(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、具体的な実施形態を用いて本発明をより詳しく説明するが、本発明が下記実施形態に限定されないことはいうまでもない。
【0022】
1.構成
1−1.通信システム1の全体構成
図1は、通信システム1の全体構成を示す図である。通信システム1は、複数の携帯電話端末10と、リスト配信装置20と、リスト生成装置30とを備える。複数の携帯電話端末10、リスト配信装置20及びリスト生成装置30は、移動体通信網やインターネットを含むネットワーク2を介して接続される。
【0023】
通信システム1は、携帯電話端末10のユーザに対し、迷惑電話を防止するための着信制御サービスを提供する。この迷惑電話とは、相手に不快感を与える結果となる電話のことをいう。携帯電話端末10は、例えば携帯電話機やスマートフォンである。携帯電話端末10は、電話機として機能する他に、迷惑電話の着信を制御する処理を行う着信処理装置として機能する。リスト生成装置30は、迷惑電話を判定するための共用リスト173を生成する。リスト配信装置20は、リスト生成装置30により生成された共用リスト173を携帯電話端末10に配信する。
【0024】
1−2.携帯電話端末10の構成
図2は、携帯電話端末10のハードウェア構成を示す図である。携帯電話端末10は、プロセッサ11と、メインメモリ12と、通信部13と、音声入出力部14と、入力部15と、表示部16と、記憶部17とを備える。
【0025】
プロセッサ11は、例えばCPU(Central Processing Unit)により構成される。プロセッサ11は、記憶部17に記憶されたプログラムを実行することにより、携帯電話端末10の各部を制御する。メインメモリ12は、例えばRAM(Random Access Memory)により構成される。メインメモリ12は、プログラムやデータを一時的に記憶する。メインメモリ12は、プロセッサ11がプログラムを実行する際の作業領域として用いられる。
【0026】
通信部13は、ネットワーク2に接続される通信用のインタフェースである。通信部13は、ネットワーク2を介してリスト配信装置20と通信を行う。音声入出力部14は、例えばマイクロフォンとスピーカとにより構成される。音声入出力部14は、音声の入出力を行う。入力部15は、例えばタッチパネルとキーとにより構成される。入力部15は、ユーザの操作に応じた信号をプロセッサ11に入力する。表示部16は、例えば液晶ディスプレイにより構成される。表示部16は、各種の情報を表示する。記憶部17は、例えばフラッシュメモリにより構成される。記憶部17には、各種のプログラムやデータが記憶される。
【0027】
図3は、記憶部17に記憶されるデータの一例を示す図である。記憶部17には、拒否リスト171と、許可リスト172と、共用リスト173と、第1の履歴情報174とが記憶される。
【0028】
図4は、拒否リスト171の一例を示す図である。拒否リスト171には、ユーザの操作により着信が拒否された電話番号が含まれる。例えば、ユーザが入力部15を用いて「03−1234−****」という電話番号からの着信を拒否する操作(以下、「拒否操作」という。)を行った場合には、
図4に示すように、この「03−1234−****」という電話番号が拒否リスト171に追加される。この拒否操作は、本発明に係る「第1の操作」の一例である。
【0029】
図5は、許可リスト172の一例を示す図である。許可リスト172には、ユーザの操作により着信が許可された電話番号が含まれる。例えば、ユーザが入力部15を用いて「03−2345−****」という電話番号からの着信を許可する操作(以下、「許可操作」という。)を行った場合には、
図5に示すように、この「03−2345−****」という電話番号が許可リスト172に追加される。この許可操作は、本発明に係る「第2の操作」の一例である。また、許可リスト172には、ユーザの操作により電話帳に登録された電話番号が含まれてもよい。
【0030】
図6は、共用リスト173の一例を示す図である。共用リスト173には、リスト生成装置30により迷惑電話として判定された着信における発信者の電話番号が含まれる。共用リスト173は、リスト生成装置30により生成され、リスト配信装置20を介して携帯電話端末10に提供される。
【0031】
図7は、第1の履歴情報174の一例を示す図である。第1の履歴情報174は、携帯電話端末10の着信履歴を示す。この第1の履歴情報174には、発信者の電話番号と、着信日時と、通話時間と、呼び出し時間と、判定結果と、操作情報と、登録日時とが含まれる。
【0032】
発信者の電話番号は、携帯電話端末10が受けた着信における発信者の電話番号である。着信日時は、携帯電話端末10が着信を受けた日時である。通話時間は、携帯電話端末10が受けた着信において通話が開始されてから終了されるまでの時間である。呼び出し時間は、携帯電話端末10が着信を受けてから通話が開始されるまでの時間、又は携帯電話端末10が着信を受けてから通話を行わないまま呼び出しが終了するまでの時間である。
【0033】
判定結果は、発信者の電話番号が拒否リスト171、許可リスト172、又は共用リスト173に登録されているか否かの判定結果を示す情報である。
図7に示す例では、発信者の電話番号が拒否リスト171に含まれる場合には、判定結果として「1」が格納される。発信者の電話番号が許可リスト172に含まれる場合には、判定結果として「2」が格納される。発信者の電話番号が共用リスト173に含まれる場合には、判定結果として「3」が格納される。発信者の電話番号がいずれのリストにも含まれない場合には、判定結果として「4」が格納される。
【0034】
操作情報は、発信者の電話番号に対する拒否操作又は許可操作の有無を示す情報である。
図7に示す例では、拒否操作が行われた場合には、操作情報として「1」が格納される。許可操作が行われた場合には、操作情報として「2」が格納される。拒否操作及び許可操作のいずれも行われていない場合には、操作情報として「3」が格納される。登録日時は、発信者の電話番号が拒否リスト171又は許可リスト172に登録された日時、すなわち発信者の電話番号に対して拒否操作又は許可操作が行われた日時である。
【0035】
発信者の電話番号、着信日時、通話時間、呼び出し時間、及び判定結果は、携帯電話端末10が着信を受けたことに応じて格納される。操作情報及び登録日時は、ユーザにより拒否操作又は許可操作が行われたことに応じて格納される。
【0036】
1−3.リスト配信装置20の構成
図8は、リスト配信装置20のハードウェア構成を示す図である。リスト配信装置20は、プロセッサ21と、メインメモリ22と、通信部23と、記憶部24とを備える。
【0037】
プロセッサ21は、例えばCPUにより構成される。プロセッサ21は、記憶部24に記憶されたプログラムを実行することにより、リスト配信装置20の各部を制御する。メインメモリ22は、例えばRAMにより構成される。メインメモリ22は、プログラムやデータを一時的に記憶する。メインメモリ22は、プロセッサ21がプログラムを実行する際の作業領域として用いられる。通信部23は、ネットワーク2に接続される通信用のインタフェースである。通信部23は、ネットワーク2を介して携帯電話端末10及びリスト生成装置30と通信を行う。記憶部24は、例えばハードディスクにより構成される。記憶部24は、各種のプログラムやデータを記憶する。
【0038】
1−4.リスト生成装置30の構成
図9は、リスト生成装置30のハードウェア構成を示す図である。リスト生成装置30は、プロセッサ31と、メインメモリ32と、通信部33と、入力部34と、表示部35と、記憶部36とを備える。
【0039】
プロセッサ31は、例えばCPUにより構成される。プロセッサ31は、記憶部36に記憶されたプログラムを実行することにより、リスト生成装置30の各部を制御する。メインメモリ32は、例えばRAMにより構成される。メインメモリ32は、プログラムやデータを一時的に記憶する。メインメモリ32は、プロセッサ31がプログラムを実行する際の作業領域として用いられる。
