【文献】
JIN Sheng−fang, et al,Chinese Journal of Bioprocess Engineering,2010.07,Vol.8,No.4,p.45−50
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記分離が結晶化を含み、結晶化がC1−C4アルコールで構成された群から選択されたアルコール、晶癖改質剤(crystal habit modifier)及びL−メチオニン母結晶(seed crystal)のうちの少なくとも1つの使用を含む請求項1に記載の方法。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明の様々な側面はO−アセチルホモセリン(OAHS)又はO−スクシニルホモセリン(OSHS)のようなメチオニン前駆体からのL−メチオニンの産業的規模の生産に関する。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の一部の実施形態の一側面は、炭素及び/又は窒素の回収に関する。前記回収は生産工程において1つ以上のステップで発生し得る。
【0011】
本発明の一部の例示的な実施形態において、炭素と窒素は例えばアンモニウムアセテートとして共に回収される。任意で、回収された炭素及び/又は窒素は発酵槽又は他の上流生産工程に再利用され得る。
【0012】
本発明の一部の実施形態の一側面は、酵素的に処理された発酵液からのL−メチオニンの回収に関する。
【0013】
本発明の一部の例示的な実施形態において、回収は任意で2回前の結晶化に依存する。本明細書及び添付の特許請求の範囲で用いられるように、用語「発酵液」とは発酵基質として用いられそこから細胞が除去された培養培地を意味する。
【0014】
本発明の一部の実施形態において、前記発酵液はL−メチオニン前駆体を含む。任意で、前記発酵液は結晶化ステップの前に活性炭素で処理され/されるか、ろ過され/されるか、蒸発によって濃縮される。本発明の一部の例示的な実施形態において、前記結晶化は蒸発及び/又は前記発酵液に有機溶媒の添加によって誘導される。本発明の様々な実施形態によれば、前記有機溶媒にはメタノール又はエタノールのようなアルコールが含まれる。
【0015】
本明細書及び添付の特許請求の範囲で使用される用語「母液」とは(例えば、結晶化によって)1次メチオニン除去に適用された酵素的に処理された発酵液を意味する。
【0016】
本発明の一部の例示的な実施形態において、2次除去(例えば、結晶化)が母液に対して行われてメチオニン結晶の2次産物と「パージ(perged)母液」を生産する。
【0017】
本明細書及び添付の特許請求の範囲で用いられるように、用語「パージ母液」とは追加次のメチオニン結晶化に適用され、そこから生じた結晶から分離された母液を意味する。
【0018】
本発明の一部の例示的な実施形態において、当該2次結晶化は任意で冷却を伴う蒸留に基づく。任意で、蒸留は母液及び/又はパージ母液から有機溶媒(例えば、メタノール)を回収する。本発明の一部の例示的な実施形態において、回収された有機溶媒はメチオニン結晶の1次産物の結晶化に寄与するように使用される。
【0019】
本発明の一部の実施形態の他の側面は、上述の回収方法によって生産されたL−メチオニンを含む組成物に関する。
【0020】
本発明の一部の例示的な実施形態において、L−メチオニンは炭素−12に対する炭素−14の比率が少なくとも2.0×10
−13であることを特徴とする。本発明の一部の例示的な実施形態において、D−メチオニンに対するL−メチオニンの比率は少なくとも9:1、任意で9.5:1、任意で9.9:1、及び任意で9.99:1である。任意で、L−メチオニンは実質的に鏡像異性的に(enantiomerically)純粋である。
【0021】
本発明の一部の例示的な実施形態において、組成物は結晶型L−メチオニンを含む。本発明の様々な例示的な実施形態によれば、L−メチオニンが上記した方法によって生産されたことを立証するために特定の不純物が使用され得る。特定の不純物には非メチオニンアミノ酸、ビタミン、ミネラル、アンモニア、酢酸、スクシン酸、メチルメルカプタン、酵素及びOAHS又はOSHSが含まれるが、これらに制限されるものではない。当該特定の組成物及び特定の不純物によって、5000PPM、 任意で1000PPM、任意選で100PPM、任意で50PPM、任意で20PPM、任意で10PPM、任意で5PPM、任意で1PPM、任意で500PPB、任意で100PPB、任意で50PPB、任意で20PPB、任意で10PPB、任意で5PPB、任意で1PPBの低い濃度又は中間値又はさらに低い濃度は、純粋な形態である場合も、又は組成物の一部として提供される場合も、L−メチオニンが上述の方法によって生産されたことを立証するには十分であることができる。
【0022】
本発明の一部の例示的な実施形態において、組成物は例えば、機能性食品、食料品、動物飼料又は食用製品の原料のような、食用製品として提供される。
【0023】
本発明の他の例示的な実施形態において、組成物は重金属を含む複合物(complex)として提供される。
【0024】
本発明の一部の実施形態の他の側面は、結晶性L−メチオニン結晶の2次産物を溶解しその結果として生じたメチオニン溶液を酵素的に処理された発酵液の後続バッチ(batch)に添加することに関する。
【0025】
本発明の一部の例示的な実施形態において、メチオニンの溶解された2次産物は酵素的に処理された培養液の後続バッチとともに又はかかる添加の前に活性炭素処理及び/又はろ過及び/又は再結晶化によって一定水準に精製される。
【0026】
本発明の一部の実施形態の他の側面は、残液を酸性化した後、有機溶媒を含む抽出剤で抽出して酢酸を回収することに関する。
【0027】
本発明の様々な例示的な実施形態によれば、「母液」及び/又は「パージ母液」とは酸性化された残液として提供され得る。任意で2次の酸性化が行われる。
【0028】
本発明の一部の例示的な実施形態において、有機溶媒にはアセテートエステルが含まれる。任意で、溶媒にはイソブチルアセテート(IBA)が含まれる。これらの実施形態によれば、抽出は抽出物としても言及される酢酸を含有する有機相を形成する。
【0029】
本発明の一部の例示的な実施形態において、酸性化は強い無機酸(例えば、硫酸)の添加を含む。
【0030】
本発明の他の例示的な実施形態において、 酸性化はカルボン酸の添加を含む。
【0031】
本発明の他の例示的な実施形態において、酸性化は圧力下でCO
2ガスと接触させて酸性陽イオン交換体と接触させることを含む。
【0032】
本発明の様々な例示的な実施形態によれば、抽出物の操作は抽出剤(extractant)を再生し所望のアセテート産物を生産する。
【0033】
本発明の一部の例示的な実施形態において、操作はアンモニアを用いた逆抽出を含みアセテート産物はアンモニウムアセテートである。
【0034】
本発明の他の例示的な実施形態において、操作は水を用いた逆抽出を含み前記抽出剤は水性酢酸溶液が形成される間再生される。
【0035】
本発明の他の例示的な実施形態において、操作はアルコールで処理することを含み相応するアセテートエステルが生産される。例えば、エタノールを用いた処理はエチルアセテートを生産しメタノールを用いた処理はメチルアセテートを生産する。
【0036】
本発明の他の例示的な実施形態において、抽出剤及び/又は遊離酢酸を回収する手段であって、初期抽出物の蒸留が逆抽出の代わりに使用される。
【0037】
本発明の一部の実施形態の他の側面は、残液(例えば、母液又はパージ母液)の石灰(lime)処理に関する。任意で、石灰はカルシウムオキサイド及び/又はカルシウムハイドロキシドを含む。本発明の様々な例示的な実施形態によれば、石灰で処理された液体は上記定義のような「母液」又は「パージ母液」であり得る。任意で、石灰処理は酸性化の前に行われる。本発明のかかる例示的な実施形態によれば、石灰は液体中のアンモニウムアセテートと反応して遊離アンモニア及びカルシウムアセテートを生産する。
【0038】
本発明の一部の例示的な実施形態において、遊離したアンモニアはメチルメルカプタンと反応してアンモニウム−メチルメルカプタンを生産する。任意で、アンモニウム−メチルメルカプタンはOAHSの酵素的処理で硫黄供給源として使用され得る。
【0039】
本発明の一部の例示的な実施形態において、石灰処理された液体は上記のように酸性化される。本発明の様々な例示的な実施形態によれば、当該酸性化は使用された特定の酸に応じたカルシウム塩を生産する。例えば、硫酸を用いた酸性化はカルシウムサルフェートを生産し、燐酸を用いた酸性化はカルシウムポスフェートを生産し、窒酸を用いた酸性化はカルシウムナイトレートを生産する。
【0040】
本発明の一部の例示的な実施形態において、不溶性カルシウム塩を生産する酸、例えば、硫酸又は燐酸が使用される。任意で、不溶性塩はこれらが沈殿するため取得が容易である。
【0041】
本発明の一部の例示的な実施形態において得られた、酸性化した液体を有機溶媒を含む抽出体に抽出した後、ひき続き上記のように得られた抽出物を操作した。
【0042】
本発明の一部の実施形態の他の側面は、工程末期に精製された結晶、アンモニウムサルフェート結晶化母液及び/又は残液の一部としてアンモニウムサルフェートの回収に関する。任意で、任意のこれらの材料又はこれらの組み合わせは肥料に使用され得る。
【0043】
上記の様々な側面が発酵工程を利用したメチオニン及び/又はリシンの生産において材料均衡の改善に関連した技術的課題の解決に関するものであることが理解されるであろう。
【0044】
代替的又は追加的に、上述の様々な側面が発酵工程を利用したメチオニン生産から有用な副産物の生産に関する技術的課題の解決に関するものであることが理解されるであろう。
【0045】
本明細書全般にわたって記載され/されるか、添付の特許請求の範囲に言及された様々な液体は1つ以上の不純物を含む。これらの不純物にはアミノ酸、ビタミン、ミネラル、アンモニア、酢酸、スクシン酸、メチルメルカプタン、酵素、L−メチオニン前駆体又はこれらの組み合わせが含まれ得るが、これらに制限されるものではない。
【0046】
本発明の一部の例示的な実施形態において、下記を含む方法が提供される。
(a)O−アセチルホモセリン(OAHS)発酵液を酵素的に処理してL−メチオニン及びアセテート供給源を生産するステップ、
(b)アセテート供給源の少なくとも一分画からL−メチオニンの少なくとも一部を分離して分離されたL−メチオニン及びアセテート−供給源を含む残液を形成するステップ、及び
(c)アセテート供給源の少なくとも一部を残液から回収されたアセテートとして回収するステップ。
【0047】
任意で、方法は回収されたアセテートを試薬として使用することを含む。
【0048】
任意で、使用はOAHS発酵液の処理に適用することを含む。
【0049】
任意で、使用は発酵培地内の成分として試薬を添加することを含む。
【0050】
任意で、使用は発酵産物の生産に適用することを含む。
【0051】
任意で、発酵産物はカルボン酸及びアミノ酸で構成された群から選択される。
【0052】
任意で、アミノ酸はリシン、バリン、トレオニン、トリプトファン、アルギニン及びメチオニンで構成された群から選択される。
【0053】
任意で、方法は例えば、酵素的処理及び分離の間の精製中の水の除去、活性炭処理、溶質の添加、pH調整、イオン交換、膜ろ過及び少なくとも1つの水溶性有機溶媒との接触で構成された群から選択される少なくとも1つの処理を行うことを含む。
【0054】
任意で、残液は無機酸の塩を含む。
【0055】
任意で、無機酸の塩にはアンモニウム塩が含まれる。
【0056】
任意で、残液は少なくとも1PPMのOAHSを含む。
【0057】
任意で、分離されたL−メチオニンは少なくとも1PPBのOAHSを含む。
【0058】
任意で、分離は結晶化を含む。
【0059】
任意で、結晶化はC1−C4アルコールで構成された群から選択される少なくとも1つのアルコールと接触することを含む。
【0060】
任意で、前記結晶化フィード(feed)からL−メチオニンの結晶化は晶癖改質剤(crystal habit modifier)及びL−メチオニン母結晶(seed crystal)のうち少なくとも1つの使用することを含む。
【0061】
任意で結晶化によって得られた結晶性L−メチオニンは下記によって構成された群から選択される少なくとも1つの特性を特徴とする。
(i)95%を超える純度、
(ii)1%未満のアセテート供給源の含有、
(iii)1PPMを超えるOAHSの含量、
(iv)10PPMを超える少なくとも1つの特定の不純物の含量、
(v)2%未満のD−メチオニン、及び
(vi)少なくとも2.0×10
−13の炭素−12に対する炭素−14の比率。
【0062】
任意で、分離は少なくとも2つの結晶化ステップを含む。
【0063】
任意で、2次結晶化によって得られた結晶性L−メチオニンは下記のうち少なくとも1つを特徴とする。
(i)75%を超える 任意で80%を超える純度、
(ii)0.1%未満のアセテート供給源の含有、及び
(iii)少なくとも1PPMのOAHSの含有。
【0064】
任意で、残液は下記の1つ以上を特徴とする。
(i)少なくとも15g/L、任意で少なくとも20g/L、時々約25g/L以上のメチオニン濃度、
(ii)少なくとも100g/L、任意で少なくとも125g/L、時々約150g/L以上のアセテート濃度、
(iii)少なくとも20%、任意で少なくとも22%、時々約25%以上の総固形物、
(iv)1.05乃至1.25の範囲、任意で約1.15の比重、及び
(v)少なくとも60g/L、任意で少なくとも100g/L、任意で約150g/L以上のアンモニウムサルフェート濃度。
【0065】
任意で、2次結晶化よって得られた結晶性L−メチオニンは酵素的処理と分離の間に溶質として添加される。
【0066】
任意で、回収は遊離酢酸を含む残液を形成し遊離酢酸を分離することを含む。
【0067】
任意で、遊離酢酸を含む残液の形成は強酸との接触を含む。
【0068】
任意で、遊離酢酸を含む残液の形成は圧力下でCO
2との接触及び少なくとも部分的に遊離酸形態である陽イオン交換体との接触のうち少なくとも1つを含む。
【0069】
