(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
少なくとも1つの凹部を有する包材と、前記凹部に一括して収納され、剤形が固形剤である複数個の薬剤と、該複数個の薬剤が収納された前記凹部を気密的に封止するシート状の封止材とを有する薬剤包装体を製造する薬剤包装体製造装置であって、
前記包材は、加熱により変形可能なシート状の母材から得られるものであり、
前記母材を加熱して前記母材に前記凹部を成形する成形手段と、
前記凹部に複数個の前記薬剤を供給する薬剤供給手段と、
前記包材の前記凹部以外の部分を一部欠損させて、該部分に欠損部を形成する欠損部形成手段と、
前記薬剤供給手段により供給された複数個の前記薬剤が前記凹部に収納された前記包材に対し、前記凹部側から前記封止材を供給する封止材供給手段と、
前記薬剤が収納された前記包材と、前記封止材供給手段により供給された前記封止材とを接合するとともに、前記包材と前記封止材とが一部接合されていない非接合部を形成するよう構成されている包材接合手段と、
前記非接合部に溝を形成する溝形成手段と、
前記包材を搬送する搬送手段と、を備え、
前記成形手段は、互いに接近したり離間したりすることが可能な供給路を有する型および排気路を有する型を備える成形型を含み、
前記成形型は、前記供給路を有する型と前記排気路を有する型との間で前記母材を挟持した型閉め状態で、前記供給路から空気を供給しつつ、前記排気路から前記空気を排気することにより前記母材に前記凹部を成形するよう構成されており、
前記欠損部形成手段は、前記包材接合手段により前記包材と前記封止材とが接合される以前に、前記欠損部の形成を行い、
前記包材接合手段により、前記包材と前記封止材とを接合するとともに、前記封止材と前記欠損部とで前記非接合部を形成し、
複数個の前記薬剤は、種類が互いに異なる第1の薬剤と第2の薬剤とを含み、
前記薬剤供給手段は、搬送方向に沿って配置され、前記第1の薬剤を供給する第1の供給口と、前記第2の薬剤を供給する第2の供給口とを有し、
前記第1の供給口から供給される前記第1の薬剤は、前記凹部内の上流側に落下し、この後、前記第2の供給口から供給される前記第2の薬剤は、前記第1の薬剤が収納された前記凹部内の下流側に落下することを特徴とする薬剤包装体製造装置。
前記加熱部材は、外形形状が円柱状をなし、その中心軸回りに回転するローラであり、該ローラの外周面には、前記中心軸方向に沿って少なくとも1本の溝が形成されている請求項2に記載の薬剤包装体製造装置。
前記成形型は、前記供給路を有する型と前記排気路を有する型との間に配置され、前記型閉め状態で、前記排気路を有する型に形成された凹部に向かって突出している成形用プラグを有する請求項6に記載の薬剤包装体製造装置。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明の薬剤包装体製造装置および薬剤包装体
の製造方法を添付図面に示す好適な実施形態に基づいて詳細に説明する。
【0022】
<第1実施形態>
図1および
図2は、それぞれ、本発明の薬剤包装体製造装置の第1実施形態を示す断面図、
図3は、
図2中の矢印A方向から見た図(平面図)、
図4は、
図3中の1つの薬剤包装体の使用状態を示す平面図である。なお、以下では、説明の都合上、
図1および
図2中(
図5、
図8〜
図13についても同様)の上側を「上」または「上方」、下側を「下」または「下方」、左側を「左」または「上流側」、右側を「右」または「下流側」と言う。
【0023】
薬剤包装体製造装置(以下単に「製造装置」と言う)1は、薬剤包装体20を製造する装置である。この製造装置1では、薬剤包装体20は、行列状に複数個連結された連結体30として製造される(
図3参照)。
【0024】
まず、薬剤包装体20について説明する。
図4に示すように、薬剤包装体20は、包材201と、薬剤202aおよび202bと、封止材203とで構成されている。
【0025】
図1、
図2に示すように、包材201は、シート状の母材201’から得られるものである。この母材201’は、加熱により変形可能な樹脂材料で構成されている。そして、母材201’を加熱変形させて、当該母材201’に複数個の凹部204を形成し、各凹部204を囲む溝205で区切れたものがそれぞれ包材201となる。
【0026】
なお、各包材201では、凹部204は、それぞれ、平面視でその中央部に配置されている。(
図4参照)。また、各凹部204は、それぞれ、薬剤202aおよび202bが十分に収納可能な程度の大きさを有している。
【0027】
また、
図1に示すように、母材201’は、ロール状に巻回された状態で、製造装置1に設置されている。
【0028】
包材201(母材201’)を構成する樹脂材料としては、特に限定されず、例えば、ポリ塩化ビニル樹脂(PVC)、ポリ塩化ビニリデン(PVDC)、ポリエチレンテレフタレート樹脂(PET)、共重合ポリエステル樹脂(PETGなど)、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)樹脂、エチレン−メチルメタクリレート共重合体(EMMA)樹脂、エチレン−エチルアクリレート共重合体(EEA)樹脂、エチレン−メチルアクリレート共重合体(EMA)樹脂、エチレン−アクリレート共重合体(EAA)樹脂、エチレン−メタクリル酸共重合体(EMAA)樹脂、アイオノマー(ION)樹脂、低密度ポリエチレン(LDPE)樹脂および直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)、高密度ポリエチレン(HDPE)樹脂、環状ポリオレフィン樹脂(COP)、共重合環状ポリオレフィン樹脂(COC)、ポリプロピレン(PP)樹脂、およびフッ素系樹脂(特にポリクロロトリフルオロエチレン:PCTFE)のいずれの材料を単体で若しくはブレンドや多層化して用いることができる。
