(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6368504
(24)【登録日】2018年7月13日
(45)【発行日】2018年8月1日
(54)【発明の名称】電気コネクタ
(51)【国際特許分類】
H01R 13/6471 20110101AFI20180723BHJP
H01R 13/658 20110101ALI20180723BHJP
H01R 13/6582 20110101ALI20180723BHJP
H01R 13/639 20060101ALI20180723BHJP
H01R 13/52 20060101ALI20180723BHJP
H01R 13/405 20060101ALI20180723BHJP
【FI】
H01R13/6471
H01R13/658
H01R13/6582
H01R13/639 Z
H01R13/52 A
H01R13/52 301H
H01R13/405
【請求項の数】25
【全頁数】23
(21)【出願番号】特願2014-44651(P2014-44651)
(22)【出願日】2014年3月7日
(65)【公開番号】特開2015-170485(P2015-170485A)
(43)【公開日】2015年9月28日
【審査請求日】2016年11月22日
(73)【特許権者】
【識別番号】513314171
【氏名又は名称】宏致電子股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】ACES ELECTRONICS CO.,LTD.
(74)【代理人】
【識別番号】100112427
【弁理士】
【氏名又は名称】藤本 芳洋
(72)【発明者】
【氏名】加藤 宣和
(72)【発明者】
【氏名】吉田 功生
【審査官】
山本 裕太
(56)【参考文献】
【文献】
特開平08−321358(JP,A)
【文献】
特開2011−086473(JP,A)
【文献】
特開2013−149411(JP,A)
【文献】
特開2009−176734(JP,A)
【文献】
中国実用新案第206283050(CN,U)
【文献】
登録実用新案第3202247(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01R 13/40 − 13/72
H01R 24/00 − 24/86
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1コネクタと第2コネクタとを備える電気コネクタであって、
前記第1コネクタは、
第1コンタクトと、
第2コンタクトと、
前記第1コンタクトと前記第2コンタクトとの間に配置された板状のグランドプレートと、
前記第1コンタクト、前記第2コンタクト、及び前記グランドプレートを保持する第1ハウジングと
を備え、
前記第2コネクタは、
前記第1コンタクトと接続される第3コンタクトと、
前記第2コンタクトと接続される第4コンタクトと、
前記第3コンタクト、及び前記第4コンタクトのコンタクト配列方向両端に配置され、前記グランドプレートと接触するグランド金具と、
前記第3コンタクト、前記第4コンタクト、及び前記グランド金具を保持する第2ハウジングと
を備え、
前記グランドプレートは、前記グランド金具と接触する突出部を前記コンタクト配列方向の両側面に備え、
前記グランド金具は、前記突出部の前記コンタクト配列方向の側面と接触し、
前記突出部は、前記グランド金具の先端部と係合し前記第1コネクタからの前記第2コネクタの脱抜を防止する係止部、及び前記グランド金具の前記先端部と接触する接触部を備えることを特徴とする電気コネクタ。
【請求項2】
第1コネクタに接続される第2コネクタである電気コネクタであって、
前記第1コネクタは、
第1コンタクトと、
第2コンタクトと、
前記第1コンタクトと前記第2コンタクトとの間に配置された板状のグランドプレートと、
前記第1コンタクト、前記第2コンタクト、及び前記グランドプレートを保持する第1ハウジングと
を備え、
前記第2コネクタは、
前記第1コンタクトと接続される第3コンタクトと、
前記第2コンタクトと接続される第4コンタクトと、
前記第3コンタクト、及び前記第4コンタクトのコンタクト配列方向両端に配置され、前記グランドプレートと接触するグランド金具と、
前記第3コンタクト、前記第4コンタクト、及び前記グランド金具を保持する第2ハウジングと
を備え、
前記グランドプレートは、前記グランド金具と接触する突出部を前記コンタクト配列方向の両側面に備え、
前記グランド金具は、前記突出部の前記コンタクト配列方向の側面と接触し、
前記突出部は、前記グランド金具の先端部と係合し前記第1コネクタからの前記第2コネクタの脱抜を防止する係止部、及び前記グランド金具の前記先端部と接触する接触部を備えることを特徴とする電気コネクタ。
【請求項3】
第2コネクタが接続される第1コネクタである電気コネクタであって、
前記第1コネクタは、
第1コンタクトと、
第2コンタクトと、
前記第1コンタクトと前記第2コンタクトとの間に配置された板状のグランドプレートと、