任意で、遊離酢酸を含む残液の形成と遊離酢酸の分離は同時に行われる。
【0070】
任意で、回収は残液からの遊離酢酸の蒸留を含む。
【0071】
任意で、方法は遊離酢酸を含む液体を抽出剤と接触させて酢酸含有抽出物及び酢酸劣化(depleted)残液を形成することを含む。
【0072】
任意で、方法は酢酸含有抽出物からアセテートを回収して回収されたアセテートを形成することを含む。
【0073】
任意で、方法は酢酸含有抽出物を塩基と接触させて塩基の回収されたアセテート塩を形成することを含む。
【0074】
任意で、方法は5%wt未満の水溶解度を持つ強い無機酸の塩と残液を接触させることを含む。
【0075】
任意で、残液はアンモニウム供給源をさらに含み、これは残液から回収されたアンモニウムとして回収される。
【0076】
任意で、方法は残液をカルシウム塩基と接触させて遊離塩基アンモニア及びカルシウム塩を形成し、遊離−塩基アンモニアを分離して回収されたアンモニウム、及びカルシウム塩を含む分離されたアンモニア劣化残液を形成することを含む。
【0077】
任意で、方法は残液からアンモニウム塩を結晶化して結晶性アンモニウム塩及び分離されたアンモニア劣化残液を形成することを含む。
【0078】
任意で、方法は残液からアンモニア及び酢酸を蒸留してアンモニア劣化残液を形成することを含む。
【0079】
任意で、方法は発酵産物の生産時、回収されたアンモニアの少なくとも一分画を使用することを含む。
【0080】
任意で、方法は残液と加圧CO
2との接触を含む。
【0081】
本発明の一部の例示的な実施形態で、下記ステップを含むL−メチオニン産物を生産する方法が提供される。
(a)O−アセチルホモセリン及びO−スクシニルホモセリンで構成された群から選択されるL−メチオニン前駆体及び少なくとも1つの不純物を含む発酵液を提供するステップ、
(b)前駆体を酵素的に処理してL−メチオニン、酢酸及びスクシン酸で構成された群から選択される有機酸及び少なくとも1つの不純物を含む反応液を形成するステップ、
(c)反応液を改質して結晶化フィードを形成するステップ、及び
(d)結晶化フィードからL−メチオニンを結晶化して結晶性L−メチオニン及びL−メチオニン劣化母液を形成するステップ、
ここで、結晶性L−メチオニンは下記で構成された群から選択された少なくとも1つの特性を特徴とする、
(i)純度95%を超える純度、
(ii)1%未満の有機酸の含有、
(iii)1PPMを超えるL−メチオニン前駆体含量、
(iv)10PPMを超える少なくとも1つの特定の不純物含量、
(v)2%未満のD−メチオニン、及び
(vi)少なくとも2.0×10
−13の炭素−12に対する炭素−14の比率。
【0082】
任意で、改質は反応液をL−メチオニン含有再利用ストリーム(stream)と併合することを含む。
【0083】
任意で、反応液内のL−メチオニン量の少なくとも85%が結晶性L−メチオニンに結晶化される。
【0084】
任意で、方法は母液からL−メチオニンを分離してL−メチオニン含有再利用ストリーム及びパージ母液ストリームを形成するステップを含む。
【0085】
任意で、母液からのL−メチオニンの分離は結晶化による2次結晶性L−メチオニンの形成及びパージ母液から2次結晶性L−メチオニンの分離を含む。
【0086】
任意で、結晶化フィードからのL−メチオニンの結晶化は晶癖改質剤とL−メチオニン母結晶のうち少なくとも1つの使用を含む。
【0087】
任意で、1つ以上の不純物はアミノ酸、ビタミン、ミネラル、アンモニア、酢酸、スクシン酸、メチルメルカプタン、酵素、L−メチオニン前駆体及びこれらの組み合わせで構成された群から選択される。
【0088】
任意で、方法は母液から有機酸の少なくとも一部を、回収された有機酸として回収することを含む。
【0089】
任意で、方法はパージ母液から有機酸の少なくとも一部を、回収された有機酸として回収することを含む。
【0090】
任意で、酵素的処理は陰イオン交換体との接触を含み、ここで有機酸の少なくとも一分画が陰イオン交換体上に吸着される。
【0091】
任意で、L−メチオニン前駆体はO−スクシニルホモセリンで、有機酸はスクシン酸で、処理はカルシウムイオンの存在下で行われる。
【0092】
本発明の一部の例示的な実施形態において、下記で構成された群から選択される少なくとも1つの特性を特徴とする、L−メチオニンを含む組成物が提供される。
(i)1%未満の有機酸の含有、
(ii)前駆体がOAHS及びOSHSから選択される、1PPMを超えるL−メチオニン前駆体含量、
(iii)10PPMを超える少なくとも1つの特定の不純物の含量、及び
(iv)少なくとも2.0×10
−13の炭素−12に対する炭素−14の比率。
【0093】
任意で、組成物は95%を超えるL−メチオニン純度を特徴とする。
【0094】
任意で、組成物は2%未満のD−メチオニンを含むL−メチオニンを特徴とする。
【0095】
任意で、L−メチオニンは結晶型L−メチオニンを含む。
【0096】
本発明の一部の例示的な実施形態において、上記のような組成物及び重金属を含む複合物が提供される。
【0097】
本発明の一部の例示的な実施形態において、上記のような組成物又は複合物を含む飼料又は食品が提供される。
【0098】
本発明の一部の例示的な実施形態において、下記で構成された群から選択される少なくとも1つの特性を特徴とする、L−メチオニンを含む組成物が提供される。
(i)メチオニンを除く、少なくとも0.05%、 任意で少なくとも0.1%;、任意で約0.3%以上の濃度のアミノ酸、
(ii)少なくとも0.01%、任意で少なくとも0.03%、任意で少なくとも0.05%の濃度のカルボン酸、
(iii)少なくとも0.2%、任意で少なくとも0.03%の濃度のサルフェート、
(iv)少なくとも1PPB濃度のOAHS、及び
少なくとも60%、任意で少なくとも75%のメチオニン純度。
【0099】
本発明の一部の例示的な実施形態において、下記で構成された群から選択される少なくとも1つの特性を特徴とする、L−メチオニンを含む組成物が提供される。
(i)少なくとも15g/L、任意で少なくとも20g/L、任意で約25g/L以上のメチオニン濃度、
(ii)少なくとも100g/L、任意で少なくとも125g/L、任意で約150g/L以上のアセテート濃度、
(iii)少なくとも20%、任意で約25%以上の総固形物、
(iv)1.05乃至1.25の範囲の、任意で約1.15の比重、及び
(iv)少なくとも100g/L、任意で少なくとも125g/L、任意で約150g/L以上のアンモニウムサルフェート濃度。
【0100】
本発明の一部の例示的な実施形態において、下記で構成された群から選択される少なくとも1つの特性を特徴とする、L−メチオニンを含む組成物が提供される。
(i)少なくとも100g/Lのメチオニン濃度、
(ii)0.1g/L未満のOAHS濃度、
(iii)グルタミン酸、バリン、イソルイシン、ルイシン、チロシン、フェニルアラニン、トレオニンで構成された群から選択される少なくとも1つの検出可能な量のアミノ酸、
(iv)少なくとも30g/Lの無機酸の含量、
(v)少なくとも30g/Lの酢酸の含量、
(vi)酢酸を除く、少なくとも0.05g/L、任意で少なくとも0.1g/Lのカルボン酸濃度、及び
(vii)少なくとも10重量%のメタノール濃度。
【0101】
本発明の一部の例示的な実施形態において、下記を含む組成物が提供される。
(i)少なくとも30%アンモニウムアセテート、
(ii)少なくとも1PPMのアンモニウムサルフェート、及び
(iii)イソブタノール、イソブチルアセテート、アセトアミド及びメチオニンで構成された群から選択される、少なくとも1PPMの化合物。
【0102】
本発明の一部の例示的な実施形態において、上記のような組成物を含む発酵液の成分が提供される。
【0103】
本発明の一部の例示的な実施形態において、少なくとも10%、任意で少なくとも12%、任意で少なくとも20%、任意で少なくとも30%、時々15%以上のアンモニウムサルフェート、及びアンモニウムアセテート、イソブタノール、イソブチルアセテート、アセトアミド及びメチオニンで構成された群から選択される少なくとも10PPMの化合物を含む組成物が提供される。
【0104】
本発明の一部の例示的な実施形態において、上記のような組成物を含む肥料の成分が提供される。
【0105】
本発明の一部の例示的な実施形態において、少なくとも90%のイソブチルアセテート、イソブタノール及びアセトアミドと酢酸のうち少なくとも1つを含む組成物が提供される。
【0106】
本発明の一部の例示的な実施形態において、下記ステップを含む方法が提供される。
(a)O−アセチルホモセリン及びO−スクシニルホモセリンで構成された群から選択されるL−メチオニン前駆体を含む発酵液を酵素的に処理してL−メチオニンと、酢酸及びスクシン酸から選択される有機酸供給源を生産するステップ、
(b)有機酸供給源の少なくとも一分画からL−メチオニンの少なくとも一部を分離して、分離されたL−メチオニン及び有機酸供給源を含む残液を形成するステップ、
(c)残液から有機酸供給源の少なくとも一部を、回収された有機酸として回収するステップ。
【0107】
任意で、方法は試薬として回収された有機酸の使用を含む。
【0108】
任意で、使用は発酵産物の生産に適用することを含む。任意で、発酵産物はカルボン酸及びアミノ酸で構成された群から選択される。
【0109】
任意で、アミノ酸はリシン、バリン、トレオニン、トリプトファン、アルギニン及びメチオニンで構成された群から選択される。
【0110】
任意で、使用は発酵液を工程に適用することを含む。
【0111】
任意で、使用は試薬を発酵培地内の成分として添加することを含む。
【0112】
任意で、L−メチオニン前駆体はO−スクシニルホモセリンで、ここで有機酸はスクシン酸で、回収は遊離スクシン酸を含む残液の形成及び遊離スクシン酸の分離を含む。
【0113】
任意で、遊離スクシン酸の分離は遊離スクシン酸の結晶化を含む。
【0114】
任意で、回収はカルシウムスクシナートの結晶化を含む。
【0115】
特に定義されない限り、本明細書で用いられる全ての技術的及び科学的な用語は本発明の属する技術分野における通常の技術者によって一般的に理解されるものと同じ意味を持つ。適切な方法及び材料が以下に記載された場合も、本明細書に記載のものと類似または同等な方法及び材料が本発明の実行に使用され得る。相反する場合は、定義を含む本明細書が優先するであろう。全ての材料、方法及び実施形態は例示的なものであって制限を意図するものではない。
【0116】
本明細書に用いられたように、用語「含む(comprising)」及び「含む(including)」又はこれらの文法的な変形は1つ以上の付加的な特徴、整数、作用、成分又はこれらのグループの追加を排除することなく言及された特徴、整数、作用又は成分を細部的に含むことものと見なされる。
【0117】
用語「方法」とは、これらに制限されるものではないが、設計及び/又はコンピュータ科学の専門家に知られているか、彼らによって知られた方式、手段、技法及び手順によって容易に開発されるそのような方式、手段、技法及び手順を含む与えられた課題を達成するための方式、手段、技法及び手順を意味する。
【0118】
特に指示しない限り、典型的に粉末又は結晶として供給される化学物質(例えば、メチオニン及びアンモニウムサルフェート結晶)の比率(%)はw/w(重量あたり重量)である。特に指示しない限り、典型的に液体として供給される化学物質(例えば、エタノール、及び/又はメタノール、及び/又はアンモニウムアセテート)の比率(%)はw/w(重量あたり重量)である。
【発明の効果】
【0119】
本発明の方法は、メチオニン前駆体からのメチオニン及びその副産物の生産に效果的に使用され得る。
【発明を実施するための形態】
【0122】
本発明の一部の例示的な実施形態はメチオニン前駆体を含む発酵液からL−メチオニンを生産する方法に関する。他の実施形態はかかる方法によって生産されたL−メチオニン及びかかるL−メチオニンを含む産物に関する。本発明の付加的な実施形態は非メチオニン副産物を生産、又は回収する方法に関する。
【0123】
具体的に、本発明の一部の実施形態は培養培地内に成分として使用され得る化学物質(例えば、塩及び/又はエステル)を取得するために使用され得る。
【0124】
本発明の例示的な実施形態による方法の原理と作動及び/又は組成物及び/又は産物は図面及び添付された説明を参照してより容易に理解され得る。
【0125】
本発明の少なくとも1つの実施形態を詳しく説明する前に、本発明がこの適用において下記の記載に開示されるか実施例によって例示される詳細な説明によって制限されないことが理解される。本発明は他の実施形態又は様々な方式で実施されるか又は行われ得る。また、本明細書に用いられた語法及び用語は叙述のためのものであって、制限として見なされないものと理解される。
【0126】
例示的アセテート回収方法
図1は、一般的に示されるアセテート回収方法1000を単純化した工程図である。描写された例示的方法1000はO−アセチルホモセリン(OAHS)を含む発酵液1002を酵素的に処理120してL−メチオニン1022及びアセテート供給源1024を含む処理された液体1020を生産することを含む。
【0127】
酵素的処理は、例えば、本明細書に参照として完全に含まれる特許文献1に記載のものと同様であり得る。
【0128】
描写された例示的方法1000はアセテート供給源の少なくとも一分画1024からL−メチオニンの少なくとも一部1022を分離1030して分離されたL−メチオニン1032及びアセテート−供給源1024を含む残液を形成し、液体1020からアセテート供給源の少なくとも一部1024を回収されたアセテート1052として回収1050することを含む。本発明の様々な例示的な実施形態によれば、回収されたアセテート1052は様々な形態であり得る。
【0129】
描写された例示的方法1000はO−アセチルホモセリン(OAHS)発酵液1002を酵素的に処理120してL−メチオニン1022及びアセテート供給源1024を生産する方法としてさらに一般的に記載され得る。描写された方法はL−メチオニンの少なくとも一部1032を分離1030し、アセテート供給源の少なくとも一部1024を回収されたアセテート1052として回収1050することを含む。
