攻撃誘発に対するこうしたワクチンレジメンの防御効力を評価することはできなかった。しかしながら、本発明者らは、rAdベクターにより誘発されたSIV特異的細胞性免疫応答の幅が、アカゲザルにおいてSIV攻撃誘発に対する防御効力と相関していることを以前報告している(Liuら、Nature 457:87頁、2009年)。本発明者らはまた、変異エピトープに対する細胞性免疫応答が、アカゲザルにおいてインビボでSIV突然変異進化を阻止することができることも示しており(Barouchら、Nat.Immunol.6:247頁、2005年)、細胞性免疫の深さの拡大の生物学的関連性が示唆される。非ヒト霊長類におけるSIV攻撃誘発に対するモザイクワクチンの防御効力のモデリングには固有の限界があり、これは、SIVとHIV−1 M群配列とでは観察される多様性が実質的に異なり、影響を受ける基礎となる生物学が異なるためである。例えば、スーティーマンガベイなどの天然宿主におけるCD8+ Tリンパ球選択圧は、ヒトにおけるものと比べて実質的に低いものと思われる。従って、候補HIV−1ワクチンとしてのモザイク抗原のさらなる評価には、臨床治験が役立ち得る。
【0101】
要約すれば、本発明者らは、アカゲザルにおいて二価モザイクHIV−1 Gag、Pol、及びEnv抗原が細胞性免疫幅及び深さを実質的に拡大したことを実証する。全体的なウイルス多様性及び細胞性免疫応答からのウイルスのエスケープは、T細胞ベースのHIV−1ワクチンの開発における決定的な難関に相当するため、こうした知見は、HIV−1ワクチン開発に対する重要な含意を有する。モザイク抗原の二価カクテルはまた、臨床開発が実際的及び潜在的に実現可能でもある。モザイク抗原の結合価が増加すると、有効範囲がさらに向上し得る。最後に、このモザイク抗原戦略は一般化可能であり、HIV−1に加えて他の遺伝的に多様な病原体に利用される可能性がある。
【0102】
材料及び方法
抗原設計及びベクター産生。本質的に、ロスアラモスHIV−1配列データベースにおけるHIV−1 M群配列の最適な有効範囲を提供するように二価モザイクGag、Pol、及びEnv抗原を作成した。ロスアラモスHIV−1配列データベースにおける最適PTE有効範囲のクレードC配列を提供する配列となるように最適天然クレードC抗原を選択した(C.IN.−.70177 Gag、C.ZA.04.04ZASK208B1 Pol、C.SN.90.90SE_364 Env)。準コンセンサス又はコンセンサス配列となるようにクレードB抗原を選択し(B.CAM−1 Gag、B.IIIB Pol、B.Con Env)、それを用いて二価クレードB+Cワクチン手法に対する最適クレードC抗原を補足した。Pol抗原はRT及びINを含んでPRを含まず、及び記載されるとおり触媒活性を除去する点突然変異を含んだ(Priddyら、Clinical infectious diseases 46:1769頁、2008年)。Env gp140抗原は、切断及び融合活性を除去する点突然変異を含んだ。ワクチン配列を
図27に示す。組換え複製無能アデノウイルス血清型26(rAd26)及びそれらの抗原を発現するヘキソン−キメラrAd5HVR48ベクターをPER.55K細胞で成長させて、本質的に記載されるとおり二重CsCl勾配沈降により精製した(Abbinkら、J.Virol.81:4654頁、2007年、及びRobertsら、Nature 441:239頁、2006年)。
【0103】
動物及び免疫化。MHCクラスI対立遺伝子Mamu−A
*01を発現しなかった27匹の非近交系アカゲザルをNew England Primate Research Center(NEPRC)、Southborough、MAで飼育した。免疫化は、モザイク、Mコンセンサス、クレードB+クレードC、又は最適天然クレードC HIV−1 Gag、Pol、及びEnv抗原を発現する3×10
10個のウイルス粒子rAd26又はrAd5HVR48ベクターを、1mlの筋肉内注射として0週目及び40週目に双方の大腿四頭筋に送達することを含んだ。全ての動物試験は、本発明者らの研究機関内の動物の管理及び使用に関する委員会(Institutional Animal Care and Use Committees:IACUC)により承認された。
