(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6368422
(24)【登録日】2018年7月13日
(45)【発行日】2018年8月1日
(54)【発明の名称】切断装置及び切断方法
(51)【国際特許分類】
B23D 47/04 20060101AFI20180723BHJP
B23D 45/02 20060101ALI20180723BHJP
B23D 47/02 20060101ALI20180723BHJP
B22D 11/126 20060101ALI20180723BHJP
【FI】
B23D47/04 Z
B23D45/02 A
B23D47/02
B22D11/126 K
【請求項の数】18
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2017-502178(P2017-502178)
(86)(22)【出願日】2015年7月17日
(65)【公表番号】特表2017-521270(P2017-521270A)
(43)【公表日】2017年8月3日
(86)【国際出願番号】KR2015007438
(87)【国際公開番号】WO2016010392
(87)【国際公開日】20160121
【審査請求日】2017年3月9日
(31)【優先権主張番号】10-2014-0090195
(32)【優先日】2014年7月17日
(33)【優先権主張国】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】592000691
【氏名又は名称】ポスコ
【氏名又は名称原語表記】POSCO
(73)【特許権者】
【識別番号】516079213
【氏名又は名称】シンジン エスエム カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000051
【氏名又は名称】特許業務法人共生国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ムン,チャン−ホ
(72)【発明者】
【氏名】ナム,ヒョン−ウン
(72)【発明者】
【氏名】チョイ,カン−ヒョク
(72)【発明者】
【氏名】キム,ビョン−ジン
(72)【発明者】
【氏名】イ,ミ−ヒョン
(72)【発明者】
【氏名】キム,ホン−ギ
(72)【発明者】
【氏名】イ,ソン−ジン
(72)【発明者】
【氏名】チュン,ミョン−シク
【審査官】
津田 健嗣
(56)【参考文献】
【文献】
韓国公開特許第10−2010−0120848(KR,A)
【文献】
欧州特許出願公開第01990115(EP,A1)
【文献】
特開昭62−057815(JP,A)
【文献】
韓国登録実用新案第20−0424634(KR,Y1)
【文献】
特開2011−177847(JP,A)
【文献】
実開昭59−183726(JP,U)
【文献】
特開昭60−141426(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B23D 47/04
B23D 45/02
B23D 47/02
B22D 11/126
B26D 1/14
B27B 5/00
B21B 15/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
切断対象物を供給する供給部と、
前記供給部から提供された前記切断対象物を切断する第1切断部と、
前記第1切断部で切断された中間切断物を移送させるように前記第1切断部に続いて配置された移送部と、
前記移送部から提供された前記中間切断物を受けて切断するように前記移送部に続いて配置された第2切断部と、を含み、
前記第1切断部及び第2切断部は、前記切断対象物または前記中間切断物を切断するように移動及び回転可能に構成された鋸身部を含み、前記鋸身部は、前記切断対象物または前記中間切断物の上側に回転軸が位置し、
前記移送部は、前記中間切断物を受けて移送方向に垂直な方向を中心に回転させる回転
部を含むことで、前記第1切断部の切断面と前記第2切断部の切断面が、前記切断対象物
を基準に見たとき、互いに交差することを特徴とする切断装置。
【請求項2】
前記第1切断部及び第2切断部は、前記切断対象物を移送方向に対して垂直な方向に切
断することを特徴とする請求項1に記載の切断装置。
【請求項3】
前記第1切断部及び第2切断部は、上面に前記切断対象物または前記中間切断物が位置する受け部と、
前記受け部の上面に支持されるフレーム部と、前記フレーム部に沿って移動する前記鋸身
部と、を含むことを特徴とする請求項2に記載の切断装置。