【0040】
通信部33は、ネットワーク2に接続される通信用のインタフェースである。通信部33は、ネットワーク2を介してリスト配信装置20と通信を行う。入力部34は、例えばマウスとキーボードとにより構成される。入力部34は、ユーザの操作に応じた信号をプロセッサ31に入力する。表示部35は、例えば液晶ディスプレイにより構成される。表示部35は、各種の情報を表示する。記憶部36は、例えばハードディスクにより構成される。記憶部36は、各種のプログラムやデータを記憶する。
【0041】
図10は、記憶部36に記憶されるデータの一例を示す図である。記憶部36には、共用データベース(以下、「共用DB」という。)361と、ユーザ評価データベース(以下、「ユーザ評価DB」という。)362とが記憶される。
【0042】
図11は、共用DB361の一例を示す図である。共用DB361には、発信者の電話番号と、迷惑レベルとが含まれる。発信者の電話番号は、少なくとも1の携帯電話端末10が受けた着信における発信者の電話番号である。迷惑レベルは、迷惑電話を判定する指標となる値である。
【0043】
図12は、ユーザ評価DB362の一例を示す図である。ユーザ評価DB362には、端末IDと、評価値とが格納される。端末IDは、携帯電話端末10の識別情報である。通常、携帯電話端末10は1のユーザにより利用されるため、端末IDはユーザの識別情報としても用いられる。評価値は、携帯電話端末10のユーザに付与される値である。評価値は、例えば以下の項目に基づいて決定される。
(a)操作の適正度
(b)共用リスト173に含まれる電話番号からの着信回数
(c)サービスの利用期間
(d)操作回数、着信件数の変化量
【0044】
(a)操作の適正度
例えば、ユーザがある電話番号に対して拒否操作を行った後、その電話番号が共用リスト173に登録された場合には、このユーザによる操作の適正度が高いと考えられる。このように、ユーザの操作の適正度が高い場合には、このユーザの評価値は増加する。一方、例えば共用リスト173に登録された電話番号に対してユーザが許可操作を行った場合には、このユーザによる操作の適正度が低いと考えられる。このように、ユーザの操作の適正度が低い場合には、このユーザの評価値は減少する。
【0045】
(b)共用リスト173に含まれる電話番号からの着信回数
共用リスト173に含まれる電話番号からの着信回数が所定の回数に達している場合には、携帯電話端末10のユーザが迷惑電話のターゲットとなっている可能性がある。このように、携帯電話端末10のユーザが迷惑電話のターゲットとなっている場合には、そのユーザから得られる情報は重要度が高いと考えられる。したがって、このユーザの評価値は増加する。
【0046】
(c)サービスの利用期間
着信拒否サービスの利用期間が所定の期間に達している場合には、このユーザの評価値が増加する。
【0047】
(d)操作回数、着信件数の変化量
所定の時間間隔で1のユーザが拒否操作又は許可操作を行った回数又はそのユーザが使用する携帯電話端末10の着信件数を集計し、集計した回数又は着信件数の変化量を計算する。この変化量が、変化量について設定された閾値より大きい場合には、このユーザが特殊な用途(例えば、業務用)で携帯電話端末10を使用している可能性がある。この場合、このユーザの評価値は減少する。
【0048】
1−5.通信システム1の機能構成
図13は、通信システム1の機能構成を示す図である。携帯電話端末10は、プロセッサ11が1又は複数のプログラムを実行することにより、検出部111、判定部112、着信処理部113、第2の出力部114、及びリスト管理部115として機能する。
【0049】
検出部111は、携帯電話端末10が受けた着信における発信者の電話番号を検出する。判定部112は、検出部111により検出された電話番号が共用リスト173に含まれるか否かを判定する。共用リスト173は、本発明に係るリストの一例である。着信処理部113は、携帯電話端末10が受けた着信につき、共用リスト173に基づいて所定の処理を行う。例えば着信処理部113は、検出部111により検出された電話番号が判定部112により共用リスト173に含まれる場合には、携帯電話端末10がこの電話番号から受ける着信を拒否する。第2の出力部114は、携帯電話端末10の端末IDと第1の履歴情報174とを出力する。リスト管理部115は、記憶部17に記憶された拒否リスト171、許可リスト172、及び共用リスト173を管理する。
【0050】
リスト配信装置20は、プロセッサ21が1又は複数のプログラムを実行することにより、受信部211、編集部212、及び送信部213として機能する。
【0051】
受信部211は、リスト生成装置30又は携帯電話端末10から通信部23を介して情報を受信する。例えば受信部211は、携帯電話端末10から送信された第1の履歴情報174を、通信部23を介して受信する。また、受信部211は、リスト生成装置30により生成された共用リスト173を、通信部23を介して受信する。編集部212は、受信部211により取得された第1の履歴情報174を編集して、第2の履歴情報175を生成する。送信部213は、通信部23を介してリスト生成装置30又は携帯電話端末10に情報を送信する。例えば送信部213は、編集部212により生成された第2の履歴情報175を、通信部23を介してリスト生成装置30に送信する。また送信部213は、受信部211により受信された共用リスト173を、通信部23を介して携帯電話端末10に送信する。
【0052】
リスト生成装置30は、プロセッサ31が1又は複数のプログラムを実行することにより、第1の取得部311、第1の算出部312、生成部313、第2の算出部314、及び第1の出力部315として機能する。
【0053】
第1の取得部311は、第2の履歴情報175に含まれる情報及びユーザ評価DB362に格納された評価値のうちの少なくとも1を入力データとして取得する。第1の算出部312は、第1の取得部311により取得された入力データに基づいて判断される要素に基づいて、発信者の電話番号毎に迷惑レベルを算出する。この迷惑レベルは、本発明に係る第1の指標値の一例である。生成部313は、第1の算出部312により算出された迷惑レベルと閾値T1(第1の閾値の一例)とを比較することにより、共用リスト173を生成する。第1の出力部315は、生成部313により生成された共用リスト173を出力する。また、第2の算出部314は、第2の履歴情報175に基づいて、共用リスト173に基づく迷惑電話の判別精度を算出する。第1の出力部315は、第2の算出部314により算出された迷惑電話の判別精度を出力する。
【0054】
2.動作
通信システム1では、共用リスト173の生成処理、着信制御処理、及び迷惑電話の判別精度の算出処理が行われる。共用リスト173の生成処理では、携帯電話端末10の着信履歴や携帯電話端末10で行われた拒否操作又は許可操作を反映した共用リスト173が生成される。共用リスト173の生成処理は、携帯電話端末10、リスト配信装置20及びリスト生成装置30によって行われる。着信制御処理では、共用リスト173の生成処理で生成された共用リスト173、携帯電話端末10に記憶された拒否リスト171及び許可リスト172に基づいて、携帯電話端末10の着信が制御される。着信制御処理は、携帯電話端末10によって行われる。迷惑電話の判別精度の算出処理では、迷惑電話の判別精度を表す値が算出される。この算出処理は、リスト生成装置30によって行われる。
【0055】
2−1.共用リスト173の生成処理
図14は、共用リスト173の生成処理を示すシーケンスチャートである。この生成処理は、所定の時間間隔で開始される。
【0056】
ステップS101において、携帯電話端末10の第2の出力部114は、記憶部17に記憶された第1の履歴情報174に自端末の端末IDを付加して、通信部13からリスト配信装置20に送信する。リスト配信装置20は、受信部211により通信部23を介して第1の履歴情報174を受信すると、ステップS102に進む。