【0130】
本発明の様々な例示的な実施形態によれば、処理120、回収1050及び分離1030は任意の実現可能な手順で及び/又は同時に行われ得る。
【0131】
本発明の一部の実施形態において、液体1002内のOAHSの濃度は約180乃至200g/Lであり、酵素的処理120の前に希釈される(例えば、約70乃至110g/L)。処理120の後に、OAHS濃度は、例えば、約≦0.1%w/w、すなわち、約≦0.5g/Lに急激に低くなる。
【0132】
メチオニンはOAHSより水に対する溶解度が低い(L−メチオニンの場合、水で53.7(20℃)g/L vs. OAHSの場合、水で〜200g/L(25℃)、
http://www.chemspider.com/Chemical-Structure.513.html参照)。本発明の一部の例示的な実施形態において、かかる希釈はメチオニンの不必要な沈殿を減少させることに寄与する。
【0133】
本発明の様々な例示的な実施形態によれば、この希釈は処理120の前に液体1002に対して水及び/又は試薬溶液を添加することによって達成され得る。
【0134】
本発明の一部の例示的な実施形態において、処理された液体1020内のメチオニン1022の濃度は65乃至75g/L、任意で約73乃至75g/Lである。一部の例示的な実施形態において、メチオニンは40、45、50、55又は60℃の温度又は中間値又はさらに高い温度で溶液を維持することによって高濃度で溶液状態に維持され得る。代替的又は追加的に、他の溶質がメチオニンの溶解度の増加に寄与できる。
【0135】
選択的に、pH調整、メチルメルカプタンの提供、塩基の提供、細胞の酵素提供、インキュベーション、追加的なpH変化及び細胞分離のうち1つ以上が処理120の前に液体1002に対して行われる。
【0136】
本発明の様々な例示的な実施形態によれば、酵素的処理120に使用されるメチルメルカプタンの塩は新しいものであるか、または再利用され得る。本発明の一部の例示的な実施形態において、メチルメルカプタンはアンモニウム塩として提供される。代替的又は追加的に、酸形態のメチルメルカプタン及びアンモニアが個別的に提供される。任意で、メチルメルカプタン/OAHSの比率は1.01である(モル対モル)。本発明の一部の例示的な実施形態において、再利用は残留メチルメルカプタンのストリッピング(stripping)、アンモニア溶液への吸収、酵素的処理120への再利用を含む。
【0137】
本発明の様々な例示的な実施形態で、アセテート供給源1024には酢酸及び/又はアセテート塩(任意でアンモニウムアセテート)及び/又はアセテートエステルが含まれる。
【0138】
本発明の一部の例示的な実施形態において、分離1030は回収1050の前に行われる。
【0139】
本発明の他の例示的な実施形態において、アセテート供給源1024は分離1030の前に(例えば、陰イオン交換体上で)回収1050される。
【0140】
例えば、本発明の一部の例示的な実施形態において、メチルメルカプタンはその遊離した酸形態(CH
3SH)で導入され、酢酸(本発明の他の実施形態ではスクシン酸)はその遊離した酸形態で生成される。一部の例示的な実施形態において、反応は遊離−塩基陰イオン交換体の存在下で起き、この交換体は酸が形成されることによって酸を吸着して要求される水準にpHを維持できるように選択される。代替的な実施形態によれば、メチルメルカプタンは陰イオン交換体上に吸着された状態で提供され処理中に酢酸(本発明の他の例示的な実施形態ではスクシン酸)に替えられる。これらの実施形態によれば、酸が負荷された(loaded)レジンを分離した後、メチオニンは反応溶液から結晶化されるが、これによって無機塩の含量が低くなる。このステップで、酸が負荷された陰イオン交換体は酸又はその産物を再生及び回収するように処理され得る。本発明の一部の例示的な実施形態において、陰イオン交換体は熱的に安定で(例えば、Reilexタイプ)酢酸(又はスクシン酸)は蒸留(任意で、濃縮されて純水になる)によって又はアルコール(例えば、エタノール)との反応によって回収され相応するエステル(エチルアセテート)を形成する。
【0141】
本発明の一部の例示的な実施形態において、メチオニン1032は結晶化によって分離1030される。この場合、処理された液体1020は上記定義のような母液になる。
【0142】
本発明の様々な例示的な実施形態によれば、回収されたアセテート1052内の「アセテート」はアセテート供給源1024内の「アセテート」とは異なり得る。本発明の一部の例示的な実施形態において、アセテート供給源1024はアセテート塩(ら)を含む一方、回収されたアセテート1052は遊離酢酸、アセテートエステル又は他のアセテート塩である。
【0143】
本発明の様々な例示的な実施形態によれば、アセテート供給源1024は酢酸及び/又はアセテート塩(例えば、アンモニウムアセテート)及び/又はアセテートエステルを含む。アセテート供給源1024のアセチル基は処理120に添加されるOAHS及び/又は酢酸に由来する。本発明の一部の例示的な実施形態において、アンモニアメチルメルカプタンはアンモニア供給源として提供されアセテート供給源1024はアンモニウムアセテートを含む。
【0144】
任意で酵素的処理120は5.5〜7の間の範囲、任意で6.2乃至6.5の範囲のpHで行われる。
【0145】
任意で、追加されたL−メチオニンが母液から除去されてパージ母液を形成する(
図3参照)。
【0146】
本発明の一部の例示的な実施形態において、母液又はパージ母液は酸性化されて酸性化された液体(AL)を生産する。任意で、酸性化は強い無機酸又はカルボン酸を関連液体に添加することを含む。本発明の一部の例示的な実施形態において、強い無機酸には硫酸及び/又は燐酸、及び/又は窒酸が含まれる。任意で、カルボン酸には酢酸が含まれる。
【0147】
代替的又は追加的に、酸性化は圧力下でCO
2ガスとの接触及び酸性陽イオン交換体との接触を含む。
【0148】
本発明の一部の例示的な実施形態において、方法1000は試薬として回収されたアセテート1052(例えば、追加試薬124。
図2参照)の使用を含む。任意で、回収されたアセテート1052は酵素的処理120で試薬として使用される。
【0149】
代替的又は追加的に、回収されたアセテート1052は発酵培地に成分としてこれを添加して使用され得る。
【0150】
本明細書に使用されたような発酵培地は発酵のための炭素(及び他の成分)の供給源を意味する一方、「発酵液」とは炭素供給源のかかる発酵で形成された発酵産物含有溶液である。
【0151】
代替的又は追加的に、回収されたアセテート1052は発酵産物の生産に使用され得る。任意で、回収されたアセテート1052は産物(例えば、リシン)の直接的な生産又は以後かかる産物に転換される前駆体の生産(例えば、L−メチオニンで酵素的に処理されるOAHSの生産)に使用され得る。
【0152】
代替的又は追加的に、回収されたアセテート1052は酵素的処理120及び/又は細胞分離(例えば、ろ過)及び/又は下流処理(例えば、pH調整又はレジンに吸着された化合物の溶出)の間のpH調整に使用され得る。
【0153】
任意で、発酵産物はカルボン酸及び/又はアミノ酸(例えば、リシン及び/又はバリン及び/又はトレオニン及び/又はトリプトファン及び/又はアルギニン及び/又はメチオニン)を含む。任意で、回収されたアセテート1052は酵素的処理120及び/又は細胞分離及び/又は分離前の精製のためにpHを調整するために使用される酢酸を含む。任意で、細胞分離112(
図2参照)及び/又は精製(例えば、活性炭素処理130。
図2参照)は4.5〜5.5の範囲のpH、任意で約pH5で行われる。代替的又は追加的に、分離1030は4.5〜5.5の範囲のpH、任意で約pH5で行われる。
【0154】
一部の例示的な実施形態において、(図示せず)酵素的処理120は関連酵素を生産する微生物を使用する。
【0155】
かかる実施形態の一部によれば、処理120は細胞分離112の前に培養液110内で起き得る(例えば、培養液110がOAHSを生産する微生物とOAHSをL−メチオニンに転換する微生物を含むか、又は培養液110がOAHSを生産し、さらにOAHSをL−メチオニンに転換する微生物を含む場合)。
【0156】
かかる範ちゅうの他の実施形態によれば、処理120はOAHSをL−メチオニンに転換する微生物と共に培養液110の追加、次の培養に続いて追加、次の分離112を含み得る。
【0157】
かかる範ちゅうのさらに他の実施形態によれば、関連酵素を生産する微生物を個別的に培養し粗(crude)酵素製造物がこの個別的な培養液から得られる。任意で、粗酵素製造物は使用された培養培地及び/又は培養された細胞(すなわち、培養上層液及び/又は細胞抽出物)から製造される。
【0158】
本発明の一部の例示的な実施形態において、残液(例えば、母液及び/又はパージ母液)は不純物を除去するように処理され得る。任意で、この処理は酸性化を含む。本発明の様々な例示的な実施形態によれば、酸性化は硫酸及び/又は燐酸及び/又は窒酸及び/又は酢酸の添加を含み得る。
【0159】
図2及び3を参照すると、例示的方法1000は拡張された処理の一部として行われ得る。一般的にそれぞれ100、201で示される例示的な拡張された処理は
図2及び3に図式的に描写される。
【0160】
図示された実施形態100は細胞114が初期に分離112されて液体1002を形成するOAHS培養液110を利用して開始されるが、これは上記のように酵素的に処理されて120処理された液体1020を形成する。分離112は、例えば、遠心分離及び/又はろ過によるものであり得る。
【0161】
OAHSのメチオニンへの酵素的処理120はアセチル基を放出する。本発明の様々な例示的な実施形態によれば、酵素的処理120の間提供される追加試薬124は、下位処理の間一般的に非メチオニン産物及び特にアセチル−産物の回収可能性を考慮して選択される。代替的又は追加的に、本発明の一部の例示的な実施形態において、追加試薬124は液体1020にアンモニア及び/又はサルフェートを添加する。
【0162】
処理された液体1020は培養液110内の細胞分解から由来した無水成分及び/又は成長培地成分の代謝物を含む。組成の複雑性のため、液体内の任意の特定の不純物の濃度、又は甚だしくはその存在を考慮せず不純物の総水準を減少させるために非特異的精製が任意で行われる。描写された方法100で、かかる非特異的精製は活性炭素処理及び/又はろ過130を含む。前記ろ過は、例えば、膜ろ過を含む。任意で、結晶化150の前にL−メチオニンの濃度を増加させるために水の除去(例えば、蒸発140)がこのステップで行われる。
【0163】
任意で、方法100は酵素的処理120と分離1030の間に液体1020を対象として行われる1つ以上の下記追加的な実行を含む:溶質の添加(例えば、溶解された2次結晶250)、pH調整、イオン交換、膜ろ過及び少なくとも1つの水溶性有機溶媒(例えば、メタノール212)との接触。
【0164】
活性炭素処理を用いる実施形態で、かかる処理の間にpHは任意で4.5乃至6.0の範囲、一部の場合では約5.0である。
【0165】
本発明の一部の例示的な実施形態において、分離1030によって形成された残液(母液200として図示される)は無機酸の塩を含む。本発明の一部の例示的な実施形態において、無機酸の塩にはアンモニウム塩、任意でアンモニウムサルフェートが含まれる。
【0166】
任意で、残液(例えば、母液200)はOAHSを含む。本発明の様々な例示的な実施形態によれば、母液200内のOAHSの濃度は少なくとも1、5、10、20、50、又は100PPM又は中間値以上の濃度である。
【0167】
代替的又は追加的に、分離されたL−メチオニン1032(又は
図2の180)はOAHSを含む。本発明の様々な例示的な実施形態において、分離されたL−メチオニン1032(又は
図2の180)内のOAHSの濃度は少なくとも1、5、10、20、50、又は100PPM、或いは中間値以上の濃度である。
【0168】
本発明の一部の例示的な実施形態において、分離1030は結晶化150を含む。本発明の一部の例示的な実施形態において、結晶化150は1次、又は主な、L−メチオニン結晶180を生産する。選択的に、結晶化150の過程において追加的な水が除去される。
【0169】
本発明の一部の例示的な実施形態において、結晶化150は少なくとも1つのC1−C4アルコールとの接触を含む。任意で、メタノール及び/又はエタノールが本目的のために使用される。メタノール212は
図2に図示されている。任意で、メタノール212は15、20、25、30又は35%又は中間値以上の比率(w/w)で結晶化150に対するフィード(feed)に添加される。
【0170】
本発明の一部の例示的な実施形態において、90、95、98.5、99、99.5%又は中間値、或いはそれ以上比率のメタノールが回収されて再使用に利用可能である。
【0171】
選択的に、蒸発140及び/又は結晶化150の間に除去された水は回収され点線矢印で示されたように上流工程(例えば、細胞分離112及び/又は酵素的処理120)に再使用される。一部の実施形態で、結晶化150より得られた結晶180は乾燥される。
【0172】
本発明の様々な例示的な実施形態で、L−メチオニン結晶180の1次産物の収率はこのステップで85、90、又は甚だしくは95%を超える。この収率は酵素的処理120によって形成されたメチオニン1022の量に基づいて計算される。一部の実施形態で、処理は周期的に行われ、分離1030の間処理された液体1020内の約25、30又は35%のメチオニンが母液200に送られる。この物質の大半は溶解された2次結晶250として回収される。
【0173】
任意で、結晶性L−メチオニン180の1次産物は95、96、97、98.5、99を超えるか、又は甚だしくは99.5%を超える純度を持つことを特徴とする。
【0174】
代替的又は追加的に、結晶性L−メチオニン180の1次産物は1、0.5、0.25未満、又は甚だしくは0.1重量%未満のアセテート供給源を含むことを特徴とする。
【0175】
代替的又は追加的に、結晶性L−メチオニン180の1次産物は1、10、20、50を超えるか、又は甚だしくは100PPMを超えるか、或いは中間値、若しくはそれ以上の濃度であるOAHS含量を特徴とする。
【0176】