【請求項4】
前記鋸身部は、切断移動時に、移動方向の前端部鋸刃が下方に回転するように構成され
ることを特徴とする請求項3に記載の切断装置。
【請求項5】
前記第1切断部及び第2切断部は、切断移動時に、前記鋸身部の移動方向後方に設置され、且つ前
記鋸身部が通過した後、切断面の間を所定距離離隔させる離隔部を含むことを特徴とする
請求項3に記載の切断装置。
【請求項6】
前記第1切断部及び第2切断部は、前記切断対象物または前記中間切断物を前記受け部の方向に加圧して固定する固定部をさらに含むことを特徴とする請求項4に記載の切断装置。
【請求項7】
前記移送部は、前記中間切断物を回転させる前記回転部と、前記中間切断物を保管するバッファ部と
、を含むことを特徴とする請求項1に記載の切断装置。
【請求項8】
前記回転部及び前記バッファ部は、前記中間切断物の移送方向に沿って順に配置されること
を特徴とする請求項7に記載の切断装置。
【請求項9】
前記回転部は、前記中間切断物の少なくとも一側面と下面を支持する支持部と、前記支
持部に接続されて前記支持部を移動及び回転させる駆動部と、を含むことを特徴とする請
求項7に記載の切断装置。
【請求項10】
前記支持部は、前記中間切断物の移送方向に垂直な方向に沿って配置された複数の支持
プレートを含み、
前記駆動部は、前記支持部を前記中間切断物の移送方向に沿って移動させる第1駆動部
と、前記支持部を移送方向に対して垂直な軸を中心に回転させる第2駆動部と、を含むこ
とを特徴とする請求項9に記載の切断装置。
【請求項11】
前記第1切断部は、前記第2切断部よりも高い位置に配置され、
前記第1切断部と第2切断部の高さ差は、少なくとも前記第1切断部によって切断される移
送方向への長さよりも大きいことを特徴とする請求項2に記載の切断装置。
【請求項12】
前記移送部は、前記中間切断物を回転させる前記回転部と、前記中間切断物を保管するバッファ部と、を含み、前記バッファ部及び前記回転部のうち少なくともいずれかでは、前記中間切断物が積層されて配置されるように構成されることを特徴とする請求項11に記載の切断装置。
【請求項13】
前記回転部及び前記バッファ部は順に配置され、
前記バッファ部は、供給面が前記第2切断部の素材の配置位置と同一の高さを有するよ
うに構成されることを特徴とする請求項12に記載の切断装置。
【請求項14】
前記支持プレートはL字型に構成され、
前記支持部は、前記支持プレートを一体に接続するバーを含み、前記バーに前記第1駆
動部及び第2駆動部が接続され、
前記バーには前記第1駆動部による移送方向への動きをガイドするガイド部が接続され
ることを特徴とする請求項10に記載の切断装置。
【請求項15】
前記ガイド部は、前記バーの端部にベアリング手段を介して回転可能に接続されたピニ
オンと、前記ピニオンに対応する位置で移送方向に延長形成されたラックと、を含むこと
を特徴とする請求項14に記載の切断装置。
【請求項16】
前記供給部は、前記切断対象物の下方に位置し、凹凸形状を有するローディングベッド
と、前記ローディングベッドの凸部に配置され、前記切断対象物の幅方向及び移送方向に
一定の間隔で配置された複数の支持ロールと、前記ローディングベッドの凹部に配置され
、前記切断対象物を前記第1切断部に押し出すプッシング手段と、を含むことを特徴とする請
求項1に記載の切断装置。
【請求項17】
前記支持ロールは、前記第1切断部に隣接するほど支持ロール間の移送方向への距離が
次第に狭くなることを特徴とする請求項16に記載の切断装置。
【請求項18】
前記ローディングベッドの凹部の底面には、移送方向に沿ってスライディングガイドが構成され、前記押し出すプッシング手段は、前記スライディングガイドに沿って移動するように構成されることを特徴とする請求項16に記載の切断装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、切断装置及び切断方法に係り、より詳しくは、スラブのような大型の素材を、所望の断面を有する素材、例えば、ビレットに切断する切断装置及び切断方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の金属板、特に厚板を切断する場合はガストーチを用いた。ガストーチを用いて金属板を切断する場合、ガストーチにより加熱された金属板が酸素と酸化反応を起こし、酸化反応熱により加熱された部分に金属溶融部が生成され、金属溶融部が重力によって下方に流れて金属板の間に隙間が生じることで金属板が切断される原理による。