前記第1コンタクト、前記第2コンタクト、及び前記グランドプレートを保持する第1ハウジングと
を備え、
前記第2コネクタは、
前記第1コンタクトと接続される第3コンタクトと、
前記第2コンタクトと接続される第4コンタクトと、
前記第3コンタクト、及び前記第4コンタクトのコンタクト配列方向両端に配置され、前記グランドプレートと接触するグランド金具と、
前記第3コンタクト、前記第4コンタクト、及び前記グランド金具を保持する第2ハウジングと
を備え、
前記グランドプレートは、前記グランド金具と接触する突出部を前記コンタクト配列方向の両側面に備え、
前記グランド金具は、前記突出部の前記コンタクト配列方向の側面と接触し、
前記突出部は、前記グランド金具の先端部と係合し前記第1コネクタからの前記第2コネクタの脱抜を防止する係止部、及び前記グランド金具の前記先端部と接触する接触部を備えることを特徴とする電気コネクタ。
【請求項4】
第1コネクタと第2コネクタとを備える電気コネクタであって、
前記第1コネクタは、
第1コンタクトと、
第2コンタクトと、
前記第1コンタクトと前記第2コンタクトとの間に配置された板状のグランドプレートと、
前記第1コンタクト、前記第2コンタクト、及び前記グランドプレートを保持する第1ハウジングと
を備え、
前記第2コネクタは、
前記第1コンタクトと接続される第3コンタクトと、
前記第2コンタクトと接続される第4コンタクトと、
前記第3コンタクト、及び前記第4コンタクトのコンタクト配列方向両端に配置され、前記グランドプレートと接触するグランド金具と、
前記第3コンタクト、前記第4コンタクト、及び前記グランド金具を保持する第2ハウジングと
を備え、
前記グランドプレートは、前記グランド金具と接触する突出部を前記コンタクト配列方向の両側面に備え、
前記グランド金具は、前記突出部の上面及び下面の少なくとも一方と接触することを特徴とする電気コネクタ。
【請求項5】
第1コネクタに接続される第2コネクタである電気コネクタであって、
前記第1コネクタは、
第1コンタクトと、
第2コンタクトと、
前記第1コンタクトと前記第2コンタクトとの間に配置された板状のグランドプレートと、
前記第1コンタクト、前記第2コンタクト、及び前記グランドプレートを保持する第1ハウジングと
を備え、
前記第2コネクタは、
前記第1コンタクトと接続される第3コンタクトと、
前記第2コンタクトと接続される第4コンタクトと、
前記第3コンタクト、及び前記第4コンタクトのコンタクト配列方向両端に配置され、前記グランドプレートと接触するグランド金具と、
前記第3コンタクト、前記第4コンタクト、及び前記グランド金具を保持する第2ハウジングと
を備え、
前記グランドプレートは、前記グランド金具と接触する突出部を前記コンタクト配列方向の両側面に備え、
前記グランド金具は、前記突出部の上面及び下面の少なくとも一方と接触することを特徴とする電気コネクタ。
【請求項6】
第2コネクタが接続される第1コネクタである電気コネクタであって、
前記第1コネクタは、
第1コンタクトと、
第2コンタクトと、
前記第1コンタクトと前記第2コンタクトとの間に配置された板状のグランドプレートと、
前記第1コンタクト、前記第2コンタクト、及び前記グランドプレートを保持する第1ハウジングと
を備え、
前記第2コネクタは、
前記第1コンタクトと接続される第3コンタクトと、
前記第2コンタクトと接続される第4コンタクトと、
前記第3コンタクト、及び前記第4コンタクトのコンタクト配列方向両端に配置され、前記グランドプレートと接触するグランド金具と、
前記第3コンタクト、前記第4コンタクト、及び前記グランド金具を保持する第2ハウジングと
を備え、
前記グランドプレートは、前記グランド金具と接触する突出部を前記コンタクト配列方向の両側面に備え、
前記グランド金具は、前記突出部の上面及び下面の少なくとも一方と接触することを特徴とする電気コネクタ。
【請求項7】
第1コネクタと第2コネクタとを備える電気コネクタであって、
前記第1コネクタは、
第1コンタクトと、
第2コンタクトと、
前記第1コンタクトと前記第2コンタクトとの間に配置された板状のグランドプレートと、
前記第1コンタクト、前記第2コンタクト、及び前記グランドプレートを保持する第1ハウジングと
を備え、
前記第2コネクタは、
前記第1コンタクトと接続される第3コンタクトと、
前記第2コンタクトと接続される第4コンタクトと、
前記第3コンタクト、及び前記第4コンタクトのコンタクト配列方向両端に配置され、前記グランドプレートと接触するグランド金具と、
前記第3コンタクト、前記第4コンタクト、及び前記グランド金具を保持する第2ハウジングと
を備え、
前記グランドプレートは、前記グランド金具と接触する突出部を前記コンタクト配列方向の両側面に備え、
前記グランド金具は、前記突出部の前記コンタクト配列方向の側面と接触し、
前記突出部は、前記グランド金具の先端部と係合し前記第1コネクタからの前記第2コネクタの脱抜を防止する係止部を備え、
前記突出部の前記コンタクト配列方向の側面が前記グランド金具の前記先端部よりも脱抜方向側と接触することを特徴とする電気コネクタ。
【請求項8】
第1コネクタに接続される第2コネクタである電気コネクタであって、