【0057】
ステップS102において、編集部212は、受信部211により受信された第1の履歴情報174を編集して、第2の履歴情報175を生成する。
図15は、第2の履歴情報175の一例を示す図である。第2の履歴情報175には、携帯電話端末10の端末ID及び第1の履歴情報174に含まれる情報に加えて、着信件数と、拒否件数と、許可件数とが含まれる。
【0058】
着信件数は、携帯電話端末10が受けた着信の回数の合計である。この着信件数は、例えば第1の履歴情報174に含まれる発信者の電話番号及び着信日時に基づいて計算される。拒否件数は、携帯電話端末10のユーザが拒否操作を行った回数の合計である。この拒否件数は、第1の履歴情報174に含まれる操作情報に基づいて計算される。許可件数は、携帯電話端末10のユーザが許可操作を行った回数の合計である。この許可件数は、第1の履歴情報174に含まれる操作情報に基づいて計算される。
【0059】
なお、編集部212は、プライバシーの観点から、第1の履歴情報174に含まれる情報のうち共用リスト173の生成に不要な情報については除外してもよい。
【0060】
図14に戻り、ステップS103において、送信部213は、編集部212により生成された第2の履歴情報175を、通信部23からリスト生成装置30に送信する。リスト生成装置30は、通信部33により第2の履歴情報175を受信すると、ステップS104に進む。
【0061】
ステップS104において、第1の取得部311は、受信した第2の履歴情報175を記憶部36に記憶する。このようにして、記憶部36には、複数の携帯電話端末10から送信された第1の履歴情報174に対応する複数の第2の履歴情報175が記憶される。
【0062】
ステップS105において、第1の取得部311は、記憶部36に記憶された第2の履歴情報175及びユーザ評価DB362から必要な情報を入力データとして取得する。第1の算出部312は、第1の取得部311により取得された入力データに基づいて、発信者の電話番号毎に迷惑レベルを算出する。このとき、発信者の電話番号の迷惑レベルが既に共用DB361に格納されている場合には、その迷惑レベルを増加又は減少させることにより、迷惑レベルが算出される。一方、発信者の電話番号の迷惑レベルが共用DB361に格納されていない場合には、初期値を迷惑レベルとして用いて増加又は減少させることにより、迷惑レベルが算出される。この初期値は、例えば「0」である。
【0063】
迷惑レベルは、以下の12個の要素のうちの少なくとも2に基づいて算出される。以下の12個の要素のうちの好ましくは4個、より好ましくは6個、更に好ましくは8個、特に好ましくは10個、最も好ましくは全部(12個)である。
(1)発信者の電話番号について、ユーザが拒否操作をしたか、許可操作をしたか
(2)発信者の電話番号に対してユーザが拒否操作をした場合に、その電話番号に対して許可操作を行った他のユーザが所定の条件を満たすか
(3)発信者の電話番号からの着信が既に迷惑電話であると判定されているか
(4)発信者の電話番号の迷惑レベルについて、1のユーザにより加算される値の上限値
(5)発信者の電話番号からの着信を受けた携帯電話端末10が利用される地域
(6)発信者の電話番号からの着信における通話時間
(7)発信者の電話番号に対して拒否操作を行ったユーザの総数
(8)発信者の電話番号から着信した際の呼び出し時間
(9)発信者の電話番号から着信を受けた時間帯
(10)ユーザに付与された評価値
(11)所定の期間内にユーザが行った拒否操作又は許可操作の回数
(12)発信者の電話番号に対してユーザが拒否操作をした場合に、その電話番号が所定のデータベースに登録されているか
【0064】
(1)発信者の電話番号について、ユーザが拒否操作をしたか、許可操作をしたか
発信者の電話番号に対して拒否操作が行われた場合には、この電話番号からの着信は迷惑電話である可能性がある。したがって、この電話番号の迷惑レベルに定数aが加算される。これにより、迷惑レベルが増加する。一方、発信者の電話番号に対して許可操作が行われた場合には、この電話番号からの着信は迷惑電話以外の電話である可能性がある。したがって、この電話番号の迷惑レベルから定数aが減算される。これにより、迷惑レベルが減少する。(1)の要素に基づいて迷惑レベルを算出する場合には、例えば第2の履歴情報175に含まれる端末ID、発信者の電話番号及び操作情報が入力データとして用いられる。
【0065】
例えば、端末IDが「001」、発信者の電話番号が「03−5678−****」、操作情報が「1」である場合には、端末ID「001」により識別されるユーザにより「03−5678−****」という電話番号に対して拒否操作が行われたと判定される。この場合、この「03−5678−****」という電話番号の迷惑レベルに定数aが加算される。
【0066】
ただし、入力データに基づいて、1のユーザにより同一の発信者の電話番号に対して複数回同じ操作が行われたと判定される場合には、2回目以降の操作は迷惑レベルに反映しないことが好ましい。例えば、入力データに基づいて、端末ID「001」により識別されるユーザにより「03−5678−****」という電話番号に対して拒否操作が2回行われたと判定される場合には、この電話番号の迷惑レベルには定数a×2ではなく、定数aだけが加算される。
【0067】
(2)発信者の電話番号に対してユーザが拒否操作をした場合に、その電話番号に対して許可操作を行った他のユーザが所定の条件を満たすか
発信者の電話番号に対してあるユーザが拒否操作を行った場合でも、例えばその電話番号に対して許可操作を行った他のユーザの総数が、他のユーザの総数について設定された閾値T11に達しているときや、その電話番号に対して許可操作を行った他のユーザに付与された評価値が、他のユーザの評価値について設定された閾値T12より大きいときは、その電話番号は優良な発信者の電話番号であると考えられる。このように、発信者の電話番号に対してユーザにより拒否操作が行われた場合に、その電話番号に対して許可操作を行った他のユーザが所定の条件を満たす場合には、この電話番号の迷惑レベルに加算される定数aに対して、定数aが小さくなるような重み係数w1が乗算される。この重み係数w1は、例えば0より大きく1より小さい値であるが、0としてもよい。この場合、発信者の電話番号の迷惑レベルに対して、定数aに重み係数w1を乗算することにより得られる値が加算される。このとき迷惑レベルに加算される値は、上述した(1)の要素により迷惑レベルに加算される値、すなわち定数aより小さくなる。(2)の要素に基づいて迷惑レベルを算出する場合には、例えば第2の履歴情報175に含まれる端末ID、発信者の電話番号及び操作情報、又は第2の履歴情報175に含まれる端末ID、発信者の電話番号及び操作情報並びにユーザ評価DB362に格納された評価値が入力データとして用いられる。
【0068】
例えば、上述した(1)で説明したように、端末ID「001」により識別されるユーザにより「03−5678−****」という電話番号に対して拒否操作が行われたと判定された場合には、入力データに基づいて、この電話番号に対して許可操作を行ったユーザの総数が計算される。このユーザの総数が閾値T11に達している場合には、この「03−5678−****」は優良な発信者の電話番号であるとみなされる。
【0069】
また、上述した(1)で説明したように、端末ID「001」により識別されるユーザにより「03−5678−****」という電話番号に対して拒否操作が行われたと判定された場合において、入力データに基づいて、例えば端末IDが「002」により識別されるユーザがこの電話番号に対して許可操作を行ったと判定されたときは、ユーザ評価DB362から端末ID「002」に対応する評価値が抽出される。抽出されたユーザ評価値が閾値T12より大きい場合には、この「03−5678−****」という電話番号は優良な発信者の電話番号であるとみなされる。
【0070】