このような場合、下方に流れ落ちる溶融された金属は、切断面の下部、及び金属板の下部面とエッジ部に固まって切断屑を形成する。このような切断屑は、溶融切断の場合に必然的に発生する。また、溶融方式は、速度が遅く、スラブ内部の不純物(介在物)による切断面不良及び熱変形による平坦度不良の問題がある。特に、切断対象物の厚さが厚いほど多くの熱を必要とするため、四角断面を確保することが難しい。このため、スラブを切断してビレットに形成する場合、製造されたビレットの2次加工が必要になるという問題点がある。
【0003】
これにより、特許文献1のような機械式切断装置が提案されている。特許文献1は、円形または多角形の断面を有する金属素材をクランプした後、ローディング部に安着させ、丸鋸を用いることで水平に切断する構造である。そのため、動力を発生させる電動モータ、建物の床面に設置される下部フレーム上に設置されて、電動モータの回転数を減速させるボックス型動力伝達装置、及び動力伝達装置の出力軸に固定されて高速回転しながら素材を切断する丸鋸などで構成される。この際、切断素材は丸鋸の軸と水平な位置にある。
このような特許文献1の場合、小型の円形または角形断面を有する金属材料の断面方向への高速切断は可能であるが、丸鋸に作用する切断負荷(重力方向に作用する切削抵抗)と重い重量を有する動力伝達装置の移送方向(重力反対方向)が同一であるため、大型の油圧シリンダーが必要となり、切断機のサイズが大型化するにつれて、その重さが原因で円滑な上下直線運動ができないか、または鋸身の振動により切断面の品質が低下するという問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】韓国公開特許第2011−0035458号公報
【特許文献2】韓国特許出願第2013−0111619号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、切断対象物を複数回切断して、所望の断面を有する切断物を生成することが可能な切断装置を提供することを目的とする。
また、本発明は、スラブをスラブと同一の長さを有するビレットに切断することが可能な切断装置及び切断方法を提供することを目的とする。
さらに、本発明は、互いに異なる切断速度を有する切断機が連続的に切断することが可能な切断装置及び切断方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、切断対象物を供給する供給部と、
前記供給部から提供された切断対象物を切断する第1切断部と、
前記第1切断部で切断された中間切断物を移送させるように前記第1切断部に続いて配置された移送部と、
前記移送部から提供された中間切断物を受けて切断するように前記移送部に続いて配置された第2切断部と、を含み、
前記第1及び第2切断部は、前記切断対象物または中間切断物を切断するように移動及
び回転可能に構成された鋸身部を含み、前記鋸身部は、前記切断対象物または中間切断物
の上側に回転軸が位置し、
前記移送部は、前記中間切断物を受けて移送方向に垂直な方向を中心に回転させる回転
部を含むことで、前記第1切断部の切断面と前記第2切断部の切断面が、前記切断対象物
を基準に見たとき、互いに交差することを特徴とする。
【0007】
前記第1切断部及び第2切断部は、前記切断対象物を移送方向に対して垂直な方向に切
断することを特徴とする。
【0008】
第1及び第2切断部は、上面に切断対象物または中間切断物が位置する受け部と、受け部の上面に支持されるフレーム部と、フレーム部に沿って移動する鋸身部と、を含み、鋸身部は、切断移動時に、移動方向の前端部鋸刃が下方に回転するように構成されることができる。
第1及び第2切断部は、切断移動時に、鋸身部の移動方向後方に設置され、且つ鋸身部が通過した後、切断面の間を所定距離離隔させる離隔部を含むことができる。
第1及び第2切断部は、切断対象物または中間切断物を受け部の方向に加圧して固定する固定部をさらに含むことができる。
【0009】
移送部は、
中間切断物を回転させる
回転部と、
中間切断物を保管するバッファ部と、を含むことができ、
回転部及びバッファ部は中間切断物の移送方向に沿って順に配置されることもできる。
回転部は、中間切断物の少なくとも一側面と下面を支持する支持部と、支持部に接続されて支持部を移動及び回転させる駆動部と、を含むことができる。
支持部は、中間切断物の移送方向に垂直な方向に沿って配置された複数の支持プレートを含み、駆動部は、支持部を
中間切断物の移送方向に沿って移動させる第1駆動部と、支持部を移送方向に対して垂直な軸を中心に回転させる第2駆動部と、を含むことができる。
【0011】