前記第1コネクタは、
第1コンタクトと、
第2コンタクトと、
前記第1コンタクトと前記第2コンタクトとの間に配置された板状のグランドプレートと、
前記第1コンタクト、前記第2コンタクト、及び前記グランドプレートを保持する第1ハウジングと
を備え、
前記第2コネクタは、
前記第1コンタクトと接続される第3コンタクトと、
前記第2コンタクトと接続される第4コンタクトと、
前記第3コンタクト、及び前記第4コンタクトのコンタクト配列方向両端に配置され、前記グランドプレートと接触するグランド金具と、
前記第3コンタクト、前記第4コンタクト、及び前記グランド金具を保持する第2ハウジングと
を備え、
前記グランドプレートは、前記グランド金具と接触する突出部を前記コンタクト配列方向の両側面に備え、
前記グランド金具は、前記突出部の前記コンタクト配列方向の側面と接触し、
前記突出部は、前記グランド金具の先端部と係合し前記第1コネクタからの前記第2コネクタの脱抜を防止する係止部を備え、
前記突出部の前記コンタクト配列方向の側面が前記グランド金具の前記先端部よりも脱抜方向側と接触することを特徴とする電気コネクタ。
【請求項9】
第2コネクタが接続される第1コネクタである電気コネクタであって、
前記第1コネクタは、
第1コンタクトと、
第2コンタクトと、
前記第1コンタクトと前記第2コンタクトとの間に配置された板状のグランドプレートと、
前記第1コンタクト、前記第2コンタクト、及び前記グランドプレートを保持する第1ハウジングと
を備え、
前記第2コネクタは、
前記第1コンタクトと接続される第3コンタクトと、
前記第2コンタクトと接続される第4コンタクトと、
前記第3コンタクト、及び前記第4コンタクトのコンタクト配列方向両端に配置され、前記グランドプレートと接触するグランド金具と、
前記第3コンタクト、前記第4コンタクト、及び前記グランド金具を保持する第2ハウジングと
を備え、
前記グランドプレートは、前記グランド金具と接触する突出部を前記コンタクト配列方向の両側面に備え、
前記グランド金具は、前記突出部の前記コンタクト配列方向の側面と接触し、
前記突出部は、前記グランド金具の先端部と係合し前記第1コネクタからの前記第2コネクタの脱抜を防止する係止部を備え、
前記突出部の前記コンタクト配列方向の側面が前記グランド金具の前記先端部よりも脱抜方向側と接触することを特徴とする電気コネクタ。
【請求項10】
前記グランド金具は、前記突出部の上面または下面と接触し、
前記突出部は、前記グランド金具の先端部と係合し前記第1コネクタからの前記第2コネクタの脱抜を防止する係止部を備え、
前記突出部の上面または下面が前記グランド金具の前記先端部よりも脱抜方向側と接触することを特徴とする請求項4〜6の何れか一項に記載の電気コネクタ。
【請求項11】
第1コネクタは、第1ハウジングの外周を覆う第1シェルを備え、
第2コネクタは、第2ハウジングの外周を覆う第2シェルを備えることを特徴とする請求項1〜10の何れか一項に記載の電気コネクタ。
【請求項12】
前記第2シェルは、前記第1シェルの内壁と接触する可撓性の接触子を備えることを特徴とする請求項11記載の電気コネクタ。
【請求項13】
前記第1コネクタまたは前記第2コネクタの何れか一方を上下反転させて嵌合可能な請求項1〜12の何れか一項に記載の電気コネクタ。
【請求項14】
前記第1コネクタは、前記第1コンタクト、前記第2コンタクト、及び前記グランドプレートの中の少なくとも一つがインサート成形されていることを特徴とする請求項1〜13の何れか一項に記載の電気コネクタ。
【請求項15】
前記第1コネクタは、前記第1コンタクトと前記第2コンタクトとが上下方向に重なり合わない複数の非重複部分を有し、
前記グランドプレートは、少なくとも一つの前記非重複部分に相当する位置にインサート成形時に金型パーツが貫通する開口部を備えることを特徴とする請求項14記載の電気コネクタ。
【請求項16】
前記第1コネクタは、前記第1コンタクト、前記第2コンタクト、前記グランドプレート、及び前記第1シェルがインサート成形されていることを特徴とする請求項11または12記載の電気コネクタ。
【請求項17】
前記第1コネクタには、前記第1シェルの内壁面と前記第1ハウジングの外壁面との隙間に防水処理が施されていることを特徴とする請求項11または12記載の電気コネクタ。
【請求項18】
前記防水処理は、前記第1シェルと前記第1ハウジングとの隙間にシール剤を充填することにより施されることを特徴とする請求項17記載の電気コネクタ。
【請求項19】
前記防水処理は、前記第1シェルと当接するパッキンを前記第1ハウジングの外壁面に備えることにより施されることを特徴とする請求項17記載の電気コネクタ。
【請求項20】
前記防水処理は、前記第1ハウジングと前記第1コンタクトとの隙間、前記第1ハウジングと前記第2コンタクトとの隙間、及び前記第1ハウジングと前記グランドプレートとの隙間の中の少なくとも一つの隙間に施されることを特徴とする請求項17〜19の何れか一項に記載の電気コネクタ。
【請求項21】