代替的又は追加的に、結晶性L−メチオニン180の1次産物は1、10、20、50を超えるか、又は甚だしくは100PPMを超えるか、或いは中間値、若しくはそれ以上の濃度である少なくとも1つの特定の不純物の含量を特徴とする。
【0177】
代替的又は追加的に、結晶性L−メチオニン180の1次産物は2、1.5、1、0.5未満、又は甚だしくは0.1%未満、或いは中間値濃度であるD−メチオニンの含量を特徴とする。任意で、結晶は実質的に鏡像異性的に純粋である。
【0178】
代替的又は追加的に、結晶性L−メチオニン180の1次産物は少なくとも2.0×10
−13の炭素−12に対する炭素−14の比率を特徴とする。
【0179】
代替的又は追加的に、結晶性L−メチオニン180の1次産物は0.8、0.6、0.4、0.2未満、又は甚だしくは0.1%未満、或いは中間値、若しくはそれ以下の濃度である有機酸の濃度を特徴とする。
【0180】
本発明の一部の例示的な実施形態において、結晶180は2つ以上のかかる特性を特徴とする。
【0181】
本発明の一部の例示的な実施形態において、結晶180は3つ以上のかかる特性を特徴とする。
【0182】
本発明の一部の例示的な実施形態において、結晶180は4つ以上のかかる特性を特徴とする。
【0183】
本発明の一部の例示的な実施形態において、結晶180は5つ以上のかかる特性を特徴とする。
【0184】
本発明の一部の例示的な実施形態において、分離1030は少なくとも2回の処理を含む。任意で、2回の処理のうち少なくとも1つは結晶化150である。代替的又は追加的に、2回の処理のうち少なくとも1つはイオン交換である。
【0185】
本発明の一部の例示的な実施形態において、分離1030は少なくとも2回の結晶化を含む。1次産物180を形成する結晶化150は既に記載されている。メチオニン結晶の2次産物232を生産する2次結晶化220は
図3に図示されている。
【0186】
任意で、溶媒(例えば、メタノール及び/又はエタノール)は2つの結晶化のいずれにも使用される。
【0187】
本発明の一部の例示的な実施形態において、2次結晶化フィード内のメチオニン濃度は類似である。本発明の一部の例示的な実施形態において、母液200の蒸留210は2次結晶化220へのフィードストリーム内のメチオニンの濃度増加に寄与する。
【0188】
一部の実施形態で、結晶化フィードストリーム内のメチオニンの濃度は少なくとも約150g/Lである。
【0189】
本発明の一部の例示的な実施形態において、2次産物232は1次産物180の15、20、25、27、30、32又は甚だしくは35%以上である。本発明の一部の例示的な実施形態において、2次産物232は溶解240されて溶解された2次結晶250を形成し、これは130の前に
図2のストリーム内に再導入される。
【0190】
本発明の一部の例示的な実施形態において、結晶化150に利用可能な約25%のメチオニン(すなわち、メチオニン1022+添加される場合、溶解された2次結晶250)が分離1030の後母液200に残る。本発明の様々な例示的な実施形態で、母液200内の約3、5、10、13、15又は20%のメチオニンが2次分離230の後パージ液体300に残存する。本発明の一部の例示的な実施形態において、パージ母液に残存するメチオニンは追加的な下位操作で回収される。 任意で、追加的な下位操作はパージ液体300自体に対して行われる。本発明の他の例示的な実施形態において、パージ液体300を追加的に処理(例えば、アンモニウム及び/又はアセテート及び/又はサルフェートの除去)した後、追加的な下位操作がパージ液体300に対して行われる。
【0191】
任意で、総結晶収率(すなわち、232+180)は酵素的処理120によって生産されたメチオニン1022の約90%である。結晶180の純度は90、95、98、99、99.5又は実質的に100%、或いは中間値の比率であり得る。
【0192】
一部の実施形態で、L−メチオニン結晶232は70、75、80、85を超えるか、又は甚だしくは90%を超える純度を特徴とする。
【0193】
一部の実施形態で、結晶化150の間pHは4.5乃至5.5の範囲、任意で約5.0である。 代替的又は追加的に、一部の実施形態で、結晶化220の間にpHは5.0乃至6.0の範囲、 任意で約5.5である。
【0194】
代替的又は追加的に、一部の例示的な実施形態において、L−メチオニン結晶232は0.1%未満のアセテート供給源を含むことを特徴とする。一部の実施形態で、総酢酸回収率は90、93、又は甚だしくは96%、或いはそれ以上である。
【0195】
一部の実施形態で、L−メチオニン結晶232は1、0.5、0.25又は0.1%未満、或いはさらに低い濃度又は中間値のOAHSの含量を特徴とする。
【0196】
代替的又は追加的に、一部の実施形態で、L−メチオニン結晶232は少なくとも1、5、10、20、50、又は甚だしくは少なくとも100PPMのOAHS含量を特徴とする。
【0197】
一部の実施形態で、結晶232(選択的に溶解された形態250)は酵素的処理120及び分離1030の間に溶質として添加される。
【0198】
分離230の後、残った液体はパージ母液300(PML)として示される残液である。任意で、この残液は約23%の可溶性固形物含量及び/又は約1.14の比重を有する。溶解された固形物は任意でメチオニン(例えば、約15乃至35g/L、任意で約25乃至35g/L、任意で約30g/L)及び/又はアセテート(例えば、約140−200g/L、 任意で約162g/L)を含む。
【0199】
代替的又は追加的に、一部の実施形態で、本明細書に記載の方法によって形成された残液は、少なくとも25、28、31、33、又は甚だしくは35g/L以上のメチオニン濃度、少なくとも100、120、130、140、150、160、170、又は甚だしくは180g/L以上のアセテート濃度、少なくとも20、23、25、27、30、又は甚だしくは33%以上の総固形物、1.05乃至1.25の範囲、任意で1.1乃至1.2、 任意で約1.15の比重、並びに少なくとも60、70、80、90、100、110、120、130、140、若しくは甚だしくは少なくとも150g/Lのアンモニウムサルフェート濃度のうち少なくとも1つを特徴とする。
【0200】
本発明の様々な例示的な実施形態で、結晶化150及び220は温度及び/又はメチオニン濃度及び/又はそこからL−メチオニンが結晶化された溶液の組成物に関連して異なり得る。
【0201】
例えば、有機溶媒(例えば、メタノール212)は結晶化150には時々使用されるが結晶化220には使用される必要がない。
【0202】
代替として又は付加的に、結晶化150は、任意で55から25℃への冷却を含む。
【0203】
代替的又は追加的に、結晶化220は 任意で55から35℃への冷却を含む。
【0204】
代替的又は追加的に、結晶化220及び/又は結晶化150は時々強制循環が備えられた蒸発性結晶化器を使用する。
【0205】
代替的又は追加的に、結晶化150及び結晶化220はその結果として得られた結晶を分離するためにろ過(例えば、真空ろ過)及び/又は遠心分離をそれぞれ独立して使用することができる。
【0206】
任意で、晶癖改質剤及び/又はL−メチオニン母結晶が結晶化150及び/又は220に添加される。例示的な晶癖改質剤はポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート(TWEEN20で商業的に利用可能)である。
【0207】
一部の実施形態で、結晶化220は有機溶媒、例えばメタノール及び/又はエタノールの存在下で行われる。
【0208】
一部の実施形態で、母液200は2次結晶化220の前に任意で約150g/Lのメチオニン濃度に濃縮される。一部の実施形態で、溶液はこのメチオニン濃度において透明ではない。
【0209】
一部の実施形態で、結晶化150は溶媒(例えば、メタノール212)の存在下で行われ、母液200は結晶化220の前に溶媒(メタノール212)を回収するために蒸発される(例えば、蒸留210)。任意で、回収された溶媒は結晶化150に再使用される。
【0210】
一部の実施形態で、2次産物結晶232は溶液250を形成するために溶解240されて結晶化150の前に処理された液体1020と併合される。任意で処理された液体1020は併合前に処理される。任意で、処理された液体1020内の不純物は、例えばろ過及び/又は活性炭素処理130によって処理の一部として除去される。
【0211】
図3は、一般的に示される母液200から追加的なL−メチオニンを回収するための方法201の図式的な描写である。描写された例示的方法201によれば、母液200はメタノール212の回収のために蒸留210され、これは任意で方法100の結晶化150に再利用される。方法100と201はいずれも方法1000の例示的な実施形態である。
【0212】
図示された例示的な実施形態で、蒸留210はL−メチオニンの2次結晶化220が起き得るように液体内のL−メチオニンの濃度を増加させる。任意で2次結晶化220の過程での冷却は結晶化工程に寄与する。
【0213】
2次分離230(例えば、遠心分離及び/又はろ過による)はL−メチオニン結晶232の2次産物と「パージ母液」300を生産する。一部の実施形態で、液体300は残液として提供される。
【0214】
一部の実施形態で、遊離酢酸を含む残液の形成は強酸(例えば、硫酸)との接触を含む。
【0215】
一部の実施形態で、遊離酢酸を含む残液の形成は圧力下でCO
2との接触及び少なくとも部分的に遊離酸形態の陽イオン交換体との接触のうち少なくとも1つを含む。
【0216】
任意で、結晶232は溶解240されて溶解された2次結晶250を生産する。本発明の一部の例示的な実施形態において、溶解された2次結晶250は活性炭素処理及び/又はろ過130の前に処理された液体1020に添加される。
【0217】
図4は、一般的に示される残液から副産物を回収するための例示的な方法301の図式的な描写である。図示された例示的な実施形態で、パージ母液300は残液として提供される。描写された例示的方法で、パージ母液300は有機溶媒を含む抽出剤で抽出310されて溶媒及び水性相314を含む抽出物312を生産する。
【0218】
一部の実施形態で、抽出物312及び/又はパージ母液300のpHは≦4.5、≦4.3、≦4.1、又は甚だしくは≦3.9に調整される。任意で、かかる調整は硫酸を利用して行われる。
【0219】
代替的又は追加的に、一部の実施形態で、アンモニウムサルフェートの濃度及び/又は酸性化された液体620の温度(
図6参照)は抽出中にアンモニウムサルフェートの結晶化を防止するように調整される。一部の実施形態で、かかる調整は酢酸と共に同時−抽出される水を考慮して行われる。任意で、酸性化された液体620内のアンモニウムサルフェート濃度は12wt%〜25wt%の範囲内であり/であるか又は、抽出温度は30〜70℃の範囲内、任意で40〜60℃の範囲内、任意で45〜55℃の範囲内である。
【0220】
本発明の様々な例示的な実施形態で、抽出物312はアセテートを回収するために様々な方式で操作される。記述された実施形態において、操作はアンモニア322で逆抽出320して溶液内のアンモニウムアセテート360を生産することを含む。また、逆抽出320は抽出310に再利用され得る抽出剤を再生させる。本発明の一部の例示的な実施形態において、溶媒にはイソブチルアセテート(IBA)が含まれる。
【0221】
一部の実施形態で、溶媒408を含む抽出剤(
図5参照)は以前の作業(例えば、逆抽出320)から再利用される。任意で、かかる再利用は再使用抽出410の前に水及び/又は水溶液(例えば、塩基性溶液)で1回以上洗浄することを含む(
図5参照)。
【0222】
代替的又は追加的に、一部の実施形態で、抽出410は逆流方式で行われる。任意で、抽出は1、2、3、4又は、甚だしくは5回以上のステップを有する。
【0223】
図示された実施形態で、水性相314はアンモニウムサルフェートを含む。 任意で、結晶化330はアンモニウムサルフェートの一部を結晶340に沈殿させてアンモニウムサルフェートを含む残液肥料350から分離できる。 代替的又は追加的に、アンモニウムサルフェート結晶340は肥料成分として使用され得る。
【0224】
一部の実施形態で、アンモニウムサルフェート結晶340の収率は少なくとも40、45、50、55又は、甚だしくは60%以上である。
【0225】
一部の実施形態で、アンモニウムアセテート360の収率は少なくとも85、90、93又は、甚だしくは96%以上である。
【0226】
一部の実施形態で、アンモニウムサルフェート結晶340の純度は少なくとも85、87、89又は、甚だしくは92%以上である。
【0227】
一部の実施形態で、アンモニウムアセテート360の純度は少なくとも95、96、97又は、甚だしくは98%以上である。
【0228】
一部の実施形態で、アンモニウムサルフェート結晶化330は加熱を含む。任意で、かかる加熱は蒸気相で残留酢酸の分離を引き起こす。任意で、当該残留酢酸は凝縮され、例えば、逆浸透圧によって濃縮される。代替的又は追加的に、加熱は溶解された/流入された溶媒の蒸発を招く。
【0229】
図5を参照すると、一部の実施形態で、回収1050(
図1参照)は遊離酢酸を含む残液(ここではパージ母液300として図示される)の形成と遊離酢酸の分離を含む。描写された例示的な実施形態で、有機溶媒408を含む抽出剤での抽出410を介して分離して遊離酢酸440含有抽出物430を形成する。
【0230】
任意で、アンモニア422を用いた逆抽出320は溶液中にアンモニウムアセテート460(例えば、アセテート1052)を形成し、有機溶媒408を含む抽出剤を再生することができる。
【0231】
図6を参照すると、本発明の一部の例示的な実施形態において、遊離酢酸の形成は液体(パージ母液300が描写される)を強酸610(例えば、硫酸)と接触させて酸性化された液体620を形成することを含む。強酸はpKa=4を有する任意の無機酸又は有機酸であり得る。
【0232】
一部の実施形態で、酸610は濃縮硫酸であり、液体300への添加は熱を発生させる。任意で、酸性化された液体の温度は抽出650に好ましい温度に近接するか、又は甚だしくは好ましい温度に到達する。
【0233】