【0104】
IFN−γ ELISPOTアッセイ。ワクチン接種を受けたサルにおけるHIV−1特異的細胞性免疫応答を、本質的に記載されるとおりインターフェロン−γ(IFN−γ)ELISPOTアッセイにより評価した(Robertsら、Nature 441:239頁、2006年、及びLiuら、Nature 457:87頁、2009年)。HIV−1 M群配列の少なくとも15%に存在するHIV−1 Gag、Pol、及びEnvの潜在的T細胞エピトープ(PTE)ペプチド、並びにクレードC DU422、クレードC ZM651、コンセンサスC、コンセンサスA、及びコンセンサスB株由来のHIV−1 Gagペプチドを、NIH AIDS Research and Reference Reagent Programから入手した。96ウェルマルチスクリーンプレート(Millipore)を、エンドトキシンフリーのダルベッコPBS(D−PBS)中の10μg/ml抗ヒトIFN−γ(BD Biosciences)の100μl/ウェルで一晩コートした。次にプレートを0.25%Tween−20含有D−PBS(D−PBS/Tween)で3回洗浄し、37℃で5%FBS含有D−PBSにより2時間ブロックし、D−PBS/Tweenで3回洗浄し、10%FBS含有RPMI 1640でリンスしてTween−20を取り除き、100μlの反応量で3通りに各2μg/mlのペプチド及び2×10
5PBMCと共にインキュベートした。37℃で18時間インキュベートした後、プレートをPBS/Tweenで9回及び蒸留水で1回洗浄した。次にプレートを、2μg/mlのビオチン化抗ヒトIFN−γ(BD Biosciences)と共に室温で2時間インキュベートし、PBS/Tweenで6回洗浄し、1:500希釈のストレプトアビジン−アルカリ性ホスファターゼ(Southern Biotechnology Associates)と共に2時間インキュベートした。PBS/Tweenで5回及びPBSで1回洗浄した後、プレートをニトロブルーテトラゾリウム/5−ブロモ−4−クロロ−3−インドリル−リン酸色原体(Pierce)で展開し、水道水で洗浄することにより停止させ、風乾し、ELISPOTリーダー(Cellular Technology Ltd)を使用して読み取った。10
6個のPBMC当たりのスポット形成細胞(SFC)を計算した。媒質バックグラウンドは、典型的には10
6PBMC当たり15SFC未満であった。陽性応答は、10
6個のPBMC当たり55個より多いSFC、且つバックグラウンドの4倍超として定義した。
【0105】
エピトープマッピング。NIH AIDS Research and Reference Reagent Programから入手したGag、Pol、及びEnv PTEペプチドを利用して、包括的なCD8+及びCD4+ Tリンパ球エピトープマッピングを実施した。最初に完全ペプチドプールで、並びに10個のPTEペプチドを含むサブプールで免疫した後4週目に、IFN−γ ELISPOTアッセイを行った。陽性応答を有する全てのペプチドサブプールをデコンボリューション処理し、個々の15アミノ酸PTEペプチドでエピトープが確認された。次に細胞枯渇IFN−γ ELISPOTアッセイを実施して、反応性ペプチドがCD8+又はCD4+ Tリンパ球エピトープに相当するかどうかを判断した。追加免疫の4週間後44週目にPTEサブプールを利用した部分的エピトープマッピングもまた実施した。ボーダーラインの応答は全て再試験し、確認された場合にのみ陽性と見なした。10個の重複Gagペプチドを含むサブプールを利用した部分的エピトープマッピングもまた実施し、様々なクレード由来のHIV−1 Gagの幅を評価した。
【0106】