前記第1切断部は、前記第2切断部よりも高い位置に配置され、 前記第1切断部と第2切断部の高さ差は、少なくとも第1切断部によって切断される移送方向への長さよりも大きいことを特徴とする。
【0012】
移送部は、
中間切断物を回転させる
回転部と、
中間切断物を保管するバッファ部と、を含み、バッファ部及び
回転部のうち少なくともいずれかでは、
中間切断物が積層されて配置されるように構成されることがよい。
回転部及びバッファ部は順に配置され、バッファ部は、供給面が第2切断部の素材の配置位置と同一の高さを有するように構成されることが好ましい。
支持プレートはL字型に構成され、支持部は、支持プレートを一体に接続するバーを含み、バーに第1駆動部及び第2駆動部が接続され、バーには第1駆動部による移送方向への動きをガイドするガイド部が接続されることができる。
【0013】
ガイド部は、バーの端部にベアリング手段を介して回転可能に接続されたピニオンと、ピニオンに対応する位置で移送方向に延長形成されたラックと、を含むことがよい。
供給部は、切断対象物の下方に位置し、凹凸形状を有するローディングベッドと、ローディングベッドの凸部に配置され、切断対象物の幅方向及び移送方向に一定の間隔で配置された複数の支持ロールと、ローディングベッドの凹部に配置され、切断対象物を第1切断部に押し出すプッシング手段と、を含むことが好ましい。
支持ロールは、第1切断部に隣接するほど支持ロール間の移送方向への距離が次第に狭くなることができ、凹部の底面には、移送方向に沿ってスライディングガイドが構成され、プッシング手段は、スライディングガイドに沿って移動するように構成されることができる。
【発明の効果】
【0017】
本発明は、切断対象物を複数回切断して、所望の断面を有する切断物を生成することが可能な切断装置及び切断方法を提供することができる。特に、機械切断を利用して、迅速でありながらも切断面の形状が良い切断物を提供することが可能であり、不良が少ないため歩留まりの向上が可能である。
本発明は、スラブをスラブと同一の長さを有するビレットに切断することが可能な切断装置及び切断方法を提供することができ、スラブから多数のビレットを持続的に生産することができるため、ビレットの生産性が大幅に向上することができる。
本発明は、互いに異なる切断速度を有する切断機が連続的に切断することが可能な切断装置及び切断方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】本発明の一実施形態による切断装置の斜視図である。
【
図2】本発明の一実施形態による切断装置の供給部の斜視図である。
【
図3】本発明の一実施形態による切断装置の第1切断部の概略図である。
【
図4】本発明の一実施形態による切断装置の移送部のうち回転部の斜視図である。
【
図5】(a)〜(d)は本発明の一実施形態による切断装置の移送部のうち回転部の動作図である。
【
図6】本発明の一実施形態による切断装置の移送部のうちバッファ部の斜視図である。
【
図7】(a)〜(e)は本発明の一実施形態による切断装置の移送部のうちバッファ部の動作図である。
【
図8】本発明の一実施形態による切断装置のバッファ部の側面図である。
【
図9】本発明の一実施形態による切断装置の第2切断部の概略図である。
【
図10】本発明の一実施形態による切断方法の概略図である。
【
図11】本発明の一実施形態による切断方法の順序図である。
【
図12】本発明の他の実施形態による切断方法の概略図である。
【
図13】本発明の他の実施形態による切断方法の順序図である。
【
図14】本発明のさらに他の実施形態による切断方法の概略図である。
【
図15】本発明のさらに他の実施形態による切断方法の順序図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下では、添付の図面に基づいて、本発明の具体的な実施形態について説明する。本発明は、添付の図面の実施形態を基にして多様に変形して実施することができる。
【0020】
図1は本発明の一実施形態による切断装置の斜視図を示した。
図1に示したとおり、本発明の切断装置1は、切断対象物S、例えば、スラブを供給する供給部100と、供給部100から提供された切断対象物Sを切断する第1切断部200と、第1切断部200で切断された中間切断物Iを移送させるために第1切断部200に続いて配置された移送部300と、移送部300から提供された中間切断物Iを受けて切断するように移送部300に続いて配置された第2切断部600と、第2切断部600で切断された切断物Bを移送排出する排出部700と、を含む。供給部100、第1切断部200、移送部300、第2切断部600、及び排出部700は、切断対象物Sの移送方向に沿って順に配置される。