【0029】
また、包材201は、水蒸気バリア性、すなわち、防湿機能を有するのが好ましい。水蒸気をバリアすることを目的とした材料として、例えば、ポリクロロトリフルオロエチレン、ポリ塩化ビニリデン、環状ポリオレフィン、高密度ポリエチレン等が用いられる。
【0030】
包材201の凹部204には、剤形が固形剤である2つの薬剤202aおよび202bが一括して収納されている。薬剤202aと薬剤202bとは、種類(薬効)が異なるものである。また、固形剤としては、例えば、錠剤、チュアブル錠、発泡錠、トローチ錠、硬カプセル錠、軟カプセル錠、丸錠等がある。
【0031】
なお、薬剤包装体20では、薬剤202aと薬剤202bとは、包材201の凹部204内に収納された収納状態で、接していてもよいし、離間していてもよい。
【0032】
封止材203は、可撓性を有するシートで構成され、包材201の収納状態の凹部204を、その上方から気密的に封止するものである。封止材203は、包材201の凹部204以外の部分(以下この部分を「平坦部206」と言う)と融着(熱融着、高周波融着、超音波融着等)により接合されている。
図3、
図4では、この融着部(接合部)207にハッチングが施されている。なお、
図2に示すように、封止材203は、ロール状に巻回された状態で、製造装置1に設置されている。
【0033】
そして、薬剤包装体20を使用する使用者、すなわち、患者が薬剤202aおよび202bを服用する際に、封止材203は、包材201から剥離される(
図4参照)。これにより、1回の服用で、それに必要な薬剤202aおよび202bを一括して凹部204から取り出すことができる。このように、薬剤包装体20は、服用のし易さに優れたものとなっている。
【0034】
なお、融着部207では、剥離が容易となる易剥離層となっている。この易剥離層には、次のようなものがある。
・凝集破壊することで剥がれる「凝集剥離タイプ」
・包材201と封止材203との界面から剥がれる「界面剥離タイプ」
・封止材203が複数の層を有する積層体で構成されている場合、隣接する層同士の間で剥がれる「層間剥離タイプ」
【0035】
また、封止材203を構成し、このような易剥離層を形成し得る材料としては、例えば、包材201を構成する樹脂材料と同様のものを用いることができる。
【0036】
また、封止材203を前記樹脂材料で構成することにより、封止材203を例えばアルミニウム(アルミニウム箔)で構成した場合に比べて、封止材203がクッション性に優れたものとなる。これにより、封止材203が薬剤202aおよび202bに対する緩衝材として機能して、薬剤202aおよび202bが例えば衝撃により破損するのを防止することができる。
【0037】
また、封止材203を例えばアルミニウムで構成した場合、凹部204から薬剤202aおよび202bを取り出すには、凹部204を薬剤202aおよび202bごと封止材203に向かって押圧して、当該封止材203を押し破ることとなる。しかしながら、このような押し破り操作は、凹部204に1つの薬剤が収納されている場合には、容易であるが、凹部204に複数個の薬剤が収納されている場合には、行ないづらい。
【0038】
一方、本実施形態では、封止材203が前記樹脂材料で構成されており、凹部204から薬剤202aおよび202bを取り出す際には、封止材203を剥離する操作を行なうことができる。この剥離操作は、凹部204に複数個の薬剤が収納されている場合には、押し破り操作よりも操作性が高い、すなわち、薬剤の取り出しが容易となる。
【0039】
図4に示すように、封止材203には、タブ208が設けられている。タブ208は、封止材203を剥離する際に把持される部分である。これにより、タブ208を把持して剥離操作を容易に行なうことができる。なお、タブ208は、封止材203の包材201の平坦部206と接合されていない部分で構成されている。
【0040】
図4に示す構成では、タブ208は、封止材203の
図4中の左側の部分と右側の部分とにそれぞれ設けられている。これにより、例えば、患者が右利き、左利きであるのを問わず、剥離操作を迅速に行なうことができる。
【0041】
次に、製造装置1について説明する。
図1、
図2に示すように、製造装置1は、包材201(母材201’)を搬送する搬送手段2と、成形手段3と、薬剤供給手段4と、封止材供給手段5と、包材接合手段6と、溝形成手段7とを備えている。そして、成形手段3と、薬剤供給手段4と、封止材供給手段5と、包材接合手段6と、溝形成手段7とは、包材201の搬送方向に沿ってこの順に配置されている。以下、各部の構成について説明する。
【0042】
搬送手段2は、包材201を搬送する水平方向に搬送する装置である。この搬送手段2は、ローラシステム21と、ローラシステム21の下流側に配置されたベルトコンベアシステム22とを有している。
【0043】
図1に示すように、ローラシステム21は、成形手段3が有する成形型(金型)32の上流側に配置され、水平方向に間隔をおいて配置された複数のローラ211を有している。これらのローラ211の内の少なくとも1つのローラ211は、モータ(図示せず)と連結されており、回転することができる。そして、複数のローラ211で、ロール状に巻回された母材201’を引き出しつつ、当該母材201’を搬送することができる。
【0044】