このように、「03−5678−****」という電話番号が優良な発信者の電話番号であるとみなされる場合には、その電話番号の迷惑レベルに、定数aに重み係数w1を乗算することにより得られる値が加算される。このとき迷惑レベルに加算される値は、発信者の電話番号が優良な発信者の電話番号であるとみなされない場合に迷惑レベルに加算される値、すなわち定数aより小さくなる。
【0071】
(3)発信者の電話番号からの着信が既に迷惑電話であると判定されているか
共用リスト173に登録された電話番号から着信があった場合には、その着信は既に迷惑電話であると判定されていることになるため、悪質な迷惑電話である可能性が高いと考えられる。したがって、この電話番号の迷惑レベルに定数bが加算される。これにより、迷惑レベルが増加する。ただし、定数b((3)の要素による迷惑レベルの変化量の一例)は、通常は定数a((1)の要素による迷惑レベルの変化量の一例)より小さい値とする。(3)の要素に基づいて迷惑レベルを算出する場合には、例えば第2の履歴情報175に含まれる発信者の電話番号及び判定結果が入力データとして用いられる。
【0072】
例えば、発信者の電話番号が「03−3456−****」、判定結果が「3」である場合には、既に共用リスト173に含まれる「03−3456−****」という電話番号から着信があったと判定される。この場合、「03−3456−****」という電話番号の迷惑レベルに定数bが加算される。
【0073】
(4)発信者の電話番号の迷惑レベルについて、1のユーザにより加算される値の上限値
1の発信者の電話番号の迷惑レベルについて1のユーザにより加算される値だけで、その電話番号が共用リスト173に登録されることを防ぐために、1の発信者の電話番号の迷惑レベルについて1のユーザにより加算される値の合計には、予め上限値が設定される。この上限値は、共用リスト173への登録の判定に用いられる閾値T1より小さい値である。1の発信者の電話番号の迷惑レベルについて1のユーザにより値が加算される値の合計が上限値を超える場合には、上限値を超える値については加算されない。このユーザにより加算される値は、ユーザが利用する携帯電話端末10が受けた着信により加算される値であってもよいし、ユーザが行った拒否操作により加算される値であってもよい。(4)の要素に基づいて迷惑レベルを算出する場合には、例えば第2の履歴情報175に含まれる端末ID及び発信者の電話番号が入力データとして用いられる。
【0074】
例えば、入力データに基づいて、端末ID「001」により識別される携帯電話端末10において、既に共用リスト173に含まれる「03−3456−****」という電話番号からN回着信があったと判定される場合には、上述した(3)の要素によれば、この電話番号の迷惑レベルに加算される値は、定数bにNを乗算することにより得られる値となる。しかし、この値が上限値より大きい場合には、「03−3456−****」という電話番号の迷惑レベルには、定数bにNを乗算することにより得られる値に代えて、上限値が加算される。なお、端末ID「001」により識別されるユーザにより既に「03−3456−****」という電話番号の迷惑レベルに値が加算されている場合には、この電話番号の迷惑レベルには、上限値と既に加算された値との差分が加算される。また、ユーザにより「03−3456−****」という電話番号に対して許可操作が行われた場合には、このユーザによりこの電話番号の迷惑レベルに加算された値の合計から定数aが減算される。
【0075】
(5)発信者の電話番号からの着信を受けた携帯電話端末10が利用される地域
ユーザ数が多い地域を対象に迷惑電話が行われる場合には、母集団が大きい分、迷惑レベルが上昇しやすい。一方、ユーザ数が少ない地域を対象に迷惑電話が行われる場合には、母集団が小さい分、迷惑レベルが上昇し難い。そこで、このような地域間のユーザ数の違いによる影響を減らすために、携帯電話端末10が利用される地域のユーザ数に応じて、迷惑レベルに加算される値に重み付けを行う。
【0076】
具体的には、携帯電話端末10が利用される地域のユーザ数が、地域のユーザ数について設定された閾値T13(第2の閾値の一例)より小さい場合には、上述した(1)の要素により迷惑レベルに加算される定数a、又は上述した(3)の要素により迷惑レベルに加算される定数bに対して、その定数a又は定数bが大きくなるような重み係数w2が乗算される。この重み係数w2は、例えば1より大きく2より小さい値である。この場合、迷惑レベルには、定数aに加えて、重み係数w2による変化量Δl1=定数a(又は定数b)×重み係数w2−定数a(又は定数b)が加算される。これにより、迷惑レベルが増加する。なお、この変化量Δl1((5)の要素による迷惑レベルの変化量の一例)は、定数a((1)の要素による迷惑レベルの変化量の一例)より小さくなる。(5)の要素に基づいて迷惑レベルを算出する場合には、例えば第2の履歴情報175に含まれる端末ID、発信者の電話番号及び操作情報が入力データとして用いられる。
【0077】
例えば、上述した(1)で説明したように、端末ID「001」により識別されるユーザにより「03−5678−****」という電話番号に対して拒否操作が行われたと判定される場合には、端末ID「001」により識別される携帯電話端末10が受けた着信における発信者の電話番号から市外局番が抽出され、最も多く抽出された市外局番に対応する地域が、この携帯電話端末10が利用される地域として判定される。例えば、判定された地域において着信拒否サービスを利用するユーザの人数が閾値T13より小さい場合には、「03−5678−****」という電話番号の迷惑レベルに対して、定数aに重み係数w2を乗算することにより得られる値が加算される。このとき迷惑レベルに加算される値は、ユーザ数が閾値T13以上の地域で携帯電話端末10を利用するユーザが拒否操作を行ったときに発信者の電話番号の迷惑レベルに加算される値、すなわち定数aより大きくなる。
【0078】
(6)発信者の電話番号からの着信における通話時間
発信者の電話番号からの着信において通話が行われた後、その電話番号に対して拒否操作が行われた場合には、拒否操作の信用度が高いと考えられる。したがって、発信者の電話番号からの着信における通話時間が0より大きく、その電話番号に対して拒否操作が行われた場合には、この発信者の電話番号の迷惑レベルに加算される定数aに対して、定数aが大きくなるような重み係数w3が乗算される。この重み係数w3は、例えば1より大きく2より小さい値である。この場合、迷惑レベルには、定数aに加えて、重み係数w3による変化量Δl2=定数a×重み係数w3−定数aが加算される。これにより、迷惑レベルが増加する。なお、この変化量Δl2((6)の要素による迷惑レベルの変化量の一例)は、定数a((1)の要素による迷惑レベルの変化量の一例)より小さくなる。(6)の要素に基づいて迷惑レベルを算出する場合には、例えば第2の履歴情報175に含まれる発信者の電話番号、操作情報及び通話時間が入力データとして用いられる。
【0079】
例えば、発信者の電話番号が「03−5678−****」、操作情報が「1」、通話時間が「10」である場合には、「03−5678−****」という電話番号からの着信に対して、10秒間の通話の後、拒否操作が行われたと判定される。この場合、この「03−5678−****」という電話番号の迷惑レベルに対して、定数aに重み係数w3を乗算することにより得られる値が加算される。このとき迷惑レベルに加算される値は、発信者の電話番号からの着信において通話が行われないまま、その電話番号に対して拒否操作が行われた場合に迷惑レベルに加算される値、すなわち定数aより大きくなる。
【0080】
(7)発信者の電話番号に対して拒否操作を行ったユーザの総数