一部の実施形態で、酸性化された液体620は3乃至5、任意で3.5乃至4.5、任意で約4.0のpHを有する。任意で、酸610は液体300内のアンモニウムの量に対して化学量論的に同量又はそれより多い量で添加される。任意で、化学量論的に過量は1、3、5、8%を超えるか、又は甚だしくは10%以上である。液体300が緩衝試薬を含む場合であれば、さらに多くの量の酸610が希望するpHに到達するために要求され得る。
【0234】
本発明の一部の例示的な実施形態において、酸性化された残液(例えば、300)は酸性陽イオン交換体と接触して液体内の陽イオンをプロトンに交換する(図示せず)。これらの実施形態によれば、かかる接触は溶液の酸性化に寄与する。
【0235】
代替として、酸性陽イオン交換体は酸性化された残液(例えば、200)と接触し、それによってアンモニウムイオンを吸着する。酸(酢酸又はスクシン酸)を除去するために、例えば抽出又は熱的に安定した遊離塩基陰イオン上への吸着によって、酸性化された残液を処理する。酸の分離後、メチオニンが結晶化され、溶解され、結晶化に再度送られ、アンモニウムを保有する陽イオン交換体は硫酸を利用して再生されて濃縮されたアンモニウムサルフェート溶液を形成する。
【0236】
代替的又は追加的に、メチオニンは本質的に無塩溶液から結晶化される。本発明の一部の例示的な実施形態において、結晶化の前のさらに低い溶質水準は収率の増加に寄与する。本発明の一部の例示的な実施形態において、アンモニウムサルフェート溶液は却って濃縮されて純粋な形態に形成される。場合によっては、別途の結晶化を必要とすることなくそのまま使用され得る。
【0237】
任意で、遊離酢酸を含む残液の形成は圧力下でCO
2との接触を含む。本発明の様々な例示的な実施形態によれば、二酸化炭素の圧力は3、5、7又は10バー(bar)又は中間値以上であり得る。
【0238】
任意で、遊離酢酸を含む残液の形成及び遊離酢酸の分離は同時に行われる。例えば、強酸又は加圧されたCO
2を用いた酸性化及び抽出剤との接触は一部の実施形態で同時に行われる。 代替的又は追加的に、一部の実施形態で、部分的な酸性化が先に行われ、続いて抽出されてさらに多くの量の酸が抽出される間添加される。
【0239】
遊離酢酸分離に対する参照は、分離手段が適用される間(例えば、蒸留及び/又は抽出)、これが遊離酢酸であるが、例えば、遊離酢酸の抽出及び抽出剤内で遊離酸の産物への転換と同様に、回収されたアセテートが遊離酢酸である必要は無いことを示す。
【0240】
任意で、遊離酢酸の分離は、例えば、遊離酢酸を蒸留して遊離酢酸を含む蒸気を形成し、蒸気を酢酸を含む溶液に凝縮させ、 任意で、例えば以後酢酸の抽出のようにこの溶液を追加的に処理する、多重のステップを含む。
【0241】
本発明の一部の例示的な実施形態において、回収は残液からの遊離酢酸の蒸留を含む。 任意で、蒸留は遊離酢酸を含む凝縮水を形成する。
【0242】
一部の例示的な実施形態において、酸性化された母液は3.5〜4.5の範囲でのpH値、 任意でpH4.0を有する。
【0243】
一部の例示的な実施形態において、蒸留された凝縮物は10、12、14、16又は、甚だしくは18%以上のアセテート含量を有する。
【0244】
例示的酸性化の方法
図6は、一般的に示される例示的な液体酸性化方法600の単純化された工程図である。図示された例示的方法600で、酸610(例えば、硫酸)は残液(例示としてパージ母液300が描写される)の酸性化に使用されて酸性化された残液620を形成する。本発明の他の例示的な実施形態において、母液200は残液として提供され得る。一部の実施形態で、方法600は母液200に対して行われ、続いて方法201を行って結晶232を生産する。
【0245】
図示された実施形態で、酸性化された液体620はアンモニウム塩622及び遊離酢酸640を含む。描写された例示的な実施形態で、IBA(イソブチルアセテート)抽出650に続いてアンモニア322を用いた逆抽出320が伴う。この逆抽出は遊離酢酸640を回収されたアンモニウムアセテート660に転換させる。
【0246】
任意で、方法600は液体620から酸610の塩の少なくとも一分画の結晶化を含む(図示せず)。例えば、酸610が硫酸の場合、アンモニウム塩622はアンモニウムサルフェートである。アンモニウムサルフェートの結晶化は
図4の範ちゅう内で記載される。
【0247】
図5を再度参照すると、一部の実施形態で、方法は抽出物430と水の接触を含む。 任意選択で、この接触は酢酸440を水内に抽出して有機溶媒408を含む抽出剤を再生させる。任意選択で、酢酸濃度は水を除去することによって増加され得る。水の除去は、例えば、蒸留、蒸発及び/又は逆浸透圧によって行われ得る。
【0248】
本発明の一部の例示的な実施形態において、方法は貧溶媒 (anti-solvent)と抽出物430の接触及び蒸発を含む。
【0249】
本発明の一部の例示的な実施形態において、方法は遊離酢酸を含む液体(酸性化されたパージ母液620として描写)と抽出剤(IBA抽出650として描写)を接触させて酢酸含有抽出物及び酢酸劣化残液の形成を含む。
【0250】
本発明の様々な例示的な実施形態によれば、「遊離酢酸を含む液体」は遊離酢酸を含む残液又は遊離酢酸を含む凝縮液であり得る。
【0251】
任意で、方法は液体から抽出物を分離して、分離された抽出物及び分離された酢酸劣化残液の形成を含む。
【0252】
一部の実施形態で、抽出剤との接触は選択性抽出を引き起こす。任意で、酢酸/強酸の選択性は少なくとも50、少なくとも100、少なくとも200又は甚だしくは 少なくとも500である。
【0253】
例示的な酢酸の回収
一部の実施形態で、少なくとも1つの有機溶媒を含む抽出剤が液体から酢酸を抽出するために使用される。かかる抽出剤として使用に適した有機溶媒にはアルコール、アルデヒド、ケトン、エステル(例えば、C4−C8エステル)及びアミン(例えば、C≧20原子)が含まれるが、これらに制限されない。一部の実施形態で、アセテートエステルにはC4エステル、例えば、ブチルアセテート及び/又はイソブチルアセテートが含まれる。
【0254】
一部の実施形態で、抽出は1つ以上のアセテートエステルを使用する。任意で、エステルにはブチルアセテート、任意でイソブチルアセテート(IBA)が含まれる。一部の実施形態で、IBAは部分的加水分解の結果として生じたイソブタノールを含む。
【0255】
図4を再度参照すると、一部の実施形態で、抽出310はパージ母液300から酢酸の抽出時に90、92、94、96、又は甚だしくは98%以上の効率である(すなわち、10%未満の利用可能なアセテートが水性相314に残存する)。
【0256】
一部の実施形態で、抽出310は任意で1つ以上の装置を使用して逆流方式で行われる。適した装置にはミキサーセトラ、カラム、振動カラム及び遠心接触器が含まれるが、これらに制限されない。
【0257】
任意で、抽出310は3乃至15、任意で4乃至14ステップにおいて行われる。
【0258】
一部の実施形態で、抽出310は(水性)パージ母液の単位重量当たり2、3、4、5又は甚だしくは6以上単位重量の抽出剤を使用する。
【0259】
代替的又は追加的に、抽出物430で水に対する酢酸440の比率(
図5は15〜40の範囲内、 任意で20〜30の範囲内である。)
【0260】
代替的又は追加的に、抽出剤内の溶媒408の酢酸/硫酸選択性(
図5参照)は50、 任意で100、 任意で200、及び 任意で500以上である。
【0261】
代替的又は追加的に、抽出剤内の溶媒408の酢酸/水選択性は少なくとも10、 任意で少なくとも20、30、及び40である。
【0262】
抽出剤内の使用のための例示的溶媒
本発明の一部の例示的な実施形態において、IBAが溶媒408又は抽出剤内の溶媒混合物の一部として使用される。一部の実施形態で、抽出剤は酸性溶液(例えば、酸性化されたパージ母液、APML)と接触する。
【0263】
周りより高い酸度及び温度は、それぞれIBAの加水分解に寄与する。抽出条件での実験は加水分解が許容可能な水準に引き起こされることを示した。加水分解は抽出された酢酸と併合されてイソブタノール(IB)だけでなくこれと共に抽出物から分離される酢酸を形成する。IBAの構成及び/又はIBAの再形成のための抽出された酢酸との反応によってバランスが取れた一部損失によってIB濃度は抽出剤内で正常状態水準に到達する。
【0264】
一部の実施形態で、再利用された抽出剤は正常状態水準のIBを含む。一部の実施形態によれば、IBの水準は0.1乃至20%、 任意で0.2乃至15%、 任意で0.3乃至10%である。正確な濃度は酸性化されたパージ母液のpH及び/又は抽出温度及び/又はアンモニウムサルフェート濃度及び/又は他の媒介変数によって異なり得る。一部の実施形態で、IBA内のIB含量は抽出効率を増加させる。
【0265】
一部の実施形態で、アセテート1052の回収1050(
図1参照)は酢酸含有抽出物からアセテートを回収して、回収されたアセテートを形成することを包む。
【0266】
図6は、かかる方法の一例を描写している。アンモニウムアセテート660を生産するためのIBA抽出650は回収1050の一例である。PML300が描写されているが、これは任意の残液に対して行われ得る。
【0267】
本発明の様々な例示的な実施形態によれば、回収されたアセテートは酢酸及び/又は、酢酸の塩及び/又は酢酸のエステルを含み得る。
【0268】
代替的又は追加的に、回収は分離された抽出物と水を接触して逆抽出された酢酸の形成、及び/又は抽出物と塩基溶液(例えば、アンモニア322)を接触して酢酸の塩及びその塩基(例えば、アンモニウムアセテート660)の形成、及び/又は抽出物と 貧溶媒を接触して酢酸溶液の形成、及び/又は抽出物又はその分画を蒸発させて酢酸溶液(ここで抽出剤は酢酸より高い揮発性を持つ)の形成、及び/又は抽出物から酢酸の蒸発(ここで抽出剤は酢酸より低い揮発性を持つ)、及び/又は抽出物とアルコールを接触させてアルコールと抽出された酢酸との間の反応を誘導して相応するエステルの形成及び続いて抽出剤からのエステルの分離を含み得る。
【0269】
本発明の様々な例示的な実施形態で、逆抽出320はアルカリ塩基、アルカリ土類金属塩基及びアンモニア塩基のうち、1つ以上を含む塩基を利用することができる。この範ちゅう内において、用語「塩基」には酸化物、水酸化物、重炭酸塩及び炭酸塩が含まれる。
【0270】
一部の実施形態で、抽出650は接触装置内で起こる。例示的な接触装置にはミキサーセトラ、カラム、振動カラム及び遠心接触器が含まれる。任意で、接触は水又は水溶液を利用する。
【0271】
任意で、この接触は多段階の逆流方式で行われる。一部の実施形態で、この接触のための水/抽出物の比率(w/w)は2〜6の範囲内での単位重量の水に対して1単位重量の抽出物である。代替的又は追加的に、この接触は3乃至15、 任意で4乃至14ステップで行われる。代替的又は追加的に、逆抽出320の収率は少なくとも90、少なくとも93、少なくとも95、少なくとも97、又は甚だしくは99%以上である。代替的又は追加的に、形成された水性酢酸溶液の濃度は少なくとも10、任意で少なくとも12、任意で少なくとも14、任意で少なくとも18%である。
【0272】
一部の実施形態で、接触は塩基溶液との単一ステップの接触である。任意で、この接触はミキサーセトラ又は遠心接触器内で起こる。
【0273】
一部の実施形態で、逆抽出320は 貧溶媒を利用する。本明細書及び添付の特許請求の範囲で使用されるように、用語「貧溶媒」とは抽出剤には適した溶媒で、酢酸440には適さない溶媒である。
【0274】
一部の実施形態で、逆抽出320で 貧溶媒の使用は 貧溶媒内に抽出剤溶液及び分離された酢酸440を含む別個の水性相を生産する。有機溶媒408を含む抽出剤を再生するために、 貧溶媒は溶媒408から分離されるべきである。任意で、この分離はより高い揮発性の成分の蒸発を含む。
【0275】
本発明の様々な例示的な実施形態で、 貧溶媒は例えば、Log Pの溶解度媒介変数によって決められるように、溶媒408を含む抽出剤より高い疏水性を持つものが選択される。一部の実施形態によれば、 貧溶媒は、抽出剤よりは高い疏水性を持つが、オクタンよりは高い極性を持つ。
【0276】
本発明の一部の実施形態は酢酸含有抽出物430と塩基(例えば、アンモニア422)を接触させて塩基の回収されたアセテート塩(アンモニウムアセテート460)を形成することを含む。
【0277】
任意で、逆抽出320試薬内のアンモニア濃度は15乃至25%、任意で19乃至23%、任意で約21%である。一部の実施形態で、逆抽出320内のアンモニウムアセテートの重量比は40%、42%、46%又は、甚だしくは48%以上である。任意で、溶液460は70%、75%又は、甚だしくは80%以上のアンモニウムアセテートを含む。 代替的又は追加的に、溶液460はアンモニウムアセテートの濃縮後860g/L以上のアンモニウムアセテートを含む。アンモニウムアセテート濃度は濃縮前に任意で約520g/Lである。
【0278】
本発明の様々な例示的な実施形態によれば、アンモニア422は溶液、ガス又はこれらの組み合わせで提供され得る。
【0279】
本発明の一部の例示的な実施形態において、逆抽出320は塩基、例えばアンモニア422又は上記のような他の塩基を利用する。本発明の様々な例示的な実施形態によれば、塩基は固形物(例えば、石灰)、ガス(例えば、アンモニア422)又はその水溶液である。
【0280】
本発明の様々な例示的な実施形態によれば、塩基の量は抽出物430内の酢酸の当量当たり0.97〜1.2の範囲、任意で0.98〜1.15の範囲、任意で0.99〜1.1の範囲、及び 任意で1〜1.05の範囲内での当量であるものが選択される。
【0281】
一部の実施形態で、接触は水性アンモニア溶液と行われ、その濃度は溶液460内のアンモニウムアセテートの濃度が少なくとも30、任意で40、任意で50%w/w以上になるように調整される。
【0282】
代替として、一部の実施形態で、接触はアンモニア及びアンモニウムアセテートを含む溶液と行われる。任意で、溶液は0.02乃至50、任意で0.04乃至25、任意で0.05乃至10、任意で0.08乃至5、任意で0.1乃至2のNH
3/アンモニウムアセテートの比率を特徴とする。これらの実施形態によれば、アンモニウムアセテートの添加はさらに低いpHでの逆抽出を許容して抽出剤の分解を最小化する。アンモニアの量は前記化学量論的要件によって決められ、NH