体液性免疫アッセイ。本質的に記載されるとおり、HIV−1クレードC Env gp140及びルシフェラーゼベースのシュードウイルス中和アッセイを利用する直接ELISAにより、Env特異的体液性免疫応答について調べた(Montefiori、「Evaluating neutralizing antibodies against HIV, SIV and SHIV in luciferase reporter gene assays」、Current Protocols in Immunology、Coligan、Kruisbeek、Margulies、Shevach、Strober、及びCoico編(John Wiley & Sons、2004年、1〜15頁)。
【0107】
統計分析。全ての統計分析はパッケージR(Team、Foundation for Statisical Computing、Vienna、オーストリア、2009年)を使用して行った。細胞性免疫応答の幅を分析してPTEペプチドをマッピングするため(
図19A)、ワクチン群、抗原(Gag、Pol、Env)、及びリンパ球部分母集団(CD4、CD8)の関数として反応性ペプチドの数を予想するポアソン回帰モデルをフィットさせた。本発明者らのモデルでは、動物間のばらつきに対応するため変量効果を含め、パッケージRのlme4ライブラリ(Pinheiro、Springer、New York(2000年))によりフィットさせた。データはモデルを良好にフィットし(分散パラメータ1.0)、3個の説明因子間に有意な交互作用はなかった。例えば、モザイク抗原の投与を受けたサルによって認識されたPTEペプチド数が、コンセンサス又は天然配列抗原の投与を受けた場合と比較したとき3.8倍亢進したことは(
図19A)、Gag、Pol、及びEnv由来のPTEに等しく当てはまり、CD8+並びにCD4+ Tリンパ球による応答について維持された。反応性エピトープ領域数の分析(
図19B)にもまた変量効果を伴うポアソン回帰モデルを含め、これもまた有意な交互作用なしに良好にフィットした(分散パラメータ0.87)。コルモゴロフ−スミルノフの両側検定を利用してCD8+及びCD4+ Tリンパ球応答の大きさの比較(
図23)を実施した。サル当たりの応答の幅及び深さを種々のワクチン間で比較するノンパラメトリック検定もまた実施した(
図19A及び
図24C)。本発明者らは、4つのワクチン群間に違いがあるかどうかを判断するため最初にクラスカル・ワリス検定を用いた。いずれの場合も、これは高度に有意であったとともに、次に本発明者らはウィルコクソン順位和検定を使用して4つのワクチン群間の全てのペアワイズ比較を評価した。これらの比較の各々において、モザイクワクチンが誘発したサル当たりの応答は、他の3つのワクチンと比べて有意に多かった。様々なクレード由来のHIV−1 Gagに対する応答の幅を分析するため(
図25)、データを二項回帰モデルにフィットさせた。これらのモデルでは説明変数としてワクチン群を使用し、動物間及び株間のばらつきを考慮するため変量効果を含めた。データは僅かに過小分散であったが、モザイクワクチンの投与を受けた動物はなお有意により多い応答数を誘発した。ロスアラモスHIV−1配列データベースで利用可能なツールを使用してPTE有効範囲の評価を実施した。
【0108】
配列別添資料
I.二価MモザイクENV GP160、GAG、POL、NEF配列
モザイクENV1 GP160(アミノ酸配列)
配列番号1
【0109】
モザイクENV2 GP160(アミノ酸配列)
配列番号2
【0110】
モザイクGAG1(アミノ酸配列)
配列番号3
【0111】
モザイクGAG2(アミノ酸配列)
配列番号4
【0112】
モザイクPOL1(アミノ酸配列)
配列番号5
【0113】
モザイクPOL2(アミノ酸配列)
配列番号6
【0114】
モザイクNEF1(アミノ酸配列)
配列番号7
【0115】
モザイクNEF2(アミノ酸配列)
配列番号8
【0116】
II.二価MモザイクENV GP140配列(切断/融合欠損)
モザイクENV1 GP140(アミノ酸配列)
配列番号9
【0117】
【0118】
モザイクENV2 GP140(アミノ酸配列)
配列番号10
【0119】
MOS3 ENV GP140(アミノ酸配列)