(7−1)所定の期間内に同一の電話番号に対して拒否操作を行ったユーザの総数が、同一の電話番号に対して拒否操作を行ったユーザの総数について設定された閾値T14(第3の閾値の一例)に達している場合には、この電話番号からの着信が迷惑電話である可能性が高いと考えられる。したがって、この発信者の電話番号の迷惑レベルに加算される定数aに対して、定数aが大きくなるような重み係数w4が乗算される。この重み係数w4は、例えば1より大きく2より小さい値である。この場合、迷惑レベルには、定数aに加えて、重み係数w4による変化量Δl3=定数a×重み係数w4−定数aが加算される。これにより、迷惑レベルが増加する。なお、この変化量Δl3((7)の要素による迷惑レベルの変化量の一例)は、定数a((1)の要素による迷惑レベルの変化量の一例)より小さくなる。(7−1)の要素に基づいて迷惑レベルを算出する場合には、例えば第2の履歴情報175に含まれる端末ID、発信者の電話番号、操作情報及び登録日時が入力データとして用いられる。
【0081】
例えば、上述した(1)で説明したように、端末ID「001」により識別されるユーザにより「03−5678−****」という電話番号に対して拒否操作が行われたと判定された場合には、入力データに基づいて、この電話番号に対して所定の期間内に拒否操作を行ったユーザの総数が計算される。このユーザの総数が閾値T14に達している場合には、「03−5678−****」という電話番号の迷惑レベルに対して、定数aに重み係数w4を乗算することにより得られる値がユーザの人数分だけ加算される。このとき迷惑レベルに加算される値は、所定の期間内にその電話番号に対して拒否操作を行ったユーザの総数が閾値T14に達していない場合に迷惑レベルに加算される値、すなわち定数aより大きくなる。
【0082】
(7−2)所定の期間内に同一の電話番号に対して拒否操作を行ったユーザの総数が0である場合には、この発信者の電話番号からの着信は既に迷惑電話ではない可能性がある。したがって、この発信者の電話番号の迷惑レベルから定数cが減算される。これにより、迷惑レベルが減少する。(7−2)の要素に基づいて迷惑レベルを算出する場合には、例えば第2の履歴情報175に含まれる発信者の電話番号及び判定結果が入力データとして用いられる。
【0083】
例えば、発信者の電話番号が「03−3456−****」、判定結果が「3」である場合には、「03−3456−****」という電話番号からの着信は、発信者の電話番号が共用リスト173に含まれるため、拒否されたと判定される。この場合、入力データに基づいて、この電話番号に対して所定の期間内に拒否操作を行ったユーザの総数が計算される。ユーザの総数が0である場合には、「03−3456−****」という電話番号の迷惑レベルから定数cが減算される。
【0084】
(8)発信者の電話番号から着信した際の呼び出し時間
(8−1)発信者の電話番号から着信した際の呼び出し時間が、呼び出し時間について設定された閾値T15(第4の閾値の一例)より小さい場合には、いわゆる「ワン切り」という迷惑行為である可能性がある。したがって、発信者の電話番号からの着信における呼び出し時間が閾値T15より小さく、且つ、その電話番号に対して拒否操作が行われた場合には、この発信者の電話番号の迷惑レベルに加算される定数aに対して、定数aが大きくなるような重み係数w5が乗算される。この重み係数w5は、例えば1より大きく2より小さい値である。この場合、迷惑レベルには、定数aに加えて、重み係数w5による変化量Δl4=定数a×重み係数w5−定数aが加算される。これにより、迷惑レベルが増加する。なお、この変化量Δl4((8)の要素による迷惑レベルの変化量の一例)は、定数a((1)の要素による迷惑レベルの変化量の一例)より小さくなる。(8−1)の要素に基づいて迷惑レベルを算出する場合には、例えば第2の履歴情報175に含まれる発信者の電話番号、操作情報及び呼び出し時間が入力データとして用いられる。
【0085】
例えば、発信者の電話番号が「03−5678−****」、操作情報が「1」、呼び出し時間が「0」である場合には、「03−5678−****」という電話番号から極めて呼び出し時間が短い着信があり、その着信の後、この電話番号に対して拒否操作が行われたと判定される。この場合、この「03−5678−****」という電話番号の迷惑レベルに対して、定数aに重み係数w5を乗算することにより得られる値が加算される。このとき迷惑レベルに加算される値は、発信者の電話番号からの着信における呼び出し時間が閾値T15以上である場合に迷惑レベルに加算される値、すなわち定数aより大きくなる。
【0086】
(8−2)発信者の電話番号からの着信における呼び出し時間が閾値T15より小さい場合には、その電話番号に対して拒否操作が行われたか否かに関わらず、発信者の電話番号の迷惑レベルに定数dが加算されてもよい。ただし、定数dは定数aより小さい値とする。また、定数dは、変化量Δl4より小さい値であってもよい。(8−2)の要素に基づいて迷惑レベルを算出する場合には、例えば第2の履歴情報175に含まれる発信者の電話番号及び呼び出し時間が入力データとして用いられる。
【0087】
例えば、発信者の電話番号が「03−3456−****」、呼び出し時間が「0」である場合には、「03−3456−****」という電話番号から極めて呼び出し時間が短い着信があったと判定される。この場合、「03−3456−****」という電話番号の迷惑レベルに対して定数dが加算される。
【0088】
また、(8−2)の要素において、さらに発信者の電話番号から同様の着信を受けたユーザの総数が、ユーザの総数について設定された閾値T16に達している場合に限り、発信者の電話番号の迷惑レベルに定数dが加算されてもよい。この場合、入力データに基づいて、「03−3456−****」という電話番号から極めて呼び出し時間が短い着信があったユーザの総数が計算される。このユーザの総数が閾値T16に達している場合に限り、「03−3456−****」という電話番号の迷惑レベルに対して定数dが加算される。
【0089】
(9)発信者の電話番号から着信を受けた時間帯
(9−1)発信者の電話番号から着信を受けた時間帯が、深夜や早朝等の一般的には電話を控えるような所定の時間帯である場合には、その電話番号からの着信は迷惑電話である可能性がある。したがって、このような時間帯に着信があり、且つ、発信者の電話番号に対して拒否操作が行われた場合には、発信者の電話番号の迷惑レベルに加算される定数aに対して、定数aが大きくなるような重み係数w6が乗算される。この重み係数w6は、例えば1より大きく2より小さい値である。この場合、迷惑レベルには、定数aに加えて、重み係数w6による変化量Δl5=定数a×重み係数w6−定数aが加算される。これにより、迷惑レベルが増加する。なお、この変化量Δl5((9)の要素による迷惑レベルの変化量の一例)は、定数a((1)の要素による迷惑レベルの変化量の一例)より小さくなる。(9−1)の要素に基づいて迷惑レベルを算出する場合には、例えば第2の履歴情報175に含まれる発信者の電話番号、操作情報及び着信日時が入力データとして用いられる。
【0090】
例えば、発信者の電話番号が「03−5678−****」、操作情報が「1」、着信日時が「2013/11/02 2:00」である場合には、この電話番号から深夜の時間帯に着信があり、この電話番号に対して拒否操作が行われたと判定される。例えば、深夜の時間帯が所定の時間帯として設定されている場合には、この「03−5678−****」という電話番号の迷惑レベルに対して、定数aに重み係数w6を乗算することにより得られる値が加算される。このとき迷惑レベルに加算される値は、所定の時間帯以外の時間帯に着信があり、その発信者の電話番号に対して拒否操作が行われた場合に迷惑レベルに加算される値、すなわち定数aより大きくなる。
【0091】
(9−2)共用リスト173に登録された発信者の電話番号から着信を受けた時間が所定の時間帯に含まれる場合には、その電話番号に対して拒否操作が行われたか否かに関わらず、この発信者の電話番号の迷惑レベルに定数eが加算されてもよい。ただし、定数eは定数aより小さい値とする。また、定数eは、変化量Δl5より小さい値であってもよい。(9−2)の要素に基づいて迷惑レベルを算出する場合には、例えば第2の履歴情報175に含まれる発信者の電話番号、判定結果及び着信日時が入力データとして用いられる。