図2に示すように、ベルトコンベアシステム22は、ローラシステム21で搬送された母材201’を、ローラシステム21に引き継いで搬送することができる装置である。このベルトコンベアシステム22は、一対の第1のローラ221と、一対の第1のローラ221間に配置されたアイドラとしての複数の第2のローラ222と、一対の第1のローラ221に掛け渡されたベルト223とを有している。
【0045】
一対の第1のローラ221のうちの一方の第1のローラ221は、モータ(図示せず)に連結された主動ローラであり、他方の第1のローラ221は、従動ローラである。
【0046】
複数の第2のローラ222は、水平方向に間隔をおいて配置されている。これにより、ベルト223の弛み(撓み)を防止することができる。
【0047】
ベルト223は、エンドレスベルトである。このベルト223上に、成形手段3により多数の凹部204が形成された母材201’(包材201)を載置することができる。そして、主動ローラの回転駆動により、前記載置された母材201’を搬送することができる。
【0048】
図1に示すように、成形手段3は、チャンバ31と、成形型32とを有している。
チャンバ31は、電熱線で構成されたヒータ311が内蔵されており、凹部204が形成される前の母材201’を加熱する装置である。このチャンバ31は、箱状をなし、その上流側の壁部と下流側の壁部とにそれぞれ入口312と出口313とが開口して形成されている。そして、母材201’は、入口312からチャンバ31内に入って、出口313から出ることができる。また、母材201’は、チャンバ31内を通過する際に、ヒータ311で加熱される。
【0049】
チャンバ31の下流側には、成形型32が配置されている。この成形型32は、上下方向に互いに接近・離間可能な上金型33と下金型34とを有し、母材201’に凹部204を成形する、すなわち、包材201を成形する装置である。
【0050】
上金型33は、下方に向かって突出形成された複数の凸部331を有している。これらの凸部331は、平面視で行列状に配置されている。
【0051】
一方、下金型34は、複数の凹部341を有している。これらの凹部341は、凸部331と同様に、平面視で行列状に配置されている。そして、成形型32の型閉じ状態で、凸部331と凹部341の間には、母材201’に凹部204を成形するキャビティ35が形成される。
【0052】
なお、母材201’は、チャンバ31のヒータ311での加熱により、比較的軟質な状態となっている。このため、成形型32を型閉じ状態とすれば、母材201’に複数の凹部204を容易かつ確実に一括して成形することができる。
【0053】
成形手段3の下流側には、薬剤供給手段4が配置されている。
図2に示すように、薬剤供給手段4は、第1の供給部41aと、第2の供給部41bとを有している。
【0054】
第1の供給部41aは、各凹部204にそれぞれ1つずつ薬剤202aを供給する装置である。また、第2の供給部41bは、第1の供給部41aよりも下流側で、1つの薬剤202aが収納された各凹部204にそれぞれ1つずつ薬剤202bを供給する装置である。これにより、各凹部204には、それぞれ、薬剤202aおよび202bが1つずつ(合計2つ)収納されることとなる。
【0055】
なお、第1の供給部41aと第2の供給部41bとの離間距離は、隣接する包材201の凹部204同士の間隔と同じである。
【0056】
第1の供給部41aと第2の供給部41bとの構成は、ほぼ同一であるため、以下、第1の供給部41aについて代表的に説明する。
【0057】
第1の供給部41aは、多数の薬剤202aが装填される装填部42と、装填部42からの多数の薬剤202aが通過する通路部43とで構成されている。
【0058】
装填部42は、有底筒状をなし、その開口部421が上方に向かって開口している。この開口部421から多数の薬剤202aを装填部42に投入することができる。そして、投入された多数の薬剤202aは、装填部42に一旦溜められる。
【0059】
また、装填部42の底部421が水平方向に対して傾斜している。これにより、薬剤202aが底部421に沿って、通路部43に向かうことができる。
【0060】
装填部42の底部421の傾斜方向には、当該装填部42に隣接して、通路部43が設けられている。通路部43は、両端が開口した筒状をなし、その内部を多数の薬剤202aが1列に整列して通過することができる。
【0061】
また、通路部43の下側の開口部は、薬剤202aを凹部204に供給する供給口431となっている。この供給口431は、薬剤202aが自重により凹部204に向かって落下するよう、薬剤202aを供給すべき凹部204に対し鉛直上方に配置されている。これにより、簡単な構成で、薬剤202aを凹部204に供給することができる。
【0062】
なお、通路部43には、供給口431から1つずつ薬剤202aが落下するよう、隣接する薬剤202a同士を仕切る仕切り板(図示せず)が設けられている。
【0063】
第1の供給部41aは、以上のような構成となっており、第2の供給部41bについても同様である。これにより、薬剤供給手段4は、種類ごとに薬剤202a、202bを順次供給することができる。
【0064】
また、第1の供給部41aの供給口431と、第2の供給部41bの供給口431とは、包材201(母材201’)の搬送方向に沿って、配置されることなる。そして、第1の供給部41aの供給口431から供給される薬剤202aは、凹部204内でできる限り上流側に落下する。また、第2の供給部41bの供給口431から供給される薬剤202bは、凹部204内でできる限り下流側に落下する。
【0065】