678アミノ酸
配列番号11
【0120】
III.二価MモザイクPOL配列(広範囲に不活化、PR欠失、9個のAの不活化突然変異による触媒活性の除去)
モザイクPOL1(アミノ酸配列)
配列番号12
【0121】
モザイクPOL2(アミノ酸配列)
配列番号13
【0122】
MOS3 POL V3(アミノ酸配列)
851アミノ酸
配列番号14
【0123】
IV.二価MモザイクGAG配列
MOS3 GAG(アミノ酸配列)
508アミノ酸
配列番号15
【0124】
V.二価MモザイクNEF配列(2位のGをAにすることによるミリスチル化部位の欠失)
MOS1 NEF
(206アミノ酸)
配列番号16
【0125】
MOS2 NEF
(206アミノ酸)−2位のGをAにすることによるミリスチル化部位の欠失
配列番号17
【0126】
MOS3 NEF
(208アミノ酸)
配列番号18
【0127】
VI.二価MモザイクGAGNEF融合配列
モザイクGAGNEF1(アミノ酸配列)
配列番号19
【0128】
モザイクGAGNEF2(アミノ酸配列)
配列番号20
【0129】
【0130】
VII.二価MモザイクGAGPOL融合配列(バージョン3;POLは広範囲に不活化、PR欠失、9個のAの不活化突然変異による触媒活性の除去)
モザイクGAGPOL1 V3(アミノ酸配列)
配列番号21
【0131】
モザイクGAGPOL2 V3(アミノ酸配列)
配列番号22
【0132】
【0133】
MOS3 GAG−POL V3(アミノ酸配列)
1359アミノ酸−完全GAGと修飾POLとのGAG−POL融合
配列番号23
【0134】
【0135】
VIII.二価MモザイクGAGPOL融合配列(バージョン4;POLは最小限の不活化、完全なPR−RT−IN)
モザイクGAGPOL1 V4(アミノ酸配列)
配列番号24
【0136】
モザイクGAGPOL2 V4(アミノ酸配列)
配列番号25
【0137】
【0138】
IX.二価MモザイクGAGPOL融合配列(バージョン5;POLは最小限の不活化、PR欠失)
モザイクGAGPOL1 V5(アミノ酸配列)
配列番号26
【0139】
【0140】
モザイクGAGPOL2 V5(アミノ酸配列)
配列番号27
【0141】
X.二価MモザイクGAGPOLNEF融合配列(POLは広範囲に不活化、PR欠失)モザイクGagPolNef1(アミノ酸配列)
配列番号28
【0142】
【0143】
モザイクGAGPOLNEF2(アミノ酸配列)
配列番号29
【0144】
【0145】
XI.最適クレードC ENV GP160、GAG、POL、NEF配列
最適クレードC ENV GP160(SN90.90.SE364)(アミノ酸配列)配列番号30
【0146】
最適クレードC GAG(IN.70177)(アミノ酸配列)
配列番号31
【0147】
最適クレードC POL(ZA.04.04ZASK208B1)(アミノ酸配列)
配列番号32
【0148】
【0149】
最適クレードC NEF(ZA00.1170MB)(アミノ酸配列)
配列番号33
【0150】
XII.最適クレードC ENV GP140配列(切断/融合欠損)
最適クレードC ENV GP140(SN90.90.SE364)(アミノ酸配列)配列番号34
【0151】
XIII.最適クレードC POL 配列(広範囲に不活化、PR欠失)
最適クレードC POL(ZA.04.04ZASK208B1)(アミノ酸配列)
配列番号35
【0152】
XIV.最適クレードC GAGNEF融合配列
最適クレードC GAGNEF(IN.70177−ZA00.1170MB)(アミノ酸配列)
配列番号36
【0153】
XV.コンセンサス配列
MコンセンサスENV
配列番号37
【0154】
MコンセンサスGAG
配列番号38
【0155】
MコンセンサスPOL
配列番号39
【0156】
【0157】
他の実施形態