第1及び第2切断部200、600は、切断対象物Sまたは中間切断物Iを切断するために移動及び回転可能に構成された鋸身部230、630を含み、鋸身部230、630は、切断対象物Sまたは中間切断物Iの上側に回転軸が位置する。
供給部100は、切断対象物Sを第1切断部200に供給するために切断対象物Sに当接するプッシングバー140と、それに接続されたプッシング手段130と、を含み、このプッシング手段130は凹凸形状のローディングベッド110の凹部111に設置される。一方、切断対象物Sを支持するようにローディングベッド110の凸部には支持ロール150が形成される。これにより、切断対象物Sは、支持ロール150に支持された状態でプッシング手段130を介して第1切断部200に移動する。
【0021】
第1切断部200及び第2切断部600は、この実施形態において基本的な構成が類似する。第1及び第2切断部200、600は、ロールを含み、且つ切断対象物Sの下部に配置される受け部と、受け部の上面に支持されるフレーム部210、610と、フレーム部210、610に沿って移動する鋸身部230、630と、を含む。鋸身部230、630は、第1駆動部220、620と接続されて回転し、第2駆動部240、640に接続されて切断対象物Sの移送方向に垂直な方向に前後移動する。第1駆動部220、620は、鋸身部230、630の切断移動時に、移動方向の前端部鋸刃を下方に回転させる。
鋸身部230、630の移動方向の前方には、切断対象物Sの移送方向に鋸身部230、630に近接して切断対象物Sを加圧して固定する固定部250が配置される。固定部250は、切断対象物Sを受け部の方向に加圧して切断対象物Sが移動/振動することを防止する。
一方、第1切断部及び第2切断部200、600の外部フレームには、鋸身部230、630が通過して切断された断面を互いに離隔させるように端部が固定され、且つ切断対象物Sの切断面に楔部を押し込む離隔部が配置される。
【0022】
第1切断部200は、切断対象物Sを移送方向に垂直な方向に沿って一定の間隔で切断する。この際、切断間隔は切断物Bの断面長さに該当する。また、第2切断部600も、中間切断物Iを中間切断物の移送方向に垂直な方向に沿って一定の間隔で切断する。この際、切断間隔は切断物Bの断面幅に該当する。これにより、正方形断面のビレットを形成する場合、第1切断部200及び第2切断部600は同一の間隔で切断を行う。
第1切断部200と第2切断部600との間には、中間切断物Iを移送方向に垂直な水平方向を中心に回転させる回転部400を含む移送部300が配置される。
回転部400は、第1切断部200を通過した中間切断物Iの少なくとも一側面と下面を支持する支持部430と、支持部430に接続され、支持部430を移動及び回転させる駆動部420、440と、を含む。回転部400は、中間切断物Iを回転させて、第1切断部200によって切断される切断面が、切断対象物Sを基準に見たとき、第2切断部600の切断面と、互いに交差するようにする。すなわち、第1切断部200が切断物Bの断面長さを、第2切断部600が切断物Bの断面幅を決定するようにする。
【0023】
移送部300は、回転部400に続いて、バッファ部500を含む。バッファ部500は、第1切断部200と第2切断部600の切断速度差により、中間切断物Iが存在しないか、または滞積することを防止するために、中間切断物Iが複数個配置できる空間を有する。バッファ部500は、複数の中間切断物を一度に移動させるプレート520と、それに接続された駆動部540と、を含む。
移送部300を通過した中間切断物Iは、第2切断部600によってもう一度切断される。第2切断部600の構成は第1切断部200と類似するが、本実施形態では、第1切断部200よりも薄い厚さの中間切断物Iを切断するため、第2切断部600の鋸身部630の直径が第1切断部200の鋸身部230の直径よりも小さい。
第2切断部600を介して切断された切断物Bは、排出部700によって排出される。排出部700の位置に追加切断のための移送部が配置されることもできる。この実施形態では、第1切断部200と第2切断部600の後端に排出部700が配置される。
【0024】
図2〜
図9に基づいて、本発明の一実施形態による切断装置1の構成をより詳細に説明する。
図2は本発明の一実施形態による切断装置1の供給部100の斜視図、
図3は本発明の一実施形態による切断装置1の第1切断部200の概略図、
図4は本発明の一実施形態による切断装置1の移送部300のうち回転部400の斜視図、