前記第1コネクタには、前記第1シェルの外壁面と前記第1ハウジングの後端部をインサート成形によって樹脂で覆う防水処理が施されることを特徴とする請求項11または12記載の電気コネクタ。
【請求項22】
前記第1コネクタは、前記第1シェルまたは前記第1ハウジングの外壁面に、前記第1コネクタが取付けられる電子機器の筐体の内壁面と当接する当接パッキンを備えることを特徴とする請求項11または12記載の電気コネクタ。
【請求項23】
前記グランド金具は、後端部に複数の前記グランド金具同士を連結する連結部を有することを特徴とする請求項1〜22の何れか一項に記載の電気コネクタ。
【請求項24】
前記連結部は、前記第3コンタクトと前記第4コンタクトとの間に配置され前記第1コネクタ側に延びる板状のプレート部を有することを特徴とする請求項23記載の電気コネクタ。
【請求項25】
前記第2ハウジングは、
前記第3コンタクトの先端部、前記第4コンタクトの先端部、及び前記グランド金具を受入れる受入部と、
前記第3コンタクトを保持する第3コンタクト保持部と、
前記第4コンタクトを保持する第4コンタクト保持部と
に分割されていることを特徴とする請求項1〜24の何れか一項に記載の電気コネクタ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気コネクタに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、第1コンタクト群と第2コンタクト群との間に導体を配置することにより、コンタクト間のクロストークの低減を図ったコネクタが存在する(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第5197742号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上述のコネクタを相手方コネクタに嵌合させた状態にロックするため、上述の電気コネクタのシェル部分にロック穴を設けることが考えられる。しかし、シェル部分にロック穴を設けた場合、樹脂等でシェル部分を密封することが難しくなり、防水性が低下するという問題が生じる。
【0005】
本発明の目的は、コンタクト間のクロストークを低減しつつ的確に嵌合させることのできる防水性の高い電気コネクタを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の電気コネクタは、第1コネクタと第2コネクタとを備える電気コネクタであって、前記第1コネクタは、第1コンタクトと、第2コンタクトと、前記第1コンタクトと前記第2コンタクトとの間に配置された板状のグランドプレートと、前記第1コンタクト、前記第2コンタクト、及び前記グランドプレートを保持する第1ハウジングとを備え、前記第2コネクタは、前記第1コンタクトと接続される第3コンタクトと、前記第2コンタクトと接続される第4コンタクトと、前記第3コンタクト、及び前記第4コンタクトのコンタクト配列方向両端に配置され、前記グランドプレートと接触するグランド金具と、前記第3コンタクト、前記第4コンタクト、及び前記グランド金具を保持する第2ハウジングとを備え、前記グランドプレートは、前記グランド金具と接触する突出部を前記コンタクト配列方向の両側面に備えることを特徴とする電気コネクタ。
【0007】
また、本発明の電気コネクタは、第1コネクタに接続される第2コネクタである電気コネクタであって、前記第1コネクタは、第1コンタクトと、第2コンタクトと、前記第1コンタクトと前記第2コンタクトとの間に配置された板状のグランドプレートと、前記第1コンタクト、前記第2コンタクト、及び前記グランドプレートを保持する第1ハウジングとを備え、前記第2コネクタは、前記第1コンタクトと接続される第3コンタクトと、前記第2コンタクトと接続される第4コンタクトと、前記第3コンタクト、及び前記第4コンタクトのコンタクト配列方向両端に配置され、前記グランドプレートと接触するグランド金具と、前記第3コンタクト、前記第4コンタクト、及び前記グランド金具を保持する第2ハウジングとを備え、前記グランドプレートは、前記グランド金具と接触する突出部を前記コンタクト配列方向の両側面に備えることを特徴とする。
【0008】
また、本発明の電気コネクタは、第2コネクタが接続される第1コネクタである電気コネクタであって、前記第1コネクタは、第1コンタクトと、第2コンタクトと、前記第1コンタクトと前記第2コンタクトとの間に配置された板状のグランドプレートと、前記第1コンタクト、前記第2コンタクト、及び前記グランドプレートを保持する第1ハウジングとを備え、前記第2コネクタは、前記第1コンタクトと接続される第3コンタクトと、前記第2コンタクトと接続される第4コンタクトと、前記第3コンタクト、及び前記第4コンタクトのコンタクト配列方向両端に配置され、前記グランドプレートと接触するグランド金具と、前記第3コンタクト、前記第4コンタクト、及び前記グランド金具を保持する第2ハウジングとを備え、前記グランドプレートは、前記グランド金具と接触する突出部を前記コンタクト配列方向の両側面に備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、コンタクト間のクロストークを低減しつつ的確に嵌合させることのできる防水性の高い電気コネクタを提供する。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】実施の形態に係るレセプタクルコネクタの斜視図である。