このような構成により、薬剤202aおよび202bを供給する際、薬剤202aと薬剤202bとの衝突を防止しつつ、その供給を行なうことができる。これにより、衝突による薬剤202aや薬剤202bの破損を確実に防止することができる。
【0066】
薬剤供給手段4の下流側には、封止材供給手段5が配置されている。封止材供給手段5は、包材201に対し、凹部204側から封止材203を供給する装置である。
【0067】
なお、封止材203は、封止材供給手段5により供給される以前は、前述したようにロール状に巻回された巻回状態となって、封止材供給手段5の上方に配置されている(
図2参照)。
【0068】
封止材供給手段5は、包材201の平坦部206と、封止材203の厚さ分だけ離間したローラ51を有している。このローラ51は、モータ(図示せず)に連結されており、当該モータの駆動により回転することができる。そして、ローラ51に封止材203が掛け回されて状態で回転することにより、前記巻回状態の封止材203を引き伸ばして包材201上に供給することができる。これにより、薬剤202aおよび202bが収納された凹部204を確実に覆う(塞ぐ)ことができる。
【0069】
封止材供給手段5の下流側には、包材接合手段6が配置されている。包材接合手段6は、薬剤202aおよび202bを収納した包材201と、封止材供給手段5により供給された封止材203とを接合する装置である。
【0070】
包材接合手段6は、外形形状が円柱状をなす加熱ローラ(加熱部材)62を有している。この加熱ローラ62には、電熱線で構成されたヒータ61が内蔵されている。また、加熱ローラ62は、包材201の平坦部206と、封止材203の厚さよりも若干小さい距離だけ離間しているそして、ヒータ61を作動させた状態で、加熱ローラ62が回転すると、当該加熱ローラ62の外周面621で、封止材203を包材201の平坦部206に押し当てつつ、封止材203と平坦部206とを熱融着することができる。
【0071】
なお、搬送手段2(ベルトコンベアシステム22)の複数の第2のローラ222うちの1つの第2のローラ222は、包材201を介して、加熱ローラ62と反対側に配置されているのが好ましい。これにより、加熱ローラ62が封止材203を包材201に押し当てた際、包材201を下側から支えることができ、よって、その押し当てを確実に行なうことができる。
【0072】
また、加熱ローラ62の外周面621には、その中心軸622方向に沿った複数本(
図2に示す構成では10本)の溝623が形成されている。これらの溝623は、中心軸622回りに等角度間隔に配置されている。各溝623は、それぞれ、加熱ローラ62の外周面621が封止材203と包材201の平坦部206とを熱融着する際に、平坦部206の前記搬送方向の中央部上方に位置する(
図2参照)。これにより、封止材203と包材201の平坦部206との間には、融着部207が形成されることの他に、封止材203と包材の平坦部206とが接合されていない、帯状の非融着部(非接合部)209が形成される。これにより、封止材203にタブ208を確実に設けることができる。
【0073】
包材接合手段6の下流側には、溝形成手段7が配置されている。溝形成手段7は、
図3に示すような構成、すなわち、包材201を1つずつ区切るような溝205を形成する装置である。溝205は、非融着部209を構成している、すなわち、融着されていない封止材203および包材の平坦部206の各部分に形成されている第1溝205aと、それと直交する方向に形成されている第2溝205bとがある。そして、連結体30から包材201を得る際には、第1溝205aや第2溝205bで破断ことができる。このように第1溝205aおよび第2溝205bは、それぞれ、破断が容易な破断容易部(脆弱部)となっている。
【0074】
なお、溝205は、その深さが母材201’の厚さの1/2程度のハーフカットであるのが好ましい。
【0075】
溝形成手段7としては、特に限定されず、例えば、ローラの外周面に多数の鋭利な刃部(溝形成用カッター)を有し、搬送を停止した状態で、当該ローラが回転した際に刃部により溝205が形成されるよう構成された装置を用いることができる。
【0076】
なお、搬送手段2、成形手段3、薬剤供給手段4、封止材供給手段5、包材接合手段6、溝形成手段7の構成材料としては、特に限定されず、例えば、各種金属材料や各種樹脂材料を適宜選択して用いることができる。
【0077】
次に、薬剤包装体20が連結されてなる連結体30を、以上のような構成の製造装置1で製造する工程(過程)について説明する。
【0078】
製造装置1では、成形工程と、薬剤供給工程と、封止材供給工程と、包材接合工程と、溝形成工程とが、この順で行われる。成形工程では、成形手段3が用いられ(
図1参照)、薬剤供給工程では、薬剤供給手段4が用いられ(
図2参照)、封止材供給工程では、封止材供給手段5が用いられ(
図2参照)、包材接合工程では、包材接合手段6が用いられ(
図2参照)、溝形成工程では、溝形成手段7が用いられる(
図2参照)。また、搬送手段2は、成形手段3、薬剤供給手段4および溝形成手段7がそれぞれ作動するときに、搬送動作(作動)を停止し、各手段の作動が完了したら、搬送動作を再開する。
【0079】
[1] 成形工程
図1に示すように、まず、成形手段3では、チャンバ31内がヒータ311により、十分に加熱されている。この加熱の程度は、母材201’が成形型32で塑性変形して、当該母材201’に凹部204が成形され得る程度である。また、成形型32は、上金型33と下金型34とが上下方向に互いに離間した型開き状態となっている。
【0080】