3及びアンモニウムアセテートの濃度は所望のアンモニウムアセテート濃度に到達するように調整される。
【0283】
一部の実施形態で、逆抽出の水性産物は少なくとも2つのストリームに分けられる。第1のストリームは回収された酢酸で、第2のストリームはアンモニアと併合されて逆抽出に再利用するためのアンモニウムアセテート/NH
3溶液を再形成する。任意で、逆抽出の水性産物の濃度は上記定義と同じである。代替的又は追加的に、逆抽出の水性産物のpHは6乃至9、任意で7乃至8の範囲である。
【0284】
一部の実施形態によれば、逆抽出溶液内のアンモニアの量は形成されたアンモニウムアセテートが遊離アンモニアを含むように過量である。一部の実施形態によれば、遊離アンモニアは溶液から蒸留されて出てくる(逆抽出で再使用される)。
【0285】
一部の実施形態によれば、逆抽出相で形成されたアンモニウムアセテート溶液は>40%、>50%、>60%、>70%以上にさらに濃縮される。一部の実施形態によれば、溶液は過量のアンモニアを含み過量のアンモニアは濃縮の過程で除去される。
【0286】
一部の実施形態によれば、アンモニウムアセテート溶液は抽出剤から一部溶解されるか流入されたIBA及び/又はIBを含む。一部の実施形態によれば、この溶媒はアンモニウムアセテート溶液の濃縮の過程で、少なくとも部分的に、蒸留されて出てくる。
【0287】
図5を参照すると、逆抽出320が起こる温度は上記のようなアンモニウムアセテート溶液を用いたアンモニア溶液422又はアンモニアの流入される抽出物430の温度(任意で抽出によって加熱される )によって、そして、逆抽出時に発生する一部の熱によって決められる。典型的に、調整される必要はないが、温度をおおよそ周りの温度に制限するために若干の冷却が必要な場合もある。
【0288】
一部の実施形態で、不純物を除去するために酢酸の逆抽出320の前に少量の塩基を含む水溶液に抽出物430を洗浄する。抽出物の選択性によって不純物は本質的に酢酸を損失することなく除去される。
【0289】
任意で、抽出物430内の同時に抽出された硫酸は抽出物内の硫酸の量と同じ量の塩基で洗浄することによって除去される。
【0290】
一部の実施形態で、工程はアンモニウムアセテート溶液460から酢酸及び/又はアンモニアの回収を含む。任意で、この回収は熱処理を含む。
【0291】
図6を参照すると、抽出650に使用されたIBAは逆抽出320の条件で若干反応し得る。かかる反応で、イソブタノール(IB)及び/又はアセトアミドが形成される。
【0292】
一部の実施形態で、IBAの反応を最小化するために逆抽出320の条件が維持される。例えば、温度は任意で周りより高すぎないように維持されるが、周りより低い作業は典型的に要求されない。代替的又は追加的に、溶液のpHを11未満、任意で10.5未満、任意で10未満に維持しつつNH
3+アンモニウムアセテート溶液を用いた逆抽出(上記と同じ)はIBA反応の減少に寄与できる。
【0293】
逆抽出320の検査はかかる条件において溶媒の分解が少ないことを示す(実施例5参照)。
【0294】
一部の実施形態で、逆抽出320分解の間形成されたIBは抽出の間加水分解されたものと併合して共に上述のような正常状態水準に到達する。
【0295】
分解の間アセトアミドが形成される実施形態で、アセトアミドはアンモニウムアセテート溶液660内に流失する。
【0296】
一部の実施形態で、残液は5%wt未満の水溶解度を持つ強い無機酸の塩を含む。本発明の様々な例示的な実施形態によれば、≦5%の水溶解度を持つ塩はカルシウムサルフェート又はカルシウムポスフェートである。
【0297】
本発明の様々な例示的な実施形態によれば、メチルメルカプタンがカルシウム塩又はマグネシウム塩として、又は遊離酸として酵素的処理120に導入され、カルシウム塩基又はマグネシウム塩基によってpHが調整される。任意で、収得された溶液(メチオニン及びアセテート供給源を含む)は細胞分離、炭素処理又はすべてのためにpH5に酸性化される。任意で、pH調節は硫酸ではなく酢酸を用いて行われる。
【0298】
酢酸を用いてpH調整が行われる場合、メチオニン結晶化220の後、形成されたPML300はアセテート供給源として主にカルシウムアセテートを含む。一部の実施形態によれば、その後、PMLは、少なくとも部分的に、硫酸(又は燐酸)を用いて酸性化され(610参照)、それによって石膏(又はカルシウムポスフェート)が形成される。一部の実施形態によれば、かかる低溶解度の塩は(例えば、ろ過及び/又は遠心分離によって)分離され、遊離酸形態の酢酸を含む溶液(遊離酢酸640に酸性化された液体620)を残す。 任意で、その後、上記任意の方法によって遊離酢酸640が分離される。
【0299】
一部の実施形態によれば、以下に記載のように、カルシウム塩基を用いたアンモニア回収の結果として低溶解度塩が形成される。
【0300】
一部の実施形態で、残液はアンモニウム供給源を含み、方法は残液からアンモニウム供給源の少なくとも一部を回収されたアンモニウムとして回収することを含む。
【0301】
任意で、残液はアンモニウムアセテートを含む。本発明の様々な例示的な実施形態によれば、アンモニウム供給源内の及び回収されたアンモニウム内のアンモニウムはアンモニウム塩と遊離−塩基アンモニアからそれぞれ独立して選択される。
【0302】
図7を参照すると、一部の実施形態で、方法は残液(例えば、パージ母液1210)をカルシウム塩基(例えば、石灰1220)と接触させて遊離−塩基アンモニアとカルシウム塩(例えば、カルシウムアセテート1222)を形成し、遊離−塩基アンモニアを分離して回収されたアンモニウム1224及びカルシウム塩を含む分離されたアンモニア劣化残液を形成することを含む。
【0303】
一部の実施形態で、この方法は強酸1225を分離されたアンモニア劣化残液に添加して酸のカルシウム塩1232及び遊離酢酸1230を含む残液を形成し、酢酸の少なくとも一分画を(例えば、蒸発によって)任意で分離してアンモニア及び酢酸が劣化した残液を形成することをさらに含む。様々な実施形態によれば、遊離酢酸の分離は蒸発及び溶媒抽出を含む、上記のような方法を利用する。
【0304】
図示された例示的な実施形態で、酢酸1230の生産はアセテート1052の回収1050の例示である。多くの実施形態で処理が溶液内の遊離酢酸1230を含むものであると結論づけられるとしても、アセテート1250への変換1240はこの点を強調するために描写される。
【0305】
一部の実施形態で、残液はアンモニウムアセテートを含み、アンモニウムの少なくとも一部の回収は残液からアンモニア及び任意で酢酸の一部を蒸留して分離されたアンモニウム(回収されたアンモニウム)及びアンモニア劣化残液を形成することを含む。
【0306】
任意で、残液はアンモニウムアセテートを含みアンモニウムの少なくとも一部の回収は残液を加圧されたCO
2及び/又は抽出剤と接触させることを含む。本発明の様々な例示的な実施形態で、加圧されたCO
2及び/又は抽出剤との接触はアンモニウムカーボネート及び/又はアンモニウムバイカーボネート及び酢酸が負荷された抽出物を形成する。一部の実施形態によれば、アンモニウムカーボネート/アンモニウムバイカーボネート含有水溶液が回収されたアンモニウムとして用いられる。他の実施形態ではアンモニウムカーボネート/アンモニウムバイカーボネートは結晶化され、この結晶がアンモニウム供給源として用いられる。
【0307】
形成された石膏が石膏ボード(又はセメント内)のような適用に十分に高い品質を有する実施形態で、塩基間の価格差と肥料価格の変動を考慮すると、これはアンモニウムサルフェートよりも魅力的な副産物であり得る。石膏の品質はクエン酸及び乳酸の生産で形成されたものと類似であることができる。
【0308】
代替的又は追加的に、石膏及び酢酸の分離後パージは廃水処理に経済的に送られ得る。任意で、不純物の一部の前処理後又はパージング後、石膏及び酢酸の分離後のパージは酵素反応システムを希釈するために使用されることができ、それによって蒸発費用を節減できる。
【0309】
石灰と接触1220するフィード内のアンモニウムイオン濃度はパージ母液1210内のアンモニウムアセテートの濃度によって異なる。
【0310】
本発明の様々な例示的な実施形態によれば、石灰との接触1220はカルシウムオキサイド、カルシウムハイドロキシド、カルシウムカーボネート及びカルシウムバイカーボネートの1つ以上との接触を含む。
【0311】
一部の実施形態で、接触1220に使用された石灰の量はPML1210内のアンモニウムの量と同等であるかモル基準で1、2、5、又は10%以上である。
【0312】
一部の実施形態で、遊離アンモニア1224は回収されたアンモニウムとして用いられる。一部の実施形態で、遊離アンモニア1224は凝縮されて回収されたアンモニウムとして用いられるアンモニア溶液を形成する。
【0313】
一部の実施形態で、回収されたアンモニウムの少なくとも一分画は発酵産物の生産に使用される。本発明の様々な例示的な実施形態によれば、回収されたアンモニウムは発酵に窒素供給源を提供する。任意で、発酵はアミノ酸(例えば、リシン又はトレオニン又はバリン)又はアミノ酸前駆体(例えば、OAHS又はOSHS)を生産する。
【0314】
代替的又は追加的に、回収されたアンモニウムの少なくとも一分画はアンモニアメチルメルカプタンの製造及び/又は酵素的反応120の培地の中和又はpH調整に使用される。
【0315】
一部の実施形態で、方法は:残液からアンモニウム塩を結晶化して結晶性アンモニウム塩及び分離されたアンモニア劣化残液を形成することを含む。任意で、アンモニウム塩にはアンモニウムアセテート、アンモニウムカーボネート及びアンモニウムバイカーボネートの1つ以上が含まれる。
【0316】
追加の例示的方法
図9は、一般的に方法2000で示されるメチオニンを生産する方法の単純化された工程図である。描写された例示的方法2000は多くの方式において方法100(
図2参照)と類似し、符号2NNNと表示される項目は
図2で符号NNNと表示される項目に対応する。
【0317】
図示された例示的方法2000はO−アセチルホモセリン及びO−スクシニルホモセリンで構成された群から選択されたL−メチオニン前駆体を含む発酵液の提供を含む。図示された実施形態で、提供はメチオニン前駆体培養2110から細胞2114の分離2112を含む。
【0318】
任意で、発酵液は少なくとも1つの不純物を含む。本発明の様々な例示的な実施形態によれば、少なくとも1つの不純物にはアミノ酸及び/又はビタミン及び/又はミネラル及び/又はアンモニア及び/又は酢酸及び/又はスクシン酸及び/又はメチルメルカプタン及び/又は酵素が含まれる。
【0319】
描写された例示的方法2000は前駆体を酵素的に処理2120してL−メチオニンと、酢酸及びスクシン酸で構成された群から選択された有機酸を含む処理された液体2122を生産することを含む。任意で、少なくとも1つの不純物の少なくとも一部が液体2122に残存する。
【0320】
図示された例示的方法2000は処理された液体2122を改質して結晶化フィードを形成し、結晶化フィードからL−メチオニンを結晶化2150して結晶性L−メチオニン2180及びL−メチオニン劣化母液2200を形成することを含む。
【0321】
本発明の様々な例示的な実施形態によれば、改質には水の除去(例えば、蒸発2140)、活性炭素処理2130、溶質の添加(例えば、溶解された結晶2250)、pH調整、イオン交換、膜ろ過2130及び少なくとも1つの水溶性有機溶媒(例えば、メタノール2212)との接触のうち1つ以上が含まれる。任意で、水溶性有機溶媒はC1−C4アルコール及びこれらの組み合わせで構成された群から選択される。一部の実施形態で、水溶性有機溶媒にはメタノール及び/又はエタノールが含まれる。
【0322】
一部の実施形態で、方法2000は母液2200からの結晶性L−メチオニン2180の分離2160を含む。
【0323】
本発明の様々な例示的な実施形態によれば、結晶性L−メチオニン2180は95、96、97、98.5を超えるか、又は甚だしくは99%を超える純度を特徴とする。
【0324】
代替的又は追加的に、結晶性L−メチオニン2180は1、0.5、0.25未満又は甚だしくは0.1重量%未満のアセテート供給源又はスクシナート供給源を含むことを特徴とする。
【0325】
代替的又は追加的に、結晶性L−メチオニン2180は1、10、20、50を超えるか、又は甚だしくは100PPMを超えるか、又は中間値又はそれ以上の濃度のOAHS又はOSHS含量を特徴とする。
【0326】
代替的又は追加的に、結晶性L−メチオニン2180は1、10、20、50を超える又は甚だしくは100PPMを超えるか、又は中間値又はそれ以上の濃度の少なくとも1つの特定の不純物の含量を特徴とする。
【0327】
代替的又は追加的に、結晶性L−メチオニン2180は2、1.5、1、0.5未満又は甚だしくは0.1%未満又は中間値又はその以下の濃度のD−メチオニン含量を特徴とする。任意で、結晶は実質的に鏡像異性的に純粋である。
【0328】
代替的又は追加的に、結晶性L−メチオニン2180は少なくとも2.0×10
−13の炭素−12に対する炭素−14の比率を特徴とする。
【0329】
代替的又は追加的に、結晶性L−メチオニン2180は0.8、0.6、0.4、0.2未満又は甚だしくは0.1%未満又は中間値又はその以下の濃度である有機酸濃度を特徴とする。
【0330】
本発明の一部の例示的な実施形態において、結晶性L−メチオニン2180は2つ以上のかかる特性を特徴とする。
【0331】
本発明の一部の例示的な実施形態において、結晶性L−メチオニン2180は3つ以上のかかる特性を特徴とする。
【0332】
本発明の一部の例示的な実施形態において、結晶性L−メチオニン2180は4つ以上のかかる特性を特徴とする。
【0333】
本発明の一部の例示的な実施形態において、結晶性L−メチオニン2180は5つ以上のかかる特性を特徴とする。
【0334】
特に言及されない限り、有機酸は遊離酸形態及び/又は塩形態を表す。
【0335】
本発明の一部の例示的な実施形態において、変形は反応産物ストリームとL−メチオニン含有再利用ストリーム2250の併合を含む。
【0336】