本発明はその特定の実施形態に関連して記載されているが、さらなる変更が可能であり、及び本願が、概して本発明の原理に従い、且つ本発明が関係する技術分野のなかの公知の又は通常の実施の範囲内に含まれるとともに本明細書で以上に示された本質的な特徴に該当し得る本開示からのかかる逸脱を含む本発明の任意の変形例、使用、又は適応を包含することを意図していることは理解されるであろう。
【0158】
本明細書において言及される全ての刊行物及び特許出願は、あたかも各々の独立した刊行物又は特許出願が、全体として参照により援用されるように具体的且つ個別的に示されたのと同じ程度まで、参照により本明細書に援用される。
以下、本発明の実施形態を示す。
(1)少なくとも2個の別個の最適化ウイルスポリペプチドを含む、哺乳動物におけるウイルス感染症を治療し、又はそのリスクを低減するワクチンであって、前記最適化ウイルスポリペプチドが同じウイルス遺伝子産物に対応する、前記ワクチン。
(2)前記哺乳動物がヒトである、(1)に記載のワクチン。
(3)前記ワクチンが、前記ウイルス遺伝子産物に対する細胞性免疫応答を誘発する、(1)に記載のワクチン。
(4)前記ウイルス感染症が、レトロウイルス、レオウイルス、ピコルナウイルス、トガウイルス、オルトミクソウイルス、パラミクソウイルス、カリシウイルス、アレナウイルス、フラビウイルス、フィロウイルス、ブニヤウイルス、コロナウイルス、アストロウイルス、アデノウイルス、パピローマウイルス、パルボウイルス、ヘルペスウイルス、ヘパドナウイルス、ポックスウイルス、又はポリオーマウイルスにより引き起こされる、(1)に記載のワクチン。
(5)前記レトロウイルスがヒト免疫不全ウイルス1型(HIV−1)である、(4)に記載のワクチン。
(6)前記ウイルス遺伝子産物が、Gag、Pol、Env、Nef、Tat、Rev、Vif、Vpr、及びVpuからなる群から選択される、(5)に記載のワクチン。
(7)前記ワクチンが、Gag、Pol、Env、Nef、Tat、Rev、Vif、Vpr、及びVpuからなる群から選択される前記ウイルス遺伝子産物のうちの1つに対応する最適化ウイルスポリペプチドを2個以下含む、(6)に記載のワクチン。
(8)前記ワクチンが、Gag及びNefに対応する最適化ウイルスポリペプチドを含まない、(5)又は(6)に記載のワクチン。
(9)配列番号1〜29に示される配列のいずれか1つと少なくとも85%のアミノ酸配列同一性を有する少なくとも7個の連続するアミノ酸を含む最適化ウイルスポリペプチドを含む、哺乳動物におけるヒト免疫不全ウイルス1型(HIV−1)感染症を治療し、又はそのリスクを低減するワクチン。
(10)前記最適化ウイルスポリペプチドが、配列番号1〜29に示される配列のいずれか1つとのアミノ酸配列同一性を有する少なくとも7個の連続するアミノ酸を含む、(9)に記載のワクチン。
(11)前記最適化ウイルスポリペプチドが、配列番号1〜29に示される配列のいずれか1つのアミノ酸配列を含む、(9)に記載のワクチン。
(12)前記哺乳動物がヒトである、(9)に記載のワクチン。
(13)前記ワクチンが、HIV−1に対する細胞性免疫応答を誘発する、(9)に記載のワクチン。
(14)前記ワクチンが、少なくとも2つの前記最適化ウイルスポリペプチドを含む、(9)に記載のワクチン。
(15)前記少なくとも2つの前記最適化ウイルスポリペプチドが、
a) 配列番号1及び2;
b) 配列番号3及び4;
c) 配列番号5及び6;
d) 配列番号7及び8;
e) 配列番号9及び10;
f) 配列番号10及び11;
g) 配列番号9及び11;
h) 配列番号12及び13;
i) 配列番号13及び14;
j) 配列番号12及び14;
k) 配列番号3及び15;
l) 配列番号4及び15;
m) 配列番号16及び17;
n) 配列番号17及び18;
o) 配列番号16及び18;
p) 配列番号19及び20;
q) 配列番号21及び22;
r) 配列番号22及び23;
s) 配列番号21及び23;
t) 配列番号24及び25;
u) 配列番号26及び27;又は
v) 配列番号28及び29、
を含む、(14)に記載のワクチン。
(16)前記ワクチンが、少なくとも3つの前記最適化ウイルスポリペプチドを含む、(9)に記載のワクチン。