【
図2】実施の形態に係るレセプタクルコネクタの断面図である。
【
図3】実施の形態に係る第1ハウジングの斜視図である。
【
図4】実施の形態に係る第1ハウジングの斜視図である。
【
図5】実施の形態に係る第1ハウジングを上方から視た図である。
【
図6】実施の形態に係る第1コンタクト、第2コンタクト、及びグランドプレートを示す斜視図である。
【
図7】実施の形態に係る実施の形態に係る第1コンタクト、第2コンタクト、及びグランドプレートを上方から視た図である。
【
図8】実施の形態に係るプラグコネクタを示す斜視図である。
【
図9】実施の形態に係る第2ハウジングを示す斜視図である。
【
図10】実施の形態に係る第2ハウジングを示す斜視図である。
【
図11】実施の形態に係る第2ハウジングを分解した状態を示す斜視図である。
【
図12】実施の形態に係るコンタクト保持部を上下に分割した状態を示す斜視図である。
【
図13】実施の形態に係るレセプタクルコネクタとプラグコネクタを示す斜視図である。
【
図14】実施の形態に係るレセプタクルコネクタとプラグコネクタが嵌合した状態を示す断面図である。
【
図15】実施の形態に係るレセプタクルコネクタとプラグコネクタが嵌合した状態を示す断面図である。
【
図16】実施の形態に係る第1コンタクト、第2コンタクト、グランドプレートをインサート成形するために配置した状態を示す図である。
【
図17】実施の形態に係る第1コンタクト、第2コンタクトが金型パーツで固定された状態を示す斜視図である。
【
図18】実施の形態に係る第1コンタクト、第2コンタクトが金型パーツで固定された状態を示す断面図である。
【
図19】実施の形態に係る第1コンタクト4、第2コンタクト6が金型パーツで固定されて第1ハウジングが形成された状態を示す斜視図である。
【
図20】実施の形態に係る第1ハウジングが形成された状態を示す斜視図である。
【
図21】他の実施の形態に係るグランド金具、及びグランドプレートを示す図である。
【
図22】他の実施の形態に係るグランド金具、及びグランドプレートを示す図である。
【
図23】他の実施の形態に係るグランド金具、及びグランドプレートを示す図である。
【
図24】他の実施の形態に係るグランド金具、及びグランドプレートを示す図である。
【
図25】他の実施の形態に係るグランド金具、及びグランドプレートを示す図である。
【
図26】他の実施の形態に係るレセプタクルコネクタとプラグコネクタを示す斜視図である。
【
図27】他の実施の形態に係るレセプタクルコネクタを示す斜視図である。
【
図28】他の実施の形態に係るレセプタクルコネクタを示す斜視図である。
【
図29】他の実施の形態に係るグランド金具を示す斜視図である。
【
図30】他の実施の形態に係る第1コンタクト、第2コンタクト、グランドプレートを示す斜視図である。
【
図31】他の実施の形態に係る第1コンタクト、第2コンタクト、グランドプレートを上方から視た図である。
【
図32】他の実施の形態に係る第1ハウジングを正面から視た図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態に係る電気コネクタについて説明する。
図1は実施の形態に係るレセプタクルコネクタの斜視図であり、
図2はその断面図である。
【0012】
図1、2に示すように、レセプタクルコネクタ2は、第1コンタクト4、第2コンタクト6、グランドプレート8、及びこれらを保持する第1ハウジング10、並びに第1ハウジング10の周囲を覆う第1シェル部12を備えている。ここで、第1シェル部12内には、プラグコネクタ22(
図7参照)を挿入するための空間である挿入孔14が形成され、第1ハウジング10は挿入孔14に配置されている。なお、第1ハウジング10は、絶縁性を有する樹脂部材によって形成され、第1コンタクト4、第2コンタクト6、グランドプレート8、第1シェル部12は、それぞれ導電性を有する金属部材によって形成されている。
【0013】
図3、4は実施の形態に係る第1ハウジングを示す図であり、
図5はこれを上方から視た図である。
図3〜5に示すように、第1ハウジング10は、平面視矩形状の板状部10a、及び板状部10aを挿入孔14内の所定の位置に保持するボディ部10bを備えている。
【0014】
板状部10aの上面には、複数の第1コンタクト4がインサート成形され、板状部10aの下面には、第1コンタクト4と同数の第2コンタクト6がインサート成形されている。また、板状部10aの内部の第1コンタクト4と第2コンタクト6と中間に位置する位置には、板状のグランドプレート8がインサート成形されている(
図2参照)。
【0015】
また、板状部10aの上面のボディ部10b側には、インサート成形時に金型パーツ60(