図5(a)〜(d)は本発明の一実施形態による切断装置1の移送部300のうち回転部400の動作図、
図6は本発明の一実施形態による切断装置1の移送部300のうちバッファ部500の斜視図、
図7(a)〜(e)は本発明の一実施形態による切断装置1の移送部300のうちバッファ部500の動作図、
図8は本発明の一実施形態による切断装置1のバッファ部500の側面図、
図9は本発明の一実施形態による切断装置1の第2切断部600の概略図を示した。
【0025】
図2に示したとおり、本発明の一実施形態による切断装置1の供給部100は、重さが重いスラブのような切断対象物Sの移動中に、均一な支持力を与え、切断対象物の表面に摩擦傷が発生することを防止するために、別の駆動手段なしにスラブの下部面との摩擦により単純回転する支持ロール150〜156を切断対象物の幅方向に沿って断続的に多数配列する。ここで、支持ロール150は、切断対象物Sの長さ方向における凹凸形状のローディングベッド110上に固定された回転軸151bによって支持される。この際、ローディングベッド110の凹凸数は、切断しようとする切断対象物Sの最小長さに基づいて少なくとも2つ以上配置される。
また、一つの切断対象物Sに対して1次切断が行われるにつれて、切断対象物の幅は次第に減少するため、第1切断部200にロードされる途中で、狭い切断対象物Sが支持ロール151〜155の間に落ちることを防止するために、同一のローディングベッド110の列上に位置する支持ロール150〜156の間の中心距離は第1切断部200に近づくにつれて短くすることがよい。
また、供給部100は、切断対象物Sの長さ方向が切断方向(丸鋸中心231の進行方向)と常に平行するようにしながら、切断対象物Sを切断寸法(製造しようとする切断物の断面長さHb)だけ移動させるために、ローディングベッド110の凹凸の間に配置されたスライディングガイド120上を移動するプッシングバー140と、油圧シリンダ131を用いたプッシング手段130と、を備える。プッシング手段は、シリンダロッド132がプッシングバー140に接続され、且つシリンダロッド132がプッシングバー140とともに移動することで、切断対象物Sを第1切断部200の方に押すことができる。この実施形態では、スライディングガイド120及びプッシングバー140を用いているが、ノイズがなく滑りやすい移動のために付加的な潤滑油供給手段とLMガイド構造を有することもできる。
【0026】
図3及び
図9に示したとおり、第1切断部200及び第2切断部600は、上述のとおり、同一の構造を有する。第1切断部200及び第2切断部600の構成に関連し、本出願人の特許文献2を参考にすることができる。
切断中に発生する切りくずの排出を容易にし、切断中の素材上がりをなくして切断負荷を減少させるために、切断対象物Sまたは中間切断物Iの上部に近接して、切断移動時に移動方向の前端部鋸刃が下方に回転切削運動をする円形鋸身部230、630と、鋸身部230、630に平行に配置され、切断負荷に伴う鋸の振動を防止するとともに、素材切断面及び鋸身を冷却する振動減衰手段235と、鋸身部230、630の回転のための回転モータ221、621からの動力を伝達する減速手段を有し、フレーム部210、610と密着して鋸身部230、630を支持する第1駆動部220と、第1駆動部220を切断方向に水平に高速移動させるために移送モータ240の回転を伝達して第1駆動部220を水平移動させる回転バー242と、を含む。
【0027】
また、切断中の切断面に鋸身部230、630が差し込まれることを防止するために、油圧シリンダ261と、シリンダロッド262と、それに接続され、楔型金属板263と、を含む離隔部260を含む。
一方、切断中の切断対象物Sの動きを固定するために、垂直位置が固定されたプレート253を用いて、切断対象物Sの底面が支持された状態で、複数の油圧シリンダ251と、シリンダロッド252と、加圧板253と、を含み、切断対象物Sの上部から垂直に押す円形または板状の固定部250を含む。
第1切断部200において供給部100の反対側に位置する移送部300は、切断対象物Sの幅が切断された後、切断された中間切断物Iを移送方向に垂直な方向、すなわち、中間切断物Iの長さ方向を回転軸にして90°回転させる回転部400と、第1及び第2切断部200、600が絶え間なく被切断材を切断するようにするために、第1及び第2切断部200、600の間に多数の中間切断物Iが位置していて、移送手段によって中間切断物Iを順に移動させるバッファ部500と、を含む。
【0028】