(17)前記ワクチンが、少なくとも4つの前記最適化ウイルスポリペプチドを含む、(9)に記載のワクチン。
(18)別個の最適化ウイルスポリペプチドの少なくとも2つの対を含む、哺乳動物におけるウイルス感染症を治療し、又はそのリスクを低減するワクチンであって、前記最適化ウイルスポリペプチドの各対が同じウイルス遺伝子産物に対応し、及び前記ワクチンに組み込まれる2個以下の最適化ウイルスポリペプチドが同じウイルス遺伝子産物に対応する、前記ワクチン。
(19)前記哺乳動物がヒトである、(18)に記載のワクチン。
(20)前記ワクチンが、前記ウイルス遺伝子産物に対する細胞性免疫応答を誘発する、(18)に記載のワクチン。
(21)別個の最適化ウイルスポリペプチドの少なくとも3つの対を含む、(18)に記載のワクチン。
(22)別個の最適化ウイルスポリペプチドの少なくとも4つの対を含む、(18)に記載のワクチン。
(23)前記ウイルス感染症が、レトロウイルス、レオウイルス、ピコルナウイルス、トガウイルス、オルトミクソウイルス、パラミクソウイルス、カリシウイルス、アレナウイルス、フラビウイルス、フィロウイルス、ブニヤウイルス、コロナウイルス、アストロウイルス、アデノウイルス、パピローマウイルス、パルボウイルス、ヘルペスウイルス、ヘパドナウイルス、ポックスウイルス、又はポリオーマウイルスにより引き起こされる、(18)に記載のワクチン。
(24)前記レトロウイルスがヒト免疫不全ウイルス1型(HIV−1)である、(23)に記載のワクチン。
(25)前記別個の最適化ウイルスポリペプチドの少なくとも2つの対が、Gag、Pol、Env、Nef、Tat、Rev、Vif、Vpr、及びVpuからなる群から選択される前記ウイルス遺伝子産物のうちの任意の2つに対応する、(24)に記載のワクチン。
(26)前記少なくとも2つのウイルス遺伝子産物が、Gag及びNefではない、(25)に記載のワクチン。
(27)Gag、Pol、Env、Nef、Tat、Rev、Vif、Vpr、及びVpuからなる群から選択される前記ウイルス遺伝子産物のうちの任意の3つに対応する別個の最適化ウイルスポリペプチドの少なくとも3つの対を含む、(25)に記載のワクチン。
(28)Gag、Pol、Env、Nef、Tat、Rev、Vif、Vpr、及びVpuからなる群から選択される前記ウイルス遺伝子産物のうちの任意の4つに対応する別個の最適化ウイルスポリペプチドの少なくとも4つの対を含む、(18)に記載のワクチン。
(29)前記ワクチンが、HIV−1に対する細胞性免疫応答を誘発する、(24)に記載のワクチン。
(30)少なくとも1つの別個の最適化ウイルスポリペプチドのヌクレオチド配列が核酸又はベクターによりコードされる、(1)、(9)又は(18)に記載のワクチン。
(31)前記ベクターが組換えアデノウイルスである、(30)に記載のワクチン。
(32)前記組換えアデノウイルスが、アデノウイルス血清型26(Ad26)、アデノウイルス血清型34(Ad34)、アデノウイルス血清型35(Ad35)、アデノウイルス血清型48(Ad48)、又はアデノウイルス血清型5 HVR48(Ad5HVR48)である、(31)に記載のワクチン。
(33)薬学的に許容可能な担体、賦形剤、又は希釈剤とさらに組み合わされた、(1)、(9)又は(18)に記載のワクチン。
(34)配列番号1〜29に示されるアミノ酸配列のいずれか1つと少なくとも85%のアミノ酸配列同一性を有する少なくとも7個の連続するアミノ酸を含む最適化ウイルスポリペプチドのヌクレオチド配列を含む核酸。
(35)前記最適化ウイルスポリペプチドが、配列番号1〜29に示されるアミノ酸配列のいずれか1つと配列同一性を有する少なくとも7個の連続するアミノ酸を含む、(34)に記載の核酸。
(36)前記最適化ウイルスポリペプチドが、配列番号1〜29に示されるアミノ酸配列のいずれか1つを含む、(34)に記載の核酸。
(37)ベクターをさらに含む、(34)に記載の核酸。
(38)前記ベクターが組換えアデノウイルスである、(37)に記載の核酸。