図17参照)を挿入するための複数の開口部10dが形成されている。同様に、板状部10aの下面のボディ部10b側にも、金型パーツ60を挿入させる複数の開口部(図示せず)が形成されている。なお、板状部10aの上面の開口部10dは、隣接する第1コンタクト4同士の間に形成され、板状部10aの下面の開口部もまた、隣接する第2コンタクト6同士の間に形成されている。
【0016】
図6は実施の形態に係る第1コンタクト4、第2コンタクト6、及びグランドプレート8を示す斜視図であり、
図7はこれを上方から視た図である。
図6、7に示すように、第1コンタクト4は、第3コンタクト30(
図11参照)と接触する第1接点部4a、及びボディ部10bの後端部g(
図2参照)から突出して図示しない回路基板に接続される第1テール部4bを備えている。同様に、第2コンタクト6は、第4コンタクト32と接触する第2接点部6a、及びボディ部10bの後端部gから突出して回路基板に接続される第2テール部6bを備えている。
【0017】
ここで、第1テール部4bは、第1接点部4aに対して
図7の左側にシフトして連結され、第2テール部6bは、第2接点部6aに対して
図7の右側にシフトして連結されている。このため、
図7に示すように、第1接点部4aと第2接点部6aとを上下方向に重なね合わせて配置すると、第1テール部4bと第2テール部6bとは上下方向に重なり合わなくなる。
【0018】
また、第1接点部4aの先端部4cは、全幅の左半分を切り欠いた形状を有し、第2接点部6aの先端部6cは、全幅の右半分を切り欠いた形状を有している。このため、第1接点部4aと第2接点部6aとを上下方向に重ね合わせて配置した場合、先端部4cと先端部6cもまた上下方向に重なり合わなくなる。
【0019】
また、グランドプレート8の板状部10a側には、コンタクト配列方向の両側面から突出する突出部8aが形成されている。また、グランドプレート8のボディ部10b側には、ボディ部10bの後端部gから突出して回路基板に接続される第3テール部8bが備えられている。また、グランドプレート8の第1テール部4bと第2テール部6bとが上下方向に重なり合わない位置には、インサート成形時に金型パーツ60(
図17参照)が貫通する開口部8cが形成されている。
【0020】
図8は実施の形態に係るプラグコネクタを示す斜視図であり、
図9、10は、実施の形態に係る第2ハウジングを示す図である。
図9、10に示すように、プラグコネクタ22は、第2シェル部26の内部に第3コンタクト30、第4コンタクト32、グランド金具38、及びこれらを保持する第2ハウジング34を備えている。なお、第2ハウジング34は、絶縁性を有する樹脂部材によって形成され、第3コンタクト30、第4コンタクト32、グランド金具38、第2シェル部26は、導電性を有する金属部材によって形成されている。
【0021】
図11は実施の形態に係る第2ハウジング34を分解した状態を示す図である。
図11に示すように、第2ハウジング34は、第3コンタクト30と第4コンタクト32がインサート成形されたコンタクト保持部44とコンタクト保持部44を受け入れる受入部46とに分解される。なお、第2ハウジング34には、グランド金具38が取り外し可能に組み付けられている。
【0022】
ここで、コンタクト保持部44は、
図12に示すように、更に上下方向において、第3コンタクト30を保持する第3コンタクト保持部52と、第4コンタクト32を保持する第4コンタクト保持部54とに分割される。これにより、第3コンタクト保持部52と第4コンタクト保持部54とを別々にインサート成形することが可能となり、コンタクト保持部44を一体として製造する場合と比較して容易にプラグコネクタ22を製造することができる。
【0023】
なお、第3コンタクト保持部52の受入部46側の端部からは、第1コンタクト4と接触する第3接点部30aが露出し、第4コンタクト保持部54の受入部46側の端部からは、第2コンタクト6と接触する第4接点部32aが露出している。また、第3接点部30aと第4接点部32aは、それぞれ上下方向に重なり合う位置に配置されている。
【0024】
また、受入部46には、レセプタクルコネクタ2の板状部10aを受け入れる受入凹部46aが形成され、受入凹部46aの内壁面には、第3接点部30a、及び第4接点部32aが挿入される溝部46bが形成されている。
【0025】
また、グランド金具38は、グランドプレート8と接触する一対のフレーム部38a、及びフレーム部38aの後端部を連結する連結部38bを備えている。このように連結部38bによりフレーム部38aを連結することにより、レセプタクルコネクタ2にプラグコネクタ22を嵌合させた場合にフレーム部38aが揺れ動かないようにすることができ、フレーム部38aが第2ハウジング34に圧入された状態が緩むことを防止することができる。また、フレーム部38aの先端部には、グランドプレート8の突出部8aと係合する爪部38cが形成されている。
【0026】
次に、図面を参照して、実施の形態に係るレセプタクルコネクタ2にプラグコネクタ22を嵌合させる場合について説明する。まず、
図13に示すように、レセプタクルコネクタ2とプラグコネクタ22とが互いに向き合うように配置される。次に、レセプタクルコネクタ2の挿入孔14にプラグコネクタ22の第2ハウジング34が挿入されると、