【0092】
例えば、発信者の電話番号が「03−3456−****」、判定結果が「3」、着信日時が「2013/11/01 4:00」である場合には、共用リスト173に含まれる「03−3456−****」という電話番号から深夜の時間帯に着信があったと判定される。例えば、深夜の時間帯が所定の時間帯として設定されている場合には、この「03−3456−****」という電話番号の迷惑レベルに対して定数eが加算される。
【0093】
(10)ユーザに付与された評価値
拒否操作又は許可操作を行ったユーザに付与された評価値が、ユーザの評価値について設定された閾値T17(第5の閾値の一例)より大きい場合には、その拒否操作又は許可操作の信頼度が高いと考えられる。したがって、この拒否操作又は許可操作により発信者の電話番号の迷惑レベルに加算され、又は迷惑レベルから減算される定数aに対して、定数aが大きくなるような重み係数w7が乗算される。この重み係数w7は、例えば1より大きく2より小さい値である。この場合、例えばユーザにより拒否操作が行われると、迷惑レベルには、定数aに加えて、重み係数w7による変化量Δl6=定数a×重み係数w7−定数aが加算される。これにより、迷惑レベルが増加する。なお、この変化量Δl6((10)の要素による迷惑レベルの変化量の一例)は、定数a((1)の要素による迷惑レベルの変化量の一例)より小さくなる。(10)の要素に基づいて迷惑レベルを算出する場合には、例えば第2の履歴情報175に含まれる端末ID、発信者の電話番号及び操作情報並びにユーザ評価DB362に格納された評価値が入力データとして用いられる。
【0094】
例えば、上述した(1)で説明したように、端末ID「001」により識別されるユーザにより「03−5678−****」という電話番号に対して拒否操作が行われたと判定される場合には、ユーザ評価DB362から端末ID「001」に対応する評価値が抽出される。抽出された評価値が閾値T17より大きい場合には、この「03−5678−****」という電話番号の迷惑レベルに対して、定数aに重み係数w7を乗算することにより得られる値が加算される。このとき迷惑レベルに加算される値は、拒否操作を行ったユーザに付与された評価値が閾値T17以下のときに発信者の電話番号の迷惑レベルに加算される値、すなわち定数aより大きくなる。
【0095】
(11)所定の期間内にユーザが行った拒否操作又は許可操作の回数
所定の期間内に1のユーザが行った拒否操作又は許可操作の回数が、拒否操作又は許可操作の回数について設定された閾値T18(第6の閾値の一例)より大きい場合には、このユーザが不正に拒否操作又は許可操作を行っている可能性がある。したがって、このユーザによって行われた拒否操作又は許可操作は迷惑レベルに反映されない。(11)の要素に基づいて迷惑レベルを算出する場合には、例えば第2の履歴情報175に含まれる端末ID、発信者の電話番号、操作情報及び登録日時が入力データとして用いられる。
【0096】
例えば、入力データに基づいて、端末ID「001」により識別されるユーザが所定の期間内に行った拒否操作又は許可操作の回数が計算される。この回数が閾値T18より大きい場合には、このユーザの拒否操作又は許可操作は不正な操作とみなされる。したがって、このユーザによって行われた拒否操作又は許可操作は迷惑レベルに反映されない。すなわち、このユーザの拒否操作又は許可操作により迷惑レベルが変動しない。
【0097】
また、(11)の要素において、さらにユーザの評価値が、ユーザの評価値について設定された閾値T19より小さい場合に限り、このユーザの拒否操作又は許可操作が不正な操作とみなされてもよい。この場合には、例えば第2の履歴情報175に含まれる端末ID、発信者の電話番号、操作情報及び登録日時と、ユーザ評価DB362に格納された評価値とが入力データとして用いられる。
【0098】
例えば、入力データに基づいて、端末ID「001」によりユーザが所定の期間内に行った拒否操作又は許可操作の回数が閾値T18より大きいと判定される場合には、ユーザ評価DB362からこの端末IDに対応する評価値が抽出される。抽出された評価値が閾値T19より小さい場合には、このユーザの拒否操作又は許可操作が不正な操作とみなされる。
【0099】
また、(11)の要素において、さらにそのユーザが利用する携帯電話端末10の所定の期間における着信件数が、着信件数について設定された閾値T20より小さい場合に限り、このユーザの拒否操作又は許可操作が不正な操作とみなされてもよい。
【0100】
(12)発信者の電話番号に対してユーザが拒否操作をした場合に、その電話番号が所定のデータベースに登録されているか
通信事業者により店舗や会社の電話番号が登録されたデータベースが提供されている。このような所定のデータベースに登録されていない電話番号は、所定のデータベースに登録された電話番号より信頼度が低いと考えられる。したがって、拒否操作が行われた電話番号が所定のデータベースに登録されていない場合には、この発信者の電話番号の迷惑レベルに加算される定数aに対して、定数aが大きくなるような重み係数w8が乗算される。この重み係数w8は、例えば1より大きく2より小さい値である。この場合、迷惑レベルには、定数aに加えて、重み係数w8による変化量Δl7=定数a×重み係数w8−定数aが加算される。これにより、迷惑レベルが増加する。なお、この変化量Δl7((12)の要素による迷惑レベルの変化量の一例)は、定数a((1)の要素による迷惑レベルの変化量の一例)より小さくなる。(12)の要素に基づいて迷惑レベルを算出する場合には、例えば第2の履歴情報175に含まれる発信者の電話番号及び操作情報が入力データとして用いられる。
【0101】
例えば、発信者の電話番号が「03−5678−****」、操作情報が「1」である場合には、「03−5678−****」という電話番号に対して拒否操作が行われたと判定される。この場合、所定のデータベースにアクセスすることにより、「03−5678−****」という電話番号が所定のデータベースに格納されているか否かが判定される。「03−5678−****」という電話番号が所定のデータベースに格納されていないと判定された場合には、この電話番号の迷惑レベルに加算される定数aに対して、定数aに重み係数w8を乗算することにより得られる値が加算される。このとき迷惑レベルに加算される値は、拒否操作の対象となる電話番号が所定のデータベースに登録されている場合に迷惑レベルに加算される値、すなわち定数aより大きくなる。
【0102】
図14に戻り、ステップS106において、生成部313は、第1の算出部312により算出された迷惑レベルが閾値T1以上である発信者の電話番号を抽出し、抽出した電話番号を含む共用リスト173を生成する。
【0103】
図16は、共用リスト173の生成の一例を示す図である。
図16に示す例では、閾値T1は「10」に設定されている。この場合、迷惑レベルが10以上である発信者の電話番号が共用DB361から抽出され、これらの電話番号を含む共用リスト173が作成される。
【0104】
ステップS107において、第1の出力部315は、生成部313により生成された共用リスト173を、通信部33からリスト配信装置20に送信する。リスト配信装置20は、受信部211により通信部23を介して共用リスト173を受信すると、ステップS108に進む。
【0105】
ステップS108において、送信部213は、受信部211により受信された共用リスト173を、通信部23から携帯電話端末10に送信する。携帯電話端末10は、通信部13により共用リスト173を受信すると、ステップS109に進む。
【0106】
ステップS109において、リスト管理部115は、受信した共用リスト173を記憶部17に記憶する。以後、携帯電話端末10では、この共用リスト173が使用される。
【0107】
2−2.着信制御処理
図17は、着信制御処理を示すフローチャートである。着信制御処理は、携帯電話端末10が着信を受けたときに開始される。
【0108】