回転部400は、中間切断物Iの移送及び90°回転のために、第1及び第2駆動部420、440を含む。回転部400は、ベッド410と、ベッド410に位置し、支持部430に接続され、支持部430を移送方向に移動させる第2駆動部440と、第2駆動部440に接続され、中間切断物Iの長さ方向に延長されたバー422と、バー422に接続された支持プレートを含む支持部430と、支持部430の端部に接続され、バー422を回転させることで支持部430を回転させる第1駆動部420と、を含む。
バー422は、第2駆動部440と接続される接続部443を含み、第2駆動部440の移動により支持部430が回転しないようにガイドするガイド部が接続される。ガイド部は、ベアリング425と、それに接続されたピニオンギア427と、ベッド410に装着され、ピニオンギア427が安着されるラックと、を含むが、それ以外にも、他の構造を有することができることは言うまでもない。
支持部430は、中間切断物Iの長さ方向に沿って複数個が配置される支持プレートを含み、支持プレートは、中間切断物Iの移送方向の側面を支持する側面支持面431と、下面を支持する下面支持面432と、を含んでおおよそ「L」状に形成され、側面支持面431と下面支持面432の交差部にバー422が通過する貫通孔434が形成される。また、支持プレートが回転するとき、下面支持面432の端部に中間切断物Iまたは鋸身部230との干渉が生じることを防止するように、支持プレートは傾斜面433を含む。
【0029】
図5(a)〜(d)に連続的に示したとおり、回転部400は、中間切断物Iの移送及び90°回転のために往復直線運動及び回転運動をする。支持部430が切断対象物Sの端部に接触した状態で、第1切断部200が切断し、切断された中間切断物Iを、第1及び第2駆動部420、440を介して回転するとともに移送するか、移送後に回転するか、または回転後に移送する。本発明の実施形態では、第1切断部200における素材下面の位置は、第2切断部600の素材下面の位置よりも高ければよい。これにより、
図5(d)に示したとおり、回転後の中間切断物Iを支持ロール450に置くことで、重力によって滑り降りるようにすることができる。つまり、回転部400とバッファ部500との間の移送を特別な移送手段なしに達成できるようにする。また、当該する高さ差を第1切断部200によって切断される移送方向への長さよりも大きくすることにより、中間切断物Iを積層させることも可能である。
【0030】
バッファ部500は、複数の中間切断物Iが配置できる空間と、その空間で移動する支持部530と、を含む。支持部530は、中間切断物Iの長さ方向に沿って複数個配置される支持プレート531と、支持プレート531を接続するバー522と、バー522の端部に接続され、バー522を回転させる第2駆動部520と、バー522の端部に接続され、バー522を移送方向に移動させる第1駆動部540と、を含む。
支持プレート531は、上面の両端部が傾斜面532、533で構成されて中間切断物Iとの干渉を防止し、傾斜面532、533の間は平らな支持面535で構成される。平らな支持面535は、バー522の回転によって中間切断面Iと接触し、接触した状態で第1駆動部540が動作して、中間切断物I、特に複数個の中間切断物Iを一度に押すことができる。
この実施形態では、積層されない単層の中間切断物Iを押すため単層の厚さに対応する支持面535を図示したが、複数個の中間切断物Iを押す場合は支持面535の長さが長くなってもよい。
【0031】
図7に示したとおり、支持プレート531は、第1及び第2駆動部によって中間切断物Iの下方に移動し、中間切断物Iの後方で第2駆動部の動作によって回転しながら支持面535が中間切断物Iの後側面に接触する。その後、中間切断物Iを第1駆動部540の駆動力で移動させ、移動が完了した後は、再び
図7(a)に戻り、次の中間切断物Iを待つ。
図8にはバッファ部500の側面図を示したが、これは支持部530ではない駆動手段を介して中間切断物Iを移動させる実施例である。支持部530が移動するのではなく、中間切断物Iを支持する支持ロール550がチェーン560によって駆動手段(図示せず)と接続され、駆動手段が支持ロール550を回転させることで中間切断物Iが移動する。他にも、中間切断物Iの移動は他の駆動手段によって達成されることもできる。この際、支持ロール550の中心間の距離Ecが中間切断物Iの幅Hsよりも短い場合、支持ロール550間の隙間に中間切断物Iが抜け落ちることを防止することができる。
【0032】
図10及び
図11には本発明の切断方法の一実施例を示した。