図14に示すように、第2ハウジング34の受入凹部46aにレセプタクルコネクタ2の板状部10aが受け入れられる。これにより、第1接点部4aが第3接点部30aと接触し、第1コンタクト4と第3コンタクト30とが電気的に接続される。同様に、第2接点部6aが第4接点部32aと接触し、第2コンタクト6と第4コンタクト32とが電気的に接続される。
【0027】
また、
図15に示すように、グランド金具38のフレーム部38aがグランドプレート8の突出部8aの下面と接触すると共に、爪部38cが突出部8aと係合する。これにより、グランド金具38とグランドプレート8とが電気的に接続されると同時に、プラグコネクタ22がレセプタクルコネクタ2に嵌合された状態にロックされ、レセプタクルコネクタ2からプラグコネクタ22が脱抜することが阻止される。なお、グランド金具38は、上下の向きを入れ替えてプラグコネクタ22内に配置されてもよい。この場合、フレーム部38aがグランドプレート8の突出部8aの上面と接触する。
【0028】
次に、図面を参照して、実施の形態に係るレセプタクルコネクタ2に第1コンタクト4、第2コンタクト6、及びグランドプレート8をインサート成形する場合について説明する。まず、
図15に示すように、第1キャリア4xが接続された第1コンタクト4、第2キャリア6xが接続された第2コンタクト6、及び第3キャリア8xが接続されたグランドプレート8が配置される。ここで、第1キャリア4x、第2キャリア6x、及び第3キャリア8xは、図示しない器具によって押さえ付けられ、第1コンタクト4、第2コンタクト6、及びグランドプレート8がそれぞれ所定の位置に保持されている。
【0029】
次に、
図17、18に示すように、金型パーツ60によって第1コンタクト4、及び第2コンタクト6が上下方向から押さえつけられる。なお、この状態において、上下の金型パーツ60の先端部分60aは、グランドプレート8の開口部8c(
図16参照)を貫通している。
【0030】
また、ここでは図示していないが、第1接点部4aの先端部4c、及び第2接点部6aの先端部6c(
図6、7参照参照)もまた、金型部材(図示せず)によって上下方向から押さえつけられる。これにより、樹脂部材の射出成形時に第1コンタクト4、及び第2コンタクト6が揺れ動かないように固定される。
【0031】
次に、
図19に示すように、金型パーツ60、及び金型部材によって、第1コンタクト4、及び第2コンタクト6が固定された状態で樹脂部材が射出成形され、第1ハウジング10が形成される。次に、
図20に示すように、金型パーツ60、金型部材が外された後、第1キャリア4x、第2キャリア6x、及び第3キャリア8xがそれぞれ切除されて、
図3に示す形の第1ハウジング10が完成する。
【0032】
この実施の形態に係る電気コネクタによれば、グランド金具38の爪部38cをグランドプレート8の突出部8aと係合させることにより、レセプタクルコネクタ2にプラグコネクタ22が嵌合された状態にロックすることができる。このため、第1シェル部12の外壁面にロック穴を設ける必要がなくなり、第1シェル部12に防水加工が施しやすくなる。また、第1シェル部12の外壁面にロック穴を設ける必要がなくなることにより、第2シェル部26にロック穴と係合させるバネ等を設ける必要もなくなるため、電気コネクタの小型化、薄型化を図ることができる。
【0033】
また、第1コンタクト4と第2コンタクト6との間にグランドプレート8を配置することにより、第1コンタクト4と第2コンタクト6とを確実に遮断することができ、コンタクト間のクロストークを低減することができる。従って、コンタクト間のクロストークを低減しつつ的確に嵌合させることのできる防水性の高い電気コネクタを提供することができる。また、第1コンタクト4と第2コンタクト6との間にグランドプレート8を配置することにより、レセプタクルコネクタ2の強度や高速伝送性能を向上させることができる。
【0034】
また、レセプタクルコネクタ2には、第1接点部4aと第2接点部6aが上下対象に配置され(
図6参照)、プラグコネクタ22には、第3接点部30aと第4接点部32aが上下対象に配置されているため(
図12参照)、レセプタクルコネクタ2、プラグコネクタ22の何れか一方を上下反転させても接続できるリバーシブルな電気コネクタを提供することができる。なお、この場合において、第1テール部4bと第2テール部6b、第1接点部4aの先端部6cと第2接点部6aの先端部6cは、それぞれ上下方向に重なり合わないため、樹脂部材の圧入時に金型パーツ60、金型部材によって、第1コンタクト4、第2コンタクト6をそれぞれ確実に押え付けることができる(
図17、18参照)。
【0035】
なお、上述の実施の形態においては、レセプタクルコネクタ2、プラグコネクタ22が第1シェル部12、第2シェル部26を備える場合を例に説明しているが、レセプタクルコネクタ2、プラグコネクタ22は必ずしも第1シェル部12、第2シェル部26を備えなくてもよい。
【0036】
また、上述の実施の形態においては、必ずしも第1コンタクト4、第2コンタクト6、及びグランドプレート8の全てが一括してインサート成形される必要はなく、第1コンタクト4、第2コンタクト6、及びグランドプレート8の中の少なくとも一つがインサート成形されていればよい。