ステップS201において、検出部111は、発信者の電話番号を検出する。この電話番号は、例えば発信者の携帯電話端末10から通知される。
【0109】
ステップS202において、判定部112は、検出部111により検出された電話番号が拒否リスト171又は許可リスト172に含まれるか否かを判定する。電話番号が拒否リスト171に含まれる場合、着信制御処理はステップS204に進む。ステップS204において、着信処理部113は、着信を拒否する。この着信の拒否は、例えば呼接続を切断することにより行われる。
【0110】
一方、ステップS202において、検出部111により検出された電話番号が許可リスト172に含まれる場合、着信制御処理はステップS205に進む。ステップS205において、着信処理部113は、着信を許可する。この場合、ユーザは、携帯電話端末10を用いて発信者と通話をすることができる。
【0111】
一方、ステップS202において、検出部111により検出された電話番号が拒否リスト171にも許可リスト172にも含まれない場合、着信制御処理はステップS203に進む。ステップS203において、判定部112は、検出部111により検出された電話番号が共用リスト173に含まれるか否かを判定する。この電話番号が共用リスト173に含まれる場合(ステップS203:YES)、着信制御処理は上述したステップS204に進む。一方、この電話番号が共用リスト173に含まれない場合(ステップS203:NO)、着信制御処理は上述したステップS205に進む。
【0112】
2−3.迷惑電話の判別精度の算出処理
図18は、迷惑電話の判別精度の算出処理を示すフローチャートである。この算出処理は、所定のタイミングで開始される。例えば、リスト生成装置30の管理者が入力部34を用いて迷惑電話の判別精度の算出を指示する操作を行ったときに、算出処理が開示されてもよい。
【0113】
ステップS301において、リスト生成装置30の第2の算出部314は、記憶部36に記憶された第2の履歴情報175に含まれる着信件数、拒否件数及び許可件数に基づいて、迷惑電話の判別精度を算出する。この迷惑電話の判別精度は、迷惑電話の判別漏れ率と迷惑電話の誤判別率とによって示される。迷惑電話の判別漏れ率は、拒否リスト171、許可リスト172、共用リスト173のいずれにも含まれない電話番号からの着信件数に対する、拒否操作が行われた電話番号の件数の割合を計算することにより求められる。この迷惑電話の判別漏れ率は、その値が大きいほど、共用リスト173から漏れている迷惑電話の発信者の電話番号の数が大きいことを示す。迷惑電話の誤判別率は、共用リスト173に含まれる電話番号からの着信件数に対する、許可操作が行われた電話番号の件数の割合を計算することにより求められる。この迷惑電話の誤判別率は、その値が大きいほど、共用リスト173に誤って登録された電話番号の数が大きいことを示す。
【0114】
ステップS302において、第1の出力部315は、第2の算出部314により算出された迷惑電話の判別精度を表示部35に表示(出力)する。この迷惑電話の判別精度は、共用リスト173に基づく迷惑電話の判定精度の検証に用いられる。例えば、迷惑電話の判別漏れ率及び誤判別率が小さいほど、迷惑電話の判定精度は高いと言える。
【0115】
本実施形態では、上述した(1)の要素から(12)の要素のうちの少なくとも2に基づいて、迷惑電話を判定する指標となる迷惑レベルが算出される。これにより、迷惑電話の判定精度を高めることができる。
【0116】
3.変形例
本発明は、上述した実施形態に限定されない。例えば、実施形態を以下のように変形してもよい。また、以下の変形例を組み合わせてもよく、別の変形例を用いてもよいことはいうまでもない。
【0117】
上述した実施形態では、(1)の要素から(12)の要素のうちの少なくとも2に基づいて迷惑レベルが変動していたが、迷惑レベルの変動にかえて又は迷惑の変動とともに、閾値T1が変動してもよい。
【0118】
図19は、本変形例に係るリスト生成装置30の機能構成を示す図である。本変形例に係るリスト生成装置30は、プロセッサ31が1又は複数のプログラムを実行することにより、
図13に示す第1の取得部311、第1の算出部312、生成部313、第2の算出部314、及び第1の出力部315に加えて、変更部316として機能する。
【0119】
変更部316は、上述した(2)の要素、(3)の要素、(5)の要素、(6)の要素、(7)の要素、(8)の要素、(9)の要素、(10)の要素、及び(12)の要素のうちの少なくとも1に基づいて、閾値T1を変更する。
【0120】
具体的には、変更部316は、以下の場合には、対応する発信者の電話番号について閾値T1が増加するように、閾値T1を変更してもよい。
・上述した(2)の要素において発信者の電話番号に対してユーザが拒否操作をした場合に、その電話番号に対して許可操作を行った他のユーザが所定の条件を満たす場合
【0121】
変更部316は、以下の場合には、対応する発信者の電話番号について閾値T1が減少するように、閾値T1を変更してもよい。
・上述した(3)の要素において既に共用リスト173に登録された発信者の電話番号から着信があった場合
・上述した(5)の要素において携帯電話端末10が利用される地域のユーザ数が閾値T13より小さい場合
・上述した(6)の要素において発信者の電話番号からの着信において通話が行われた後、その電話番号に対して拒否操作が行われた場合
・上述した(7)の要素において所定の期間内に同一の電話番号に対して拒否操作を行ったユーザの総数が閾値T14に達している場合
・上述した(8)の要素において発信者の電話番号からの着信における呼び出し時間が閾値T15より小さい場合
・上述した(9)の要素において発信者の電話番号から着信を受けた時間帯が所定の時間帯である場合
・上述した(10)の要素において拒否操作又は許可操作を行ったユーザに付与された評価値が閾値T17より大きい場合
・上述した(12)の要素において拒否操作が行われた電話番号が所定のデータベースに登録されていない場合
【0122】
上述した実施形態において、リスト生成装置30は、共用リスト173に含まれる発信者の電話番号に危険レベルを付加してもよい。この危険レベルは、迷惑レベルに基づいて決定される。危険レベルは、本発明に係る第2の指標値の一例である。
【0123】
図20は、本変形例に係る共用リスト173の生成の一例を示す図である。
図20に示す例では、発信者の電話番号の迷惑レベルが、「1」から「6」までの6段階の危険レベルに変換される。共用リスト173には、発信者の電話番号とともに危険レベルが含まれる。
【0124】
この場合、携帯電話端末10は、共用リスト173に含まれる危険レベルに基づいて所定の処理を行う。この所定の処理は、リスト生成装置30やリスト配信装置20により設定されてもよいし、携帯電話端末10のユーザの操作により設定されてもよい。例えば、携帯電話端末10は、共用リスト173に含まれる発信者の電話番号から着信があり、さらにその電話番号の危険レベルが「6」の場合には着信を拒否する一方、その電話番号の危険レベルが「4」又は「5」の場合には、着信を拒否せず、その電話番号からの着信が迷惑電話の恐れがあることを通知してもよい。この通知は、例えば「迷惑電話の恐れがあります」というメッセージの表示や音声の出力であってもよい。また、携帯電話端末10は、この場合に、着信音、振動、発光等の着信を知らせる動作を通常の動作とは異なる動作に変更してもよい。さらに、携帯電話端末10は、この場合に、着信を知らせる動作を行わないようにしてもよい。又は、携帯電話端末10は、発信者の電話番号の危険レベルが「4」、「5」又は「6」のいずれの場合にも、その電話番号からの着信が迷惑電話の恐れがあることをユーザに通知してもよい。
【0125】