(39)前記組換えアデノウイルスが、アデノウイルス血清型26(Ad26)、アデノウイルス血清型34(Ad34)、アデノウイルス血清型35(Ad35)、アデノウイルス血清型48(Ad48)、又はアデノウイルス血清型5 HVR48(Ad5HVR48)である、(38)に記載の核酸。
(40)配列番号1〜29に示されるアミノ酸配列のいずれか1つと少なくとも85%のアミノ酸配列同一性を有する少なくとも7個の連続するアミノ酸を含む最適化ウイルスポリペプチド。
(41)前記最適化ウイルスポリペプチドが、配列番号1〜29に示されるアミノ酸配列のいずれか1つと配列同一性を有する少なくとも7個の連続するアミノ酸を含む、(40)に記載の最適化ウイルスポリペプチド。
(42)前記最適化ウイルスポリペプチドが、配列番号1〜29に示されるアミノ酸配列のいずれか1つを含む、(40)に記載の最適化ウイルスポリペプチド。
(43)哺乳動物に対し、(1)、(9)若しくは(18)に記載のワクチン又は(37)に記載の核酸を投与することを含む、前記哺乳動物におけるウイルス感染症を治療し、又はそのリスクを低減する方法。
(44)前記哺乳動物がヒトである、(43)に記載の方法。
(45)前記ワクチン又は核酸が、前記ウイルス遺伝子産物に対する細胞性免疫応答を誘発する、(43)に記載の方法。
(46)前記ウイルス感染症が、レトロウイルス、レオウイルス、ピコルナウイルス、トガウイルス、オルトミクソウイルス、パラミクソウイルス、カリシウイルス、アレナウイルス、フラビウイルス、フィロウイルス、ブニヤウイルス、コロナウイルス、アストロウイルス、アデノウイルス、パピローマウイルス、パルボウイルス、ヘルペスウイルス、ヘパドナウイルス、ポックスウイルス、又はポリオーマウイルスにより引き起こされる、(43)に記載の方法。
(47)前記レトロウイルスがヒト免疫不全ウイルス1型(HIV−1)である、(46)に記載の方法。
(48)前記ウイルス遺伝子産物が、Gag、Pol、Env、Nef、Tat、Rev、Vif、Vpr、及びVpuからなる群から選択される、(43)に記載の方法。
(49)哺乳動物におけるウイルス感染症を治療し、又はそのリスクを低減するワクチンの製造方法であって、(1)、(9)又は(18)に記載のワクチンを合成することを含む、前記方法。
(50)哺乳動物におけるウイルス感染症を治療し、又はそのリスクを低減するワクチンの製造方法であって、
a)(37)に記載の核酸を細胞と接触させるステップと、
b)前記最適化ウイルスポリペプチドを単離するステップと、
を含む、前記方法。
(51)前記最適化ウイルスポリペプチドが、哺乳動物に投与されると細胞性免疫応答を誘発する、(49)又は(50)に記載の方法。
(52)前記哺乳動物がヒトである、(49)又は(50)に記載の方法。
(53)前記ワクチンが、前記ウイルス遺伝子産物に対する細胞性免疫応答を誘発する、(49)又は(50)に記載の方法。
(54)前記ウイルス感染症が、レトロウイルス、レオウイルス、ピコルナウイルス、トガウイルス、オルトミクソウイルス、パラミクソウイルス、カリシウイルス、アレナウイルス、フラビウイルス、フィロウイルス、ブニヤウイルス、コロナウイルス、アストロウイルス、アデノウイルス、パピローマウイルス、パルボウイルス、ヘルペスウイルス、ヘパドナウイルス、ポックスウイルス、又はポリオーマウイルスにより引き起こされる、(49)又は(50)に記載の方法。
(55)前記レトロウイルスがヒト免疫不全ウイルス1型(HIV−1)である、(54)に記載の方法。
(56)前記ウイルス遺伝子産物が、Gag、Pol、Env、Nef、Tat、Rev、Vif、Vpr、及びVpuからなる群から選択される、(55)に記載の方法。
(57)a)(1)、(9)又は(18)に記載のワクチンと、
b)薬学的に許容可能な担体、賦形剤、又は希釈剤と、
c)キットの使用説明書と、
を含むキット。
(58)アジュバントをさらに含む、(57)に記載のキット。
(59)a)(37)に記載の核酸と、
b)薬学的に許容可能な担体、賦形剤、又は希釈剤と、
c)キットの使用説明書と、
を含むキット。
(60)アジュバントをさらに含む、(59)に記載のキット。