そして、この状態で搬送手段2(ローラシステム21)により、母材201’が搬送されると、当該母材201’は、チャンバ31内で加熱され、その後、上金型33と下金型34との間に位置する。このとき、搬送手段2の作動が一旦停止する。
【0081】
次に、上金型33と下金型34とを型閉め状態とする。これにより、母材201’に複数の凹部204が一括して成形される。
【0082】
次に、上金型33と下金型34とを再度型開き状態とする。これにより、母材201’が包材201となり、当該包材201が離型される。
その後、搬送手段2が再作動する。
【0083】
[2] 薬剤供給工程
搬送手段2(ベルトコンベアシステム22)は、1つの包材201が薬剤供給手段4の第1の供給部41aの直下に位置するたびに、作動を一旦停止する。そして、
図2に示すように、この停止状態で、第1の供給部41aから1つの薬剤202aが包材201の凹部204に供給される。
【0084】
次に、搬送手段2が再作動して、凹部204に薬剤202aが収納された包材201が、薬剤供給手段4の第2の供給部41bの直下に位置する。このときも、搬送手段2は、作動を一旦停止する。そして、
図2に示すように、この停止状態で、第2の供給部41bから1つの薬剤202bが包材201の凹部204に供給される。これにより、1つの包材201の凹部204には、薬剤202aおよび202bが一括して収納されることとなる。
その後、搬送手段2が再作動する。
【0085】
[3] 封止材供給工程
図2に示すように、薬剤202aおよび202bを収納した包材201は、搬送手段2により搬送されつつ、封止材供給手段5により封止材203が上方から供給され、載置される。
【0086】
[4] 包材接合工程
封止材203が供給された包材201は、搬送手段2により搬送されつつ、包材接合手段6により、平坦部206が封止材203と接合される。このとき、前述したように、平坦部206と封止材203との間には、融着部207と非融着部209とが形成される。
【0087】
[5] 溝形成工程
封止材203と接合された包材201は、搬送手段2により、溝形成手段7の直下に位置する。このとき、搬送手段2の作動が停止する。そして、
図2に示すように、この停止状態で、溝形成手段7が作動する。これにより、前述したように、溝205(第1溝205aおよび第2溝205b)が形成される。
【0088】
以上のような工程を経ることにより、薬剤包装体20が溝205で連結された連結体30を得る。そして、患者は、連結体30を溝205で切断して、薬剤包装体20を1つずつ用いることができる。この薬剤包装体20は、前述したように、服用のし易さに優れたものとなっている。
【0089】
また、溝形成工程後、連結体30を第1溝205aおよび第2溝205bのうちの一方で折り畳むことができる。そして、この折り畳み状態を維持するバンドを、連結体30に掛けて、当該連結体30を所定の包装形態(例えばピロー包装)で包装することができる。さらに、この包装された連結体30を箱に収納してもよい。
【0090】
<第2実施形態>
図5は、本発明の薬剤包装体製造装置の第2実施形態を示す断面図、
図6、
図5中の矢印B方向から見た図(平面図)、
図7は、
図6中の1つの薬剤包装体の使用状態を示す平面図である。
【0091】
以下、これらの図を参照して本発明の薬剤包装体製造装置および薬剤包装体
の製造方法の第2実施形態について説明するが、前述した実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項はその説明を省略する。
【0092】
本実施形態は、薬剤包装体製造装置が欠損部形成手段をさらに備えることと、包材接合手段の加熱ローラの形状が異なること以外は、前記第1実施形態と同様である。
【0093】
図5に示すように、製造装置1は、封止材供給手段5よりも上流側に配置された欠損部形成手段8を備えている。
【0094】
欠損部形成手段8は、包材201の凹部204以外の部分、すなわち、平坦部206の一部欠損させて、平坦部206に欠損部206aを形成する装置である。なお、この欠損部206aの形成は、包材接合手段6Aにより包材201と封止材203とが接合される以前に行なわれる。
【0095】
欠損部形成手段8は、薬剤供給手段4と封止材供給手段5との間に配置され、平坦部206を打ち抜く複数本の工具81を有している。これら工具81は、平面視で行列状に配置されている。また、各工具81は、横断面形状が正方形をなす、金属製の棒状体で構成されている。このような工具81により、平坦部206の上方から当該平坦部206を打ち抜くことができ、よって、複数の欠損部206aを確実に形成することができる。
図6に示すように、隣接する欠損部206a同士の間隔は、隣接する凹部204同士の間隔と同じであるが、欠損部206aと凹部204とは、前記間隔の1/2分だけ
図6中の上下方向にズレている。
【0096】
なお、搬送手段2(ベルトコンベアシステム22)の複数の第2のローラ222うちの1つの第2のローラ222は、包材201を介して、工具81と反対側に配置されているのが好ましい。これにより、工具81が平坦部206を打ち抜く際、包材201を下側から支えることができ、よって、その打ち抜きを確実に行なうことができる。
【0097】
包材接合手段6Aの加熱ローラ62は、前記第1実施形態での加熱ローラ62と異なり、溝623が省略されたもの、すなわち、外形形状が円柱状をなすものである。
【0098】
以上のような構成の製造装置1では、加熱ローラ62で包材201の平坦部206と封止材203とを熱融着する際に、封止材203は、欠損部206aでは平坦部206と融着されず、その融着されない部分にタブ208が確実に設けられることとなる。