上述した実施形態で説明した(5)の要素においては、発信者の電話番号に含まれる市外局番に基づいて携帯電話端末10が利用される地域が判定されていたが、携帯電話端末10が利用される地域を判定する方法はこれに限定されない。例えば、携帯電話端末10がGPS機能を有する場合には、GPS機能を利用して測定された位置に基づいて携帯電話端末10が利用される地域が判定されてもよい。この場合、第1の履歴情報174には、GPS機能を利用して測定された位置を示す位置情報が含まれる。また、携帯電話端末10が接続した基地局の位置に基づいて、携帯電話端末10が利用される地域が判定されてもよい。
【0126】
上述した実施形態で説明した(5)の要素において、重み係数w2は、携帯電話端末10が利用される地域のユーザ数に応じて設定されてもよい。具体的には、重み係数w2は、携帯電話端末10が利用される地域のユーザ数が小さいほど、大きい値に設定される。本変形例によれば、地域間のユーザ数の違いによる影響をさらに減らすことができる。
【0127】
上述した実施形態において、リスト生成装置30は、共用DB361に格納された迷惑レベルを算出し直してもよい。この場合、記憶部36には、リスト配信装置20から受信した第2の履歴情報175が蓄積される。リスト生成装置30は、共用DB361に格納された迷惑レベルを初期値に戻す。リスト生成装置30は、記憶部36に記憶された所定の期間分の第2の履歴情報175に含まれる情報を入力データとして用いて、新たに迷惑レベルを算出する。
【0128】
上述した実施形態で説明した(2)の要素、(5)〜(10)の要素、(12)の要素においては、重み係数を用いて重み付けを行っていたが、これにかえて、所定の値を加算し又は減算してもよい。
【0129】
例えば、上述した(5)の要素において、携帯電話端末10が利用される地域のユーザ数が閾値T13より小さい場合には、対応する発信者の電話場号の迷惑レベルに定数fが加算されてもよい。この対応する発信者の電話番号とは、この携帯電話端末10のユーザが拒否操作又は許可操作を行った電話番号、又はこの携帯電話端末10が受けた着信における発信者の電話番号である。上述した(7)の要素において、所定の期間内に同一の電話番号に対して拒否操作を行ったユーザの総数が閾値T14に達している場合には、この電話場号の迷惑レベルに定数gが加算されてもよい。上述した(12)の要素において、拒否操作が行われた電話番号が所定のデータベースに登録されていない場合には、この電話場号の迷惑レベルに定数hが加算されてもよい。
【0130】
上述した実施形態で説明した(11)の要素では、所定の期間内に1のユーザが行った拒否操作又は許可操作の回数が閾値T18より大きい場合には、このユーザによって行われた拒否操作又は許可操作を反映せずに迷惑レベルが算出されていた。しかし、この場合に、ユーザによって行われた拒否操作又は許可操作を迷惑レベルに反映してもよい。ただし、この場合には、定数aに対して、定数aが小さくなるような重み係数w9が乗算される。この重み係数w9は、例えば0より大きく1より小さい値である。この場合、発信者の電話番号の迷惑レベルに対して、定数aに重み係数w9を乗算することにより得られる値が加算又は減算される。このとき迷惑レベルに加算又は減算される値は、上述した(1)の要素により迷惑レベルに加算される値、すなわち定数aより小さくなる。
【0131】
上述した第1の履歴情報174は、
図7に示す情報を全て有していなくてもよい。例えば、携帯電話端末10は、
図7に示す情報から、共用リスト173の生成に必要な情報を抽出し、抽出した情報をリスト配信装置20に送信してもよい。また、上述した第2の履歴情報175は、
図15に示す情報を全て有していなくてもよい。第2の履歴情報175は、端末ID、発信者の電話番号、着信日時、通話時間、呼び出し時間、操作情報、及び登録日時のうちの少なくとも1を含んでいればよい。
【0132】
上述した実施形態では、リスト配信装置20から携帯電話端末10に共用リスト173が送信されていたが、共用リスト173は必ずしも携帯電話端末10に送信されなくてもよい。この場合、携帯電話端末10は、リスト配信装置20又はリスト生成装置30に対して、検出部111により検出された電話番号が共用リスト173に含まれているか否かを問い合わせてもよい。この場合、判定部112は、リスト配信装置20又はリスト生成装置30からの応答に基づいて、検出部111により検出された電話番号が共用リスト173に含まれているか否かを判定する。
【0133】
上述した実施形態では、リスト配信装置20が設けられていたが、リスト配信装置20は必ずしも設けなくてもよい。この場合、リスト生成装置30は、携帯電話端末10から第1の履歴情報174を直接取得する。また、リスト生成装置30は、生成した共用リスト173を携帯電話端末10に直接送信する。
【0134】
上述した実施形態では、携帯電話端末10を含む通信システム1に本発明を適用する例について説明したが、固定電話機を含む通信システム1に本発明を適用してもよい。この場合、固定電話機は、例えば着信処理装置を介して電話回線に接続される。この着信処理装置は、電話機に関する構成を除いて、実施形態で説明した携帯電話端末10と同様の構成を備える。着信処理装置は、拒否操作に用いられる拒否ボタン及び許可操作に用いられる許可ボタンを備えてもよい。また、固定電話機は、実施形態で説明した携帯電話端末10と同様に、電話機として機能するとともに、迷惑電話の着信を制御する処理を行う着信処理装置として機能してもよい。
【0135】
携帯電話端末10のプロセッサ11、リスト配信装置20のプロセッサ21、リスト生成装置30のプロセッサ31により実行されるプログラムは、インターネットなどの通信回線を介してダウンロードされてもよい。また、このプログラムは、磁気記録媒体(磁気テープ、磁気ディスクなど)、光記録媒体(光ディスクなど)、光磁気記録媒体、半導体メモリなどの、コンピュータが読取可能な記録媒体に記録した状態で提供されてもよい。
【0136】
第1の履歴情報174には、着信を受けていない電話番号に関する情報が格納されてもよい。例えば、ユーザがある電話番号に対して拒否操作又は許可操作を行った場合には、その電話番号からの着信がなくても、その電話番号、操作情報及び登録情報が第1の履歴情報174に格納されてもよい。
【0137】
拒否リスト171又は許可リスト172に登録された電話番号が、ユーザの操作により拒否リスト171又は許可リスト172から削除されてもよい。この場合、第1の履歴情報174には、その電話番号が拒否リスト171又は許可リスト172から削除されたことを示す削除情報が含まれる。リスト生成装置30は、この削除情報に基づいて、共用DB361に格納された迷惑レベルを変更する。例えば、拒否リスト171から「03−1234−****」という電話番号が削除された場合、この電話番号の迷惑レベルから定数aが減算される。
【0138】
上述した実施形態では、携帯電話端末10が第1の履歴情報174を記憶部17に記憶し、所定の時間間隔でリスト配信装置20に送信する例について説明した。しかし、携帯電話端末10は、必ずしも第1の履歴情報174を記憶部17に記憶しなくてもよい。例えば、携帯電話端末10は、着信を受けたときに、その都度、上述した発信者の電話番号、着信日時、通話時間、呼び出し時間、及び判定結果をリスト配信装置20に送信してもよい。また、携帯電話端末10は、ユーザにより拒否操作又は許可操作が行われたときに、その都度、上述した操作情報及び登録日時をリスト配信装置20に送信してもよい。
【0139】
上述した実施形態において、リスト生成装置30は、リスト配信装置20から第2の履歴情報175を受信する度に、ステップS105の処理を行ってもよい。
【0140】
上述した実施形態では、発信者の電話番号が許可リスト172に含まれる場合には、その電話番号が共用リスト173に含まれるか否かに関わらず、着信を許可していた。しかし、発信者の電話番号が許可リスト172に含まれる場合であっても、その電話番号が共用リスト173に含まれる場合には、携帯電話端末10は、その電話番号からの着信を拒否してもよい。また、
図20に示すように、共用リスト173に危険レベルが含まれる場合には、携帯電話端末10は、上述した変形例で説明したように、その電話番号の危険レベルに応じた所定の処理を行ってもよい。