一部の実施形態で、反応液2122内のL−メチオニン量の少なくとも85%は結晶性L−メチオニン2180に結晶化される。
【0337】
一部の実施形態で、方法は母液2200からL−メチオニンを分離してL−メチオニン含有再利用ストリーム(溶解された2次結晶2250)及びパージ母液ストリームを形成することを含む。一部の実施形態で、母液2200からL−メチオニンの分離は結晶化して2次結晶性L−メチオニンを形成し、パージ母液から2次結晶性L−メチオニンを分離することを含む。この工程は
図3の範ちゅう内で上記の記述と類似である。
【0338】
本発明の一部の例示的な実施形態において、結晶化フィードは少なくとも1つ、任意で少なくとも5つ、任意で少なくとも10PPMの濃度にL−メチオニン前駆体を含む。
【0339】
任意で、母液からの結晶化は蒸発性結晶化を含む。
【0340】
本発明の様々な例示的な実施形態で、結晶及び2次結晶性L−メチオニンの組成の結晶化条件はいずれも上記の記述と同じである。
【0341】
一部の実施形態で、結晶化フィードストリームからL−メチオニンの結晶化は晶癖改質剤及び/又はL−メチオニン母結晶のうち少なくとも1つの使用を含む。任意で、晶癖改質剤はポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート(TWEEN20で商業的に利用可能である)である。
【0342】
一部の実施形態で、方法は前記母液から有機酸の少なくとも一部を回収された有機酸として回収することを含む。任意で、方法はパージ母液から有機酸の少なくとも一部を回収された有機酸として回収することを含む。
【0343】
本発明の一部の例示的な実施形態において、処理は陰イオン交換体との接触を含み有機酸の少なくとも一分画が陰イオン交換体に吸着される。任意で、陰イオン交換体は任意で遊離塩基形態で/であるか、メチルメルカプタン陰イオンを保有する。
【0344】
本発明の一部の例示的な実施形態において、メチルメルカプタンはその遊離酸形態(CH
3SH)で導入され、酢酸又は酸はスクシン酸はその遊離酸形態に生成される。遊離酸形態のメチルメルカプタンの使用は酵素的処理2120に適さない水準にpHを低下させ得る酸の放出を誘発する。一部の実施形態で、処理2120はpHに対する影響が緩和されるように放出された酸と結合する陰イオン交換体の存在下で行われる。一部の実施形態で、遊離酸形態のメチルメルカプタンはOSHSを含む前駆体培養液2110と共に使用される。この場合、放出された酸は水で相対的へ低い溶解度を持つスクシン酸である。任意で、スクシン酸の沈殿はpHの低下を制限する。
【0345】
任意で、酸が負荷されたレジンの分離後、メチオニンは反応溶液から結晶化され、これにより反応溶液内の無機塩が低くなる。
【0346】
代替的又は追加的に、酸が負荷された陰イオン交換体は酸又はその産物の再生及び回収のために処理される。
【0347】
任意で、陰イオン交換体は熱的に安定で(例えば、Reilexタイプ)酢酸は蒸留によって又はアルコール(例えば、エタノール)との反応によってそこから回収されて相応するエステル(エチルアセテート)を形成する。
【0348】
本発明の一部の例示的な実施形態において、かかる方法はアンモニア及び/又は硫酸の消費の低減に寄与する。これはアンモニウムサルフェートの生産(水の蒸留、結晶化及び乾燥)に関連した費用が相応する程度に減少されることを伴う。
【0349】
代替的又は追加的に、メチオニンは遥かに低い総溶質の溶液から結晶化される。本発明の一部の例示的な実施形態において、結晶化の前により低い溶質水準は増加された歩留まり及び/又は改善された純度及び/又はメチオニン結晶の2次産物の生産に割り当てられた財源の減少に寄与する。
【0350】
本発明の一部の例示的な実施形態において、メチオニン前駆体はO−スクシニルホモセリンで、有機酸はスクシン酸である。これらの実施形態によれば、処理はカルシウムイオンの存在下で行われる。スクシン酸とカルシウムイオンの反応はカルシウムスクシナートの沈殿を招き得る。
【0351】
一部の実施形態で、メチルメルカプタンはそのカルシウム塩形態でOSHSとともに酵素的反応内に導入される。放出された酸はスクシン酸はカルシウムスクシナートに沈殿されて出てくるようになり、それによって所望のpHが維持される。
【0352】
反応の末期に、スクシナート塩はメチオニンの結晶化の前に分離され得る。任意で、その後スクシン酸がその塩から放出される。放出は、例えば、硫酸を用いた酸性化によるものであり得る。
【0353】
本発明の一部の例示的な実施形態において、アンモニアの代わりに石灰が消耗され、アンモニウムサルフェートの代わりに石膏が形成される。
【0354】
一部の実施形態で、メチオニンは遥かに低い総溶質の溶液から結晶化される。本発明の一部の例示的な実施形態において、結晶化の前により低い溶質水準は増加された収率及び/又は改善された純度及び/又はメチオニン結晶の2次産物の生産に割り当てられた財源の減少に寄与する。
【0355】
追加の例示的方法
図10は、一般的に示されるメチオニンの生産の間に有機酸を回収する方法3000に対する図式的な描写である。描写された例示的方法3000はL−メチオニン前駆体を含む発酵液3002の酵素的処理3120を含む。本発明の様々な例示的な実施形態によれば、前駆体はO−アセチルホモセリン(OAHS)及び/又はO−スクシニルホモセリン(OSHS)を含む。処理3120はL−メチオニン3022及び有機酸の供給源3024を生産する。供給源3024は液体3002内の前駆体によって酢酸及び/又はスクシン酸を含み得る。
【0356】
描写された例示的方法は有機酸供給源3024の少なくとも一分画からL−メチオニン3022の少なくとも一部を分離3030して分離されたL−メチオニン3032及び有機酸供給源を含む残液3024を形成して残液から有機酸供給源の少なくとも一部を回収された有機酸3052として回収3050することを含む。回収3050及び分離3030は順に(任意の手順で)又は同時に行われ得る。
【0357】
一部の実施形態で、方法3000は試薬として回収された有機酸3052の使用を含む。一部の実施形態で、回収された有機酸3052は発酵産物の生産に使用される。任意で、発酵産物はカルボン酸及びアミノ酸で構成された群から選択される。任意で、アミノ酸にはリシン、トレオニン、トリプトファン、アルギニン、バリン及びメチオニンのうち1つ以上が含まれる。
【0358】
一部の実施形態で、回収された有機酸3052は発酵液の処理に使用される。
【0359】
一部の実施形態で、回収された有機酸3052は発酵培地内の成分として用いられる。
【0360】
本発明の一部の例示的な実施形態において、L−メチオニン前駆体はO−スクシニルホモセリンで、有機酸はスクシン酸である。大半のかかる実施形態によれば、回収3050は遊離スクシン酸を含む残液の形成及び遊離スクシン酸(回収された有機酸3052として)の分離を含む。
【0361】
材料及びこれを含む産物の例示的組成
一部の実施形態で、下記で構成された群から選択される少なくとも1つの特性を特徴とする、L−メチオニンを含む組成物が提供される:
(i)1、0.5、0.25未満又は甚だしくは0.1%未満のアセテート供給源の含有;
(ii)1、10、20、50、75を超える又は甚だしくは100PPMを超えるOAHS及び/又はOSHS含量;
(iii)1、5を超える又は甚だしくは10PPMを超える少なくとも1つの特定の不純物の含量;及び
(iv)少なくとも2.0×10
−13の炭素−12に対する炭素−14の比率。
【0362】
一部の実施形態で、組成物は1.0、0.8、0.6、0.4、0.2未満又は甚だしくは0.1%未満、又はさらに低いまたは中間値の有機酸を含む。
【0363】
任意で、組成物はこの特徴等の2つ、3つ、4つ又は甚だしくは5つのすべてを特徴とする。
【0364】
代替的又は追加的に、メチオニンの純度は95、96、97、98.5又は甚だしくは99%を超える又は中間値以上の比率である。
【0365】
代替的又は追加的に、メチオニンは2、1.5、1、0.5、0.3未満又は甚だしくは0.1%未満のD−メチオニンを含む。本発明の一部の例示的な実施形態において、メチオニンは実質的に鏡像異性的に純粋である。
【0366】
任意で、L−メチオニンは結晶性L−メチオニンを含む。
【0367】
本発明の一部の例示的な実施形態において、上記のような組成物及び重金属を含む複合物が提供される。
【0368】
本発明の一部の例示的な実施形態において、上記のような組成物を含む飼料及び食品組成物が提供される。本発明の様々な例示的な実施形態によれば、これは機能性食品、食料品又は動物飼料として提供され得る。
【0369】
本発明の一部の例示的な実施形態において、下記で構成された群から選択される少なくとも1つの特性を特徴とする、L−メチオニンを含む組成物が提供される。
(i)L−メチオニンを除く、少なくとも0.05、0.08、0.1、0.15又は、甚だしくは0.2%以上の濃度のアミノ酸、
(ii)少なくとも0.05、0.08、0.1、0.15又は、甚だしくは0.2%以上の濃度のカルボン酸、
(iii)少なくとも0.2、0.3、0.4、0.5、0.7又は、甚だしくは1%以上の濃度のサルフェート、
(iv)少なくとも1、5、10、20、50又は、甚だしくは100PPM以上の濃度のOAHS、及び
(v)少なくとも60、65、70、75、80又は、甚だしくは85%以上の純度。
【0370】
本発明の一部の例示的な実施形態において、下記で構成された群から選択される少なくとも1つの特性を特徴とする、L−メチオニンを含む組成物が提供される。
(i)少なくとも15、18、21、25、28、31又は、甚だしくは35g/L以上のメチオニン濃度、
(ii)少なくとも140、150、160、170、180又は、甚だしくは194g/L以上のアセテート濃度、
(iii)少なくとも20、23、27、30又は、甚だしくは33%以上の総固形物、
(iv)1.05乃至1.25の範囲、 任意で1.1〜1.2の間、 任意で約1.15の比重、及び
(v)少なくとも100、110、120、130、140又は、甚だしくは150g/L以上のアンモニウムサルフェート濃度。
【0371】
本発明の一部の例示的な実施形態において、下記で構成された群から選択される少なくとも1つの特性を特徴とする、L−メチオニンを含む組成物が提供される。
(i)少なくとも100、110、120、130、140又は、甚だしくは150g/L以上のメチオニン濃度、
(ii)0.1%w/w未満のOAHS濃度、
(iii)グルタミン酸、バリン、イソルイシン、ルイシン、チロシン、フェニルアラニン及びトレオニンで構成された群から選択される少なくとも1つの検出可能な量のアミノ酸、
(iv)酢酸を除く0.01、0.02、0.03、0.04又は、甚だしくは0.05wt%以上のカルボン酸の濃度、及び
(v)少なくとも10、12、14、16又は、甚だしくは18重量%以上のメタノール濃度。
【0372】
任意で、かかる類型の組成物は結晶化されたスラリとして提供される。
【0373】
本発明の一部の例示的な実施形態において、下記を含む組成物が提供される。
(i)少なくとも30、40、50、60、70又は、甚だしくは80%以上のアンモニウムアセテート、
(ii)少なくとも1、5又は甚だしくは10PPM以上のアンモニウムサルフェート、及び
(iii)少なくとも1、5又は甚だしくは10PPM以上の、イソブタノール、イソブチルアセテート、アセトアミド及びメチオニンで構成された群から選択される化合物、任意で2つの化合物、任意で3つの化合物。
【0374】
本発明の一部の例示的な実施形態において、前記組成物は発酵液の成分として提供される。
【0375】
本発明の一部の例示的な実施形態において、少なくとも30、40、50、60、70、80、85、90又は、甚だしくは95%以上のアンモニウムサルフェート、及び少なくとも1、5又は10PPM以上のアンモニウムアセテート、イソブタノール、イソブチルアセテート、アセトアミド及びメチオニンで構成された群から選択される1つ、任意で少なくとも2つ、任意で少なくとも3つの化合物を含む組成物が提供される。任意で、前記組成物は肥料の成分として提供される。
【0376】
本発明の一部の例示的な実施形態において、少なくとも90%イソブチルアセテート、イソブタノール、及びアセトアミドと酢酸のうち少なくとも1つを含む組成物が提供される。
【0377】
例示的な追加試薬
図2を再度参照すると、追加試薬124は一次的にOAHS又はOSHSをメチオニンに変形する酵素的処理120の要件を満たすように選択される。処理120は2つの主要要件を有する。
【0378】
OAHSがL−メチオニン前駆体の場合、処理120の第1の要件は補助基質としてメチルメルカプタンに対するものである。OAHSのメチオニンへの酵素的転換は硫黄供与体としてメチルメルカプタンを使用し酵素は反応産物としてOAHSからアセチル基を放出する。したがって、処理120にはメチルメルカプタン供給源が追加試薬124に含まれることを要求する。
【0379】
処理120の第2の要件は酵素加工性及び/又は特異性を保証するための酸性環境である。
【0380】
また、添加され得る可能な追加成分124の範囲があり、その範囲内で特定の試薬124の選択はすべて下位副産物の回収に質的及び量的の両方に影響を与え得る。
【0381】
本発明の様々な例示的な実施形態によれば、処理120の補助基質として提供するために追加試薬124内に含まれるメチルメルカプタンの特定の塩の選択は回収され得る下位副産物の類型及び/又は量に影響を及ぼす。
【0382】
本発明の一部の例示的な実施形態において、アンモニウム−メチルメルカプタンの使用は下位でアンモニウムサルフェート及び/又はアンモニウムアセテートのようなアンモニア塩の回収能力に寄与する。本発明の他の例示的な実施形態において、カルシウム−メチルメルカプタンの使用は下位で、これらに制限されるものではないが、カルシウムアセテート及び/又はカルシウムサルフェートを含むカルシウム塩の回収能力に寄与する。
【0383】
発明の様々な例示的な実施形態で、硫酸又は酢酸は追加試薬124内に含まれて処理120のための酸性環境を提供する。本発明の一部の例示的な実施形態において、硫酸の使用は下位でアンモニウムサルフェートのようなサルフェートの回収能力に寄与する。本発明の他の例示的な実施形態において、酢酸の使用は、これらに制限されるものではないが、アンモニウムアセテート及び/又はカルシウムアセテートを含むアセテート塩、及び/又は下位で酢酸の回収能力に寄与する。