【0099】
また、
図6に示すように、第1溝205aと第2溝205bとは、欠損部206aで交差している。これにより、連結体30を第1溝205aと第2溝205bとで切断すると、
図7に示すように、各薬剤包装体20は、それぞれ、4箇所(四隅)にタブ208が配置されたものとなる。これら4つのタブ208のうちの1つタブ208を把持して、封止材203を剥離することができる。これにより、包材201の凹部204から薬剤202aおよび202bを一括して取り出すことができる。従って、薬剤包装体20は、服用のし易さに優れたものとなっている。
【0100】
<第3実施形態>
図8は、本発明の薬剤包装体製造装置の第3実施形態を示す断面図である。
【0101】
以下、この図を参照して本発明の薬剤包装体製造装置および薬剤包装体
の製造方法の第3実施形態について説明するが、前述した実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項はその説明を省略する。
【0102】
本実施形態は、薬剤供給手段の構成が異なること以外は前記第1実施形態と同様である。
【0103】
図8に示すように、薬剤供給手段4Aは、隣接して配置された第1の供給部41aと第2の供給部41bとの下方に、漏斗状をなす漏斗部材44をさらに有している。
【0104】
漏斗部材44は、筒体で構成され、その上部に内径が下方に向かって漸減するテーパ状をなすテーパ部441が設けられている。漏斗部材44の下部には、内径が鉛直方向に沿って一定の内径一定部442が設けられている。
【0105】
また、漏斗部材44の下側の開口部は、薬剤202aおよび202bを一括して供給する供給口443となっている。この供給口443は、薬剤202aおよび202bが自重により一括して凹部204に向かって落下するよう、供給されるべき凹部204に対し鉛直上方に配置されている。これにより、薬剤202aおよび202bを迅速に供給することができる。
【0106】
このような構成の漏斗部材44では、第1の供給部41aからの薬剤202aと、第2の供給部41bからの202bとが、テーパ部441で一旦集められつつ、内径一定部442に向かう。そして、薬剤202aおよび202bは、供給口443を介して、凹部204に供給される。
【0107】
<第4実施形態>
図9は、本発明の薬剤包装体(第4実施形態)を示す断面図である。
【0108】
以下、この図を参照して本発明の薬剤包装体製造装置および薬剤包装体
の製造方法の第4実施形態について説明するが、前述した実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項はその説明を省略する。
【0109】
本実施形態は、包材の凹部の形状が異なること以外は前記第1実施形態と同様である。
図9に示すように、薬剤包装体20Aでは、包材201の凹部204は、その深さが異なっており、並設され、深さが最大の2つの最大深さ部204aと、最大深さ部204a同士の間に設けられ、深さが最小の最小深さ部204bとに分けることができる。
【0110】
そして、2つの最大深さ部204aのうちの一方の最大深さ部204aに薬剤202aを配置することができ、他方の最大深さ部204aに薬剤202bを配置することができる。これにより、薬剤202aと薬剤202bとが最小深さ部204bで仕切られ、薬剤202a、202b同士が衝突した際に生じ得る破損を確実に防止することができる。
【0111】
<第5実施形態>
図10は、本発明の薬剤包装体製造装置の第5実施形態を示す断面図である。
【0112】
以下、この図を参照して本発明の薬剤包装体製造装置および薬剤包装体
の製造方法の第5実施形態について説明するが、前述した実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項はその説明を省略する。
【0113】
本実施形態は、成形手段の構成が異なること以外は前記第1実施形態と同様である。
図10に示すように、成形手段3Aは、電熱線で構成されたヒータ361が内蔵された一対の加熱板36aおよび36bと、加熱板36aおよび36bの下流側に配置された成形型37とを有している。
【0114】
一対の加熱板36aおよび36bは、上下に対向配置されている。また、加熱板36aと加熱板36bとは、それぞれ、上下方向に移動する、すなわち、互いに接近(
図10(a)参照)・離間(
図10(b)参照)することができる。そして、母材201’を加熱する際に、母材201’を間に配置した状態で当該母材201’に接近して、その加熱を確実に行なうことができる。なお、加熱時には、加熱板36aおよび36bは、それぞれ、母材201’に接してもよいし、母材201’と離間していてもよい、すなわち、母材201’の間に間隙が形成されていてもよい。
【0115】
また、加熱直後に加熱板36aおよび36bが母材201’から離間して、搬送手段2が母材201’を移動させることにより、母材201’に生じる撓みを防止することができる。
【0116】
成形型37は、上下方向に互いに接近(
図10(a)参照)・離間(
図10(b)参照)可能な上金型374と下金型375とを有し、母材201’に凹部204を成形する、すなわち、包材201を成形する装置である。
【0117】
上金型374には、下方に向かって開口する凹部374aが形成されている。また、上金型374には、凹部374aに連通し、当該凹部374aに空気Gを供給する供給路374bが形成されている。
【0118】