【0037】
また、上述の実施の形態において、
図21に示すように、グランド金具38の爪部38cをコンタクト配列方向に突出させ、グランドプレート8の突出部8aに爪部38と係合する係止部8f、及び爪部38cと接触する接触部gを設けてもよい。この場合爪部38が接触部gに接触、かつ係止部8fと係合することにより、レセプタクルコネクタ2からプラグコネクタ22が脱抜することが阻止される。また、
図22に示すように、フレーム部38aが突出部8aの側面と接触するようにしてもよい。
【0038】
また、上述の実施の形態において、爪部38cを突出部8aと係合させず、爪部38cと突出部8aとの間に生じる摩擦力によってレセプタクルコネクタ2からプラグコネクタ22が脱抜することを阻止してもよい。この場合、
図23に示すように、爪部38cを突出部8aの下面と接触させてもよく、
図24に示すように、突出部8aのコンタクト配列方向側面から爪部38cでグランドプレート8を挟み込んでもよい。また、
図25に示すように、グランド金具38に複数のフレーム部38aを備え、上下両面から突出部8aを挟み込んでもよい。なお、
図23に示すグランド金具38は、上下の向きを入れ替えてプラグコネクタ22内に配置されてもよい。この場合、爪部38cが突出部8aの上面と接触する。
【0039】
また、上述の実施の形態において、
図26に示すように、第2シェル部26の外壁面に、第1シェル部12の内壁面と接触する可撓性の接触子55を設けてもよい。これにより、レセプタクルコネクタ2にプラグコネクタ22を嵌合させた場合に、第1シェルと第2シェルとを的確に電気的接続させることができる。
【0040】
また、上述の実施の形態において、第1コンタクト4、第2コンタクト6、グランドプレート8、及び第1シェル部12を一括してインサート成形し、レセプタクルコネクタ2の防水性を向上させてもよい。
【0041】
また、上述の実施の形態において、第1シェル部12の内壁面と第1ハウジング10の外壁面との間に防水処理を施してもよい。例えば、第1シェル部12の内壁面と第1ハウジング10の外壁面との間にシール剤を充填してもよく、第1ハウジング10の外壁面に第1シェルの内壁面と当接するパッキンを備えてもよい。また、第1ハウジング10と第1コンタクト4との隙間、及び第1ハウジング10と第2コンタクト6との隙間、第1ハウジング10とグランドプレート8との隙間の中の少なくとも一つの隙間にシール剤等の防水処理を施してもよい。
【0042】
また、
図27、28に示すように、第1シェル部12の外壁面と第1ハウジング10の後端部10gをインサート成形によって樹脂56で覆い、防水性を向上させるようにしてもよい。
【0043】
また、上述の実施の形態において、レセプタクルコネクタ2を携帯電話等の電子機器の筐体内部に配置し、第1シェル部12の外壁面に電子機器の筐体の内壁面と接触するパッキンを備えてもよい。これにより、電子機器の筐体とレセプタクルコネクタ2との隙間に防水処理を施すことができる。なお、レセプタクルコネクタ2が第1シェル部12を備えない場合、第1ハウジング10の外壁面に電子機器の筐体の内壁面と接触するパッキンを備える。
【0044】
また、上述の実施の形態において、
図29に示すように、グランド金具38の連結部38bに板状のプレート部38fを設けてもよい。この場合、コンタクト保持部44(
図11参照)にプレート部38fを組み付けるとプレート部38fが第3コンタクト30と第4コンタクト32との間に配置される。これにより、第3コンタクト30と第4コンタクト32とを確実に遮断することができ、プラグコネクタ22においてもコンタクト間のクロストークを低減することができる。
【0045】
また、上述の実施の形態において、第1コンタクト4、第2コンタクト6を左または右にシフト(
図7参照)させないように形成し、
図30、31に示すように、第1コンタクト4と第2コンタクト6が上下方向に重ならないように配置してもよい。この場合、
図32に示すように、第1ハウジング10を正面から視た場合、中心部Aの位置を基点として第1コンタクト4と第2コンタクト6とが回転対象となる。この場合においても、レセプタクルコネクタ2、プラグコネクタ22の何れか一方を上下反転させても接続できるリバーシブルな電気コネクタを提供することができる。
【符号の説明】
【0046】
2…レセプタクルコネクタ、4…第1コンタクト、4a…第1接点部、4b…第1テール部、4c…先端部、6…第2コンタクト、6a…第2接点部、6b…第2テール部、6c…先端部、8…グランドプレート、8a…突出部、8c…開口部、10…第1ハウジング、10a…板状部、10b…ボディ部、10d…開口部、12…第1シェル部、22…プラグコネクタ、26…第2シェル部、30…第3コンタクト、30a…第3接点部、32…第4コンタクト、32a…第4接点部、38…グランド金具、38a…フレーム部、38b…連結部、38c…爪部、34…第2ハウジング、44…コンタクト保持部、46…受入部、46a…受入凹部、52…第3コンタクト保持部、54…第4コンタクト保持部