【0384】
本発明の一部の例示的な実施形態において、追加試薬124の中に硫酸のような強酸を含有することは抽出310時に工程上の負担を減少することに寄与する。本発明の他の実施形態で、追加試薬124の中に酢酸のようなカルボン酸を含有することは抽出310時に工程上の負担の増加に寄与する。
【0385】
代替的又は追加的に、追加試薬ら124の中で硫酸のような強酸の含有は1次L−メチオニン180の収率減少に寄与する。
【0386】
パージ母液の例示的酸性化前処理
図7は、一般的に示されるパージ母液のための酸性化前処理1200の単純化された工程図である。描写された例示的方法1200はアンモニウムアセテート1212を含むパージ母液1210を提供し、この液体を石灰と接触1220させて遊離アンモニア1224及びカルシウムアセテート1222を生産することを含む。任意で、石灰はカルシウムオキサイド及び/又はカルシウムハイドロキシドを含む。
【0387】
描写された例示的な実施形態はカルシウムアセテート1222と酸を接触1230させて酸のカルシウム塩1232を沈殿させ酢酸1230を放出させることを含む。任意で、酢酸1230は溶液に残存する。
【0388】
任意で、1230に使用された酸は硫酸でカルシウム塩1232はカルシウムサルフェート(石膏)である。
【0389】
描写された例示的な実施形態は酢酸1230をアセテート塩1250に変換1240することを含む。本発明の一部の例示的な実施形態において、アセテート塩1250はアンモニウムアセテートである。
【0390】
例示的な抽出方法
図8は、一般的に示される母液からアセテートを抽出する方法1300の単純化された工程図である。描写された例示的方法1300はアセテート供給源1312を含む母液1310を提供することを含む。本発明の例示的な一部の実施形態によれば、母液1310はパージ母液である。任意で、アセテート供給源1312には酢酸及び/又はアセテートエステル及び/又はアセテート塩が含まれる。
【0391】
描写された例示的方法1300は液体1310を強酸で酸性化1320して酸性化された液体1322を生産することを含む。描写された実施形態で、硫酸1321は強酸として提供される。
【0392】
描写された例示的方法1300は有機溶媒を含む抽出剤1232で酸性化された液体1322を抽出1330し、酢酸1342を含む抽出物1340を生産することを含む。任意で、有機溶媒はイソブチルアセテート(IBA)を含む。
【0393】
描写された例示的方法1300はアンモニア1352で抽出物1340を逆抽出1350してアンモニウムアセテート1360を生産して抽出剤1232を再生することを含む。
【0394】
代替的な例示的な実施形態で、水を用いた抽出物1340の逆抽出(図示せず)(描写せず)は酢酸の水溶液を生産し(図示せず)抽出剤1232を再生する。
【0395】
代替的な例示的な実施形態で(図示せず)、抽出物1340の蒸留は逆抽出1350を替える。蒸留は抽出物1340内の抽出剤1232から酢酸1342を分離するために提供される。
【0396】
他の代替的な例示的な実施形態で(描写せず)、抽出物1340はアルコールと接触してアセテートエステルを生産して抽出剤1232を再生する。任意で、アルコールはエタノールでエステルはエチルアセテートである。任意で、接触は逆流抽出を含む。任意で、逆流抽出は2、3、4又は5つ以上の抽出ステップを含む。
【0397】
本特許の存続期間の間OAHS及び/又はOSHSをメチオニンに転換させる多くの酵素が開発されるであろうことが予想され、本発明の範ちゅうは、かかる新しい技術をすべて含むものとして意図される。
【0398】
代替的又は追加的に、本特許の存続期間の間OAHS及び/又はOSHSを生産する複数の微生物及び/又はこれらの前駆体をメチオニンに転換する微生物が開発されるであろうことが予想され、本発明の範ちゅうは演繹的にかかる新しい技術をすべて含むものとして意図される。
【0399】
本発明がその特定の実施形態とともに記述されている場合も、多くの代替物、変形及び変更が当該業界の通常の技術者に自明であろうことは明らかである。したがって、添付の特許請求の範囲の範ちゅうに属するかかる全ての代替物、変形及び変更を含むものとして意図される。
【0400】
具体的に、様々な数的指標が使用された。これらの数的指標は本発明に統合される様々な工学原理、材料、意図された用途及び考案を根拠に追加的にさらに異なり得るものであると理解されるべきである。また、本発明の例示的な実施形態に属し単一の単位で描写された成分及び/又は作業は下位単位に分かれ得るものである。逆に、本発明の例示的な実施形態に属し下位単位/個別的作業で描写された成分及び/又は作業は記述された/描写された機能を有する単独単位/作業に併合され得る。
【0401】
代替的又は追加的に、方法を説明するために使用された特徴は装置を特定するために使用されることができ、装置を説明するために使用された特徴は方法を特定する使用され得る。
【0402】
上記した個別的な特徴は本発明の追加的実施形態を作るために全ての可能な組み合わせ及び下位の組み合わせに併合され得る。前記に与えられた例示は事実上例示であって下記の請求範囲によって定義される本発明の範囲を制限することを意図するものではない。具体的に、本発明は微生物発酵によってOAHS及び/又はOSHSからL−メチオニンを生産する範ちゅう内で記述されたが、メチオニン前駆体が細胞培養及び/又は形質転換植物及び/又は形質転換動物で生産される対等な方法でも使用され得る。
【0403】
それぞれの個別的刊行物、特許又は特許出願が本明細書に参照として含まれることが具体的かつ個別的に明示されるものと同じ水準で、本明細書で言及された全ての刊行物、特許及び特許出願は完全に本明細書内に参照として含まれる。また、本明細書で任意の参照に対する引用又は確認はかかる参照が本発明の先行文献として利用可能であるという承認として解釈されないものである。
【0404】
本明細書で使用されたように、用語「含む」及び「持つ」及びこれらの活用様態は「含むが必需であると制限されない」ことを意味する。
【0405】
制限することを意図しない、下記実施例の調査の後、本発明の様々な実施形態の追加的な目的、利点、及び新規の特徴が当該業界の通常の技術者にとって自明であろう。また、上述されて下記特許請求の範囲の項目で請求されたような本発明の様々な実施形態及び側面のそれぞれは下記実施例において実験的な裏づけが確認されるものである。
【実施例】
【0406】
以下、前記記載とともに非制限的な方式で本発明を説明する下記実施形態が参照される。
【実施例1】
【0407】
2つの結晶化ステップによるメチオニン生産
メチオニンの収率向上の可能性を調べるために、OAHSを含む発酵液を上記のように酵素的に処理して2ステップの結晶化を行った。
【0408】
酵素的処理後、前記液体は1.5%体積比の酵素溶液、70g/L濃度のメチオニン、0.5g/L濃度のOAHSを含み、メチオニンを2つの結晶化ステップを含むシステムで前記液体から分離した。1次結晶化150は2次結晶化220からの再利用ストリームと当該液体の併合によって形成された溶液を処理した。1次結晶化で形成された結晶を1次結晶性メチオニンと称した。1次結晶化は母液(ML)を形成した。メチオニンは母液から結晶化されて2次結晶性メチオニン及びパージ母液(PML)として言及される2次母液を形成した。2次結晶性メチオニンはメチオニンを含む液体と併合されて1次結晶化に対するフィードを形成した。
【0409】
メチオニン液体を2次結晶化ステップからの結晶と混合した。硫酸を添加してpHを5に調整した。混合物を活性炭素で処理して不純物と酵素を除去した。その後、混合物を蒸発させて150g/Lのメチオニン濃度に濃縮し、続いて55℃から25℃に冷却して晶癖改質剤(Tween20)を使用してバッチ(batch)方式でメタノール補助結晶化(メタノール相対体積は結晶化フィードの17%である)を行った。結晶を洗浄してMLから分離した。MLは1次結晶化フィード内の25%のメチオニン含量を含む。乾燥後、結晶産物が形成されて特徴を分析した。その結果を表1に要約した。MLを蒸発させてメタノールを回収し(98.5%回収)、次いでMLを蒸発させて38g/Lから150g/Lにメチオニン濃度を濃縮した。その後、これを55℃から35℃に冷却してバッチ方式で結晶化した。結晶を洗浄しPMLから分離した後、上記のようなメチオニン液体と混合した。PMLは1次結晶化フィード内の7%のメチオニン含量を含む。2次結晶の再利用を考慮すると、全体結晶化歩留まりは93%であった。PMLを分析してその結果を表2に要約した。
【0410】
表1及び2に提示された結果は、本方法が高純度の結晶性L−メチオニンを生産できることを表す。
【0411】
本実施例は酵素的処理によって生産されたL−メチオニンの>92%が高純度結晶に回収され得ることを説明する。
【0412】
【表1】
【0413】
【表2】
【実施例2】
【0414】
PMLからの酢酸の回収
PMLからの酢酸の回収に対する実現可能性を立証するために、実施例1からのPMLに硫酸を添加してpH4になるようにまずは酸性化させた後、逆流抽出器でイソブチルアセテート(IBA)溶媒を使用して連続的に抽出した。抽出ステップの個数は10で、PMLに対するイソブチルアセテートの比率は4:1で、抽出器温度は40℃であった。抽出によって酢酸が負荷された有機相(抽出物)と酸劣化水性相(ラフィネート;例えば水性相314)が取得された。抽出収率は96%であった。
【0415】
有機相とラフィネートを分析し、これらの組成を表3及び4にそれぞれ表した。本実施例は適合した有機溶媒を用いた抽出によって酢酸がパージ母液から回収され得ることを説明する。
【0416】
【表3】
【0417】
【表4】
【0418】
【表5】
【実施例3】
【0419】
アンモニウムサルフェートの回収
副産物としてアンモニウムサルフェートの回収に対する実現可能性を立証するために、実施例2のラフィネートからアンモニウムサルフェートを結晶化した。アンモニウムサルフェートの55%を結晶として分離し、残りはアンモニウムサルフェート含有母液に残した。結晶を乾燥させ、乾燥した結晶及びアンモニウムサルフェート母液を分析した結果を上記表5及び下記表6にそれぞれ表した。かかる結果は結晶形態で多量のアンモニウムサルフェートの回収が実現可能であることを説明する。
【0420】
【表6】
【実施例4】
【0421】
アンモニウムアセテートの回収
アンモニウムアセテートの回収に対する実現可能性を立証するために、実施例2で形成された負荷された抽出剤300mlを25%のアンモニアを含む水溶液35mlと混合した。単一ステップで接触させた。相分離後、56mlの水溶液を回収した。接触器の温度は34℃であった。再生された抽出剤及びアンモニウムアセテートの水溶液を形成した。形成された水溶液の組成を表7に示した。
【0422】
【表7】
【実施例5】
【0423】
逆抽出条件でのIBAの安全性
IBAを含む抽出物の再利用に対する実現可能性を確立するために、延長された時間を通して逆抽出条件でIBAの安全性を調べた。50%水性アンモニウムアセテート溶液を製造した。24%のアンモニア溶液を添加してこの溶液のpHを9.6に調整した。この水溶液をイソブチルアセテートと6日間及び14日間30℃で混合した。イソブチルアルコールを分析するためにイソブチルアセテート上から試料を取った。結果は一日0.045%の平均溶媒加水分解率を表す。かかる結果はIBA抽出物の再利用が実現可能であることを提案するものである。
【実施例6】
【0424】
蒸留による酢酸の回収
蒸留による酢酸の回収に対する実現可能性を調べるために、実施形態1から得たPMLに硫酸を添加して酸性化させてpH4の酸性化されたPML(APML)を形成した。APMLを加熱して沸騰させ、蒸気を収集して分析した。凝縮物は14.5wt%の濃度の酢酸を含む水溶液であることが確認された。凝縮物の組成を表8に要約した。この実施例はAPMLの蒸留によって少なくとも14.5wt%の溶液として酢酸の回収が実現可能であることを説明している。
【0425】
【表8】
【実施例7】
【0426】
回収されたアンモニウムアセテートを使用したOAHS発酵
流加式(fed batch)方法を用いた5L発酵器(New Brunswick Scientific,New Brunswick,N.J.)内の生産条件下で相当量のO−アセチル−L−ホモセリンを生産する当該細菌菌株を検査した。
【0427】
E.coli KCCM 10921P突然変異菌株を接種菌株として使用した。E.coli KCCM 10921PをLBアガープレートから、細胞が6時間、30℃乃至37℃で十分な通気下で攪拌しながら培養される、50mlのフラスコ培養培地を含む500mlバッフル付き(baffled)の三角フラスコに移して増殖させた。
【0428】
50mlのフラスコ培養ブロス(broth)を500mlの接種(seed)培地を含む1L発酵器に接種した後、ひき続き5〜15時間900rpmで30℃乃至37℃で培養した。
【0429】
300mlの接種培養ブロスを1.8Lの主(main)培地を含む5L発酵器に移した。20g/Lの残余グルコース濃度が得られるまで主培養液を30℃乃至37℃でバッチ成長(batch growth)に適用した。その後、フィード培地(アンモニウムアセテート含有又は非含有)供給を開始し、30〜100時間900rpmで30℃乃至37℃で流加式発酵を行った。
【0430】
表9はフラスコ培地、接種培地、アンモニウムアセテート非含有フィード及びアンモニウムアセテート含有フィードの組成を表す。
【0431】
【表9】
【0432】
発酵された溶液内の収得されたO−アセチル−L−ホモセリンの濃度をHPLCで測定し、その結果を表10に表した。
【0433】
【表10】
【0434】
これらの結果はフィードにアンモニウムアセテートの添加が炭素収率に否定的な影響を及ぼすことなく発酵の糖要求量を15%以上低減できることを示す。
【0435】
本発明の方法はO−アセチルホモセリン(OAHS)又はO−スクシニルホモセリン(OSHS)のようなメチオニン前駆体からのL−メチオニンの産業的規模の生産に效果的に使用され得る。