下金型375には、上方に向かって開口する凹部375aが形成されている。この凹部375aは、母材201’に凹部204を成形する部分となる。また、下金型375には、凹部375aに連通し、当該凹部375a内の空気Gを排出する複数本の排出路375bが形成されている。
【0119】
そして、母材201’に凹部204を成形する際には、上金型374と下金型375との間で母材201’を挟持した型閉め状態とし、上金型374の供給路374bから空気Gを供給する。この空気Gの圧力により、母材201’は、凹部375aに押し付けられて変形する。これにより、母材201’に凹部204が成形される。なお、母材201’と凹部204との間の空気Gは、各排出路375bを介して外部に排出される。
【0120】
なお、成形型37には、流路(図示せず)が内蔵されており、当該流路に冷媒(冷却水)を通過させて母材201’を冷却することもできる。
【0121】
また、各排出路375bは、それぞれ、ポンプ等のような吸引手段に接続されていてもよい。吸引手段の作動により、空気Gを確実に排出させることができ、また、凹部204の成形を補助することもできる。
【0122】
<第6実施形態>
図11は、本発明の薬剤包装体製造装置の第6実施形態を示す断面図である。
【0123】
以下、この図を参照して本発明の薬剤包装体製造装置および薬剤包装体
の製造方法の第6実施形態について説明するが、前述した実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項はその説明を省略する。
【0124】
本実施形態は、成形型の構成が異なること以外は前記第5実施形態と同様である。
図11に示すように、成形手段3Bでは、成形型37は、凹部204の成形を補助する成形用プラグ(以下単に「プラグ」と言う)376をさらに有している。
【0125】
プラグ376は、円柱状をなす部材であり、その下端面376aが丸みを帯びている。このプラグ376は、上金型374と下金型375と間に配置され、型閉め状態で、下金型375の凹部375bに向かって突出している。これにより、凹部204の成形が容易かつ確実となる。また、成形時に、凹部204での厚さを適宜調整することができる。
【0126】
なお、プラグは、加熱されていてもよいし、その加熱が省略されていてもよい。また、プラグの構成材料としては、特に限定されず、例えば、各種金属材料や各種樹脂材料を用いることができる。
【0127】
<第7実施形態>
図12は、本発明の薬剤包装体製造装置の第7実施形態を示す断面図である。
【0128】
以下、この図を参照して本発明の薬剤包装体製造装置および薬剤包装体
の製造方法の第7実施形態について説明するが、前述した実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項はその説明を省略する。
【0129】
本実施形態は、成形型の構成が異なること以外は前記第5実施形態と同様である。
図12に示すように、成形手段3Cでは、成形型37は、上金型374と、筒体で構成された下金型377と、下金型377内を通過する成形用プラグ(以下単に「プラグ」と言う)378とを有している。
【0130】
プラグ378は、柱状をなし、その上端面378aが丸みを帯びており、凹部204の成形する部材である。また、プラグ378には、空気Gが通過する複数本の流路378bが形成されている。
【0131】
このような構成の成形型37で母材201’に凹部204を成形する際には、上金型374と下金型377との間で母材201’を挟持した型閉め状態とし、上金型374の供給路374bから空気Gを供給する。そして、プラグ378を上方に向かって移動させる。これにより、母材201’は、プラグ378に押し付けられて変形して、凹部204が成形される。また、この成形時に、凹部204での厚さを適宜調整することができる。
【0132】
なお、母材201’とプラグ378の上端面378aとの間の空気Gは、各流路378bを介して排出される。
また、凹部204の成形時には、プラグ378は、加熱されているのが好ましい。
【0133】
<第8実施形態>
図13は、本発明の薬剤包装体製造装置の第8実施形態を示す断面図である。
【0134】
以下、この図を参照して本発明の薬剤包装体製造装置および薬剤包装体
の製造方法の第8実施形態について説明するが、前述した実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項はその説明を省略する。
本実施形態は、搬送手段の構成が異なること以外は前記第1実施形態と同様である。
【0135】
図13に示すように、搬送手段2Aは、少なくとも1つの送りローラ23を有している。送りローラ23は、その外周面231に、母材201’の凹部204に対応する形状の係合部232が複数凹没形成されている。これらの係合部232は、外周面231の主方向に沿って等間隔に配置されている。
【0136】
そして、母材201’は、凹部204が係合部232に係合した状態で、送りローラ23が回転することにより搬送される。
【0137】
<第9実施形態>
図14は、本発明の薬剤包装体(第9実施形態)を示す平面図である。
【0138】
以下、この図を参照して本発明の薬剤包装体製造装置および薬剤包装体
の製造方法の第9実施形態について説明するが、前述した実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項はその説明を省略する。
【0139】
本実施形態は、凹部および融着部の平面視での形状が異なること以外は前記第1実施形態と同様である。
【0140】
図14に示すように、薬剤包装体20では、凹部204は、平面視で円形をなしている。