図10に示したとおり、切断対象物Sは、幅切断が行われ、回転部400のような手段によって90°回転した後、移送して切断される。このような切断方法により、大きな四角断面を有するスラブを、同一の長さを有し、且つスラブよりも小さい四角断面を有するビレットに切断することができる。
図11に示したとおり、スラブをロードし(S100)、スラブを固定部250のような固定手段でクランプした(S110)後、鋸身部230のような切断手段でスラブを幅切断し(S120)、中間材となったスラブを回転させる(S130)。その後、順に移送させ(S140)、第2切断部600のような追加の切断手段でクランプ(S150)した後、切断(S160)する。スラブの幅切断(S120)及びスラブの厚さ切断(S160)によって大きい長方形断面を有するスラブはスラブよりも小さい長方形または正方形断面を有するビレットに加工される。ビレットとスラブの長さLb、Lsが同一の場合(Lb=Ls)、一つのスラブで連続的な製造が可能なビレットの数Nsは、以下の式によって決定されるため、一つのスラブで多数のビレットを連続的に生産することができる。
【0033】
Nn=2(Ws+t)/(Hb+t)
(ここで、Wsはスラブの幅であり、Hbは四角ビレットの断面長さであり、tは鋸身部厚さである。)
これとは異なって、ビレットの長さがスラブの幅と同一の場合(Lb=Ws)、一つのスラブで連続的な製造が可能なビレットの数Nsは以下の式によって決定される。
Ns=2(Ls+t)/(Hb+t)
本発明では、説明の便宜のために、ビレットの断面長さがスラブの厚さの1/2である場合を想定して説明したが、これに制限されず、多様に変形することができることは言うまでもなく、製作されるビレットの長さが全部異なってもよい。
【0034】
図12及び13には他の切断方法を、
図14及び15にはさらに他の切断方法を示した。
図12及び
図13の場合、
図10及び
図11と最初は同一であるが、途中で、回転(S230)後に、積層して(S240)、その後、移送し(S250)、積層された状態で、クランプ(S260)し、スラブの厚さ切断(S270)を行う点が異なる。このように積層された状態で切断するため、第2切断部600で4つのビレットをともに生産することができるという長所がある。この場合、第1及び第2切断部200、600の高さ差を用いて積層することが、別の追加構成なしに積層できるという点において有利であるが、必ずしも高さ差が必要なわけではなく、必要に応じて中間材を持ち上げて積層する構成を含ませることもできる。
図14及び
図15の場合も、
図12及び
図13と回転(S330)までは同一であるが、直ちに積層せず、回転した中間材を移送(S340)した後、クランプ(S360)する前に積層(S350)するという点において差異がある。
【0035】
以上、実施形態を中心に本発明の切断方法及び切断装置について説明したが、本発明はこれに制限されず、多様に変形することができることは言うまでもない。
【符号の説明】
【0036】
1 切断装置
100 供給部
110、510 ローディングベッド
111 凹部
120 スライディングガイド
130 プッシング手段
131 油圧シリンダ
132 シリンダロッド
140 プッシングバー
150、151、152、153、154、155、156 支持ロール
151b 回転軸
200 第1切断部
210、610 フレーム部
220、620 第1駆動部
221、621 回転モータ
230、630 鋸身部
231、631 (丸鋸の)中心軸
235、635 振動減衰手段
240、640 第2駆動部、移送モータ
242、642 回転バー
250、650 固定部
251、651 油圧シリンダ
252、652 シリンダロッド
253、653 加圧板、プレート
260、660 離隔部
261、661 油圧シリンダ
262、662 シリンダロッド
263、663 楔型金属板
300 移送部
400 回転部
410 ベッド
420 第1駆動部
422 バー
425 ベアリング
427 ピニオンギア
430 支持部
431 側面支持面
432 下面支持面
433 傾斜面
434 貫通孔
440 第2駆動部
443 接続部
450 支持ロール
500 バッファ部
520 プレート、第2駆動部
522 バー
530 支持部
531 支持プレート
532、533 傾斜面
535 平らな支持面
540 駆動部、第1駆動部
550 支持ロール
560 チェーン
600 第2切断部
700 排出部
B 切断物
Ec 支持ロールの中心間の距離
Hb 切断物の断面長さ
Hc 支持ロールの中心間の距離
Hs 中間切断物の幅
I 中間切断物
S 切断対象物