【0141】
融着部207は、線シール状に融着されており、具体的には凹部204の外周部に沿った円弧状の第1の部分207aと、凹部204の中心を介して、第1の部分207aと反対側に、包材210の3つの辺に沿った第2の部分207bとを有している。
【0142】
このように融着部207が線シール状となっていることにより、封止材203を容易に剥離することができるとともに、その剥離操作を行なう際に把持されるタブ208も容易に形成することができる。
【0143】
なお、加熱ローラ62では、平坦部206に融着部207と非接合部209とを設ける際に、当該融着部207が第1の部分207aと第2の部分207bとを有するように、外周面621に溝が形成されている。
【0144】
以上、本発明の薬剤包装体製造装置および薬剤包装体
の製造方法を図示の実施形態について説明したが、本発明は、これに限定されるものではなく、薬剤包装体製造装置および薬剤包装体を構成する各部は、同様の機能を発揮し得る任意の構成のものと置換することができる。また、任意の構成物が付加されていてもよい。
【0145】
また、本発明の薬剤包装体製造装置および薬剤包装体
の製造方法は、前記各実施形態のうちの、任意の2以上の構成(特徴)を組み合わせたものであってもよい。
【0146】
また、包材に形成させる凹部の形成数としては、前記各実施形態では1つであったが、これに限定されず、例えば、2つ以上であってもよい。
【0147】
また、包材の凹部は、前記各実施形態では平面視で包材の中央部に配置されていたが、これに限定されず、例えば、包材の中央部からズレた位置に配置されていてもよい。
【0148】
また、包材に収納される薬剤の個数としては、前記各実施形態では2つであったが、これに限定されず、例えば、3つ以上であってもよい。
【0149】
また、包材と封止材とは、双方が樹脂材料で構成されていたが、これに限定されず、これらのうちの一方が樹脂材料で構成されていてもよい。この場合、例えば、包材を樹脂材料で構成し、封止材をアルミニウム等のような金属材料で構成することができる。
【0150】
また、封止材としては、金属箔の他に、有機珪素化合物または金属酸化物の無機系の蒸着膜、金属箔や蒸着膜と前記樹脂材料との積層体で構成されていてもよい。
【0151】
また、搬送手段としては、ベルトコンベアを有する構成や、送りローラを有する構成の他に、母材を挟持する挟持部と、挟持部が母材を挟持したまま、当該挟持部を移動させる移動機構とを備える構成であってもよい。
【0152】
また、本発明の薬剤包装製造装置は、成形手段が省略されていてもよい。この場合、薬剤包装製造装置では、予め凹部が形成された母材が用いられる。
【0153】
また、成形手段は、前記第1実施形態ではチャンバと成形型とを有する構成であり、前記5実施形態では一対の加熱板と成形型とを有する構成であったが、これに限定されず、例えば、加熱ローラと、加熱ローラの下流側に配置された凹部成形用ローラとを有する構成であってもよい。凹部成形用ローラは、その外周面に、母材(包材)に凹部を成形するためのポケットが形成されている。そして、母材を凹部成形用ローラの外周面に当接させた状態で、ポケット内を真空引きすると、母材に凹部が成形される。なお、凹部形成用ローラは、内部に冷却機構を有していてもよい。
【0154】
また、一対の加熱板は、双方が可動可能であってもよいし、一方が可能であり、他方が固定されていてもよい。
【0155】
また、成形手段としては、その他に、成形型において、空気の供給と、空気の吸引と、成形用プラグとを適宜組み合わせた構成のものとすることもできる。
【0156】
また、包材接合手段が有する加熱ローラの外周面に形成されている溝の形成数は、前記各実施形態では10本であったが、これに限定されず、例えば、1本、2本、3本、4本、5本、6本、7本、8本、9本または11本以上であってもよい。
【0157】
また、包材接合手段は、前記各実施形態では加熱ローラを有する構成であったが、これに限定されず、例えば、平板状をなす加熱板(加熱部材)を有する構成であってもよい。なお、包装体の融着部が線シールである場合、包材接合手段としては、加熱板を用いるのがより好ましい。加熱板を用いることにより、封止材と包材の平坦部とを気密的に接合する際の位置合わせが簡便となり、また、融着部(接合部)の平面視での形状(デザイン)の変更が簡便となり、多種の線シールの形状を選択することができる。
【0158】
また、加熱ローラの外周面には、前記第1実施形態ではその中心軸方向に沿った複数本の溝が形成されているが、これに限定されず、当該溝の他に、さらに、外周面の周方向(回転方向)に沿った溝が形成されていてもよい。
【0159】
また、封止材は、前記各実施形態では封止材供給手段により供給される以前はロール状に巻回された巻回状態となっているが、これに限定されず、例えば、短冊状のものであってもよい。封止材が短冊状のものである場合、包材接合手段が前記加熱板を有する構成となっているのが好ましい。
【0160】
また、封止材が前記巻回状態となっている場合、当該封止材を短冊状に切断するためのスリットを形成する手段が設けられていてもよい。
【0161】
また、薬剤供給手段としては、前記各実施形態では薬剤が1列に整列されて供給される、いわゆる「自然落下直充填方式」ものであったが、これに限定されず、例えば、いわゆる「直接充填方式」や「ロータリシャッタ方式」ものであってもよい。
【0162】
また、溝形成手段により形成された溝は、連続体を分割、破断して包装体とする破断部として、用いられるものであるが、この破断部としては、溝の他に、ミシン目であってもよい。